JPH1150224A - 溶融Zn基めっき鋼板 - Google Patents
溶融Zn基めっき鋼板Info
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- JPH1150224A JPH1150224A JP1834298A JP1834298A JPH1150224A JP H1150224 A JPH1150224 A JP H1150224A JP 1834298 A JP1834298 A JP 1834298A JP 1834298 A JP1834298 A JP 1834298A JP H1150224 A JPH1150224 A JP H1150224A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 溶融Zn−Al−Mg系めっき特有の「たれ
模様」の発生を回避して耐食性および表面外観の良好な
溶融Zn−Al−Mgめっき鋼板を得る。 【解決手段】 重量%で,Al:4.0〜10%,M
g:1.0〜4.0%,Be:0.001〜0.05%,場
合によってはさらにTi:0.002〜0.1%,B:
0.001〜0.045%,残部がZnおよび不可避的不
純物からなる溶融Zn−Al−Mg系めっきを鋼板表面
に施してなる溶融Zn基めっき鋼板。
模様」の発生を回避して耐食性および表面外観の良好な
溶融Zn−Al−Mgめっき鋼板を得る。 【解決手段】 重量%で,Al:4.0〜10%,M
g:1.0〜4.0%,Be:0.001〜0.05%,場
合によってはさらにTi:0.002〜0.1%,B:
0.001〜0.045%,残部がZnおよび不可避的不
純物からなる溶融Zn−Al−Mg系めっきを鋼板表面
に施してなる溶融Zn基めっき鋼板。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,耐食性と表面外観
の良好な溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板に関する。
の良好な溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】Zn中にAlとMgを適量含有させため
っき浴を用いた溶融Zn−Al−Mgめっき鋼板は耐食
性に優れるので,従来より種々の開発研究が進められて
きた。しかし,現在のところ工業製品としての商業的成
功例を見ない。
っき浴を用いた溶融Zn−Al−Mgめっき鋼板は耐食
性に優れるので,従来より種々の開発研究が進められて
きた。しかし,現在のところ工業製品としての商業的成
功例を見ない。
【0003】例えば米国特許第3,505,043 号明細書にお
いてAl:3〜17重量%,Mg:1〜5%重量%,残
部がZnからなる溶融めっき浴を用いた耐食性に優れた
溶融Zn−Al−Mgめっき鋼板が提案されて以来,こ
の種の基本浴組成に対して各種の添加元素を配合したり
製造条件を規制することにより,一層の耐食性や製造性
を改善する提案が特公昭64−8702号公報,特公昭
64−11112号公報,特開平8−60324号公
報,特開平8−35049号公報等になされている。
いてAl:3〜17重量%,Mg:1〜5%重量%,残
部がZnからなる溶融めっき浴を用いた耐食性に優れた
溶融Zn−Al−Mgめっき鋼板が提案されて以来,こ
の種の基本浴組成に対して各種の添加元素を配合したり
製造条件を規制することにより,一層の耐食性や製造性
を改善する提案が特公昭64−8702号公報,特公昭
64−11112号公報,特開平8−60324号公
報,特開平8−35049号公報等になされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かような溶融Zn−A
l−Mg系めっき鋼板の工業的な製造にあたっては,得
られる溶融めっき鋼板が優れた耐食性を有することはも
とより,表面外観が良好な帯成品を製造性よく連続生産
できることが必要である。ところが,この系統のめっき
浴に対し,鋼帯を連続的に浸漬し,浴から引き上げてワ
イピング(通常はガス吹付け)するという通常の溶融め
っき技術を適用すると,板表面に「たれ」が不均一に発
生するという現象が起きる。すなわち,めっき表面に板
の幅方向に延びる線状の模様が縞状となって間隔をあけ
て発生する。この板幅方向の線状の縞模様を本明細書で
は「たれ模様」と呼ぶ。このたれ模様が発生すると,製
品の表面外観を著しく悪くする。
l−Mg系めっき鋼板の工業的な製造にあたっては,得
られる溶融めっき鋼板が優れた耐食性を有することはも
とより,表面外観が良好な帯成品を製造性よく連続生産
できることが必要である。ところが,この系統のめっき
浴に対し,鋼帯を連続的に浸漬し,浴から引き上げてワ
イピング(通常はガス吹付け)するという通常の溶融め
っき技術を適用すると,板表面に「たれ」が不均一に発
生するという現象が起きる。すなわち,めっき表面に板
の幅方向に延びる線状の模様が縞状となって間隔をあけ
て発生する。この板幅方向の線状の縞模様を本明細書で
は「たれ模様」と呼ぶ。このたれ模様が発生すると,製
品の表面外観を著しく悪くする。
【0005】これは,浴から引き上げられた鋼帯表面の
めっき層には,その溶融状態でMg系の酸化皮膜が生成
し,これによって,めっき金属の均一なたれを阻害する
からであろうと本発明者らは考えている。
めっき層には,その溶融状態でMg系の酸化皮膜が生成
し,これによって,めっき金属の均一なたれを阻害する
からであろうと本発明者らは考えている。
【0006】本発明は,この溶融Zn−Al−Mg系め
っき特有の「たれ模様」の発生を回避することを課題と
したものである。前記の公報類には,この「たれ模様」
の発生を回避する手段について,何ら示されていない。
っき特有の「たれ模様」の発生を回避することを課題と
したものである。前記の公報類には,この「たれ模様」
の発生を回避する手段について,何ら示されていない。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは,溶融Zn
−Al−Mg系めっき特有の「たれ模様」の発生は,当
該めっき浴に適量のBeを添加すれば回避できることを
見い出した。すなわち本発明によれば,重量%でAl:
4.0〜10%,Mg:1.0〜4.0%,Be:0.00
1〜0.05%,残部がZnおよび不可避的不純物から
なる溶融Zn−Al−Mg系めっきを鋼板表面に施して
なる,耐食性および表面外観の優れた溶融Zn基めっき
鋼板を提供する。
−Al−Mg系めっき特有の「たれ模様」の発生は,当
該めっき浴に適量のBeを添加すれば回避できることを
見い出した。すなわち本発明によれば,重量%でAl:
4.0〜10%,Mg:1.0〜4.0%,Be:0.00
1〜0.05%,残部がZnおよび不可避的不純物から
なる溶融Zn−Al−Mg系めっきを鋼板表面に施して
なる,耐食性および表面外観の優れた溶融Zn基めっき
鋼板を提供する。
【0008】また,本発明によれば,重量%で,Al:
4.0〜10%,Mg:1.0〜4.0%,Ti:0.00
2〜0.1%,B:0.001〜0.045%,Be:0.
001〜0.05%,残部がZnおよび不可避的不純物
からなる溶融Zn−Al−Mg系めっきを鋼板表面に施
してなる,耐食性および表面外観の優れた溶融Zn基め
っき鋼板を提供する。
4.0〜10%,Mg:1.0〜4.0%,Ti:0.00
2〜0.1%,B:0.001〜0.045%,Be:0.
001〜0.05%,残部がZnおよび不可避的不純物
からなる溶融Zn−Al−Mg系めっきを鋼板表面に施
してなる,耐食性および表面外観の優れた溶融Zn基め
っき鋼板を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は,通常の溶融亜鉛めっき
鋼板の製造の場合と同様に,連続溶融めっきラインに鋼
帯を通板して溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板を製造
することを意図し,その基本浴組成としては,Al:
4.0〜10重量%,Mg:1.0〜4.0重量%,残部
がZnおよび不可避的不純物からなるものを使用し,こ
れに適量のBeを添加することにより,たれ模様を回避
したものである。
鋼板の製造の場合と同様に,連続溶融めっきラインに鋼
帯を通板して溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板を製造
することを意図し,その基本浴組成としては,Al:
4.0〜10重量%,Mg:1.0〜4.0重量%,残部
がZnおよび不可避的不純物からなるものを使用し,こ
れに適量のBeを添加することにより,たれ模様を回避
したものである。
【0010】先ず基本浴組成について説明する。先に特
願平8−352467号において,Al:4.0〜10
重量%,Mg:1.0〜4.0重量%,残部がZnおよび
不可避的不純物からなる溶融Zn−Al−Mgめっき層
を鋼板表面に形成した溶融Zn基めっき鋼板であって,
当該めっき層の金属組織を,〔Al/Zn/Zn2Mg
の三元共晶組織〕の素地中に〔初晶Al相〕更には〔Z
n単相〕が混在した組織とすることによって耐食性と表
面外観を向上させた溶融Zn−Al−Mgめっき鋼板を
提案したが,この先願発明の基本浴組成をそのまま本願
発明でも適用する。また先願発明の特殊な金属組織をも
つ溶融Zn基めっき鋼板および該金属組織を晶出させる
ための方法を本願発明でも適用できる。
願平8−352467号において,Al:4.0〜10
重量%,Mg:1.0〜4.0重量%,残部がZnおよび
不可避的不純物からなる溶融Zn−Al−Mgめっき層
を鋼板表面に形成した溶融Zn基めっき鋼板であって,
当該めっき層の金属組織を,〔Al/Zn/Zn2Mg
の三元共晶組織〕の素地中に〔初晶Al相〕更には〔Z
n単相〕が混在した組織とすることによって耐食性と表
面外観を向上させた溶融Zn−Al−Mgめっき鋼板を
提案したが,この先願発明の基本浴組成をそのまま本願
発明でも適用する。また先願発明の特殊な金属組織をも
つ溶融Zn基めっき鋼板および該金属組織を晶出させる
ための方法を本願発明でも適用できる。
【0011】基本浴組成のうち,Al成分は当該めっき
鋼板の耐食性の向上および当該めっき浴のドロス発生を
抑制する作用を供する。Al含有量が4.0重量%未満
では耐食性向上効果が十分ではなく,またMg酸化物系
のドロス発生を抑制する効果も低いので,4.0重量%
以上,好ましくは5.0重量%を超えるAlを含有させ
る。他方,Al含有量が10重量%を越えると,めっき
層と母材鋼板との界面でFe−Al合金層の成長が著し
くなり,めっき密着性が悪くなる。好ましいAl含有量
は5.0超え〜10重量%,更に好ましいAl含有量は
5.0超え〜8.5重量%,一層好ましいAl含有量は
5.0超え〜7.0重量%である。
鋼板の耐食性の向上および当該めっき浴のドロス発生を
抑制する作用を供する。Al含有量が4.0重量%未満
では耐食性向上効果が十分ではなく,またMg酸化物系
のドロス発生を抑制する効果も低いので,4.0重量%
以上,好ましくは5.0重量%を超えるAlを含有させ
る。他方,Al含有量が10重量%を越えると,めっき
層と母材鋼板との界面でFe−Al合金層の成長が著し
くなり,めっき密着性が悪くなる。好ましいAl含有量
は5.0超え〜10重量%,更に好ましいAl含有量は
5.0超え〜8.5重量%,一層好ましいAl含有量は
5.0超え〜7.0重量%である。
【0012】基本浴組成のうち,Mg成分は,めっき層
表面に均一な腐食生成物を生成させて当該めっき鋼板の
耐食性を著しく高める作用を供する。Mg含有量が1.
0重量%未満ではかような腐食生成物を均一に生成させ
る作用が十分ではなく,他方Mg含有量が4.0重量%
を越えてもMgによる耐食性向上効果は飽和し,かえっ
てMg酸化物系のドロスが発生しやすくなるので,Mg
含有量は1.0〜4.0重量%とする。好ましいMg含有
量は1.5〜4.0重量%,さらに好ましいMg含有量は
2.0〜3.5重量%,一層好ましいMg含有量は2.5
〜3.5重量%である。
表面に均一な腐食生成物を生成させて当該めっき鋼板の
耐食性を著しく高める作用を供する。Mg含有量が1.
0重量%未満ではかような腐食生成物を均一に生成させ
る作用が十分ではなく,他方Mg含有量が4.0重量%
を越えてもMgによる耐食性向上効果は飽和し,かえっ
てMg酸化物系のドロスが発生しやすくなるので,Mg
含有量は1.0〜4.0重量%とする。好ましいMg含有
量は1.5〜4.0重量%,さらに好ましいMg含有量は
2.0〜3.5重量%,一層好ましいMg含有量は2.5
〜3.5重量%である。
【0013】この基本浴組成に対し,適量のBeを添加
すると前述の「たれ模様」の発生を抑制することができ
ることがわかった。その理由は必ずしも明らかではない
が,めっき浴から出た凝固前のめっき層の表層におい
て,MgよりもBeの方が優先的に酸化され,その結
果,Mgの酸化を抑制し,たれの不均一化を起こすMg
酸化物皮膜の生成を阻止するからではないかと考えられ
る。このBeによるたれ模様抑制効果はBe含有量が
0.001重量%程度から現れ,多くなるに従ってその
効果も増長するが,約0.05重量%程度でその効果が
飽和する。また,Beが0.05重量%を超えるとめっ
き層の耐食性にも悪影響が出始める。したがって,Be
の添加量は0.001〜0.05重量%の範囲で添加する
のがよい。なお,基本浴組成におけるたれ模様は目付量
が多いほど顕著になるので,目付量に応じてBeの添加
量を前記の範囲で調整するのが好ましい。
すると前述の「たれ模様」の発生を抑制することができ
ることがわかった。その理由は必ずしも明らかではない
が,めっき浴から出た凝固前のめっき層の表層におい
て,MgよりもBeの方が優先的に酸化され,その結
果,Mgの酸化を抑制し,たれの不均一化を起こすMg
酸化物皮膜の生成を阻止するからではないかと考えられ
る。このBeによるたれ模様抑制効果はBe含有量が
0.001重量%程度から現れ,多くなるに従ってその
効果も増長するが,約0.05重量%程度でその効果が
飽和する。また,Beが0.05重量%を超えるとめっ
き層の耐食性にも悪影響が出始める。したがって,Be
の添加量は0.001〜0.05重量%の範囲で添加する
のがよい。なお,基本浴組成におけるたれ模様は目付量
が多いほど顕著になるので,目付量に応じてBeの添加
量を前記の範囲で調整するのが好ましい。
【0014】また前記の基本浴組成に対し,Ti:0.
002〜0.1重量%およびB:0.001〜0.045
重量%を添加すると,Zn11Mg2相の生成を抑制する
ことができるので,前記の先願発明の金属組織(Zn2
Mg系の組織)を一層有利に生成させることができる。
この点については特願平9−63923号に提案した。
このTiおよびB添加の浴についても,Be添加による
「たれ模様」の抑制効果は同様に発揮され,そのBeの
添加量も,先の基本浴組成と同様に0.001〜0.05
重量%の範囲とすればよい。
002〜0.1重量%およびB:0.001〜0.045
重量%を添加すると,Zn11Mg2相の生成を抑制する
ことができるので,前記の先願発明の金属組織(Zn2
Mg系の組織)を一層有利に生成させることができる。
この点については特願平9−63923号に提案した。
このTiおよびB添加の浴についても,Be添加による
「たれ模様」の抑制効果は同様に発揮され,そのBeの
添加量も,先の基本浴組成と同様に0.001〜0.05
重量%の範囲とすればよい。
【0015】このTi・B添加浴におけるTi添加量
は,0.002重量%未満ではZn11Mg2相の生成・成
長を抑制する効果が十分ではなく,他方,Ti量が0.
1重量%を超えるとめっき層中にTi−Al系の析出物
が成長し,めっき層に凹凸(ブツ)が生じて外観を損ね
るようになるので,0.002〜0.1重量%の範囲とす
るのがよい。
は,0.002重量%未満ではZn11Mg2相の生成・成
長を抑制する効果が十分ではなく,他方,Ti量が0.
1重量%を超えるとめっき層中にTi−Al系の析出物
が成長し,めっき層に凹凸(ブツ)が生じて外観を損ね
るようになるので,0.002〜0.1重量%の範囲とす
るのがよい。
【0016】また,B添加量については,0.001重
量%未満ではZn11Mg2相の生成・成長を抑制する効
果が十分ではなく,他方,B量が0.045重量%を超
えると,めっき層中にTi−BあるいはAl−B系の析
出物が粗大化し,めっき層に凹凸(ブツ)が生じて外観
を損ねるようになるので,0.001〜0.045重量%
とするのがよい。なお,B含有量の範囲では,浴中にT
i−B系の化合物例えばTiB2が存在していても,そ
の量は僅かであるのでめっき層に凹凸を生じさせること
はない。したがって,浴へのBとTiの添加にさいして
は,その一部はTiB2の形態で添加することもでき,
これによっても,Zn11Mg2相の生成・成長を抑制す
ることができる。
量%未満ではZn11Mg2相の生成・成長を抑制する効
果が十分ではなく,他方,B量が0.045重量%を超
えると,めっき層中にTi−BあるいはAl−B系の析
出物が粗大化し,めっき層に凹凸(ブツ)が生じて外観
を損ねるようになるので,0.001〜0.045重量%
とするのがよい。なお,B含有量の範囲では,浴中にT
i−B系の化合物例えばTiB2が存在していても,そ
の量は僅かであるのでめっき層に凹凸を生じさせること
はない。したがって,浴へのBとTiの添加にさいして
は,その一部はTiB2の形態で添加することもでき,
これによっても,Zn11Mg2相の生成・成長を抑制す
ることができる。
【0017】以下に実施例により,これら基本浴並びに
Ti・B添加浴にBeを添加した場合の「たれ模様」抑
制効果を具体的に示す。
Ti・B添加浴にBeを添加した場合の「たれ模様」抑
制効果を具体的に示す。
【0018】
〔実施例1〕
【0019】下記の条件で溶融Zn−Al−Mgめっき
鋼板を製造し,得られた溶融めっき鋼板の表面に現れた
「たれ模様」の程度を目視観察で4段階評価した。評価
基準は次のとおりである。 たれ模様大(図1の写真に代表例を示す) ・・×印で
表示 たれ模様中(図2の写真に代表例を示す) ・・△印で
表示 たれ模様小(図3の写真に代表例を示す) ・・○印で
表示 たれ模様なし(図4の写真に代表例を示す)・・◎印で
表示 図1〜図4の写真は,いずれも現物より65%縮小した
もの(写真上の6.5mmが実際の10mm)であり,
たれ模様が写り易いように,その線状の縞模様と直交す
る方向(めっき方向=鋼帯の長手方向)から光源を当て
て撮影したものである。
鋼板を製造し,得られた溶融めっき鋼板の表面に現れた
「たれ模様」の程度を目視観察で4段階評価した。評価
基準は次のとおりである。 たれ模様大(図1の写真に代表例を示す) ・・×印で
表示 たれ模様中(図2の写真に代表例を示す) ・・△印で
表示 たれ模様小(図3の写真に代表例を示す) ・・○印で
表示 たれ模様なし(図4の写真に代表例を示す)・・◎印で
表示 図1〜図4の写真は,いずれも現物より65%縮小した
もの(写真上の6.5mmが実際の10mm)であり,
たれ模様が写り易いように,その線状の縞模様と直交す
る方向(めっき方向=鋼帯の長手方向)から光源を当て
て撮影したものである。
【0020】[めっき条件] 処理設備:連続溶融めっきシミュレータ 処理鋼板:弱脱酸鋼の鋼板(厚み:0.8mm) 通板速度:50m/分 めっき浴温:400℃ 浸漬時間:3秒 ワイピングガス:酸素5vol.%+残窒素ガス(浴上10
0mmの位置) めっき浴組成: Al=5.8重量% Mg=3.1重量% Be=0,0.0006,0.001,0.015または
0.05重量% 残部=Zn
0mmの位置) めっき浴組成: Al=5.8重量% Mg=3.1重量% Be=0,0.0006,0.001,0.015または
0.05重量% 残部=Zn
【0021】表1に示すようにBeの含有量を変化させ
た各めっき浴に対し,ワイピングガスの噴射圧を調整す
ることにより付着量をコントロールした。各めっき鋼板
に現れた「たれ模様」を表面肌評価として表1に示し
た。
た各めっき浴に対し,ワイピングガスの噴射圧を調整す
ることにより付着量をコントロールした。各めっき鋼板
に現れた「たれ模様」を表面肌評価として表1に示し
た。
【0022】
【表1】
【0023】表1の結果から,目付量が多いほど,たれ
模様は目立つようになるが,いずれの目付量でも,Be
の添加により「たれ模様」が少なくなり,この効果はB
e含有量が0.001重量%程度から現れること,そし
て,Beの添加量が増加するにつれて評価ランクが上が
るが,0.05重量%程度でほぼ飽和することがわか
る。
模様は目立つようになるが,いずれの目付量でも,Be
の添加により「たれ模様」が少なくなり,この効果はB
e含有量が0.001重量%程度から現れること,そし
て,Beの添加量が増加するにつれて評価ランクが上が
るが,0.05重量%程度でほぼ飽和することがわか
る。
【0024】〔実施例2〕めっき浴組成を Al=5.8重量% Mg=1.5重量% Be=0,0.0006,0.001,0.015または
0.05重量% 残部=Zn とした以外は,実施例1を繰り返した。その結果,表1
と全く同じ表面肌評価が得られた。
0.05重量% 残部=Zn とした以外は,実施例1を繰り返した。その結果,表1
と全く同じ表面肌評価が得られた。
【0025】〔実施例3〕めっき浴組成を Al=9.5重量% Mg=3.6重量% Be=0,0.0006,0.001,0.015または
0.05重量% 残部=Zn とした以外は,実施例1を繰り返した。その結果,表1
と全く同じ表面肌評価が得られた。
0.05重量% 残部=Zn とした以外は,実施例1を繰り返した。その結果,表1
と全く同じ表面肌評価が得られた。
【0026】〔実施例4〕めっき浴組成を Al=9.5重量% Mg=1.2重量% Be=0,0.0006,0.001,0.015または
0.05重量% 残部=Zn とした以外は,実施例1を繰り返した。その結果,表1
と全く同じ表面肌評価が得られた。
0.05重量% 残部=Zn とした以外は,実施例1を繰り返した。その結果,表1
と全く同じ表面肌評価が得られた。
【0027】〔実施例5〕めっき浴組成を Al=5.8重量% Mg=3.1重量% Ti=0.03重量% B =0.006重量% Be=0,0.0006,0.001,0.015または
0.05重量% 残部=Zn とした以外は,実施例1を繰り返した。その結果,表1
と全く同じ表面肌評価が得られた。
0.05重量% 残部=Zn とした以外は,実施例1を繰り返した。その結果,表1
と全く同じ表面肌評価が得られた。
【0028】〔実施例6〕めっき浴組成を Al=5.8重量% Mg=1.5重量% Ti=0.03重量% B =0.006重量% Be=0,0.0006,0.001,0.015または
0.05重量% 残部=Zn とした以外は,実施例1を繰り返した。その結果,表1
と全く同じ表面肌評価が得られた。
0.05重量% 残部=Zn とした以外は,実施例1を繰り返した。その結果,表1
と全く同じ表面肌評価が得られた。
【0029】〔実施例7〕めっき浴組成を Al=9.5重量% Mg=3.6重量% Ti=0.01重量% B =0.002重量% Be=0,0.0006,0.001,0.015または
0.05重量% 残部=Zn とした以外は,実施例1を繰り返した。その結果,表1
と全く同じ表面肌評価が得られた。
0.05重量% 残部=Zn とした以外は,実施例1を繰り返した。その結果,表1
と全く同じ表面肌評価が得られた。
【0030】〔実施例8〕めっき浴組成を Al=9.5重量% Mg=1.2重量% Ti=0.01重量% B =0.002重量% Be=0,0.0006,0.001,0.015または
0.05重量% 残部=Zn とした以外は,実施例1を繰り返した。その結果,表1
と全く同じ表面肌評価が得られた。
0.05重量% 残部=Zn とした以外は,実施例1を繰り返した。その結果,表1
と全く同じ表面肌評価が得られた。
【0031】〔実施例9〕下記のめっき条件とした以外
は実施例1を繰り返した。各めっき鋼板に現れた「たれ
模様」を実施例1と同じ評価方法で評価し,その結果を
表2に示した。
は実施例1を繰り返した。各めっき鋼板に現れた「たれ
模様」を実施例1と同じ評価方法で評価し,その結果を
表2に示した。
【0032】[めっき条件] 処理設備:連続溶融めっきシミュレータ 処理鋼板:弱脱酸鋼の鋼板(厚み:0.5mm) 通板速度:100m/分 めっき浴温:420℃ 浸漬時間:2秒 ワイピングガス:空気(浴上150mmの位置) めっき浴組成: Al=6.5重量% Mg=1.1重量% Be=0,0.0006,0.001,0.015または
0.05重量% 残部=Zn
0.05重量% 残部=Zn
【0033】
【表2】
【0034】〔実施例10〕めっき浴組成を Al=6.5重量% Mg=2.6重量% Be=0,0.0006,0.001,0.015または
0.05重量% 残部=Zn とした以外は,実施例9を繰り返した。その結果,表2
と全く同じ表面肌評価が得られた。
0.05重量% 残部=Zn とした以外は,実施例9を繰り返した。その結果,表2
と全く同じ表面肌評価が得られた。
【0035】〔実施例11〕めっき浴組成を Al=6.5重量% Mg=2.6重量% Ti=0.02重量% B =0.004重量% Be=0,0.0006,0.001,0.015または
0.05重量% 残部=Zn とした以外は,実施例9を繰り返した。その結果,表2
と全く同じ表面肌評価が得られた。
0.05重量% 残部=Zn とした以外は,実施例9を繰り返した。その結果,表2
と全く同じ表面肌評価が得られた。
【0036】〔実施例12〕めっき浴組成を Al=6.5重量% Mg=1.1重量% Ti=0.02重量% B =0.004重量% Be=0,0.0006,0.001,0.015または
0.05重量% 残部=Zn とした以外は,実施例9を繰り返した。その結果,表2
と全く同じ表面肌評価が得られた。
0.05重量% 残部=Zn とした以外は,実施例9を繰り返した。その結果,表2
と全く同じ表面肌評価が得られた。
【0037】〔実施例13〕下記のめっき条件で溶融Z
n−Al−Mgめっき鋼板を製造し,得られた溶融めっ
き鋼板の耐食性を調べた。耐食性はSST(JIS−Z
−2371に従う塩水噴霧試験)を800時間行った後
の腐食減量(g/m2) で評価し, その結果を表3に示し
た。
n−Al−Mgめっき鋼板を製造し,得られた溶融めっ
き鋼板の耐食性を調べた。耐食性はSST(JIS−Z
−2371に従う塩水噴霧試験)を800時間行った後
の腐食減量(g/m2) で評価し, その結果を表3に示し
た。
【0038】[めっき条件] 処理設備:連続溶融めっきシミュレータ 処理鋼板:弱脱酸鋼の鋼板(厚み:0.8mm) 通板速度:70m/分 めっき浴温:400℃ 浸漬時間:3秒 ワイピングガス:5vol.%O2+残N2(浴上100mm
の位置) 片面付着量:150g/m2 めっき浴組成: Al=6.2重量% Mg=2.8重量% Ti=0.01重量% B =0.002重量% Be=0,0.001,0.02,0.04,0.06また
は0.08重量% 残部=Zn
の位置) 片面付着量:150g/m2 めっき浴組成: Al=6.2重量% Mg=2.8重量% Ti=0.01重量% B =0.002重量% Be=0,0.001,0.02,0.04,0.06また
は0.08重量% 残部=Zn
【0039】
【表3】
【0040】表3の結果から,0.05重量%までのB
eの添加では耐食性に影響を与えないことがわかる。
eの添加では耐食性に影響を与えないことがわかる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように,本発明によると,
溶融Zn−Al−Mg系めっき特有の「たれ模様」の発
生のない,表面肌に優れた溶融Zn−Al−Mgめっき
鋼板が得られ,その優れた耐食性ゆえに従来の溶融Zn
基めっき鋼板のものではなし得なかった新たな分野への
用途の拡大ができる。
溶融Zn−Al−Mg系めっき特有の「たれ模様」の発
生のない,表面肌に優れた溶融Zn−Al−Mgめっき
鋼板が得られ,その優れた耐食性ゆえに従来の溶融Zn
基めっき鋼板のものではなし得なかった新たな分野への
用途の拡大ができる。
【図1】溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板の金属めっ
き表面を写したモノクロ写真であり,たれ模様が「大」
である場合の代表例である。写真の左→右方向が鋼板の
引き上げ方向であり,写真の右方から光を当てて写した
ものである(図2〜4も同様)。
き表面を写したモノクロ写真であり,たれ模様が「大」
である場合の代表例である。写真の左→右方向が鋼板の
引き上げ方向であり,写真の右方から光を当てて写した
ものである(図2〜4も同様)。
【図2】溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板の金属めっ
き表面を写したモノクロ写真であり,たれ模様が「中」
である場合の代表例を示すものである。
き表面を写したモノクロ写真であり,たれ模様が「中」
である場合の代表例を示すものである。
【図3】溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板の金属めっ
き表面を写したモノクロ写真であり,たれ模様が「小」
である場合の代表例を示すものである。
き表面を写したモノクロ写真であり,たれ模様が「小」
である場合の代表例を示すものである。
【図4】溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板の金属めっ
き表面を写したモノクロ写真であり,たれ模様が「な
し」である場合の代表例を示すものである。
き表面を写したモノクロ写真であり,たれ模様が「な
し」である場合の代表例を示すものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安藤 敦司 大阪府堺市石津西町5番地 日新製鋼株式 会社技術研究所内 (72)発明者 橘高 敏晴 大阪府堺市石津西町5番地 日新製鋼株式 会社技術研究所内
Claims (3)
- 【請求項1】 重量%で,Al:4.0〜10%,M
g:1.0〜4.0%,Be:0.001〜0.05%,残
部がZnおよび不可避的不純物からなる溶融Zn−Al
−Mg系めっきを鋼板表面に施した溶融Zn基めっき鋼
板。 - 【請求項2】 重量%で,Al:4.0〜10%,M
g:1.0〜4.0%,Ti:0.002〜0.1%,B:
0.001〜0.045%,Be:0.001〜0.05
%,残部がZnおよび不可避的不純物からなる溶融Zn
−Al−Mg系めっきを鋼板表面に施した溶融Zn基め
っき鋼板。 - 【請求項3】 Al:5.0超え〜10%である請求項
1または2に記載の溶融Zn基めっき鋼板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01834298A JP3148173B2 (ja) | 1997-06-05 | 1998-01-16 | 溶融Zn基めっき鋼板 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16203597 | 1997-06-05 | ||
JP9-162035 | 1997-06-05 | ||
JP01834298A JP3148173B2 (ja) | 1997-06-05 | 1998-01-16 | 溶融Zn基めっき鋼板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1150224A true JPH1150224A (ja) | 1999-02-23 |
JP3148173B2 JP3148173B2 (ja) | 2001-03-19 |
Family
ID=26355022
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP01834298A Expired - Fee Related JP3148173B2 (ja) | 1997-06-05 | 1998-01-16 | 溶融Zn基めっき鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3148173B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021508779A (ja) * | 2017-12-26 | 2021-03-11 | ポスコPosco | 耐食性及び表面平滑性に優れた亜鉛合金めっき鋼材及びその製造方法 |
-
1998
- 1998-01-16 JP JP01834298A patent/JP3148173B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021508779A (ja) * | 2017-12-26 | 2021-03-11 | ポスコPosco | 耐食性及び表面平滑性に優れた亜鉛合金めっき鋼材及びその製造方法 |
US11572607B2 (en) | 2017-12-26 | 2023-02-07 | Posco Co., Ltd | Zinc alloy-plated steel having excellent corrosion resistance and surface smoothness |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3148173B2 (ja) | 2001-03-19 |
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