JPH1149737A - 光学活性な1−アリールエトキシアミン誘導体およびその製造方法 - Google Patents

光学活性な1−アリールエトキシアミン誘導体およびその製造方法

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JPH1149737A
JPH1149737A JP20770797A JP20770797A JPH1149737A JP H1149737 A JPH1149737 A JP H1149737A JP 20770797 A JP20770797 A JP 20770797A JP 20770797 A JP20770797 A JP 20770797A JP H1149737 A JPH1149737 A JP H1149737A
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JP20770797A
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Masaji Oda
雅次 織田
Fumihiko Ono
文彦 大野
Takeshi Tanaka
健 田中
Manabu Katsurada
学 桂田
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 農薬あるいは医薬の合成中間体として有用で
ある新規な光学活性な1−アリールエトキシアミン誘導
体を、安価に、効率よく製造する方法を提供する。 【解決手段】 下記一般式(I) 【化1】 (式中、Arはアリール基またはヘテロアリール基を示
し、Xは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロア
ルキル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、アルキル
チオ基、アルキニルオキシ基、シアノ基、ニトロ基また
はアリール基を表し、nは1から3の整数を表し、Rは
アルキル基又はフェニル基を表す。)で表される光学活
性なヒドロキサム酸誘導体をその立体配置を保持したま
ま加水分解することを特徴とする下記一般式(II) 【化2】 (式中、Ar、Xおよびnはすでに定義した通りであ
る。)で表される光学活性な1−アリールエトキシアミ
ン誘導体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、農薬あるいは医薬
の合成中間体として有用な光学活性な1−アリールエト
キシアミン誘導体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光学活性な1−アリールエトキシアミン
誘導体は、特願平8−315270に記載される農園芸
用殺菌剤である光学活性なN−メチル−メトキシイミノ
酢酸アミド誘導体の合成原料として使用される新規な化
合物である。従来、1−アリールエトキシアミン誘導体
の製造方法としては、N−ヒドロキシフタルイミドと1
−アリールエチルハライド誘導体を反応させ得られるオ
キシフタルイミド体をヒドラジン水和物で処理する方法
{Tetrahedron,51,42,11473−
11488(1995)}、N−ヒドロキシウレタンと
1−アリールエチルハライド誘導体を反応させ得られる
カルベトキシハイドロキサメート誘導体を加水分解する
方法{Helv.Chim.Acta.,45,138
1−1395(1962)}、1−アリールエチルアル
コール誘導体にクロラミンを反応させ直接製造する方法
{J.Med.Chem.,10,556−564(1
967)}、あるいはアセトンオキシムと1−アリール
エチルハライド誘導体を反応させ得られるアセトキシム
誘導体を酸により加水分解する方法{Tetrahed
ron,23,4441(1967),Org.Syn
th.Coll Vol.III ,172(1955)}
などが知られている。しかしながら、これらの方法には
原料が高価である、操作性が悪い、あるいは爆発性を有
する試薬を用いる必要があるなど、必ずしも経済的に十
分な方法とは言えなかった。また、光学活性体を製造す
る場合、通常その反応中、酸や塩基あるいは熱などによ
りラセミ化を伴うことが多い。その場合ラセミ体を製造
した後に晶析などで光学分割する方法が採られるが、操
作が煩雑になり収率も低下する為経済的に好ましくな
い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、光学
活性な1−アリールエトキシアミン誘導体を安価に効率
よく製造する方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討を重ねた結果、下記一般式(I)の
光学活性なヒドロキサム酸誘導体を経由する新規な製造
方法を見いだし、本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明の要旨は、下記一般式(I)
【0005】
【化10】
【0006】(式中、Arはアリール基またはヘテロア
リール基を示し、Xは水素原子、ハロゲン原子、C1
4 のアルキル基、C1 −C4 のハロアルキル基、C1
−C4のアルコキシ基、C1 −C4 のハロアルコキシ
基、C1 −C4 のアルキルチオ基、C2 −C6 のアルキ
ニルオキシ基、シアノ基、ニトロ基またはアリール基を
表し、nは1から3の整数を表し、RはC1 −C4 のア
ルキル基又はフェニル基を表す。)で表される光学活性
なヒドロキサム酸誘導体をその立体配置を保持したまま
加水分解することを特徴とする下記一般式(II)
【0007】
【化11】
【0008】(式中、Ar、Xおよびnはすでに定義し
た通りである。)で表される光学活性な1−アリールエ
トキシアミン誘導体の製造方法に関する。さらに、本発
明は、下記一般式(III)
【0009】
【化12】
【0010】(式中、Lはハロゲン原子を表し、Ar、
Xおよびnはすでに定義した通りである。)で表される
光学活性な1−アリールエチルハライド誘導体に下記一
般式(IV)
【0011】
【化13】 RCONHOH (IV)
【0012】(式中、Rはすでに定義した通りであ
る。)で表されるヒドロキサム酸を反応させて立体配置
の反転を伴うエーテル化を行なうことを特徴とする一般
式(I)の光学活性なヒドロキサム酸誘導体の製造方法
にも関する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
上記一般式(I)、(II)、(III)および(IV)におい
て、Arはフェニル基、ナフチル基などのアリール基;
ピリジル基またはチアゾリル基などのヘテロアリール基
を示す。好ましくはアリール基、さらに好ましくはフェ
ニル基を表す。Xはアリール基またはヘテロアリール基
の環に結合している置換基であって、水素原子;フッ素
原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子;メチル
基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、
n−ブチル基、sec−ブチル基などのC1 −C4 の直
鎖または分岐のアルキル基;トリフルオロメチル基、ジ
フルオロメチル基、トリクロロメチル基またはジクロロ
ジフルオロエチル基などのC1 −C4 のハロアルキル
基;メトキシ基、エトキシ基、iso−プロポキシ基、
n−ブトキシ基などのC1 −C4 のアルコキシ基;また
はトリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、ま
たはジクロロジフルオロエトキシ基などのC1−C4
ハロアルコキシ基;メチルチオ基、エチルチオ基などの
1 −C4 のアルキルチオ基;プロパルギルオキシ基な
どC2 −C6 のアルキニルオキシ基;シアノ基;ニトロ
基;またはフェニル基などのアリール基を示す。また、
これらの置換基のうち隣接する二つの置換基が一緒にな
ってメチレンジオキシ基あるいはエチレンジオキシ基な
どとなりアリール環またはヘテロアリール環と縮合環を
形成してもよい。好ましくは、Rは水素原子、塩素原
子、C1 −C2 のハロアルキル基またはC1 −C2 のハ
ロアルコキシ基を表す。さらに好ましくはトリフルオロ
メチル基を表す。
【0014】nは1から3の整数を表す。好ましくは1
から2の整数を表す。Rはメチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec
−ブチル基などのC1 −C4 の直鎖または分岐のアルキ
ル基;またはフェニル基を表す。好ましくはメチル基を
表す。Lはフッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロ
ゲン原子を表す。好ましくは、塩素原子、臭素原子を表
す。さらに好ましくは塩素原子を表す。一般式(II)で
表される光学活性な1−アリールエトキシアミン誘導体
は、一般式(I)で表される光学活性なヒドロキサム酸
誘導体を、適当な酸あるいは塩基を用いて不活性溶媒中
で加水分解させることにより、不斉炭素の立体配置を保
持したまま効率良く製造される。
【0015】用いられる酸あるいは塩基は、ヒドロキサ
ム酸誘導体(I)に対し1〜10倍当量、好ましくは1
〜5倍当量使用される。反応を収率良く短時間で進行さ
せるためには酸を用いる方が好ましい。使用される酸の
例としては、酢酸、トリフルオロ酢酸などの有機酸類;
塩酸などのハロゲン化水素酸類;塩化水素などのハロゲ
ン化水素類;メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン
酸あるいは硫酸などのスルホン酸類;ピリジン塩酸塩、
ピリジン硫酸塩などの有機塩基の酸付加塩;または塩化
亜鉛、塩化鉄、塩化アルミニウムなどのルイス酸などが
挙げられる。好ましくはハロゲン化水素酸類あるいはス
ルホン酸類が挙げられる。
【0016】使用される塩基の例としては、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウムのような
アルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩;炭酸水
素ナトリウム、炭酸水素カリウムのようなアルカリ金属
炭酸水素化物;ナトリウムエチラート、t−ブトキシカ
リウムのようなアルカリ金属アルコラート類などが挙げ
られる。好ましくはアルカリ金属水酸化物が挙げられ
る。
【0017】使用される溶媒としては、ベンゼン、トル
エン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジクロロメタ
ン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲ
ン化炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル等のエステ
ル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;メ
タノール、エタノール、プロパノール等のアルコール
類;アセトニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチ
ルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスル
ホキシド、酢酸、水などの極性溶媒等が挙げられ、その
単一溶媒であっても混合溶媒であっても良い。これらの
溶媒のうち、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエー
テル類、アルコール類、水などの極性溶媒等が好まし
い。反応は室温から用いられる溶媒の沸点まで、好まし
くは20〜120℃にて行なうことができる。
【0018】一般式(I)で表される光学活性なヒドロ
キサム酸誘導体は、一般式(III)で表される光学活性な
1−アリールエチルハライド誘導体と一般式(IV)で表
されるヒドロキサム酸とを適当な塩基の存在下、不活性
溶媒中で反応させることにより不斉炭素の立体配置の反
転を伴うエーテル化により効率良く製造される。出発物
質としては、一般式(I)の化合物の所望の立体配置と
は反対の立体配置の一般式(III)の化合物を使用する必
要がある。一般式(IV)の化合物は一般式(III)の化合
物に対し、通常1〜3倍当量使用される。
【0019】用いられる塩基としては、無機塩基、有機
塩基のいずれでもよい。無機塩基としては、例えば水酸
化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水
酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウ
ムのようなアルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸
塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムのようなア
ルカリ金属炭酸水素化物;水素化ナトリウムのようなア
ルカリ金属水素化物;金属ナトリウムのようなアルカリ
金属などが挙げられる。有機塩基としては、例えばトリ
エチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]
ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ
[4.3.0]ノネン−5(DBN)、1,4−ジアザ
ビシクロ[2.2.2]オクタン(Dabco)のよう
な3級アミン;ピリジン、ピコリンのような芳香族塩
基;ナトリウムエチラート、t−ブトキシカリウムのよ
うなアルカリ金属アルコラート類などが挙げられる。好
ましくはアルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素化
物、アルカリ金属水酸化物あるいはアルカリ金属アルコ
ラート類が挙げられる。
【0020】上記の塩基は、上記一般式(III)で表され
る1−アリールエチルハライド誘導体に対し、1倍当量
から10倍当量、好ましくは1倍当量から5倍当量まで
使用される。使用される溶媒としては、ベンゼン、トル
エン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジクロロメタ
ン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲ
ン化炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル等のエステ
ル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;メ
タノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の
アルコール類;アセトニトリルなどのニトリル類;N,
N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジ
メチルスルホキシド、酢酸、水などの極性溶媒等が挙げ
られ、その単一溶媒であっても混合溶媒であっても良
い。好ましくはエーテル類、アルコール類あるいはN,
N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドある
いは水などの極性溶媒等が挙げられる。
【0021】反応温度は室温から用いられる溶媒の沸点
まで、好ましくは20〜150℃にて行なわれる。反応
をさらに良好に進行させる為、テトラ−n−ブチルアン
モニウムブロミド、テトラ−n−ブチルアンモニウムハ
イドロジェンサルフェート、トリメチルステアリルアン
モニウムクロライドなどの通常一般に知られている相関
移動触媒を適宜用いることも可能である。
【0022】一般式(II)で表される光学活性な1−ア
リールエトキシアミン誘導体は、一般式(III)の光学活
性1−アリールエチルハライド誘導体と一般式(IV)の
ヒドロキサム酸を反応させ、生成物の一般式(I)で表
される光学活性なヒドロキサム酸誘導体を単離精製した
後加水分解しても良いが、光学活性なヒドロキサム酸誘
導体(I)を単離することなく加水分解を行っても反応
は良好に進行するので、操作の煩雑さを避けることが出
来、経済的に有利である。本発明の出発原料となる光学
活性な1−アリールエチルハライド誘導体(III)は例え
ば下記反応式に示される方法により製造される。
【0023】
【化14】
【0024】(Ar、X、nおよびLは既に定義した通
りである。) 即ち、ケトン誘導体(V)を微生物を用いた不斉還元
(例えば特開平8−266292)、あるいは光学活性
なリガンド共存下の化学的不斉還元{例えばJ.Am.
Chem.Soc.,5551(1987)}を行なう
ことにより光学活性なアルコール体(VI)が得られる。
次いで適当なハロゲン化剤を用いることによりその立体
配置を保持したまま、あるいは立体配置の反転を伴って
光学活性な1−アリールエチルハライド誘導体(III)に
導くことができる。一般に立体配置を保持したハロゲン
化の場合ラセミ化を多く伴うことがあり、本目的の場合
立体配置の反転を伴ったハロゲン化が好ましい。例えば
ピリジンやトリエチルアミンのような塩基の存在下、メ
タンスルホニルクロリドのようなハロゲン化剤を反応さ
せることにより光学活性な1−アリールエチルハライド
誘導体(III)を得ることができる。
【0025】本発明方法により得られる光学活性なヒド
ロキサム酸誘導体(I)および光学活性な1−アリール
エトキシアミン誘導体(II)はいずれも新規化合物であ
り、例えば下記の如き工程により一般式(VIII)で示さ
れる光学活性なN−メチル−メトキシイミノ酢酸アミド
誘導体を合成する中間体として有用である。一般式(VI
II)で示される化合物は、特願平8−315270に示
される農園芸用殺菌剤である。
【0026】
【化15】
【0027】
【実施例】次に本発明の実施例を挙げてさらに具体的に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。尚、実施例において
使用される化合物および得られた化合物の光学純度は、
高速液体クロマトグラフィー{カラム:ダイセル化学工
業株式会社製、Chiralcel−OJ、溶出溶剤:
ヘキサン−イソプロピルアルコール(10:1〜10
0:0)、流速:1.0ml/min、検出220n
m}により決定した。ただし、(S)−1−(3−トリ
フルオロメチルフェニル)エトキシアミンの光学純度
は、該化合物をシクロヘキサノンと反応させ、シクロヘ
キサノンオキシム体に変換した後、上記の条件で決定し
た。
【0028】実施例−1 (S)−0−{1−(3−トリフルオロメチルフェニ
ル)エチル}−アセトヒドロキサメートの合成 (R)−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)−1
−クロロエタン3.3g(15.8mmol、光学純
度:93%ee)のジメチルホルムアミド(DMF)8
ml溶液に無水炭酸カリウム3.3g(23.9mmo
l)およびアセトヒドロキサム酸2.15g(20.5
mmol)を加え、120〜130℃にて6時間加熱攪
拌した。反応液に酢酸エチルを加え水、飽和食塩水にて
順次洗浄し無水硫酸ナトリウムにて乾燥した後、減圧濃
縮し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー
(n−Hex:AcOEt=1:1→1:2)にて精製
し標題化合物(2.55g;収率=65.3%、光学純
度:82%ee)を得た。光学収率は88.2%であっ
た。生成物の分析値は以下のとおりであった。1 H-NMR δ(CDCl3 ):1.57(3H,d),1.8-2.2(3H,br),4.8-5.
15(1H,br),7.45-7.55(4H,m),7.8-8.0(1H,br)
【0029】実施例−2 (S)−0−{1−(3−トリフルオロメチルフェニ
ル)エチル}−アセトヒドロキサメートの合成 水酸化ナトリウム0.8g(20mmol)のエタノー
ル(6ml)、水(2ml)の混合溶液にアセトヒドロ
キサム酸1.5g(20mmol)、テトラ−n−ブチ
ルアンモニムプロミド10mgおよび(R)−1−(3
−トリフルオロメチルフェニル)−1−クロロエタン
2.0g(9.6mmol、光学純度:93%ee)を
加え、70℃にて3時間加熱攪拌した。室温まで冷却し
た後トルエン(20ml)を加え抽出し、有機層を水お
よび飽和食塩水で順次洗浄した。無水硫酸ナトリウムで
乾燥した後、減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルク
ロマトグラフィー(n−Hex:AcOEt=1:1→
1:2)にて精製し、標題化合物(1.85g;収率=
77.9%、光学純度:90%ee)を得た。光学収率
は96.8%であった。
【0030】実施例−3 (S)−0−(1−フェニル−エチル)−アセトヒドロ
キサメートの合成 原料として(R)−1−フェニル−1−クロロエタンと
アセトヒドロキサム酸を用いる以外は実施例−2と全く
同様の操作にて標題化合物(収率=80.5%、光学収
率:93%)を得た。
【0031】実施例−4 (S)−0−{1−(4−トリフルオロメチルフェニ
ル)エチル}−アセトヒドロキサメートの合成 原料として(R)−1−(4−トリフルオロメチルフェ
ニル)−1−クロロエタンとアセトヒドロキサム酸を用
いる以外は実施例−2と全く同様の操作にて標題化合物
(収率=82.0%、光学収率:92%)を得た。
【0032】実施例−5 (S)−0−{1−(3−クロロフェニル)エチル}−
アセトヒドロキサメートの合成 原料として(R)−1−(3−クロロフェニル)−1−
クロロエタンとアセトヒドロキサム酸を用いる以外は実
施例−2と全く同様の操作にて標題化合物(収率=7
5.3%、光学収率:96%)を得た。
【0033】実施例−6 (S)−0−{1−(4−クロロフェニル)エチル}−
アセトヒドロキサメートの合成 原料として(R)−1−(4−クロロフェニル)−1−
クロロエタンとアセトヒドロキサム酸を用いる以外は実
施例−2と全く同様の操作にて標題化合物(収率=8
6.0%、光学収率:90%)を得た。
【0034】実施例−7 (S)−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エト
キシアミンの合成 (R)−0−{1−(3−トリフルオロメチルフェニ
ル)エチル}−アセトヒドロキサメート1.0g(0.
4mmol、光学純度:90%ee)のエタノール(3
ml)溶液に濃塩酸(1ml)を加え、50℃にて1.
5時間攪拌した。反応液にn−ヘキサンを加え水、飽和
食塩水にて順次洗浄し無水硫酸ナトリウムにて乾燥し
た。減圧濃縮し、標題化合物(0.82g;収率=99
%、光学純度:90%ee)を得た。光学収率は100
%であった。得られた標題化合物の比旋光度は[α]D
22.0 −54.7°(C=0.980,CHCl3 )で
あった。
【0035】実施例−8 (S)−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エト
キシアミンの合成 炭酸ナトリウム46g(0.43mol)のエタノール
(25ml)、水(25ml)の混合溶液にヒドロキシ
ルアミン塩酸塩26.8g(0.386mol)を加え
35℃にて20分間攪拌した。無水酢酸44g(0.4
31mol)を3時間かけてゆっくり滴下した。エタノ
ール(35ml)を加えた後、40℃にて2時間攪拌、
次いで50℃にて1時間攪拌した。15℃に冷却した後
氷冷下95%水酸化カリウム28.3g(0.48mo
l)、テトラ−n−ブチルアンモニウムプロミド0.5
g(1.55mmol)を加えた。45℃にて(R)−
1−(3−トリフルオロメチルフェニル)−1−クロロ
エタン41.7g(0.192mol、光学純度:90
%ee)のエタノール(15ml)溶液を滴下した。7
0℃にて6時間攪拌した後20℃に冷却し、氷冷下濃塩
酸115ml(1.32mol)を滴下した後50℃に
昇温し2時間攪拌した。冷却し、さらに氷(50g)を
加え、99%水酸化ナトリウム36g(0.891mo
l)を30℃以下にて添加し中和した。n−ヘキサン
(100ml)を加え分液し、有機層を水および飽和食
塩水で順次洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した
後、減圧濃縮し、得られた残渣を減圧蒸留(沸点:7
1.5〜73℃/4mmHg)にて精製し、標題化合物
(30.7g;収率=74.1%、光学純度:86%e
e)を得た。光学収率は95.6%であった。得られた
標題化合物の比旋光度は[α] D 22.0 −52.3°
(C=0.870,CHCl3 )であった。
【0036】実施例−9 (S)−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エト
キシアミンの合成 (R)−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)−1
−ククロエタン(1.3g;6.2mmol、光学純
度:78.2%ee)、アセトヒドロキサム酸0.9g
(12.9mmol)のトルエン溶液にDBU1.1g
(7.2mmol)を加え、60℃にて6時間加熱攪拌
した。冷却し、氷冷下濃塩酸3ml(34.4mmo
l)を滴下した後50℃に昇温し2時間攪拌した。冷却
し水酸化ナトリウムにて中和した後n−ヘキサン(30
ml)を加え分液し、有機層を水および飽和食塩水で順
次洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃
縮し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー
(n−Hex:AcOEt=4:1)にて精製し、標題
化合物(1.0g;収率=80%、光学純度:72.2
%ee)を得た。光学収率は92.3%であった。
【0037】実施例−10 (S)−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エト
キシアミンの合成 (R)−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)−1
−ククロエタン1.3g(6.2mmol、光学純度:
75.5%ee)、アセトヒドロキサム酸0.9g(1
2.9mmol)のエタノール(6ml)、水(2m
l)の混合溶液にDBU1.1g(7.2mmol)を
加え、60℃にて4時間加熱攪拌した。冷却し、氷冷下
濃塩酸3ml(34.4mmol)を滴下した後50℃
に昇温し2時間攪拌した。冷却し水酸化ナトリウムにて
中和した後n−ヘキサン(30ml)を加え分液し、有
機層を水および飽和食塩水で順次洗浄した。無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した後、減圧濃縮し、得られた残渣をシ
リカゲルクロマトグラフィー(n−Hex:AcOEt
=4:1)にて精製し、標題化合物(1.1g,収率=
88%、光学純度:71.7%ee)を得た。光学収率
は94.9%であった。
【0038】実施例−11 (S)−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エト
キシアミンの合成 DBUをトリエチルアミンに替える以外は実施例−10
と全く同様の操作にて標題化合物(0.72g;収率=
56.4%、光学純度:68.8%ee)を得た。光学
収率は91.1%であった。
【0039】実施例−12 原料を替える以外は実施例−8で示した操作と同様にし
て得られた光学活性なオキシアミン体の例を表−1に示
す。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、農薬あるいは医薬の合
成中間体として有用である新規な光学活性な1−アリー
ルエトキシアミン誘導体を、新規な光学活性なアセトヒ
ドロキサム酸誘導体から効率良く製造することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桂田 学 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) 【化1】 (式中、Arはアリール基またはヘテロアリール基を示
    し、Xは水素原子、ハロゲン原子、C1 −C4 のアルキ
    ル基、C1 −C4 のハロアルキル基、C1 −C4のアル
    コキシ基、C1 −C4 のハロアルコキシ基、C1 −C4
    のアルキルチオ基、C2 −C6 のアルキニルオキシ基、
    シアノ基、ニトロ基またはアリール基を表す。nは1か
    ら3の整数を表し、nが2または3の時、Xは同じでも
    異なっていても良く、また隣接する2つの置換基が一緒
    になってアリール環またはヘテロアリール環と縮合環を
    形成してもよい。RはC1 −C4 のアルキル基又はフェ
    ニル基を表す。)で表される光学活性なヒドロキサム酸
    誘導体を、その立体配置を保持したまま加水分解するこ
    とを特徴とする下記一般式(II) 【化2】 (式中、Ar、Xおよびnは前記一般式(I)と同じ意
    義を有する。)で表される光学活性な1−アリールエト
    キシアミン誘導体の製造方法。
  2. 【請求項2】 下記一般式(III) 【化3】 (式中、Lはハロゲン原子を表し、Arはアリール基ま
    たはヘテロアリール基を示し、Xは水素原子、ハロゲン
    原子、C1 −C4 のアルキル基、C1 −C4 のハロアル
    キル基、C1 −C4 のアルコキシ基、C1 −C4 のハロ
    アルコキシ基、C 1 −C4 のアルキルチオ基、C2 −C
    6 のアルキニルオキシ基、シアノ基、ニトロ基またはア
    リール基を表す。nは1から3の整数を表し、nが2ま
    たは3の時、Xは同じでも異なっていても良く、また隣
    接する2つの置換基が一緒になってアリール環またはヘ
    テロアリール環と縮合環を形成してもよい。)で表され
    る光学活性な1−アリールエチルハライド誘導体に下記
    一般式(IV) 【化4】 RCONHOH (IV) (式中、RはC1 −C4 のアルキル基又はフェニル基を
    表す。)で表されるヒドロキサム酸を反応させて立体配
    置の反転を伴うエーテル化を行なうことを特徴とする下
    記一般式(I) 【化5】 (式中、Ar、Xおよびnは一般式(III)および(IV)
    と同じ意義を有する。)で表される光学活性なヒドロキ
    サム酸誘導体の製造方法。
  3. 【請求項3】 下記一般式(III) 【化6】 (式中、Lはハロゲン原子を表し、Arはアリール基ま
    たはヘテロアリール基を示し、Xは水素原子、ハロゲン
    原子、C1 −C4 のアルキル基、C1 −C4 のハロアル
    キル基、C1 −C4 のアルコキシ基、C1 −C4 のハロ
    アルコキシ基、C 1 −C4 のアルキルチオ基、C2 −C
    6 のアルキニルオキシ基、シアノ基、ニトロ基またはア
    リール基を表す。nは1から3の整数を表し、nが2ま
    たは3の時、Xは同じでも異なっていても良く、また隣
    接する2つの置換基が一緒になってアリール環またはヘ
    テロアリール環と縮合環を形成してもよい。)で表され
    る光学活性な1−アリールエチルハライド誘導体に、下
    記一般式(IV) 【化7】 RCONHOH (IV) (式中、RはC1 −C4 のアルキル基又はフェニル基を
    表す。)で表されるヒドロキサム酸を反応させて立体配
    置の反転を伴うエーテル化を行ない、得られる下記一般
    式(I) 【化8】 (上記一般式中、R、Ar、X及びnは一般式(II)お
    よび(III)と同じ意義を有する。)で表されるヒドロキ
    サム酸誘導体を加水分解することを特徴とする下記一般
    式(II) 【化9】 (式中、Ar、Xおよびnは前記一般式(III)と同じ意
    義を有する。)で表される光学活性な1−アリールエト
    キシアミン誘導体の製造方法。
  4. 【請求項4】 一般式(I)及び一般式(II)のRがメ
    チル基であることを特徴とする請求項1記載の光学活性
    な1−アリールエトキシアミン誘導体の製造方法。
  5. 【請求項5】 一般式(IV)及び一般式(I)のRがメ
    チル基であることを特徴とする請求項2記載の光学活性
    なヒドロキサム酸誘導体の製造方法。
  6. 【請求項6】 一般式(IV)、一般式(I)及び一般式
    (II)のRがメチル基であることを特徴とする請求項3
    記載の光学活性な1−アリールエトキシアミン誘導体の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 一般式(I)で表される光学活性なヒド
    ロキサム酸誘導体。
  8. 【請求項8】 Rがメチル基であることを特徴とする請
    求項7記載の光学活性なヒドロキサム酸誘導体。
  9. 【請求項9】 一般式(II)で表される光学活性な1−
    アリールエトキシアミン誘導体。
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