JP2000502903A - インターフェロンγ誘導因子―2をコードする核酸 - Google Patents

インターフェロンγ誘導因子―2をコードする核酸

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、アデノイド、脳、腎、肝臓、肺、皮膚、滑膜、及びTリンパ球で発現された新規なインターフェロンγ誘導因子−2(IGIF−2)を同定し、コードするポリヌクレオチド(igif−2)を提供するものである。また、本発明は、そのアンチセンス分子もその範囲に含む。更に本発明は、精製IGIF−2の産生のための遺伝子工学的処理をなされた発現ベクター及び宿主細胞;抗体、アンタゴニスト、及びインヒビター;及び医薬品組成物や、このポリペプチド、及びその抗体、アンタゴニスト、及びインヒビターに基づく疾病の治療方法を提供する。本発明は、特に、免疫無防備状態の患者の治療薬として、成いはIGIF−2の異常発現や白血球やリンパ球の活性の変化を検出するための診断的アッセイにおけるポジティブコントロールとして、このポリペプチドの利用することも、その範囲に含む。

Description

【発明の詳細な説明】 インターフェロンγ誘導因子−2をコードする核酸技術分野 本発明は、新規なサイトカイン、インターフェロンγ誘導因子−2(interfer on gamma inducing factor-2)の核酸配列及びアミノ酸配列、及び疾病の診断、 研究、予防、及び治療におけるこれらの配列の利用に関するものである。背景技術 サイトカインは、細胞の増殖、分化、移動の際、ピコモルからナノモル単位の 濃度で活性となり、白血球の遊走及び機能、造血細胞数、体温調節、感染に対す る急性の反応、組織再構築や、細胞残存のような作用に影響を及ぼす。サイトカ インは、特定の剌激又は疾病によってグループ単位で及びある特徴のパターンを もって産生されるため、特定のサイトカインの活性を変化させる抗体や他の薬物 を用いた研究により、個々のサイトカインの病理学的及び生理学的な役割が解明 され始めた。その例として、炎症に反応して素速く発現される2種類のサイトカ イン、即ちインターフェロンγ(IFN−γ)及びインターロイキン−12(I L−12)について説明する。 IFN−γは、免疫の調節や炎症反応に関与する多面作用性のサイトカインで ある。この IFN−γは、抗原や分裂促進因子に応じて、CD4+、CD8+、 及びTh1リンパ球及びナチュラルキラー細胞によって産生される。IFN−γ は、短い非螺旋配列によって互いに結びつけられている6つのαヘリックスをそ れぞれが備えた2つのサブユニットの逆平行結合によって形成されたホモニ量体 である。この40〜70kD二量体の全体の構造は、球状で、2つの潜在性N− グリコシル化部位 を含む。IFN−γをコードするこの1つの遺伝子は、染色体12の長いアーム に位置しており、他の種の配列との同性は小さく、これは種特異的活性を説明し ている。IFN−γはT細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、及び内皮細胞、 マクロファージ、及び繊維芽細胞の活性化、増殖、及び分化に関与している。I FN−γによって、IgG2αの産生が可能となり、IFNα/βの抗ウィルス 性及び抗増殖性の活性を増強し、B細胞及びマクロファージでのクラスII主要 組織適合複合体分子の発現を増やし、且つIgG1及びIgEの産生、Th2細 胞の増殖、及び骨髄細胞におけるIL−3、IL−4、顆粒球−単球コロニー刺 激因子(GM−CSF)及びTNF−αのこ効果を抑制する。敗血症及び大脳マ ラリアのモデル研究において、IFN−γは、TNF−αの毒性レベルを増やす ことにより、病理学的な疾病状態を増悪させた。 IL−12は、生物学的に活性なヘテロ二量体を形成する35kDと40kD の2本のジスルフィド結合した鎖から成る。いずれの鎖も、既知のタンパタ質と 近縁関係を有していない。40kDの鎖は、ヒトとマウスのそれぞれのもので7 0%の相同性を示し、種特異性を有しており、受容体のヘマトポイエチンファミ リー及びIgスーパーファミリーに存在する配列モチーフを含む。IL−12の 既知の機能は、細胞障害性リンパ球の活性化、T細胞及びナチュラルキラー細胞 によるIFN−γ合成の誘発、抗原の作用に応じたTh−1の媒介、活性化CD 4+T細胞、CD8+T細胞、及びナチュラルキラー細胞の増殖因子様刺激、及び ナチュラルキラー細胞及びリンバ球又はリンホカイン活性化キラー細胞の溶解性 の活性化の促進が含まれる。 IFN−γ誘導因子(IGIF)は、マウスの肝臓で最近発見されたサイトカ インである(Okamura H et al.(1995)Nature 3 78:88−91)。IGIF遺伝子は、グリコシル 化部位を含まない157個のアミノ酸から成る成熟タンパク質及び192個のア ミノ酸から成る前駆体タンパク質を一義的にコードする。IGIFのmRNAは クッパー細胞及び活性化マクロファージにおいて見いだされ、この組換えタンパ ク質は、IL−12より強力なIFN−γの誘導物質である。IL−12及びI GIFの発見により、これらのタンパク質がIFN−γのTh−1産生を誘発す べく相乗的に作用しうることが示唆されたが、抗体の研究により、IGIF及び IL−12がこの誘発を行うために異なる経路を用いていることが具体的に分か った。更に、上述のOkamuraの論文では、バクテリアで処理され毒素ショ ックを引き起こすべくリポ多糖類を負荷されたマウスにおける肝臓の損傷が抗I GIF抗体の投与により予防されたことが具体的に示されている。Okamur a等によればIGIFが肝臓の組織損傷により発動される白血球を減らし得るこ と、及びIGIFの変調により、AIDS、肺結核、及びライ病のような炎症性 の疾病において他の用途を有しうることを示唆している。 炎症組織又は疾患組織における異常の診断のための現在の技術は、その大部分 を臨床的な観察や体液や組織のホルモン、ポリペプチド又は様々な代謝産物の血 清学的分析に依存している。しかし、ほ乳類は、炎症や疾病プロセスの初期にお いては臨床的な症状を表さないことがあり、血清学的分析では、侵襲性の疾病と 遺伝性の症候群とを、それらが類似した又は重複した範囲を有する場合常に区別 できるわけではない。従って、炎症又は疾病状態の検出のための新たな診断方法 の開発が、初期の段階における正確な診断、分子病原の理解、効果的な治療法の 開発を行うために重要である。 サイトカインについては、特に、Callard RE andAJHGea ring(1994)The Cytokine Fact sbook ,Academic Press,New York NY.Guy ton,AC(1991)Textbook of Medical Phys iology ,WB Saunders Co.PholadelphiaPA .and Paul WE(1993)Fundamental Immuno logy ,Raven Press,New York NY.に記載されてお り、これを参照されたい。発明の開示 本発明は、ヒトアデノイド、脳、腎臓、肝臓、肺、皮膚、滑膜、及びTリンパ 球からつくられたcDNAライブラリーにおいて見いだされた新規なサイトカイ ン、インターフェロンγ誘発因子−2(IGIF−2)に関し、又、炎症又は疾 病の研究、診断、予防及び治療におけるこの新規なサイトカインの核酸配列及び アミノ酸配列の利用に関する。 ここに開示するIGIF−2は、初めにアミノ酸配列アライメントのコンピュ ータ検索によりインサイト社クローン631796で同定された。本発明のアミ ノ酸配列は193アミノ酸の長さを有し、インターフェロンγ誘発因子(IGI F)のマウスのアミノ酸配列に約60%のアミノ酸配列類似性を有する(Oka mura H et al.(1995)Nature 378:88−91; GI 1064823)。この核酸配列(igif−2で表される)が配列番号 :1として、アミノ酸配列(IGIF−2で表される)が配列番号:2としてこ こに開示される。 又、ここには配列番号:1のヌクレオチド622での点突然変異(アミノ酸配 列では140番目の残基が置換される)を含むIGIF−2変異体も開示されて いる。Tリンパ球cDNAライブラリーから得られたigif−2は、アルギニ ンをコードする配列番号:1のヌクレオチド の622番目の位置にグアニン(G)を有し、肝臓cDNAライブラリーから得 られたigif−2は、アミノ酸残基140のイソロイシンをコードするヌクレ オチドの622番目の位置にチミン(T)を有する。又ここには、炎症性アデノ イドにおいて見いだされた、長さが42アミノ酸で、IGIF−2とN末端アミ ノ酸残基を共通のものとし、追加のアミノ酸残基(文字コードで)GKVEMN LFFFAN(配列番号:3)であるIGIF−2変異体も開示されている。こ のigif−2変異体は、ポリAの尾部を有し、別形態でスプライシングされた igif−2の転写物を表し得る。 IGIFはIFN−γ、即ち免疫反応の調節に関与するサイトカインを誘導し 、TNF−αの毒性レベルを作り出すことによって一定の病理学的状態を増悪さ せるものであることがわかっている。抗IGIFを投与することによって、バタ テリアにより処理され、敗血症を誘発すべくリポ多糖類を負荷されたマウスにお ける肝臓障害を予防できることが確認された。従って、本発明の核酸配列及びア ミノ酸配列は、IGIF−2の発現か、炎症、或いはその両方が関係する疾病状 態及び条件の初期段階での正確な検出及び治療のための診断方法及び治療方法を 開発するための基礎となる。更に、ここに開示する核酸配列及びアミノ酸配列は 、IGIF−2の発現や炎症、或いはその両方が関係する疾病状態や条件の検出 や治療のための診断的及び治療的組成物を作り出すための基礎となる。 IGIF−2又はその変異体をコードするここに開示するポリヌクレオチド配 列は、IGIF−2の発現又は炎症、或いはその両方が関係する疾病や条件の診 断用のオリゴヌクレオチドプローブを設計するための基礎となる。このようなプ ローブを、重症の臨床的症状が発症する前に細胞や組織の炎症及び組織損傷を診 断するために用いてもよい。本発明 は又、igif−2アンチセンス分子も提供している。このアンチセンス分子を 、アレルギーや喘息のような過剰な又は不十分な免疫反応を煩う個人におけるゲ ノムのigif−2ヌクレオチド配列の発現を減らしたり0にしたりするために 用いることができる。本発明は又、IGIF−2のin vitro又はin vivoでの産生のためのigif−2を含む発現ベクター及び宿主細胞もその 範囲に含んでいる。 更に本発明は、白血球及びリンパ球の増殖、分化、及び成熟のIGIF−2誘 導を防止するための治療用として使用され得る、IGIF−2のアンタゴニスト 又はインヒビターをスクリーニングしたり、抗IGIF−2抗体を産生するため に、IGIF−2、又はそのフラグメントや変異体を利用することにも関係して いる。このようなアンタゴニスト又はインヒビターを用いて、免疫反応をダウン レギュレートし、深在性の組織損傷を引き起こしうるタンパク分解性酵素の分泌 を防止することができる。 本発明は更に、HIVに感染した患者のような免疫障害の患者に対して、精製 IGIF−2やその変異体を含む組成物を投与することにも関係している。この 投与の目的は、IFN−γのような内性の抗ウイルス性分子を誘発したり、白血 球やリンパ球の増殖、分化、及び成熟を誘導することである。 本発明は又、igif−2の異常発現や白血球又はリンパ球活性の変化を伴う 遺伝性又は後天性の疾病の診断、予防又は治療のための、抗IGIF−2抗体や 多のアンタゴニストやインヒビターを含む組成物にも関係する。このような疾病 には、ウィルス性感染症(AIDSや肝炎)、細菌性感染症(敗血症)、真菌性 感染症(ヒストプラスマ症)や、寄生虫様の感染症や、アレルギー又は喘息や、 例えばアスベスト、石炭の粉塵等にさらされることによる機械的損傷や外傷、動 脈硬化症、アテロー ム発生、膠原病、或いは自己免疫性溶血性貧血や、胆汁性肝硬変や、若年性糖尿 病や、エリテマトーデスや、多発性硬化症や、重傷筋無力症や、慢性関節リウマ チのような遺伝病、白血病、リンパ種或いは癌腫、クローン病や他の炎症性腸疾 患、或いは白血球又はリンパ球の異常活性を伴う他の疾患が含まれる。 ここに開示するigif−2ポリヌクレオチド配列、又はそのオリゴヌクレオ チド、フラグメント、部分、或いはアンチセンス分子を、細胞及び組織における igif−2mRNAの検出や計量のための診断的アッセイに用いることができ る。例えば、igif−2ポリヌクレオチド配列を、遺伝子発現の異常を診断す るための溶液性、膜性、又は組織性アッセイで用いて、近縁な或いは同一の配列 を検出することができる。更に本発明は、精製IGIF−2及び抗IGIF−2 抗体を含む細胞及び組織におけるIGIF−2の検出のための診断的アッセイ及 びキットを提供する。ここでIGIF−2はポジティブコントロールとして用い ることができる。このような抗体を、IGIF−2の異常発現又は白血球やリン パ球活性の変化が関係する病状や状態を検出するための溶液性、膜性、又は組織 性の技術において用いることができる。 igif−2アンチセンス分子、抗IGIF−2抗体、IGIF−2のアンタ ゴニストやインヒビターを、例えば、肝炎や膵臓炎を煩う患者における、炎症を 伴うIGIF−2の過剰発現を抑制したり中和するための治療的な目的で用いる ことができる。本発明は、igif−2の異常発現や白血球又はリンパ球活性の 変化を伴う疾病状態の治療のための医薬品組成物も提供する。このような医薬品 組成物は、ゲノムのポリヌクレオチド配列の転写や翻訳、或いはその両方を抑制 しうるアンチセンス分子、抗IGIF−2抗体、又はIGIF−2のアンタゴニ ストやインヒビターを効果的な量だけ含む。この他、本発明は、HIVに感染し た患者のような免疫不全の患者の治療のため、又はIFN−γのような内性抗ウ ィルス分子の誘発のため、及び白血球及びリンパ球の増殖、分化、及び成熟のた めの、IGIF−2ポリペプチド、又はその変異体を効果的な量だけ含む医薬品 組成物も提供する。 本発明は又、免疫反応が関係する疾病や状態を煩う患者に対する、本発明のヌ クレオチド配列の導入のための遺伝子治療方法の使用もその範囲に含む。 図面の簡単な説明 第1A図及び第1B図は、インターフェロンγ誘導因子−2の核酸配列及びア ミノ酸配列を示す図面である。配列アライメントは、MacDNASIS PR O(商標)ソフトウェア(Hitachi Software Enginee ring Co.,Ltd.,San Bruno,CA)を用いて作成された 。 第2図に示すのは、IGIF−2(631796;配列番号:2)とIGIF (GI 1064823;配列番号:4)との間のアミノ酸配列の類似性を示す 図である。図示した配列は、DNASTAR(商標)ソフトウェア(DNAST AR Inc,Madison WI)のマルチシーケンスアライメントプログ ラムを用いて作成された。 第3図に示すのは、IGIF−2の実験室内でのノーザン分析の像である。像 の左側に示されているのは、標準サイズのマーカーであり、像の下部に示されて いるのは、(1)脾臓、(2)リンパ節、(3)胸腺、(4)虫垂、(5)末梢 血、(6)骨髄、及び(7)胎児の肝臓から抽出された核酸を含む番号を付され たレーンである。IGIF−2のバンドは、1.35標準分子量マーカーとの同 一レベルの像上の位置にある様々なレーンに現れている。 第4図に示すのは、インサイト社クローン631796及びLIFESEQ( 商標)データベース(Incyte Pharmaceuticals Inc .,Palo Alto,CA)を用いて作成された、IGIF−2の電子ノー ザン分析の結果を示した図である。発明の実施の形態 (P6B)本発明は、「インターフェロンγ誘導因子−2」として開示されてい る新規なサイトカインに関する。このインターフェロンγ誘導因子−2は、ヒト の腎臓、肝臓、Tリンパ球及び炎症性アデノイドから作られたcDNAライブラ リーにおいて発現されているのが見いだされた。本明細書においては、この新規 なンターフェロンγ誘導因子−2の小文字で表した記号(igif−2)は、核 酸配列を表し、大文字で表されたもの(IGIF−2)は、アミノ酸配列を表す ものとする。 本明細書において、「核酸配列」とは、オリゴヌタレオチドの配列、ヌクレオ チド配列、ポリヌクレオチド配列、そのフラグメントや部分の配列、或いは、セ ンス鎖かアンチセンス鎖の何れかを表現する二本鎖または一本鎖の、ゲノムの、 または合成のDNAやRNAの配列を意味する。同様に本明細書において「アミ ノ酸配列」とは、ペプチドやタンパク質、またはその部分の配列を忌みする。 本明細書において、IGIF−2とは、任意の種(例えば、ウシ、ヒツジ、ブ タ、ウマ、好ましくはヒト)から得られたものか、若しくは天然、合成、半合成 、または組換え体の任意の源から得られた、自然発生のまたは変異体のIGIF −2を意味する。好適なIGIF−2変異体は、第1図に示すIGIF−2アミ ノ酸配列(配列番号:2)と、少なくとも80%のアミノ酸配列の類似性を有す るものであり、他の好適なIGIF−2変異体は、少なくとも90%の類似性を 有し、別の好適な IGIF−2は95%以上の類似性を有するものである。本発明の好適なIGI F−2変異体は、配列番号:2の140番目のアミノ酸をイソロイシンで置換し たものである。別の好適なIGIF−2の変異体は、配列番号:2の初めの30 のアミノ酸に、アミノ酸GKVEMNLFFFANを加えて、42番目のアミノ 酸残基で終わるもの(配列番号:3)である。 IGIF−2は、第2図のコンセンサス配列に示されるような、IGIFとア ミノ酸レベルで60%の相同性を有するサイトカインである(GI106482 3;Okamura H et al.(1995)Nature 378:8 8−91)。サイトカインは、白血球及びリンパ球細胞の増殖、分化、及び遊走 に関与し、造血細胞数、体温調節、感染に対する速やかな反応、組織再構築及び 細胞生存に影響を及ぼし、免疫系の細胞からからだけでなく、損傷やストレスを 受けた細胞からも産生されることが知られている。 本明細書で用いられる「自然発生」なる用語は、天然に見出されるmRNA配 列を有するIGIF−2を意味する。同様に「生物学的活性」なる用語は、自然 発生IGIF−2の構造の、調節の、或いは生化学的機能を有するIGIF−2 を意味する。同様に「免疫学的活性」なる用語は、適切な動物或いは細胞におけ る特定の免疫反応を誘発する、さらには特定の抗体と結合する、天然IGIF− 2、組換えIGIF−2、或いは合成IGIF−2、またはその任意のオリゴペ プチドの能力として定義される。 ここで用いられる用語「誘導体」は、igif−2、即ちコード化されたIG IF−2を化学的に修飾したものを意味する。そのような修飾の例としては水素 を、アルキル基、アシル基或いはアミノ基で置換したものがある。igif−2 誘導体は、例えば単球の分化のようなIGI F−2の本質的な生物学的特性を保有するポリペプチドをコードする。 ここで用いられる用語「精製」は、自然環境から取り除かれ、単離された、即 ち天然には結合している少なくとも1つの他の成分から分離された核酸配列或い はアミノ酸配列の分子を意味する。IGIF−2コード化配列 IGIF−2の核酸配列(配列番号:1)及び予測アミノ酸配列(配列番号: 2)を第1図に示す。本発明により、IGIF−2のアミノ酸配列をコードする 任意のヌクレオチド配列は、IGIF−2を発現する組換え分子を生成するため に用いることができる。igif−2のヌタレオチド配列は、腎臓cDNAラン ブラリーに由来するインサイト社クローンNo.631796から予測されたN 末端アミノ酸配列のBLAST分析により、同定された。配列番号:1の核酸配 列は、腎臓cDNAライブラリー(KIDNNOT05)から得られたインサイ ト社クローンNo.631796、Tリンパ球cDNAライブラリー(TLYM NOT02)から得られたインサイト社クローンNo.450202、及び肝臓 cDNAライブラリー(LIVRNOT01)から得られたインサイト社クロー ンNo.89908を用いて構築された。炎症性アデノイドライブラリー(AD ENINB01)から作られたインサイト社クローンNo.159939は、ヌ クレオチド30〜294がインサイト社クローンNo.631796と正確に一 致しており、ポリA+の尾部を有する。このクローンは、別のスプライシングさ れたIGIF−2転写物を表現したものであり得る。Tリンパ球cDNAライブ ラリーからのIGIF−2では、核酸配列の622番目のヌクレオチドがGであ り、これはアミノ酸配列の140番目の位置にあるアルギニンをコードする。し かし、肝臓cDNAライブラリーに由来するIGIF−2の同 じ位置については、ヌクレオチドの622番目がTであり、対応するアミノ酸は イソロイシンである。これらの変化の何れもマウスのヌクレオチドの622番目 の位置に見出されるリジンを生成せず、多型コドンを表すものではない。 DNA配列決定法は当技術分野ではよく知られており、DNAポリメラーゼI のクレノウフラグメント、すなわちSequenase(登録商標)(US B iochemical Corp,Cleveland OH)、Taqポリメ ラーゼ(Perkin Elmer, Foster City CA)、熱安 定性T7ポリメラーゼ(Amersham, Chicago IL)或いは組 換えポリメラーゼとGibco BRL(Gaithersburg MD)に より販売されるELONGASE Amplification System のようなプルーフリーディングエキソヌクレアーゼとの組み合わせのような酵素 を用いる。対象のDNAテンプレートにアニールしたオリゴヌクレオチドプライ マーからDNAを延長する方法が、一本鎖と二本鎖のテンプレート双方のために 開発された。連鎖停止反応生成物は電気泳動を用いて分離され、それらの組み込 まれ、標識された先駆物質を介して検出された。機械化された反応調製法、配列 決定及び配列解析における最近の改善により、一日あたりに決定できる配列の数 が増えた。好適には、その機械による配列決定プロセスはHamilton M icro Lab2200(Hamilton, Reno NV),Pelt ier Thermal Cycler(PTC200;MJ Researc h,Watertown MA)及びBiosystems(Foster C ity CA)Catalyst800及び377、さらには373DNAシー ケンサーのような装置を用いて自動化される。 任意の特定cDNAライブラリの品質は、cDNAsのパイロットス ケール解析を行い、ベクター、λファージ或いはE.coliのDNA、ミトコ ンドリアDNA或いは反復DNAを含むクローンのパーセンテージ、及び公開デ ータベースの配列と正確に一致或いは相同性を有するクローンのパーセンテージ を検査することにより判定できる。igif−2ポリヌクレオチド配列の延長 igif−2のポリヌクレオチド配列は、部分的なヌクレオチド配列と、プロ モータや調節エレメントのような上流の配列を獲得するための周知の様々な方法 を利用して延長され得る。Gobinda et al(1993; PCR Methods Applic 2:318−22)の論文には、既知の部位に 隣接する未知の配列を検索するための一般的なプライマーを利用する直接的な方 法として、「制限サイト」ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)が開示されている 。この方法では、初めにゲノムのDNAの増幅が、リンカー配列に対するプライ マー及びプライマーに特異的な既知の領域の存在の下で行われる。増幅された配 列は、同じリンカープライマー及び一回目より内部の部位に特異的な別のプライ マの存在の下で、2回目のPCR処理を受ける。各PCR処理の産物は、適当な RNAポリメラーゼを用いて転写され、逆転写酵素を用いて配列決定される。 逆PCR法は、既知の領域に基づいて多岐したプライマを用いて配列を増幅ま たは延長するために利用される(Triglia T etal (1988) Nucleic Acids Res 16:8186)。このプライマーの 設計は、OLIGO(登録商標)4.0(1992; National Bi osciences Inc, Plymouth MN)や、他の適当なプロ グラムを用いて行われ、22〜30ヌクレオチドの長さでGCを50%以上含み 、約68〜72 ℃の温度で標的配列にアニールするように設計され得る。この方法では、いくつ かの制限酵素を用いて、遺伝子の既知の領域にある適当なフラグメントを生成す る。フラグメントは、分子内連鎖反応により環状にされ、PCR用の鋳型として 使用される。 キャプチャPCR法(Lagerstrom M et al (1991) PCR Methods Applic 1:111−19)は、ヒト及びイ ースト菌の人工染色体(YAC)DNAにおける既知の配列に隣接するDNAフ ラグメントをPCR増幅するための方法である。キャプチャPCR法でも、多数 の制限酵素による切断及びPCRの前にDNA分子の未知の部分に工学的処理を なされた二鎖の配列を入れるライゲーションが必要である。 Parker JD et al(1991; Nucleic Acids Res 19:3055−60)による歩行(walking)PCR法は、未知の 配列の検索を可能にする標的とされた遺伝子の歩行のための方法である。Pro moterFinder(商標)というClontech社(Palo Alt o CA)製の新しいキットは、PCR、入れ子状態のプライマー及びProm oterFinderライブラリーを用いて、ゲノムのDNAにおいて歩行を起 こさせる。この方法では、ライブラリーのスタリーニングが不要であり、イント ロンーエキソンの接合部を見つけるのに有用である。 別のPCR法は、1996年6月7日出願のImprovement Met hod for Obtaining Full Length cDNA S equenceなる名称のGuegler他による米国特許第08/487,1 12号に記載されており、ここではこれを参照されたい。このPCR方法はXL −PCR(商標)(PerkinElmer,Foster City CA) を用いて、ヌクレオチド 配列を増幅し、延長する。 完全長cDNAのスクリーニングのための好適なライブラリは、より大きいc DNAを含むようにサイズ選択されたものである。また、ランダムに初回刺激を 受けたライブラリは、それが遺伝子の5'及び上流の領域を含む配列をより多く 含んでいるという点で好適である。ランダムに初回刺激を受けたライブラリは、 オリゴd(T)ライブラリでは完全長cDNAが作れないような場合に特に役立 つものであり得る。ゲノムのライブラリは、5'の翻訳されない調節領域に向か って延長する場合に役立つ。 サイズの大小の分析、配列決定のヌクレオチド配列の確認、若しくはPCR生 成物のヌクレオチド配列の確認のための新しい方法は、キャピラリ電気泳動法で ある。高速シークエンシング用のシステムは、Perkin Elmer, B eckman Instruments(Fullerton CA)及び他の 会社で発売されている。キャピラリシークエンシングでは、電気泳動による分離 のための流動性のポリマー、レーザーで活性化される4つの異なる蛍光性の染料 (それぞれが各ヌクレオチドに対応している)、及びCCDカメラによる放出さ れた光の波長の検出が利用される。アウトプット/光強度は、適当なソフトウェ ア(例えばPerkin Elmer製のGenotyper(商標)及びSe quence Navigator(商標))を用いて電気信号に変換され、サ ンプルを負荷するところからコンピュータ分析、電子的なデータの表示に至るま でのプロセス全体はコンピュータで制御される。キャピラリ電気泳動法は、特定 のサンプルにおいて僅かにしか存在し得ない小さなDNA断片の配列決定を行う のに特に適している。再現可能な配列決定としてM13ファージDNAの最大3 50塩基対を30分で配列決定したことが報告されている(Ruiz−Mart inez M C et al (1993) Anal Chem 65:2851−8)。igif−2の発現 本発明によれば、IGIF−2、及びそのポリペプチドの断片、溶解タンパク 質あるいはその機能的な等価物をコードするigif−2ポリヌクレオチド配列 が、適切な宿主細胞でIGIF−2の発現をもたらす組換えDNA分子を作り出 すために使用される。遺伝暗号固有の同義性のために、同一の、及び機能的に等 価なアミノ酸配列をコードする他のDNA配列も 適切な宿主細胞におけるIG IF−2のクローニングや発現のために用いられ得る。当業者には理解されよう が、自然発生のコドンには含まれていないIGIF−2をコードするヌクレオチ ド配列を作り出すことも有益であり得る。特定の原核細胞あるいは真核細胞の宿 主において好適なコドン(Murray E等(1989)Nuc Acids Res17:)、例えば、IGIF−2発現速度を増加させるような、あるい は自然発生の配列からの転写物より長い半減期のような望ましい特性を有する組 換えRNA転写物が生成されるようなコドンを選択することができる。 同様に、本発明の範囲には、中程度から最高度の厳格な条件のもとで、図1の ヌクレオチド配列にハイブリッド形成可能なポリヌクレオチド配列が含まれる。 ハイブリッド形成条件は、WahlとBerger(1987、Methods Enzymol 152:399−407)やKimmel(1987、Met hods Enzymol 152:507−11)が教えるように、核酸複合 体の溶解温度(Tm)に基づく。そして「厳格性」の定義は以下のように与えら れる。 「最大の厳格性」は、Tmが−5℃(プローブのTmが5℃未満)の 場合に、「高い厳格性」はTmが5〜10℃の場合に、「中程度の厳格性」はT mが10〜20℃の場合に、「低い厳格性」はTmが20〜25℃の場合に通常 要求される。当業者には理解されようが、最大の厳格性でのハイブリダイゼーシ ョンは、同一のポリヌタレオチド配列を識別するか、あるいは検出するために使 われるが、中程度(か、あるいは低い)厳格性でのハイブリダイゼーションは、 類似か、あるいは近縁なポリヌクレオチド配列を識別するか、あるいは検出する ために使われる。 「ハイブリッド形成(ハイブリダイゼーション)」なる用語は、本明細書におい ては、「核酸鎖が塩基対により相補的な鎖と結合するプロセス」を意味する(C oombs J (1994) Dictionary of Biotech nology, Stockton Press, New York NY) 。また増幅プロセスはDieffenbach CW and GS Dvek sler(1995,PCR Primer, a Laboratory M anual, Cold Spring Harbor Press, Pla inview NY)に記載されているようにPCR法を用いて実行される。こ れらの文献を参照されたい。 本明細書において、「欠失」なる用語は、それぞれ、1または2以上のヌクレ オチドあるいはアミノ酸残基が欠落しているヌクレオチドあるいはアミノ酸配列 の変化と定義される。 本明細書において、「挿入」あるいは「付加」なる用語は、自然発生igif −2を比較したとき、1または2以上のヌクレオチドやアミノ酸残基が追加され ているようなヌクレオチドやアミノ酸配列の変化を意味する。 本明細書において、「置換」なる用語は、1または2以上のヌクレオチドまた はアミノ酸残基が、それぞれ異なるヌクレオチドやアミノ酸残 基と置き換わるような変化を意味する。 変異体igif−2ポリヌクレオチド配列は本発明により用いることができ、 これは、同一物若しくは機能的に等しいigif−2をコードするポリヌクレオ チドを結果としてもたらすような、異なるヌクレオチド残基の削除、挿入、若し くは置換部位を含む。変異体IGIF−2タンパク質も本発明により用いること ができ、これも、その結果物が機能的に等価なIGIF−2である限り、アミノ 酸残基の削除、挿入、若しくは置換部分を含んでいてもよい。 アミノ酸の置換は、IGIF−2の生物学的な活性が保持される限り、残基の 、極性、変化、可溶性、疎水性、親水性、及び/若しくは両親媒性の性質の共通 性に基づいて行うことができる。例えば、負に帯電したアミノ酸には、例えばア スパラギン酸とグルタミン酸があり、正に帯電したアミノ酸には、例えばリジン とアルギニンがあり、同じ親水性値を有する帯電していない極性基を備えたアミ ノ酸としては、例えば、ロイシン、イソロイシン、バリン、グリシン、アラリン 、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、及びチ ロシンがある。 本発明の範囲には、igif−2のアレルが含まれる。本明細書中の記載に用 いられている「アレル」若しくは「アレル配列」なる用語は、igif−2の変 化した形である。アレルは、突然変異、即ち、核酸配列の変化から生じ、一般に 、その構造若しくは機能が変化した、或いは変化していない変形したmRNA若 しくはポリペプチドを作り出す。任意の与えられた遺伝子は、対位形式を、持た ないか、1つ持つか、または複数個持つ。アレルを生じさせる共通の突然変異は 、通常、アミノ酸の削除、挿入、若しくは置換に起因する。これらのタイプの変 化の各々は、単独で、若しくは、他のものと組み合わされて、1つの与えられた 配列内で1回若しくは複数回生ずる。 本発明のヌクレオチド配列は、これらに限定はされないが、遺伝子生成物のク ローニング、プロセシング、及び/又は発現を変化させる変更を含む様々な理由 によって、igif−2をコードする配列を変化させるために開発される。例え ば、突然変異は、当業者に良く知られた、例えば、部位特異的な突然変異誘発と いった技術を用いて導入されて、新たな制限部位を挿入し、グリコシル化パター ンを変更し、コドンの優先順位を変えるために用いられても良い。 本発明の他の実施例では、igif−2の自然発生の、変形された、若しくは 遺伝子組換えによる配列が、合成タンパク質をコードするために、非相同の配列 と結合されても良い。例えば、IGIF−2活性のインヒビターに対するペプチ ドライブラリーをスタリーニングするために、商業的に利用できる抗体によって 認識される異種エピトープを発現するキメラIGIF−2タンパク質をコードす るようにすることは有益である。合成タンパク質は、IGIF−2配列と、非相 同タンパク質配列との間に配置された切断部位を含むように製造され、IGIF −2が、非相同部分の半分(片割れ)から切断されて精製されても良い。 本発明の更に他の実施例では、igif−2のコード配列が、当業者に良く知 られた化学的な方法を用いて、全体若しくは一部が合成される(See Car uthers et al.(1980)Nuc Acids Res Sym p Ser 7:215−233:Crea and Horn(1980)N uc Acids Res 9:2331;Matteucci and Ca ruthers(1980)Tetrahedron Lett 21:719 ;and Chow and Kempe(1981)Nuc Acids R es 9:2807−2817)。代わりに、タンパク質それ自身が、化学的な 方 法を用いて、生み出されて、IGIF−2アミノ酸配列を全体若しくは部分的に 合成することもできる。例えばペプチドは、固相技術を用いて合成され、分離用 の高速液体クロマトグラフィによって樹脂から切断され、精製される(eg,C reighton(1983)Proteins Structures An d Molecular Principles,WH Freeman an d Co,New York NY)。合成ペプチドの組成物は、アミノ酸分析 若しくはシークエンシングによって確認される(eg, the Edman degradation procedure;Creighton,supr a)。 直接ペプチド合成が、様々な固相技術を用いて実行され、(Roberge JY et al.(1995)Science 269:202−204)、 例えばApplied Biosystemsの43IAペプチドシンセサイザ を製造業者によって提供された指示に基づいて用いて、合成を自動的に行っても 良い。加えて、IGIF−2若しくはその任意の部分のアミノ酸配列が、直接合 成、及び/若しくは、その他のサイトカイン配列若しくはその任意の部分と化学 的な方法によって組み合わされる合成の間に、変形されて、変異体ポリペプチド が生成される。発現系 生物学的に活性なIGIF−2を発現させるために、IGIF−2若しくは機 能的に等価なものに対するヌクレオチド配列コードが、適切な発現ベクター、即 ち挿入されたコード配列の転写及び翻訳のために必要なエレメントを含むベクタ ー内に挿入される。 当業者に良く知られた方法が用いられて、IGIF−2コード配列及び適切な 転写若しくは翻訳コントロールを含む発現ベクターが構築され る。これらの方法には、例えばin vitro組換えDNA技術、合成技術、 及びin vivo組換え若しくは遺伝子組換えがある。このような技術は、M aniatis et al.(1989)Molecular Clonin g.A Laboratory Manual,Cold Spring Ha rbor Press,Plainview NY and Ausubel FM et al.(1989)Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons, New York NYに記載されている。 様々な発現ベクター/宿主系が用いられて、igif−2コード配列を含み且 つ発現するために用いられる。これらには、限定を意図するものではないが、組 換えバクテリオファージ、プラスミド若しくはコスミドDNA発現ベクターと共 に変換されたバタテリアや、イースト菌発現ベクターと共に変換されたイースト 菌や、ウィルス発現ベクター(例えばバキュロウィルス)によって感染させられ た昆虫細胞系や、ウィルス発現ベクター(例えばカリフラワーモザイクウィルス :CaMV、タバコモザイタウィルス:TMV)が移入された植物細胞系若しく はバクテリア発現ベクター(例えば、Di若しくはpVR322プラスミド)と 共に変換された植物細胞系、若しくは動物細胞系などが含まれている。 これらの系の「制御エレメント」若しくは「調節シーケンス」は、それらの長 さ及び特異性が変化し、ベクター、エンハンサー、プロモーター、及び3’非翻 訳領域の、転写及び翻訳を実行するために宿主細胞のタンパク質と相互作用を起 こす翻訳されていない領域、である。用いられたベクター系及び宿主に応じて、 構成性及び誘導性のプロモータを含む、任意の個数の適切な転写及び翻訳エレメ ントが、用いられても良い。例えば、バクテリア系をクローニングする時、誘導 性プロモーターpB luescript(商標)ファージミド(Stratagene,LaJol la CA)のハイブリッドlacZプロモータ、ptrp−lacハイブリッ ド及びそれらに類似するもの等の、誘導性プロモータが用いられる。バキュロウ ィルス・ポリヘドリン・プロモーターが、昆虫の細胞で用いられる。植物の細胞 のゲノム(例えば、熱ショック、RUBISCO、及び、貯蔵タンパク質遺伝子 )から導かれた、若しくは、植物ウィルス(例えば、ウィルスプロモータ若しく はリーダー配列)から導かれたプロモータ若しくはエンハンサが、ベクター内に クローニングされる。ほ乳類の細胞系では、ほ乳類遺伝子からの、若しくは、ほ 乳類ウィルスからのプロモータが、最も適している。igif−2の複数のコピ ーを含む株細胞を生み出す必要がある場合には、SV40若しくはEBVに基づ くベクターが適切な選択可能なマーカーと共に用いられても良い。 バクテリア系では、多くの発現ベクターが、IGIF−2に対して意図された 使用目的に応じて選択される。例えば、大量のIGIF−2が抗体の誘発のため に必要とされるとき、容易に精製される融合タンパク質の高いレベルでの発現を もたらすベクターが望ましい。その様なベクターには、限定を意図するものでは ないが、E−coliクローニング及び発現ベクターPbluescrpiri pt(商標)(Stratagene)があり、その中では、igif−2をコ ードする配列がフレーム内のベクターへ、アミノ末端Metと、後続のβ−ガラ クトシダーゼの7個の残基とに対する配列を伴って結合され、ハイブリッドタン パク質が産生され、pINベクター(Van Heeke & Schuste r (1989)J Biol Chem 264:5503−5509)、及 び、それらに類似するものが含まれている。また、pGEXベクター(Prom ega,Madison WI)が、グルタ チオンS−トランスフェラーゼ(GST)を伴った融合タンパク質として、異な るポリペプチドを発現するために用いられる。一般的に、そのような融合タンパ ク質は可溶性であり、吸収によって溶解された細胞から容易に精製されて、グル タチオン−アガローズビーズとなり、次に、自由なグルタチオンの存在下で溶出 される。その様な系で作られたタンパク質は、ペパリン、トロンビン若しくはX A因子プロテアーゼ切断部位を含むように設計されていて、注目されているクロ ーニングされたポリペプチドが、GSTの半分から必要に応じて切断されるよう になっている。 イースト菌サッカロミセスセレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)では、、 多くの、アルファ因子、アルコールオキシターゼ、及びPBH等の構成型若しく は誘導性プロモータを含むベクターが用いられる。参考のために、「Ausub el et al.(supra)andGrant et al.(1987 )Methods Enzymol.153:516−544」が参照されたい 。 植物の発現ベクターが用いられる場合、IGIF−2コード配列の発現が、多 数のプロモータの任意のものによって促進れる。例えば、CaMVの35S及び 19Sプロモータ等のウィルスプロモータ(Brisson et al.(1 984)Nature 310:511−514)が、単独で、若しくはTMV からのオメガリーダー配列と組み合わされて、用いられる(Takamatsu et al.(1987)EMBO J 6:307−311)。他には、R UBISCOの小さいサブユニットの様な植物プロモータ(Coruzzi e t al.(1984)EMBO J 3:1671−1680;Brogli eet al.(1984)Science 224:838−843)、若し くは熱ショックプロモータ(Winter J and Sini baldi RM(1991)Results Probl Cell Di ffer 17:85−105)が用いられる。これらの構成は、直接のDNA トランスフォーメーション若しくは病原体仲介移入によって植物細胞内へ導入さ れる。これらの記述を復習するために、「Hobbs S or Murry LE in McGraw Yearbook of Science and Technology(1992)McGraw Hill New Yor k NY,pp191−196 or Weissbach and Weis sbach(1988)Methods for Plant Molecul ar Biology,Academic Press,New York N Y,pp421−463」を参照されたい。 igif−2を発現するために用いることのできる他の発現系は、昆虫の系で ある。その様な系のあるもののうちで、「Autographa califo rnica」核酸ポリヘドロシスウィルス(AcNPV)が、ベクターとして用 いられて、「Spodoptera frugiperda」細胞若しくは「T richoplusia」の幼生内の異なる遺伝子を発現するために用いられる 。igif−2コーディング配列は、ポリヘドリン遺伝子等のウィルスの本質的 でない領域内にクローニングされ、ポリヘドリンプロモーターのコントロールの もとで配置される。igif−2を成功裏に挿入することにより、ポリヘドリン 遺伝子が不活性的となり、コートタンパク質コートを持たない組換えウィルスを 作り出すことができる。次にこの組換えウィルスが、IGIF−2が発現された 「S.frugiperda」細胞若しくは「Trichoplusia」幼生 を感染させるのに用いられる(Smith et al.(1983)J Vi rol 46:584;Engelhard EK et al.(1994) Proc Nat Aca d Sci 91:3224−7)。 ほ乳類の宿主細胞では、多くのウィルスベースの発現系が用いられる。 アデノウィルスが発現ベクターとして用いられる場合では、igif−2コーデ ィンク配列が、遅いプロモータ及び3分節系リーダー配列から成るアデノウィル ス転移/翻訳コンプレックス内に結合される。ウィルスゲノムの本質的でないE 1若しくはE3領域内への挿入によって、感染させられた宿主細胞内のIGIF −2を発現することのできる生存可能なウィルスが達成される(Logan a nd Shenk(1984)Proc Natl Acad Sci 81: 3655−3659)。加えて、ラウス肉腫ウィルス(RSV)エンハンサ等の 転移エンハンサを、ほ乳類の宿主細胞内での発現を増加させるために用いても良 い。 特異的開始シグナルも、挿入されたigif−2コード配列の効率の良い翻訳 のために必要とされる。これらの信号には、ATG開始コドンと隣接する配列と が含まれている。その開始コドン及び上流の配列と、igif−2とが適切な発 現ベクター内に挿入されている場合では、更に翻訳制御信号を必要とすることは ない。しかしながら、コーディング配列のみ、若しくはそのタンパク質のみが挿 入されている場合には、ATG開始コドンを含む外因性の転移制御信号が必要と される。更に、開始コドンは、全体の挿入の転移を確実にするため、正しい読み 出しフレーム内になければならない。外因性の転移エレメントと開始コドンとは 、様々な由来源からのものであって良く、自然発生したもの及び合成されたもの の何れであっても良い。細胞系に適したエンハンサを含めることによって発現の 効率を強化されても良い(Scharf et al.(1994)Resul ts Probl Cell Differ 20:125−62;Bittn er et al.(1987)Me thods Enzymol 153:516−544)。 更に、宿主細胞の系統は、挿入された配列の発現を変更する能力に応じて、若 しくは、所望の形に発現されたタンパク質を処理する能力に応じて、選択されて も良い。その様なポリペプチドの変更は、限定を意図するものではないが、アセ チル化、カルボキシル化、グリコシル化、リン酸化、脂質化、アシル化が含まれ る。タンパク質の「プレプロ」形状を切断するポスト・トランスレーションプロ セスは、正しい挿入、折り曲げ、及び/若しくは、機能に対して、重要である。 CHO,HeLa,MDCK,293,WI38等の異なる宿主細胞は、特定の セル機構及びそのポスト・トランスレーション活性に対する特性機構を有し、導 入された異質のタンパク質を正しく変更及び処理するすることを確実にするよう に選択される。 組換えタンパク質の長期間に渡る高い収率の産生のためには、安定した発現が 好ましい。例えば、安定してigif−2を発現する株細胞は、複製若しくは内 因性発現エレメントと、選択可能なマーカー遺伝子のウィルスの源とを含む発現 ベクターを用いて転換される。ベクターの導入に続き、細胞は栄養価の高い培地 において1日から2日の間成長させられ、その後、選択的な培地に切り替えられ る。選択可能なマーカーは、選択に対する耐性をもたらし、導入された配列をそ のDNAへ安定して結合させた細胞の特定を可能とする。細胞の耐性凝集塊は、 その細胞のタイプに適した組織培養技術を用いて増殖させることができる。 任意の数の選択系が、転換された株細胞を修復するために用いることができる 。これらには、限定を意図するものではないが、ヘルペスシンプレックスウイル スチミジンキナーゼ(Wigler et al.(1977)Cell 11 :223)と、アデニンフォスフォリボシルトランスフェラーゼ(Lowy e t al.(1980)Cell 22:817)遺伝子が含まれ、これらの遺伝子は、各々tk−若しくはapr t−細胞内で用いられる。更に、代謝拮抗物質、抗生物質、若しくは除草剤に対 する耐性が、選択の基準として用いることができ、例えば、dhfrは、メトト レキセートに対する耐性をもたらし(Wigler et al.(1980) Natl Acad Sci 77:3567)、nptはアミノグリコシド・ ネオマイシン及びG−418に対する耐性をもたらし(Colberre−Ga rapin et al.(1981)J Mol Biol 150:1)、 als及びpatは、クロスルフロン及びフォスフィノトリシン・アセチル・ト ランスフェラーゼに対する耐性をもたらす(Murry supra)。更に別 の選択できる遺伝子が記載され、例えば、trpPは、トリプトファン又はhi sDの代わりにインドールを細胞が用いることを可能とし、ヒスチジンの代わり にヒスチノールを細胞が用いることを可能にする(Hartman and M ulligan(1988)Proc Natl Acad Sci 85:8 047)。最近では、目に見えるマーカーを用いることが一般的になりつつあり 、その理由は、βグルクロニダーゼ、アントシアニン、及びルシフェリンが、形 質転換体を特定するためのみに用いられるだけでなく、特定のベクター系の特徴 である過渡的なタンパク質の発現若しくは安定なタンパク質の発現の量を測定す るためにも用いられるからである(Rhodes CA et al.(199 5)Methods Mol Biol 55:121−31)。igif−2を含む形質転換体の同定 マーカー遺伝子の発現の有無が、注目されている遺伝子の存在をも表すのであ るが、その存在及び発現が確認されなければならない。例えば、 igif−2がマーカー遺伝子配列内に挿入されている場合、組換え細胞(ig if−2を含む)が、マーカー遺伝子の機能が存在しないことによって同定され る。代わりに、マーカー遺伝子が、信号プロモータの制御のもとで、IGIF− 2シーケンスとタンデムに配置されても良い。マーカー遺伝子の導入若しくは選 択に対応する発現は、通常、十分にigif−2の発現を表す。 代わりに、igif−2及び発現IGIF−2に対するコーディング配列を含 む宿主細胞が、当業者に良く知られた様々な手続きによって、同定されても良い 。これらの手順は、限定を意図するものではないが、核酸若しくはタンパク質の 検出及び/若しくは測定に対する技術に対するメンブレン、溶液、若しくはチッ プベースの技術を含む、免疫検定技術、DNA−DNA若しくはDNA−RNA ハイブリダイゼーション及びタンパク質バイオ検定を含む。 igif−2ポリヌクレオチド配列の存在は、DNA−DNA若しくはDNA −RNAハイブリダイゼーション若しくは増幅(プローブ、タンパク質、若しく はigif−2のフラグメントを用いる)によって検出できる。検定に基づく核 酸増幅には、igif−2DNA若しくはRNAを含む形質転換体を検出するた めのigif−2配列に基づくオリゴヌクレオチド若しくはオリゴマーを用いる ことが含まれている。本明細書中で用いられている「オリゴヌクレオチド」若し くは「オリゴマー」は、少なくとも約10個のヌクレオチド、多くの場合約60 個のヌクレオチドの核酸配列を表し、より好ましくは約15から30のヌクレオ チド、更により好ましくは約20から25個のヌタレオチドを、プローブ若しく はアンプリマとして用いることのできる核酸配列を表している。 IGIF−2タンパク質生成物の発現は、走化性若しくはCaイオン移動度検 定によって生物学的に、若しくはウエスタンブロット、酵素結 合免疫検定(ELISA)等において免疫学的に、評価することができる。 「Falk WR et al.」(1980,J Immunol Met hods 33:239)は、最初に48穴のマイクロケモタキシスチャンバを 用いて、走化性の活性の評価に関して説明した。この検定では、発現されたサイ トカインは、ポリカーボネートフィルタの一方のサイドの媒体内に配置され、特 定の集団の細胞が、このフィルターの反対のサイドの同じ媒体内に懸濁された。 十分なインキュベート時間によって、細胞は、サイトカインの濃度勾配に応じて フィルタを移動した。このフィルタが、各穴から回収され、サイトカインに面す るフィルタのサイドに張り付いた細胞が、分類され、計量された。 その様な検定で用いられる細胞の集団は、静脈穿刺によって得られる血球細胞 、若しくは、望まれない集団の表面の分子に特異的な抗体を用いた濃度勾配遠心 分離及び/若しくは負の選択によって得られた好中球、末梢血液の単核細胞、及 び、リンバ球の栄養価の高い集団、を含む。例えば、CD4+を伴うT細胞の集 団のインキュベートと、CD4+と結合したT細胞の分離とが、CD8+の栄養 価の高いT細胞の集団を結果としてもたらす。 好中球及び単球の非走化性の活性を検定するための試験には、アクチン重合化 、呼吸バーストの活性の増加、アズール親和性顆粒の脱顆粒、若しくはCa++ の動員の測定が含まれ、且つそれらの測定の結果を標準的な値と比較することが 含まれている。シグナル変換経路の一部としてのCa++の動員に対する検定で は、その発光特性がCa++結合によって変更された蛍光プローブを伴った好中 球を予め負荷することを必要とする。細胞が活性化刺激にさらされたとき、Ca ++の流動性が、蛍光計内の細胞の観察によって求められる。Ca++の動員の 測定は、 「Grynkievicz G et al.(1985)J Boil Ch em 260:3400,and McColl S et al.(1993 )J Immunol 150:4550−4555」に記載されており、この 文献はここで言及したことにより本明細書の一部とされる。 脱顆粒及び呼吸バースト反応は、単球内でも同じように測定される(Zach ariae COC et al.(1990)J Exp Med 171: 2177−82)。更に、単球の活性の測定は、リンパ球内の接着分子の発現の 調節である(Jiang Y et al.(1992)J Immunol 148:2423−8;TaubD et al.(1993)Science 260:355−358)。 タンパク質に対して特異的なポリクローナル抗体若しくはモノクローナル抗体 のいずれかを用いた、IGIF−2の発現を検出し測定するためのプロトコルと しては、様々なプロトコルが当業者には良く知られている。具体例が、酵素結合 免疫吸着検定(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、及び蛍光表示 式細胞分取(FACS)を含んでいる。IGIF−2の2つの非干渉エピトープ に対して反応するモノクローナル抗体を用いた、二部位、モノクローナルベース のイムノアッセイが実行されるが、競合的結合検定が用いられても良い。これら の及びその他の検定法は、「Hampton R et al.(1990,S erological Methods,a Laboratory Manu al.APS Press ,St Paul MN)と、「Maddox D E et al.(1993,J Exp Med 158:1211)に記載 されている。 様々なラベリング及び接合技術が当業者に知られており、且つ、様々 な核酸及びアミノ酸検定で用いられる。igif−2に関連する配列を検出する ための、標識されたハイブリダイゼーション若しくはPCRプローブを作り出す ための手段には、例えば、オリゴラベリング、ニックトランスレーション、エン ドラベリング、若しくは、標識されたヌタレオチドを用いるPCR法による増幅 がある。この他、mRNAプローブを作り出すために、igif−2配列、若し くはそのある部分をベクターに挿入してクローニングしても良い。この様なベク ターは、当業者に知られており、市販されており、T7、T3、若しくはSP6 の様な適切なRNAポリメラーゼと、標識されたヌクレオチドとを加えることに よって、in vitroでRNAプローブを合成するために用いることができ る。「Pharmacia Biotech(Piscataway NJ)」 、「Promega(Madison WI)」及び、「US Biochem ical Corp (ClevelandOH)」の様な多くの会社が、市販 されているキット及びそれらを使うためのプロトコルを供給している。適切なリ ポーター分子若しくは標識は、それらの放射性核種、酵素、蛍光体、化学的ルミ ネッセント、若しくは発色剤と、基質、補助因子、インヒビター、磁気粒子等を 含む。そのようなラベルの使用方法を開示する特許として、米国特許第3,81 7,837;3,850,752;3,939,350;3,996,345; 4,277,437;4,275,149;4,366,241号がある。更に 、組換え免疫グロブリンは、米国特許第4,816,567号に開示されいるよ うに作ることができ、この米国特許はここで言及したことにより本出願の一部と されたい。IGIF−2の精製 igif−2ヌクレオチド配列と共に転換された宿主細胞は、細胞培 地からコードされたタンパク質を発現し回収するのに適した条件の元で培養され る。組換え細胞によって作り出されたタンパク質は、分泌されても、細胞内に含 まれていても良く、これは、用いられた配列及び/若しくはベクターに応じて変 えられる。当業者には良く分かることであるが、igif−2を含む発現ベクタ ーは、特定の真核細胞若しくは原核細胞の細胞膜を通したIGIF−2の分泌を 司るシグナル配列によって設計される。他の組換え体合成でも、igif−2を 、可溶性タンパク質の精製を容易にするポリペプチドのドメインをコードするヌ クレオチド配列に接合する(Kroll DJ et al.(1993)DN A Cell Biol 12:441−53)。 IGIF−2は、タンパク質の精製を容易にするために加えられた1つ若しく は複数の追加のポリペプチドドメインを備えた組換えタンパタ質として発現され ても良い。その様な精製はドメインを容易にし、限定を意図するものではないが 、固定化された金属に対する精製を可能とするヒスチジン−トリプトファンのよ うな金属キレート化べプチド、固定化された免疫グロブリンに対する精製を可能 とするタンパク質Aドメイン、及び、FLAGS拡張/親和性精製システム(I mmunex Corp,Seattle WA)で用いられるドメインを含む 。精製ドメインとIGIF−2との間のファクターXA若しくはエンテロキナー ゼ(Invitrogen San Diego CA)の様な切断可能なリン カ配列を含むことは、精製を容易にするのに有効である。IGIF−2の使用 IGIF−2は、そのアミノ酸配列のIGIFに対する類似性や、リンパ球、 白血球、及び炎症やがん腫を患う組織で発現する点で、全身性防御において或る 役割を果たしているように見える。従って、IGIF −2の異常発現や、白血球やリンパ球の活性の変化、或いは免疫反応の変化にに 起因する疾患の治療に、IGIF−2の活性を直接間接に調整(modulate)する 抗IGIF−2抗体、又はその他のポリペプチド、タンパク質或いは有機分子を 用いることができる。 IGIF−2を含む治療用組成物は、免疫系を損なうよう疾患を患う患者の治 療や、その予防に適用することができる。このような疾患には、例えばHIV感 染などがあり、IGIF−2はIFN−γのような内生の抗ウイルス分子を誘発 することによって効果をもたらす。IGIF(Okumura上述)とIGIF −2との間の所与の相同性のために、IGIF−2がIFN−γの誘発を刺激し たり、Th1細胞の発生に影響を及ぼしたり、HIV感染者のTh1細胞、CD 4−T細胞、及びCD8−T細胞の反応を良い方向に調節することが予想される 。同様に、不適切なTh2反応やIFN−γの誘発を調節、即ちダウンレギュレ ートすることによって、アレルギー、特に過敏症の患者を治療するのに役立つこ とがある。 本発明の別の実施例によれば、IGIF−2発現と他のサイトカインの発現と が結びつくことに起因する組織損傷を伴う、敗血症や喘息のような状態や疾患の 予防又は治療に、IGIF−2の活性を中性化し得る抗IGIF−2抗体を用い ることができる。抗体やリガンドがIGIF−2の効果を調整する能力は、上記 したマイクロケモタキシス或いはCa++フラックスアッセイを用いることによ り測定することができる。 IGIF−2の抗体の製造のためには、本技術分野に於いてよく知られた手順 を用いることができる。このような抗体には、例えば、ポリクローナル抗体、モ ノクローナル抗体、キメラ抗体、単鎖、Fabフラグメント及びFab発現ライ ブラリにより生成したフラグメントがある。中性化用抗体、すなわちIGIF− 2の生物学的活性を抑制するものが、 治療及び診断用として適している。 抗体の製造に際しては、ヤギ、ウサギ、ラット、マウスなどのさまざまな宿主 を、IGIF−2または免疫原性特性を保持するその一部、フラグメントまたは オリゴペプチドを注入することによって免疫化する。宿主の種に応じて、免疫学 的な反応を増大させるためにさまざまなアジュバント(adjuvant)を用 いることができる。このようなアジュバントとしては、例えば、フロイントのア ジュバント、水酸化アルミニウムなどの鉱物性ゲル、リゾレシチン、プルオニッ ク・ポリオール、ポリアニオン、ペプチド、油乳濁液、キーホールリンペットヘ モシアニン及びジニトロフェノールなどの界面活性剤などがある。白血球の増殖 を剌激するために免疫不全の人に精製IGIF−2を投与する場合、BCG(ba cilli Calmette-Guerin)及びCorynebacteriumparvumは 、利用可能な潜在的に有用なヒト用アジュバントである。 培養体内に於ける連続的な株細胞による抗体分子の製造のためのあらゆる技術 を用いてIGIF−2に対するモノクローナル抗体を生成することができる。こ れらの方法としては、限定的ではないが、元々はKeohlerら(1975N ature 256;495−497)によるヒブリドーマ(hybridom a)技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kozborら,1985 J I mmunol Methods 81;31−42; Coteら,1983 P roc Natl Acad Sci 80:2026−2030)及びEBV ハイブリドーマ技術(Coleら,1984Mol Cell Biol 62 ;109−120)が含まれる。さらに、「キメラ抗体」を製造するために開発 された技術、マウス抗体遺伝子を、人の抗体遺伝子にスプライシングして、適切 な抗体特異性及び生物学的活性を備えた分子を得る方法などを用いることができ る(Morrisonら,1984 Proc Natl Acad Sci 81; 6851−6855; Neubergerら,19 84 Nature 312; 604−608; Takadaら,1985 Nature 314; 452−454)。或いは、単鎖抗体を製造するため に記述された技術(USP 4,946,778)を適合させて、IGIF−2 特異的単鎖抗体を製造するために用いることができる。 Orlandiら(1989, Proc Natl Acad Sci 86 ;3833−3837)或いはWinter G及びMilstein C(1 991; Nature 349; 293−299)などによって開示されるよ うな高度に特異的な結合試薬の組換え型免疫グロブリンライブラリまたはパネル を選別することにより、抗体を製造することもできる。 IGIF−2に対する特異的結合部位を含む抗体フラグメントを製造すること もできる。例えば、そのようなフラグメントとしては、限定的ではないが、抗体 分子のぺプシン消化により生成されるF(ab')2フラグメントや、F(ab' )2フラグメントのジスルフィドブリッジを還元して製造され得るFabフラグ メントがある。Fab発現ライブラリは、所望の特異性を有するモノクローナル Fabフラグメントを迅速かつ容易に同定することができるように構成すること ができる(Huseら,1989 Science 256;1275−128 1)。 IGIF−2特異的抗体は、IGIF−2の発現が関連する状態或いは疾患の 診断のために有用である。当該技術分野に於いては、すでに確立された特異性を もってポリクローナルまたはモノクローナル抗体を用いて競合的結合アッセイ或 いは免疫放射定線測定法を行うさまざまなプロトコルが知られている。このよう なアッセイは、通常IGIF−2とその特異性抗体(又は類似したIGIF−2 結合分子)との複合体の形 成及び複合体の形成量の測定を伴う。特異性IGIF−2タンパク質上に於ける 2つの互いに干渉しないエピトープに対して反応する2−部位モノクローナル抗 体に基づくアッセイを行うことが好ましいが、競合的結合アッセイを用いること もできる。このようなアッセイがMaddox DEら(1983, J Ex p Med 158;1211)に記載されている。IGIF−2特異性抗体を用いた診断的アッセイ IGIF−2の異常な発現により特徴づけられる症状、障害或いは疾病の診断 のために特定のIGIF−2抗体が役立つ。IGIF−2のための診断用アッセ イは、人の体液、細胞、組織またはそのような組織からの抽出物に於いて、IG IF−2を検出するために標識及び抗体を用いる方法を含む。本発明のポリペプ チド及び抗体は、変更を加えずに用いることができる。多くの場合、ポリペプチ ド及び抗体は、リポーター分子と共有結合で、或いは非共有結合で結合すること により標識される。さまざまなリポーター分子が知られており、そのいくつかに ついては前に説明した。 特定のタンパタ質について特異的なポリクローナルまたはモノクローナル抗体 を用いたIGIF−2を測定するためのさまざまなプロトコルが知られている。 そのような例としては、酵素結合免疫測定法(ELISA)、放射免疫検定法( RIA)、蛍光表示式分取法(FACS)がある。特異性IGIF−2タンパタ 質上に於ける2つの互いに干渉しないエピトープに対して反応する2部位モノク ローナル抗体に基づくアッセイを行うことが好ましいが、競合的結合アッセイを 用いることもできる。このようなアッセイがMaddox DEら(1983, J Exp Med 158;1211)に記載されている。 疾病の診断の基礎を提供するために、通常のまたは標準的なIGIF−2発現 値を確立しなければならない。標準値は、動物またはまたはヒトの通常の対象か ら得られた体液または細胞を、よく知られた複合体形成に適する条件下に於いて IGIF−2に対する抗体と混合することにより得られる。標準的な複合体形成 量は、既知の濃度を有する精製IGIF−2と既知の量の抗体とが結合する一連 の希釈量のポジティブコントロールと比較することにより定量化される。このよ うにして、通常のサンプルから得られた標準値を、IGIF−2の発現に関連す る疾病や免疫不全に冒された被験者から得られたサンプルの値と比較する。標準 値と対象から得られた値との偏差から、疾病状態の有無を判定することができる 。薬剤のスクリーニング IGIF−2、その触媒的または抗体学的フラグメントまたはオリゴぺプチド を、さまざまな薬剤スクリーニング技術のいずれに於いても、治療用の化合物を スクリーニングするために用いることができる。このようなテストに用いられる フラグメントは、溶液内に遊離していたり、固体の担体に固定されていたり、細 胞面に担持されていたり、或いは細胞内に存在するものであってよい。IGIF −2とテストされる薬剤との間の結合複合体の形成または触媒的活性の消滅を測 定することができる。 薬物スクリーニングのための他の技術で、NCPポリペプチドに対する適切な 結合アフィニティを有する化合物の高スループットのスクリーニングが可能とな るが、これについては1984年9月13日に公開されたヨーロッパ特許出願第 84/03564号に詳細に記載されており、ここではこれを参照されたい。簡 単に説明すると、多数の異なる小さな ペプチドテスト化合物が、プラスチックピンまたは他の表面のような固体基質上 で合成される。このペプチドテスト化合物は、IGIF−2フラグメントと反応 させられた上で洗浄される。次いで結合されたNCPフラグメントの検出が周知 の方法を用いて行われる。精製IGIF−2を、上述の薬物スクリーニング技術 で利用するためにプレート上に直接コーティングしてもよい。更に、非中和性の 抗体を用いてペプチドを捕捉し、それを固体の担体上に固定化することもできる 。 IGIF−2と結合し得る中和抗体がIGIF−2フラグメントに結合するテ スト化合物と競合する競合的薬物スクリーニングアッセイの利用も本発明の範囲 に含まれる。この方法においては、IGIF−2と1又は2以上の抗原決定基を 共有する任意のペプチドの有無を検出するために抗体が用いられる。igif−2ポリヌクレオチドの利用 ポリヌクレオチドigif−2またはその任意の部分を、診断及び/または治 療の目的で使用することができる。診断用としては、本発明のigif−2が、 IGIF−2の活性が明らかとなるような疾病や状態における異常な遺伝子発現 の検出や定量のために用いられる。このような疾病には、ウィルス性感染症(A IDSや肝炎)、細菌性感染症(敗血症)、真菌性感染症(ヒストプラスマ症) や、寄生虫様の感染症や、アレルギー又は喘息や、例えばアスベスト、石炭の粉 塵等にさらされることによる機械的損傷や外傷、動脈硬化症、アテローム発生、 膠原病、或いは自己免疫性溶血性貧血や、胆汁性肝硬変や、若年性糖尿病や、エ リテマトーデスや、多発性硬化症や、重傷筋無力症や、慢性関節リウマチのよう な遺伝病、白血病、リンパ種或いは癌腫、クローン病や他の炎症性腸疾患、或い は白血球又はリンパ球の異常活性を伴う他の疾患が含 まれる。 本発明の範囲には、オリゴヌクレオチド配列、アンチセンスRNA及びDNA 分子、及びリボザイムが含まれ、これらはIGIF−2の翻訳を抑制する機能を 有する。本発明の別の形態では、IGIF−2をコードするゲノムの配列または 近縁関係を有する分子を含むポリヌクレオチド配列が検出できるPCRプローブ 及びハイブリダイゼーションプローブが提供される。プローブの特異性は、その プローブが高度に特異的な領域、例えば5′調節領域における10個の独特なヌ クレオチドから作られたものであっても、特異性のあまり高くない領域、例えば 3′領域から作られたものであってもよく、ハイブリダイゼーションまたは増幅 の厳密性(最高レベル、高レベル、中レベル、または低レベル)により、このプ ローブが自然発生igif−2のみを同定しているか、それに近縁な配列や他の サイトカイン分子をも同定しているかが決定される。近縁な核酸配列の検出のた めのプローブは、保存的な、或いは高度に保存的なigif−2の配列から選択 され、このようなプローブは、同義プローブ(degenerate probes)のプールで 用いてもよい。同一な核酸配列の検出用、または最大限の特異性が要求される場 合には、核酸プローブは、igif−2の非保存的ヌクレオチド領域や、独特の 領域から選択される。ここで「非保存的ヌクレオチド領域」なる用語は、igi f−2独特のヌクレオチド領域を意味し、IGIFや他のサイトカインでは発生 しないものである。igif−2ポリヌクレオチドの診断のための利用 IGIF−2をコードするポリヌクレオチド配列を、igif−2の異常発現 を伴う疾病状態の診断に用いることができる。例えば、IGIF−2をコードす るポリヌタレオチド配列を、igif−2発現を検出 するための生体組織検査または死亡組織検査で採取された組織や体液のハイブリ ダイゼーションまたはPCRアッセイにおいて使用することができる。このよう な定量的または定性的方法の形態は、サザン法による分析またはノーザン法によ る分析、ドットブロット、または他のメンブランを用いる技術、PCR技術、浸 漬スティック、ピン、チップ及びELISA技術に含まれる。このような技術は 全て周知のものであり、多くの市販の診断キットの技術的基礎である。 このようなアッセイを、動物実験、臨床的治験、または個々の患者の治療のモ ニタにおいて特定の治療的処置の効率を評価するのに用いてもよい。疾病診断の ための基準を提供するために、igif−2発現の通常のまたは標準のプロフィ ールが確立されていなければならない。これは、ヒトまたは動物の何れかである 通常の被験者から得られた体液または細胞の抽出物と、igif−2またはその 部分とを、ハイブリッド形成または増幅に適した条件の下で結合するとによって 達成される。標準ハイブリダイゼーションは、通常の治験者から得られた値と、 既知の量の精製igif−2が用いられる同じ実験で得られる一連の希釈ポジテ ィブコントロールからえられる値のそれぞれとを比較することにより定量される 。通常のサンプルから得られた標準値は、igif−2発現が関与するような疾 病を患う患者のサンプルから得られた値と比較される。標準値と被験者の値の差 が、疾病の有無を示すことになる。 ひとたび疾患の存在が確認されると、治療薬が投与され、治療プロフィールが 作成される。このようなアッセイは定期的に反復して行うことにより、プロフィ ールの進行に際して値が通常のまたは標準のパターンに向かっている、若しくは 回復しているか否かを評価することができる。うまくいった治療のプロフィール を用いて、数日または数ケ月の期間に亘る治療の効果を示すことができる。 米国特許第4,683,195号、第4,800,195号、及び第4,96 5,188号明細書に記載のPCR法を用いて、igif−2配列に基づくオリ ゴヌクレオチドの追加の利用法が得られる。このようなオリゴマーは、一般的に 化学的に合成されるが、このようなオリゴマーを酵素を利用して作り出したり、 組み換え体を起源として産生してもよい。オリゴマーは一般に一方はセンス方向 (5′→3′)、もう一方はアンチセンス(3′←5′)である2つのヌクレオ チド配列を含み、特定の遺伝子の同定または特定の状態の同定のために最適化さ れた条件の下で利用される。この2つのオリゴマーは入れ子になったオリゴマー の組若しくは縮退したオリゴマーのプールであって、厳密性の高くない条件の下 で近縁関係にあるDNAまたはRNA配列の検出及び/または定量のために利用 される。 更に、特定の分子の発現の定量のための方法としては、ヌクレオチドの放射標 識(Melby PC et al 1993 J Immunol Meth ods 159:235−44)またはビオチン標識(Duplaa C et al 1993 Anal Biochem 229−36)、対照標準の核 酸との同時増幅(coamplification)、及び実験結果を補間した標準的な曲線を 用いる方法がある。多数のサンプルの定量では、興味の対象であるオリゴマーが 様々な希釈液の中に存在し、分光光度的若しくは比色定量的な反応によって高速 の定量が行えるELISA形式のアッセイを行うことによって定量のスピードを 速くすることができる。例えば、igif−2のアップレギュレートの結果、炎 症反応が生じたり、膨潤や不快感が生ずる。同様に、igif−2の過小発現に より、免疫反応が不十分になることがある。何れの場合においても、決定的な診 断によって、医療従事者が、患者を治療したり病状が悪化するのを防ぐことが可 能となる。同様に、当業者に周知のアッセ イにより、igif−2関連疾病を患う患者の治療中の病状の進行をモニタする ことが可能である。igif−2ポリヌクレオチドの治療的利用 igif−2配列は、例えばHIV感染による免疫不全の場合のように内生の 抗ウイルス分子を誘発することが必要な、種々の異常状態や疾患の治療に役立つ 。細胞にigif−2配列を導入することによって、IFN−γを誘導し、T細 胞集団を刺激することができる。このような例では、IGIF−2をコードする 配列が、内生のサイトカインの活性を補うことが意図されている。 igif−2アンチセンス作成物は、igif−2の異常発現や、他の免疫系 の分子によって特徴づけられる様々な疾患の治療に役立つことがある。このよう な配列をそのような患者にうまく供給し発現させることによって、igif−2 mRNAの転写を低下または抑制し、炎症に起因する組織損傷を少なくすること ができる。 、組換えigif−2や、センス分子またはアンチセンス分子を目標の細胞集 団に供給するために、レトロウィルス、アデノウイルス、ヘルペスあるいは バ クシニアウイルスか、あるいは種々のバクテリアのプラスミドに由来する発現ベ クターを用いることができる。また、当業者に周知の方法を用いて、igif− 2を含む組換えベクターを作ることができる。例えば、上述のManiatis 等の論文やAusubel等の論文に記載された技術を参照されたい。この他、 組換えigif−2をリポソームで標的細胞に供給することができる。 完全長cDNA配列及び/またはその調節エレメントを含むポリヌクレオチド を、研究者が、遺伝子機能のセンス調節(Youssoufian H and HF Lodish 1993 Mol Cell Biol 13:98−104)またはアンチセンス調節(Eguchi e t al (1991) Annu Rev Biochem 60:631− 652)の調査用の道具として利用することが可能である。ゲノムDNAから得 られたcDNAや調節配列から設計されたオリゴヌクレオチドをin vitr oやin vivoで用いて、発現を抑制することができる。このような技術は 現在周知であり、センスまたはアンチセンスオリゴマー、またはより大きい断片 が、コード領域または調節領域に沿った様々な位置に配置されるようにデザイン することができる。 igif−2は、所望のigif−2フラグメントを高いレベルで発現する発 現ベクターで、細胞または組織を形質移入することによって、その発現を調節す ることができる。このような構造物は、翻訳不能のセンス配列またはアンチセン ス配列を備えたフラッド(flood)細胞であり得る。このようなベクターは、D NAに組み込まれなくても内在性のヌクレアーゼにより全てのコピーが機能を失 うまでRNA分子の転写を継続する。過渡的な発現は、非複製ベクターと共に1 ヶ月以上継続し(Mettler I, personal communic ation)、適当な複製エレメントがベクター系の一部である場合には、更に 継続し得る。 他方、適切な生殖系列の細胞、好ましくは接合体を、igif−2フラグメン トを含むベクターで安定的に形質転換することによって、遺伝子組換え生物体( 米国特許第4,736,866号)を作り出すことができる。この生物体は、内 生igif−2遺伝子の活性を、完全に排除するか、著しく損なうに十分なセン スあるいはアンチセンス配列のコピーを作り出す。多くの場合、このような遺伝 子の分裂は、炎症反応の減少や白血球増殖の低下のような挙動を観察することに より確認できる。 上述のように、igif−2の調節領域、即ちプロモータ、エンハンサ、及び イントロンに対するアンチセンス配列をデザインすることによって遺伝子の発現 を変化させることができる。転写開始部位、例えばリーダー配列の−10から+ 10の間の領域に由来するオリゴヌクレオチドが好適である。アンチセンスRN A及びDNA分子は、転写物のリボゾームへの結合を妨げることによりmRNA の翻訳をブロックするようにも設計され得る。同様に、「トリプルヘリックス」 塩基対法としても知られている、Hogeboom塩基対法を用いて抑制を達成 することもできる。トリプルヘリックス対合は、二重螺旋がポリメラーゼ、転写 因子、または調節分子が結びつくだけ十分にほどける能力を損なう。 リボザイムは、RNAの特異的切断を触媒できる酵素性のRNA分子である。 リボザイムの作用の仕組みは、リボザイム分子と相補的な標的RNAとの配列特 異的ハイブリダイゼーションの後、ヌタレオチド鎖切断が行われる。本発明の範 囲には、igif−2RNA配列のヌクレオチド鎖切断を特異的かつ効率的に触 媒し得る工学的処理をなされたハンマーへッドモチーフリボザイム分子が含まれ ている。 標的となり得る任意のRNA上にある特異的リボザイム切断部位は、以下の配 列、GUA、GUU、及びGUCを含むリボザイム切断部位を標的の分子でスキ ャンすることによって初めに同定された。ひとたび同定がなされると、その切断 部位を含む標的遺伝子の領域に対応する15〜20リボヌタレオチドの短いRN A配列がオリゴヌタレオチドの作動不可能にし得る疑似構造の特徴が評価される ことになる。標的として適切な候補がどの程度適切かは、リボヌクレアーゼ防護 アッセイを用いて相補的なオリゴヌクレオチドとハイブリッド形成する接触性を 試験することによっても評価され得る。 本発明のアンチセンスRNA及びDNA、及びリボザイムは、周知の RNA分子合成法を用いて調製され得る。このような方法には、固相ホスホラミ ダイト化学合成のようなオリゴヌクレオチドの化学的な合成技術が含まれる。こ の他、RNA分子は、IGIF−2をコードするDNA配列のin vitro 及びin vivoの転写によって作ることができる。このようなDNA配列は 、T7またはSP6のような適切なRNAポリメラーゼプロモータを有する様々 なベクターに組み込まれ得る。この他、アンチセンスRNAを構成的にまたは誘 導的に合成するアンチセンスcDNA構成物も細胞系、細胞または組織に導入す ることができる。 DNA分子は、細胞内安定性及び半減期を長くするように変えることができる 。可能な変更としては、分子の5′末端及び/または3′末端にフランキング配 列を追加することや、分子のバックボーンの内部でホスホジエステラーゼ結合で はなく2′O−メチルやホスホロチオネートを用いることが挙げられるが、これ らに限定されない。 ベクターを細胞または組織に導入する方法としては、後に説明する方法があり 、この方法はin vivo、in vitro及びex vivoの治療に対 しても同様に適切なものである。ex vivoの治療法では、ベクターは患者 から取られた幹細胞の中に導入され、同じ患者に戻す自家移植のためクローンと して増殖されるという方法は、米国特許第5,399,493号及び米国特許第 5,437,994号明細書に記載されており、ここではこれを参照されたい。 更に、ここに開示したigif−2ポリヌクレオチド配列をまだ開発されてい ない分子生物学の技術に、その新しい技術はトリプレット遺伝暗号や特異的塩基 対相互作用のような特徴等を含む現在周知のヌクレオチド配列の特性に基づいた ものであるならば、その技術にこれを適用することができる。近縁なポリヌクレオチド配列の検出とマッピング igif−2に対する核酸配列は、前述のように自然発生ゲノム配列のマッピ ング用のハイブリダイゼーションプローブを作り出すためにも使用することがで きる。この配列を、特定の染色体または染色体の特定の領域へ、周知の技術を用 いてマッピングすることができる。このような技術では、例えば、染色体のスプ レッド(spread)へのin situハイブリダイゼーション、フローソートさ れた(flow-sorted)染色体の調製、またはYACsのような人工染色体、細菌 性人工染色体(BACs)、細菌性P1構造体、またはPrice CM(19 93;Blood Rev 7:127−34)やTrask BJ(1991 ;Trends Genet 7:149−54)において研究されているよう な単染色体cDNAライブラリのような人工染色体が用いられる。 染色体調製物のin situハイブリダイゼーション及び確立された染色体 マーカーを用いる連関分析のような物理的マッピング技術は、遺伝地図の延長に おいて非常に重要である。ヒトゲノムのSTSベースの地図の最近の例には、t he Whitehead−MIT Center for Genomic Research(Hudson TJ et al(1995) Scien ce 270:1945−1954)から最近出版されたものがある。マウスの ような他のほ乳類の染色体上の遺伝子の配置から、たとえ特定のヒト染色体の数 またはアーム(arm)が未知の場合でも、関連のあるマーカーがわかることが多 い(Whitehead Institute/MIT Center for Genome Reasearch, Genetic Map of th e Mouse, Database Release 10. Aoril 28. 1995)。物理的マッピングにより 新たな配列を染色体アーム、またはその部分に割り当てることができる。これに よって、位置的なクローニングまたは他の遺伝子発見技術を用いる疾病遺伝子の 調査を研究者が行う際の有益な情報が得られる。血管拡張性失調症(AT)のよ うな疾病または症候群が、例えばATと11q22−23(Gatti et al(1988) Nature 336:577−580)との連関のような 特定のゲノム領域との遺伝子の連関により大体の位置が求められると、その領域 に対する配列マッピングが、他の調査用の関連する遺伝子または調節遺伝子を表 すことになる。本発明のヌクレオチド配列を、健常者、キャリア若しくは罹患者 における転位や逆位によって生じた染色体の位置の相違を検出するのにも用いる ことができる。医薬品組成物 本発明の活性な組成物には、IGIF−2の全体あるいはその部分や、抗体や アゴニストを含むIGIF−2に結合するインヒビターが含まれる。このような 組成物は、単体で用いられるか、若しくはそれに安定化剤化合物のような他の薬 剤を少なくとも1種類組み合わせて用いられる医薬品組成物であって、滅菌され た生体適合性の医薬品用の担体に入れて投与され得る。このような担体には、生 理食塩水、緩衝剤で処理された生理食塩水、ブドウ糖及び水などが含まれる。 IGIF−2は、単体で、または他のサイトカイン、薬剤、薬物またはホルモ ンと組み合わせて、賦形剤または薬学的に許容される担体に混合された医薬品組 成物の形態で患者に投与され得る。本発明の一実施例では、この薬学的に許容さ れる担体は、薬学的に不活性なものである。 治療される病状や疾患や疾病によって、これらの医薬品組成物は配合され、局 所的に、あるいは全身に投与される。このような配合及び投与 のための技術の詳細は、“Remington’s Pharmaceutic al Sciences”(Maack Publishing Co, Ea ston PA)の最新版に記載されている。適当な投与経路には、例えば、経 口投与、経膣投与、経粘膜投与等があり、非経口的な投与方法には、例えば筋肉 内投与、皮下投与、髄内投与、くも膜下腔内投与、脳室内投与、静脈内投与、腹 腔内投与、鼻腔内投与がある。IGIF−2やそのインヒビターの投与経路とし て好適なのは、静脈内投与である。 注射による投与のため、本発明の医薬品組成物は、水溶液、好ましくはハンク 溶液、リンガー溶液、または病理学的に緩衝剤で処理された生理食塩水のような 病理学的に適合性の緩衝液に配合される。組織や細胞への投与のため、浸透され る特定のバリアに対する適切な浸透剤を配合しても良い。このような浸透剤は従 来より周知である。 経口投与用の医薬品組成物は、周知の薬学的に許容性の担体を用いて経口投与 に適した投与量で配合される。このような単体により、医薬品組成物が錠剤、丸 剤、糖衣錠、カプセル、液体、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液等の形態で患 者が経口摂取できるように配合される。 本発明における使用に適切な医薬品組成物は、意図した目的を達成するために 効果的な量だけ活性成分が含まれた組成物を含む。効果的な投与量の決定法は当 業者に周知である。 これらの医薬品組成物は、活性成分のほか適当な薬学的に許容性の担体を含み 得る。このような担体には、賦形剤及び活性化合物を薬学的に使用可能な調製物 に変える処理を促進する補助剤が含まれる。経口投与のために配合された医薬品 組成物が錠剤、糖衣錠、カプセル、液体の形態でありうる。 本発明の医薬品組成物は、従来より周知の方法、例えば従来の混合、 溶解、粉砕、糖衣形成(dragee-making)、湿式粉砕、乳化、カプセル化、包入 または親液化処理によって製造され得る。 非経口性投与のための医薬品製剤は、活性化合物の水溶液を含む。更に、活性 化合物の懸濁液は、適当な油性の注射懸濁液として調合される。適切な親油性溶 剤または溶媒は、ごま油のような脂肪油、オレイン酸工チルまたはトリグリセリ ド、またはリポゾームのような合成脂肪酸エステルを含む。液体注射懸濁液は、 懸濁液の粘性を高める物質、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、ソ ルビトール、またはデキストリンを含み得る。所望に応じて、この懸濁液が化合 物の可溶性を高め、高濃度の溶液の調合物ができるようにするための適切な安定 化剤が加えられる。 経口的に使用するための薬学的製剤は、活性化合物と固体の賦形剤とを配合し たり、所望に応じて得られた混合物を粉砕し、顆粒剤の混合物を処理することに よって得られるが、この前に必要ならば錠剤や糖衣錠のコアを得るために適切な 補助剤が加えられる。適当な賦形剤は、ラクトース、スクロース、マンニトール 、またはソルビトールを含む糖、コーンスターチ、コムギ、コメ、ジャガイモ、 または他の植物、及びメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース 、またはナトリウムカルボキシメチルセルロース、及びアラビアゴム及びトラガ カントゴムを含むゴム、及びゼラチンやコラーゲンのようなタンパク質のような 炭水化物またはタンパク質賦形剤である。必要ならば、架橋されたポリビニル− ピロリドン、寒天、アルギン酸またはアルギン酸ナトリウムのようなアルギン酸 の塩のような崩壊剤または可溶化剤が添加される。 糖衣錠のコアは、濃縮された糖の溶液のような適切なコーティングで被覆され るが、このようなコーティングにはアラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリド ン、カルボポルゲル(Carbopol gel)、ポリエチレン グリコール、及び/または二酸化チタン、ラッカー溶液及び適切な有機溶媒また は溶媒混合物が含まれ得る。色素またはピグメントが、生産物の識別のため、ま たは活性化合物の量、即ち投与量を明示するために錠剤または糖衣錠のコーティ ングに添加される。 経口的に使用され得る医薬品製剤には、ゼラチン製のプッシュフィットカプセ ルや、ゼラチン製の密閉カプセル及びグリセロールまたはソルビトールのような コーティングが含まれる。プッシュフィットカプセルは、ラクトースまたはスタ ーチのような賦形剤若しくは結合剤、タルクまたはステアリン酸マグネシウムの ような潤滑剤、及び所望に応じて安定化剤と共に混合された活性化成分を含み得 る。ソフトカプセルの場合は、活性化合物が適当な液体、例えば脂肪油、液体パ ラピン、または液体ポリエチレングリコールに、安定化剤を所望に応じて加えた ものに分解または懸濁される。 薬学的に許容される担体に配合された本発明の化合物を含む組成物は、調製さ れて、適当なコンテナに入れられ、指定された状態の治療のためにラベル付けさ れる。IGIF−2インヒビターの場合は、ラベルに表示された指定の状態には 、炎症の治療が含まれる。 この医薬品組成物は、塩として提供され、様々な酸と共に形成され得る。この ような酸の例には、塩酸、硫酸、酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸等が あるがこれらに限定されない。塩は、水または他の対応する遊離塩基形態である プロトニッタ溶媒においてより可溶性を高める傾向がある。他の場合、好適な製 剤は、4.5〜5.5のpH値の範囲で、1〜50mMヒスチジン、0.1〜2 %スクロース、2〜7%マニトールに未使用の緩衝液に結合された形態の親液性 粉末であり得る。 任意の化合物において、治療的に効果的な投与量は、初めに細胞培地のアッセ イで推定され得る。次いで好ましくは動物モデルにおいて、I GIF−2レベルの調節に望ましい循環濃度の範囲を達成するための投与量が配 合されうる。このようにして得られた情報を用いて、ヒトに対する効果的な投与 量及び投与経路が決定され得る。IGIF−2または、そのインヒビターの治療 的投与の研究において有用な動物モデルの例は、Hutz (1989) Bi ol Reproduction 40:709−713: Hutz et al. (1990) J Med Primatol 19:553−571 ’Kitzman et al. (1992) Cell Tissue Res 268:191−I 96; and Quandt et al. (1993) Biol Reprod 48:1088−1094に記載され ている。 治療に効果的な投与量とは、症状または状態を寛解するようなIGIF−2ま たはそのインヒビターの量を指す。治療的な効果及びこのような化合物の毒性決 定は、細胞培地での標準的な薬学的手順または実験動物によって行われ、例えば ED50(集団の50%に治療的な効果をもたらす投与量)及びLD50(集団 の50%が死に至る投与量)が決定される。治療的効果をもたらす投与量と毒作 用を与える投与量との比は治療係数であり、これはLD50/ED50として表 わされる。医薬品組成物は大きな治療係数を示すものが好ましい。細胞培地アッ セイ及び実験動物の研究から得られたデータは、ヒトに投与される投与量の範囲 を計算するのに用いられる。このような化合物の許容量は、毒性がごくわずか若 しくは全くないED50の投与量だけを含む循環濃度の範囲内にあるのが好まし い。投与量は、使用される薬用量、患者の感受性、及び投与経路に応じてこの範 囲内で様々に変えられる。 正確な投与量は、患者の治療に当たっている外科医個人によって選択される。 投与量及び投与方法は、十分なレベルの活性成分を与えるよう に、または望ましい効果を維持するように調節される。追加の考慮されるべき要 因には、疾病状態の重症度(例えば腫瘍の大きさ及び位置)、患者の年齢、体重 及び性別、食事、投与の回数及び頻度、薬物の組み合わせ、反応感受性、及び治 療に対する耐性及び反応などが含まれる。長時間作用する医薬品組成物は、その 特定の配合の半減期及びクリアランス速度に応じて、3〜4日に1回、1週間に 1回、または2週間に1回投与される。 通常の投与量は、投与経路に応じて、0.1〜100,000μgの範囲であ り、最大投与量は約1gである。特定の投与及び薬物の供給方法についてのガイ ダンスは文献に記載されている。米国特許第4,657,760号明細書、米国 特許第5,206,344号明細書または米国特許第5,225,212号明細 書を参照されたい。当業者は、IGIF−2対してはIGIF−2のインヒビタ ーとは異なる配合を採用できる。同様に、肺への投与方法は、腎臓や胃への投与 方法とは異なるものであることが必要である。 ここに開示する核酸やアミノ酸配列で治療され得る免疫系が関与する疾患には 、ウィルス性感染症(AIDSや肝炎)、細菌性感染症(敗血症)、真菌性感染 症(ヒストプラスマ症)や、寄生虫様の感染症や、アレルギー又は喘息や、例え ばアスベストや石炭の粉塵等にさらされることによる機械的損傷や外傷、動脈硬 化症、アテローム発生、膠原病、或いは自己免疫性溶血性貧血や、胆汁性肝硬変 や、若年性糖尿病や、エリテマトーデスや、多発性硬化症や、重傷筋無力症や、 慢性関節リウマチのような遺伝病、白血病、リンパ種或いは癌腫、クローン病や 他の炎症性腸疾患、或いは白血球又はリンパ球の異常活性を伴う他の疾患が含ま れ、これらの疾患は前述のアッセイにより特異的に診断できることがある。 以下の実施例は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲をこれに限 定しようとするものではない。 産業的応用性 1.cDNAライブラリの構築 説明のため、腎臓cDNAライブラリーの調製を例にとって説明する。IGI F−2やその変異体が見出される他の組織からのcDNAライブラリーは、当業 者に周知の同様な方法で調製された。 腎臓ライブラリーは、生後2日目のスペイン系の女性の腎臓組織(Lot # 95−04−0274;International Institute f or Advanced Medicine,Exon PA)から作製された 。この組織はグアニジニウムイソチオシアネート溶液に溶解され、溶解産物は、 5.7M塩化セシウムクッションと共に、Beckman L8−70M Ul tracentrifugeのBeckman SW28ローター(Beckman In struments)によって、環境温度で18時間かけて25000rpmで遠心分離 された。このRNAはStratageneのRNA単離プロトコルに従って酸 性フェノール(pH4.0)で1回抽出され、0.3M酢酸ナトリウム及び2. 5volのエタノールを用いて沈殿させられ、水に再懸濁され、37℃で15分 間DNアーゼ処理された。ポリA+RNAは、Qiagen Oligotex kit(QIAGEN Inc, Chatsworth CA)を用いて単 離された。 ポリA+RNAは、SuperScript Plasmid System for cDNA Synthesis and Plasmid Clon ing(catalog #18248−013;Gibco/BRL)の推奨 プロトコルに従って取り扱われた。一本目 の鎖cDNA合成は、オリゴd(T)プライマーを用いて行われた。二本目の鎖 合成は、DNAポリメラーゼI、E.coliリガーゼ、及びRNアーゼHの組 み合せを用いて行われた。このcDNAは、T4ポリメラーゼを用いて末端を平 滑化され、このcDNAの平滑末端にSal Iリンカーが付加された。Sal Iを付加された二鎖cDNAはNot Iで消化され、SepharoseC L4Bカラム(catlog#275105;Pharmacia)で分画され た。400bpを超える長さのcDNAは、pSport Iにリゲートされた 。このプラスミドpSport IはDH5a(商標)コンピテント細胞(ca tlog#18258−012; Gibco/BRL)に形質転換のため導入 された。 2.cDNAクローンの単離及び配列決定 プラスミドDNAは、細胞から放出され、次いでMiniprepKit(c atalog#77468;Advanced Genetic Techno logies corporation, Gaithersburg MD) を用いて精製された。このキットは96穴ブロックと960回の精製用の試薬か らなるものである。キットの推奨プロトコルを採用したが、以下の点を変更した 。(1)96個の穴は、それぞれ滅菌Terrific Broth(cata log #22711,LIFE TECHNOLOGIES(商標)Gait hersburg MD)を、カルベニシリン25mg/L及びグリセロール0 .4%と共に満たした。(2)細菌を穴に接種し、60μlの溶解バッファに溶 解した後、24時間培養した。(3)Beckman GS−6Rを用いて29 00rpmで5分間遠心分離するステップの後、ブロックの内容物を一次フィル タプレートに添加した。(4)TRISバッフ ァにイソプロパノールを添加するオプションステップは、定例的に実施しなかっ た。このプロトコルの最終ステップが実施された後、サンプルを保存のためBe ckman96穴ブロックに移した。 このcDNAの配列決定は、Hamilton Micro Lab 220 0(Hamilton, Reno NV)を、4つのPeltier The rmal Cyclers(PTC200 from MJ Research , Watertown MA)及びApplied Biosystems 377または373 DNA Sequencing Systems(Per kin Elmer)と共に用いてSanger F及びAR Coulson (1975; J Mol Biol 94:441f)の方法によって行われ 、リーディングフレームが決定された。 3.cDNAクローン及びその予測タンパク質配列の相同性検索 各cDNAは、Applied Biosystemsによって開発された検 索アルゴリズムをINHERIT(商標) 670 Sequence Ana lysis Systemに組み込んで用いてGenBankの配列と比較され た。このアルゴリズムでは、Pattern Specification L anguage(TRW Inc, Los Angeles CA)が相同領 域の決定のために用いられた。配列比較をどのように行うかを決定する3つのパ ラメータは、ウィンドウサイズ、ウィンドウオフセット、及び誤差許容度であっ た。これら3つのパラメータの組み合わせを用いて、調査対象である配列に対し て相同性を有する領域を含む配列をDNAデータベースから検索し、適当な配列 に対して初期値と共にスコアが付けられた。続けて、これらの相同な領域を、ド ットマトリクス相同性プロット法を用いて検定し、偶 然の一致と真の相同領域とを区別した。相同性検索の結果を表示するためにSm ith−Watermanのアライメントが用いられた。 ペプチド及びタンパク質配列の相同性はINHERIT(商標)670 Se quence Analysis Systemを、DNA配列の相同性の過程 に用いるのと同じ方法で用いて確認された。pattern Specific ation Language及びパラメータウィンドウを用いて、相同性領域 を含むタンパク質配列のデータベースを検索し、相同性領域は初期値と共にスコ アを付けられて表示された。ドットマトリタス相同性プロット法により検定を行 い、有意な相同性領域を偶然の一致と区別した。 BLAST(Basic Local Alignment Search Tool(Altschul SF(1993) J Mol Evol 3 6:290−300; Altschul, SF et al(1990) J Mol Biol 215:403−10))を用いて、局部的な配列の一 致を検索した。BLASTは、ヌクレオチド及びアミノ酸配列双方のアライメン トを検出して、配列の類似性を決定する。アライメントが局部的であることから 、BLASTは、正確な一致の決定、またはホモログの同定において特に有用で ある。BLASTはギャップを含まない一致の検索に有用である。BLASTア ルゴリズム出力の基本的な単位は、High−scoring Segment Pair(HSP)である。 HSPは、アライメントが局部的に最大となる部分の長さが等しく、アライメ ントスコアがユーザが設定したカットオフスコアまたは閾値のスコア以上である ような2つの任意の範囲の断片からなる。BLAST法では、調査対象のデータ ベース配列との間のHSPを探し、発見された一致の統計的有意性を評価し、ユ ーザが選択した有意性の閾値を超え る一致のみを報告する。パラメータEはデータベース配列との一致を報告するた めの統計的有意性の閾値を設定するパラメータである。Eは、データベース検索 全体の文脈の中で、HSP(またはHSPの組)の偶然の一致の発生する予定頻 度の上限と解釈される。Eを満たすデータベース配列は、プログラムの出力で報 告される。 4.ノーザン法による分析 免疫学的組織のmRNAのなかのigif−2転写物の存在を検出するために ノーザン法を用いた(Sambrook et al.上述)。igif−2配 列(配列番号:1)のフラグメントに、放射性標識されたプライマーでランダム に初回刺激を与えた(Exampゥe and hybridized to a Multiple Tissue Northern blot(MTN; Clontech)参照)。 第3図に示すのは、igif−2のノーザン分析の結果の像である。igif− 2の発現は、リンパ組織(脾臓、リンパ節、胸腺、及び骨髄)のほか、虫垂や末 梢血液に由来するRNAを含むレーン上の、標準タンパク質分子量マーカー1. 35と位置の合ったバンドとして明示されている。igif−2転写物は、この 実験で用いられた厳密性をもって、胎児の肝臓のRNAでは検出されなかった。 類似の電子的ノーザン分析ではBLAST(Altschul SF 199 3 and 1990, supra)を用いて、GenBankまたはLIF ESEQ(商標)データベース(Incyte, Palo Alto CA) のようなデータベースにおける同一のまたは近縁な分子を検索した。コンピュー タ検索の感度は、検索の基準値であるプロダクトスコア50に設定した。プロダ クトスコアは以下の式で定義されるものである。 (配列の一致(%)×最大BLASTスコア(%))/100 このプロダクトスコアは、2つの配列間の類似性の度合い、及び配列の長さの 一致を考慮している。例えば、プロダクトスコアが40の場合は、一致は誤差が 1〜2%の範囲で正確であり、スコアが70の場合は正確に一致している。相同 な分子は、通常プロダクトスコアとして15〜40を示すものを選択することに より同定されるが、スコアの低いものは近縁関係にある分子として同定される。 第4図に示すのは電子的ノーザン分析の結果であり、分析結果が、相同性の高 いもの、またはIGIFをコードする転写物が生じたライブラリーのリストとし て示されている。転写物の量やそのパーセンテージも示されている。転写物の量 は、cDNAライブラリーにおける特定の転写の回数を直接反映し、そのパーセ ンテージは、cDNAライブラリーで検査された配列の総数に対する割合である 。 5.igif−2の調節エレメントを回復するまでの延長 完全長igif−2の核酸配列(配列番号:1)を用いて、部分的なヌクレオ チド配列を完全長まで延長するための若しくはゲノムライブラリから5′配列を 得るためのヌクレオチドプライマーをデザインする。プライマーの一方はアンチ センス方向(XLR)の延長を開始するために合成され、他方はセンス方向(X LF)に配列を延長するために合成される。これらのプライマーにより、既知の igif−2配列を「外向きに」延長し、新規な、未知の興味の対象となる領域 に対するヌクレオチド配列を含む単位複製配列を生成することが可能となる(1 995年6月7日出願の米国特許出願第08/487,112号明細書を参照) 。この初回刺激プライマーは、OLIGO(登録商標)(4.06 Prime r Analysis Software(National Biosciences))、または他の適当なプログラムを用いて、長さが2 2〜30ヌクレオチド、GC群50%以上、また約68〜72℃で目的の配列に アニールするように設計された。ヘアピン構造を形成したり、プライマー−プラ イマー二量体化するような任意のヌクレオチドストレッチは取り除かれる。 ヒトゲノムライブラリを用いて配列を延長し、5′上流領域を増幅する。必要 ならば、既知の領域を更に延長するための第2のプライマーの組がデザインされ る。XL−PCR Kit(Perkin Elmer)の指示に従い、酵素と 反応混合物とを徹底的に混合することによって、忠実度の高い増幅が達成される 。各プライマーの40pmol及び推奨された濃度のキットの他の全ての成分を 用いて開始されたPCRは、Peltier Thermal Cycler( PTC200;MJ Research, Watertown MA)を用い て以下のパラメータで実行される。 ステップ1 94℃で1分間(初期変性) ステップ2 65℃で1分間 ステップ3 68℃で6分間 ステップ4 94℃で15秒間 ステップ5 65℃で1分間 ステップ6 68℃で7分間 ステップ7 ステップ4〜6を更に15回反復 ステップ8 94℃で15秒間 ステップ9 65℃で1分間 ステップ10 68℃で7分15秒間 ステップ11 ステップ8〜10を更に12回反復 ステップ12 72℃で8分間 ステップ13 4℃(この温度を維持) 5〜10μ1の反応混合物のアリコットが低濃度(約0.6〜0.8%)アガ ロースミニゲル上での電気泳動により分析され、配列の延長の反応がうまくいっ たか否かが決定する。まず、最も大きい生成物を含むと考えられるバンドを選択 してゲルから切り取る。更に精製を行うため、例えばQIAQuick(商標) (QIAGEN Inc)のような市販のゲル延長法が用いられる。DNAを回 収した後、クレノウ酵素を用いて一本鎖のヌクレオチドの末端の突出をトリムし 、再連結及びクローニングが容易な平滑末端を形成した。 エタノール沈殿の後、生成物は13μlの連結バッファに再度溶解され、1μ lのT4−DNAリガーゼ(15単位)及び1μlのT4ポリヌクレオチドキナ ーゼが添加され、この混合物は室温で2〜3時間、または16℃で一晩インキュ ベートされた。(10plの適当な培養液に入った)コンピテントE.coli 細胞が3μlのリゲーション混合物で形質転換され、80μlのSOC med ium(Sambrook J et al, supra)で培養される。3 7℃で1時間のインキュベーションの後、形質転換混合物全ては、2×Carb を含むLuria Bertani(LB)−agar(Sambrook J et al, supra)上にプレートされる。後日、各プレートからいく つかのコロニーをランダムに取り出し、適当な市販の滅菌96穴マイクロタイタ ープレートの個々の穴に入れられた150μlの液体LB/2×Carb培養液 内で培養される。翌日、5μ1の各一晩培養した培養液は、非滅菌96穴プレー トに送られ、1:10に水で希釈された後、5μlの各サンプルがPCR用のア レイに移される。 PCR増幅のために、4単位のrTth DMAポリメラーゼを含む18μl の濃縮PCR反応混合物(3.3×)、ベクタープライマー、 及び延長反応に用いられる遺伝子特異的プライマーの1または2以上が各穴に添 加される。増幅は以下の条件を用いて行われる。 ステップ1 94℃で60秒間 ステップ2 94℃で20秒間 ステップ3 55℃で30秒間 ステップ4 72℃で90秒間 ステップ5 ステップ2〜4を更に29回反復 ステップ6 72℃で180秒間 ステップ7 4℃(この温度を維持) PCR反応のアリコットは、分子量マーカーと共にアガロースゲル上で泳動さ せられる。PCRの生成物のサイズは、元の部分的cDNAと比較され、適当な クローンが選択されプラスミドにリゲートされて配列決定される。 6.ハイブリダイゼーションプローブの標識 配列番号:1の配列から作られたハイブリダイゼーションプローブは、cDN A、ゲノムのDNAまたはmRNAをスクリーニングするのに利用される。約2 0塩基対からなるオリゴヌクレオチドの標識化については前述したが、より大き いcDNA断片に対しても同じ手順が適用される。オリゴヌクレオチドは、50 pmolの各オリゴマーと250mCiの[γ−32P]アデノシン三リン酸(A mersham, Chicago IL)及びT4ポリヌクレオチドキナーゼ (DuPont NEN(登録商標),Boston MA)を結合することに よって標識される。この標識されたオリゴヌクレオチドは、Sephadex G−25 super fine resin column(Pharmac ia)を用いて概ね精製される。1分あたり107カウントの各セ ンス及びアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む部分が、以下のエンドヌクレア ーゼ(Ase I, Bgl II, Eco RI, Pst I, Xba 1, or Pvu II; DuPont NEN(登録商標))の1つで 消化されるヒトゲノムDNAの一般的なメンブランを用いるハイブリダイゼーシ ョンにおいて使用される。 消化されたDNAのそれぞれは、0.7%アガロースゲル上で分画され、ナイ ロンメンブラン(Nytran P1us, Schleicher & Sc huell, Durham NH)に移される。ハイブリダイゼーションは4 0℃で16時間かけて行われる。非特異的なシグナルを取り除くため、ブロット は、厳密性を高めた条件の下で、最大0.1×塩類クエン酸ナトリウム(sal ine sodium citrate)及び0.5%ドデシル硫酸ナトリウム により、室温で続けて洗浄される。XOMAT AR(商標) film(Ko dak, Rochester NY)がPhosphoimager cas sette(Molecular Dynamics, Sunnyvale CA)上のブロットに数時間露出された後、ハイブリダイゼーションパターンが 視覚的に比較される。 7.アンチセンス分子 igif−2配列、またはその部分は、内生igif−2のin vivoま たはin vitroでの発現の抑制のために使用される。約20塩基対を含む アンチセンスオリゴヌタレオチドの利用については前述したが、より大きいcD NAフラグメントに対しても同じ手順が利用される。igif−2のコード配列 に基づくオリゴヌクレオチドを用いて、内生igif−2の発現が抑制される。 Oligo4.06を用いて、相補的なオリゴヌクレオチドが、保存的な5’配 列からデザインさ れて転写を抑制するために用いられたり、或いは3’配列からデザインされてリ ボゾームがmRNAの翻訳をしないようにするために用いられる。 8.IGIF−2のクローニング及び発現 Kozak配列に対するヌクレオチドは、開始ATGの上流の工学的処理をな された部分であり、ヒスチジンタグの6残基をコードするヌクレオチドが、配列 番号:2の3’末端に付加された。IGIF−2をコードする最適化されたヌク レオチド配列は、pCEPベクター(Invitrogen)に挿入されてクロ ーニングされた。リポフェクタミン(GibcoBRL)を用いて、pCEPを 、前もってEBNA(Invitrogen)で形質転換された293細胞に入 れて形質転換した。次いで300μg/mlのハイグロマイシンを用いて、安定 な形質転換体を選択した。IGIFの天然シグナル配列により、IGIF−2活 性の試験で用いられる増殖培地へのタンパタ質の分泌が行われる。 9.IGIF−2の活性 サイトカインの走化性活性は、通常48穴ケモタキシスチャンバで測定される 。各穴はフィルタにより2つの区画に仕切られ、またこのフィルタは化学勾配に 応じて、一方の区画から他方へ細胞が透過できるようなフィルタである。IGI F−2が分泌された細胞培地を、ポリカーボネートフィルタの一方の区画に入れ 、末梢血液が同じ培養液に懸濁されて、フィルタの反対側の区画に入れられる。 十分なインキュベート時間をかけると、細胞は、拡散によりフィルタを移動し、 IGIF−2の濃度勾配が生ずる。このフィルタが各穴から回収され、サイトカ インに面するフィルタのサイドに張り付いた単球等の細胞が、同定され、計量さ れた。 密度勾配遠心分離によって単球やリンパ球の高濃度の集塊のような細胞集団を 分画化して、それを検定することによって、走化性の特異性が決定される。特定 のT細胞集団は、CD8+及びCD4+特異的抗体を用いてネガティブ選択する ことにより更に精製された。 10.IGIF−2特異的抗体の生成 PAGE電気泳動法(Sambrook, supra)を用いて精製された IGIF−2は、ウサギの免疫化や、標準的なプロトコルを用いた抗体の産生の ために使用され得るが、より一般に用いられるのはモノクローナル法である。i gif−2から翻訳されたアミノ酸配列を、DNAStar software (DNAStar Inc)を用いて分析し、高度に免疫原性の領域を決定し、 対応するオリゴポリペプチドが合成され、当業者には周知の方法で抗体を産生す るのに用いられる。C末端の近傍または親水性の領域(第4図及び第5図参照) のような適当なエピトープを選択するための分析についてはAusbel FM et al(上述)に記載されている。 典型的には、約15の残基を有する長さのこのオリゴポリペプチドは、fmo c−chemistryを用いるApplied Biosystems Pe ptide Synthesizer Model 431Aを用いて合成され 、M−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシコハク酸イミドエステル(M-male imidobenzoyl-N-hydroxysuccinimideester)(MBS; Ausbel et al, supra)と反応させることによってキーホールリンペットヘモシア ニン(KLH, Sigma)に結合される。ウサギは、フロイント完全アジュ バントのペプチド−KLH複合体と共に免疫化される。得られた抗血清は、ペプ チ ドとプラスチックを結合し、1%のウシの血清アルブミンでブロックし、抗血清 と反応させ、洗浄し、かつ放射性ヨウ素標識されたヤギの抗ウサギIgGと反応 させることによって抗ぺプチド活性がテストされる。 11.特異的抗体を用いるIGIF−2の精製 内生または組換えIGIF−2の精製は、IGIF−2に対して特異的な抗体 を用いるイムノアフィニティークロマトグラフィーにより行われる。イムノアフ ィニティーカラムは、IGIF−2抗体をCnBrアクチベイテッドセルファロ ース(CnBr−activated Sepharose)(Pharmac ia Biotech)のような活性化クロマトグラフィー樹脂と共有結合させ ることにより構築される。結合の後、メーカーの指示に従って樹脂がブロックさ れ洗浄される。 IGIF−2を含む溶液はイムノアフィニティーカラムを通され、このカラム はIGIF−2の優先的な吸収が可能な条件の下で洗浄される(例えば界面活性 剤の存在のもと4強度の高い緩衝液で洗浄される)。このカラムは、抗体−IG IF−2結合を分裂させるような条件(例えばpH2〜3の緩衝液または尿素や チオシアン酸塩イオンのような高濃度のカオトロープ)のもとで処理され、IG IF−2が捕集される。 12.IGIF−2と相互作用する分子の同定 IGIF−2または生物学的に活性なその断片は、125Iボルトンハンター試 薬(Bolton, AE and Hunter, WM(1973)Bio chem J 133:529)で標識される。以前に96穴プレートの穴に配 列された候補の分子は、標識されたIGIF−2と共にインキュベートされ、洗 浄されて、標識されたIGIF−2の複合体を有する穴が検定される。異なる濃 度のIGIF−2を用いて得 られたデータは、IGIF−2と候補の分子との結合、アフィニティー、その数 を表す数値の計算に用いられる。 上述の説明の中に記載された全ての文献及び特許明細書は、本明細書と一体に 組み込まれたものとして参照されたい。ここに開示した本発明の方法及びシステ ムを本発明の範囲及び精神を逸脱することなく様々に変更を加えることは当業者 には明らかであろう。本発明は特定の好適実施例に関連して説明したが、本発明 の範囲がここに開示した特定の実施例のみに限定されるものではないということ を理解されたい。実際、分子生物学またはその関連分野の専門家にとって明らか な、ここに開示した本発明の実施例の様々な変更は、請求の範囲に記載の発明の 範囲内に含まれるものとして意図されている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 48/00 C07K 14/52 C07K 14/52 C12P 21/02 ZNAF C12P 21/02 ZNA C12Q 1/68 Z C12Q 1/68 G01N 33/53 D G01N 33/53 33/566 33/566 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AT,AU,BA,BR,CA ,CH,CN,DE,DK,ES,FI,GB,IL, JP,KR,LC,MX,NO,NZ,RU,SE,S G,US (72)発明者 ホーキンズ、フィリップ・アール アメリカ合衆国カリフォルニア州94304・ マウンテンビュー・シォアラインブルバー ド#96 750―エヌ 【要約の続き】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.配列番号:2のインターフェロンγ誘導因子−2(IGIF−2)をコード する核酸配列を含む精製ポリヌクレオチド。 2.前記ポリヌクレオチド配列が、配列番号:1の配列からなることを特徴とす る請求項1に記載の精製ポリヌクレオチド。 3.ポリペプチドの140番目の残基がイソロイシンとなることを特徴とする請 求項1に記載の精製ポリヌクレオチド。 4.ポリペプチドの622番目の残基がチミンとなることを特徴とする請求項3 に記載の精製ポリヌクレオチド。 5.配列番号:2の1番目乃至30番目のアミノ酸残基と、それに後続する配列 番号:3のアミノ酸残基とを有するポリペプチドをコードする核酸配列を含む精 製ポリヌクレオチド。 6.請求項2のポリヌクレオチド、またはその一部分に対して相補的な配列を含 むアンチセンス分子。 7.請求項1に記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。 8.請求項7の発現ベクターで形質転換された宿主細胞。 9.配列番号:2のアミノ酸配列を含む精製ポリペプチド。 10.140番目の残基がイソロイシンであることを特徴とする請求項9に記載 の精製ポリペプチド。 11.請求項9の1番目乃至30番目のアミノ酸残基と、それに後続する配列番 号:3のアミノ酸残基とを有する精製ポリペプチド。 12.効果的な量の請求項6のアンチセンス分子及び薬学的に許容される賦形剤 を含む医薬品組成物。 13.請求項12の医薬品組成物を効果的な量だけ患者に投与する過程を含む、 igif−2の発現の変化を伴う疾患を患う患者の治療方法。 14.請求項2のポリヌクレオチドのオリゴヌクレオチドプローブを含 む診断用組成物。 15.生物学的サンプルにおけるIGIF−2をコードするヌクレオチド配列を 検出するための診断試験方法であって、 a)核酸ハイブリダイゼーション複合体の形成に適切な条件下で、前記生物学 的サンプルと、請求項2のヌクレオチド配列、若しくはそのフラグメントを含む 第1のヌクレオチド配列とを結合する過程と、 b)前記ハイブリダイゼーション複合体を検出する過程であって、前記ハイブ リダイゼーション複合体の存在が、前記生物学的サンプルにおけるIGIF−2 をコードする第2のヌクレオチド配列の存在と相関性を有する、該過程と、 c)前記第2のヌクレオチド配列の量と、標準値とを比較して、前記第2のヌ クレオチド配列の量の標準値との差を求める過程とを含むことおを特徴とし、 前記第2のヌクレオチド配列の異常レベルの存在が、炎症やIGIF−2の異 常発現と正の相関を有することを特徴とする生物学的サンプルにおけるIGIF −2をコードするヌクレオチド配列を検出するための診断試験方法。 16.IGIF−2及びその一部分に対する特異的結合親和性で複数の化合物を スクリーニングする方法であって、 a)複数の化合物を準備する過程と、 b)請求項9のポリペプチドと前記複数の化合物のそれぞれとを、適切な条件 下で、結合するに十分な時間をかけて結合する過程と、 c)前記複数の化合物のそれぞれに対するIGIF−2の結合を検出し、IG IF−2に特異的に結合する化合物を同定する過程とを含むことを特徴とするI GIF−2及びその一部分に対する特異的結合親和性で複数の化合物をスクリー ニングする方法。 17.IGIF−2の生成方法であって、 a)IGIF−2ポリペプチドの発現に適切な条件下で、請求項8の宿主細胞 を培養する過程と、 b)前記宿主細胞の培地から前記IGIF−2ポリペプチドを回収する過程と を含むことを特徴とするIGIF−2の生成方法。 18.請求項9のポリペプチドまたはその一部分に特異的に結合するアンタゴニ スト。 19.請求項18のアンタゴニスト及び薬学的に許容される賦形剤を含む医薬品 組成物。 20.請求項19の医薬品組成物を効果的な量だけ患者に投与する過程を含む、 IGIF−2の発現の変化を伴う疾患を患う患者の治療方法。
JP09524487A 1995-12-29 1996-12-20 インターフェロンγ誘導因子―2をコードする核酸 Pending JP2000502903A (ja)

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