JPH1149828A - 耐シクロペンタン性に優れたゴム含有スチレン系樹脂および成形品 - Google Patents

耐シクロペンタン性に優れたゴム含有スチレン系樹脂および成形品

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JPH1149828A
JPH1149828A JP22119097A JP22119097A JPH1149828A JP H1149828 A JPH1149828 A JP H1149828A JP 22119097 A JP22119097 A JP 22119097A JP 22119097 A JP22119097 A JP 22119097A JP H1149828 A JPH1149828 A JP H1149828A
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JP
Japan
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rubber
weight
cyclopentane
graft copolymer
resin
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Application number
JP22119097A
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English (en)
Inventor
Hiroki Kashiwagi
浩樹 柏木
Hideo Tokai
英男 東海
Tetsuo Toyoshima
哲郎 豊島
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Techno UMG Co Ltd
Original Assignee
Techno Polymer Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐シクロペンタン性に優れたABS樹脂系の
ゴム含有スチレン系樹脂およびこれを用いた成形品提供
すること。 【解決手段】 シクロペンタンに23℃で3日間浸漬し
たときのシクロペンタン吸収量が0.3重量%以下であ
る耐シクロペンタン性に優れたゴム含有スチレン系樹
脂、およびこのゴム含有スチレン系樹脂を成形してなる
成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐シクロペンタン
性に優れたABS樹脂系のゴム含有スチレン系樹脂、お
よびこれを用いた成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】ゴム質重合体にスチレンとアクリロニト
リルとの混合物をグラフト重合させたグラフト共重合体
と、スチレンおよびアクリロニトリルの混合物の共重合
体とを混合することによって得られるグラフト・ブレン
ド型の熱可塑性樹脂は、例えばABS樹脂として著名で
ある。これらの熱可塑性樹脂は、射出成形、押し出し成
形、真空(圧空)成形などにより、目的の形状に付形さ
れる。これらの成形法のうち、真空(圧空)成形の具体
例としては、電気冷蔵庫の内箱への使用が挙げられる。
電気冷蔵庫内箱の一般的な構成は、所定の形状に成形し
た内箱と、例えば塗装あるいはコーティングを施した鋼
板を外箱形状に成形した外箱を組み合わせて、この間に
ウレタン発泡断熱材の原料であるウレタン原料を注入し
たのち発泡させ、ウレタン発泡断熱材により外箱と内箱
とを接合一体化し、ウレタン発泡断熱材を断熱材の役割
を果たさせるとともに、構造体としての強度部材として
用いる。
【0003】ところで、ウレタン発泡時には、ウレタン
の硬化反応時の発熱により、ウレタン発泡断熱材の中心
部では60℃以上の高温となる。このため、ウレタン硬
化反応後、冷却時にウレタン発泡断熱材は収縮を起こ
し、収縮応力が発生する。この収縮応力により、ウレタ
ン発泡断熱材や内箱に歪みが生じ、内箱材料の強度が不
充分であると、内箱に白化現象やクラックが発生するこ
とになる。そのため、内箱材料としては、成形性が良好
であり、ウレタン発泡断熱材との接着性が良好で、かつ
低温収縮に対する応力耐性に優れ、また冷蔵庫内での食
用油、調味料などの汚染に対する耐薬品性に優れること
などが要求される。
【0004】一方、ウレタン発泡断熱材の発泡剤として
は、近年、成層圏のオゾン破壊の問題より、HCFC1
41bが使用されているが、HCFC141bもまた、
ODP(オゾン破壊係数)がゼロでないことから、さら
なる規制対象となっているため、規制対象外物質である
ハイドロカーボン(例えば、シクロペンタン)を代替発
泡剤として使用する場合がある。しかしながら、シクロ
ペンタンは、HCFC141b以前に発泡剤として使用
されていたCFC11と比較すると、ケミカルアタック
が強いため、従来のABS樹脂では、冷熱試験時などに
内箱に白化現象あるいはクラックが発生するため、使用
することが困難である。このように、ケミカルアタック
の強いHCFC141bを発泡剤として使用することは
可能であるが、通常のABS樹脂と比較するとコストが
非常に高くなるため適切ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の現状
に鑑み、耐シクロペンタン性に優れたABS樹脂系のゴ
ム含有スチレン系樹脂およびこれを用いた成形品提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達
したものである。すなわち、シクロペンタンに23℃で
3日間浸漬したとき、ゴム含有スチレン系樹脂のシクロ
ペンタンの吸収量を特定範囲にすることにより、従来の
ABS樹脂系の組成物では得られなかった、優れた耐シ
クロペンタン性を有することを見いだし、本発明に到達
したものである。
【0007】本発明は、シクロペンタンに23℃で3日
間浸漬したときのシクロペンタン吸収量が0.3重量%
以下である耐シクロペンタン性に優れたゴム含有スチレ
ン系樹脂を提供するものである。ここで、上記ゴム含有
スチレン系樹脂のゴム含有量は、5〜40重量%である
ことが好ましい。また、上記ゴム含有スチレン系樹脂の
全ゴム量のうち、少なくとも20重量%が以下の条件
〜を満たすグラフト共重合体由来のものであることが
好ましい。 ゴム質重合体ラテックスの存在下に、芳香族ビニル単
量体60〜85重量%、シアン化ビニル単量体15〜4
0重量%および共重合可能な他のビニル系単量体0〜2
0重量%(ただし、芳香族ビニル単量体+シアン化ビニ
ル単量体+他のビニル系単量体=100重量%)からな
る単量体成分を乳化グラフト重合させて得られること。 ゴム質重合体ラテックス中のゴム質重合体が、ゲル含
有率50重量%以上のものであること。 ゴム質重合体ラテックス中のゴム質重合体が、重量平
均粒子径0.15〜0.6μmのものであること。 グラフト共重合体を常温アセトン抽出に付したときの
不溶分が、下記式(I)および(II) を満たす量である
こと。 〔式中、xはグラフト共重合体サンプルの重量、yはx
のうち、常温でアセトン不溶分の重量、Rはグラフト共
重合体のゴム分率、Grはグラフト率(%)を示す。〕 グラフト共重合体を常温アセトン抽出に付したときの
可溶分が、数平均分子量6万以上のものであること。ま
た、本発明は、上記耐シクロペンタン性に優れたゴム含
有スチレン系樹脂を成形してなる成形品を提供するもの
である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のゴム含有スチレン系樹脂
は、シクロペンタンに23℃で3日間浸漬したときのシ
クロペンタン吸収量が0.3重量%以下、好ましくは
0.1重量%以下である。0.3重量%を超えると、耐
シクロペンタン性が低下する。
【0009】このような耐シクロペンタン性に優れた本
発明のゴム含有スチレン系樹脂としては、ゴム質重合体
ラテックスの存在下に特定の単量体成分を乳化重合させ
て得られるグラフト共重合体を主成分とし、これに必要
に応じて、上記以外の他のグラフト共重合体および/ま
たは上記と同様の単量体成分を(共)重合したビニル系
(共)重合体を配合した樹脂組成物が挙げられる。ここ
で、上記グラフト共重合体とは、グラフト共重合体の常
として、「枝」となるべき単量体がすべて「幹」である
ゴム質重合体と結合して「枝」となっているとは限らな
いが、本発明でいう「グラフト共重合体」も、慣用され
ているところに従って、そのような「枝」となっていな
い「枝」用単量体由来の(共)重合体の共存を許容する
ものである。
【0010】上記ゴム質重合体としては、そのガラス転
移温度が常温より低いものであり、具体的には、ポリブ
タジエン、ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエン
−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリル酸
アルキルエステル共重合体、ブタジエン−メタクリル酸
アルキルエステル共重合体、ポリイソプレン、ポリクロ
ロプレンなどの共役ジエン系重合体、アクリル酸アルキ
ルエステル共重合体やエチレン−酢酸ビニル共重合体、
エチレン−プロピレン−非共役ジエン三元共重合体、そ
のほか、モノオレフィン系弾性体などが挙げられる。こ
のようなゴム質重合体のラテックスは、所定の単量体な
いしはその混合物を水性媒体中で一時に、または段階的
に乳化重合することによって製造することができる。本
発明のゴム含有スチレン系樹脂の具体例は、ポリブタジ
エンにアクリロニトリルおよびスチレンをグラフト重合
したABS樹脂のほか、ゴム成分がアクリル酸アルキル
エステル系重合体である、いわゆるAAS樹脂や、ある
いはゴム成分がエチレン−プロピレン共重合体ゴムであ
るAES樹脂などが挙げられる。
【0011】ここで、ゴム含有スチレン系樹脂のゴム含
有量は、好ましくは5〜40重量%、さらに好ましくは
10〜30重量%である。この範囲を外れると、目的と
する物性が得られず、また真空(圧空)成形性の良好な
樹脂が得られない。
【0012】また、本発明のゴム含有スチレン系樹脂と
しては、全ゴム量のうち、下記〜の条件を充足する
グラフト共重合体由来のゴムを、好ましくは20重量%
以上、さらに好ましくは30重量%以上含むものであ
る。20重量%未満では、真空(圧空)成形性が悪くな
る。
【0013】ゴム質重合体ラテックスの存在下に、芳
香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体および共重合
可能な他のビニル系単量体からなる単量体成分を乳化グ
ラフト重合させて得られること。グラフト共重合体中の
単量体成分の重量比率は、芳香族ビニル単量体60〜8
5重量%、シアン化ビニル単量体15〜40重量%およ
び共重合可能な他のビニル系単量体0〜20重量%、さ
らに好ましくは、それぞれ、60〜80重量%、20〜
40重量%、0〜20重量%(ただし、芳香族ビニル単
量体+シアン化ビニル単量体+他のビニル系単量体=1
00重量%)である。これらの重量比率範囲より、シア
ン化ビニル単量体が多くなると、加工性、色調が低下
し、一方、少なくなると、耐薬品性が低下する。
【0014】ここで、芳香族ビニル単量体には、スチレ
ン、ならびに側鎖および/または核置換スチレン(置換
基は、低級アルキル基、低級アルコキシ基、トリフルオ
ロメチル基、ハロゲン原子など)、例えば、α−メチル
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、
p−メチルスチレン、核ハロゲン化スチレン、ビニルナ
フタレンなどが挙げられる。これらは、群内または群間
で併用してもよい。また、シアン化ビニル単量体には、
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロア
クリロニトリルなどが挙げられる。これらは、1種単独
で使用することも、あるいは2種以上を混合して用いる
こともできる。単量体は、本発明の趣旨を損なわない限
り、これらと共重合可能な他のビニル系単量体を少量併
用してもよい。このような他のビニル系単量体として
は、アクリル酸もしくはメタクリル酸と炭素数1〜10
のアルカノールとのエステル、特にメチルアクリレー
ト、メチルメタクリレート、ジエン系単量体、ジビニル
ベンゼン、(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、マレイン酸、マレイミドなどが挙げられ
る。 ゲル含有率 グラフト共重合体を構成するゴム質重合体ラテックス中
のゴム質重合体のゲル含有率が、好ましくは50重量%
以上、さらに好ましくは60〜97重量%のものであ
る。ゲル含有率が50重量%未満では、得られる成形品
はグラフト共重合体が変形し易くなり、外観などのバラ
ンスが大きく損なわれる。このような高ゲル含有率のゴ
ム質重合体は、重合温度などの乳化重合条件、重合反応
に使用する重合開始剤の種類・添加量、架橋助剤の種類
・添加量を調整することによって製造することができ
る。
【0015】ゴム粒子径 グラフト共重合体を構成するゴム質重合体ラテックス中
のゴム質重合体の重量平均粒子径は、好ましくは0.1
5〜0.6μm、さらに好ましくは0.2〜0.45μ
mの粒子径の範囲にある。0.15μm未満では、最終
的に得られる樹脂の耐衝撃性が著しく劣るものとなり、
成形加工性も不足する。一方、0.6μmを超えると、
外観が低下し、耐衝撃性の低い樹脂しか得られず、ま
た、乳化グラフト重合の際、ラテックスの不安定化を招
き、重合中のスケール量の増加などの問題が生じるので
好ましくない。
【0016】このような比較的大粒子径のゴムラテック
スは、小粒子径のラテックスについて目的粒子径を得る
ために、粒径肥大という操作を行って得たものでもよ
い。粒径肥大は、公知の方法、例えば、ラテックスを一
度凍結させてから再溶解する方法、ラテックスに鉱酸、
有機酸などを添加して、ラテックスのpHを一時的に低
下させる方法、ラテックスにせん断力を加える方法(特
開昭54−133588号公報、特開昭59−2022
11号公報)などによって行うことができる。特に、ラ
テックスに、リン酸または無水酢酸を添加する方法が、
粒子径の調整が容易であるの好ましい。ゴム質重合体の
粒子径は、必ずしも単峰性である必要はなく、多峰性、
すなわち、各種粒径の混合物であってもよい。
【0017】グラフト率 上記グラフト共重合体のグラフト率(Gr)は、好まし
くは30〜150%、さらに好ましくは40〜140%
である。この範囲を外れると、充分な機械的強度を発現
できないばかりか、耐薬品性、成形加工性も低下する。
このような値を持つグラフト共重合体は、単量体混合物
の量、グラフト重合の重合温度、連鎖移動剤、開始剤の
量などを調節することによって得られる。
【0018】分子量 上記グラフト共重合体は、常温でアセトン抽出したとき
の可溶分が、数平均分子量で好ましくは6万以上、好ま
しくは8万以上のものである。分子量がこの値より低い
と、真空(圧空)成形時に充分な成形加工性が得られな
い。このような分子量の抽出物を持つグラフト共重合体
は、グラフト重合時の重合温度、連鎖移動剤、重合開始
剤の量などを調節することによって得られる。
【0019】上記グラフト共重合体は、上記ゴム質重合
体のラテックスの存在下に、芳香族ビニル単量体、シア
ン化ビニル単量体および必要に応じて共重合可能な他の
ビニル系単量体からなる単量体成分を乳化グラフト重合
して得られるものである。ここで、ゴム質重合体の含量
は、ゴム質重合体ラテックスを固形分換算で100重量
部に対して、単量体成分40〜900重量部、好ましく
は55〜900重量部である。ゴム質重合体含量がこの
範囲より少ないと、本発明の樹脂は充分な耐衝撃性を持
たず、一方、この範囲より高いと、充分な剛性が得られ
ない。
【0020】グラフト共重合は、重合開始剤の存在下で
行う。使用し得る開始剤(または、触媒)としては、過
硫酸、過酢酸、過フタル酸などの過酸触媒、過硫酸カリ
ウムなどの過硫酸塩触媒、過酸化水素、過酸化ベンゾイ
ル、過酸化クロルベンゾイル、過酸化ナフチル、過酸化
アセチル、過酸化ベンゾイルアセチル、過酸化ラウリル
などの過酸化物触媒、ヒドロ過酸化t−ブチルなどのヒ
ドロ過酸化アルキル、アゾビスイソブチロニトリルなど
のアゾ触媒などが挙げられ、これらは、1種単独で使用
することも、あるいは2種以上を混合して用いることも
できる。また、これらは、還元剤と組み合わせてレドッ
クス触媒として使用することもできる。
【0021】乳化グラフト重合は、連鎖移動剤の存在下
に行うことができる。本発明で用いられる連鎖移動剤と
しては特に制限はないが、例えば、n−オクチルメルカ
プタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメル
カプタンなど、あるいはテルピノレン、α−メチルスチ
レンリニアダイマーなどが用いられる。乳化グラフト重
合の温度は、50〜85℃、好ましくは55〜75℃の
範囲が適当である。50℃未満では、重合反応速度が小
さく実用的でなく、一方、85℃を超える場合は、一度
に凝固物あるいは付着物の発生量が多くなり、重合収率
の低下および最終製品の品質低下をきたすので好ましく
ない。
【0022】グラフト共重合体の製造に際しては、ま
ず、上述の範囲に特定したグラフト共重合体ラテックス
を製造し、芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体
および共重合可能な他のビニル系単量体を共重合して得
られる硬質共重合体ラテックスを混合してもよいし、硬
質共重合体ラテックスを混合することなく、直接、グラ
フト共重合体を製造してもよい。このとき、混合するグ
ラフト共重合体ラテックスの「枝」用単量体成分の重量
比率と硬質共重合体ラテックスの単量体成分の重量比率
は、同一でもよいし、異なっていてもよい。その他の乳
化グラフト重合条件は、ABS樹脂の製造に慣用されて
いるところとは本質的には異ならない。乳化グラフト重
合用の単量体成分は、全量を一時に重合系に導入しても
よく、段階的に導入してもよい。また、重合中の温度
を、経時的に変化させることもできる。
【0023】本発明のゴム含有スチレン系樹脂には、本
発明の範囲内で、上記グラフト共重合体以外に、このグ
ラフト共重合体の条件を満足しない他のグラフト共重合
体および/またはゴムを含まないビニル系(共)重合体
と混合して使用することが可能である。上記他のグラフ
ト共重合体やビニル系(共)重合体の重合方法および重
合条件は、乳化重合、溶液重合、塊状重合、懸濁重合な
どの方法を、回分または連続法から適宜選択することが
できる。
【0024】本発明における上記グラフト共重合体、他
のグラフト共重合体、他のビニル系(共)重合体構成す
る単量体成分の組成は、おのおの、上記で限定された範
囲であればよく、これらの組成が全く同一ということを
必ずしも意味するものではない。しかしながら、これら
の単量体成分が上記範囲内で選択され、組み合わされた
としても、これらの組成を著しく相違させると、これら
の樹脂(共重合体)の相溶性が劣り、物性が低下するの
で好ましくない。
【0025】上記グラフト共重合体に、必要に応じて、
他のグラフト共重合体や他のビニル系(共)重合体を配
合し、混合・混練りするには、公知の混合・混練り方法
によればよい。この際、混練りする温度は、組成物が樹
脂焼けを起こさない範囲で選択するのがよい。粉末、ビ
ーズ、フレーク、またはペレットとなったこれら共重合
体の1種または2種以上の混合物は、一軸押し出し機、
二軸押し出し機、または、バンバリーミキサー、加圧ニ
ーダー、二本ロールなどの混練り機などにより組成物と
することができる。また、場合によっては、重合を終え
たこれらの共重合体の1種または2種以上のものを未乾
燥のまま混合し、析出し、洗浄し、乾燥して、混練りす
る方法を採用することもできる。
【0026】本発明のゴム含有スチレン系樹脂には、樹
脂としての性質を阻害しない種類および量の、潤滑剤、
離型剤、可塑剤、着色剤、帯電防止剤、難燃化剤、紫外
線吸収剤、耐光性安定剤、耐熱性安定剤、充填剤などの
各種樹脂添加剤を、適宜、組み合わせて添加することが
できる。
【0027】本発明のゴム含有スチレン系樹脂は、射出
成形法、押し出し成形法、真空(圧空)成形、プレス成
形法などの各種加工方法によって、成形品とすることが
できる。この成形品としてては、例えば、事務機器のハ
ウジング、シャーシなどの事務機器類、洗面化粧台、家
具などの家庭用製品、電気冷蔵庫の内箱、電気機器およ
び電気製品の外装・内装・ハウジングなど、二輪車のカ
ウリング、自動車部品、自動販売機の内部ラックなどの
車両、船舶、機械、建設などの工業部品の構成材料が挙
げられ、特に、押し出し成形法によってシート化し、そ
のシートを真空(圧空)成形法によって製造する電気冷
蔵庫の内箱の用途に好適である。
【0028】
【実施例】下記の実施例および比較例は、本発明をさら
に具体的に説明するためのものであるが、本発明は、そ
の要旨を越えない限り、以下の例に限定されるものでは
ない。なお、実施例中、部および%は、特に断わらない
限り重量基準である。また、実施例中の各物性は、下記
のようにして測定した。
【0029】(1)ゴム質重合体のゲル含有率 ゴム質重合体ラテックスからフリーズドライ法によって
ゴム質重合体を得て、これを秤量する(xg)。次い
で、これに、トルエンを加えて一昼夜放置し、100メ
ッシュの金網でろ過する。この金網の残渣を減圧乾燥
し、重量を測定する(yg)。ゴム質重合体のゲル含有
率は、次式で得られる。 ゲル含有率(%)=(y/x)×100 (2)ラテックス中のゴム質重合体の平均粒子径(重量
平均粒子径) ラテックス中のゴム質重合体の平均粒子径は、米国コー
ルター社製「N4S」によって、測定した。 (3)数平均分子量 グラフト共重合体を常温でアセトン抽出に付したときの
可溶分の数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー
(GPC)装置を用い、次の条件で測定したものであ
る。 装置;昭和電工(株)製、「Shodex GPC S
YSTEM−11」 カラム;Shodex 806L×2本 温度;40℃ 検出;RI 溶媒;テトラヒドロフラン 濃度;0.1% 注入量;100μl 検量線;標準ポリスチレン〔昭和電工(株)製〕に準
拠。(分子量は、ポリスチレン換算値。)
【0030】(4)引張強度 JIS K7113に従って測定した。単位は、kg/
cm2 である。 (5)アイゾット(IZ)衝撃強度 JIS K7110に従って測定した。単位は、kg・
cm/cmである。 (6)メルトフローレート(MFR) JIS K7210に従って、220℃、10kgの条
件で測定し、10分間の流出g数で表示した。 (7)VICAT軟化点 JIS K7206に従って測定した。単位は、℃であ
る。
【0031】(8)シクロペンタン吸収量 樹脂組成物(ゴム含有スチレン系樹脂)を2mm厚にプ
レス成形し、これを20mm×35mmに切削し、切削
面を紙ヤスリなどで鏡面仕上げし、重量を測定した(重
量;a)。この切削試料を、23℃の恒温でシクロペン
タンに3日間(72時間)浸漬した。その後、試料を取
り出し、取り出したのち1分後の試料の重量を測定した
(重量;b)。シクロペンタンの吸収量は、下式によっ
て求められる。 シクロペンタン吸収量=〔(重量b−重量a)/重量
a〕×100(%) (9)耐シクロペンタン性 プレス成形試験片(厚さ2mm、幅35mm、長さ23
0mm)を、23℃、シクロペンタン飽和蒸気中で、ベ
ンディングフォーム法によって、シクロペンタンに対す
る亀裂発生の臨界歪値を測定し、下記のように判定し
た。 ◎;臨界歪値0.5%以上、耐薬品性が極めて良好 ○;臨界歪値0.3%以上、0.5%未満、耐薬品性が
良好 ×;臨界歪値0.3%未満、耐薬品性が不良
【0032】実施例1 (1)ゴム質重合体の製造 容量5リットルのオートクレーブに、脱イオン水150
部、高級脂肪酸セッケン(炭素数18を主成分とする脂
肪酸のナトリウム塩)4部、水酸化ナトリウム0.07
5部を仕込み、窒素置換後、68℃に昇温した。1,3
−ブタジエン(BD)90部、スチレン(St)10部
とt−ドデシルメルカプタン0.3部よりなる単量体混
合物のうち、20%を仕込んだのち、過硫酸カリウム
0.135部を添加した。約数分で発熱が起こり、重合
の開始が確認された。過硫酸カリウムを添加後、1時間
後から単量体混合物の80%の連続仕込みを開始し、6
時間の時点で終了した。単量体混合物の添加終了後、温
度を80℃まで上げ、さらに1時間重合を進めた。固形
分濃度は39.5%、平均粒子径は0.08μm、ゲル
含有率は95.0%であった。
【0033】(2)グラフト共重合体の製造 攪拌装置、加熱冷却装置、および各原料・助剤仕込み装
置を備えた容量5リットルの反応器に、上記ゴム質重合
体ラテックスを無水酢酸を用いて0.33μmに粒径肥
大させたものを、固形分として100部および脱イオン
水264.5部(ラテックス中の水分を含む)を仕込
み、69℃に昇温した。途中、60℃に達した時点で、
過硫酸カリウム0.32部、スチレン(St)66.5
部、アクリロニトリル(AN)33.5部、テルペン混
合物0.125部、不均化ロジン酸カリウムセッケン
1.8部、水酸化カリウム0.44部、脱イオン水2
7.2部の添加を開始し、これらを2時間30分かけて
添加した。添加終了後、さらに30分反応を続け反応を
終了した。このグラフト共重合体ラテックスに、老化防
止剤2.5部を添加後、95℃に加熱した硫酸マグネシ
ウム水溶液中に攪拌しながら加えて凝固させ、凝固物を
水洗乾燥して白色粉末状のグラフト共重合体を得た。
【0034】(3)ゴム含有スチレン系樹脂の製造 上記(2)で製造したグラフト共重合体に、AS樹脂を
ゴム量が15%になるよう混合し、バンバリーミキサー
で混練りし、ペレット化した。このペレットを用い、射
出成形機によって物性測定用のテストピースを成形する
とともに、シクロペンタン吸収量および耐シクロペンタ
ン性測定のための試験片をプレス成形法によって成形し
た。結果を表1に示す。
【0035】実施例2 (1)ゴム質重合体の製造 実施例1(1)と同様にして行った。 (2)グラフト共重合体の製造 実施例1(2)と同様にして行った。 (3)ゴム含有スチレン系樹脂の製造 上記(2)で製造したグラフト共重合体に、以下に示す
他のグラフト共重合体およびAS樹脂を、全ゴム量が1
4%、ゴム量比(重量比)90/10となるよう混合
し、バンバリーミキサーで混練りし、ペレット化した。
このペレットを用い、射出成形機によって物性測定用の
テストピースを成形するとともに、シクロペンタン吸収
量および耐シクロペンタン性測定のための試験片をプレ
ス成形法によって成形した。結果を表1に示す。
【0036】他のグラフト共重合体の製造;オートクレ
ーブに、スチレン(St)225部、アクリロニトリル
(AN)81部およびポリブタジエンゴム51部を仕込
んで、窒素気流下、内温を60℃に昇温して攪拌しつ
つ、この温度に3時間保持し、ゴムを単量体混合物に充
分に分散させた。次いで、この溶液に、ジ−t−ブチル
パーオキサイド0.19部およびt−ブチルパーアセテ
ート0.06部、テルペン混合物2.5部を加え、10
0℃で攪拌しつつ、窒素雰囲気下で単量体の約30%が
重合するまで塊状重合を行った。次いで、この部分的に
重合したシロップ状物285部を、無水硫酸ナトリウム
1.7部を溶解した脱イオン水313部、アルキルナフ
タレンスルホン酸ナトリウムホルムアルデヒド縮合物
0.9部および2−エチルヘキシルアクリレートとアク
リル酸の共重合体からなる懸濁剤の5%水溶液18.5
部と混合した。懸濁物を約2時間にわたって攪拌し、約
135℃まで加熱した。その後、約3時間で内温を14
0℃まで昇温した。重合系に消泡剤を添加し、オートク
レーブの内圧6.5kg/cm2 で凝縮器を経てゆっく
り排気し、内温が140℃になったときから、未反応単
量体のストリッピングを開始し、約3時間続けた。この
間、水約49部、単量体27.5部が回収された。重合
を終了したのち、懸濁物を冷却し、脱水、洗浄、乾燥し
て小球形状のビーズを回収した。
【0037】実施例3 (1)ゴム質重合体の製造 実施例1(1)と同様にして行った。 (2)グラフト共重合体の製造 実施例1(2)と同様にして行った。 (3)ゴム含有スチレン系樹脂の製造 上記(2)で製造したグラフト共重合体と、以下に示す
他のグラフト共重合体およびAS樹脂を、全ゴム量が1
5%、ゴム量比(重量比)60/40となるよう混合
し、バンバリーミキサーで混練りし、ペレット化した。
このペレットを用い、射出成形機によって物性測定用の
テストピースを成形するとともに、シクロペンタン吸収
量および耐シクロペンタン性測定のための試験片をプレ
ス成形法によって成形した。結果を表1に示す。
【0038】他のグラフト共重合体の製造;攪拌装置、
加熱冷却装置、および各原料・助剤仕込み装置を備えた
容量5リットルの反応器に、上記(1)で製造したゴム
質重合体ラテックスを無水酢酸を用いて0.25μmと
0.6μmに粒径肥大させたものを、固形分としてそれ
ぞれ80部と20部、および脱イオン水347部(ラテ
ックス中の水分を含む)を仕込み、70℃に昇温した。
昇温の途中60℃で、水20部に溶解したピロリン酸ナ
トリウム1部、デキストローズ0.8部および硫酸第1
鉄0.01部を添加した。70℃に達した時点で、スチ
レン(St)70部、アクリロニトリル(AN)30
部、t−ドデシルメルカプタン1.1部およびクメンハ
イドロパーオキサイド0.5部、不均化ロジン酸カリウ
ムセッケン1.8部、水酸化カリウム0.37部、脱イ
オン水35部を、2時間30分かけて添加した。添加終
了後、さらに30分反応を続けて反応を終了した。この
グラフト共重合体ラテックスに、老化防止剤2.5部を
添加後、95℃に加熱した硫酸マグネシウム水溶液中に
攪拌しながら加えて凝固させ、凝固物を水洗乾燥して白
色粉末状のグラフト共重合体を得た。
【0039】実施例4 (1)ゴム質重合体の製造 実施例1(1)と同様にして行った。 (2)グラフト共重合体の製造 攪拌装置、加熱冷却装置、および各原料・助剤仕込み装
置を備えた容量5リットルの反応器に、上記ゴム質重合
体ラテックスをリン酸を用いて0.26μmに粒径肥大
させたものを、固形分として100部および脱イオン水
355部(ラテックス中の水分を含む)を仕込み、7
2.5℃に昇温した。72.5℃に達した時点で、45
部の脱イオン水に溶解した過硫酸カリウム0.6部を添
加すると同時に、スチレン(St)130部、アクリロ
ニトリル(AN)55.7部、テルペン混合物0.55
部の単量体混合物を4時間30分かけて添加した。途
中、単量体混合物の添加開始から30分後に、0.4部
の水酸化カリウムを、1時間後と2時間30分後に30
部の脱イオン水に溶解した1部の高級脂肪酸セッケン
(炭素数18を主成分とする脂肪酸のナトリウム塩)を
添加した。単量体混合物の添加終了後、さらに30分反
応を続け反応を終了した。このグラフト共重合体ラテッ
クスに、老化防止剤2.5部を添加後、95℃に加熱し
た硫酸マグネシウム水溶液中に攪拌しながら加えて凝固
させ、凝固物を水洗乾燥して白色粉末状のグラフト共重
合体を得た。
【0040】(3)ゴム含有スチレン系樹脂の製造 上記(2)で製造したグラフト共重合体と、実施例2
(3)に記した他のグラフト共重合体およびAS樹脂
を、全ゴム量が13.5%、ゴム量比(重量比)75/
25となるよう混合し、バンバリーミキサーで混練り
し、ペレット化した。このペレットを用い、射出成形機
によって物性測定用のテストピースを成形するととも
に、シクロペンタン吸収量および耐シクロペンタン性測
定のための試験片をプレス成形法によって成形した。結
果を表1に示す。
【0041】比較例1 (1)ゴム質重合体の製造 容量5リットルのガラス製フラスコに、脱イオン水15
1部、高級脂肪酸セッケン(炭素数18を主成分とする
脂肪酸のナトリウム塩)2部、炭酸水素ナトリウム1部
を仕込み、窒素気流下、75℃に昇温した。過硫酸カリ
ウム0.135部を添加したのち、5分して、アクリル
酸ブチル(BA)100部およびメタクリル酸アリル
(AMA)0.5部よりなる単量体混合物のうち、4部
を仕込んだ。約数分で発熱が起こり、重合の開始が確認
された。最初の単量体混合物の仕込み後20分で、残り
の単量体混合物の連続添加を開始し、3時間20分の時
点で、その添加を終了したが、途中、2時間の時点で高
級脂肪酸セッケン1部を加え、2時間30分の時点で、
過硫酸カリウム0.015部を加えた。単量体混合物の
添加終了後、80℃へ昇温し、さらに1時間、同一温度
で重合を進めた。固形分濃度は39.5%、平均粒子径
は0.10μm、ゲル含有率は90%であった。 (2)グラフト共重合体の製造 実施例1(2)と同様にして行った。 (3)ゴム含有スチレン系樹脂の製造 実施例1(3)と同様にして行った。結果を表2に示
す。
【0042】比較例2 (1)ゴム質重合体の製造 実施例1(1)と同様に行った。 (2)グラフト共重合体の製造 実施例3(3)に記載した他のグラフト共重合体の製造
と同様にして行った。 (3)ゴム含有スチレン系樹脂の製造 実施例1(3)と同様にして行った。結果を表2に示
す。
【0043】比較例3 実施例2(3)に記載した他のグラフト共重合体の製造
方法と同様に行い、得られたグラフト共重合体をそのま
まバンバリーミキサーで混練りし、ペレット化した。こ
のペレットを用い、射出成形機によって物性測定用のテ
ストピースを成形するとともに、シクロペンタン吸収量
および耐シクロペンタン性測定のための試験片をプレス
成形によって成形した。結果を表2に示す。
【0044】比較例4 (1)〜(2)ゴム質重合体およびグラフト共重合体の
製造 攪拌装置、加熱冷却装置および原料添加配管を有してい
るステンレス製オートクレーブに、脱イオン水165
部、1,3−ブタジエン90部、スチレン(St)10
部、t−ドデシルメルカプタン0.4部、高級脂肪酸ナ
トリウム6部、塩化カリウム0.6部および過硫酸カリ
ウム0.15部を仕込み、温度53℃で反応を開始し
た。この温度で重合反応を継続している途中、5時間経
過時に、エチレングリコールジメタクリレート0.8部
を反応器に添加し、さらに5時間反応を継続した。その
後、スチレン(St)34.3部、アクリロニトリル
(AN)8.6部を添加し、引き続きグラフト重合を行
った。固形分濃度39.0%、平均粒子径0.08μ
m、ゲル含有率90%であった。このグラフト共重合体
ラテックスに、老化防止剤0.75部を添加後、95℃
に加熱した硫酸マグネシウム水溶液中に攪拌しながら加
えて凝固させ、凝固物を水洗乾燥し、白色粉末状のグラ
フト共重合体を得た。
【0045】(3)ゴム含有スチレン系樹脂の製造 上記グラフト共重合体と、比較例3に記載のグラフト共
重合体とを、全ゴム量が15.3%、ゴム量比(重量
比)88/12となるよう混合し、バンバリーミキサー
で混練りし、ペレット化した。このペレットを用い、射
出成形機によって物性測定用のテストピースを成形する
とともに、シクロペンタン吸収量および耐シクロペンタ
ン性測定のための試験片をプレス成形法によって成形し
た。結果を表2に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【発明の効果】本発明のゴム含有スチレン系樹脂は、耐
シクロペンタン性に優れ、この樹脂を用いた成形品は、
ケミカルアタックが強いシクロペンタンに対し耐性を有
することから、電気冷蔵庫の内箱などに有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08J 5/00 CEQ C08J 5/00 CEQ //(C08F 279/02 212:08)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シクロペンタンに23℃で3日間浸漬し
    たときのシクロペンタン吸収量が0.3重量%以下であ
    る耐シクロペンタン性に優れたゴム含有スチレン系樹
    脂。
  2. 【請求項2】 ゴム含有スチレン系樹脂のゴム含有量が
    5〜40重量%である請求項1記載の耐シクロペンタン
    性に優れたゴム含有スチレン系樹脂。
  3. 【請求項3】 ゴム含有スチレン系樹脂の全ゴム量のう
    ち、少なくとも20重量%が以下の条件〜を満たす
    グラフト共重合体由来のものである請求項1または2記
    載の耐シクロペンタン性に優れたゴム含有スチレン系樹
    脂。 ゴム質重合体ラテックスの存在下に、芳香族ビニル単
    量体60〜85重量%、シアン化ビニル単量体15〜4
    0重量%および共重合可能な他のビニル系単量体0〜2
    0重量%(ただし、芳香族ビニル単量体+シアン化ビニ
    ル単量体+他のビニル系単量体=100重量%)からな
    る単量体成分を乳化グラフト重合させて得られること。 ゴム質重合体ラテックス中のゴム質重合体が、ゲル含
    有率50重量%以上のものであること。 ゴム質重合体ラテックス中のゴム質重合体が、重量平
    均粒子径0.15〜0.6μmのものであること。 グラフト共重合体を常温アセトン抽出に付したときの
    不溶分が、下記式(I)および(II) を満たす量である
    こと。 〔式中、xはグラフト共重合体サンプルの重量、yはx
    のうち、常温でアセトン不溶分の重量、Rはグラフト共
    重合体のゴム分率、Grはグラフト率(%)を示す。〕 グラフト共重合体を常温アセトン抽出に付したときの
    可溶分が、数平均分子量6万以上のものであること。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3いずれか1項記載の耐シク
    ロペンタン性に優れたゴム含有スチレン系樹脂を成形し
    てなる成形品。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001354738A (ja) * 2000-06-13 2001-12-25 Techno Polymer Co Ltd ゴム強化熱可塑性樹脂およびその成形品
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