JPH1149528A - ガラス素子の成形方法 - Google Patents

ガラス素子の成形方法

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JPH1149528A
JPH1149528A JP296798A JP296798A JPH1149528A JP H1149528 A JPH1149528 A JP H1149528A JP 296798 A JP296798 A JP 296798A JP 296798 A JP296798 A JP 296798A JP H1149528 A JPH1149528 A JP H1149528A
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JP
Japan
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glass material
glass
holding table
shape
molding
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JP296798A
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Inventor
Toshiharu Mori
登史晴 森
Futoshi Ishida
太 石田
Keiji Okuda
啓二 奥田
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B23/00Re-forming shaped glass
    • C03B23/0026Re-forming shaped glass by gravity, e.g. sagging
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B23/00Re-forming shaped glass
    • C03B23/0086Heating devices specially adapted for re-forming shaped glass articles in general, e.g. burners
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B29/00Reheating glass products for softening or fusing their surfaces; Fire-polishing; Fusing of margins
    • C03B29/02Reheating glass products for softening or fusing their surfaces; Fire-polishing; Fusing of margins in a discontinuous way

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精度なガラス素子を安価に製造する製造方
法を提供すること。 【解決手段】 略平行平板等のガラス材料の片面を所望
の面精度にして、その面を上向きに保持台に置き、該ガ
ラス材料を加熱し、たわませることで所望の形状をもつ
ガラス素子を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レンズやミラー等
のガラス材料およびガラス素子の成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、金型を用いてガラス材料を加熱し
ながら直接加圧することにより、レンズやミラー等のガ
ラス素子を成形する製造方法が提案されている。この方
法によれば、研削、研磨によってガラスレンズを作成し
ていた従来に比べ、低コストで大量生産が可能となる。
【0003】上述の方法を用いた場合、加圧する前のガ
ラス材料が完成品であるガラス素子の形状に近いほど完
成品の精度が出やすいことから、実状としては、ガラス
素子を成形するに先立って、形状を完成品の形状に近づ
けておくためにガラス材料を事前に研削等によって粗加
工したり、本成形とは別の金型によって予備成形してい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ガラス
材料を粗加工したり予備成形すると、その分加工工程が
追加されるので製造のコスト高を招いていた。特に、ガ
ラス材料を研削等によって非球面形状に加工すること
は、大きなコストアップにつながっていた。
【0005】また、従来の成形方法では、金型を用いて
加圧加工した後のガラス面には、金型表面の研磨傷がそ
のままコピーされており、高品位を追求するレンズにお
いては依然として手作業でレンズ面を研磨しなければな
らず、非常に手間がかかり高価なものとなった。
【0006】本発明は、上記の課題に鑑みてなされたも
のであり、球面や非球面の形状をもつガラス素子を低コ
ストで製造する方法を提供することを目的とする。ま
た、本発明は、鏡面を有するレンズやミラー等のガラス
素子を安価に提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、第1発明のガラス素子の成形方法は、ガラス材料を
所定の形状を有する保持台上に載置する第1工程、およ
び前記ガラス材料を加熱し、前記ガラス材料を撓ませて
保持台に沿わせることにより、前記保持台と接触してい
ない側のガラス材料の面を所望の形状に成形する第2工
程を含むことを特徴とする。
【0008】また、第2発明のガラス素子の成形方法
は、少なくとも一つの面が鏡面であるガラス材料を、前
記鏡面を上向きにして、所定の形状を有する保持台上に
載置する第1工程と、前記ガラス材料を加熱し、前記ガ
ラス材料を撓ませて保持台に沿わせることにより、前記
鏡面を所望の形状に成形する第2工程と、を含むことを
特徴とする。
【0009】
【作用】第1発明の方法によれば、少なくとも一つの面
が例えば略平面であるガラス材料は、自重によって保持
台の形状に沿って撓み、その上面が所望の面形状に成形
される。第2発明の方法によれば、鏡面に加工した上面
をもつガラス材料は、自重によって保持台の形状に沿っ
て撓み、その上面が所望の面形状をもつ鏡面に成形され
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面に基づいて本発
明の実施の形態を説明する。 第1実施例 図1は、本発明の第一の実施の形態におけるガラス素子
製造装置の概略図である。製造装置は、ベース16の上
部に固定された保持台11と、ベース16に埋め込まれ
たヒータ13、保持台上方に配置したヒータ14および
保持台横に配置したヒータ15からなる。保持台11は
略円盤形状で、超硬合金から構成され、直径が70mm
である。保持台11の上面は、曲率半径100mmの凸
形状をしており、その形状は所望のガラス面形状に一致
している。また、上面の表面粗さは、Rmax=0.5
μmであった。
【0011】ガラス材料12は、ランタン系クラウンガ
ラス(軟化点673℃)で、直径70mm、芯厚3mm
の略円盤形状をしている。ガラス材料の片面を周知の研
磨手段で平面研磨(表面粗さRmax=0.01〜0.0
2μm)し、他面を曲率半径300mmの凹形状に切削
加工した。ここで、凹面にしたのは、ガラス材料が成形
後の形状に少しでも近い形状にしておくためである。
【0012】上述のガラス材料12を、平面研磨した面
を上向きにして保持台11に載置した。ヒータ13、1
4および15を点灯してガラス材料を720℃まで加熱
し、ガラスを軟化させた。20分間その状態を保ち、ガ
ラス材料を自重でたわませ金型に沿わせた。その後、毎
分1℃のペースで冷却して550℃とし、さらに、毎分
10℃のペースで冷却し、200℃にした。その後、自
然冷却させてから取り出して、ガラス材料の上面の表面
粗さを測定するとRmax=0.02μmと成形前と変
わりがなく、鏡面を保っていた。そして、その上面は、
曲率半径が約145mmの球面形状に成形されていた。
なお中心厚は2.8mm、最外周厚は4.9mmであっ
た。
【0013】本実施例では、略平行平板の形状をしたガ
ラス材料から球面のガラス素子を簡便に成形することが
できた。従来の、成形仕上げ面の曲率近くまで加工して
いた方法に比べると、加工しやすい平面をもつ分、予備
加工のコストが低減された。また、ガラス材料の下面を
わずかに凹面にすることにより、ガラス材料を保持台上
に位置ずれなく載せることができ、成形量が略均一にな
ることとあわせて、成形後の形状精度を向上させること
ができた。
【0014】なお、下面は、必要に応じて後工程で所望
の曲率をつけたり、研磨する。従って、たわみ成形の際
に用いる保持台は、形状精度も面粗さも厳しく管理する
必要がないので、保持台のコストも小さい。さらに、保
持台の面を適当に粗くしておくことによって、ガラス材
料との融着を防止できるという効果もある。すなわち、
成形の歩留まりが良く、保持台の寿命が伸びるので、成
形品のコストが小さく抑えられる。
【0015】また、ガラス材料の上面を鏡面にすること
で、成形後の面も鏡面が得られる。曲面ができてから研
磨する方法に比べて、本実施例では、平面を研磨してお
くことで、所望形状の鏡面曲面ができるので、コスト低
減は大きい。
【0016】上面を平面にして成形する他の例を図8に
示す。図8においては図1の構成の内、保持台(11)
とガラス材料(12)を取出して示している。成形条件は
上記と同様で、ガラス材料(12)と保持台(11)の形状
を下記に記した点に変える以外は、上記と同様に成形を
行った。
【0017】図8(1): 保持台11の上面;曲率半径80mmの凸形状、上面の
表面粗さ;Rmax=0.6μm。 ガラス材料12:直径70mm、芯厚3mm、曲率半径
100mm略平凹形状。上面側平面表面粗さRmax=
0.02μm。 成形後:ガラス材料上側平面の表面粗さRmax=0.
02μm、曲率半径204mm、中心厚:2.8mm、
最外周厚:9.2mm。
【0018】図8(2): 保持台11の上面;曲率半径100mmの凸形状、上面
の表面粗さ;Rmax=0.5μm。 ガラス材料12:直径70mm、芯厚9mm、曲率半径
100mm略平凸形状。上面側平面表面粗さRmax=
0.02μm。 成形後:ガラス材料上側平面の表面粗さRmax=0.
02μm、曲率半径55mm、中心厚:8.6mm、最
外周厚:2.4mm。
【0019】図8(3): 保持台11の上面;曲率半径100mmの凸形状、上面
の表面粗さ;Rmax=0.5μm。 ガラス材料12:直径70mm、芯厚3mm、曲率半径
80mm略平凹形状。上面側平面表面粗さRmax=
0.02μm。 成形後:ガラス材料上側平面の表面粗さRmax=0.
02μm、曲率半径204mm、中心厚:2.7mm、
最外周厚:12.1mm。
【0020】図8(4): 保持台11の上面;曲率半径100mmの凹形状、上面
の表面粗さ;Rmax=0.5μm。 ガラス材料12:直径70mm、芯厚10mm、曲率半
径80mm略平凸形状。上面側平面表面粗さRmax=
0.02μm。 成形後:ガラス材料上側平面の表面粗さRmax=0.
02μm、曲率半径361mm、中心厚:9.5mm、
最外周厚:1.5mm。
【0021】第2実施例 図2は、本発明の第二の実施の形態におけるガラス素子
製造装置の概略図である。製造装置の構成は第1実施例
と同じであるが、ガラス材料の形状を平行平板とし、ガ
ラス素子としての所望の形状を非球面とした点が異なっ
ている。保持台21はカーボン製で、直径70mmの上
面を近軸曲率半径150mmの凸の非球面に切削加工し
たものである。ガラス材料22の材質はランタン系クラ
ウンガラスで、直径70mm、厚さ5mmの平行平板で
ある。ガラス材料の一方の面をRmax=0.02μm
に周知の研磨方法で平面研磨し他方の面を平面に切削加
工した。ガラス材料22を、研磨面を上向きにして保持
台21の上面に置き、保持台21の下部および周辺に配
置したヒータ23、24、25によって、ガラス材料と
保持台を720℃まで加熱した。その状態を20分間保
った後、毎分1℃のペースで550℃まで冷やし、さら
に毎分10℃のペースで冷却して200℃にした。その
後、自然冷却させて、取り出したところ、直径67mm
のガラス素子が得られた。
【0022】得られたガラス素子の上面の近軸曲率半径
は約155mmで、その面形状を測定した結果、最大誤
差がλ程度あった。また、上面の表面粗さは、Rmax
=0.02μmのままであり、鏡面を保っていた。なお
中心厚は4.7mm、最外周厚は4.8mmであった。
【0023】本実施例では、平行平板の形状をガラス材
料から非球面のガラス素子を簡便に成形することができ
た。本実施例のように、ガラス材料を平行平板にすれ
ば、ガラス材料の加工が非常に容易になるのでコストダ
ウンにつながる。特に成形面の鏡面加工において、本実
施例ではコストのかからない平面研磨を使えるのでコス
トダウンの効果は大きい。
【0024】また、ガラス材料が平行平板であるため、
保持台の上面形状が所望のガラス素子の上面形状に非常
に近くなり、保持台に加える成形補正量が小さくてすむ
という効果がある。
【0025】第3実施例 本発明の第三の実施の形態におけるガラス素子製造方法
を説明する。製造装置としては、第1および第2の実施
例と同じであるが、ガラス材料の鏡面を得る工程に相違
点がある。すなわち、溶融状態にしたガラスを坩堝から
溶出・冷却して作られるガラスコブをそのままガラス材
料として使用しする。これは、ガラスコブを作る際、そ
の上面は溶融状態を経て、転移点635℃の温度で10
分間静置させて表面張力によってほぼ鏡面になることを
利用するためである。
【0026】本実施例では、ガラス材料22として板状
のガラスコブ(ランタン系クラウンガラス)をそのまま
利用した。ガラスコブ上面の鏡面はそのままにして、直
径67mm、厚さ5mmに切り出してガラス材料とし
た。上述の方法により鏡面化した上面の面粗さを測定す
るとRmax=0.01μmであり、下面は切削加工し
たままで成形した。成形条件は、第2実施例と同じであ
る。冷却後に取り出したガラスの上面は近軸曲率半径約
150mmの非球面になっている。面精度λ、Rmax
=0.01μmの鏡面を保っていた。すなわち、本実施
例では鏡面に研磨する工程をなくして鏡面のガラス素子
を得ることができるので、コストダウンの効果が大き
い。
【0027】また、鏡面を得るために、ガラス材料を再
加熱してもよい。ガラス材料を切削加工で成形に適した
形状に整えてから、保持台の上に保持し、ガラス材料の
融点付近まで加熱する。そして、ガラス材料の表面が溶
融状態の表面張力の働きで鏡面になるのと並行して、た
わませれば、研磨工程を省くことができるので、低コス
トなレンズが得られる。さらに、切削加工による形状の
管理を行っているので、たわみ量を小さくでき、形状精
度の向上ならびに成形時間の短縮が実現できる。
【0028】第4実施例 図3は、本発明の第四の実施の形態におけるガラス素子
製造装置の概略構成図である。製造装置の構成は第1お
よび第2実施例とほぼ同じであるが、ガラス材料を支え
る昇降する保持手段を加えた点と雰囲気成形とした点が
異なっている。
【0029】図3において、31は曲率半径100mm
(凸面)、直径70mmのカーボン製の保持台、32は
上面が平面研磨(Rmax=0.02μm)され、下面
が平面に切削加工された直径76mm、厚さ5mmのガ
ラス材料(ランタン系クラウンガラス)、38は昇降機
能を備えた保持部、33と34、35はヒータである。
保持部38はその上部のガラス材料保持部の形態が保持
部外径より外側でリング状にガラス材料を保持できるよ
う内径72mm外径76mmの段差を有しており、ガラ
ス材料の周辺部を支えるようにしてガラス材料を持する
ことできる。
【0030】まず、ガラス材料32を保持部38で保持
台31の上方に保持し、ガラス材料32と保持台33を
ヒータ33および34、35で720℃まで加熱する。
その状態を20分間保った。この加熱期間の間、ガラス
材料32が自重で下方に撓み、保持台に沿っていくのに
合わせて、ガラス材料32と保持台31がちょうど接触
する程度に保持部38をゆっくり下降させた。その下降
速度は、あらかじめ測定しておき、成形時には図示しな
い制御装置と駆動手段を用いて保持部を自動的に下降さ
せた。本実施例の場合、毎分0.6mmのペースであっ
た。また、保持部38はガラス材料が保持部と保持台の
間でたわみの動きを妨げることのないように、下降させ
る必要がある。そして、ガラス材料が殆んど保持台に沿
った状態では保持部はガラス材料から完全に離れるよう
にした。
【0031】その後、毎分1℃のペースで550℃まで
冷却し、さらに毎分10℃のペースで200℃まで冷却
した。さらに室温まで自然冷却させた後、取り出して測
定すると、直径が67mmで、上面が曲率半径約105
mmの球面かつRmax=0.02μmの鏡面であっ
た。なお中心厚は4.8mm、最外周厚は5.2mmであ
った。
【0032】なお、本実施例では、この一連の工程を窒
素ガス雰囲気中で行った。大気中で保持台を高温に加熱
して成形すると、保持台の劣化が早く、また、ガラス部
材と保持台の融着が起こりやすい。従って、高温の成形
は、窒素ガスのような不活性ガスの雰囲気中で行うこと
が望ましい。また、保持部には、ガラス材料を安定して
保持する作用も兼ねており、特に保持台が凸面でガラス
材料の下面が平面になっている場合では、位置ずれ防止
の効果が大きい。
【0033】本実施例では、ガラス材料を昇降する保持
部で保持することにより、ガラス材料を安定して保持す
るとともに、ガラス材料の撓みを妨げることなく、成形
することができた。また、窒素ガス雰囲気中で成形する
ことによって、離型性が良くなり、保持台の耐久性も向
上した。
【0034】第5実施例 図4は、本発明の第五の実施の形態におけるガラス素子
製造装置の概略構成図である。製造装置の構成は第1お
よび第2実施例とほぼ同じであるが、ガラス材料の成形
面を測定する手段を加えた点が異なっている。
【0035】図4において、41は曲率半径100mm
(凸面)、直径70mmのカーボン製の保持台、42は、
上面が曲率半径300mm(凸面)に球面研磨(Rmax
=0.02μm)され、下面が平面に切削 加工された直
径76mm、厚さ3mmのガラス材料(ランタン系クラ
ウンガラス)、43は保持部である。この保持部はガラ
ス材料42が保持台41の中心軸からずれないように外
周を規制している。ガラス材料が保持台にほぼ沿った状
態になれば、保持部が保持台31に添って下側に移動し
てガラス材料から離れるような構成としてもよい。
【0036】44と45、46、47はヒータ、48は
ビーム発光部、49は受光部である。48は成形面の複
数の箇所にレーザビームを照射するものであり、49は
成形面から反射したビームをフォトダイオード(PD)で
受光するものである。あらかじめ所望の形状が得られた
時の反射光位置を計算しておき、受光した位置がそれか
らどれだけずれているかを計測することで、たわみ量を
把握した。
【0037】図6は、本実施例の制御ブロック図であ
る。受光部49で得られた位置情報を処理部50でたわ
み量に換算し、それをもとに各ヒータを制御する。も
し、ある箇所のたわみ量がほかに比べて少ない場合、そ
の箇所に対応するヒータの温度をほかのヒータより高め
に設定し、たわみが部分的に促進するようにした。
【0038】本実施例では、ビームの反射光位置ずれを
利用したが、干渉計を利用する方法を用いてもよい。す
なわち、成形面全体にレーザ光を照射して、その反射光
を周知の干渉計に取り込み干渉縞を生成させ、その縞の
歪みを検出することで高精度に全体のたわみ量を計算す
ることができる。このように本発明では、成形面が完全
にオープンになっているので、成形面の情報を迅速かつ
正確に得ることができ、リアルタイムで成形条件にフィ
ードバックすることができる。
【0039】また、成形面に照射するのは、レーザビー
ムに限らず、発光ダイオード(LED)等から発する光を
用いてもよい。LEDであれば、発光ユニットを低コス
トにすることができる。
【0040】本実施例では、上面を球面にして撓ませて
いるが、これによってたわみ量が少ない成形になってい
る。一般的にたわみ量が少ない方が精度よい成形ができ
る。下面が平面である例を図9に示す。
【0041】図9においては図4の構成の内、保持台
(41)とガラス材料(42)を取出して示している。成形
条件は上記と同様で、ガラス材料(42)と保持台(41)
の形状を下記に記した点に変える以外は、上記と同様に
成形を行った。
【0042】図9(1): 保持台41の上面;曲率半径80mmの凸形状、上面の
表面粗さ;Rmax=0.6μm。 ガラス材料12:直径70mm、芯厚3mm、曲率半径
100mm略平凹形状。上面側凹面粗さRmax=0.
02μm。 成形後:ガラス材料上側凸面粗さRmax=0.02μ
m、曲率半径361mm、中心厚:2.7mm、最外周
厚:9.1mm。
【0043】図9(2): 保持台41の上面;曲率半径100mmの凸形状、上面
の表面粗さ;Rmax=0.5μm。 ガラス材料12:直径70mm、芯厚9mm、曲率半径
100mm略平凸形状。上面側凸面粗さRmax=0.
02μm。 成形後:ガラス材料上側の凸面粗さRmax=0.02
μm、曲率半径57mm、中心厚:8.6mm、最外周
厚:2.9mm。
【0044】図9(3): 保持台41の上面;曲率半径100mmの凸形状、上面
の表面粗さ;Rmax=0.5μm。 ガラス材料12:直径70mm、芯厚3mm、曲率半径
80mm略平凹形状。上面側凹面粗さRmax=0.0
2μm。 成形後:ガラス材料上側凹面の表面粗さRmax=0.
02μm、曲率半径362mm、中心厚:2.8mm、
最外周厚:10.8mm。
【0045】図9(4): 保持台41の上面;曲率半径100mmの凹形状、上面
の表面粗さ;Rmax=0.05μm。 ガラス材料12:直径70mm、芯厚9mm、曲率半径
80mm略平凸形状。上面側凸面粗さRmax=0.0
2μm。 成形後:ガラス材料上側凸面の表面粗さRmax=0.
02μm、曲率半径365mm、中心厚:8.8mm、
最外周厚:0.8mm。
【0046】第6実施例 図7(a)は、本発明の第六の形態におけるガラス素子製
造装置の概略構成図である。製造装置の構成は第1およ
び第2実施例とほぼ同じであるが、ガラス材料の成形面
の外周上にリング状部材57を載置した点が異なってい
る。
【0047】図7(a)において、51は曲率半径100
mm(凸面)、直径70mmのカーボン製の保持台、52
は上面が平面研磨(Rmax=0.02μm)され、下面
が曲率半径200mm(凹面)に切削加工された直径7
6mm、芯厚3mmのガラス材料(ランタン系クラウン
ガラス)である。53と54、55はヒータ、57はカ
ーボン製のリング状部材である。
【0048】第1実施例と同じ条件で、ガラス材料と保
持台を加熱・冷却した。 成形後:ガラス材料上側凹面の表面粗さRmax=0.
02μm、曲率半径192mm、中心厚:2.8mm、
最外周厚:4.5mm。
【0049】成形後のガラス素子を比較すると、第一実
施例で得られたガラス素子で見られたニュートン1本程
度のアスがλ/4程度に減少していた。
【0050】本実施例のように、成形面の外周に荷重を
かけることで、成形に伴うたわみ量のアンバランスを抑
止することができる。また、たわみの助長にもなるの
で、成形時間を短縮したり、成形温度を低くする効果も
ある。
【0051】なお、本実施例のリング状部材は、リング
幅が3mmで、重さが5gであった。リング状部材は、
高温でガラスと接するので、高温でガラスと反応しない
材質でなければならない。カーボン以外に、白金や超硬
合金などがリング状部材の材料として適している。
【0052】図7(b)のように、リング状部材を保持台
で規制することにより、ガラス材料の偏芯を防止するこ
とができる。リング状部材が保持台側面に接する部分
は、ガラス材料のたわみに伴って移動可能になってい
る。また、ガラス材料のたわみを阻害しないように、外
側にふくらみをもたせている。
【0053】なお、ガラス材料の加熱方法は、上述の実
施例に限られることなく、種々の手法をとることができ
るが、前記実施例のように、ガラス材料を加熱するため
にガラス材料の上下横方向に熱源を配置すれば、支持台
からの伝熱だけで加熱する場合に比べ、ガラス材料全体
の温度をほぼ均一に上昇させることができ、大きな変形
を再現性よく短時間に達成することができる。実際に測
定してみたところ、上述の実施例におけるガラス材料の
温度分布は、±5℃以内に収まっていた。ガラス材料の
加熱をさらに均一にするために、ガラス材料を加熱期間
中ヒータに対して回転させてもよい。
【0054】また、実施例で使用した保持台の上面の表
面粗さは、いずれもRmax=0.5μmであり、切削
加工で得られる面である。成形しようとする面は保持台
の上面と接触していないので、保持台の上面の表面粗さ
は直接影響しない。従って、保持台の加工において研磨
工程を省略できるし、寧ろ適度の粗さが融着防止にも寄
与しているため、保持台の寿命が長くなるという効果も
ある。表面粗さは、上述の値に限定されるものではな
く、Rmax=0.1〜10μmの範囲であればよい。
この範囲の表面粗さは、切削加工で容易に得られる粗さ
であり、成形精度に影響しない粗さである。
【0055】また、保持台を図10のように多数保持台
並べた構成にすることで、多数のガラス材料を同時に成
形することができる。このような構成をとることによ
り、成形品のコストを一層抑えることができる。
【0056】また、第5実施例では、保持部をガラス材
料全周に設けていたが、位置合わせの規制であれば、全
周に設ける必要はない。図5に示す構成は、保持部をガ
ラス材料の外周の約半分の大きさとし、ガラス材料を支
持する作用をも持たせたものである。第4実施例のよう
にガラス材料のたわみに応じて、保持部を昇降させると
ともに、ガラス材料が保持台にほぼ沿った状態になれ
ば、保持部が外側に移動してガラス材料から離れるよう
にした。この構成であれば、ガラス材料の外周の一部を
精密に加工するだけでよく、また、ガラス材料がたわむ
動きを逃せる利点がある。
【0057】このようにして、本製造方法では、簡便な
製造装置によって球面ないし非球面に成形したガラス素
子が得られる。このガラス素子は、そのままレンズとし
て使用可能であるが、もう一面を所望の曲率に研磨して
使用することもできる。
【0058】また、自然冷却に入る時点で、成形する面
は所望の形状と面粗さを備えているので、必要であれ
ば、その時点から次の成形工程に移行することも可能で
ある。言い換えると、本発明は、完成品であるガラス素
子の製造にのみ用いられるのではなく、従来技術として
説明した加圧成形を行う際のガラス材料の予備成形にも
適用可能である。すなわち、本発明の製造方法によって
得られたガラス素子を予備成形品として位置づけ、さら
に本成形することによって、高精度なレンズを安価に得
ることができる。その場合には、平行平板からなるガラ
ス材料の一方の面を鏡面にする工程は必ずしも必要では
ない。
【0059】また、上記実施例ではレンズの作成につい
て説明したが、成形された面に金属等を蒸着することに
よってミラーを製造することもできる。
【0060】
【発明の効果】本発明の製造方法によると、平面研磨や
ガラスコブで得られる鏡面を利用することができ、簡便
な装置でしかも低コストで、球面や非球面のガラス素子
を形成可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の実施形態を説明するためのガ
ラス素子製造装置の概略図。
【図2】 本発明の第二の実施形態を説明するためのガ
ラス素子製造装置の概略図。
【図3】 本発明の第四の実施形態を説明するためのガ
ラス素子製造装置の概略図。
【図4】 本発明の第五の実施形態を説明するためのガ
ラス素子製造装置の概略図。
【図5】 本発明の第五の実施形態を説明するためのガ
ラス素子製造装置の概略図。
【図6】 本発明の第五の実施形態に適用した概略制御
ブロック図。
【図7】 本発明の第六の実施形態説明するためのガラ
ス素子製造装置の概略図。
【図8】 (1)〜(4)いずれも上面が平面のガラス材料
を成形する場合のガラス材料と保持台を示した図。
【図9】 (1)〜(4)いずれも下面が平面のガラス材料
を成形する場合のガラス材料と保持台を示した図。
【図10】 ガラス材料を載置した保持台を多数並べた
場合の概略概念図。
【符号の説明】
11、21、31、41、51:保持台 12、22、32、42、52:ガラス材料 13、14、15、23、24、25、33、34、3
6、44、45、46、47、53、54、55:ヒー
タ 16、26、37、56:ベース 39、43:保持部 48、49:発光部 50:処理部 57:リング状部材

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一つの面が所望の面精度を有
    するガラス素子用のガラス材料を、その面が上向きにな
    るように保持台上に載置する第1工程、および前記ガラ
    ス材料を加熱し、前記ガラス材料を撓ませて保持台に沿
    わせることにより、前記保持台と接触していない側のガ
    ラス材料上面を所望の形状に成形する第2工程;を含む
    ことを特徴とするガラス素子の成形方法。
  2. 【請求項2】 少なくとも一つの面が鏡面を有するガラ
    ス素子用のガラス材料を、その鏡面が上向きになるよう
    に保持台上に載置する第1工程、および前記ガラス材料
    を加熱し、前記ガラス材料を撓ませて保持台に沿わせる
    ことにより、該鏡面を所望の形状に成形する第2工程;
    を含むことを特徴とするガラス素子の成形方法。
  3. 【請求項3】 保持台に接する面が略平面である請求項
    1または請求項2に記載のガラス素子の成形方法。
  4. 【請求項4】 保持台が凸状、または凹状の形状である
    請求項1ないし3いずれかに記載のガラス素子の形成方
    法。
  5. 【請求項5】 溶融坩堝から溶出したガラス材料を静置
    することにより略平面の鏡面を得る第1工程、 該鏡面を上向きにしてガラス材料を保持台上に載置する
    第2工程、およびガラス材料を加熱し、ガラス材料を撓
    ませて保持台に沿わせることにより、前記鏡面を所望の
    形状に成形する第3工程;を含むことを特徴とするガラ
    ス素子の成形方法。
  6. 【請求項6】 ガラス材料を保持台に載置するに際し
    て、該ガラス材料を保持しながら昇降可能な手段でガラ
    ス材料を保持台上に載置することを特徴とする請求項1
    ないし5いずれかに記載のガラス素子の成形方法。
  7. 【請求項7】 ガラス材料の上面に光を照射し、その反
    射光の情報を加熱条件にフィードバックし、ガラス材料
    の加熱を制御しながら、ガラス材料を撓ませることを特
    徴とする請求項1ないし6いずれかに記載のガラス素子
    の成形方法。
  8. 【請求項8】 ガラス材料を加熱する前に、さらにガラ
    ス材料の外周上にリング状部材を載置する工程を含む請
    求項1ないし7いずれかに記載のガラス素子の成形方
    法。
  9. 【請求項9】 上向きの面が略平面である請求項1また
    は請求項2に記載のガラス素子の成形方法。
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EP2248646A1 (en) * 2008-01-31 2010-11-10 Hoya Corporation Lens mold manufacturing method
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US9242889B2 (en) 2005-11-18 2016-01-26 Hoya Corporation Method of manufacturing formed article, glass material, and method of determining shape of glass material and mold

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