JPH11503058A - 布地手入れ袋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 布地洗浄／回復法を、蒸気発散性収納袋を用いて、熱風衣類乾燥機の中で実施する。この袋は、乾燥機中の思いがけないホットスポットを避ける為に、ナイロンのような耐熱性ポリマーを用いて構成される。袋はその一体性を保持するので、その後のドライクリーニング作業に再使用することができる。使用中に蒸気が袋から発散されるので、それにより洗浄、及び回復中の布地の皺が最小限に抑えられ、また布地から悪臭が除去される。

Description

【発明の詳細な説明】 布地手入れ袋 発明の分野 本発明は、袋型の入れ物の中で熱風環境中で行う、布地のドライクリーニング もしくは「回復」に関するものである。 関連出願 本出願は、１９９６年１月２６日出願の仮出願番号第６０／０１０，６６４号 、及び１９９６年８月２日出願の仮出願番号第６０／０２３，０５１号から、第 ３５米国法典第１１９条（e）に従って、優先権を主張するものである。 発明の背景 古典的な定義によれば、「ドライクリーニング」という語は、非水性の溶剤を 用いて織物を洗浄する方法を説明するのに用いられてきた。ドライクリーニング は古くからの技術であり、溶剤を用いた洗浄は、１８６０年代に英国で初めて記 録されている。典型的には、ドライクリーニング法は、水性の洗濯浴に入れると 縮んでしまうか、もしくは水を用いる洗濯法に付すには余りにも上等であったり 、デリケート過ぎると判断される紡毛織物衣服のような衣服に用いられる。様々 な炭化水素系溶剤やハロカーボン系溶剤が従来から浸漬ドライクリーニング法に 用いられているが、このような溶剤を取扱ったり再生させたりしなければならな いので、従来のドライクリーニング業務は、主として商業的な施設に限られてい た。 溶剤をベースとするドライクリーニング法は、油状の汚れや染みを除去する為 には非常に効果的であるが、土汚れのような粒子を除去するのには最適ではなく 、また蛋白質様の汚れを除去するのには、特別な処理条件を要することがある。 粒子や蛋白質様の汚れは、洗浄性の成分と、従来のドライクリーニングよりも水 に よる洗濯法により近い作業条件とを用いて布地から除去するのが理想的である。 紡毛織物衣服のような或る種の布地に対する効果はさておき、布地の洗浄に関し ては、溶剤をベースとする浸漬ドライクリーニング法には、水を用いた洗濯法に 比べて特別な固有の利点があるというわけではない。しかも、衣服一枚当たりで いえば、商業的なドライクリーニングは、水を用いた洗濯法よりもずっと高価で ある。 典型的なドライクリーニング法の汚れや染みの除去という点以外に、布地の「 回復」用組成物及び方法と呼ぶことのできるものに対する消費者の要望がある。 従って、汚れてはいないが悪臭を吸着していたり、皺になっていたり、さもなけ ればそれらの真新しい外見を失ってしまった布地は、主にそれらの新しさを蘇ら せる為に、従来のドライクリーニング法に付されることが多い。 衣服を洗浄し回復させる為の家庭用の或る種の系には、様々な洗浄剤を含有す るキャリアシートと、プラスチック製の袋とから構成されている。衣服をこのシ ートと共に袋の中に入れた後、従来の衣類乾燥機中で混転させる。商業的な態様 に於いては、使い捨て用の平らなシート複数枚と、何回も使う為のプラスチック 製の袋一枚が、一つのパッケージの中に入っている。残念なことに、このような 家庭での方法は、皺の除去や、或る種の使用条件下での或る布地に関しては最適 ではなく、望ましくないことに皺が増すことがある。 本発明は、このような方法にしばしば伴われ、且つ布地の新しさについての全 体的な印象に否定的なインパクトを与えることのある布地の皺の問題の解決に向 けられている。本発明を実施することにより、使用中に袋から水蒸気を制御して 放出させるオリフィス及び／又はクロージャーをもつ布地手入れ用の袋が提供さ れる。本明細書中で開示する方法で、衣類乾燥機布地洗浄／回復法にこのような 袋を用いると、布地は、この方法を実施する間に、「乾燥−湿潤−乾燥」湿気− 時間プロファイル、及び低温／高温−時間プロファイルを経験する。繊維を滑ら かにし、それらを皺だらけの皺の寄った位置からずらしてほぼ初めの形状にする 為には、布地の表面層が少なくとも最少量の湿気を吸収することが必要である、 と理論付けられている。加熱と組み合わされたより高レベルの水の浸透により、 繊維のポリマーの結晶化度の低下が生じて、冷却及び／又は乾燥させた時に、新 しい形状がもたらされる。この後の場合には、乾燥機用袋は好ましくはない。好 ましい衣服の形状をもたらす、押したり伸ばしたりする通常の条件が袋の中に存 在しておらず、またこのようなより高い加湿条件下では、付加的な皺がランダム に固定されるのが普通であるからである。メカニズムはどうあれ、正味の結果は 、特に袋を本明細書に開示する方法で洗浄用組成物と共に使用した時の、布地の 皺の減少である。しかも、回復方法の一環として、布地から悪臭が除去される。 背景技術 含過酸ドライクリーニング用組成物が、１９７７年３月２２日にH．Castranta s等に対して発行された米国特許第４，０１３，５７５号明細書に記載されてい る。ドライクリーニング法は、１９９６年８月２０日にSiklosiとRoetkerに対し て発行された米国特許第５，５４７，４７６号、１９９１年５月２９日に公開さ れたLeigh等のヨーロッパ特許出願第４２９，１７２Ａ１号、及び１９９３年８ 月２４日にSmith等に対して発行された米国特許第５，２３８，５８７号の各明 細書に開示されている。ドライクリーニング用組成物、及びドライクリーニング 法の他、布地の皺の処理に関するその他の文献には、以下のものが含まれる。英 国特許第１，５９８，９１１号、米国特許第４，１２６，５６３号、第３，９４ ９，１３７号、第３，５９３，５４４号、第３，６４７，３５４号、第３，４３ ２，２５３号、及び第１，７４７，３２４号、並びにドイツ特許出願第２，０２ １，５６１号、第２，４６０，２３９号、第０，２０８，９８９号、及び第４， ００７，３６２号の各明細書。洗浄用／予備染み抜き用組成物、及び方法も、例 えば米国特許第５，１０２，５７３号、第５，０４１，２３０号、第４，９０９ ， ９６２号、第４，１１５，０６１号、第４，８８６，６１５号、第４，１３９， ４７５号、第４，８４９，２５７号、第５，１１２，３５８号、第４，６５９， ４９６号、第４，８０６，２５４号、第５，２１３，６２４号、第４，１３０， ３９２号、及び第４，３９５，２６１号の各明細書に開示されている。洗濯物の 乾燥剤用のシート状の支持体が、カナダ特許第１，００５，２０４号明細書に開 示されている。米国特許第３，９５６，５５６号、及び第４，００７，３００号 は、衣類乾燥剤中の布地調整用の穴の開いたシートに関するものである。米国特 許第４，６９２，２７７号明細書には、液体洗浄剤中に１，２−オクタンジオー ルを使用することが開示されている。米国特許第３，５９１，５１０号、第３， ７３７，３８７号、第３，７６４，５４４号、第３，８８２，０３８号、第３， ９０７，４９６号、第４，０９７，３９７号、第４，１０２，８２４号、第４， ３３６，０２４号、第４，５９４，３６２号、第４，６０６，８４２号、第４， ７５８，６４１号、第４，７９７，３１０号、第４，８０２，９９７号、第４， ９４３，３９２号、第４，９６６，７２４号、第４，９８３，３１７号、第５， ００４，５５７号、第５，０６２，９７３号、第５，０８０，８２２号、及び第 ５，１７３，２００号、ヨーロッパ特許第０，２１３，５００号、及び第０，２ ６１，７１８号、英国特許第１，３９７，４７５号、国際特許出願第９１／０９ １０４号、第９１／１３１４５号、及び第９３／２５６５４号の各明細書、並び にHunt，D.G．及びN.H．Morris著、「PnB and DPnB Glycol Ethers」、HAPPI 、 １９８９年８月、７８〜８２頁も参照のこと。 発明の要旨 本発明は、蒸気発散評価テストにより測定した場合の（以下に記載するような ）ＶＶＥ等級が少なくとも約４０、好ましくは少なくとも約６０である、蒸気発 散性の収納袋を包含する。好ましい態様に於いては、この袋は、約９０以下、よ り好ましくは約８０以下のＶＶＥを有している。好ましいＶＶＥ範囲は約５０〜 約 ９０であり、より好ましくは約６０〜約８０であり、約７０がこの封筒型の袋に とっては最適に近い。 このような蒸気発散性収納袋の一つは、開放端、閉端、及び内面と外面とを有 する柔軟性のある側面からなっており、該袋の開放端は、柔軟性のあるフラップ をもたらす、該開放端を越えて延びている一つの側面の区画を有していて、該フ ラップは第一締結具を有しており、該フラップは対向する側面の外面の一部分の 上に達するように折り曲げることができ、該フラップは、該第一締結具を、該対 向側面上に存在している第二締結具に係合させることにより、袋の対向側面の外 面に貼りつけることができ、それにより袋の開放端にクロージャーがもたらされ 、該第一締結具と該第二締結具は、係合した時に、該クロージャーに沿って蒸気 発散用の隙間を少なくとも一つもたらすように配置されている。他のこのような 袋は、開放端、閉端、及び内面と外面とを有する柔軟性のある側面からなってお り、側面の長さは等しく、第一の側面はその幅の一部分上にノッチが付いていて 、それにより該対向側面が、該第一側面の該ノッチ付き部分を越えて延びており 、それにより柔軟性のあるフラップがもたらされ、該フラップは、該ノッチ付き 部分の上で折り曲げることができ、該袋を閉じた時に、蒸気発散用の隙間がもた らされる。このような袋は、少なくとも約２６０℃迄耐熱性を示す、（ナイロン 、例えばナイロン−６のような）フィルムから作るのが好ましい。 袋上に用いる該第一締結具と該第二締結具は、一緒になって、機械的もしくは 接着性締結具を構成することができる。締結具は、蒸気発散性袋の多数回の使用 サイクルにわたって、再使用可能であるのが好ましい。 他の態様に於いては、側面に穴の開いている、上記のようなＶＶＥ等級をもつ 蒸気発散性袋が提供される。所望のＶＶＥを達成する為に、蒸気発散用のクロー ジャーと穴の組み合わせを用いることもできる。 本発明はまた、本発明による蒸気発散性袋のいずれかの袋の中で、水を含んで なる布地洗浄用／回復用組成物に布地を接触させることによる、布地を洗浄する 、及び／又は回復させる方法も包含する。一つの都合の良い方式に於いては、こ の方法を、約４０〜約１５０℃の温度の熱風衣類乾燥機中で実施する。それによ り、該布地に存在している悪臭が、蒸気発散特性により袋から発散される。この 方法は、布地の皺が最低限に抑えられるようなやり方で実施するのが好ましい。 従って、当該技術分野で開示されている方法とは異なり、本発明は、布地を洗 浄用／回復用組成物と共に収納袋に入れて、装置を加熱しながら運転することに より、機械的な装置中で布地を洗浄／回復させる方法に於いて、該方法を実施す る間に水蒸気を発散させる袋を用い、それにより悪臭を袋から放出させ、且つ布 地の皺を最小限に抑えることを含む改良をもたらす。この改良は、該袋のＶＶＥ 等級が少なくとも約４０の時に最適に得られる。この方法は、どのような装置中 でも実施することができるが、熱風衣類乾燥機中で加熱して、混転させながら実 施するのが便利である。 本発明はまた、下記（ａ）および（ｂ）に示されるものを含有する包装容器か らなる、布地洗浄用もしくは回復用のキットを、ユーザーに提供するものである 。 （ａ）水、及び任意の成分である布地洗浄用／回復用の非水成分を放出可能な ように含有するキャリアからなる吸収性製品を一つ、もしくは二つ以上と、 （ｂ）水蒸気発散性（もしくは蒸気透過性）の収納袋。 このようなキットは、下記（ａ）及び（ｂ）に示されるものから構成されても よい。 （ａ）一回使用した後で捨てることのできる該吸収性製品を１〜約１０個、及 び （ｂ）何回も使用するように設計された蒸気発散性袋。 好ましい方式に於いては、キット中の該吸収性製品のそれぞれには、水を合計 少なくとも約１ｇ、好ましくは約１〜約３５ｇ含有する。 本明細書中のパーセンテージ、比、及び割合は、特に断りのない限り、重量に よるものである。関連部分で引用した文書は全て、参考として本明細書に記載す るものである。 図面の簡単な説明 図１は、本発明で用いるタイプの洗浄用／回復用シート（１）の透視図である 。 図２は、折り曲げる前の状態にあるノッチ付き蒸気発散性収納袋の上にルーズ に置いたシートの透視図である。 図３は、熱風衣類乾燥機中で処理しようとする布地を入れる準備のできた袋に の中の入っているシートの透視図である。 図４は、袋のノッチの付いた面と、クロージャーフラップに対するその位置を 示す部分図である。 図５は、ルーズな洗浄用／回復用シートの入っている、ノッチの付いていない 蒸気発散性袋の透視図である。 図６は、蒸気発散用のクロージャーをもつ「封筒」型の蒸気発散性袋、標準的 な袋、すなわち発散用のクロージャーのない密閉された袋、及び各端に蒸気発散 用のクロージャーをもつ「封筒型袋（２）」からの水の発散を示すグラフである 。 図７は、図６に於ける水の発散をグラムで表したグラフである。 図８は、皺になっている、皺になっていない、皺が除去された、及び皺が除去 されていない布地について、本発明の方法の作業範囲間の関係を示すグラフであ る。 図９は、布地の局所的な汚れを予備洗浄する為に本発明で用いる、組み立て済 の弓形の洗浄器具（２０１）の透視図である。 図１０は、弓形のベース（２０２）、円筒状のシャフト（２０３）、及びスポ ンジ層（２０５）と、洗浄機能を果たす繊維状の突起の層（２０６）とは別の取 手からなる球（２０４）を示す、器具の分解組立図である。 図１１は、本発明の収納袋の中に布地を入れる前に、手による圧を用いて局所 的な布地の汚れ（２０７）を染み抜き処理する為に、弓形で凸状の洗浄用ベース を使用することを説明するものである。この図では、処理しようとする布地の下 に置かれた保持皿が示されている。 図１２は、凸状のベース（３０１）が実質的に円形の円周を有している器具の 透視図である。 図１３は、本発明に用いるのに非常に好ましい弓形の洗浄器具の透視図である 。 発明の詳しい説明 本明細書の開示内容から、本発明は、布地、特に衣服を、従来の熱風衣類乾燥 機のような単純で容易に入手可能な装置の中で洗浄し、また回復させる為に、様 々なオプションをユーザーに提供する、ということが分かるであろう。本発明の 方法は、「ドライクリーニングのみ」（ＤＣＯ）の衣服を包含する、あらゆるタ イプの布地／衣服に用いることができる。好ましい態様に於いては、ユーザーに 、洗浄用／回復用組成物を放出可能なように含有している吸収性コアからなる製 品を提供する。一つの態様に於いては、液状組成物を飽和させたこのコアは、有 孔「成形フィルム」のような外部カバーシートで実質的に覆われている。このフ ィルムは組成物が蒸気の状態で通過することのできる開口を有しているが、液体 は流れ込めるものの、外側へ向かう流れはコア中に幾分押し止めるようなバリア を形成している。液体を飽和させたこのコアは、例えば、ナイロン、ポリエステ ル、ポリプロピレン等のような繊維からなる、低密度で非水吸収性の織られてい るシート、もしくは不織のシートで覆われていてもよい。更に、ユーザーには、 別個の染み除去用（「予備染み抜き用」）組成物も、オプションとして提供する ことができる。 本発明の方法で（汚れている、皺になっている、もしくは悪臭のする衣服のよ うな）布地を処理する場合、非常に汚れている部分がないか、衣服を先ず調べる 。もしそのような部分がなければ、処理しようとする衣服を、本発明の洗浄用／ 回復用製品と共に、本発明の蒸気発散性収納袋の中に入れて、開示されている方 法で、すなわち「乾燥機中の」工程で、熱風衣類乾燥機の中で混転させる。 もし非常に汚れている部分が見つかれば、乾燥機中の工程の前にその部分を別 個に処理するのが好ましい。この予備染み抜き工程を実施する為には、ユーザー には、以下のような幾つかの選択の余地がある。 （Ａ）染みは、例えばブラシ、スポンジ等の従来の道具を用いて、従来の染み 抜き剤で個々に処理することができる。従来の溶剤をベースとする染み抜き剤は 、染料に損傷を与え、また布地上に残留物を残すことがあるので、この方法は好 ましくない。しかも、従来の両辺（Ｘ−Ｙ面）動作によるブラッシングは、布地 を傷めることがある。 （Ｂ）染みは、本発明の製品の上に布地の染みの付いている部分を置き、ブラ シで下向き（Ｚ−方向）に押しつけることにより、より好ましくは、以下により 詳しく説明するような凸状の器具を用いることにより、個々に処理することがで きる。布地にかけるこの圧により、液状の洗浄用／回復用組成物の一部が、圧を かけた箇所の布地の中にしみ込み、それにより部分的な汚れ除去がなされる。そ の後、この布地と洗浄用／回復用製品とを、本発明の蒸気発散性収納袋の中に入 れて、乾燥機中で処理する。 （Ｃ）三番目の、より好ましいオプションは、別個の予備染み抜き用組成物を ユーザーに提供するものである。使用時に、これを布地の汚れている部分に塗布 し、好ましくは凸状の洗浄器具を用いてしみ込ませる。オプションとして、処理 中の布地は、この工程中、汚れ受容体、もしくはその他の吸収性物質の上に配置 させることができる。このオプションは、予備染み抜き工程用の液状組成物を、 乾燥機中での工程用の組成物とは違う配合にできるという利点がある。例えば、 予備染み抜き用組成物は、乾燥機中用の組成物よりも高いレベルの溶剤を任意の 成分として含有することができる。もしくは、予備染み抜き用組成物は、乾燥機 中での工程で用いるのにはやや適さない過酸化物、界面活性剤レベル等を含有す ることができる。或いは、予備染み抜き用組成物と乾燥機中用の組成物とは、同 一であってもよい。しかしながら、配合者は、この方法で作業を行う場合、より 高い自由度を有している。この予備染み抜き工程の後、布地と洗浄用／回復用製 品とを本発明の蒸気発散性収納袋の中にルーズに入れて、好ましくは熱風衣類乾 燥機中で一緒に混転させる。 収納袋−例えば布、又は織られているか、もしくは不織のタオルのようなキャ リア基材に高含水率の組成物を含ませて、高温で運転中の衣類乾燥機等の中にあ る袋の環境中に入れて、ドライクリーニングの代わり、もしくは「布地回復」法 として、布地から悪臭を除去することができる、ということが今回分かった。こ の袋の中に形成された暖かい湿った環境により、悪臭成分が「水蒸気蒸留」法の やり方で揮発させられ、また布地とその上の汚れが濡らされる。布地をこのよう に湿らせることにより、前からできている皺を伸ばすことができるが、過度に濡 れた布地には、乾燥段階で乾燥サイクルの終わりに近づくと、新たに皺がつくこ とがある、ということが今回分かった。本発明の方法に用いる水の量を適切に選 択し、且つ、重要な、このやり方での袋の通気を適切に行うことにより、皺を最 小限に抑えることができる。また、袋の通気を行わないと、布地から落ちて揮発 した悪臭成分が、望ましくないことに、布地に再付着してしまうことがある。 本発明は、このように、布地の洗浄／回復作業に用いる為の蒸気発散性収納袋 を提供するものである。この袋は、何回も再使用するように設計するのが好まし く、また特に、例えば家庭もしくは商業的な洗濯／クリーニング施設にあるもの のような、いずれかの従来の熱風衣類乾燥装置中で消費者が使用するのに合わせ られている。本発明の袋は、具体的には、本明細書中に記載されている方法で用 いた場合に、袋の中から放出される水蒸気、及びその他の蒸気を発散するように 設計されている。袋から放出された蒸気は、その後、乾燥装置の通気口を通って 排出される。 以下により詳しく説明するように、好ましい袋には、使用中に蒸気を袋から放 出する一つ、もしくは二つ以上の隙間をもたらす蒸気発散用のクロージャーが設 けられている。好ましい態様に於いては、この隙間の大きさは、指示されている 作業条件下での袋からの蒸気の放出が制御されるように選択する。他の隙間の大 きさや作業条件を用いることができるが、洗浄／回復機能を果たす為の袋の中へ の蒸気の封じ込めと、袋からの蒸気の放出との間の好ましいバランスを、今回、 以下に開示する原理を用いて決定した。 或いは、袋には、蒸気発散をもたらす一続きの穴、もしくはその他の穴を設け てもよい。しかしながら、このような発散は、蒸気発散用クロージャー程は効果 的でない。 一つの態様に於いては、本発明は、開放端、閉じた端、及び内面と外面とを有 する柔軟性のある側面からなる蒸気発散性収納袋を包含する。該袋の開放端は、 柔軟性のあるフラップをもたらす、該開放端を越えて延びている一つの側面の区 画を有していて、該フラップは、それに貼りつけられている第一締結具を有して おり、該フラップは対向する側面の外面の一部分の上に達するように折り曲げる ことができ、該フラップは、該第一締結具を、該対向側面の外側の面上に存在し ている第二締結具に係合させることにより、袋の対向側面の外面に貼りつけるこ とができ、それにより袋の開放端にクロージャーがもたらされる。該第一締結具 と該第二締結具は、係合した時に、蒸気発散用の隙間を、該クロージャーに沿っ て、特にクロージャーの横の端にもたらすように配置されている。本発明の袋は 、少なくとも約２０４〜２６０℃迄耐熱性を示すフィルムから作るのが最も好ま しい。この袋を作るのに好ましいフィルム材料は、ナイロンである。他の態様に 於 いては、蒸気の発散を促進させ、且つ最適化させる為に、袋の一つの面の端に、 その幅のかなりの部分に沿ってノッチを付ける。 別の方式に於いては、クロージャーを設ける為にフラップを折り曲げ、対向す る側面の内側にしまい込み、そこで締結具により固定することができる。この方 式に於いては、蒸気はクロージャーに沿って、特にクロージャーの横の端の所で 発散される。また別の方式に於いては、側面は同じ大きさであって、フラップは 設けない。側面の内面の一部分に沿って間欠的に配置された締結具は、側面のリ ップを一緒に押さえると係合されて、クロージャーをもたらす。締結具が存在し ていない場合には、クロージャーの領域に、一つ、もしくは二つ以上の蒸気発散 用の隙間を形成する。 本発明に於ける締結具は化学的な接着剤を含んでなることができるが、袋は、 何回も使用するように設計するのが好ましい。従って、再使用可能な機械的な締 結具が、本発明に用いるのには好ましい。袋を閉じて締結具を係合した時に蒸気 発散用のクロージャーがもたらされるように締結具のエレメントを配置できるの であれば、いかなる再使用可能な締結具、もしくは締結手段も用いることができ る。非限定的な例には、以下のものが含まれる。該第一締結具と該第二締結具が 一緒になって、フック−ループ（ベルクロ（商品名）タイプ）締結具を構成する 袋；１９９１年１０月２２日にThomasとBlaneyに対して発行された米国特許第５ ，０５８，２４７号明細書に記載されているようなフック締結具；該第一締結具 と該第二締結具が一緒になって、フック−紐タイプの締結具を構成する袋；該第 一締結具と該第二締結具が一緒になって、接着性の締結具を構成する袋；該第一 締結具と該第二締結具が一緒になって、トグルタイプの締結具を構成する袋；該 第一締結具と該第二締結具が一緒になって、スナップタイプの締結具を構成する 袋；その他、蒸気の発散が行えるように締結具を配置するのであればフック−小 穴締結具、ジップロック（商品名）形式の締結具、ジッパータイプの締結具等 がある。袋を閉じた時に蒸気の発散が保持されるのであれば、その他の締結具を 用いることができ、また締結具は、袋とその中身とを衣類乾燥機中で混転させて いる時に、フラップが開いてしまうことがないくらい十分に丈夫である。これら の締結具は、多数の蒸気発散用の隙間がクロージャーに沿って、もしくは横の端 の所に形成されるように、又は隙間がクロージャーの一方の端にずれるように配 置させることができる。また別の態様に於いては、袋の両端に蒸気発散用のクロ ージャーを設ける。このタイプの袋は、図６、図７、及び図８で「封筒型の袋（ ２）」といわれるものである。 従来の米国式の自動家庭用熱風衣類乾燥機中で用いるように設計された上記の タイプの袋として好ましいものは、約１０，０００〜約２５，０００ｃｍ³の容 積をもっている。 本発明では、上記の蒸気発散性収納袋中で、水を含んでいる布地洗浄用／回復 用組成物と布地とを接触させることにより、該布地を洗浄する、もしくは回復さ せる方法も用いられる。この方法は、約４０〜約１５０℃の乾燥機運転温度で、 熱風衣類乾燥機等の中で実施するのが都合良い。それにより、該布地に存在して いる悪臭が、蒸気発散用クロージャにより、袋から発散される。 袋の通気能力の設計次第で、上記の効果の適切なバランスが得られる。密封さ れた蒸気を透過しない「閉じた」袋は、悪臭を追放せず、また布地を過度に湿ら せるので皺になる。過度に「開いた」袋のデザインは、ひどい悪臭を可動化させ たり、前からある布地の皺を取るのに十分には、布地、もしくは汚れを湿らすこ とがない。更に、袋は、水蒸気圧下でうねり、かつ空隙率を形成するのに十分な くらい、「閉じて」いなければならない。このような袋の中では、布地は自由に 混転することができ、また蒸気に曝される。 袋は、水蒸気の一部をトラップする（特に乾燥機サイクルの初期に於いて）が 、サイクルの終わり迄には水の殆どを逃すのに、十分な通気性を有するように設 計 しなければならない。別の方法では、蒸気の放出速度は、蒸気の発散と蒸気のト ラップのバランスを保つ為に、最適化されているのが好ましい。好ましい袋の設 計には、大きい封筒のフラップのようなクロージャーフラップ（好ましくはフッ ク−ループベルクロ（商品名）タイプの締結具をもつもの）をもつ、例えばナイ ロンのような水蒸気を透過しないフィルムを用いる。クロージャーフラップの折 り重ねた部分のゆるみの程度は、袋からの蒸気発散の速度をコントロールする蒸 気発散用空隙、もしくは部分的な開口を設ける為に、変えることができる。別の 方式に於いては、通気を更に調節する為に、フラップとは反対側の側面の端に沿 って、ノッチを切りこむ。図に示されている締結具は、クロージャーに沿って一 部分だけに配置されており、それによりクロージャーの横の端の所でも通気が生 じる。 図８から分かるように、本発明での目標は、好ましくは、グラフ上の皺のない ／皺の除去された範囲内で作業することである。この範囲は、布地のタイプによ って変わることがある。しかしながら、全体的な目的としては、本明細書に開示 されているやり方で本方法を行って、新たな皺の形成を最小限に抑え、また処理 前に衣服に既に存在していた皺を除去することである。また、悪臭に関しては、 悪臭の除去を十分に行う為には、十分な量の水（基材上の水のグラム）を送るの が好ましい。実際には、このことは、本発明の通気孔を設けた袋を用いての作業 は、曲線の右手の部分に向かう条件下で、すなわち液体の洗浄用／回復用組成物 が約１５．２〜約３１グラムである範囲で行うのが好ましい、ということを意味 する。グラフを参照すると、少ない量の液体を用いることは可能であるが、皺を 布地から十分に除去することができず、悪臭の除去に苦しむ。過剰の、例えばこ のグラフ上では約３８グラムの液体を、通気性６０％（以下に説明する通り６０ ＶＶＥ）の袋に用いると、布地に皺がつき始める。より高いＶＶＥをもつ袋は、 理想的な範囲内のより高い水分レベルで機能することができる（例えば「封筒型 の袋（２）」）。これらの点から、キャリア基材は本発明の液体組成物で「滴る 」程には飽和されていてはならない、ということが分かった。過度に濡れている （「滴る」）と、洗浄、回復中の布地への局所的な水の移動により、皺が生じる ことがある。より大きな液体容量を得る為には、より大きなキャリア基材を用い ればよいと考えるかもしれないが、これにはそれ自体限界がある。大きすぎるキ ャリアシートは、洗浄、回復中の布地と絡まり合うことがあり、布地を局所的に 過度に濡らすこととなる。従って、本発明で用いるキャリアシートが、記載した 袋、及び乾燥機のサイズに最適であるが、それらのサイズは、不適当な実験をし なくとも、より大きい、もしくは小さい袋、及び／又は乾燥機ドラムの容量に対 して、比例的に調節することができる。 袋から取り出した布地は、通常、幾らかの量の水分を含んでいる。これは、布 地のタイプにより異なる。例えば、グラフ上に示されている最適範囲で処理した 絹は、水分を約０．５〜約２．５重量％含んでいる。ウールは、水分を約４重量 ％以下含んでいる。レーヨンも、水分を約４重量％以下含んでいる。これは、布 地が、触ったときに必ずしも明らかに「湿っている」ということではない。むし ろ、水が蒸発するので、布地は冷たい感じ、もしくは冷たく湿った感じがする。 このようにして得られた布地は、更に風乾させる為に吊るしてもよく、それによ り皺を防ぐことができる。布地はユーザーの希望により、アイロンをかけるか、 もしくはその他の仕上げ工程に付すことができる。 以下の事項は、本発明の方法での蒸気発散性袋の製造及び使用に於いて、配合 者を助ける為のものであって、それらを限定するものではない。 袋の寸法−図３は、ノッチ付きの袋の全体的の寸法を示している。すなわち、 折り曲げ線に沿った長さ（７）は２７ ５／８インチ（７０．２ｃｍ）、袋の幅 （８）は２６インチ（６６ｃｍ）、折り曲げ線（１１）のベースに付いているフ ラップは２と３／８インチ（６ｃｍ）。以下で報告するテストでは、この袋を開 いた時の寸法を「２６インチ×３０インチ」（６６．０６ｃｍ×７６．２０ｃｍ ）とする。 図４は、ノッチ付きの袋の様々なエレメントの位置を更に詳しく示すものであ る。この態様に於いては、全ての寸法は、袋の右側も左側も同じである。ここで の寸法は、全体の（フラップを含む）長さが約３０インチ（７６．２ｃｍ）、幅 が約２６インチ（６６ｃｍ）の、開いている袋についてのものである。袋の横の 端から、フラップ（５）の内側に位置している締結具（３）の一番外側の端まで の距離（９）は、約２インチ（５ｃｍ）である。この態様に於いては、面（２ａ ）の内側にある締結具（３）は、幅（１３）約０．７５インチ（１．９ｃｍ）、 全長約２２インチ（５５．９ｃｍ）の、ベルクロ（商品名）タイプのストリップ のループの部分からなっている。締結具（６）は同様に面２（ｂ）の外側に配置 されており、ベルクロ（商品名）タイプのストリップの３／４インチ（１．９ｃ ｍ）のフックの部分からなっている。距離（９）は、袋を閉じて締結具を係合さ せた時のフラップの端での通気を減少、もしくは増加させる為に、短くするか、 もしくは長くすることができる。フラップの一番上の端とノッチのベースとの間 の距離（１０）は、約２と７／８インチ（７．３ｃｍ）である。袋の横の端と、 ノッチの横の端との距離（１４）は、約０．２５インチ（０．６４ｃｍ）である 。フラップの一番上の端と折り目（１１）との間の距離（１５）は、約２と３／ ８インチ（６ｃｍ）である。フラップの一番上の端と、フラップに貼りつけたベ ルクロ（商品名）タイプのストリップ（３）の先端との間の距離（１６）は、約 ３／８インチ（０．９５ｃｍ）である。折り目（１１）とノッチの一番下の端と の間の距離（１７）は、約１／２インチ（１．２７ｃｍ）である。この距離も、 蒸気の発散を減少もしくは増加させる為に変えることができる。０．２５〜１． ５インチ（０．６４〜３．８１ｃｍ）の範囲が典型的である。ベルクロ（商品名 ）タイプのストリップ（６）の一番上の端とノッチの底端との間の距離（１８） は、 約３／４インチ（１．９ｃｍ）である。ベルクロ（商品名）タイプのストリップ （３）の一番下の端と折り目（１１）との間の距離（１９）は、約１と１／４イ ンチ（３．１７ｃｍ）である。 図５は、ノッチの付いていない封筒型の袋についての、側面（２ａ）と側面（ ２ｂ）を含んでなる上記の全体的な大きさの、追加の寸法の詳細を示すものであ る。ここでもまた、各ベルクロ（商品名）タイプのストリップ（３）と（６）は 、幅約３／４インチ（１．９ｃｍ）、長さ約２２インチ（５５．９ｃｍ）である 。各ストリップは、完成した袋の面、及びフラップの横の端のそれぞれから、約 ２インチ（５ｃｍ）内側になるように位置させる。側面（２ｂ）の先端と、袋の フラップ部分上の締結ストリップ（３）のベース端との間の距離（１２）は、約 ２と１／２インチ（６．３５ｃｍ）である。締結ストリップ（６）のベース端と 側面（２ｂ）の先端との距離（２０）は、約２．２５インチ（５．７ｃｍ）であ る。締結ストリップ（６）の先端と側面の先端との距離（２１）は、約１と３／ ８インチ（３．５ｃｍ）である。折り目（１１）と締結ストリップ（３）のベー ス端との距離（２２）は、約２インチ（５ｃｍ）である。締結ストリップ（３） の先端と、側面（２ａ）の延長であるフラップの一番上の端との間の距離（２３ ）は、約０．２５インチ（０．６４ｃｍ）である。距離（２４）は、約３と５／ ８インチ（９．２ｃｍ）である。前記のノッチの付いた袋に於けるように、締結 具の位置と長さは、通気を減少もしくは増加させる為に、調節することができる 。 布地を中に入れて熱風洗濯物乾燥機、もしくは類似の装置の中で用いる、好ま しい耐熱性のある蒸気発散性袋の構成には、内部のセルフシール、及び過度に加 熱された衣類乾燥機により時々生じることのある外部表面の変形に対して必要と される耐温度性をもたらす為に、耐熱性フィルムを用いるのが好ましい。更に、 袋は、本発明の洗浄用もしくは回復用組成物に用いられる化学薬品に対して耐性 を有している。袋の材質を適切に選択することにより、袋が溶けたり、袋が溶け て穴が開いたり、袋の面同士がくっついてしまうといった、受け入れがたい結果 を避けることができる。好ましい方式に於いては、締結具も耐熱性の材料で構成 する。図３、及び図５に示されているように、一つの態様に於いては、１〜３ミ ル（０．０２５〜０．０７６ｍｍ）の耐熱性のナイロン６のフィルムを折り曲げ てシールし、収納袋にする。シールは、標準的なインパルスヒートシール装置を 用いて行うことができる。別の方式に於いては、ナイロンのシートを単純に半分 に折り、その端の内の二つに沿ってシールする。また別の方式に於いては、空気 を吹き込む作業により袋を作ることができる。袋を組み立てる方法は、製造者が 入手できる装置により変更可能であり、またそれは、本発明を実施する上では重 要ではない。 収納袋の寸法は、予定している最終用途により変更することができる。例えば 、絹のブラウスを一枚、もしくは二枚入れるのに十分な、比較的小さい袋を提供 することができる。或いは、男性のスーツを取り扱うのに適した、より大きな袋 を提供することができる。典型的には、本発明の袋の内容積は約１０，０００〜 約２５，０００ｃｍ³である。この範囲の大きさの袋は、殆どの米国式の家庭用 乾燥機の中で乾燥機の通気口を塞ぐほど大きいということはなく、ほどよい量の 布地（例えば０．２〜５ｋｇ）を入れるのに十分である。これより幾分小さい袋 は、比較的小さいヨーロッパや日本の乾燥機に用いることができる。 本発明の袋は柔軟性があるのが好ましいが、更に、何回も使用するのに十分耐 え得る耐性を有しているのが好ましい。袋は、それが使用時にうねることができ 、それにより、使用中の袋の中で中身を自由に混転させるのに十分な剛性も有し ているのが好ましい。このような袋は、典型的には、０．０２５〜０．０７６ｍ ｍ（１〜３ミル）の厚さのポリマーシートから作る。袋に更なる剛性を望むので あれば、それより幾分厚いシートを用いてもよい。 熱的に安定な「ナイロンだけ」の袋の他に、本発明の収納袋は、同時押出した ナイロン及び／又はポリエステル、又は例えばプロピレンのようなやや熱的には 適切でない内部コアを取り囲んでいるナイロン及び／又はポリエステルの外層及 び／又は内層を用いて作ることもできる。別の方式に於いては、袋を、例えばナ イロンもしくはポリエチレンテレフタレートのような耐熱性物質を含んでいる不 織の外「殻」、及び蒸気遮断層をもたらすポリマーの内部シートを用いて構成す る。不織の外殻は袋が溶けるのを防ぎ、ユーザーに改善された感触を与える。構 成はどうであれ、目的は、少なくとも約４００〜５００°Ｆ（２０４〜２６０℃ ）の温度での熱応力の条件下で、袋の一体性を守ることである。過度の加熱の心 配のない環境下では、袋は、ポリエステル、ポリプロピレン、もしくはいずれか の都合のよいポリマー物質から作られたものであってよい。 蒸気発散性の評価−最も広い意味に於いては、本発明で用いる好ましい蒸気発 散性収納袋は、本発明の方法で用いる衣類乾燥機、もしくはその他の熱風装置の 運転サイクル中に袋の中にもたらされる全水分の少なくとも約４０重量％、好ま しくは少なくとも約６０重量％で、約９０重量％以下、好ましくは約８０％重量 以下を発散させることができるように設計されている。（勿論、もしクリーニン グ用の有機溶剤が存在しているならば、それらも全部ではなくとも殆どが、水と 共に排出される。しかしながら、本発明の洗浄用／回復用組成物の大部分を圧倒 的に水が占めているので、発散性については、水蒸気の発散性を測定して報告す るのがより便利である。） 熱風衣類乾燥機や類似の装置の運転について知識のある者には、発散速度は、 普通、全運転サイクルにわたって一定であるということはない、ということが分 かるであろう。全ての乾燥機には、運転サイクルの始めに試動期間があり、これ は、製造者の仕様により異なることがある。殆どの乾燥機には、運転サイクルの 終わりに冷却期間がある。収納袋からの発散は、これらの試動期間、及び冷却期 間に幾らか生じるが、その速度は、通常、乾燥サイクルの主な期間での発散速度 よりも遅い。その上、サイクルの主な期間に於いても、多くの最新の乾燥機は、 乾燥機中の空気温度を定期的に高くしたり、低くしたりすることにより加熱を防 ぐサーモスタット装置を用いて構成されている。従って、約５０〜約８５℃の目 標範囲の、一定というよりも平均の乾燥機運転温度が典型的に達成される。 更に、本発明の収納袋のユーザーは、サイクルが終了する前に乾燥装置の運転 を止めることがある。或るユーザーは、アイロンがけを容易にする為に、吊るし て乾かす為に、もしくは他の仕上げ作業を行う為に、未だ少し湿っている布地を 望むことがあるからである。 採用する時間はさておき、あらゆる所定の蒸気発散用クロージャーの蒸気発散 平衡（「ＶＶＥ」）は、主に乾燥機内の温度に依存する。この温度は上記のよう に、典型的には、平均の「乾燥機空気温度」として報告される。実際には、この 点については、収納袋内で到達した温度がより重要であるが、それを正確に測定 するのは困難なことがある。袋の面を通しての熱の伝導は、面の薄さ、及び従来 の衣類乾燥機により与えられる混転作用の為にかなり効率的である為、平均乾燥 機空気温度を基準にしてＶＶＥを測定するのは、道理に適った便法である。 更に、収納袋からの蒸気発散は、水性の洗浄用／回復用組成物が処理中の布地 を湿らせ、また布地から汚れ／悪臭を移動させて除去する機会がない程早くては ならない。しかしながら、このことは、装置の混転作用によりもたらされるキャ リア基材から布地への組成物の移動が、蒸発や発散が早過ぎる為に組成物が早く 失われるということが重要なファクターではないような速度で生じる限り、本発 明に於いては実際には問題とならない。実際、本発明に於ける好ましい袋は、こ のような早過ぎる発散を防ぐように設計されており、それにより洗浄用／回復用 組成物の液体や蒸気が、処理中の布地に意図する機能をもたらすのに十分に長い 期間、袋の中に残る。 以下の蒸気発散評価テスト（「ＶＶＥＴ」）は、上記の点をより詳しく説明す るものである。乾燥機のドラムの容積、布地の投入量等により、より大きい、も しくは小さい収納袋を用いることができる。しかしながら前述のように、どの場 合でも、収納袋は、発散度、もしくは「ＶＶＥ」のスコアが少なくとも約４０％ （４０ＶＶＥ）、好ましくは少なくとも約６０％（６０ＶＶＥ）で、約９０％（ ９０ＶＶＥ）以下になるように設計されている。 蒸気発散評価テスト 材料 ＶＶＥを評価する為の封筒型の収納袋、もしくは「標準」すなわちコントロー ル収納袋。 キャリア基材は（１５”×１１”、３８．１ｃｍ×２７．９ｃｍ）デクスター のハイドラスパン（商品名）キャリア基材であってバインダーを有するもの（１ ０４４４）、もしくは有していないもの（１０２４４）である。 ウールのブラウスはＲＮ７７３９０、１２２８８型、重量約２２４グラムであ る。 絹のブラウスはＲＮ４０７８７、０１６１型、重量約８１グラムである。 レーヨンのスワッチは４５”×１７”（１１４．３ｃｍ×４３．２ｃｍ）、重 量約６０グラムである。 パウチは５”×６．３７５”（１２．７ｃｍ×１６．２ｃｍ）、キャリア基材 と水を入れる為のものである。 脱イオン水はＶＶＥを生じさせる為に重量は可変である。布地の前処理 １．ウール、絹、及びレーヨン生地を、高温にセットしたファールプール乾燥 機（ＬＥＣ７６４６ＤＱＯ型）の中に１０分間入れ、約１４０〜約１６５°Ｆの 範囲の加熱サイクルで、周囲条件で吸収した水分を除去する。 ２．その後、布地を乾燥機から取り出して、雰囲気から吸収する湿気を最小限 に抑える為に、密閉したナイロンもしくはプラスチックの袋（厚さ最低３ミル） の中に入れる。テスト手順 １．０〜約４０グラムの様々な測定重量の水を、通気孔を設けた袋のテストを 行う少なくとも３０分前に、キャリア基材に塗布する。キャリア基材を折りたた み、パウチの中に入れて密封する。 ２．布地をそれぞれ個別に計量し、その乾燥重量を記録する。重量は、乾燥キ ャリア基材、基材の入っている乾燥パウチ、及び評価しようとする乾燥収納袋に ついても記録する。 ３．蒸気発散性を評価しようとする袋の中に、各衣服を含水基材（パウチから 取り出して広げたもの）と共に入れる。 ４．空気を絞り出さずに袋を閉じて、乾燥機の標準モードで混転している、高 温にセットしたファールプール乾燥機の中に３０分間入れる。 ５．３０分後、袋を乾燥機から取り出して、各布地、キャリア基材、袋、及び パウチを、乾燥状態に対する水による重量増加を測定する為に計量する。（可能 性のある乾燥機の熱による収納袋の小さな重量減少は、計算上、無視する。） ６．各衣服の重量増加を、キャリア基材に塗布した全水分に対するパーセント として記録する。 ７．未測定の残存水分を全水分で割ったものを、乾燥機用の袋から発散された パーセントとして記録する。 ８．一連の全塗布水分レベルを評価すると、約１５〜２０グラム以上の水で、 発散された％が実質的に一定となることが分かり、これが特定の袋の発散性を設 計する為の蒸気発散平衡値、もしくはＶＶＥである。 様々な初期水分レベルでの一連のＶＶＥＴ結果を検討すると、初期レベルの低 い水は、投入した衣類、ヘッドスペース、及びナイロン袋に不釣り合いに吸い取 られるので、水、及び揮発性の悪臭の発散は、ＶＶＥ値に達した後にのみ本格的 に始まることが分かる。これは、約１５〜２０グラムまたはこれより多い水を初 めに充満させた場合にのみ生じるので、本明細書中で検討した、許容しがたい皺 の形成をもたらす衣服の過度の濡れを避ける為には、約４０よりも大きいＶＶＥ が必要であることが分かる。 悪臭、及び皺の除去 本発明の方法全体には、布地にばらばらに存在している非常に汚れている部分 に対する染み除去工程が、任意の工程として含まれる。この局所的な汚れの除去 工程の後で、布地全体を、蒸気発散性収納袋の中で洗浄／回復させればよい。こ の後者の工程により、布地全体の外見や回復が、未処理の布地に比べて、特に悪 臭や皺が殆どないということに関して著しく改善される。 本発明の蒸気発散性袋を用いる方法のこの工程の、悪臭に関する一つの評価に は、テストしようとする布地を、かなりの量の煙草の煙を含んでいる雰囲気に曝 すことが含まれる。別の方式では、もしくは煙に関しては、布地を、例えばＩＦ Ｆ社から入手可能な組成物のような合成の汗の化学成分に曝すことができる。そ の後、嗅いについての専門家であるパネリストが、いずれかの都合の良いスケー ルを基準にして、臭いを判断している。例えば、０（感知し得る臭いなし）〜１ ０（ひどい悪臭）のスケールを確立して、等級付けの目的に用いることができる 。このようなテストの確立は決まりきったことであり、また配合者の希望によっ て、その他の様々なプロトコルを工夫することができる。 例えば、「燻らせる」衣服は、空気の流れを止めて通気口を塞いだヒュームフ ードの中に、衣服用のハンガーにかけて吊るす。フィルターを取り除いた煙草六 本に火をつけて、衣服の下に置いた灰皿の上に置く。フードを閉じて、煙草が約 半分燃える迄、放置する。その後、衣服を１８０°回転させて、表面全てに煙が ゆきわたるようにする。その後、煙草が全て燃え尽きる迄、燻らせ続ける。その 後、衣服を密封したプラスチックの袋の中に封入して、一晩静置する。 約一日エージングした後、衣服を、発散性の袋を用いる洗浄／回復法で処理す る。乾燥機サイクルが終了したら、収納袋から衣服を速やかに取り出して、悪臭 の強さを等級付けする。等級付けは、一般的には、臭いや香水の訓練された等級 付けの専門家の集団、通常２人、により行う。悪臭の強さには、０〜１０の等級 付けを行う。１０は最大の初期強さであり、また０は悪臭が感知されないことを 示す。等級１は悪臭が極僅かであり、この等級は、殆どのユーザーに受け入れら れる程度に低い悪臭と見なされる。 布地洗浄用組成物中に香料成分が存在していない場合には、残存している悪臭 の強さの等級付けは、悪臭のある化学物質の洗浄度、もしくは除去度の直接的な 目安である。香りを付けた組成物を用いる場合、等級付けをするパネリストは、 香料の強さと性質に対するスコアも（ここでも０〜１０のスケールで）決定する ことができる。この場合の悪臭の等級付けは、悪臭のある化学物質の減少もしく は除去の他に、残存しているあらゆる悪臭性化学物質をカバーすることのできる 残留香料の能力を示すことになる。 洗浄／回復工程の後に速やかに衣服の臭いの等級付けを行った後、開け放った 部屋の中に衣服を１時間吊るして、再び等級付けを行う。この１時間は、衣服を 冷却し、乾燥機サイクル処理中に吸収した水分を乾燥させた後の最終的な効果の 評価を行う為と解される。袋から取り出した後の初めの等級付けは、湿った衣服 の臭いと袋からの高強度の暖かい揮発物を反映するものであって、これらは、１ 時間後の等級付けに於いてはファクターにはならない。また、衣服の等級付けは ２４時間後に行ってもよく、必要に応じて、それより後の時間を選んで行っても よい。 同様に、布地の皺は、熟練した等級付け家により目視で評価することができる 。例えば、比較的簡単に皺になりやすい絹の布地を、蒸気発散性の袋を用いる本 発 明の方法により達成される皺除去の程度を目視で評価するのに用いることができ る。その他の布地を一枚、もしくは複数枚用いてもよい。実験室でのテストは以 下の通りである。 皺取りテスト 材料 上記のＶＶＥＴ用と同じものを使用する。 脱イオン水、重量範囲（０〜３８グラム）布地の前処理 絹の布地を、着用後に見られる通常の状態をシミュレートする為に、衣類かご もしくはドラムに入れる。これらの保存条件により、衣服にひどく皺が付き（明 確な皺）、それらの皺を緩和する為には、水分が必要となる。テスト手順 １．絹の布地を一枚、テストしようとする収納袋の中に入れる。 ２．テストを行う少なくとも３０分前に、キャリア基材に水（０〜３８グラム ）を塗布し、パウチの中に入れて密封する。 ３．絹の衣服を、含水基材（パウチから取り出して広げたもの）と共にテスト 用収納袋の中に入れる。 ４．袋を閉じて、高温（４８〜７４℃サイクル）のファールプール乾燥機（Ｌ ＥＣ７６４６ＤＱＯ型）の中に３０分間入れる。 ５．３０分経った後、乾燥機用の袋を乾燥機から直ぐに取り出して、絹の衣服 をハンガーにかける。 ６．その後、この絹の衣服を、同じ前処理を行ったコントロールの衣服と比べ て、目視により等級付けする。 上記のタイプの実験室でのテストに於いては、本発明の乾燥機中で行う非浸漬 洗浄／回復法は、悪臭（煙草の煙、及び／又は汗）に関して、煙については０〜 １の悪臭グレードを、また汗の悪臭についてはそれより幾分高いグレードを持っ ており、それにより、布地から容易に「スチーム蒸発」しない分子量の十分に高 い悪臭成分以外の悪臭成分が良く除去されることを示している。また、布地（絹 ）は、少ししか、もしくは全くアイロンをかけずに着るのに適していると判断さ れる程度に、皺が十分に除去される。 香料−前述のように、高分子量で高沸点の悪臭性化学物質は、布地上に、少な くとも或る程度保持される傾向がある。これらの悪臭は、香料により克服、もし くは「マスク」することができる。しかしながら、上記のことから、香料製造者 は、揮発性の悪臭と共に袋から全て発散されてしまうことのない、十分に高い沸 点をもつ香料化学物質を、少なくとも幾種類か選択すべきであることが分かるで あろう。約５０℃以上、好ましくは約８５℃以上の沸点をもつ種々のアルデヒド 類、ケトン類、エステル類、アセタール類等の香料的な化学物質が知られている 。これらの成分は、本発明のキャリア基材により配送されて、本発明の方法を実 施する間に収納袋の中身に浸透させ、それによりユーザーが悪臭を感知するのを 更に減らすことができる。比較的沸点の高い成分を含んでいる香料物質の非限定 的な例には、種々の精油、レジノイド、並びにオレンジオイル、レモンオイル、 パッチュリ、ペルーバルサム、オリバナムレジノイド、シトラックス、ラブダナ ムレジン、ナツメグ、カシアオイル、ベンゾインレジン、コリアンダー、ラバン ジン、及びラベンダーを包含するが、それらには限定されない様々な資源からの 樹脂が含まれる。更に別の香料化学物質には、フェニルエチルアルコール、テル ピネオールや混合パイン油テルペン、リナロール、リナリルアセテート、ゲラニ オール、ネロール、２−（１，１−ジメチルエチル）−シクロヘキサノールアセ テート、オレンジテルペン、及びオイゲノールが包含される。通気により幾らか のロスがあるということを承知した上で、勿論、低沸点物質も含めることができ る。 組成物−本発明の方法のユーザーには、染み抜き剤として用いる為に、また本 発明の蒸気発散性の袋の中で用いる為に、様々な組成物を供することができる。 公知の布地予備染み抜き用組成物に伴われる一つの問題は、布地の表面に目に見 える残留物を残すという傾向である。このような残留物は問題であり、また本発 明の方法は従来の浸漬工程、もしくは濯ぎ工程を含んでいないので、本発明では 残留物は避けるのが好ましい。従って、本発明の予備染み抜き用組成物は、最も 好ましくは、様々なポリアクリレートをベースとする乳化剤、高分子状帯電防止 剤、無機ビルダー塩、及びその他の残留物形成物質を、最終組成物の約０．１〜 ０．３％、好ましくは０％といった低いレベルを除いては、実質的に含んでいて はならない。組成物に用いる水は、好ましくは蒸留水、脱イオン水、さもなけれ ば残留物形成物質を含んでいない水とすべきである。特に記載のない限り、本発 明の組成物は、本発明を実施することにより処理しようとする布地に、目に見え る残留物を実質的に残さないように配合すべきである。 従って、本発明の好ましい態様に於いては、処理した布地に目に見える残留物 を残す物質を実質的に含んでいない、予備染み抜き用（すなわち染み抜き−洗浄 用）組成物が提供される。このことは、好ましい予備染み抜き用組成物が、考え 得る揮発性物質、好ましくは水を最も高いレベルで、典型的には約９５％、好ま しくは約９７．７％で、例えばＢＰＰのようなクリーニング用溶剤を低レベルで 、しかし有効なレベルで、典型的には約１〜約４％、好ましくは約２％で、また 界面活性剤を約０．１〜約０．７％のレベルで含有するように配合される、とい うことを必然的に意味するものである。都合の良いことに、このように配合され たこのような組成物は、サスペンジョンもしくはエマルジョンとしてというより も、相の安定な水溶液として存在する。従って、このような組成物には、付加的 な乳化剤、増粘剤、懸濁剤等を用いる必要がない。これらは全て、布地上に望ま しくない目に見える残留物を形成させるのに寄与することがある。 勿論、本発明の予備染み抜き用組成物は、染み除去機能を十分に、且つ効果的 に示す必要がある。本明細書に開示した方法で下向きの力（Ｚ方向）をかけつつ 洗浄器具を用いると、上記の高含水予備染み抜き用組成物ででも、良好な染み、 及び汚れ除去性能がもたらされる、ということが今回分かった。このような予備 染み抜き用組成物の更なる詳細を、以下の例で説明する。 実際、全体的な目標としては、予備的な染み抜き、及び本発明の全体的な洗浄 ／回復機能を得る為に用いる化学的な組成物はいずれも、予定している用途に対 して安全で効果的であって、且つ好ましくは、前述のように、布地上に許しがた い量の目に見える残留物を残すことのない成分を含んでなるものである。従来の 洗濯洗剤は、典型的には、木綿や木綿／ポリエステル混合布地に対して良好な洗 浄性をもたらすように配合されているが、本発明の組成物は、例えばウール、絹 、レーヨン、アセテート等のような布地を、安全、且つ効果的に洗浄し、回復さ せるようにも配合しなければならない。また、本発明の組成物は、洗浄中の布地 から、汚れの部分にある落ち易い、固定されていない染料が落ちたり、移動した りするのを最小限に抑えるように特に選ばれて配合された成分を含んでいる。こ の点については、浸漬ドライクリーニング法で典型的に用いられる溶剤は、或る 種の布地から、或る種の染料を幾らか落とすことがあることが分かっている。し かしながら、このような色落ちは、染料が布地の表面から比較的均一に落ちるの で、浸漬法では許容される。これに対して、布地の表面の特定の部位に或る種の 洗浄成分を高濃度で用いると、許容しがたい局所的な色落ちが生じることがある 、ということが今回確認された。本発明の好ましい組成物は、この問題を最小限 に抑えるか、もしくは避けるように配合される。 本発明の組成物の色落ちについての特性は、写真的な、もしくは測光的な測定 法を用いて、又は単純だが有効な目視による等級付けテストにより、当該技術分 野で開示されている洗浄剤と比較することができる。目視による等級付けの助け とし、またデータを統計的に処理する為に、所望ならば、数字によるスコア単位 を付すことができる。従って、このようなテストの一つに於いては、色の着いて いる衣服（典型的には、殆どのウールやレーヨンの布地よりも染料の落ちやすい 絹）を、吸収性のある白いペーパーハンドタオルで、洗浄剤／回復剤組成物をパ ジングして処理する。手で圧をかけ、白いタオルに移動する染料の量を目視によ り評価する。（１）「私はタオル上に殆ど染料が見えない。」、（２）「私はタ オル上に幾らか染料が見える。」、（３）「私はタオル上に沢山染料が見える。 」から（４）「私はタオル上に非常に沢山染料が見える。」迄の数字の単位を、 パネリストが付す。 上記の問題の他に、本発明で用いる組成物は、簡単に計量分配できるように、 また染み抜き用の器具が取扱いにくくなるので余り接着性が生じないように配合 するのが好ましい。しかしながら、また本発明を限定するものではないが、本明 細書で開示されている好ましい組成物は、本明細書で開示されている方法で器具 を用いた場合に、効果的、且つ感じの良い染み抜き方法を供する。部分汚れ洗浄用水性組成物 （ａ）漂白剤−本発明の組成物は、任意の成分として過酸化水素を約０．２５ 〜約７重量％含んでなることができる。好ましい染み抜き洗浄剤は、過酸化水素 を約０．５〜約３重量％含んでなるものである。本発明に於いては、Ｈ₂Ｏ₂以外 の過酸化物源を使用可能なことが分かるであろう。従って、洗剤の技術分野で知 られている様々な過酸、過酸塩、過酸漂白剤等を用いることができる。しかしな がら、このような物質は、高価で、液体製品に配合するのは難しく、布地上に残 留物を残すことがあり、また本発明の方法で用いた場合、Ｈ₂Ｏ₂よりも特に利点 があるというわけではない。 （ｂ）溶剤−本発明の組成物は、ブトキシプロポキシプロパノール（ＢＰＰ） 溶剤を約０〜約１０重量％含むことができる。好ましい染み抜き洗浄剤には、Ｂ ＰＰが１〜４％含まれている。 （ｃ）水−本発明の好ましい低残留物組成物は、水を約９０重量％、好ましく は約９５．５〜約９９重量％含むことができる。 （ｄ）界面活性剤−本発明の組成物は、任意の成分として、ＭｇＡＥＳやＮＨ₄ ＡＥＳ、アミンオキシド、エトキシル化アルコール、エトキシル化アルキルフ ェノール、アルキルサルフェート、及びそれらの混合物のような界面活性剤を、 約０．０５〜約２重量％含むことができる。前述のように、範囲の下限に限定し て界面活性剤を用いるのが、或る種の染料や布地に対しては好ましい。典型的に は、ＢＰＰ溶剤：界面活性剤の重量比は、約１０：１〜約１：１である。好まし い一つの組成物には、ＢＰＰが２％、ＭｇＡＥ₁Ｓが０．４％、Ｃ₁₂ジメチルア ミンオキシドが０．０４％含まれている。別の好ましい組成物には、ＢＰＰが４ ％、ＡＳが０．４％含まれている。 （ｅ）任意の成分−本発明の組成物は、漂白活性剤、香料、防腐剤等を含む様 々な任意の成分を少量含むことができる。もし使用するのであれば、このような 任意の成分は、洗浄した布地上の残留物を考慮すると、典型的には組成物の約０ ．０５〜約２重量％である。 （ｆ）キレート化剤−Ｈ₂Ｏ₂を含有する組成物は、典型的にはキレート化剤も 含有する。キレート化剤は、Ｈ₂Ｏ₂水溶液中でそれ自体安定であって、且つ、固 定されていない金属イオンをキレート化することによりＨ₂Ｏ₂を安定化させるも のから選ぶ。このようなキレート化剤は、市販の過酸化水素源中に、典型的には 過酸化物を安定化させる少ない量（０．０１〜１％）で既に存在している。Ｈ₂ Ｏ₂を安定化させるのには、様々なホスホネートキレート化剤が知られている。 アミノホスホネートが、この目的の為には特に有用である。様々なアミノホスホ ネートが、ミズーリー州のセント・ルイスにあるモンサント社から、デクエスト という商品名で入手可能である。代表的であるが非限定的な例には、エチレンジ アミンテトラキス（メチレンホスホン）酸、ジエチレントリアミンペンタ （メチレンホスホン）酸、及びそれらの水溶性の塩が含まれる。アミノトリス（ メチレンホスホン）酸、もしくはその水溶性の塩（デクエスト２０００（商品名 ）のような）が好ましいキレート化剤である。 予備染み抜き用組成物のｐＨ範囲は、過酸化水素の安定性をもたらす助けとな り、また典型的には約３〜約８、好ましくは約６といった、酸性〜やや塩基性の 範囲である。 有機溶剤−本発明に於ける好ましい洗浄用（特に染み洗浄用を含む）溶剤は、 異性体のほぼ同量の混合物として、商業的規模の量で入手可能なブトキシプロポ キシプロパノール（ＢＰＰ）である。異性体、及びそれらの混合物が、本発明に 於いては有用である。異性体の構造は、以下の通りである。 本発明の染み洗浄用組成物は、ＢＰＰ、水、及び界面活性剤だけでも非常によ く機能するが、それらの安定性を更に高める為に、その他の成分も任意の成分と して含有することができる。例えば、トルエンスルホン酸ナトリウムやクメンス ルホン酸ナトリウムのようなヒドロトロープ、エタノールやイソプロパノールの ような短鎖アルコール等を、組成物中に存在させることができる。用いる場合、 これらの成分は、典型的には本発明の安定化させた組成物の約０．０５〜約５重 量％を含んでなる。 界面活性剤−エトキシル化Ｃ₁₀〜Ｃ₁₆アルコール、例えばネオドール２３−６ ．５のようなノニオン界面活性剤を、本発明の組成物に用いることができる。本 発明で洗浄剤として、また水性組成物を安定化させる為に用いることのできるア ルキルサルフェート界面活性剤は、Ｃ₈〜Ｃ₁₈第一アルキルサルフェート（「Ａ Ｓ」、好ましくはＣ₁₀〜Ｃ₁₄ナトリウム塩）の他、分岐鎖状ランダム Ｃ₁₀〜Ｃ₂₀ アルキルサルフェート、及び式ＣＨ₃(ＣＨ₂)_x（ＣＨＯＳＯ₃ ^-Ｍ⁺）ＣＨ₃や式 ＣＨ₃(ＣＨ₂)_y（ＣＨＯＳＯ₃ ^-Ｍ⁺）ＣＨ₂ＣＨ₃のＣ₁₀〜Ｃ₁₈第二（２，３）アル キルサルフェートである。式中、ｘと（ｙ＋１）は、少なくとも約７、好ましく は少なくとも約９の整数であり、またＭは水可溶化カチオン、特にナトリウムの 他、例えばオレイルサルフェートのような不飽和サルフェートである。本発明で 用いるアルキルエトキシサルフェート（ＡＥＳ）界面活性剤は、式Ｒ（ＥＯ）_x ＳＯ₃Ｚをもつものとして従来から示されている。式中、ＲはＣ₁₀〜Ｃ₁₆アルキ ルであり、ＥＯは−ＣＨ₂ＣＨ₂−Ｏ−であり、ｘは１〜１０であって、平均とし て例えば（ＥＯ）_2.5、（ＥＯ）_6.5等の従来報告されている混合物を包含し、ま たＺは例えばナトリウム、アンモニウム、もしくはマグネシウム（ＭｇＡＥＳ） のようなカチオンである。Ｃ₁₂〜Ｃ₁₆アルキルジメチルアミンオキシド界面活性 剤も用いることができる。好ましい混合物は、ＭｇＡＥ₁ＳとＣ₁₂ジメチルアミ ンオキシドを、重量比約１０：１で含んでなるものである。相安定性を改良し、 且つ本発明に於いて任意の成分として用いることのできるその他の界面活性剤に は、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、例えばＣ₁₂〜Ｃ₁₄Ｎ−メチルグルカミドが包 含される。ＡＳ安定化組成物は、本発明の組成物の０．１〜０．５重量％である のが好ましい。ＭｇＡＥＳやアミンオキシドは、用いる場合、組成物の０．０１ 〜２重量％であってよい。その他の界面活性剤を、同様のレベルで用いることが できる。 上記の点を十分に考慮すると、以下の記述は、本発明の液状組成物に用いるこ とのできる様々な他の成分を説明するものであるが、それらを限定するものでは ない。通常、染み洗浄用組成物は、洗浄用／回復用組成物よりも洗浄力が幾分「 強い」ように配合されるが、これは、配合者の希望に従って変えることができる 。 他の任意の成分−水、好ましいＢＰＰ溶剤、任意の成分であるＨ₂Ｏ₂、及び上 で開示した界面活性剤の他に、本発明で用いる液状組成物は、例えば香料、防腐 剤、増白剤、粘度調節用の塩、ｐＨ調節剤もしくは緩衝剤、等のような様々な任 意の成分を含むことができる。以下の記述は、本発明で用いる洗浄用組成物に対 する好ましい範囲を示すものであるが、それらに限定されるものではない。 成分 ％（重量）配合範囲 ＢＰＰ（溶剤） ０．０５〜５ 界面活性剤 ０〜２ 香料 ０．０１〜１．５ 水 残部 ｐＨ範囲は約６〜約８である。 本発明に於いて任意の成分として用いることのできるその他の溶剤、もしくは補 助溶剤には、例えばカルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、 プロピルカルビトール、及びヘキシルセロソルブのような商品名で販売されてい る物質を含む様々なグリコールエーテル、特にメトキシプロポキシプロパノール （ＭＰＰ）、エトキシプロポキシプロパノール（ＥＰＰ）、プロポキシプロポキ シプロパノール（ＰＰＰ）、並びにＭＰＰ、ＥＰＰ、及びＢＰＰの全ての異性体 、及び混合物の他、ブトキシプロパノール（ＢＯ）等、及びそれらの混合物が包 含される。用いる場合、このような溶剤もしくは補助溶剤は、典型的には本発明 の水性組成物の約０．５〜約２．５重量％である。予備染み抜き工程でオプショ ンとして用いることのできる非水性（水５０％未満）組成物は、同様の溶剤を含 ん でいてよい。 本発明の方法の乾燥機中での洗浄／回復工程に用いるのに好ましい組成物は、 以下の通りである。 ＊特に、本明細書に開示されているようなエトキシル化アルコール。布 地回復組成物は、アニオン界面活性剤も含有することができる。このようなアニ オン界面活性剤は、洗剤の技術分野で良く知られているものである。トゥイーン 、スパン、アエロゾルＯＴのような市販の界面活性剤や、種々のスルホコハク酸 エステルが、本発明に於いては特に有用である。 洗浄器具−図９〜図１３に示されているような、本発明の染み洗浄法で用いる 好ましい一つの様式の洗浄器具は、そのベースエレメントとして、曲線の、すな わち通常、凸状で弓形の形状の洗浄面を有している。他の態様に於いては、この 器具は、図１２に示すように、円形で凸状のベース（３０１）を有していてよい 。全体としては、弓形の器具は、古風な平らな縁のある弓形の事務用の吸取具を 思い出させるものであるが、多数の突起が（以下により詳しく説明するように） 作用面から外側に向かって延びている。本発明の器具の処理面の弓形で凸状の形 状は、凸状で円形の洗浄器具に比べ、幾つか利点がある。先ず、弓形の形状であ る為に、布地の汚れている部分に効率良く、且つ有効に、下向き（Ｚ方向）に力 をかけることができる。第二に、弓形の形状である為に、器具を面方向（Ｘ−Ｙ 方 向）にごしごし擦るといった不利な動かし方を、ユーザーに思い止まらせる。第 三に、複数の突起のある好ましいタイプの洗浄エレメントは、円形で凸状の器具 よりも、弓形で凸状の器具に取り付けて接着しやすい。これは、このエレメント が弓形の器具の凸状の表面に、より容易に置くことができ、従って、接着、もし くはその他の手段で、より容易にそれに貼りつけることができるからである。従 って、本発明の凸状で弓形の器具は、凸状で円形の器具よりも、商業的規模での 製造の容易さの点で優れている。しかしながら、どちらのタイプの器具も、本発 明の方法の予備染み抜き工程に用いることができる。 この器具の後面は、手で器具を握る手段を設ける為に、例えば凹状、凸状、平 面状、弓形等どのような形状であってもよい。図１３に示す好ましい態様に於い ては、取手は、該ベース部材（４０３）の後面から、好ましくは後面の中央から 外側に向かって延びているシャフト（４０４）からなっており、該シャフトは後 面に対して実質的に垂直であるのが最も好ましい。取扱いを容易にする為に、シ ャフトの末端は、ユーザーの手に合う大きさの球（４０５）で終わっているのが 好ましい。 作業用の凸状のベース部材に実質的に垂直なシャフトの形の取手を用いること により、ユーザーは、器具の作業用の弓形の処理面に対してシャフトが垂直であ る為にごしごしとは擦りにくいので、それよりは、前後に揺り動かして器具を使 うようになる。このように、凸状のベースと握りシャフトをもつ器具の全体的な 形状により、器具は正しく使われることになる。オプションとして、「前後に揺 り動かせ。ごしごし擦るな。」というような簡単な作業指示を、注意として器具 に貼りつけることができる。 別の付加的な方式に於いては、ベース及び／又は取手を包含する器具の本体の 全て、もしくは一部は中空であってよく、それにより、何回も使用する染み洗浄 用（「予備染み抜き用」）組成物を、使用する時迄貯蔵するのに用いることので きる空洞がもたらされる。本発明のこの態様に於いては、組成物を布地の汚れて いる部分に出す為の適切な手段を器具に取り付けることができる。従って、染み 洗浄用組成物が処理面のところで器具から出て、その後、染み抜き処理中の布地 の汚れている部分に入って行くことができるよう、貯蔵空洞との間を連結させる 為に、穴、溝等をベース部材に通すことができる。別の方式では、組成物を、器 具から布地の汚れている部分に流し込む、絞り出す、たらす、もしくは計量分配 することができる適切なオリフィスを器具に取り付けることができる。 一つの態様に於いては、処理部材（４０１）は、多数の突起、例えば剛毛状の フィラメントからなっている。好ましくは、該処理部材は、弓形のベース部材の 凸状の面に貼りつけられた弾性のあるスポンジベース（４０２）の下にある。こ の弾性のあるベースは、布地の表面に対する剛毛の衝撃を和らげる為のクッショ ンとしても作用し、それにより布地表面への有害な効果を最小限に抑え、また機 械的な力をより均一に分配するのにも役立つ。 器具の寸法−本発明の洗浄器具はいかなる所望の大きさであってもよい。図１ ０に示す器具は、手で持って使用するのに便利な大きさである。この態様に於い ては、凸状で一般的に長方形の形状をもつ弓形のベース部材（２０２）の長さは 約２．２５インチ（５７．１５ｍｍ）であり、その幅は約１．２５インチ（３１ ．７５ｍｍ）であり、その厚みは約０．６２５インチ（１５．８ｍｍ）である。 弓形のベースの後面から外側に向かって、球（２０４）のベースに対して垂直に 延びている円筒状のシャフト（２０３）の長さは約１．４インチ（３５．６ｍｍ ）であり、その直径は約０．７５インチ（１９ｍｍ）である。シャフト（２０３ ）の末端で手（もしくは掌）を置くのに役立つ球（２０４）は、その最も幅広い 点での円周は約５．２５インチ（１３３ｍｍ）である。シャフトと球の組み合わ せにより、このように器具に対して取手が構成される。球（２０４）の先の中央 から、凸状のベースの前面の中心点で測ったこの器具の全体の高さは、約２と７ ／ ８インチ（７．３ｃｍ）である。スポンジ層（２０５）の非圧縮時の厚さは変更 可能であるが、典型的には約０．１インチ（２．５４ｍｍ）である。フィラメン ト状の突起（２０６）の層の非圧縮時の厚さも同様に変えることができるが、典 型的には約０．１インチ（２．５４ｍｍ）である。図１２の円形で凸状の器具に ついても、同様の寸法が典型的である。この器具の円形のベース部材（３０１） の直径は、典型的には約０．７５〜３インチ（１．９１〜７．６２ｃｍ）である 。 図１３に示す弓形の器具の好ましい態様に於いては、凸状で一般的に長方形の 形状をもつ弓形のベース部材（４０３）の長さは約２インチ（５ｃｍ）であり、 その幅は約１．２５インチ（３．２ｃｍ）であり、その厚みは約５／１６インチ （０．８ｃｍ）である。シャフト（４０４）の中央部分での幅は約１インチ（２ ．５４ｃｍ）であり、中央部分でのその幅は約０．７５インチ（１．９ｃｍ）で ある。弓形のベースの後面から外側に向かって、球（４０５）のベースに対して 垂直に延びているシャフト（４０４）の長さは約１．２５インチ（３．２ｃｍ） である。手（もしくは掌）を置くのに役立つ球（４０５）は、その最も幅広い点 での円周は約５．７５インチ（１４．６ｃｍ）である。シャフトと球の組み合わ せにより、このように器具に対して取手が構成される。球（４０５）の先の中央 から、凸状のベースの前面の中心点で測ったこの器具の全体の高さは、約３イン チ（７．６ｃｍ）である。スポンジ層（４０２）と突起（４０１）の寸法は、上 記の通りである。 染み除去−本発明の方法全体の予備染み抜き作業に用いる為の布地洗浄器具の 凸状のベース、シャフト、及び手載台は、例えば低密度及び高密度ポリエチレン 、ポリプロピレン、ナイロン−６、ナイロン−６，６、アクリル樹脂、アセター ル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のようなポリマーを用いて、射出成形法、 もしくはその他の適切な方法により作ることができる。高密度ポリエチレン、及 びポリプロピレンはこの範囲に入り、本発明で用いるのに好ましい。光沢剤を含 んで いない材料が、好ましく用いられる。 本発明の器具上の処理部材は、天然もしくは合成の剛毛、天然もしくは合成の スポンジ、例えば木綿、レーヨン、再生セルロース等のような吸収性パッドの他 に、本明細書に記載するようなハイドラスパン（商品名）布地、及びそれらの組 み合わせからなっていてよい。様々な有用な材料は全て、従来のブラシや歯ブラ シ（米国特許第４，６３７，６６０号明細書を参照のこと）や、様々な洗浄用の 道具といった洗浄技術の分野で良く知られているものである。スポンジ、パッド 等は、典型的には約１ｍｍ〜約１．２５ｃｍの厚さであってよく、また器具の凸 状の処理前面に接着することができる。スポンジ、パッド、剛毛状のパッド等は 、光沢剤を含んでいないのが好ましく、典型的には実質的に全処理面と同延であ る。 器具のベースの処理面から外側に向かって突き出ている突起は、先の鈍い、も しくは丸くなった剛毛の形態であってよく、それらは処理面全体に渡って均一に 、もしくは房状に設けることができる。突起は、円形、卵形、もしくは延びた形 であってよいモノフィラメントのループの形態であるか、又は切断されたループ であってよい。突起は、撚った繊維の束、押出したこぶ、成形した指のような付 随物、動物の毛、網状の発泡体、部材の面に成形したシワ等からなっていてよい 。モノフィラメントから作られた突起は、真っ直ぐであっても、撚ってあっても 、ねじれていてもよい。これらも、光沢剤を含んでいないのが好ましい。 一つの態様に於いては、処理部材は、多数の要素を含むことができる。特に、 処理部材は、例えば天然もしくは合成のスポンジ、吸収性のセルロースシートも しくはパッド等であってよい吸収性のベース物質からなっていてよい。このベー ス物質と接触していて、且つそれから外側に向かって延びているのが、上で開示 した多数の突起である。この態様の具体的な例は、スポンジのベース層から突き 出ている、モノフィラメント繊維からできている多数のループ状の突起を含む処 理部材である。この態様に於いては、吸収性ベース層は、染み洗浄用組成物を突 起に、そしてその後、処理中の布地に送る貯蔵器としての役目を果たすことがで きる。 様々な任意の方式に於いては、本発明の器具の凸状面上に存在する処理部材は 、外側に向かって延びている繊維状の多数のエレメントをもつ繊維層の為の、ス ポンジのような弾性のあるバッキング材を含んでなる多層複合体からなっていて よい。このような複合体は、接着剤、粘着剤、もしくはその他の通常の手段を用 いて、処理部材に永久的に、もしくは半永久的に貼りつけることができ、また典 型的には、器具の弓形の面全体と実質的に同一の広がりをもっていてよい。この ような複合体は、厚みが約０．５〜２０ｍｍの、例えばスポンジ、発泡体、もし くはその他の吸収性ベースパッド材のような従来の材料と、約０．０５〜約２０ ｍｍの長さの繊維の付いている従来のペンキ屋のパッドような繊維の層を用いて 作ることができる。 本発明に於ける突起は、典型的には、Ｚ方向に延びている多数のストランド、 もしくはループを含んでなるベッド、もしくはマットとして設けられる。便利で 手頃な原料には、パイルカーペットタイプの材料、ペンキパッドタイプの材料等 が含まれる。このような態様に於いては、処理部材は、１ｃｍ²につき数千個の 突起を含んでなる。ループ状の突起の場合は、１ｃｍ²につき典型的には１０〜 ５００個、好ましくは約６０〜１５０個である。突起の原料、様式、及び数の選 択は、製造者に任される事柄であり、また上記の説明は、本発明を限定するもの ではない。 突起は、好ましくは、処理部材の面から外側に向かって、少なくとも約０．１ ｍｍ、好ましくは約１インチ（２．５４ｍｍ）の間隔で延びていなければならな い。突起の長さには上限はないが、約１．２５ｃｍよりも長く延びていても、機 能的には実質的に何の意味もない。 突起は、洗浄用組成物の存在下で安定なプラスチック、ゴム、及びその他のあ らゆる都合のよい弾性のある物質から作ることができる。繊維状の突起は、天然 もしくは合成繊維から作ることができる。繊維の直径は、典型的には０．１ミル （０．００２５ｍｍ）〜２０ミル（０．５ｍｍ）であってよい。これも選択の問 題であって、限定されるものではない。 好ましい態様には、外側に向かって延びている繊維状の複数の突起をもつ、約 １．５〜約７．０ｍｍの厚さのスポンジ層が含まれる。該突起は、光沢剤を含ん でいない、長さが約０．１０インチ（２．５４ｍｍ）で約４５＋デニール、すな わち約２．７ミル（約７６マイクロメーター）のナイロン６，６繊維からなって いる。このような繊維は、フロッキング、もしくはその他の技術を用いてスポン ジベースに接着させることができる。 他の態様に於いては、突起は、処理面から外側に向かって延びている、剛化し た卵形でループ状の多数の繊維の形態である。このようなループ状の繊維は、例 えばバッキング材の面から外側に向かって少なくとも約０．０３インチ（０．７ ６ｍｍ）、典型的には約２．０ｍｍ〜約１．５ｃｍ延びている、ポリプロピレン の７ミル（０．１８ｍｍ）のモノフィラメントループからなっていてよい。ルー プの最も太い部分での直径は、約１．３ｍｍである。該ループ状の突起に都合の よい材料は、アプリックス社により市販されている、Number 200、Unshaved Loo p、Part No．DM32M000-QYである。この材料は、表面から延びているループを１ 平方インチにつき約４２０個（１ｃｍ²につきループ６５個）もつナイロンバッ キングからなっている。 本発明の器具は、製造者の希望に従って、様々なプラスチック、ガラス、木等 の材料から作ることができ、また様々な全体の形、装飾等をもつことができるこ とが分かるであろう。所望ならば、この器具は、透明、もしくは半透明の物質か ら作ることができる。これは、器具が中空であって、予備染み抜き用組成物溜を 設ける場合には有用である。ユーザーが、「充填」レベルを目視で判断すること ができるからである。勿論、器具は、洗浄用組成物に用いられる様々な成分によ り影響されない物質から作るのが好ましい。器具の大きさは、全く任意である。 かなり大きい器具（例えば２００〜１０００ｃｍ²の凸状処理面）は、商業的な クリーニング施設に据えつけて用いるのに適していると考えられる。家庭では、 この器具は手で持って使うことを意図しており、その寸法は、通常幾分小さい。 典型的には、家庭用の凸状の処理面の表面積は、約４〜約２００ｃｍ²の範囲で ある。これは、製造者の希望により変更可能である。 処理部材の表面積は製造者の希望により調節することができるが、手で持って 使う家庭用の器具の処理面の表面積は、約５〜約７０ｃｍ²の範囲であるのが便 利である。 汚れ受容体−本発明の予備染み抜き作業には、汚れ受容体を用いてもよい。こ のような汚れ受容体は、予備染み抜き作業に用いる液状組成物を吸収するいかな る吸収性物質であってもよい。使い捨てのペーパータオル、ボウンティー（商品 名）ブランドのタオルのような布製のタオル、清潔なぼろきれ等を用いることが できる。しかしながら好ましい方式に於いては、汚れ受容体は、汚れている部分 から離れた液状組成物を「吸い上げる」、もしくは「吸い込む」ように、特に設 計されたものである。好ましい受容体は、不織布のパッドからなるものである。 好ましい態様に於いては、不織布全体は、木材パルプ約７２％とポリエチレン− ポリプロピレン（ＰＥ／ＰＰ）二成分ステープルファイバー約２８％からなる吸 収性構造体である。その厚さは、約６０ミル（１．５２４ｍｍ）である。それは 、洗浄用の液体が、予備染み抜き作業を行っている表面を通過してしまうのを防 ぐ為に、その裏面にバリアフィルムを有することができ、また有するのが好まし い。受容体の構造は、その上部の液体を受ける層から下部の層に向かって勾配の ある毛細管を形成している。この勾配は、材料全体の密度をコントロールするこ とにより、また上層では毛細管の吸引力が小さく、下層では毛細管の吸引力が大 きく なるように構成部材を重ねることにより得られる。毛細管の吸引力は、上層の合 成ステープルファイバーの含有率を（これらの繊維は、木材パルプ繊維よりも接 触角が大きく、また相応して水に対する親和性が低い表面を有している）、下層 よりも高くすることにより小さくなる。 より詳しくは、本発明に於ける吸収性の汚れ受容体は、不織の熱接着した空気 を含んだ構造体（「ＴＢＡＬ」）の製造技術に於いて知られている方法により、 都合良く製造することができる。全体的な条件としては、ＴＢＡＬ製造法には、 典型的には、比較的短い（４〜５ｍｍ）木材パルプ繊維のような吸収性繊維のウ ェブに、熱接着を行う為にかける熱でやや溶ける比較的長い（３０〜５０ｍｍ） 二成分繊維を混ぜ合わせたものを置くことが含まれる。木材パルプ繊維と混じり 合ったこの二成分繊維は、全体のマットを一緒に「接着」する働きをする。従来 のＴＢＡＬタイプの構造体とは異なり、本発明の汚れ受容体の上層と下層に於け る二成分繊維の配置は均一ではない。むしろ、汚れ受容体を構成している上（液 体受容）層の繊維は、木材パルプ（もしくはその他のセルロース）繊維よりも、 二成分繊維に比較的富んでいる。二成分繊維は比較的疎水性の合成ポリマーから 作られているので、汚れ受容体の上層の繊維は、下層の繊維に比べて疎水性が高 い。下層の繊維は木材パルプを高い割合で含んでいて、より親水性となる傾向が あるからである。汚れ受容体中の上層と下層の間の疎水性／親水性のこの差によ り、水（例えば、本発明の水性組成物）や、本明細書に開示されている方法で処 理中の布地からの汚れ物質が吸い上げられる。 上記の事柄をより詳しく説明すると、一つの方式に於いては、本汚れ受容体の 最上（液体受容）層（汚れている衣服に対して置く）は、二成分繊維約５０重量 ％と木材パルプ約５０重量％とからなり、基本重量は約５０グラム／ｍ²（ｇｓ ｍ）である。下層は、木材パルプと二成分ステープルファイバーの８０／２０（ 重量）混合物であって、基本重量は約１５０ｇｓｍである。これらの比は、上 層が下層よりも疎水性となる限りは、変更することができる。例えば、上層に二 成分／木材の比６０／４０、７０／３０等を用いることができる。下層に木材／ 二成分の比９０／１０、６５／３５、７０／３０等を用いることができる。 リントコントールバインダースプレイ−リントをコントロールするのを助け、 また強度を高める為に、オプションとして、熱により架橋可能なラテックスを汚 れ受容体の上層にスプレイすることができる。この目的の為には、様々な樹脂を 用いることができる。このように、最上層の表面に、架橋可能なラテックスバイ ンダー（エアー・プロダクツにより供給されているエアーフレックス１２４）を 、１平方メートルにつき約３〜６グラムの濃度でスプレイすることができる。こ のバインダーは、木材パルプに比べて水に対する親和性が大きくなく、従って上 層の相対的な疎水性に大きく影響することはない。リンティング傾向を更に減少 させる為に、受容体の全ての端に沿って冷クリンプ、熱クリンプ、音波接着、熱 接着、及び／又は縫合を用いることもできる。 バッキングシート−このように作った場合、汚れ受容体を構成している二層吸 収性構造体は、そのまま使用することができるくらいに、十分丈夫である。しか しながら、テーブルの上や、ユーザーにより選ばれたその他の処理用表面の上に 液体がしみ通るのを防ぐ為に、液体を透過しないバリアーシートを、下層の一番 下の面に貼りつけるのが好ましい。このバッキングシートも、汚れ受容体全体の 一体性を高めるものである。下層の一番下の面に、通常の方法を用いて、０．５ 〜２．０ミル（０．０１３〜０．０５ｍｍ）、好ましくは０．７５ミル（０．０ １９ｍｍ）のＰＥもしくはＰＰフィルムの層を押出被覆することができる。この フィルム層は、受容体を通過しての液状組成物の望ましくないあらゆる漏れを防 ぐ為に、ピンホールのないバリアとなるように設計する。このバッキングシート には、配合者の希望により、使い方の指示を印刷したり、エンボス加工、及び／ 又は装飾を施すことができる。汚れ受容体は、乾燥機の外で使用する為のもので ある。しかしながら、受容体をうっかり乾燥機の中に置き、高温に曝すことがあ るかもしれないので、バッキングシートは、ポリプロピレンやナイロンのような 耐熱性のフィルムで作るのが好ましい。 基本重量−これは、吸収させようとする洗浄用／回復用溶液の使用／見込み量 により異なる。好ましい汚れ受容構造体の水平吸収性は、不織布１グラムにつき 水約４〜１５グラムである。典型的な９０ｍｍ×１４０ｍｍの受容体は、水を約 １０〜２０グラム吸収する。典型的な汚れ除去法に於いては、極僅かしか水を用 いないので、実際に必要とされる容量は、これよりずっと小さい。従って、実際 的な基本重量は約１０〜約５０ｇである。 大きさ−好ましい受容体の大きさは約９０ｍｍ×１４０ｍｍであるが、その他 の大きさも用いることができる。形状は変えることができる。 繊維−簡単に入手できる２〜３デニール（０．００７５〜０．０２１ｍｍ）の ポリエチレン／ポリプロピレンＰＥ／ＰＰ二成分ステープルと、標準的な木材パ ルプ（ハンマーミルド）繊維を、好ましい受容体を構成するのに用いる。ポリエ ステル、アクリル、ナイロンのようなその他の一般的なステープルファイバーや 、これらの内の二成分を、合成成分として用いることができる。これらの繊維や 、それらのデニールの大きさを選ぶ際には、ここでも、毛細管による吸引要件を 考慮する必要がある。デニールが大きい程、表面の疎水性が低下するので、毛細 管の吸引力が低下する。吸収性の木材パルプ繊維は、木綿、麻、レーヨン、その 他で置き換えることもできる。所望ならば、下層は、おむつや生理用品に使用す ることが知られている、いわゆる「超吸収体」である吸収性ゲル化物質（ＡＧＭ ）も含んでいてよい。このようなＡＧＭは、下層の１〜２０重量％を構成してい てよい。 厚み−汚れ受容体の全体の厚み（押さえつけずに測定）は約６０ミル（１．５ ２４ｍｍ）であるが、様々に変更可能である。吸収性があるという印象を与えた いならば、下限には限度がありうる。２５〜２００ミル（０．６〜５．１ｍｍ） が、ほどよい範囲である。 毛細管吸引力／密度−汚れ受容体の全体の密度は、吸収速度と液体容量の両方 に影響する。典型的な木材パルプを含む吸収性製品は、約０．１２〜０．１５ｇ ／ｃｃ±０．０５の密度（押さえつけずに測定）を有している。本発明の好まし い二層汚れ受容体は同様の範囲の密度を有しているが、この範囲外に調節するこ ともできる。密度が高いと剛性が増す。密度が低いと全体の強度が低下して、リ ンティングがより生じやすくなる。毛細管の吸引力は、繊維の種類、繊維のサイ ズ、及び構造体の密度により決まる。布地は非常に様々に分類され、またそれ自 体が、広い範囲にわたる毛細管吸引力を示す。処理中の汚れている衣服の毛細管 吸引力よりも大きい毛細管吸引力をもつ受容体を構成するのが望ましい。 色−白は、処理中の布地から汚れが除去されたことを最も良く示すので好まし い色である。しかしながら、色にはその他の機能上の限定はない。 しぼ付け−好ましい汚れ受容構造体は、あらゆる所望の模様、もしくはロゴを しぼ付けすることができる。 任意の不織（ＮＷ）タイプ−ＴＢＡＬ汚れ受容構造体には、密度調整、良好な 厚さの感じ、良好な吸収性、及び良好な弾性をもたらすのが好ましいが、合理的 に用いることのできるその他のタイプのＮＷは、水で絡ませたり、熱的に梳いた り、カレンダー接着したり、その他の良好な拭き取り基材製造法（熱接着湿式堆 積、及びその他を含む）に付したものであってよい。 製造−好ましい二層汚れ受容体の製造は、従来のＴＢＡＬ法を用いて行う。一 つの方式に於いては、木材繊維に富んだ下層を先ず置き、その上に、合成繊維に 富んだ上層を置く。オプションとして、いずれかの都合の良い時に、上層にバイ ンダースプレイを行うことができる。得られた二層構造体を（構造体全体を幾分 圧縮する）ロールで寄せ集める。全体としては、（押しつけていない）二層構造 体の厚みは約６０ミルであり、密度は約０．１３〜０．１５ｇ／ｃｃである。こ の密度は、バインダースプレイの使用の程度により、幾分変えることができる。 オプションのバッキングシートは、シート状の構造体を、一枚のバッキングフィ ルムと共にニップローラーを通過させることにより貼りつける。ここでも、従来 の方法を用いる。所望ならば、またコストを節約する為に、下層と上層の相対的 な厚みを変えることができる。従って、木材パルプは二成分繊維よりも安いので 、製造者は、下層を比較的厚く、また上層を比較的薄く置くように決めることが できる。このように、構造体の上層／下層の厚みの比は約１：１とするよりも、 むしろ０．２：１、０．３：１、０．５：１等から選択することができる。吸収 性を更に必要とするのであれば、この比を逆転させることができる。このような ことは、製造者の裁量の範囲である。 二層汚れ受容体は、一度使ったら捨てることができるよう、非常に安く作るつ もりである。しかしながら、この構造体は、何回も使えるくらい十分に丈夫であ る。いずれにせよ、汚れ受容体から古い汚れが出ていって、布地に戻るのを回避 する為に、ユーザーはこの製品を、「清潔な」部分が処理中の布地の汚れている 部分の下になるように置かなければならない。 本発明で用いる他のタイプの汚れ受容体は、毛細管の大きさが調節された水吸 収性発泡体の形態の機能性吸収性物質（「ＦＡＭ」）からなるものである。ＦＡ Ｍタイプの発泡体の物理的構造、及び得られる高毛細度により、非常に効果的な 水吸収性がもたらされるが、同時に、ＦＡＭの化学的組成は、典型的には、非常 に親油性となる。このＦＡＭは、本質的に、親水性と親油性とを同時にもたらす ことができる。（ＦＡＭ発泡体は、それらを親水性とするように処理することが できる。疎水性ＦＡＭと親水性ＦＡＭの両方を、本発明では用いることができる 。） 予備染み抜きを行う為には、衣服、もしくは布スワッチの汚れている部分をＦ ＡＭの部分の上に置き、その後、水性もしくは非水性の洗浄溶液を、機械的攪拌 をもたらす為に本発明の洗浄器具と共に用いて処理する。この器具を繰り返し前 後に揺り動かすことと溶液の洗浄効果により、汚れが出ていって、ＦＡＭに移動 する。染み洗浄が進むと、ＦＡＭ毛細管の吸引効果により、洗浄溶液と汚れのか たまりがＦＡＭに運ばれ、そこで汚れのかたまりがしっかりと保持される。この 工程の終わりには、汚れだけでなく洗浄溶液の殆ど全てが、処理中の布地から除 去されてＦＡＭに移動していることが分かる。これにより、布地の表面が湿って いるだけで、布地上で望ましくない環になることのある洗浄溶液／汚れのかたま りの残留物の量は最低限となる。 本発明の汚れ受容体として用いる為のＦＡＭタイプの発泡体の製造は、本発明 の一部を成すものではない。ＦＡＭ発泡体の製造は、特許文献中に非常に詳細に 記載されている。例えば１９９３年１１月９日にDesMarais，Stone，Thompson， Young，LaVon及びDyerに対して発行された米国特許第５，２６０，３４５号、 １９９３年１２月７日にDesMarais，Stone，Thompson，Young，LaVon及びDyerに 対して発行された米国特許第５，２６８，２２４号、１９９２年９月１５日にYo ung，LaVon及びTaylorに対して発行された米国特許第５，１４７，３４５号と、 対の一方の特許である１９９４年６月７日に発行された米国特許第５，３１８， ５５４号、１９９２年９月２２日にDesMarais，Dick及びShiveleyに対して発行 された米国特許第５，１４９，７２０号と、対の一方の特許である１９９３年３ 月３０日に発行された米国特許第５，１９８，４７２号と１９９３年１０月５日 に発行された米国特許第５，２５０，５７６号、１９９４年１０月４日にDesMar aisに対して発行された米国特許第５，３５２，７１１号、１９９３年３月４日 に公開された国際特許出願第９３／０４１１５号と１９９４年３月８日にDesMar aisとStoneに対して発行された米国特許第５，２９２，７７７号、１９９５年２ 月７日にDyer，DesMarais，LaVon，Stone，Talor及びYoungに対し て発行された米国特許第５，３８７，２０７号、１９９６年３月１９日にGoldma nとScheibelに対して発行された米国特許第５，５００，４５１号、１９９６年 ８月２７日にDesMaraisに対して発行された米国特許第５，５５０，１６７号の 各明細書を参照のこと。 前述のように、一体性を高め、しみ通りを防止するのを助ける為に、ＦＡＭタ イプの汚れ受容体にも、その一番下の面の上にバッキングシートを設けることが できる。 本発明の組成物、及び方法は、布地を洗浄／回復させようとするあらゆる環境 下で用いることができるが、それらは、以下により詳しく述べるように、非浸漬 家庭用「ドライ」クリーニング／回復法に於いて用いるのが特に有用である。 方法の構成要素 本発明の蒸気発散性袋、組成物、及び方法の使用について、以下により詳しく 説明する。このような開示は、説明の為のものであって、本発明を限定するもの ではない。ここで用いる限定的な語は、以下の意味を有している。 本明細書に於いて「相安定」とは、予定使用範囲（約５０〜９５°Ｆ、１０〜 ３５℃）にわたって均一であるか、もしくは相分離を生じる温度（〜４０〜１１ ０°Ｆ、４．４〜４３．３℃）で貯蔵した場合、予定使用範囲の温度に戻した時 にその均一な状態に戻る液状組成物を意味する。 本明細書に於いて「有効量」とは、上で定義した相安定な液状組成物をもたら すのに十分なアルキルサルフェート、及び／又はアルキルエトキシサルフェート 、又はその他の界面活性剤の量を意味する。 本明細書に於いて「水性」組成物とは、大部分が水であって、任意の成分とし てブトキシプロポキシプロパノール（ＢＰＰ）、もしくはその他のクリーニング 溶剤、上記の界面活性剤もしくは界面活性剤混合物、ヒドロトロープ、香料等、 特に以下に開示するものを含んでなる組成物を意味する。 本明細書に於いて「洗浄」とは、布地から汚れや染みを除去することを意味す る。（「染み洗浄」とは、発散性袋の中で行う洗浄／回復工程の前の、汚れの部 分の局所的な洗浄である。）本明細書に於いて「回復」とは、回復と同時に汚れ や染みが幾らか除去されることがあるが、本来の汚れや染みの除去以外の、布地 全体からの悪臭及び／又は皺の除去、もしくはそれらの全体的な外見の改善を意 味する。本発明に於いて典型的な布地洗浄／回復用組成物は、従来の洗浄用もし くは予備染み抜き用の組成物よりも水が多く（９５〜９９．９％、好ましくは９ ５％より多く約９９％迄）、洗浄成分は少ない。 本明細書に於いて「突起」とは、処理器具の表面から外側に向かって延びてい るノッブ、繊維、剛毛等の構造を意味する。器具のこのようなエレメントを染み 洗浄（「予備染み抜き」）中の布地に接触させて、機械的な洗浄動作をもたらす 。 洗浄器具に関しての「汚れている部分との接触」とは、器具の処理手段を構成 している突起、パッド、スポンジ等と、汚れている部分の一方の面との衝突によ りもたらされる接触を意味する。前述のように、この接触により、Ｘ方向やＹ方 向の面に沿ってごしごし擦るというよりは、実質的に下向き、すなわちＺ方向に 、汚れの表面に対して実質的に垂直な力を加えるのが、布地の損傷、もしくは「 磨耗」を最小限に抑える為に非常に望ましい。好ましくは、この接触は、本発明 の凸状の器具の前後に揺り動かす動きに伴われるものであって、それにより器具 の曲面がＺ方向に力を及ぼす。汚れ受容体に関しての「汚れている部分との接触 」とは、洗浄器具と対向している布地の汚れている部分の側が受容体に直接衝突 し、受容体と密につながっていることを意味する。 図面に示されているように、図１は、洗浄／回復用の組成物を放出可能なよう に含浸した一体型のキャリア基材（１）を示す。図２は、ルーズなキャリア基材 （１）、第一側面（２ａ）、第二側面（２ｂ）、第一締結具（３）、縁シール（ ４）、及び軟質フラップ（５）を有する、開いた状態にある成形前のノッチ付 きの収納袋の一つの形態を説明するものである。使用時には、軟質フラップ（５ ）を折り曲げ線（１１）に沿って折り曲げて、蒸気発散性クロージャーを袋に設 ける。 図３は、ルーズなキャリア基材（１）の入っている、完成した形状にある「封 筒型」のノッチ付きの袋を示す。使用時には、洗浄／回復させようとする布地を 基材（１）と共に袋の中に入れ、フラップ（５）を折り曲げ線（１１）に沿って 折り曲げて、第一締結具（３）と対向する第二締結具（６）とを係合させてフラ ップを止め、それにより、熱風衣類乾燥機、もしくは類似の装置の中での混転に 耐えるのに十分安定な蒸気発散性クロージャーを設ける。 図４は、第一側面（２ａ）と第二側面（２ｂ）の内側、第一締結具（３）、第 二締結具（６）、フラップ（５）、及び折り曲げ線（１１）を説明する為の、ノ ッチ付き収納袋の角の切り欠き図を示す。袋（９）の端と第二側面（２ｂ）にあ るノッチ（１１）の奥行きとの間の距離は、前述の通りの寸法である。 図５には、キャリアシートをルーズに入れた、ノッチの付いていない発散性袋 が描かれている。 前述の寸法は、約１７０〜２１０リットル（家庭用のサイズ）のドラム容積を もつ従来の米国式家庭用熱風衣類乾燥機の中で自由に混転させる為に設計した収 納袋についてのものである。記載した寸法の袋は、一回に約５ｋｇ以下の布地を 処理する為に設計されている。これらの寸法は、所望のＶＶＥを達成する為に、 またより大きいか、もしくは小さいドラムをもつ乾燥機中で効果的に使用する為 に、より大きいか、もしくは小さい袋に釣り合うように調節することができる。 例えば、平均的なヨーロッパの家庭用衣類乾燥機（もしくは米国の「アパート」 サイズ、ドラム容積約９０リットル）中で用いる為に構成した収納袋の全容積は 、平均的な米国の乾燥機用の袋の容積の約６０％である。 本発明の蒸気発散性袋は、水を含むあらゆる所望の布地処理組成物、特に以下 により詳しく記載する、相安定な及び／又は「真溶液」の液状布地洗浄用／回復 用組成物と共に用いることができる。本発明の方法全体により、布地から局所的 、及び全体的な汚れ、染み、及び悪臭を除去し、またさもなければ該布地をこの ような組成物に接触させることにより布地を回復させる方法がもたらされる。 キャリア−本発明の方法の乾燥機中での工程に用いる場合、洗浄用／回復用組 成物は、布地の表面がキャリアの表面と接触した時に組成物がその機能を果たす うに、キャリア基材と共に用いるのが都合が良い。キャリアは、組成物を放出可 能なように含んでいる。「放出可能なように含む」とは、本発明の非浸漬洗浄及 び／又は布地回復法の一環として、組成物がキャリアから汚れている布地上に効 果的に放出されることを意味する。この放出は、布地とキャリアとの間の直接的 な接触により、キャリア基材からの組成物の揮発により、もしくはそれらの組み 合わせにより生じさせることができる。 キャリアは、例えば粉末、フレーク、シュレッド等のような、いかなる所望の 形態であってもよい。しかしながら、このような微粉砕キャリアは、工程の終わ りには布地から分離しなければならない、ということが分かるであろう。従って 、キャリアは、その構造的な一体性が全工程にわたって実質的に保持される一体 型のパッドもしくはシートの形態であるのが非常に好ましい。このようなパッド もしくはシートは、例えば、不織シート、ペーパータオル、繊維状のバット、包 帯のコア、おむつ、生理用品等を製造する為の良く知られている方法を用いて、 例えば木材パルプ、木綿、レーヨン、ポリエステル繊維、及びそれらの混合物の ような物質を用いて作ることができる。織られている布パッドも用いることがで きるが、不織パッドに比べると、コストの点から好ましくない。一体型キャリア パッドもしくはシートは、天然もしくは合成のスポンジ、発泡体等から作っても よい。 キャリアは、本発明の方法の予定している作業条件下で安全、且つ効果的であ るように設計される。キャリアは、工程中に可燃性を示してはならず、また洗浄 用もしくは回復用の組成物と、又は洗浄中の布地と有害な相互反応を生じてはな らない。一般的に、不織のポリエステルをベースとするパッドもしくはシートが 、本発明に於いてキャリアとして用いるのに非常に適している。 本発明で用いるキャリアは、最も好ましくは非リント性のものである。ここで の「非リント性」とは、目に見える繊維もしくはマイクロファイバーが洗浄中の 布地に当たるのを防ぐ、すなわち「リント」という言葉で一般的に知られている ものの付着を防止するキャリアを意味する。キャリアは、濃青色のウールの布地 にキャリアを擦りつけて、リントの残留に関して布地を目視で検査することによ り、キャリアの非リント性についての、キャリアの満足度を簡単、且つ適切に判 断することができる。 本発明で用いるシートもしくはパッドキャリアの非リント性は、キャリアを繊 維の単一のストランドから作ったり、例えば点接着、プリント接着、接着剤／樹 脂含浸接着、接着剤／樹脂スプレイ接着、ステッチ接着、及びバインダー繊維を 用いた接着のような、不織材料に一般的に用いられる公知の接着技術を用いるこ とを含む幾つかの手段により達成することができるが、これらに限定されるもの ではない。別の方式に於いては、キャリアは、吸収性のコアを用いて作ることが できる。該コアは、それ自体がリントを落とす材料から作ることができる。その 後、このコアを、洗浄用もしくは回復用組成物は通すが、コアからのリントは通 さないような孔サイズをもつ、多孔質で非リント性の物質から作られたシート内 に封入する。このようなキャリアの例には、不織ポリエステルスクリム中に封入 したセルロースもしくはポリエステル繊維コアが含まれる。 キャリアは、キャリアの表面と処理中の布地の表面とが効果的に接触するのに 十分な表面積をもたらす大きさでなければならない。勿論、キャリアの大きさは 、ユーザーにとって扱いにくい程、大きくてはならない。典型的には、キャリア の 寸法は、少なくとも約３６０ｃｍ²、好ましくは約３６０〜約３０００ｃｍ²の顕 微鏡的表面積（キャリアの両面）をもたらすのに十分である。例えば、通常長方 形のキャリアは、約２０〜約３５ｃｍ（Ｘ方向）と約１８〜約４５ｃｍ（Ｙ方向 ）の寸法を有していてよい。より大きい表面積を望む（もしくは必要）ならば、 二つ以上の小さいキャリアユニットを用いることができる。 キャリアには、意図する目的に対して効果的とする為に、十分な量の洗浄用／ 回復用組成物を含ませる。キャリアのこのような組成物の収容量は、予定されて いる使用法により異なる。例えば、使い捨てしようとするパッドもしくはシート には、何回も使おうとするパッドもしくはシートよりも小さい容量が必要となる 。所定のタイプのキャリアでは、洗浄用もしくは回復用組成物の収容量は、主に シートもしくはパッドの厚み、もしくは「キャリパー」（Ｚ方向、乾量基準）に より異なる。実例を挙げれば、本発明で用いる典型的な使い捨てのポリエステル シートの厚みは約０．１〜約０．７ｍｍの範囲であり、基本重量は約３０〜約１ ００ｇ／ｍ²の範囲である。本発明の典型的な何回も使用する為のポリエステル パッドの厚みは約０．２〜約１．０ｍｍの範囲であり、基本重量は約４０〜約１ ５０ｇ／ｍ²の範囲である。連続気泡スポンジシートの厚みは約０．１〜約１． ０ｍｍの範囲である。勿論、上記の寸法は、洗浄用、もしくは回復用組成物の所 望の量がキャリアにより効果的にもたらされる限りは、変更可能である。 本発明に於いて好ましいキャリアは、無バインダー（もしくは低バインダーで もよい）であって、水で絡み合わされた吸収性の材料、特にセルロース、レーヨ ン、ポリエステル、及び任意の成分として二成分繊維からなる混合物から配合さ れた材料からなるものである。このような材料は、ザ・デクスター社のデクスタ ー・ノンウーブン・ディビジョンからハイドラスパン（商品名）、特にグレード １０２４４及び１０４４４として入手可能である。このような材料の製造は本発 明の一部を成すものではなく、また文献中に既に開示されている。例えば１９９ １年４月２３日にViazmensky等に対して発行された米国特許第５，００９，７４ ７号、及び１９９４年３月８日にViazmensky等に対して発行された米国特許第５ ，２９２，５８１号の各明細書を参照のこと。これらの特許明細書は、参考とし て本明細書に記載するものである。本発明に用いるのに好ましい材料は、以下の 物性を有するものである。 米国特許第５，００９，７４７号、及び第５，２９２，２８１号の各明細書に 開示されているように、水で絡み合わせる方法により、セルロース繊維と、好ま しくは少なくとも約５重量％の合成繊維とからなり、湿潤強度、及び湿潤靭性を 向上させるのに２％未満の湿潤紙力増強剤しか必要としない不織物質が得られる 。 驚くべきことに、水で絡み合わせたこのキャリアは、単に本発明の洗浄用／回 復用組成物に対する受動的な吸収材であるだけでなく、実際に洗浄性能を最適化 するものである。理論に拘泥するものではないが、このキャリアは、組成物を汚 れている布地に運ぶのにより効果的であると推測される。或いは、この特定のキ ャリアは、繊維が混合されている為に、汚れている布地と接触させて汚れを除去 するのにより良いのかもしれない。理由はどうあれ、より優れた洗浄性能が得ら れる。 性能の改善の他に、水で絡み合わせたこのキャリア物質は、そのレジリエンス 故に、付加的、且つ予想外の利益をもたらすことが今回分かった。本発明のシー トは、使用時には、実質的に広がった状態で機能するように設計されている。し かしながら、このシートは折りたたまれた形で包装され、消費者に販売される。 従来の材料から作られたキャリアシートは、使用時に、望ましくない元の折りた たまれた形に戻りやすいことが分かった。この望ましくない特性は、このような シートに穴を開けることにより克服できるが、その為には、付加的な工程が必要 となる。本発明のキャリアシートを形成させるのに用いる水で絡み合わせた材料 は、使用中に再び折りたたまれるという傾向がなく、従ってこのような穴を開け る必要がないということが今回分かった（勿論、所望ならば穴を用いてもよい） 。従って、水で絡み合わせたキャリア材料のこの特性により、それらが、本発明 の方法に用いるのに最適なものとなる。 放出制御されたキャリア−本発明に用いることのできるその他のキャリアは、 液状の組成物を吸収し、且つそれらを制御された方法で放出する能力により特徴 付けられるものである。このようなキャリアは、単層もしくは多層のラミネート であってよい。一つの態様に於いては、このような放出制御されたキャリアは、 １９９１年４月２３日にT.W.Osborn IIIに対して発行された、「Thin,Flexible Sanitary Napkin」と題され、ザ・プロクター・アンド・ギャンブル社に譲渡さ れた米国特許第５，００９，６５３号明細書に開示されている吸収性コア材から なっていてよい。この特許明細書は、参考として本明細書に記載するもので ある。本発明の放出制御されたキャリアの他の具体例には、ウェブ中に均一に、 もしくは不均一に分散させた高分子ゲル化物質の粒子を有している、繊維を水で 絡み合わせたウェブ（上で開示したような）が含まれる。適切なゲル化物質には 、Osbornの特許明細書の第５〜６欄に詳しく開示されているものの他に、１９８ ７年３月３１日にBrandt，Goldman及びInglinに対して発行された米国特許第４ ，６５４，０３９号明細書に開示されているものが包含される。本発明に於いて 有用なその他のキャリアには、アイオワ州のマスカチンにあるグレイン・プロセ シング社から入手可能なウォーター・ロック（商品名）Ｌ−５３５が包含される 。日本の東大阪にあるチョーリ社からランシールＦという商品名で入手可能なア クリレート繊維材のような非粒状の超吸収体、及びデラウエア州のウィルミント ンにあるハーキュレス社からアクアロンＣという商品名で入手可能なカルボキシ メチルセルロース繊維材も、本発明で用いることができる。これらの繊維状の超 吸収体も、水で絡み合わせたタイプのウェブに用いるのに便利である。 他の態様に於いては、放出制御されたキャリアは、セルロース繊維の吸収性の バット、もしくは前述のハイドラスパンシートのような水で絡み合わせた繊維の 複数の層からなっていてよい。この態様に於いては、ハイドラスパンを通常２〜 約５枚用いることにより（オプションとして、部分的に接着して凝集性のある多 層構造体とすることができる）、所望ならばゲル化物質を用いてもよいが、吸収 性のゲル化物質を必要とせずに、本発明で用いる吸収性キャリアを得ることがで きる。その他の有用な放出制御されたキャリアには、天然もしくは合成のスポン ジ、特に連続気泡ポリウレタンスポンジ及び／又は発泡体が含まれる。どの放出 制御されたキャリアを選択しても、それは、本発明の液状組成物を十分に吸収す るが、圧、もしくは熱をかけたときにそれらを放出するものでなければならない 。典型的には、本発明の放出制御されたキャリアは、洗浄用組成物を１０〜３０ ｇ含んでいる場合に、触ると濡れた感じ、もしくは好ましくは殆ど乾いているが 幾 分濡れた感じがするものである。 カバーシート−任意の態様に於いては、液体を透過するカバーシートをキャリ アの上に重ねる。一つ態様に於いては、カバーシートは、キャリアの表面にカバ ーシートをスプレイ接着することにより、キャリアに付ける。このカバーシート は、形に沿い易く、柔らかな感じのする物質から作るのが好ましい。また、カバ ーシートは、液体及び／又は蒸気を透過させ、水性の洗浄用／回復用組成物を、 その厚さ全体に移動させるものである。適切なカバーシートは、ポリマー状の物 質、成形された熱可塑性フィルム、有孔プラスチックフィルム、多孔性のフィル ム、網状の発泡体、天然繊維（例えば木材繊維や木綿繊維）、織られているか、 不織の合成繊維（例えば、ポリエステル繊維やポリプロピレン繊維）、もしくは 天然繊維と合成繊維の混合物のような様々な物質から製造することができるが、 有孔成形フィルムが好ましい。有孔成形フィルムは液状の洗浄用／回復用組成物 を（もしくは蒸気）を透過させ、しかも非吸収性であるので、カバーシートには 好ましい。従って、布地と接触している成形フィルムの表面は比較的乾いたまま であって、それにより水の染みや移染が更に少なくなる。しかも、有孔成形フィ ルムは、処理中の布地から、リント、ペットの毛のような繊維状の物等を捕らえ て保持し、それにより本発明の方法によりもたらされる洗浄／回復効果を更に高 めることが今回分かった。適切な成形フィルムは、１９７５年１２月３０日にTh ompsonに対して発行された「Absorptive Structure Having Tapered Capillarie s」と題された米国特許第３，９２９，１３５号、１９８２年４月１３日にMulla neとSmithに対して発行された「Disposable Absorbent Article Having A Stain Resistant Coversheet」と題された米国特許第４，３２４，２４６号、１９８ ２年８月３日にRadelとThompsonに対して発行された「Resilient Plastic Web E xhibiting Fiber-Like Properties」と題された米国特許第４，３４２，３１４ 号、１９８４年７月３１日にAhr，Louis，Mullane及びOuelleteに対し て発行された「Macroscopically Expanded Three-Dimensional Plastic Web Exh ibiting Non-Glossy Visible Surface and Cloth-Like Tactile Impression」と 題された米国特許第４，４６３，０４５号、１９８７年１月２９日にOuellete, Alcombright及びCurroに対して発行された米国特許第４，６３７，８１９号、１ ９８６年９月２日にCurro，Baird，Gerth，Vernon及びLinmanに対して発行され た米国特許第４，６０９，５１８号、１９８６年１２月１６日にKernstockに対 して発行された米国特許第４，６２９，６４２号、及び１９８９年８月３０日に 公開されたOsbornのヨーロッパ特許第０，１６５，８０７号の各明細書に記載さ れている。これらの特許明細書は、参考として本明細書に記載するものである。 もし用いるのであれば、勾配のある毛細管孔をもつこのような成形フィルムカバ ーシートは、毛細管の小さい方の端がキャリアシートに面し、毛細管の大きい方 の端が外側を向くようにキャリアシート上に位置させるのが好ましい。 また本発明のカバーシートについては、キャリア＋洗浄用／回復用組成物を覆 う為に、透過性のある不織布、もしくは織られている布を用いることも可能であ る。或る状況下では、このような不織の、もしくは織られている繊維状のカバー シートは、成形フィルムのカバーシートに比べて、幾つか利点をもたらすことが ある。例えば、成形フィルムのカバーシートは、ポリエチレンのようなポリマー フィルムには特に適している水による成形法により作られることが多い。本発明 ではポリエチレンを用いることができるが、それは融点が低いので、使用時の高 い乾燥機温度で軟化及び／又は溶融するといった可能性がある。これは、本発明 の製品が収納袋から出て、熱い乾燥機ドラムに落ちるというような場合に特に当 てはまる。ナイロン、ポリエステル、もしくはその他の耐熱性ポリマーシートを 用いて成形フィルムトップシートを作ることができるが、このような製造は幾分 困難であり、従ってより高価となる。 繊維状のカバーシートは、ポリエチレンのような耐熱性のない繊維から作るこ ともできる。しかしながら、好ましいカバーシートは、本発明の方法での不注意 な誤使用にも耐えることのできる、ナイロン（特にナイロン−６）、ポリエステ ル等の耐熱性繊維を用いて作ることができるということが、今回確認された。こ れらから作られた、柔軟性があって布地のような透過性のあるトップシートは、 不織布や織布を作る技術に於いて公知の材料であって、それらの製造は、本発明 の一部を成すものではない。このような不織布は、デクスター社のような会社か ら市販されている。このような不織の、もしくは織られている繊維状のカバーシ ートを製造するのに用いられる繊維の疎水性は、本発明の方法を実施する間に水 により染みが付く機会を減らすのに役立つ。このようなカバーシートには、本発 明の方法を実施している間に、処理中の布地からの浮遊リントやその他の繊維も 付着するので、それにより布地の全体的な洗浄／回復感が高められる。 このような不織の、もしくは織られている繊維状シート材は、本発明のカバー シートとして、単一層で、もしくは多層として用いることができる。一つの態様 に於いては、洗浄用／回復用組成物を含んでいる吸収性コアを、環状に丸くさせ たか、さもなければ三次元体をもたらす為に縮らせたポリエステルもしくはポリ アミド繊維カバーシートで覆う。オプションとして、このカバーシートを、縮ら せていない形状の第二のカバーシートで更に覆ってもよい。または、コアを、一 層、もしくは二層以上の縮らせていない繊維状のカバーシートで覆うことができ る。或いは、耐熱性のない物質から作られた、勾配のある毛細管をもつ成形フィ ルムカバーシートを、耐熱性繊維を含んでなる織られた、もしくは不織の繊維状 カバーシートの保護スクリムで覆うことができる。 このような繊維状の、好ましく耐熱性のある、最も好ましくは疎水性のカバー シートにより、このように、本発明の製品の様々な態様がもたらされる。製造者 の希望により、本発明の精神、及び範囲から離れることなく、様々な組み合わせ を用いることができる。それぞれの場合に於ける目標は、水の染みが付くのを避 ける為に、製品の濡れたキャリアコアが処理中の布地に長時間、直接接触するの を防ぐことである。所望ならば、カバーシートに、リント、繊維、もしくは粒状 の汚れが通過することのできる顕微鏡的な穴を設けてもよく、それによりこのよ うな異物を製品そのものの内部に補足されるのを助けることができる。 カバーシートの外側の面は、疎水性であるのが好ましい。しかしながら、所望 ならば、界面活性剤で処理することにより、カバーシートの外側及び／又は内側 の面を親水性とすることができる。界面活性剤は、カバーシートの表面全体に実 質的に均一に、且つ完全に分布させる。これは、当業者に良く知られているいず れかの通常の方法により行うことができる。例えば、界面活性剤を、スプレイす ることにより、パジングすることにより、もしくは転写ロールの使用により塗布 することができる。また、界面活性剤は、成形フィルムカバーシートの高分子状 の材料中に配合することができる。このような方法は、前に引用した米国特許第 ５，００９，６５３号明細書に開示されている。 全体的な方法 布地の汚れている部分から汚れを除去する為の好ましい予備染み抜き法は、染 み抜き洗浄用組成物（好ましくは、本明細書に記載したように、目に見える残留 物を実質的に残さないもの）を該汚れ部分に塗布し、本発明の器具を汚れの上で 、手の圧を用いて前後に揺り動かして汚れを除去することからなる。好ましい方 式に於いては、本発明の方法の予備染み抜き工程では、染み抜き洗浄用組成物を いずれかの都合の良い手段、例えばスプレイする、塗る、注ぐ等により布地に塗 布する。別の方式に於いては、前後に揺り動かす工程中に、汚れている部分を、 染み抜き洗浄用組成物で飽和させたキャリアシートに接触させることにより、予 備染み抜き法を実施する。都合の良いことに、布地とキャリアシートとを、洗浄 用組成物を包み込む系として保持皿、もしくはその他の適切な容器の中に置くこ とができる。 より詳しくは、本発明の方法は全体として、以下のようにして実施することが できる。本発明の精神、及び範囲から離れることなく、この方法を変更すること ができる。 １．布地の汚れている部分を、テーブルの上、トレイの中等のようないずれか の適切な面の上に置かれている本明細書に記載した汚れ受容体、もしくはやや好 ましくないが普通の畳んだペーパータオル（例えば、タオルからの移染を避ける 為に好ましくは白色、もしくは印刷のされていないバウンティー（商品名）ブラ ンドのもの）の上に接触させて置く。 ２．組成物を汚れに注ぐ小さい口をもつボトルから、十分な量の染み抜き洗浄 用組成物を塗布して（布地の周囲の部分に不必要にしみ込ませることなく）、局 所的な汚れの部分にしみ込ませる−約１０滴、より大きな汚れにはそれより多く 使用してもよい。 ３．オプションとして、組成物を３〜５分間、汚れに浸透させる。（これは、 より良好な洗浄結果を得る為の前処理工程、もしくは前水和工程である。） ４．オプションとして、更に組成物を塗布する−約１０滴、より大きな汚れに はそれより多く使用してもよい。 ５．汚れを完全に落とす為に、汚れ除去器具を用いる。この器具を、典型的に は２０〜１２０秒間、頑固な汚れにはこれより長い時間、汚れに対してしっかり と前後に揺り動かす（Ｚ方向の力）。布地を傷めることがあるので、汚れを器具 で擦っては（Ｘ−Ｙ方向の力）ならない。 ６．オプションとして、布を、例えばペーパータオルの間に挟んでぬぐい、余 分な組成物を除去する。或いは、処理した部分を湿ったスポンジ、もしくはその 他の吸収性媒体でぬぐって繊維を洗い流し、余分な組成物を除去してもよい。 ７．本明細書に開示した乾燥機中での洗浄／回復法を、蒸気発散性袋を用いて 布地全体に対して実施する。 ８．工程７の後、再び皺が付くのを防ぎ、また完全に乾かす為に、やや湿って いる布地を速やかに吊るすのが好ましい。代りに、布地にアイロンをかけてもよ い。 本発明による予備染み抜き作業を任意の工程として含む、布地表面の全体を処 理する為の方法全体には、以下の工程が全体として含まれる。 （ｉ）オプションとして、上記の開示に係る汚れ除去法を、布地の局所的 な汚れの部分に対して実施する。 （ｉｉ）布地全体を、水性の布地洗浄用／回復用組成物を放出可能なように 含有するキャリアと共に蒸気発散性収納袋の中に入れる。 （ｉｉｉ）この袋を、攪拌をもたらす為の装置、例えば熱風衣類乾燥機のよう な装置の中に入れて、加熱しながら乾燥機を運転して混転させ、布 地を湿らせ、また蒸気を発散させる。 （ｉｖ）袋から布地を取り出す。 ここでも、完全に乾かす為に、及び／又は再び皺が付くのを防ぐ為に、布地を 速やかに吊るす。 便利な方式に於いては、布地の汚れている部分に、液状組成物の一部をボトル から注ぐ。図１１に示されているように、例えば、典型的には手の圧を用いて弓 形の器具を汚れの上で前後に揺り動かすことにより、洗浄器具の突起を汚れに密 着させる。この器具で面方向にごしごし擦るのは、発生する可能性のある布地の 傷みを最小限に抑える為に、避けるのが好ましい。接触は、軽い汚れに対しては １〜６０秒間維持し、より重い、もしくはより頑固な汚れに対してはより長い時 間維持すればよい。 全方法中の洗浄／回復工程は、混転装置中で、好ましくは熱の存在下で実施す るのが都合が良い。キャリア＋水性洗浄用／回復用組成物を入れ、且つ任意の工 程で予備染み抜きした、洗浄し回復させようとしている布地を入れたナイロン、 もしくはその他の耐熱性の蒸気発散性袋を閉じて、４０〜１５０℃の温度の自動 熱風衣類乾燥機のドラムの中に入れる。このドラムを回転させると、袋に混転動 作が与えられ、この混転と同時に袋の中身が攪拌される。この攪拌により、布地 が、組成物を含有しているキャリアと接触する。混転、及び加熱は、少なくとも 約１０分間、典型的には約２０〜約６０分間行う。この工程は、布地の汚れの程 度や種類、汚れの性質、布地の性質、布地の量、加熱量等、ユーザーのニーズに 応じて、これより長いか、もしくは短い時間、実施することができる。この工程 を実施する間に、水分が約４０％より多く、袋から発散される。 本発明の方法、及び組成物の皺除去性能については、皺が付くのは、布地の種 類、繊維の織り方、繊維の仕上げ等により影響されることがある、ということが 分かるであろう。皺になりやすい布地は、本発明に用いる蒸気発散性袋に入れ過 ぎないようにするのが好ましい。従って、例えば使用容積が布地約５ｋｇ以下の 袋については、容積の約６０％以下（すなわち約３ｋｇ以下）の布地を処理する のが、更に皺が付くのを最少限に抑えるのには最も良い。 本発明で用いるのに好ましい組成物を以下に開示するが、それらは本発明の範 囲を限定するものではない。 例Ｉ 図３及び図５に示すような本発明の蒸気発散性袋と共に用いる為の、シート状 のドライクリーニング用製品を、シート基材、及び以下の成分を混合して得られ る洗浄用組成物を用いて組み立てる。 成分 ％（重量） ＢＰＰ^* ７．０ １，２−オクタンジオール ０．５ ペミュレンＴＲ−１^** ０．１２５ ＫＯＨ ０．０８ 香料 ０．７５ 水、及び少量成分^*** 残部 ＊ダウ・ケミカル社から入手可能な異性体混合物 ＊＊Ｂ．Ｆ．グッド・リッチのペミュレンＴＲ−２に変えてもよい。 ＊＊＊カトン（商品名）のような防腐剤を含む。 非リント性キャリアシートを、加工素材である前述のハイドラスパン（商品名 ）、グレード１０２４４布地を用いて作る。この布地を切断して、約９インチ（ ２２．９ｃｍ）×１０インチ（２５．４ｃｍ）の、すなわち５８０．６ｃｍ²の 四角いキャリアシートにする。 上記の洗浄用組成物２３グラムを、このシートに、手による圧を用いて、ロー ラーもしくはスパチュラで均一に塗布する。別の方式では、洗浄用組成物を基材 上にたらすかスプレイし、その後でローラー、もしくは一対のニップローラーで 絞ることにより、すなわち「浸漬絞り」もしくは「スプレイ絞り」により塗布す ることができる。シートの外側の表面は湿っているが、触ってもべとつかない。 完成したシートは包装する為に折りたたむことができ、また広げて、本明細書に 開示した方法で使用する時には、シートは所望の広げた形のままとなる。 例ＩＩ 以下は、本発明の穴のある発散性収納袋を用いる本発明の典型的な方法を説明 するものであるが、それを限定するものではない。 ベルクロ（商品名）タイプの締結具のパッチを有する、穴のある柔軟なナイロ ンポリマーの平らなシートを組み立てる。穴は、ナイロン−６のシートの袋の二 つの側面のそれぞれに穿孔された、直径が約２ｍｍの一続きの６組の円形の穴を 構成している。別の方式に於いては、ナイロンジッパーもしくはジップ−ロック （商品名）タイプのクロジャー手段の他に、触圧接着剤や単純な紐を用いること ができる。この収納袋は、シートを折り曲げて、縁に沿って接着することにより 形成される。密封手段を対向する接触面に押しつけることにより、締結手段を有 するクロージャーフラップで袋を閉じて密封する。典型的な方式に於いては、例 Ｉに記載したタイプのシート基材を、容積が約２５，０００ｃｍ³の穴の開いた 袋の中に入れる。その後、約２ｋｇ以下の洗浄しようとする乾いた衣服を、この 袋の中に入れる。その後、袋を閉じて密封し、従来の熱風衣服乾燥機の中に入れ る。乾燥機をスタートさせて、約５０〜約４００℃の範囲の乾燥機空気温度で、 袋を２０〜３０分間混転させる。この間に、シートが布地と密着する。機械のサ イクルが終了した後、袋とその中身とを乾燥機から取り出し、使用した洗浄用／ 回復用シートは捨てる。ナイロンの袋は、再使用する為にとっておく。袋は、上 記の範囲での最高温度でも一体性を保持し、５〜１０回、もしくは１１回以上再 使用することができる。衣服は、洗浄され、回復されている。 上記のタイプのシート中の洗浄用組成物の使用レベルを決める際に、好ましい 使用範囲にすると、蒸気放出の度合いの異なる袋を用いることになるということ が分かるであろう。本発明に於いて典型的な容積（約１５０００〜２５０００ｃ ｍ³）の袋については、組成物を１Ｘ（２３ｇ）使用するのには約６組の直径２ ｍｍの穴を用いるのが好ましく、また組成物を３Ｘ使用するのには１５組以下の 直径６ｍｍの穴を用いるのが好ましい。水の量、及びその他の組成物に関するパ ラメータの適切な最適化、並びに袋の穴の数、及び位置により、洗浄中の布地に 皺がつくのが最低限に抑えられる。 別の方式に於いては、洗浄中の布地の非常に汚れている部分を、本発明の新し い洗浄用シートをその部分に押しつけるか、擦りつけることにより、前処理して もよい。その後、このシートと前処理した布地を、穴の開いたナイロンの袋の中 に入れて、ここに記載した方法で、乾燥機中の工程を実施する。 例ＩＩＩ 以下は、本発明の典型的なドライクリーニング用のキットを説明するものであ るが、それを限定するものではない。 本明細書に記載されているタイプの使い捨てのドライクリーニング用シート複 数枚（典型的には３〜１０枚）を、締結可能で再使用可能な穴の開いたナイロン の収納袋と共に、小売り販売に適した従来のボール箱からなる容器の中に包装し て、クリーニング用のキットを組み立てる。 例ＩＶ 上で開示したような布地からの染料の「ブリード」、もしくは落ちの生じる傾 向の少ないドライクリーニング用組成物は、以下の通りである。 上記のタイプの組成物１５〜２５グラムを、本明細書中に開示した方法で用い る為のハイドラスパン（商品名）キャリアシート上に置く。 例Ｖ 予備染み抜き剤として用いる組成物、もしくは本明細書中に開示した方法で発 散性袋と共に熱風衣類乾燥機中で用いるシート基材上の組成物は、以下の通りで ある。このような高含水組成物は、特に洗浄済の布地の皺を少なくするのに有用 である。 他の成分の他に、上記の組成物は、洗浄性能を更に高める為に、酵素を含むこ とができる。リパーゼ、アミラーゼ及びプロテアーゼ酵素、もしくはそれらの混 合物を用いることができる。使用する場合、このような酵素は、典型的には組成 物の約０．００１〜約５重量％であり、好ましくは約０．０１〜約１重量％であ る。例えば、リポラーゼ、エスペラーゼ、アルカラーゼ、サビナーゼ、及びター マミル（全てノボから）、及びマキサターゼやラピダーゼ（インターナショナル ・バイオシンテシス社から）のような市販の洗浄性酵素を用いることができる。 帯電防止効果を望むのであれば、ここで用いる組成物は帯電防止剤を含有する ことができる。もし使用するのであれば、このような帯電防止剤は、組成物の少 なくとも約０．５重量％であり、典型的には約２〜約８重量％である。好ましい 帯電防止剤には、ナショナル・スターチ・アンド・ケミカル社からバーサフレッ クス１５７、２０７、１００１、２００４及び７０００として入手可能な一連の スルホン化ポリマーが包含される。 ここでの組成物は、オプションとして、例えばカソン（商品名）のような従来 の防腐剤を０．０００１〜１重量％のレベルで用いて、貯蔵に対して安定化させ ることができる。 以下の例は、本発明の好ましい態様をより詳しく説明するものであるが、本発 明を限定するものではない。 例ＶＩ 本発明の予備染み抜き工程に用いる為の、好ましい高水率、低残留物組成物は 以下の通りである。これらの組成物は、それらに用いる界面活性剤のタイプによ り、「ノニオン系」、もしくは「アニオン系」として記載する。これらの組成物 は、開示されている方法で用いる。 これ迄に開示したように可能性のある染料の損傷を最小限に抑える為に、この ような組成物は、Ｈ₂Ｏ₂の量よりも少ない量（組成物に対する重量）でアニオン もしくはノニオン界面活性剤を含むのが好ましい。界面活性剤とＨ₂Ｏ₂の重量比 は、約１：１０〜約１：１．５であるのが好ましく、最も好ましくは約１：４〜 約１：３である。 例ＶＩＩ 通気孔を設けた乾燥機用袋の中で用いる低残留物液状布地洗浄用／回復用製品 を、以下のように作る。 成分 ％（重量） 水 ９９．３ 乳化剤（トゥイーン２０）^* ０．３ 香料 ０．４ ＊ＩＣＩサーファクタントから入手可能なポリオキシエチレン（２０）ソルビ タンモノラウレート この製品２３グラムを、１１インチ×１５インチ（２８ｃｍ×３８ｃｍ）の不 織布、好ましくはハイドラスパン（商品名）のキャリアシートに塗布する。簡単 だが有効な方式では、このキャリアシートをパウチの中に入れて製品で満たす。 基材の毛細管作用、及びオプションとしてパウチの側面を操作する、及び／又は たたくことにより、製品がシート全体にしみわたる。シートは、「滴る」ように は液体で濡れないようなタイプ、大きさ、吸収性のものであるのが好ましい。液 状組成物が使用する迄貯蔵するのに安定であるように、パウチを密封する。 工程１ 洗浄し回復させる布地を選ぶ。布地の局所的に汚れている部分を、吸 収性の汚れ受容体の上に配置して、例ＶＩの液状製品約０．５〜５ｍｌ（汚れの 大きさにより異なる）を直接塗布して処理する。この製品は、図に示す凸状の器 具を用いて、布地の中に徐々にしみ込ませる。処理した汚れを、乾いたペーパー タオルで叩く。別の方式では、この製品をキャリアシートに放出可能なように吸 収させて汚れに塗布し、それをその後、手の圧で器具を前後に揺り動かして処理 する。 工程２ 予備染み抜き工程の後、図に示されているような蒸気発散性のナイロ ン袋の中に、布地を、例ＶＩＩもしくは例ＶＩＩＩの洗浄用／回復用製品を放出 可能なように含有しているシート（保存用のパウチから取り出して広げたもの） と共に入れる。袋の口を閉じて蒸気発散孔を設け、袋とその中身を、従来の熱風 衣類乾燥機のドラムの中に入れる。乾燥機を、高温（空気温度範囲約１４０〜１ ７０°Ｆ、６０〜７０℃）にセットして、標準的な方法で２０〜６０分間動かす 。乾燥機の混転動作が止まった後、洗浄され回復された布地を袋から取り出す。 使用したシートは捨てる。 例ＶＩＩＩ 本発明の蒸気発散性袋の中に入れ、乾燥機の中で用いる為の高含水率（「スイ ートウォーター」）低残留物洗浄用／回復用組成物製品は、以下の通りである。 この組成物を、布地を洗浄し回復させる為に、上で開示した方法で用いる。 このスイートウォーター組成物２０〜３０グラム、好ましくは約２３グラムを 、２８ｃｍ×３８ｃｍのハイドラスパン（商品名）キャリアシートに吸収させる （シートは、「滴る」ようには濡れていないのが好ましい）。このキャリアシー トは、キャリアーシートの表面と洗浄し回復させる布地の表面とが効果的に接触 するのに十分な表面積をもたらす大きさのものである。シートを上記の方法で蒸 気発散性袋と共に用いて、熱風乾燥機中で布地を洗浄し、回復させる。 例ＩＸ 液状予備染み抜き用組成物を、以下の成分を混合することにより配合する。 成分 ％（重量） ＢＰＰ ４．０ Ｃ₁₂〜Ｃ₁₄ＡＳ、Ｎａ塩 ０．２５ Ｈ₂Ｏ₂ １．０ 水、及び少量成分^* 残部 ＊０．００００１〜１重量％のレベルのカトン（商品名）のような防腐剤を 含有する。 処理しようとする布地を、吸収性ＦＡＭ発泡体汚れ受容体の上に平らに広げ、 組成物を０．５〜４ｍｌ汚れに直接塗布し、弓形の洗浄器具を前後に揺り動かし てしみ込ませる。 この工程で用いることのできる他の有用な組成物は、以下の通りである。 上記のものは、ＡＳ界面活性剤を用いた予備染み抜き用組成物を説明するもの である。ＭｇＡＥＳやアミンオキシド界面活性剤を用いることにより、改良され た洗浄性能が得られるが、相安定性が幾分低下する可能性がある。従って、Ｍｇ ＡＥＳ界面活性剤を用いることにより、ＢＰＰを約２〜３％含む水性組成物を安 定化させることができる。しかしながら、ＢＰＰを４％、もしくは４％超過含有 する組成物については、配合者は、ＡＳ界面活性剤を包含することを希望する。 界面活性剤の量と配合は、配合者が望む温度依存相安定性の程度により異なる。 例えばジメチルドデシルアミンオキシドのようなアミンオキシド界面活性剤も、 組成物に用いることができる。 その後、予備染み抜きを行った布地を、上記の開示のいずれかに係る高水洗浄 用／回復用組成物約２０〜３０グラムを放出可能なように含有し、また任意の成 分としてＢＰＰ、もしくは本発明に於けるその他の洗浄用溶剤を０．５〜６％の レベルで含有しているシートと共に、柔軟性のある発散性の「封筒」型の袋の中 に入れる。この袋を、ベルクロ（商品名）タイプの締結具を用いて閉じる。この クロージャーにより袋の口に沿って蒸気発散用の隙間がもたらされるが、それは 、処理中に布地を袋の中に保持するのに十分丈夫である。典型的な方式では、袋 の容積は約２５，０００ｃｍ³である。これには、乾いた布地を約２ｋｇ迄入れ られる。布地とシートを袋の中に入れたら、閉じる前に、袋から空気を絞り出さ ないのが好ましい。閉じた袋を、従来の熱風衣類乾燥機の中に入れる。乾燥機を スタートさせて、約４０〜約１５０℃の範囲の乾燥機空気温度で、袋を２０〜３ ０分間混転させる。この間に、シートが布地と接触する。水蒸気、及び悪臭性揮 発物質が袋の口のところにある通気孔を経て袋から放出され、その後、乾燥機か ら放出される。機械サイクルが終了した後、布地を袋から取り出して、完全に乾 燥させる為に、また皺を避ける為に吊るし、使用したシートは捨てる。袋は、再 使用する為にとっておく。布地は、洗浄され回復されており、また皺は実質的に 皆無である。処理中の布地１キログラムにつき本発明の好ましい組成物を約８〜 約２００ｇ用いると、優れた全体的な洗浄、回復、脱皺が確実に達成される。 上記の例は、予備染み抜きを行い、その後で、水、溶剤等を含有する洗浄用組 成物を用いて、熱風衣服乾燥機中で汚れている布地を洗浄するのに本発明を用い ることを説明するものである。以下の例は、「二重」予備染み抜き法を説明する ものである。この方法の一つの態様に於いては、溶剤をベースとする非水性の洗 浄用組成物を放出可能なように含有しているパッドもしくはシートを、本発明の 器具と共に用いて、布地から汚れを除去する。オプションとして、しかし好まし くは、第二の工程に於いて、水をベースとする洗浄用組成物を放出可能なように 含有している上記のタイプのパッドもしくはシートを用いて、本発明の器具によ り汚れを処理する。オプションとして、どちらの処理も、図１１に描かれている ような皿器具を用いて行う。どのシートを初めに使い、どのシートを二番目に使 うべきかをユーザーに指示する為に、シートに印、カラーコード等を付けること ができる。この方法で局所的な汚れを実質的に除去した後、布地を従来の洗濯浴 中で洗濯するか、もしくは上記の方法で自動衣類乾燥機中で更に洗浄することが できる。 上記の二重法に用いるのに適した非水性洗浄用組成物には、上で開示した有機 溶剤物質のいずれか、及びそれらの混合物が含まれる。その他に、ドライクリー ニング用及び／又は染み抜き用組成物に有用であることが知られている、当該技 術分野で開示されている様々な溶剤を用いることができる。好ましい有機溶剤は 、前述のようにＢＰＰであって、特にＢＰＰとブトキシプロパノール（ＢＰ）の ＢＰＰとＢＰとの重量比が約１０：１〜約１：１０、最も好ましくは９ＢＰＰ： １ＢＰの混合物である。このような有機溶剤は、上で開示したようなシート基材 に、約０．５〜約２０ｇのレベルで用いることができる。 例Ｘ ＢＰＰとＢＰの９：１混合物を約１７グラム含有している上記のようなハイド ラスパン布地を一枚、図１１に示されているような皿の中に置く。第一の工程で は、布地の汚れている部分をシートの上に平らに、且つシートに接触させて置く 。本発明の器具を布地に接触させて置き、汚れが実質的に除去される迄、手の圧 を用いて前後に揺り動かす。面方向にごしごしこするのは避ける。 第二の工程では、布地の汚れている部分を、（上記の例のいずれかに記載され ているような）水をベースとする洗浄用組成物を含有しているシートの上に載せ 、本発明の器具による処理を繰り返す。 汚れが実質的に除去された後、布地を、水性洗浄用組成物（ここでも、上記の 例のいずれかに記載されているもの）を含むシートと共に蒸気発散性袋の中に入 れて、熱風衣類乾燥機中で混転させる。 一つの方式に於いては、収納袋には、熱風衣類乾燥機中での蒸気の放出を制御 する為に一連の穴もしくは通気孔を設け、それにより皺が付くのを最小限に抑え る。典型的な方式に於いては、直径が２ｍｍの通気穴を６組、２５０００ｃｍ³ のナイロン袋に開けて用いる。発散量は、例えば水をベースとする洗浄用組成物 を１Ｘ（２３ｇ）使用する為の２ｍｍの穴６組から、組成物を３Ｘ使用する為の ６ｍｍの穴１５組迄変えることができる。 別の方式に於いては、例Ｘの方法の第一予備染み抜き工程を、本発明の器具と 、従来の市販の染み抜き用組成物を用いて行う。このような組成物はスティック 、ゲル、スプレイ等として入手可能である。従来の染み抜き剤を、布地の汚れて いる部分の上に置き、本発明の器具を前後に揺り動かして、汚れの中に徐々にし み込ませる。その後、布地全体を、上で開示した方法で洗浄し、回復させる。 例ＸＩ 別の方式に於いては、布地の局所的な部分から汚れを除去する為の本発明の予 備染み抜き作業を、下記（ａ）〜（ｃ）に記載する通りに行うことができる。 （ａ）該汚れを含んでいる部分の下に吸収性の汚れ受容体を置き、 （ｂ）液状の洗浄剤（予備染み抜き剤）組成物を、計量分配注ぎ口をもつ容器 から該汚れに塗布し、 （ｃ）該注ぎ口の末端を用いて該洗浄用組成物を該汚れに擦りつけるか、もし くは押しつけ、それにより該汚れを汚れ受容体に移動させる。 この方式に於いては、該注ぎ口の先端の面は、凸状、凹状、平坦等であってよ い。容器と注ぎ口を組み合わせたものを、本発明では「ディスペンサー」と呼ぶ 。この方式の作業では、ユーザーは図に示されている凸状の洗浄器具を用いる必 要がない。 更に詳しく説明すると、ここで用いるディスペンサーは、液状の予備染み抜き 用組成物の為の容器からなっている。該容器は、該容器に連結されていて、容器 の内部とつながっている注ぎ口、好ましく中空の管の形態の注ぎ口からなる計量 分配手段を有している。使用時には、該容器の内部の液状組成物の一部が、該注 ぎ口を経て、該注ぎ口の先端から容器の外に流れ、処理中の汚れの上に出る。ユ ーザーは、先端、組成物、及び汚れの間の接触を保ち、また先端を用いて組成物 を塗りつける、擦りつける、押しつける等して、汚れの中に組成物をしみ込ませ る。円形の擦る動きが典型的である。この方法により、組成物を汚れている部分 に集中させることができる。上記の機械的な操作と予備染み抜き用組成物とを組 み合わせて用いることにより汚れが緩むと、汚れの残留物と予備染み抜き用組成 物とが布地から出ていって、下にある汚れ受容体に移動する。その後、他の汚れ ている部分が汚れ受容体の新しい部分の下になるように布地を置き変えて、予備 染み抜き作業が終了する迄、この方法を繰り返すのが好ましい。その後で、望む ように布地を使用するか、さもなければ洗濯するか、もしくはドライクリーニン グすることができる。 本発明の典型的なディスペンサーは以下の寸法を有しているが、その寸法は本 発明のディスペンサーを限定するものではない。ディスペンサーに用いる容器ボ トルの容積は、典型的には２〜４オンス（液体オンス、５９〜１１８ｍｌ）であ る。大きいサイズの容器ボトルには、高密度ポリエチレンを用いる。低密度ポリ エチレンは絞りやすいので、小さいボトルに用いるのが好ましい。注ぎ口の全体 の長さは、約０．７４７インチ（１．８９ｃｍ）である。注ぎ口は、通常、円錐 形であって、その基部に近い方のベース（注ぎ口と容器ボトルとが繋がっている 部分）の直径は、約０．５９６インチ（１．５１ｃｍ）であり、その末端の直径 は約０．１８２インチ（４．６ｍｍ）である。予備染み抜き液が通過する注ぎ口 中の溝は、約０．０６２インチ（１．５７ｍｍ）である。この態様に於いては、 溝は、容器ボトルから約０．４７４インチ（１．２ｃｍ）距離延びていて、その 後で、注ぎ口の末端にある凹所とつながるようにやや広がっている。 ここで洗浄器具と共に用いる為の、またディスペンサーと共に用いることので きる予備染み抜き配合物は、以下の通りである。 非過酸化物配合物 成分 重量％（アニオン系） ブトキシプロポキシプロパノール（ＢＰＰ） ２．０００ ＮＨ₄ココナツＥ₁Ｓ ０．２８５ ドデシルジメチルアミンオキシド ０．０３１ ＭｇＣｌ₂ ０．０１８ ＭｇＳＯ₄ ０．０１９ ヒドロトロープ、香料、その他の少量成分 ０．１０１ カトン防腐剤 ０．０００３ 水 ９７．５４７ 目標ｐＨ＝７、範囲＝６〜８ 過酸化物配合物 成分 重量％（ノニオン系） 過酸化水素 １．０００ アミノトリス（メチレンホスホン酸）^* ０．０４０ ブトキシプロポキシプロパノール（ＢＰＰ） ２．０００ ネオドール２３６．５ ０．２５０ カソン防腐剤 ０．０００３ 水 ９６．７１０ 目標ｐＨ＝７、範囲＝６〜８ ＊過酸化水素の為の安定化剤 以下の例は、本発明の予備染み抜き法に用いるＦＡＭ−発泡体タイプの汚れ受 容体を説明する為のものである。本発明の液状の予備染み抜き用組成物に対する ＦＡＭの捕捉性、及び吸収性は、他の殆どのタイプの吸収性物質よりも優れてい る。例えば、ＦＡＭの容量は、吸引圧が水１００ｃｍの時には、発泡体１グラム につき約６ｇ（Ｈ₂Ｏ）である。これに比べて、セルロース木材繊維構造体は、 水約８０ｃｍ以上で、容量は実質的にゼロである。本発明の方法に於いては、用 いる液状の予備染み抜き剤の体積は比較的小さい（数ミリリットルが典型的であ る）ので、ＦＡＭの量は少なくてよい。このことは、布地の汚れている部分の下 に置くＦＡＭのパッドは非常に薄くても、有効であることを意味する。しかしな がら、薄すぎると、パッドが使用時に崩れることがある。（前述のように、その 一体性を保つのを助ける為に、ＦＡＭにバッキングシートを貼りつけることがで きる。） ＦＡＭ発泡体製の汚れ受容体パッドは、二つの内のいずれかの方法で用いるこ とができる。一つの方式では、非圧縮発泡体を用いる。厚さが約０．３〜１５ｍ ｍの範囲の非圧縮ＦＡＭパッドが有用である。もう一つの方式では、ＦＡＭ発泡 体を、汚れ物質を含んだ液状の予備染み抜き剤を吸収した時に膨潤する、圧縮し た状態で用いることができる。厚さが約０．０２インチ（０．５ｍｍ）〜約０． １３５インチ（３．４ｍｍ）の範囲の圧縮ＦＡＭ発泡体が、本発明に於いては適 切である。 ＦＡＭ発泡体（文献中では、時々「ＨＩＰＥ」、すなわち高内部相エマルジョ ンと呼ばれることがある）の製造については、前に引用した特許明細書中に記載 されている。以下の例は、厚さが約０．０２５インチ（０．０６３ｃｍ）の圧縮 発泡体の製造を説明する為のものである。０．０２５〜０．０２７インチ（０． ０６３〜０．０６８ｃｍ）範囲内で、このような圧縮発泡体は、本発明の汚れ受 容体として特に有用である。 例ＸＩＩ エマルジョン、及びそれから作られるＦＡＭ発泡体の製造 Ａ）エマルジョンの製造 無水塩化カルシウム（３６．３２ｋｇ）と過硫酸カリウム（１８９ｇ）とを、 水３７８リットルに溶解する。これにより、エマルジョンを形成させる為の連続 工程で用いる水相流がもたらされる。 蒸留したジビニルベンゼン（ジビニルベンゼン４２．４％とエチルスチレン５ ７．６％）（１９８０ｇ）、２−エチルヘキシルアクリレート（３３００ｇ）、 及びヘキサンジオールジアクリレート（７２０ｇ）からなるモノマー混合物に、 ジグリセロールモノオレエート乳化剤（３６０ｇ）、ジタロウジメチルアンモニ ウムメチルサルフェート（６０ｇ）、及びチヌビン７６５（１５ｇ）を添加する 。ジグリセロールモノオレエート乳化剤（デンマーク、ブラブンドのグリンステ ッド・プロダクツ）は、ジグリセロールモノオレエート約８１％、その他のジグ リセロールモノエステル１％、ポリオール３％、及びその他のポリグリセロール エステル１５％からなり、約２．７ダイン／ｃｍの最少油／水界面張力をもたら し、 また油／水臨界凝集濃度が約２．８重量％のものである。混合後、この物質混合 物を一晩放置する。目に見える残留物は形成されず、またこの混合物を全て取り 出して、エマルジョンを形成させる為の連続工程で油相として用いる。 油相（２５℃）と水相（５３〜５５℃）の別々の流れを、動的混合機に送る。 動的混合機中で流れを合わせて十分に混合するのは、ピンインペラーを用いて行 う。ピンインペラーは、長さ約３６．８ｃｍ、直径約２．５ｃｍの円筒状のシャ フトを含むものである。このシャフトにはピンが６列保持されており、３列はピ ンを３３個、他の３列はピンを３２個有している。各ピンの直径は０．５ｃｍで 、シャフトの中心軸から外側に２．５ｃｍの長さで延びている。ピンインペラー は、動的混合機を形成している円筒状のスリーブに取り付けられており、ピンと 円筒状のスリーブの壁とのクリアランスは１．５ｍｍである。 動的混合機から出る流出液の少量部分を取り出して、再循環ゾーンに入れる。 １９９６年７月１８日に公開された国際特許出願（米国）第９６／０００８２号 、及び１９９６年１月１１日に出願されたヨーロッパ特許出願第９６／９０５１ １０．１号の各明細書を参照のこと。再循環ゾーン中のWaukeshaポンプにより、 この少量部分を、油相と水相の流れが動的混合機に入る地点に戻す。 混合装置と再循環装置とを合わせた設備を、水４部、油１部の比率で、油相と 水相で満たす。動的混合機には、装置を完全に満たす間に空気が逃げることがで きるように、通気口を設ける。充填中の流量は、油相７．６ｇ／秒、水相３０． ３ｃｃ／秒である。 装置設備を一旦満たしたら、通気口を閉じる。インペラーを１４５０ＲＰＭで 回転させて動的混合機中で攪拌を開始し、また約３０ｃｃ／秒の速度で再循環を 開始する。その後、水相の流量を約１分かけて１５１ｃｃ／秒迄連続的に増し、 また油相の流量を約３分かけて３ｇ／秒に低下させる。再循環速度は、約３分か けて約１５０ｃｃ／秒迄連続的に増す。この時点で動的混合機と静的混合ゾーン （ＴＡＨインダストリーズ、Ｎｏ．１０１−２１２型）により生じる背圧は、約 １４．７ＰＳＩ（１０１．４ｋＰａ）である。これは、系の全背圧を示すもので ある。その後、Waukeshaポンプの速度を連続的に遅くして、再循環速度を約７５ ｃｃ／秒とする。その後、インペラーの速度を約１０秒かけて連続的に１５５０ ＲＰＭ迄早める。背圧は、約１６．３ＰＳＩ（１１２ｋＰａ）に高まる。 Ｂ）エマルジョンの重合 静的混合機から流れ出すエマルジョンを、セルコンプラスチック製の同心のイ ンサートを有する直径１７インチ（４３ｃｍ）、高さ７．５インチ（１０ｃｍ） の円形のポリプロピレン製の槽に集める。このインサートの直径は、その底部で ５インチ（１２．７ｃｍ）であり、先端部で４．７５インチ（１１２ｃｍ）であ り、また高さは６．７５インチ（１７．１ｃｍ）である。エマルジョンの入って いる槽を、６５℃に保たれている部屋に１８時間置いて重合を生じさせて、発泡 体を形成させる。 Ｃ）発泡体の洗浄と脱水 硬化させたＦＡＭ発泡体を、硬化槽から取り出す。発泡体は、この時点で、残 存水相（溶解している乳化剤、電解質、開始剤残留物、及び開始剤を含有する） を、重合したモノマーの重量の約４５〜５５倍（４５〜５５Ｘ）有している。こ の発泡体を、鋭い往復運動鋸刃を用いて、厚さ０．１８５インチ（０．４７ｃｍ ）のシートにスライスする。その後、これらのシートを、真空装備した多孔質の 一連のニップロール二個で圧縮する。これにより、発泡体中の残存水相の含有率 が、重合物質の重量の約６倍（６Ｘ）に迄、徐々に低下する。この時点で、シー トを６０℃のＣａＣｌ₂１．５％溶液で再度飽和させて、真空装備した多孔質の 一連のニップロール三個で絞り、水相の含有率を約４Ｘにする。発泡体のＣａＣ ｌ₂含有率は８〜１０％である。 最後のニップで圧縮された発泡体は、約０．０２５インチ（０．０６３ｃｍ） の厚さにとどまる。その後、この発泡体を約１６時間、空気中で乾燥させる。こ のような乾燥により、水分の含有率が、重合物質の重量の約９〜１７％に迄低下 する。この時点では、発泡体シートは、非常にひだがつきやすい。このような崩 れた状態では、発泡体の密度は約０．１４ｇ／ｃｃである。 前述のように、本発明の予備染み抜き作業に於いて汚れ受容体として用いるに は、ＦＡＭのシートを、布地の汚れている部分の裏側の下に、裏側に接触させて 置く。これ迄に開示したように、予備染み抜き用組成物の一部を、布地の表側に 分配し、洗浄器具により、もしくはディスペンサーの先端により、汚れの中にし み込ませる。それにより、余分な予備染み抜き用組成物と、汚れ物質を含んだ組 成物とを、下にある発泡体パッドに移動させる。 上記の説明から分かるように、本発明の方法には、蒸気を発散させるようには 設計されていない密封した袋を用いる当該技術分野で開示されている方法に比べ て、幾つかの利点がある。また、本発明の方法に於いては、布地、特に木綿やウ ールの布地の縮みが防止される。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＢＲ，ＣＡ，ＪＰ，Ｍ Ｘ (72)発明者 ロドニー、マローン、ワイズ アメリカ合衆国オハイオ州、シンシナチ、 バーンズ、アベニュ、142 (72)発明者 スティーブン、バレット、ロジャーズ アメリカ合衆国オハイオ州、シンシナチ、 キャッスル、ストーン、レイン、6202 (72)発明者 キャシー、リン、グリーン アメリカ合衆国オハイオ州、ハミルトン、 モーリス、ロード、6067

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 蒸気発散評価テストで測定した場合のＶＶＥ等級が少なくとも４０であ る、蒸気発散性収納袋。 ２． ＶＶＥ等級が少なくとも６０である、請求項１に記載の袋。 ３． ＶＶＥ等級が８０以下である、請求項１に記載の袋。 ４． 開口端、閉端、及び内面と外面とを有する柔軟性のある側面からなる、 請求項１に記載の蒸気発散性収納袋であって、該袋の開口端は、柔軟性のあるフ ラップをもたらす、該開口端を越えて延びている一つの側面の区画を有していて 、該フラップは第一締結具を有しており、該フラップは対向する側面の外面の一 部分の上に達するように折り曲げることができ、該フラップは、該第一締結具を 、該対向側面上に存在している第二締結具と係合させることにより、袋の対向側 面の外面に貼りつけることができ、それにより袋の開口端にクロージャーがもた らされ、該第一締結具と該第二締結具は、係合した時に該クロージャーに沿って 蒸気発散用の隙間を少なくとも一つもたらすように配置されている袋。 ５． 少なくとも２６０℃迄耐熱性を示し、また好ましくはナイロン、もしく はポリエステルのフィルムから形成してなる、請求項３に記載の袋。 ６． 該第一締結具と該第二締結具が一緒になって、機械的もしくは接着性締 結具を構成する、上記の請求項のいずれか一項に記載の袋。 ７． 開口端、閉端、及び内面と外面とを有する柔軟性のある側面からなる、 請求項１に記載の蒸気発散性収納袋であって、該側面の長さは等しく、第一側面 にはその幅の一部分にノッチが付いていて、それにより該対向側面が該第一側面 ノッチの付いている部分を越えて延びており、それにより柔軟性のあるフラップ がもたらされ、該フラップは、該袋を閉じた時に蒸気発散用の隙間がもたらされ るように該ノッチ部分の上で折り曲げることができる袋。 ８． 穴の開いている側面を含む、請求項１に記載の袋。 ９． 上記の請求項のいずれか一項に記載の蒸気発散性収納袋中で、布地を、 水を含んでいる布地洗浄用／回復用組成物に接触させることによって、布地を洗 浄する、もしくは回復させる方法。 １０． ４０〜１５０℃の温度の熱風衣類乾燥機の中で実施し、それにより該 布地に存在している悪臭を蒸気発散用クロージャーにより袋から発散させる、請 求項９に記載の方法。 １１． 布地の皺が最小限に抑えられる、請求項９に記載の方法。 １２． 布地を洗浄用／回復用の組成物と共に収納袋の中に入れて装置を加熱 しながら運転することにより、機械的な装置の中で布地を洗浄／回復させる方法 であって、改良点に、該方法を実施する間に袋から水蒸気を発散させる袋を用い 、それにより袋から悪臭を放出させ、布地の皺を最小限に抑え、好ましくは木綿 、もしくはウールの布地の縮みを最小限に抑えることが含まれる方法。 １３． 該袋のＶＶＥ等級が少なくとも４０、好ましくは６０〜８０である、 請求項１２に記載の方法。 １４． 熱風衣類乾燥機中で加熱しながら、また混転させながら実施する、請 求項１２に記載の方法。 １５． 下記（ａ）及び（ｂ）の入っている包装容器からなる、布地洗浄用も しくは回復用のキット。 （ａ）水と、任意の成分である非水性布地洗浄用／回復用成分とを放出 可能なように含むキャリアからなる吸収性製品を一つ、もしくは二つ以上および 、 （ｂ）水蒸気を発散するか、さもなければ蒸気を透過する収納袋。