JPH11505152A - 切断ガイド器具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、ヒト大腿骨の頸部（大腿骨頸）（５）の頭部（大腿骨頭）（８）を大腿骨幹（９）に対し所定の角度（αc）およびその頭部（８）の基端との関係で所定の高さ（Ｌc）に正確に切除するのに用いられる切断ガイド器具および方法に関する。切除の間、支持部（１１）は大腿骨に固定される。長尺カイドキャリア（１２）は、支持部（１１）により支持され、大腿骨幹（９）に対し所定切断角度（αc）で大腿骨頸（５）に沿って整合されている。切断ガイド（１３）は、ガイドキャリア（１２）により支持され、かつ該ガイドキャリア（１２）の軸（Ｄ−Ｄ）に沿って所定切断高さ（Ｌc）に相当する切断位置まで移動可能となっている。さらに、本発明はこのような切除を行うための切断ガイド器具の使用に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 切断ガイド器具 発明の技術分野 本発明は、ヒトの股関節に股関節補綴を恒久的に固定することに係わり、特に ヒト大腿骨の頸部（大腿骨頸）の頭部（ｃａｐｕｔ）を大腿骨幹に対し所定の角 度およびその頭部の基端との関係で所定の高さに正確に切除するのに用いられる 切断、鋸引きガイド器具に関する。さらに本発明はそのような器具の使用および 正確切除のための方法に関する。発明の背景 ＷＯ９３／１６６６３号には、ヒト大腿骨の頸部に固定されるようにしたボー ルユニットのための取付け部材からなる股関節補綴が開示されている。この取付 け部材は、大腿骨頸の頭部を切除したのち、大腿骨頸に取付けられるボールある いは頭部を保持する部品を含んでいる。さらにこの取付け部材は２つの主部品か らなる取付け具を含んでいる。つまり、その第１の部品は大腿骨頸から孔部を通 って大腿骨の外側に延びており、第２の部品は大腿骨頸の海綿骨質に切り込まれ た円筒状孔に嵌め込むようにしたものである。この種の股関節補綴は図１に示さ れている。その他の股関節補綴についてはＷＯ９３／０１７６９号およびＷＯ８ ９／１１８３７号にも提案がなされている。 ＷＯ９３／１６６６３号に一般的表現で説明されているように、補綴の強固な 固定を確保するための取付け部材は、図１に示すように大腿骨頸の皮質骨の内側 と係合させるようにすることが好ましい。なぜならば、皮質骨と接触させること により、補綴用取付け部材の機械的弛みの虞れが少なくなるからである。このよ うな係合を達成するための除去されるべき頭部に沿う切除面または切断面Ｐは、 大腿骨の主軸（Ａ−Ａ）に対して正確な所定切断角度αc を以てなされなければ ならない。各患者についてのこの切断角度の具体的値は、通常、大腿骨の放射線 写真から事前に決定することができる。 さらに、この切断面は除去されるべき大腿骨頸頭部の基端との関係で正確な所 定の切断高さＬc を以てなされなければならない。これは患者がびっこにならな いために必要である。この切断高さも患者の大腿骨の放射線写真から事前に決定 することができる。 したがって、本発明の目的は、このような所定の切断角度および切断高さの切 断面に沿って正確に大腿骨頸の頭部を切除することを可能にすることである。 さらに、本発明の目的は、このような正確な切断を迅速かつ信頼性の高い方法 で行うことを可能にすることである。 本発明の具体的目的は、正確かつ信頼性の高い方法で切断角度および切断高さ を決定できる切断ガイド器具を提供すること、およびこのように決定された切断 面に沿って切断刃等を案内することができる切断ガイド器具を提供することであ る。発明の開示 本発明の上記およびその他の目的は、請求の範囲に記載された特徴を有する切 断ガイド器具、方法および使用方法により達成することができる。 すなわち、本発明の切断ガイド器具は、切除の間、大腿骨に固定される取付け 部材を含む支持部と、器具使用時において上記支持部により支持され、かつ大腿 骨幹に対し上記所定の切断角度αc で大腿骨頸に沿って延出する長手方向ガイド キャリアと、該ガイドキャリアにより支持され、かつ該ガイドキャリアの軸に沿 って所定切断高さＬc に相当する切断位置まで移動可能な切断ガイドとを具備し てなる。 本発明の器具は、切断角度および切断高さが決定され、さらに患者の股関節の 転位の後に用いられる。大腿骨幹に対するガイドキャリアの角度により、切断ガ イドすなわち切断面が切断高さに関係なく、大腿骨幹に対する所定の正確な切断 角度が得られる。また、ガイドキャリアの軸に沿う切断ガイドの長手方向の位置 の正しい調整により、上記頭部の基端からの正確な所定の距離での切断面、すな わち正確な切断高さが得られる。 本発明の好ましい実施態様として、上記ガイドキャリアは、上記支持部により 枢支され、大腿骨の対称面を横切る方向に延びる枢軸の周りを角度的に移動可能 となっている。これにより大腿骨幹に対する上記切断角度αc を調整し得るよう になっている。なお、本明細書中で“大腿骨の対称面”とは大腿骨を２つの基本 的に等しいが鏡面対称に分割した面を意味する。このガイドキャリアの枢動性は 、大腿骨に対する取付け部材の位置決めおよび調整に対し大きい許容度を与える 点で有利である。 ガイドキャリアを枢支させた上記実施態様において、本器具はさらに角度照合 部材を具備するものであってもよい。この角度照合部材はガイドキャリアの枢軸 を横切る方向に延出する比較的長い整合部を備え、また上記支持部に枢着されて いてガイドキャリアの枢軸の周りを回転可能となっており、その整合部が大腿骨 幹と実質的に平行となる角度に移動させることができる。この実施態様は大腿骨 幹に対するガイドキャリアの角度を切断角度と等しくなるようにかなり正確に調 整させることができる点で有利である。なぜならば、（ｉ）上記角度照合部材と 患者、すなわち照合部材と大腿骨幹との間の角度をその比較的長い整合部を用い て正確に設定させることができるからであり、また（ｉｉ）上記角度照合部材と ガイドキャリアとの間の角度（双方とも本器具の機械的部品）もかなり正確に設 定させることができるからである。 上記の比較的長い整合部を有する枢動可能な角度照合部材を具備する上記実施 態様は、２つの異なった方法で用いることができる。第１の方法は上記整合部と ガイドキャリアとの間の角度を固定する方法であり、第２の方法はその角度を可 変とする方法である。 この第１の方法による器具においては、例えば、それぞれが整合部に対し異な る固定された角度を有する一連の交替可能なガイドキャリアのセットを具備させ てもよい。 第２の方法による器具においては（すなわち上記整合部とガイドキャリアとの 間が可変なもの）、ガイドキャリアおよび角度照合部材は別々にガイドキャリア の枢軸の周りに枢動させるようにし、上記整合部とガイドキャリアとの間の選択 された角度の値を視覚的に示すための角度支持手段を具備させるようにしてもよ い。このガイドキャリアの角度は、２段階操作で調整することができる。はじめ に、角度照合部材は、その整合部に従って枢軸を中心として角度的に配置させて 大腿骨幹に沿わせる。例えば、整合部の先端部を対応する膝関節、好ましくは膝 蓋と反対側の位置にもっていく。次に、ガイド部材は、所定の切断角度が上記角 度支持手段により示されるまで、同じ枢軸を中心としてその回転を続ける。 一般に、もしガイドキャリアが支持部との関係で枢動可能となっている場合、 好ましくはガイドキャリアの枢軸を中心とする枢動をロックするための切断角度 ロック手段が備えられる。 本発明の好ましい実施態様によれば、支持部の取付け部材は釘状をなし、これ は大腿骨に一時的に固定される。好ましくは、この釘状物は大腿骨頸部の上部に 大腿骨幹に向かって導入される。また、十分に長い釘状物を選択することにより 大腿骨幹中に達することができ、また大腿骨幹により案内されて大腿骨に対し支 持部を正しく位置させることができる。 上記大腿骨の対称面に対するガイドキャリアの正確な整合を達成するため、支 持部材は長尺大腿骨頸整合部材、例えばロッド、スリット形成部材等を具備して なるものとし、大腿骨の対称面と整合させてもよい。以下に述べる本発明の好ま しい実施態様の説明からも明らかなように、大腿骨頸整合部材の使用は、切断面 を単に切断角度の方向のみならず、これに直交する方向にも正確に配向させるこ とができるという点で有利である。 大腿骨頸頭部の基端から正確な距離の切断高さで切断ガイドを配置させるため に、ガイドキャリアに接合アームを設けてもよい。この接合アームはガイドキャ リアから横方向に延びそして大腿骨頸頭部の基端と接合するようにしたものであ る。ガイドキャリアおよび切断ガイドは、共に動く位置指示手段を具備させ、切 断ガイドと接合アームとの間のガイドキャリアに沿う距離、すなわち切断ガイド が正しい切断高さに位置したことを視覚的に指示させるようにしてもよい。好ま しくは、この切断高さにおいて切断ガイドをロックする手段を設け、ガイドキャ リアの軸に沿ってさらに移動しないようにしてもよい。 通常、本発明の器具は別個の器具であって、切断ツールを含まない。しかし、 この切断ツールは切断ガイドで支持され、あるいは切断ガイドの一部として合体 させてもよい。もし、切断ツールを切断ガイドと別体のものならば、切断ガイド が切断スリットを備え、切断刃などを受入、案内させるようにしてもよい。 ヒト大腿骨の頸部（大腿骨頸）の頭部を大腿骨幹に対し所定の切断角度αc で 、かつ頭部の基端に対し所定切断高さＬc で正確に切除するための本発明の方法 は、 大腿骨幹に対し上記所定切断角度によって大腿骨頸に沿った長尺ガイドキャリ アを整合させる工程と、 上記ガイドキャリアの軸により支持され、該軸に沿って移動可能な切断ガイド を設ける工程と、 該切断ガイドを上記ガイドキャリアに沿って上記所定切断高さに相当する切断 位置まで移動させる工程とからなることを特徴とする。 この発明の方法の好ましい実行形態は請求の範囲に記載されている。 以下、本発明を本発明の切断ガイド器具の具体例に基づいて詳述するとともに 、その使用形態を図面を参照して詳述する。図面の簡単な説明 図１は、ヒト大腿骨の大腿骨頸に固定された従来の股関節補綴を示す断面図。 図２は、大腿骨中に釘状の取付け部材を固定した状態を示す部分切欠図。 図３は、大腿骨の対称面に対し釘状部材の配向の仕方を説明するためのもので 、図２に相当するものの斜視図。 図４は、図２、３において支持部の釘状部材への装着を説明するための斜視図 。 図５は、ガイドキャリアに切断ガイドを装着した状態を示す前面図であって、 切断高さの調整を説明するための図。 図６は、図５の底面を示す斜視図。 図７は、切断ガイドを切断位置に移動させた状態の器具を示す前面図。 図８は、図７のものを背面から見たときの斜視図であって、切断ガイドが２つ の釘状部材で固定された状態を示す図。 図９は、図７、８に示すものの側面図であって、器具の右側使用、左側使用を ２点鎖線を用いて説明する図。発明の好ましい実施態様の詳細な説明 図１は、ＷＯ９３／１６６６３号に記載されている股関節補綴を示すもので、 この補綴は円柱状の第１の取付け部材１と、ボールまたは頭３を備えたプラグ形 をなした円柱状の第２の取付け部材２とを具備してなる。この第１の取付け部材 １は大腿骨頸５を軸Ｂ−Ｂに沿って長くに削られた孔４中に嵌挿されている。第 ２の取付け部材２は大腿骨頸５中に孔４と同軸に削られた円柱状窪み６中に嵌挿 されている。この第２の取付け部材２は環状フランジ７を有し、窪み６への挿入 深さを制限している。このフランジ７は、２点鎖線で示すような大腿骨頸５の頭 部８が切断ツールで除去された面を表す切除面または切断面Ｐに接合されている 。 この切断面Ｐは、大腿骨幹９に対し所定の切断角度αc をなすように選択され たものである。なお、大腿骨幹９の主長手方向軸は直線Ａ−Ａで図１に示されて いる。さらに、この切断面Ｐは、大腿骨頸５の頭部８の基端に対し所定切断高さ Ｌc となるように選択されたものである。 さらに、図１の断面部分から明らかなように、補綴の第１および第２の取付け 部材１、２は、大腿骨頸５と大腿骨幹９との間の遷移部分における皮質骨１０の 内側にプラグ状の第２の取付け部材２の外側ネジ部が係合するように大腿骨との 関連で配置され方向づけられている。これにより補綴の安定した固定が達成され る。 本発明の切断ガイド器具の好ましい実施態様および図１に示すような切断面Ｐ に沿った切断を可能にする該器具の使用については、以下図２ないし８を参照し て説明する。なお、図２ないし８はその器具および採用される後の工程を説明す るものである。また、図１と同様の部分については、図２ないし４にも同様の符 号が付されている。 概略的に、本発明の器具は、大腿骨に固定される支持部１１（図２ないし４） と、この支持部により支持されたガイドキャリア１２（図５ないし８）と、ガイ ドキャリア１２の軸Ｃ−Ｃに沿って移動可能な切断ガイド１３（図５ないし８） とを具備してなる。この器具を構成するこれらおよび他の部分は適当な硬質物質 、例えばステンレス鋼のようなもので作ることができる。 図示の実施態様において、支持部１１は、取付け部材として全長約１８ｃｍの 釘状物１４を具備してなる。もちろん、他の形の取付け部材、例えば締付け手段 などを用いてもよい。この釘状物１４は、その長手方向において４つの合体され た部分１５ないし１８を具備してなる。つまり、比較的長細い末端部分１５で十 字形断面を有しその幅がほぼ５ｍｍのもの、比較的幅広で短い釘状部１６で十字 形断面を有しその幅がほぼ１０ｍｍのもの、円柱状接合部１７、およびフランジ 状頂部１８からなっている。この釘状物１４は、大腿骨幹９の主軸Ａ−Ａとほぼ 一致する方向で、かつ転子窩の近傍ないし一致する部位に導入されている。図２ に示すように、釘状物１４は末端部分１５が大腿骨幹９の内部にまで案内されな がら到達する程度の十分な長さを有し、これにより釘状物１４が、さらに大腿骨 幹９の内部に導入される場合において、大腿骨幹９の主軸Ａ−Ａとの関連で不用 意に傾斜するのを防止ないし少なくとも減少させている。大腿骨の大きさによっ ては、幅広の釘状部１６の長さを変えて大腿骨頸５に固定させてもよい。 以下の記載から明らかなように、本器具の支持部の残りの部分は大腿骨の対称 面から直交するようにして突出している。したがって、大腿骨幹９との関連で釘 状物１４の傾斜（これは重要）のみならず、その長手軸の周りの回転が抑制され る。そのため、釘状物１４の接合部１７にはロッドの形をした長尺頸部整合部材 １９が設けられている。この長尺頸部整合部材１９は接合部１７から直角方向に 約７−１０ｃｍ程延出している。図３に示すように、ロッド１９は大腿骨頸５の 対称面Ｍに沿って延びている。正確な方向は釘状物１４の細い末端部分１５への 導入中に設定される。なぜならば大腿骨頸５中に幅広の釘状部１６が固定された 場合、釘状部１６の十字状断面によって釘状物１４の回転が困難なほどに強く固 定されるからである。 図２に記号２０で示すように、ロッド１９は接合部１７の中心を通る貫通孔２ １中をその長手方向に沿って移動可能となっている。さらに、ロッド１９は貫通 孔２１中を複数箇所（本実施例では２箇所）で挿入し得るようになっている。こ の貫通孔は、切断されるべき大腿骨の大きさ、形状に応じて選択される。 釘状物１４が、図２、３に示すように大腿骨中に固定されたのち、支持部１１ の残りは図４に示すように接合部１７に設けられる。この図示の実施態様におい て、さらに支持部１１は、互いに直交する第１のアーム２３と第２のアーム２４ を有するＬ形カンチレバー２２を有する。この第１のアーム２３および第２のア ーム２４はそれぞれ円筒状スリーブ２５、２６を備えている。これら円筒状スリ ーブ２５、２６の長手方向は、Ｌ形カンチレバー２２の面内にあり、かつそれぞ れのアームと直交する方向に延びている。第１のアーム２３のスリーブ２５は、 円柱状接合部１７の外径に対応する内径を有し、内側に突出するタップ（図示し ない）であり接合部１７に形成された長溝２７、２８に嵌挿されるようになって いる。これによりカンチレバー２２が釘状物１４の周りに回転するのを防止して いる。このタップは、カンチレバー２２が釘状物１４に設けられる際これが対称 面Ｍから直角に突出するように、整合ロッド１９との関係で設けられる（但し、 整合ロッド１９が図３に示すように正しく配向されているときである）。図４か ら明らかなように、整合ロッド１９の挿入部として選択された孔２１は、釘状物 １４との関係でスリーブ２５の高さ、そして大腿骨頸５との関係における他のス リーブ２６の長さを決定するものである。 第２のアーム２４のスリーブ２６は、そのスリーブ２６の軸が長尺ガイドキャ リア１２の枢軸Ｃ−Ｃと一致し（図４）、図１に示す軸Ａ−Ａと軸Ｂ−Ｂとの交 点近傍に通常配置される。また、このスリーブ２６は、その内径に対応した外径 を有する内側筒状軸受部材３０を保持している。すなわち、この軸受部材３０は 、スリーブ２６の内側を軸Ｃ−Ｃを中心として回転自在となっているが、角度ロ ック手段の利用によるスリーブ２６との関係で回転を止めることもできる。この 実施態様におけるこれらの角度ロック手段は、ハンドノブ３１とアーム２６の内 側に延びるネジ付きスピンドル３２とノブ３１によりスピンドル３２が回転した 場合に軸受部材３０の回転を阻止するためにスリーブ２６の近傍に配置された手 段（図示しない）とからなっている。軸受部材３０によって選択された回転位置 は切断角度αc を決定するものである。 軸受部材３０は、ロッド型の枢動シャフト３３を摺動できる長尺通路を保持し ている。この枢動シャフト３３は軸受部材３０との関係において軸Ｃ−Ｃ方向に 移動自在となっている。しかし、これら２つの部材の相対的回転は、２つの対向 して設けられた突起３４により阻止されるようになっている。この突起３４は、 軸受部材３０の径方向内側に向けて突出した溝であり、枢動シャフト３３に形成 された対向する溝３５と摺動自在に嵌合している。この係合により、ノブ３１に よって切断角度がロックされたのちでも、ガイドキャリア１２と大腿骨頸５との 間隔を調整し得るようになっている。 大腿骨頸５に直面する枢動シャフト３３の末端は、ガイドキャリア１２を装着 するための筒状スリーブ３６と一体的に接続されている。枢動シャフト３３の他 端の面には結合スリット３７が設けられている。 図４に示すように釘状物１４にカンチレバー２２を装着した後（但し、切断角 度αc でロックする前）、図４に示すような角度照合部材４０が結合スリット３ ７を有する枢動シャフト３３の端部に一時的に装着される。この角度照合部材４ ０を設ける目的は、大腿骨幹９の主軸Ａ−Ａに対する正確な角度照合を行い、切 断角度の所定値に対する器具の調整手段を提供することである。この目的のため 、角度照合部材４０は、枢軸Ｃ−Ｃと合致する軸に沿って相互に回転可能な２つ の部材からなっている。その第１の部材は、大腿骨幹９との関連において配向さ せるための扇形の分度器４１を具備し、これに左右の大腿骨用の切断角度数４２ の２セットが目盛られ、さらに筒状接続部４３と比較的長尺のロッド状整合部４ ４とを具備している。この整合部４４は、筒状接続部４３に着脱自在に、枢軸Ｃ −Ｃに対して直交する方向に設けられている。好ましくは、この整合部４４は膝 関節に達する程度の長さとする。また角度照合部材４０の第２の部材は、結合ス リット３７を介して枢動シャフト３３に回動自在に装着されるもので、角度調整 ノブ４５と分度器４１の角度表示側に設けられた切断角度インジケータ４６とこ の分度器４１の角度表示側の反対側に設けられた筒状接合用ブッシング４７とか らなっている。このブッシング４７には結合スリット３７と係合する内部突起（ 図示しない）が設けられている。これら３つの部材４５、４６および４７は分度 器４１に対し一体として回動自在となっている。 角度照合部材４０がカンチレバー２２の枢動シャフト３３に装着されたとき、 分度器４１は大腿骨との関連で基準位置に向けられる。これは整合部４４を回転 させ、その先端部（図示しない）を膝蓋の中心に対し反対側に位置させることに より行われる。その後、ロッド４４を膝関節上の上記基準位置にて保持させたま ま、切断角度インジケータ４６が正しい所定角度値４２（例えば１４０度）にく るまでノブ４５を回動させて、切断角度αc はセットされる。これにより筒状ス リーブ３６の軸が大腿骨幹９との関連で所定の切断角度に正確に配向させること ができる。この切断角度は、ノブ３１によりスリーブ２６に関連した軸受部材３ ０をロックすることにより固定させることができる。それから、角度照合部材４ ０はカンチレバー２２から除去される。なお、角度照合部材４０を装着する前に 切断角度値をセットすることも可能である。 次に、図５、６を参照して切断高さＬc の調整について説明する。本実施態様 において、切断ガイド１３は四角形ブロックの形状をなし、これに切断スリット ５０と図６に示すような２つずつ互いに交差するようにして設けられた４つの固 定チャンネル５１とからなっている。ガイドキャリア１２は、切断ガイド１３中 の切断スリット５０に直交する面に穿設された孔に移動自在に嵌挿される。基端 部５４においてガイドキャリア１２は接合アーム５３を備え、この接合アーム５ ３は、ガイドキャリア１２の軸Ｄ−Ｄを横切るようにして延び、図７に示すよう に除去されるべき頭部８の基端と当接するようになっている。この実施態様にお いて、接合アーム５３はガイドキャリア１２により回動自在に支持されている。 好ましくは、ガイドキャリア１２を筒状スリーブ３６に挿入する前に、切断ス リット５０と接合アーム５３との間隔は、図５に示すように所定の切断高さＬc と等しくなるようにセットする。本実施態様において、切断高さの設定は、切断 ガイド１３に設けられたスリット・ルーラ５４の形状の高さ指示手段により行わ れる。この場合、指示リング５５がルーラ５４中のスリット５６を介して見るこ とができる。切断高さが所定切断高さＬc にセットされたとき、回転ロッキング ・ノブ５７によって切断ガイド１３はガイドキャリア１２に対しロックされる。 所定切断高さにロックされた図５に示す状態のユニットは図７に示すようにカ ンチレバー２２に接続される。この場合、接合アーム５３が頭部８の基端と係合 するまで、ガイドキャリア１２の自由端部を固定されたスリーブ３６内に挿入す る。このとき切断スリット５０は所定の切断角度および切断高さを有する切断面 Ｐを特定することになる。 この実施態様において示すように、切除を行う前に切断ガイド１３を頭部８に 固定することは一層の正確性を確保することができる。これはスリーブ２６との 関連において切断ガイド１３およびガイドキャリア１２を軸Ｄ−Ｄの周りに回動 させるとともに、ロックされた軸受部材３０との関係において枢動シャフト３３ を切断ガイド１３が大腿骨頸５と接するまで移動させることができる。その後、 ２つの固定釘部材５８が切断ガイド１３の２つのチャンネル５１を通して挿入さ れ、除去されるべき頭部の一部に固定される。この状態が図８に示されている。 このようにして器具の調整および固定が終了したのち、切断スリット５０に切 断刃あるいはこれに相当するもの（これは図示しない）を挿入することによって 切断作業を行うことができる。すなわち、この切断スリット５０を介することに より、切断刃を所定の切断面Ｐに沿って正確に案内することができる。切除が終 了したのち、器具は釘状物１４を引抜くことによって大腿骨から除去される。 図２に説明した態様に対する別法として、釘状物１４を転子に、すなわち、図 ２において、このさらに左側に導入してもよい。図７に示すように、このような 釘状物１４の配置により、ガイドキャリア１２との関係において切断ガイド１３ の可動性を一層大きくすることができる。 最後に、図９は、このような器具を右側あるいは左側の大腿骨に対し使用する 場合の使用の仕方を示している。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，Ｓ Ｚ，ＵＧ)，ＵＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＺ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＨＵ，Ｉ Ｓ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ，ＬＲ ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ， ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，Ｓ Ｄ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ (72)発明者 ロストランド，トルド スウェーデン国 Ｓ−429 35 クラヴィ ク，ファサンスティゲン ２ (72)発明者 ヴェンバーグ，スティグ スウェーデン国 Ｓ−424 57 アンジェ レド，ピー１ 6266

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．ヒト大腿骨の頸部（大腿骨頸）（５）の頭部（大腿骨頭）（８）を大腿骨 幹（９）に対し所定の角度（αc）およびその頭部（８）の基端との関係で所定 の高さ（Ｌc）に正確に切除するのに用いられる切断ガイド器具であって： 切除の間、大腿骨に固定される取付け部材（１４）を含む支持部（１１）と； 器具使用時において前記支持部（１１）により支持され、上記所定の切断角度 （αc）で大腿骨頸（５）に沿って延出する長尺カイドキャリア（１２）と； 該ガイドキャリア（１２）により支持され、かつ該ガイドキャリア（１２）の 軸（Ｄ−Ｄ）に沿って所定切断高さ（Ｌc）に相当する切断位置まで移動可能な 切断ガイド（１３）と； を具備してなる切断ガイド器具。 ２．前記ガイドキャリア（１２）が、前記支持部（１１）により枢支され、大 腿骨の対称面（Ｍ）を横切る方向に延びる枢軸（Ｃ−Ｃ）の周りを角度的に移動 可能となっていて、これにより大腿骨幹（９）に対する上記切断角度（αc）を 調整し得るようになっている請求項１記載の切断ガイド器具。 ３．角度照合部材（４０）を更に有し、該角度照合部材（４０）に、前記ガイ ドキャリア（１２）の枢軸（Ｃ−Ｃ）に対し横切る方向に延びた比較的長尺の整 合部（４４）が設けられ、さらに該角度照合部材（４０）は上記ガイドキャリア （１２）の枢軸（Ｃ−Ｃ）の周りに回動可能に前記支持部（１１）により枢着さ れていて、整合部（４４）が大腿骨幹（９）と平行になる角度をとることができ 、切断ガイド（１３）が切断位置にあるとき前記ガイドキャリア（１２）と整合 部（４４）との角度が上記切断角度（αc）と一致するようになっている請求項 ２記載の切断ガイド器具。 ４．前記ガイドキャリア（１２）および角度照合部材（４０）がそれぞれ別に 前記ガイドキャリア（１２）の枢軸（Ｃ−Ｃ）の周りに回動可能に枢着されてい て、これらに上記ガイドキャリア（１２）と整合部（４４）との角度の値を視覚 的に認識可能とする協同角度指示手段（４１、４２、４６）が設けられている請 求項３記載の切断ガイド器具。 ５．前記枢軸（Ｃ−Ｃ）の周りの前記ガイドキャリア（１２）の回動をロック するための切断角度ロック手段（３０、３１、３２）が、さらに設けられている 請求項２ないし４のいずれか一項に記載の切断ガイド器具。 ６．前記ガイドキャリア（１２）が前記支持部（１１）を横ぎり、前記枢軸（ Ｃ−Ｃ）と平行な方向に移動自在となっていて、これにより切断ガイド（１３） と大腿骨の頸部（５）との間隔を調整し得るようになっている請求項１ないし５ のいずれか一項に記載の切断ガイド器具。 ７．切断ガイドロック手段（５７）をさらに具備し、これにより切断ガイド（ １３）の前記ガイドキャリア（１２）の軸に沿う移動をロックするようにした請 求項１ないし６のいずれか一項に記載の切断ガイド器具。 ８．切断ガイド（１３）が前記ガイドキャリア（１２）の軸（Ｄ−Ｄ）を中心 として回動自在になっている請求項１ないし７のいずれか一項に記載の切断ガイ ド器具。 ９．切断ガイド（１３）が、その切断位置において、除去されるべき大腿骨の 一部に固定されるようになっている請求項１ないし８のいずれか一項に記載の切 断ガイド器具。 １０．切断ガイド（１３）に、釘状物（５８）などの固定手段を受入れるため の１以上のチャンネル（５１）が設けられ、これにより切断ガイド（１３）を固 定し得るようになっている請求項９に記載の切断ガイド器具。 １１．支持部（１１）の取付け部材（１４）が釘状物（１４）をなし、これに より大腿骨に一時的に固定されるようになっている請求項１ないし１０のいずれ か一項に記載の切断ガイド器具。 １２．釘状物（１４）が大腿骨頸の上部（転子窩）に、大腿骨幹（９）に向か う方向に導入されるようになっていて、この釘状物（１４）の長さが大腿骨幹（ ９）に案内されつつその内部に到達し得る長さとなっている請求項１１に記載の 切断ガイド器具。 １３．支持部（１１）がさらにカンチレバー（２２）を有し、これがその第１ 端部（２５）において取付け部材（１４）に着脱自在に接続され、第２端部（２ ６）において前記ガイドキャリア（１２）を支持している請求項１ないし１２の いずれか一項に記載の切断ガイド器具。 １４．支持部（１１）がさらに例えばロッド状の頸部整合部材（１９）を有し 、これが大腿骨頸の対称面（Ｍ）と平行に整合されるようになっていて、前記ガ イドキャリア（１２）を前記対称面（Ｍ）と平行な方向に配向し得るようにした 請求項１ないし１３のいずれか一項に記載の切断ガイド器具。 １５．前記ガイドキャリア（１２）にさらに接合アーム（５３）が設けられ、 該接合アーム（５３）がガイドキャリア（１２）からそれを横切るようにして延 び、かつ頭部（８）の基端と当接するようになっていて、前記ガイドキャリア（ １２）および切断ガイド（１３）が、ガイドキャリア（１２）の軸（Ｄ−Ｄ）に 沿う接合アームと切断ガイド（１３）との間隔を視覚的に認識させるための共に 動く位置指示手段（５４、５５、５６）を具備している請求項１ないし１４のい ずれか一項に記載の切断ガイド器具。 １６．前記ガイドキャリア（１２）が支持部（１１）との関係においてその長 手方向に移動自在となっていて、これにより前記接合アーム（５３）を頭部（８ ）の基端と当接するようにした請求項１５に記載の切断ガイド器具。 １７．切断ガイド（１３）に、切断刃あるいはその類似物を受入れ、案内する ための切断スリット（５０）が設けられている請求項１ないし１６のいずれか一 項に記載の切断ガイド器具。 １８．ヒト大腿骨の頸部（大腿骨頸）（５）の頭部（大腿骨頭）（８）を大腿 骨幹（９）に対し所定の角度（αc）およびその頭部（８）の基端との関係で所 定の高さ（Ｌc）に正確に切除するための方法であって； 大腿骨幹（９）に対し前記所定切断角度（αc）で大腿骨頸（５）に沿って長 尺ガイドキャリア（１２）を整合させる工程と、 前記ガイドキャリア（１２）の軸（Ｄ−Ｄ）により支持され、該軸に沿って移 動可能な切断ガイド（１３）を設ける工程と、 該切断ガイド（１３）を前記ガイドキャリア（１２）に沿って前記所定切断高 さ（Ｌc）に相当する切断位置まで移動させる工程と、 からなることを特徴とする切除方法。 １９．前記ガイドキャリア（１２）を支持する支持部（１１）を設け、該支持 部（１１）を前記切除の間において大腿骨に固定する工程をさらに含む請求項１ ８に記載の切除方法。 ２０．前記ガイドキャリア（１２）が、前記支持部（１１）により枢支され、 大腿骨の対称面（Ｍ）を横切る方向に延びる枢軸（Ｃ−Ｃ）の周りを角度的に移 動可能となっていて、大腿骨に前記支持部（１１）を固定する工程の後、ガイド キャリア（１２）を該枢軸（Ｃ−Ｃ）を中心として回動させて大腿骨幹（９）に 対する所定切断角度（αc）に調整する工程をさらに含む請求項１９に記載の切 除方法。 ２１．前記のガイドキャリア（１２）を該枢軸（Ｃ−Ｃ）を中心として回動さ せて所定切断角度（αc）に調整する工程が、角度照合部材として該枢軸（Ｃ− Ｃ）を中心として回動自在に前記支持部（１１）に枢着された比較的長尺の整合 部（４４）を大腿骨幹（９）と平行になるように整合させる工程を含み、切断ガ イド（１３）が切断位置にあるとき前記ガイドキャリア（１２）と整合部（４４ ）との角度が前記切断角度（αc）と一致するようにした請求項２０に記載の切 除方法。 ２２．前記の比較的長尺の整合部（４４）を大腿骨幹（９）と平行になるよう に整合させる工程が、該整合部（４４）をを回動させ、その先端部を対応する膝 関節、好ましくは膝蓋と反対側に位置させる工程を含む請求項２１に記載の切除 方法。 ２３．ガイドキャリア（１２）を前記切断角度（αc）に調整する工程の後、 ガイドキャリア（１２）の前記枢軸（Ｃ−Ｃ）の周りでの回動をロックする工程 をさらに含む請求項２０ないし２２のいずれか一項に記載の切除方法。 ２４．切断ガイド（１３）を前記切断位置に移動させる工程の後、切断ガイド （１３）をガイドキャリア（１２）との関連でロックする工程をさらに含む請求 項１８ないし２３のいずれか一項に記載の切除方法。 ２５．切断ガイド（１３）を前記切断位置に移動させる工程の後で前記切除の 工程の前に、切断ガイド（１３）を切除されるべき大腿骨の部分に固定する工程 をさらに含む請求項１８ないし２４のいずれか一項に記載の切除方法。 ２６．支持部（１１）を固定する工程が、釘状物（１４）を大腿骨に一時的に 固定する工程を含む請求項１８ないし２５のいずれか一項に記載の切除方法。 ２７．該釘状物（１４）を大腿骨頸の上部（転子窩）に、大腿骨幹（９）に向 かう方向に導入する請求項２６に記載の切除方法。 ２８．該釘状物（１４）の長さを大腿骨幹（９）に案内されつつその内部に到 達し得る十分な長さに選択する請求項２６または２７に記載の切除方法。 ２９．ガイドキャリア（１２）を大腿骨頸（５）に沿って整合させる工程が、 ガイドキャリア（１２）を大腿骨頸（５）の対称面（Ｍ）と平行になるように整 合させる工程を含む請求項１８ないし２８のいずれか一項に記載の方法。 ３０．ヒト大腿骨の頸部（大腿骨頸）の頭部（大腿骨頭）（８）を正確に切除 する場合に用いられる上記請求項１ないし１７のいずれか一項に記載の切断ガイ ド器具の使用方法であって； 支持部（１１）を取付け部材（１４）を用いて大腿骨に固定し； カイドキャリア（１２）を大腿骨幹（９）に対し所定切断角度（αc）で大腿 骨頸（５）に沿って整合させ； 切断ガイド（１３）をキャリア（１２）の軸に沿って所定切断高さ（Ｌc）に 相当する切断位置まで移動させ； この所定切断角度（αc）および所定切断高さ（Ｌc）にて、切断ガイド（１３ ）に案内されながら切断器具を用いて該頭部（８）を切除する； ことからなる切断ガイド器具の使用方法。