JP2002509859A - Hla−a29分子に結合する単離ポリペプチド、それらをコードする分子である核酸、およびそれらの使用 - Google Patents

Hla−a29分子に結合する単離ポリペプチド、それらをコードする分子である核酸、およびそれらの使用

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JP2002509859A JP2000528586A JP2000528586A JP2002509859A JP 2002509859 A JP2002509859 A JP 2002509859A JP 2000528586 A JP2000528586 A JP 2000528586A JP 2000528586 A JP2000528586 A JP 2000528586A JP 2002509859 A JP2002509859 A JP 2002509859A
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ファン・デア・ブルッゲン,ピエール
ファン・デン・エインデ,ベノイト
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ルードヴィッヒ・インスティテュート・フォア・キャンサー・リサーチ
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Abstract

(57)【要約】 HLA−A29分子に結合するペプチドが開示される。これらの分子は、配列番号23、配列番号24または配列番号25によって規定されるモチーフを満足する。本発明のペプチドをコードするミニ遺伝子およびそれらの使用も記載される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】関連出願 本出願は、1993年7月22日出願の出願番号第08/096,039号の
一部継続出願である、1994年5月27日出願の係属特許出願番号第08/2
50,162号の一部継続出願である、1995年1月10日出願の係属出願番
号第08/370,648号の一部継続出願である、1995年9月21日出願
の出願番号第08/531,662号の一部継続出願である。これらの出願すべ
てを、参考文献として本出願にその内容を合体させる。
【0002】発明の分野 本発明は、腫瘍拒絶抗原前駆体をコードする、核酸分子に関する。より具体的
には、本発明は、その腫瘍拒絶抗原前駆体が、とりわけ、HLA−Cw6分子に
よって提示される少なくとも一つの腫瘍拒絶抗原へとプロセシングされる遺伝子
に関する。問題となる遺伝子は他の既知の腫瘍拒絶抗原前駆体コード配列とは関
連していないようである。本発明はまた、HLA−Cw6分子によって提示され
るペプチドおよびそれらの利用方法にも関する。HLA−A29分子によって提
示されるペプチドおよびそれらの利用方法も、本発明の一部である。
【0003】背景および従来技術 哺乳類の免疫系が外来のまたは異質の物質を認識して、それらと反応するプロ
セスは複雑なものである。このシステムの重要な局面は、Tリンパ球、即ち“T
細胞”応答である。この応答は、T細胞が、ヒト白血球抗原(“HLA”)、ま
たは、主要組織適合遺伝子複合体(“MHC”)と称される細胞表面分子と、ペ
プチドとからなる複合体を認識し、その複合体と相互作用することを必要とする
。前記ペプチドは、HLA/MHC分子も提示する細胞によってプロセシングさ
れるより大きな分子に由来する。この点に関しては、メール(Male)他, Advanc ed Immunology (J.P. Lipincott Company, 1987),特にその6−10章を参照。 T細胞とHLA/ペプチド複合体の相互作用は制限されたものである。即ち、H
LA分子とペプチドとの特定の組み合わせに対して特異的なT細胞が必要とされ
る。もし特異的なT細胞が存在しなければ、たとえそのパートナー複合体が存在
していてもT細胞応答は起こらない。同様に、T細胞が存在していても、それに
特異的な複合体が存在しなければ応答は起こらない。このメカニズムは、異物に
対する免疫系の応答、自己免疫疾患、および細胞異常に対する応答に関与してい
る。タンパク質がHLA結合ペプチドへとプロセシングされるメカニズムに関し
て多くの研究がなされてきている。この事については、バリナガ(Barinaga),
Science 257: 880 (1992); フリーモント(Fremont)他, Science 257: 919 (19
92); マツムラ(Matsumura)他, Science 257: 927 (1992); ラトロン(Latron )他, Science 257: 964 (1992)を参照。エンゲルハルト(Engelhard), Ann. R
ev. Immunol. 12: 181-207(1994)も参照。
【0004】 T細胞が細胞異常を認識するメカニズムは癌にも関係している。たとえば、1
992年5月22日出願、1992年11月26日公表で、参考文献として本出
願にその内容を合体させるPCT出願PCT/US92/04354には、一つ
の遺伝子ファミリーが開示されており、それらはプロセシングされてペプチドと
なり、次に細胞表面に発現され、特異的なCTL細胞溶解性Tリンパ球、即ち、
以後“CTL”と称されるものによって腫瘍細胞の溶解を引き起こすことができ
る。これら遺伝子は、“腫瘍拒絶抗原前駆体”即ち “TRAP”分子をコード するものであると言われ、これら分子に由来するペプチドは、“腫瘍拒絶抗原”
即ち“TRA”と称される。このファミリーの遺伝子の詳細に関してはトラヴァ
ーサリ(Traversari)他, Immunogenetics 35: 145 (1992); ファン・デア・ブ ルッゲン(van der Bruggen)他, Science 254: 1643 (1991)を参照。又、現在 米国特許第5,342,774号となっている、1991年12月12日出願の
米国特許出願第807,043号も参照。
【0005】 その開示内容を本出願に参考文献として合体させる、現在米国特許第5,40
5,940号となっている、米国特許出願第938,334号において、プロセ
シングされてHLA−A1分子によって提示されるノナペプチドになる腫瘍拒絶
抗原前駆体をコードするMAGE−1遺伝子が説明されている。前記参考文献は
、特定のHLA分子に対する特定のペプチドの特異性が判明すれば、ある特定の
ペプチドは一つのHLA分子に対して結合するが、他のHLA分子に対しては結
合しないであろうと推測される、ということを教示している。これは重要なこと
である。なぜなら、異なる個体は異なるHLA表現型を有するからである。その
ため、ある特定のペプチドが、ある特定のHLA分子に対するパートナーである
と同定されたことが、診断上および治療上の効果を有しているとしても、その効
果はその特定のHLA表現型を有する個体に対してしか適切ではないのである。
細胞異常は一つの特定のHLA表現型に限られるものではないため、また、標的
化療法(targeted therapy) には、問題の異常細胞の表現型に関する相当な知識 が必要とされるため、この分野において更なる研究を行う必要がある。
【0006】 参考文献として本出願にその内容を合体させる、1993年1月22日出願の
米国特許出願第008,446号には、MAGE−1発現産物がプロセシングさ
れて第2のTRAになるという事実が開示されている。この第2のTRAはHL
A−Cクローン10分子によって提示される。この開示は所与のTRAPから複
数のTRAが生じることができるということを示している。
【0007】 参考文献として本出願にその内容を合体させる、1992年12月22日出願
の米国特許出願第994,928号は、いくらかの正常細胞(例えば、メラノサ
イト)によって産生される分子である、チロシナーゼが、腫瘍細胞中でプロセシ
ングされてHLA−A2分子によって提示されるペプチドを生じるということを
教示している。
【0008】 参考文献として本出願にその内容全体を合体させる、1993年3月18日出
願の米国特許出願第08/032,978号には、チロシナーゼ由来ではない、
第2のTRAがHLA−A2分子によって提示されるということが教示されてい
る。このTRAはTRAP由来であるが、非−MAGE遺伝子によってコードさ
れている。この開示はある特定のHLA分子が異なるソースに由来するTRAを
提示することができるということを示している。
【0009】 参考文献として本出願にその内容を合体させる、1993年6月17日出願の
米国特許出願第08/079,110号には、関連のない腫瘍拒絶抗原前駆体で
ある、いわゆる、“BAGE”前駆体が記載されている。BAGE前駆体はMA
GEファミリーとは関連していない。
【0010】 先に引用した論文、特許、および特許出願に示されている研究は、大部分は、
MAGEファミリーの遺伝子、および(それとは)関連のないBAGE遺伝子に
ついて扱っている。しかし、さらに別の腫瘍拒絶抗原前駆体が細胞によって発現
されるということは、判っていなかった。これらの腫瘍拒絶抗原前駆体は“GA
GE” 腫瘍拒絶抗原前駆体と称される。これらはMAGEファミリーの遺伝子 ともBAGE遺伝子ともホモロジーを示さない。したがって、本発明は、そのよ
うなTRAPをコードする遺伝子、腫瘍拒絶抗原前駆体自体およびそれら両方の
適用に関する。
【0011】 したがって、本発明のもう一つの特徴は概して9から16アミノ酸長であって
、以下の配列: Xaa Trp Pro Xaa Xaa Xaa Xaa Tyr (配列番号23) を含むペプチドである。ここで、Xaaはいずれのアミノ酸であってもよく、そ
してXaa(1,2)は、1または2のアミノ酸がTrp残基のN−末端側にあって もよいということを意味する。これらのペプチドは、HLA−A29分子に結合
する。および/またはHLA−A29分子に結合するペプチドへとプロセシング
される。
【0012】 本発明を、以下の開示においてさらに詳細に説明する。
【0013】好適実施例の詳細な説明 例1 メラノーマ細胞系、MZ2−MELを、標準方法を用いて患者MZ2から採取
したメラノーマ細胞から確立した。この細胞系は、例えば、1992年5月22
日出願、1992年11月26日公表で参考文献として本出願にその内容全体を
合体させる、PCT出願PCT/US92/04354号において記載されてい
る。細胞系が確立したら、それを非−増殖性にするために、そのサンプルを照射
した。これらの照射された細胞を、次にそれらに対して特異的な細胞溶解性T細
胞クローン(“CTL”)を単離するために使用した。
【0014】 患者MZ2から採取した末梢血単核細胞(“PBMC”)のサンプルを、照射
されたメラノーマ細胞に接触させた。混合物をメラノーマ細胞の溶解について観
察した。メラノーマ細胞の溶解は、メラノーマ細胞によって提示される、ペプチ
ドとHLA分子とからなる複合体に対して特異的なCTLがサンプル中に存在し
ていることを示すものであった。
【0015】 使用した溶解アッセイは、参考文献として本出願にその開示内容を合体させる
、ヘリン(Herin)他, Int. J. Cancer 39: 390-396 (1987) に従ったクロム放 出試験(クロム放出アッセイ)であった。しかし、このアッセイについて本明細
書において記載する。標的メラノーマ細胞をインビトロで培養し、そして10m
M HEPESと30% FCSを追加したDMEM中に、107細胞/mlに て再懸濁し、そして、200μCi/mlのNa(51Cr)O4とともに37℃ で45分間インキュベートした。標識された細胞を、10mM Hepesを追
加したDMEMで3回洗浄した。これらを次に、10mM Hepesと10%
FCSを追加したDMEM中に再懸濁し、その後、103細胞を含む100u lのアリコットを、96ウェルのマイクロプレートに分配した。100ulの同
じ培地中においてPBLのサンプルを加え、アッセイを二連で(in duplicate)行
った。プレートを100gで4分間遠心分離し、8% CO2雰囲気中にて37 ℃で4時間インキュベートした。
【0016】 プレートを再び遠心分離し、上清の100ulのアリコットを収集し、そして
カウントした。51Cr放出の百分率を下記式に従って算出した。 % 51Cr放出=(ER−SR)/(MR−SR)x100 ここでERは観察された実験的な51Cr放出であり、SRは200ulの培地の
みの中で103の標識された細胞をインキュベートすることによって測定された 自発的な放出であり、そしてMRは標的細胞に100ulの0.3% Trit
on X−100を加えることによって得られた最大放出である。
【0017】 高いCTL活性を示した単核血液サンプルを拡張(expand)し、そして限界希釈
法によってクローン化し、そして同じ方法を用いて再びスクリーニングした。こ
のようにしてCTLクローンMZ2−CTL76/6が単離された。このクロー
ンを以後“76/6”と称する。
【0018】 同じ方法を用いて、標的K562細胞およびメラノーマ細胞系についてテスト
した。図1は、このCTLクローンがメラノーマ細胞系、即ちMZ2−MELを
認識して溶解するが、K562は溶解しないということを示している。このクロ
ーンを次に、その他のメラノーマ細胞系および自己EBV−トランスフォームB
細胞に対して、前記したものと同じ方法でテストした。図1は、エプスタイン- バーウイルス(“EBV”)によってトランスフォームされた自己B細胞は溶解
されなかったこと、および、MZ2−MEL3.0はCTLクローン76/6に
よって溶解されたのに対し、抗原Fを発現しない変異体である、細胞系MZ2−
MEL.4Fは溶解されなかったことを示している。したがって、このクローン
はこの抗原に対して特異的であると思われる。
【0019】 前に示した結果からは、どのHLA分子がTRAを提示しているのかというこ
とについて結論がでない。溶解された細胞系、即ちMZ2−MELは、HLA−
A1、HLA−A29、HLA−B37、HLA−B44、HLA−Cw6およ
びHLA−Cクローン10を発現することが知られている。本明細書では報告し
ないがこの例のプロトコールにしたがった実験において、HLA分子A29、B
44およびCクローン10の発現を失った、MZ2−MELの亜系統(サブライ
ン)についてテストした。この亜系統は溶解されたので、このことは、提示分子
がA1、B37またはCw6のいずれかであるはずであるということを示してい
る。
【0020】例2 76/6が標的細胞と接触した際に腫瘍壊死因子(“TNF”)も産生するか
を判定するために、さらなる研究を行った。用いた方法は、参考文献として本出
願にその開示内容を合体させる、トラヴァーサリ(Traversari)他, Immunogene
tics 35: 145-152 (1992) によって記載されたものであった。簡単に説明すると
、CTL系統(ライン)のサンプルを、培地中で問題の標的細胞のサンプルと混
合した(combined)。24時間後、培養からの上清を取り出し、そしてTNF−感
受性WEHI細胞に対してテストした。前述の、そして引用文献に記載のMZ2
−MEL細胞系のサブクローンである、細胞系MZ2−MEL.43は非常に強
い応答を与え、そして以下の諸実験において使用した。
【0021】例3 例2からの結果は、MZ2−MEL.43が問題の標的抗原を提示するという
ことを示していた。したがって、それをcDNAライブラリーを調製するための
トータルmRNAのソースとして用いた。
【0022】 細胞系からトータルRNAを単離した。mRNAは周知の技術にしたがって、
オリゴ−dT結合キットを用いて単離した。mRNAを確保すると、それをNo
tI部位を含むオリゴdTプライマーを用いた逆転写によって、cDNAへと転
写し、その後第二鎖(セカンドストランド)合成を行った。cDNAを次にBs
tXIアダプターに結合し、NotIで消化し、Sephacryl S−50
0 HRカラムによってサイズ分画し、そしてpcDNAI/AmpのBstX
IおよびNotI部位に、無方向性に(undirectionally)クローニングした。組 換えプラスミドを次にDH5α大腸菌(coli)細菌にエレクトロポレー
ションした。全部で、100の組換え細菌の1500のプールをマイクロウェル
に播いた。ほとんど全ての細菌がインサートを含んでいたので、それぞれが約1
00のcDNAを含んでいた。
【0023】 各プールを飽和するまで増幅し、そしてプラスミドDNAをアルカリ法(alkal
ine lysis)および酢酸カリウム沈殿によって抽出した。フェノール抽出は行わな
かった。
【0024】例4 例3に記載したライブラリーの調製の後、cDNAを真核細胞にトランスフェ
クトした。本明細書に記載するトランスフェクションは二連で(in duplicate)行
った。COS−7細胞のサンプルを、10% ウシ胎児血清を追加したダルベッ
コ修飾イーグル培地(Dulbecco's modified Eagles Medium)(“DMEM”)中 において、15,000細胞/ウェルの割合で組織培養平底マイクロウェルに播
いた。細胞を37℃で一晩インキュベートし、培地を除去し、そして10% N
u血清、400μg/ml DEAE−デキストラン、および100μM クロ
ロキン、それに加えて100ngのプラスミドを含む、50μl/ウェルのDM
EM培地に置換した。前に示したように、溶解研究ではどのHLA分子が抗原を
提示するのか確証されなかった。その結果、抗原を提示する可能性のあるHLA
分子(A1、B37、Cw6)のそれぞれについてのcDNAを用いて、別々に
細胞を共トランスフェクト(cotransfect)した。具体的には、28ngのpCD −SRαにクローニングされたHLA−A1をコードする遺伝子、50ngのp
cDNAI/Amp中のHLA−B37に対するcDNA、または75ngのp
cDNAI−Amp中のHLA−Cw6に対するcDNA、のいずれか1つにつ
いて、ライブラリーでのトランスフェクションに用いたものと同じプロトコール
を使用した。
【0025】 トランスフェクションは二連の(in duplicate)ウェルで行ったが、500プー
ルのHLA−Cw6トランスフェクタントだけは、単一のウェルでしかテストで
きなかった。37℃で4時間のインキュベーションの後、培地を除去し、10%
DMSOを含む50μlのPBSで置換した。この培地を2分間後に除去し、
そして10% FCSを追加した200μlのDMEMで置換した。
【0026】 この培地の変更の後、COS細胞を37℃で24−48時間インキュベートし
た。そして培地を捨て、100μlの10% プール(pooled)ヒト血清を含み、
20−30U/mlの組換えIL−2を追加したIscove’s 培地中にて 、1000−3000細胞のCTLクローン76/6を加えた。上清を24時間
後に取り出し、そして参考文献として本出願にその開示内容を合体させる、トラ
ヴァーサリ(Traversari)他, Immunogenetics 35: 145-152 (1992)によって記 載されているように、WEHI細胞に対するアッセイにおいてTNF含量を測定
した。
【0027】 HLA−A1でトランスフェクトされた1500プール、およびHLA−B3
7でトランスフェクトされた1500プールは、それぞれ、15−20pg/m
l、または2−6pg/mlの濃度までTNF放出を刺激した。HLA−Cw6
トランスフェクタントのほとんどは3−20pg/ml産生したが、1つのプー
ルでは60pg/ml以上産生した。このプールをさらなる研究のために選択し
た。
【0028】例5 選択されたプールの細菌をクローン化し、そして600のクローンについてテ
ストした。それらからプラスミドDNAを抽出し、前に記載したものと同じ方法
にて新しいサンプルのCOS細胞にトランスフェクトした。そして細胞を再びC
TLクローン76/6の刺激についてテストした。94の陽性クローンが見つか
った。これらのうちの1つをcDNAクローン2D6と称し、更にテストした。
比較テストにおいてCOS細胞を、cDNAクローン2D6とHLA−Cw6
cDNA、HLA−Cw6 cDNAのみ、またはcDNA 2D6のみでトラ
ンスフェクトした。コントロール細胞系MZ2−MEL FおよびMZ2−ME
L F+も用いた。CTL上清へのTNF放出を、前述のように、WEHI細胞 に対してそれをテストすることによって測定した。生存する(残存する)WEH
I細胞の数を、MTTとの細胞のインキュベーション後に吸光度によって測定し
た。図2は、HLA−Cw6とcDNA−2D6とでトランスフェクトされたC
OS細胞、および細胞系MZ2−MEL F+が、CTLクローン76/6から のTNF放出を刺激したことを示し、このことによってHLA−Cw6が対象T
RAを提示するということが示される。
【0029】例6 cDNA 2D6を当業者に周知の技術にしたがって配列決定した。シークエ
ンスサーチによって、プラスミドインサートは既知の遺伝子またはタンパク質と
ホモロジーを示さないということが明らかになった。配列番号1に、以後“GA
GE”と称する、同定された遺伝子についてのcDNAヌクレオチド情報を示す
。推定上のオープンリーディングフレームはこの分子の塩基51−467に位置
する。この配列の最初の2塩基はcDNA配列を保有するベクターからのもので
あり、したがってこれらはcDNA自体の部分ではない。
【0030】例7 例6によるcDNAの配列決定の後、正常組織の細胞がこの遺伝子を発現して
いるかを判定するための実験を行った。これを判定するために、以下に示すよう
に、組織および腫瘍細胞系に対してノーザンブロッティングを行った。ブロッテ
ィング実験には配列番号1の完全な配列についてのcDNAを使用した。次にP
CTを用いてこの結果を確認した。
【0031】
【表1】
【0032】例8 ポリメラーゼ連鎖反応(“PCR”)および前述のGAGE遺伝子情報を適用
することによって正常組織と腫瘍の詳細な分析を行った。
【0033】 まず、個々のサンプルから当業者に周知の技術を用いてトータルRNAを得た
。これを用いてcDNAを調製した。cDNAを作るために用いたプロトコール
は、4ulの逆転写酵素緩衝液5x、1ulの各dNTP、(10mM)、2u
lのジチオスレイトール(100mM)、2ulのdT−15プライマー(20
um)、0.5ulのRNasin(40ユニット/ul)、および1ulのM
oMLV逆転写酵素(200ユニット/ul)を混合することを含むものであっ
た。次に、6.5ulのテンプレートRNA(1ug/3.25ul水、即ち2
ugのトータルテンプレートRNA)を加えた。混合物の全容積は20ulであ
った。これを混合し、42℃で60分間インキュベートし、その後それを氷上で
冷却した。つぎに全部で80ulの水を加え、全部で100ulとした。この混
合物をPCRにおいて用いるまで、−20℃で保管した。
【0034】 PCRを行うために、プライマー、 5’―AGA CGC TAC GTA GAG CCT―3’ (センス) および 5’―CCA TCA GGA CCA TCT TCA―3’ (アンチセンス) それぞれ、配列番号2および3、を用いた。試薬は、30.5ulの水、5ul
のPCR緩衝液10x、1ulの各dNTP(10uM)、2.5ulの各プラ
イマー(20uM)、および0.5ulの重合酵素Dynazyme(2ユニッ
ト/ul)を含むものであった。全容積は45ulであった。全部で5ulのc
DNAを加えた(これは100ngのトータルRNAに相当する)。混合物を混
合し、一滴のミネラルオイルを層にして置いた。混合物をサーモサイクラー (th
ermocycler) ブロックに移し、94℃に予熱し、そして増幅を30サイクル行っ
た。各サイクルは下記のものからなる: 最初の変性: 94℃、4分 変性: 94℃、1分 アニーリング:55℃、2分 伸張: 72℃、3分 最終的な伸張:72℃、15分 サイクリングの後、10ulのアリコットを1.5%アガロースゲルで泳動し、
臭化エチジウムで染色した。
【0035】 前に示したプライマーを用いて増幅されたcDNAから、238塩基対のフラ
グメントが得られた。もしあったとしても、混入するゲノムDNAは増幅されな
い。
【0036】 結果を以下の表2において示す。これらは、GAGEを発現する正常組織は精
巣のみであるのに対し、メラノーマ、肺、乳房、喉頭、咽頭、肉腫、睾丸セミノ
ーマ、膀胱および大腸を含む多くの腫瘍はこの遺伝子を発現するということを確
認するものである。したがって、これら腫瘍のいずれもGAGE遺伝子の発現に
ついてアッセイすることができる。
【0037】
【表2】
【0038】例9 前の諸例において言及した核酸分子が同定されたことから、HLA−Cw6分
子によって提示され、GAGE遺伝子に由来する腫瘍拒絶抗原を決定するための
さらなる研究が導かれた。
【0039】 発現ベクターpcDNA/Amp中におけるGAGEの完全なcDNAを制限
エンドヌクレアーゼNotIおよびSpHIで消化し、そして次に製造業者(Era
se-a-base System, Promega)の指示に従って、エキソヌクレアーゼIIIで消化し た。この処理により、3’末端から始まる、一連の進行性の欠失 (progressive
deletion)が生じた。
【0040】 欠失(deletion)産物をpcDNAI/AMPに結合し、そして周知の技術を用
いて大腸菌(coli)菌株DH5α’IQにエレクトロポレーションした
。形質転換体をアンピシリン(50マイクログラム/ml)で選抜した。
【0041】 プラスミドDNAをそれぞれの組換えクローンから抽出し、そしてHLA−C
w6をコードするベクターとともにCOS−7細胞にトランスフェクトした。使
用したプロトコールは前述のプロトコールに従うものである。
【0042】 トランスフェクタントを次にTNF放出試験においてテストした。これは陽性
クローンと陰性クローンの分離を可能にするものであった。すべての陰性クロー
ンは、完全なGAGE配列における欠失を示した。最も小さい陽性クローンは、
配列番号1の最初の170ヌクレオチドを含むものであった。前述のこの配列の
分析では、オープンリーディングフレームはヌクレオチド51から開始するとい
うことが述べられている。したがって、このフラグメントは、GAGE TRA
Pの最初の40アミノ酸をコードする配列を含むものである。
【0043】例10 TRAペプチドをコードする領域をより正確に限定するためにさらなる実験を
行った。これを行うためにポリメラーゼ連鎖反応(“PCR”)増幅を用いた。
【0044】 2つのプライマーを合成した。第1のプライマーは、BamHI部位の上流に
位置するプラスミドベクターpcDNAI/Amp中の配列に対して相補的な2
2−マー(mer)であった。第2のプライマーは、3’末端に配列番号1のヌクレ オチド102−119を含み、5’末端にXbaI制限部位を含む11ヌクレオ
チドの延長を含む、29−マーであった。
【0045】 増幅の後、PCR産物をBamHIとXbaIによって消化し、そしてプラス
ミドpcDNA−3のBamHI−XbaI部位にクローニングした。組換えコ
ロニーを、例4の記載にしたがって、HLA−Cw6をコードするcDNAとと
もにCOS−7細胞に共トランスフェクト(cotransfect)し、そしてまた前述の ように、CTL76/6を用いてTNF放出試験を行った。
【0046】 TNF放出が観察され、これは“ミニ遺伝子”がプロセシングされてTRAと
なるということを示すものであった。このミニ遺伝子、即ち配列番号1のヌクレ
オチド1−119は、そのコード領域がヌクレオチド51−119にわたってお
り、配列番号1のcDNAの最初の23アミノ酸をコードするものであった。こ
の情報は、次のセットの実験のための基礎として役立った。
【0047】例11 配列番号1の最初の23アミノ酸に基づいて、2つのペプチドを合成した。そ
れらは: Met Ser Trp Arg Gly Arg Ser Thr Tyr Arg Pro Arg Pro Arg Arg (配列番号12) および Thr Tyr Arg Pro Arg Pro Arg Arg Tyr Val Glu Pro Pro Glu Met Ile (配列番号13) であった。それぞれのペプチドを以前にHLA−Cw6 cDNAでトランスフ
ェクトされているCOS−7細胞にパルスし (pulsed)、そしてCTL76/6 と混合してTNF放出が誘発されるかどうか判定した。ペプチド(20ug/m
l)を24時間前にHLA−Cw6 cDNAでトランスフェクトされたCOS
−7細胞に加えた。37℃で90分間のインキュベーションの後、培地を捨て、
そして3000のCTLを、25ユニット/mlのIL−2を含む、100マイ
クロリットルの培地中で加えた。18時間後、上清のTNF含量を、WEHI−
164−13細胞に対する毒性を測定することによってテストした。第2のペプ
チド(配列番号13)は、30pg/ml以上のTNFを誘発することが判明し
たのに対し、第1のペプチド(配列番号12)は、10pg/ml以下のTNF
を誘発することが判明した。第2のペプチドをさらなる実験のために使用した。
【0048】例12 配列番号13に基づく種々のペプチドを合成し、テストした。これらのうちい
くつかを以下に示す。これらのテストを行うためにHLA−Cw6陽性の、51
r標識したLB33−EBV細胞を以下のペプチドのいずれかとともにインキュ
ベートした: Tyr Arg Pro Arg Pro Arg Arg Tyr (配列番号4) Thr Tyr Arg Pro Arg Pro Arg Arg Tyr (配列番号5) Thr Arg Pro Arg Pro Arg Arg Tyr Val (配列番号6) Thr Tyr Arg Pro Arg Pro Arg Arg Tyr Val (配列番号7) Arg Pro Arg Pro Arg Arg Tyr Val Glu (配列番号8) Met Ser Trp Arg Gly Arg Ser Thr Tyr Arg Pro Arg Pro Arg Arg (配列番号12) 図3に示すようにペプチド濃度を変化させ、そしてCTL:LB33−EBVの
比(“エフェクター:標的比”)を10:1とした。37℃で4時間のインキュ
ベーションの後、51Cr放出を測定した。ポジティブ(“F+”、MZ2−ME L.3.1)およびネガティブ(“F”;MZ2−MEL.2.2.5)コント
ロール細胞についての溶解のレベルを、図3において示す。
【0049】 非常に驚いたことに、配列番号4の八量体(オクタマー)が最良のペプチドで
あることが判明し、これは腫瘍拒絶抗原であると思われる。八量体がヒトのMH
C分子による提示に関与していると報告されたのはこれが初めてである。H−2
bおよびH−2KK分子について199において前出のエンゲルハルト(Engelh
ard)によって報告されているように、マウスの系についてはいくらかの前例が ある。配列番号5および配列番号6の九量体(ノナマー)も、配列番号4の八量
体より程度の低いものではあったが、CTL溶解を誘発した。
【0050】 ここでは報告しない結果において、第2のCTLをテストした(CTL82/
31)。このCTLはMZ2−Fを提示する細胞を溶解することが知られている
ものであった。それはまた、配列番号4のペプチドでパルスした(pulsing)後に 、HLA−Cw6陽性細胞を溶解した。
【0051】例13 前述のGAGE DNAが唯一のものであるかどうかを調べるために、MZ2
−MEL.43からのRNAで作ったcDNAライブラリー(GAGEのクロー
ニングに使用したものと同じライブラリー)を、GAGE cDNAに由来する
プローブとハイブリダイズさせた。プローブは、配列番号1の位置20および3
28の間の308塩基対のPCRフラグメントであった。20の陽性のcDNA
が得られた。それらのうち6つを完全に配列決定した。これらはすべてGAGE
配列と高度に関連するものであったが、これらはGAGE配列とはわずかに異な
るものであった。6つのクローンのうち、2つは互いに同一であったが、他のす
べては互いに異なっていた。したがって、GAGEと異なるが高度に関連してい
る、5つの新しい配列が同定された。これらをGAGE−2、3、4、5および
6(図4)と称し、それぞれ配列番号14−18に示す。14の他のクローンに
ついては5’末端を部分的に配列決定したことろ、それらの配列は6つのGAG
E cDNAのいずれかと一致するものであった。
【0052】 これらのcDNAとGAGE−1との間の主な相違は、配列番号1のGAGE
配列の位置379から521に位置する143塩基の広がりがないことである。
残りの配列は19の異なる位置においてミスマッチを示すのみであるが、GAG
E−3は例外であり、その5’末端が最初の112塩基についてその他のGAG
Eと全く異なっている。GAGE−3 cDNAのこの領域は、長い反復および
ヘアピン構造を含んでいる。
【0053】 腫瘍拒絶抗原前駆体に対応する推定GAGE−1タンパク質は、他の5つのタ
ンパク質よりも約20アミノ酸長く、他の5つのタンパク質の最後の7つの残基
も、GAGE−1の相同的な残基と異なっている(図5)。残りのタンパク質配
列は10のミスマッチを示すのみである。それらのうち1つは配列番号4の抗原
ペプチドに対応する領域にある。ペプチドの配列はGAGE−3、4、5および
6において変更されており、位置2がRではなくWとなっている。
【0054】例14 位置2における変更がペプチドの抗原性に影響するかどうかを評価するために
、6つのGAGE cDNAのcDNAを、HLA−Cw6のcDNAとともに
、個々にCOS細胞にトランスフェクトし、トランスフェクタントを前述のよう
にCTL76/6による認識についてテストした。GAGE−1およびGAGE
−2をトランスフェクトされた細胞のみが認識され、この実験に関しては、GA
GE−3、4、5および6によってコードされる変更されたペプチドは抗原性で
はなかったということが示された。前述の14のその他のクローンの5’末端の
配列分析によって、それらのうち7つが抗原ペプチドをコードする配列を含み、
したがって、おそらくGAGE−1またはGAGE−2のいずれかに相当すると
いうことが示された。
【0055】例15 腫瘍サンプルにおけるGAGEの発現をテストするために、前に使用したPC
Rプライマーは、GAGE−1または2と、抗原MZ2Fをコードしないその他
の4つのGAGE cDNAとを識別しないものである。GAGE−1および2
を特異的に増幅し、GAGE−3、4、5および6を増幅しない新しいセットの
プライマーを作成した。それらのプライマーは以下のものである: VDE44 5’―GAC CAA GAC GCT ACG TAG―3’ (配列番号9) VDE24 5’―CCA TCA GGA CCA TCT TCA―3’ (配列番号10) これらのプライマーを、ポリメラーゼ酵素を用いたRT−PCR反応において、
前述のようにして使用した。温度条件は以下のものである: 94℃で40分 30サイクルを、94℃で1分 56℃で2分 72℃で3分 72℃で15分 この分析の結果を表3において示す。
【0056】
【表3】 *GAGEの発現を、すべてのGAGE遺伝子を検出するプライマー、VDE− 18およびVDE−24を用いた、トータルRNAに対するRT−PCRによっ
てテストした。これらのプライマーをMZ2−MELからのDNAに対してアッ
セイした場合、PCR産物は観察されなかった。** GAGE−1および2の発現を、4つのその他のGAGE遺伝子からGAGE
−1および2を識別するプライマー、VDE−44およびVDE−24を用いた
、トータルRNAに対するRT−PCRによってテストした。これらのプライマ
ーをMZ2−MELからのDNAに対してアッセイした場合、PCR産物は観察
されなかった。
【0057】 さらなる研究において、すべてのGAGE遺伝子を増幅する新しいプライマー
をデザインした。これは、正常組織においてそれらのいずれも発現しないという
ことを確かめるために行った。これらのプライマーは、以下の通り VDE43 5’―GCG GCC CGA GCA GTT CA―3’ (配列番号11) VDE24 5’―CCA TCA GGA CCA TCT TCA―3’ (配列番号10) これらはVDE44およびVDE24プライマーを用いたPCRと全く同じよう
にして使用した。結果を表4において示す。これらは、正常組織は精巣を例外と
して陰性であることを確認するものである。
【0058】
【表4】 *GAGEの発現を、すべてのGAGE遺伝子を検出するプライマー、VDE4 3およびVDE24を用いた、トータルRNAに対するRT−PCR増幅によっ
てテストした(図7)。PCR産物の非存在を−によって示し、存在を+によっ
て示す。これらのプライマーを、MZ2−MELからのDNAに対してアッセイ
した場合、PCR産物は観察されなかった。* 胎児組織は20週以上の胎児に由来する。
【0059】例16 ここでは報告しない研究において、細胞溶解性T細胞クローンCTL22/2
3(参考文献として本出願にその内容を合体させる、ファン・デン・エインデ(
Van den Eynde)他, Int. J. Cancer 44: 634-640 (1989) )は、メラノーマ細 胞MZ2−MEL.3.1を認識しないということが確かめられている。このメ
ラノーマ細胞系は、ファン・デア・ブルッゲン(Van der Bruggen)他, Eur. J.
Immunol. 24: 2134-2140 (1994) によって、MHC分子、HLA−A29、H LA−B24およびHLA−Cw*1601の発現を失っているということが報 告されている。これらMHC分子のうちの1つによってトランスフェクションす
ることによって、この(細胞)系をCTL22/23に対して感受性にすること
ができるかどうかを判定するための研究を行った。HLA−A29が最初にテス
トされた分子であった。これを行うために、ポリA+RNAをHLA−A29+
胞系MZ2−MEL.43から、市販の抽出キットを用いて、製造業者の指示に
従って抽出した。mRNAを次に標準方法を用いてcDNAへと変換し、サイズ
分画し、そして、プラスミドpcDNA−I/AmpのBstXIおよびNot
I部位に一方向性に挿入した。プラスミドを大腸菌(E.coli)菌株DH5
α5’IQにエレクトロポレーションし、アンピシリン(50μg/ml)で選
抜した。細菌をニトロセルロースフィルターにプレーティングし、そして複製し
た。フィルターを調製し、6xSSC/0.1% SDS/1xデンハルト溶液
中で、40℃で一晩ハイブリダイズさせた。ここで以下の32P標識したプローブ
を用いた: 5’―ACTCCATGAGGTATTTC―3’ (配列番号19) このプローブは、ほとんどのHLA配列の開始コドンを囲む配列である。
【0060】 フィルターを室温で5分間それぞれ6xSSC中で2回洗浄し、そして6xS
SC中で43℃で2回洗浄した。陽性配列を次に、32Pで標識した以下のプロー
ブでスクリーニングした: 5’―TTTCACCACATCCGTGT―3’ (配列番号20) この配列は、参考として本出願にその内容を合体させる、the Kabat Database o
f sequences and proteins of immunological interest を参照して判定すると 、HLA−A29に対して特異的なものである。このデータベースはNCBI(
USA)において、またはWeb Solte(インターネット)WWW. NCBI. N
LM. NIH. GOV.上で利用できる。フィルターを室温でそれぞれ5分間、6xSS Cで2回洗浄し、その後、6XSSCで(洗浄あたり5分間)42℃で2回洗浄
した。
【0061】例17 陽性のHLA−A29クローンが単離されたので、これらを前述のDEAE−
デキストランクロロキン法を用いてCOS−7にトランスフェクトした。簡単に
説明すると、1.5x104のCOS−7細胞を、50ngのHLA−A29を 含むプラスミドpcDNA−I/Amp、および、100ngの前述のGAGE
配列のうちの1つまたは従来技術のMAGEまたはBAGE配列のうちの1つに
対するcDNAを含むそれぞれプラスミドpcDNAα−I/Ampまたはpc
DSR−α中のcDNAによって、処理した。次にトランスフェクタントを37
℃で24時間インキュベートした。
【0062】 トランスフェクタントを次に、それらがCTLによるTNF産生を刺激する能
力について、前述の例4の終わりにおいて説明したアッセイを用いてテストした
【0063】 この研究の結果を示す図7は、トランスフェクタントとしてGAGE−3、4
、5または6のいずれかとHLA−A29とを用いると高レベルのTNF産生が
達成されるということを示している。対照的に、GAGE−1およびGAGE−
2はCTLクローン22/23を刺激しない。したがって、GAGE−3、4、
5および6がプロセシングされて抗原、即ちHLA−A29分子によって提示さ
れてCTL22/23によって認識される抗原となる、という結論が導かれる。
【0064】例18 GAGE−3、4、5および6がプロセシングされてHLA−A29+細胞に
よって提示されるペプチドになったのに対し、GAGE−1およびGAGE−2
はならなかったという事実から、GAGE3、4、5および6に共通であって、
GAGE−1およびGAGE−2には存在しない配列について、推定アミノ酸配
列を調べることが示唆された。以下の配列が同定された: Arg Ser Thr Tyr Tyr Trp Pro Arg Pro Arg Arg Tyr Val Gln (配列番号21) ペプチドを合成し、凍結乾燥し、そして、1容積のDMSO、9容積の水中の1
0mM 酢酸に溶解した。この方法は、以下に記載する、その他の合成されたペ
プチドについても使用した。
【0065】 ペプチド(配列番号21)を、前述の方法にしたがって、51Cr放出実験にお
いてテストした。
【0066】 このペプチドは溶解を引き起こすことが判明した。連続的な欠失(デリーショ
ン)を調製し、そしてそれらが溶解を引き起こす能力について、再び51Cr溶解
試験を用いてテストした。この研究を図8に示す。溶解を引き起こす最も短いペ
プチドは、 Tyr Tyr Trp Pro Arg Pro Arg Arg Tyr (配列番号22) であることが判明した。これは、GAGE−3から6のすべてに共通のものであ
る。具体的には、GAGE−3のアミノ酸10−18、およびGAGE−4、5
および6のアミノ酸9−17がこのペプチドに相当する。
【0067】 図8において示され、例えば配列番号21および22によって表されるペプチ
ドファミリーのメンバーは、参考文献として本出願にその内容を合体させる、ト
ゥバート(Toubert)他, "HLA-A29 Peptide Binding Motif", Abstract No. 418
3, Ninth International Congress of Immunology, July 23-29, 1995, San Fra
ncisco, CAによって示されるデータと一致しない。トゥバート(Toubert)他, によると、少なくとも、HLA−A29に結合するすべてのペプチドの第3番目
の位置において、Phe残基が必要とされる。本明細書において示したように、
事実はそうではない。
【0068】 前述の諸例は、腫瘍拒絶抗原前駆体および腫瘍拒絶抗原をコードする核酸分子
の単離を示すものである。しかし、これらの分子は以前に開示された、前述の参
考文献において記載されているMAGEおよびBAGEコード配列のいずれとも
相同的ではない。したがって、本発明の1つの側面は、配列番号1−6のいずれ
かに示されるヌクレオチド配列、および、配列番号1のヌクレオチド1−170
および51−170などのそれらのフラグメント、または腫瘍拒絶抗原へとプロ
セシングされるその他のフラグメントを含む単離核酸分子である。配列番号1−
6の配列は、MAGEコード配列でもBAGEコード配列でもない。このことは
、これらを、引用された文献において記載されているMAGEまたはBAGE遺
伝子の配列と比較することによって理解されるであろう。非−MAGEかつ非−
BAGE腫瘍拒絶抗原前駆体をコードするが、 配列番号1の記載されたヌクレ
オチド配列を含む核酸分子と、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする
核酸分子も本発明の一部である。本明細書で使用する、“ストリンジェントな条
件”という用語は当業者に周知のパラメーターのことを指すものである。より具
体的には、本明細書で使用する、ストリンジェントな条件とは、1M NaCl
、1% SDS、および10% デキストラン硫酸中での65℃で18時間のハ
イブリダイゼーションのことを指す。この後、フィルターを2xSSC中で室温
で5分間、2回洗浄し、さらに2XSSC、0.1% SDS中で65℃で30
分間1回洗浄する。同じまたはより高い程度のストリンジェンシーをもたらす、
使用可能なその他の条件、試薬などがある。そのような条件については当業者で
あれば精通しているであろうから、ここでは記載しない。
【0069】 本発明は、発現ベクター中における配列の使用、および原核生物であろうと(
例えば、大腸菌)あるいは真核生物であろうと(例えば、CHOまたはCOS細
胞)、宿主細胞および細胞系をトランスフォームまたはトランスフェクトするた
めの配列の使用も含むということも、諸例から理解されるであろう。発現ベクタ
ーは、適切な配列、即ち前述のような配列が、プロモーターに操作可能に連結し
ていることを必要とする。ヒト白血球抗原HLA−Cw6およびHLA−A29
の両方がこれら遺伝子に由来する腫瘍拒絶抗原を提示することが判明したことか
ら、発現ベクターは、HLA−Cw6またはHLA−A29のいずれかをコード
する核酸分子も含むものであってもよい。ベクターが両方のコード配列を含むよ
うな状況においては、通常はそのいずれも発現しない細胞をトランスフェクトす
るためにそれを利用することができる。腫瘍拒絶抗原前駆体コード配列は、例え
ば、宿主細胞がすでにHLA−Cw6およびHLA−A29の一方または両方を
発現しているような場合、単独で使用してもよい。もちろん、利用可能な特定の
宿主細胞に関する制限はない。所望の場合、2つのコード配列を含むベクターを
、HLA−A29またはHLA−Cw6提示細胞において使用してもよいし、H
LA−A29またはHLA−Cw6を発現しない宿主細胞において、腫瘍拒絶抗
原前駆体に対する遺伝子を使用することもできる。
【0070】 本発明は、当業者が所望の発現ベクターまたはベクターを作成するのを可能に
するような、いわゆる発現キットも含む。そのような発現キットは、少なくとも
前に記載したコード配列のそれぞれの別々の部分を含む。必要とされる前に述べ
た配列が含まれる限り、所望であればその他の成分を加えてもよい。
【0071】 本発明の核酸分子およびTRAPを、以前に記載されたMAGEおよびBAG
E物質から区別するために、本発明のものをGAGEファミリーの遺伝子および
TRAPと称することにする。したがって、本明細書において“GAGE”とい
う語が用いられる場合、それは、前に記載された配列によってコードされる腫瘍
拒絶抗原前駆体のことを指す。“GAGEコード分子”および類似の用語は、核
酸分子自体を記載するために用いられる。
【0072】 本明細書に記載した本発明には、多くの利用法があり、それらのうちいくつか
をここに記載する。まず、本発明は、TRAPの発現または腫瘍拒絶抗原の提示
によって特徴づけられる、メラノーマなどの疾患を、当業者が診断することを可
能にする。これらの方法は、TRAP遺伝子の発現、および/またはHLA−C
w6またはHLA−A29によって提示されるTRAなどのそれらに由来するT
RAを判定することを含む。前者の状況においては、そのような判定は、ポリメ
ラーゼ連鎖反応、または標識されたハイブリダイゼーションプローブを用いてア
ッセイすることを含むあらゆる標準核酸判定アッセイによって行うことができる
。後者の状況においては、抗体などの、TRAとHLAとからなる複合体に対す
る結合パートナーを用いてアッセイすることが、特に好ましい。それに代わる判
定方法として、前述したタイプのような、TNF放出試験(放出アッセイ)があ
る。このアッセイを行うためには精巣細胞が存在していないことを確かめるのが
好ましい。というのは、それらは通常GAGEを発現しているからである。しか
し、これは重要なことではない。なぜなら精巣とその他の細胞タイプとは、ルー
チン的に区別されるからである。また、非−精巣サンプルにおいて精巣細胞が存
在するということは、実際的に不可能である。
【0073】 TRAP遺伝子の単離によって、TRAP分子自体、特に配列番号2−6のい
ずれかによってコードされるアミノ酸配列を含むTRAP分子を単離することも
可能となる。これらの単離分子は、TRAとして、あるいは、TRAとHLA−
Cw6またはHLA−A29などのHLAとの複合体として提示された場合、ア
ジュバントなどの物質と組み合わせて、TRAP分子の発現によって特徴づけら
れる疾患を治療することにおいて有用なワクチンを生産することができる。
【0074】 アジュバントの具体例として以下のものが含まれる。フロイント完全アジュバ
ントおよびフロイント不完全アジュバント、不活化(killed) 百日咳菌生物体、 “BCG”、即ちBacille Calmente-Guerin、Al(OH)、ムラミルジペプ チドおよびその誘導体、これらはスクアレンなどの代謝性(metabolizable)油中 に乳化してもよい、モノホスホリルリピドA(MPL)、キーホールリンペット
ヘモシニアン(KLH)、QA−7、QA−19およびQA−21(QS−21
とも称される)などのサポニン抽出物、これらは参考文献として本出願にその内
容を合体させる、ケンシル(Kensil)他の米国特許第5,057,540号にお
いて記載されている、MTP−MF59、N−[1−(2,3−ジオレオイルオ
キシ)プロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウムメチルスルフェート (
N-[1-(2,3-dioleoyloxy)propyl]-N,N,N-trimethylammonium methyl sulfate)( DOTAP)、カチオン性の両親媒性物質DOTMA、DOPEなどの中性のリ
ン脂質、およびこれらの組み合わせが挙げられる。このリストアップは決して包
括的なものではなく、当業者であれば、このリストアップに付け加えることが可
能であろう。すべてのさらなるアジュバントがここに含まれる。
【0075】 さらに、ワクチンは、非−増殖性の癌細胞、非―増殖性のトランスフェクタン
トなどの、その表面にTRA/HLA複合体を提示する細胞から調製することが
できる。細胞がワクチンとして使用されるすべての場合において、それらは、C
TL応答を与えるために必要な成分の一方または両方に対するコード配列でトラ
ンスフェクトされた細胞とすることができ、あるいは、トランスフェクション無
しで両方の分子を発現する細胞とすることができる。さらに、TRAP分子、そ
れに関連するTRA、およびTRAとHLAとからなる複合体は、当業者に周知
の標準技術を用いて、抗体を産生するのに利用することができる。
【0076】 本明細書において“疾患”という語が使用される場合、それは、腫瘍拒絶抗原
前駆体が発現しているあらゆる病的状態のことを指す。そのような疾患の例は癌
、特にメラノーマである。メラノーマは色素産生細胞の癌としてよく知られてい
る。
【0077】 前に示したように、配列番号4に示されるもののような腫瘍拒絶抗原も、本発
明の一部である。8から16のアミノ酸を含む分子などのポリペプチドも本発明
の一部である。ここにおけるポリペプチドは配列番号4に示すアミノ酸配列を含
むものである。前記諸例に示されるように、配列番号4の八量体よりも長いよう
なペプチドは、HLA−Cw6提示癌細胞によって配列番号4の腫瘍拒絶抗原へ
とプロセシングされ、そしてそれによって提示される。この提示によって、複合
体を提示する細胞に接触した体液サンプル中に存在している細胞溶解性Tリンパ
球による溶解が導かれる。同様に、配列番号21などの、配列番号22よりも長
いペプチドは、適切なTRAへとプロセシングされ、HLA−A29陽性細胞な
どの、癌細胞によって提示される。
【0078】 したがって、本発明のさらなる特徴は、概して9から16アミノ酸長のペプチ
ドであって、以下の配列を含むものである: Xaa Xaa Trp Pro Xaa Xaa Xaa Xaa Tyr (配列番号23) または Xaa Xaa Trp Xaa Arg Xaa Xaa Xaa Tyr (配列番号24) または Xaa Xaa Trp Xaa Xaa Xaa Xaa Arg Tyr (配列番号25) ここで各ケースにおけるXaaはいずれのアミノ酸であってもよい。
【0079】 配列番号23、24および25の式にしたがうペプチドの中で特に好適なもの
は、以下の1またはそれ以上の基準も満足するものである:N−末端アミノ酸位
置がTyr、第2位置がTyr、第4位置がPro、第5位置がArg、第6位
置がPro、第7位置がArg、そして第8位置がArgというものである。も
ちろん、配列番号23においては第4位置はすでに固定されており、配列番号2
4においては第5位置はすでに固定されており、配列番号25においては第8位
置はすでに固定されている。これらの基準のすべてが満足され、このペプチドが
9アミノ酸からなる場合、それは配列番号22である。それとは異なる特定の代
わりのものは、いずれのものであってもすべて、配列番号23、24または25
のモチーフおよび9−16アミノ酸のサイズを条件として、本発明の請求項にお
けるペプチドに含まれる。この好適な代わりのものの条件として、特に好適なも
のは、9−14アミノ酸長であって、配列番号23、24または25を含むペプ
チドである。
【0080】 配列番号23、24または25の特に好適な態様のすべてを含む、配列番号2
1、22、23、24または25のいずれかをコードする単離核酸分子である、
いわゆる“ミニ遺伝子”も本発明の一部である。例えば、配列番号21または2
2をコードすることができる核酸分子は限られた数しかなく、これらはすべてコ
ドンの縮重についての既知のルールから簡単に推定することができる。インビボ
およびインビトロの両方の標準的な方法において、本発明のペプチドをコードす
ることにおけるこれらミニ遺伝子の利用も、本発明に含まれる。これらのペプチ
ドはHLA−A29分子に結合する。および/または、HLA−A29分子に結
合するペプチドへとプロセシングされる。これらのペプチドがプロセシングされ
て腫瘍拒絶抗原になるという事実は、前記諸例によって示されている。
【0081】 この性質は、特にメラノーマといった、癌などの病的状態の診断を確認するこ
とにおいて、その他のパラメーターに関して利用してもよい。例えば、研究者は
、血液または尿中に入れた(shed) 抗原について研究し、生理的な変化を観察し 、そして本明細書において記載したCTL増殖方法を用いてメラノーマの診断を
確認することができる。
【0082】 好ましくは可溶性の形態における、HLA−A29分子と前にリストしたペプ
チドのいずれかとからなる複合体も、本発明の一部である。そのような可溶性の
複合体は、たとえば、体液サンプルなどのサンプルにおけるCTLの存在を判定
するために、利用することができる。それは、サンプルに可溶性の複合体を加え
、そしてCTLとの反応を判定することによって行われる。MHC分子とペプチ
ドとからなる可溶性の複合体を用いたCTLについてのパンニングは、例えば、
参考文献として本出願にその内容を合体させる、ブッソ(Bousso)他, Immunol.
Lett. 59(2): 85-91 (1997) によって教示されている。複合体は、CTLの濃 縮を促進するために固定化されるのが好ましい。そのような複合体を利用してイ
ンビボでCTLを刺激することができるということを示している、参考文献とし
て本出願にその内容を合体させる、サキタ(Sakita)他, J. Immunol. Meth. 19
2: 105-115 (1996) が注目される。これは本発明のさらなる特徴である。特に好
ましい態様において、前に言及した可溶性の複合体は多量体のものであり、最も
好ましくは四量体のものである。参考文献として本出願にその内容を合体させる
、アルトマン(Altman)他, Science 274: 94-96 (1996) には、どのようにして
そのような構造が作られるかが記載されている。
【0083】 本発明によるペプチドは、それ自体で、HLA−タイピングアッセイを行うた
めに利用することができる。皮膚移植、器官移植などが必要な場合、移植片拒絶
反応の可能性を最小化するためにHLAタイピングを行わなければならないこと
はよく知られている。本発明のペプチドを利用して、ある個人がHLA−Cw6
またはHLA−A29陽性であるか否かを判定することができ、それによって適
切なドナーを選ぶことができる。このタイプのアッセイは簡単に行うことができ
る。本発明のペプチドを目的のサンプルに接触させ、そしてそのサンプルにおけ
る細胞への結合によって、そのサンプルが採取された個人がHLA−Cw6また
はHLA−A29陽性であるか否かが示される。そのようなアッセイを至適化す
るために、ペプチド自体を標識すること、それらを標識されたリンカーと抱合 (
conjugate)もしくは結合させること、それらを固相に固定化することなどを行っ
てもよい。その他の標準的な方法は当業者にとって明らかであり、本明細書にお
いて示す必要はないであろう。
【0084】 本開示に基づく治療的なアプローチは、HLA−A29またはHLA−Cw6
細胞などの、TRA提示細胞の溶解を導く、患者の免疫系による応答を前提とす
る。そのようなアプローチの1つは、問題の表現型の異常細胞を有する患者に、
複合体に対して特異的なCTLを投与することである。そのようなCTLをイン
ビトロで開発することは、当業者にとって可能であろう。具体的には、血液細胞
などの細胞のサンプルを、複合体を提示しており、特異的なCTLの増殖を誘発
する能力のある細胞に接触させる。標的細胞は前述したタイプのCOS細胞など
の、トランスフェクタントとすることができる。これらトランスフェクタントは
、その表面に所望の複合体を提示し、そして、問題のCTLと結合する(combine
)と、その増殖を刺激する。本明細書において用いられたもののようなCOS細 胞は、その他の適当な宿主細胞と同様に、広く入手可能である。
【0085】 養子移入と称される治療方法について詳述すると(グリーンバーグ(Greenber
g), J. Immunol. 136 (5): 1917 (1986); リッデル(Riddel)他, Science 257
: 238 (7-10-92); リンチ(Lynch)他, Eur. J. Immunol. 21: 1403-1410(1991)
; カスト(Kast)他, Cell 59: 603-614 (11-17-89))、所望の複合体を提示す る細胞をCTLと結合させ(combined)、それに対して特異的なCTLの増殖を導
く。増殖したCTLを次に特定の複合体を提示する特定の異常細胞によって特徴
づけられる細胞異常を有する患者に投与する。ここで前記複合体は適切なHLA
分子を含むものである。そしてCTLが異常細胞を溶解し、それによって所望の
治療目的が達成される。
【0086】 前述の治療法は、患者の異常細胞の少なくともいくらかが関連するHLA/T
RA複合体を提示することを仮定している。このことは非常に簡単に判定できる
。というのは、当業者は、特定のHLA分子を提示する細胞を同定するための方
法について、および、この場合はGAGE配列である、適切な配列のRNAを発
現する細胞を同定する方法について、精通しているからである。前述のスクリー
ニング方法によって、関連する複合体を提示する細胞が同定されると、それらを
患者からのサンプルと混合することができる。ここにおいて、サンプルはCTL
を含むものである。もし複合体を提示する細胞が混合されたCTLサンプルによ
って溶解されたら、GAGE由来の腫瘍拒絶抗原が提示されており、その患者は
前に示した治療アプローチに適した候補であると考えることができる。
【0087】 養子移入は、本発明によって利用可能な治療法の唯一の形態であるわけではな
い。CTLは多くのアプローチを用いてインビボでも誘発することができる。1
つのアプローチ、即ち複合体を発現する非−増殖性の細胞の利用については前に
詳細に述べた。このアプローチにおいて用いられる細胞は、照射されたメラノー
マ細胞または複合体の提示に必要な遺伝子の一方または両方でトランスフェクト
された細胞のような、通常、複合体を発現するものとすればよい。チェン(Chen
)他, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88: 110-114 (January, 1991) は、治療法(
therapeutic regime)における、HPV E7ペプチドを発現するトランスフェ クトされた細胞の利用について示しており、このアプローチを例証している。種
々の細胞タイプが利用可能である。同様に、問題の遺伝子の一方または両方を保
有するベクターも利用可能である。ウイルス性または細菌性のベクターが特に好
適である。これらのシステムにおいて問題の遺伝子は、例えばワクシニアウイル
スまたは細菌BCGによって保有され、そしてこれら物質は、事実上、宿主細胞
に“感染” する。その結果得られた細胞は問題の複合体を提示し、自己CTL によって認識され、そして、それらCTLは増殖する。腫瘍拒絶抗原または前駆
体自体とアジュバントとを組み合わせて、HLA−Cw6提示細胞への取り込み
を促進することによっても同様の効果が達成される。そしてHLA−Cw6提示
細胞は問題のHLA/ペプチド複合体を提示する。TRAPはプロセシングされ
てHLA分子のペプチドパートナーを生じるが、TRAはさらなるプロセシング
を受ける必要なく提示される。
【0088】 本発明のその他の側面は当業者にとって明らかであろうからここで繰り返す必
要はない。
【0089】 使用された用語および語句は限定ではなく、記載のための用語として用いられ
たものであり、そのような用語および語句の使用に当たって、図示および記載さ
れた特徴またはその部分のいかなる均等物も除外する意図はなく、本発明の枠内
において様々な改変が可能であることが認識されるべきである。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 CTLクローン76/6を用いた溶解研究を示す図
【図2】 種々のトランスフェクタントおよびコントロールについて得られた腫瘍壊死因子
(“TNF”)放出試験(アッセイ)を示す図
【図3】 クローンCTL76/6の細胞溶解性Tリンパ球によって誘発された溶解を比較
する図。配列番号4を含む、異なる長さのペプチドについてテストした。
【図4】 本明細書において記載する6つのGAGE遺伝子のcDNAのアラインメントを
示す図。図において、同一の領域は箱で囲まれている。翻訳開始部位および終止
コドンも示されている。実施例において記載されるポリメラーゼ連鎖反応におい
て用いられるプライマーは矢印によって示されている。
【図5】 GAGEファミリーのメンバーについての推定アミノ酸配列のアラインメントを
示す図。同一の領域は箱によって示され、配列番号4の抗原ペプチドが示されて
いる。
【図6】 各GAGE cDNAを、HLA−Cw6 cDNAとともに、COS細胞にト
ランスフェクトした際に得られた結果を示す図。24時間後、CTL76/6の
サンプルを加え、そして24時間後、TNF放出を測定した。
【図7】 図示されたようにHLA−A29 cDNA、MAGE、BAGE、またはGA
GE配列によってトランスフェクトされた、COS−7細胞によるCTL22/
23の刺激を比較する図。コントロール値は、刺激細胞(stimulator)として、M
Z2−MEL.43およびCOS細胞によって提供される。
【図8】 配列番号22を含む種々のペプチドおよびそれらに由来する種々のペプチドを用
いた、51Cr放出研究によって得られた結果を示す図
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年3月3日(2000.3.3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 605 THIRD AVENUE,NEW YORK,NEW YORK 10158, UNITED STATES OF AM ERICA (72)発明者 ファン・デン・エインデ,ベノイト ベルギー ビー‐1200 ブリュッセル ア ベニュー・ヒポクラート 74 ユーシーエ ル 7459 (72)発明者 デバッカー,オリヴィエール ベルギー ビー‐1200 ブリュッセル ア ベニュー・ヒポクラート 74 ユーシーエ ル 7459 (72)発明者 ブーン‐ファラー,ティエリー ベルギー ビー‐1200 ブリュッセル ア ベニュー・ヒポクラート 74 ユーシーエ ル 7459 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 AA12 BA80 CA04 DA02 DA06 EA04 GA14 GA19 HA01 HA12 4B063 QA01 QQ02 QQ18 QQ19 QR48 QS07 QS15 QS28 QX07 4B064 AG01 4H045 AA10 AA30 BA10 CA41 EA51 FA74

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 9から16アミノ酸からなり、配列番号23、配列番号24
    または配列番号25を含む、単離ペプチド。
  2. 【請求項2】 配列番号23、配列番号24または配列番号25からなる、
    請求項1の単離ペプチド。
  3. 【請求項3】 体液サンプルにおける、HLA−A29分子と配列番号23
    、配列番号24または配列番号25とからなる複合体に対して特異的な細胞溶解
    性Tリンパ球の存在を判定する方法であって、その表面にHLA−A29を提示
    する細胞のサンプルを、配列番号23、配列番号24または配列番号25を含む
    ポリペプチドと、前記ポリペプチドの配列番号23、配列番号24または配列番
    号25のポリペプチドへのプロセシングおよび配列番号23、配列番号24また
    は配列番号25の前記HLA−A29分子への結合に好適な条件下で接触させる
    工程、前記細胞溶解性Tリンパ球を含むと思われる体液サンプルを、配列番号2
    3、配列番号24または配列番号25とHLA−A29とからなる複合体をその
    表面に提示している前記細胞と接触させる工程、および、少なくとも(i)細胞
    溶解性Tリンパ球によって放出される腫瘍壊死因子、または(ii)前記複合体
    を提示している前記細胞の溶解、のうち1つを、前記サンプルにおける前記細胞
    溶解性Tリンパ球の存在の判定として測定する工程、を有する、体液サンプルに
    おける、HLA−A29分子と配列番号23、配列番号24または配列番号25
    とからなる複合体に対して特異的な細胞溶解性Tリンパ球の存在を判定する方法
  4. 【請求項4】 腫瘍壊死因子の放出を測定する工程を有する、請求項3の方
    法。
  5. 【請求項5】 放射能標識されたクロムの放出を定量することによって、溶
    解を測定する工程を有する、請求項3の方法。
  6. 【請求項6】 少なくとも、配列番号23のN−末端がTyrであるか、第
    2アミノ酸がTyrであるか、第5アミノ酸がArgであるか、第6アミノ酸が
    Proであるか、第7アミノ酸がArgであるか、または、第8アミノ酸がAr
    gである、請求項1の単離ペプチド。
  7. 【請求項7】 配列番号23、配列番号24または配列番号25のペプチド
    をコードするヌクレオチド配列からなる単離核酸分子。
  8. 【請求項8】 配列番号21のペプチドをコードするヌクレオチド配列から
    なる、請求項7の単離核酸分子。
  9. 【請求項9】 配列番号22のペプチドをコードするヌクレオチド配列から
    なる、請求項8の単離核酸分子。
  10. 【請求項10】 少なくとも、配列番号24のN−末端がTyrであるか、
    第2アミノ酸がTyrであるか、第4アミノ酸がProであるか、第6アミノ酸
    がProであるか、第7アミノ酸がArgであるか、または、第8アミノ酸がA
    rgである、請求項1の単離ペプチド。
  11. 【請求項11】 少なくとも、配列番号25のN−末端がTyrであるか、
    第2アミノ酸がTyrであるか、第4アミノ酸がTyrであるか、第4アミノ酸
    がProであるか、第5アミノ酸がArgであるか、第6アミノ酸がProであ
    るか、または、第7アミノ酸がArgである、請求項1の単離ペプチド。
  12. 【請求項12】 配列番号23、配列番号24または配列番号25のアミノ
    酸配列からなるポリペプチドを作る方法であって、前記ペプチドをコードする核
    酸分子配列で細胞をトランスフォームまたはトランスフェクトして、前記ペプチ
    ドを産生させることからなる、配列番号23、配列番号24または配列番号25
    のアミノ酸配列からなるポリペプチドを作る方法。
  13. 【請求項13】 前記ペプチドが配列番号21からなる、請求項12の方法
  14. 【請求項14】 前記ペプチドが配列番号22からなる、請求項12の方法
  15. 【請求項15】 前記核酸分子が前記細胞にインビボでトランスフォームま
    たはトランスフェクトされる、請求項12の方法。
  16. 【請求項16】 前記核酸分子が前記細胞にインビトロでトランスフォーム
    またはトランスフェクトされる、請求項12の方法。
  17. 【請求項17】 HLA−A29分子と請求項1のペプチドとからなる単離
    複合体。
  18. 【請求項18】 溶液中の、請求項17の単離複合体。
  19. 【請求項19】 サンプルにおける細胞溶解性T細胞の存在を判定する方法
    であって、前記細胞溶解性T細胞が、請求項18の単離複合体と、HLA−A2
    9と配列番号23、配列番号24または配列番号25に示すアミノ酸配列からな
    るペプチドとの複合体に対して特異的なレセプターを有しており、細胞溶解性T
    細胞の前記単離複合体に対する結合を、前記サンプルにおける前記細胞溶解性T
    細胞の判定として測定する工程を有する、サンプルにおける細胞溶解性T細胞の
    存在を判定する方法。
  20. 【請求項20】 インビボで細胞溶解性T細胞を刺激する方法であって、請
    求項18の単離複合体を、前記複合体に対して特異的な細胞溶解性T細胞を刺激
    するのに十分な量、対象(subject)に投与する工程を有する、インビボで細胞溶 解性T細胞を刺激する方法。
  21. 【請求項21】 前記複合体が多量体である、請求項17の単離複合体。
  22. 【請求項22】 前記多量体の複合体が四量体である、請求項21の単離複
    合体。
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