JPH11503610A - 好酸球で発現される新規なケモカイン - Google Patents

好酸球で発現される新規なケモカイン

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JPH11503610A JP8531231A JP53123196A JPH11503610A JP H11503610 A JPH11503610 A JP H11503610A JP 8531231 A JP8531231 A JP 8531231A JP 53123196 A JP53123196 A JP 53123196A JP H11503610 A JPH11503610 A JP H11503610A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、過好酸性症候群を患う患者の血液細胞から作られたcDNAライブラリーで初めに発見された新規なC−Cケモカインのヌクレオチド配列及びアミノ酸配列EECに関する。本発明には、EECをコードするヌクレオチド配列に対するアンチセンス分子、精製EECの産生のための発現ベクター、EECと特異的に結合し得る抗体、EECをコードするヌクレオチド配列を検出するためのハイブリダイゼーションプローブまたはオリゴヌクレオチド、及びEECをコードする核酸分子及びEECに特異的に結合し得る抗体に基づくケモカイン活性化に対する診断テスト方法が含まれる。

Description

【発明の詳細な説明】 好酸球で発現される新規なケモカイン 技術的背景 本発明は、好酸球において見出された新規なケモカインのヌクレオチド配列及 びアミノ酸配列に関し、また、疾病の診断及び治療におけるこれらの配列の使用 に関する。 背景技術ケモカイン ケモカインは、例えば侵入微生物のような非自己抗原、または非適合組織型の 抗原に免疫系が応答したときに生成され、異常な、炎症性、疾病状態における白 血球遊走に関与するサイトカインのファミリーである。ケモカインは内皮細胞上 の特定の接着分子の発現を媒介し、特定の細胞タイプを活性化する化学誘因物質 因子の勾配を作り出す。更に、ケモカインは特定の細胞タイプの増殖を刺激し、 特定の受容体を保有する細胞の活性化を調節する。これらの作用の何れもが、標 的細胞特異性が高いことを説明している。 このケモカインは小さなポリペプチドで、一般に約70〜100アミノ酸(a a)の長さで、8〜11kBの分子量を有し、1〜100nG/mlの濃度の範 囲で活性である。初めに、このケモカインは炎症組織から単離、精製され、その 対生物作用に関して特徴付けられた。最近では、ケモカインは分子クローニング 技術によって発見され、構造と共に機能分析により特徴づけられている。 ケモカインは、主として成熟分子における初めの2つのシステイン残 基のスペーシングに基づく4つのシステインモチーフを通して近縁関係を有して いる。現在、各種ケモカインは2つのファミリー、即ちC−X−Cケモカイン( α)及びC−Cケモカイン(β)の何れか一方に割り当てられている。例外は存 在するが、C−X−Cケモカインは、好中球及び線維芽細胞を活性化し、C−C ケモカインは単球/マクロファージ、好塩基球、好酸球、T細胞他を含むより多 様な標的細胞のグループに作用する。これらのケモカインの両ファミリーは多種 多様なタイプの細胞により合成され、その概要は“Thomson A.(19 94)The Cytokine Handbook, 2d Ed.Acad emic Press, NY.”に記載されている。ケモカインのこの2つの グループについては後に再び説明する。 現在、C−Cケモカインの数はC−X−Cケモカインより少ないが、これはN 末端プロセシングの数が少ないためであるらしい。既知のヒト及び/またはネズ ミC−Cケモカインには、MIP−1α及びβ、I−309、RANTES、及 びMCP−1が含まれる。マクロファージ炎症性タンパク質α及びβ(MIP− 1α及びβ)は、初めに刺激されたマウスのマクロファージ株細胞から精製され 、通常の組織に注入されると炎症反応を誘発した。少なくとも3つの異なる非対 立遺伝子が、ヒトMIP−Cαをコードし、7つのこのような遺伝子がMIP− 1βをコードする。 MIP−1α及びMIP−1βは68〜69アミノ酸からなり、これらのアミ ノ酸の約70%が、その酸性、成熟分泌型において同一である。これらのタンパ ク質は双方共に、刺激されたT細胞、B細胞、及び単球においてミトゲン抗−C D3及び内毒素を通して発現され、また両ポリペプチドはヘバリンに結合する。 両分子は単球を刺激し、MIP−1αはT細胞のCD8サブセット及び好酸球を 化学誘因し、MIP−1βは T細胞のCD4サブセットを化学誘因する。マウスにおいて、これらのタンパク 質は骨髄造血を刺激することが知られている。 I−309はヒトγ−δT細胞株からクローニングされ、マウスからクローニ ングされたT細胞活性化遺伝子3(TCA3)と42%のアミノ酸同一性を示し ている。これらの2つのタンパク質の5′フランキング領域の間には、かなりの レベルのヌクレオチド相同性が存在しており、他のケモカインにおいては見られ ない特別なシステイン残基の対を共通に持っている。このような類似性は、I− 309とTCA3が、配列及び機能が異なる種のホモログであることを示唆して いる。 RANTESは、C−Cケモカインの一種であって、発現されるのはT細胞( B細胞では発現されない)、血小板、ある種の腫瘍細胞株、及び刺激されたリウ マチ滑膜線維芽細胞においてである。後者においては、IL(インターロイキン )1及びIL4、形質転換神経因子及びインターフェロンγにより調節される。 T細胞からクローニングされたcDNAは、N結合型グリコシル化を欠いた基本 的な8kDのタンパク質をコードし、白血球、単球、好塩基球、及び好酸球に影 響を与え得る。RANTESのmRNAの発現は、T細胞刺激により実質的に低 減する。 単球走化性タンパク質(MCP−1)は、76アミノ酸のタンパク質であって 、様々な媒介物の刺激に応じてほとんど全ての細胞及び組織において発現される ようである。しかし、MCP−1の標的は、単球及び好塩基球に限定されており 、そこでMCP−1は、MCP−1受容体、Gタンパク質結合カルシウム流動( flux)を誘発する(Charo I, personal communica tion参照)。他の2つの近縁関係にあるタンパク質、MCP−2、MCP− 3は、ヒト骨肉腫細胞株から精製された。MCP−2及びMCP−3はMCP− 1とそれぞれ62%及び73%のアミノ酸配列の同一性を有し、単球に対するそ の 化学誘因物質特異性を共通のものとしている。 1995年6月29日に公開された国際公開番号WO 95/17092の明 細書、及びその優先権をなす1994年3月8日出願の米国特許出願第08/2 08339号明細書には、MIP3のヌクレオチド配列及びアミノ酸配列、MI P−1αに対して66%の類似性を有する大動脈内皮細胞において見出されたケ モカインが開示されている。 このケモカイン分子について説明している文献には、“Schall TJ (1994) Chemotactic Cytokines: Target s for Therapeutic Development. Inter national Business Communications, So uthborough MA pp 180−270”;及び“Paul WE (1993)Fundamental Immunology, 3rd Ed . Raven Press, NY pp 822−826”がある。好酸球 好酸球は高度に活性のゴルジ装置及びリボゾーム装置によって含有する好塩基 性または好酸性顆粒が発生する間に形成される二核性、多核性白血球である。形 質膜は白血球の膜と構造的に区別されるものではないが、免疫グロブリン(Ig )、特にIgG及びIgEの受容体によって特徴付けられている。これらの細胞 は、幹細胞から全生涯に亘って形成され、微生物及び異種タンパクから体を保護 する全身性防衛において重要な役目を果たす。血液1ml当たりの総数7000 の白血球に対して、好酸球の数は通常血液1μl当たり約160個である。好酸 球は通常6日間有効であって、骨髄の中で形成され、それらが炎症または浸潤部 位に動員されるまでは骨髄の中に格納されている。 好酸球は寄生生物の感染において特殊な機能を発揮する。好酸球は、 恐らくそれらのIg受容体を介して寄生生物の幼生に付着し、宿主の活性化T細 胞及びマスト細胞(Abu−Ghazaleh RI, Kita H, Gl eich GJ (1992) Immunol Ser 57:137−67 )によって産生されたインターロイキン−5(IL−5)、IL−3、顆粒球/ 単球細胞刺激因子(GM−CSF)、または寄生生物によって産生される他の因 子に応じて脱顆粒を受ける。脱顆粒によって以下のような多くの活性化種が放出 される。それは(1)ペルオキシダーゼ、酸性ホスファターゼ、ホスホリパーゼ 、Bグルクロニダーゼ、RNA分解酵素、アリルスルファターゼ及びカテプシン のような加水分解酵素、(2)高度に反応性の高いスーパーオキサイド、及び( 3)許容基礎タンパク質(MBP)、アルギニンリッチ強力幼生ポリペプチド、 及び好酸球カチオンタンパク質(Capron M (1992) Mem I nst Oswaldo Cruz 87(S5):83−9)である。好酸球 は、鉤虫、住血吸虫症、トキソカラ症、鞭虫症、フィラリア症、糞線虫症、エキ ノコックス症、胞虫症、及び旋毛虫症等の寄生虫様感染症を患っているヒトにお いて大量に作り出される。 多数の好酸球は、心臓、肺、中枢神経系、静脈洞、及びアレルギー反応が一般 に起こる皮膚のような組織にも集まる。好酸球は好酸性走化性因子、血小板活性 化因子、補体5a、またはアレルギー反応の際にマスト細胞及び好塩基球から放 出されるIL−5によって炎症または浸潤部位に化学遊走される。好酸球は、マ スト細胞及び好塩基球によって放出されるヒスタミン及びアナフィラキシー(ロ イコトリエンの混合物)の緩慢反応物質を中和し、マスト細胞の脱顆粒を防止す る好酸球由来阻害剤を酸性し、かつ抗原−抗体複合体を貪食細胞に食べさせるが 、これら全てが過感受性反応をダウンレギュレートする。 好酸球増加症、即ち血液1μl当たり500個以上の好酸球が生ずるのは、一 般にアレルギー、アレルギー性鼻炎、喘息及びアスピリン、サルファ剤及びペニ シリンのような薬物に対する反応を患う患者において一般に観測される。好酸球 増加症は、慢性関節リュウマチ及びホジキンリンパ腫、慢性骨髄性白血病、及び 肺、胃、膵臓、卵巣、子宮及び肝臓の癌腫のようなガンにも関連する。好酸球増 加症により、過度な脱顆粒による組織の損傷が生じ、これは糖質コルチコイド化 学療法で通常治療される。 好酸球、及びその形態、機能及び疾病への関連は、特にGuyton AC (1991) Textbook of Medical Physiolog y, WB Saunders Co, Philadelphia PA; Isselbacher KJ et al (1994) Harrison ′s Principles of Internal Medicine, McGraw−Hill, New York City, pp. 1437 −1504; and Zucker−Franklin D et al ( 1988) Atlas of Blood Cells, Function and Pathology, Lea and Febiger, Phi ladelphia PA.に記載されている。 炎症若しくは疾病組織における以上の診断に関する現在の技術は、主として臨 床的な症状の不足、または人体組織または体液をヒトのホルモン、ポリペプチド または様々な代謝産物の血清学的分析を行うことに依存している。患者は疾病の 発生の初期段階では臨床的な症状を示さないことが多い。更に、血清学的分析で は、レンジが重複するまたは非常に近いところにある侵入性の疾病と遺伝学的症 候群とを常に区別できるわけではない。炎症状態の現在の方法では、様々な副作 用を持つステロイ ドや他の薬物の投与を行っている。炎症状態に関与する新規なケモカインの発見 により、より安全で程度の高い診断、治療的組成物、及び治療方法の基礎が提供 される。 発明の開示 本発明は、Mayoクリニックで過好酸性症候群と診断された患者の血液細胞 から作られたcDNAライブラリにおいて初めに発見されたケモカインに対する 新規なヌクレオチド配列及びアミノ酸配列に関する。この新たな遺伝子は好酸球 発現型ケモカイン、またはeec(インサイト社クローンNo.288236) としても知られており、C−Cケモカインファミリーの新規なメンバーであるポ リペプチドEECをコードする。本発明は、好酸球増加症のような、異常、炎症 性または疾病状態における白血球遊走に関連する疾病状態の研究、診断及び治療 にEECのアミノ酸配列及びヌクレオチド配列を利用することにも関連する。好 酸球増加症は、血液1μl当たりの好酸球の数の劇的な増加として定義される。 この症状は以下のような状態で観測される。即ち、慢性関節リュウマチ、好酸性 筋膜炎、アレルギー性脈管炎、結節性動脈周囲炎、及び肉芽腫症のような膠原血 管病、ホジキンリンパ腫、菌状息肉腫、慢性骨髄性白血病、及び肺、胃、膵臓、 卵巣または子宮のガン、鉤虫、住血吸虫症、トキソカラ症、鞭虫、フィラリア症 、糞線症、エキノコックス症、胞虫症、及び旋毛虫症のような寄生虫性感染症、 レフラー症候群、レフラー心内膜炎、好酸性白血病、好酸性筋肉症、及び突発性 の過好酸性症候群及びアレルギーや喘息を患っている状態である。 本発明は、部分的には、EECが、C−Cケモカインファミリーの他のメンバ ーと共有するアミノ酸相同性に、また一部分には好酸性cDN AライブラリにおけるEECに対するヌクレオチド配列の存在にその基礎を置い ている。EECに対するヌクレオチド配列及びアミノ酸配列は、MIP3に対す るヌクレオチド配列及びアミノ酸配列に類似性を有しており、このことは199 5年6月29日に公開された国際公開番号WO95/17092の明細書、及び それに対する優先権である、1994年3月8日に出願された米国特許出願第0 8/208,339号明細書に記載されている。 従って、本発明は異常な、炎症性若しくは疾病状態における白血球遊走に関与 する、新規なC−Cケモカイン、EECの発見にその基礎を置いている。EEC とそれをコードするヌクレオチド配列及びオリゴヌクレオチド、ペプチド核酸( PNA)、そのフラグメント、部分またはアンチセンス分子は、炎症性または疾 病状態に関連するEECの早期の正確な検出及び/または定量に対する診断方法 の基礎を提供する。例えば、ここに開示するEECをコードするeecヌクレオ チド配列またはそのフラグメントを、組織診された細胞または組織または体液の ハイブラダイゼーションアッセイに用いて、炎症を有するまたは炎症を有してい る危険のある個人の異常を診断することができる。 生物学的治療におけるEECをコードするヌクレオチド配列の異常レベルは、 核酸欠失または突然変異のような染色体異常を反映しうる。従って、EECをコ ードするヌクレオチド配列は、EECをコードする遺伝子における欠失、突然変 異または染色体の転移のような染色体異常を診断的に検出するのに使用されうる クローブの基礎を提供する。eec遺伝子の発現は、このような疾病によって変 化することがあり、またはEECをコードする遺伝子の領域において染色体異常 が存在しうる。 本発明はまた、ケモカインの活性をブロックすることが望ましい炎症のような 状態において、EECの活性、即ち白血球遊走をブロックする のに使用されうるeecアンチセンス分子またはEECアンタゴニストを提供す る。これとは別に、白血球遊走を増加することが望ましい、急性または慢性の感 染症のような、白血球遊走を強化することが望ましい状態において、EECの活 性を亢進するために、eecセンス分子またはEECアゴニストを用いることが できる。 本発明はまた、インビトロまたはインバイボでのヌクレオチド配列及びアミノ 酸配列の作成のためのeecヌクレオチド配列を含む生物工学的に処理された宿 主細胞及び発現ベクターに関する。 更に、本発明は、疾病状態におけるEECタンパク質レベルを定量し診断的に 検出するのに使用されうるEECポリペプチドの阻害剤またはアンタゴニストの スクリーニングを行うため、及び抗EEC抗体を作り出すために、EECポリペ プチドまたはフラグメントまたは変異体を使用することにも関連している。 本発明はまた、例えば、炎症の治療においてケモカインの活性を低下させるこ とが必要な状態において、EECアンチセンス核酸またはEECタンパク質の阻 害剤またはアンタゴニストを効果的な量だけ含む医薬品組成物にも関連する。本 発明はまた、例えば感染症において白血球遊走を亢進することが必要な治療条件 において使用するための、EEC活性を亢進しうるEECのアゴニストまたは他 の分子を効果的な量だけ含む医薬品組成物にも関連する。 本発明は、更に、ポジティブコントロールとして使用されうる精製EEC、及 び抗EEC抗体を含む細胞及び組織におけるEECの検出のための診断アッセイ 及びキットを提供する。このような抗体は、溶液ベース、膜ベース、または組織 ベース技術において使用され、タンパク質の発現またはその欠失したものまたは 変異体の発現に関連する疾病状態または条件を検出することができる。 図面の簡単な説明 第1図は、好酸球発現型ケモカインのヌクレオチド配列eec、及び予測アミ ノ酸配列EECを示した図である。 第2図は、MIP−1a(配列番号:3)、MIP−1b(配列番号:4)、 MCP−1(配列番号:5)、MCP−2(配列番号:6)、MCP−3(配列 番号:7)、RANTES(配列番号:8)、及び通常の配列(配列番号:9) を含む、C−CヒトケモカインファミリーとEECとのアミノ酸アライメントを 示した図である。第2図及び第5図に示すアライメントは、DNASTARソフ トウェアのマルチシーケンスアライメントプログラム(DNASTAR Inc , Madison WI)を用いて形成された。 第3図は、予測アミノ酸配列及び組成に基づくEEC疎水性分析を示した図で ある。 第4図は、ヒトC−Cケモカインの近縁関係樹形図である。系統樹は、PAM 250残基表と共にクラスタル(Clustal)法を用いるDNASTARソフトウ ェア系統樹プログラムにより作成された。 第5図は、MIP−3及びEECのアミノ酸アライメントを示した図である。 発明の実施の形態 本発明は新規なC−Cケモカイン受容体EEC、Mayo Clinicで超 好酸性症候群と診断された患者の血液細胞に由来するcDNAライブラリの配列 から初めに発見されたヌクレオチド配列に関連する。 本発明は、異常な、炎症または疾病状態における白血球遊走に関与する疾病状態 の研究、診断及び治療において、ここに開示されたヌクレオチド配列及びアミノ 酸配列を使用することにも関連する。上記の炎症または疾病状態の例には、慢性 関節リュウマチ、好酸性筋膜炎、アレルギー性脈管炎、結節性動脈周囲炎、及び 肉芽腫症のような膠原血管病、ホジキンリンパ腫、菌状息肉腫、慢性骨髄性白血 病、及び肺、胃、膵臓、卵巣または子宮のガン、鉤虫、住血吸虫症、トキソカラ 症、鞭虫、フィラリア症、糞線症、エキノコックス症、胞虫症、及び旋毛虫症の ような寄生虫性感染症、レフラー症候群、レフラー心内膜炎、好酸性白血病、好 酸性筋肉症、及び突発性の過好酸性症候群及びアレルギーや喘息がある。本発明 はまた、EEC活性を調節する物質及び化合物を評価しスクリーニングするため に、EEC、及びそれを発現する生物工学的処理をなされた宿主細胞を使用する ことにも関連する。 本発明は、Mayo Clinicで過好酸性症候群と診断された48歳の男 性患者から成分献血された末梢血液細胞から作られたcDNAライブラリにおけ る9576個の使用可能な配列のランダムサンプルにおいてEECをコードする ヌクレオチド配列が存在することに部分的基礎を置いている。細胞集団は、ライ ト着色により77%以上の好酸球であると決定された。本発明は更に、第2図に 示すように、既知のC−CケモカインとEECが共有するアミノ酸相同性に基づ いている。 従って、本発明は感染症及び炎症を含む多くの疾病において見られる白血球遊 走に関与する、新規なC−CケモカインEECの同定に基礎を置いている。 本明細書において、“核酸配列”なる用語は、オリゴヌクレオチド、ヌクレオ チドまたはポリヌクレオチド配列、及びそのフラグメントまたは部分を意味する か、あるいはセンス鎖またはアンチセンス鎖の何れで あれ、二本鎖または一本鎖のゲノムのまたは合成の核酸源から得られるDNAま たはRNAを意味する。本明細書において、“アミノ酸配列”は、ペプチドまた はタンパク質配列、若しくはその部分を意味する。本明細書において、“eec ”は、核酸配列を意味し、“EEC”は、タンパク質配列を意味する。本明細書 において、ペプチド核酸(PNA)は、分子が、対応するオリゴヌクレオチドよ りも高いアフィニティ及び特異性を持って等補的なDNAまたはRNAとハイブ リッド形成可能にせしめる、ヌクレオベースを備えた中性“ペプチド様”バック ボーンを有する情報分子のクラスを意味する(PerSeptive Bios ystems 1−800−899−5858)。 本明細書において、EECは、自然発生形態あるいは変異体形態の、ウシ、ヒ ツジ、ネズミ、ブタ、ウマ、及び好ましくはヒトまたは他の哺乳類種に由来する EECであって、天然のもの、合成のもの、半合成のもの、または組み換え体の ものが包含される。 本明細書において、“自然発生”なる用語は、天然に見いだされるアミノ酸配 列を有するEECを意味し、“生物学的活性”なる用語は、免疫活性を含む、自 然発生EECの構造的、調節または生化学的機能を有するEECを意味する。自 然発生EECは、アセチル化、カルボキシル化、グリコシル化、リン酸化、脂質 化、及びアシル化を含む(これらに限定されない)翻訳後修飾されたポリペプチ ドに由来するEECを含む。本明細書において、“免疫学的活性”は、天然、組 み換え、または合成EECまたはその任意のオリゴペプチドが、適切な動物また は細胞において特異的免疫反応を誘発し、特異的抗体に結合する能力として定義 される。 本明細書において、“誘導”なる用語は、EECの化学的修飾を意味する。こ のような修飾の例としては、アルキル基、アシル基、またはア ミノ基による水素の置換がある。EECポリペプチド誘導体は、自然発生EEC の生物学的特性を必ず維持している。EE誘導体は、ユビキチン化、ラベリング (例えば放射性核種や、様々な酵素修飾による標識付け)、ペジレーション(ポ リエチレングリコールによる誘導体化)のような化学的修飾、若しくは例えばオ ルギチンのような通常はヒトタンパク質において自然発生しないアミノ酸の化学 合成による挿入、置換によって得られた自然発生EECに由来するEECポリペ プチドを意味する。 本明細書において、“精製”なる用語は、その天然の環境から取り出され、そ れらが通常結合している少なくとも1つの他の物質から単離または分離された核 酸またはアミノ酸配列の分子を意味する。 本明細書において、“組換え変異体EEC”なる用語は、組換えDNA技術を 用いて生成されるアミノ酸の挿入、除去、及び/または置換により自然発生EE Cとは異なるものとなった任意のポリペプチドを意味する。興味の対象となる活 性、細胞接着性、走化性を損なわずに置換、付加、あるいは除去され得るアミノ 酸残基を決定するためには、特定のEECの配列と相同体のサイトカインの配列 とを比較し、相同性の高い領域でのアミノ酸配列の変化の数を最小にすればよい 。 アミノ酸の“置換”では、例えばロイシンからイソロイシンまたはバリンへの 置換、アスピレートからグルタメートへの置換、スレオニンからセリンへの置換 、即ち保存的アミノ酸置換のような1個のアミノ酸が構造的及び/または化学的 特性がそれに類似した他の1個のアミノ酸で置換されるのが好ましい。アミノ酸 の“挿入”または“除去”は、通常1〜5個のアミノ酸の範囲で行われる。組換 えDNA技術を用いてEECのアミノ酸の挿入、除去、または置換を体系的に行 い、得られた組換え変異体の活性を検定することにより、許容される変異体が実 験的に決定され得る。 必要ならば、“シグナル配列またはリーダー配列”を細胞膜を通してポリペプ チドに向けることができる。このような配列は、本発明のポリペプチド上に自然 に存在するか、あるいは組換えDNA技術により異種タンパク質源から得られる 。 本明細書において、EEC“フラグメント(断片)”、“部分”、または“セ グメント”なる用語は、生物学的及び/または免疫学的活性を示すに十分な長さ を有するアミノ酸の伸展(ストレッチ)を意味する。好適実施例では、このEE C断片は少なくとも約5個のアミノ酸、少なくとも約7個のアミノ酸、または少 なくとも約8〜13個のアミノ酸を含み、別の実施例では約17個またはそれ以 上のアミノ酸を含む。 本明細書において、“オリゴヌクレオチド”またはポリヌクレオチド“フラグ メント”、“部分”、または“セグメント”なる用語は、同一の、若しくは近縁 関係にある核酸を同定、若しくは増幅するためのポリメラーゼ連鎖反応(PCR )法や、当業者には周知の様々なハイブリッド形成法におけるプライマーとして 使用するのに十分な長さを有するEECをコードする核酸の任意のストレッチを 意味する。 本発明には、EECをコードする組換え核酸分子で形質転換された宿主細胞、 ベクター、及び天然または組換えポリペプチド源から得られた精製EECポリペ プチドが含まれる。EECポリペプチドを単離するための様々な方法は、当業者 の周知となっている。例えばこのようなポリペプチドの精製のために、本発明の 提供する抗体を用いたイムノアフィニティクロマトグラフィーを利用することが できる。タンパク質精製のための他の様々な方法は、例えば、“Deutsch er M (1990) Methods in Enzymology Vo l 182, Academic Press, San Diego”及び“ Scopes R (1982) Protein Purifica tion: Principles and Practice. Sprin ger−Verlag, NYC”に記載されており、これらの文献を本明細書 と共に参照されたい。 本明細書において、“組換え”なる用語は、組換えDNA技術を用いて調製さ れるEECをコードするポリヌクレオチドを意味する。EECをコードするDN Aも対立形質の変異体または組換え変異体、及びその突然変異体を含み得る。 本明細書において、“プローブ”または“核酸プローブ”または“オリゴヌク レオチドプローブ”なる用語は、所望の標的配列とハイブリッド形成し得るee cの部分、フラグメント、またはセグメントを意味する。分子生物学における従 来の技術を用いることにより、EECをコードするcDNAまたは内生核酸を検 出し、増幅し、または定量するのにこのプローブが使用され得る。プローブの長 さは様々であり、好ましくは、約10から最大約数100ヌクレオチドの長さを 有するものである。当業者には理解されようが、ハイブリッド形成条件及びプロ ーブの設計は、使用目的に応じて変化する。例えば、PCRでの使用を目的とし たプローブは、長さが15〜60ヌクレオチドであり、縮重プローブのプールの 一部分であり得る。即ちPCR用プローブは、ヌクレオチドのミスマッチに対す る許容性を有するが、未知の配列に対する結合に適用するオリゴヌクレオチドで ある得るのに対して、サザンハイブリダイゼーションまたはノーザンハイブリダ イゼーション用のプローブは、長さが数100ヌクレオチドの、1つの特定のヌ クレオチド配列である得る。核酸プローブは、約6kbより少ない塩基対数の、 通常は約1kb未満の配列の部分からなり得る。本発明のオリゴヌクレオチド及 び核酸プローブは、細胞または組織内にEECをコードする核酸が存在するか否 かを判定するため、または“Walsh PS et al(1992) PCR Methods Appl. 1:241−250”に記載のように染 色体DNAから類似した核酸配列を分離するのに使用され得る。 従って、eecを特異的に検出するためのプローブで好適なものは、配列番号 :1の配列の非保存ヌクレオチド領域から得られるポリヌクレオチドまたはオリ ゴヌクレオチドフラグメントであり得る。本明細書において、“非保存的ヌクレ オチド領域”なる用語は、配列番号:1に一義的に存在し、かつC−Cケモカイ ンのファミリーにおける保存される領域を含まないヌクレオチド領域を意味する 。プローブは一本鎖または二本鎖で、in situハイブリッド形成及びEL ISA(固相酵素免疫検定法)のような技術を含む膜ベースのハイブリダイゼー ション、溶液、細胞、組織において特異性を有し得る。ここに開示する実施例で は、EECをコードするヌクレオチド配列の検出のためのヌクレオチドプローブ は、配列番号:2のアミノ酸残基位置22〜63のアミノ酸残基をコードするヌ クレオチド配列に由来する。 本発明の核酸プローブは、自然発生核酸、組換え一本鎖または二本鎖核酸から 誘導されるか、若しくは化学的に合成され得る。プローブの標識化は、ニックト ランスレーション法、クレノウフィルイン反応法、PCR法、または当分野にお いて周知の他の方法を用いて行われ得る。本発明のプローブを調製し、標識する 方法は、“Sambrook Jet al (1989) Molecula r Cloning:A Laboratory Manual, 2d Ed , Cold Spring Harbor, NY”または“Ausubel FM et al (1989) Current Protocls in Molecular Biology, Vol 2, John Wile y & Sons”に詳しく述べられており、これらの文献を本明細書と共に参 照されたい。 別の形態として、本発明のポリペプチドをコードする組換え変異体は、当業者 に周知の技術を用いて、遺伝暗号の“重複性”を利用することにより合成、また は同定され得る。様々な切断部位を作り出すサイレント変化のような、様々なコ ドン置換を導入することで、プラスミドやウィルスベクターへのクローニング、 または特定の原核細胞系または真核細胞系における発現を最適化することができ る。また、突然変異を導入することによって、ポリペプチドの特性を変え、リガ ンド結合親和力、鎖間親和力、またはポリペプチド変性またはターンオーバー速 度を変えることもできる。発明の詳細な説明 EECをコードする配列 ヒトeecのヌクレオチド配列(配列番号:1)は第1図に示されている。E ECのコード領域は、過好酸性症候群と診断された患者の血液細胞から作られた cDNAライブラリ(インサイト社cDNAライブラリEOSIHET02)内 で同定された。ここでは約9576個の使用可能な配列において7回見いだされ た。BLAST search(Basic Local Alignment Search Tool; Altschul SF (1993) J. Mol. Evol. 36: 290−300; Altschul SF et al (1993) J. Mol. Biol. 215:403−4 10)で、EOSIHET02ライブラリのcDNAとGenBankの霊長類 データベースとを比較して、サイトカインエフェクタ(GIG34750)に対 するヒト464.2メッセンジャーRNAと完全に一致しないものとしてインサ イト社クローンNo. 288236を同定した。EECをコードするヌクレオ チド配列は、子宮組織から作られたcDNAライブラリ(インサイト社UTRS NOT01)の約255 3の配列においても1回見いだされた。 EECは好酸球において発現されることから、核酸(eec)、ポリペプチド (EEC)及びEECに対する抗体は、好酸球の数及び機能に影響を与える炎症 または疾病が生じた場合のケモカイン産生に基づく診断アッセイにおいて有用で ある。EECの過剰な発現はまた、単球、マクロファージ、好酸球、T細胞及び /またはケモカインに反応する他の細胞を活性化して、最良のプロテアーゼの産 生及び組織損傷または破壊をもたらしうる他の細胞の産生をもたらしうる。従っ て、EECの過剰発現に対する診断テストにより、好酸球増加症、即ちウィルス 、バクテリア、カビ、または寄生虫感染、外傷による機械的な障害、アレルギー や喘息のような遺伝病、白血病やリンパ腫のような浸潤病、または好酸球の数の 変化を伴う他の生理学的及び病理学的問題によって生ずる異常状態の診断及び適 切な治療を促進しうる。 DNA配列決定の方法は従来より周知であり、DNAポリメラーゼIクレノー フラグメントSequenase(登録商標)(US Biochemical Corp, Cleveland OH)、Taqポリメラーゼ(Perki n Elmer, Norwalk CN)、耐熱性T7ポリメラーゼ(Ame rsham, Chicago IL)のような酵素を用いるか、若しくはEL ONGASE Amplification System(Gaithers burg MD)のような校正エキソヌクレアーゼの組合せを用いる。目的のD NA鋳型にアニーリングされたオリゴヌクレオチドプライマーからDNAを延展 する方法は、一本鎖鋳型用の方法と二本鎖鋳型用の方法の双方が開発された。チ ェーンターミネーション反応の生成物は、電気泳動法を用いて分離され、それら に一体に組み込まれた標識された前駆物質を介して検出された。一体化された反 応調整、配列決定、及び分析の最近の進歩に より、一日当たりに決定されうる配列数が伸びた。好ましくは、このプロセスは 、Hamilton Micro Lab 2200(Hamilton, R eno NV)、Peltier Thermal Cycler(PTC20 0; MJ Research, Watertown MA)及びABI C atalyst 800、377及び373DNAシーケンサ(Perkin Elmer, Norwalk CN)のような機械により自動化される。 EECをコードするポリヌクレオチドが見いだされる特定のcDNAライブラ リの品質は、cDNAのパイロットスケール分析を実行し、クローン含有ベクタ ー、ラムダまたはE. coliDNA、ミトコンドリアまたは反復DNA、及 び法的データベースに対する正確な一致または相同性一致を有するクローンをチ ェックすることにより決定されうる。 EECをコードするヌクレオチド配列(またはその相補的配列)は、分子生物 学の分野における当業者には周知の技術において数多くの用途を有する。これら の技術には、ハイブリダイゼーションプローブとしての使用、PCR用オリゴマ ーの構築における使用、染色体及び遺伝子マッピングにおける使用、EECの組 換え体生成における使用、及びアンチセンスDNAまたはRNAの、またはこれ らの化学的類似体等の生成における使用が含まれる。ここに開示するEECをコ ードするヌクレオチドの使用方法は、周知の技術の一例であり、当業者に周知の 何らかの技術にその使用を限定しようとするものではない。更に、未だ開発され ていない分子生物学的技術であっても、それが例えばトリプレット遺伝暗号及び 特異的な塩基対相互作用のような既知のポリヌクレオチド配列の特性に基づく技 術である限り、ここに開示するヌクレオチド配列を使用することができる。 遺伝暗号の縮重(degeneracy)の結果、そのヌクレオチド配列がEE Cをコードするもので限り、既知のヌクレオチド配列及び自然発生遺伝子のヌク レオチド配列に対する相同性を有する最小限のヌクレオチド配列を有するヌクレ オチド配列を含む、様々なEECをコードするヌクレオチド配列が産生され得る 、ということは当業者には理解されよう。本発明は、より具体的には可能なコド ン選択に基づいて組合せを選択することにより生成され得る全ての可能なヌクレ オチド配列を、その範囲に含んでいる。これらの組合せは、自然発生EECのヌ クレオチド配列に対して適用されるような標準的なトリプレット遺伝暗号に基づ いて作られる。また、このような全ての変異体は、具体的にここで開示されたも のと考えられたい。 EEC及び/またはEEC変異体をコードするヌクレオチド配列は、厳格な条 件の下で自然発生EEC遺伝子のヌクレオチド配列とハイブリッド形成可能なも のであるのが好ましいが、実質的に異なるコドン使用頻度をプロセシングするE ECまたはEEC誘導体をコードするヌクレオチド配列を作り出すことは有益で あり得る。コドンの選択は、特定の原核細胞または真核細胞の発現宿主における ペプチドの発現速度を高めるように選択することができ、このときこの発現速度 は、その宿主における特定のコドンの使用頻度に基づいて決まる。本発明のEE C及び/またはEEC誘導体をコードするヌクレオチド配列を、このコードされ たアミノ酸配列を変えることなく実質的に変化させる他の理由は、より望ましい 特性、例えば自然発生ヌクレオチド配列から産生されたものより長い半減期を有 するRNA転写物を作り出すためである。 EECをコードするヌクレオチド配列は、完全に確立された組換えDNA技術 (“Sambrook J et al. (1989) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2d Ed , Cold Spring Harbor, NY”参照)により様々な他のヌクレオチド配列と結合してもよい。eecに 結合するのに有用なヌクレオチド配列には、例えば従来より周知のプラスミド、 コスミド、λファージ誘導体、ファージミド等のクローニングベクターの組合せ が含まれる。興味の対象であるベクターには、発現ベクター、複製ベクター、プ ローブ産生ベクターシークエンシングベクター等が含まれる。一般に、興味の対 象となるベクターは、少なくとも1つの生物において複製起点機能を発揮する便 利な制限エンドヌクレアーゼ検知サイト、及び宿主細胞用として選択可能なマー カーを含み得る。 本発明の別の実施例では、EECをコードする自然発生ヌクレオチド配列とハ イブリッド形成可能なeec特異的核酸ハイブリダイゼーションプローブが提供 される。EECをコードする配列の検知のためのこのようなプローブは、配列番 号:1の非保存領域から得られるヌクレオチドフラグメントを含むのが好ましい 。近縁関係にあるケモカインをコードする配列の検出のためのこのようなプロー ブは、C−Cをコードする配列のヌクレオチドの少なくとも50%を含むのが好 ましい。本発明のハイブリダイゼーションプローブは、配列番号:1のヌクレオ チド配列、または自然発生eecのプロモータ、エンハンサー要素、及びイント ロンを含むゲノムの配列に由来するものであり得る。ハイブリダイゼーションプ ローブは、様々なリポーターグループにより標識され得るが、このリポーターグ ループには、32Pまたは35Sのような放射性核種、若しくはアルカリホスファタ ーゼのような酵素標識が含まれ、これらはアビジン/ビオチン結合系を介してプ ローブに結合する。この他当業者に周知の技術を用いてプローブを標識すること ができる。 米国特許第4,965,188号、第4,683,195号、及び第4,80 0,195号明細書に記載されているようなPCR法の実施に おいて、EECをコードするヌクレオチド配列に基づくオリゴヌクレオチドの別 の使用方法がある。このようなPCRにおいて使用されるプローブは、組換えに より得られたものであるか、化学的に合成されたものであるか、若しくは両者の 混合であり得、また、診断的な使用に供される分散したヌクレオチドまたは近縁 関係にあるゲノム配列の同定に用いられる可能な変性配列のプールを含み得る。 eecに対して特異的なハイブリダイゼーションプローブを産生するための他 の方法には、mRNAプローブの産生のためのベクターへの、EEC及びEEC 誘導体をコードする核酸配列のクローニングが含まれる。このようなベクターは 従来より周知であり、または市販されており、例えばT7またはSP6 RNA ポリメラーゼのような適当なRNAポリメラーゼ及び適当な放射性の標識をなさ れたヌクレオチドを添加することによりin vitroでRNAプローブを合 成するのに使用することができる。 現在完全に化学合成によりEEC及びEEC誘導体をコードするDNA配列、 またはその部分を産生することが可能であり、合成の後、従来より周知の試薬、 ベクター、及び細胞を用いて様々な市販のDNAベクターに挿入することができ る。更に化学合成を用いて、eecポリヌクレオチド配列若しくはその部分に突 然変異を起こさせることも可能である。 このヌクレオチド配列を用いて、EECの発現レベルの異常に関連する炎症及 び疾病の検出のためのアッセイを構築することができる。このヌクレオチド配列 は、従来より周知の方法で標識した上で、ハイブリッド形成条件の下で患者の体 液または組織の試料に添加することができる。インキュベーション時間の経過後 、ヌクレオチドが酵素で標識されていた場合には、所望に応じて染料(または他 の展開剤を必要とする標識) を含有する適合性の液体で試料が洗浄される。この適合性の液体を洗い流した後 、染料を定量し、標準値と比較する。染料の量が著しく多い場合には、このヌク レオチド配列は試料とハイブリッド形成したことになる。eecが異常なレベル で存在している場合には、このアッセイにより炎症及び/または疾病の存在が確 認されたことになる。 eecのヌクレオチド配列を用いて、その遺伝子のマッピングのためのハイブ リダイゼーションプローブを構築することができる。ここに開示するヌクレオチ ド配列の染色体及び染色体の特定の領域へのマッピングを、周知の遺伝子及び/ または染色体マッピング技術を用いて行うこともできる。このような技術には、 in situハイブリダイゼーション、既知の染色体マーカーに対するリンケ ージ分析、既知の染色体に対して特異的なライブラリまたはフローソートされた 染色体調合物を用いたハイブリダイゼーションスクリーニング等が含まれる。染 色体延展(chromosome spread)の蛍光in situハイブリダイゼーション 技術については、他の文献、即ち“Verma et al (1988) H uman Chromosomes: A Manual of Basic Techniques, Pergamon Press, NYC”に記載さ れている。 染色体調合物の蛍光in situハイブリダイゼーション及び他の物理的染 色体マッピング技術は、追加的な遺伝子地図データと関連付けられ得る。遺伝子 地図データの例としては、“O’Brien (1990) Genetic Maps: Locus Maps of Complex Genomes, Book 5; Human Maps, Cold Spring Har bor Laboratory, NY”がある。物理的染色体地図上でのee cをコードする遺伝子の位置と特定の疾病(若しくは特定の疾病に対する素因) との間の 相関関係は、この遺伝病に関連するDNAの領域の範囲を特定するための助けと なる。本発明のヌクレオチド配列を用いて、健常者の遺伝子配列と、キャリアま たは遺伝病の保因者の遺伝子配列との相違を検出することができる。EECの発現 EECをコードするヌクレオチド配列を用いて、周知の組換えDNA技術を利 用して精製EECを作り出すことができる。遺伝子を単離した後、その遺伝子を 発現させる方法を記載した文献は数多くあるが、その例としては、“Goedd el (1990) Gene Expression Technology , Methods and Enzymology. Vol 185, A cademic Press, San Diego”がある。EECは、原核 細胞または真核細胞の何れかの様々な宿主細胞内において発現され得る。宿主細 胞は、eecヌクレオチド配列が内生である種と同一の種、あるいは異なる種の 何れからでも得ることができる。組換えDNA技術によってEECを産生するこ との利点には、精製用として高濃度に濃縮されたタンパク質源が得られること、 及び精製のための簡単な手順が利用できるようになることがある。eecの発現 は、cDNAを適当な発現ベクターにサブクローニングし、このベクターを適切 な発現宿主に感染させることによりなされ得る。実施例7に記載されているよう に、EECの発現及び精製のための好適な発現ベクターは、EECを含む融合タ ンパク質の発現用として使用でき、かつ6個のヒスチジン残基、次いでチオレド キシン及びエンテロキナーゼ切断サイトをコードする核酸を含むものである。ヒ スチジン残基は、IMIAC(固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィ ー“Porath et al. (1992) Protein Expre ssion and Purification 3 :263:281”に記載)上での精製を促進し、一方エンテロキナーゼ切断サ イトは、融合タンパク質からのケモカインの精製のための手段となる。組織ライ ブラリーの作成のために従来より用いられてきたクローニングベクターによって も、E.coliにおけるeec配列を発現させられる。 cDNAクローン挿入断片は、必ずランダムプロセスにより産生されることか ら、含まれたcDNAが適切な翻訳のための正しい読み枠に存在する可能性は3 つに1つである。cDNAが適切な読み枠に存在しない場合には、in vit ro突然変異を含む周知の方法による適切な数の塩基の除去または挿入や、エキ ソヌクレアーゼIIIまたは大豆ヌクレアーゼを用いた消化、若しくはオリゴヌ クレオチドリンカーの混入により、正しい読み枠に存在するものを得ることがで きる。 eecのcDNAは、特定の宿主におけるタンパク質源の発現のために有用で あることが知られているベクターにシャトルされ得る。クローニングサイトと共 に、目標cDNA(25塩基)の両端における伸展部分とハイブリッドを形成す るのに十分なDNAのセグメントを含むオリゴヌクレオチドアンプリマーは、標 準的な方法で化学的に合成され得る。次いで、これらのプライマーを用いて、P CR法により所望の遺伝子セグメントを増幅することができる。得られた新たな 遺伝子セグンメントは、標準的な条件の下で適当な制限酵素で切断し、ゲル電気 泳動法により単離することができる。別の形態として、適当な制限酵素を用いて ヌクレオチド配列を切断し、欠失した遺伝子セグメントに化学的に合成されたオ リゴヌクレオチドを埋め込むことにより、類似の遺伝子セグメントを産生するこ とができる。更に、複数の遺伝子から得られた配列をコードするセグメントを相 互に結合し、適当なベタターにクローニングして、組換え配列の発現を最適化す ることができる。 このようなキメラ分子用の適切な発現宿主には、チャイニーズハムスターの卵 巣及びヒト293細胞のような哺乳類の細胞、Sf9細胞のような昆虫の細胞、 サッカロミセスセルビシエ(Saccharomyces cerevisiae)のような酵母菌細胞、 及びE.coliのような細菌が含まれるが、これらに限定されるものではない 。このような細胞系のそれぞれに対して有用な各発現ベクターも、細菌内での増 殖を可能にする複製起点、及びβ−ラクタマーゼ抗抗生物質遺伝子のような細菌 内での選択を可能にする選択可能なマーカーを含み得る。更に、このベクターは 、感染された真核宿主細胞群における選択を可能にする、ネオマイシンホスホト ランスフェラーゼ遺伝子のような第2の選択可能なマーカーを有し得る。真核細 胞の発現宿主において使用するためのベクターは、3′ポリアデニル化配列のよ うなRNAプロセシング要素を、それが興味の対象であるcDNAに含まれてい ない場合には必要とすることがある。 更に、ベクターは遺伝子発現を増加させるプロモータまたはエンハンサーを含 み得る。このようなプロモータは宿主特異的であって、MMTV、SV40、ま たはCHO細胞用のメタロチオネインプロモータや、細菌宿主用のtrp、la c、tac、またはT7プロモータや、酵母菌用のα因子、アルコール酸化酵素 、またはPGHプロモータが含まれる。RSVエンハンサーのような転写エンハ ンサーは、哺乳類の宿主細胞において使用され得る。ひとたび標準的な培養法に より均一な組換え細胞の培養物が得られると、組換え体により産生されたEEC が大量に条件培地から得られ、当技術分野において周知のクロマトグラフィー法 により分析できることになる。 EECをコードするDNAによって形質転換された細胞は、EECの発現及び 細胞培地からのタンパク質の回収に適切な条件の下で培養され得る。組換え細胞 により産生されたEECは、使用される特定の遺伝子 構造に応じて、分泌されるか、あるいは細胞内に保持され得る。一般に、組換え タンパク質は、分泌される形態で準備しておくのがより便利である。精製のステ ップは、使用される産生プロセスの性質及び産生される特定のEECの性質に基 づいて決まる。 EECは、タンパク質精製を容易にするべく添加された1または2以上の追加 のポリペプチドを有するキメラタンパク質として発現され得る。このような精製 促進ドメイン(分子内領域)には、固定化金属上での精製を可能にするヒスチジ ン−トリプトファンモジュールのような金属キレート化ペプチド固定化免疫グロ ブリン上での精製を可能にするプロテインAドメイン、及びFLAGS伸展/ア フィニティ精製システム(Immunex Corp, Seattle, W A)において利用されるドメイン等があるが、これらに限定されるものではない 。切断可能なリンカー配列(例えばXA因子またはエンテロキナーゼ)が精製ド メインと、eec配列との間に含まれていると、EECの発現を促進するのに役 立つ。 組換え体による産生に加えて、固相技術を用いた直接のペプチド合成によりE ECフラグメントを産生することもできる。(“Stewart et al (1969) Solid−Phase Peptide Synthesis , WH Freeman Co. San Francisco; Merr ifield R (1963)J Am Chem Soc 85:2149 −2154”参照)。in vitroタンパク質合成は、手作業、あるいは機 械により自動的に行うことができる。自動的な合成は、例えばApplied Biosystems 431A Peptide Synthesizer( Foster City, California)を製造業者の指示に従って 用いることにより行うことができる。EECの様々なフラグ メントを個別に化学合成し、化学的な方法により結合することによってEECの 全体を産生することもできる。EEC 抗体 抗体の誘発において使用するためのEECは、生物学的活性を有している必要 はないが、免疫活性を有していなければならない。EEC特異的抗体の誘発にお いて使用するためのペプチドは、少なくとも5個、好ましくは少なくとも10個 のアミノ酸からなるアミノ酸配列を含む。このペプチドは、タンパク質の一部分 を模しており、EECのような自然発生分子の全アミノ酸配列を含んでいてもよ い。EECのアミノ酸配列の短いストレッチは、ヒザラガイヘモシアニン(KL H)や抗体産生に使用されるキメラ分子のような他のタンパク質のストレッチと 融合され得る。 EECに対して特異的な抗体は、適当な動物にEEC配列を接種することによ り産生され得る。抗体が、自然発生または組換えタンパク質の少なくとも一部分 に対して産生され、そのタンパク質の全体または一部分に結合するならば、その 抗体はEECに対して特異的であると言える。抗体の誘発は、動物への注射によ り生ずる免疫反応の刺激作用によるもののみならず、合成抗体、または組換え免 疫グロブリンライブラリ(“Orlandi et al (1989) PN AS 86:3833−3837またはHuse et al (1989) Science 256:1275−1281”参照)またはリンパ球集団のi n vitro刺激作用によっても起こる。現在の技術(“Winter an d Milstein (1991) Nature 349:293−299 ”)では、抗体形成の原理に基づき、高度に特異的に結合する多数の試薬を提供 することができる。このような技術は、EECに特異的に結合し得る分子の産生 に容易く適用することができる。 EECに対するモノクローナル抗体及びポリクローナル抗体を調製するための 方法は、様々なものが当業者の知るところであろう。その方法の1つは、逆相H PLC分離から変性EECを得て、これを用いて当業者に周知の技術でマウスま たはウサギを免疫化する方法である。マウスの免疫化には変性EEC約100μ gで十分であり、ウサギの免疫化には最大1mgを用いることができる。マウス ハイブリドーマを同定するために、変性タンパク質を放射性要素で標識し、これ を用いて潜在性ネズミB細胞ハイブリドーマをスクリーニングして、抗体を産生 するものを分離することができる。この方法では、必要なタンパタ質の量はわず かであり、数1000のクローンを標識しスクリーニングするためには20mg で十分である。 別の方法では、EECのアミノ酸配列はcDNA配列から推論されるように、 その分析により免疫抗原性の高い領域が決定される。これらの領域を含むポリペ プチドを合成し、適切な免疫化プロトコルで使用して抗体を産生する。適切なエ ピトープを選択するための分析方法は、“Ausubel FM et al (1989, Current Protocols in Molecula r Biology, Vol 2. John Wiley & Sons) ”に記載されている。免疫化のための最適なアミノ酸配列は、通常、そのタンパ ク質が自然のコンフォーメーションをなしているときに外部環境にさらされやす いポリペプチドのC末端、N末端、及びその間に介在する親水性領域に存在する 。 典型的には、約15残基の長さを有する選択されたポリペプチドは、fmoc 化学を用いるApplied Biosystems Peptide syn thesizer model 431Aを用いて合成され、M−マレイミドベ ンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエ ステル(MBS;上述のAusubel FM et al参照)と反応させる ことによりヒザラガイヘモシアニンまたはキーホールリンペットヘモシアニン( KLH;Sigma)と結合される。必要ならば、KLHに結合できるようにペ プチドのN末端にシステインを挿入してもよく、動物は、フロイント完全アジュ バントによりペプチド−KLH複合体で免疫化される。得られた抗血清は、ペプ チドをプラスチックに結合し、1%のBSAでブロックし、抗血清と反応させ、 その後洗浄し、(放射性または蛍光性の)標識をなされたアフィニティ精製され た特異的ヒツジ抗ウサギIgGと反応させることにより、抗ペプチド活性をテス トすることができる。 ハイブリドーマも標準的な技術を用いて調製される。興味の対象となるハイブ リドーマは、標識化EECでスクリーニングし、所望の特異性を有するモノクロ ーナル抗体を産生するそれらの融合体を同定することにより検出される。例えば 、典型的なプロトコルでは、プレート(FAST, Becton−Dicki nson, Palo Alto, CA)の穴が、アフィニティ精製された特 異的ウサギ抗マウス(または適当な抗種Ig)抗体約10mg/mlでコーティ ングされる。コーティングされた穴は1%のBSAでブロックされ、洗浄されて 、ハイブリドーマの上清液にさらされる。インキュベーションの後、この穴は約 1mg/mlの濃度の標識化EECにさらされる。抗体を産生するクローンは、 上述のような条件の下で検出可能な量の標識化EECと結合する。このようなク ローンは、増殖された上で、限界希釈(1細胞/3穴)で2サイクルのクローニ ングをなされる。クローニングされたハイブリドーマは、プリスタン処置を受け たマウスに注射され、マウスの復水が作り出される。モノクローナル抗体は、プ ロテインAを用いるアフィニティクロマトグラフィーにより、マウスの復水から 精製される。少 なくとも108-1、好ましくは109〜1010以上の親和力を有するモノクロー ナル抗体は、典型的には、“Harlow and Lane (1988) Antibodies: A Laboratory Manual, Col d Spring Harbor Laboratory, NY”または“G oding (1986) Monoclonal Antibodies: Principles and Practice, 2d Ed. Acad emic Press New York City”に記載の標準的な手順に より作られる。これらの文献を本明細書と共に参照されたい。EECのヌクレオチド配列及びアミノ酸配列の使用 本発明の別の実施例では、好酸球増加症や好酸球数の増加を伴う炎症または疾 病を治療するために、EEC特異的抗体、阻害剤、受容体、またはこれらの類似 体を生理活性剤として使用する。上記の疾病の例には、好酸球増加症、即ちウィ ルス、バクテリア、カビ、または寄生虫感染、外傷による機械的な障害、アレル ギーや喘息のような遺伝病、白血病やリンパ腫のような浸潤病、または好酸球の 数の変化を伴う他の生理学的及び病理学的問題によって変化を伴う他の生理学的 及び病理学的問題が含まれるが、これらに限定されるものではない。 EECの正しい完全なcDNA配列を知ることにより、遺伝子機能の調査での アンチセンス技術に、これを適用することが可能になる。EECをコードするポ リヌクレオチド配列のアンチセンス鎖を含むゲノムのまたはcDNAのフラグメ ントをin vitroまたはin vivoで用いて、特定のタンパク質の発 現を阻害することができる。このような技術は周知であり、ヌクレオチド配列の 様々な部位に付くプローブをデザインすることができる。細胞または実験動物の 全体をこのようなアンチセンス配列で処理することより、興味の対象である遺伝 子の機能 を効果的に遮断することができる。多くの場合、細胞レベル、組織レベル、若し くは生物体全体のレベルでの挙動(例えば死亡率、分化した機能の消失、形態の 変化等)を観察することにより、その遺伝子の機能を確認することができる。 開放された読み枠の転写を妨害するように構築された配列を用いることに加え て、イントロン領域、プロモータ/エンハンサー要素、またはトランス作用調節 遺伝子に対するアンチセンス配列をデザインすることにより、遺伝子発現を修飾 することかできる。同様に、“三重らせん体(トリプルヘリックス)”塩基対と して知られるHogeboom塩基対を用いて阻害を達成することができる。 EECの抗体、阻害剤、アンチセンス分子、受容体、若しくは類似体(過剰な ケモカイン産生の治療薬、以下略して“TEC”と称する)は、治療的に投与さ れたときそれぞれ異なる効果を与え得る。このTECは、無毒性で、不活性で薬 化学的に適格な水性担体媒質でありそのpHは約5〜8、より好適には6〜8の である。但し、このpH値は、照合される抗体、阻害剤、受容体、または類似体 の特性や治療される病状に応じて変わってくる。TECの特性には、分子の可溶 性、半減期、及び抗原性/免疫抗原性が含まれ、効果的な担体を決定するのに役 立ち得る。天然ヒトタンパク質はTECとして好適であるが、薬物スクリーニン グによって得られた有機分子も特定の状態の下では同様に効果的であり得る。 TECは、局所塗布用クリームまたはゲル、粘膜透過性スプレーまたはエーロ ゾル、皮膚透過性パッチまたは包帯、注射可能な静脈内または洗浄調合物及び経 口投与液若しくは錠剤を含む周知の投与経路によって与えられ得るが、投与の仕 方は以上挙げたものに限定されない。特定の配合、正確な投与量、及び投与経路 は、病院所属医師により決定され、それぞれの状況に応じて変わってくる。 このような決定は、治療を受ける条件、投与されるTEC、及び特定のTEC の薬動力学的プロフィールのような様々な変量を考慮してなされる。考慮され得 る他の因子には、病状、患者の年齢、体重、性別、食事、投与の回数、薬物の組 合せ、反応感受性及び治療に対する耐性/反応が含まれる。長時間作用するTE C調剤の投与の頻度は、特定のTECの半減期及び消失速度に応じて、3日から 4日に1回、1週間に1回、または2週間に1回であり得る。 通常の投与量は、投与経路に応じて0.1〜100,000μg、最大1gの 間で変化し得る。TECの特定の投与量に関しての説明は以下の文献、即ち米国 特許第4,657,760号、第5,206,344号、または第5,225, 212号明細書に記載されている。TECの種類に応じて効果的な配合も変わり 、また好酸球を標的にする投与と、他の器官または組織を標的にする場合では、 投与方法も異なってくることが予測される。 単球、マクロファージ、好塩基球、好酸球または他の白血球を活性化する好酸 球の状態または疾病は永久損傷を促進させるが、これはTECで治療されうる。 好酸球増加症は、上述のようなテストにより特異的に診断されうるが、このよう なテストは、ウィルス、バクテリア、カビまたは寄生虫の感染の疑いがある場合 、外傷による機械的損傷の疑いがある場合、アレルギー、喘息、及び慢性関節リ ュウマチのような遺伝病の疑いがある場合、上述の癌腫、白血病、及びリンパ腫 のような癌の疑いがある場合、または好酸球数の変化を伴う生理学的または病理 学的問題が生じている疑いがある場合に行われるべきである。 上述の全ての文献及び特許明細書は、本明細書と一体として参照されたい。表 記の発明は、当業者が本発明を実施するのに十分であると考えられる。実際、分 子生物学または関連分野の当業者にとって明らかな本 発明の実行のための上述の事項の様々な変更は、請求の範囲に記載の本発明の範 囲を逸脱しないものであることが企図されている。 以下の実施例は、本発明を説明するためのものであり、本発明を限定するもの ではない。 産業的応用性 1.mRNAの単離及びcDNAライブラリの構築 eec配列は、ヒト好酸球ライブラリの配列において同定された。このライブ ラリのために使用された好酸球は、Mayo Clinic(Rocheste r MN)において過好酸性症候群と診断された56歳の白人男性の患者から成 分献血により得られた。この細胞はリン酸緩衝液食塩水で2度洗浄され、グアニ ジウムイソシアネートを含む緩衝液の中に即座に溶解された。この溶液は、Cs Clクッションで遠心分離され、エタノール沈殿をなされて、37℃で15分間 処理された水及びDナーゼに再懸濁された。RNAは、フェノールクロロホルム で抽出され、エタノール沈殿処理された。ポリアデニル化メッセージは、Qia gen Oligotex(QIAGEN Inc, Chatsworth) を用いて単離され、cDNAライブラリはStratagene(11011 North Torrey Pines Road, La Jilla CA 92037)により構築された。 第1鎖cDNA合成は、XhoI制限サイトを含むオリゴd(T)プライマ/ リンカーを用いて達成された。第2鎖合成は、DNAポリメラーゼI、 E. coliリガーゼ、及びRナーゼHの組合せを用いて行われ、次いでEcoRI アダプタがcDNAの平滑末端に付けられた。EcoRIを付けられた二鎖のc DNAは、次いでXhoI制限酵素で 消化され、フェノールクロロホルムで抽出され、SephacrylS400で サイズにより分割された。適当なサイズのDNAは、次いで脱リン酸ラムダZa p(商標)アーム(Stratagene)に付けられて、Gigapack抽 出物(Stratagene)を用いてパッケージングされた。pBluesc ript(Stratagene)ファージミドDNAは、好酸球ライブラリか らまとめて切除され、個々のプラスミドDNAはAdvanced Genet ic Technologies Corporationにより販売されてい るミニプレップキットを用いて作られた(Gaithersburg MD)。 pBluescript(Stratagene)ファージミドDNAは、好酸 球ライブラリーからまとめて切り出され、個々のファージミドDNAは、Min iprep Kit( Advanced Genetic Technolo gies Corp. Gaithersburg MD)を使用して作られた 。 このキットは96穴の形態で、960精製のために十分な試薬を供給する。推 奨プロトコルを採用したが、以下の点を変更した。第1に、96穴のそれぞれが 、25mg/lのカルベニシンと0.4%のグリセリンを含む滅菌液体培地(L IFE TECHNOLOGIES(登録商標). Gaithersburg MD)1mlで満たされる。細菌が穴の中に挿入され、24時間培養され、か つ溶解緩衝液の60μlに溶解される。このブロックは2900rpmで5分間 遠心分離され、次いでこのブロックの内容(contents)が第1フィルタプレート に加えられる。所望に応じて加えられるステップであるTRIS緩衝液にイソプ ロパノールを添加するステップは、定例的には実行されない。プロトコルにある 最終ステップの後、試料は保存のためBeckman96穴ブロックに送られる 。 cDNAライブラリの品質は、192cDNAのパイロットスケール分析を行 い、ベクターのみを含有するクローン、ミトコンドリアまたは反復DNA配列を 含むクローン、及びラムダまたはE.coliDNAに由来するクローンのパー センテージをチェックすることによって決定された。公的データベースとの正確 な一致または相同的な一致の数は、一義的な配列の数、即ちあらゆるデータベー スとの一致が見られないものの数も記録された。 2.cDNAクローンの単離 個々のcDNAクローンのファージミド形態は、in vivo切除プロセス により得られた。このプロセスでは、宿主E.coli株(XL1−BLUE( 登録商標)MRF)が、f1ヘルパーファージと共感染された。ラムダファージ 及びf1ヘルパーファージの双方から誘導されたタンパク質は、ラムダ標的DN A上の定められた配列から新たなDNA合成を開始し、pBluescript (登録商標)プラスミド及びcDNA挿入断片の全てのDNA配列を含む小型の 1本鎖環状ファージミドDNA分子を作り出す。このファージミドDNAは、細 胞から放出され、精製されて、次いで新鮮な細菌性宿主細胞(SOLR)に再感 染するのに使用されて、重鎖のファージミドDNAが産生された。ファージミド がβ−ラクタマーゼに対する遺伝子を保有していることから、新たに形質転換さ れた細菌がアンピシリンを含む培地上で選択された。 ファージミドDNAは、QIAGEN社(9259 Eton Ave., Chatsworth, CA 91311)のQIAWELL−8ファスミド 精製システムを用いて精製された。この技術は、細菌細胞を溶解し、高度に精製 されたファージミドDNAを単離するための高速で信頼性が高く高スループット の方法である。精製樹脂から溶離されたこのDNAは、DNA配列決定及び他の 分析走査に適したものであ る。 ヒト好酸球ライブラリーのランダム分離により得られたcDNA挿入断片は、 部分的に配列決定された。このcDNAは、Hamilton Micro L ab 2200(Hamilton, Reno NV)、及び4台のPelt ier Thermal Cyclers(PTC200 from MJ R esearch, Watertown MA)、及びApplied Bio systems 377 or 373 DNA Sequencing Sy stems(Perkin Elmer)を用いて、Sanger F 及び AR Coulsonの論文(1975; J. Mol. Biol, 94 :441f)に記載の方法により配列決定され、DNAの読み枠が決定された。 3.cDNAクローン及び演繹されたタンパク質の相同性検索 各cDNAはApplied Biosystems社製の検索アルゴリズム を、INHERIT(商標)670配列分析システムに組み込んで用いて、Ge nBankの配列と比較を行った。このアルゴリズムにおいては、Patter n Specification Language(TRW社製, Los Angeles CA)を用いて、相同領域の決定を行った。配列比較をどのよ うに行うかを定める3つのパラメータは、ウィンドウサイズ、ウィンドウオフセ ット、及び誤差許容度であった。これら3つのパラメータの組合せを用いて、問 題の配列に対して相同性を有する領域を含む配列をDNAデータベースから検索 し、適当な配列に対して初期値と共に点数が付けられた。続いて、これらの相同 領域を、ドットマトリクス相同性プロット法を用いて検定し、偶然の一致と真の 相同領域とを区別した。相同性検索の結果を表示するのにSmith−Wate rmanアラインメントを用いた。 ペプチド及びタンパク質配列の相同性は、INHERIT(商標)670配列 分析システムを用いてDNA配列の相同性の検査と似た方法で確認された。Pa ttern Specification Language及びパラメータウ ィンドウを用いて、相同性領域を含むタンパク質配列のデータベースを検索し、 相同領域は初期値と共にスコアを付けられて表示された。ドットマトリクス相同 性プロット法により検定を行い、有意な相同性領域を偶然の一致から区別した。 BLAST(ベーシック局部的一致検索ツール)(“Altschul SF (1993) J Mol Evol 36:290−300; Altsc hul, SF et al (1990) J Mol Biol 215: 403−10”参照)を用いて、局部的な配列の一致を検索した。BLASTは ヌクレオチド及びアミノ酸配列双方の一致をチェックして、配列の類似性を決定 する。一致の局部的な性質のために、BLASTは正確な一致を求めたり、ある いは相同性を同定するのに特に有用である。BLASTは、ギャップを含まない 一致を求めるのに有用なのである。BLASTアルゴリズム出力の基本ユニット は、High−scoring Segment Pair(HSP)である。 HSPは、任意の、長さが等しく互いの一致部分が局部的に最大で、一致スコ アがユーザがセットしたカットオフスコアまたは閾値スコアに達するかそれを超 えるような2つの配列フラグメントからなる。BLASTを用いる方法により、 問題の配列とデータベース配列とのHSPを捜し、発見された一致の統計的な有 意性を評価し、ユーザが選択した有意性の閾値を満たす一致のみを知ることがで きる。パラメータEはデータベース配列との一致で報告されるものを選択するた めの統計的有意性の閾値を設定する。Eは、データベース検索全体の前後関係の 中でのH SP(若しくはHSPの組)の偶然の一致の期待される頻度上限と解釈される。 Eを満たすデータベース配列はプラグラムの出力において報告される。 好酸球で発現されるケモカインEECの全コード領域のヌクレオチド配列及び アミノ酸配列は、第1図に示されている。 4.遺伝子の同定及び完全長配列決定 ヒト好酸球ライブラリーのクローンの中からランダムにピックアップし配列決 定すると、既知のC−Cケモカイン分子に相同性を有するが、明らかに異なって いるeec配列が見つけられた。eecの完全なヌクレオチド配列は翻訳され、 枠内の翻訳は第1図に示す。この配列の予測される全ての可能な3つの翻訳物を スイスプロット及びPIRのようなタンパク質データベースから検索したが、e ecの可能な翻訳と完全に一致するものは見つけられなかった。第2図に示すの は、EECアミノ酸配列と他のC−Cケモカイン分子の配列との比較である。恒 久性C−Cモチーフを含むこれらの分子のうち実質的に相同な領域は白抜きで示 されている。系統樹分析(第4図)は、eecと他の良く特徴付けられたヒトC −Cケモカインとがどのように近縁関係にあるかを示している。これらの分子の 最も近縁なものは、図面の右手側に集まっている。 5.アンチセンス分析 EEC配列、またはその一部分は、内生EECのin vitroまたはin vivo発現を阻害するのに用いられる。約20塩基対からなるアンチセンス オリゴヌクレオチドを使用することについては詳細に説明したが、より大きいc DNAフラグメントについても同一の手順を用いる。EECコード配列に基づく オリゴヌクレオチドは、内生EECの発現を阻害するのに用いられる。オリゴ4 .0を用いて、相補的オリゴヌクレオチドを保存的5’配列からデザインし、こ れを用いてプロモ ータが上流の非翻訳領域に結合するのを防止することにより、転写を阻害するか 、またはリボソームがmRNAに結合するのを防止することによりEEC転写物 の翻訳を阻害する。 6.EECの発現 EECをコードするヌクレオチド配列が、T7プロモーター、それに続く開始 メチオニンコロン(ATG)、それに続く6つのヒスチジンコドン、それに続く (チオレドキシンをコードする)E.coliのTrxA遺伝子、それに続くエ ンテロキナーゼ切断可能部位をコードする配列、及びEECをコードするヌクレ オチド配列を有する発現ベクター内にクローニングされた。シグナル配列の切断 に関しての経験的研究によれば、完全長タンパク質のN末端に位置する予測疎水 性領域のC末端、またはその近傍で切断は起こる。EECの疎水性のプロファイ ルは第3図に示されており、このプロファイルに基づけば、配列番号:2の残基 21(アラニン)は成熟EECの発現のためのN末端アミノ酸残基であるようだ 。C−Cケモカインの特徴的なC−C残基からN末端残基50のアミノ酸残基の 存在は、新規な活性を発揮するEECへのN末端の延長を反映しうる。 6個のヒスチジンコドンを含む上述の発現ベクターを用いて宿主細胞を形質転 換させ、宿主細胞培地をIPTGで誘発し、発現されたタンパク質は、変性SD Sポリアクリルアミドゲル電気泳動法を受けた。発現ベクターからの核酸は、上 述のSambrookのミニプレッププロシージャを用いて部分的に精製され、 スーパーコイルしたDNAを産生した約100ngのDNAを用いて宿主細菌細 胞W3110/DE3を形質転換させた。W3110/DE3は、APCCのW 3110及びNovagen社製のラムダDE3溶原化キットを用いて構築され た。DE3溶原は、その親W3110より形質転換受容性が低いことが多く、効 率的な形質転換のためのスーパーコイルしたDNAの使用に適合する。各ケモカ イン形質転換から1つの形質転換体が選択され、アンピシリンを含むL−ブロス の培地5mlが接種された。各5mlの培地は、浸透した上。摂氏37℃で一晩 (12〜15時間)増殖させた。一晩おいた後、その一晩おいた培地の1mlを 、500mlのフラスコ内にアンピシリンを含むL−ブロスの100mlの培地 に接種し、浸透した上で37℃で増殖させ、培地のOD600が0.4〜0.6 に達するまで放置した。接種された細胞が、OD600の値が0.6を越えるま で増殖した場合には、定常期に入り、誘発レベルは低くなる。 接種の時に、5mlの試料を取り出し、氷上に設置して、全誘発(若しくは0 時間)試料として用いた。この細胞培地がOD600の値で0.6に達したとき 、100mM IPTG原液の40μlを添加して最終的な濃度が0.4mMに なるようにした。この培地は、浸透した上摂氏37℃で3時間増殖させた。1時 間から最大6時間の間隔で培地の5mlの分割量を取り、変性SDSポリアクリ ルアミドゲル電気泳動法で分析することにより、発現誘発の分析を行った。この 融合タンパク質は、細胞の溶液分画に蓄積するように見えた。 本発明のケモカインの場合、誘発が最大となるのは2時間経過したときであっ た。4時間以上増殖させると、培地での溶解が生じ、タンパク質分解により所望 のタンパク質の全体としての収量は低減した。0時間、1時間及び2時間経過し たときに細胞培地の5mlの分割量を取り、摂氏4℃で5分間300RPMで遠 心分離した。その上澄みを吸引し、細胞の溶解を助けるべくピペットに凍結融解 処理を施した。このピペットは摂氏4℃でTE(10mM Tris′HCL pH8.01mMEDTA pH8.0)に再懸濁したその量はTE(ul)= (OD600)(250)で計算される量であった。各試料には同量の2×S DS試料加重バッファ(Novex)を添加した。この試料を5分間煮沸し、各 レーンにつき10μlの各試料をロードした。 H6−TrxEECを含む融合タンパク質の期待される分子量は19,233 ダルトンである。14%のSDSポリアクリルアミドゲル上で発現されたEEC は、明らかに分子量約20kDaを示した。6個のヒスチジンコドンを欠く第2 の融合タンパク質が構築され、発現された。このタンパク質に期待される分子量 は、18410ダルトンです。EECタンパク質は、細胞溶解物の不溶性分画に 優勢なようである。 7.組換えECの単離 EECはキメラタンパク質として発現され、6個のヒスチジンとそれに続くE .coliのチオレドキシン(TrxA)遺伝子を有し、TrxAタンパク質と 目的のケモカインとの間にエンテロキナーゼ切断可能部位を有する。これはクロ ーニングプロセスを促進するために添加されたものである。ヒスチジンはタンパ ク質の精製を促進するために添加されたものである。ヒスチジンが存在すること により、IMIAC クロマトグラフィー上での精製(Porath(上述)) が可能になる。 8.EC特異的抗体を用いた診断テスト 特定のEEC抗体は、前病状態の診断や、EECの量または分布の差によって 特徴付けられる慢性または急性の疾病に対する診断において有用である。EEC はヒト好酸球ライブラリーにおいて初めに発見され、白血球遊走や好酸球に関与 する異常や病状の診断に使用できる。 EECに対する診断テストにおいては、抗体及びヒトの体液、組織及びそのよ うな組織からの抽出物においてEECを検出するための標識を利用する。本発明 のポリペプチド及び抗体は、修飾した上で使用されることもあれば、修飾せずに 使用されることもある。ポリペプチド及び抗体は、検出可能なシグナルを与える 物質と共有結合または非共有結合で それらに結合させることにより標識される。標識及び接合技術は様々なものが知 られており、化学文献あるいは特許明細書の双方において広く記載されている。 適当な標識には、放射性核種、酵素、基質、補因子、阻害剤、蛍光剤、化学ルミ ネセンス剤、磁性粒子等がある。このような標識を使用した特許には、例えば米 国特許第3,817,837号、第3,850,352号、第3,939,35 0号、第3,996,345号、第4,277,437号、第4,275,14 9号、第4,36,241号等がある。また、組換え免疫グロブリンの産生につ いては、米国特許第4,816,567号明細書に記載されており、本明細書と 共に参照されたい。 可溶性または膜結合型EECを測定するための、該タンパク質に対して特異的 なポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体の何れかを用いる様々なプロト コールが周知となっている。その例を挙げると、固相酵素免疫検定法(ELIS A)、放射線免疫検定法(RIA)、及び蛍光活性化細胞分析分類法(FACS )等がある。好適なのは、EC上の2つの非干渉エピトープに反応するモノクロ ーナル抗体を利用した2つの部位のモノクローナルベースの免疫検定法であるが 、競合的結合検定法を用いてもよい。これらの検定法は“Maddox, DE et al(1983)J Exp Med 158:1211”他の文献に 記載されている。 9.特異的抗体を用いた未変性EECの精製 未変性EECまたは組み換えEECは、EEC特異的抗体を用いたイムノアフ ィニティクロマトグラフィーにより精製される。イムノアフィニティカラムは、 抗EEC抗体と活性化クロマトグラフィー樹脂を共有結合させることにより構築 される。 ポリクローナル免疫グロブリンは、免疫血清から硫酸アンモニウム沈 殿または固定化プロテインA上でのクロマトグラフィーにより免疫血清から調製 される(Pharmacia LKB Biotechnology, Pis cataway, NJ)。部分的に精製された免疫グロブリンは、CnBr活 性化セファロース(Pharmacia LKB Biotechnology , Piscataway, NJ)のようなクロマトグラフィー樹脂に共有結 合で付けられる。抗体は樹脂に結合され、樹脂はブロックされて、誘導体樹脂が 製造者の指示に従って洗浄される。 このようなイムノアフィニティカラムは、可溶型のEECを含む細胞から分画 を調製することによって行われるEECの精製において使用される。この調製で は、細胞全体または界面活性剤の添加または他の周知の方法により遠心分離法を 用いて得られた細胞成分分画を可溶化することによって調製が誘導される。別の 形態として、シグナル配列を含む可溶EECは、細胞が増殖される培地に使用に 供される量だけ分泌される。 可溶EECを含む調製物は、イムノアフィニティカラムを通されて、このカラ ムは、EECの優先吸収が可能な(例えば界面活性剤が高イオン強度緩衝液の中 に存在しているような)条件の下で洗浄される。次いで、このカラムは抗体とケ モカインとの結合を分裂させるような条件(例えばpHが2から3の緩衝液、ま たは高濃度の尿素またはチオシアネートイオンのようなカオトロープ)の下で溶 離され、このEECが収集される。 10.EC誘発走化性または細胞活性化の判定 EECの走化性の活性は、48穴マイクロケモタキシスチャンバ(Falk WR et al (1980) J Immunol Methods 33 :239)で測定される。各穴はフィルタによって2つの区画に分割されており 、このフィルタは化学的勾配に応じて細胞が 通過できるフィルタである。発現されたケモカインを含むRMPI1640(S igma,St.Louis MO)のような細胞培養培地は、通常はポリカー ボネート製のフィルタの一方の側に入れられ、同じ媒質内で懸濁された細胞がフ ィルタの反対側の区画に入れられる。十分なインキュベーション時間が経過する と、フィルタ前後の濃度勾配に応じて細胞がフィルタを通過する。フィルタは各 穴から取り出され、ケモカインに対向するフィルタの側に付着した細胞が分類さ れ定量される。 特異的細胞集団上でのケモタキシスアッセイを実行することにより、化学誘因 物質の特異性が決定される。初めに、静脈穿刺によって得られた血液細胞が密度 勾配遠心分離法により分画され特定のECの走化性の活性が好中球、末梢血単球 細胞、単球及びリンパ球の濃度の高い集団の上でテストされる。所望に応じて、 このような濃縮細胞集団は、CD4+及びCD8+濃縮T細胞集団に対するCD 8+及びCD4+特異的抗体を用いてそれぞれ更に分画される。 別のアッセイにより、活性化T細胞上のECの走化性の効果が解明される。こ こでは、未分画のT細胞または分画されたT細胞サブセットが、CD−3抗体で コーティングされた組織培養容器内で6〜8時間培養される。このCD3活性化 の後、ECの走化性の活性が後に述べるようにテストされる。濃縮細胞集団を得 るための他の様々な方法が従来より周知である。 ケモカインの中には、好中球及び単球の非走化性細胞活性化作用を生み出すも のがある。これは、アクチン重合のような好中球活性化作用、呼吸バースト作用 の増加、アズール親和性顆粒の脱顆粒、及びシグナル伝達経路の一部としてのC a2+動員のような標準的な測定基準を介してテストされる。Ca2+の動員に対す る検定法は、好中球にCa2+の結合によって放射特性が変化する蛍光プローブを 前負荷する方法である。細 胞が活性化刺激にさらされると、Ca+2の流動は、蛍光光度計による細胞の観測 により知ることができる。Ca2+動員の測定については、“Grynkievi cz G et al. (1985) J Biol Chem 260:3 440, and McColl S et al. (1993) J Im munol 150:4550−4555”に記載されており、本明細書と共に 参照されたい。 脱顆粒及び呼吸バースト反応は、単球(“Zachariae COC et al. (1990) J Exp Med 171:2177−82”参照 )でも測定される。更に単球活性の測定は、接着分子発現及びサイトカインの産 生の調節(“Jiang Y et al. (1992) J Immuno l 148:2423−8”参照)を利用しても行うことができる。接着分子の 発現は、リンパ球活性化に応じても変化する(“Taub D et al. (1993) Science 260: 355−358”参照)。 11.薬物スクリーニング 本発明のEEC及びその生物学的に活性なフラグメントは、様々な薬物スクリ ーニング技術における化合物のスクリーニングにおいて有用である。このような テストにおいて用いられるケモカインポリペプチドまたはフラグメントは、溶液 の中に遊離しているものか、固体の支持体に付着しているものか細胞の表面に支 持されているか、あるいは細胞内に存在するものの何れかである。薬物スクリー ニングの一方法では、ポリペプチドまたはそのフラグメントを発現する組換え核 酸で安定に形質転換される真核細胞または原核細胞の宿主細胞を利用する。この ような細胞は、生存型であれ固定型であれ標準的な結合実験に使用される。これ を用いて例えば、EECと試験される薬剤との複合体の形成を測定したり、ある いはEECと試験される薬剤によって生じた単球等の標的細胞 との複合体の減少を検査することができる。 従って、本発明は炎症及び疾病を発症し得る任意の薬剤または薬物のスクリー ニング方法を提供するものである。これらの方法は、EECポリペプチド若しく はそのフラグメントをこのような薬剤に接触させる過程と、(i)ECポリペプ チド若しくはフラグメントと薬剤との間の複合体の存在、若しくは(ii)EE Cポリペプチド若しくはそのフラグメントと細胞との複合体の存在を、周知の方 法により検定する過程とを含む。このような競合的結合検定法においては、EE Cポリペプチドまたはそのフラグメントは、当業者に周知の方法により標識され る。適当なインキュベーションの後、遊離したEECポリペプチドまたはフラグ メントが、結合した形態で存在するものから分離される。そして遊離した標識ま たは複合体を形成していない標識の量が、特定の薬剤がEECに結合する能力、 またはEEC/薬剤複合体に干渉する能力の尺度となる。本発明の別の実施例は 、請求項8に記載のポリペプチドへの特異的結合親和性(アフィニティ)で複数 の化合物をスクリーニングする方法であって、a)複数の化合物を準備する供給 する過程と、b)好酸球脾臓発現型ケモカイン(EEC)と、複数の化合物のそ れぞれを、適切な条件の下で結合できるだけの十分な時間をかけて結合する過程 と、c)EECと複数の化合物のそれぞれとの結合を検出して、EECに特異的 に結合する化合物を同定する過程とを有する。 薬物スクリーニングのための他の技術としては、本発明のECポリペプチド、 若しくはそのフラグメントに対する適切な結合親和性を有する複合体を高スルー プットでスクリーニングすることができるものがあり、その詳細はGeysen による欧州特許出願第84/03564号明細書(公開1984年9月13日) に記載されており、本明細書と共にこれを参照されたい。この方法を簡単に述べ ると、たくさんの異なる小さ なペプチドのテスト化合物が、固体基板、例えばプラスチックピンまたは他のも のの表面上で合成される。ペプチドテスト化合物は、ECポリペプチドと反応さ せられて、洗浄される。結合されたEECポリペプチドは次いで周知の方法によ り検出される。精製EECは上述の薬物スクリーニング技術において使用するた めのプレート上に直接コーティングされ得る。更に、非中和性抗体を用いてペプ チドを捕捉し、それを固体支持体の上に固定化することができる。 ケモカインポリペプチド、若しくはそのフラグメントへの結合について、テス ト化合物とEECに特異的に結合し得る中和性抗体とが競合する競合的薬物スク リーニングアッセイの利用も本発明の企図するところである。このようにして、 この抗体を用いて、1または2以上の抗原決定基がEECと共通な任意のペプチ ドの存在を検出することができる。 12.合理的薬物デザイン 合理的薬物デザインの目標は、興味の対象である生物学的に活性のポリペプチ ドの構造的類自体や、例えば、アゴニスト、アンタゴニスト、若しくは阻害剤の ような、それらのポリペプチドが相互作用する小さな分子の構造的な類似体を作 り出すことである。ここに例として挙げたものは何れも、ポリペプチドのより活 性または安定な形態のものであるか、またはin vivoでポリペプチドの機 能を強化するか、または阻害する薬剤を形成するのに用いることができる(“H odgson J (1991) Bio/Technology 9:19− 21”参照)。 1つの方法においては、目的のタンパク質、またはタンパク質−阻害剤複合体 の三次元的構造を、X線結晶解析、コンピュータによるモデル化、若しくは最も 典型的には2つの方法の組合せにより決定する。構造を解明し、分子の活性部位 を決定するためにポリペプチドの形状及び電 荷が確認されなければならない。ポリペプチドの構造に関する有用な情報は、相 同タンパク質の構造に基づいたモデリングにより得ることが可能である。何れの 場合においても、構造情報を用いて、ケモカイン上の分子の類似体をデザインし たり、あるいは効果的な阻害剤を同定している。合理的薬物デザインの有用な例 としては、Braxton S and Wells JA (1992 Bi ochemistry 31:7796−7801)により示された改良EC活 性または安定性を有する分子、またはAthauda SB et al (1 993 J Biochem 113:742−746)によって示された自然 発生ECの阻害剤、アゴニストまたはアンタゴニストとして作用する分子があり 、ここでは上述の両文献を参照されたい。 機能的アッセイにより選択された標的特異的抗体を上述のように単離し、次い でその結晶構造を解明することも可能である。この方法では、原則として、続け て行われる薬物デザインにおける基礎となり得るファーマコア(pharmacore)が 生み出される。機能的な、薬理学的に活性の抗体に対する抗イディオタイブの抗 体(抗id)を精製することにより、タンパク質の結晶を精製することにより、 タンパク質の結晶解析をバイパスすることが可能である。鏡像の鏡像のように、 抗idの結合部位は、もとの受容体の類似体であることが期待される。次いで、 抗idを用いて、化学的または生物学的に産生されたペプチドのバンクからペプ チドを同定し単離することができる。単離されたペプチドは、ファーマコアとし て役立つ。 本発明により、X線結晶解析のような分析的研究を行うのに使用できる十分な ECポリペプチドが作られ得る。更に、ここに開示したEECアミノ酸配列の知 識を、X線結晶解析の代わりまたはそれと共に用いられるコンピュータによるモ デリング技術に応用することができる。 13.EEC受容体の同定 精製EECを用いて、特異的細胞表面受容体及び他の結合分子を特徴付け、精 製することができる。走化性若しくは他の特異的反応により特定のEECに反応 する細胞は、そのEECに対する受容体を発現することが多い。様々な当業者に 周知の方法によりEECに放射性標識が組み込まれる。好適実施例では、EEC の一次アミノ基を、125Iボルトンハンター試薬(“Bolton, AE a nd Hunter, WM (1973) Biochem J 133:5 29”参照)で標識する。これを用いて、他のケモカインを、生物学的活性を損 なうことなく標識することができる(“Hebert CA et al (1 991) J Biol Chem 266: 18989; McColl S et al (1993) J Immunol 150:4550−45 55”参照)。受容体保有細胞は、標識化EECと共にインキュベートされる。 次いで、この細胞は洗浄されて非結合EECが除去され、次いで受容体結合EE Cが定量される。異なる濃度のEECを用いて得られたデータから、受容体の数 及び親和性を表す数値を計算することができる。 標識化EECはその特異的受容体の精製のための試薬として有用である。アフ ィニティ精製の一実施例においては、このECがクロマトグラフィカラムに共有 結合で結合される。受容体保有細胞が抽出され、その抽出物がカラムに通される 。受容体はそのリガンドとの生物学的に親和性のためにカラムに結合する。受容 体はカラムから回収され、N末端タンパク質配列決定を受ける。このアミノ酸配 列は、次いでその受容体遺伝子のクローニングのための変性オリゴヌクレオチド プローブのデザインに使用される。 別の実施例においては、発現クローニング、mRNAが受容体保有細 胞から得られ、cDNA発現ライブラリが形成される。このライブラリは、細胞 の集団へトランスフェクションがなされて、受容体を発現するこれらの細胞集団 は蛍光標識化ECを用いて選択される。この受容体は、高度に標識された細胞か ら組換えDNAを回収し配列決定することにより識別される。 別の方法では、受容体保有細胞の表面に対する抗体、好ましくはモノクローナ ル抗体が産生される。このモノクローナル抗体は、標識化ECの結合を阻害する ものを識別するためにスクリーニングされる。これらのモノクローナル抗体は、 次いでアフィニティ精製または受容体の発現クローニングのために用いられる。 可溶性受容体、若しくは他の可溶性結合分子の同定も類似した方法で行われる 。標識化EECをその特異的な炎症の生じている、若しくは患部の組織から取り 出した適切な材料と共にインキュベートする。インキュベーションの後、精製E ECのサイズより大きいEEC複合体を、例えば、サイズ除外クロマトグラフィ または密度勾配遠心分離法のようなサイジング技術を用いて同定し、従来より周 知の方法で精製する。可溶性受容体または結合タンパク質はN末端配列決定を受 けて、その可溶性タンパク質が既知である場合にはデータベースによる同定、そ の可溶性タンパク質が未知である場合にはクローニングのために十分な情報が得 られる。 上述の明細書の記載の中で引用された全ての文献及び特許明細書は、本明細書 と一体に組み込まれる。上述の本明細書の内容は、当業者が本発明を実行するの に十分なものであると考えられる。実際、以下の請求の範囲に記載の本発明の範 囲内で、当業者は上述の実施例を様々に変更を加えて実行することができるであ ろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12Q 1/68 C12Q 1/68 A G01N 33/15 G01N 33/15 Z (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN, MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S D,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT ,UA,UG,UZ,VN (72)発明者 スチュアート、スーザン・ジー アメリカ合衆国カリフォルニア州94037・ モンタラ・バーチストリート 1256 (72)発明者 ブラクストン、スコット・マイケル アメリカ合衆国カリフォルニア州94402・ サンマテオ・ヨークタウンロード 1786 (72)発明者 ローズ、エリック・ティー アメリカ合衆国カリフォルニア州94566・ プレザントン・ボニタアベニュー 612 (72)発明者 コックス、ベンジャミン・グリーム アメリカ合衆国カリフォルニア州94306・ パロアルト・ウィルキウェイ 4292−ディ ー

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.配列番号:2に示す酸配列またはその相補的配列を有するポリペプチドをコ ードする核酸を含む精製ポリヌクレオチド。 2.前記核酸配列が、配列番号:1の配列であることを特徴とする請求項1に記 載のポリヌクレオチド。 3.請求項2に記載のポリヌクレオチドを含むことを特徴とする発現ベクター。 4.請求項3に記載の発現ベクターを含むことを特徴とする宿主細胞。 5.請求項2に記載のポリヌクレオチドの非保存フラグメントを含む核酸プロー ブ。 6.22乃至63番目のアミノ酸残基をコードするヌクレオチド配列を含むこと を特徴とする請求項5に記載の核酸プローブ。 7.請求項2のポリヌクレオチドの少なくとも一部分に対して相補的なポリヌク レオチド配列を含むアンチセンス分子。 8.配列番号:2に示すアミノ酸配列を含むポリペプチドを生成する方法であっ て、 a)前記ポリペプチドの発現に適切な条件の下で、請求項4に記載の宿主細胞 を培養する過程と、 b)前記宿主細胞培地から前記ポリペプチドを回収する過程とを含むことを特 徴とする配列番号:2に示すアミノ酸配列を含むポリペプチドを生成する方法。 9.配列番号:2のアミノ酸配列を含む精製された好酸球で発現されるケモカイ ン。 10.N末端アミノ酸残基として配列番号:2の21番目の残基であるアラニン を有することを特徴とする精製された好酸球で発現されるケモ カイン(EEC)。 11.請求項9に記載の精製ポリペプチドに対して特異的な抗体。 12.請求項6に記載の核酸プローブを含む好酸球、脾臓で発現されるケモカイ ンをコードする核酸配列を検出するための診断用組成物。 13.生物学的試料において、EECをコードする核酸配列を検出するための診 断テスト方法であって、 a)配列番号:1の核酸配列と相補的核酸配列との核酸ハイブリダイゼーショ ン複合体を前記試料内で形成するのに適切な条件の下で、配列番号:1の核酸配 列、またはそのフラグメントを含むポリヌクレオチドと前記生物学的試料とを結 合する過程と、 b)前記ハイブリダイゼーション複合体を検出する過程と、 c)前記ハイブリダイゼーション複合体の量と標準値とを比較する過程とを有 することを特徴とし、 前記ハイブリダイゼーション複合体の異常レベルの存在が炎症に関連する状態 と正の相関を有することを特徴とする診断テスト方法。 14.生物学的試料において、好酸球、脾臓で発現されるケモカインをコードす るヌクレオチド配列を検出するための診断テスト方法であって、 a)核酸増幅に適切な条件の下で、前記生物学的試料とPCRプライマーとを 結合する過程であって、前記プライマーが配列番号:1のヌクレオチド配列の非 保存領域のフラグメントを含む、該過程と、 b)増幅されたヌクレオチド配列を検出する過程と、 c)前記生物学的試料における増幅されたヌクレオチド配列の量と標準値とを 比較することにより、前記ヌクレオチド配列の量が前記標準値から偏移している か否か、及び前記ヌクレオチド配列の異常レベルの存在がEECの異常発現に関 連する状態と生の相関を有しているか否かを判定する過程とを有することを特徴 とする診断テスト方法。 15.請求項8のポリペプチドまたはその一部分に対する特異的結合親和性によ り複数の化合物をスクリーニングする方法であって、 a)複数の化合物を準備する過程と、 b)適切な条件の下で結合しうるだけの十分な時間をかけて前記複数の化合物 のそれぞれと好酸球、脾臓で発現されるケモカイン(EEC)とを結合する過程 と、 c)前記EECが前記複数の化合物のそれぞれに結合したことを検出し、前記 EECに特異的に結合する化合物を同定する過程とを有することを特徴とするス クリーニング方法。
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