JPH11500382A - 自動車屋根用のキャリヤ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 自動車屋根用キャリヤの棒材は、その両端に支持脚部（６）を備え、該脚部は棒材（１）の案内レール（３）内に摺動可能に取り付けられる頭部（５）を有する。頭部（５）は、棒材（１）のねじ山付き溝（４）に螺合されて支持脚部（６）を棒材（１）に沿って移動させるべく回転可能なねじ山付き部材（７）とともに、軸方向に移動可能である。棒材は、大径の頭部（１４）を有するボルト（１３）を備え、該ボルトは、自動車の屋根の側縁部と係合するように構成されたフック（１７）を有するフック部材（１２）のスロット（１５）に係合する。

Description

【発明の詳細な説明】 自動車屋根用のキャリヤ 技術分野 本発明は、両端部と、少なくとも該両端部のそれぞれに沿って設けられた長手 方向案内レールとを有する棒材と、自動車の長手方向に対して前記棒材を直角に 配設した自動車の屋根上に支持されて、前記棒材の前記案内レール内にそれぞれ 摺動可能に取り付けられる二つの棒材支持脚部と前記棒材と前記それぞれの脚部 との間に機能的に配設されて、対応する案内レールに沿った各脚部の移動を調節 するねじ及びナット調節手段とを有する型の自動車屋根用のキャリヤに関する。 従来技術 上述した特徴を有する自動車屋根用のキャリヤは、米国特許出願公開第５３９ ７０４２号公報から公知である。しかしながら、この公知のキャリヤの構成は、 比較的複雑で高価であった。 本発明の目的は、部品数の少ない単純な構造で製造及び組立コストが安く、し かも、自動車構造への接続の絶対的信頼性と安全性を保証しつつ、自動車の屋根 への容易且つ迅速な取り付け、様々な形状の自動車の屋根への適合、更には屋根 の後端部に近接した位置への取り付けをも可能とした、自動車屋根用のキャリヤ を提供することである。 発明の開示 上述した要求の全てを効果的に実現するために、本発明は、冒頭に記載した型 の自動車屋根用のキャリヤであって、前記ねじ及びナット調節手段が、前記棒材 の各端部内に形成されたねじ山付き長手方向端部溝と、棒材の前記ねじ山付き端 部溝にそれぞれ螺合されて、棒材の長手方向に沿った移動に関して各棒材支持脚 部に機能的に接続される二つのねじ山付き部材と、各ねじ山付き部材をそれぞれ のねじ山付き端部溝に沿って移動させ、以て対応する脚部を前記案内レールに沿 って長手方向に移動させるように、前記ねじ山付き部材のそれぞれを回転させる 手段とを備えたことを特徴とするキャリヤを提供する。 棒材は、例えば軽量合金の押出材例えば異形材から形成することができ、前記 案内レール及び前記溝は単一の工程で形成され、その後に前記溝をねじ立て工程 に移す。各棒材支持脚部は、製造が容易で安価な薄板金構造を有してもよい。 各ねじ山付き部材を回転させる前記手段は、各ねじ山付き部材を貫通して形成 された断面非円形の軸方向孔内に摺動可能に係合可能な操作工具から成る。 また、前記ねじ山付き端部溝は、逆方向にねじを切った部分を有しても良く、 この場合前記ねじ山付き部材を回転させる前記手段は、棒材内に回転可能に取り 付けられて両方のねじ山付き部材内に摺動可能に係合可能な単一のロッドから成 り、前記ロッドは、棒材の外側に突出して操作ノブを備えた一方の端部を有し、 それにより、棒材の中心に対して二つのねじ山付き部材を同時且つ対称的に移動 させている。 本発明によるキャリヤの構造が、極めて少数の部品から成り、製造及び組立が 簡単で安価であることは、明らかであろう。 本発明の第一の実施形態において、前記脚部は、自動車の屋根上に載置される 足部を備え、前記キャリヤは更に、前記二つの支持脚部にそれぞれ接続可能で自 動車の屋根の側縁部に係合可能な二つのフック部材を備えている。 第一の実施形態の場合、自動車屋根上への取り付けにかかるために、棒材支持 脚部を屋根上にそれらの足部を介して設置し、自動車の屋根の側縁部に係合する 二つのフック部材にテンションがかかるまで二つのねじ山付き部材を（上述した 回転調節部材の形態のうちいずれを選択したかに応じて、順次か或いは同時に） 回転駆動する。 自動車の屋根上に固定された二つの長手方向ガイド上に取り付けられるように 構成された第二の実施形態において、前記キャリヤ支持脚部は、前記長手方向ガ イドの外側側面に当接する二つの外側挟持顎部として構成され、前記キャリヤは 、更に、前記棒材の前記案内レール内に摺動可能に取り付けられて前記長手方向 ガイドの内側側面に当接する一対の内側挟持顎部を備え、各長手方向ガイドに係 る外側及び内側の挟持顎部の各対は、互いに共働する相互係合面を有し、それに よ り、各外側顎部が棒材の各端部の方向に移動するときは外側顎部が前記相互係合 面を介して共働する内側顎部も牽引し、各外側顎部が棒材の中心の方向に移動す るときは共同する内側顎部が棒材に対して固定位置にとどまるようにしている。 第二の実施形態の場合、自動車の屋根上にキャリヤを取り付けるために、外側 及び内側の顎部を開放状態にしたまま、屋根に設けられた二本の長手方向ガイド 上に棒材を横方向に配置する。この状態から、各ねじ山付き部材を（順次か或い は同時に）回転駆動して外側顎部を互いから離間する方向に即ち棒材の各端部の 方向に移動させる。この外側顎部の移動により、対応する内側顎部は、長手方向 ガイドの内側側面に当接するまで同時に外側に移動する。当接時点で、各ねじ山 付き部材の回転を反転させ、共働する内側顎部を固定位置にとどめたまま、外側 顎部が長手方向ガイドの外側側面に当接するまで各外側顎部をそれぞれの長手方 向ガイドの方向に移動させる。これにより、外側及び内側の挟持顎部の各対の間 に各ガイドを挟持する。 自動車屋根からの棒材の取り外しは、上述した作業の順序を逆にして行う。 別の好適な特徴によれば、前記案内レール及び該レール内に摺動可能に取り付 けられる支持脚部の対応する部分は、棒材の中心軸線に対する各脚部の角度位置 が変動し得るように形成される。この特徴により、棒材支持脚部の後部足部を後 部窓の一方の側の自動車後部支柱（即ちＣ支柱）に係合させた状態で、例えば自 動車屋根の後縁部に近接した位置にも棒材を取り付けることができる。 本発明の第一の実施形態の好適な特徴は、前記脚部が、水平方向の足部の回転 を禁止する一方で棒材の軸線に直角な垂直面内と前記軸線に平行な垂直面内での 回転を許容する関節式継手を介して、それぞれの足部に接続される、ことにある 。 別の特徴によれば、前記フック部材は、それぞれ、対応する棒材支持脚部から 分離されていると共に、脚部から突出して大径頭部を有するボルトにより係合さ れるスロットを備えている。 好ましくは、前記スロットは、皿状表面内に形成され、前記大径頭部もまた皿 状の形状を有することにより、前記皿状表面上での前記頭部の微調整移動を可能 として、任意の形状の自動車屋根に適合し得るようにしている。 上述した特徴により、屋根上での棒材の組立が極めて容易且つ迅速になると同 時に自動車構造への接続の絶対的安全性が確保される。更に、本発明による装置 は、極めて多様な形状の自動車に効率的に適合させることができる。 本発明の別の好適な特徴によれば、キャリヤは、スキーキャリヤや自転車キャ リヤ等の附属部品を支持するための支持装置を一つ以上備えている。前記支持装 置は、棒材の一方の端部から棒材上に摺動可能に取り付けられてその中央部が棒 材の上表面上に配設されるＣ形形状の略硬質の要素から成る。前記Ｃ形要素は、 該要素を前記棒材上に係止するための手段を備えている。 本発明のさらなる特 徴および利点は、単に非限定的例として記載した以下の添付図面に関する説明に より明らかとなろう。 図面の簡単な説明 図１は、本発明の第一の実施形態によるキャリヤの一方の端部の分解斜視図で あり、 図２は、自動車の屋根に取り付けられた位置における図１のキャリヤの部分断 面正面図であり、 図３及び図４は、二つの異なる作動状態における図１のキャリヤの二つの端面 図であり、 図５は、本発明に基づくキャリヤ上で使用される付属品支持装置を示す斜視略 図であり、 図６は、図５の装置の端面図であり、 図７は、本発明の第二の実施形態の一方の端部の分解斜視図であり、 図８及び図９は、二つの異なる作動状態における図７のキャリヤの断面図であ り、 図１０は、図８のＸ−Ｘ線の断面図である。 発明を実施するための最良の形態 図面を参照すると、本発明に基づくキャリヤは、例えば押出法により得られる 軽合金の異形材から成る棒材１を備えている。図示例において、棒材１は、両端 が尖った略楕円形の断面を有すると共に中央芯部２を有している。該芯部の内部 には、円形の断面を有するねじ山付き単一の溝４とともに長手方向に伸びる案内 レール３が形成され、レール３及び溝４がともに棒材１の全長に亘り貫通してい る。本発明によれば、レール３と同様の案内レールと溝４と同様のねじ山付き溝 を、棒材１の両端部のみに形成することもできる。更に棒材１を形成する材料及 び棒材１の製造技術は、上述したものと異なる別の型のものであってもよい。 棒材１の各端部では、案内レール３内に、棒材１を支持する脚部６の頭部５が 摺動可能に取り付けられている。図示例では、頭部５の構造を含めた脚部６の構 造は、プレス加工された薄板金から成る。図１，図３及び図４から明らかなよう に、図示例の場合、案内レール３はねじ山付き溝４の軸線４ａと同軸のアーチ形 の断面を有し、頭部５は対応するアーチ形断面を有する溝の形状をしている。従 って、頭部５は、案内レール３の内部で軸方向に摺動するのみならず、溝４の軸 線４ａ（図３）を中心としてこのレール内で様々な角位置を採ることができる。 頭部５は更に、突出する歯部５ａを両端に有し、この二つの歯の間にねじ山付き 部材７が軸方向に係止され、ねじ山付き溝４に螺合する。すでに説明したように 、ここに記した構造は棒材の一端についてのものであり、同じ部品配置が反対端 にも在ることは言うまでもない。 図１に示した配置の場合、ねじ山付き部材７は、操作工具により摺動可能に係 合される断面正方形の軸方向孔８を有する。 孔８に工具９を挿入することにより、ねじ山付き部材７を回転させ、ねじ山付 き溝４内に部材をねじ込んだり、緩めたりすることができる。結果として、部材 ７は溝４内を軸方向に移動し、棒材の中心に近づいたり離れたりする。ねじ山付 き部材７は、溝４内を軸方向に移動しつつ該溝に沿って移動するが、この移動の 間、支持脚部６は案内レール３内での頭部５の係合により案内される。 棒材の支持脚部６は、例えばゴム層で覆われた金属板から成り、球継手１１を 介して脚部６に接続される二つの支持足部１０を有する。継手１１は、棒材１の 軸線４ａに直角な垂直面内（図１の矢印Ａ）及び軸線４ａに平行な垂直面内（図 １の矢印Ｂ）のいずれでも各足部１０の軸回動が可能なように、構成されている 。しかしながら、各支持足部１０の水平方向の回転は、妨げられる。各支持脚部 ６は、図示例では各脚部６の構造とは別の成形薄板金からなるフック部材１２を 介 して、自動車の屋根に固定される。脚部６は、フック部材１２の部分１６に形成 されたスロット１５内に収容される大径の頭部１４を有する、ボルト１３を備え ている。部分１６は、棒材１の軸線４ａに直角な垂直面に対して傾斜した平面内 に配設されているので、棒材の取り付け時、ねじ山付き部材７を操作工具９によ り回転させて脚部６を棒材１の中心方向に移動させると（その後、部材１２の端 部フック１７が自動車の屋根の側縁部に係合する）、部材１２にテンションがか かり、安全な係止が得られる。この状態では、足部１０が自動車の屋根に据置か れた状態で支持脚部６が屋根に強く押圧される一方で、支持脚部６の頭部５がそ れぞれ案内レール３内で摺動しないようにこの案内レール内でわずかに傾斜して いる。上述の作業が棒材１の両端に連結する二つの支持脚部６に対して繰り返さ れると、接続の安全が完全に確保される。足部１０を図１の矢印Ａにより示され る方向と矢印Ｂにより示される方向のいずれにも回転させることができるため、 および棒材１の軸線４ａに対して回転した位置に支持脚部６を配設することがで きるため（図４）、本発明に基づくキャリヤはどのような形状の自動車屋根にも 適用され得る。また、最後尾足部１０を他方の足部より低い位置に設置して（図 ４）自動車のＣ支柱に係合させることで、キャリヤを屋根の後端部近傍に取り付 けることもできる。棒材１を更に後方に取り付け可能とするためには、頭部５を 二つの支持足部１０に対して非対称に即ち最後尾の支持足部の方向にずらして配 設した脚部構造を構成することができる。 フック部材１２に戻ると、スロット１５は皿形面１８に開いており、この皿形 面１８上にやはり皿形のボルト１３の頭部１４が係合し、皿形面１８上で頭部１ ４を微調整し得るようにしている（例えば図４参照）。フック部材１２は、また 、部材１２の薄板金の上部を変形することにより形成した突起部を有し、該突起 部が部材１２と脚部構造６の間の単一の上部接点となって、相互の摺動による薄 板金の前記各部の損傷を防いでいる。 図２は、自動車の屋根に取り付けられた状態のキャリヤを示している。この図 は、最初に一方のねじ山付き部材を軸方向に移動させてその後必要に応じて他方 のねじ山付き部材を軸方向に移動させるべく二つのねじ山付き部材７内に順次係 合し得る操作キー９を設ける代わりに、単一のロッド２０（図２では一部のみ可 視）を設けた変形例を示しており、このロッドは棒材１の本体内に回転可能に取 り付けられると共に両方のねじ山付き部材７内に摺動可能に係合して二つの部材 を同時に回転させる。この場合、溝４は棒材１の両端部に互いに逆回りのねじ山 を切った部分を有しているので、ロッド２０を回転させることにより、ねじ山付 き部材７を互いに接近し或いは離れる方向に同時に移動させることができる。ロ ッド２０の回転駆動は、棒材１の外側に突出したロッド２０の一方の端部に堅固 に固定されたノブ２１により、行ってもよい。 図５及び図６は、自転車用キャリヤまたはスキーキャリヤ等の付属品を棒材１ 上に支持するための装置３０を概略的に示す。装置３０は、中央部３０ａと二つ の端部翼部３０ｂとを有する略硬質のＣ字型の本体を備えている。図６に示すよ うに、要素３０の断面は棒材１の断面と整合するように構成されているので、要 素３０は、中央部３０ａを棒材１の上側表面に配置した状態で棒材１の一方の端 部から棒材１上を摺動させることにより、棒材１に取り付けることができる。 この構成により、本体３０に連結される付属品（図示せず）の安定した支持を 確保しつつ、本体３０を迅速且つ容易に棒材１に取り付けることができる。図面 では、本体３０により支持し得るスキーキャリヤ、自転車キャリヤ、ボートキャ リヤ等、種々の型の付属品に関する詳細は示されていない。このような構成の詳 細は、かかる付属品が任意の公知のものでよく単独では本発明の範囲に属さない という理由により、また、図面を省略することにより本発明の理解を容易にする という理由により、省略されている。本体３０を棒材１に軸方向に固定するため に本体３０上に設ける係止装置の詳細についても、同じことがあてはまる。 図７乃至図１０は、二本の長手方向ガイド３１（図８、図９では、一部のみ可 視）を有する自動車の屋根に取り付けられるように構成された、本発明に基づく キャリヤの第二の実施形態を示す。図７乃至図１０の実施形態の構造は第一の実 施形態の構造と実質的に同様であるので、同じ参照番号を用いて対応する部品を 示す。第一の実施形態との主たる相違は、支持脚部が、足部１０を有しておらず 、長手方向ガイド３１の外側面と係合するＶ字型の係合面６０ａを有する外顎部 ６０として形成されている点である。キャリヤが取り付けられた状態では、長手 方向ガイド３１が、外顎部６０と共働する内顎部６１との間に挟持されている。 図 ７を参照すると、外顎部６０、内顎部６１は、ゴムまたはそれに類する材料の本 体を有してもよく、長手方向案内レール３の断面と整合するように構成されたア ーチ形の断面を有する頭部６０ｂ、６１ａをそれぞれ備えている。更に、頭部６ １ａは、上向きに突出する端部歯部６１ｂを有する。該歯部は、頭部６０ｂの一 部を形成して内顎部６１の方向に突出する細長いプレート６０ｄの自由端部に位 置するフック６０ｃと係合する。図１、２の場合と同様に、図７、図８は、それ ぞれ、棒材１が二つの端部溝４を備えて該溝内に二つのねじ山付き部材７を配設 し操作工具９で順次回転させる場合と、溝４の逆向きにねじを切った両端部内に 配設した二本のねじ山付き部材７を同時に回転させる操作ノブを備えた単一ロッ ド２０の場合（図８）とを示している。 図７乃至図１０のキャリヤを自動車の屋根に取り付けるには、外顎部６０と内 顎部６１の各対をそれぞれ開いたまま、キャリヤ１を図８に示した状態で屋根に 載置する。この状態から、ねじ山付き部材７を回転させて、外顎部６０を左側に 移動させる（図８参照）。フック６０ｃが歯部６１ｂと係合しているので、この 外顎部の動きと同時に内顎部６１が長手方向ガイド３１の内側面に当接するまで 移動する。この状態でロッド２０の操作工具９の回転を更に続けて、頭部６１ａ がレール３内で傾斜するまで歯６１ｂを左側に押す（図９）。この傾斜は、頭部 ６１ａとレール３の厚みの違いから生じる遊びにより許容される（図１０も参照 ）。レール３内での頭部６１ａの傾斜（図９参照）により、頭部６１ａはレール ３内に係止される。この時点で、部材７を反対に回転し、外顎部をそれぞれ長手 方向ガイド３１の方向に移動させる。この移動の間、内顎部６１は、図９に示し たように、長手方向ガイド３１の内側面に当接した位置にとどまる。部材７の回 転は、外顎部６０が長手方向ガイド３１に到達してこのガイドを外顎部６０と内 顎部６１の間に挟持するまで、続けられる。キャリヤを取り外すには、部材７を 回転させて、外顎部６０を長手方向ガイド３１から離れる方向に移動させなくて はならない。図９に示される状態になった時点で、キャリヤを持ち上げる。キャ リヤを自動車の屋根から外した時点で、外顎部６０が歯６１ｂに当接するまで外 顎部６０を内顎部６１の方向に戻すことにより、頭部６１ａを解放するに十分な 圧力を付与して頭部６１ａをレール３と平行な非傾斜状態に復帰させる。 発明の効果 前記説明から、本発明に基づく装置がきわめて少ない数の部品により構成され 、しかも容易に且つ低コストで製造・組立てし得ることは明らかである。使用者 は、キャリヤを自動車の屋根に容易且つ迅速に取り付けることができる。この装 置は、様々な形状の自動車に容易に適合させることができ、また自動車屋根の後 縁部に隣接した極端に後方の位置でも棒材の配設が可能である。最後に、自動車 構造への接続の安全性は、十分に確保されている。 もちろん、本発明の原理を維持したまま、構造および実施形態の細部は、単に 例示的に記載説明したものに対して、本発明の範囲から逸脱することなく、広範 に変更してもよい。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】１９９７年２月１４日 【補正内容】 明細書 自動車屋根用のキャリヤ 技術分野 本発明は、両端部と、少なくとも該両端部のそれぞれに沿って設けられた長手 方向案内レールとを有する棒材と、自動車の長手方向に対して前記棒材を直角に 配設した自動車の屋根上に支持されて、前記棒材の前記案内レール内にそれぞれ 摺動可能に取り付けられる二つの棒材支持脚部と、前記棒材と前記脚部のそれぞ れとの間に機能的に配設されて、対応する案内レールに沿った各脚部の移動を調 節するねじ及びナット調節手段とを有する型の自動車屋根用のキャリヤに関する 。 従来技術 上述した特徴を有する自動車屋根用のキャリヤは、来国特許出願公開第５２２ ６５７０号公報及び米国特許出願公開第５３９７０４２号公報から公知である。 しかしながら、この公知のキャリヤの構成は、比較的複雑で高価であった。 本発明の目的は、部品数の少ない単純な構造で製造及び組立コストが安く、し かも、自動車構造への接続の絶対的信頼性と安全性を保証しつつ、自動車の屋根 への容易且つ迅速な取り付け、様々な形状の自動車の屋根への適合、更には屋根 の後端部に近接した位置への取り付けをも可能とした、自動車屋根用のキャリヤ を提供することである。 発明の開示 上述した要求の全てを効果的に実現するために、本発明は、冒頭に記載した型 の自動車屋根用のキャリヤであって、前記ねじ及びナット調節手段が、前記棒材 の各端部内に形成されたねじ山付き長手方向端部溝と、棒材の前記ねじ山付き端 部溝にそれぞれ螺合されて、棒材の長手方向に沿った移動に関して各棒材支持脚 部に機能的に接続される二つのねじ山付き部材と、各ねじ山付き部材をそれぞれ のねじ山付き端部溝内で軸方向に移動させ、以て対応する脚部を前記案内レール に沿って長手方向に移動させるように、前記ねじ山付き部材のそれぞれを回転さ せる手段とを備えたことを特徴とするキャリヤを提供する。 棒材は、例えば軽量合金の押出材例えば異形材から形成することができ、前記 案内レール及び前記溝は単一の工程で形成され、その後に前記溝をねじ立て工程 に移す。各棒材支持脚部は、製造が容易で安価な薄板金構造を有してもよい。 各ねじ山付き部材を回転させる前記手段は、各ねじ山付き部材を貫通して形成 された断面非円形の軸方向孔内に摺動可能に係合可能な操作工具から成る。 また、前記ねじ山付き端部溝は、逆方向にねじを切った部分を有しても良く、 この場合前記ねじ山付き部材を回転させる前記手段は、棒材内に回転可能に取り 付けられて両方のねじ山付き部材内に摺動可能に係合可能な単一のロッドから成 り、前記ロッドは、棒材の外側に突出して操作ノブを備えた一方の端部を有し、 それにより、棒材の中心に対して二つのねじ山付き部材を同時且つ対称的に移動 させている。 本発明によるキャリヤの構造が、極めて少数の部品から成り、製造及び組立が 簡単で安価であることは、明らかであろう。 本発明の第一の実施形態において、前記脚部は、自動車の屋根上に載置される 足部を備え、前記キャリヤは更に、前記二つの支持脚部にそれぞれ接続可能で自 動車の屋根の側縁部に係合可能な二つのフック部材を備えている。 第一の実施形態の場合、自動車屋根上への取り付けにかかるために、棒材支持 脚部を屋根上にそれらの足部を介して設置し、自動車の屋根の側縁部に係合する 二つのフック部材にテンションがかかるまで二つのねじ山付き部材を（上述した 回転調節部材の形態のうちいずれを選択したかに応じて、順次か或いは同時に） 回転駆動する。 自動車の屋根上に固定された二つの長手方向ガイド上に取り付けられるように 構成された第二の実施形態において、前記キャリヤ支持脚部は、前記長手方向ガ イドの外側側面に当接する二つの外側挟持顎部として構成され、前記キャリヤは 、更に、前記棒材の前記案内レール内に摺動可能に取り付けられて前記長手方向 ガイドの内側側面に当接する一対の内側挟持顎部を備え、各長手方向ガイドに係 る外側及び内側の挟持顎部の各対は、互いに共働する相互係合面を有し、それに よ り、各外側顎部が棒材の各端部の方向に移動するときは外側顎部が前記相互係合 面を介して共働する内側顎部も牽引し、各外側顎部が棒材の中心の方向に移動す るときは共同する内側顎部が棒材に対して固定位置にとどまるようにしている。 第二の実施形態の場合、自動車の屋根上にキャリヤを取り付けるために、外側 及び内側の顎部を開放状態にしたまま、屋根に設けられた二本の長手方向ガイド 上に棒材を横方向に配置する。この状態から、各ねじ山付き部材を（順次か或い は同時に）回転駆動して外側顎部を互いから離間する方向に即ち棒材の各端部の 方向に移動させる。この外側顎部の移動により、対応する内側顎部は、長手方向 ガイドの内側側面に当接するまで同時に外側に移動する。当接時点で、各ねじ山 付き部材の回転を反転させ、共働する内側顎部を固定位置にとどめたまま、外側 顎部が長手方向ガイドの外側側面に当接するまで各外側顎部をそれぞれの長手方 向ガイドの方向に移動させる。これにより、外側及び内側の挟持顎部の各対の間 に各ガイドを挟持する。 自動車屋根からの棒材の取り外しは、上述した作業の順序を逆にして行う。 別の好適な特徴によれば、前記案内レール及び該レール内に摺動可能に取り付 けられる支持脚部の対応する部分は、棒材の中心軸線に対する各脚部の角度位置 が変動し得るように形成される。この特徴により、棒材支持脚部の後部足部を後 部窓の一方の側の自動車後部支柱（即ちＣ支柱）に係合させた状態で、例えば自 動車屋根の後縁部に近接した位置にも棒材を取り付けることができる。 本発明の第一の実施形態の好適な特徴は、前記脚部が、水平方向の足部の回転 を禁止する一方で棒材の軸線に直角な垂直面内と前記軸線に平行な垂直面内での 回転を許容する関節式継手を介して、それぞれの足部に接続される、ことにある 。 別の特徴によれば、前記フック部材は、それぞれ、対応する棒材支持脚部から 分離されていると共に、脚部から突出して大径頭部を有するボルトにより係合さ れるスロットを備えている。 好ましくは、前記スロットは、皿状表面内に形成され、前記大径頭部もまた皿 状の形状を有することにより、前記皿状表面上での前記頭部の微調整移動を可能 として、任意の形状の自動車屋根に適合し得るようにしている。 上述した特徴により、屋根上での棒材の組立が極めて容易且つ迅速になると同 請求の範囲 １．両端部と、少なくとも該両端部のそれぞれに沿って設けられた長手方向案内 レール（３）とを有する棒材（１）と、自動車の長手方向に対して前記棒材（１ ）を直角に配設した自動車の屋根上に支持されて、前記棒材（１）の前記案内レ ール内にそれぞれ摺動可能に取り付けられる二つの棒材支持脚部（６，６０）と 、前記棒材（１）と前記それぞれの脚部（６，６０）との間に機能的に配設され て、対応する案内レールに沿った各脚部（６，６０）の移動を調節するねじ及び ナット調節手段（４，７）とを有する自動車屋根用のキャリヤであって、 前記ねじ及びナット調節手段が、前記棒材（１）の各端部内に形成されたねじ 山付き長手方向端部溝（４）と、棒材（１）の前記ねじ山付き端部溝（４）にそ れぞれ螺合されて、棒材の長手方向に沿った移動に関して各棒材支持脚部（６， ６０）に機能的に接続される二つのねじ山付き部材（７）と、各ねじ山付き部材 （７）をそれぞれのねじ山付き端部溝（４）内で軸方向に移動させ、以て対応す る脚部（６，６０）を前記案内レールに沿って長手方向に移動させるように、前 記ねじ山付き部材（７）のそれぞれを回転させる手段（９，２０）とを備えてい ることを特徴とする自動車屋根用のキャリヤ。 ２．ねじ山付き部材（７）を回転させる前記手段が、各ねじ山付き部材（７）を 貫通して形成された断面非円形の軸方向孔（８）内に摺動可能に係合可能な操作 工具（９）からなることを特徴とする請求の範囲第１項に記載のキャリヤ。 ３．前記ねじ山付き端部溝（４）が、逆方向にねじを切った部分を有し、前記ね じ山付き部材（７）を回転させる前記手段が、棒材（１）内に回転可能に取り付 けられて両方のねじ山付き部材（７）内に摺動可能に係合可能でその回転を調節 するロッド（２０）から成り、前記ロッド（２０）が、棒材（１）の外側に突出 して操作ノブ（２１）を備えた一方の端部を有し、それにより、棒材（１）の中 心に対して二つの支持脚部（６，６０）を同時且つ対称的に移動させるようにし たことを特徴とする請求の範囲第１項に記載のキャリヤ。 ４．前記案内レール（３）及び該レール内に摺動可能に取り付けられる脚部（６ ，６０）の対応する部分（５，６０ｂ，６１ａ）が、棒材（１）の中心軸線に対 す る相互係合面（６０ｃ、６１ｂ）を有し、それにより、各外側顎部が棒材（１） の各端部の方向に移動するときは外側顎部が前記相互係合面（６１ａ、６１ｂ） を介して共働する内側顎部（６１）も牽引し、各外側顎部（６０）が棒材（１） の中心の方向に移動するときは共同する内側顎部（６１）が棒材に対して固定位 置にとどまるようにしたことを特徴とする請求の範囲第１項に記載のキャリヤ。 １０．各内側顎部（６１）が、対応するレール（３）内に遊びをもって収容され る頭部（６１ａ）を有し、それにより、前記相互係合面（６１ｂ、６１ｂ）が前 記内側顎部（６１）を長手方向ガイド（３１）の対応する内側側面に押圧すると 、前記頭部（６１ａ）が各案内レール（３）内で傾斜して案内レール内の所定の 位置で係止されるようにした、ことを特徴とする請求の範囲第９項に記載のキャ リヤ。 １１．前記棒材（１）が、軽量合金の押出異形材であることを特徴とする請求の 範囲第１項記載のキャリヤ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．両端部と、少なくとも該両端部のそれぞれに沿って設けられた長手方向案内 レール（３）とを有する棒材（１）と、自動車の長手方向に対して前記棒材（１ ）を直角に配設される自動車の屋根上に支持されて、前記棒材（１）の前記案内 レール内にそれぞれ摺動可能に取り付けられる二つの棒材支持脚部（６，６０） と、前記棒材（１）と前記それぞれの脚部（６，６０）との間に機能的に配設さ れて、対応する案内レールに沿った各脚部（６，６０）の移動を調節するねじ及 びナット調節手段（４，７）とを有する自動車屋根用のキャリヤであって、 前記ねじ及びナット調節手段が、前記棒材（１）の各端部内に形成されたねじ 山付き長手方向端部溝（４）と、棒材（１）の前記ねじ山付き端部溝（４）にそ れぞれ螺合されて、棒材の長手方向に沿った移動に関して各棒材支持脚部（６， ６０）に機能的に接続される二つのねじ山付き部材（７）と、各ねじ山付き部材 （７）をそれぞれのねじ山付き端部溝（４）に沿って移動させ、以て対応する脚 部（６，６０）を前記案内レールに沿って長手方向に移動させるように、前記ね じ山付き部材（７）のそれぞれを回転させる手段（９，２０）とを備えているこ とを特徴とする自動車屋根用のキャリヤ。 ２．ねじ山付き部材（７）を回転させる前記手段が、各ねじ山付き部材（７）を 貫通して形成された断面非円形の軸方向孔（８）内に摺動可能に係合可能な操作 工具（９）からなることを特徴とする請求の範囲第１項に記載のキャリヤ。 ３．前記ねじ山付き端部溝（４）が、逆方向にねじを切った部分を有し、前記ね じ山付き部材（７）を回転させる前記手段が、棒材（１）内に回転可能に取り付 けられて両方のねじ山付き部材（７）内に摺動可能に係合可能でその回転を調節 するロッド（２０）から成り、前記ロッド（２０）が、棒材（１）の外側に突出 して操作ノブ（２１）を備えた一方の端部を有し、それにより、棒材（１）の中 心に対して二つの支持脚部（６，６０）を同時且つ対称的に移動させるようにし たことを特徴とする請求の範囲第１項に記載のキャリヤ。 ４．前記案内レール（３）及び該レール内に摺動可能に取り付けられる脚部（６ ，６０）の対応する部分（５，６０ｂ，６１ａ）が、棒材（１）の中心軸線に対 す る各脚部（６，６０）の角度位置の変動を許容するように形成されていることを 特徴とする請求の範囲第１項に記載のキャリヤ。 ５．前記支持脚部（６）が、自動車の屋根上に載置される足部（１０）を備え、 前記キャリヤが更に、前記二つの支持脚部（６）にそれぞれ接続可能で自動車の 屋根の側縁部に係合可能な二つのフック部材（１２）を備えていることを特徴と する請求の範囲第１項に記載のキャリヤ。 ６．前記足部（１０）が、水平方向の脚部の回転を禁止する一方で棒材（１）の 軸線（４ａ）に直角な垂直面内と前記軸線に平行な垂直面内での回転を許容する 関節式継手（１１）を介して、それぞれの脚部に接続されることを特徴とする請 求の範囲第５項に記載のキャリヤ。 ７．前記フック部材（１２）が、それぞれ、対応する棒材支持脚部（６）から分 離されていると共に、脚部（６）から突出して大径頭部（１４）を有するボルト （１３）により係合されるスロット（１５）を備え、前記スロット（１５）が、 棒材（１）の軸線（４ａ）に垂直な平面に対して傾斜した平面に沿って配設され たフック部材（１２）の部分（１６）内に形成され、それにより、一度フック部 材（１２）を自動車の屋根に係合させると、棒材（１）の中心に向かう各脚部（ ６）の移動により、フック部材（１２）にテンションがかかるようにしたことを 特徴とする請求の範囲第６項に記載のキャリア。 ８．前記スロット（１５）が、皿状表面（１８）内に形成され、前記大径頭部（ １４）もまた皿状の形状を有することにより、前記皿状表面（１８）上での前記 頭部（１４）の微調整移動が可能なようにしたことを特徴とする請求の範囲第７ 項に記載のキャリヤ。 ９．自動車の屋根上に固定された二つの長手方向ガイド上に取り付けられるキャ リヤであって、 前記キャリヤ支持脚部が、前記長手方向ガイド（３１）の外側側面に当接する 二つの外側挟持顎部（６０）として構成され、更に、前記キャリヤが、前記棒材 （１）の前記案内レール（３）内に摺動可能に取り付けられて前記長手方向ガイ ド（３１）の内側側面に当接する一対の内側挟持顎部（６１）を備え、各長手方 向ガイドに係る外側及び内側の挟持顎部（６０，６１）の各対が、互いに共働す る相互係合面（６０ｃ、６１ｂ）を有し、それにより、各外側顎部が棒材（１） の各端部の方向に移動するときは外側顎部が前記相互係合面（６１ａ、６１ｂ） を介して共働する内側顎部（６１）も牽引し、各外側顎部（６０）が棒材（１） の中心の方向に移動するときは共同する内側顎部（６１）が棒材に対して固定位 置にとどまるようにしたことを特徴とする請求の範囲第１項に記載のキャリヤ。 １０．各内側顎部（６１）が、対応するレール（３）内に遊びをもって収容され る頭部（６１ａ）を有し、それにより、前記相互係合面（６１ｂ、６１ｂ）が前 記内側顎部（６１）を長手方向ガイド（３１）の対応する内側側面に押圧すると 、前記頭部（６１ａ）が各案内レール（３）内で傾斜して案内レール内の所定の 位置で係止されるようにした、ことを特徴とする請求の範囲第９項に記載のキャ リヤ。 １１．前記棒材（１）が、軽量合金の押出異形材であることを特徴とする請求の 範囲第１項記載のキャリヤ。 １２．両端部と少なくとも該両端部のそれぞれに沿って設けられた長手方向案内 レール（３）とを有する棒材（１）と、自動車の長手方向に対して前記棒材（１ ）を直角に配設した自動車の屋根上に支持されて、前記棒材（１）の前記案内レ ール（３）内にそれぞれ摺動可能に取り付けられる二つの棒材支持脚部（６，６ ０）と、前記棒材（１）と前記脚部（６，６０）のそれぞれとの間に機能的に配 設されて、対応する案内レールに沿った各脚部（６，６０）の移動を調節するね じ及びナット調節手段（４，７）とを有する自動車用のキャリヤであって、 前記案内レール（３）及び該レール内に摺動可能に取り付けられる脚部（６， ６０）の対応する部分（５，６０ｂ，６１ａ）が、棒材（１）の中心軸線に対す る各脚部（６，６０）の角度位置の変動を許容するように形成されている、こと を特徴とするキャリヤ。