【発明の詳細な説明】
新規なカテプシンCホモログ
技術分野
本発明は分子生物学の分野に属する。特に、本発明は、活性化THP−1細胞
に由来する新規なカテプシンCホモログの核酸配列及びアミノ酸配列について記
述している。
背景技術
カテプシンC
カテプシンCまたはジペプチジル アミノペプチダーゼ I、またはジペプチ
ジル トランスフェラーゼは、タンパク質基質及びペプチドのアミノ末端から継
続的にジペプチドを除去しうる、細胞タンパク質の分解に関与するリソゾームの
システインプロテアーゼである。カテプシンCは、消化管、細胞増殖及びノイラ
ミニダーゼ活性化の機能に関連している(Kuribayashi 1993
J. Biochem.113:441−449)。カテプシンCの活性は、細
胞傷害性リンパ球及び骨髄性細胞において高いレベルで存在し、細胞傷害性エフ
ェクター細胞の誘導、活性、または分化に関連を示す(Thiele et a
l 1990, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 8
7:83−87)。
コミナミ等(1992, Biol. Chem. 373:367−373
)は、ほとんど全てのラット組織におけるラットカテプシンC
mRNAの存在を報告した。大量に転写物が存在するのは、肝臓、脾臓、小腸
及び大腸、肺、及び腎臓であり、中程度に存在するのは食道、胃、及び心臓であ
り、少量存在するのは脳、脾臓、副腎、及び精巣であった。転写物の存在量は、
通常の組織機能において期待される単球/マクロファージの存在量及び活性度に
増加を有しているように見える。
培養されたマクロファージは、カテプシンCを、ポリペプチドとして合成した
ものから成熟オリゴマー酵素へとプロセシングする研究を行うために用いられた
。成熟カテプシンCと前駆体の双方は、リン酸化されてグリコシル化され、また
そのオリゴマー化はそれがリソゾームに入る前に起こっているようである(Mu
no D et al (1993) Arch Biochem Bioph
y 306:103−10)。合成基質を使用する研究においては、カテプシン
Cは内細胞蛋白質分解におけるエンドペプチダーゼとしての機能、及び細胞増殖
及びノイラミニダーゼ活性化におけるエキソペプチダーゼ(ジペプチジル アミ
ノペプチダーゼ)としての機能を示した(Kuribayashi M 等 上
述)。カテプシンCはコラーゲン、ラミニン、エラスチン、及び骨の外細胞マト
リクスを含む他の構造タンパク質の分解においてその役目を果たす。ひとたび骨
が弱化すると、それは骨の吸収、腫瘍浸潤及び転移をいっそう受けやすくなる。
カテプシンCは約200kDaのオリゴマー構造を形成し、8個のサブユニッ
トからなる。カテプシンCのジペプチジル アミノペプチダーゼの活性化にはハ
ロゲン化物イオンと共にスルフヒドリル基が必要である(Kuribayash
i supra)。ヒトの脾臓に由来するヒト ジペプチジル ペプチダーゼI
に対するヌクレオチド配列は、1993年2月9日に公開された国際出願番号W
O 93/24634−Aに開示されている。WO 93/24634−A明細
書には、シグナル
配列及び全タンパク質配列を欠くヒト・ペプチジル ペプチダーゼI配列が開示
されており、炎症状態を阻害するための方法及び組成物が記載されている。上述
のコミナミは、システインプロテアーゼが成熟酵素の切断により作り出される二
本鎖形態で存在しうることを論じており、各鎖のN末端配列を恐らくは表す、N
末端の2つの異なる配列で示される、生成ラットカテプシンCのN末端分析につ
いて報告している。
THP−1細胞
THP−1は、急性単球性白血病を患う1歳の男子の血液に由来する、明確な
単球性の特徴を持つヒト白血球細胞形である(Tsuchiya S et a
l (1980) Int Cancer 26:171−176)。THP−
1の単球性は、α−ナフチルブチラートエステラーゼ活性によって同定されたが
、この活性はNaF(フッ化ナトリウム)、リゾチームの産生、ラテックス粒予
及び感作されたヒツジ赤血球細胞の食作用(外細胞物質の巻き込み)、及びマイ
トマイシンCで処理されたTHP−1細胞のコンカナバリンAで処理する前のT
細胞を活性化する能力によって阻害される。形態学的には、細胞質は小さなアズ
ール好性顆粒を含有し、核はくぼみが形成され深いフォールドで不規則に成形さ
れており、また細胞膜は、恐らく食作用で機能を発揮するFc及びC3b受容体
を有していた。
典型的な単球は単芽球から骨髄中の前単球を通して発生し、成熟形態では、約
3日間の半減期を有する。循環単球プールの概ね75%は、血管壁に沿って見い
だされるが、これらの細胞はランダムに組織内に移動し、抗原提示能を示したり
、または食作用を示すようになる。抗原提示単球は、リンパ節及び皮膚の指状突
起嵌合をなす細網状及び小胞性樹状突起細胞を含む。食作用単球は肝臓のクッパ
ー細胞として、及び肺胞や
骨髄において多数見いだされる。
多くのヒト骨髄性細胞形及びヒト骨髄単球細胞形は、様々な内部刺激及び外部
作用因子に応じてより多くの成熟表現型に分化する能力をいくらか備えている。
上述の内部刺激には、増殖因子、リンフォカイン、サイトカイン、ビタミンD誘
導体及び腫瘍プロモータが含まれている。上述の外部作用因子には、例えば外傷
、喫煙、UV照射、アスベストにさらされること、及びステロイドなどがある。
腫瘍プロモータ12−O―テトラデカノイル―ホルボール−13アセテート(T
PA)で処理されたTHP−1細胞は、誘導されて増殖し、形態学的に及び生理
学的に天然単球由来マクロファージを真似たマクロファージ様細胞に分化する。
単球−マクロファージ様細胞は、C−fos、c−junの共誘発及びc−m
ybのダウンレギュレーションのような遺伝子発現の変化を示し(Auwerx
J (1991) Experientia 47:22−31)、補体C3
b受容体の密度の増加を示し、かつFcR及び接着分子CD4双方の減少を示す
。更に、THP−1細胞は、アテローム硬化症による損傷に関与するリポタンパ
ク質リパーゼ及びアポリポタンパク質Eを産生し、IL−1β及びTNF(Co
chran FR and Finch−Arietta MB (1989)
Agents and Actions 27:271−273)を含む前炎
症性サイトカインを何種類か分泌し、かつ強力なオキシダント及びカテプシンの
ような組織破壊プロテアーゼを合成しうる。
慢性関節リュウマチは、単球/マクロファージ疾患の単なる一例であり、他に
もマクロファージは様々な疾病に関与している。例えば、動脈硬化症においては
、マクロファージが血液リポタンパク質からコレステロールを集積し、ヒト動脈
硬化症による損傷の泡沫細胞となる。反逆活性化単球も、感染症、内蔵損傷、骨
粗鬆症、トキシックショック症候群、
及び全身性エリテマトーデスに対する不完全な防衛を示した。
発明の開示
本発明は、100ng/mlのホルボールエステル(PMA)と共に48時間
培養され、次いでLPSを1μg/ml含有する培地において4時間培養された
THP−1細胞から単離されたRNAから作られたcDNAライブラリにおいて
初めに見いだされた新規なカテプシンCホモログの新規なヌクレオチド配列及び
アミノ酸配列に関する。THP−1(ATCC TIB 202)は、急性単球
性白血病(ref: Int. J. Cancer 26 (1980):1
71)を患う1歳の男子の末梢血液に由来するヒト前単球細胞型である。この新
たな遺伝子はrcp(インサイト社クローンNo.14284)なる記号で示さ
れ、RCPで表される新規なカテプシンCのポリペプチドをコードする。本発明
は疾病状態の診断及び治療、研究におけるRCPのヌクレオチド配列及びアミノ
酸配列の使用にも関連する。上述の疾病状態は、炎症疾患、自己免疫疾患、及び
動脈硬化症、白血病、全身性エリテマトーデス、骨粗鬆症、慢性関節リュウマチ
及びトキシックショック症候群のような疾病状態、あるいは移植拒絶反応及び移
植片対宿主病のような疾病状態における骨髄細胞源の悪性腫瘍に関連する疾病状
態である。
本発明は、RCPとラットの腎臓から単離されたラットのカテプシンCとが共
有するアミノ酸相同性に部分的基礎をおき、カテプシンCに共通な親水性領域に
おけるNNSグリコシル化部位や触媒性三構造の保存性残基、即ち258番目の
Cys、405番目のHis、及び427番目のAsnの存在にも部分的基礎を
おき、また、単球性白血病のソースから作られたTHP−1 cDNAライブラ
リーにおけるRCPに対す
るヌクレオチド配列の存在にもその部分的基礎をおいている。
従って、本発明は異常な、単球に関連する新規なカテプシンCホモログの発見
にその基礎を置いている。RCPとそれをコードするヌクレオチド配列及びオリ
ゴヌクレオチド、ペプチド核酸(PNA)、そのフラグメント、部分またはアン
チセンス分子は、炎症疾患、自己免疫疾患、及び動脈硬化症、白血病、全身性エ
リテマトーデス、骨粗鬆症、慢性関節リュウマチ及びトキシックショック症候群
のような疾病状態、あるいは移植拒絶反応及び移植片対宿主病のような疾病状態
における骨髄細胞源の悪性腫瘍に関連するRCPの早期の正確な検出及び/また
は定量に対する診断方法の基礎を提供する。例えば、ここに開示するRCPをコ
ードするヌクレオチド配列またはそのフラグメントを、組織診された細胞または
組織または体液のハイブリダイゼーションアッセイに用いて、炎症を有している
可能性のある個人の異常を診断することができる。
生物学的治療におけるRCPをコードするヌクレオチド配列の異常レベルは、
核酸欠失または突然変異のような染色体異常を反映しうる。従って、RCPをコ
ードするヌクレオチド配列は、RCPをコードする遺伝子における欠失、突然変
異または染色体の転移のような染色体異常を診断的に検出するのに使用され得る
プローブの基礎を提供する。rcp遺伝子の発現はこのような疾病によって変化
することがあるが、そうでなければRCPをコードする遺伝子の領域において染
色体異常が存在することもある。
本発明はまた、タンパク質分解をブロックすることが望ましい炎症のような状
態において、RCPの活性、即ちプロテアーゼ活性をブロックするのに使用され
得るrcpアンチセンス分子またはRCPアンタゴニストを提供する。
本発明はまた、in vitroまたはin vivoでのヌクレオ
チド配列及びアミノ酸配列の作成のためのrcpヌクレオチド配列を含む生物工
学的に処理された宿主細胞及び発現ベクターに関する。
更に、本発明は、疾病状態におけるRCPタンパク質レベルを診断的に検出し
定量するのに使用され得るRCPポリペプチドの阻害剤またはアンタゴニストの
スクリーニングを行うため、及び抗RCP抗体を作り出すための、RCPポリペ
プチドまたはフラグメントまたは変異体の使用にも関連している。
本発明はまた、例えば炎症や他の疾病の治療における、ここに開示するヒト・
カテプシンCの活性を低下させることが必要な状態において使用される、RCP
アンチセンス核酸やRCPタンパク質の阻害剤またはアンタゴニストを効果的な
量だけ含む医薬品組成物にも関連する。
本発明は、更に、抗RCP抗体、及び正の制御として使用され得る精製RCP
を含む細胞及び組織におけるRCPの検出のための診断アッセイ及びキットを提
供する。このような抗体は、溶液ベース、膜ベース、または組織ベース技術にお
いて使用され、タンパク質の発現またはその欠失したものまたは変異体の発現に
関連する疾病状態または条件を検出することができる。
図面の簡単な説明
第1a図及び第1b図は、rcpのヌクレオチド配列(配列番号:1)、及び
RCPポリペプチドの予測アミノ酸配列(配列番号:2)を示した図である。
第2a図及び第2b図は、RCPポリペプチドとラット・カテプシンcとのア
ミノ酸アライメントを示した図である。第2図及び第4図に示すアライメントは
、DNASTARソフトウェアのマルチシーケンスア
ライメントプログラム(DNASTAR Inc, Madison WI)を
用いて作られた。
第3図は、予測アミノ酸配列及び組成に基づくRCP疎水性分析を示した図で
ある。
第4図は、RCPとWO 93/24634とのアミノ酸アライメントを示し
た図である。
発明の実施の形態
本発明は、100ng/mlのホルボールエステル(PMA)と共に48時間
培養され、次いでLPSを1μg/ml含有する培地において4時間培養された
THP−1細胞から単離されたRNAから作られたcDNAライブラリにおいて
初めに見いだされた新規なカテプシンCホモログの新規なヌクレオチド配列及び
アミノ酸配列に関する。THP−1(ATCC TIB 202)は、急性単球
性白血病(ref: Int. J. Cancer 26 (1980):1
71)を患う1歳の男子の末梢血液に由来するヒト前単球細胞型である。本発明
は疾病状態の診断及び治療、研究におけるRCPのヌクレオチド配列及びアミノ
酸配列の使用にも関連する。上述の疾病状態は、炎症疾患、自己免疫疾患、及び
動脈硬化症、白血病、全身性エリテマトーデス、骨粗鬆症、慢性関節リュウマチ
及びトキシックショック症候群のような疾病状態、あるいは移植拒絶反応及び移
植片対宿主病のような疾病状態における骨髄細胞源の悪性腫瘍に関連する疾病状
態である。本発明は、RCPを発現する生物工学的処理をなされた宿主細胞及び
RCPの、RCP活性を調節する物質や化合物を評価し、スクリーニングするた
めの使用にも関連する。
本発明は、100ng/mlのホルボールエステル(PMA)と共に48時間
培養され、次いでLPSを1μg/ml含有する培地において4時間培養された
THP−1細胞から作られたcDNAライブラリの2214の使用可能なランダ
ムサンプルにおける、RCPをコードするヌクレオチド配列の存在に部分的基礎
をおいている。本発明は、更に、第2図に示すように、RCPとラットの腎臓か
ら単離されたラットのカテプシンCとが共有するアミノ酸相同性に部分的基礎を
おいている。
上述のコミナミの論文に開示されたラットのカテプシンC配列に基づき、第3
図に開示された疎水性分析のグラフに加えて、第1a図及び第1b図のカテプシ
ンCホモログに対するシグナル配列は、21番目のアミノ酸残基(Ala)と2
2番目のアミノ酸残基(Val)との間の領域、及び28番目のアミノ酸残基(
Ala)と29番目のアミノ酸残基(Asn)との間の領域から始まるようであ
る。従って、第1a図及び第1b図のヒト・カテプシンCホモログのプロタンパ
ク質領域は、22番目と29番目のアミノ酸残基の間から始まり、230番目の
アミノ酸残基(His)で終わっているようである。ラットのカテプシンC配列
に基づき、第1a図及び第1b図のヒト・カテプシンCホモログの成熟タンパク
質配列は、231番目のアミノ酸残基231(Leu)から始まり、463番目
のアミノ酸残基(Leu)で終わる。
上述のコミナミは、システインプロテアーゼが成熟酵素の切断により作り出さ
れる二本鎖形態で存在しうることを論じており、各鎖のN末端配列を恐らくは表
す、N末端の2つの異なる配列で示される、生成ラットカテプシンCのN末端分
析について報告している。更に、Hepatoma(肝細胞癌)7777細胞か
らのカテプシンCは合成されて、18kDa及び6kDaの成熟形態にプロセシ
ングされる。ラットのカテプシンCに対する相同性により、第1a図及び第1b
図に開示された成
熟ヒトカテプシンCホモログは、二本鎖のそれぞれのN末端配列を表わし得る2
つの異なるN末端配列を含んでいるようである。従って、本発明は、炎症及び疾
病が関与する新規なカテプシンCホモログRPCの同定に基礎をおいている。
ここに開示する特定の実施例において、22番目と29番目の間のアミノ酸残
基から始まり、230番目のアミノ酸残基で終わる、ヒト・カテプシンCホモロ
グのプロタンパク質領域は、該ヒト・カテプシンCホモログの活性をブロックす
ることが望ましい状態において、ヒト・カテプシンCホモログのアンタゴニスト
として投与される。上記のような状態とは、炎症疾患、自己免疫疾患、及び動脈
硬化症、白血病、全身性エリテマトーデス、骨粗鬆症、慢性関節リュウマチ及び
トキシックショック症候群のような疾病状態、あるいは移植拒絶反応及び移植片
対宿主病のような疾病状態における骨髄細胞源の悪性腫瘍に関連する疾病状態で
ある。
本明細書において、“核酸配列”なる用語は、オリゴヌクレオチド、ヌクレオ
チドまたはポリヌクレオチド配列、及びそのフラグメントまたは部分を意味する
か、あるいはセンス鎖またはアンチセンス鎖を表わすものの何れであれ、二本鎖
または一本鎖のゲノムのまたは合成の核酸源から得られるDNAまたはRNAを
意味する。本明細書において、“アミノ酸配列”は、ペプチドまたはタンパク質
配列、若しくはその部分を意味する。本明細書において、“rcp”は、核酸配
列を意味し、“RCP”は、タンパク質配列を意味する。本明細書において、ペ
プチド核酸(PNA)は、分子が、対応するオリゴヌクレオチドよりも高いアフ
ィニティ及び特異性を持って相補的なDNAまたはRNAとハイブリッド形成可
能にせしめる、ヌクレオベースを備えた中性“ペプチド様”バックボーンを有す
る情報分子のクラスを意味する(PerSeptiv
e Biosystems 1−800−899−5858)。
本明細書において、RCPは、自然発生形態あるいは変異体形態のヒト・ソー
スに由来するRCPであって、天然のもの、合成のもの、半合成のもの、または
組み換え体のものが包含される。
本明細書において、“活性化単球”なる用語は、免疫学的に活性の組織におい
て見出される活性化、成熟単球を意味する。
本明細書において、“単球/マクロファージ疾患”なる用語には、動脈硬化症
、白血病、全身性エリテマトーデス、骨粗鬆症、慢性関節リュウマチ及びトキシ
ックショック症候群のような疾病状態が含まれるが、これらに限定されるもので
はない。
本明細書において、“自然発生”なる用語は、天然に見いだされるアミノ酸配
列を有するRCPを意味し、“生物学的活性”なる用語は、免疫活性を含む、自
然発生RCPの構造的、調節または生化学的機能を有するRCPを意味する。自
然発生RCPは、アセチル化、カルボキシル化、グリコシル化、リン酸化、脂質
化、及びアシル化を含む(これらに限定されない)翻訳後修飾されたポリペプチ
ドに由来するRCPを含む。本明細書において、“免疫学的活性”は、天然、組
み換え、または合成RCPまたはその任意のオリゴペプチドが、適切な動物また
は細胞において特異的免疫反応を誘発し、特異的抗体に結合する能力として定義
される。
本明細書において、“誘導”なる用語は、RCPの化学的修飾を意味する。こ
のような修飾の例としては、アルキル基、アシル基、またはアミノ基による水素
の置換がある。RCPポリペプチド誘導体は、自然発生RCPの生物学的特性を
必ず維持している。RCP誘導体は、ユビキチン化、ラベリング(例えば放射性
核種や、様々な酵素修飾による標識付け)、ペジレーション(ポリエチレングリ
コールによる誘導体化)の
ような化学的修飾、若しくは例えばオルギチンのような通常はヒトタンパク質に
おいて自然発生しないアミノ酸の化学合成による挿入、置換によって得られた自
然発生RCPに由来するRCPポリペプチドを意味する。
本明細書において、“精製”なる用語は、その天然の環境から取り出され、そ
れらが通常結合している少なくとも1つの他の物質から単離または分離された核
酸またはアミノ酸配列の分子を意味する。
本明細書において、“組換え変異体RCP”なる用語は、組換えDNA技術を
用いて生成されるアミノ酸の挿入、除去、及び/または置換により自然発生RC
Pとは異なるものとなった任意のポリペプチドを意味する。興味の対象となる活
性を損なわずに置換、付加、あるいは除去され得るアミノ酸残基を決定するため
には、特定のRCPの配列と相同体のサイトカインの配列とを比較し、相同性の
高い領域でのアミノ酸配列の変化の数を最小にすればよい。
アミノ酸の“置換”では、例えばロイシンからイソロイシンまたはバリンへの
置換、アスピレートからグルタメートへの置換、スレオニンからセリンへの置換
、即ち保存的アミノ酸置換のような1個のアミノ酸が構造的及び/または化学的
特性がそれに類似した他の1個のアミノ酸で置換されるのが好ましい。アミノ酸
の“挿入”または“除去”は、通常1〜5個のアミノ酸の範囲で行われる。組換
えDNA技術を用いてRCP分子の挿入、除去、または置換を大系的に行い、得
られた組換え変異体の活性を検定することにより、許容される変異体が実験的に
決定され得る。
必要ならば、“シグナル配列またはリーダー配列”を細胞膜を通してポリペプ
チドに向けることができる。このような配列は、本発明のポリペプチド上に自然
に存在するか、あるいは組換えDNA技術により異種
タンパク質源から得られる。
本明細書において、RCP“フラグメント(断片)”、“部分”、または“セ
グメント”なる用語は、生物学的及び/または免疫学的活性を示すに十分な長さ
を有するアミノ酸の伸展(ストレッチ)を意味する。好適実施例では、このRC
P断片は少なくとも約5個のアミノ酸、少なくとも約7個のアミノ酸、または少
なくとも約8〜13個のアミノ酸を含み、別の実施例では約17個またはそれ以
上のアミノ酸を含む。
本明細書において、“オリゴヌクレオチド”またはポリヌクレオチド“フラグ
メント”、“部分”、または“セグメント”なる用語は、同一の、若しくは近縁
関係にある核酸を同定、若しくは増幅するためのポリメラーゼ連鎖反応(PCR
)法や、当業者には周知の様々なハイブリッド形成法におけるプライマーとして
使用するのに十分な長さを有するRCPをコードする核酸の任意のストレッチを
意味する。
本発明には、RCPをコードする組換え核酸分子で形質転換された宿主細胞、
ベクター、及び天然または組換えソースから得られた精製RCPポリペプチドが
含まれる。RCPポリペプチドを単離するための様々な方法は、当業者の周知と
なっている。例えばこのようなポリペプチドの精製のために、本発明の提供する
抗体を用いたイムノアフィニティクロマトグラフィーを利用することができる。
タンパク質精製のための他の様々な方法は、例えば、“Deutscher M
(1990)Methods in Enzymology Vol 182
, Academic Press, San Diego”及び“Scope
s R (1982) Protein Purification: Pri
nciples and Practice. Springer−Verla
g, NYC”に記載されており、これらの文献を本明細書と共に参照されたい
。
本明細書において、“組換え”なる用語は、組換えDNA技術を用いて調製さ
れるRCPをコードするポリヌクレオチドを意味する。RCPをコードするDN
Aも対立形質の変異体または組換え変異体、及びその突然変異体を含み得る。
本明細書において、“プローブ”または“核酸プローブ”または“オリゴヌク
レオチドプローブ”なる用語は、所望の標的配列とハイブリッド形成し得るrc
pの部分、フラグメント、またはセグメントを意味する。分子生物学における従
来の技術を用いることにより、RCPをコードするcDNAまたは内生核酸を検
出し、増幅し、または定量するのにこのプローブが使用され得る。プローブの長
さは様々であり、好ましくは、約10から最大約数100ヌクレオチドの長さを
有するものである。当業者には理解されようが、ハイブリッド形成条件及びプロ
ーブの設計は、使用目的に応じて変化する。例えば、PCRでの使用を目的とし
たプローブは、長さが15〜60ヌクレオチドであり、縮重プローブのプールの
一部分であり得る。即ちPCR用プローブは、ヌクレオチドのミスマッチに対す
る許容性を有し、未知の配列に対する結合に適合するオリゴヌクレオチドである
得るのに対して、サザンハイブリダイゼーションまたはノーザンハイブリダイゼ
ーション用のプローブは、長さが数100ヌクレオチドの、1つの特定のヌクレ
オチド配列である得る。核酸プローブは、約6kbより少ない塩基対数の、通常
は約1kb未満の配列の部分からなり得る。本発明のオリゴヌクレオチド及び核
酸プローブは、細胞または組織内にRCPをコードする核酸が存在するか否かを
判定するため、または“Walsh PS et al(1992)PCR M
ethods Appl. 1:241−250”に記載のように染色体DNA
から類似した核酸配列を分離するのに使用され得る。
従って、rcpを特異的に検出するためのプローブで好適なものは、
配列番号:1の配列の非保存ヌクレオチド領域から得られるポリヌクレオチドま
たはオリゴヌクレオチドフラグメントであり得る。本明細書において、“非保存
的ヌクレオチド領域”なる用語は、配列番号:1に一義的に存在し、かつカテプ
シンCにおける保存される領域を含まないヌクレオチド領域を意味する。プロー
ブは一本鎖または二本鎖で、in situハイブリッド形成及びELISA(
固相酵素免疫検定法)のような技術を含む膜ベースのハイブリダイゼーション、
溶液、細胞、組織において特異性を有し得る。
本発明の核酸プローブは、自然発生核酸、組換え一本鎖または二本鎖核酸から
誘導されるか、若しくは化学的に合成され得る。プローブの標識化は、ニックト
ランスレーション法、クレノウフィルイン反応法、PCR法、または当分野にお
いて周知の他の方法を用いて行われ得る。本発明のプローブを調製し、標識する
方法は、“Sambrook Jet al (1989) Molecula
r Cloning:A Laboratory Manual, 2d Ed
, Cold Spring Harbor, NY”または“Ausubel
FM et al (1989) Current Protocls in
Molecular Biology, Vol 2, John Wile
y & Sons”に詳しく述べられており、これらの文献を本明細書と共に参
照されたい。
別の形態として、本発明のポリペプチドをコードする組換え変異体のヌクレオ
チド配列は、当業者に周知の技術を用いて、遺伝暗号の“重複性”を利用するこ
とにより合成、または同定され得る。様々な切断部位を作り出すサイレント変化
のような、様々なコドン置換を導入することで、プラスミドやウィルスベクター
へのクローニング、または特定の原核細胞系または真核細胞系における発現を最
適化することができる。ま
た、突然変異を導入することによって、ポリペプチドの特性を変え、リガンド結
合親和力、鎖間親和力、またはポリペプチド変性またはターンオーバー速度を変
えることもできる。発明の詳細な説明 RCPをコードする配列
ヒトRPCのヌクレオチド配列(配列番号:1)は第1図に示されている。R
CPのコード領域は、PMA及びLPSで処理されたTHP−細胞から作られた
cDNAライブラリ(インサイト社cDNAライブラリTHP1PLB01)内
で初めに同定された。該ライブラリーでは約2214個の使用可能な配列のうち
1個から見いだされた。本明細書において、“使用可能な配列”なる用語は、c
DNAライブラリーから、ベクター、ヌクレオチド反復、コンタミ、ミトコンド
リアDNAを除去した後に得られるクローンの総数を指す。BLAST sea
rch(Basic Local Alignment Search Too
l; Altschul SF (1993) J. Mol. Evol.
36: 290−300; Altschul SF et al (1993
) J. Mol. Biol. 215:403−410)で、THP1PL
B01ライブラリのcDNAとGenBankの霊長類データベースとを比較し
て、カテプシンCとしてインサイト社クローンNo.14284を同定した。
RCPをコードするヌクレオチド配列は、膀胱組織(インサイト社ライブラリ
ーBLADNOT01)、スタンフォード血液銀行から得られた軟膜ユニットか
ら単離された可塑性接着(2時間培養)単核細胞(インサイト社ライブラリーM
PHGNOT03)、リュウマチ様股関節滑膜組織(インサイト社ライブラリー
SYNORAB01)、通常の胎盤(インサイト社ライブラリーPLACNOB
01)、混合白血球(ML
R)の培地から1日後に回収された可塑性接着性単核細胞(インサイト社ライブ
ラリーMMLR2DT01)、100ng/mlホルボールエステル(PMA)
と共に48時間培養されたTHP−1細胞(インサイト社ライブラリーTHP1
PEB01)、リュウマチ様肘関節滑膜組織(インサイト社ライブラリーSYN
ORAT01)、RNAの単離の前に10μmのレチン酸で24時間処理された
、活性の初期段階でニューロン前駆物質の特性を示す、ヒト・テトラ癌腫に由来
するhNT2細胞型(インサイト社ライブラリーHNT2RAT01)、白血性
ソースから得られたT/Bリンパ芽球(インサイト社ライブラリーTBLYNO
T01)、脚の皮膚に由来する新生児の角質細胞(インサイト社ライブラリーK
ERANOT01)、96時間混合リンパ球反応(MLR)、非接着性及び接着
性末梢血液単核細胞(インサイト社ライブラリーTMLR3DT01)、ヒト・
テトラ癌腫に由来するhNT2細胞型(インサイト社ライブラリーHNT2NO
T01)、肺組織(インサイト社ライブラリーLUNGNOT01)、過好酸性
症候群と診断された48歳の男性患者から除去された末梢血液細胞(インサイト
社ライブラリーEOSIHET01)、フィコルハイパーク遠心分離処理及び7
2時間のin vivoの培養の後のプールされたドナー集団に由来する接着単
核細胞(インサイト社ライブラリーMMLR3DT01)、及びクローン病を患
う患者のS字結腸組織(インサイト社ライブラリーCOLNNOT05)から作
られたcDNAライブラリーにおいて見いだされた。
RCPは、THP−1細胞、即ち単球性白血病の単球、過好酸性症候群を患う
患者の血液、クローン病を患う患者の結腸組織、ヒト・テトラ癌腫に由来する細
胞、白血病及びリュウマチ用滑膜から得られたT/B細胞において発現されるこ
とから、核酸(RCP)、ポリペプチド(RCP)、RCPに対する抗体は、炎
症及び疾病に関連するRCPのアミ
ノ酸配列またはヌクレオチドの検出のための診断アッセイにおいて有用であり、
診断及び適切な治療を促進しうるものである。
DNA配列決定の方法は従来より周知であり、DNAポリメラーゼIクレノー
フラグメントSequenase(登録商標)(US Biochemical
Corp, Cleveland OH)、Taqポリメラーゼ(Perki
n Elmer, Norwalk CN)、耐熱性T7ポリメラーゼ(Ame
rsham, Chicago IL)のような酵素を用いるか、若しくはEL
ONGASE Amplification System(Gaithers
burg MD)のような校正エキソヌクレアーゼの組合せを用いる。目的のD
NA鋳型にアニーリングされたオリゴヌクレオチドプライマーからDNAを延展
する方法は、一本鎖鋳型用の方法と二本鎖鋳型用の方法の双方が開発された。チ
ェーンターミネーション反応の生成物は、電気泳動法を用いて分離され、それら
に一体に組み込まれた標識された前駆物質を介して検出された。反応調製、配列
決定、及び分析の最近の進歩と機械化により、一日当たりに決定されうる配列数
が伸びた。好ましくは、このプロセスは、Hamilton Micro La
b 2200(Hamilton, Reno NV)、Peltier Th
ermal Cycler(PTC200; MJ Research, Wa
tertown MA)及びABI Catalyst 800、377及び3
73DNAシーケンサ(Perkin Elmer, Norwalk CN)
のような機械により自動化される。
RCPをコードするポリヌクレオチドが見いだされる特定のcDNAライブラ
リの品質は、cDNAのパイロットスケール分析を実行し、クローン含有ベクタ
ー、ラムダまたはE. coliDNA、ミトコンドリアまたは反復DNA、及
び法的データベースに対する正確な一致また
は相同性一致を有するクローンをチェックすることにより決定されうる。
RCPをコードするヌクレオチド配列(またはその相補的配列)は、分子生物
学の分野における当業者には周知の技術において数多くの用途を有する。これら
の技術には、ハイブリダイゼーションプローブとしての使用、PCR用オリゴマ
ーの構築における使用、染色体及び遺伝子マッピングにおける使用、RCPの組
換え体生成における使用、及びアンチセンスDNAまたはRNAの、またはこれ
らの化学的類似体等の生成における使用が含まれる。ここに開示するRCPをコ
ードするヌクレオチドの使用方法は、周知の技術の一例であり、当業者に周知の
何らかの技術にその使用を限定しようとするものではない。更に、未だ開発され
ていない分子生物学的技術であっても、それが例えばトリプレット遺伝暗号及び
特異的な塩基対相互作用のような既知のポリヌクレオチド配列の特性に基づく技
術である限り、ここに開示するヌクレオチド配列を使用することができる。
遺伝暗号の縮重(degeneracy)の結果、そのヌクレオチド配列がRCPをコー
ドするもので限り、既知のヌクレオチド配列及び自然発生遺伝子のヌクレオチド
配列に対する相同性を有する最小限のヌクレオチド配列を有するヌクレオチド配
列を含む、様々なRCPをコードするヌクレオチド配列が産生され得る、という
ことは当業者には理解されよう。本発明は、より具体的には可能なコドン選択に
基づいて組合せを選択することにより生成され得る全ての可能なヌクレオチド配
列を、その範囲に含んでいる。これらの組合せは、自然発生RCPのヌクレオチ
ド配列に対して適用されるような標準的なトリプレット遺伝暗号に基づいて作ら
れる。また、このような全ての変異体は、具体的にここで開示されたものと考え
られたい。
RCP及び/またはRCP変異体をコードするヌクレオチド配列は、
厳格な条件の下で自然発生RCP遺伝子のヌクレオチド配列とハイブリッド形成
可能なものであるのが好ましいが、実質的に異なるコドン使用頻度をプロセシン
グするRCPまたはRCP誘導体をコードするヌクレオチド配列を作り出すこと
は有益であり得る。コドンの選択は、特定の原核細胞または真核細胞の発現宿主
におけるペプチドの発現速度を高めるように選択することができ、このときこの
発現速度は、その宿主における特定のコドンの使用頻度に基づいて決まる。本発
明のRCP及び/またはRCP誘導体をコードするヌクレオチド配列を、このコ
ードされたアミノ酸配列を変えることなく実質的に変化させる他の理由は、より
望ましい特性、例えば自然発生ヌクレオチド配列から産生されたものより長い半
減期を有するRNA転写物を作り出すためである。
RCPをコードするヌクレオチド配列は、完全に確立された組換えDNA技術
(“Sambrook J et al. (1989) Molecular
Cloning: A Laboratory Manual, 2d Ed
, Cold Spring Harbor, NY”参照)により様々な他の
ヌクレオチド配列と結合してもよい。rcpに結合するのに有用なヌクレオチド
配列には、例えば従来より周知のプラスミド、コスミド、λファージ誘導体、フ
ァージミド等のクローニングベクターの組合せが含まれる。興味の対象であるベ
クターには、発現ベクター、複製ベクター、プローブ産生ベクターシークエンシ
ングベクター等が含まれる。一般に、興味の対象となるベクターは、少なくとも
1つの生物において複製起点機能を発揮する便利な制限エンドヌクレアーゼ検知
サイト、及び宿主細胞用として選択可能なマーカーを含み得る。
RCPの正しい完全なcDNA配列を知ることにより、遺伝子機能の調査での
アンチセンス技術に、これを適用することが可能になる。RC
Pをコードするポリヌクレオチド配列のアンチセンス鎖を含むゲノムのまたはc
DNAのフラグメントをin vitroまたはin vivoで用いて、特定
のタンパク質の発現を阻害することができる。このような技術は周知であり、ヌ
クレオチド配列の様々な部位に付くプローブをデザインすることができる。細胞
または実験動物の全体をこのようなアンチセンス配列で処理することより、興味
の対象である遺伝子の機能を効果的に遮断することができる。多くの場合、細胞
レベル、組織レベル、若しくは生物体全体のレベルでの挙動(例えば死亡率、分
化した機能の消失、形態の変化等)を観察することにより、その遺伝子の機能を
確認することができる。
開放された読み枠の転写を妨害するように構築された配列を用いることに加え
て、イントロン領域、プロモータ/エンハンサー要素、またはトランス作用調節
遺伝子に対するアンチセンス配列をデザインすることにより、遺伝子発現を修飾
することかできる。同様に、“三重らせん体(トリプルヘリックス)”塩基対と
して知られるHogeboom塩基対を用いて阻害を達成することができる。
本発明の別の実施例では、RCPをコードする自然発生ヌクレオチド配列とハ
イブリッド形成可能なrcp特異的核酸ハイブリダイゼーションプローブが提供
される。RCPをコードする配列の検知のためのこのようなプローブは、配列番
号:1の非保存領域から得られるヌクレオチドフラグメントを含むのが好ましい
。類似するカテプシンをコードする配列の検出のためのこのようなプローブは、
配列番号:1の配列をコードする配列のヌクレオチドの少なくとも50%を含む
のが好ましい。本発明のハイブリダイゼーションプローブは、配列番号:1のヌ
クレオチド配列、または自然発生rcpのプロモータ、エンハンサー要素、及び
イントロンを含むゲノムの配列に由来するものであり得る。ハイブリダ
イゼーションプローブは、様々なリポーターグループにより標識され得るが、こ
のリポーターグループには、32Pまたは35Sのような放射性核種、若しくはアル
カリホスファターゼのような酵素標識が含まれ、これらはアビジン/ビオチン結
合系を介してプローブに結合する。この他当業者に周知の技術を用いてプローブ
を標識することができる。
米国特許第4,965,188号、第4,683,195号、及び第4,80
0,195号明細書に記載されているようなPCR法の実施において、RCPを
コードするヌクレオチド配列に基づくオリゴヌクレオチドの別の使用方法がある
。このようなPCRにおいて使用されるプローブは、組換えにより得られたもの
であるか、化学的に合成されたものであるか、若しくは両者の混合であり得、ま
た、診断的な使用に供される分散したヌクレオチドまたは近縁関係にあるゲノム
配列の同定に用いられる可能な変性配列のプールを含み得る。
RPC DNAに対して特異的なハイブリダイゼーションプローブを産生する
ための他の方法には、mRNAプローブの産生のためのベクターへの、RCP及
びRCP誘導体をコードする核酸配列のクローニングが含まれる。このようなベ
クターは従来より周知であり、または市販されており、例えばT7またはSP6
RNAポリメラーゼのような適当なRNAポリメラーゼ及び適当な放射性の標
識をなされたヌクレオチドを添加することによりin vitroでRNAプロ
ーブを合成するのに使用することができる。
現在完全に化学合成によりRCP及びRCP誘導体をコードするDNA配列、
またはその部分を産生することが可能であり、合成の後、従来より周知の試薬、
ベクター、及び細胞を用いて様々な市販のDNAベクターに挿入することができ
る。更に化学合成を用いて、rcp配列若しくはその部分に突然変異を起こさせ
ることも可能である。
このヌクレオチド配列を用いて、RCPの発現レベルの異常に関連する炎症及
び疾病の検出のためのアッセイを構築することができる。このヌクレオチド配列
は、従来より周知の方法で標識した上で、ハイブリッド形成条件の下で患者の体
液または組織の試料に添加することができる。インキュベーション時間の経過後
、ヌクレオチドが酵素で標識されていた場合には、所望に応じて染料(または他
の展開剤を必要とする標識)を含有する適合性の液体で試料が洗浄される。この
適合性の液体を洗い流した後、染料を定量し、標準値と比較する。染料の量が著
しく多い場合には、このヌクレオチド配列は試料とハイブリッド形成したことに
なる。rcpが異常なレベルで存在している場合には、このアッセイにより炎症
及び/または疾病の存在が確認されたことになる。
rcpのヌクレオチド配列を用いて、その遺伝子のマッピングのためのハイブ
リダイゼーションプローブを構築することができる。ここに開示するヌクレオチ
ド配列の染色体及び染色体の特定の領域へのマッピングを、周知の遺伝子及び/
または染色体マッピング技術を用いて行うこともできる。このような技術には、
in situハイブリダイゼーション、既知の染色体マーカーに対するリンケ
ージ分析、既知の染色体に対して特異的なライブラリまたはフローソートされた
染色体調合物を用いたハイブリダイゼーションスクリーニング等が含まれる。染
色体延展(chromosome spread)の蛍光in situハイブリダイゼーション
技術については、他の文献、即ち“Verma et al (1988) H
uman Chromosomes: A Manual of Basic
Techniques, Pergamon Press, NYC”に記載さ
れている。
染色体調合物の蛍光in situハイブリダイゼーション及び他の物理的染
色体マッピング技術は、追加的な遺伝子地図データと関連付け
られ得る。遺伝子地図データの例としては、“the 1994 Genome
Issue of Science(265:1981f)”がある。物理的
染色体地図上でのrcpをコードする遺伝子の位置と特定の疾病(若しくは特定
の疾病に対する素因)との間の相関関係は、この遺伝病に関連するDNAの領域
の範囲を特定するための助けとなる。本発明のヌクレオチド配列を用いて、健常
者の遺伝子配列と、キャリアまたは遺伝病の保因者の遺伝子配列との相違を検出
することができる。RCPの発現
RCPをコードするヌクレオチド配列を用いて、周知の組換えDNA技術を利
用して精製RCPを作り出すことができる。一実施例では成熟RCPをコードす
る核酸が発現され、別の実施例ではプロタンパク質及び成熟RCPをコードする
核酸が発現され、更に別の実施例ではプロタンパク質配列をコードする核酸が発
現される。遺伝子を単離した後、その遺伝子を発現させる方法を記載した文献は
数多くあるが、その例としては、“Goeddel (1990) Gene
Expression Technology, Methods and E
nzymology. Vol 185, Academic Press,
San Diego”がある。RCPは、原核細胞または真核細胞の何れかの様
々な宿主細胞内において発現され得る。宿主細胞は、rcpヌクレオチド配列が
内生である種と同一の種、あるいは異なる種の何れからでも得ることができる。
組換えDNA技術によってRCPを産生することの利点には、精製用として高濃
度に濃縮されたタンパク質源が得られること、及び精製のための簡単な手順が利
用できるようになることがある。rcpの発現は、cDNAを適当な発現ベクタ
ーにサブクローニングし、このベクターを適切な発現宿主に感染させることによ
りなされ得る。実施例7に記載されているように、RCPの発現及び精製のため
の好適な発現ベクターは、RCPを含む融合タンパク質の発現用として使用でき
、かつ6個のヒスチジン残基、次いでチオレドキシン及びエンテロキナーゼ切断
サイトをコードする核酸を含むものである。ヒスチジン残基は、IMIAC(固
定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー“Porath et al.
(1992) Protein Expression and Purif
ication 3:263:281”に記載)上での精製を促進し、一方エン
テロキナーゼ切断サイトは、融合タンパク質からのケモカインの精製のための手
段となる。組織ライブラリーの作成のために従来より用いられてきたクローニン
グベクターによっても、E.coliにおけるrcp配列を発現させられる。
cDNAクローン挿入断片は、必ずランダムプロセスにより産生されることか
ら、含まれたcDNAが適切な翻訳のための正しい読み枠に存在する可能性は3
つに1つである。cDNAが適切な読み枠に存在しない場合には、in vit
ro突然変異を含む周知の方法による適切な数の塩基の除去または挿入や、エキ
ソヌクレアーゼIIIまたは大豆ヌクレアーゼを用いた消化、若しくはオリゴヌ
クレオチドリンカーの混入により、正しい読み枠に存在するものを得ることがで
きる。
rcpのcDNAは、特定の宿主におけるタンパク質源の発現のために有用で
あることが知られているベクターにシャトルされ得る。クローニングサイトと共
に、目標cDNA(25塩基)の両端における伸展部分とハイブリッドを形成す
るのに十分なDNAのセグメントを含むオリゴヌクレオチドアンプリマーは、標
準的な方法で化学的に合成され得る。次いで、これらのプライマーを用いて、P
CR法により所望の遺伝子セグメントを増幅することができる。得られた新たな
遺伝子セグンメントは、標準的な条件の下で適当な制限酵素で切断し、ゲル電気
泳動法によ
り単離することができる。別の形態として、適当な制限酵素を用いてヌクレオチ
ド配列を切断し、欠失した遺伝予セグメントに化学的に合成されたオリゴヌクレ
オチドを埋め込むことにより、類似の遺伝子セグメントを産生することができる
。更に、複数の遺伝子から得られた配列をコードするセグメントを相互に結合し
、適当なベクターにクローニングして、組換え配列の発現を最適化することがで
きる。
このようなキメラ分子用の適切な発現宿主には、チャイニーズハムスターの卵
巣及びヒト293細胞のような哺乳類の細胞、Sf9細胞のような昆虫の細胞、
サッカロミセスセルビシエ(Saccharomyces cerevisiae)のような酵母菌細胞、
及びE.coliのような細菌が含まれるが、これらに限定されるものではない
。このような細胞系のそれぞれに対して有用な各発現ベクターも、細菌内での増
殖を可能にする複製起点、及びβ−ラクタマーゼ抗抗生物質遺伝子のような細菌
内での選択を可能にする選択可能なマーカーを含み得る。更に、このベクターは
、感染された真核宿主細胞群における選択を可能にする、ネオマイシンホスホト
ランスフェラーゼ遺伝子のような第2の選択可能なマーカーを有し得る。真核細
胞の発現宿主において使用するためのベクターは、3′ポリアデニル化配列のよ
うなRNAプロセシング要素を、それが興味の対象であるcDNAに含まれてい
ない場合には必要とすることがある。
更に、ベクターは遺伝子発現を増加させるプロモータまたはエンハンサーを含
み得る。このようなプロモータは宿主特異的であって、MMTV、SV40、ま
たはCHO細胞用のメタロチオネインプロモータや、細菌宿主用のtrp、la
c、tac、またはT7プロモータや、酵母菌用のα因子、アルコール酸化酵素
、またはPGHプロモータが含まれる。RSVエンハンサーのような転写エンハ
ンサーは、哺乳類の宿主細胞において使用され得る。ひとたび標準的な培養法に
より均一な組換え
細胞の培養物が得られると、組換え体により産生されたRCPが大量に条件培地
から得られ、当技術分野において周知のクロマトグラフィー法により分析できる
ことになる。
RCPをコードするDNAによって形質転換された細胞は、RCPの発現及び
細胞培地からのタンパク質の回収に適切な条件の下で培養され得る。組換え細胞
により産生されたRCPは、使用される特定の遺伝子構造に応じて、分泌される
か、あるいは細胞内に保持され得る。一般に、組換えタンパク質は、分泌される
形態で準備しておくのがより便利である。精製のステップは、使用される産生プ
ロセスの性質及び産生される特定のRCPの性質に基づいて決まる。
RCPは、タンパク質精製を容易にするべく添加された1または2以上の追加
のポリペプチドを有するキメラタンパク質として発現され得る。このような精製
促進ドメイン(分子内領域)には、固定化金属上での精製を可能にするヒスチジ
ン―トリプトファンモジュールのような金属キレート化ペプチド固定化免疫グロ
ブリン上での精製を可能にするプロテインAドメイン、及びFLAGS伸展/ア
フィニティ精製システム(Immunex Corp, Seattle, W
A)において利用されるドメイン等があるが、これらに限定されるものではない
。切断可能なリンカー配列(例えばXA因子またはエンテロキナーゼ)が精製ド
メインと、rcp配列との間に含まれていると、RCPの発現を促進するのに役
立つ。
組換え体による産生に加えて、固相技術を用いた直接のペプチド合成によりR
CPフラグメントを産生することもできる。(“Stewart et al
B(1969) Solid−Phase Peptide Synthesi
s, WH Freeman Co. San Francisco; Mer
rifield R (1963)
J Am Chem Soc 85:2149−2154”参照)。in v
itroタンパク質合成は、手作業、あるいは機械により自動的に行うことがで
きる。自動的な合成は、例えばApplied Biosystems 431
A Peptide Synthesizer(Foster City, C
alifornia)を製造業者の指示に従って用いることにより行うことがで
きる。RCPの様々なフラグメントを個別に化学合成し、化学的な方法により結
合することによってRCPの全体を産生することもできる。RCP 抗体
抗体の誘発において使用するためのRCPは、生物学的活性を有している必要
はないが、免疫活性を有していなければならない。RCP特異的抗体の誘発にお
いて使用するためのペプチドは、少なくとも5個、好ましくは少なくとも10個
のアミノ酸からなるアミノ酸配列を含む。このペプチドは、タンパク質の一部分
を模しており、RCPのような自然発生分子の全アミノ酸配列を含んでいてもよ
い。RCPのアミノ酸配列の短いストレッチは、ヒザラガイヘモシアニン(KL
H)や抗体産生に使用されるキメラ分子のような他のタンパク質のストレッチと
融合され得る。
RCPに対して特異的な抗体は、適当な動物にRCP配列を接種することによ
り産生され得る。本発明においては、ポリペプチドは成熟RCP配列、プロタン
パク質配列、またはプロタンパク質及び成熟RCP配列、もしくはシグナル配列
、プロタンパク質配列及び成熟配列を含むポリペプチドであり得る。抗体が、自
然発生または組換えタンパク質の少なくとも一部分に対して産生され、そのタン
パク質の全体または一部分に結合するならば、その抗体はRCPに対して特異的
であると言える。抗体の誘発は、動物への注射により生ずる免疫反応の刺激作用
によるも
ののみならず、合成抗体、または組換え免疫グロブリンライブラリ(“Orla
ndi et al (1989) PNAS 86:3833−3837また
はHuse et al (1989) Science 256:1275−
1281”参照)またはリンパ球集団のin vitro刺激作用によっても起
こる。現在の技術(“Winter and Milstein (1991)
Nature 349:293−299”)では、抗体形成の原理に基づき、
高度に特異的に結合する多数の試薬を提供することができる。このような技術は
、RCPに特異的に結合し得る分子の産生に容易く適用することができる。
RCPに対するモノクローナル抗体及びポリクローナル抗体を調製するための
方法は、様々なものが当業者の知るところであろう。その方法の1つは、逆相H
PLC分離から変性RCPを得て、これを用いて当業者に周知の技術でマウスま
たはウサギを免疫化する方法である。マウスの免疫化には変性RCP約100μ
gで十分であり、ウサギの免疫化には最大1mgを用いることができる。マウス
ハイブリドーマを同定するために、変性タンパク質を放射性要素で標識し、これ
を用いて潜在性ネズミB細胞ハイブリドーマをスクリーニングして、抗体を産生
するものを分離することができる。この方法では、必要なタンパク質の量はわず
かであり、数1000のクローンを標識しスクリーニングするためには20mg
で十分である。
別の方法では、RCPのアミノ酸配列はcDNA配列から推論されるように、
その分析により免疫抗原性の高い領域が決定される。これらの領域を含むポリペ
プチドを合成し、適切な免疫化プロトコルで使用して抗体を産生する。適切なエ
ピトープを選択するための分析方法は、“Ausubel FM et al
(1989, Current Protocols in Molecula
r Biology, V
ol 2. John Wiley & Sons)”に記載されている。免疫
化のための最適なアミノ酸配列は、通常、そのタンパク質が自然のコンフォーメ
ーションをなしているときに外部環境にさらされやすいポリペプチドのC末端、
N末端、及びその間に介在する親水性領域に存在する。
典型的には、約15残基の長さを有する選択されたポリペプチドは、fmoc
化学を用いるApplied Biosystems Peptide syn
thesizer model 431Aを用いて合成され、M−マレイミドベ
ンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBS;上述のAusub
el FM et al参照)と反応させることによりヒザラガイヘモシアニン
またはキーホールリンペットヘモシアニン(KLH;Sigma)と結合される
。必要ならば、KLHに結合できるようにペプチドのN末端にシステインを挿入
してもよく、動物は、フロイント完全アジュバントによりペプチド−KLH複合
体で免疫化される。得られた抗血清は、ペプチドをプラスチックに結合し、1%
のBSAでブロックし、抗血清と反応させ、その後洗浄し、(放射性または蛍光
性の)標識をなされたアフィニティ精製された特異的ヒツジ抗ウサギIgGと反
応させることにより、抗ペプチド活性をテストすることができる。
ハイブリドーマも標準的な技術を用いて調製される。興味の対象となるハイブ
リドーマは、標識化RCPでスクリーニングし、所望の特異性を有するモノクロ
ーナル抗体を産生するそれらの融合体を同定することにより検出される。例えば
、典型的なプロトコルでは、プレート(FAST, Becton−Dicki
nson, Palo Alto, CA)の穴が、アフィニティ精製された特
異的ウサギ抗マウス(または適当な抗種Ig)抗体約10mg/mlでコーティ
ングされる。コー
ティングされた穴は1%のBSAでブロックされ、洗浄されて、ハイブリドーマ
の上清液にさらされる。インキュベーションの後、この穴は約1mg/mlの濃
度の標識化RCPにさらされる。抗体を産生するクローンは、上述のような条件
の下で検出可能な量の標識化RCPと結合する。このようなクローンは、増殖さ
れた上で、限界希釈(1細胞/3穴)で2サイクルのクローニングをなされる。
クローニングされたハイブリドーマは、プリスタン処置を受けたマウスに注射さ
れ、マウスの復水が作り出される。モノクローナル抗体は、プロテインAを用い
るアフィニティクロマトグラフィーにより、マウスの復水から精製される。少な
くとも108M-1、好ましくは109〜1010以上の親和力を有するモノクローナ
ル抗体は、典型的には、“Harlow and Lane (1988) A
ntibodies: A Laboratory Manual, Cold
Spring Harbor Laboratory, NY”または“Go
ding (1986) Monoclonal Antibodies: P
rinciples and Practice, 2d Ed. Acade
mic Press New York City”に記載の標準的な手順によ
り作られる。これらの文献を本明細書と共に参照されたい。RCPのヌクレオチド配列及びアミノ酸配列の使用
RCPの抗体、阻害剤、アンタゴニスト(若しくは他の過剰なRCP産生の治
療薬)は、炎症疾患、自己免疫疾患、及び動脈硬化症、白血病、全身性エリテマ
トーデス、骨粗鬆症、慢性関節リュウマチ及びトキシックショック症候群のよう
な疾病状態、あるいは移植拒絶反応及び移植片対宿主病のような疾病状態におけ
る骨髄細胞源の悪性腫瘍に関連する疾病状態の治療において、治療的に投与され
たときそれぞれ異なる効果を与え得る。このRCPの抗体、阻害剤、アンタゴニ
ストのような過剰な
RCP産生の治療薬は、無毒性で、不活性で薬化学的に適格な水性担体媒質であ
りそのpHは約5〜8、より好適には6〜8のである。但しこのpH値は、調合
される抗体、阻害剤、アンタゴニストの特性や、治療される病状に応じて変わっ
てくる。ここに開示された特定の実施例においては、アンタゴニストは、配列番
号:2のアミノ酸残基22と29との間から始まり、アミノ酸残基230で終わ
るプロタンパク質配列である。このような治療薬の特性には、分子の可溶性、半
減期、及び抗原性/免疫抗原性が含まれ、効果的な担体を決定するのに役立ち得
る。天然ヒトタンパク質はTECとして好適であるが、薬物スクリーニングによ
って得られた有機分子も特定の状態の下では同様に効果的であり得る。
過剰なRCP産生の治療薬は、局所塗布用クリームまたはゲル、粘膜透過性ス
プレーまたはエーロゾル、皮膚透過性パッチまたは包帯、注射可能な静脈内また
は洗浄調合物及び経口投与液若しくは錠剤を含む周知の投与経路によって与えら
れ得るが、投与の仕方は以上挙げたものに限定されない。特定の配合、正確な投
与量、及び投与経路は、病院所属医師により決定され、それぞれの状況に応じて
変わってくる。
このような決定は、治療を受ける条件、投与される治療薬、及び特定の治療薬
の薬動力学的プロフィールのような様々な変量を考慮してなされる。考慮され得
る他の因子には、病状、患者の年齢、体重、性別、食事、投与の回数、薬物の組
合せ、反応感受性及び治療に対する耐性/反応が含まれる。長時間作用する調剤
の投与の頻度は、特定のTECの半減期及び消失速度に応じて、3日から4日に
1回、1週間に1回、または2週間に1回であり得る。
通常の投与量は、投与経路に応じて0.1〜100,000μg、最大1gの
間で変化し得る。TECの特定の投与量に関しての説明は以下の文献、即ち米国
特許第4,657,760号、第5,206,344
号、または第5,225,212号明細書に記載されている。TECの種類に応
じて効果的な配合も変わり、また好酸球を標的にする投与と、他の器官または組
織を標的にする場合では、投与方法も異なってくることが予測される。
以下の実施例は、本発明を説明するためのものであり、本発明を限定するもの
ではない。
産業的応用性
1.mRNAの単離及びcDNAライブラリの構築
rcpヌクレオチド配列は、ヒトTHP−1ライブラリーを含む配列の中から
同定された。THP−1は、急性単球性白血病を患う1歳の男児の血液に由来す
るヒト白血病細胞型である。PMA+LPSライブラリー用として使用される細
胞はDMSOにおける100nmのPMAと共に48時間、1μg/mlのLP
Sと共に4時間培養された。THP−1ライブラリーは、Stratagene
社(Stratagene, 11099 M. Torrey Pines
Rd., La Jolla, CA 92037)により、後に説明するよう
にカスタムメイドで構築された。
Stratagene社は、オリゴd(T)プライミングを利用してcDNA
ライブラリーを調整した。合成アダプタオリゴヌクレオチドはcDNA分子に結
合され、それがUni−ZAP(商標)ベクターシステム(Stratagen
e)に挿入しうるようにされた。これによって、高い効率の一方向性(センス方
向)のラムダライブラリー構築が可能となり、cDNA挿入断片を有するクロー
ンを検出するのに青/白色選択を備えたファージミド系を使用できるという利点
が得られる。
cDNAライブラリーの品質は、DNAプローブを用いてスクリーニングされ
、次いでpBluescript(登録商標)ファージミド(Stratage
ne)が切除された。このファージミドにより、融合ポリペプチドの一方向性欠
質及び発現の生成、部位特異的突然変異誘発、配列決定、及び挿入断片の特徴付
けを容易に行うためのプラスミドシステムの使用が可能となる。次いで、カスタ
ムメイドで構築されたライブラリーのファージ粒子がE. coli宿主型のX
L1−Blue(商標)(Stratagene)に感染させられた。菌株の形
質変換が高い効率となることにより、cDNAライブラリーが頻度の少ない過小
表現型の(under-represented)クローンを含む確率が高められる。別の一方向
性ベクターとしては、pcDNAI(Invitrogen, San Die
go)及びpSHlox−1(Novagen, Madison WI)が含
まれうるが、これらに限定されない。
2.cDNAクローンの単離
個々のcDNAクローンのファージミド形態は、in vivo切除プロセス
により得られた。このプロセスでは、宿主E.coli株(XL1−BLUE(
登録商標)MRF)が、f1ヘルパーファージと共感染された。ラムダファージ
及びf1ヘルパーファージの双方から誘導されたタンパク質は、ラムダ標的DN
A上の定められた配列から新たなDNA合成を開始し、pBluescript
(登録商標)プラスミド及びcDNA挿入断片の全てのDNA配列を含む小型の
1本鎖環状ファージミドDNA分子を作り出す。このファージミドDNAは、細
胞から放出され、精製されて、次いで新鮮な細菌性宿主細胞(SOLR)に再感
染するのに使用されて、重鎖のファージミドDNAが産生された。ファージミド
がβ−ラクタマーゼに対する遺伝子を保有していることから、新たに形質転換さ
れた細菌がアンピシリンを含む培地上で選択された。
ファージミドDNAは、QIAGEN社(9259 Eton Ave.,
Chatsworth, CA 91311)のQIAWELL−8ファスミド
精製システムを用いて精製された。この技術は、細菌細胞を溶解し、高度に精製
されたファージミドDNAを単離するための高速で信頼性が高く高スループット
の方法である。精製樹脂から溶離されたこのDNAは、DNA配列決定及び他の
分析走査に適したものである。
THP−1ライブラリーのランダム分離により得られたcDNA挿入断片は、
部分的に配列決定された。このcDNAは、Hamilton Micro L
ab 2200(Hamilton, Reno NV)、及び4台のPelt
ier Thermal Cyclers(PTC200 from MJ R
esearch, Watertown MA)、及びApplied Bio
systems 377 or 373 DNA Sequencing Sy
stems(Perkin Elmer)を用いて、Sanger F 及び
AR Coulsonの論文(1975; J. Mol. Biol, 94
:441f)に記載の方法により配列決定され、DNAの読み枠が決定された。
4.cDNAクローン及び演繹されたタンパク質の相同性検索
各cDNAはApplied Biosystems社製の検索アルゴリズム
を、INHERIT(商標)670配列分析システムに組み込んで用いて、Ge
nBankの配列と比較を行った。このアルゴリズムにおいては、Patter
n Specification Language(TRW社製, Los
Angeles CA)を用いて、相同領域の決定を行った。配列比較をどのよ
うに行うかを定める3つのパラメータは、ウィンドウサイズ、ウィンドウオフセ
ット、及び誤差許
容度であった。これら3つのパラメータの組合せを用いて、問題の配列に対して
相同性を有する領域を含む配列をDNAデータベースから検索し、適当な配列に
対して初期値と共に点数が付けられた。続いて、これらの相同領域を、ドットマ
トリクス相同性プロット法を用いて検定し、偶然の一致と真の相同領域とを区別
した。相同性検索の結果を表示するのにSmith−Watermanアライン
メントを用いた。
ペプチド及びタンパク質配列の相同性は、INHERIT(商標)670配列
分析システムを用いてDNA配列の相同性の検査と似た方法で確認された。Pa
ttern Specification Language及びパラメータウ
ィンドウを用いて、相同性領域を含むタンパク質配列のデータベースを検索し、
相同領域は初期値と共にスコアを付けられて表示された。ドットマトリクス相同
性プロット法により検定を行い、有意な相同性領域を偶然の一致から区別した。
BLAST(ベーシック局部的一致検索ツール)(“Altschul SF
(1993) J Mol Evol 36:290−300; Altsc
hul, SF et al (1990) J Mol Biol 215:
403−10”参照)を用いて、局部的な配列の一致を検索した。BLASTは
ヌクレオチド及びアミノ酸配列双方の一致をチェックして、配列の類似性を決定
する。一致の局部的な性質のために、BLASTは正確な一致を求めたり、ある
いは相同性を同定するのに特に有用である。BLASTは、ギャップを含まない
一致を求めるのに有用なのである。BLASTアルゴリズム出力の基本ユニット
は、High−scoring Segment Pair(HSP)である。
HSPは、任意の、長さが等しく互いの一致部分が局部的に最大で、一致スコ
アがユーザがセットしたカットオフスコアまたは閾値スコアに
達するかそれを超えるような2つの配列フラグメントからなる。BLASTを用
いる方法により、問題の配列とデータベース配列とのHSPを捜し、発見された
一致の統計的な有意性を評価し、ユーザが選択した有意性の閾値を満たす一致の
みを知ることができる。パラメータEはデータベース配列との一致で報告される
ものを選択するための統計的有意性の閾値を設定する。Eは、データベース検索
全体の前後関係の中でのHSP(若しくはHSPの組)の偶然の一致の期待され
る頻度上限と解釈される。Eを満たすデータベース配列はプラグラムの出力にお
いて報告される。
ヒト・カテプシンCホモログRPCの全コード領域のヌクレオチド配列及びア
ミノ酸配列は、第1図に示されている。
5.遺伝子の同定及び完全長配列決定
THPライブラリーのクローンの中からランダムにピックアップし配列決定す
ると、既知のカテプシンC分子に相同性を有するが、明らかに異なっているrc
p配列が見つけられた。rcpの完全なヌクレオチド配列は翻訳され、枠内の翻
訳は第1図に示されている。この配列の予測される全ての可能な3つの翻訳物を
スイスプロット及びPIRのようなタンパク質データベースから検索したが、r
cpの可能な翻訳と完全に一致するものは見つけられなかった。第2図に示すの
は、RCPアミノ酸配列と他のラット・カテプシンCの配列との比較である。こ
れらの分子の実質的な相同領域は、システインプロテアーゼの中で共通のNNS
グリコシル化部位276-278及び触媒三連構造残基C258、H405及びN427を含む。
RCPの疎水性分析のグラフは第3図に示されている。
6.アンチセンス分析
RCP配列、またはその一部分は、内生RCPのin vitroまたはin
vivo発現を阻害するのに用いられる。約20塩基対から
なるアンチセンスオリゴヌクレオチドを使用することについては詳細に説明した
が、より大きいcDNAフラグメントについても同一の手順を用いる。RCPコ
ード配列に基づくオリゴヌクレオチドは、内生RCPの発現を阻害するのに用い
られる。オリゴ4.0を用いて、相補的オリゴヌクレオチドを保存的5’配列か
らデザインし、これを用いてプロモータが上流の非翻訳領域に結合するのを防止
することにより、転写を阻害するか、またはリボソームがmRNAに結合するの
を防止することによりRCP転写物の翻訳を阻害する。
7.EC特異的抗体を用いた診断テスト
特定のRCP抗体は、前病状態の診断や、RCPの量または分布の差によって
特徴付けられる慢性または急性の疾病に対する診断において有用である。RCP
はTHP−1細胞系において初めに発見されたもので、単球を活性化する異常や
病状の診断に使用できる。
RCPに対する診断テストにおいては、抗体や、ヒトの体液、組織及びそのよ
うな組織からの抽出物においてRCPを検出するための標識を利用する。本発明
のポリペプチド及び抗体は、修飾した上で使用されることもあれば、修飾せずに
使用されることもある。ポリペプチド及び抗体は、検出可能なシグナルを与える
物質と共有結合または非共有結合でそれらに結合させることにより標識される。
標識及び接合技術は様々なものが知られており、化学文献あるいは特許明細書の
双方において広く記載されている。適当な標識には、放射性核種、酵素、基質、
補因子、阻害剤、蛍光剤、化学ルミネセンス剤、磁性粒子等がある。このような
標識を使用した特許には、例えば米国特許第3,817,837号、第3,85
0,352号、第3,939,350号、第3,996,345号、第4,27
7,437号、第4,275,149号、第4,36,241号等がある。また
、組換え免疫グロブリンの産生については、米
国特許第4,816,567号明細書に記載されており、本明細書と共に参照さ
れたい。
可溶性または膜結合型RCPを測定するための、該タンパク質に対して特異的
なポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体の何れかを用いる様々なプロト
コールが周知となっている。その例を挙げると、固相酵素免疫検定法(ELIS
A)、放射線免疫検定法(RIA)、及び蛍光活性化細胞分析分類法(FACS
)等がある。好適なのは、EC上の2つの非干渉エピトープに反応するモノクロ
ーナル抗体を利用した2つの部位のモノクローナルベースの免疫検定法であるが
、競合的結合検定法を用いてもよい。これらの検定法は“Maddox, DE
et al(1983)J Exp Med 158:1211”他の文献に
記載されている。
8.特異的抗体を用いた未変性RCPの精製
未変性RCPまたは組み換えRCPは、RCP特異的抗体を用いたイムノアフ
ィニティクロマトグラフィーにより精製される。イムノアフィニティカラムは、
抗RCP抗体と活性化クロマトグラフィー樹脂を共有結合させることにより構築
される。
ポリクローナル免疫グロブリンは、免疫血清から硫酸アンモニウム沈殿または
固定化プロテインA上でのクロマトグラフィーにより免疫血清から調製される(
Pharmacia LKB Biotechnology, Piscata
way, NJ)。部分的に精製された免疫グロブリンは、CnBr活性化セフ
ァロース(Pharmacia LKB Biotechnology, Pi
scataway, NJ)のようなクロマトグラフィー樹脂に共有結合で付け
られる。抗体は樹脂に結合され、樹脂はブロックされて、誘導体樹脂が製造者の
指示に従って洗浄される。
このようなイムノアフィニティカラムは、可溶型のRCPを含む細胞から分画
を調製することによって行われるRCPの精製において使用される。この調製で
は、細胞全体または界面活性剤の添加または他の周知の方法により遠心分離法を
用いて得られた細胞成分分画を可溶化することによって調製が誘導される。別の
形態として、シグナル配列を含む可溶RCPは、細胞が増殖される培地に使用に
供される量だけ分泌される。
可溶RCPを含む調製物は、イムノアフィニティカラムを通されて、このカラ
ムは、RCPの優先吸収が可能な(例えば界面活性剤が高イオン強度緩衝液の中
に存在しているような)条件の下で洗浄される。次いで、このカラムは抗体とR
CPとの結合を分裂させるような条件(例えばpHが2から3の緩衝液、または
高濃度の尿素またはチオシアネートイオンのようなカオトロープ)の下で溶離さ
れ、このRCPが収集される。
9.RCP活性
生成されたまたは発現されたRCPの活性は、一定時間の間にRCPがコラー
ゲンを消化できるように既知の量の酵素と、コラーゲンのような基質材料とを生
物学的に許容できる培地の中で混合することによって試験され得る。RCPのザ
イモグラフは様々な濃度、好ましくは10〜100ng/μlでコラーゲンに吸
収された非変性ポリアクリルアミドゲルからなり、これはスポットされ、RCP
活性を示すのに用いられ得る。消化の後、タンパク質に対してゲルを染色するこ
とにより、コラーゲンの濃度が減少した(軽くなった)または完全に失われたス
ポットが示される(Peach et al (1993) Anal Bio
chem 208:249−54)。
13.薬物スクリーニング
本発明のRCP及びその生物学的に活性なフラグメントは、様々な薬
物スクリーニング技術における化合物のスクリーニングにおいて有用である。こ
のようなテストにおいて用いられるRCPポリペプチドまたはフラグメントは、
溶液の中に遊離しているものか、固体の支持体に付着しているものか細胞の表面
に支持されているか、あるいは細胞内に存在するものの何れかである。薬物スク
リーニングの一方法では、ポリペプチドまたはそのフラグメントを発現する組換
え核酸で安定に形質転換される真核細胞または原核細胞の宿主細胞を利用する。
薬物は、競合的結合検定法においてこのような形質転換された細胞に対してスク
リーニングされる。このような細胞は、生存型であれ固定型であれ標準的な結合
実験に使用される。これを用いて例えば、RCPと試験される薬剤との複合体の
形成を測定したり、あるいはRCPと試験される薬剤によって生じた単球等の標
的細胞との複合体の削減を検査することができる。
従って、本発明は炎症及び疾病を発症し得る任意の薬剤または薬物のスクリー
ニング方法を提供するものである。これらの方法は、RCPポリペプチド若しく
はそのフラグメントをこのような薬剤に接触させる過程と、(i)ECポリペプ
チド若しくはフラグメントと薬剤との間の複合体の存在、若しくは(ii)RC
Pポリペプチド若しくはそのフラグメントと細胞との複合体の存在を、周知の方
法により検定する過程とを含む。このような競合的結合検定法においては、RC
Pポリペプチドまたはそのフラグメントは、当業者に周知の方法により標識され
る。適当なインキュベーションの後、遊離したRCPポリペプチドまたはフラグ
メントが、結合した形態で存在するものから分離される。そして遊離した標識ま
たは複合体を形成していない標識の量が、特定の薬剤がRCPに結合する能力、
またはRCP/薬剤複合体に干渉する能力の尺度となる。
薬物スクリーニングのための他の技術として、RCPポリペプチド、
若しくはそのフラグメントに対する適切な結合親和性を有する複合体を高スルー
プットでスクリーニングすることができるものがあり、その詳細はGeysen
による欧州特許出願第84/03564号明細書(公開1984年9月13日)
に記載されており、本明細書と共にこれを参照されたい。この方法を簡単に述べ
ると、たくさんの異なる小さなペプチドのテスト化合物が、固体基板、例えばプ
ラスチックピンまたは他のものの表面上で合成される。ペプチドテスト化合物は
、ECポリペプチドと反応させられて、洗浄される。結合されたRCPポリペプ
チドは次いで周知の方法により検出される。精製RCPは上述の薬物スクリーニ
ング技術において使用するためのプレート上に直接コーティングされ得る。更に
、非中和性抗体を用いてペプチドを捕捉し、それを固体支持体の上に固定化する
ことができる。
RCPポリペプチド、若しくはそのフラグメントへの結合について、テスト化
合物とRCPに特異的に結合し得る中和性抗体とが競合する競合的薬物スクリー
ニングアッセイの利用も本発明の企図するところである。このようにして、この
抗体を用いて、1または2以上の抗原決定基がRCPと共通な任意のペプチドの
存在を検出することができる。
本発明の別の実施例は、請求項8に記載のポリペプチドへの特異的結合親和性
(アフィニティ)で複数の化合物をスクリーニングする方法であって、複数の化
合物を準備する供給する過程と、RCPと、複数の化合物のそれぞれを、適切な
条件の下で結合できるだけの十分な時間をかけて結合する過程と、RCPと複数
の化合物のそれぞれとの結合を検出して、RCPに特異的に結合する化合物を同
定する過程とを有する。
14.合理的薬物デザイン
合理的薬物デザインの目標は、興味の対象である生物学的に活性のポリペプチ
ドの構造的類自体や、例えば、アゴニスト、アンタゴニスト、
若しくは阻害剤のような、それらのポリペプチドが相互作用する小さな分子の構
造的な類似体を作り出すことである。ここに例として挙げたものは何れも、ポリ
ペプチドのより活性または安定な形態のものであるか、またはin vivoで
ポリペプチドの機能を強化するか、または阻害する薬剤を形成するのに用いるこ
とができる(“Hodgson J(1991) Bio/Technolog
y 9:19−21”参照)。
1つの方法においては、目的のタンパク質、またはタンパク質−阻害剤複合体
の三次元的構造を、X線結晶解析、コンピュータによるモデル化、若しくは最も
典型的には2つの方法の組合せにより決定する。構造を解明し、分子の活性部位
を決定するためにポリペプチドの形状及び電荷が確認されなければならない。ポ
リペプチドの構造に関する有用な情報は、相同タンパク質の構造に基づいたモデ
リングにより得ることが可能である。何れの場合においても、構造情報を用いて
、カテプシンC様の分子の類似体をデザインしたり、あるいは効果的な阻害剤を
同定している。合理的薬物デザインの有用な例としては、“Braxton S
and Wells JA 1992 Biochemistry 31:7
796−7801”により示された改良活性または安定性を有する分子、または
“Athauda SB et al 1993 J Biochem 113
:742−746”よって示された自然発生ペプチドの阻害剤、アゴニストまた
はアンタゴニストとして作用する分子があり、ここでは上述の両文献を参照され
たい。
機能的アッセイにより選択された標的特異的抗体を上述のように単離し、次い
でその結晶構造を解明することも可能である。この方法では、原則として、続け
て行われる薬物デザインにおける基礎となり得るファーマコア(pharmacore)が
生み出される。機能的な、薬理学的に活性の
抗体に対する抗イデオタイプの抗体(抗id)を精製することにより、タンパク
質の結晶を精製することにより、タンパク質の結晶解析をバイパスすることが可
能である。鏡像の鏡像のように、抗idの結合部位は、もとの受容体の類似体で
あることが期待される。次いで、抗idを用いて、化学的または生物学的に産生
されたペプチドのバンクからペプチドを同定し単離することができる。単離され
たペプチドは、ファーマコアとして役立つ。
本発明により、X線結晶解析のような分析的研究を行うのに使用できる十分な
ポリペプチドが作られ得る。更に、ここに開示したRCPアミノ酸配列の知識を
、X線結晶解析の代わりまたはそれと共に用いられるコンピュータによるモデリ
ング技術に応用することができる。
上述の明細書の記載の中で引用された全ての文献及び特許明細書は、本明細書
と一体に組み込まれる。上述な方法及びシステムの様々な改変、変更を、請求の
範囲の項に記載の本発明の範囲を逸脱することなく当業者は行うことができるで
あろう。本発明の特定の実施例について説明したが、これは本発明をそのような
特定の実施例に限定しようとするものでないことを理解されたい。実際、以下の
請求の範囲に記載の本発明の範囲内で、当業者は上述の実施例を様々に変更を加
えて実行することができるであろう。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
G01N 33/50 G01N 33/50 P
33/53 33/53 D
33/566 33/566
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S
Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD
,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ
,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ,
DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I
S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR
,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,
MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S
D,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT
,UA,UG,US,UZ,VN
(72)発明者 シールヘイマー、ジェフリー・ジェイ
アメリカ合衆国カリフォルニア州94022・
ロスアルトスヒルズ・ラクレスタ 12555
【要約の続き】