JPH0565644A - 蒸着フイルムの製造方法 - Google Patents

蒸着フイルムの製造方法

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JPH0565644A
JPH0565644A JP4033331A JP3333192A JPH0565644A JP H0565644 A JPH0565644 A JP H0565644A JP 4033331 A JP4033331 A JP 4033331A JP 3333192 A JP3333192 A JP 3333192A JP H0565644 A JPH0565644 A JP H0565644A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】酸化マグネシウム等の金属酸化物をプラスチッ
クフィルムに真空蒸着するに際し、フィルムの流れ方向
に物性のばらつきのない蒸着膜を形成する。 【構成】金属酸化物を、窒素ガス等のプラズマ空間を通
過させて蒸着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は蒸着フィルムの製造方法
に関する。更に詳しくは、本発明は大面積の基材フィル
ム上に高速で安定した金属酸化物の蒸着被膜を形成する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】酸化マグネシウム及び、酸化アルミニウ
ムの薄膜がガスバリアー性に優れていることは良く知ら
れているが、そのバリアー性(防湿性)向上のために、
酸化マグネシウムの薄膜を成膜する際水蒸気を導入する
方法が特開昭60−50164号公報に、また、アルミ
ニウム酸化物の薄膜を湿熱処理する方法が特開昭63−
222849号公報、特開昭63−223163号公報
に記載されている。
【0003】これらの方法によれば、真空系内で酸化マ
グネシウムを蒸発させ、特定量の水蒸気分子との反応で
微量の水酸化物を酸化マグネシウム薄膜内に設けたり、
あるいはアルミニウムを蒸発させ、気体状の金属アルミ
ニウムと酸素等の酸化性ガスと反応させて、アルミニウ
ム酸化物の薄膜を成膜したり、アルミニウム酸化物を蒸
発させて、その薄膜を成膜した長尺のプラスチックフィ
ルムを40℃−80%RH等の高温多湿下に保存した
り、室温〜40℃の水に湿漬して水分を吸着した後、4
0〜80℃に加熱処理する。この結果薄膜の多孔質が水
酸化物により封孔され、ガスバリヤー性が向上すると考
えられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、酸化マ
グネシウム、酸化アルミニウム薄膜の多孔質の程度は蒸
発速度に依存しており、すなわち数〜百Å/Sと比較的
低速蒸発の時は、成膜中の水蒸気との反応、あるいは後
処理としての湿熱処理により、膜質の向上が可能であ
る。一方数百〜数万Å/Sという高速蒸発において得ら
れる薄膜の多孔質性は極端に大きくなり、上記の処理を
施しても実質上膜質向上は達成できず、結果として防食
性がなく、ガスバリアー性はもちろん、後加工としての
印刷適性、ラミネート適性の点で大きな問題を残してい
た。
【0005】そこで、本発明は、高速蒸発時にどうして
も避けられない金属酸化物薄膜の多孔質性を改良する蒸
着フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
【0006】この目的を達成するため、請求項1記載の
発明は、真空密閉系内で、加熱して気化した金属酸化物
を、少なくとも水蒸気を含むガスから成るプラズマ空間
を通過させた後、基材フィルムに付着させることを特徴
とする蒸着フィルムの製造方法を提供する。
【0007】また、請求項2記載の発明は、金属酸化物
が酸化マグネシウムであることを特徴とする上記製造方
法を提供する。
【0008】また、請求項3記載の発明は、帯状の基材
フィルムを走行させながら連続的に金属酸化物を付着さ
せることを特徴とする上記製造方法を提供する。
【0009】また、請求項4記載の発明は、金属酸化物
が酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化スズから
選ばれる2つ以上の混合物であることを特徴とする上記
製造方法を提供する。
【0010】本発明にかかる真空密閉系は10-3〜10
-6torr.程度の真空度が良く、周知の真空蒸着機に
備えられたポンプで排気することにより、その内部をこ
の真空度に維持できる。
【0011】本発明に係る基材フィルムは蒸着膜の支持
体であって、蒸着膜が透明であること、酸素、水蒸気遮
断性に優れたもので食品包装用材料として適しているも
のであることから、高分子フィルムが好適である。
【0012】例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリブテン等のポリオレフィン;ポリスチレン;ポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどのポリエステ
ル;ナイロン−6、ナイロン−11、芳香族ポリアミ
ド;ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニ
リデン;ポリフルオロエチレン等のフッ素樹脂;ポリイ
ミド等のフイルム、あるいはこれらを構成するモノマー
の共重合体または他のモノマーとの共重合体であっても
良い。
【0013】また、基材フィルムは、公知の添加剤、例
えば、帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色
剤等で含んであっても良い。
【0014】基材フィルムは、強度、寸法安定性、耐熱
性の点から延伸したフィルムが好ましいが、未延伸であ
っても使用できる。
【0015】基材フィルムの厚さに制限はないが、強度
の点から一般的に3〜400μmの厚さのフィルムが使
用できる。好ましくは6〜200μmの範囲である。
【0016】本発明における金属酸化物は、請求項2の
如く、酸化マグネシウム系または請求項4の如く、酸化
マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化スズから選ばれ
る2つ以上の混合物から成るものである。
【0017】不純物として酸化カルシウム、酸化珪素、
酸化鉄成分が2〜5重量%含んでいても良い。
【0018】本発明におけるプラズマは、少なくとも水
蒸気分子を含むガスから成るものであることが必要条件
である。任意のもので良く、例えば、アルゴン、キセノ
ン等の不活性ガス;酸素、窒素、二酸化炭素、空気等の
ガスをキャリヤーガスとして水蒸気を含むガスとするこ
とも可能である。本発明に於ける水蒸気分圧について
は、蒸発材料の種類、蒸発速度、蒸着膜厚等の成膜条件
の違いにより一定ではなく、最適化かつ必要であるが、
一例として酸化マグネシウムにおける3000Å/S〜
10000Å/Sのときは、1×10-8〜3×10
-6〔Torr〕/〔Å/S〕である。1×10-8以下で
あると、水蒸気分圧が低すぎるため、蒸発粒子と水蒸気
の反応が不十分であり、結果として、多孔質性膜の改良
ができなく、3×10-6以上になると、真空密閉系内の
圧力が高くなりすぎて、蒸着膜が形成できなくなるばか
りでなく、薄膜の水和物含量が多くなり、逆にバリアー
性が低下してしまう。系内の水蒸気量はキャリヤーガス
を一定の相対湿度のコントロールすることで制御でき
る。
【0019】上記、水蒸気を含むガスは、上述のように
10-5〜10-6torr.に排気された真空密閉系内の
圧力が1×10-4〜1×10-2torr.程度になるよ
うに導入することで系内の水蒸気分圧を調整する。
【0020】更に本発明は、先に述べた無機ガス以外
に、シリコーン系有機化合物が使用できる。例えば、シ
ロキサン;テトラメチルシラン、トリメチルエチルシラ
ン、ジメチルジエチルシラン等のテトラアルキルシラン
系;ジエチルアミノトリメチルシラン等のジアルキルア
ミノトリアルキルシラン系;ヘキサメチルジシラン、ヘ
キサエチルジシラン等のヘキサアルキルジシロキサン系
等いずれも使用可能である。
【0021】また、これら有機化合物と上述した不活性
及び活性キャリヤーガスを0.1:99.9〜99.
9:0.1(%)任意の条件で混合し、これをキャリヤ
ーガスとして用いても良いし、それぞれ別々に流量コン
トロールし、系内に導入してもかまわない。
【0022】上記ガスの励起用電極は、ステンレス、銅
等でできた線状のものをスパイラル状に形成したコイル
状アンテナ;板状のものを用いた平行平板電極等(図
6、707)、任意の形状のものがあるが使用可能であ
る。
【0023】すなわち、真空密閉系内に、高周波電源に
接続した電極と、ガス導入源に接続しこの電極近傍にプ
ラズマ発生用ガスを導入するガス導入管を配置し、ガス
導入管からガスを連続的に電極近傍に導入しながら、電
極に高周波電力を供給すれば良い。
【0024】高周波電源の周波数は商業用の周波数が用
いられ、すなわち13.56MHzのものである。供給
電力は電極形状、基材フィルムと電極の位置関係、成膜
条件等のパラメーターにより最適条件が異なるが、本発
明に於いては見かけのプラズマ空間で供給電力を除した
値が、0.16〜9.4w/cm3の範囲であり、好ま
しくは0.31〜4.7w/cm3 である。供給電力が
9.4w/cm3 以上になると、プラズマ内の電子温度
は上昇し、プラズマがより活性化する反面、基材フィル
ムへの熱負荷が大きくなったり、絶縁体である基材フィ
ルムの帯電性が大きくなったり、蒸着膜自体が逆に劣化
することもある。また0.16w/cm 3 以下であると
電力密度が低すぎて、膜質が十分に安定しない。
【0025】本発明は、上述した高周波プラズマによる
ものに限定したものでなく、少なくとも水蒸気分子を含
むガスを真空密閉内に導入して得られるプラズマ空間を
成膜プロセスに利用することに意味があるので、公知の
直流、交流及びこれらの組合せによる電力を任意の電極
に印加して得られるプラズマ空間であってもいっこうに
かまわない。当然の如く、プラズマ密度を向上させるた
めに、磁場を併用したタイプであっても良い。
【0026】気化した金属酸化物は、このプラズマが形
成された空間を通って基材フィルムに付着する。このた
め、金属酸化物の蒸着源は、コイル状、または平行平板
型電極の下方に位置する必要があり、基材フィルムは電
極上方に位置する必要がある。基材フィルムが帯状であ
る場合には、電極上方に冷却ロールを配置し基材フィル
ムをこの冷却ロールに抱かせながら走行させれば良い。
【0027】プラズマもしくは、プラズマ空間を通過し
て基材フィルムに付着する金属酸化物による基材フィル
ムの帯電を防止するため、冷却ロール表面の基材フィル
ムに接触する金属部材を設けてアースすることが望まし
い。
【0028】蒸着源に配置された金属酸化物を気化させ
るためには、この金属酸化物を任意の方法によって加熱
すれば良いが、一般に金属酸化物は高融点であるので、
電子線照射による加熱が望ましい。もっとも材料によっ
ては抵抗加熱によっても可能である。
【0029】本発明に係る蒸着フィルムは、具体的には
図1に示す装置を用いて製造することができる。図1は
本発明の製造装置の説明図である。
【0030】巻取室A中の構造を以下に説明する。基材
フィルム(1)は帯状のもので、巻き出しロール(1
1)から巻き出され、ダンサーロール(32)、制御ロ
ール(31)、エキスパンダーロール(33)を順次通
過後、冷却ロール(34)に抱かれながら走行し、再
度、エキスパンダーロール(33)、制御ロール(3
1)、ダンサーロール(32)をこの順に通過して巻き
取りロール(12)に巻き取られる。
【0031】次に蒸着室B中の構造を以下に説明する。
冷却ロール(34)下方には、金属酸化物(2)の蒸着
源(4)が配置され、電子銃加熱源50により加熱可能
となっている。冷却ロール(34)と蒸着源(4)と
は、その間コイル状アンテナ電極(701)を挟んで配
置されており、加熱により気化した金属酸化物(2)蒸
気は、コイル状アンテナ電極(701)近傍に形成され
るプラズマ空間を通過して、冷却ロール(34)表面に
到達する。
【0032】(53)はスキャナーシステムで、電子銃
(50)より発生した電子ビーム(501)を蒸着材料
表面へX−Y状二次元に走査させ、材料を均一加熱させ
るもので、互いに直交した電磁石により発生した磁場を
変化させることで、X−Yに走査できる。
【0033】更に(52)は制御システムで、上記(5
3)のスキャナーシステムにおける電気信号を制御する
もので、X,Y方向のそれぞれ走査周波数、滞在時間等
のパラメーターを制御するものである。
【0034】(200)は遮蔽板で、この遮蔽板の間の
位置で冷却ロール(34)は蒸着源(4)に露出してお
り、金属酸化物(2)が基材フィルム(1)表面に付着
する。
【0035】コイル状アンテナ電極(701)はマッチ
ングボックス(72)を介して高周波電源(71)に接
続しており、所定の高周波電力を供給することができ
る。
【0036】また、電極近傍には、プラズマ用ガス導入
管(5)の排出口が配置されている。一方、水蒸気を含
むガスは、マスフロコントローラー(6)を介してガス
導入管(51)に接続している。
【0037】この際、水蒸気とキャリヤーガスをそれぞ
別々のマスフロコントローラーを介して、ガス導入して
もよい。
【0038】なお、有機シロキサン化合物等の常温では
液体である蒸気圧の低いキャリヤーを用いる際は、一旦
気化させた後、導入する必要がある。(100)はこの
気化装置である。
【0039】上記水蒸気を含むキャリヤーガスを真空密
閉系内に導入する量は、蒸着室に設けられた真空計(3
00)で系内の真空度をモニターし、上記マスフロコン
トローラーにより安定した真空度が得られる様に制御す
ることができる。
【0040】この装置を用いて蒸着フィルムを作成する
には、まず装置内部を排気システム(7、7’)により
排気して、10-5〜10-6Torr.の真空状態とした
後、マスフロコントローラー(6)により流量を調節し
ながら水蒸気を含むプラズマ用ガスを導入管(5)から
導入し、同時にコイル状電極に高周波電極を供給してプ
ラズマを発生させ、基材フィルム(1)を所定の速度で
走行させながら、蒸着源(4)を加熱して、金属酸化物
(2)を気化させれば良い。蒸発速度は公知の方法によ
る、たとえば水晶式膜厚モニター等を用いてモニター可
能である。
【0041】このようにして得られた蒸着膜は請求項2
については、MgO、Mg(OH)x(x:1〜2)の
混合物であり、多孔質部をMg(OH)2 が封孔した構
造となり、緻密化する。請求項4についても同様で、多
孔質部をAl(OH)x(x:1〜3)、Mg(OH)
x(x:1〜2)、SnOx(x:1〜2)等の水酸化
物が封孔することで緻密化する。
【0042】
【作用】請求項1〜4記載いずれの発明によっても、水
蒸気を含む反応性の高いプラズマを成膜に利用している
ので、基材フィルム表面に、金属酸化物と同一金属水酸
化物の混合物から成る薄膜が高速蒸発においても形成で
きる。
【0043】また、この混合物薄膜は、走行する基材フ
ィルムに、走行するに従って順次形成されるため、均一
で安定した物性の金属酸化物と金属水酸化物の混合物か
ら成る薄膜の成膜が可能となる。得られた薄膜は、高速
蒸発による多孔質の構造を有する金属酸化物の微細孔
や、クラック等の膜欠陥を水酸化物が封じたり、補う構
造を有する緻密な薄膜となる。
【0044】<実施例1> (A)装置─図1の装置。 (B)排気による初期圧力─5×10-6torr.。
【0045】(C)基材フィルム。 (a)材質─二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィ
ルム。 (b)厚み─12μm。 (c)幅──500mm。 (d)長さ─2000m。
【0046】(D)冷却ロール温度─約−20℃。
【0047】(E)蒸着源。 (a)冷却ロールとの距離─300mm。 (b)金属酸化物─電融マグネシア(タテホ化学(株)
社製99.5NSSP#1)。 (c)加熱源─電子銃(加速電圧30kV、エミッショ
ン電流1.0A)。
【0048】(F)コイル状アンテナの電力─13.5
6MHz、1kW。
【0049】(G)プラズマ用ガス。 (a)組成─80%RHの空気 (b)流量─装置内が1.1×10-4torr.となる
様、マスクロコントローラーで調整。
【0050】以上の条件で、蒸着膜の蒸着速度が500
0Å/sとし、基材フィルムを1.6m/sの速度で走
行させ、蒸着膜を連続的にコーティングした。得られた
蒸着膜の厚みを測定したところ620Åであった。
【0051】この蒸着フィルムを、長さ方向に約50m
置きにサンプリングし、X線光電子分光法(ESCA)
でMgOとMg(OH)2 の割合を分析したグラフを図
2に示す。
【0052】同様に酸素透過率をMOCON社製MOC
ON OX−TRAN−10/50Aにより測定した結
果をグラフを図3に示す。
【0053】<比較例1>80%RHの空気を導入した
がプラズマを発生させず、他は実施例1と同様な条件で
成膜した。
【0054】図2のように薄膜中の水酸化物の比率が加
工時間とともに一定でなく、不安定であり、図3のよう
にそれに伴い酸素透過率も1〜4cc/m2 day.a
tmとバラツキが大きかった。
【0055】<比較例2>乾燥剤を封入した乾燥管を通
した乾燥空気を導入し、他は実施例1と同様な条件で成
長した。図2のように、薄膜中の水酸化物の比率は加工
時間とともに、減少していき、それに伴い図3のように
酸素透過率は1から5cc/m2 day.atm増加
し、安定してなかった。
【0056】<実施例2〜4>プラズマ用キャリヤーガ
スにそれぞれ酸素、窒素、アルゴンを用い、相対湿度が
90%RHになるようにキャリヤーガスを系内に導入し
た。他は実施例1と同条件。
【0057】図4のように加工はじめから2000mま
で、酸素透過率がそれぞれ0.9、1.1、1.5、c
c/m2 day.atmと近い値を示し、かつ加工距離
に対するバラツキが極めて小さく、良好なものが得られ
た。以上の結果を表1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】1)50m部と500m部、500m部と
1500m部、それぞれの水酸化物含有率の差(%)。 2)50m部と500m部、500m部と1500m
部、それぞれの酸素透過率の差(cc/m2 /day/
atm)。
【0060】<実施例5〜6>蒸着材料としてそれぞれ
MgO(Aとする)とAl2 3 (Bとする)、MgO
(Aとする)とSnO2 (Cとする)の成形物を1つの
蒸着源に交互に配置し(図5参照)、図6の様な平行平
板型電極を用いた装置で、実施例1と同様な条件で成膜
した。50mおきにサンプリングし、酸素透過率を測定
した。
【0061】<比較例3〜6>実施例5〜6と同様な材
料を用いて(比較例1、2)と同様に、80%RH空気
及び乾燥空気をキャリヤーガスに用いて成膜した。実施
例5〜6、比較例3〜6の結果を表2に示す。
【0062】
【表2】
【0063】実施例5〜6のものは、流れ方向3ヵ所に
おける酸素透過率の値が比較例のものに比べ小さく、か
つ、流れ方向のバラツキが小さく、安定性が高いことが
わかった。
【0064】
【発明の効果】上記のように、本発明によれば、酸化マ
グネシウム、酸化アルミニウム等の高速蒸発による多孔
質性薄膜であっても、成膜時に特定の水蒸気を有するガ
ス系から成る活性な酸素、水素ラジカル、イオンを含む
プラズマ空間を形成、利用することで蒸発粒子との水酸
化反応を高め、薄膜構成として、水酸化物の含有率をコ
ントロールすることで得られる薄膜のバリヤー性が向上
する。これは構造が緻密化され、結果として、均一、安
定蒸着膜が得られると考えられる。
【0065】更にこのような蒸着膜は、ラミネート、印
刷をすることで、包装材料はじめ、幅広い分野への実用
化が可能となる。
【0066】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る製造装置の説明図である。
【図2】蒸着フィルムの長さとMgOとMg(OH)2
の割合を分析したグラフ図である。
【図3】蒸着フィルムの長さと酸素透過率を測定したグ
ラフ図である。
【図4】蒸着フィルムの長さと酸素透過率を測定したグ
ラフ図である。
【図5】蒸着源中の蒸着材料の配置を示す説明図であ
る。
【図6】本発明に係る製造装置の主要部の説明図であ
る。
【符号の説明】
1 基材フィルム 2 金属酸化物 4 蒸着源

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空密閉系内で、加熱気化した金属酸化物
    を、少なくとも水蒸気を含むガスから成るプラズマ空間
    を通過させた後、基材フィルムに付着させることを特徴
    とする蒸着フィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】金属酸化物が酸化マグネシウムであること
    を特徴とする請求項1記載の蒸着フィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】帯状の基材フィルムを走行させながら、連
    続的に金属酸化物を付着させることを特徴とする請求項
    1または2記載の蒸着フィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】金属酸化物が酸化マグネシウム、酸化アル
    ミニウム、酸化スズから選ばれる2つ以上の混合物であ
    ることを特徴とする請求項1記載の蒸着フィルムの製造
    方法。
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