JPH11502282A - 燃料噴射装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、従来多数の構成部分より構成されていた、種々異なる部材より成る１つの大きい集合体を特徴としている。この場合、燃料噴射装置は、少なくとも１つの燃料噴射弁（１）と、少なくとも１つの吸気管（３）と燃料噴射通路（３０）を有しており、これらはすべて１つのプラスチック射出成形部（２５）によって取り囲まれている。燃料噴射弁（１）を、プラスチックより成る１つの吸気管装置に完全に組み込んで統合したことによって、電気的なインターフェイスも液圧的なインターフェイスも減少若しくは避けられる。従って、内燃機関のシリンダヘッドに非常に簡単に固定することができる、１つのコンパクトな構成部だけが存在することになる。同様に、燃料噴射弁（１）を電気的に接触させるための手段例えば接続プラグ（２６）はプラスチック射出成形部（２５）内に完全に組み込まれる。この燃料噴射装置は特に、混合気圧縮外部点火式の内燃機関に使用するのに適している。

Description

【発明の詳細な説明】 燃料噴射装置 技術分野 本発明は、請求項１の上位概念に記載した燃料噴射装置から出発している。ヨ ーロッパ特許第０１３９１２２号明細書によれば、内燃機関のシリンダヘッドに 組み付け可能である燃料噴射装置について既に公知である。この燃料噴射装置は 、多数の吸気ラインを有しており、これらの吸気ラインは、固体伝送音を絶縁す る弾性的な接続管部材内に開口している。この接続管部材は、フランジを備えて シリンダヘッド側に構成されており、この接続管によってシリンダヘッドに対す る堅固な接続が実現されている。有利にはエラストマープラスチックより製造さ れた弾性的な接続管部材は、部分的に吸気導管を受容し、しかもな燃料噴射弁の ためのスリーブ状の受容部を有している。この受容部は、接続管部材と一体的に 構成されていて、組み立てた状態で燃料噴射弁をそのほぼ全長に亙って取り囲ん でいる。燃料噴射装置は、多数の部分より構成されており、この場合完全な燃料 噴射弁が受容部内に組み込まれており、これによってこの受容部は、燃料噴射弁 のための保持装置を形成している。この場合、受容部は、燃料噴射弁の外側輪郭 部が、充分に形くずれしな いように構成されている。 ヨーロッパ特許公開第０５０１６１２号明細書によれば、多数の吸気管を有し 、これらの吸気管がその端部でフランジを備えていて、これらのフランジによっ て吸気管が互いに結合されている、燃料噴射装置が公知である。吸気管は、アル ミニウム又はプラスチックより成っていて、その本来の流過通路の他に、燃料噴 射弁のための収容領域を有している。この収容領域は、それぞれ１つの燃料噴射 弁を、半径方向で充分な間隔を保って取り囲んでいる。何故ならば例えば燃料は 、前記収容領域を介して、いわゆるサイドフィード型噴射弁（Side-Feed-Einspr itzventil）として構成された燃料噴射弁に供給されるからである。燃料噴射弁 は、まず完全に組み立てられた状態で、前記収容領域内に挿入される。収容領域 内における燃料噴射弁のシールは、少なくとも２つのシールリングによって行わ なければならない。 発明の利点 これに対して、請求項１の特徴部を有する本発明による燃料噴射装置は、簡単 な形式で明らかなコストの低減が得られる。燃料噴射装置の種々異なる構成部材 が最大限まとめられていることによって、コストの低減が達成される。プラスチ ックより製造された吸気管若しくは吸気分配装置に、噴射弁を完全に組み込んで 統合したことによって、燃料噴射装置の電気的なイン ターフェイスも液圧的なインターフェイスも減少されるか若しくは完全に避けら れる。しかも、接続部材及びシール部材を有利な形式で省略したことによって、 構成部材及びひいては材料をさらに節約することができる。完全な統合によって 得られた多数の利点を以下に短くまとめる。 −燃料噴射弁における本来のプラスチック射出成形部の省略 −燃料を供給するための構成部材（燃料分配装置）の省略 −多数の接続部材（固定リング、ねじ及びその他）の省略 −種々異なるシール部材（Ｏリング）の省略 −一体性に基づいて、多数の組立過程の省略 請求項２以下に記載した手段によって、請求項１に記載した燃料噴射装置の有 利な改良が可能である。 燃料噴射弁を共通に電気的に接触させるための電気導線を、燃料噴射弁の燃料 供給を行う燃料分配装置内に組み込むように構成すれば、特に有利である。燃料 噴射装置を外部に対して電気的に接続するためには、１つのセンタリングプラグ を設けるだけで充分である。 図面 図面には本発明の実施例が概略的に示されていて、以下に詳しく説明されてい る。図１には、本発明によ る燃料噴射装置の部分断面図が示されていて、図２には、個別のプラグを有する 燃料噴射装置が示されていて、図３にはセンタリングプラグを有する燃料噴射装 置が示されている。 実施例の説明 図１には、特に少なくとも１つの燃料噴射弁１を有する燃料噴射装置が示され ており、この燃料噴射装置は、特に混合気圧縮外部点火式内燃機関の燃料噴射装 置の一部として使用される。図１には、個別の吸気管として構成された吸気管３ と連絡する１つの燃料噴射弁だけが示されており、この燃料噴射弁は、内燃機関 の図示していない燃焼室に通じている。この燃料噴射装置は原則として、例えば 内燃機関の各燃焼室に１つの燃料噴射弁１が配属されているＭＰＩ（Multi-Poin t-Injection）のために設けられている。４つの燃焼室（４シリンダ−エンジン ）を備えた内燃機関においては例えば、燃料噴射装置で４つの吸気管３が燃焼室 の方向に延びており、この場合、各燃料噴射弁１は吸気管３に開口している。例 えば円形横断面を有する吸気管３を介して、吸込み空気若しくは戻し案内された 排ガスは、矢印で示された方向で内燃機関のために準備され、この場合空気量の 制御は、図示していない絞り機構を介して、燃料噴射弁１の開口部の上流で吸気 管３内で行われる。 本発明による燃料噴射装置に使用するための燃料噴 射弁１としては、例えばいわゆるトップフィード型（Top-Feed）噴射弁が適して いる。このトップフィード型噴射弁においては、燃料供給は、吸気管とは反対側 の端部を介して行われる。概略的に例示された燃料噴射弁１の詳細のついての説 明は省略されている。何故ならばこのような燃料噴射弁は例えばドイツ連邦共和 国特許出願公開第４３２５８４２号明細書に既に開示されていて、公知だからで ある。この公知の燃料噴射弁と本発明による燃料噴射弁との相違点は、プラスチ ック射出成形部の領域にある。公知の噴射弁の別の構造形式のものも、同様に燃 料噴射装置に使用することができる。 燃料噴射弁１の操作は、公知の形式で例えば電磁石式に行われる。従って燃料 噴射弁１は、特に磁石コイル５と、燃料インレットスリーブ及び内極として使用 されるコア６と、可動子７とを備えた電磁石式の回路を有している。磁石コイル ５の下流には、弁座支持体８が延びている。この弁座支持体８は、燃料噴射弁１ のケーシングの一部を形成している。管状の弁座支持体８内には、弁ニードル９ が配置されており、この弁ニードル９は、その上流側の端部で可動子７に堅固に 結合されていて、下流側の端部で弁閉鎖体１０に堅固に結合されている。弁ニー ドル９を軸方向で移動させて、これによって戻しばね１１のばね力に抗して噴射 弁を開放若しくは閉鎖させるために、電磁石回路が使 用される。コア６とは反対側の、弁座支持体８の端部には、弁座体１２が気密に 取り付けられており、この弁座体１２は、定置の弁座を有していて、この定置の 弁座は弁閉鎖体１０と協働する。 噴射しようとする燃料は、例えば鉢状の噴射孔付き円板１４を介して調量され る。この噴射孔付き円板１４は、弁座体１２に堅固に結合されていて、少なくと も１つ例えば４つの、浸食若しくは打ち抜き成形によって成形された噴射開口を 有している。弁座支持体８の直接下流側の端部には例えば保護キャップ１５が配 置されている。磁石コイル５は、少なくとも１つ例えばＵ字形部材として構成さ れ強磁性エレメントとして使用されるガイド部材１６によって取り囲まれている 。このガイド部材１６は、磁石コイル５を周方向で少なくとも部分的に取り囲ん でいて、その両端部がコア６に若しくは弁座支持体８に当接していて、これらに 堅固に結合されている。コア６の流過孔１８内に例えば、詰まりの原因となる燃 料成分を濾過するための燃料フィルタ１９、及び戻しばね１１のばね負荷を調節 するための調節スリーブ２０が設けられている。 燃料噴射弁１は、従来公知のように、燃料噴射装置の収容部内に組み込み可能 な構成部としてのプラスチック射出成形部を備えているのではなく、燃料噴射装 置内に本発明に従って直接組み込まれている。燃料噴射弁１は、燃料噴射弁１の 小さい下流側の領域以外は 、プラスチックによって完全に取り囲まれている。この場合、プラスチック射出 成形部２５は、吸気管３と一体的に、コンパクトな燃料噴射装置として構成され ていて、プラスチック射出成形プロセスでも製造することができる。このプラス チック射出成形部２５には、例えば、各燃料噴射弁１のために設けられた、一緒 に射出成形された電気的な接続プラグ２６も配属されている。 しかも燃料分配装置２８も燃料噴射装置内に直接設けられており、この燃料噴 射装置は、燃料噴射弁１のプラスチック射出成形部２５の手前に直接一緒に成形 されている。この場合、射出成形時には、射出成形工具内で、燃料噴射弁１の流 入側端部の直接上側に、燃料噴射弁１の弁縦軸線２９に対して横方向に延びる射 出成形コア（中子）が設けられている。このコアを通して、離型後に、燃料噴射 弁１のための燃料供給通路３０がプラスチック射出成形部２５内に形成される。 この、各流過孔１８に向かって開放する燃料供給通路３０は、例えば円形の横断 面を有しており、この場合、燃料供給通路３０の壁部を形成する、十分に一定な 壁厚を有する壁部が設けられる。燃料噴射弁１の軸方向で見て、プラスチック射 出成形部２５は、組み付けの要求に応じて、種々異なる壁厚を有して構成するこ とができる。 燃料噴射弁１を射出成形するために、この燃料噴射 弁１はあらかじめ調節されて提供される。この際に、弁座支持体８内における弁 座体１２の侵入深さは、弁ニードル９のストロークの大きさを規定する。磁石コ イル５が励磁されていない状態で弁ニードル９の一方の終端位置は、弁閉鎖体１ ０が弁座体１２の弁座に当接することによって規定されていて、弁ニードル９の 他方の終端位置は、磁石コイル５が励磁された状態で、可動子７がコア６に当接 することによって得られる。弁ニードル９で支えられた戻しばね１１のばねプレ ロードは、前述のように、調節スリーブ２０によって調節される。燃料供給通路 ３０に対する磁石コイル５のシールは、例えば、燃料分配装置２８付近でコア６ の外周部に設けられた環状に延びるリング状の多数のリブ３２を介して得られる 。これら多数のシール３２はいわゆるラビリンスシールを形成している。他方で は、コア６の外周部に配置された一般的なシールリングを射出成形時に一緒に埋 め込んでもよい。 プラスチックを節約するために、燃料噴射弁１の下流側の領域２４は露出して 構成されている。つまり、弁座体８はプラスチックによって取り囲まれていない 。むしろこの領域２４は、吸気管３の側方開口３３内に突入しており、この側方 開口３３は例えば円形横断面を有している。燃料噴射弁１はこの場合例えば、噴 射しようとする燃料が、内燃機関のシリンダヘッド内の、図示していない吸込み 弁にほぼ直接向けられるよ うに、整列されている。燃料噴射弁１を延長して構成し、これによって側方開口 ３３を完全に貫き通すようにすることも考えられる。この場合には、燃料噴射弁 １の噴射端部は、破線で示されているように吸気管３内に達する。 図２及び図３には、内燃機関のシリンダヘッドに固定するためのコンパクトな 構成部として構成された燃料噴射装置の概略的な実施例が示されている。吸気管 ３は、例えば多数の開口３８を有している固定フランジ３７で終わっている。こ れらの開口３８内に、燃料噴装置をシリンダヘッドに接続するための固定手段を 導入することができる。各燃料噴射弁１は、図２に示した実施例では、互いに別 個に接触されている。つまり各燃料噴射弁１は固有の接続プラグ２６を有してお り、この接続プラグ２６は、例えば図１に示された形状を有していてよい。吸気 管３は、いわゆる振動管として少なくとも前記燃料噴射装置内で別個に延びてい て、一緒に吸気管装置を形成している。燃料分配装置２８は、その内側の燃料供 給通路３０がすべての燃料噴射弁１に沿って延びているので、すべての燃料噴射 弁１に同時に燃料供給することが可能である。燃料分配装置２８はその一方の端 部で接続部材４０を有している。この場合、この接続部材４０は例えばスリーブ の形状に構成されており、このスリーブに、図示していない燃料供給チューブを 固定することができるか、 又はこのスリーブをいわゆる“クイックコネクタ;quick connector”として構成 し、これによってバヨネット状の高速結合が得られる。 図３には燃料噴射装置の実施例が示されており、この燃料噴射装置においては 、接触レール４１を介して各燃料噴射弁１の電気的な接触が得られる。これらの 接触レール４１は、すべての燃料噴射弁１を互いに結合する。これらの接触レー ル４１は、燃料噴射装置を射出成形する際に直接一緒に設けられ、これによって プラスチックによって完全に埋め込むことができる。これらの接触レール４１は 、接触端部でセンタリングプラグ４２を有しており、このセンタリングプラグ４ ２は、例えば接触しようとする燃料噴射弁１が４つある場合に、５極式に構成さ れている。接触レール４１に設けられた電気導線４３の数は、各燃料噴射弁１毎 に、センタリングプラグ４２から少なくとも最も離れて位置する燃料噴射弁１ま で、１つづつ少なくなっており、この最も離れて位置する燃料噴射弁１にはまだ ２つの電気導線４３が通じている。接触レール４１と燃料分配装置２８とは、図 ３には実寸通りに示されてはおらず、必ずしも別個に並んで若しくは上下に延び る必要はない。むしろ、電気導線４３は直接的に燃料分配装置２８に若しくは燃 料分配装置２８内に組み込む必要があるので、燃料噴射弁１に対して横方向に延 びる１つの燃料接続部材だけが設けられている。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 トーマス グレゴリウス ドイツ連邦共和国 Ｄ−71723 グロース ボットヴァール ヴェンデンシュトラーセ 23 (72)発明者 トーマス ネーガー ドイツ連邦共和国 Ｄ−77654 オッフェ ンブルク オルテンベルガーシュトラーセ 74 (72)発明者 トーマス ラフ ドイツ連邦共和国 Ｄ−71636 ルートヴ ィヒスブルク エンツシュトラーセ 16 (72)発明者 アルベルト シュターケ ドイツ連邦共和国 Ｄ−71711 ムル ガ ルテンシュトラーセ ５

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．内燃機関用の燃料噴射装置であって、少なくとも１つの吸気管と少なくと も１つの燃料噴射弁とを備えており、該燃料噴射弁が、プラスチック射出成形部 （２５）によって取り囲まれている形式のものにおいて、 前記プラスチック射出成形部（２５）と同じプラスチック射出成形部（２５） が、少なくとも１つの燃料噴射弁（１）のための燃料供給通路（３０）も取り囲 んでいて、少なくとも１つの吸気管（３）の壁部が、前記プラスチック射出成形 部（２５）から一体的に突き出ていることを特徴とする、燃料噴射装置。 ２．プラスチック射出成形部（２５）が、固定舌片（３７）を有しており、該 固定舌片（３７）で、燃料噴射装置が内燃機関のシリンダヘッドに固定可能であ って、前記固定舌片（３７）で少なくとも１つの吸気管（３）が終わっている、 請求項１記載の燃料噴射装置。 ３．少なくとも２つの燃料噴射弁（１）が設けられていて、これらの燃料噴射 弁（１）にそれぞれ１つの吸気管（３）が配属されていて、各吸気管（３）が別 の吸気管（３）から離れて構成されている、請求項１又は２記載の燃料噴射装置 。 ４．少なくとも２つの燃料噴射弁（１）の弁縦軸線 （２９）に対して横方向に燃料供給通路（３０）が延びており、該燃料供給通路 （３０）が、この燃料供給通路（３０）を取り囲むプラスチックによって燃料分 配装置（２８）を形成しており、該燃料分配装置（２８）が、燃料噴射弁（１） のプラスチック射出成形部（２５）から直接突き出ている、請求項３記載の燃料 噴射装置。 ５．各燃料噴射弁（１）が、電気的な接触を得るために、プラスチック射出成 形部（２５）と一体的に構成された接続プラグ（２６）を有している、請求項１ 記載の燃料噴射装置。 ６．燃料噴射弁（１）が、接触レール（４１）の電気導線（４３）と接続され ていて、電気導線（４３）を介して、燃料噴射弁（１）の電気的な接触が得られ るようになっていて、接触レール（４１）が同様にプラスチック射出成形部（２ ５）から一体的に突き出ていて、センタリングプラグ（４２）で終わっている、 請求項１記載の燃料噴射装置。 ７．電気導線（４３）が、燃料分配装置（２８）内に組み込まれている、請求 項６記載の燃料噴射装置。 ８．少なくとも１つの燃料噴射弁（１）が、燃料インレットスリーブ及び内極 として使用されるコア（６）を有していて、該コア（６）が、燃料供給通路（３ ０）に向けられた、燃料噴射弁（１）の流入側の端部を形成しており、コア（６ ）がその外周部で、プラス チック射出成形部（２５）によって取り囲まれた、環状に延びるリブ（３２）を 有している、請求項１記載の燃料噴射装置。 ９．燃料噴射弁（１）の流出側の端部を形成する、燃料噴射弁（１）の吸気管 （３）に向けられた領域（２４）が、プラスチックによって直接取り囲まれてお らず、吸気管（３）の側方開口（３３）内に達している、請求項１記載の燃料噴 射装置。