JPH11503009A - 組換え型伝染性喉頭気管炎ウイルスおよびその使用 - Google Patents

組換え型伝染性喉頭気管炎ウイルスおよびその使用

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JPH11503009A JP8528630A JP52863096A JPH11503009A JP H11503009 A JPH11503009 A JP H11503009A JP 8528630 A JP8528630 A JP 8528630A JP 52863096 A JP52863096 A JP 52863096A JP H11503009 A JPH11503009 A JP H11503009A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、組換え型の弱毒化された伝染性喉頭気管炎ウイルスであって、伝染性喉頭気管炎ウイルスゲノムを具備し、該ゲノムは糖タンパクgH遺伝子に欠失を含んでいる組換えウイルスを提供する。本発明はまた、組換え型の弱毒化された伝染性喉頭気管炎ウイルスであって、伝染性喉頭気管炎ウイルスゲノムを具備し、該ゲノムはUS2遺伝子、UL47様遺伝子、ORF4遺伝子または糖タンパクg60遺伝子に欠失を含んでいる組換えウイルスを提供する。本発明はまた、糖タンパクgGを産生しない組換え型の伝染性喉頭気管炎ウイルスで予防接種されたニワトリまたは他の家禽を、天然に存在する伝染性喉頭気管炎ウイルスに感染したものから区別する方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 組換え型伝染性喉頭気管炎ウイルスおよびその使用 本出願は、1993年9月24日に提出された米国シリアルNo.08/12 6,597の一部継続であって、これを参照により本出願に含める。 本出願には、いくつかの刊行物が括弧内のアラビア数字により参照されている 。これら刊行物の完全な引用は、請求の範囲に先行する本明細書の末尾に見出す ことができる。これら刊行物の開示内容は、本発明が関連する技術の現状をより 完全に記述するために、参照により本出願に含める。 〔発明の背景〕 伝染性喉頭気管炎ウイルスは、種々のビルレンスの呼吸疾患をチキン類に引き 起こすヘルペスウイルスである。生の弱毒化ILTVワクチンは、この疾病に対 して保護するために利用できるが、いくつかの報告がワクチンウイルスを当該疾 患の可能性のある再発と蔓延に関連づけており(65および72)、突発の初期 に非感染鳥類にワクチン化を使用することを制限している。より有効な弱毒化ワ クチンを設計するために、ILTVウイルスのゲノムの構成が研究されている。 ウイルスDNAを分離し、この分離したDNAをバクテリアプラスミド中にク ローン化する能力は、ウイルスワクチンを作るために利用し得る研究を大幅に拡 大している。本発明を構成するために使用される方法は、クローン化されたウイ ルスDNA配列を挿入、欠失、および単一もしくは多重塩基変更により修飾する ことを含む。ついで、この修飾DNAをウイルスゲノム中に再挿入してウイルス を非病原性とする。得られた生ウイルスを宿主動物中に免疫応答を誘起させ、動 物を疾病に対して保護するためのワクチン中に使用することができる。 動物ウイルスの1グループであるヘルペスウイルスもしくはヘルペトウイルス 科は、この研究によく応じ得るウイルスのクラスである。これらのウイルスは、 100,000ないし200,000塩基対のDNAをその遺伝子物質として含 んでいる。重要なことに、このゲノムのいくつかの領域は、細胞培養におけるイ ンビトロでのウイルスの複製に可欠のものであると同定されている。このDNA のこれらの領域における修飾は、ウイルスの病原性を低下、すなわち弱毒化し得 る。例えば、チミジンキナーゼ遺伝子の不活性化は、ヒト単純ヘルペスウイルス を非病原性にし(1)、およびブタの仮性狂犬病ウイルスを非病原性にする(2 )。 反復領域の除去は、ヒト単純ヘルペスウイルスを非病原性にする(3、4)。 反復領域は、ウイルス腫瘍形成に関連するマレク病ウイルスにおいて同定されて いる(5)。ヘルペスウイルスサイミリ(Saimiri)における領域は、同様に、腫 瘍形成と関連づけられている(6)。反復領域の部分の除去は、仮性狂犬病ウイ ルスを非病原性にする(1989年10月31日に発行された米国特許第4,8 77,737号)。仮性狂犬病ウイルスにおける領域は、天然のワクチン株にお いて欠失されていることが示され(7、8)、これらの欠失は、これらの株の病 原性の欠如の少なくとも部分的な原因をなすことが示されている。 一般に、ヘルペスウイルスは、ゲノムの種々の部分にDNAの可欠領域を含有 することが同意されている。これらの領域のいくつかは、ウイルスの有毒性に関 連し、それらの修飾は、より病原性の低いウイルスをもたらし、それからワクチ ンを誘導することができる。 伝染性喉頭気管炎ウイルス(ILTV)すなわちアルファヘルペスウイルス(9) は、卵生産損失および死亡の原因となる、米国、欧州およびオーストラリアにお ける家禽類の重要な病原である(10)。これは、呼吸低下、喘ぎ、および血の 滲出液の喀出により特徴づけられるチキンの急性疾病を引き起こす。ウイルスの 複製は、気管の感染が組織糜爛および出血を生じさせる呼吸路の細胞に制限され ている。 チキンにおいては、損傷形成の程度の低下、または臨床的兆候の減少に有効な 薬はなかった。細胞継代および/または退屈な養生の投与により誘発された種々 の修飾型ILTウイルスによる鳥類のワクチン化は、罹病チキンに許容し得る保 護を与えるために使用されている。現在のILTVワクチンの弱毒彼の宣言され た程度故に、適正レベルのウイルスが維持されることを確保するように注意しな ければならない。すなわち、保護を与えるには充分であるが、集団に疾病を引き 起こすには十分でないことである(11〜21)。さらに、これらのウイルスは 、有毒性に逆戻りし、それに対する保護を与えるよりも、疾病を引き起こす。 ILTVは、分子レベルで分析されている。ILTVゲノムの制限地図が報告 されている(22〜26)。いくつかの遺伝子のDNA配列が同定されており、 すなわち、チミジンキナーゼ(27、28)、糖タンパクgB(27、29、3 0)、リボヌクレオチドリダクターゼ(27、31)、カプシドp40(31、 32)である。 さらに、シェパードら(53)は、伝染性喉頭気管炎ウイルスのゲノムDNA のユニーク長領域に位置するいくつかの遺伝子がウイルス複製には可欠であるこ とを開示した。 本発明者らは、予期せざることに、ILTウイルスのゲノムDNAのユニーク 長領域がILTV有毒性と関連する遺伝子を含むこと、およびこれらの遺伝子に おける欠失が弱毒化ILTVをもたらすことを見い出した。特に、ILTウイル スの糖タンパクG(gG)における欠失は、毒性ILTV株による後の攻撃に対 するワクチンとして有用である弱毒化ウイルスを結果として生じされることが見 い出された。 本発明者らは、また、ユニーク短領域の糖タンパクI(gI)における欠失も ILTVを弱毒化することを見い出した。さらに、ユニーク短領域のUS2遺伝 子、UL−47様遺伝子および糖タンパクg60遺伝子における欠失もまたIL TVを弱毒化するであろうことが企図されている。 ILTVは、健康な動物において潜在的となり得、これがそれらを当該ウイル スの潜在的キャリヤーとする。この理由のため、非病原性ウイルスでワクチン化 した動物を疾病誘起野生型もしくは天然ウイルスで感染された動物から区別し得 ることが明らかに有利である。区別的ワクチンおよびそれに伴う診断検査の開発 は、仮性狂犬病の管理に価値があることが証明されている(55)。同様の区別 性マーカーワクチンは、ILTV誘起疾病の管理に大きな価値を有するであろう 。鑑別診断法の構築は、糖タンパクの欠失に集中されている。理論的には、診断 様マーカーであるように選ばれた糖タンパクは、以下の特性を有すべきである:( 1)糖タンパクおよびその遺伝子が組織培養における感染性ウイルスの生産に可 欠であるべきこと、(2)糖タンパクが動物における大部分の血清学的応答を誘 発すべきこと、および(3)糖タンパクが保護性免疫に有意の寄与をなすもので ない こと。 ILTウイルスは、単一クローン性抗体により同定された通りの少なくとも4 つの大きな糖タンパク(Mr=205K、115K、90Kおよび60K)を特 定することが示されている。3つの糖タンパクは抗原的に関連しているように思 われる(Mr=205K、115Kおよび90K)(34〜36)。 3つの大きなILTウイルス糖タンパク、すなわちgB(29、30)、gC (27、51)およびg60(34、53)は、文献に記述されている。これら の3つの遺伝子は、配列決定され、ILTV遺伝子の2つがHSV糖タンパクg BおよびgCと相同であることが示されている。 これらのうち、ILTVgB遺伝子は、不可欠遺伝子であり、欠失マーカー遺 伝子としては適切でない。さらに、ヘルペスウイルスのgC遺伝子は、中和性抗 体のターゲットとして(56)および細胞媒介免疫のターゲットとして(57) 保護的免疫に有意の寄与をなすことが示されている。従って、gC遺伝子は、欠 失マーカー遺伝子として望ましくない。 上に挙げた他の糖タンパクをコードする遺伝子に関して、それらが、診断用ワ クチンとして使用し得る組換えILTウイルスを構築するために、欠失用の好適 な候補であるかどうかは知られていない。 本発明者らは、予期せざることに、2つの糖タンパクをコードする遺伝子が、 診断用ワクチンとして使用し得る組換えILTウイルスを構築するために安全に 欠失させ得るILTウイルスゲノムのユニーク短領域内に位置することを見い出 した。これらは、糖タンパクgG遺伝子と糖タンパクgI遺伝子である。糖タン パクG遺伝子または糖タンパクI遺伝子に欠失するILTウイルスを遺伝子的に 加工することにより、糖タンパクGまたは糖タンパクIを発現しないILTウイ ルスが生産される。ウイルスのユニーク短領域におけるこれら2つの遺伝子が診 断用ILTウイルスワクチンを作るための欠失に適切な候補であることを教示あ るいは示唆する先行技術はない。ヘルペスウイルスのいくつかは遺伝子的に加工 されているが、組換えILTVの例は報告されていない。 ワクチニアウイルスおよびヘルペスウイルスのような大きなゲノムを有するD NAウイルスを加工する能力は、これらの組換えウイルスがワクチン抗原を導出 するためのベクターとしておよび動物用治療剤として使用し得るという発見に至 る。ヘルペスウイルスは、それらの宿主範囲が主に単一ターゲット種に制限され (37)、またそれらが異種遺伝子の安定なインビボ発現を提供し得る潜在的乾 性を確立するための能力を有する(38)ので、ベクターとしての開発のための 魅力的な候補である。いくつかのヘルペスウイルス種が異種遺伝子生産物を発現 するように加工されているが、異種遺伝子生産物を発現する組換え伝染性喉頭気 管炎ウイルスは構築されていない。上記伝染性喉頭気管炎ウイルスは、重要な家 禽疾患を引き起こす微生物からのワクチン抗原の誘起のためのベクターとして使 用し得る。ILTVベクターを有する多価ワクチンに含められ得る他のウイルス 抗原は、感染性気管支炎ウイルス(IBV)、ニューカッスル病ウイルス(ND V)、感染性包嚢疾患ウイルス(IBDV)、およびマレク病ウイルス(MDV) を含む。このような多価組換えウイルスは、ILT疾患および他の疾患に対して 保護を与えるであろう。同様に、伝染性喉頭気管炎ウイルスは、治療の誘起のた めのベクターとして使用し得る。本発明のウイルスベクターにより誘起された治 療剤は、ILTV複製の副生成物である生物学的分子にちがいない。この事は、 最初の分析における治療剤をDNA、RNAまたはタンパクのいずれかに制限す る。アンチセンスDNA、アンチセンスRNA(39)、リボザイム(40)、 サプレッサーtRNA(41)、感染誘起二本鎖RNAの形態にあるこれらのク ラスの化合物のそれぞれからの治療剤の例、およびホルモン、例えば、インスリ ンから、インホカイン例えばインターフェロンおよびインターロイキンまで、お よび天然のアヘン剤まで、多数のタンパク治療剤の例がある。しかしながら、適 切な挿入部位が存在するかどうかを決定するために必要な実験故に、これらの治 療剤の発見並びにそれらの構造および機能の解明は、ウイルスベクター導出シス テムにおいてそれらを使用させることには必ずしもならない。 ILTVは、ユニーク長領域および逆転反復により側面が接触されたユニーク 短領域から構成されるタイプDゲノムを有するアルファヘルペスウイルス(78) として分類されている。オーストラリアILTV分離株(SA−2)のゲノム制 限地図はジョンソンら(66)によって記述された。この地図を用いて、グオら (62)は、ユニーク短領域から誘導されたと思われるUSDAチャレンジ株か らのDNA断片を分離し、配列決定した。本発明者らは、ILTVのUSDAチ ャレンジ株を地図作成し、ユニーク短領域に存在する推定遺伝子の特性を報告す る。ここに開示された地図は、グオら(62)により同定された配列が短い反復 配列の部分であり、ユニーク短領域からではないことを示している。他の報告( 69および70)は、2つの遺伝子、1つはPRV gGと相同であり、他は他 の報告されたヘルペスウイルスとは異なる遺伝子の配列を記述している。これら の2つの遺伝子は、SA−2のユニーク長領域に位置づけられた。しかしながら 、これらの配列は、本出願においてユニーク短領域からのものであるとして同定 された配列と同一である。本出願におけるデータは、ILTVの短領域の全体的 な構成が他のヘルペスウイルスに類以していることを示している。 〔発明の概要〕 本発明は、糖タンパクgG遺伝子中に欠損を含む伝染性喉頭気管炎ウイルスゲ ノムからなる組換え型の弱毒化された伝染性喉頭気管炎ウイルスを提供するもの である。この弱毒性ウイルスは、伝染性喉頭気管炎ウイルスに対するワクチンと して有用である。 本発明は、また、US2遺伝子、UL47様遺伝子、ORF4遺伝子、又は糖 タンパクg60遺伝子中に欠損を含む伝染性喉頭気管炎ウイルスゲノムからなる 組換え弱毒伝染性喉頭気管炎ウイルスを提供するものである 本発明は、また、糖タンパクgGを産生しない組換え伝染性喉頭気管炎ウイル スで免疫感作されたニワトリ又は他の家禽類を、天然に存在する伝染性喉頭気管 炎ウイルスに感染したものと区別する方法を提供するものである。 〔図面の簡単な説明〕 図1A−1H 伝染性喉頭気管炎ウイルスの独特な短領域に由来する連続DNAの13、473塩 基対のヌクレオチド配列。本配列には、全13,098塩基対の独特な短領域のみなら ず、一端にある273塩基対の繰り返し領域、および他端にある102塩基対の繰り返 し領域が含まれる。図1A−1Hのヌクレオチド配列は、内部繰り返し配列で始 まり、末端繰り返し配列内で終る。該独特な短領域は、本図の塩基対274で始ま る。配列認識番号59は、伝染性喉頭気管炎ウイルスの独特な短領域および繰り返 し領域由来の連続DNAの18,912塩基対のヌクレオチド配列を含む。この配列領 域には、全13,094塩基対の独特な短領域のみならず2909塩基対の内部繰り返し領 域および2909塩基対の短い末端繰り返し領域が含まれる。該ヌクレオチド配列は 、該内部繰り返し配列で始まり、該末端繰り返し配列内で終る。該独特な短領域 は、塩基対2910で始まる。 図 2 Asp718I 伝染性喉頭気管炎ウイルス(ILTV)USDA83─2ゲノ ムの制限酵素地図。上方の図は、伝染性喉頭気管炎ウイルス(ILTV)ゲノム 中にみられる独特の長領域(UL)、内部繰り返し領域(IR)、独特の短領域 (US)および末端繰り返し領域(TR)を識別している。伝染性喉頭気管炎ウ イルス(ILTV)ゲノムのAsp718I制限エンドヌクレアーゼ部位の地図を 下記に示す。文字A乃至Oは、Asp718I制限エンドヌクレアーゼ断片を識別 し、「A」は最大断片を示す。断片「L」は、2.5KbのAsp718I断片である 。断片「H」は、5164塩基対のAsp718I断片であり、断片「G」は、8.0 kbのAsp718I断片である。アステリスクを付した断片には、1乃至12回 繰り返される約900塩基対の超可変性領域が含まれる。ある一つのサイズが寡 占していないので、これらの断片はサブモル量で出現する。この量は、エチジウ ムブロマイド染色ゲル上では、良好に分解されない。これら繰り返しの位置は、 図中、湾曲点線で示されている。 図 3 伝染性喉頭気管炎ウイルス(ILTV)USDA83−2の独特な短領域内の オープン・リーデイング・フレーム。伝染性喉頭気管炎ウイルス(ILTV)の 短領域の13、473塩基対には、13,098塩基対の独特な短領域のみならず、一 端にある273の繰り返し領域、および他端にある102塩基対の繰り返し領域 が含まれる。該独特な短領域には、110アミノ酸より大きいか又は等しい13 のメチオニンで始まるオープン・リーデイング・フレームが含まれる(小さい入 れ子式オープン・リーデイング・フレームは除く)。13のすべてのオープン・ リーデイング・フレームは、DNAアライメントオプション(デフォルト設定) に対するIBIMacベクタータンパクを利用したGenbankDNAデータ ベースのEntrezリリース6.0ウイルス・デビジョンに、整列されている。 上記オープン・リーディング・フレームのうちの8つは、下記の他のウイルス遺 伝子との顕著な相同性を示した: 独特の短領域(US2)遺伝子,プロテイン・ キナーゼ(PK)遺伝子、独特の長領域47様(UL47様)遺伝子および糖タ ンパクgG,g60、gD,gIおよびgEの遺伝子。 図4A−4B 相同性ベクター472-73.27のDNA挿入物の詳細な記載。図には、プラスミド4 72.73.27で組み立てられるDNA断片の配向が示されている。各断片の起源は表 中に示す。断片間の連結部の各々に位置する配列も示されている(配列認識番 号20、21、22および23)。各断片を生成するために使用された制限部位 および該断片を結合するのに使用された合成リンカー配列は、各連結部に付につ いて記載されている。数個の遺伝子コード領域および調節要素の位置も与えられ ている。括弧内の制限部位は、構築の際に破壊された部位の残片を示す。下記の 略語が使用されている:伝染性喉頭気管炎ウイルス(ILTV),ヒト・サイト メガロウイルス即時型初期(HCMVIE),仮性狂犬病ウイルス(PRV), ラクトースオペロンZ遺伝子(LacZ)、大腸菌(E.coli)、ポリアデニレ ーション信号(polyA),およびベースペア(BP)。 図5A−5B: 相同性ベクター501.94中のDNA挿入物の詳細な記載。図には、プラスミド50 1-94中に組み立てられるDNA断片の配向が示されている。各断片の起源は表に 示されている。断片間の連結部の各々に位置する配列も示されている(配列認識 番号24、25、26および27)。各断片を生成するために使用された制限部 位および該断片を結合するのに使用された合成リンカー配列は、各連結部に付き 記載されている。数個の遺伝子コード領域および調節要素の位置も与えられてい る。括弧内の制限部位は構築の際に破壊された部位の残片を示す。 下記の略語が使用されている:伝染性喉頭気管炎ウイルス(ILTV),ヒト ・サイトメガロウイルス即時型初期(HCMVIE),仮性狂犬病ウイルス(P RV),ラクトースオペロンZ遺伝子(LacZ)、大腸菌(E.coli)、ポリ アデニレーション信号(polyA),チミジンキナーゼ(TK)、および塩基対( BP)。 図6A−6B: 相同性ベクター544.55.12中のDNA挿入物の詳細な記載。図には、プラスミ ド544.55.12中に組み立てられるDNA断片の配向が示されている。各断片の起 源は表に示されている。断片間の連結部の各々に位置する配列も示されている( 配列認識番号28、29、30および31)。各断片を生成するために使用された制限部 位および該断片を結合するのに使用された合成リンカー配列は、各連結部に付き 記載されている。数個の遺伝子コード領域および調節要素の位置も与えられてい る。括弧内の制限部位は構築の際に破壊された部位の残片を示す。 下記の略語が使用されている:伝染性喉頭気管炎ウイルス(ILTV),単純 ヘルペスI型(HSV−1),仮性狂犬病ウイルス(PRV),βグルクロニダ ーゼ遺伝子(uidA)、大腸菌(E.coli)、ポリアデニレーション信号(polyA), および塩基対(BP)。 図7A−7C: 相同性ベクター562-61.1F中のDNA挿入物の詳細な記載。図には、プラスミ ド562-61.1F中に組み立てられるDNA断片の配向が示されている。各断片の起 源は表に示されている。断片間の連結部の各々に位置する配列も示されている( 配列認識番号32、33、34,35,36および37)。各断片を生成するために使用された 制限部位および該断片を結合するのに使用された合成リンカー配列は、各連結部 に付き記載されている。数個の遺伝子コード領域および調節要素の位置も与えら れている。括弧内の制限部位は構築の際に破壊された部位の残片を示す。下記の 略語が使用されている:伝染性喉頭気管炎ウイルス(ILTV),単純ヘルペス I型(HSV−1),仮性狂犬病ウイルス(PRV),βグルクロニダーゼ遺伝 子(uidA)、大腸菌(E.coli)、ポリアデニレーション信号(polyA),塩基対 (BP)。 図8A−8C: 相同性ベクター560-52.F1中のDNA挿入物の詳細な記載。図には、プラスミ ド560-52.F1中に組み立てられるDNA断片の配向が示されている。各断片の起 源は表に示されている。断片間の連結部の各々に位置する配列も示されている( 配列認識番号38、39、40,41および42)。各断片を生成するために使用された制限 部位および該断片を結合するのに使用された合成リンカー配列は、各連結部に付 き記載されている。数個の遺伝子コード領域および調節要素の位置も与えられて いる。括弧内の制限部位は構築の際に破壊された部位の残片を示す。下記の略語 が使用されている:伝染性喉頭気管炎ウイルス(ILTV),単純ヘルペスI型 (HSV−1),仮性狂犬病ウイルス(PRV),βグルクロニダーゼ遺伝子(u idA)、大腸菌(E.coli)、ポリアデニレーション信号(polyA),独特の長領 域47(UL47様)、オープン・リーデイング・フレーム(ORF4),糖タ ンパクG(gG),および塩基対(BP)。 図9A−9B: 相同性ベクター579-14.G2中のDNA挿入物の詳細な記載。図には、プラスミ ド579.14.G2中に組み立てられるDNA断片の配向が示されている。各断片の起 源は表に示されている。断片間の連結部の各々に位置する配列も示されている( 配列認識番号43、44、45,および46)。各断片を生成するために使用された制限部 位および該断片を結合するのに使用された合成リンカー配列は、各連結部に付き 記載されている。数個の遺伝子コード領域および調節要素の位置も与えられてい る。括弧内の制限部位は構築の際に破壊された部位の残片を示す。下記の略語が 使用されている:伝染性喉頭気管炎ウイルス(ILTV),単純ヘルペスI型(HS V−1),仮性狂犬病ウイルス(PRV),βグルクロニダーゼ遺伝子(uidA)、大 腸菌(E.coli)、ポリアデニレーション信号(polyA)および塩基対(BP)。 図10A-10B: プラスミドベクター544-39.13中のDNA挿入物の詳細な記載。図には、プラ スミド544-39.13中に組み立てられるDNA断片の配向が示されている。各断片 の起源は表に示されている。断片間の連結部の各々に位置する配列も示されてい る(配列認識番号47、48,49,および50)。各断片を生成するために使用された制 限部位および該断片を結合するのに使用された合成リンカー配列は、各連結部に 付き記載されている。該合成リンカー配列は、太線で下線が施されている。数個 の遺伝子コード領域および調節要素の位置も与えられている。括弧内の制限部位 は構築の際に破壊された部位の残片を示す。下記の略語が使用されている:仮性 狂犬病ウイルス(PRV),βグルクロニダーゼ遺伝子(uidA)、大腸菌(E.co li)、単純ヘルペスI型(HSV−1),ポリアデニレーション信号(polyA)お よび塩基対(BP)。 図11A−11C: プラスミドベクター388-65.2中のDNA挿入物の詳細な記載。図には、プラス ミド388-65.2中に組み立てられるDNA断片の配向が示されている。各断片の起 源は表に示されている。断片間の連結部の各々に位置する配列も示されている( 配列認識番号51、52,53,および54)。各断片を生成するために使用された制限部 位および該断片を結合するのに使用された合成リンカー配列は、各連結部に付き 記載されている。該合成リンカー配列は、太線で下線が施されている。数個の遺 伝子コード領域および調節要素の位置も与えられている。括弧内の制限部位は構 築の際に破壊された部位の残片を示す。下記の略語が使用されている:ヒトサイ トメガロウイルス即時型初期(HCMV IE)ラクトースオペロン(lacZ)、大腸 菌(E,coli)、狂犬病ウイルス(PRV),ポリアデニレーション信号(po lyA)および塩基対(BP)。 図 12 独特の長領域(UL)、独特の短領域(US),内部繰り返し(IR),末端 繰り返し(TR)が識別されている伝染性喉頭気管炎ウイルスのゲノムが示され ている。該ウイルスのBamHI、Asp718 I、NotI,SfiI制限地図が、 一組の波線で示される、短い繰り返しが高度に繰り返されている領域と共に、そ の下に描写されている。伝染性喉頭気管炎ウイルスの地図を決めるために使用さ れたコスミドの位置が、制限地図の下の描写されている。なお、コスミド2F1 2は、2つの不連続セクションを含んでいる。伝染性喉頭気管炎ウイルスゲノム を特徴づけるために使用された3つのプローブが、P1,P2,およびP3とし て示されている。P1は、独特の長領域領域の末端に見られる0.9kbのNotI 断片であり、P2は、短い繰り返し内の複数コピーに見られる856塩基対のH indIII断片であり、P3は、末端繰り返しの末端にある断片を認識するのに使用 される6.6kbのNotI断片である。 図 13 配列決定された領域およびAsp718I、BamHI、NotI,およびSfiI部位 の位置を示す。伝染性喉頭気管炎ウイルスの独特の短領域中に見られるオープン ・リーデイング・フレームの範囲および配向およびフランキング短繰り返し領域 を示す。 図 14 短繰り返し内の856塩基対エレメントの繰り返しを示すサザンブロット。Sf iI(a),HindIII(b),NotI(c),Asp718I(d),又はBamHI(e)で消化されたゲ ノム伝染性喉頭気管炎ウイルスDNAを、短い繰り返し由来の856塩基対Hin dIII断片で、プローブした。分子量マーカーの位置が明示されている。 図 15 USDA菌株における856塩基対の繰り返し領域の位置を、ジョンソンらに よって記載されたようなSA−2菌株由来の同領域と比較して描写されれいる。 3つの繰り返しが、USDA菌株中に任意に示されている。該領域はSA2中で は繰り返されていない。B=BamHI、H=HindIII、R=856塩基対繰り返し 。 図 16 独特の長領域および内部繰り返しの連結部を含む6.6kbのNotI断片とハイブ リダイズする内部および末端繰り返し由来の断片を認識しているサザンブロット 。NotI(a),Asp718I(b),又はBamHI(c)で消化されたゲノム伝染性喉頭気 管炎ウイルスDNAは、6.6kbのNotI断片とプローブされた。分子量マーカー の位置が明示されている。 図 17 保存領域における。、ヘルペスウイルスUL47タンパク相互の関係、および ヘルペスウイルスUL47タンパクおよび伝染性喉頭気管炎ウイルスUL47同 族体に対する関係。伝染性喉頭気管炎ウイルスUL47および他のUL47タン パク間で共有されているアミノ酸は、太字活字である。配列間における一対比較 がなされている。垂直線は、同一アミノ酸を示す。二つの点は、起こりうること が肯定的な許容可能な突然変異率を示し、一つの点は、起こりうることが曖昧で ある許容可能な突然変異率を示す(60)。 〔発明の詳細な説明〕 本発明は、伝染性喉頭気管炎ウイルスゲノムを含む組換え型伝染性喉頭気管炎 ウイルスであって、前記ウイルスゲノムの独特の短領域における欠失を含み、該 欠失は糖タンパクgG遺伝子に存在する組換えウイルスを提供する。前記欠失に よって上記ウイルスは弱毒化され、伝染性喉頭気管炎ウイルスに対するワクチン としての使用に適するようになる。この発明の好ましい態様は、S−ILT−0 14(ATCC受付番号第2427号)と称する組換え型の伝染性喉頭気管炎ウ イルスである。このS−ILT−014ウイルスは、特許手続き上の微生物の寄 託の国際的承認に関するブダペスト条約に従って、1993年9月22日に、アメリカ 合衆国20852メリーランド州ロックビルパークローンドライブ12301のアメリカン ・タイプ・カルチャー・コレクション特許カルチャー寄託施設に対して、ATC C受付番号大2427号の下に寄託されている。この発明の他の好ましい態様は、S −ILT−002と称する組換え型の伝染性喉頭気管炎ウイルスである。 本発明の目的にとって、「組換え型伝染性喉頭気管炎ウイルス」とは、当業者 に周知の組換え法、例えば、材料および方法の項に挙げた「組換えILTウイル スを作製するためのDNAトランスフェクション」により作製された生の伝染性 喉頭気管炎ウイルスであり、このウイルスは、伝染性喉頭気管炎ウイルスの複製 に不可欠な遺伝子物質を欠失していない。 本発明は更に、組換え型伝染性喉頭気管炎ウイルスであって、伝染性喉頭気管 炎ウイルスゲノムを具備し、該ゲノムは糖タンパクgG遺伝子における欠失およ びUS2遺伝子における欠失を含む組換えウイルスを提供する。この発明の一つ の好ましい態様は、S−ILT−009と命名された組み換え型伝染性喉頭気管 炎ウイルスである。 本発明は更に、組み換え型咽頭気管炎ウイルスであって、伝染性喉頭気管炎ウ イルスゲノムを具備し、該ゲノムは糖タンパクgG遺伝子における欠失およびO RF4遺伝子における欠失を含む組み換えウイルスを提供する。 本発明は更に、組換え型伝染性喉頭気管炎ウイルスであって、伝染性喉頭気管 炎ウイルスゲノムを具備し、該ゲノムは、糖タンパクgG遺伝子における欠失お よびUL47様遺伝子における欠失を含む組換えウイルスを提供する。 本発明は更に、組み換え型伝染性喉頭気管炎ウイルスであって、伝染性喉頭気 管炎ウイルスゲノムを具備し、該ゲノムは糖タンパクgG遺伝子における欠失、 ORF4遺伝子における欠失およびUL47様遺伝子における欠失を含む組換え ウイルスを提供する。この発明の好ましい態様は、S−ILT−015と命名さ れた組換え型伝染性喉頭気管炎ウイルスである。 本発明は更に、組み換え型伝染性喉頭気管炎ウイルスであって、伝染性喉頭気 管炎ウイルスゲノムを具備し、該ゲノムは糖タンパクgG遺伝子における欠失お よび糖タンパクg60遺伝子における欠失を含む組み換え型咽頭気管炎ウイルス を提供する。この発明の好ましい態様は、S−ILT−017と命名された組み 換え型伝染性喉頭気管炎ウイルスである。 本発明は更に、組み換え型伝染性喉頭気管炎ウイルスであって、伝染性喉頭気 管炎ウイルスゲノムを具備し、該ゲノムは糖タンパクgGにおける欠失および糖 タンパクgI遺伝子における欠失を含む組換え型咽頭気管炎ウイルスを提供する 本発明は更に、組み換え型伝染性喉頭気管炎ウイルスであって、糖タンパクg G遺伝子における欠失およびチミジンキナーゼ(TK)遺伝子における欠失を含 む伝染性喉頭気管炎ウイルスゲノムを具備した、組換え型咽頭気管炎ウイルスを 提供する。 本発明は更に、伝染性喉頭気管炎ウイルスゲノムを具備した組み換え型伝染性 喉頭気管炎ウイルスであって、該ゲノムの独特の短領域における欠失を含み、該 欠失は糖タンパクgG遺伝子内に存在し、また外来遺伝子の挿入を含んだ組換え ウイルスを提供する。この外来遺伝子は、組換え型伝染性喉頭気管炎に感染した 宿主細胞中で発現できるような方法で、前記伝染性喉頭気管炎ウイルスゲノムの 非必須部位に挿入される。 本発明の目的において、伝染性喉頭気管炎ウイルスゲノムの「非必須部位」と は、ウイルスの感染および複製に必要とされないウイルスの領域である。 伝染性喉頭気管炎ウイルスゲノムにおける下記の非必須部位は、該ウイルスに 外来遺伝子を挿入するための好ましい部位である:チミジンキナーゼ(TK)遺 伝子、UL47様遺伝子、ORF4遺伝子、糖タンパクgG遺伝子、糖タンパク g60遺伝子、および糖タンパクgI遺伝子。 伝染性喉頭気管炎ウイルスゲノムにおける非必須部位に挿入される外来遺伝子 は、大腸菌(E.coli)B−グルコシダーゼ、または大腸菌B−グルクロニダーゼ のようなスクリーニング可能なマーカー遺伝子をコードしてもよい。 伝染性喉頭気管炎ウイルスゲノムの非必須部位に挿入される外来遺伝子は、宿 主細胞に導入されたときに鳥類疾患を起こす物質(当該抗原を誘導しまたは誘導 可能なもの)に対する保護抗体の産生を誘発する、抗原性ポリペプチドをコード し得る。この抗原性ポリペプチドには、マレック氏病ウイルス(MDV)gA、 マレック氏病ウイルスgB、マレック氏病ウイルスgD、ニューキャッスル病ウ イルス(NDB)HN、ニューキャッスル病ウイルスF、伝染性喉頭気管炎ウイ ルス(ILT)gB、伝染性喉頭気管炎ウイルスgI、伝染性喉頭気管炎ウイル スgD、感染性嚢症ウイルス(IBDV)VP2、感染性嚢症ウイルスVP3、 感染性嚢症ウイルスVP4、感染性嚢症ウイルスポリタンパク、感染性気管支炎 ウイルス(IBV)スパイク、感染性気管支炎ウイルスマトリックス、鳥類脳脊 髄炎ウィルス、鳥類レオウイルス、鳥類パラミクソウイルス(avian parmyxoviru s)、鳥類インフルエンザウイルス、鳥類アデノウイルス、鶏痘ウイルス、鳥類コ ロナウイルス、鳥類ロタウイルス、ニワトリ貧血物質、サルモネラ種(Salmonel la spp.)、大腸菌(E.coli)、パスツレラ種(Pasteurella spp.)、ボルデテラ種 (Bordetella spp.)、アイメリア種(Eimeria spp.)、ヒストモナス種(Histomo nas spp.)、トリコモナス種(Trichomonas spp.)、家禽線虫、条虫、吸虫、家禽 ダニ/シラミおよび家禽原虫が含まれるが、これらに限定されるものではない。 本発明の組換え型伝染性喉頭気管炎ウイルスの一態様において、前記外来DN A配列はサイトカインをコードする。他の態様において、当該サイトカインはニ ワトリ骨髄単球増殖因子(cMGF)またはニワトリインターフェロン(cIF N)である。サイトカインには、形質転換増殖因子ベータ、上皮増殖因子科、繊 維芽細胞増殖因子、幹細胞増殖因子、インスリン様増殖因子、B−神経増殖因子 、血小板由来増殖因子、血管内皮増殖因子、インターロイキン1、IL−1受容 体拮抗剤、インターロイキン2、インターロイキン3、インターロイキン4、イ ンターロイキン5、インターロイキン6、IL−6可溶性受容体、インターロイ キン7、インターロイキン8、インターロイキン9、インターロイキン10、イ ン ターロイキン11、インターロイキン12、インターロイキン13、アンジオケ ニン、ケモカイン、コロニー刺激因子、顆粒球−マクロファージコロニー刺激因 子、エリスロポエチン、インターフェロン、インターフェロンガンマ、白血球阻 害因子、オンコスタチンM、プレオトロフィン(pleiotrophin)、分泌性白血球プ ロテアーゼ阻害因子、幹細胞因子、腫瘍壊死因子、およびTNF受容体が含まれ るが、これらに限定されるものではない。これらのサイトカイン類は、ヒト、ウ シ、ウマ、ネコ、イヌ、豚または鳥類由来のものである。サイトカインを発現す る組換えILTウイルスは、疾患を引き起こす微生物の抗原を含有する抗原と組 み合わせれば、免疫反応を高めるために有用である。 サイトカインを発現する組換え型伝染性喉頭気管炎ウイルスは、単独または疾 患原因微生物の抗原遺伝子を含有するワクチンと組み合わせて、免疫反応をを高 めるために使用される。 ヒトヘルペスウイルスに由来するヒト病原体の抗原性ポリペプチドには、B型 肝炎ウイルスおよびC型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス表面およびコア抗原、 C型肝炎ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、単純ヘルペスウイルス−1、単純ヘ ルペスウイルス−2、ヒトサイトメガロウイルス、エプスタイン−バーウイルス 、水痘帯状疱疹ウイルス、ヒトヘルペスウイルス−6、ヒトヘルペスウイルス− 7、ヒトインフルエンザ、麻疹ウイルス、ハンターンウイルス(hantaan virus) 、肺炎ウイルス、ライノウイルス、ポリオウイルス、ヒト呼吸器合胞体ウイルス 、レトロウイルス、ヒトT細胞白血球ウイルス、狂犬病ウイルス、流行性耳下腺 炎ウイルス、マラリア(プラスモジウム・ファルチパルム(Plasmodium falcipa rum)、百日咳(Bordetella pertussis)、ジフテリア、発疹チフスリケッチア(R ikettsia prowazekii)、ボレリア・ベルフドルフェリ(Borrelia berfdorferi) 、破傷風トキソイド、悪性腫瘍抗原が含まれるが、これらに限定されるものでは ない。 ウマ病原体の抗原性ポリペプチドは、ウマ・インフルエンザウイルスまたはウ マ・ヘルペスウイルスから誘導される。一態様において、上記抗原性ポリペプチ ドは、インフルエンザノイラミニダーゼまたは赤血球凝集素である。このような 抗原性ポリペプチドの例は、ウマ・インフルエンザウイルスA型/アラスカ91 ノイラミニダーゼおよび赤血球凝集素、ウマ・インフルエンザウイルスA型/プ ラーク56ノイラミニダーゼおよび赤血球凝集素、ウマ・インフルエンザウイル スA型/マイアミ63ノイラミニダーゼ、ウマ・インフルエンザウイルスA型/ ケンタッキー81ノイラミニダーゼおよび赤血球凝集素、ウマ・ヘルペスウイル ス1型糖タンパクB、ウマ・ヘルペスウイルス1型糖タンパクD、ストレプトコ ッカスequi、ウマ感染性貧血ウイルス、ウマ脳脊髄炎ウイルス、ウマ・ライノウ イルス、およびウマ・ロタウイルスである。 ウマ病原体の抗原性ポリペプチドは、ウシ呼吸器合胞体ウイルスまたはウシパ ラインフルエンザウイルスから誘導され、また組換え型感染性ウシ鼻気管炎ウイ ルスに感染した宿主中で発現されることができる。例えば、抗原性ポリペプチド は、ウシ呼吸器合胞体ウイルス付着タンパク(BRSV G)、ウシ呼吸器合胞 体ウイルス融合タンパク(BRSV F)、ウシ呼吸器合胞体ウイルスヌクレオ キャプシドタンパク(BRSV N)、ウシ・パラインフルエンザウイルス3型 融合タンパク、およびウシ・パラインフルエンザ3型赤血球凝集素ノイラミニダ ーゼから誘導される。 外来遺伝子は、内因性の上流伝染性喉頭気管炎ウイルスプロモータの制御下に 置けばよく、或いは、異種上流プロモータの制御下に置いてもよい。この異種上 流プロモータは、HCMV IEプロモータ、PRVgXプロモータおよびBH V−1.1VP8プロモータから誘導すればよい。 本発明は更に、伝染性喉頭気管炎ウイルスゲノムを含む組換え型伝染性喉頭気 管炎ウイルスであって、前記ウイルスゲノムの独特の短領域における欠失または 他の変異を含み、該欠失または変異は、当該組換え型伝染性喉頭気管炎ウイルス が複製に際して糖タンパクgGを産生しないように、糖タンパクgG遺伝子の中 に存在する組換えウイルスを提供する。下記の組換えウイルス、即ち、S−IL T−002、S−ILT−014,S−ILT−009、S−ILT−015お よびS−ILT−017と命名された組換え型伝染性喉頭気管炎ウイルスは、こ の発明の好ましい態様である。 本発明は更に、伝染性喉頭気管炎ウイルスゲノムを含む組換え型伝染性喉頭気 管炎ウイルスであって、前記ウイルスゲノムの独特の短領域における欠失または 他の変異を含み、該欠失または変異は、当該組換え型伝染性喉頭気管炎ウイルス が複製に際して糖タンパクgIを産生しないように、糖タンパクgI遺伝子中に 存在する組換えウイルスを提供する。 本発明は更に、伝染性喉頭気管炎ウイルスゲノムを含む組換え型伝染性喉頭気 管炎ウイルスであって、前記ウイルスゲノムの独特の短領域における欠失または 他の変異を含み、該欠失または変異は、当該組換え型伝染性喉頭気管炎ウイルス が複製に際して糖タンパクgGおよび糖タンパクgIを産生しないように、糖タ ンパクgG遺伝子および糖タンパクgI遺伝子中に存在する組換えウイルスを提 供する。 本発明は更に、伝染性喉頭気管炎ウイルスゲノムを含む組換え型伝染性喉頭気 管炎ウイルスであって、前記ウイルスゲノムの独特の短領域における欠失を含み 、該欠失は、US2遺伝子、UL47様遺伝子および糖タンパクg60遺伝子中 に存在する組換えウイルスを提供する。これら遺伝子の何れか一つにおける欠失 によって、当該組換えウイルスは、伝染性喉頭気管炎ウイルスに対するワクチン として使用できるようになると思われる。 本発明は更に、組換え型伝染性喉頭気管炎ウイルスであって、伝染性喉頭気管 炎ウイルスゲノムの独特の短領域内に挿入された外来遺伝子を具備するが、その 挿入は、プロテインキナーゼ遺伝子、糖タンパクgD遺伝子、糖タンパクgE遺 伝子およびORF10遺伝子の中には存在しない組換えウイルスを提供する。こ の外来遺伝子は、当該組換え型伝染性喉頭気管炎ウイルスに感染した宿主細胞内 で発現できるように挿入される。好ましい挿入部位は、US2遺伝子、UL47 様遺伝子、ORF4遺伝子および糖タンパクg60遺伝子である。 外来遺伝子は、本発明の組換え型伝染性喉頭気管炎ウイルスに感染した宿主細 胞中で発現され得るような方法で、これら部位のうちの何れか一つの中に挿入さ れ得る。 こうして挿入された外来遺伝子は、大腸菌β−ガラクトシダーゼ、大腸菌β− グルクロニダーゼのような、スクリーニング可能なマーカーをコードすればよい 。 こうして挿入された外来遺伝子は、前記宿主細胞内に導入されたときに、鳥類 疾患を起こす物質(前記抗原を誘導しまたは誘導可能なもの)に対する保護抗体 の産生を誘起する抗原性ポリペプチドをコードしてもよい。このような抗原性ポ リペプチドは、感染性気管支炎ウイルス、ニューキャッスル病ウイルス、感染性 嚢症ウイルスおよびマレック氏病ウイルスからなる群から誘導され、または誘導 可能であり得る。このような抗原性ポリペプチドはまた、鳥類の脳脊髄炎ウイル ス、鳥類レオウイルス、鳥類パラミクソウイルス、鳥類インフルエンザウイルス 、鳥類アデノウイルス、鶏痘ウイルス、鳥類コロナウイルス、鳥類ロタウイルス 、ニワトリ貧血物質、サルモネラ種(Salmonella spp.)、大腸菌(E.coli)、パ スツレラ種(Pasteurella spp.)、ボルデテラ種(Bordetella spp.)、アイメリ ア種(Eimeria spp.)、ヒストモナス種(Histomonas spp.)、トリコモナス種(T richomonas spp.)、家禽線虫、条虫、吸虫、家禽ダニ/シラミ、家禽原虫から誘 導され、または誘導可能であってもよい。 こうして挿入された外来遺伝子は、内因性の上流伝染性喉頭気管炎ウイルスプ ロモータの支配下に置かれてもよく、または異種上流プロモータの支配下にあっ てもよい。この異種上流プロモータは、HCMV IEプロモータ、PRVgX プロモータまたはBHV-1.1VP8プロモータで有り得る。 本発明は更に、伝染性喉頭気管炎ウイルスのためのワクチンであって、適切な キャリアと、有効免疫量の本発明の何れかの組換え型伝染性喉頭気管炎ウイルス とを含有するワクチンと提供する。このワクチンは、不活性化ウイルスまたは組 み換え体生ウイルスの何れかを含有し得る。 組換え体ウイルスのための適切なキャリアは当該技術において周知であり、こ のなかにはタンパク、糖等が含まれる。このような適切なキャリアの一例は、タ ンパク加水分解物および乳糖等のような1以上の安定化剤を含む、生理学的にバ ランスのとれた培養培地である。好ましくは、生ワクチンは組織培養液を採取し 、安定化作用を有するタンパク加水分解物のような安定化剤を添加することによ って作成される。好ましくは、不活性化ワクチンは、ウイルスを不活性化した後 の組織培養液を直接使用する。 本発明は更に、適切なキャリアおよび有効免疫量の組換え型伝染性喉頭気管炎 ウイルスとを含有するワクチンであって、該組換えウイルスは伝染性喉頭気管炎 ウイルスゲノムを有しており、該ゲノムはその独特の短領域内に欠失を含んでお り、該欠失は糖タンパクgG遺伝子の中に存在するワクチンを提供する。この発 明の好ましい態様は、適切なキャリアと、有効免疫量の下記の何れか一つのウイ ルスとを含有するワクチンである: 即ち、これらウイルスは、S−ILT−01 4、S−ILT−002、S−ILT−009、S−ILT−015およびS− ILT−017と命名された組換え型伝染性喉頭気管炎ウイルスである。 本発明は更に、伝染性喉頭気管炎および一以上の他の鳥類疾患のための多価ワ クチンであって、独特の短領域内の欠失を含む伝染性喉頭気管炎ウイルスゲノム を具備した有効免疫量の組換えウイルスを含有し、前記欠失は糖タンパクgG遺 伝子の中に存在しており、また外来遺伝子は前記ウイルスゲノムの非必須部位に 挿入されているワクチンを提供する。 前記外来遺伝子は抗原性ポリペプチドをコードし、これには鳥類疾患原因物質 (上記抗原を誘導し、また誘導可能なもの)に対する保護抗体の宿主細胞による 産生が含まれる。 上記の外来遺伝子は、感染性気管支炎ウイルス、ニューキャッスル病ウイルス 、感染性嚢症ウイルス、マレック氏病ウイルス、鳥類脳脊髄炎ウイルス、鳥類レ オウイルス、鳥類パラミクソウイルス、鳥類インフルエンザウイルス、鳥類アデ ノウイルス、鶏痘ウイルス、鳥類コロナウイルス、鳥類ロタウイルス、ニワトリ 貧血物質、サルモネラ種(Salmonellaspp.)、大腸菌(E.coli)、パスツレラ種( Pasteurella spp.)、ボルデテラ種(Bordetella spp.)、アイメリア種(Eimeri a spp.)、ヒストモナス種(Histomonas spp.)、トリコモナス種(Trichomonas s pp.)、家禽線虫、条虫、吸虫、家禽ダニ/シラミおよび家禽原虫から誘導され、 または誘導可能であり得る。 本発明は更に、適切なキャリアおよび有効免疫量の組換え型伝染性喉頭気管炎 ウイルスを含有するワクチンであって、該ウイルスは伝染性喉頭気管炎ウイルス ゲノムを有し、該ウイルスゲノムはその独特の短領域内に欠失または他の変異を 含んでおり、該欠失または変異は、当該組換えウイルスが複製の際に糖タンパク gGを産生しないように、糖タンパクgG遺伝子の中に存在しているワクチンを 提供する。この発明の好ましい態様は、適切なキャリアと、有効免疫量の下記の 何れか一つのウイルスとを含有するワクチンである:即ち、これらウイルスは、 S−ILT−014、S−ILT−002、S−ILT−009、S−ILT− 015およびS−ILT−017と命名された組換え型伝染性喉頭気管炎ウイル スである。 本発明は更に、適切なキャリアおよび有効免疫量の組換え型伝染性喉頭気管炎 ウイルスを含有するワクチンであって、該ウイルスは伝染性喉頭気管炎ウイルス ゲノムを有し、該ウイルスゲノムはその独特の短領域内に欠失または他の変異を 含んでおり、該欠失または変異は、当該組換えウイルスが複製の際に糖タンパク gIを産生しないように、糖タンパクgI遺伝子の中に存在しているワクチンを 提供する。 本発明は更に、適切なキャリアおよび有効免疫量の組換え型伝染性喉頭気管炎 ウイルスを含有するワクチンであって、該組換えウイルスは伝染性喉頭気管炎ウ イルスゲノムを有し、該ウイルスゲノムはその独特の短領域内に欠失または他の 変異を含んでおり、該欠失または変異は、当該組換えウイルスが複製の際に糖タ ンパクgGおよび糖タンパクgIを産生しないように、糖タンパクgG遺伝子お よび糖タンパクgI遺伝子の中に存在しているワクチンを提供する。 本発明は更に、適切なキャリアおよび有効免疫量の組換え型伝染性喉頭気管炎 ウイルスを含有するワクチンであって、該組換えウイルスは伝染性喉頭気管炎ウ イルスゲノムを有し、該ウイルスゲノムはその独特の短領域内に欠失を含んでお り、該欠失がUS2遺伝子、UL47様遺伝子および糖タンパクg60遺伝子中 に存在するワクチンを提供する。 本発明は更に、適切なキャリアおよび有効免疫量の組換え型伝染性喉頭気管炎 ウイルスを含有するワクチンであって、該組換えウイルスは伝染性喉頭気管炎ウ イルスゲノムを有し、該ウイルスゲノムはその独特の短領域内に欠失を含んでお り、該欠失がUS2遺伝子、ORF4遺伝子、UL47様遺伝子または糖タンパ クg60遺伝子の中に存在し、また前記ウイルスゲノムの非必須部位に外来遺伝 子が挿入されているワクチンを提供する。 上記の外来遺伝子は抗原性ポリペプチドをコードし、これには鳥類疾患原因物 質(上記抗原を誘導し、また誘導可能なもの)に対する保護抗体の宿主細胞によ る産生が含まれる。 上記の外来遺伝子は、感染性気管支炎ウイルス、ニューキャッスル病ウイルス 感染性嚢症ウイルス、マレック氏病ウイルス、鳥類脳脊髄炎ウイルス、鳥類レオ ウイルス、鳥類パラミクソウイルス、鳥類インフルエンザウイルス、鳥類アデノ ウイルス、鶏痘ウイルス、鳥類コロナウイルス、鳥類ロタウイルス、ニワトリ貧 血物質、サルモネラ種(Salmonella spp.)、大腸菌(E.coli)、パスツレラ種(P asteurella spp.)、ボルデテラ種(Bordetella spp.)、アイメリア種(Eimeria spp.)、ヒストモナス種(Histomonas spp.)、トリコモナス種(Trichomonas spp .)、家禽線虫、条虫、吸虫、家禽ダニ/シラミおよび家禽原虫から誘導され、ま たは誘導可能であり得る。 本発明は更に、適切なキャリアおよび有効免疫量の組換え型伝染性喉頭気管炎 ウイルスを含有するワクチンであって、該組換えウイルスは伝染性喉頭気管炎ウ イルスゲノムを有し、該ウイルスゲノムの非必須部位に外来遺伝子が挿入されて いるワクチンを提供する。この外来遺伝子は抗原性ポリペプチドをコードし、該 ポリペプチドは、鳥類疾患原因物質(前記抗原を派生しまたは派生し得る)に対 する保護抗体の宿主細胞による産生を誘導する。 上記の外来遺伝子は、感染性気管支炎ウイルス、ニューキャッスル病ウイルス 、感染性嚢症ウイルス、マレック氏病ウイルス、鳥類脳脊髄炎ウイルス、鳥類レ オウイルス、鳥類パラミクソウイルス、鳥類インフルエンザウイルス、鳥類アデ ノウイルス、鶏痘ウイルス、鳥類コロナウイルス、鳥類ロタウイルス、ニワトリ 貧血物質、サルモネラ種(Salmonella spp.)、大腸菌(E.coli)、パスツレラ種( Pasteurella spp.)、ボルデテラ種(Bordetella spp.)、アイメリア種(Eimeri a spp.)、ヒストモナス種(Histomonas spp.)、トリコモナス種(Trichomonas s pp.)、家禽線虫、条虫、吸虫、家禽ダニ/シラミおよび家禽原虫から誘導され、 または誘導可能であり得る。 本発明は更に、伝染性喉頭気管炎ウイルスに対して動物を免疫感作する方法で あって、ニワトリまたは他の家禽に対し、有効免疫量の本発明のワクチンを投与 することを具備した方法を提供する。 本発明は更に、糖タンパクgGを産生しない有効免疫量の組換えウイルスで予 防接種されたニワトリまたは他の家禽を、天然に存在する伝染性喉頭気管炎ウイ ルスに感染したものから区別する方法を提供する。この方法は、ニワトリまたは 他の家禽から得た体液のサンプルを、糖タンパクgGおよび天然に存在する伝染 性喉頭気管炎ウイルスに感染したニワトリまたは他の家禽において正常に発現さ れる少なくとも一つの他の抗原の存在について分析することを具備する。上記体 液中に、天然に存在する咽頭気管炎ウイルスに感染したニワトリで正常に発現さ れる抗原は存在するが、糖タンパクgGは存在しないことによって、上記組み換 え体ワクチンで予防接種されており、且つ天然に存在する伝染性喉頭気管炎ウイ ルスには感染していないことが示される。体液中における糖タンパクgGおよび 前記抗原の存在は、体液中において、当該抗原および糖タンパクgGに特異的な 抗体を検出することにより決定すればよい。 本発明は更に、糖タンパクgIを産生しない有効免疫量の組換えウイルスで予 防接種されたニワトリまたは他の家禽を、天然に存在する伝染性喉頭気管炎ウイ ルスに感染したものから区別する方法を提供する。この方法は、ニワトリまたは 他の家禽から得た体液のサンプルを、糖タンパクgIおよび天然に存在する伝染 性喉頭気管炎ウイルスに感染したニワトリまたは他の家禽において正常に発現さ れる少なくとも一つの他の抗原の存在について分析することを具備する。上記体 液中に、天然に存在する咽頭気管炎ウイルスに感染したニワトリで正常に発現さ れる抗原は存在するが、糖タンパクgIは存在しないことによって、上記組み換 え体ワクチンで予防接種されており、且つ天然に存在する伝染性喉頭気管炎ウイ ルスには感染していないことが示される。体液中における糖タンパクgIおよび 前記抗原の存在は、体液中において、当該抗原および糖タンパクgIに特異的な 抗体を検出することにより決定すればよい。 本発明は更に、糖タンパクgGを産生せず且つ糖タンパクgIを産生しない有 効免疫量の組換えウイルスで予防接種されたニワトリまたは他の家禽を、天然に 存在する伝染性喉頭気管炎ウイルスに感染したものから区別する方法を提供する 。この方法は、ニワトリまたは他の家禽から得た体液のサンプルを、糖タンパク gGおよgI並びに天然に存在する伝染性喉頭気管炎ウイルスに感染したニワト リまたは他の家禽において正常に発現される少なくとも一つの他の抗原の存在に ついて分析することを具備する。上記体液中に、天然に存在する咽頭気管炎ウイ ルスに感染したニワトリで正常に発現される抗原は存在するが、糖タンパクgG お よびgIは存在しないことによって、上記組み換え体ワクチンで予防接種されて おり、且つ天然に存在する伝染性喉頭気管炎ウイルスには感染していないことが 示される。体液中における前記抗原ならびに糖タンパクgGおよびgIの存在は 、体液中において、当該抗原ならびに糖タンパクgGおよびgIに特異的な抗体 を検出することにより決定すればよい。 本発明は更に、伝染性喉頭気管炎ゲノムDNAの独特の短領域中に外来DNA を挿入することにより、組換え型伝染性喉頭気管炎ウイルスを製造するための相 同性ベクターであって、二本鎖の外来遺伝子から実質的になる二本鎖DNA分子 を具備しており、何れの側にも前記ゲノムDNAの独特の短領域に位置するDN A対して相同性である二本鎖DNAが隣接している相同性ベクター(但し、該隣 接配列は糖タンパクgD遺伝子、糖タンパクgE遺伝子、プロテインキナーゼ遺 伝子、およびORF10遺伝子に対して相同性ではない)を提供する。上記の外 来遺伝子は、大腸菌B−ガラクトシダーゼまたは大腸菌B―グルクロニダーゼの ようなスクリーニング可能なマーカーをコードし得る。 本発明は更に、伝染性喉頭気管炎ウイルスのゲノムDNAに挿入されている、 スクリーニング可能なマーカーをコードするDNAを欠失させることにより組換 え型伝染性喉頭気管炎ウイルスを製造するための相同性ベクターであって、欠失 させるべき二本鎖DNA分子から実質的になる二本鎖DNAを具備し、何れの側 にも伝染性喉頭気管炎ウイルスの糖タンパクgG遺伝子、糖タンパクgI遺伝子 、US2遺伝子またはUL−47様遺伝子に対して相同的な二本鎖DNAが隣接 しているベクターを提供する。この発明の好ましい実施例は、相同性ベクターー 544-55.12、相同性ベクター562-61.1F、相同性ベクター472-73.27、相同性ベク ター560-52.F1および相同性ベクター579-14.G2 と命名された相同性ベクターで ある。 本発明は、US10遺伝子(配列ID番号60および70)、AvSp遺伝子 (配列ID番号61および71)、US2遺伝子(配列ID番号62)、PK遺 伝子(配列番号63)、UL47遺伝子(配列ID番号64)、gG遺伝子(配 列番号65)、ORF5遺伝子(配列ID番号66)、gD遺伝子(配列ID番 号67)、gI遺伝子(配列ID番号68)、gE遺伝子(配列ID番号69) またはORF9遺伝子(配列ID番号70)をコードする単離された核酸分子を 提供する。 本発明は、US10遺伝子(配列ID番号60および70)、AvSp遺伝子 (配列ID番号61および71)、US2遺伝子(配列ID番号62)、PK遺 伝子(配列番号63)、UL47遺伝子(配列ID番号64)、gG遺伝子(配 列番号65)、ORF5遺伝子(配列ID番号66)、gD遺伝子(配列ID番 号67)、gI遺伝子(配列ID番号68)、gE遺伝子(配列ID番号69) またはORF9遺伝子(配列ID番号70)によってコードされる単離されたペ プチドを提供する。 〔実験の詳細〕 <材料及び方法> 伝染性喉頭気管炎ウイルスストック試料の調製: 始原ニワトリ胚腎臓細胞( CEK:スパファス社(Spafas Inc.)から入手)又は始原ニワトリ腎臓細胞( CK:ハイバック(Hyvac)より供給された受精卵から孵化した雛から入手)( 50)を、225cm2フラスコ内において、ハンクの塩(BME)、10%ブ ロモエチルアミン(BEI)処理仔ウシ血清(FBS)、1%グルタミンストッ ク、2%ペニシリン/ストレプトマイシン(P/S)ストック、及び1%重炭酸 ナトリウムストックを含む1×イーグル基本培地(変性)(これらの成分はアー ビン・サイエンティフィック(Irvine Scientific)又は等価の供給者から入手 し、以後この成長培地を完全BME培地と呼ぶ)中に105−106pfuを含む ウイルスストック0.5mlで感染させることにより、伝染性喉頭気管炎ウイル スストック試料を調製した。4−5日後、ウイルスストックを回収した。感染し た培地及び細胞を20%無菌全乳を含む完全培地に再懸濁させ、−70℃で凍結 保存した。 伝染性喉頭気管炎ウイルスDNAの調製: ウイルス感染の4ないし5日後、 各フラスコから細胞及び培地を15ml円錐形遠心管にこすり落とし、1700 ×gで5分間、4℃でペレット化した。50%ものウイルスが培地中に存在する 可能性があるため、上清を保存し以下に説明される通りに処理した。細胞ペレッ トを管当り1mlのPBSに再懸濁して合わせ、再度1700×gで5分間遠心 した。そのペレットを10mMトリス−HCl pH7.5、1mM EDTA 及び1.5mM MgCl2を含有する1ml/フラスコのバッファーに再懸濁 させ、4℃で15分間インキュベートした。フラスコ当り25μlの20%NP 40を添加した後、その混合物をダウンス(dounce)ホモジナイザにおいてA乳棒 を用いてホモジナイズした。この調製品を1700×gで10分間、4℃で遠心 し、その上清を保持した。この上清に10μlの0.5M EDTA、50μl の20%SDS、及び25μlの10mg/mLプロテイナーゼKを添加した( 元のフラスコ当り)。幾つのかの場合においては、これを細胞培地上清から得ら れるウイルスと合わせた(上を参照)。次に、この混合物を65℃で1−16時 間処理した後、100mMトリス−HCl、pH8で飽和したフェノールで2 回抽出した。次いで、水相中のDNAを3M酢酸ナトリウム(1/10容量)及 び2.5容量の100%エタノールを添加することにより沈殿させた。 この培地からウイルスを得るため、細胞培地上清を23,500×gで30分 間遠心し、十分に水切りした。そのペレットを上記プロテイナーゼK含有混合物 中に説明される通りに再懸濁した。DNAペレットを20μl TE/フラスコ に再懸濁させた。これは、この時点でさらなる実験に用いることも可能であり、 あるいは膵臓RNアーゼAでさらに処理してRNAを除去した後、フェノール抽 出及びエタノール沈殿によりDNAを得ることも可能であった。 ウイルスDNAミニプレップを調製するため、感染させた10cmディッシュ を円錐形遠心管に掻き落とし1000×gで5分間遠心した。細胞培地上清を保 持し、上述の通りに処理した。これらの細胞ペレットを、それぞれ、0.5ml の10mMトリス−HCl pH7.5、1mM EDTA、0.5%NP40 に再懸濁させ、室温で10分間インキュベートした。10μlの10mg/ml RNアーゼAを添加し、その沈殿を1000×gで5分間遠心した。その上清に 25μlの20%SDS及び25μlの10mg/mlプロテイナーゼKを添加 し、その沈殿全体を細胞培地からのウイルスペレットが用いられている場合には そこに添加した。この混合物を55−65℃で1時間インキュベートし、バッフ ァー飽和フェノールで抽出して1mlのエタノールを添加することにより沈殿さ せた。そのDNAペレットを20μlのTEに再懸濁させて4℃で保存した。 ポリメラーゼ補填反応: DNAを、50mMトリス pH7.4、50mM KCl、5mM MgCl2、及び各々400μモル濃度の4種類のデオキシ リボヌクレオチドを含有するバッファーに再懸濁させた。10単位のクレノウD NAポリメラーゼ(ギブコ(Gibco)BRL)を添加し、室温で15分間反応を進 行させた。DNAを上述の通りフェノール抽出し、エタノール沈殿させた。 DNA配列決定: シーケナーゼキット(Sequenase Kit)(USバイオケミ カルズ(US Biochemicals))及びα35S−dATP(ニュー・イングランド・ ニュークリア(New England Nuclear))を用いて配列決定を行った。圧縮の領 域を明確にするため、dGTPミックス及びdITPミックスの両者を用いる反 応を行った。あるいは、ホルムアミドゲルで圧縮領域を分解した。テンプレート は二本鎖プラスミドサブクローン又は一本鎖M13サブクローンであり、プライ マーは配列決定しようとするインサートのすぐ外側のベクター又は以前に得られ ている配列のいずれかに対して作製した。得られた配列を組立て、ドナスター( Dnastar)ソフトウェアを用いて比較した。得られた配列の操作及び比較は、コ ーラル・ソフトウェア(Coral Software)のIBIマックベクター(IBI MacVector)、スーパークローン(Superclone)及びスーパーシー・アライン( Supersee Align)プログラムを用いて行った。 分子生物学的技術: 制限エンドヌクレアーゼでの消化、ゲル電気泳動、ゲル からのDNAの抽出、ライゲーション、キナーゼでのリン酸化、ホスファターゼ での処理、細菌培養物の成長、DNAでの細菌の形質転換、及び他の分子生物学 的方法のような手順を含む細菌及びDNAを操作するための技術は説明されてい る(42、43)。様々なDNAの操作に都合のよい制限部位の導入にはポリメ ラーゼ連鎖反応(PCR)を用いた(44)。一般に、増幅された断片のサイズ は500塩基対未満であり、増幅された断片の重要な領域はDNA配列決定によ り確認した。注記されている場合を除いて、これらの技術を大きな変形を加える ことなく用いた。 DNAのサザーンブロッティング: サザーンブロッティングの一般手順はM aniatisら(1982)及びSambrookら(1989)(42、4 3)から採用した。DNAを0.4M NaOH中でナイロンメンブラン(バイ オラッド・ゼータプローブ(Biorad Zetaprobe))にブロットし、0.25M Na2HpO4、pH7.2、1mM EDTA、7%SDSを含有する溶液中に おいて65℃で5分間予備ハイブリダイズした。ベーリンガー−マンハイム(Bo ehringer-Mannheim)からのジェニアスTM(GeniusTM)非放射性ラベリングキッ トを用いる無作為プライミングによって標識されている標識プローブを添加した 。65℃で一晩ハイブリダイズした。フィルターを40mM Na2HPO4、p H7.2、1mM EDTA、5%SDSで2回、次いで40mM Na2Hp O4、pH7.2、1mM EDTA、1%SDSで2回、各々65℃で30分 間洗浄した。ベーリンガー−マンハイム・ジェニアスTM非放射性検出キットを用 いて結合したプローブを検出した。 組換えILTウイルスを生成させるためのDNA形質移入: この方法は、以 下の修正が加えられたChen及びOkayamaのCaCl2法(1987) (45)に基づく。組換えILTウイルスの生成は、ILTウイルスDNAと適 当なヘルペスウイルスクローン化配列が横列する所望の外来DNAを含むプラス ミド相同ベクターとの均質な組換えに依存する。プラスミドDNA(10−40 mg)を0.25M CaCl2の最終濃度の溶液250mlに添加した。この DNA/CaCl2溶液に、等容量の、50mM MOPS(pH6.95)、 280mM NaCl及び1.5mM Na2HPO4を含有するバッファーを添 加した。室温で10分後、この混合物を維持培地上のCEK細胞の6cmディッ シュに滴下により添加し、39℃で4ないし5時間放置した。細胞をPBSで1 回、PBS中20%のグリセロールで1回2分間すすぎ、再度PBSですすいで 、維持培地を加えた。この培地に1.5mlのILTウイルスストックを添加し 、細胞を一晩インキュベートした。翌日、新鮮な維持培地を添加し、細胞をさら に2日間インキュベートした。形質移入ストックを回収し、分別して−70℃で 凍結した。 ILTサブゲノムDNA断片の生成手順: クローン化重複サブゲノム断片の 同時形質移入によってヘルペスウイルスを生成する能力がシュードラビエスウイ ルスについて示されている(46)。同時形質導入に先立ってサブゲノム断片に 直接削除及び/又は挿入が行われている場合、この手順はゲノムの変更を含むウ イルスを高頻度で生じる結果となり、組換えウイルスの精製に必要なスクリーニ ングの量を大きく低下させる。コスミドをマップ制限酵素部位に重ねる手順を用 いた。 重複ILTVサブゲノム断片を含むサブクローンのライブラリーを以下のよう に生成させた。USDAILTV株83−2はS−ILT−001と呼ばれてい る。0.5mlの10mMトリス−HCl pH8.0、1mM EDTA(T E)中約20μgの(S−ILT−001から得られる)ILTV DNAを、 以前に説明される通り(46)25ゲージの針に2回通過させることにより切断 した。このDNAを、50mMトリス−HCl pH8.0、1mM EDTA 、及び0.3M NaCl中の15−40%グリセロール勾配を通して274, 0 00×gで5.5時間遠心した。断片を0.3%アガロースゲル上で分析して3 5−50kbのDNAを含むものをプールし、TEで2倍に希釈して1/10容 量の3M酢酸ナトリウム及び2.5容量のエタノールで沈殿させた。これらの管 を109,000×g、10℃で1時間遠心した。ペレットを再懸濁させて微小 遠心管に移し、1/10容量の3M酢酸ナトリウム及び2.5容量のエタノール で沈殿させた。DNAをTEに再懸濁させた。DNAの末端をポリメラーゼ補填 反応によって平滑末端にした。DNAをフェノールで飽和したバッファー及びエ ーテルの両者で抽出することにより精製し、上述の通り酢酸ナトリウム及びエタ ノールで沈殿させ、TEに再懸濁させた。この物質の半分を、DNAライゲーシ ョン反応によって3mgのベクターpSY1626にライゲートした。用いられ たベクターはpSY1626であり、これは以下のように作製した。コスミドp HC79(ギブコBRL)をHindIII及びAvaIで切断してテトラサイ クリン遺伝子を除去し、その末端をクレノウポリメラーゼで補填した(補填反応 )このベクターにpWE15(ストラタジェーン(Stratagene))に由来するポ リリンカーをライゲートした。このポリリンカーはEcoRIでの消化により単 離し、その末端をクレノウポリメラーゼで補填し(補填反応)、その断片をLM P−アガロースゲル上で精製した。DNAライゲーションは溶融アガロースの存 在下において行った。得られたコスミドpSY1005を、pNEO(P−Lバ イオケミカルズ(P-L Biochemicals))に由来するネオマイシン耐性遺伝子を 含む1.5kb HindIII−BamHI断片をEcoRI部位に平滑末端 挿入することにより修飾してpSY1626を作製した。pSY1626を切断 してBamHI部位を平滑末端化し、上述のように切断されたILTV断片とラ イゲートした。このライゲーション混合物を、ギガパックXL(Gigapack XL )(ストラタジェーン)を用い、製造者の指示に従ってパッケージ化した。この パッケージ化混合物をマルトースの存在下において成長させたAG1細胞(スト ラタジェーン)に添加し、カナマイシンを含むLBプレート上でコロニーを選別 した。ILTV DNAを含むコスミドサブクローンを、個々のコスミドクロー ンの制限酵素マップを互いに、及びILVTVゲノムDNAと比較することによ り同定し、ILTVゲノムDNAの連続配列を得た。 酵素マーカー遺伝子を発現する組換えILTVのスクリーニング: 大腸菌β −ガラクトシダーゼ又はβ−グルクロニダーゼ(uidA)マーカーが組換えウ イルスに組込まれている場合、単純な検定でその組換え体を含むプラークが可視 化された。プラーク検定の間、酵素基質をアガロースオーバーレイに組込んだ( 300μg/ml)。lacZマーカー遺伝子については基質ブルオガルTM(Bl uogalTM)(ハロゲン化インドリル−β−D−ガラクトシダーゼ、ギブコBRL )を用いた。uidAマーカー遺伝子については基質X−グルクロChx(X- Glucuro Chx)(5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−Dグルクロ ン酸シクロヘキシルアンモニウム塩、バイオシンスAG(Biosynth AG))を用 いた。活性マーカー酵素を発現するプラークは青色になった。次に、これらの青 色プラークを新鮮な細胞上に取り、さらに青いプラークを単離することにより精 製した。酵素マーカー遺伝子が取り除かれている組換えウイルス戦略においては 、この検定は、親の青いプラークの背景から白いプラークをプラーク精製するこ とを包含する。ウイルスを、典型的には、5ないし10回のプラーク精製で精製 した。 黒色プラーク検定を用いる組換えILTVにおける外来遺伝子発現のスクリー ニング : 組換えILTウイルスによって発現される外来抗原の発現を分析する ため、CEK細胞の単層に組換えILTウイルスを感染させ、栄養アガロース培 地で覆って39℃で3−5日間インキュベートした。プラークが出現したらアガ ロースの覆いをディッシュから取り除き、単層をPBSで1回すすいで100% メタノールで10分間室温で固定し、細胞を風乾した。このプレートをPBSで 再度湿らせた後、一次抗体をPBS及びブロットー(Blotto)で適当な希釈率 に希釈し、この細胞単層と共に2時間ないし一晩室温でインキュベートした。未 結合抗体を、室温でPBSを用いて4回洗浄することにより細胞から除去した。 適当な二次抗体結合体をPBSで1:500に希釈し、それらの細胞と共に2時 間室温でインキュベートした。未結合二次抗体を、室温でPBSを用いて細胞を 3回洗浄することにより除去した。単層を発色バッファー(100mMトリス pH9.5/100mM NaCl/5mM MgCl2)中ですすぎ、新たに 調製した基質溶液(発色バッファー中の0.3mg/mlニトロブルーテトラゾ リ ウム+0.15mg/ml 5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルホスファ ターゼ)と共に10分ないし一晩室温でインキュベートした。基質溶液をTE( 10mMトリス、pH7.5/lmM EDTA)で置き換えることにより反応 を停止させた。正しい抗原を発現するプラークは黒く染まる。 ILTウイルス又はILTV gGを発現する組換えウイルスからのILTV gGの精製 : 野性型ILTV又はILTV gGを発現するFPVもしくはS PVベクターを感染させた細胞の培地からILTV gGを精製した。細胞に対 する細胞変性効果(CPE)を完了させ、培地を注ぎ出して細胞の破片を台上遠 心でペレット化した。この培地を、アミコン(Amicon)濃縮器においてYM3 0限外濾過膜を用いて15psiで濃縮した。この濃縮物を20mMトリス−H Cl、pH7.0に対して透析し、同じバッファーで平衡化したDEAE−セフ ァセル(DEAE-Sephaccel)(ファルマシア(Pharmacia))カラムにのせた 。この物質を20mMトリス−HCl、pH7.0中の0ないし1.5M Na Clの塩勾配を用いて溶離した。3mlの画分を集め、ウェスタンブロットによ り検定した。ILTV gGを含む画分の同定にILTV gGに対するペプチ ド抗体を用いた。画分をプールし、セントリコン−10微小濃縮器(Centricon -10 microconcentrator)(アミコン)においてさらに濃縮した。 ニワトリ腎臓細胞及びILTウイルスの成長: ニワトリ喉頭気管炎チャレン ジウイルスと呼ばれるロットナンバー83−2のILTVウイルスを国立獣医部 門研究所(National Veterinary Services Laboratories)、USDA/AP HIS、アメス、アイオワ州から入手した。ILTVウイルスを、ハイ−バック ・ラボラトリー・エッグス社(Hy-Vac Laboratory Eggs Co.)から入手した 6−9齢SPF雛に由来する腎臓を解体することにより得られる始原ニワトリ腎 臓細胞(CK)において成長させた。新鮮な腎臓細胞を細かく刻み、5mg/m lトリプシンで分離した後、ペレット化して1.3×106細胞/mlで再懸濁 させた。成長培地(GM)は、10%二元エチレンイミン処理仔ウシ血清(FB S)、2mMグルタミン、200単位/mlペニシリン、200mg/mlスト レプトマイシン及び8.9mM重炭酸ナトリウムが添加された、ハンクの塩を含 む1×イーグル基本培地(変性)であった(85)。再懸濁させた後、細胞をプ レートに のせ、39℃でインキュベートした。細胞をすすぎ、24時間後に維持培地(M M)を加えた。このMMは1%FBSを含むGMである。CKにILTVを0. 01ないし0.1MOIで接種し、4−5日後に掻き落として超音波処理するこ とによりウイルスストックを回収した。力価は、典型的には、105−106pf u/mlであった。 ウイルスDNAの調製: 感染したフラスコからの細胞及び培地を1700g で5分間4℃でペレット化した。最初に上清及びペレットを別々に処理した。ビ リオン粒子は23,500gで30分間上清の外に遠心した。元の細胞ペレット はPBSですすぎ、再度回転した。このペレットを10mMトリス−HCl p H7.5、lmM EDTA及び1.5mM MgCl2を含有するバッファー 1ml/フラスコに再懸濁させ、4℃で15分間インキュベートした。これに2 5μl/フラスコの20%NP40を添加し、この混合物をA乳棒を用いてダウ ンスホモジナイズした。この調製品を1700gで10分間4℃で遠心し、上清 をすすいでペレットを廃棄した。この上清に10μlの0.5M EDTA、5 0μlの20%SDS、及び25μlの10mg/mlプロテイナーゼKを添加 した(元のフラスコ当り)。この混合物を、第1の上清の高速遠心によって得ら れるウイルス粒子のペレットの再懸濁に用いた。この混合物を65℃で1−16 時間処理し、バッファー飽和フェノールで2回抽出して塩及びエタノールを添加 することにより沈殿させた。得られたDNAペレットを100μl TE/フラ スコに再懸濁させた。これを膵臓RNアーゼAでさらに処理してRNAを除去し た後、フェノール抽出及びエタノール沈殿によりDNAを得た。 コスミドライブラリーの作製: van Zijlら(83)のプロトコルに 従い、ILTV DNAのコスミドライブラリーを作製した。0.5mlの10 mMトリス−HCl、pH8.0、lmM EDTA(TE)中約20μgのI LTV DNAを25ゲージの針に2回通すことにより切断した。DNAを50 mMトリス−HCl、pH8.0、1mM EDTA、0.3M NaCl中の 15−40%グリセロール勾配を通して274,000gで5.5時間遠心した 。画分を0.3%アガロースゲルで分析して35−50kbのDNAを含むもの をプールし、TEで2倍に希釈して塩及びエタノールを添加することにより沈殿 さ せた。管を10℃、109,000gで1時間回転させた。ペレットを再懸濁さ せ、塩及びエタノールを添加して再沈殿させた。このDNAをTEに再懸濁させ 、適当なバッファー及び25μM dNTPの存在下においてT4 DNAポリ メラーゼを用いて15℃で2時間処理し、次いで0.25mM dNTPを用い てクレノウポリメラーゼで15℃で16時間処理することにより末端を平滑化し た。このDNAをフェノール、次いでエーテルで抽出し、塩及びエタノールを添 加して沈殿させ、TEに再懸濁させた。この物質を3μgのコスミドベクターp SY1626と一晩ライゲートした。コスミドpSY1626は、コスミドpH C79(BRL)をHindIII及びAvaIで消化してテトラサイクリン遺 伝子を除去することにより作製した。残余の断片及びpWE15(ストラタジェ ーン)に由来するEcoRI消化ポリリンカーをクレノウポリメラーゼで補填し 、共にライゲートした。得られたコスミドベクターpSY1005を、カナマイ シン耐性遺伝子を含むpNEO(P−Lバイオケミカルズ)に由来する1.5k b HindIII−BamHI断片を平滑末端挿入することによりEcoRI 部位で修飾してpSY1626を作製した。コスミドベクターとして使用するた め、pSY1626を切断してBamHI部位で平滑化した。このライゲーショ ン混合物を、ギガパックXL(ストラタジェーン)を用いて製造者の指示に従っ てパッケージ化した。カナマイシンを含むLBプレートでコロニーを選別した。 配列決定35S−dATP(NEN)を用いてBRLシーケナーゼキットで 配列決定を手で行った。このキットはSangerら(80)によって説明され るジデオキシリボヌクレオチド鎖終止法を用いる。dGTP及びdITPミック スの両者を用いる反応を行って圧縮の領域を明確にした。あるいは、ホルムアミ ド中40%の8%アクリルアミドゲルで圧縮領域を分解した。アプライド・バイ オシステムズ(Applied Biosystems)(ABI)373A DNAシーケンサー を用いて自動蛍光配列決定を行った。配列決定を容易にするためサブクローンを 作製した。内部プライマーはABI392DNAシンセサイザーで合成した。両 鎖について配列を得、これをDNAスター(DNAstar)ソフトウェアを用いて組 み立てた。配列の操作及び比較は、コーラル・ソフトウェアからのDNAスター プログラム、スーパークローン及びスーパーシープログラムで行った。ジーンバ ンクとの比較は、NCBIでBLASTネットワークサービス(58)を用いて 行った。 相同ベクター501−94: プラスミド501−94は、ILTウイルスか らチミジンキナーゼ(TK)遺伝子コーディング領域の一部を欠失させる目的で 構築した(28)。これはHCMV IEプロモーター及びILTウイルスDN Aが横列するスクリーニング可能なマーカー、大腸菌lacZ遺伝子、を含む。 このHCMV IEプロモーター−大腸菌lacZ遺伝子はILTV TK遺伝 子に対して反対の転写方向に挿入される。このマーカー遺伝子の上流は、ILT V TK遺伝子の最初の77アミノ酸コドンを含む約1087塩基対のILTV DNAの断片である。lacZ遺伝子の下流は、ILTV TK遺伝子の3’ 末端の80アミノ酸コドンを含む約675塩基対のILTV DNAの断片であ る。このプラスミドを「組換えILTウイルスを生成させるためのDNA形質移 入」に従って用いると、ILTV TK遺伝子のアミノ酸78ないし285をコ ードするDNAがlacZ遺伝子をコードするDNAに置換される。lacZマ ーカー遺伝子はヒトサイトメガロウイルス(HCMV)直前(IE)遺伝子プロ モーターの制御下にあり、その遺伝子の3’末端にシュードラビエスウイルス( PRV)gX遺伝子ポリアデニル化シグナルも含む。このプラスミドの詳細な説 明が図5A−5Dに示されている。これは、指示されているDNA源から標準組 換えDNA技術(42、43)を利用して構築された。このプラスミドベクター はpSP64/65(プロメガ(Promega))の約3002塩基対のHindII I断片から誘導される。断片1は、ILTV 2.4kb HindIII断片 の約1087塩基対のHindIIIからBclIのサブ断片である。断片2は 、HCMV IEプロモーター、β−ガラクトシダーゼ(lacZ)マーカー遺 伝子、及びPRV gXポリアデニル化シグナルを含む約5017塩基対のSa lIからSalIの断片である(図5A−5Dを参照)。断片3は、ILTV 2.4kb HindIII断片の約675塩基対のBclIからHindII Iのサブ断片である。 相同ベクター544−55.12: プラスミド544−55.12は、IL TウイルスからUS2遺伝子コーディング領域の一部を欠失させ、外来DNAを 挿入する目的で構築した。これは、ILTウイルスDNAが横列するスクリーニ ング可能なマーカー、大腸菌uidA遺伝子、を含む。PRV gXプロモータ ー−大腸菌uidA遺伝子はILTV US2遺伝子に対して反対の転写方向に 挿入される。uidA遺伝子の上流は、US2遺伝子の3’末端の41アミノ酸 コドンを含む約2300塩基対のILTV DNAの断片である(配列番号2: aa.188−229)。uidA遺伝子の下流は、US2遺伝子の5’末端の 22アミノ酸コドンを含む約809塩基対のILTV DNAの断片である(配 列番号2:aa.1−22)。このプラスミドを「組換えILTウイルスを生成 させるためのDNA形質移入」に従って用いると、アミノ酸23ないし187を コードするILTV US2 DNAが大腸菌uidA遺伝子をコードするDN Aに置換される。uidAマーカー遺伝子はシュードラビエスウイルス(PRV )gXプロモーターの制御下にあり、その遺伝子の3’末端にI型単純ヘルペス ウイルスチミジンキナーゼ(HSV−1 TK)遺伝子ポリアデニル化シグナル も含む。このプラスミドの詳細な説明が図6A−6Dに示されている。これは、 指示されているDNA源から標準組換えDNA技術(42、43)を利用して構 築された。このプラスミドベクターは、pSP18/pSP19融合体の約29 58塩基対Asp7181制限断片から多重クローニング部位がEcoRI/S acI/Asp7181/SacI/EcoRIであるように誘導される。断片 1は、ILTV 2.5kb Asp7181断片の約2300塩基対のAsp 7181からDraIのサブ断片である(配列番号1:Nucl.1−405) 。断片2は、PRV gXプロモーター、大腸菌uidA遺伝子、及びHSV− 1TKポリアデニル化部位を含む約3039塩基対のXbaI断片である(図6 A−6Dを参照)。断片3は、ILTV 1097bp Asp7181断片の 約809塩基対のXbaIからAsp7181のサブ断片である(配列番号1: Nucl.905−1714)。 相同ベクター562−61.1F: プラスミド562−61.1Fは、IL TウイルスからgI遺伝子の一部を欠失させ、外来DNAを挿入する目的で構築 した。これはILTウイルスDNAが横列するスクリーニング可能なマーカー、 大腸菌uidA遺伝子、を含む。PRV gXプロモーター−大腸菌uidA遺 伝子はILTV gI遺伝子プロモーターに対して反対の方向に転写される。9 83塩基対の欠失は翻訳開始コドンの12塩基対上流で始り、ILTV gI遺 伝子の5’末端の363アミノ酸コドンのうちの324を欠失させる(配列番号 11:aa.325−363)。このプラスミドを「組換えILTウイルスを生 成させるためのDNA形質移入」に従って用いると、ILTV gI遺伝子をコ ードするDNAが大腸菌uidA遺伝子をコードするDNAに置換される。この プラスミドの詳細な説明が図7A−7Dに示されている。これは、指示されてい るDNA源から標準組換えDNA技術(42、43)を利用して構築された。こ のプラスミドベクターはpUC19の約2647塩基対のAsp7181からH indIIIの断片から誘導される。断片1は、ILTV 8.0kb Asp 7181断片の約1619塩基対のAsp7181からXbaIのサブ断片であ る(配列番号1:Nucl.7556−9175)。断片2は、ポリメラーゼ連 鎖反応(PCR)によって生成した約691塩基対のXbaIからXhoIの断 片である(配列番号1:Nucl.9175−9861)。そのテンプレートは ILTV 8.0kb Asp7181断片であった。上流プライマー92.0 9(5’−CCTAGCACCCTTGTATCGCG−3’:配列番号55) はILTV gI遺伝子の821塩基対上流の部位に位置し、遺伝子の3’末端 に向かってDNAを合成する。下流プライマー92.11(5’−CGCCTC GAG TCCCAATGAATAGGCATTGG−3’:配列番号56)はI LTV gI遺伝子の翻訳開始部位の12塩基対上流に位置し、gD遺伝子の5 ’末端に向かってDNAを合成する。このPCR反応の産物は818塩基対であ る。このDNA断片をXbaIを用いて5’末端(ILTV DNAに存在する 制限酵素部位)で、及びXhoIを用いて3’末端(PCRプライマー中に作製 される制限酵素部位−下線を付された配列を参照)で消化して約691塩基対の XbaIからXhoIの断片を作製する。断片3は、PRV gXプロモーター 、uidA遺伝子、及びHSV−1 TKポリアデニル化部位を含む約3051 塩基対のSalI断片である(図6A−6Dを参照)。断片4は、PCRによっ て生成した約624塩基対のXhoIからHindIIIの断片である(配列番 号1:Nucl.10,847−11,461)。そのテンプレートはILTV 8. 0kb Asp7181断片であった。上流プライマー92.10(5’−CG CCTCGAGGACCCATGGTTGCGTGCG−3’:配列番号57) はILTV gI遺伝子内の翻訳終止コドンの117塩基対上流の部位に位置す る。下流プライマー92.08(5’−CTCGTCCGAACGAGTTAC AG−3’:配列番号58)はILTV gI遺伝子の翻訳終止部位の604塩 基対下流の部位、かつILTV gE遺伝子内に位置する。このPCR産物(7 29塩基対)を、上流PCRプライマーによって生じる独自の部位であるXho I(下線)及びILTV gE遺伝子内の部位のHindIIIで消化する。X hoI及びHindIIIでの制限エンドヌクレアーゼ消化により約624塩基 対の断片4が作製される。断片5はILTV 8.0kb Asp7181断片 の約2700塩基対のHindIIIサブ断片である(配列番号1:Nucl. 11,461−13,473及び未配列決定DNA)。 相同ベクター472−73.27: プラスミド472−73.27は、IL Tウイルスから糖タンパク質G(gG)遺伝子コーディング領域の一部を欠失さ せ、外来DNAを挿入する目的で構築した。これはILTウイルスDNAが横列 するスクリーニング可能なマーカー、大腸菌lacZ遺伝子、を含む。HCMV IEプロモーター−大腸菌lacZ遺伝子はILTV gG遺伝子プロモーター と同じ方向に転写される。ILTV gG遺伝子の874塩基対の欠失は翻訳開 始部位の60ヌクレオチド上流からアミノ酸コーディング配列の内部814ヌク レオチドにまで及び、gGタンパク質の292アミノ酸のうちの271(配列番 号7)のコーディング能力を取り除く。このプラスミドを「組換えILTウイル スを生成させるためのDNA形質移入」に従って用いると、ILTV gG遺伝 子のアミノ酸1ないし271をコードするDNAが大腸菌lacZ遺伝子をコー ドするDNAに置換される。このプラスミドの詳細な説明が図4A−4Dに示さ れている。これは、指示されているDNA源から標準組換えDNA技術(42、 43)を利用して構築された。このプラスミドベクターはpUC19(ギブコ、 BRL)の約2686塩基対Asp7181制限断片から誘導される。断片1は 、ILTV 5164bp Asp7181断片の約2830塩基対のAsp7 181からNheIのサブ断片である(配列番号1:Nucl.1714−45 4 4)。断片2は、HCMV IEプロモーター、大腸菌β−ガラクトシダーゼ( lacZ)マーカー遺伝子、及びPRV gXポリアデニル化シグナルを含む約 5017塩基対のSalIからSalIの断片である(図4A−4Dを参照)。 断片3は、ILTV 5164bp Asp7181断片の約1709塩基対の SalIからAsp7181のサブ断片である(配列番号1:Nucl.541 9−6878)。 相同ベクター560−52.F1: プラスミド560−52.F1は、IL TウイルスからUL47様遺伝子の一部、ORF4の全て、及びILTV gG 遺伝子の一部を欠失させ、外来DNAを挿入する目的で構築した。これはILT ウイルスDNAが横列するスクリーニング可能なマーカー、大腸菌uidA遺伝 子、を含む。PRV gXプロモーター−大腸菌uidA遺伝子はILTV U L47様、ORF4、及びgG遺伝子プロモーターに対して反対方向に転写され る。この2640塩基対の欠失は、UL47様遺伝子の3’末端の511アミノ 酸コドンのうちの442(配列番号4)、ORF4遺伝子のコーディング配列全 体(配列番号5)及びILTV gG遺伝子の5’末端の293アミノ酸コドン のうちの271(配列番号7)を取り除く。このプラスミドを「組換えILTウ イルスを生成させるためのDNA形質移入」に従って用いると、ILTV UL 47様、ORF4及びgG遺伝子をコードするDNAがPRV gXプロモータ ー−大腸菌uidA遺伝子をコードするDNAに置換される。このプラスミドの 詳細な説明が図8A−8Dに示されている。これは、指示されているDNA源か ら標準組換えDNA技術(42、43)を利用して構築された。このプラスミド ベクターはpSP18/pSP19の約2958塩基対のAsp7181制限断 片から多重クローニング部位がEcoRI/SacI/Asp7181/Sac I/EcoRIであるように誘導される。断片1は、ILTV 5164bp Asp7181断片の約1066塩基対のAsp7181からBssHIIのサ ブ断片である(配列番号1:Nucl.1714−2777)。断片2は、IL TV 5164bp Asp7181断片の約123塩基対のSalIからBc lIのサブ断片である。断片3は、PRV gXプロモーター、uidA遺伝子 、及びHSV−1 TKポリアデニル化部位を含む約3027塩基対のBamH I 断片である(図8A−8Dを参照)。断片4は、ILTV 5164bp As p7181断片の約1334塩基対のBclIからAsp7181のサブ断片で ある(配列番号1:Nucl.5544−6878)。 相同ベクター579−14.G2: プラスミド579−14.G2は、IL Tウイルスから全gG遺伝子及びg60遺伝子の一部を欠失させ、外来DNAを 挿入する目的で構築した。これはPRV gXプロモーター及びILTウイルス DNAが横列するスクリーニング可能なマーカー、大腸菌uidA遺伝子、を含 む。このPRV gXプロモーター−大腸菌uidA遺伝子はILTV gG及 びg60遺伝子プロモーターと同じ方向に転写される。この3351塩基対の欠 失は、ILTV gG遺伝子の全コーディング配列(配列番号7)及びg60遺 伝子の5’末端の986アミノ酸のうちの733(配列番号8)を含む。このプ ラスミドを「組換えILTウイルスを生成させるためのDNA形質移入」に従っ て用いると、ILTV gG遺伝子及びILTV g60遺伝子のアミノ酸1な いし733をコードするDNAが大腸菌uidA遺伝子をコードするDNAに置 換される。このプラスミドの詳細な説明が図9A−9Dに示されている。これは 、指示されているDNA源から標準組換えDNA技術(42、43)を利用して 構築された。このプラスミドベクターpUC19(ギブコ、BRL)は約267 7塩基対のAsp7181からBamHIの断片より誘導される。断片1は、I LTV 5164bp Asp7181断片の約2830塩基対のAsp718 1からNheIのサブ断片である(配列番号1:Nucl.1714−4544 )。断片2は、PRV gXプロモーター、大腸菌β−グルクロニダーゼ(ui dA)マーカー遺伝子、及びHSV−1 TKポリアデニル化部位を含む約30 51塩基対のSalI断片である(図9A−9Dを参照)。断片3は、ILTV 4545bp BamHI断片の約1709塩基対のSalIからBamHI のサブ断片である(配列番号1:Nucl.7895−9604)。 プラスミド544−39.13: プラスミド544−39.13は、PRV gXプロモーター、大腸菌β−グルクロニダーゼ(uidA)マーカー遺伝子 、及びHSV−1 TKポリアデニル化部位からなるβ−グルクロニダーゼ発現 カセットを含む。このマーカー遺伝子の詳細な説明が図10A−10Dに示され てい る。これは、標準組換えDNA技術(42、43)を利用して以下の源に由来す る制限断片を図10A−10Dに指示される合成DNA配列と結合することによ り構築された。プラスミドベクターpSP71(プロメガ)は約3066塩基対 のXmaIからSmaIの断片より誘導される。断片1は、PRV BamHI 制限断片#10(47)の約422塩基対のSalIからEcoRIの制限サブ 断片である。このEcoRI部位はPCRクローニングによって図12A−12 Dに指示される位置に導入されたことに注意されたい。断片2は、プラスミドp RAJ260(クローンテック(Clonetech))の約1826塩基対のEcoRI からSmaIの断片である。このEcoRI及びXmaI部位はPCRクローニ ングにより図10A−10Dに指示される位置に導入されたことに注意されたい 。断片3は、HSV−1 BamHI制限断片Q(48)の約784塩基対のX maIサブ断片である。この断片は、ポリアデニル化配列(AATAAA)が大 腸菌uidA遺伝子との接合部に最も近く位置するように配向されることに注意 されたい。 プラスミド388−65.2: プラスミド388−65.2は、HCMV直 前(IE)プロモーター、大腸菌lacZマーカー遺伝子、及びPRV gX遺 伝子ポリアデニル化部位からなるβ−ガラクトシダーゼ発現カセットを含む。こ のβ−ガラクトシダーゼ発現カセットの詳細な説明が図11A−11Dに示され ている。これは、標準組換えDNA技術(42、43)を利用して以下の源に由 来する制限断片を図11A−11Dに指示される合成DNA配列と結合すること により構築された。プラスミドベクターpSP72(プロメガ)は約3076塩 基対のPstIからPstIの断片より誘導される。断片1は、HCMV IE プロモーターを含むHCMV 2.1kb PstI断片から誘導される約11 54塩基対のPstIからAvaIIの断片である。断片2は、大腸菌lacZ 遺伝子を含むプラスミドpJF751(49)から誘導される3010塩基対の BamHIからPvuIIの断片である。断片3は、PRV gX遺伝子のカル ボキシ末端の19アミノ酸及びポリアデニル化シグナルを含むPRV BamH I#7から誘導される約750塩基対のNdeIからSalIの断片である。実施例 実施例1 伝染性喉頭気管炎ルイルス(Larvngotracheitis Virus)(ILTV)の特 徴的短領域の完全配列 :ILTウイルスの短領域に連接したDNAの13,47 3塩基対長の配列(配列番号1)を決定した。該配列には特徴的短領域の全13 ,098塩基対と、その一端にある273塩基対長の繰り返し領域と別の一端に ある102塩基対長の繰り返し領域が含まれる。特徴的短領域には110アミノ 酸長の長さを越える、13のメチオニンに始まるオ−プンリ−ディングフレ−ム (ORF)が含まれる(入れ子状の短いORFは除く)。この13個のORFは 全てIBIMacVectorProteinのDNAアラインメントオプショ ン(デフォルト設定)を利用したGenbankデ−タベ−スのEnterez release6.0ウイルス版でアラインメントを調べた。8個のORFは 1種類以上のウイルス遺伝子に明らかなホモロジ−を有していた(表1参照)。 以下に引用されるヌクレオチド配列番号のものは内部繰り返し配列内に開始し、 内部繰り返し配列内に終止している。特異短領域は配列番号1の274の位置の 塩基対から始まる。 US2遺伝子 US2遺伝子は全長690塩基対で、229アミノ酸長の蛋白質をコ−ドして おり、分子量はおよそ25,272ダルトンである(配列番号12,13)。I LTV US2はウマヘルペスウイルス(EHV)−1とEHV−4 US2蛋 白に相同である。US2遺伝子は、ILTVの特異短域(配列番号1)の逆向き 相補鎖のヌクレオチド970から281から転写した。US2遺伝子の機能は不 明である。 プロテインキナーゼ遺伝子 プロテインキナーゼ遺伝子はヌクレオチド位置1059から2489の全長1 431塩基対で、476アミノ酸をコードし、分子量は約54,316ダルトン (配列番号2)である。ILTVのプロテインキナーゼはマ−クス病ウイルス( MDV)、ウマヘルペスウイルス(EHV)−1および4、偽狂犬病ウイルス( PRV)、水泡−単純疱疹ウイルス(VZV)、サル水疱ウイルス(SVV)、 ならびに単純ヘルペスウイルス(HSV)−1および−2のプロテインキナーゼ に相同である。 UL47−様遺伝子 UL47−様遺伝子はILTウイルスの特異短域内に特異的に位置する遺伝子 である。既知の全ヘルペスウイルスにあるUL47−様遺伝子は特徴的な長さの 配列の中に位置している。UL47−様遺伝子はヌクレオチド位置2575から 4107までの1533塩基対より成り、510アミノ酸長の蛋白をコ−ドし、 その分子量は約57,615ダルトンになる(配列番号3)。 ORF4 ORF4は機能不明の蛋白をコ−ドする。ORF4はヌクレオチド位置411 3から4445までの333塩基対より成り、110アミノ酸長のオ−プンリ− ディングフレ−ムをコ−ドし、その分子量は約12,015ダルトンである(配 列番号4)。 ORF4逆向き相補鎖 ORF4逆向き相補鎖(RC)は機能不明の蛋白をコ−ドする。ORF4RC はヌクレオチド位置4519から4139の380塩基対から成り、126アミ ノ酸長のオ−プンリ−ディングフレ−ムで、分子量およそ13,860ダルトン (配列番号14,15)のものをコ−ドしている。 gG遺伝子 gG遺伝子はヌクレオチド位置4609から5487の全長879塩基対で、 292アミノ酸長で分子量約31,699ダルトン(配列番号5)の糖蛋白をコ −ドしている。ILTV gG糖蛋白はPRV gX、ウシ単純ヘルペスウイル ス(BHV)ー1,3gG、EHV−1gGおよびEHV−4gGに相同である 。仮痘ウイルスベクタ−あるいは伝染性上皮腫ウイルスベクタ内で生産した組換 体ITLVgG蛋白は精製でき(材料と方法を参照)、ペプチドを用いて得たI LTV gGに対する抗血清と反応した。このペプチド抗血清は野生型ウイルス から得たILTV gGには反応するが、ILTV遺伝子を欠損したウイルスに は反応しない。gG遺伝子の欠損はILTウイルスを減毒化し、その結果鶏のI LT病に対するワクチンとして有効であり(実施例6参照)、また感染動物から ワクチン化したものを区別する上の陰性マ−カ−としても利用できる。 g60遺伝子 g60遺伝子は糖蛋白60として同定されている(33,53)。g60遺伝 子はヌクレオチド位置5697から8654の2958塩基対から成り、985 アミノ酸長、分子量およそ106,505ダルトン(配列番号6)の糖蛋白をコ −ドする。 ORF6逆向き相補鎖 ORF6RCはヌクレオチド位置7826から6948の878塩基対から成 り、292アミノ酸長で分子量およそ32,120ダルトン(配列番号16,1 7)のものをコ−ドする。ILTV ORF6RCはHSV−1とHSV−2リ ボヌクレオチド還元酵素ラ−ジサブユニット(UL39)の一部に限定して相同 である。 gD遺伝子 伝染性上皮腫ウイルスあるいは七面鳥のヘルペスウイルス(33)にベクタ− 化されたgD糖蛋白の発現は鶏において十分に予防的な免疫反応を惹起する。g D遺伝子はヌクレオチド位置8462から9766までの1305塩基対からな り、434アミノ酸長、分子量およそ48,477ダルトン(配列番号10,1 1)の糖蛋白をコ−ドする。ILTVgD糖蛋白はPRVg50ならびにHSV −1,MDV、IPV、そしてBHV−1.1のgDに相同である。ILTウイ ルスに対するモノクロ−ナル抗体は特異的にILTVのgD蛋白と反応し、また 七面鳥ヘルペスウイルス(HVT)ウイルスベクタ−で発現させたILTVgD 蛋白とも反応する。HVTベクタ−で発現させたILTVgDはサブユニットワ クチンとして有用である。 gI遺伝子 gI遺伝子はヌクレオチド位置9874から10,962までの1089塩基 対からなり、362アミノ酸長の、分子量約39,753ダルトン(配列番号7) の糖蛋白をコ−ドする。ITLVgI糖蛋白はVZV糖蛋白と相同である。仮痘 ウイルスベクタ−で発現させた組換体ITLVgI蛋白はILV感染鶏の回復期 血清と反応する。gI遺伝子の欠損はILTウイルスを減毒化し、得られたウイ ルスは鶏のILT病に対するワクチンとして有用である。gIを欠損した組換体 ウイルスを呼吸管に直接自然経路でワクチン投与した動物試験では安全であるが 、親ウイルスは同一経路で摂取した鶏の90%に傷害を発生させた。gI遺伝子 の欠損は、感染動物とワクチン投与した動物とを区別する陰性マ−カ−として利 用できる。 ORF8逆向き相補鎖 ORF8逆向き相補鎖は機能不明の蛋白をコ−ドする。ORF8RCはヌクレ オチド位置11,150から10,617の間の533塩基対から成り、177 アミノ酸長で分子量約19,470ダルトン(配列番号18,19)のオ−プン リ−ディングフレ−ムをコ−ドする。 gE遺伝子 gE遺伝子はヌクレオチド位置11,159から12,658の間の499塩 基対から成り、4997アミノ酸長で分子量約55,397ダルトン(配列番号 8)の糖蛋白をコ−ドする。ILTVgE糖蛋白はVZV、サルヘルペスウイル ス(SHV)、EHV−1、HSV−1、ならびにPRVのgE糖蛋白と相同で ある。ILTVgEはサブユニットワクチンとして有用な中和抗原である。 ORF10 ORF10はヌクレオチド位置12,665から13,447の間の783塩 基対から成り、261アミノ酸長、分子量約27,898ダルトン(配列番号9) の蛋白をコ−ドする。 実施例2 S−ILT−004 S−ILT−004は、チミジンキナ−ゼ(TK)遺伝子におよそ620塩基 対の長さの欠損を持つ伝染性喉頭気管炎ウイルス(ILTV)である(28)。 大腸菌β−ガラクトシダ−ゼ遺伝子(lacZ)をTKの位置に挿入し、HCM V極初期(IE)プロモ−タ−の制御下におく。HCMV IEプロモ−タ−l acZ遺伝子の転写はTKプロモ−タ−とは逆の方向に進む。 S−ILT−004はホモロジ−ベクタ−501−94(材料と方法を参照) とS−ILT−001(USDA ILTV株83−2)を用いて、組換体IL Tウイルス作成用DNA形質転換細胞内に構築した。形質転換細胞のストックを BluogalTM組換体ヘルペスウイルス発現酵素マ−カ−遺伝子用スクリ−ン を用いてスクリ−ニングした。青色のプラ−クを精製した結果、組換体ウイルス S−ILT−004を得た。該ウイルスは制限酵素地図ならびにDNAのサザン ブロッティング法により特徴付した。この解析によりβガラクトシダ−ゼ(la cZ)マ−カ−遺伝子の存在とTK遺伝子のおよそ619塩基対の欠損を確認し た。残ったTK遺伝子には、アミノ酸1から77とアミノ酸286から363ま でを含む蛋白がコ−ドされていた。HCMV IEプロモ−タ−lacZ遺伝子 はTK遺伝子の転写と逆向きに位置している。 S−ILT−004はILTV TK遺伝子の欠損により減毒化されるが、そ の他のILTウイルスに対する鶏の免疫反応に関わる既知の遺伝子は保存されて いる。従って、S−ILT−004はILT病から鶏を守るための死滅ワクチン として利用できるだろう。 実施例3 S−ILT−009 S−ILT−009は、ILTV US2遺伝子におよそ498塩基対の長さ の欠損と、ILTV gG遺伝子におよそ874塩基対の欠損を持つ伝染性喉頭 気管炎ウイルス(ILTV)である。大腸菌β−ガラクトシダ−ゼ遺伝子(ui dA)をUS2の内に挿入し、偽狂犬病ウイルス(PRV)pXプロモ−タ−の 制御下におく。 S−ILT−009はホモロジ−ベクタ−544−55.12(材料と方法を 参照)とS−ILT−002(USDA ILTV株83−2)を用いて、組換 体ILTウイルス作成用DNA形質転換細胞内に構築した。形質転換細胞のスト ックをX−Gluc組換体ヘルペスウイルス発現酵素マ−カ−遺伝子用スクリ− ンを用いてスクリ−ニングした。青色のプラ−クを精製した結果、組換体ウイル スS−ILT−009を得た。該ウイルスは制限酵素地図ならびにDNAのサザ ンブロッティング法により特徴付した。この解析によりPRV gXプロモ−タ −βガラクトシダ−ゼ(uidA)マ−カ−遺伝子の存在とILTV US2遺 伝子のおよそ498塩基対の欠損、ならびにILTV gG遺伝子のおよそ87 4塩基対の欠損を確認した。しかし、BluogalTMによる組換体ヘルペスウ イルス発現酵素マ−カ−遺伝子スクリ−ニングの間に、HCMV IEプロモ− タ−lacZ遺伝子の欠損が既存のILTV gG欠損内に発見された。残った ILTV gG欠損内の挿入遺伝子には、lacZ遺伝子の全てとPRV gX ポリアデニレ−ションサイトの一部が失われたおよそ2000塩基対長のDNA が含まれる。この欠損は詳細な制限酵素地図により特徴付けされ、S−ILT− 014欠損(実施例5参照)とは僅かに異なることが判明した。 S−ILT−009はILTVUS2およびgG遺伝子の欠損により減毒かさ れているが、その他のILTウイルスに対する鶏の免疫反応に関わる既知の遺伝 子は保存されている。従って、S−ILT−004は表に示すようなILT病か ら鶏を守るための減毒化ワクチンあるいは死滅ワクチンとして利用できるだろう 。S−ILT−009はILTV gG遺伝子を発現しないから、前記の如く感 染した動物とワクチン投与された動物を区別する陰性マ−カ−として利用できる 。 実施例4 S−ILT−011 S−ILT−011は、ILTV gI遺伝子におよそ983塩基対の長さの 欠損を持つ伝染性喉頭気管炎ウイルス(ILTV)である。大腸菌β−ガラクト シダ−ゼ遺伝子(uidA)をgI遺伝子の内に挿入し、偽狂犬病ウイルス(P RV)pXプロモ−タ−の制御下におく。PRV gXプロモ−タ−uidA遺 伝子はILTV gIプロモ−タ−の転写方向と逆向きに位置する。 S−ILT−011はホモロジ−ベクタ−562−61.1F(材料と方法を 参照)とS−ILT−001を用いて、組換体ILTウイルス作成用DNA形質 転換細胞内に構築した。形質転換細胞のストックをX−Gluc組換体ヘルペス ウイルス発現酵素マ−カ−遺伝子用スクリ−ンを用いてスクリ−ニングした。青 色のプラ−クを精製した結果、組換体ウイルスS−ILT−011を得た。該ウ イルスは制限酵素地図ならびにDNAのサザンブロッティング法により特徴付し た。この解析により、βガラクトシダ−ゼ(uidA)マ−カ−遺伝子の存在と 、gI遺伝子の5’端から363アミノ酸コドン中325が欠損するILTV gI遺伝子のおよそ983塩基対の欠損を確認した。 S−ILT−011は減毒化されており、またILT病から鶏を守るための死 滅ワクチンとして有用である。S−ILT−011は組織培養中では小さなプラ −ク表現形を示し、ゆっくりとしたウイルスの増殖と減毒化を示している。S− ILT−011はILTV gI遺伝子を発現しないから、感染した動物とワク チン投与された動物を区別する陰性マ−カ−として利用できるだろう。実施例1 に示す様に、ITLV−感染ひよこはILTV gI蛋白に対する抗体を作る。 実施例5 S−ILT−013 S−ILT−013は、ILTV gI遺伝子におよそ983塩基対の長さの 欠損と、およそ874塩基対の長さの欠損をILTV gG遺伝子内(ならびに 非機能的なlacZ遺伝子を作るHCMV IEプロモ−タ−lacZマ−カ− 遺伝子の欠損)に持つ伝染性喉頭気管炎ウイルス(ILTV)である。大腸菌β −ガラクトシダ−ゼ遺伝子(uidA)をgI遺伝子の内に挿入し、偽狂犬病ウ イルス(PRV)pXプロモ−タ−の制御下におく。 S−ILT−013はホモロジ−ベクタ−562−61.1F(材料と方法を 参照)とS−ILT−014を用いて、組換体ILTウイルス作成用DNA形質 転換細胞内に構築した。形質転換細胞のストックをX−Gluc組換体ヘルペス ウイルス発現酵素マ−カ−遺伝子用スクリ−ンを用いてスクリ−ニングした。青 色のプラ−クを精製し、組換体ウイルスS−ILT−011を得た。該ウイルス は制限酵素地図ならびにDNAのサザンブロッティング法により特徴付した。こ の解析により、βガラクトシダ−ゼ(uidA)マ−カ−遺伝子の存在と、gI 遺伝子の5’端から363アミノ酸コドン中の325コドンを除くことになるI LTV gI遺伝子のおよそ983塩基対長の欠損を確認した。この解析はまた 親のILTV gG遺伝子内のおよそ874塩基対長の欠損、ならびにHCMV IEプロモ−タ−lacZマ−カ−遺伝子DNAにおよそ1906塩基対長の挿 入があり、その結果HCMV IEプロモ−タ−部分とlacZ遺伝子の大部分 が残っていないことを確認している。(実施例6参照) S−ILT−013は減毒化されており、またILT病から鶏を守るための死 滅ワクチンとして有用である。S−ILT−013は組織培養中では、ゆっくり としたウイルスの増殖と減毒化を示す小さなプラ−ク表現形を表した。S−IL T−013はILTV gIあるいはgG遺伝子を発現しないため、ILTV gIならびにgGを、感染した動物とワクチン投与された動物を区別する陰性マ −カ−として利用できる。 実施例6 S−ILT−014 S−ILT−014は、ILTV gG遺伝子におよそ874塩基対の長さの 欠損と、lacZ遺伝子を機能させなくするため挿入されたHCMV IEプロ モ−タ−lacZマ−カ−遺伝子を欠損させた、伝染性喉頭気管炎ウイルス(I LTV)である。S−ILT−014は、HCMV IEプロモ−タ−lacZ マ−カ−遺伝子の欠損が起きている精製したS−ILT−002ウイルスストッ クから誘導した。 S−ILT−002はホモロジ−ベクタ−472−73.27(材料と方法を 参照)とS−ILT−001を用いて、組換体ILTウイルス作成用DNA形質 転換細胞内に構築した。ウイルスS−LIT−002はILTV gG遺伝子内 に874塩基対長の欠損と、ILTV gG遺伝子内に大腸菌βガラクトシダ− ゼ(lacZ)遺伝子の挿入を有している。しかし、BlugalTM組換体ヘ ルペスウイルス発現酵素マ−カ−遺伝子用スクリ−ンを用いる作業では、ILT V gG欠損内のlacZ遺伝子の欠損を含む白色のプラ−クを取り上げた。 該ウイルス、S−ILT−014は制限酵素地図ならびにDNAのサザンブロ ッティング法により特徴付した。この解析により、ITLVgG遺伝子におよそ 874塩基対長の欠損と、親HCMV IEプロモ−タ−lacZマ−カ−遺伝 子DNA(2958塩基対長)におよそ1956塩基対長の挿入があることを確 認した。残ったHCMV IEプロモ−タ−lacマ−カ−遺伝子DNAは、お よそ1154塩基対長のHCMV IEプロモ−タ−の内のおよそ686塩基対 長の長さのDNA断片とβガラクトシダ−ゼ(lacZ)マ−カ−遺伝子の30 10塩基対の内の520塩基対長を含む1270塩基対長のDNA断片ならびに PRV gXポリアデニレ−ションシグナルのおよそ750塩基対長のほぼ全長 から構成される。 S−ILT−014は以下の表に示すようにILT病から鶏を守るための減毒 化生ワクチンあるいは死滅ワクチンとして有用である。S−ILT−014はI LTV gGを発現しておらず、また実施例1に示す様に鶏はgGに対する抗体 を作ることから、ILTV gGを感染した動物とワクチン投与された動物を区 別する陰性マ−カ−として利用することができる。 実施例7 S−ILT−015 S−ILT−015は、UL47様遺伝子、ORF4遺伝子、ならびにILT V gG遺伝子のおよそ2640塩基対の長さの欠損を持つ伝染性喉頭気管炎ウ イルス(ILTV)である。大腸菌βガラクトシダ−ゼ(uidA)をUL47 様、ORF、ならびにgG遺伝子の位置に挿入し、偽狂犬病ウイルス(PRV) gXプロモ−タ−の制御下におく。PRVpXプロモ−タ−uidA遺伝子はI LTVのUL47様、ORF4、ならびにgG遺伝子の転写方向と逆の方向に位 置する。 S−ILT−015はホモロジ−ベクタ−560−52.F1(材料と方法を 参照)とS−ILT−001を用いて、組換体ILTウイルス作成用DNA形質 転換細胞内に構築した。形質転換細胞ストックをX−Gluc組換体ヘルペスウ イルス発現酵素マ−カ−遺伝子用スクリ−ンを用いてスクリ−ニングした。得ら れた青色のプラ−クを精製したものがS−ILT−015であった。該ウイルス 、S−ILT−014は制限酵素地図ならびにDNAのサザンブロッティング法 により特徴付した。この解析により、UL47様遺伝子の3’端の全長511ア ミノ酸コドン配列中の442アミノ酸部分、ORF4遺伝子の全て、そしてgG 遺伝しの5’端の297アミノ酸コドンのうちの271に相当する配列を含む2 640塩基対長を欠損していることが確認された。 S−ILT−015は以下の表に示すように、ILT病から鶏を守るための減 毒化生ワクチンあるいは死滅ワクチンとして有用である。S−ILT−015は ILTV gGを発現していないため、ILTV gGを感染した動物とワクチ ン投与された動物を区別する陰性マ−カ−として利用することができる。 実施例8 S−ILT−017 S−ILT−017は、ILTV gG遺伝子、ORF4遺伝子、ならびにg 60遺伝子のおよそ3351塩基対の長さの欠損を持つ伝染性喉頭気管炎ウイル ス(ILTV)である。大腸菌βガラクトシダ−ゼ(uidA)をILTV g Gならびにg60内に挿入し、偽狂犬病ウイルス(PRV)gXプロモ−タ−の 制御下におく。 S−ILT−017はホモロジ−ベクタ−579−14.G2(材料と方法を 参照)とS−ILT−001を用いて、組換体ILTウイルス作成用DNA形質 転換細胞内に構築した。形質転換細胞ストックをX−Gluc組換体ヘルペスウ イルス発現酵素マ−カ−遺伝子用スクリ−ンを用いてスクリ−ニングした。得ら れた青色のプラ−クを精製したものがS−ILT−017である。 S−ILT−017はILTVg60とgG遺伝子を欠損することで減毒化さ れているが、その他のILTに対する鶏の免疫反応に関わる遺伝子は保存されて いる。従って、S−ILT−017はILT病から鶏を守るための死滅ワクチン として有用である。S−ILT−017はILTV gGあるいはg60遺伝子 を発現していないため、感染動物とワクチン投与された動物とを区別する陰性マ −カ−として利用することができる。 実施例9感染性気管支炎ウイルス(IBV)スパイクおよびマトリックス蛋白遺伝子を発 現する組換体伝染性喉頭気管炎ウイルス ホモロジ−ベクタ−を用いてIBVア−カンサススパイク蛋白遺伝子を含むI LTウイルスを作成する。組換体ILTウイルスには、gG,US2,UL47 様、ならびにORF4を含むUILTV遺伝子を1つ以上の欠損と、2種類の外 来遺伝子:大腸菌βガラクトシダ−ゼ(uidA)ならびにIBVア−カンサス スパイク蛋白遺伝子の挿入がある。uidA遺伝子はPRVpXプロモ−タ−の 制御下にあり、またIBVア−カンサススパイク蛋白遺伝子はHCMV IEプ ロモ−タ−の制御下にある。 ILTウイルス内への挿入外来遺伝子を含むホモロジ−ベクタ−を構築するた め、HCMV−IEプロモ−タ−、IBVア−カンサススパイク蛋白およびHS V−ITKポリアデニレ−ションシグナルを含むDNA断片を、ILTVホモロ ジ−ベクタ−内のILTV gG遺伝子の欠損部位にある制限酵素サイトに挿入 する。PRV gXプロモ−タ−と大腸菌βガラクトシダ−ゼ(uidA)をI LTVホモロジ−ベクタ−内の特異的な制限酵素サイトに挿入する。IBVア− カンサススパイク蛋白遺伝子と大腸菌βガラクトシダ−ゼ(uidA)遺伝子を 含む最終のホモロジ−ベクタ−とS−ILT−001を組換体ILTウイルス作 成用のDNA形質転換細胞体の中で組み合わせて構築した。形質転換細胞ストッ クをX−Gluc組換体ヘルペスウイルス発現酵素マ−カ−遺伝子用スクリ−ン を用いてスクリ−ニングし、uidA遺伝子の存在を検出し、外来遺伝子発現用 の黒色プラ−クアッセ−を用いてIBVア−カンサススパイク蛋白の存在を確認 した。 同様の進め方でア−カンサス、マサチュ−セッツ、あるいはコネチカット血清 型のIBV S1蛋白、ア−カンサス、マサチュ−セッツ、あるいはコネチカッ ト血清型のIBVマトリックス蛋白、ならびにア−カンサス、マサチュ−セッツ 、あるいはコネチカット血清型のIBV核カプシドを有する組換体ILTウイル スを構築する。該方法はまたニュ−カッスル病ウイルス(NDV)HNおよびF 遺伝子や感染性ブルサ−ル病ウイルス(IBDV)ポリプロテインあるいはその 部分を有する組換体ILTウイルスの構築にも利用される。また該方法はマ−ク ス病ウイルス(MDV)gA、gD、ならびにgB遺伝子を有する組換体ILT ウイルスの構築にも利用される。 これら抗原を有する組換体ILTウイルスは多価ワクチンとしてILTVが原 因の病気から鶏を守る上で有用であり、またIBV、NDV、IBDVあるいは MDV単独あるいは複数に山来する病気から鶏を守るうえでも有用である。本明 細書記載のILTVワクチンはILTV gGを発現しないので、感染動物とワ クチン投与された動物を区別する際の陰性マ−カ−としても有用である。 実施例10 様々な疾患を引き起こす微生物類の抗原を発現するILTV応用ワクチン 以下の微生物類の抗原は家禽用ワクチンの開発に応用される:ひよこ貧血菌、 鳥能脊髄炎ウイルス、鳥オレウイルス、鳥パラミクソウイルス、鳥インフルエン ザウイルス、鳥アデノウイルス、仮痘ウイルス、鳥コロナウイルス、鳥ロタウイ ルス、サルモネラ菌、大腸菌、パスチュルラ菌、ヘモフィリス菌、クラミジア菌 、 マイコプラズマ菌、カンビロバクタ−菌、ボレデテラ菌、家禽線虫、サナダムシ 、吸虫、家禽ダニ/シラミ、家禽原生動物(エイメリア類、ヒストモナス類、ト リコモナス類)。 実施例11伝染性喉頭気管炎ウイルスならびに特異短領域内に存在する遺伝子の配列と構成 に関する遺伝子地図 エンドヌクレア−ゼマッピング.43の重なり合うコスミッドをAsp718 IとNotIで処理して解析した。Asp718Iはゲノムを比較的低頻度に切 断することが知られており(63)、一方NotIはゲノムを10倍以下で切断 し、その結果挿入ILTV DNAからベクタ−を切り出すことができることが 知られている。切断された3種類のコスミッドを比較することで、ILTVゲノ ムの85%以上をカバ−するAsp718I断片の配置を決めることができた( 図12)。ゲノムの長端上に7つのコスミッドが特定されたが、これらはクロ− ン化された挿入体の端から0.9kbの位置にNOtIサイトを有していた;そ の他のコスミッド挿入体はこの共通端とは異なる端部を有していた。この0.9 kbの断片を(図12のP1)As718I、NotI、あるいはBamH1で 処理したゲノムILTVに対するプロ−ブとして使用した;ハイブリダイズした ゲノム断片の大きさは、クロ−ン化されたコスミッド挿入体から切り出した断片 の大きさに同一であることから、クロ−ン化された挿入体は特異長全長あるいは それに極めて近い長さまで伸長していることが示唆される。この0.9kbの断 片はその他のILTV消化体であるその他のバンドとはハイブリダイズぜず、こ のウイルスがPRVに似おり、また長い繰り返し構造を持たないという従来の報 告に一致した(66)。また、コスミッドクロ−ンは、より頻繁に切断する酵素 、BamHIの制限酵素サイトについても整理しマップを作成した。 得られたマップから、コスミドライブラリ−にはゲノム由来の特異短域部位の クロ−ンが含まれていないことが示された。HVT(76)およびPRV(83)の 特異短域に拡がるコスミッドはコスミッドライブラリ−に開示されている。野生 型ILTVをAsp718Iで処理したコスミッドクロ−ンに認められるAs p718I断片と、今回みつかったコスミッドライブラリ−中にはない8.0, 5.1,ならびに2.5kbの断片(図13)を比較した。これらの断片をプラ スミド中にクロ−ン化し、相互ならびにBamHIで処理したILTVにハイブ リダイズした。Asp718Iの2.5および8.9kb断片が相互にハイブリ ダイズすることから、両クロ−ンには繰り返し配列が含まれることが示唆される 。Asp718I 2.5ならびに8.0kb断片の詳細なマッピングから、両 断片には2.1kbの同一の配列が含まれることが示された。BamHIで処理 されたILTVとハイブリダイゼ−ションさせた結果、Asp718I断片と重 複する7.5,6.5,4.5kbのBamHIバンドが同定された。これらの BamHI断片をクロ−ン化してから制限酵素で処理しハイブリダイゼ−ション した。この操作により特異短領域全体の詳細な地図が得られ、幾つかの短い繰り 返し配列も明らかになった(図13)。この領域のサブクロ−ンを作り、全特異 領域の配列を調べた。 ゲノムマップを完成させるために、マップを上記の8.0あるいは2.5kb のAsp718I断片の短繰り返し配列に挟まれた領域を覆うAsp718Iあ るいはBamHI断片とコスミッドマップ中に同定される特異長領域について調 べた。コスミッドD5の最右端から10kb NOtI断片(図12)をゲノム ILTV消化物とサザンブロットを用いてハイブリダイズした。興味有ることに 、BamHI、NotI、ならびにAsp718Iを使用するとラダ−状のハイ ブリダイズしたバンドが観察された。これらのラダ−に相当するバンドはエチジ ウムブロマイド染色したゲルでは通常観察されない。引き続きサブクロ−ニング し10kbのD5断片をマッピングした結果、856塩基対長の断片の繰り返し が5回まであることが、またコスミッド挿入体がクリカエシモチ−フ内で終止し ていることが示された。該繰り返しを1回切断するHIndIIIを用いて856 塩基対長断片をクロ−ン化した。この断片(図12,P2)をプロ−ブとして用 いてSftI、NotI、Asp7181およびBamHIで処理したILTV を調べると、ハイブリダイゼ−ションのラダ−がまた見られた(図14)。これ らのラダ−は、異なるウイルス分子内では856塩基対長の繰り返し数が様々で あることに由来している。SfiIはILTV株では1回だけ切断し、高分子に ラダ −が観察される。特徴的短域は逆転していると考えられることから、特異短域と タ−ミナル繰り返し配列(TR)を含む重複する2種類のSfiIラダ−が存在 するはずである;しかし、バンドはこの領域では大きすぎて区別することができ なかった。NotIとAsp718Iは繰り返しから遠く離れており、その結果 10.5あるいは12kbから始まるラダ−を作る。Asp718I消化物は、 特異長域内のAsp718Iサイトで1つの断片が結合し、もう一つはTR短で 結合することから、2つの重複するラダ−をつくるはずである。一方、NotI 消化では1種類のラダ−が作られるはずである。図14のレ−ンc(NotI) とレ−ンd(Asp718I)を比較すると、レ−ンd内に2番目のラダ−が、 少し高い位置から始まる第一のラダ−内に組み込まれいることが示唆される。B amHIは繰り返し域の近傍を切断し、そのラダ−は3.4kbから開始するこ とが分かった。HindIIIは繰り返し配列内で切断し、その結果強くハイブリ ダイズする856塩基対長のバンドを生じさせると同時に繰り返し配列部分を含 むおよそ1.1と2.5kbのHIndIII断片をも生じる。この856塩基対 長の繰り返し配列の存在は、エチジウムブロマイドで染色したAsp781I消 化体中に極めて細かいバンドが時折観察されることに関係している。また、これ はエチジウムブロマイドで染色したゲル中にから、コスミッドクロ−ンの分析に よりこの領域全体をカバ−すると思われる10kb以上の大きさのAsp718 IあるいはBamHIバンドが1モルあるいはサブモル量消失することにも関係 する。BamHI消化体に見られる様に、この領域内には13以上の繰り返しが 存在している。この繰り返し配列をJohnsonらはGenBankに登録さ れている配列と比較した(67)し、この配列がILTVICP4遺伝子の直ぐ 上流域であるヌクレオチド1140から1996の間の配列に同じ(同一率99 %)であることを示した。この繰り返し配列と周辺の配列との関係を図15に示 す。制限酵素処理から、示した繰り返し配列の右端の領域は2つの株で類似して いる:しかし、BamHIサイトの位置から、繰り返し配列の左端が両株で異な ることが示された。 856塩基対長の繰り返し領域からこの特異短域の配列決定に使用したBam HI断片までの短領の残りを明らかにするために、この短域部分を含むAsp7 18I断片をプロ−ブに用いて第二のILTVコスミッドライブラリ−を調べた 。1つのコスミッド、クロ−ン2F12がプロ−ブとハイブリダイズした。2F 12の制限エンドヌクレア−ゼ分析とコスミッドマップの比較から、これが単一 の連接したコスミッドでなく、2つの大きな比連接断片から成っていることが示 された(図12参照)。差右端断片の切断点は856塩基対域の繰り返し内に存 在した。この断片には少なくとも2つの856塩基対長の繰り返し配列が含まれ ており、この短い繰り返し配列の残りが特異短域に入ることにより4.6kbま で配列長が伸長した。 TR端を決めるため、長いならびに短い内部繰り返し(IR)(図中のP3) を覆う6.6kbのNotI断片をプロ−ブに用いた。エチジウムブロマイド染 色したゲルに認められる2.9kb NotI断片は、制限エンドヌクレア−ゼ マップには認められないことから、TRの端を示していると考えられた。ILT VのNotI消化体とP3がハイブリダイゼ−ションすることからもこの考えは 支持された(図16)。2.9kbのNotIバンドはプロ−ブの6.6kbの バンドと同様にハイブリダイズする。BamHI消化では、予想される13kb のIR部位を含む断片と、TRの端に相当する3.5kbの断片が示された。A sp718I消化では、特徴的な長域から得た重複する2.7kbの断片がハイ ブリダイズし、前記の高分子のラダ−が観察された。 ILTV特徴的な短いフランキング域の配列をした結果、図13(配列番号5 9)に図示す様に特異配列域内に9つのオ−プンリ−ディングフレ−ムと繰り返 し配列域内に2つのオ−プンリ−ディングフレ−ムを見いだした。これらのオ− プンリ−ディングフレ−ムにコ−ドされる蛋白をGenBankデ−タベ−ス( BLASTホモロジ−検索.国立生物情報センタ−、NCBI)と比較した結果 、想定される蛋白の多くと他の既知ヘルペスウイルス遺伝子産物との間に同一性 が示された。表Vは各遺伝子と最も高い相同性が認められたものを要約し、検索 プログラムによるこれら相同性の確実性スコアを示す。ORF2(配列番号63 )、蛋白キナ−ゼ(PK)遺伝子(配列番号63)はヘルペスとの相同性が最も 保存されたILTVのORFである。逆に、糖蛋白遺伝子は保存性が低い。IL TV蛋白キナ−ゼ、gG、ならびにORF5遺伝子の配列の一部はすでに公表 されている(69,70ならびに81);しかし、これらの遺伝子が特徴的な長 い領域内にマップされたことを記す必要がある。9つの特徴的短遺伝子ならびに フランキング単域内にある2つの遺伝子のそれぞれについて以下記す。 特徴的な短い遺伝子内にある最初のオ−プンリ−ディングフレ−ムには、他の ヘルペスウイルスU2と同一性を示す229アミノ酸がコ−ドされている(配列 番号62)。他のUS2遺伝子同様、この遺伝子も特徴的な短い遺伝子内にある 他のオ−プンリ−ディングフレ−ムとは逆向きに配置されている。この遺伝子の コ−ディング配列は特徴的な短い領域内で終止し、ポリA付加サイトと思われる 配列がこの短い領域内の115塩基下流に見いだされる。2カ所のTATAプロ モ−タ−と思われる配列が開始コドンの37および70塩基上流に見られた。 ORF2は他のヘルペスウイルスの蛋白キナーゼや細胞性蛋白キナーゼと強い 同一性を持つ蛋白カイネースをコ−ドしている。5’端が互いに近接し、そのプ ロモ−タ−が重複していると思われるUS2とPK遺伝子の位置関係は、他のヘ ルペスウイルスに見られる関係に類似している。2つのTATA配列がPKの開 始コドンの14ならびに49塩基上流にあり、2カ所のポリアデニレ−ションシ グナルは、1つは終止コドン直後に、残りは50塩基下流にある。 ORF3は単純ヘルペスウイルスUL47遺伝子に類似した623アミノ酸の 蛋白をコ−ドする(配列番号64)。この蛋白と他のUL47蛋白をプログラム を用いて比較したところ、低い相同性のスコアが想定された。しかし、少なくと もILTVと、他のヘルペスウイルスの間で保存されているUL47内の領域部 分のHSV UL47との間に、同一性を有する領域が1カ所あったことから、 この同一性は重要であることが示唆された(図17)。さらに、gGあるいはg I遺伝子と比較した場合に相同性スコアが共に低かったのと同様に、特定の相同 性組み合わせでも低いスコアが見られたことは、これらのスコアがホモロジ−の 決定に十分でないことを示唆している。通常他のヘルペスウイルスでは特徴的な 長い領域にあるILTV UL47遺伝子がILTVでは特徴的な短い領域に転 移したと考えられる。 4番目のオ−プンリ−ディングフレ−ムはPRV gGに相同な292アミノ 酸からなる糖蛋白をコ−ドしている(配列番号65)。共通配列NXTあるいは NXSを持つ4カ所のN−結合グリコシレ−ションサイトがあった。この蛋白は G/AP箇所で開裂することができる26アミノ酸長のシグナル配列を有してい るが、トランスメンブレンアンカ−を欠いている。従って、この蛋白は、ヘルペ スウイルスgG相同体と同様に分泌されると思われる。この遺伝子にはATG開 始コドンから83塩基上流にコンセサンスTATA配列があり、また終止コドン の73および166塩基下流にポリアデニレ−ションサイトと思われる所が2カ 所ある。 ORF5は985アミノ酸長の蛋白をコ−ドする(配列番号66)。疎水性の シグナル配列がアミノ末端に見られ、また疎水性の配列がカルボキシル末端にあ る。9カ所のグリコシレ−ションサイトがあることから、この蛋白が糖蛋白であ ることが示唆されている。ORF5にはアミノ酸431からアミノ酸677まで におよそ23回繰り返す不完全な30から36塩基対長の繰り返し構造がある。 この繰り返し構造により作られる疎水性のアミノ酸共通配列はFTQTPSTE PET/Aである。ORF5を他のヘルペスの配列と比較した結果(表V)、ウ マヘルペス1US5遺伝子(配列番号82)の糖蛋白産物との間に類似性が認め られた。この同一性の蓋然性が低いのは、一義的には両遺伝子にスレオニンリッ チな繰り返し配列が含まれることに原因している。このことが形、機能、あるい はその両方での相同性に関係するかは不明である。EUS5とILTV ORF 5遺伝子は共に大きな遺伝子で、特徴的な短い領域内のフランキング遺伝子の間 に同じ様に位置しており、シグナル配列を有し、そして糖蛋白をコ−ドしている が、その他の類似性は無い。ORF5の繰り返し域がやはりスレオニンリッチな 繰り返し構造を持つ粘液の遺伝子に似ていることは興味深い。例えば、ヒトの粘 液遺伝子はGTOTPTTTTVTPTPTPTという繰り返し配 列をもっており、はじめの11のアミノ酸のうち7つのアミノ酸がORF5の繰 り返し配列に同じである。この場合も、この類似性がコ−ドされた蛋白の機能上 の類似性に関係するかは不明である。TATA配列が開始コドンの上流560塩 基の位置に一つある。このことはORF5の転写がgDの転写と同一カ所で終止 することを示唆している。 gD相同体のオ−プンリ−ディングフレ−ム(ORF6)(配列番号67)は ORF5の終止部分に重複している。4つのフレ−ム内メチオニンがオ−プンリ −ディングフレ−ムの初めの58アミノ酸までの領域にあり、そして実際の翻訳 開始コドンがどこであるか不明である。TATAプロモ−タ−と考えられる配列 が最初のATGコドンの6−9塩基上流に位置しているが、さらに上流にも別の 複数のTATA配列があり、転写の開始に使用される可能性がある。他の3つの 開始コドンとなりうる配列はORF内の23,47ならびに58の位置にある。 4つのATG周辺の配列を真核生物の翻訳開始共通配列A/GCCATGG(7 1)と比較したところ、後の2つのATGコドンが翻訳開始部位により相応しい ことが示唆された。各開始コドンから読みとった蛋白の配列について真核生物の シグナル配列とシグナル開裂サイトの有無を調べた。ORF内のアミノ酸58の 位置より開始すると、2つのアラニン残基の間に1つの開裂サイトと思われる部 位を有する26アミノ酸長のシグナルペプチドが得られる。他の開始位置から読 み始めると、この同じシグナル配列がアミノ末端からより遠くなり、またより疎 水性の強い配列内に埋め込まれる様になる。ILTVgDの開始位置を仮に58 の位置とすると、377アミノ酸長の蛋白が得られる。もちろん生体内での開始 コドンが複数であることもあり得る。Zelnikら(88)の実験から、生体 内の状態を帰ることなくフレ−ム内の別のATGコドンを用いてMDVとHVT gDの転写が生体内で開始することが示された。翻訳開始コドンを特定するため には、ILTV内でのgD転写ならびに翻訳に関する別の実験が必要である。I LTVgD相同体は分泌シグナルとトランスメンブレンヘリックス(アミノ酸3 52−372)をカルボキシル末端に持っている。グリコシレ−ションの可能性 のあるサイトは1カ所だけで、アミノ酸250−252に位置する;これはNP Sのなかであり、おそらくプロリン残基のグリコシレ−ションは無いだろう。従 って、プロセスされたILTVgDがN結合性のオリゴサッカライドを含んでい るかという問題には疑問がある。このことはやはりN結合性のグリコシレ−ショ ンサイトを欠く偽狂犬病ウイルスのgD相同体に似ている(75)。他のヘルペ スウイルスと同様に、gDコ−ディング配列には本遺伝子が直ぐに続いているポ リA付加シグナルは無く、最も接近しているシグナルはgI遺伝子端のものであ る。 7番目のオ−プンリ−ディングフレ−ムは362アミノ酸長の蛋白をコ−ドし ており、水疱帯状疱疹ウイルス糖蛋白I(配列番号68)に最も相同である。コ −ドされた蛋白は、グリシンとイソロイシンの間の22と23の位置に開裂サイ トとなりえる配列を有するシグナル配列を持つことや、トランスメンブレンヘリ ックスをカルボキシル末端の272−292に有すること、そして4カ所のN結 合性グリコシレ−ションサイトと思われる配列を有することなど、関連するgI 糖蛋白の持つ全ての特徴を示す。TATA配列はメチオニン開始コドンから上流 51塩基のところにある。ILTV gIをコ−ドする配列内に2つのポリA付 加シグナルとなりえる配列があり、上流のgDならびにORF5転写単位により シグナルが利用されていると考えられる。 gE遺伝子(ORF8)はgIに続くものである。この遺伝子は499アミノ 酸長であり、4カ所のN結合性グリコシレ−ションサイトを有する(配列番号6 9)。18アミノ酸からなるシグナル配列があり、さらに2つの膜と結合したヘ リックスと3つの同様の可能性があるヘリックスが蛋白のカルボキシル端部位に ある。gE遺伝子には開始コドンの86塩基上流にTATAボックスがあり、コ −ディング域の3’端の直前にはポリA付加シグナルと思われる配列がある。こ の配列はgI遺伝子のポリアデニレ−ションに関与するのだろう。 9番目のオ−プンリ−ディングフレ−ムは特徴的な短い領域と短い繰り返し域 の接続部を越えて延びており、260アミノ酸長の蛋白をコ−ドしている(配列 番号70)。この蛋白にはシグナル配列あるいはメンブレンアンカ−がないが、 グリコシレ−ションサイトと思われるカ所が1つある。GenBankの検索で は、本蛋白とEBVのBLRF2との間に類似性が見られたが、この類似性が有 意であるか不明である。短繰り返し域内のポリA付加シグナルもこの遺伝子によ り利用されると考えられる。TATA配列と思われる配列がORFの最初のAT Gの178塩基上流にある。 短い繰り返し内にある最初のオ−プンリ−ディングフレ−ム(SRORF1) (配列番号61と71)には294アミノ酸長の蛋白がコ−ドされ、MDVSO RF3(79と84)ならびにHVTORF3(87)の遺伝子産物との間に相 同性を示した。MDVとHVTでは、対応する遺伝子が特徴的な短域内に1コピ −見つかっているがその機能は不明である。哺乳動物のヘルペスウイルスとの相 同性は認められない。MDVSORF3はParcellら(74)により発見 され、鶏の感染に必須ではないと考えられている。 SROFR2は他のヘルペスウイルスUS10遺伝子に相同性を有する278 アミノ酸長の蛋白をコ−ドする(配列番号60と72)。EHV−4US10に 見つかった亜鉛フィンガ−モチ−フがILTV US10内に高く保存されてい る(アミノ酸201−218);このことはILTV US10遺伝子がDNA 結合蛋白であることを示唆している。ポリA付加シグナルを含む規則的配列が停 止コドン後163塩基の位置にある;この遺伝子のプロモ−タ−の位置は不明で ある。 <考察>: ILTVの特徴的な短い領域内にある遺伝子の配置は、他のヘルペスウイルス に見られる配置に類似している。糖蛋白をコ−ドする幾つかの遺伝子が存在し、 これらの遺伝子の配置はウマヘルペスウイルス1の配置と類似しており、特にO RF5については近似している。鳥のヘルペスウイルスとの類似性についても、 鳥特異的遺伝子の存在やSRORF1、そしてHVTならびにMDVとは短い繰 り返しと複製した形であること、そしてORF9遺伝子の下流に存在する点で異 なるがUS2とPKとの位置関係についても認められる。PK遺伝子それ自体は MDVやHVTのPK遺伝子とほとんど同じである;しかし、その他の遺伝子は EHV、PRV、そしてSHV SA8の様な別系統のヘルペスウイルスとの間 により高い相同性が認められる。ILTVの特徴的な短い領域の特徴は通常は長 い領域に見られる遺伝子、UL47相同配列を包含していることと、特徴的な遺 伝子、変化した繰り返し配列のセットを含むORF5の存在にある。 ILTVの構造分析の結果はこれまでの報告と一致しない。本明細書に記載さ れた配列をオ−ストラリアILTV株SA−2の配列と比較すると、Kongs uwanら(69)により報告されている32kdの蛋白は本明細書のgGとほ とんど同一であり、またKongsuwanら(69)によるg60蛋白の配列 決定された断片は、本明細書中のODR5遺伝子の一部と同じである。しかし、 かれらはSA−2の特徴的な長い領域に由来するこれらの遺伝子の両方を含む5 kbのAsp718I断片を見つけている(66)。最近、Guoら(62)は USDAを感染株から得た領域の配列を報告しており、Johnsonら(66) により提示されたマップと比較して特徴的な短い領域があることを記載している 。この配列と本明細書記載の特徴的な短い配列との間には同一性はなかった。し かし、Guoら(62)が記載した配列は、Johnsonら(67と68)に よりGenBankに最近登録されたILTVのICP4遺伝子をコ−ドすると 報告されている配列と98%の相同性を有している。ICP4のコ−ディング域 内のBamIサイトにより2つの連接する1.2kbと1.7kbの断片が得ら れる(図15参照)。本明細書記載の地図では、この大きさの連接する2つのB amHI断片が短域内に認められる(図12)。さらに、ICP4遺伝子の直ぐ の上流にある856塩基対長の繰り返しエレメント(図15)は本明細書では短 い繰り返し配列内にマップされている。このことから、本試験で用いた株のIC P4遺伝子はIRsとTRs内に存在していることを示している。しかし、オ− ストラリアSA−2ワクチン株で異常な再配置が起こり、特徴的な長い領域や特 徴的な短い領域、そして短い繰り返し配列の関係が変化することは考えにくい。 しかし、Guoら(62)は本明細書で記載したものと同一の感染株を使用して いるが、報告された配列は特徴的な短い領域に存在しておらず、短い繰り返し配 列内に存在し、他のヘルペスウイルスのICP4遺伝子に類似している。 ORF5によりコ−ドされる遺伝子にはスレオニンリッチな変化した繰り返し 配列が含まれる。これは粘液遺伝子に見られる組成と繰り返しの特徴に類似して いる。粘液の繰り返し域はO結合性のグリコサッカライドで修飾されており、強 い疎水性を示す。ILTV内で発現し、このいくらか似た領域が感染にどの様な 機能を果たしているのか推測することは興味深い。少なくとも該遺伝子の一部は 発現されていることが知られており、Kongsuwanら(69)はラムダg tllライブラリ−を60kdのILTV蛋白(g60)と結合することが分か っているモノクロナ−ル抗体を用いてウエスタンブロット上で探索し得た断片を クロ−ン化し配列を決定した(86)。この60kd蛋白とORF5について予 想される985アミノ酸長の産物との関連性は不明である。本明細書の配列をg 60をコ−ドする領域の全配列(81)とを比較した結果、SA−2株とUSD A株の相同性は98.5%であった。興味深いことに、ORF5に関係するg6 0の中に10アミノ酸長のブロックの挿入がある;この違いが、SA−2株に見 られる別の型の繰り返し配列を生む。 前記の如く、Kongsuwanら(70)はPRVgGに類似した32kd蛋白をコ −ドするILTV遺伝子を報告している。本明細書中き記載されたILTVgG 蛋白の配列と彼らの32kd蛋白を比較すると、蛋白の先頭側の273残基中に 10アミノ酸の違いが発見された。USDA株と比べると、SA−2では274 番目のアミノ酸位置に1塩基対の欠損があり、これによりフレ−ムシフトが起き て、SA−2では残りが26残基であるのに対し感染株では19残基になる。カ ルボキシ末端配列から得たペプチドを用いて、マウスでILTV gGと反応す る抗体を作成した;このことは本明細書中に記載された配列が実際のUSDA株 のカルボキシ末端を有していることを示している。同じことが本明細書に記載さ れたILTV gD蛋白をJohnsonらによりGenBankに登録された ILTV gD配列(68)と比較した場合にも認められた。先頭側の419ア ミノ酸中に10カ所の違いが認められ、その他本明細書中に記載された配列と比 較するとSA−2株には1カ所の欠損があり、その結果カルボキシ末端位置が異 なり、USDA株ではさらに15アミノ酸があるのに対してSA−2では9アミ ノ酸となる。この様な違いがこれらの遺伝子のクロ−ニングと配列決定作業中に 生じたエラ−である可能性がある。また、ILTV gGとgD遺伝子のカルボ キシ末端がこれらの株では異なっている可能性もある。 短い繰り返し配列中に認められた856塩基対長の繰り返し配列はJohns onら(67)により記載されたICP4遺伝子の直ぐ上流に位置しているが、 配列自体はSA−2株では繰り返していない。この繰り返し域を含むBamHI 断片はSA−2では2848塩基対長である。最も短い繰り返し配列は図14の BamHIラダ−に薄く見られた3.4kbの長さのものである。この配列は2 つの繰り返しを含むには長さが不十分であり、2つの株ではこの領域に別の違い があることが示唆される。バンドのサブモル特性は現在のところ不明であるが、 この種の繰り返し配列がこのILTV株あるいは他のILTV株で報告されたこ とはなかった。ラダ−の出現は欠損干渉粒子の存在を推測させるが、今回使用し たウイルスストック内には欠損干渉粒子が存在していないと考えられている。そ の理由は以下の通りである。1)欠損干渉粒子は一般にウイルスが高い増殖性を もってパッセ−ジされている時に見られるものであるが、本明細書のILTVウ イルスストックは低い増殖性でパッセ−ジされている。実際、単一のプラ−クか ら得たウイルスストックについて、そのDNAをサザンブロットで分析すると同 様のラダ−がみられることから、単一ウイルス粒子にも複数の繰り返しのセット が含まれていて、短時間の増殖でも完全な幅でラダ−を生ずることができること が示唆される。2)欠損干渉粒子集団が存在するなら、直鎖状のウイルスマップ 中に対応する切断断片の存在が期待される(実施例、77参照)が、分析したコ スミッドでは一つを除き、ゲノムILTV消化物中に存在するこれらに同一のA sp718Iバンドで作成した連接地図は同じであった。例外は2F12であり 特徴的な短い領域を含むスクリ−ニングした数百のコスミッドクロ−ンから1つ だけ得られた特異的なものである。これはおそらく異常なクロ−ニングの結果で あり、欠損ウイルス粒子に広く認められる現象ではない。3)欠損干渉粒子はし ばしば通常のウイルス粒子より大量に存在することがあり、その結果干渉粒子に 由来する制限酵素断片が過剰表現される。逆に、856塩基対長のラダ−のバン ドは量的には少なく、エチジウムブロマイドで染色したゲルでは薄く認められる に過ぎない。4)欠損干渉粒子には複製オリジンが含まれる。856塩基対長の 繰り返し配列自体にはBaumannら(59)の共通配列として規定されるヘ ルペスウイルスの複製オリジンは含まれていない。上記のことから、856塩基 対長の単位がILTVのUSDA感染株から得た通常のウイルスDNAの短い繰 り返し配列中に多様な数存在していると結論できる。この領域を13以上含む断 片が存在することから、ILTVのゲノムDNAは短い繰り返し領域内で11k bにわたり様々である可能性がある。繰り返し領域はその他のヘルペスウイルス にも同定されている:例えば、マ−クス病ウイルスには長い繰り返し領域内に1 32塩基対長の繰り返し配列が含まれており(61と73)、この繰り返し配列 が大きくなるとウイルスの発癌性が低下する。逆に、この株は鶏に重度の臨床疾 患を引き起こすことから、ILTV中の856塩基対長の前後繰り返し配列の存 在はウイルスの病原性に影響しないようである。この繰り返し配列を持つ他のI LTV株について調べることは興味深い。 表VにはILTVの特徴的な短い領域のORFと、相同性が認められるこれら 遺伝子のHSV命名を示してある。3列目にはBlast相同性検索の結果の最 大一致例がしめしてあり(NCBI)、示された一致性についてプログラムを利 用し蓋然性スコアを決めた。数字が小さいほど、偶然の一致の可能性が少ないこ とを示している。 伝染性喉頭気管炎(ILTV)のゲノムマップと、全ての特徴的な短い領域と フランキングしている短い繰り返し配列を含む18,912塩基対長の配列を示 した。ゲノムマップを作成する中で、13回繰り返す856塩基対長の配列から なる領域が短い領域内に存在していることが判明した。特徴的な短い配列には9 カ所のオ−プンリ−ディングフレ−ム(ORF)となり得る配列が含まれる。こ れらのORFの内の6つは既知のヘルペスウイルスの特徴的な短い遺伝子と相同 性を有している。単純ヘルペスウイルスの命名規約を準用すると、これらの遺伝 子はUS2、蛋白キナーゼ、ならびに糖蛋白G,D,I,ならびにE(それぞれ SORF1,2,4,6,7,ならびに8)である。興味深いことに、HSV− 1のUL47と相同なオ−プンリ−ディングフレ−ム(SORF3)が特徴的な 短い領域に認められる。大きなオ−プンリ−ディングフレ−ム(ORF5)は1 つであり、そこにはスレオニンリッチな変化をした繰り返し配列が含まれている 。この遺伝子はヘルペスウイルスにあってILTVに特徴的であると思われる。 短い繰り返し領域の中に2つのORFが認められた。SRORFIはMDVなら びにHVTの両方にある特徴的な短い領域に認められる遺伝子(SORF3)に 相同であり、鳥ヘルペスウイルスに特異的なようである。SRORF2はHSV US10に相同である。
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Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.伝染性喉頭気管炎ウイルスゲノムを含む組換え型伝染性喉頭気管炎ウイル スであって、前記伝染性喉頭気管炎ウイルスゲノムの独特の短領域における欠失 を含み、該欠失は糖タンパクG(gG)遺伝子に存在する組換えウイルス。 2.US2遺伝子における欠失によって更に特徴付けられる、請求項1に記載 の組換え型伝染性喉頭気管炎ウイルス。 3.ORF4遺伝子における欠失およびUL47様遺伝子における欠失によっ て更に特徴付けられる、請求項1に記載の組換え型伝染性喉頭気管炎ウイルス。 4.糖タンパク60(g60)遺伝子における欠失によって更に特徴付けられ る、請求項1に記載の組換え型伝染性喉頭気管炎ウイルス。 5.糖タンパクI(gI)遺伝子における欠失によって更に特徴付けられる、 請求項1に記載の組換え型伝染性喉頭気管炎ウイルス。 6.チミジンキナーゼ(TK)遺伝子における欠失によって更に特徴付けられ る請求項1に記載の組換え型伝染性喉頭気管炎ウイルス。 7.請求項1に記載の組換え型伝染性喉頭気管炎ウイルスであって、更に、伝 染性喉頭気管炎ウイルスゲノムの非必須部位内に挿入された外来遺伝子を具備し 、該外来遺伝子は組換え型伝染性喉頭気管炎ウイルスに感染した宿主細胞中で発 現することができる組換えウイルス。 8.請求項7に記載の組換え型伝染性喉頭気管炎ウイルスであって、前記外来 遺伝子が、US2遺伝子、UL47様遺伝子、ORF4遺伝子、糖タンパクG( gG)遺伝子、糖タンパク60(g60)遺伝子および糖タンパクI(gI)遺 伝子からなる群から選択される遺伝子の中に挿入される組換えウイルス。 9.前記外来遺伝子がスクリーニング可能なマーカーをコードする、請求項7 に記載の組換え型伝染性喉頭気管炎ウイルスで。 10.前記スクリーニング可能なマーカーが大腸菌B−ガラクトシダーゼであ る、請求項9に記載の組換え型伝染性喉頭気管炎ウイルス。 11.前記スクリーニング可能なマーカーが大腸菌B−グルクロニダーゼであ る、請求項9に記載の組換え型伝染性喉頭気管炎ウイルス。 12.前記外来遺伝子が抗原性ポリペプチドをコードする、請求項9に記載の 組換え型伝染性喉頭気管炎ウイルス。 13.請求項12に記載の組換え型伝染性喉頭気管炎ウイルスであって、前記 抗原性ペプチドは、前記宿主細胞内に導入されたときに、鳥類疾患を起こす物質 (前記抗原を誘導しまたは誘導可能なもの)に対する保護抗体の産生を誘起する 組換えウイルス。 14.請求項13に記載の組換え型伝染性喉頭気管炎ウイルスであって、前記 抗原性ペプチドは、感染性気管支炎ウイルス、ニューキャッスル病ウイルス、感 染性嚢症ウイルスおよびマレック氏病ウイルスからなる群から誘導され、または 誘導可能である組換えウイル。 15.請求項13に記載の組換え型伝染性喉頭気管炎ウイルスであって、前記 抗原性ポリペプチドは、鳥類脳脊髄炎ウイルス、鳥類レオウイルス、鳥類パラミ クソウイルス、鳥類インフルエンザウイルス、鳥類アデノウイルス、鶏痘ウイル ス、鳥類コロナウイルス、鳥類ロタウイルス、ニワトリ貧血物質、サルモネラ種 (Salmonella spp.)、大腸菌(E.coli)、パスツレラ種(Pasteurella spp.)、ボル デテラ種(Bordetella spp.)、アイメリア種(Eimerla spp.)、ヒストモナス種(Hi stomonas spp.)、トリコモナス種(Trichomonas spp.)、家禽線虫、条虫、吸虫、 家禽ダニ/シラミ、家禽原虫からなる群から誘導され、または誘導可能な組換え ウイルス。 16.前記外来遺伝子が内因性の上流プロモータの支配下にある、請求項7に 記載の組換え型伝染性喉頭気管炎ウイルス。 17.前記外来遺伝子が異種上流プロモータの支配下にある、請求項7に記載 の組換え型伝染性喉頭気管炎ウイルス。 18.請求項17に記載の組換え型伝染性喉頭気管炎ウイルスであって、前記 プロモータは、HCMV IEプロモータ、PRVgXプロモータおよびBHV- 1.1VP8プロモータからなる群から選択される組換えウイルス。 19.伝染性喉頭気管炎ウイルスゲノムを含む組換え型伝染性喉頭気管炎ウイ ルスであって、前記ウイルスゲノムの独特の短領域における欠失を含み、当該組 換え型伝染性喉頭気管炎ウイルスが複製に際して糖タンパクgGを産生しないよ うに、該欠失は糖タンパクgG遺伝子に存在する組換えウイルス。 20.伝染性喉頭気管炎ウイルスゲノムを含む組換え型伝染性喉頭気管炎ウイ ルスであって、前記ウイルスゲノムの独特の短領域における欠失を含み、当該組 換え型伝染性喉頭気管炎ウイルスが複製に際して糖タンパクgIを産生しないよ うに、該欠失は糖タンパクgI遺伝子に存在する組換えウイルス。 21.請求項20に記載の組換え型伝染性喉頭気管炎ウイルスであって、更に 、当該組換えウイルスが複製に際して糖タンパクgGを産生しないように、糖タ ンパクgG遺伝子中の欠失を有する組換えウイルス。 22.伝染性喉頭気管炎ウイルスゲノムを含む組換え型伝染性喉頭気管炎ウイ ルスであって、前記ウイルスゲノムの独特の短領域における欠失を含み、該欠失 は、US2遺伝子、UL47様遺伝子および糖タンパクg60遺伝子からなる群 から選択される遺伝子に存在する組換えウイルス。 23.請求項22に記載の組換え型伝染性喉頭気管炎ウイルスであって、前記 外来遺伝子が、US2遺伝子、UL47様遺伝子、ORF4遺伝子および糖タン パクg60遺伝子からなる群から選択される遺伝子の中に挿入される組換えウイ ルス。 24.前記外来遺伝子がスクリーニング可能なマーカーをコードする、請求項 23に記載の組換え型伝染性喉頭気管炎ウイルスで。 25.前記スクリーニング可能なマーカーが大腸菌B−ガラクトシダーゼであ る、請求項24に記載の組換え型伝染性喉頭気管炎ウイルス。 26.前記スクリーニング可能なマーカーが大腸菌B−グルクロニダーゼであ る、請求項24に記載の組換え型伝染性喉頭気管炎ウイルス。 27.前記外来遺伝子が抗原性ポリペプチドをコードする、請求項23に記載 の組換え型伝染性喉頭気管炎ウイルス。 28.請求項27に記載の組換え型伝染性喉頭気管炎ウイルスであって、前記 抗原性ペプチドは、前記宿主細胞内に導入されたときに、鳥類疾患を起こす物質 (前記抗原を誘導しまたは誘導可能なもの)に対する保護抗体の産生を誘起する 組換えウイルス。 29.請求項28に記載の組換え型伝染性喉頭気管炎ウイルスであって、前記 抗原性ペプチドは、感染性気管支炎ウイルス、ニューキャッスル病ウイルス、感 染性嚢症ウイルスおよびマレック氏病ウイルスからなる群から誘導され、または 誘導可能である組換えウイル。 30.請求項28に記載の組換え型伝染性喉頭気管炎ウイルスであって、前記 抗原性ポリペプチドは、鳥類の脳脊髄炎ウイルス、鳥類レオウイルス、鳥類パラ ミクソウイルス、鳥類インフルエンザウイルス、鳥類アデノウイルス、鶏痘ウイ ルス、鳥類コロナウイルス、鳥類ロタウイルス、ニワトリ貧血物質、サルモネラ 種(Salmonella spp.)、大腸菌(E.coli)、パスツレラ種(Pasteurella spp.)、ボ ルデテラ種(Bordetella spp.)、アイメリア種(Elmeria spp.)、ヒストモナス種( Histomonas spp.)、トリコモナス種(Trichomonas spp.)、家禽線虫、条虫、吸虫 、家禽ダニ/シラミ、家禽原虫からなる群から誘導され、または誘導可能な組換 えウイルス。 31.前記外来遺伝子が内因性の上流伝染性喉頭気管炎ウイルスプロモータの 支配下にある、請求項23に記載の組換え型伝染性喉頭気管炎ウイルス。 32.前記外来遺伝子が異種上流プロモータの支配下にある、請求項23に記 載の組換え型伝染性喉頭気管炎ウイルス。 33.請求項32に記載の組換え型伝染性喉頭気管炎ウイルスであって、前記 プロモータは、HCMV IEプロモータ、PRVgXプロモータおよびBHV- 1.1VP8プロモータからなる群から選択される組換えウイルス。 34.伝染性喉頭気管炎ウイルスのためのワクチンであって、有効免疫量の請 求項1に記載の組換え型伝染性喉頭気管炎ウイルスおよび適切なキャリアを含有 するワクチン。 35.伝染性喉頭気管炎および一以上の他の鳥類疾患のための多価ワクチンで あって、有効免疫量の請求項13に記載の組換えウイルスおよび適切なキャリア を含有するワクチン。 36.ニワトリまたは他の家禽を伝染性喉頭気管炎に対して免疫感作する方法 であって、前記ニワトリまたは他の家禽に対し、有効免疫量の請求項34のワク チンを投与することを具備した方法。 37.請求項19に記載のワクチンで予防接種されたニワトリまたは他の家禽 を、天然に存在する伝染性喉頭気管炎ウイルスに感染したものから区別する方法 であって、ニワトリまたは他の家禽から得た体液のサンプルを、糖タンパクgG および天然に存在する伝染性喉頭気管炎ウイルスに感染したニワトリまたは他の 家禽において正常に発現される少なくとも一つの他の抗原の存在について分析す ることを具備し、感染されたニワトリで正常に発現されるこれら抗原は存在する が、糖タンパクgGは存在しないことによって、請求項19のワクチンで予防接 種されており、且つ天然に存在する伝染性喉頭気管炎ウイルスには感染していな いことが示される方法。 38.伝染性喉頭気管炎ウイルスのゲノムDNAに挿入されているスクリーニ ング可能なマーカーをコードするDNAを欠失させることにより組換え型伝染性 喉頭気管炎ウイルスを製造するための相同性ベクターであって、欠失させるべき 二本鎖DNA分子から実質的になる二本鎖DNAを具備し、何れの側にも伝染性 喉頭気管炎ウイルスの糖タンパクgG遺伝子、糖タンパクgI遺伝子、US2遺 伝子またはUL−47様遺伝子に対して相同的な二本鎖DNAが隣接しているベ クター。
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