【発明の詳細な説明】
アトピー性皮膚炎および接触性皮膚炎の治療方法
発明の範囲
本発明は、アルキルまたは異種原子含有エーテルにより置換フェニルに結合し
た置換ピリジル基を含有するある種の化合物を用いることを特徴とするアトピー
性皮膚炎または接触性皮膚炎の治療方法に関する。
発明の背景
エイコサノイドとして知られる生物活性脂質のファミリーは、皮膚、呼吸器、
心臓血管系、および胃腸系に対して薬理学的効果を及ぼす。一般的には、ロイコ
トリエン類は2つのサブクラス、すなわちペプチドロイコトリエン類(ロイコト
リエンC4、D4およびE4)およびジヒドロキシロイコトリエン類(ロイコト
リエンB4)に分類される。本発明は、主としてヒドロキシロイコトリエン類(
LTB4)に関するが、この特定のグループのロイコトリエンに限らない。実際
、LTB4が相互作用する受容体は、12−HETEおよびジヒドロ12−HE
TEを包含する種々の他のエイコサノイドによっても利用されると思われる。こ
れらの受容体は同じであるかまたは密接に関連したものであり、その結果、本発
明化合物は、この受容体に拮抗することにより数種のエイコサノイドの作用を阻
害する。
これらのエイコサノイドはアラキドン酸由来であり、重要なことに、喘息、成
人の呼吸困難症候群、嚢胞性線維症、乾癬、および炎症性腸疾患を包含する多く
のタイプの心臓血管系、肺、皮膚、腎臓の疾患、アレルギー性疾患、ならびに炎
症性疾患の伝達に関与している。
本発明化合物および医薬組成物は、LTB4受容体において相互作用するエイ
コサノイド、あるいは末端器官における他の薬理学的活性メディエイタの作用に
拮抗することにより、エイコサノイドが因子となっているヒトまたは動物を包含
する対象の治療において価値がある。
発明の概要
本発明は、アトピー性皮膚炎または接触性皮膚炎のいずれかの疾病にかかって
いる哺乳動物に治療上有効量の式I:
[式中、AはCH2、ZはS(O)q(ここにqは0、1または2);CHOH;
C=O;またはNRx;またはOであるか、あるいは
AはC=O、ZはNRxであり;
mは0〜5であり;
RはC1ないしC20−脂肪族、未置換もしくは置換フェニルC1ないしC10−脂
肪族(ここに置換フェニルは、低級アルコキシ、低級アルキル、トリハロメチル
、およびハロからなる群より選択される1個またはそれ以上の基を有する)であ
るか、あるいはRはC1ないしC20−脂肪族−O−であるか、あるいはRは未置
換もしくは置換フェニルC1ないしC10−脂肪族−O−(ここに置換フェニルは
、低級アルコキシ、低級アルキル、トリハロメチルおよびハロからなる群より選
択される1個またはそれ以上の基を有する)であり;
R1は−(C1ないしC5脂肪族)R4、−(C1ないしC5脂肪族)CHO、−(
C1ないしC5脂肪族)CH2OR8、−R4、−CH2OHまたはCHOであり;
R2はH、ハロ、低級アルキル、低級アルコキシ、−CN、−(CH2)nR4、
−CH(NH2)(R4)、または−(CH2)nR9であり(ここにnは0〜5で
あり、R9は−N(R7)2であり、各R7は独立してH、または1ないし10個の
炭素原子の脂肪族基、または1〜6個の炭素原子のアシル、または4ないし10
個の炭素原子のシクロアルキル−(CH2)n−基(nは0〜3)であるか、ある
いは両方のR7基は環を形成し、該環は窒素を含み4ないし6個の炭素を含む)
;あるいは
R3は水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロ、−CN、R4、NHCON
H2、またはOHであり;
各R4基は独立して−COR5であるか(ここにR5は−OH、医薬上許容され
るエステル形成基−OR6、または−OX(ここにXは医薬上許容されるカチオ
ン)であるか、あるいはR5は−N(R7)2であり(ここに各R7は独立してH、
または1ないし10個の炭素原子の脂肪族基、または4ないし10個の炭素原子
のシクロアルキル−(CH2)n−基(ここにnは0〜3)であるか、あるいは両
方のR7基は4ないし6個の炭素を有する環を形成する));あるいはR4はスル
ホンアミド、またはアミド、またはテトラゾール−5−イルであり;
R8は水素、C1ないしC6アルキル、またはC1ないしC6−アシルを意味する
]で示される少なくとも1種の化合物もしくはそのN−オキシド、またはその医
薬上許容される塩を投与することを特徴とする、哺乳動物におけるアトピー性皮
膚炎または接触性皮膚炎の治療方法に関する。
もう1つの態様において、本発明は、アトピー性皮膚炎の治療に用いる医薬の
製造における式Iの化合物の使用に関する。
発明の詳細な説明
以下の定義は、本発明を説明し、発明者が自分の発明であると確信するものを
説明するために用いられる。
「脂肪族」は、飽和および不飽和基を包含する。この語はノルマルおよび分枝
鎖、飽和またはモノもしくはポリ不飽和鎖(二重結合および三重結合がともにい
かなる組み合わせにおいて存在していてもよい)を包含する。語句「低級アルキ
ル」は1ないし6個の炭素原子のアルキル基を意味し、いかなる異性体であって
もよいが、詳細にはノルマルまたは直鎖状のものを意味する。「低級アルコキシ
」は、低級アルキル−O−である基を意味する。「ハロ」はフルオロ、クロロ、
ブロモまたはヨードを意味する。「アシル」は末端カルボニル炭素を有する基を
意
味する。
置換フェニル環についていう場合、環は1個またはそれ以上の命名された置換
基により置換されていてもよく、該置換基は化学合成に適するものであってもよ
い。複数の置換基は同じであっても異なっていてもよく、例えば、3個のクロロ
基またはクロロおよびアルキル基の組み合わせが存在してもよく、さらには後者
の組み合わせが異なるアルキル基をクロロ/アルキル置換基パターン中に有して
いてもよい。
R2およびR3における語句「医薬上許容されるエステル形成基」は、これらの
化合物に存在していてもよい酸官能基から生じうるすべてのエステルを包含する
。生じるエステルは、医薬用途に適するものであろう。それゆえ、モノまたはジ
エステルは親化合物の生物学的活性を保持しているであろうが、それらの適用お
よび疾病治療における使用において望ましくない効果または有害な効果を有する
ことはなかろう。かかるエステルは、例えば、以下の基の1つを用いて得られる
ものである:C1ないしC6アルキル、フェニルC1〜C6アルキル、シクロアルキ
ル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、アルキルアリールアルキ
ル、アミノアルキル、インダニル、ピバロイルオキシメチル、アセトキシメチル
、プロピオニルオキシメチル、グリシルオキシメチル、フェニルグリシルオキシ
メチル、またはチエニルグリシルオキシメチル。最も好ましいエステル形成基は
、R3がアルキル、詳細には1ないし10個の炭素のアルキル(すなわち、nが
0〜9であるCH3−(CH2)n−)、あるいはnが0〜4であるフェニル−(
CH2)n−である。
R2がアミンである場合には、基−NH2およびこの−NH2基のモノ−もしく
はジアルキレート誘導体を包含する。好ましいアルキル化アミンは、1ないし6
個の炭素を有するモノ−もしくは二置換アミンである。R2がアミドである場合
、NH2基のすべてのアシレート誘導体が包含される。好ましいアミドは1ない
し6個の炭素を有するものである。
酸基が存在する場合、アミドが形成されうる。最も好ましいアミドは、−R6
が水素または1ないし6個の炭素原子のアルキルであるものである。ジエチルア
ミドまたはジメチルアミドが特に好ましい。
本発明化合物の医薬上許容される塩は本発明に包含されるものとする。これら
の塩は、医薬用途への適用が許容されるものであろう。それゆえ、塩は元の化合
物の生物学的活性を有するが、疾病治療における適用および使用において望まし
くない効果または有害な効果を有しないものであろう。
適当な溶媒中で標準的方法で医薬上許容される塩を調製する。酸付加塩の場合
には適当な溶媒中の本発明化合物を過剰の有機酸または無機酸と反応させ、ある
いはR4がOHである場合には過剰の有機塩基または無機塩基と反応させる。
選択された酸化剤を用いてN−オキシドを調製してもよい。これらのオキシド
は式Iの化合物の合成中間体として有用であり、それ自体有用な医薬上の活性を
有する。それゆえ、該受容体または類似の受容体と反応するLTB4または類似
のエイコサノイドに関連しているかまたはそれにより引き起こされる疾病に感受
性があるかまたはかかる疾病にかかっている対象に式IのN−オキシドを投与す
ることができる。
置換基のいくつかの組み合わせにより、本発明化合物中にキラル中心が生じる
かまたは別の形態の異性体中心が生じる場合には、かかる異性体のすべての形態
が本発明に包含されるものとする。これらの化合物をラセミ体のラセミ混合物と
して用いてもよく、あるいはラセミ体を分割して個々のエナンチオマーのみを用
いてもよい。オレフィンはシスまたはトランス配置(EまたはZ)を有していて
もよく、いずれも本発明の実施において有用である。
LTB4受容体アンタゴニストとして、ロイコトリエンおよび関連エイコサノ
イドに関連またはそれらに起因する種々の疾病の治療にこれらの化合物を用いる
ことができる。よって、これらの化合物を用いて肺を冒すようなまたは肺を冒さ
ないような性質のアレルギー性疾患を治療することができると期待される。例え
ば、これらの化合物は、抗原により誘導されるアナフィラキシーにおいて、喘息
およびアレルギー性鼻炎の治療に;乾癬または炎症性の腸疾患、ぶどう膜炎のご
とき眼の疾病、ならびにアレルギー性結膜炎の治療に有用であろう。
好ましい化合物は、ZがOまたはS(O)qであり;mが0〜3であり;nが
0〜2であり;Rが8ないし15個の炭素原子のアルコキシまたは未置換もしく
は置換フェニル−C1ないしC10−脂肪族−O−であり;R1が−(C1ないしC5
脂肪族)R4または−(C1ないしC5脂肪族)CH2OR8である化合物である。
より好ましい本発明化合物は、R1がR4CH=CH−であり、R2が−COR5ま
たは−NHSO2CF3である化合物である。好ましい化合物のもう1つのセット
は、R2がN(R7)2であるアニリン類であり、詳細にはR7は水素である。好ま
しい化合物の第3のセットは、R2およびR3がともに水素である化合物である。
好ましい化合物のさらなるセットは2,6−ジハロフェニルアナログ、詳細には
2,6−ジクロロフェニル化合物である。
化合物を例示する。
さらに、名前を挙げた以下の化合物も本発明において例示される:
1−フルオロ−3−[2−チア−3−[2−(E−2−カルボキシエテニル)
−3−[4−(4−メトキシフェニル)ブチルオキシ]−6−ピリジル]プロピ
ル]ベンゼン,リチウム塩;
3−[2−チア−3−[2−(E−2−カルボキシエテニル)−3−[4−(
4−メトキシフェニル)ブチルオキシ]−6−ピリジル]プロピル]ベンゼン,
リチウム塩;
3−[2−チア−3−[2−(2−カルボキシエタニル)−3−[4−(4−
メトキシフェニル)ブチルオキシ]−6−ピリジル]プロピル]ベンゼン,リチ
ウム塩
2−[2−チア−3−[2−(2−カルボキシエテニル)−3−[4−(4−
メトキシフェニル)ブチルオキシ]−6−ピリジル]エチル]ベンゼン,リチウ
ム塩;
1−フルオロ−4−[2−チア−3−[2−(2−カルボキシエタニル)−3
−[4−(4−メトキシフェニル)ブチルオキシ]−6−ピリジル]プロピル]
ベンゼン,リチウム塩;
1−フルオロ−4−[2−チア−3−[2−(E−2−カルボキシエテニル)
−3−[4−(4−メトキシフェニル)ブチルオキシ]−6−ピリジル]プロピ
ル]ベンゼン,リチウム塩;
3−[1−チア−2−[2−(E−2−カルボキシエテニル)−3−[8−(
4−メトキシフェニル)オクチルオキシ]−6−ピリジル]エチル]安息香酸、
3−[1−オキシチア−2−[2−(E−2−カルボキシエテニル)−3−[
8−(4−メトキシフェニル)オクチルオキシ]−6−ピリジル]エチル]安息
香酸、
3−[1−チア−2−[2−(E−2−カルボキシエテニル)−3−ドデシル
オキシ−6−ピリジル]エチル]安息香酸、
3−[1−オキシチア−2−[2−(E−2−カルボキシエテニル)−3−ド
デシルオキシ−6−ピリジル]エチル]安息香酸、
3−[1−ジオキシチア−2−[2−(E−2−カルボキシエテニル)−3−
ドデシルオキシ−6−ピリジル]エチル]安息香酸、
2−[1−オキシチア−2−[2−(E−2−カルボキシエテニル)−3−ド
デシルオキシ−6−ピリジル]エチル]安息香酸,リチウム塩
N−[3−[1−チア−2−[2−(E−2−カルボキシエテニル)−3−ド
デシルオキシ−6−ピリジル]エチル]フェニル]トリフルオロメタンスルホン
アミド、
N−[3−[1−チア−2−[2−(E−2−カルボキシエテニル)−3−(
8−(4−メトキシフェニル)オクチルオキシ)−6−ピリジル]エチル]フェ
ニル]トリフルオロメタンスルホンアミド、
N−[3−[1−オキシチア−2−[2−(E−2−カルボキシエテニル)−
3−(8−(4−メトキシフェニル)オクチルオキシ)−6−ピリジル]エチル
]フェニル]−トリフルオロメタンスルホンアミド、
N−[3−[1−オキシチア−2−[2−(E−2−カルボキシエテニル)−
3−(8−(4−メトキシフェニル)オクチルオキシ)−6−ピリジル]エチル
]フェニル]−フェニルスルホンアミド、
N−[3−[1−チア−2−[2−(E−2−カルボキシエテニル)−3−(
8−(4−メトキシフェニル)オクチルオキシ)−6−ピリジル]エチル]フェ
ニル]フェニルスルホンアミド、
3−[1−オキサ−2−[2−(E−2−カルボキシエテニル)−3−ドデシ
ルオキシ−6−ピリジル]エチル]安息香酸、
3−[1−オキサ−2−[2−(E−2−カルボキシエテニル)−3−[8−
(4−メトキシフェニル)オクチルオキシ]−6−ピリジル]エチル]安息香酸
、
3−[1−オキサ−2−[2−(E−2−カルボキシエテニル)−3−[8−
(4−メトキシフェニル)オクタン−1−イル]−6−ピリジル]エチル]安息
香酸、
4−[2−チア−3−[2−(E−2−カルボキシエテニル)−3−[8−(
4
−メトキシフェニル)オクチルオキシ]−6−ピリジル]プロピル]安息香酸、
4−[2−チア−3−[2−(E−2−カルボキシエテニル)−3−[4−(
4−メトキシフェニル)ブチルオキシ]−6−ピリジル]プロピル]安息香酸、
3−[2−チア−3−[2−(E−2−カルボキシエテニル)−3−[8−(
4−メトキシフェニル)オクチルオキシ]−6−ピリジル]プロピル]安息香酸
、
3−[2−チア−3−[2−(E−2−カルボキシエテニル)−3−[4−(
4−メトキシフェニル)ブチルオキシ]−6−ピリジル]プロピル]安息香酸、
3−[2−チア−3−[2−(2−カルボキシエタニル)−3−[8−(4−
メトキシフェニル)オクチルオキシ]−6−ピリジル]プロピル]安息香酸、
3−[2−チア−3−[2−(E−2−カルボキシエテニル)−3−(8−(
4−メトキシフェニル)オクチルオキシ)−6−ピリジル]プロピル]−N,N
−ジメチルベンズアミド,リチウム塩
3−[2−チア−3−[2−(E−2−カルボキシエテニル)−3−(4−(
4−メトキシフェニル)ブチルオキシ)−6−ピリジル]プロピル]−N,N−
ジメチルベンズアミド,リチウム塩、
3−[2−チア−3−[2−(E−2−カルボキシエテニル)−3−[4−フ
ェニルブチルオキシ]−6−ピリジル]プロピル]安息香酸、
3−[2−チア−3−[2−(E−2−カルボキシエテニル)−3−[8−フ
ェニルオクチルオキシ]−6−ピリジル]プロピル安息香酸、
3−[2−チア−3−[2−(2−カルボキシエタニル)−3−[4−(4−
メトキシフェニル)ブチルオキシ]−6−ピリジル]プロピル]安息香酸、
4−[2−チア−3−[2−(E−2−カルボキシエテニル)−3−[8−(
4−メトキシフェニル)オクチルオキシ]−6−ピリジル]プロピル]フェニル
酢酸、
4−[2−オキシチア−3−[2−(E−2−カルボキシエテニル)−3−[
8−(4−メトキシフェニル)オクチルオキシ]−6−ピリジル]プロピル]安
息
香酸、
3−[2−オキシチア−3−[2−(E−2−カルボキシエテニル)−3−[
8−(4−メトキシフェニル)オクチルオキシ]−6−ピリジル]プロピル]安
息香酸、
4−[2−オキシチア−3−[2−(E−2−カルボキシエテニル)−3−[
8−(4−メトキシフェニル)オクチルオキシ]−6−ピリジル]プロピル]フ
ェニル酢酸、
3−[2−ジオキシチア−3−[2−(E−2−カルボキシエテニル)−3−
[8−(4−メトキシフェニル)オクチルオキシ]−6−ピリジル]プロピル]
安息香酸、
5−[3−[2−チア−3−[2−(E−2−カルボキシエテニル)−3−[
8−(4−メトキシフェニル)オクチルオキシ]−6−ピリジル]プロピル]フ
ェニル]テトラゾール
3−[1−オキサ−2−[2−(E−2−カルボキシエテニル)−3−(8−
(4−メトキシフェニル)オクチルオキシ)−6−ピリジル]エチル]アニリン
、
5−カルボキシ−3−[1−オキサ−2−[2−(E−2−カルボキシエテニ
ル)−3−(8−(4−メトキシフェニル)オクチルオキシ)−6−ピリジル]
エチル]アニリン、
3−[1−チア−2−[2−(E−2−カルボキシエテニル)−3−(8−(
4−メトキシフェニル)オクチルオキシ)−6−ピリジル]エチル]アニリン、
3−[1−チア−2−[2−(E−2−カルボキシエテニル)−3−(8−(
4−トリフルオロメチルフェニル)オクチルオキシ)−6−ピリジル]エチル]
アニリン、
3−[1−オキシチア−2−[2−(E−2−カルボキシエテニル)−3−(
8−(4−トリフルオロメチルフェニル)オクチルオキシ)−6−ピリジル]エ
チル]アニリン,リチウム塩
3−[1−チア−2−[2(E−2−カルボキシエテニル)−3−(8−フェ
ニルオクチルオキシ)−6−ピリジル]エチル]アニリン,リチウム塩
3−[1−オキシチア−2−[2−(E−2−カルボキシエテニル)−3−(
8−(4−フルオロフェニル)オクチルオキシ)−6−ピリジル]エチル]アニ
リン、
3−[1−オキシチア−2−[2−(E−2−カルボキシエテニル)−3−(
8−フェニル)オクチルオキシ−6−ピリジル]エチル]アニリン、
3−[1−チア−2−[2−(E−2−カルボキシエテニル)−3−(8−(
4−メトキシフェニル)オクチルオキシ)−6−ピリジル]エチル]−N,N−
ジメチルアニリン、
3−[1−チア−2−[2−(E−2−カルボキシエテニル)−3−(4−(
4−メトキシフェニル)ブチルオキシ)−6−ピリジル]エチル]アニリン,リ
チウム塩
3−[1−オキシチア−2−[2−(E−2−カルボキシエテニル)−3−(
4−(4−メトキシフェニル)ブチルオキシ)−6−ピリジル]エチル]アニリ
ン,リチウム塩
3−[1−ジオキシチア−2−[2−(E−2−カルボキシエテニル)−3−
(4−(4−メトキシフェニル)ブチルオキシ)−6−ピリジル]エチル]アニ
リン,リチウム塩
3−[2−チア−3−[2−(E−2−カルボキシエテニル)−3−(8−(
4−メトキシフェニル)オクチルオキシ)−6−ピリジル]プロピル]−N,N
−ジメチルアニリン、
3−[1−オキシチア−2−[2−(E−2−カルボキシエテニル)−3−(
8−(4−メトキシフェニル)オクチルオキシ)−6−ピリジル]エチルアニリ
ン、
3−[1−オキシチア−2−[2−(E−2−カルボキシエテニル)−3−(
8−(4−メトキシフェニル)オクチルオキシ)−6−ピリジル]エチル]−N
,N−ジメチルアニリン、
3−[1−ジオキシチア−2−[2−(E−2−カルボキシエテニル)−3−
(8−(4−メトキシフェニル)オクチルオキシ)−6−ピリジル]エチル]ア
ニリン、
(E)−3−[3−[4−(4−メトキシフェニル)ブチルオキシ]−6−[
(2−フェニルチオ)メチル]−2−ピリジニル]−2−プロペン酸リチウム、
(E)−3−[3−[4−(4−メトキシフェニル)ブチルオキシ]−6−[
(3,4−ジクロロフェニルチオ)メチル]−2−ピリジニル]−2−プロペン
酸リチウム、
(E)−3−[3−[4−(4−メトキシフェニル)ブチルオキシ]−6−[
(4−クロロフェニルチオ)メチル]−2−ピリジニル]−2−プロペン酸リチ
ウム、
(E)−3−[3−[4−(4−メトキシフェニル)ブチルオキシ]−6−[
(4−フルオロフェニルチオ)メチル]−2−ピリジニル]−2−プロペン酸ナ
トリウム、
(E)−3−[3−[4−(4−メトキシフェニル)ブチルオキシ]−6−[
(2−クロロフェニルチオ)メチル]−2−ピリジニル−2−プロペン酸リチウ
ム、
(E)−3−[3−[4−(4−メトキシフェニル)ブチルオキシ]−6−[
(2−クロロベンジルチオ)メチル]−2−ピリジニル]−2−プロペン酸ナト
リウム、
(E)−3−[3−[4−(4−メトキシフェニル)ブチルオキシ]−6−[
(2−メチルフェニルチオ)メチル]−2−ピリジニル]−2−プロペン酸ナト
リウム、
(E)−3−[3−[4−(4−メトキシフェニル)ブチルオキシ]−6−[
(3−クロロフェニルチオ)メチル]−2−ピリジニル]−2−プロペン酸ナト
リウム、
(E)−3−[3−[4−(4−メトキシフェニル)ブチルオキシ]−6−[
(2−メトキシフェニルチオ)メチル]−2−ピリジニル]−2−プロペン酸ナ
トリウム、
(E)−3−[3−[4−(4−メトキシフェニル)ブチルオキシ]−6−
[(2,4−ジクロロフェニルチオ)メチル]−2−ピリジニル]−2−プロペ
ン酸ナトリウム、
(E)−3−[3−[4−(4−メトキシフェニル)ブチルオキシ]−6−[
(2−ブロモフェニルチオ)メチル]−2−ピリジニル]−2−プロペン酸ナト
リウム、
(E)−3−[3−[4−(4−メトキシフェニル)ブチルオキシ]−6−[
(2−エチルフェニルチオ)メチル]−2−ピリジニル]−2−プロペン酸ナト
リウム、
(E)−3−[3−[4−(4−メトキシフェニル)ブチルオキシ]−6−[
(2,6−フルオロフェニルチオ)メチル]−2−ピリジニル]−2−プロペン
酸ナトリウム、
(E)−3−[3−[4−(4−メトキシフェニル)ブチルオキシ]−6−[
(2,6−ジメチルフェニルチオ)メチル]−2−ピリジニル]−2−プロペン
酸ナトリウム、
(E)−3−[3−[4−(4−メトキシフェニル)ブチルオキシ]−6−[
(2,6−ジメトキシフェニルチオ)メチル]−2−ピリジニル]−2−プロペ
ン酸ナトリウム、
(E)−3−[3−[4−(4−メトキシフェニル)ブチルオキシ]−6−[
(2,6−ジクロロフェニルチオ)メチル]−2−ピリジニル]−2−プロペン
酸リチウム、
(E)−3−[3−[4−(4−フルオロフェニル)ブチルオキシ]−6−[
(2,6−ジクロロフェニルチオ)メチル]−2−ピリジニル]−2−プロペン
酸ナトリウム、
(E)−3−[3−[4−(4−フルオロフェニル)ブチルオキシ]−6−[
(2,6−ジフルオロフェニルチオ)メチル]−2−ピリジニル]−2−プロペ
ン酸ナトリウム、
(E)−3−[3−[4−(4−フルオロフェニル)エチルオキシ]−6−[
(2,6−ジクロロフェニルチオ)メチル]−2−ピリジニル]−2−プロペ
ン酸ナトリウム、
(E)−3−[3−[4−(4−フルオロフェニル)エチルオキシ]−6−[
(2,6−ジフルオロフェニルチオ)メチル]−2−ピリジニル]−2−プロペ
ン酸ナトリウム、
(E)−3−[3−(4−フルオロベンジルオキシ)−6−[(2,6−ジク
ロロフェニルチオ)メチル]−2−ピリジニル]−2−プロペン酸ナトリウム、
(E)−3−[3−[4−フェニルブチルオキシ]−6−[(2,6−ジクロ
ロフェニルチオ)メチル]−2−ピリジニル]−2−プロペン酸ナトリウム、
(E)−3−[3−[2−フェニルエチルオキシ]−6−[(2,6−ジクロ
ロフェニルチオ)メチル]−2−ピリジニル]−2−プロペン酸ナトリウム、
(E)−3−[3−[2−(4−フルオロフェニル)エチルオキシ]−6−[
(2,6−ジクロロフェニルチオ)メチル]−2−ピリジニル]−2−プロパン
酸ナトリウム、
(E)−3−[3−[4−(4−フルオロフェニル)ブチルオキシ]−6−[
(2,6−ジクロロフェニルチオ)メチル]−2−ピリジニル]−2−プロパン
酸ナトリウム、
(E)−3−[3−[4−(4−メトキシフェニル)ブチルオキシ]−6−[
(2,6−ジクロロフェニルチオ)メチル]−2−ピリジニル]−2−プロパン
酸ナトリウム、
(E)−3−[3−[2−(4−メトキシフェニル)エチルオキシ]−6−[
(2,6−ジクロロフェニルチオ)メチル]−2−ピリジニル]−2−プロペン
酸ナトリウム、
(E)−3−[3−[2−(4−フルオロフェニル)エチルオキシ]−6−[
(2,4,6−トリクロロフェニルチオ)メチル]−2−ピリジニル]−2−プロ
ペン酸ナトリウム、
(E)−3−[3−[2−(4−フルオロフェニル)エチルオキシ]−6−[
(2−クロロ−6−メチルフェニルチオ)メチル]−2−ピリジニル]−2−
プロペン酸ナトリウム、
(E)−3−[3−[2−(4−メトキシフェニル)エチルオキシ]−6−[
(2,6−ジクロロフェニルチオ)メチル]−2−ピリジニル]−2−プロパン
酸ナトリウム、
(E)−3−[3−[2−(4−クロロフェニル)エチルオキシ]−6−[(
2,6−ジクロロフェニルチオ)メチル]−2−ピリジニル]−2−プロペン酸
、
(E)−3−[3−[8−(4−メトキシフェニル)オクチルオキシ]−6−
[(2,6−ジクロロフェニルチオ)メチル]−2−ピリジニル]−2−プロペ
ン酸、
(E)−3−[3−[2−フェネチルオキシ]−6−[(2,6−ジクロロフ
ェニルチオ)メチル]−2−ピリジニル]−2−プロペン酸、
(E)−3−[3−[3−フェニルプロピルオキシ]−6−[(2,6−ジク
ロロフェニルチオ)メチル]−2−ピリジニル]−2−プロペン酸、
(E)−N,N−ジエチル3−[3−[2−フェネチルオキシ]−6−[(2,
6−ジクロロフェニルチオ)メチル]−2−ピリジニル]−2−プロペンアミド
、
(E)−3−[3−[2−フェネチルオキシ]−6−[(2,6−ジクロロフ
ェニルオキシ)メチル]−2−ピリジニル]−2−プロペン酸、
(E)−3−[3−[2−(チエン−2−イル)エチルオキシ]−6−[(2
,6−ジクロロフェニルチオ)メチル]−2−ピリジニル]−2−プロペン酸、
(E)−3−[3−[2−(チエン−3−イル)エチルオキシ]−6−[(2
,6−ジクロロフェニルチオ)メチル]−2−ピリジニル]−2−プロペン酸、
(E)−3−[3−[2−(3−メチルチアゾール−2−イル)エチルオキシ
]−6−[(2,6−ジクロロフェニルチオ)メチル]−2−ピリジニル]−2
−プロペン酸、
(E)−N,N−ジエチル3−[3−[2−フェネチルオキシ]−6−[(2,
6−ジクロロフェニルチオ)メチル]−2−ピリジニル]−2−プロペンアミド
、
(E)−3−[3−[2−フェネチルオキシ]−6−[(2,6−ジクロロフ
ェニルスルフィニル)メチル]−2−ピリジニル]−2−プロペン酸、
(E)−3−[3−[2−フェネチルオキシ]−6−[(2,6−ジクロロフ
ェニルスルホニル)メチル]−2−ピリジニル]−2−プロペン酸、
3−[3−[2−フェネチルオキシ]−6−[(2,6−ジクロロフェニルチ
オ)メチル]−2−ピリジニル]プロパン酸、
3−[3−[2−フェネチルオキシ]−6−[(2,6−ジクロロフェニルス
ルフィニル)メチル]−2−ピリジニル]プロパン酸、
3−[3−[2−フェネチルオキシ]−6−[(2,6−ジクロロフェニルス
ルホニル)メチル]−2−ピリジニル]プロパン酸、
3−[3−[8−(4−メトキシフェニル)オクチルオキシ]−6−[(2,
6−ジクロロフェニルスルフィニル)メチル]−2−ピリジニル]プロパン酸、
3−[3−[8−(4−メトキシフェニル)オクチルオキシ]−6−[(2,
6−ジクロロフェニルジオキシスルホニル)メチル]−2−ピリジニル]プロパ
ン酸、または
それらの遊離酸または別の医薬上許容される塩。
合成
同時係属の米国出願08/211063(1994年7月18日出願、PCT
/US92/07466(WO93/06085)としてすでに公開)および同
時係属の米国出願08/163974(1993年12月8日出願、PCT出願
PCT/US93/06234(WO94/00437)としてすでに公開)を
包含する(これらに限らない)いくつかの特許出願において公表された方法によ
り本発明化合物を製造することができる。
上記公報に開示されたように、これらの化合物の製造にはいくつかの方法が存
在する。1の一般的な方法は、6−(ハロメチル)ピリジル付加物を調製し、次
いで、このフラグメントを適当なメルカプタンまたはアルコールと縮合させてZ
がイオウまたは酸素である化合物を調製することを特徴とする。通常には、酸基
のごとき官能基を保護する。特定の方法により酸基を誘導体として反応性をなく
してもよい。縮合反応後、保護基を除去してもとの官能基、例えば酸を得てもよ
い。次いで、これらの反応性基のさらなる修飾、例えば、塩、アミド、エステル
等の形成を行うことができる。文献記載の方法により、対応アミン類からスルホ
ンアミド類を調製する。文献記載の方法により、対応酸ハロゲン化物、例えば酸
塩化物からテトラゾール類を調製する。
これらの化合物の製造に関する化学についてのより詳細な説明を下記反応スキ
ームに示す。スキームIは、Rである置換フェニルアルキル尾部の製造のための
手段を概説する。
このスキームでは3−オクチル−1−オールとして示した出発アルコールは市
販されている(Lancaster Synthesis)。三重結合をω−炭素に移動させるため
に、KHおよび1,3−ジアミノプロパンを混合し、撹拌して均一混合物とする
。周囲温度または周囲温度近くの温度でこれを行うことができる。次いで、この
混合物を冷却し、好ましくは約0℃まで冷却し、そこにアルコールを添加する。
次いで、室温近くで撹拌を開始し、15ないし20時間程度撹拌する。水を添加
して反応を不活性化し、生成物を回収する。
このスキームではt−ブチルジフェニルシリルエーテルとして示したシリルエ
ーテルを形成することによりアルコールの保護を行う。他のシリルエーテルを使
用することもできる。アルコールを極性溶媒、例えばジメチルホルムアミドに溶
解し、イミダゾールを添加し、次いで、所望シランを添加する。アルゴンのごと
き不活性雰囲気下でこの手順を全部行う。
溶媒にアミンを用い、不活性雰囲気下で、フェニル基の添加を乾燥条件下で行
う。アルゴン下のトリエチルアミンのごとき溶媒の入ったフラスコに、シリルエ
ーテルを添加し、次いで、ハロフェニル化合物、例えばヨードアニソール、パラ
ジウム触媒(Ph3P)2PdCl2およびCuIを添加する。後者2つの化合物
はいずれも触媒量添加する。加熱して反応を起こさせるが、通常には、約50℃
までの温度で十分であろう。2時間またはそれ以上6時間まで、しかしながらし
ばしば4時間、昇温して反応を完結させる。
次いで、好ましくは触媒を用いる水素添加により三重結合を飽和させる。例え
ば、シリルエーテルをアルコールのごとき飽和溶媒に溶解し、重金属触媒(Pd
−C)を添加し、次いで、三重結合の還元に十分な時間、混合物をH2下に置く
ことができる。通常には、2ないし6時間の撹拌により反応を行う。
シリルエーテルをフッ素源(例えば、フッ化テトラブチルアンモニウム)で処
理することによりアルコールの回収を行う。わずかに降温(例えば0℃)して反
応物を混合し、次いで、周囲温度または周囲温度付近の温度で反応を進行させる
。反応完結までに数時間を要するかもしれない。抽出手段により生成物を回収し
た。
ホスフィン、イミダゾールおよびI2を用いてアルコールのヨード化合物への
変換を行う。実際には、アルゴン雰囲気下で、例えば、1モル過剰のトリフェニ
ルホスフィン、および3倍過剰のイミダゾール、次いでヨウ素をアルコール溶液
に添加することによりこの変換を行うが、その後反応物を50ないし70℃の間
に短時間、10分ないし1時間加熱して反応を完結させてもよい。次いで、標準
的手順を用いて生成物を回収し、精製する。
スキームIIは、R基の調製のための別法を説明する。
このスキームではメトキシフェニル化合物を説明するが、この一連の工程およ
び試薬を用いて、Rで示される他の置換ω−フェニル脂肪族基を作成してもよい
。出発材料ベンズアルデヒドは市販されているか、または既知方法により容易に
製造することができる。
酸を得るために、まず、不活性雰囲気下でアルキルシラジドを不活性溶媒に添
加する。次いで、ホスホニウム塩を添加する。室温またはその付近でこの添加を
行うことができる。短時間混合した後、通常には、この混合物は懸濁液であり、
ほぼ室温においてベンズアルデヒドをゆっくりと添加する。わずかにモル過剰の
ホスホニウム塩を用いる。ほぼ室温において短時間撹拌しながら添加した後、水
を用いて反応を不活性化させる。溶液を酸性にし、適当な有機溶媒で酸を抽出す
る。所望によりさらなる分離精製手順を用いてもよい。
還元剤を用いて酸を還元することによりアルコールを得る。水素化アルミニウ
ムリチウムまたは類似の還元剤を用いてもよく、還元を行うために適宜条件を変
更することができる。
ピリジンのごとき塩基を用いて不活性溶媒中でトシレートを調製する。適当な
条件は、室温またはその付近で1ないし5時間反応を行うことを包含する。トシ
レートと機能的に類似した他の脱離基を調製してもよく、R部分の形成手段とし
て有用であろう。
これらの手順を用いて、末端フェニル基を有するRで示される全部の基(置換
フェニル脂肪族基を包含)を作成することができる。
ベンジルメルカプタン、またはmが1またはそれ以上の類似化合物は市販され
ているか、あるいはスキームIIIの方法により製造することができる。
出発物質ハロアルキル安息香酸は市販されているか、あるいは当該分野で知ら
れた方法により調製することができる。周囲温度またはその付近にてチオウレア
をハロアルキル安息香酸溶液に添加する。いずれの適当な溶媒、例えばアセトン
を用いてもよい。これらの条件下でチオウロニウム塩の沈殿が生じるはずである
。沈殿を集め、水に溶解し、塩基(例えばNaOH溶液)を用いてpHを10.
5に合わせる。次いで、1ないし4時間還流する。次いで、遊離酸となった生成
物を何らかの分離精製手段により回収する。次いで、酸をアルコールと混合し、
溶液にHClを吹き込み、得られた溶液を数日以内(通常には反応には2日間で
十
分である)放置することによりエステル化を行う。
スキームIVに示す工程によりZが酸素である式Iの化合物を得ることができ
る。
出発物質はAldrichから入手可能である。それをMnO2のごとき温和な酸化剤
で処理して2−ヒドロキシエチル基を対応アルデヒドにまで酸化する。次いで、
R基を形成する。この場合、α−ハロ中間体を用いる塩基性条件下でエーテルが
生成される。スキームIIIのごとく調製されたトシレートをこの工程に用いる
こともできる。トリフェニルホスホラニリデン試薬を用いることにより2位にお
ける酸官能基の導入を行う。このスキームにはアセテート形態を示すが、他の類
似の試薬を用いることもできる。次いで、ペルオキシ酸を用いることによりN−
オキシドを形成する。無水トリフルオロ酢酸を用いて6−位のメチル基を酸化す
る。次いで、塩化チオニルを用いることによりこのヒドロキシメチル基を対応ハ
ライド(ヒドロハライド形態)(このスキームの場合クロライド)に変換する。
次いで、ヨウ化テトラブチルアンモニウムおよび弱酸の存在下でヒドロキシ安息
香酸アルキルを6−クロロメチル化合物と反応させる。生じたジエステルを加水
分解して塩とし、あるいはさらに酸性にして遊離酸を得ることができる。酸化剤
を用いてN−オキシドを再生し、次いで、これを塩基で処理してエステルを加水
分解することができる。エステルを塩、遊離酸および他の誘導体に変換すること
ができる。触媒を用いる水素添加を用いて、このスキーム記載のR1基中の二重
結合を還元することができる。
スキームVは、ZがSであり、mが0である化合物の製造方法を説明する。
出発塩酸塩はスキームIVに記載されている。塩酸塩をアルコール処理するか
わりに、この例では上記ヒドロキシ安息香酸のメルカプトアナログを用いる。生
じたチオエーテルを加水分解して塩を得ることができ、あるいはさらに処理して
遊離酸を得て、そこからカルボキシル官能基の他の誘導体(アルコール類および
アルデヒド類を包含)を得ることもできる。また、重金属触媒および水素を用い
る触媒的手段を用いてR1基中の二重結合を還元することもできる。
チオエーテルが得られたならば、チオエーテルを酸化剤で処理することにより
スルホンおよびスルホキシドを調製することができる。ペルオキシ酸または他の
酸化剤を用いることができる。
Rがアルキルまたは置換アルキルである化合物の製造方法をスキームVIに示
す。
このスキームにおいて、対応アルコールおよび反応を触媒するための酸を用い
て2−ヒドロキシピコリン酸をアルキルエステルに変換する。次いで、無水トリ
フルオロメタンスルホン酸および塩基(例えばピリジン)を用いることによりヒ
ドロキシル基をトリフルオロメチルスルホネートに変換する。パラジウムカップ
リング条件下にて適当なアルキルカテコールボロネートを用いて脂質尾部を付け
る。次いで、Pd(OAc)2を用いてアルキル化反応を行う。水素化ジイソブ
チルアルミニウム(DIBAL)のごとき水素化物を用いてエステルを対応アル
デヒドまで還元する。次いで、例えば(トリフェニルホスホラニリデン)酢酸メ
チルを用いてWittigオレフィン化を行う。次いで、生じたピリジルメチルアクリ
レートを、3−クロロペルオキシ安息香酸のごとき酸化剤を用いて酸化してN−
オキシドとする。次いで、無水トリフルオロ酢酸を用いてこのオキシドを転移さ
せて2−ピリドンとする。次いで、無水トリフルオロメタンスルホン酸およびピ
リジンを用いてトリフルオロメチルスルホネートを得る。次いで、Pd(OAc
)2、単純アルコール、および一酸化炭素を用いることによりカルボメチル化を
行う。ピリジルエステルの選択的還元(低分子アルコール中NaBH4のごとき
水素化物を用いる)により2−(ヒドロキシメチル)−ピリジンを得る。この化
合物を塩化チオニルで処理して6−クロロメチル化合物を得る。スキームIV〜
VIに示す方法と同じ方法でこの中間体を式Iのエーテルまたはチオエーテルに
変換する。
本発明医薬組成物は、医薬担体または希釈剤およびある程度の量の式(I)の
化合物を含んでなる。化合物は生理学的応答を起こさせる量で存在してもよく、
あるいは意図した治療効果を発揮するために化合物を2回またはそれ以上の回数
使用者が投与を受けることとなるように少量で存在してもよい。これらの組成物
を固体、液体または気体の形態となるよう製造してもよい。あるいは、例えば、
固体をエアロゾル手段により送達する場合、あるいは液体をスプレーまたはエア
ロルとして送達する場合には、これらの3形態の1つを別の形態に変化させても
よい。
もちろん、意図される投与経路(例えば非経口、局所、経口または吸入)に応
じて組成物および医薬担体または希釈剤の性質は変更されるであろう。
局所投与には、医薬組成物はクリーム、軟膏、リニメント、ローション、パス
タならびに目、耳または鼻への投与に適した滴剤の形態であろう。
経口投与には、医薬組成物は錠剤、カプセル、粉末、ペレット、トローチ、甘
味入り錠剤、シロップ、液剤、またはエマルジョンの形態であろう。
医薬組成物を溶液または懸濁液の形態で用いる場合、適当な医薬担体または希
釈剤の例は以下のものを包含する:水系には水;非水系にはエタノール、グリセ
リン、プロピレングリコール、トウモロコシ油、綿実油、ピーナッツ油、ゴマ油
、流動パラフィン、およびそれらと水との混合物;固体系にはラクトース、カオ
リンおよびマンニトール;エアロゾル系にはジクロロジフルオロメタン、クロロ
トリフルオロエタンおよび圧縮二酸化炭素である。また、医薬担体または希釈剤
のほかに、本発明組成物は安定化剤、抗酸化剤、保存料、滑沢剤、懸濁剤、粘度
調節剤等のごとき他の成分を含んでいてもよいが、さらなる成分が本発明組成物
の治療作用に悪影響を及ぼさないことが条件となる。
所望最終製品に応じて薬化学者の慣用的方法に従って、かくして説明した医薬
組成物を製造する。
アトピー性または接触性皮膚炎を治療するための処方は経口または局所用調合
品の形態であってよい。局所適用処方が好ましい。軟膏、クリーム、リニメント
、ローション、パスタおよび類似調合物は好ましい局所処方の例である。エアロ
ゾルを用いてもよい。これらの剤型は0.01ないし5重量%の有効成分を含有
する。
通常には、疾病状態の抑制に十分な無毒量を含有する組成物として、対象に適
用すべき式Iの化合物を投与する。経口的に投与する場合、組成物の用量は、1
回の投与につき有効成分50mgないし1000mgの範囲から選択する。便利
のため、1日1ないし5回等量を投与し、その投与規則は約50mgないし約5
000mgから選択する。局所処方を用いる場合、適用量は罹患部位のサイズな
らびに疾病、すなわちアトピー性皮膚炎または接触性皮膚炎の重さおよび進行に
左右される。
この開示はアトピー性皮膚炎または接触性皮膚炎の治療方法に関する。
アトピー性皮膚炎は青年および成人に起こる慢性疾患である。その起源は不明
であるが、アレルギー性、遺伝性および心因性因子が関与していると思われる。
主として傷害は、ひざおよびひじの内側表面に生じるが、他の部位にも生じうる
。それらは苔癬、擦過傷、および痂皮を特徴とする。幼児および小児において、
時々、症状は小児皮膚炎またはベニエー痒疹と呼ばれる。それはアレルギー性皮
膚炎、曲湿疹または散在性神経皮膚炎とも呼ばれる。
接触性皮膚炎は、化学的、動物性または植物性の種々の物質との接触により引
き起こされる急性アレルギー性皮膚炎であり、それらの物質に対して過敏性が獲
得されて生じ、重い場合には植物皮膚炎と呼ばれる。
治療は、適当間隔をおいて投与、または必要により1回の投与で行われる。通
常には、徴候の緩和が特に必要な場合にこの方法を実施する。しかしながら、有
用には、連続的または予防的処置として当該方法を実施する。治療すべき症状ま
たは疾病の重篤性等の因子を考慮して上記用量範囲から投与すべき有効用量を常
用される実験により決定することは当該分野の技術の範囲内である。
本明細書の指示および善良な医学慣習に従って本発明方法を実施した場合、毒
性が生じるとは考えられない。
特定の具体例
下記実施例は本発明化合物をいかにして使用するのかを説明するためのもので
ある。これらの実施例は単なる実施例であり、本発明の範囲を制限あるいは限定
するものではない。この文書により発明者に保有される権利を画定するために請
求の範囲の参照が行われる。
同時係属の米国出願USSN08/211063(1994年7月18日出願
、PCT出願PCT/US92/07466(WO93/06085として公開
)から)ならびにUSSN08/356358(1994年12月19日出願、
PCT出願PCT/US93/06234(WO94/00437として公開)
から)に示す方法により本発明化合物を製造することができる。
実施例1
局所処方
本発明化合物を含有する医薬用途の処方を、種々の形態に、多くのの賦形剤を
用いて製造することができる。種々の処方の製造手段は、Remington's Pharmace
utical Sciencesのごとき標準的教科書ならびに同様の出版物および局方に見い
だされる。処方についての特定の実施例を以下に示す。
軟膏
親水性ワセリン
成分 量(% 重量/重量)
コレステロール 30.0g
ステアリルアルコール 30.0g
白ロウ 78.0g
有効成分 2.0g
白色ワセリン 860.0g
ステアリルアルコール、白ロウおよび白色ワセリンを混合融解し(例えばスチ
ームバスで)、コレステロールおよび有効成分を添加する。撹拌を開始し、固体
が消失するまで継続する。熱源を除去し、混合物を放置凝固させ、金属またはプ
ラスチックチューブに充填する。
エマルジョン軟膏
成分 量(% 重量/重量)
メチルパラベン 0.25g
プロピルパラベン 0.15g
ラウリル硫酸ナトリウム 10.0g
有効成分 5.0g
プロピレングリコール 120.0g
ステアリルアルコール 250.0g
白色ワセリン 250.0g
精製水 添加して1000.0とする
ステアリルアルコールおよび白色ワセリンを熱により混合する。他の成分を水
に溶解し、次いで、この溶液を温(約50ないし100℃)アルコール/ワセリ
ン混合物に添加し、混合物が凝固するまで撹拌する。次いで、それをチューブま
たは別の適当な容器に充填することができる。