JPH1149896A - 制振材及びそのための発泡性ゴム組成物 - Google Patents

制振材及びそのための発泡性ゴム組成物

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JPH1149896A
JPH1149896A JP9207996A JP20799697A JPH1149896A JP H1149896 A JPH1149896 A JP H1149896A JP 9207996 A JP9207996 A JP 9207996A JP 20799697 A JP20799697 A JP 20799697A JP H1149896 A JPH1149896 A JP H1149896A
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修治 伊香賀
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量性に優れた、制振性能の高い制振材並び
にそれを与え得る発泡性ゴム組成物の提供及び自動車の
ボディの曲げや捩じり共振に対して、大幅な制振性能を
発揮し得る制振材とそれを与える発泡性ゴム組成物の提
供。 【解決手段】 結合アクリロニトリル量が31%以上の
NBRの100重量部に対して、5〜25重量部の硫
黄、5〜200重量部のフェノールレジン及び5〜40
重量部の発泡剤を配合してなる発泡性ゴム組成物を加
熱、発泡せしめて得られた、0.25よりも大なるta
nδを有する発泡体にて、制振材を構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、制振材及びそのための発泡性ゴ
ム組成物に係り、特に車両用として好適に用いられる、
軽量な制振材と、それを与える発泡性ゴム組成物に関す
るものである。
【0002】
【背景技術】従来から、制振材は、各種の用途におい
て、振動するパネルや構造体に対して適用されて、その
振動の伝播を抑制乃至は遮断する材料として用いられて
きており、例えば、自動車のボディパネル用制振材とし
ては、アスファルトシートやIIRゴムシート等が知ら
れ、それらシート状の制振材が、近年において要請され
るキャビン内の低騒音化を図るために、多量に用いられ
てきているが、その多量の使用によって、車両重量が増
大することは避けられず、そのために、このような制振
材にあっても、車両の軽量化の観点から、その優れた制
振特性を確保しつつ、軽量化を図ることが要請されてい
る。
【0003】また、かかる従来のシート状の制振材は、
パネル等の振動面乃至は振動伝達面に貼り付けられて、
振動の伝播を抑制乃至は遮断するものであるところか
ら、パネル振動の如き膜振動に対しては効果があるもの
の、スポット溶接された自動車のボディ骨格やサブフレ
ーム等の曲げ若しくは捩じり共振に対しては、殆ど効果
のないものであった。特に、自動車の車内騒音の中で
も、ボディの共振による騒音、取り分けロードノイズに
関する騒音に対する対策に、充分に応え得るものではな
かったのである。そのようなロードノイズは、路面状態
とシャシーやボディ特性が複雑に絡むために、対策が取
り難いのである。
【0004】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、かかる事情を背
景として為されたものであって、その主たる解決課題と
するところは、軽量性に優れた、制振性能の高い制振材
並びにそれを与え得る発泡性ゴム組成物を提供すること
にあり、また他の課題とするところは、自動車のボディ
の曲げや捩じり共振に対して、優れた制振性能を発揮し
得る制振材と、それを与える発泡性ゴム組成物を提供す
ることにある。
【0005】
【解決手段】そして、本発明にあっては、そのような課
題を解決するために、結合アクリロニトリル量が31%
以上のNBRの100重量部に対して、5〜25重量部
の硫黄、5〜200重量部のフェノールレジン及び5〜
40重量部の発泡剤を配合してなる発泡性ゴム組成物を
加熱、発泡せしめて得られた、0.25よりも大なるt
anδを有する発泡体からなることを特徴とする制振材
を、その要旨とするものである。
【0006】すなわち、かかる本発明に従う制振材にあ
っては、ゴム材料として特定のNBRを用い、それを比
較的高割合の硫黄にて加硫せしめると共に、所定量のフ
ェノールレジンを配合せしめることによって、常温付近
での制振効果を高め、更に発泡剤を用いて発泡構造とし
たところに、大きな特徴を有するものであって、これに
より、粘弾性特性が効果的に改善され、tanδが0.
25よりも大なる、優れた制振特性を有する制振材を与
える発泡体が実現され得ると共に、そのような発泡体に
て制振材が構成されているところから、制振材の有効な
軽量化が実現され得ることとなったのである。
【0007】なお、このような本発明に従う制振材の好
ましい態様の一つによれば、制振材を構成する発泡体を
与えるNBRとして、36%以上の結合アクリロニトリ
ル量を有するものが、有利に用いられ、また、他の好ま
しい態様によれば、前記フェノールレジンが、100重
量部を越える割合において配合せしめられることとな
る。このように、結合アクリロニトリル量が大なるNB
Rを用いたり、フェノールレジンの配合量を高めること
により、低周波振動、特に500Hz以下の振動に対す
る制振性能を、有利に発揮せしめ得るのである。
【0008】また、本発明に従う制振材は、それを構成
する発泡体がシート状を呈し、その一方の側の面におい
て振動面乃至は振動伝達面に対して貼り付けられるよう
になっている、貼り付けタイプの制振材としても、用い
られ得るものであって、このような用途においても、優
れた制振性能と共に、その軽量化の利点を享受すること
が出来る。
【0009】特に、本発明にあっては、上述の如き制振
材を、中空の構造体内に充填せしめることによって、軽
量で且つ高性能な特徴に加えて、そのような中空構造体
の曲げや捩じり共振に対して、大幅な制振性能を発揮せ
しめ得るものであって、そのような充填によって得られ
た制振構造体は、結合アクリロニトリル量が31%以上
のNBRの100重量部に対して、5〜25重量部の硫
黄、5〜200重量部のフェノールレジン及び5〜40
重量部の発泡剤を配合してなる発泡性ゴム組成物を加
熱、発泡せしめて得られた、0.25よりも大なるta
nδを有する発泡体が、構造体を与える閉断面構造の中
空部材の内部に充填せしめられていることを特徴とする
ものである。
【0010】このような制振構造体にあっては、その中
空部材の閉断面構造の内部が、制振性能の高いゴム発泡
体にて充填されていることにより、そのような中空部材
の骨格の断面変形を効率的に熱エネルギーに変換するこ
とが出来、以て、かかる中空部材の曲げや捩じり共振に
対して、大幅な制振性能を得ることが出来ることとなっ
たのである。
【0011】そして、これにより、かかる発泡体は、前
記中空部材としての車両の骨格部材への充填に有利に用
いられ、自動車のボディ骨格やサブフレーム、ピラー等
の内部に充填されて、その内部を流れる音の伝播を遮断
すると共に、その曲げや捩じり共振に対して、優れた制
振効果を発揮するのである。
【0012】また、本発明にあっては、上述の如き制振
材乃至は制振構造体を構成する発泡体を得るために、構
造体を与える閉断面構造の中空部材の内部に充填せしめ
られる制振材を与える発泡性ゴム組成物として、結合ア
クリロニトリル量が31%以上のNBRの100重量部
に対して、5〜25重量部の硫黄、5〜200重量部の
フェノールレジン及び5〜40重量部の発泡剤を配合し
てなる制振材用発泡性ゴム組成物を用いることを、その
特徴としている。
【0013】さらに、本発明にあっては、上記と同様な
目的において、振動面乃至は振動伝達面に貼り付けられ
るシート状の制振材を与える発泡性ゴム組成物として、
結合アクリロニトリル量が31%以上のNBRの100
重量部に対して、5〜25重量部の硫黄、5〜200重
量部のフェノールレジン及び5〜40重量部の発泡剤を
配合してなる制振材用発泡性ゴム組成物を用いることを
も、その特徴としているのである。
【0014】
【発明の実施の形態】ところで、本発明に従う制振材や
それを与える発泡性ゴム組成物において用いられるNB
R(アクリロニトリル・ブタジエンゴム:ニトリルゴ
ム)としては、公知のものの中から、結合アクリロニト
リル量が31%以上のものが選択されることとなる。こ
の結合アクリロニトリル量が31%以上のNBRは、中
高ニトリル、高ニトリル、極高ニトリルの範疇に属する
ものであって、このような高い結合アクリロニトリル量
のNBRを使用することにより、優れた制振特性が発揮
され得るのである。
【0015】特に、かかる結合アクリロニトリル量が高
いNBRの中でも、本発明にあっては、36%以上の結
合アクリロニトリル量を有するNBRが有利に用いられ
ることとなる。このような36%以上の結合アクリロニ
トリル量のNBRの使用によって、低周波振動、特に5
00Hz以下の振動に対する制振特性が、より一層有利
に発揮せしめられ得るからである。
【0016】また、硫黄は、上記のNBRを架橋するた
めに用いられるものであるが、その使用量は、従来の通
常の使用量範囲よりも高い、比較的高配合量において用
いられ、これによって、NBR架橋物の粘弾性特性を改
善して、tanδを高め、制振特性を向上せしめるもの
である。この硫黄の配合量は、NBRの100重量部に
対して、5〜25重量部、好ましくは10〜15重量部
の範囲内とされる。硫黄の配合割合が5重量部よりも少
なくなると、粘弾性特性(弾性率)が低くなり過ぎ、ま
た25重量部よりも多くなると、粘弾性特性が高くなり
過ぎるようになり、結局、tanδが0.25よりも大
きな物性を実現することが困難となるのである。
【0017】さらに、フェノールレジンは、その添加に
よって、ガラス転移温度(Tg)を高温側に移行せし
め、以て常温付近での制振効果を向上せしめるものであ
って、本発明では、NBRの100重量部に対して5〜
200重量部、好ましくは40〜150重量部の割合に
おいて配合せしめられるものである。けだし、このフェ
ノールレジンの配合量が少な過ぎても、また多過ぎて
も、粘弾性特性の有効な改善が図り得ず、従ってtan
δの向上が期待され得ないからである。
【0018】なお、このようなフェノールレジン(樹
脂)としては、一般に、従来からゴム配合において有機
系充填剤として知られているものの中から、目的に応じ
て適宜に選択して用いられることとなるが、特に有利に
は、変性フェノールレジン、例えばカシュ変性フェノー
ル樹脂、テルペン・フェノール共重合体等が用いられる
こととなる。
【0019】また、そのようなフェノールレジンは、N
BRの100重量部に対して、100重量部を越える割
合において用いられることによって、低周波振動、特に
500Hz以下の振動に対して、優れた制振特性を発揮
し得る制振材を与え得るものである。
【0020】そして、本発明に従う発泡性ゴム組成物を
構成するために、上記のNBR、硫黄及びフェノールレ
ジンと共に配合される発泡剤は、ゴム組成物が加硫のた
めに加熱されたときに、分解して、二酸化炭素や窒素ガ
ス等の気体を放出することにより、発泡体が形成される
ように、添加されるものであって、従来から公知のもの
が適宜に採用され得るものであるが、そのような発泡剤
の具体例としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸アンモニ
ウム、炭酸水素アンモニウム等の無機系のものや、ジア
ゾアミノ誘導体、アゾニトリル系、アゾジカルボン酸誘
導体、ジニトロソペンタメチレンテトラミン等の有機系
のもの、更にはマイクロカプセル型のもの等を挙げるこ
とが出来る。そして、この発泡剤は、NBRの100重
量部に対して、5〜40重量部の配合割合で、添加せし
められる。けだし、かかる配合割合が5重量部よりも少
ない場合には、充分な発泡作用が発揮され得ないからで
あり、また40重量部よりも多い場合には、より一層の
発泡作用が発揮されるという訳ではないからである。
【0021】なお、本発明における発泡性ゴム組成物に
は、前記したNBR、硫黄、フェノールレジン及び発泡
剤の他にも、更に制振特性を付与する充填剤、例えば炭
酸カルシウム、マイカ、フェライト等を適宜に加えて
も、何等差し支えなく、また、従来から知られている各
種の配合剤、例えば加硫促進剤、加硫助剤、加工助剤、
充填剤等も、必要に応じて添加され、それらの何れのも
のも、発泡や制振特性を著しく阻害しない程度におい
て、従来と同様に配合されても、何等差し支えないこと
は言うまでもない。例えば、加硫助剤としては、酸化亜
鉛等の金属酸化物が用いられ、一般に、NBRの100
重量部に対して3〜15重量部程度の割合で配合せしめ
られる。また、加工助剤として、ステアリン酸等の脂肪
酸が、NBRの100重量部に対して0.5〜5重量部
程度の割合で用いられる。更に、軟化剤としては、液状
ゴム、パラフィン系、ナフテン系、アロマ系のプロセス
オイルや、エステル系可塑剤等があり、NBRの100
重量部に対して0〜100重量部程度の割合で用いら
れ、更にまた、充填剤としては、カーボンブラック、シ
リカ、タルク、クレー等が、NBRの100重量部に対
して0〜150重量部程度の割合で用いられることとな
る。また、フェノールレジンに対して、ヘキサミン等の
硬化剤を組み合わせて用いることも有効であり、その場
合においては、かかるレジンの理論等モル量の20〜3
0%程度の割合において、添加せしめることが望まし
い。
【0022】ところで、本発明に従う制振材を与える発
泡性ゴム組成物は、従来と同様な混合手法に従って、前
述せる如き特定のNBRに対して、所定量の硫黄及びフ
ェノールレジン並びに発泡剤を配合せしめ、更に前記の
如き各種の配合剤を必要に応じて配合せしめることによ
って、調製されることとなるのである。
【0023】そして、上記の如く調製された発泡性ゴム
組成物を加熱して、加硫と共に、発泡せしめることによ
り、常温(25℃)下におけるtanδが、0.25よ
りも大なる特性を有する発泡体からなる制振材を、容易
に得ることが出来るのである。即ち、前記の発泡性ゴム
組成物を加熱せしめると、それは容易に発泡、硬化(加
硫)して、目的とする発泡体となるのである。そして、
その際、得られる発泡体において、そのtanδが、常
温(25℃)下において、0.25よりも大となるよう
に加熱条件が選定されて、発泡、硬化せしめられるので
ある。より具体的には、一般に、160〜210℃の温
度条件で、15〜30分間程度加熱されることとなる。
【0024】従って、このような発泡体から構成され
る、本発明に従う制振材にあっては、かかる発泡体の大
なるtanδ(損失正接)の故に、高い制振効果が発揮
されることとなるのであり、加えて、発泡体であるが故
に、その著しい軽量化が達成され得たのであり、これに
よって優れた制振効果を有する軽量な制振材として、各
種の用途に、中でも自動車用として好適に用いられ、車
両の軽量化に著しく寄与し得るものである。
【0025】特に、かかる本発明に従う制振材は、自動
車のサブフレームやサスペンションアーム、メインボデ
ィの骨格の如き構造体を与える閉断面構造の中空部材の
内部に、一般に、隙間なく充填せしめられることによっ
て、そのような構造体の曲げ若しくは捩じり共振に対し
て、優れた制振効果を発揮するものとなるのであり、ま
た、そのような構造体を与える中空部材の内部を流れる
音の伝播を遮断することが出来ることとなることは勿
論、路面からボディへの振動伝達の低減を効果的に図り
得る等の優れた特徴を発揮するものである。
【0026】そして、そのような本発明に従う制振材
を、構造体に充填せしめる方法としては、具体的には、
前述の如き発泡体を、そのまま、構造体内に装入乃至は
配置せしめて充填する方式の他、未発泡の状態の発泡性
ゴム組成物を用い、それをシート状等の所定の形状に加
工した後、構造体内部の所定位置に固定せしめ、加熱、
加硫・発泡操作を加えることにより、かかる発泡性ゴム
組成物を発泡体と為して、構造体内に隙間なく充填せし
める方式等を、採用することが出来る。例えば、実際に
自動車の骨格部材(構造体)に適用する場合には、先
ず、シート状に加工された発泡性ゴム組成物を、中空部
材の内部空隙に位置固定的に配置した後、溶接、脱脂・
洗浄、電着等の通常の自動車製造の構造を経てから、塗
装焼き付け等の工程において加熱されることにより、発
泡硬化せしめることによって、かかる骨格部材の内部空
隙を生成した発泡体(制振材)にて充填せしめる手法が
採用され得るものであって、これにより、何等特別な加
熱工程を設ける必要もないという利点を享受することが
出来る。
【0027】なお、本発明に従う制振材は、上述の如
く、構造体内への充填に好適に用いられるのみならず、
従来と同様に、シート状等の形状の貼り付けタイプの制
振材としても、有利に用いられ得るものであって、その
場合においては、発泡体はシート状を呈するものとさ
れ、その一方の側の面において、所定の振動面乃至は振
動伝達面に対して、従来と同様に貼り付けられるように
なっている。このような用途においては、シート状の発
泡体からなる制振材が、最終的に振動面乃至は振動伝達
面に貼り付けられてなる形態となっておれば、その貼り
付け方法には、何等の制限もなく、例えば、発泡して得
られた発泡体を貼り付ける場合の他、未発泡の発泡性ゴ
ム組成物をシート状に加工して、それを振動面乃至は振
動伝達面に貼り付けた後、加熱、発泡せしめる方式も採
用することが出来る。また、そのようなシート状の発泡
体からなる制振材には、従来と同様に、必要に応じて、
アルミ箔、鉄板、不織布等の拘束層を設けることも出来
る。
【0028】
【実施例】以下に、本発明を更に具体的に明らかにする
ために、本発明の代表的な実施例を示すこととするが、
本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制
約をも受けるものでないことは、言うまでもないところ
である。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更
には上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱し
ない限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変
更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解さ
れるべきである。
【0029】先ず、下記表1に示される如き組成を有す
る、各種の発泡性ゴム組成物を調製した。また、この表
1に示される成分の他に、各組成物には、加硫助剤とし
て酸化亜鉛:5重量部、加工助剤としてステアリン酸:
1重量部、充填剤の1つとしてFEFカーボン:5重量
部、加硫促進剤の1つとしてテトラメチルチウラムジサ
ルファイド:0.5重量部が、それぞれ、配合せしめら
れている。なお、充填剤の1つであるFTカーボンにつ
いては、その30重量部が、本発明例1〜4及び比較例
1〜2のゴム組成物に対して配合され、また加硫促進剤
の1つである2−メルカプトベンゾチアゾールの1.5
重量部が、本発明例1〜5及び比較例1〜2のゴム組成
物に対して配合されると共に、その2.5重量部が、本
発明例6〜7のゴム組成物に対して配合せしめられた。
【0030】
【表1】 * 単位:重量部 (註)NBR:結合アクリロニトリル量=34%、MV=80 NBR:結合アクリロニトリル量=40%、MV=50 DOP :ジオクチルフタレート ADCA:アゾジカルボンアミド系発泡剤
【0031】次いで、上記で得られた各種の発泡性ゴム
組成物を用いて、それぞれ、縦300mm×横300m
m×厚さ1mmの大きさの未加硫シートに加工し、更に
その得られた未加硫シートを、加硫金型の2mmの隙間
内に充填した後、180℃×20分の加硫条件下に、加
熱せしめることにより、下記表2、3に示される如き比
重、面密度及び厚みを有する、各種の試料(発泡体シー
ト)を得た。
【0032】そして、この得られた各種の試料につい
て、その粘弾性特性及び制振特性(片持ち梁法)を調
べ、その結果を、下記表2、3に併せ示した。
【0033】なお、各試料の粘弾性特性は、「日本ゴム
協会誌」第51巻、第4号(1978)、第37〜39
頁に記載の強制振動法に準拠して、周波数:100H
z、振幅:±20μmの条件下において、貯蔵弾性率
(E1 :dyn/cm2 )及び損失弾性率(E2 :dy
n/cm2 )を求め、そしてそれら弾性率から、tan
δ(=E2 /E1 )を算出した。また、この粘弾性特性
は、RT(室温:25℃)及び各試料のTg(ガラス転
移点)の2種類の温度下において、評価された。更に、
測定試料は、幅:5mm、厚さ:2mm、チャック間距
離:30mmのサイズにおいて用いられた。
【0034】また、制振特性は、平成7年9月、制振材
料研究会計測・評価技術分科会企画調査サブワーキング
グループ頒布の「損失係数測定解説書」第13〜24頁
に記載の、一端固定法(片持ち梁法)の半値幅法に準拠
して、室温(25℃)下における周波数依存性として、
250Hz〜1500Hzでの損失係数:η(−)を求
めた。なお、測定試料として、鋼板(SPCC)の幅:
10mm×長さ:220mm×厚さ:1.0mmの大き
さのものに、上記の発泡体試料の幅:10mm×長さ:
200mmのものを貼り付けて、用いた。
【0035】
【表2】 (註)RT:室温下での粘弾性特性 TG:ガラス転移点での粘弾性特性
【0036】
【表3】 (註)RT:室温下での粘弾性特性 TG:ガラス転移点での粘弾性特性
【0037】かかる表2、3に示された結果から明らか
なように、本発明例1〜7において得られた発泡体は、
何れも、0.25を越える大きなtanδを有するもの
であって、制振特性の評価においても、大なる損失係数
を有するものであり、それ故に、それら本発明例の発泡
体から構成される制振材は、何れも、軽量で、優れた制
振特性を有するものであることが理解されるのである。
これに対して、比較例の発泡性ゴム組成物から得られた
発泡体は、tanδの小さなものであって、それ故に、
制振特性も充分ではなく、制振材としての利用が不可で
あることは、明らかである。
【0038】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明に従う制振材は、大きなtanδを有するが故に、優
れた制振特性を発揮するものであると共に、発泡体から
構成されているために、従来の制振材に比べて、著しい
軽量化が達成されているのであって、例えば自動車への
適用により、車両の軽量化の要請にも、充分に応え得る
ものとなったのである。
【0039】また、自動車のボディ骨格やサブフレーム
等の骨格部材の中空部内に、本発明に従う制振材を構成
する発泡体を充填せしめるようにすれば、そのような骨
格部材にて与えられる構造体の曲げや捩じり共振に対す
る制振効果も、著しく高められ得るのであり、また、路
面からボディへの振動伝達の低減が、効果的に為され得
るのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI //(C08L 9/02 61:04)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結合アクリロニトリル量が31%以上の
    NBRの100重量部に対して、5〜25重量部の硫
    黄、5〜200重量部のフェノールレジン及び5〜40
    重量部の発泡剤を配合してなる発泡性ゴム組成物を加
    熱、発泡せしめて得られた、0.25よりも大なるta
    nδを有する発泡体からなることを特徴とする制振材。
  2. 【請求項2】 前記NBRが、36%以上の結合アクリ
    ロニトリル量を有する請求項1記載の制振材。
  3. 【請求項3】 前記フェノールレジンが、100重量部
    を越える割合において配合されている請求項1又は請求
    項2記載の制振材。
  4. 【請求項4】 前記発泡体がシート状を呈し、その一方
    の側の面において振動面乃至は振動伝達面に対して貼り
    付けられるようになっている請求項1乃至3の何れかに
    記載の制振材。
  5. 【請求項5】 結合アクリロニトリル量が31%以上の
    NBRの100重量部に対して、5〜25重量部の硫
    黄、5〜200重量部のフェノールレジン及び5〜40
    重量部の発泡剤を配合してなる発泡性ゴム組成物を加
    熱、発泡せしめて得られた、0.25よりも大なるta
    nδを有する発泡体が、構造体を与える閉断面構造の中
    空部材の内部に充填せしめられていることを特徴とする
    制振構造体。
  6. 【請求項6】 前記中空部材が、車両の骨格部材である
    請求項5記載の制振構造体。
  7. 【請求項7】 構造体を与える閉断面構造の中空部材の
    内部に充填せしめられる制振材を与える発泡性ゴム組成
    物にして、結合アクリロニトリル量が31%以上のNB
    Rの100重量部に対して、5〜25重量部の硫黄、5
    〜200重量部のフェノールレジン及び5〜40重量部
    の発泡剤を配合してなることを特徴とする制振材用発泡
    性ゴム組成物。
  8. 【請求項8】 振動面乃至は振動伝達面に貼り付けられ
    るシート状の制振材を与える発泡性ゴム組成物にして、
    結合アクリロニトリル量が31%以上のNBRの100
    重量部に対して、5〜25重量部の硫黄、5〜200重
    量部のフェノールレジン及び5〜40重量部の発泡剤を
    配合してなることを特徴とする制振材用発泡性ゴム組成
    物。
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