JPH1150259A - 薄膜の製造方法およびその製造装置 - Google Patents

薄膜の製造方法およびその製造装置

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JPH1150259A
JPH1150259A JP20462797A JP20462797A JPH1150259A JP H1150259 A JPH1150259 A JP H1150259A JP 20462797 A JP20462797 A JP 20462797A JP 20462797 A JP20462797 A JP 20462797A JP H1150259 A JPH1150259 A JP H1150259A
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JP
Japan
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thin film
discharge tube
raw material
plasma
film
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JP20462797A
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Inventor
Kiyoshi Takahashi
喜代司 高橋
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成膜レートが高く、かつ低電流で成膜でき、
放電管内壁の汚染が少なく微少な異常放電に起因する成
膜欠陥を防止する。 【解決手段】 真空槽6の真空バルブ7を開き真空ポン
プ8で排気、規定の真空度に到達後、磁気記録媒体30は
メインローラ3に密着し巻出軸1から巻取軸5に向け連
続的に送出される。原料容器9に炭素源のフェノールを
充填し、定量ポンプ10と原料導入管11も含め保温する。
放電管15内に導かれた原料は、大気との圧力差により放
電管15下部に滴下供給され蒸発する。蒸発した原料とプ
ラズマ励起用電源18の供給電力とプラズマ励起用電極1
7、ガス導入管21より供給のアルゴンガスとによってプ
ラズマが発生する。発生したプラズマは、引出電極用電
源20より引出電極19に印加の直流正電圧により、磁気記
録媒体30に加速される。プラズマ中の炭素を含んだイオ
ン,ラジカル等が、放電管15と対向位置の磁気記録媒体
30の表面にダイヤモンド状炭素膜として堆積される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属薄膜型磁気記
録媒体の保護膜として用いられるプラズマ重合膜,ダイ
ヤモンド状炭素膜、あるいは半導体,液晶用の絶縁膜
や、光電変換素子に用いられる非晶質シリコン膜、超伝
導薄膜等の形成に利用され、特に成膜欠陥を最小限に抑
えるとともに成膜速度を大幅に向上させるプラズマCV
D法による薄膜の製造方法およびその製造装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来のプラズマCVD法により薄膜を形
成する方法として、真空槽内を放電空間とする方法で
は、薄膜が形成される基板のみならず真空槽の内壁全体
が汚染され、膜自体に欠陥が生じるという、工業的に生
産するためには大きな課題があった。これらの課題を解
決するため、真空槽内に放電管を設ける方法(例えば、
特開昭63−26195号公報,特開昭63−118074号公報等に
記載)が提案されている。これらにより真空槽内の汚染
による成膜欠陥についてはほぼ解決済みである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成の薄膜の製造方法では、成膜レートを向上させ
るため成膜用原料の供給量を増やしていくと放電管内部
に成膜され、これが放電管内壁に付着,剥離して膜中に
混入されるばかりでなく、放電管内部の圧力が上昇し微
少な異常放電が頻発して成膜欠陥が発生するので、磁気
記録媒体の保護膜に適用した場合はドロップアウトの増
加や耐食性が低下、さらに半導体等の絶縁膜として使用
した場合は、絶縁抵抗の低下による不良や耐食性の低下
という問題があった。
【0004】本発明は、前記従来技術の問題を解決する
ことを指向するものであり、成膜レートが高く、かつ低
電流で成膜でき、放電管内壁の汚染が少なく微少な異常
放電に起因する成膜欠陥を防止することができるプラズ
マCVD法により形成する薄膜の製造方法およびその製
造装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明に係る薄膜の製造方法およびその製造装置に
おいて、その薄膜の製造方法は、真空槽内に設けた放電
管内に引出電極を設けて、引出電極との対向位置に配設
された基板に対するプラズマCVD法による薄膜の製造
方法であって、放電管内あるいは放電管内近傍に薄膜形
成用原料を供給しつつ放電管内にプラズマを発生させ
て、プラズマを放電管内の引出電極により加速して、基
板上に薄膜を形成することを特徴とする。
【0006】また、供給される薄膜形成用原料を前記放
電管内に設けられたボートを用いて加熱すること、さら
に、薄膜形成用原料を装置外の大気圧から直接定量供給
すること、またさらに、薄膜形成用原料の定量供給方法
が、霧化定量供給あるいは液体滴下定量供給のいずれか
であることを特徴とする。
【0007】また、少なくとも前記放電管内のプラズマ
発生部を加熱することを特徴とする。
【0008】さらに、薄膜の製造装置は、プラズマCV
D法による薄膜の製造装置であって、真空槽内に設けら
れた放電管と、放電管内に設けられた引出電極と、放電
管内あるいは放電管内近傍に薄膜形成用原料を供給する
手段と、放電管内にプラズマを発生させるプラズマ発生
部と、引出電極との対向位置に配設された基板とを備え
たことを特徴とする。
【0009】また、前記薄膜形成用原料を供給する手段
に、薄膜形成用原料を加熱する手段を備え、さらに、薄
膜形成用原料の定量供給を行う霧化定量供給あるいは液
体滴下定量供給のいずれかの手段を備えたことを特徴と
する。
【0010】また、少なくとも前記放電管内のプラズマ
発生部を加熱する手段を備えるように構成したものであ
る。
【0011】前記構成によれば、真空槽内に放電管を設
けて、この放電管内に原料を定量供給して、プラズマを
発生させつつ、放電管下部を加熱しながら、放電管内に
設けられた引出電極でプラズマを加速し、基板に薄膜を
形成させることによって、これにより成膜レートが高
く、かつ成膜欠陥の少ない薄膜が得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明にお
ける実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の実施
の形態1における形成される薄膜が磁気記録媒体の保護
膜である場合の薄膜の製造装置の概略構成を示す図であ
る。図1において、1は巻出軸、2,4はパスローラ、
3はメインローラ、5は巻取軸、6は真空槽、7は真空
バルブ、8は真空ポンプ、9は原料容器、10は定量ポン
プ、11は原料導入管、12は原料供給装置、13はボート、
14はボートヒーター、15は放電管、16はヒーター、17は
プラズマ励起用電極、18はプラズマ励起用電源、19は引
出電極、20は引出電極用電源、21はガス導入管、30は磁
気記録媒体である。
【0013】また、図2は本実施の形態1における薄膜
の製造装置により作製された磁気記録媒体を示す部分断
面図で、30は磁気記録媒体、31は非磁性基板、32は強磁
性金属膜、33はバックコート層、34はダイヤモンド状炭
素膜、35は潤滑剤層である。
【0014】図1に示すように、巻出軸1には非磁性基
板上に強磁性金属膜を設けた磁気録媒体30がボビンに巻
かれた状態で装着され、その張力が制御され送り出され
ている。磁気記録媒体30と接触し回転するパスローラ
2,4と、装置本体より絶縁され冷媒などを介して接地
されたメインローラ3により、磁気記録媒体30は一定速
度で搬送できるよう回転制御されている。また、保護膜
形成後の磁気記録媒体30を連続的に巻き取る巻取軸5
は、巻出軸1と同様に張力制御されている。
【0015】真空槽6は規定の真空度を保持するととも
に保護膜形成に必要な部材を収納している。真空バルブ
7が必要に応じて開閉され、真空ポンプ8により真空槽
6が規定の真空度を保持できるよう選定されている。原
料容器9によって薄膜形成用原料が充填され、必要に応
じて加熱することができる。
【0016】また、定量ポンプ10で成膜に必要な原料を
真空槽6内に供給して、原料導入管11は放電管15内と接
続、原料が固化しないように加熱保温され、先端は定量
霧化または滴下し易い構造に加工されている。原料供給
装置12では、超音波振動とヒーター等による加熱の双方
あるいはいずれかを選択することができる。さらに、ボ
ート13により定量供給された原料を再蒸発させるため、
ボートヒータ14がボート13の温度を調整して蒸発速度を
一定にする。
【0017】放電管15は、プラズマ発生部と引出部に分
かれて構成され、基板への衝撃を弱くするため引出部の
断面積が大きくなるよう製作されている。ヒーター16は
プラズマ発生域で生成される中性活性種(以下、ラジカ
ルという)が付着,剥離しないよう加熱するためのもの
である。プラズマ励起用電極17には、誘導結合型,容量
結合型のいずれかが用いられ、プラズマ励起用電源18と
しては、1MHz〜1GHzの周波数のものが適当であ
る。
【0018】引出電極19は、放電管15下部で発生したプ
ラズマを走行中の磁気記録媒体30へ加速するためのもの
で、メッシュ状あるいは発泡金属から構成され、引出電
極用電源20により引出電極19へは主として正の電位を印
加する。最後に、ガス導入管21は成膜レートを高めるた
め、あるいは膜質の確保のため第二の原料を供給するた
めのものである。
【0019】また、図2に示すように、作製された磁気
記録媒体30において、まず、非磁性基板31は、主にポリ
エチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレート,
ポリアミド等の高分子材料が用いられ、その厚さは3〜
15μmの範囲となる。次に、強磁性金属膜32は、Co−
O,Co−Ni−O,Co−Cr−Ni等から構成され反応
蒸着法、反応スパッタ法などにより形成され、その厚さ
は10〜30nmとなる。さらに、バックコート層33は、ポリ
エステル樹脂とカーボン等の混合体を塗布することによ
り形成され、その厚さは0.3〜1μmとなる。ダイヤモン
ド状炭素膜34は、炭化水素を主原料としプラズマCVD
法により形成され、その厚さは3〜50nmとなる。最後
に、潤滑剤層35は、含フッ素潤滑剤が使用され湿式塗布
法あるいは真空蒸着法により形成され、その厚さは1〜
20nmとなる。
【0020】以上のように構成された本実施の形態1の
薄膜の製造装置における磁気記録媒体の保護膜とする薄
膜の製造方法について、図1,図2を用いてその動作を
説明する。
【0021】まず、真空槽6の真空バルブ7を開いて真
空ポンプ8により排気し、規定の真空度(1×10~4Tor
r)に到達した後、強磁性金属膜32を形成した磁気記録媒
体30は、メインローラ3に密着し、巻出軸1から巻取軸
5に向けて連続的に送り出され、放電管15の対向位置で
ダイヤモンド状炭素膜34が形成される。
【0022】このダイヤモンド状炭素膜34の形成は、原
料容器9にダイヤモンド状炭素膜34の炭素源としてフェ
ノールを充填し、定量ポンプ10の性能が発揮できる粘度
になるよう原料導入管11をも含め保温している。この原
料導入管11により放電管15内に導かれた原料のフェノー
ルは、装置外の大気と放電管内の圧力差により放電管15
の下部に滴下供給され蒸発する。好ましくは原料供給装
置12に装備された超音波振動あるいは加熱により霧化供
給した方が、多量の原料が安定供給できる。さらには放
電管15の最下部あるいは下部近傍にボート13を設け、こ
れを加熱することによって蒸発させて多量の原料が安定
供給できる。
【0023】放電管15の下部に供給され蒸発した原料
と、プラズマ励起用電源18から供給された13.56MHzの
電力と、このプラズマ励起用電源18にマッチングした誘
導結合型電極(プラズマ励起用電極17)と、さらにガス導
入管21より供給されたアルゴンガスとによって、プラズ
マが発生する。このプラズマによる放電管15の下部側壁
にラジカルの付着,剥離を防止するために、ヒーター16
により加熱することが有効であり信頼性の安定化には極
めて好ましい。この放電管15の下部で発生したプラズマ
は、引出電極用電源20より引出電極21に印加された直流
の正電圧によって、磁気記録媒体30に加速されプラズマ
中の炭素を含んだイオン,ラジカル等が、膜として磁気
記録媒体30の表面にダイヤモンド状炭素膜34として堆積
される。
【0024】次に、本実施の形態1により作製された磁
気記録媒体30は、500mm幅で約3000mを作製し、非磁性基
板31として約7μmのポリエチレンテレフタレート基板
上に、約1500Åの厚さのCoを主成分とする強磁性金属
膜32を設けたものを用い、その上に本実施の形態1の製
造装置による薄膜の製造方法にて、炭素源をフェノール
とし、ビッカース硬度約2500kg/mm2で厚さ10nmのダイ
ヤモンド状炭素膜34を設けて、以下に示す各種サンプル
を作製した。サンプル作製の着目点は、プラズマ励起用
電極17への電力供給量2kWで、引出電極19へ正の電圧6
00Vを印加し、かつアルゴンガスを1SLM(Standard
Litter per Minutes)供給したとき、成膜の安定とその
膜特性が維持できる最大の成膜レートとした。
【0025】(サンプル11)原料導入管11を約90℃に加熱
したのみで、放電管15下部に供給し自然蒸発のみで成膜
した。この時の成膜レートは約30nm/secであった。 (サンプル12)サンプル11に、原料供給装置12の超音波振
動を与え成膜した。成膜レートは約36nm/secであっ
た。 (サンプル13)サンフ゜ル11に、原料供給装置12の超音波振動に
加えてヒーター(図示せず)により100℃に加熱し成膜し
た。成膜レートは約38nm/secであった。 (サンプル14)サンプル13に、ボート13とボートヒーター
14を追加して、ボートヒーター14により温度を120℃に
調整して成膜した。成膜レートは約40nm/secであっ
た。 (サンプル15)サンプル14に、ヒーター16を追加して、放
電管15下部の温度を150℃に調整して成膜した。成膜レ
ートは約40nm/secであった。
【0026】(比較例1)従来の気化導入する方法で、原
料がフェノールについて実験をしたが、安定成膜ができ
なかった。 (比較例2)比較するサンプルがないので、あえてヘキサ
ンとアルゴンガスで、気化導入し、プラズマ発生と加速
を兼ねた電極を用いた従来のプラズマCVD法の成膜方
法で作製した。成膜レートは約10nm/secであった。
【0027】前記の製造方法にて磁気記録媒体30の各サ
ンプル11〜15を作製して、実用信頼性試験として、さら
にその上に約30nmの含フッ素カルボン酸からなる潤滑剤
層35を湿式塗布法で設けた後、6.35mm幅に裁断し、成膜
最終端でのドロップアウトの測定と耐食性試験を行っ
た。
【0028】ドロップアウトの測定は、裁断した磁気記
録媒体30をDVC(デジタルビデオカセット)のカセット
に装着し、市販のDVCのビデオカメラを改造し、3μ
sec8dBのドロップアウトを10分間測定し、1分間の平
均値を測定値とした。
【0029】また、耐食性試験は、スライドガラスに磁
気記録媒体30を貼り付けて60℃90%RH(相対湿度)環境
下に5日放置した後、光学顕微鏡で倍率400倍において
1cm2当たりのピンホール(透過)の数で評価した。
【0030】以下に示す(表1)は、本実施の形態1によ
り作製した磁気記録媒体30の各サンプル、および比較例
1,2を用いて、前記のドロップアウトと耐食性を評価
したときの一覧表である。
【0031】
【表1】
【0032】なお、評価の測定数は各サンプル5箇所
で、その範囲を記載した。(表1)から明らかなように、
比較例2に比べて各サンプルともドロップアウト、耐食
性とも大幅に改善されている。これは引出電極19により
電流が分散され微少な異常放電が減少したものと考えら
れる。またサンプル12〜14ではやや悪い傾向にあるが、
これは成膜レートが向上したために放電管15下部の側壁
に付着したラジカル、イオン等が剥離して基板に到達し
たものと考えられる。また、サンプル15は極めて良好な
状態であり、高い成膜レートでかつ欠陥の少ない磁気記
録媒体が得られ、大幅に改善されていることが明確であ
る。
【0033】図3は本発明の実施の形態2における形成
される薄膜が半導体の層間絶縁膜である場合の薄膜の製
造装置の概略構成を示す図である。ここで、実施の形態
1を示す図1で説明した構成部材に対応し実質的に同等
の機能を有するものには同一の符号を付してこれを示
し、その重複する説明は省略する。図3に示す本実施の
形態2においては、実施の形態1の磁気記録媒体30の保
護膜として薄膜(ダイヤモンド状炭素膜)を形成するもの
から、半導体の層間絶縁膜として薄膜を形成すること
と、その磁気記録媒体30の保持,駆動を行う部材が、半
導体模擬基板40を保持する基板ホルダー22に代わったも
のである。
【0034】また、図4は本実施の形態2における薄膜
の製造装置により作製された半導体模擬基板を示す部分
断面図で、40は半導体模擬基板、41はシリコン基板で代
用した半導体素子相当膜、42はテトラエトキシシランを
薄膜の原料とした層間絶縁相当膜、43はアルミニウム薄
膜をスパッタ法で形成した配線用相当薄膜である。
【0035】次に、本実施の形態2の薄膜の製造装置に
おける半導体の層間絶縁膜とする薄膜の製造方法につい
て、図3,図4を用いてその動作を説明する。
【0036】本実施の形態2により作製した半導体模擬
基板40は、半導体素子相当膜41として市販のシリコン基
板を用い、この基板上に層間絶縁相当膜42として、テト
ラエトキシシランを原料とし、約2μmの酸化シリコン
の絶縁膜を形成した後、配線用相当薄膜43を別のスパッ
タ装置に装着して、約5μm形成したものを用いた。
【0037】(サンプル21)原料導入管11を約80℃に加熱
したのみで、放電管15下部に供給し自然蒸発のみで成膜
した。この時の成膜レートは約10nm/secであった。 (サンプル22)サンプル21に、原料供給装置12の超音波振
動を与え成膜した。成膜レートは約12nm/secであっ
た。 (サンプル23)サンプル21に、原料供給装置12の超音波振
動に加えてヒーター(図示せず)により90℃に加熱し成膜
した。成膜レートは約15nm/secであった。 (サンプル24)サンフ゜ル23に、ボート13とボートヒーター14を
追加して、ボートヒーター14により温度を100℃に調整
して成膜した。成膜レートは約18nm/secであった。 (サンプル25)サンプル24に、ヒーター16を追加して、放
電管15下部の温度を150℃に調整して成膜した。成膜レ
ートは約18nm/secであった。
【0038】(比較例3)従来の気化導入する方法で、放
電管内15部にプラズマ励起と加速を兼ねた電極を設けた
プラズマCVD法の成膜方法で同一原料を用いて作製し
た。成膜レートは約5nm/secであった。
【0039】前記の製造方法により、半導体模擬基板40
の各サンプル21〜25を作製して、また、実用信頼性試験
は作製した各サンプルを約10mm角に切断し、初期のもの
と60℃90%RH環境下に5日放置した後のものに、50V
の直流電圧を印加したときの絶縁抵抗で評価した。
【0040】以下に示す(表2)は本実施の形態2におい
て、作製した各サンプルと比較例3の半導体模疑基板40
を用いて、初期のものと60℃90%RH環境下5日間放置
後の絶縁抵抗を測定したときの一覧表である。また、評
価の測定数は実施の形態1と同様である。
【0041】
【表2】
【0042】この(表2)から明らかなように、比較例3
に比べて絶縁抵抗の劣化は大幅に改善されている。これ
は引出電極19により電流が分散され微少な異常放電が減
少したものと考えられる。またサンプル22〜24ではやや
悪い傾向にあるが、成膜レートが向上したために放電管
15下部の側壁に付着したラジカル、イオン等が剥離して
基板に到達したためと考えられる。しかし、サンプル25
は極めて良好な状態であり、高い成膜レートでかつ欠陥
の少ない半導体用層間絶縁膜が得られ、これにより層間
絶縁膜の寿命が大幅に向上していることが明確である。
【0043】以上説明したように、磁気記録媒体30の保
護膜としてのダイヤモンド状炭素膜34、および半導体模
擬基板40(半導体)に用いられる層間絶縁相当膜42(層間
絶縁膜)についてについて詳しく説明したが、その他の
用途として液晶用の絶縁膜あるいは光電変換素子におい
ては、耐食性の向上および変換効率の向上、さらに超伝
導薄膜においては、通電容量及び寿命の向上等が認めら
れ、産業上の適用用途は極めて広範囲である。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
真空槽内に放電管を設けて、この放電管内に原料を定量
供給し、プラズマを発生させつつ、放電管下部を加熱し
ながら、放電管内に設けた引出電極で加速し、基板に薄
膜を形成させることにより、高い成膜レートでかつ欠陥
の少ない薄膜を形成することができる。磁気記録媒体に
おいては、その保護膜としてダイヤモンド状炭素膜を形
成した場合、ドロップアウトの低減および耐食性が向上
し、また、半導体の層間絶縁膜として薄膜形成した場合
は、その寿命を向上させることができるという効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における形成される薄膜
が磁気記録媒体の保護膜である場合の薄膜の製造装置の
概略構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1における薄膜の製造装置
により作製された磁気記録媒体を示す部分断面図であ
る。
【図3】本発明の実施の形態2における形成される薄膜
が半導体の層間絶縁膜である場合の薄膜の製造装置の概
略構成を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態2における薄膜の製造装置
により作製された半導体模擬基板を示す部分断面図であ
る。
【符号の説明】
1…巻出軸、 2,4…パスローラ、 3…メインロー
ラ、 5…巻取軸、 6…真空槽、 7…真空バルブ、
8…真空ポンプ、 9…原料容器、 10…定量ポン
プ、 11…原料導入管、 12…原料供給装置、 13…ボ
ート、 14…ボートヒーター、 15…放電管、 16…ヒ
ーター、 17…プラズマ励起用電極、 18…プラズマ励
起用電源、 19…引出電極、 20…引出電極用電源、
21…ガス導入管、 22…基板ホルダー、 30…磁気記録
媒体、 31…非磁性基板、 32…強磁性金属膜、 33…
バックコート層、 34…ダイヤモンド状炭素膜、 35…
潤滑剤層、 40…半導体模擬基板、 41…半導体素子相
当膜、 42…層間絶縁相当膜、43…配線用相当薄膜。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空槽内に設けた放電管内に引出電極を
    設けて、該引出電極との対向位置に配設された基板に対
    するプラズマCVD法による薄膜の製造方法であって、
    前記放電管内あるいは該放電管内近傍に薄膜形成用原料
    を供給しつつ前記放電管内にプラズマを発生させて、該
    プラズマを前記放電管内に設けた引出電極により加速し
    て、前記基板上に薄膜を形成することを特徴とする薄膜
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記放電管内あるいは該放電管内近傍に
    供給される薄膜形成用原料を前記放電管内に設けられた
    ボートを用いて加熱することを特徴とする請求項1記載
    の薄膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記放電管内あるいは該放電管内近傍に
    供給される薄膜形成用原料を装置外の大気圧から直接定
    量供給することを特徴とする請求項1記載の薄膜の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 前記放電管内あるいは該放電管内近傍に
    供給される薄膜形成用原料の定量供給方法が、霧化定量
    供給あるいは液体滴下定量供給のいずれかであることを
    特徴とする請求項1記載の薄膜の製造方法。
  5. 【請求項5】 少なくとも前記放電管内のプラズマ発生
    部を加熱することを特徴とする請求項1記載の薄膜の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 前記薄膜の製造方法により形成される薄
    膜が磁気記録媒体の保護膜であることを特徴とする請求
    項1,2,3,4,5いずれかに記載の薄膜の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 プラズマCVD法による薄膜の製造装置
    であって、真空槽内に設けられた放電管と、該放電管内
    に設けられた引出電極と、前記放電管内あるいは該放電
    管内近傍に薄膜形成用原料を供給する手段と、前記放電
    管内にプラズマを発生させるプラズマ発生部と、前記引
    出電極との対向位置に配設された基板とを備え、前記引
    出電極に加速された前記プラズマによって前記基板上に
    薄膜を形成することを特徴とする薄膜の製造装置。
  8. 【請求項8】 前記薄膜形成用原料を供給する手段に、
    前記薄膜形成用原料を加熱する手段を備えたことを特徴
    とする請求項7記載の薄膜の製造装置。
  9. 【請求項9】 前記薄膜形成用原料を供給する手段に、
    前記薄膜形成用原料の定量供給を行う霧化定量供給ある
    いは液体滴下定量供給のいずれかの手段を備えたことを
    特徴とする請求項7記載の薄膜の製造装置。
  10. 【請求項10】 少なくとも前記放電管内のプラズマ発
    生部を加熱する手段を備えたことを特徴とする請求項7
    記載の薄膜の製造装置。
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