JPH1149706A - 1,1,2−トリフルオロ−1−ブテン−3−イン誘導体及びその製造方法 - Google Patents

1,1,2−トリフルオロ−1−ブテン−3−イン誘導体及びその製造方法

Info

Publication number
JPH1149706A
JPH1149706A JP9206011A JP20601197A JPH1149706A JP H1149706 A JPH1149706 A JP H1149706A JP 9206011 A JP9206011 A JP 9206011A JP 20601197 A JP20601197 A JP 20601197A JP H1149706 A JPH1149706 A JP H1149706A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
derivative
compound
general formula
liquid crystal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9206011A
Other languages
English (en)
Inventor
Masashi Osawa
政志 大澤
Sadao Takehara
貞夫 竹原
Haruyoshi Takatsu
晴義 高津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority to JP9206011A priority Critical patent/JPH1149706A/ja
Publication of JPH1149706A publication Critical patent/JPH1149706A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機電子材料や医農薬、特に電気光学的液晶
表示用ネマチック液晶材料として有用な、(E)-1,2-ジフ
ルオロ-1-ブテン-3-イン誘導体を簡便かつ容易に得るた
めの合成中間体として有用な、新規化合物を提供する。 【解決手段】 一般式(II) 【化1】 (R:C1〜20のアルキル、アルコキシル、C2〜2
0のアルケニル、アルケニルオキシ、F、Cl、H等、
環A:F置換可能な1,4−フェニレン、トランス−
1,4−シクロヘキシレン等、m:0〜4、j:0、
1)で表される化合物及びその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有機電子材料や医農
薬、特に電気光学的液晶表示用ネマチック液晶材料とし
て有用な、(E)-1,2-ジフルオロ-1-ブテン-3-イン誘導体
の合成中間体として有用な化合物である1,1,2-トリフル
オロ-1-ブテン-3-イン誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、時計、電卓をはじめと
して、各種測定機器、自動車用パネル、ワードプロセッ
サー、電子手帳、プリンター、コンピューター、テレビ
等に用いられるようになっている。液晶表示方式として
は、その代表的なものにTN(捩れネマチック)型、S
TN(超捩れネマチック)型、DS(動的光散乱)型、
GH(ゲスト・ホスト)型あるいはFLC(強誘電性液
晶)等があり、また駆動方式としても従来のスタティッ
ク駆動からマルチプレックス駆動が一般的になり、さら
に単純マトリックス方式、最近ではアクティブマトリッ
クス方式が実用化されている。これらの表示方式や駆動
方式に応じて、液晶材料としても種々の特性が要求され
ており、このためこれまでにも非常に多くの液晶化合物
が合成されている。
【0003】こうした液晶化合物の中で式(A)
【0004】
【化4】
【0005】で表される(E)-1,2-ジフルオロ-1-ブテン-
3-イン誘導体が、M.M.Kremlev等により報告(Ukr. Khi
m. Zh., 48, 64(1982))されており、2環化合物と
しては比較的高いネマチック相上限温度を有することが
示されている。(A)の化合物は構造的にみて、大きい
屈折率異方性を有するであろうことは容易に推察でき
る。しかしながら、この報告には相転移温度以外の物性
については示されておらず、従って液晶組成物として用
いた場合にどのような電気光学的特性が得られるかにつ
いては全くわからなかった。また、この報告に基づいて
(A)またはその同族体を製造しようとしても、この報
告に示されている製造方法は収率も低く、操作も容易で
はなかった。
【0006】特開平6-263661号公報には(A)を包含す
るような広範な一般式を有する(E)-1,2-ジフルオロ-1-
ブテン-3-イン誘導体がその製造方法とともに示されて
いる。しかしながら、この公報には得られた具体的化合
物について相転移温度等の基本的な物性値は一切示され
ておらず、これによって(E)-1,2-ジフルオロ-1-ブテン-
3-イン誘導体の電気光学的特性が明らかにされたわけで
はなかった。また、この公報に示された製造方法に基づ
いて、実際に(A)の同族体を製造しようとしても、本
発明者らが試験したところでは目的物を得ることが困難
であった。
【0007】以上のように、(A)の化合物をはじめと
する(E)-1,2-ジフルオロ-1-ブテン-3-イン誘導体はその
相転移温度以外の物性や液晶組成物としての電気光学的
特性に興味が持たれていたにもかかわらず、その製造が
容易でなかったため、ほとんど知られていなかった。そ
のため、(E)-1,2-ジフルオロ-1-ブテン-3-イン誘導体の
簡便かつ容易な製造方法が求められている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、上記の目的に応じるため、(E)-1,2-ジフル
オロ-1-ブテン-3-イン誘導体を簡便かつ容易に得るため
の合成中間体として有用な、新規化合物を提供するもの
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、 1.一般式(II)
【0010】
【化5】
【0011】(式中、R1は炭素原子数1〜20のアル
キル基、アルコキシル基、炭素原子数2〜20のアルケ
ニル基またはアルケニルオキシ基を表し、これらは炭素
原子数10未満のアルコキシル基またはアルケニルオキ
シ基により置換されていてもよく、あるいはフッ素原
子、塩素原子または水素原子を表し、環Aは1〜4個の
フッ素原子により置換されていてもよい1,4-フェニレン
基、トランス-1,4-シクロへキシレン基、ピリミジン-2,
5-ジイル基、ピリジン-2,5-ジイル基、ピリダジン-3,6-
ジイル基、ピラジン-2,5-ジイル基または1,3-ジオキサ
ン-2,5-ジイル基を表し、jは0または1を表し、mは
0〜4の整数を表す。)で表される化合物。 2.j及びkが0であり、R1が炭素原子数1〜10の
直鎖状アルキル基または炭素原子数2〜10の直鎖状ア
ルケニル基を表すところの上記1記載の一般式(II)
で表される化合物。 3.一般式(IV)
【0012】
【化6】
【0013】(式中、R1、環A、j及びmは一般式
(II)におけると同じ意味を表す。)で表されるフェ
ニルアセチレン誘導体に、遷移金属触媒存在下に式
(V)
【0014】
【化7】
【0015】のトリフルオロヨードエチレンを反応させ
ることを特徴とする上記1記載の一般式(II)で表さ
れる化合物の製造方法。を前記課題の解決手段として見
出した。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に本発明の一例について説明
する。本発明の一般式(II)の1,1,2-トリフルオロ-1
-ブテン-3-イン誘導体は、その製造方法を含めて本発明
者らが初めて報告する新規な化合物である。
【0017】本発明の一般式(II)において、R1
炭素原子数1〜20のアルキル基、アルコキシル基、炭
素原子数2〜20のアルケニル基またはアルケニルオキ
シ基を表し、これらは炭素原子数10未満のアルコキシ
ル基またはアルケニルオキシ基により置換されていても
よく、あるいはフッ素原子、塩素原子または水素原子を
表すが、炭素原子数1〜10の直鎖状アルキル基が好ま
しい。環Aは1〜4個のフッ素原子により置換されてい
てもよい1,4-フェニレン基、トランス-1,4-シクロへキ
シレン基、ピリミジン-2,5-ジイル基、ピリジン-2,5-ジ
イル基、ピリダジン-2,5-ジイル基、ピラジン-2,5-ジイ
ル基または1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基を表すが、1
〜2個のフッ素原子により置換されていてもよい1,4-フ
ェニレン基またはトランス-1,4-シクロへキシレン基が
好ましく、トランス-1,4-シクロへキシレン基が特に好
ましい。jは0または1を表すが、0であることが好ま
しい。mは0〜4の整数を表すが、好ましくは0〜2を
表し、0を表すことがより好ましい。
【0018】また、一般式(II)の製造方法につい
て、以下に説明する。即ち、一般式(IV)
【0019】
【化8】
【0020】(式中、R1、環A、j及びmは一般式
(I)におけると同じ意味を表す。)で表されるフェニ
ルアセチレン誘導体に、遷移金属触媒存在下に式(V)
【0021】
【化9】
【0022】のトリフルオロヨードエチレンを反応させ
ることにより高収率で得ることができる。反応は溶媒中
で行われるが、溶媒としてはテトラヒドロフラン(TH
F)、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル(I
PE)、ジメトキシエタン(DME)あるいはジオキサ
ン等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、ヘキサン
または石油エーテル等の炭化水素系溶媒が好ましく、こ
れらは単独で用いてもその複数を混合して用いてもよい
が、THF等のエーテル系溶媒がより好ましく、THF
が特に好ましい。
【0023】遷移金属触媒としてはPd及びCu系の触媒を
併用することが好ましく、Pd触媒としては、テトラキス
(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ジ-μ-ク
ロロ-ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)二パラ
ジウム(II)、ジクロロビス(トリエチルホスフィン)パ
ラジウム(II)、ジクロロビス(トリプロピルホスフィ
ン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリブチルホスフ
ィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリペンチルホ
スフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(ベンゾニト
リル)パラジウム(II)、カルボニルトリス(トリフェニ
ルホスフィン)パラジウム(O)、trns-[ヨード(フェニ
ル)ビス(ジメチルフェニルホスフィン)パラジウム(I
I)]、trans-[ジメチルビス(トリフェニルホスフィン)
パラジウム(II)]、ビス(イソシアン化t-ブチル)パラ
ジウム(0)、ジ-μ-クロロ-ジクロロビス(η-エチレ
ン)二パラジウム(II)、(η-エチレン)ビス(トリフ
ェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジ
リデンアセトン)二パラジウム(0)、ジクロロ(1,5-シ
クロオクタジエン)パラジウム(II)、ジ-μ-クロロ-ビ
ス(η-アリル)二パラジウム(II)、η-アリル(η-シ
クロペンタジエニル)パラジウム(II)、ビス(アリル)
パラジウム(II)、(η-シクロペンタジエニル)(1,5-
シクロオクタジエン)パラジウム(II)テトラフルオロホ
ウ酸塩、アリル(1,5-シクロオクタジエン)パラジウム
(II)テトラフルオロホウ酸塩、(アセチルアセトナト)
(1,5-シクロオクタジエン)パラジウム(II)テトラフル
オロホウ酸塩、塩化パラジウム(II)等を用いることがで
きるが、パラジウム(0)系の触媒がより好ましい。
【0024】銅触媒としては、塩化銅(I)、臭化銅(I)、
ヨウ化銅(I)、酢酸銅(II)等を用いることができるが、
銅(I)系触媒が好ましく、ヨウ化銅(I)が特に好ましい。
反応は0〜50℃の広い温度範囲で実施可能であるが、
10〜45℃がより好ましく、20〜40℃が特に好ま
しい。
【0025】反応は溶媒中で実施されるが、溶媒として
はジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトア
ミド(DMA)、N−メチルピロリドン(NMP)、ジ
メチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルイミダゾリ
ジノン(DMI)等の非プロトン性極性溶媒、モルホリ
ン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、ピリジン等の
アミン類、THF、ジエチルエーテル、ジオキサン、D
ME、IPE等のエーテル系溶媒、エタノール、メタノ
ール、メチルセルソルブ等のアルコール系溶媒、ベンゼ
ン、トルエン等の炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエ
チルケトン(MEK)等のケトン系溶媒等を用いること
ができる。これらは単独で用いてもその複数を併用して
もよいが、非プロトン性極性溶媒と、アミン系溶媒を併
用することが好ましく、DMFとトリエチルアミンを併
用することが特に好ましい。
【0026】次に、上記の如く得られる本発明の一般式
(II)の化合物を用いて、液晶材料として有用な(E)-
1,2-ジフルオロ-1-ブテン-3-イン誘導体の製造例を以下
に示す。
【0027】即ち、一般式(II)
【0028】
【化10】
【0029】(式中、R1、環A、j及びmは上記にお
けると同じ意味を表す。)で表される1,1,2-トリフルオ
ロ-1-ブテン-3-イン誘導体に一般式(III)
【0030】
【化11】
【0031】(式中、R2は炭素原子数1〜20のアル
キル基、アルコキシル基、炭素原子数2〜20のアルケ
ニル基またはアルケニルオキシ基を表し、これらは炭素
原子数10未満のアルコキシル基またはアルケニルオキ
シ基により置換されていてもよく、あるいはフッ素原
子、塩素原子または水素原子を表し、環Bは1〜4個の
フッ素原子により置換されていてもよい1,4-フェニレン
基、トランス-1,4-シクロへキシレン基、ピリミジン-2,
5-ジイル基、ピリジン-2,5-ジイル基、ピリダジン-3,6-
ジイル基、ピラジン-2,5-ジイル基または1,3-ジオキサ
ン-2,5-ジイル基を表し、kは0または1を表し、nは
0〜4の整数を表す。)で表されるフェニルリチウム誘
導体を反応させることにより、一般式(I)
【0032】
【化12】
【0033】(式中、R1、R2、環A、環B、j、k、
m及びnは一般式(II)あるいは一般式(III)に
おけると同じ意味を表す。)で表される(E)-1,2-ジフル
オロ-1-ブテン-3-イン誘導体を製造することができる。
【0034】この反応において、は温度−70℃から5
0℃の広い温度範囲で実施することが可能であるが、−
60℃〜室温の範囲が好ましく、−50℃〜5℃の範囲
が特に好ましい。
【0035】また、反応はヘリウム、アルゴンあるいは
窒素等の不活性ガス雰囲気下で実施することが好まし
く、通常はフェニルリチウム誘導体の溶液中に本発明の
一般式(II)の1,1,2-トリフルオロ-1-ブテン-3-イン
誘導体の溶液を滴下する。
【0036】生成物は通常E体及びZ体の混合物である
が、これらはエタノールやメタノール等の溶媒からの再
結晶により容易に分離可能でE体を単離することができ
る。このように本発明の一般式(II)の化合物を用い
ることにより、液晶材料として有用な1,2-ジフルオロ-1
-ブテン-3-イン誘導体を容易に製造することができる
が、その代表例をその相転移温度とともに第1表に掲げ
る。
【0037】
【表1】
【0038】(表中、Crは結晶相を、Nはネマチック
相を、またIは等方性液体相をそれぞれ表し、相転移温
度は「℃」を表す。) また、上記で得た一般式(I)の化合物を用いて実際に
液晶組成物を調製し、その電気光学的特性を測定した。
【0039】ホスト液晶(H)
【0040】
【化13】
【0041】は116.7℃以下でネマチック相を示
す。この組成物を厚さ6μmのTNセルに充填して20
℃で測定した電気光学特性は以下の通りであった。 屈折率異方性(Δn): 0.090 誘電率異方性(Δε): 4.80 閾値電圧(Vth): 2.14V 粘度: 19.8cp 応答時間(τ): 25.3μ秒 ここで応答時間は立ち下がり時間と立ち上がり時間が等
しくなる電圧印加時の測定値である。
【0042】このホスト液晶(H)の80重量%及び第
1表に示された(I−1)
【0043】
【化14】
【0044】の化合物20重量%からなる液晶組成物
(H−1)を調製したところ、そのネマチック相上限温
度(TN-I)は116.0℃とほとんど変化がなかっ
た。この組成物の電気光学特性は以下の通りであった。
【0045】 屈折率異方性(Δn): 0.148 誘電率異方性(Δε): 4.05 閾値電圧(Vth): 2.71V 粘度: 17.0cp 応答時間(τ): 15.8μ秒 従って、(I−1)はその添加により、組成物の粘度を
低減して応答を大幅に高速化し、屈折率異方性を著しく
増大していることがわかる。また、この組成物を0℃で
24時間放置したが、結晶の析出は見られなかった。従
って、この(I−1)の化合物はホスト液晶組成物との
相溶性にも優れていることがわかる。
【0046】従来、屈折率異方性を増大させ、粘度を低
減しその応答性を改善させるという目的で用いられてい
る化合物としては例えば式(B)
【0047】
【化15】
【0048】で表されるようなトラン系化合物が代表的
である。ところがこれを同じホスト液晶(H)に同量
(20重量%)添加して、液晶組成物(H−B)を調製
してその相転移温度及び電気光学的物性値を測定したと
ころ以下の通りであった。
【0049】 ネマチック相上限温度(TN-I):93.5℃ 屈折率異方性(Δn): 0.125 誘電率異方性(Δε): 4.4 閾値電圧(Vth): 2.51V 粘度: 18.6cp 応答時間(τ): 22.5μ秒 このように(H−B)ではネマチック相上限温度が大き
く降下しているにもかかわらず、粘度は(H−1)より
高く、応答も遅くなった。また、屈折率異方性も(H−
1)より小さくなった。
【0050】従って(I−1)の化合物は従来のトラン
系化合物と比較して、粘度を低減して応答を高速化し、
その屈折率異方性を増大させる効果において、はるかに
優れていることがわかる。こうした効果はこれまで全く
知られておらず本発明者らが初めて見いだしたものであ
る。
【0051】本発明の一般式(II)の化合物を用いる
ことにより、一般式(I)で表される化合物を容易に得
ることができるが、この一般式(I)の化合物は、温度
範囲が広く、低粘性で高速応答が可能であり、かつ大き
い屈折率異方性が要求されるような液晶組成物の構成材
料として有用である。この一般式(I)で表される化合
物と混合して使用することのできるネマチック液晶化合
物の好ましい代表例としては、例えば、安息香酸フェニ
ル誘導体、シクロヘキサンカルボン酸フェニル誘導体、
シクロヘキサンカルボン酸ビフェニル−4−イル誘導
体、シクロヘキサンカルボニルオキシ安息香酸フェニル
誘導体、シクロヘキシル安息香酸フェニル誘導体、シク
ロヘキシル安息香酸シクロヘキシル誘導体、ビフェニル
誘導体、シクロヘキシルベンゼン誘導体、テルフェニル
誘導体、ビシクロヘキサン誘導体、4−シクロヘキシル
ビフェニル誘導体、4−フェニルビシクロヘキサン誘導
体、テルシクロヘキサン誘導体、1,2−ジシクロヘキ
シルエタン誘導体、1,2−ジフェニルエタン誘導体、
1,2−ジフェニルエチン誘導体、(2−シクロヘキシ
ルエチル)ベンゼン誘導体、4−フェネチルビシクロヘ
キサン誘導体、4−(2−シクロヘキシルエチル)ビフ
ェニル誘導体、1−(4−フェニル)シクロヘキシル−
2−シクロヘキシルエタン誘導体、1−(4−シクロヘ
キシルフェニル)−2−フェニルエチン誘導体、フェニ
ルピリミジン誘導体、(4−ビフェニル−4−イル)ピ
リミジン誘導体、フェニルピリジン誘導体、(4−ビフ
ェニル−4−イル)ピリジン誘導体、などを挙げること
ができる。
【0052】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、本発明を更に
説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例に限
定されるものではない。
【0053】化合物の構造は、核磁気共鳴スペクトル
(NMR)、質量スペクトル(MS)及び赤外吸収スペ
クトル(IR)により確認し、純度の測定はキャピラリ
ーガスクロマトグラフにより行った。また生成物の相転
移温度の測定は温度調節ステージを備えた偏光顕微鏡及
びDSCを併用して行った。また、組成物における
「%」は『重量%』を表す。 (実施例1) 1,1,2-トリフルオロ-4-(4-プロピル)フ
ェニル-1-ブテン-3-イン(本発明の一般式(II)の化
合物)の合成
【0054】
【化16】
【0055】4-プロピル-1-エチニルベンゼン5.8gをD
MF25ml及びトリエチルアミン10mlに溶解しテトラキス
(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.5g及びヨ
ウ化銅(I)0.2gを加えた。トリフルオロヨードエテン10g
のDMF25ml溶液を40℃以下を保つ速度で滴下した。さ
らに1時間撹拌し、水50mlを加えた。酢酸エチル50mlで
抽出し、水、飽和食塩水で洗滌し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥した。溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマト
グラフィー(溶媒:ヘキサン)で精製し、1,1,2-トリフ
ルオロ-4-(4-プロピル)フェニル-1-ブテン-3-イン7.0g
を得た。 (参考例1) (E)-1,2-ジフルオロ-1-(4-メチル)フェ
ニル-4-(4-プロピル)フェニル-1-ブテン-3-イン(第1
表中の(I−1)の化合物)の合成
【0056】
【化17】
【0057】4-ヨードトルエン6.8gをTHF30mlに溶解
し、窒素雰囲気下に-70℃に冷却した。n-ブチルリチウ
ムヘキサン溶液(1.68mol/l)19mlを-60℃以下を保つ速
度で滴下し、さらに1時間撹拌した。1,1,2-トリフルオ
ロ-4-(4-プロピル)フェニル-1-ブテン-3-イン7.0gのT
HF30ml溶液を-60℃以下を保つ速度で滴下し、滴下終
了後徐々に室温まで戻した。水50mlを加え、酢酸エチル
60mlで抽出し、水、飽和食塩水で洗滌した。無水硫酸ナ
トリウムで乾燥し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(溶媒:ヘキサン)で精製し、1,2-ジフルオロ-1-(4-
メチル)フェニル-4-(4-プロピル)フェニル-1-ブテン-3-
イン7.2g(E/Z比=75/25)を得た。これを、エタノール3
0mlから2回再結晶し、(E)-1,2-ジフルオロ-1-(4-メチ
ル)フェニル-4-(4-プロピル)フェニル-1-ブテン-3-イン
3.0gを得た。相転移温度は第1表に示した。 (応用例1) 液晶組成物の調製 ホスト液晶(H)
【0058】
【化18】
【0059】を調製した。このホスト液晶(H)は11
6.7℃以下でネマチック相を示す。この組成物を厚さ
6μmのTNセルに充填して測定した電気光学特性は以
下の通りであった。
【0060】 屈折率異方性(Δn): 0.090 誘電率異方性(Δε): 4.80 閾値電圧(Vth): 2.14V 粘度: 19.8cp 応答時間(τ): 25.3μ秒 ここで測定は20℃で行い、応答時間は立ち下がり時間
と立ち上がり時間が等しくなる電圧印加時の測定値であ
る。
【0061】このホスト液晶(H)の80%及び参考例
1で得た式(I−1)
【0062】
【化19】
【0063】の化合物20%からなる液晶組成物(H−
1)を調製した。(H−1)のネマチック相上限温度
(TN-I)は116.0℃で(H)とほとんど変化がな
かった。次にこの組成物を用いて同様にしてセルを作成
し測定した電気光学特性は以下の通りであった。
【0064】 屈折率異方性(Δn): 0.148 誘電率異方性(Δε): 4.05 閾値電圧(Vth): 2.71V 粘度: 17.0cp 応答時間(τ): 15.8μ秒 従って、(I−1)はその添加により、組成物の粘度を
低減して応答を大幅に高速化し、屈折率異方性を著しく
増大していることがわかる。また、この組成物を0℃で
24時間放置したが、結晶の析出は見られなかった。従
って、この(I−1)の化合物はホスト液晶組成物との
相溶性にも優れていることがわかる。 (応用比較例1) 屈折率異方性の増大と応答の改善効果に優れ従来から用
いられている化合物(B)
【0065】
【化20】
【0066】を同じホスト液晶(H)に同量(20%)
添加して、液晶組成物(H−B)を調製した。この組成
物のネマチック相上限温度は93.5℃であり、(H)
あるいは(H−1)と比較して大きく低下した。次に同
様にしてセルを作成し、その電気光学的物性値を測定し
たところ以下の通りであった。
【0067】 屈折率異方性(Δn): 0.125 誘電率異方性(Δε): 4.4 閾値電圧(Vth): 2.51V 粘度: 18.6cp 応答時間(τ): 22.5μ秒 このように(H−B)では粘度は(H)と比較すると低
減されているけれど(H−1)よりは高くなり、応答も
(H−1)より40%も遅くなった。また、屈折率異方
性も(H−1)ほど増大させることができなかった。
【0068】従って従来のトラン系化合物では粘度を低
減して応答を高速化し、その屈折率異方性を増大させる
効果において、(I−1)の化合物には及ばないことが
わかる。
【0069】
【発明の効果】本発明により提供される、1,1,2-トリフ
ルオロ-1-ブテン-3-イン誘導体を中間体とすることによ
り、従来その製造が容易ではなかった一般式(I)の
(E)-1,2-ジフルオロ-1-ブテン-3-イン誘導体である液晶
化合物を容易に得ることができる。得られた一般式
(I)の化合物は液晶性に極めて優れ、従来液晶との相
溶性もよく、低粘性で、屈折率異方性が著しく大きいと
いう特徴を有する。従って、これを従来液晶に添加する
ことにより、温度範囲が広くかつ高速応答性の液晶材料
を容易に調製することが可能であるため、液晶材料とし
て極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(II) 【化1】 (式中、R1は炭素原子数1〜20のアルキル基、アル
    コキシル基、炭素原子数2〜20のアルケニル基または
    アルケニルオキシ基を表し、これらは炭素原子数10未
    満のアルコキシル基またはアルケニルオキシ基により置
    換されていてもよく、あるいはフッ素原子、塩素原子ま
    たは水素原子を表し、環Aは1〜4個のフッ素原子によ
    り置換されていてもよい1,4-フェニレン基、トランス-
    1,4-シクロへキシレン基、ピリミジン-2,5-ジイル基、
    ピリジン-2,5-ジイル基、ピリダジン-3,6-ジイル基、ピ
    ラジン-2,5-ジイル基または1,3-ジオキサン-2,5-ジイル
    基を表し、jは0または1を表し、mは0〜4の整数を
    表す。)で表される化合物。
  2. 【請求項2】 j及びkが0であり、R1が炭素原子数
    1〜10の直鎖状アルキル基または炭素原子数2〜10
    の直鎖状アルケニル基を表すところの請求項1記載の一
    般式(II)で表される化合物。
  3. 【請求項3】 一般式(IV) 【化2】 (式中、R1、環A、j及びmは一般式(II)におけ
    ると同じ意味を表す。)で表されるフェニルアセチレン
    誘導体に、遷移金属触媒存在下に式(V) 【化3】 のトリフルオロヨードエチレンを反応させることを特徴
    とする請求項1記載の一般式(II)で表される化合物
    の製造方法。
JP9206011A 1997-07-31 1997-07-31 1,1,2−トリフルオロ−1−ブテン−3−イン誘導体及びその製造方法 Pending JPH1149706A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9206011A JPH1149706A (ja) 1997-07-31 1997-07-31 1,1,2−トリフルオロ−1−ブテン−3−イン誘導体及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9206011A JPH1149706A (ja) 1997-07-31 1997-07-31 1,1,2−トリフルオロ−1−ブテン−3−イン誘導体及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1149706A true JPH1149706A (ja) 1999-02-23

Family

ID=16516438

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9206011A Pending JPH1149706A (ja) 1997-07-31 1997-07-31 1,1,2−トリフルオロ−1−ブテン−3−イン誘導体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1149706A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5062472B2 (ja) 1−(トリフルオロメチル)ナフタレン誘導体
JP3991398B2 (ja) 誘電率異方性値が負の液晶性化合物、この液晶性化合物を含有する液晶組成物、及びこの液晶組成物を用いた液晶表示素子
JP3494225B2 (ja) トラン誘導体及びそれを含有する液晶組成物及びそれを用いた液晶表示素子
JP3601190B2 (ja) アルケニルシクロヘキサン誘導体および液晶組成物
JP2000355560A (ja) 2−フルオロナフタレン誘導体である新規液晶性化合物とそれを含有する液晶組成物
JP5014585B2 (ja) フッ素化縮合芳香族化合物およびそれらの液晶混合物における使用
JPH1149706A (ja) 1,1,2−トリフルオロ−1−ブテン−3−イン誘導体及びその製造方法
JP4193075B2 (ja) アルケニルテルフェニル誘導体
EP0390329B1 (en) Pyrimidine derivative
JPH1143450A (ja) 新規アルケニルビフェニル誘導体
JP3797435B2 (ja) 5−置換アルコキシベンゼン誘導体
JP4193077B2 (ja) 1,3−フェニレン誘導体
JPH10120600A (ja) 新規アルケニルトラン誘導体
JP3716436B2 (ja) 5−置換アルキルベンゼン誘導体
JP4239242B2 (ja) フェニルナフタレン誘導体
JP3797433B2 (ja) ベンジル(5−置換フェニル)エーテル誘導体
JP3797438B2 (ja) 4−フルオロ−3−トリフルオロメトキシベンゼン誘導体
JPH09291048A (ja) シクロヘキサン誘導体
JP3613806B2 (ja) フェニルビシクロヘキサン誘導体
JP2000034240A (ja) エチニルナフタレン誘導体
JP3642345B2 (ja) (フルオロアルケニル)ベンゼン誘導体
JP3668990B2 (ja) 3−置換フェニルアセチレン誘導体
JPH0656718A (ja) フルオロシクロヘキサン誘導体
JP3668991B2 (ja) アルキルベンゼン誘導体
JP2981036B2 (ja) 末端にクロロフェニル基とアルコキシアルキル基を有する新規な化合物及びそれを含有する液晶混合物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040708

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20050621

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071002

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071004

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080108

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080508