JPH11505103A - MHC分子HLA−Cw▲上★▼1601と複合体を形成するペプチドをコードする単離核酸分子とその利用 - Google Patents

MHC分子HLA−Cw▲上★▼1601と複合体を形成するペプチドをコードする単離核酸分子とその利用

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JPH11505103A JP8525000A JP52500096A JPH11505103A JP H11505103 A JPH11505103 A JP H11505103A JP 8525000 A JP8525000 A JP 8525000A JP 52500096 A JP52500096 A JP 52500096A JP H11505103 A JPH11505103 A JP H11505103A
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クーリ,ピエール
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Abstract

(57)【要約】 腫瘍拒絶抗原先駆体のファミリーと、これらをコードする核酸分子とが開示される。これらの腫瘍拒絶抗原先駆体は、BAGE腫瘍拒絶抗原先駆体と称され、これらをコードする核酸分子は、BAGEコード分子と称される。前記コード配列と前記腫瘍拒絶抗原先駆体分子の様々な診断上及び治療上の使用方法が記載される。

Description

【発明の詳細な説明】 MHC分子HLA−Cw1601と複合体を形成する ペプチドをコードする単離核酸分子とその利用 関連出願のクロスリファレンス 本出願は1994年2月15日に出願した第08/196,630号の一部 継続出願であり、この出願第08/196,630号は1993年6月17日に 出願した第08/079,110号の一部継続出願である。 発明の分野 本発明は、病理状態の診断と治療とに関して有用な、核酸分子、たん白質、及 びペプチドとに関する。本発明は、更に、MHC分子HLA−Cw1601に よって提示されるペプチドにプロセッシングされる前記たん白質とペプチド、及 びその提示されるペプチド自身に関する。これらのペプチドは、診断及び治療に 於いて有用である。 背景及び従来技術 ほ乳類の免疫システムが外来の又は異質の物質を認識し、これに対して反応す るプロセスは複雑である。このシステムの重要な一面は、T細胞応答である。こ の応答は、T細胞がヒト白血球抗原(HLA)、又は主要組織適合遺伝子複合体 (MHC)と呼ばれる細胞表面分子とペプチドとの複合体を認識し、これと相互 作用することを必要とする。前記ペプチドは、前記HLA/MHC分子も提示す る細胞によってプロセッシングされるより大きな分子に由来する。この点に関し ては、メール(Male)他のAdvanced Immunology(J. P.LipincottCompany,1987)、特にその第6〜10章を 参照。T細胞とHLA/ペプチド複合体との相互作用は、HLA分子とペプチド の特定の組合せに特異的なT細胞を必要とする点で、限定されたものである。た とえ、特定のパートナーとなる複合体が存在しても、特異的なT細胞が存在しな ければT細胞応答は起こらない。同様に、T細胞が存在しても、特異 的な複合体が存在しなければ応答は起こらない。このメカニズムは、免疫システ ムの、外来の物質に対する応答、自己免疫疾患、そして細胞異常に対する応答に 関係している。タンパク質がHLA結合ペプチドにプロセッシングされるメカニ ズムに関して多くの研究が行われている。この点に関して、バリナガ(Bari naga),Science 257:880(1992);フリーモント(F remont)他、Science 257:919(1992):マツムラ( Matsumura)他、Science 257:927(1992);及び ラトロン(Latron)他、Science 257:964(1992)参 照。 T細胞が細胞異常を認識するメカニズムは癌にも関連付けられてきた。例えば 、ここに参考文献として添付される1992年5月22日出願、1992年11 月26日公開のPCT出願PCT/US92/04354には、細胞表面上に発 現されるペプチドにプロセッシングされ、特定のCTLによる腫瘍細胞の溶解を 可能にする遺伝子の一つのファミリーが開示されている。これらの遺伝子は、「 腫瘍拒絶抗原先駆体」、即ち、”TRAP”分子をコードするものであると言わ れており、これらに由来するペプチドは、「腫瘍拒絶抗原」、又は、”TRA” と呼ばれている。この遺伝子ファミリーの詳細については、トラヴァーサリ(T raversari)他、Immunogenetics,35:145(19 92):ファン・デア・ブルッゲン(van der Bruggen)他、S cience 254:1643(1991)参照。更に、米国特許第5,34 2,774号を参照。 この開示内容をここに参考文献として添付する米国特許出願第938,334 号には、HLA−A1分子によって提示されるノナペプチドが教示されている。 この参考文献は、特定のHLA分子に対する特定のペプチドの特異性が既知であ れば、特定のペプチドが一つのHLA分子と結合し、他の分子には結合しないと 予期される、と教示している。これは重要である。というのは、異なる個体は異 なるHLA表現型を有するからである。その結果、ある特定のペプチドが特異的 HLA分子のパートナーとして同 定されることが様々な診断上及び治療上の効果を有するとしても、これらはこの 特定のHLA表現型を保有する個体にしか適切でないことになる。細胞異常は一 つの特定のHLA表現型に限られている訳ではないので、この分野において更に 研究が必要であり、標的治療の為には対象となる異常細胞の表現型に関するいく らかの知識が必要である。 ここに参考文献として添付する1993年1月22日出願の米国特許出願第0 08,446号には、MAGE−1発現産物が、第2のTRAにプロセッシング されるという事実が開示されている。この第2のTRAは、HLA−Cw16 01分子によって提示される。この開示には、あるTRAPが複数のTRAを産 生することが可能であることが示されている。 ここに参考文献として添付する1992年12月22日出願の米国特許出願第 994,928号にはチロシナーゼが腫瘍拒絶抗原先駆体として記載されている 。この文献には、いくつかの正常細胞(例えば、メラノサイト)によって生成さ れる分子が、腫瘍細胞内でプロセッシングされてHLA−A2分子によって提示 される腫瘍拒絶抗原を作ることが開示されている。 ここに参考文献として添付する1993年3月18日出願の米国特許出願第0 8/032,978号には、チロシナーゼに由来するのではない第2のTRAが 、HLA−A2分子によって提示されることが教示されている。このTRAは、 TRAPに由来するものではあるが、非MAGE遺伝子によってコードされる。 この開示は、特定のHLA分子が、異なった起源に由来するTRAを提示する可 能性があるということを示している。 参考文献として添付する1993年6月17日出願の米国特許出願第08/0 79,110号には、そこにおいてBAGEファミリーと称されているところの 遺伝子の新規なファミリーが開示された。これらの遺伝子も、腫瘍拒絶抗原先駆 体をコードすることが観察された。同出願に於いて、HLA−Cw1601と して知られているMHC分子がBAGE腫瘍拒絶抗原先駆体に由来する腫瘍拒絶 抗原を提示することが開示されている。しかし、その腫瘍拒絶抗原は開示されな かった。前記腫瘍拒絶抗原は、こ こに参考文献として添付する1994年2月15日出願の米国特許出願第08/ 196,630号に開示されている。同出願は、又、前記腫瘍拒絶抗原の派生効 果、更にこの抗原を利用した治療及び診断方法も開示している。 本出願は、特許出願第08/196,630号に記載されているBAGE腫瘍 拒絶抗原先駆体をコードする単離核酸分子に関する。本出願は、更に、前記単離 BAGE核酸分子を利用した治療及び診断方法にも関する。 本発明を、以下の開示に於いて更に詳述する。 図面の簡単な説明 上述した簡単な記載、及び本発明の更に別の課題及び特徴は、本発明の好適な 、但し例示的な実施例の以下の詳細な説明を、添付の図面を参照して斟酌するこ とにってより完全に理解されるであろう。ここで、 図1は、図1A及び図1Bから成る。図1Aは、MZ2−MELのサブライン であるMZ2−MEL.3.0、MZ2−MEL.3.1、MZ2−MEL.B .TC.4に対するCTLクローン82/82の溶解活性を示している。図1B は、MZ2−MELサブラインMZ2−MEL.43と、HLA−Cw160 1陽性患者由来のメラノーマ細胞ラインMI4024/1−MEL及びLB17 −MELとに対するCTLクローン82/82の溶解活性を示している。 図2は、HLA−Cw1601のみ、cDNA−AD5との組み合わせ、又 はAD5のみ、をそれぞれトランスフェクションしたCOS−7細胞に接触した 時に於ける、CTL82/82によるTNF放出を示している。CTL82/8 2は、コントロールとして、MZ2−MEL.43とMZ2−MEL.2.2. 5とも接触させた。 図3は、図3Aと3Bとから成る。図3Aは、 HLA−Cw1601とc DNA−AD5とを坦持する発現ベクターをコトランスフェクションしたP1. HTRマウス細胞と、更に、トランスフェクシ ョンしなかったP1.HTR、および、HLA−Cw1601のみをトランス フェクションしたP1.HTR、のCTLクローン82/82による溶解を示し ている。図3Bは、HLA−Cw1601とBAGE由来ノナペプチドAAR AVFLAL;(配列認識番号3)とをトランスフェクションしたP1.HTR のCTLクローン82/82による溶解を示している。 図4は、BAGE腫瘍拒絶抗原先駆体のヌクレオチド及びアミノ酸配列を示し ている。箱内のセグメントは、前記先駆体由来の腫瘍拒絶抗原である。 図5は、メラノーマ細胞ラインMZ2−MEL.3.0と患者MZ2からの血 液リンパ球と、マウス細胞ラインP1.HTRとから抽出されたDNAのサザン ・ブロットを示している。 図6は、MZ2−MEL.43細胞中に於けるBAGEの発現のノザン・ブロ ット分析を示す。 図7は、メラノーマライン、腫瘍及び正常サンプル由来のcDNA、更に、サ ブラインMZ2−MEL.43由来のゲノムDNAの、PCR増幅を示している 。 図8は、BAGEにコードされるペプチドAARAVFLAL(配列認識番号 3)又は、ノナペプチドARAVFLALF(配列認識番号4)又はMAARA VFLA(配列認識番号5)とインキュベートしたリンパ芽球細胞ラインMZ2 −EBVのCTL82/82による溶解を示している。 発明の詳細な説明 例1 メラノーマ細胞ラインMZ2−MELを、標準方法を使用して患者MZ2から 得た。この細胞ラインは、ここに参考文献として添付する1992年5月22日 出願、1992年11月26日公開のPCT出願PCT/US92/04354 に記載されている。前記細胞ラインの確立後、そのサンプルを照射し、これを非 増殖性にした。多数のサブクローン をMZ2−MELから得た。具体的には、クローナルラインMZ2−MEL.3 .0を制限希釈によってMZ2−MELから得た。次に、このMZ2−MEL. 3.0培養物を更に培養した。培養での150世代以上後、MZ2−MEL.3 .1として示す新たなサブラインが得られた。MZ2−MEL.3.1は、MZ 2−MEL.3.0に対して強い溶解活性を有する自己由来CTLクローンの大 きなフラクションに対して抵抗を有することがわかった。MZ2−MEL.3. 1は、HLA−A29、B44、HLA−Cw1601をコードする遺伝子を 失ったと判断された(ここに参考文献として添付するファン・デア・ブルッゲン (van der Bruggen)他,Eur.J.Immunol.,20 4:2134−2140(1994)参照)。 サブラインMZ2−MEL.43を、変異誘発物質処理後に生存したMZ2− MEL.3.0細胞から制限希釈によって誘導した(ファン・デン・エインデ( Van den Eynde)他,Int.J.Cancer,44:634− 640(1989))。抗原MZ2−Eを発現しないクローンサブラインMZ2 −MEL.2.2を、自己由来抗−MZ2−ECTLクローンによってサブクロ ーンMZ2−MEL.3.1から選択した(ファン・デン・エインデ(Van den Eynde)他,前述)。サブラインMZ2−MEL.2.2.5を、 抗−MZ2−F CTLクローンによってサブラインMZ2−MEL.2.2か ら選択した。MZ2−MEL.B.TC.4を、HLA−Cw1601遺伝子 をサブラインMZ2−MEL.2.2.5へのトランスフェクションによって得 た(ファン・デア・ブルッゲン(Van der Bruggen)他,前述) 。メラノーマ細胞ラインを、ファン・デン・エインデ(Van den Eyn de)他,前述及びトラヴァーサリ(Traversari)他,Immuno genetics ,35:145−152(1992)によって以前に記載され ている要領で成長させた。 細胞ラインMZ2−MELに対して特異的な細胞溶解性T細胞クローン(“C TL”)を、照射済みMZ2−MEL細胞を利用して得た。具体的に は、末梢血液単核細胞(“PBMC”)のサンプルを、患者MZ2から採取して 、これを、前記照射済みメラノーマ細胞に接触させた。その混合物の前記メラノ ーマ細胞の溶解を観察したところ、前記メラノーマ細胞によって提示されたペプ チドとHLA分子との複合体に対して特異的なCTLが前記サンプル中に存在す ることが示された。 使用した溶解アッセイは、ここに参考文献として添付するヘリン(Herin )他、Int.J.Cancer 39:390〜396(1987)に基づく クロム放出アッセイであった。但し、このアッセイについてはここに記載してお く。標的メラノーマ細胞をイン・ヴィトロで生育させ、次に、これを10mMの HEPESと50%のFCSとを追加したDMEM中で4x107細胞/mlに 再懸濁させ、200μCi/mlのNa(51Cr)O4とともに37℃で60分 間培養した。標識化した細胞を、10mMのHEPESを添加したDMEMで3 回洗浄した。次に、これらを10mMのHEPESと10%のFCSとを追加し たDMEM中に再懸濁させ、その後、103個の細胞を含む100μlのアリコ ットを、96ウェルマイクロプレート中に分配した。PBLのサンプルを、10 0μlの同じ培地に添加し、同様にアッセイを行った。プレートを100gで4 分間遠心分離し、37℃で8%のCO2雰囲気中にて4時間インキュベートした 。 プレートを再び遠心分離し、100μlの上清のアリコットを採取し、カウン トした。51Cr放出の百分率は以下の式に基づいて計算された。 %51Cr放出=((ER−SR)/(MR−SR))×100 ここで、ERは観察された実験51Cr放出量、SRは103標識化細胞を200 μlの培地中のみで培養することによって測定された自発的放出量、そしてMR は、100μlの0.3%Triton X−100を標的細胞に添加すること によって得られた最大放出量である。 高いCTL活性を示した前記単核血液サンプルを制限希釈によって拡張 及びクローン化を行い、同じ方法を使用して再スクリーニングした。このように してCTLクローンMZ2−CTL 82/82を単離した。前記クローンを、 以後「82/82」と称する。 MZ2−MELサブラインと他のメラノーマラインとを、CTLクローン82 /82に接触させ、クロム放出を測定することによって溶解活性を判定した。ク ロム放出は4時間後に測定した。図1Aは、MZ2−MEL.3.0とMZ2− MEL.B.TC.4との溶解を示している。サブラインMZ2−MEL.3. 1は、CTL82/82によって溶解されなかった。図1Bは、CTL82/8 2によるクローンラインMZ2−MEL.43の溶解があることを示している。 更に、HLA−Cw1601対立遺伝子を有するメラノーマ細胞ラインMI4 024/1−MEL及びLB17/MELがCTL82/82によって溶解され た。例2 CTL82/82によって認識される抗原をコードする遺伝子を同定した。こ こに記載するように、前記遺伝子は、cDNAライブラリーとHLA−Cw1 601cDNAをコトランスフェクションすることによって同定された。CTL 82/82のMZ2−MEL.43に対する特異性に依り、この細胞ラインのc DNAを使用して前記cDNAライブラリーを形成した。前記cDNAライブラ リーをMZ2−MEL.43から構築するために、poly−A+RNAを、m RNA抽出キットを使用してMZ2−MEL.43細胞から抽出した。前記mR NAを、ランダム・プライマーを使用してcDNAに変換し、標準的技術を使用 してアダプターに結合させ、これをSV40の複製開始点を含む発現ベクターp cD−SRαのEcoRI部位に挿入した。組換えプラスミドを、E.coli JM101にエレクトロポーレーションし、アンピシリン(50μg/ml)で 選抜した。前記ライブラリーは、66,000個のインサートを有し、これを4 00のバクテリアの87のプールと200のバクテリアの297のプールとに分 けた。前記プラスミドの約70%が一つのインサー トを有していたことから、これらのプールはそれぞれ、約280又は140種類 のcDNAを含むことになる。これらバクテリアの各プールを、飽和まで増殖さ せ、プラスミドDNAを周知のアルカリ溶解方法によって抽出した。 プラスミドpcD−SRαに、HLA−Cw1601cDNAをトランスフ ェクションした。次に、cDNAプールと、HLA−Cw1601cDNAを 含有する前記pcD−SRαプラスミドを同一のCOS−7細胞のマイクロカル チャーにコトランスフェクションした。トランスフェクションは、DEAE−デ キストラン−クロロキン法によって行った(シード(Seed)他 Proc. Natl.Acad.Sci.USA,84:3365−3369(1987) :ブリチャード(Brichard)他Annal.Biochem,,162 :156−159(1993)):クーリ(Coulie)他,J.Exp.Me d.180:35−42(1994))。簡単に説明すると、1.5x104 COS−7細胞に、100ngのHLA−Cw1601のcDNAを含有する プラスミドpcD−SRαと、100ngの前記cDNAライブラリーのプール 、即ち、100ngのcDNAクローン、をトランスフェクションした。前記H LA−Cw1601cDNAを、サブラインMZ2−MEL.43から抽出さ れたRNAで調合したcDNAライブラリーから単離した(ファン・デア・ブル ッゲン(Van der Bruggen)他,前述)。 コトランスフェクション体を、24又は48時間後に、CTLによって腫瘍壊 死因子(TNF)の産生を刺激する能力をテストした(トラヴァーサリ(Tra versari)他,Immunogenetics,235:145−152 (1992))。1500のCTLを、10%のヒト血清と、20U/ml r −hu−IL−2とを含有する100μlのIscove培地(Gibco B RL)中にて、標的細胞を含有するマイクロ・ウェルに添加した。24時間後、 上清を収集し、そのTNF含有率を、MTT比色定量アッセイ(ハンセン(Ha nsen)他,J. Cancer,39:390−396(1989)及びトラヴァーサリ(Tra versari)他,前述)に於いて、WEHI−164クローン13(Esp evik et al.,J.Immunol.Methods,95:99− 105(1986))細胞に対するその細胞障害性効果をテストすることによっ て判定した。 トランスフェクションされたcDNAの384のプール(200のバクテリア の297のプールと400バクテリアの87のプール)の内、二つが40pg/ ml以上のTNFを含む陽性上清を産生したのに対して、その他のプールでトラ ンスフェクションしたマイクロカルチャーの全部のTNF濃度は、5pg/ml 以下であった。400の別々のバクテリアを含むこれらのcDNAプールの内の 一つから、800のバクテリアがサブクローン化された。それらのそれぞれから プラスミドDNAを抽出し、前述したHLA−Cw1601コンストラクトと 共にCOS−7細胞にトランスフェクションした。12のクローンが、CTL8 2/82による認識を得た。cDNA−AD5として示すそれらの内の一つから 得られた結果を図2に示す。 図2は、cDNA−AD5とHLA−Cw1601cDNAをコトランスフ ェクションした、又はこれらcDNAのいずれか一方をトランスフェクションし たCOS−7細胞によるCTL82/82の刺激を示している。前記cDNAを 、前述した要領で発現ベクターpcD−SRαに挿入した。CTL82/82の サンプルを、前記トランスフェクションの1日後に添加し、その上清のTNF含 有率を、WEHI−164クローン13の細胞に対するその障害性を1日後にテ ストすることによって推定した。ポジティブとネガティブとのコントロールを、 MZ2−MEL.43及びMZ2−MEL.2.2.5細胞を用いて行った。 トランジェントなトランスフェクションに於いてcDNA−AD5で得られた 結果を確認するために、ステーブルなトランスフェクション体も準備した。マウ スの腫瘍細胞ラインP815由来のトランスフェクション性の高いバリアントで あるP1.HTR(ファン・ペル(Van Pel) 他,Som.Cell Genet.,11:467−475(1985)) (ニコラス(Nicolas)他,CSH Conferences Cell Prolif.,10:469−485(1983))とHLA−Cw16 01のみ、又は、HLA−Cw1601とcDNA−AD5との両方とともに 、燐酸カルシウム沈降法を使用して、HLA−Cw1601とcDNA−AD 5の両方をトランスフェクションした。前記関連cDNAを、前述した要領で、 発現ベクターpcD−SRαに挿入した。クローナルサブラインを、抗ジェネチ シントランスフェクション集団から単離した。トランスフェクションされた細胞 は、CTL82/82と接触された時、CTL82/82によって溶解され、こ れは前記抗原がこれらのマウス細胞内でもプロセッシング可能であることを示し た。図3Aは、HLA−Cw1601及びcDNA−AD5を坦持する発現ベ クターをコトランスフェクションされたP1.HTRマウス細胞のCTLクロー ン82/82による溶解を示している。トランスフェクションされていないP1 .HTRとHLA−Cw1601のみによってトランスフェクションされたP 1.HTRもテストした。例3 cDNA−AD5のDNA配列分析を、合成オリゴヌクレオチドでの特異的プ ライミングによって行った。配列認識番号1は、ここで「BAGE」と称する同 定された遺伝子のcDNAヌクレオチド情報を示している。前記シークエンシン グ反応は、ジデオキシ−チェーンターミネーション法(T7シークエンシングキ ット、Pharmacia Uppsala Sweden,ΔTAq(商標名 )サイクルーシークエンシングキット,USB,Cleveland,Ohio )によって行った。配列相同性のコンピュータ検索を、プログラムFASTA@ EMBL−Heidelberg及びblast@ncbi.nlm.nih. gov.によって行った。その配列は、コード領域の外部に位置する Alu反復(ヌクレオチド385から484)を除いて、現在データバンクに記 録されている他のいずれの配列に対しても大きな類似性を有していない。例4 HLA−Cw1601によって提示される前記抗原をコードするBAGEの 領域を決定した。この領域を同定するために、多数の切形BAGEcDNAクロ ーンを作った。BAGEをエキソヌクレアーゼIIIで様々なインキュベーショ ン時間で消化させることによって、3‘末端から始まる段階的なデリーションを 生成した。その切形バリアントを、pcDNAI/Ampに再結合し、E.co li株DH5αF’IQにエレクトロポーレーションし、アンピシリン(50μ g/ml)で選抜した。このようにして438のクローンが得られた。 前記プラスミドDNAを、これらの438のクローンから得て、HLA−Cw 1601cDNAと共にCOS−7細胞にトランスフェクションし、その抗原 をコードする能力をテストした。これらのトランスフェクション体を、前述した 要領でTNF放出アッセイでテストした。陽性クローンは、CTL82/82に よってTNF放出を刺激したものであった。 細胞を陽性と陰性のトランスフェクション体に分けた後、5つの陽性と5つの 陰性とからのプラスミドDNAの配列を決定した。陽性クローンであるクローン 19C2は、ヌクレオチド201からヌクレオチド267までの、前述したBA GE遺伝子に対するオープンリーディングフレームの一部を有していた。これに 対して、陰性のトランスフェクション体であるクローン17G12は、ヌクレオ チド201−206を有していた。これは、抗原ペプチドが、前記オープンリー ディングフレームの最初の67個のヌクレオチドによってコードされたことを示 すものであった。 BAGEの配列を示す図4は、又、最大のオープンリーディングフレームによ ってコードされる43のアミノ酸の推定たん白質をも示している。 このたん白質は、提示ペプチドの配列を有しているものと同定された。ここで配 列認識番号2と称するこの43のアミノ酸たん白質は、次の通りである。 MZ2−CTL82/82によってHLA−Cw1601と共同して認識され るペプチドに対応する配列は、箱内に示されている。この配列をここで配列認識 番号3:Ala Ala Arg Ala Val Phe Leu Ala Leuと称する。例4に記載したように、PCR増幅に使用したプライマーVD B85(配列認識番号6)(センス)及びVDB86(配列認識番号7)(アン チセンス)の配列は、矢印の下線を引かれている。 これに基づいて、いくつかの合成ペプチドが作られた。ペプチドは、アサート ン(Atherton)他,J.Chem.Soc.Lond.Perkin Trans.,1:538−546(1981)によって記載される、トランジ ェントなNH2−末端保護のためにF−mocを使用して固体相上で合成され、 質量分析法によってキャラクタライズされた。すべてのペプチドは、分析HPL Cによって示されているように純度>90%であった。凍結乾燥したペプチドを 、DMSO中で20mg/ml に溶解し、10mMの酢酸中で2mg/mlの割合で希釈し、80℃で保存した 。ペプチドを、HLA−Cw1601をトランスフェクションし、これらペプ チドとともにインキュベートしたCOS−7細胞でのCTL刺激アッセイでテス トした。これらは、又、前述した要領で、クロム放出アッセイによってもテスト した(ブーン(Boon)他,J.Exp.Med.152:1184−119 3(1980))。このペプチド感作アッセイに於いて、標的細胞を、1時間3 7℃で51Cr標識化し、広範囲に洗浄した。次に1000の標的細胞を、CTL 82/82細胞を添加する前に、様々な濃度のペプチドの存在下に於いて、96 −ウェル マイクロプレート中にて30分間37℃でインキュベートした。クロ ム放出を、4時間後37℃で測定した。 図8は、BAGEコードペプチドAARAVFLAL(配列認識番号3)とイ ンキュベートしたリンパ芽球細胞ラインMZ2−MEL.EBVのCTL82/ 82による溶解を示している。前記CTLとの標的細胞のインキュベーション中 のペプチドの最終濃度が示されている。矢印は、MZ2−MEL.43の溶解の 百分率を示している。患者MZ2からのリンパ芽球細胞ラインのCTL82/8 2による溶解に対する感作が、ノナペプチドAARAVFLAL(配列認識番号 3)(アミノ酸2−10、図4)で観察された。最大値の半分の溶解は、30n Mのペプチド濃度で得られた(図8)。N−末端Alaを含まないノナペプチド 、即ち、ARAVFLALF(配列認識番号4)、あるいはC−末端 Leuを 含まないノナペプチド、即ちMAARAVFLA(配列認識番号5)は、標的細 胞を感作して溶解させることができなかった。P1.HTR細胞にHLA−Cw 1601をトランスフェクトし、ノナペプチドAARAVFLAL(配列認識 番号3)とインキュベーションした。そのトランスフェクションされた細胞は、 CTL8/82によって溶解された。図3Bは、HLA−Cw1601をトラ ンスフェクションされ、1μMのBAGEコードノナペプチドAARAVFLA L(配列認識番号3)とインキュベーションされたP1.HTRのCTLクロー ン82/82による溶解を示 している。クロム標識化細胞の溶解を、4時間後にテストした。 患者MZ2のさまざまな血液サンプルからセットアップされた二つのMLTC (リンパ球・腫瘍細胞混合培養)から、前記BAGE/HLA−Cw1601 抗原を認識する6つのCTLクローンが誘導された。これらは、HLA−Cw 1601とBAGE cDNA−AD5とをコトランスフェクションされたCO S−7細胞の存在下に於いてTNFを産生した。これらは、又、HLA−Cw 1601をトランスフェクションされ、ノナペプチドAARAVFLAL(配列 認識番号3)とインキュベーションされた細胞にも応答した。少なくとも3種類 のCTL前駆体がこのBAGE抗原を認識できるようである。CLTクローン8 2/1はVα2,Vα3,及びVβ13を発現したのに対して、CTLクローン 25/244は、Vα8,Vβ8を発現し、CTLクローン82/82はVα3 ,Vα4およびVβ13を発現した。Vα及びVβ発現は、次の要領で判定した 。さまざまなCTLクローンからの全RNAを、RNAzolB(Clinn a/Biotecx,Friendswood,TX)を使用して準備した。単 鎖cDNA合成を、オリゴ(dT)とRNAse H活性の無いモロニーマウス 白血病ウィルス−由来逆転写酵素とで行った。PCRを、ジュネーヴェ(Gen evee)他,Eur.J.Immunol.,22:1261−1269(1 992)によって記載されているTCR可変領域(Vα1−W29,Vβ1−W 24)と定常領域(Cα,Cβ)配列とに対して相補的なオリゴヌクレオチドプ ライマーを用いてTCR−α、及び−βcDNA増幅によって行った。TCR Vα及びVβ PCR増幅の特異性は、サザン・ブロッティングと、増幅に使用 したものに対して内部にある32P標識化Cα又はCβオリゴヌクレオチドとのハ イブリダイゼーションによって評価した。例5 組織中に於けるBAGEの発現を、逆転写とnestedPCR(ファン・デ ア・ブルッゲン(van der Bruggen)他,前述)に よってテストした。メラノーマライン、腫瘍及び正常組織サンプルからのcDN Aと、サブラインMZ2−MEL.43からのゲノムDNAを、PCRによって 増幅した。全RNAを、デイヴィス(Davis)他,Basic Metho ds in Molecular Biology,pp.130−135(N ew York,Elsevier,1986)に記載されているグアニジン− イソチオシアネート法によって抽出した。逆転写を、2μgの全RNAに対して 、4μlの5x逆転写酵素バッファーと、2μlの20mMのオリゴ(dT)1 5プライマー溶液と、20UのRNasinと、2μlの0.1Mジチオトレイ トールと、200UのMoMLV逆転写酵素と1μlの各10mMのdNTP溶 液とを含有する20μlの反応容量で行った。前記反応物を、42℃で60分間 インキュベーションした。前記cDNA産物の1/20を、次に、5μlの10 x熱安定性DNAポリメラーゼバッファーと、1μlの各10mMのdNTP溶 液と、1μlの各25μMのプライマー溶液と、1UのDynaZyme(商標 名)と、水とを50μlの最終容量にまで添加した。前記PCRプライマーは、 5‘−TGGCTCGTCTCACTCTGG−3’(配列認識番号6)(VD B85,センス、ヌクレオチド100−117)と5‘−CCTCCTATTG CTCCTGTTG−3’(配列認識番号7)(VDB86、アンチセンス、ヌ クレオチド367−385)であった。PCRを、30サイクル(94℃で1分 間、62℃で2分間及び73℃で2分間)行った。10μlの前記PCR産物を 、1.5%アガロース・ゲル上でサイズ分画した。RNA調合物の品質を、ヒト β−アクチンcDNAを、プライマ−5‘−GGCATCGTGATGGACT CCG−3’(配列認識番号8)(エキソン4、センス)及び5‘−GCTGG AAGGTGGACAGCGA−3’(配列認識番号9)(エキソン6、アンチ センス)と共に、AmpliTaq DNAポリメラーゼによって、94℃で1 分間、68℃で2分間、72℃で2分間の21サイクルでのPCR増幅を行うこ とによってテストした。 前記PCR産物を、エチジウムブロマイドによって染色した1.5%の アガロース・ゲル上で視覚化した。精巣を除いて正常な成人組織には遺伝子BA GEの発現は見られなかった(図7と下記の表1参照)。前記遺伝子は、胎盤と 臍帯及び、20週齢以上の胎児からのいくつかの組織サンプルとにおいてもサイ レントであった。テストした12のEBV−形質転換リンパ芽球細胞ラインや、 フィトヘマグルチニンで刺激した血液リンパ球中に於いてもBAGEの発現は見 られなかった。 BAGEは、精巣を除いて、メラノサイトを含む正常成人組織中でサイレント であるようである。その発現が逆転写とPCRとによってテストされたので、正 常組織に於いて検出可能な産物が不在であるということは、腫瘍MZ2−MEL に於いて観察されるものの0.1%以下の発現レベルを示すものである。例6 腫瘍サンプルと細胞ラインとに於けるBAGEの発現も測定した。組織起源の 異なる600の腫瘍サンプルのBAGE発現を分析した。下の表2に示されてい るように、BAGE遺伝子は、主に、メラノーマ(22%)、膀胱癌(15%) 、乳癌(10%)、及び頭部及び首部扁平上皮細胞癌(8%)に於いて発現する 。より低い率の陽性サンプルが、肉腫(6%)と非−小細胞肺癌(6%)に見ら れた。腎臓、結腸直腸および前立腺癌、白血病、又はリンパ腫にはBAGEの発 現は見られなかった。非常に少数の例外を除き、BAGEを発現した腫瘍サンプ ルは、前に概略説明したMAGE遺伝子の一つも発現した。 BAGEは、メラノーマの一次病変(8%)よりも転移病変(26%)に於け る方がより頻繁に発現された。膀胱の過渡性細胞癌に於いて、30%の侵入性腫 瘍がBAGEを発現したのに対して、皮相性腫瘍に於いては発現は観察されなか った。BAGEは、腫瘍サンプルよりも腫瘍細胞ラインにおいて、より高い比率 で発現された。すなわち、32/60メラノーマ(53%)と3/15直腸結腸 癌細胞ライン(20%)が陽性であった。これは、又、MAGE遺伝子において も観察され、これは、恐らく、腫瘍細胞ラインが転移性腫瘍からより容易に誘導 されることに依る。例7 BAGE抗原の提示分子HLA−Cw1601は、有用な抗体が入手不能で ある為、血清アッセイに於いては同定することができない。しかしながら、その 発現は、逆転写とnested PCRとによってテストすることが可能である 。約7%(7/99)の白色人種の個体が、このHLA対立遺伝子を発現するこ とがわかっている(ファン・デア・ブルッゲン(van der Brugge n)他,前述)。細胞表面上に於けるHLA−C分子の濃度は、恐らく、β2− ミクログロブリンに対する結合の能率が低いことに依り、 HLA− Aおよび Bの濃度の約1/10以下であると報告されている(ニーフジェス(Neefj es)他,Eur.J.Immunol.,18:801−810(1988) )。しかしながら、BAGEがHLA−C分子上で認識されるペプチドをコード することが判り、これは、HLA−C分子もCTLに対する抗原の提示に於いて 重要な役割を果たしていることを示唆している。例8 患者MZ2の血液リンパ球と、前記メラノーマ細胞ラインMZ2−MEL.3 .0とから抽出されたDNAでサザン・ブロットを行った。サザン・ブロット分 析を行うために、メラノーマ細胞ラインMZ2−MEL.3.0、患者MZ2の PBLおよびマウス細胞ラインP1.HTRからの DNAをEcoRI又はHindIIIで切断した。DNAキャピラリートラン スファーを、Zeta−Probe(商標名)メンブレン(Bio−Rad)上 でのアルカリ・ブロッティングによって行った。トランスファー後、前記メンブ レンを、2xSSC中で洗浄し、80℃で1時間ベーキングし、6xSSC,1 0xデンハルト溶液中にて60℃で30分間前処理した。次に、このメンブレン を、3.5xSSC,1xデンハルト溶液、25mM NaH2PO4 pH7. 0,0.5%SDS,2mM EDTA,100μg/mlのニシン精子DNA 、およびPCRによって作成された2x106cpm/mlの121bp32P− 標識化プローブ(配列認識番号1のヌクレオチド211−331)中にて65℃ で18時間ハイブリダイゼーションした。前記メンブレンを、次に、2xSSC 、0.5%SDS中で65℃で2x15分間洗浄し、次に、0.2xSSC、0 .1%SDS中で15分間洗浄し、10日間オートラジオグラフィーにかけた。 このブロットが、上述した121bpプローブによってハイブリダイゼーショ ンされた時、EcoRIで切断されたDNAを含むレーンに4つのバンドが観察 され、HindIII切断の後には6つのバンドが観察された(図5)。前記プ ローブの小ささと、コード配列中のEcoRIおよびHindIII制限部位の 不在とを考えると、これらの結果は、BAGEが複数の関連する遺伝子からなる ファミリーに属するものであることを示している。例9 サブラインMZ2−MEL.43のpoly−A+RNAを用いて行ったノザ ン・ブロットを、配列認識番号1のヌクレオチド100−385を含む286b pのBAGEプローブでハイブリダイゼーションした。ノザン・ブロット分析を 行うために、MZ2−MEL.43からのpoly−A+RNAを、mRNA抽 出キットを使用して調整した。マウスの腎臓組織からの全RNAを、前述のデイ ヴィス(Davis)他に記載されてい るグアニジン−イソチオシアネート法によって抽出した。poly−A+RNA を、オリゴ−dTカラム上で全RNAから精製した。ノザン・ブロット分析のた めに、サブラインMZ2−MEL.43から5μgのpoly−A+RNAと、 マウス腎臓細胞からの5μgのpoly−A+RNAとを、0.66Mホルムア ルデヒドを含有する1%アガロース・ゲル上で分画し、10xSSC中にてメン ブレン上にトランスファーした。 前記メンブレンを、10%硫酸デキストラン、1%SDS及び1MNaCl中 にて60℃で15分間、プレハイブリダイゼーションし、同じ溶液中にて、2x 106cpm/mlの前記286bp32P−標識化プローブとともに、60℃で 一晩ハイブリダイゼーションした。前記メンブレンを、0.2xSSC中にて室 温で10分間、次に、0.1%SDSを添加した0.2xSSC中で60℃で2 x20分間、洗浄し、15時間オートラジオグラフィーにかけた。マウスβ−ア クチンプローブを用いて同じメンブレン上にてコントロールハイブリダイゼーシ ョンを行った。 図6は、この実験の結果を示している。各レーンは、MZ2−MEL.43細 胞からの5μgのpoly−A+RNAを含んでいた。β−アクチンプローブを 用いて同じメンブレン上にてコントロールハイブリダイゼーションを行った。約 1および2.4kbの2本のバンドが観察された。 これまでのところ、ヒトのメラノーマに於いて、自己由来CTLによって認識 される2つの主要なクラスの抗原が見つかっている。第1のクラスの抗原は、腫 瘍中に於いて非常に特異的に発現される遺伝子によってコードされる。遺伝子M AGE−1によってコードされる抗原が第1の例であり(ファン・デア・ブルッ ゲン(van der Bruggen)他,Science,254:164 3−1647(1991))、その後に、遺伝子MAGE−1とMAGE−3と によってコードされる他の抗原が続く(ゴーグラー(Gaugler)他,J. Exp.Med.,179:921−930(1994);ファン・デア・ブル ッゲン(van der Bruggen)他,前述)。マウスの肥満細胞腫P 815上に於いて観察される腫瘍拒絶抗原も、精巣を例外としてすべて の正常成人組織中においてサイレントな遺伝子の活性化から生じた(ファン・デ ン・エインデ(Van den Eynde)他,J.Exp.Med.,17 3:1373−1384(1991))。第2のクラスの抗原は、メラノサイト とメラノーマとに於いてのみ発現される遺伝子によってコードされる分化抗原で ある。チロシナーゼによってコードされる抗原がこのクラスの第1の例であり( ブリチャード(Brichard)他,Annal.Biochem.,162 :156−159(1993);ロビンズ(Robbins)他,Cancer Res.,54: Eur.J.Immunol.,24:759−764(1994)、これらは 更にMelan−A/MART−1(クーリ(Coulie)他,J.Exp. Med.,180:35−42(1994);カワカミ(Kawakami)他 ,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,91:3515−3519 (1994))と、gp100/pme117(バッカー(Bakker)他, J.Exp.Med.,179:1005−1009(1994);コックス( Cox)他,Science,264:716−719(1994))とによっ てコードされる抗原も含む。 上記諸例は、腫瘍拒絶抗原先駆体をコードする核酸分子の単離を示すものであ る。しかしながら、この“TRAP”のコードする分子は、前述した諸文献に記 載されている過去に開示されたMAGEをコードする配列のいずれとも相同性を 有していない。従って、本発明の一態様は、配列認識番号1に示すヌクレオチド 配列を有する単離核酸分子である。この配列は、これを前記諸文献に於いて記載 されているMAGE遺伝子のすべての配列と比較することから明らかなように、 MAGEをコードする配列ではない。非MAGE腫瘍拒絶抗原先駆体もコードす るものであるが、ストリンジェントな条件下に於いて前述したヌクレオチド配列 を含む核酸分子とハイブリダイズする核酸分子配列も本発明の一部を構成するも のである。ここで「ストリンジェントな条件」とは、当該技術に於いて周知のパ ラメータを いう。より具体的には、ここでのストリンジェントな条件とは、3.5xSSC 、1xデンハルト溶液、25mM燐酸ナトリウムバッファー(pH7.0)、0 .5%SDS、および2mM EDTA中に於ける、65℃で18時間のハイブ リダイゼーションをいう。その後、フィルタは、65℃で、2x SSC、0. 5%SDS中で2x15分間と、更に、0.2x SSC,0.1%SDS中で 1x15分間の4回の洗浄を行う。同程度のストリンジェントな条件をもたらす ために使用可能なその他の条件、試薬等もあるが、これらの条件は当業者には周 知であるのでここでは記載しない。 上記諸例から、又、本発明が前記配列の発現ベクターに於ける使用と、更に、 原核細胞株(たとえば、E.coli)あるいは真核細胞(たとえば、CHO又 はCOS細胞)を含む宿主細胞および細胞ラインをトランスフォーメーション又 はトランスフェクションするためのこれら配列の使用も含むことが理解されるで あろう。前記発現ベクターは、前記配列が、プロモーターと操作可能にリンクさ れていることを必要とする。前記発現ベクターは、又、HLA−Cw1601 をコードする核酸配列も含むことが可能である。ベクターが両方のコード配列を 含む場合には、それを利用して、正常にはいずれも発現しない細胞をトランスフ ェクションすることも可能である。上記腫瘍拒絶抗原先駆体コード配列は、たと えば、宿主細胞が既にHLA−Cw1601を発現する場合等において、単独 で使用することも可能である。もちろん、使用可能な具体的な宿主細胞について の限定はない。所望の場合、前記2つのコード配列を有するベクターをHLA− Cw1601提示細胞に使用することが可能であり、同様に、腫瘍拒絶抗原先 駆体の遺伝子をHLA−Cw1601を発現しない宿主細胞に使用することが 可能である。 本発明は、更に、技術者がそれによって所望の単数又は複数の発現ベクターを 作ることが可能な発現キットをも含む。このような発現キットは、前述したコー ド配列のそれぞれの少なくとも分離(separate)部分を含むものである。前述した 必要な配列が含まれる限り、所望の場合、他のコンポ ーネントを追加することも可能である。 本発明の核酸分子とTRAPとを前述したMAGEファミリーから区別するた めに、本発明を、遺伝子とTRAPのBAGEファミリーと称する。従って、こ こで“BAGE”は、前述した配列によってコードされる前記腫瘍拒絶抗原先駆 体を指す。“BAGEコード分子”とこれに類似の用語とは、前記核酸分子自身 を記載するのに使用される。 更に、MHC分子HLA−Cw1601を提示する細胞の同定に使用可能な ペプチド、たとえば、配列認識番号3のペプチド、も本発明の一部を構成する。 これを達成する一つの方法は、検出可能なシグナルを備えたこれらのペプチドを 投与し、その後、たとえば、前記ペプチドが結合した細胞を同定することである 。これを達成する別の方法は、HLA−Cw1601提示細胞が結合する固相 結合ペプチドを使用して、これらをアッセイされているサンプルから分離するこ とである。 更に、本発明によって、当業者は、TRAPの発現によって特徴付けられる疾 患を診断することができる。これらの方法は、前記TRAP遺伝子の発現の測定 および/又は、HLA−Cw1601によって提示されるTRA等のそこから 由来するTRAの発現の測定を含む。前者の場合、このような測定は、ポリメラ ーゼ連鎖反応を含むすべての標準的核酸測定アッセイ、又は標識化ハイブリダイ ゼーションプローブによるアッセイ等によって行うことができる。後者の場合に は、抗体等の、TRAとHLAとの複合体に対する結合パートナーによるアッセ イが特に好ましい。測定の別の方法としては、上述したタイプのTNF放出アッ セイがある。 TRAP遺伝子の単離によって、TRAP分子自身、特に、配列認識番号1に よってコードされる前記アミノ酸配列を含むTRAP分子を単離することも可能 になる。これらの単離された分子は、TRAとして、又は、TRAとHLA−C w1601等のHLAとの複合体として提示された場合、アジュバント等の物 質と結合させて、TRAP分子の発現によって特徴付けられる疾患の治療に有用 なワクチンを製造することができる。更に、ワクチンは、非増殖性癌細胞、非増 殖性トランスフェクション体等の、 その表面にTRA/ HLA複合体を提示する細胞から作ることができる。BA GEとMAGE抗原との両方に対する免疫化を行うことができる。細胞がワクチ ンとして使用されるすべてのケースに於いて、これらは、CTL応答を証明する のに必要な成分の1つ又は両方をコードする配列でトランスフェクションされた 細胞、又は、トランスフェクション無しで両方の分子を発現する細胞であるとい える。更に、前記TRAP分子、その関連TRA、およびTRAとHLAとの複 合体は、当該技術に於いて周知の標準的技術を使用して、抗体の製造に利用する ことができる。 ここで「疾患」という時、これは、腫瘍拒絶抗原先駆体が発現されるすべての 病状を指す。このような疾患の一例は特に癌メラノーマである。 当開示に基づく治療方法は、患者の免疫システムによる応答、すなわちHLA −Cw1601等のTRA提示細胞が溶解されることを前提としている。この ような方法の一つは、前記複合体に対して特異的なCTLを、問題の表現型の異 常細胞を有する患者に投与することである。このようなCTLをイン・ヴィトロ に開発することは十分に当業者の技術範囲に含まれる。具体的には、血液細胞等 のサンプル細胞を、前記複合体を提示し、特異的なCTLの増殖を促進すること が可能な細胞に接触させる。標的細胞は、上述したタイプのCOS細胞等のトラ ンスフェクション体であってよい。これらのトランスフェクション体は、その表 面に所望の複合体を提示し、対象のCTLと結合された時に、その増殖を刺激す る。このように使用したようなCOS細胞は、広く一般に入手可能であり、その 他の適当な宿主細胞も同様である。 養子移入と称される治療方法(Greenberg,J.Immunol.1 36(5):1917(1986):レッデル(Reddel)他、Scien ce 257:238(7−10−92):リンチ(Lynch)他、Eur. J.Immunol.21:1403−1410(1991):Kast他、C ell 59:603−614(11−17−89)について詳述すると、所望 の複合体を提示する細胞を、CTLと結合させ、これに対して特異的なCTLを 増 殖させる。次に、この増殖したCTLを、前記特定の複合体を提示している異常 細胞のいくつかによって特徴付けられる細胞異常を有する患者に投与する。する と、CTLが異常細胞を溶解し、所望の治療目的を達成する。 上述の治療方法は、患者の異常細胞の内の少なくともいくつかが適切なHLA /TRA複合体を提示することを前提としている。これは、特定のHLA分子を 提示する細胞を同定する方法と、前記特定の配列、ここではBAGE配列、を有 するDNAを発現する細胞を同定する方法が当業技術において周知であるため、 非常に容易に判断することができる。一旦、関連複合体を提示する細胞が、上述 したスクリーニング法によって同定されると、これらを、患者からの、CTLを 含むサンプルと結合させることができる。もしも複合体提示細胞が前記混合CT Lサンプルによって溶解されるならば、BAGE由来の腫瘍拒絶抗原が提示され ていると推定することが出来、その患者は、上述の治療アプローチを使用するの に適切な候補となる。 養子移入のみが本発明によって利用可能な治療形態ではない。種々のアプロー チを使用して、イン・ヴィヴォにCTLを刺激することも可能である。一つのア プローチ、すなわち、前記複合体を発現する非増殖性細胞の使用については既に 記載した。このアプローチに於いて使用される細胞としては、前記複合体を正常 時において発現する細胞、たとえば、照射メラノーマ細胞や、前記複合体の提示 に必要な前記遺伝子の一つ又は両方によってトランスフェクションされた細胞、 等を使用することができる。このアプローチの一具体例は、Chen他、Pro c.Natl.Acad.Sci.USA 88:110−114(1991) に例示されており、ここにはHPVE7ペプチドを発現するトランスフェクショ ンされた細胞の、治療法に於ける使用が示されている。さまざまな細胞タイプを 使用することができる。同様に、問題の遺伝子の1つ又は両方を坦持するベクタ ーを使用することができる。ウィルス性又はバクテリア性のベクターが特に好ま しい。これらのシステムに於いて、問題の遺伝子は、たとえば、ワクシニア・ウ ィルスやバクテリアBCG等によって坦持され、これらの物 質が実質的(de facto)に宿主細胞に「感染」(“infect”)す る。その結果得られる細胞は、問題の複合体を提示し、自己由来CTLによって 認識され、CTLは増殖する。前記腫瘍拒絶抗原又は前記先駆体自身を、問題の HLA分子を提示するHLA−Cw1601提示細胞への組み込みを促進する アジュバントと組み合わせることによっても類似の効果を達成することができる 。前記TRAPは、プロセッシングされてHLA分子のペプチドパートナーを生 成し、他方、前記TRAは、更なるプロセッシングを必要とせずに提示される。 ここにおいて、本発明は、特定の実施例について言及し、記載されているが、 これらの実施例は単に本発明の様々な態様の例証に過ぎないことが理解されるべ きである。従って、本発明の精神と範囲から外れることなく、この例示的な実施 例において多くの改良が可能であり、又、他の組み合わせが開発可能であること が理解されるべきである。
【手続補正書】 【提出日】1998年4月16日 【補正内容】 全文訂正 明細書 MHC分子HLA−Cw1601と複合体を形成する ペプチドをコードする単離核酸分子とその利用 関連出願のクロスリファレンス 本出願は1994年2月15日に出願した第08/196,630号の一部 継続出願であり、この出願第08/196,630号は1993年6月17日に 出願した第08/079,110号の一部継続出願である。 発明の分野 本発明は、病理状態の診断と治療とに関して有用な、核酸分子、たん白質、及 びペプチドとに関する。本発明は、更に、MHC分子HLA−Cw1601に よって提示されるペプチドにプロセッシングされる前記たん白質とペプチド、及 びその提示されるペプチド自身に関する。これらのペプチドは、診断及び治療に 於いて有用である。 背景及び従来技術 ほ乳類の免疫システムが外来の又は異質の物質を認識し、これに対して反応す るプロセスは複雑である。このシステムの重要な一面は、T細胞応答である。こ の応答は、T細胞がヒト白血球抗原(HLA)、又は主要組織適合遺伝子複合体 (MHC)と呼ばれる細胞表面分子とペプチドとの複合体を認識し、これと相互 作用することを必要とする。前記ペプチドは、前記HLA/MHC分子も提示す る細胞によってプロセッシングされるより大きな分子に由来する。この点に関し ては、メール(Male)他のAdvanced Immunology(J. P.Lipincott Company,1987)、特にその第6〜10章 を参照。T細胞とHLA/ペプチド複合体との相互作用は、HLA分子とペプチ ドの特定の組合せに特異的なT細胞を必要とする点で、限定されたものである。 たと え、特定のパートナーとなる複合体が存在しても、特異的なT細胞が存在しなけ ればT細胞応答は起こらない。同様に、T細胞が存在しても、特異的な複合体が 存在しなければ応答は起こらない。このメカニズムは、免疫システムの、外来の 物質に対する応答、自己免疫疾患、そして細胞異常に対する応答に関係している 。タンパク質がHLA結合ペプチドにプロセッシングされるメカニズムに関して 多くの研究が行われている。この点に関して、バリナガ(Barinaga), Science 257:880(1992);フリーモント(Fremont )他、Science 257: 919(1992):マツムラ(Matsu mura)他、Science 257:927(1992);及びラトロン( Latron)他、Science 257:964(1992)参照。 T細胞が細胞異常を認識するメカニズムは癌にも関連付けられてきた。例えば 、ここに参考文献として添付される1992年5月22日出願、1992年11 月26日公開のPCT出願PCT/US92/04354には、細胞表面上に発 現されるペプチドにプロセッシングされ、特定のCTLによる腫瘍細胞の溶解を 可能にする遺伝子の一つのファミリーが開示されている。これらの遺伝子は、「 腫瘍拒絶抗原先駆体」、即ち、”TRAP”分子をコードするものであると言わ れており、これらに由来するペプチドは、「腫瘍拒絶抗原」、又は、”TRA” と呼ばれている。この遺伝子ファミリーの詳細については、トラヴァーサリ(T raversari)他、Immunogenetics,35:145(19 92):ファン・デア・ブルッゲン(van der Bruggen)他、S cience 254:1643(1991)参照。更に、米国特許第5,34 2,774号を参照。 この開示内容をここに参考文献として添付する米国特許出願第938,334 号には、HLA−A1分子によって提示されるノナペプチドが教示されている。 この参考文献は、特定のHLA分子に対する特定のペプチドの特異性が既知であ れば、特定のペプチドが一つのHLA分子と結合し、他の分子には結合しないと 予期される、と教示している。これは重要であ る。というのは、異なる個体は異なるHLA表現型を有するからである。 その結果、ある特定のペプチドが特異的HLA分子のパートナーとして同定され ることが様々な診断上及び治療上の効果を有するとしても、これらはこの特定の HLA表現型を保有する個体にしか適切でないことになる。細胞異常は一つの特 定のHLA表現型に限られている訳ではないので、この分野において更に研究が 必要であり、標的治療の為には対象となる異常細胞の表現型に関するいくらかの 知識が必要である。 ここに参考文献として添付する1993年1月22日出願の米国特許出願第0 08,446号には、MAGE−1発現産物が、第2のTRAにプロセッシング されるという事実が開示されている。この第2のTRAは、HLA−Cw16 01分子によって提示される。この開示には、あるTRAPが複数のTRAを産 生することが可能であることが示されている。 ここに参考文献として添付する1992年12月22日出願の米国特許出願第 994,928号にはチロシナーゼが腫瘍拒絶抗原先駆体として記載されている 。この文献には、いくつかの正常細胞(例えば、メラノサイト)によって生成さ れる分子が、腫瘍細胞内でプロセッシングされてHLA−A2分子によって提示 される腫瘍拒絶抗原を作ることが開示されている。 ここに参考文献として添付する1993年3月18日出願の米国特許出願第0 8/032,978号には、チロシナーゼに由来するのではない第2のTRAが 、HLA−A2分子によって提示されることが教示されている。このTRAは、 TRAPに由来するものではあるが、非MAGE遺伝子によってコードされる。 この開示は、特定のHLA分子が、異なった起源に由来するTRAを提示する可 能性があるということを示している。 参考文献として添付する1993年6月17日出願の米国特許出願第08/0 79,110号には、そこにおいてBAGEファミリーと称されているところの 遺伝子の新規なファミリーが開示された。これらの遺伝子も、腫瘍拒絶抗原先駆 体をコードすることが観察された。同出願に於いて、HLA−Cw1601と して知られているMHC分子がBAGE腫瘍拒 絶抗原先駆体に由来する腫瘍拒絶抗原を提示することが開示されている。しかし 、その腫瘍拒絶抗原は開示されなかった。前記腫瘍拒絶抗原は、ここに参考文献 として添付する1994年2月15日出願の米国特許出願第08/196,63 0号に開示されている。同出願は、又、前記腫瘍拒絶抗原の派生効果、更にこの 抗原を利用した治療及び診断方法も開示している。 本出願は、特許出願第08/196,630号に記載されているBAGE腫瘍 拒絶抗原先駆体をコードする単離核酸分子に関する。本出願は、更に、前記単離 BAGE核酸分子を利用した治療及び診断方法にも関する。 本発明を、以下の開示に於いて更に詳述する。 図面の簡単な説明 上述した簡単な記載、及び本発明の更に別の課題及び特徴は、本発明の好適な 、但し例示的な実施例の以下の詳細な説明を、添付の図面を参照して斟酌するこ とにってより完全に理解されるであろう。ここで、 図1は、図1A,1B,1C,1D,1E,1Fから成る。図1Aは、MZ2 −MELのサブラインであるMZ2−MEL.3.0、図1Bは、MZ2−ME L.3.1、図1Cは、MZ2−MEL.B.TC.4に対するCTLクローン 82/82の溶解活性を示している。図1Dは、MZ2−MELサブラインMZ 2−MEL.43、図IEは、HLA−Cw1601陽性患者由来のメラノー マ細胞ラインMI4024/1−MEL及び、図1Fは、HLA−Cw160 1陽性患者由来のメラノーマ細胞ラインLB17−MELに対するCTLクロー ン82/82の溶解活性を示している。 図2は、HLA−Cw1601のみ、cDNA−AD5との組み合わせ、又 はAD5のみ、をそれぞれトランスフェクションしたCOS−7細胞に接触した 時に於ける、CTL82/82によるTNF放出を示している。CTL82/8 2は、コントロールとして、MZ2−MEL.43 とMZ2−MEL.2.2.5とも接触させた。 図3は、図3A,3B,3C,3Dから成る。図3Aは、HLA−Cw16 01とcDNA−AD5を坦持する発現ベクターをコトランスフェクションした P1.HTRマウス細胞、図3Bは、トランスフェクションしなかったP1.H TR、図3Cは、HLA−Cw1601のみをトランスフェクションしたP1 .HTR、のCTLクローン82/82による溶解を示している。図3Dは、H LA−Cw1601をトランスフェクションしたP1.HTRとBAGE由来 ノナペプチドAARAVFLAL;(配列認識番号3)とのCTLクローン82 /82による溶解を示している。 図4は、BAGE腫瘍拒絶抗原先駆体のヌクレオチド及びアミノ酸配列を示し ている。箱内のセグメントは、前記先駆体由来の腫瘍拒絶抗原である。 図5は、メラノーマ細胞ラインMZ2−MEL.3.0と患者MZ2からの血 液リンパ球と、マウス細胞ラインP1.HTRとから抽出されたDNAのサザン ・ブロットを示している。 図6は、MZ2−MEL.43細胞中に於けるBAGEの発現のノザン・ブロ ット分析を示す。 図7は、メラノーマライン、腫瘍及び正常サンプル由来のcDNA、更に、サ ブラインMZ2−MEL.43由来のゲノムDNAの、PCR増幅を示している 。 図8は、BAGEにコードされるペプチドAARAVFLAL(配列認識番号 3)又は、ノナペプチドARAVFLALF(配列認識番号4)又はMAARA VFLA(配列認識番号5)とインキュベートしたリンパ芽球細胞ラインMZ2 −EBVのCTL82/82による溶解を示している。 発明の詳細な説明 例1 メラノーマ細胞ラインMZ2−MELを、標準方法を使用して患者 MZ2から得た。この細胞ラインは、ここに参考文献として添付する1992年 5月22日出願、1992年11月26日公開のPCT出願PCT/US92/ 04354に記載されている。前記細胞ラインの確立後、そのサンプルを照射し 、これを非増殖性にした。多数のサブクローンをMZ2−MELから得た。具体 的には、クローナルラインMZ2−MEL.3.0を制限希釈によってMZ2− MELから得た。次に、このMZ2−MEL.3.0培養物を更に培養した。培 養での150世代以上後、MZ2−MEL.3.1として示す新たなサブライン が得られた。MZ2−MEL.3.1は、MZ2−MEL.3.0に対して強い 溶解活性を有する自己由来CTLクローンの大きなフラクションに対して抵抗を 有することがわかった。MZ2−MEL.3.1は、HLA−A29、B44、 HLA−Cw1601をコードする遺伝子を失ったと判断された(ここに参考 文献として添付するファン・デア・ブルッゲン(van der Brugge n)他,Eur.J.Immunol.,204:2134−2140(199 4)参照)。 サブラインMZ2−MEL.43を、変異誘発物質処理後に生存したMZ2− MEL.3.0細胞から制限希釈によって誘導した(ファン・デン・エインデ( Van den Eynde)他,Int.J.Cancer,44:634− 640(1989))。抗原MZ2−Eを発現しないクローンサブラインMZ2 −MEL.2.2を、自己由来抗−MZ2−E CTLクローンによってサブク ローンMZ2−MEL.3.1から選択した(ファン・デン・エインデ(Van den Eynde)他,前述)。サブラインMZ2−MEL.2.2.5を 、抗−MZ2−F CTLクローンによってサブラインMZ2−MEL.2.2 から選択した。MZ2−MEL.B.TC.4を、HLA−Cw1601遺伝 子をサブラインMZ2−MEL.2.2.5へのトランスフェクションによって 得た(ファン・デア・ブルッゲン(Van der Bruggen)他,前述 )。メラノーマ細胞ラインを、ファン・デン・エインデ(Van den Ey nde)他,前述及 びトラヴァーサリ(Traversari)他,Immunogenetics ,35:145−152(1992)によって以前に記載されている要領で成長 させた。 細胞ラインMZ2−MELに対して特異的な細胞溶解性T細胞クローン(“C TL”)を、照射済みMZ2−MEL細胞を利用して得た。具体的には、末梢血 液単核細胞(“PBMC”)のサンプルを、患者MZ2から採取して、これを、 前記照射済みメラノーマ細胞に接触させた。その混合物の前記メラノーマ細胞の 溶解を観察したところ、前記メラノーマ細胞によって提示されたペプチドとHL A分子との複合体に対して特異的なCTLが前記サンプル中に存在することが示 された。 使用した溶解アッセイは、ここに参考文献として添付するヘリン(Herin )他、Int.J.Cancer 39:390〜396(1987)に基づく クロム放出アッセイであった。但し、このアッセイについてはここに記載してお く。標的メラノーマ細胞をイン・ヴィトロで生育させ、次に、これを10mMの HEPESと50%のFCSとを追加したDMEM中で4x107細胞/mlに 再懸濁させ、200μCi/mlのNa(51Cr)O4とともに37℃で60分 間培養した。標識化した細胞を、10mMのHEPESを添加したDMEMで3 回洗浄した。次に、これらを10mMのHEPESと10%のFCSとを追加し たDMEM中に再懸濁させ、その後、103個の細胞を含む100μlのアリコ ットを、96ウェルマイクロプレート中に分配した。PBLのサンプルを、10 0μlの同じ培地に添加し、同様にアッセイを行った。プレートを100gで4 分間遠心分離し、37℃で8%のCO2雰囲気中にて4時間インキュベートした 。 プレートを再び遠心分離し、100μlの上清のアリコットを採取し、カウン トした。51Cr放出の百分率は以下の式に基づいて計算された。 %51Cr放出=((ER−SR)/(MR−SR))×100 ここで、ERは観察された実験51Cr放出量、SRは103標識化細胞を200 μlの培地中のみで培養することによって測定された自発的放出量、そしてMR は、100μlの0.3%Triton X−100を標的細胞に添加すること によって得られた最大放出量である。 高いCTL活性を示した前記単核血液サンプルを制限希釈によって拡張及びク ローン化を行い、同じ方法を使用して再スクリーニングした。このようにしてC TLクローンMZ2−CTL 82/82を単離した。前記クローンを、以後「 82/82」と称する。 MZ2−MELサブラインと他のメラノーマラインとを、CTLクローン82 /82に接触させ、クロム放出を測定することによって溶解活性を判定した。ク ロム放出は4時間後に測定した。図1A〜Cは、MZ2−MEL.3.0(図1 A)と、MZ2−MEL.B.TC.4(図1C)との溶解を示している。サブ ラインMZ2−MEL.3.1(図1B)は、CTL82/82によって溶解さ れなかった。図1D〜Fは、CTL82/82によるクローンラインMZ2−M EL.43(図1D)の溶解があることを示している。更に、HLA−Cw1 601対立遺伝子を有するメラノーマ細胞ラインMI4024/1−MEL(図 1E)及びLB17/MEL(図1F)がCTL82/82によって溶解された 。例2 CTL82/82によって認識される抗原をコードする遺伝子を同定した。こ こに記載するように、前記遺伝子は、cDNAライブラリーとHLA−Cw1 601cDNAをコトランスフェクションすることによって同定された。CTL 82/82のMZ2−MEL.43に対する特異性に依り、この細胞ラインのc DNAを使用して前記cDNAライブラリーを形成した。前記cDNAライブラ リーをMZ2−MEL.43から構築するために、poly−A+RNAを、m RNA抽出キットを使用してMZ2−MEL.43細胞から抽出した。前記mR NAを、ランダム・プライマーを使用してcDNAに変換し、標準的技術を使用 してアダプター に結合させ、これをSV40の複製開始点を含む発現ベクターpcD−SRαの EcoRI部位に挿入した。組換えプラスミドを、E.coliJM101にエ レクトロポーレーションし、アンピシリン(50μg/ml)で選抜した。前記 ライブラリーは、66,000個のインサートを有し、これを400のバクテリ アの87のプールと200のバクテリアの297のプールとに分けた。前記プラ スミドの約70%が一つのインサートを有していたことから、これらのプールは それぞれ、約280又は140種類のcDNAを含むことになる。これらバクテ リアの各プールを、飽和まで増殖させ、プラスミドDNAを周知のアルカリ溶解 方法によって抽出した。 プラスミドpcD−SRαに、HLA−Cw1601cDNAをトランスフ ェクションした。次に、cDNAプールと、HLA−Cw1601cDNAを 含有する前記pcD−SRαプラスミドを同一のCOS−7細胞のマイクロカル チャーにコトランスフェクションした。トランスフェクションは、DEAE−デ キストラン−クロロキン法によって行った(シード(Seed)他 Proc. Natl.Acad.Sci.USA,84:3365−3369(1987) :ブリチャード(Brichard)他,Annal.Biochem,,16 2:156−159(1993)):クーリ(Coulie)他,J.Exp. Med.180:35−42(1994))。簡単に説明すると、1.5x104 COS−7細胞に、100ngのHLA−Cw1601のcDNAを含有 するプラスミドpcD−SRαと、100ngの前記cDNAライブラリーのプ ール、即ち、100ngのcDNAクローン、をトランスフェクションした。前 記HLA−Cw1601cDNAを、サブラインMZ2−MEL.43から抽 出されたRNAで調合したcDNAライブラリーから単離した(ファン・デア・ ブルッゲン(Van der Bruggen)他,前述)。 コトランスフェクション体を、24又は48時間後に、CTLによって腫瘍壊 死因子(TNF)の産生を刺激する能力をテストした(トラヴァー サリ(Traversari)他,Immunogenetics,235:1 45−152(1992))。1500のCTLを、10%のヒト血清と、20 U/ml r−hu−IL−2とを含有する100μlのIscove培地(G ibco BRL)中にて、標的細胞を含有するマイクロ・ウェルに添加した。 24時間後、上清を収集し、そのTNF含有率を、MTT比色定量アッセイ(ハ ンセン(Hansen)他,J.Cancer,39:390−396(198 9)及びトラヴァーサリ(Traversari)他,前述)に於いて、WEH I−164クローン13(Espevik et al. ,J.Immunol .Methods,95:99−105(1986))細胞に対するその細胞障 害性効果をテストすることによって判定した。 トランスフェクションされたcDNAの384のプール(200のバクテリア の297のプールと400バクテリアの87のプール)の内、二つが40pg/ ml以上のTNFを含む陽性上清を産生したのに対して、その他のプールでトラ ンスフェクションしたマイクロカルチャーの全部のTNF濃度は、5pg/ml 以下であった。400の別々のバクテリアを含むこれらのcDNAプールの内の 一つから、800のバクテリアがサブクローン化された。それらのそれぞれから プラスミドDNAを抽出し、前述したHLA−Cw1601コンストラクトと 共にCOS−7細胞にトランスフェクションした。12のクローンが、CTL8 2/82による認識を得た。cDNA−AD5として示すそれらの内の一つから 得られた結果を図2に示す。 図2は、cDNA−AD5とHLA−Cw1601cDNAをコトランスフ ェクションした、又はこれらcDNAのいずれか一方をトランスフェクションし たCOS−7細胞によるCTL82/82の刺激を示している。前記cDNAを 、前述した要領で発現ベクターpcD−SRαに挿入した。CTL82/82の サンプルを、前記トランスフェクションの1日後に添加し、その上清のTNF含 有率を、WEHI−164クローン13の細胞に対するその障害性を1日後にテ ストすることによって推定した。 ポジティブとネガティブとのコントロールを、MZ2−MEL.43及びMZ2 −MEL.2.2.5細胞を用いて行った。 トランジェントなトランスフェクションに於いてcDNA−AD5で得られた 結果を確認するために、ステーブルなトランスフェクション体も準備した。マウ スの腫瘍細胞ラインP815由来のトランスフェクション性の高いバリアントで あるP1.HTR(ファン・ペル(Van Pel)他,Som.Cell G enet.,11:467−475(1985)) (ニコラス(Nicolas)他,CSH Conferences Cell Prolif.,10:469−485(1983))とHLA−Cw16 01のみ、又は、 HLA−Cw1601とcDNA−AD5との両方ととも に、燐酸カルシウム沈降法を使用して、HLA−Cw1601とcDNA−A D5の両方をトランスフェクションした。前記関連cDNAを、前述した要領で 、発現ベクターpcD−SRαに挿入した。クローナルサブラインを、抗ジェネ チシントランスフェクション集団から単離した。トランスフェクションされた細 胞は、CTL82/82と接触された時、CTL82/82によって溶解され、 これは前記抗原がこれらのマウス細胞内でもプロセッシング可能であることを示 した。図3Aは、HLA−Cw1601及びcDNA−AD5を坦持する発現 ベクターをコトランスフェクションされたP1.HTRマウス細胞のCTLクロ ーン82/82による溶解を示している。トランスフェクションされていないP 1.HTR(図3B)とHLA−Cw1601のみによってトランスフェクシ ョンされたP1.HTR(図3C)もテストした。例3 cDNA−AD5のDNA配列分析を、合成オリゴヌクレオチドでの特異的プ ライミングによって行った。配列認識番号1は、ここで「BAGE」と称する同 定された遺伝子のcDNAヌクレオチド情報を示している。前 記シークエンシング反応は、ジデオキシ−チェーンターミネーション法(T7シ ークエンシングキット、Pharmacia Uppsala Sweden, ΔTAq(商標名)サイクルーシークエンシングキット,USB,Clevel and,Ohio)によって行った。配列相同性のコンピュータ検索を、プログ ラムFASTA@EMBL−Heidelberg及びblast@ncbi. nlm.nih.gov.によって行った。その配列は、コード領域の外部に位 置するAlu反復(ヌクレオチド385から484)を除いて、現在データバン クに記録されている他のいずれの配列に対しても大きな類似性を有していない。例4 HLA−Cw1601によって提示される前記抗原をコードするBAGEの 領域を決定した。この領域を同定するために、多数の切形BAGEcDNAクロ ーンを作った。BAGEをエキソヌクレアーゼIIIで様々なインキュベーショ ン時間で消化させることによって、3‘末端から始まる段階的なデリーションを 生成した。その切形バリアントを、pcDNAI/Ampに再結合し、E.co li株DH5αF’IQにエレクトロポーレーションし、アンピシリン(50μ g/ml)で選抜した。このようにして438のクローンが得られた。 前記プラスミドDNAを、これらの438のクローンから得て、HLA−Cw 1601cDNAと共にCOS−7細胞にトランスフェクションし、その抗原 をコードする能力をテストした。これらのトランスフェクション体を、前述した 要領でTNF放出アッセイでテストした。陽性クローンは、CTL82/82に よってTNF放出を刺激したものであった。 細胞を陽性と陰性のトランスフェクション体に分けた後、5つの陽性と5つの 陰性とからのプラスミドDNAの配列を決定した。陽性クローンであるクローン 19C2は、ヌクレオチド201からヌクレオチド267ま での、前述したBAGE遺伝子に対するオープンリーディングフレームの一部を 有していた。これに対して、陰性のトランスフェクション体であるクローン17 G12は、ヌクレオチド201−206を有していた。これは、抗原ペプチドが 、前記オープンリーディングフレームの最初の67個のヌクレオチドによってコ ードされたことを示すものであった。 BAGEの配列を示す図4は、又、最大のオープンリーディングフレームによ ってコードされる43のアミノ酸の推定たん白質をも示している。このたん白質 は、提示ペプチドの配列を有しているものと同定された。ここで配列認識番号2 と称するこの43のアミノ酸たん白質は、次の通りである。 MZ2−CTL82/82によってHLA−Cw1601と共同して認識され るペプチドに対応する配列は、箱内に示されている。この配列をここで配列認識 番号3:Ala Ala Arg Ala Val Phe Leu Ala Leuと称する。例4に記載したように、PCR増幅に使用したプライマーVD B85(配列認識番号6)(センス)及びVDB86(配列認識番号7)(アン チセンス)の配列は、矢印の下線を引かれている。 これに基づいて、いくつかの合成ペプチドが作られた。ペプチドは、アサート ン(Atherton)他,J.Chem.Soc.Lond.Perkin Trans.,1:538−546(1981)によって記載される、トランジ ェントなNH2−末端保護のためにF−mocを使用して固体相上で合成され、 質量分析法によってキャラクタライズされた。すべてのペプチドは、分析HPL Cによって示されているように純度>90%であった。凍結乾燥したペプチドを 、DMSO中で20mg/mlに溶解し、10mMの酢酸中で2mg/mlの割 合で希釈し、80℃で保存した。ペプチドを、HLA−Cw1601をトラン スフェクションし、これらペプチドとともにインキュベートしたCOS−7細胞 でのCTL刺激アッセイでテストした。これらは、又、前述した要領で、クロム 放出アッセイによってもテストした(ブーン(Boon)他,J.Exp.Me d.152:1184−1193(1980))。このペプチド感作アッセイに 於いて、標的細胞を、1時間37℃で51Cr標識化し、広範囲に洗浄した。次に 1000の標的細胞を、CTL82/82細胞を添加する前に、様々な濃度のペ プチドの存在下に於いて、96−ウェル マイクロプレート中にて30分間37 ℃でインキュベートした。クロム放出を、4時間後37℃で測定した。 図8は、BAGEコードペプチドAARAVFLAL(配列認識番号3)とイ ンキュベートしたリンパ芽球細胞ラインMZ2−MEL.EBVのCTL82/ 82による溶解を示している。前記CTLとの標的細胞のインキュベーション中 のペプチドの最終濃度が示されている。矢印は、MZ2−MEL.43の溶解の 百分率を示している。患者MZ2からのリンパ芽球細胞ラインのCTL82/8 2による溶解に対する感作が、ノナペプチドAARAVFLAL(配列認識番号 3)(アミノ酸2−10、図4)で観察された。最大値の半分の溶解は、30n Mのペプチド濃度で得られた(図8)。N−末端Alaを含まないノナペプチド 、即ち、ARAVFLALF(配列認識番号4)、あるいはC−末端 Leuを 含まないノナペプチド、即ちMAARAVFLA(配列認識番号5)は、標 的細胞を感作して溶解させることができなかった。P1.HTR細胞にHLA− Cw1601をトランスフェクトし、ノナペプチドAARAVFLAL(配列 認識番号3)とインキュベーションした。そのトランスフェクションされた細胞 は、CTL82/82によって溶解された。図3Dは、HLA−Cw1601 をトランスフェクションされ、1μMのBAGEコードノナペプチドAARAV FLAL(配列認識番号3)とインキュベーションされたP1.HTRのCTL クローン82/82による溶解を示している。クロム標識化細胞の溶解を、4時 間後にテストした。 患者MZ2のさまざまな血液サンプルからセットアップされた二つのMLTC (リンパ球・腫瘍細胞混合培養)から、前記BAGE/HLA−Cw1601 抗原を認識する6つのCTLクローンが誘゛導された。これらは、HLA−Cw 1601とBAGE cDNA−AD5とをコトランスフェクションされたC OS−7細胞の存在下に於いてTNFを産生した。これらは、又、HLA−Cw 1601をトランスフェクションされ、ノナペプチドAARAVFLAL(配 列認識番号3)とインキュベーションされた細胞にも応答した。少なくとも3種 類のCTL前駆体がこのBAGE抗原を認識できるようである。CLTクローン 82/1はVα2,Vα3,及びVβ13を発現したのに対して、CTLクロー ン25/244は、Vα8,Vβ8を発現し、CTLクローン82/82はVα 3,Vα4およびVβ13を発現した。Vα及びVβ発現は、次の要領で判定し た。さまざまなCTLクローンからの全RNAを、RNAzolB(Clin na/Biotecx,Friendswood,TX)を使用して準備した。 単鎖cDNA合成を、オリゴ(dT)とRNAse H活性の無いモロニーマウ ス白血病ウィルス−由来逆転写酵素とで行った。PCRを、ジュネーヴェ(Ge nevee)他,Eur.J.Immunol.,22:1261−1269( 1992)によって記載されているTCR可変領域(Vα1−W29,Vβ1− W24)と定常領域(Cα,Cβ)配列とに対して相補的なオリゴヌクレオチド プライマーを用いてTCR−α、及び−βcDNA増幅によって行った。TCR Vα及びVβ PCR増幅の特異性は、サザン・ブロッティングと、増幅に使用 したものに対して内部にある32P標識化Cα又はCβオリゴヌクレオチドとのハ イブリダイゼーションによって評価した。例5 組織中に於けるBAGEの発現を、逆転写とnestedPCR(ファン・デ ア・ブルッゲン(van der Bruggen)他,前述)によってテスト した。メラノーマライン、腫瘍及び正常組織サンプルからのcDNAと、サブラ インMZ2−MEL.43からのゲノムDNAを、PCRによって増幅した。全 RNAを、デイヴィス(Davis)他,Basic Methods in Molecular Biology,pp.130−135(New Yor k,Elsevier,1986)に記載されているグアニジン−イソチオシア ネート法によって抽出した。逆転写を、2μgの全RNAに対して、4μlの5 x逆転写酵素バッファーと、2μlの20mMのオリゴ(dT)15プライマー 溶液と、20UのRNasinと、2μlの0.1Mジチオトレイトールと、2 00UのMoMLV逆転写酵素と1μlの各10mMのdNTP溶液とを含有す る20μlの反応容量で行った。前記反応物を、42℃で60分間インキュベー ションした。前記cDNA産物の1/20を、次に、5μlの10x熱安定性D NAポリメラーゼバッファーと、1μlの各10mMのdNTP溶液と、1μl の各25μMのプライマー溶液と、1UのDynaZyme(商標名)と、水と を50μlの最終容量にまで添加した。前記PCRプライマーは、5‘−TGG CTCGTCTCACTCTGG−3’(配列認識番号6)(VDB85,セン ス、ヌクレオチド100−117)と5‘−CCTCCTATTGCTCCTG TTG−3’(配列認識番号7)(VDB86、アンチセンス、ヌクレオチド3 67−385)であった。PCRを、30サイクル(94℃で1分間、62℃で 2分間及び73℃で2分間)行った。10μlの前記PCR産物を、1.5%ア ガロース・ゲル上でサイズ分画した。RNA調 合物の品質を、ヒトβ−アクチンcDNAを、プライマ−5‘−GCATCGT GATGGACTCCG−3’(配列認識番号8)(エキソン4、センス)及び 5‘−GCTGGAAGGTGGACAGCGA−3’(配列認識番号9)(エ キソン6、アンチセンス)と共に、AmpliTaq DNAポリメラーゼによ って、94℃で1分間、68℃で2分間、72℃で2分間の21サイクルでのP CR増幅を行うことによってテストした。 前記PCR産物を、エチジウムブロマイドによって染色した1.5%のアガロ ース・ゲル上で視覚化した。精巣を除いて正常な成人組織には遺伝子BAGEの 発現は見られなかった(図7と下記の表1参照)。前記遺伝子は、胎盤と臍帯及 び、20週齢以上の胎児からのいくつかの組織サンプルとにおいてもサイレント であった。テストした12のEBV−形質転換リンパ芽球細胞ラインや、フィト ヘマグルチニンで刺激した血液リンパ球中に於いてもBAGEの発現は見られな かった。 BAGEは、精巣を除いて、メラノサイトを含む正常成人組織中でサイレント であるようである。その発現が逆転写とPCRとによってテストされたので、正 常組織に於いて検出可能な産物が不在であるということは、腫瘍MZ2−MEL に於いて観察されるものの0.1%以下の発現レベルを示すものである。例6 腫瘍サンプルと細胞ラインとに於けるBAGEの発現も測定した。組織起源の 異なる600の腫瘍サンプルのBAGE発現を分析した。下の表2に示されてい るように、BAGE遺伝子は、主に、メラノーマ(22%)、膀胱癌(15%) 、乳癌(10%)、及び頭部及び首部扁平上皮細胞癌(8%)に於いて発現する 。より低い率の陽性サンプルが、肉腫(6%)と非−小細胞肺癌(6%)に見ら れた。腎臓、結腸直腸および前立腺癌、白血病、又はリンパ腫にはBAGEの発 現は見られなかった。非常に少数の例外を除き、BAGEを発現した腫瘍サンプ ルは、前に概略説明したMAGE遺伝子の一つも発現した。 BAGEは、メラノーマの一次病変(8%)よりも転移病変(26%)に於け る方がより頻繁に発現された。膀胱の過渡性細胞癌に於いて、30%の浸潤性腫 瘍がBAGEを発現したのに対して、皮相性腫瘍に於いては発現は観察されなか った。BAGEは、腫瘍サンプルよりも腫瘍細胞ラインにおいて、より高い比率 で発現された。すなわち、32/60メラノーマ(53%)と3/15直腸結腸 癌細胞ライン(20%)が陽性であった。これは、又、MAGE遺伝子において も観察され、これは、恐らく、腫瘍細胞ラインが転移性腫瘍からより容易に誘導 されることに依る。例7 BAGE抗原の提示分子HLA−Cw1601は、有用な抗体が入手不能で ある為、血清アッセイに於いては同定することができない。しかしながら、その 発現は、逆転写とnested PCRとによってテストすることが可能である 。約7%(7/99)の白色人種の個体が、このHLA対立遺伝子を発現するこ とがわかっている(ファン・デア・ブルッゲン(van der Brugge n)他,前述)。細胞表面上に於けるHLA−C分子の濃度は、恐らく、β2− ミクログロブリンに対する結合の能率が低いことに依り、HLA−AおよびBの 濃度の約1/10以下であると報告されている(ニーフジェス(Neefjes )他,Eur.J.Immunol.,18:801−810(1988))。 しかしながら、BAGEがHLA−C分子上で認識されるペプチドをコードする ことが判り、これは、HLA−C分子もCTLに対する抗原の提示に於いて重要 な役割を果たしていることを示唆している。例8 患者MZ2の血液リンパ球と、前記メラノーマ細胞ラインMZ2−MEL.3 .0とから抽出されたDNAでサザン・ブロットを行った。サザン・ブロット分 析を行うために、メラノーマ細胞ラインMZ2−MEL.3.0、患者MZ2の PBLおよびマウス細胞ラインP1.HTRからの DNAをEcoRI又はHindIIIで切断した。DNAキャピラリートラン スファーを、Zeta−Probe(商標名)メンブレン(Bio−Rad)上 でのアルカリ・ブロッティングによって行った。トランスファー後、前記メンブ レンを、2xSSC中で洗浄し、80℃で1時間ベーキングし、6xSSC,1 0xデンハルト溶液中にて60℃で30分間前処理した。次に、このメンブレン を、3.5xSSC,1xデンハルト溶液、25mM NaH2PO4 pH7. 0,0.5%SDS,2mM EDTA,100μg/mlのニシン精子DNA 、およびPCRによって作成された2x106cpm/mlの121bp32P− 標識化プローブ(配列認識番号1のヌクレオチド211−331)中にて65℃ で18時間ハイブリダイゼーションした。前記メンブレンを、次に、2xSSC 、0.5%SDS中で65℃で2x15分間洗浄し、次に、0.2xSSC、0 .1%SDS中で15分間洗浄し、10日間オートラジオグラフィーにかけた。 このブロットが、上述した121bpプローブによってハイブリダイゼーショ ンされた時、EcoRIで切断されたDNAを含むレーンに4つのバンドが観察 され、HindIII切断の後には6つのバンドが観察された(図5)。前記プ ローブの小ささと、コード配列中のEcoRIおよびHindIII制限部位の 不在とを考えると、これらの結果は、BAGEが複数の関連する遺伝子からなる ファミリーに属するものであることを示している。例9 サブラインMZ2−MEL.43のpoly−A+RNAを用いて行ったノザ ン・ブロットを、配列認識番号1のヌクレオチド100−385を含む286b pのBAGEプローブでハイブリダイゼーションした。ノザン・ブロット分析を 行うために、MZ2−MEL.43からのpoly−A+RNAを、mRNA抽 出キットを使用して調整した。マウスの腎臓組織からの全RNAを、前述のデイ ヴィス(Davis)他に記載されてい るグアニジン−イソチオシアネート法によって抽出した。poly−A+RNA を、オリゴ−dTカラム上で全RNAから精製した。ノザン・ブロット分析のた めに、サブラインMZ2−MEL.43から5μgのpoly−A+RNAと、 マウス腎臓細胞からの5μgのpoly−A+RNAとを、0.66Mホルムア ルデヒドを含有する1%アガロース・ゲル上で分画し、10xSSC中にてメン ブレン上にトランスファーした。 前記メンブレンを、10%硫酸デキストラン、1%SDS及び1MNaCl中 にて60℃で15分間、プレハイブリダイゼーションし、同じ溶液中にて、2x 106cpm/mlの前記286bp32P−標識化プローブとともに、60℃で 一晩ハイブリダイゼーションした。前記メンブレンを、0.2xSSC中にて室 温で10分間、次に、0.1%SDSを添加した0.2xSSC中で60℃で2 x20分間、洗浄し、15時間オートラジオグラフィーにかけた。マウスβ−ア クチンプローブを用いて同じメンブレン上にてコントロールハイブリダイゼーシ ョンを行った。 図6は、この実験の結果を示している。各レーンは、MZ2−MEL.43細 胞からの5μgのpoly−A+RNAを含んでいた。 β−アクチンプローブを用いて同じメンブレン上にてコントロールハイブリダイ ゼーションを行った。約1および2.4kbの2本のバンドが観察された。 これまでのところ、ヒトのメラノーマに於いて、自己由来CTLによって認識 される2つの主要なクラスの抗原が見つかっている。第1のクラスの抗原は、腫 瘍中に於いて非常に特異的に発現される遺伝子によってコードされる。遺伝子M AGE−1によってコードされる抗原が第1の例であり(ファン・デア・ブルッ ゲン(van der Bruggen)他,Science,254:164 3−1647(1991))、その後に、遺伝子MAGE−1とMAGE−3と によってコードされる他の抗原が続く(ゴーグラー(Gaugler)他,J. Exp.Med.,179:921−930(1994);ファン・デア・ブル ッゲン(van der Bruggen)他,前述)。マウスの肥満細胞腫P 815上に 於いて観察される腫瘍拒絶抗原も、精巣を例外としてすべての正常成人組織中に おいてサイレントな遺伝子の活性化から生じた(ファン・デン・エインデ(Va n den Eynde)他,J.Exp.Med.,173:1373−13 84(1991))。第2のクラスの抗原は、メラノサイトとメラノーマとに於 いてのみ発現される遺伝子によってコードされる分化抗原である。チロシナーゼ によってコードされる抗原がこのクラスの第1の例であり(ブリチャード(Br ichard)他,Annal.Biochem.,162:156−159( 1993);ロビンズ(Robbins)他,Cancer Res.,54: Eur.J.Immunol.,24:759−764(1994)、これらは 更にMelan−A/MART−1(クーリ(Coulie)他,J.Exp. Med.,180:35−42(1994);カワカミ(Kawakami)他 ,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,91:3515−3519 (1994))と、gp100/pme117(バッカー(Bakker)他, J.Exp.Med.,179:1005−1009(1994);コックス( Cox)他,Science,264:716−719(1994))とによっ てコードされる抗原も含む。 上記諸例は、腫瘍拒絶抗原先駆体をコードする核酸分子の単離を示すものであ る。しかしながら、この“TRAP”のコードする分子は、前述した諸文献に記 載されている過去に開示されたMAGEをコードする配列のいずれとも相同性を 有していない。従って、本発明の一態様は、配列認識番号1に示すヌクレオチド 配列を有する単離核酸分子である。この配列は、これを前記諸文献に於いて記載 されているMAGE遺伝子のすべての配列と比較することから明らかなように、 MAGEをコードする配列ではない。非MAGE腫瘍拒絶抗原先駆体もコードす るものであるが、ストリンジェントな条件下に於いて前述したヌクレオチド配列 を含む核酸分子とハイブリダイズする核酸分子配列も本発明の一部を構成するも のである。ここで 「ストリンジェントな条件」とは、当該技術に於いて周知のパラメータをいう。 より具体的には、ここでのストリンジェントな条件とは、3.5xSSC、1x デンハルト溶液、25mM燐酸ナトリウムバッファー(pH7.0)、0.5% SDS、および2mM EDTA中に於ける、65℃で18時間のハイブリダイ ゼーションをいう。その後、フィルタは、65℃で、2x SSC、0.5%S DS中で2x15分間と、更に、0.2xSSC,0.1%SDS中で1x15 分間の4回の洗浄を行う。同程度のストリンジェントな条件をもたらすために使 用可能なその他の条件、試薬等もあるが、これらの条件は当業者には周知である のでここでは記載しない。 上記諸例から、又、本発明が前記配列の発現ベクターに於ける使用と、更に、 原核細胞株(たとえば、E.coli)あるいは真核細胞(たとえば、CHO又 はCOS細胞)を含む宿主細胞および細胞ラインをトランスフォーメーション又 はトランスフェクションするためのこれら配列の使用も含むことが理解されるで あろう。前記発現ベクターは、前記配列が、プロモーターと操作可能にリンクさ れていることを必要とする。前記発現ベクターは、又、HLA−Cw1601 をコードする核酸配列も含むことが可能である。ベクターが両方のコード配列を 含む場合には、それを利用して、正常にはいずれも発現しない細胞をトランスフ ェクションすることも可能である。上記腫瘍拒絶抗原先駆体コード配列は、たと えば、宿主細胞が既にHLA−Cw1601を発現する場合等において、単独 で使用することも可能である。もちろん、使用可能な具体的な宿主細胞について の限定はない。所望の場合、前記2つのコード配列を有するベクターをHLA− Cw1601提示細胞に使用することが可能であり、同様に、腫瘍拒絶抗原先 駆体の遺伝子をHLA−Cw1601を発現しない宿主細胞に使用することが 可能である。 本発明は、更に、技術者がそれによって所望の単数又は複数の発現ベクターを 作ることが可能な発現キットをも含む。このような発現キットは、前述したコー ド配列のそれぞれの少なくとも分離(separate)部分を含むも のである。前述した必要な配列が含まれる限り、所望の場合、他のコンポーネン トを追加することも可能である。 本発明の核酸分子とTRAPとを前述したMAGEファミリーから区別するた めに、本発明を、遺伝子とTRAPのBAGEファミリーと称する。従って、こ こで“BAGE”は、前述した配列によってコードされる前記腫瘍拒絶抗原先駆 体を指す。“BAGEコード分子”とこれに類似の用語とは、前記核酸分子自身 を記載するのに使用される。 更に、MHC分子HLA−Cw1601を提示する細胞の同定に使用可能な ペプチド、たとえば、配列認識番号3のペプチド、も本発明の一部を構成する。 これを達成する一つの方法は、検出可能なシグナルを備えたこれらのペプチドを 投与し、その後、たとえば、前記ペプチドが結合した細胞を同定することである 。これを達成する別の方法は、HLA−Cw1601提示細胞が結合する固相 結合ペプチドを使用して、これらをアッセイされているサンプルから分離するこ とである。 更に、本発明によって、当業者は、TRAPの発現によって特徴付けられる疾 患を診断することができる。これらの方法は、前記TRAP遺伝子の発現の測定 および/又は、HLA−Cw1601によって提示されるTRA等のそこから 由来するTRAの発現の測定を含む。前者の場合、このような測定は、ポリメラ ーゼ連鎖反応を含むすべての標準的核酸測定アッセイ、又は標識化ハイブリダイ ゼーションプローブによるアッセイ等によって行うことができる。後者の場合に は、抗体等の、TRAとHLAとの複合体に対する結合パートナーによるアッセ イが特に好ましい。測定の別の方法としては、上述したタイプのTNF放出アッ セイがある。 TRAP遺伝子の単離によって、TRAP分子自身、特に、配列認識番号1に よってコードされる前記アミノ酸配列を含むTRAP分子を単離することも可能 になる。これらの単離された分子は、TRAとして、又は、TRAとHLA−C w1601等のHLAとの複合体として提示された場合、アジュバント等の物 質と結合させて、TRAP分子の発現によって特徴付けられる疾患の治療に有用 なワクチンを製造することができる。更 に、ワクチンは、非増殖性癌細胞、非増殖性トランスフェクション体等の、その 表面にTRA/HLA複合体を提示する細胞から作ることができる。 BAGEとMAGE抗原との両方に対する免疫化を行うことができる。細胞がワ クチンとして使用されるすべてのケースに於いて、これらは、CTL応答を証明 するのに必要な成分の1つ又は両方をコードする配列でトランスフェクションさ れた細胞、又は、トランスフェクション無しで両方の分子を発現する細胞である といえる。更に、前記TRAP分子、その関連TRA、およびTRAとHLAと の複合体は、当該技術に於いて周知の標準的技術を使用して、抗体の製造に利用 することができる。 ここで「疾患」という時、これは、腫瘍拒絶抗原先駆体が発現されるすべての 病状を指す。このような疾患の一例は特に癌メラノーマである。 当開示に基づく治療方法は、患者の免疫システムによる応答、すなわちHLA −Cw1601等のTRA提示細胞が溶解されることを前提としている。この ような方法の一つは、前記複合体に対して特異的なCTLを、問題の表現型の異 常細胞を有する患者に投与することである。このようなCTLをイン・ヴィトロ に開発することは十分に当業者の技術範囲に含まれる。具体的には、血液細胞等 のサンプル細胞を、前記複合体を提示し、特異的なCTLの増殖を促進すること が可能な細胞に接触させる。標的細胞は、上述したタイプのCOS細胞等のトラ ンスフェクション体であってよい。これらのトランスフェクション体は、その表 面に所望の複合体を提示し、対象のCTLと結合された時に、その増殖を刺激す る。このように使用したようなCOS細胞は、広く一般に入手可能であり、その 他の適当な宿主細胞も同様である。 養子移入と称される治療方法(Greenberg,J.Immunol.1 36(5):1917(1986):レッデル(Reddel)他、Scien ce 257:238(7−10−92):リンチ(Lynch)他、Eur. J.Immunol.21:1403−1410(1991):Kast他、C ell 59:603−614(11−17−89)について詳述すると、所望 の複合体 を提示する細胞を、CTLと結合させ、これに対して特異的なCTLを増殖させ る。次に、この増殖したCTLを、前記特定の複合体を提示している異常細胞の いくつかによって特徴付けられる細胞異常を有する患者に投与する。すると、C TLが異常細胞を溶解し、所望の治療目的を達成する。 上述の治療方法は、患者の異常細胞の内の少なくともいくつかが適切なHLA /TRA複合体を提示することを前提としている。これは、特定のHLA分子を 提示する細胞を同定する方法と、前記特定の配列、ここではBAGE配列、を有 するDNAを発現する細胞を同定する方法が当業技術において周知であるため、 非常に容易に判断することができる。一旦、関連複合体を提示する細胞が、上述 したスクリーニング法によって同定されると、これらを、患者からの、CTLを 含むサンプルと結合させることができる。もしも複合体提示細胞が前記混合CT Lサンプルによって溶解されるならば、BAGE由来の腫瘍拒絶抗原が提示され ていると推定することが出来、その患者は、上述の治療アプローチを使用するの に適切な候補となる。 養子移入のみが本発明によって利用可能な治療形態ではない。種々のアプロー チを使用して、イン・ヴィヴォにCTLを刺激することも可能である。一つのア プローチ、すなわち、前記複合体を発現する非増殖性細胞の使用については既に 記載した。このアプローチに於いて使用される細胞としては、前記複合体を正常 時において発現する細胞、たとえば、照射メラノーマ細胞や、前記複合体の提示 に必要な前記遺伝子の一つ又は両方によってトランスフェクションされた細胞、 等を使用することができる。このアプローチの一具体例は、Chen他、Pro c.Natl.Acad.Sci.USA 88:110−114(1991) に例示されており、ここにはHPVE7ペプチドを発現するトランスフェクショ ンされた細胞の、治療法に於ける使用が示されている。さまざまな細胞タイプを 使用することができる。同様に、問題の遺伝子の1つ又は両方を坦持するベクタ ーを使用することができる。ウィルス性又はバクテリア性のベクターが特に好ま しい。これらのシステムに於いて、問題の遺伝子は、たとえば、ワ クシニア・ウィルスやバクテリアBCG等によって坦持され、これらの物質が実 質的(de facto)に宿主細胞に「感染」(“infect”)する。そ の結果得られる細胞は、問題の複合体を提示し、自己由来CTLによって認識さ れ、CTLは増殖する。前記腫瘍拒絶抗原又は前記先駆体自身を、問題のHLA 分子を提示するHLA−Cw1601提示細胞への組み込みを促進するアジュ バントと組み合わせることによっても類似の効果を達成することができる。前記 TRAPは、プロセッシングされてHLA分子のペプチドパートナーを生成し、 他方、前記TRAは、更なるプロセッシングを必要とせずに提示される。 ここにおいて、本発明は、特定の実施例について言及し、記載されているが、 これらの実施例は単に本発明の様々な態様の例証に過ぎないことが理解されるべ きである。従って、本発明の精神と範囲から外れることなく、この例示的な実施 例において多くの改良が可能であり、又、他の組み合わせが開発可能であること が理解されるべきである。 特許請求の範囲 1. 配列認識番号1に記載のヌクレオチド配列からなる単離核酸分子。 2. ストリンジェントな条件下に於いて、配列認識番号1に記載の核酸分子に ハイブリダイズし、かつ、腫瘍拒絶抗原先駆体をコードする単離核酸分子であっ て、MAGE腫瘍拒絶抗原先駆体をコードしない単離核酸分子。 3. 請求項1の核酸分子に対して相補的な単離分子であって、mRNA又はD NAである分子。 4. 請求項1の核酸分子によってトランスフェクション又はトランスフォーメ ーションされた宿主細胞。 5. 請求項2の核酸分子によってトランスフェクション又はトランスフォーメ ーションされた宿主細胞。 6. プロモーターに操作可能にリンクされた請求項1の単離核酸分子を有する 発現ベクター。 7. プロモーターに操作可能にリンクされた請求項2の単離核酸分子を有する 発現ベクター。 8. 宿主細胞が、HLA−Cw1601を発現する哺乳類細胞である請求項 4の宿主細胞。 9. 宿主細胞が、HLA−Cw1601を発現する哺乳類細胞である請求項 5の宿主細胞。 10.更に、HLA−Cw1601をコードする核酸分子を有する請求項6の 発現ベクター。 11.更に、HLA−Cw1601をコードする核酸分子を有する請求項7の 発現ベクター。 12.次の各要素の分離部分を有する発現キット、 (i)請求項1の単離核酸分子、および (ii)HLA−Cw1601をコードする核酸分子。 13.次の各要素の分離部分を有する発現キット、 (i)請求項2の単離核酸分子、および (ii)HLA−Cw1601をコードする核酸分子。 14.細胞表面上に於けるHLA分子と配列認識番号1から導かれる配列認識番 号3のペプチドとの複合体の存在によって特徴付けられる疾患を有する患者を治 療する方法であって、HLA分子と前記ペプチドとの複合体に対して特異的な細 胞溶解性T細胞を、前記疾患を軽減するのに十分な量を、前記患者に投与する工 程を有する方法。 15.細胞表面上に於けるHLA分子と配列認識番号3のペプチドとの複合体の 存在によって特徴付けられる疾患を有する患者を治療する方法であって、HLA と前記ペプチドとの複合体に対する免疫応答を誘発する薬剤を、前記複合体を提 示する細胞に対する前記免疫応答を誘発するのに十分な量を、前記患者に投与す る工程を有する方法。 16.細胞表面上に於けるHLA分子と配列認識番号3のペプチドとの複合体の 存在によって特徴付けられる疾患を診断する方法であって、患者か らのサンプルを、配列認識番号3のアミノ酸配列からなる腫瘍拒絶抗原に対して 特異的な薬剤と接触させる工程と、前記薬剤と前記配列又は前記発現生成物との 間の相互作用を、前記疾患であるとの判定として測定する工程とを有する方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ワイルドマン,クロード ベルギー国 ビー−1200 ブリュッセル アベニュー・ヒポクラート 74 ユーシー エル 7459 (72)発明者 ブーン−ファラー,ティエリー ベルギー国 ビー−1200 ブリュッセル アベニュー・ヒポクラート 74 ユーシー エル 7459 (72)発明者 ファン・デア・ブルッゲン,ピエール ベルギー国 ビー−1200 ブリュッセル アベニュー・ヒポクラート 74 ユーシー エル 7459 (72)発明者 クーリ,ピエール ベルギー国 ビー−1200 ブリュッセル アベニュー・ヒポクラート 74 ユーシー エル 7459 (72)発明者 ルノー,ジャン−クリストフ ベルギー国 ビー−1200 ブリュッセル アベニュー・ヒポクラート 74 ユーシー エル 7459

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 配列認識番号1に記載のヌクレオチド配列からなる単離核酸分子。 2. ストリンジェントな条件下に於いて、配列認識番号1に記載の核酸分子に ハイブリダイズし、かつ、腫瘍拒絶抗原先駆体をコードする単離核酸分子であっ て、MAGE腫瘍拒絶抗原先駆体をコードしない単離核酸分子。 3. 請求項1の核酸分子に対して相補的な単離分子であって、mRNA又はD NAである分子。 4. 請求項1の核酸分子によってトランスフェクション又はトランスフォーメ ーションされた宿主細胞。 5. 請求項2の核酸分子によってトランスフェクション又はトランスフォーメ ーションされた宿主細胞。 6. プロモーターに操作可能にリンクされた請求項1の単離核酸分子を有する 発現ベクター。 7. プロモーターに操作可能にリンクされた請求項2の単離核酸分子を有する 発現ベクター。 8. 宿主細胞が、HLA−Cw1601を発現する哺乳類細胞である請求項 4の宿主細胞。 9. 宿主細胞が、HLA−Cw1601を発現する哺乳類細胞である請求項 5の宿主細胞。 10.更に、HLA−Cw1601をコードする核酸分子を有する請求項6の 発現ベクター。 11.更に、HLA−Cw1601をコードする核酸分子を有する請求項7の 発現ベクター。 12.次の各要素の分離部分を有する発現キット、 (i)請求項1の単離核酸分子、および (ii)HLA−Cw1601をコードする核酸分子。 13.次の各要素の分離部分を有する発現キット、 (i)請求項2の単離核酸分子、および (ii)HLA−Cw1601をコードする核酸分子。 14.細胞表面上に於けるHLA分子と配列認識番号1から導かれる配列認識番 号3のペプチドとの複合体の存在によって特徴付けられる疾患を有する患者を治 療する方法であって、HLA分子と前記ペプチドとの複合体に対して特異的な細 胞溶解性T細胞を、前記疾患を軽減するのに十分な量を、前記患者に投与する工 程を有する方法。 15.細胞表面上に於けるHLA分子と配列認識番号3のペプチドとの複合体の 存在によって特徴付けられる疾患を有する患者を治療する方法であって、HLA と前記ペプチドとの複合体に対する免疫応答を誘発する薬剤を、前記複合体を提 示する細胞に対する前記免疫応答を誘発するのに十分な量を、前記患者に投与す る工程を有する方法。 16.細胞表面上に於けるHLA分子と配列認識番号3のペプチドとの複合体の 存在によって特徴付けられる疾患を診断する方法であって、患者か らのサンプルを、配列認識番号3のアミノ酸配列からなる腫瘍拒絶抗原に対して 特異的な薬剤と接触させる工程と、前記薬剤と前記配列又は前記発現生成物との 間の相互作用を、前記疾患であるとの判定として測定する工程とを有する方法。
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