JPH1149159A - 廃棄物容器および廃棄物容器製造方法 - Google Patents

廃棄物容器および廃棄物容器製造方法

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JPH1149159A
JPH1149159A JP9206616A JP20661697A JPH1149159A JP H1149159 A JPH1149159 A JP H1149159A JP 9206616 A JP9206616 A JP 9206616A JP 20661697 A JP20661697 A JP 20661697A JP H1149159 A JPH1149159 A JP H1149159A
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JP
Japan
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container body
container
floating prevention
waste container
mortar
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Application number
JP9206616A
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English (en)
Inventor
Akira Asami
晃 浅見
Akihiko Takei
明彦 武井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiheiyo Cement Corp
Original Assignee
Chichibu Onoda Cement Corp
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Publication date
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Publication of JPH1149159A publication Critical patent/JPH1149159A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高強度を有し、横倒状態で積み重ねても破損
することがなく、その上、外寸が従来のものと同じであ
り、搬送に支障を来すことがない廃棄物容器を提供する
ことである。 【解決手段】 周方向に沿って設けられた、外部側に凸
な輪帯部を有する容器本体部と、前記輪帯部の存在によ
り、前記容器本体部の内周面に形成される溝内に配設さ
れたリング状の補強材とを具備してなる廃棄物容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物、特に放射
性廃棄物の最終処分に用いられる容器に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】一般に、原子力発電所
から排出される低レベル雑固体廃棄物は、廃棄物容器に
収納され、モルタル系材料によって固化された後、特定
の施設内に保管されている。そして、通常、廃棄物を収
納する容器としては、内容量が200リットルの鋼製ド
ラム缶が用いられている。
【0003】ところで、こうしたドラム缶からなる廃棄
物容器は、施設内において正立状態で積み重ねられてい
る。しかし、廃棄物容器を正立状態で積み重ねる作業に
は、多大な手間がかかる。そこで、廃棄物容器を正立状
態ではなく、横倒状態で積み重ねることが、つまり廃棄
物容器を俵積みすることが検討されている。ところが、
実際に廃棄物容器を俵積みしようとすると、次のような
問題が生じる。すなわち、廃棄物容器を俵積みした場
合、荷重は廃棄物容器の周面に対して垂直に作用する
が、廃棄物容器の周面は強度を確保しにくく、最も変形
しやすい部分である。このため、積み上げ段数が増え、
荷重が大きくなると、下方に位置する廃棄物容器が破損
する恐れもある。
【0004】なお、廃棄物容器の周面に鋼板を巻き付け
て補強することも考えられている。しかし、これでは廃
棄物容器の外寸が大きくなってしまうので搬送に支障を
来すようになる。つまり、規格化された既存の搬送シス
テムでは対応できなくなる。したがって、本発明が解決
しようとする課題は、高強度を有し、横倒状態で積み重
ねても破損することがなく、その上、外寸が従来のもの
と同じであり、搬送に支障を来すことがない廃棄物容器
を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、周方向に
沿って設けられた、外部側に凸な輪帯部を有する容器本
体部と、前記輪帯部の存在により、前記容器本体部の内
周面に形成される溝内に配設されたリング状の補強材と
を具備してなることを特徴とする廃棄物容器によって解
決される。
【0006】特に、周方向に沿って設けられた外部側に
凸な輪帯部を有する容器本体部と、前記輪帯部の存在に
より、前記容器本体部の内周面に形成される溝内に配設
されたリング状の補強材とを具備してなる廃棄物容器で
あって、容器本体部の内周面にモルタル系材料からなる
層を設けたことを特徴とする廃棄物容器によって解決さ
れる。
【0007】また、上記の課題は、容器本体部の開口側
に開口形状を安定させる芯出し治具を取り付ける工程
と、前記容器本体部内に所定量のモルタル系材料を供給
する工程と、前記モルタル系材料の供給後、前記容器本
体部を前記芯出し治具と共に横倒状態で回転させる工程
とを具備することを特徴とする廃棄物容器製造方法によ
って解決される。
【0008】すなわち、本発明では、容器本体部の周囲
に設けられた輪帯部内に、正確にはこの輪帯部の存在に
より容器本体部の内周面に形成される溝内にリング状の
補強材を配している。そして、この輪帯部内に配された
補強材は、容器本体部の周面に垂直な荷重に対して大き
な抵抗力を発揮する。したがって、容器本体部の半径方
向について大幅な強度の向上が図れ、周面の変形が効果
的に抑えられる。ゆえに、廃棄物容器を横倒状態で多数
積み重ねたとしても(積み重ね段数が多くなったとして
も)廃棄物容器が破損することはない。つまり、正立状
態の場合と同様に、横倒状態で廃棄物容器を積み重ねる
ことが可能となる。更に、容器本体部の内周面にモルタ
ル系材料からなる層(以下、モルタルライニング層と呼
称する)を設けることで、容器本体部に補強材を組み合
わせただけの場合よりも一層高強度なものとなる。
【0009】また、本発明にあっては、補強材やモルタ
ル系材料からなる層は、容器本体部の内側に設けられ
る。よって、これらが廃棄物容器の外寸に影響を与える
ことはない。言い換えれば、本発明に係る廃棄物容器の
外寸は従来のものと同じであり、規格化された既存の搬
送システムをそのまま利用できる。そして、本発明で
は、モルタルライニング層を遠心力を用いて形成するよ
うにしている。このため、同種の層の形成に内型枠を用
いていた従来技術の欠点が解決される。ここで、従来、
どのようにしてモルタルライニング層を形成していたか
について簡単に説明する。
【0010】従来技術による場合、まず振動機能を有す
る架台に容器本体部を固定することになる。次いで、円
筒状の型枠を容器本体部内に収め、容器本体部の内周面
と型枠外周面との間隔が全ての位置で等しくなるようセ
ットする。つまり、型枠をその中心が容器本体部の中心
と一致するよう容器本体部内に設置する。こうして準備
作業が完了したならば、混練しておいたモルタル系材料
を、容器本体部と型枠との間に存在する空隙に充填す
る。但し、このモルタル系材料の充填作業は容器本体部
に振動を加えた状態で行う。
【0011】容器本体部と型枠との間に充填されたモル
タル系材料が硬化したならば、型枠を取り外す。これに
よって、容器本体部の内周面にモルタルライニング層が
形成された廃棄物容器が得られる。さて、こうした手順
を経て得られる廃棄物容器には、上述したごとく問題点
がある。それは、モルタルライニング層の厚さが均一に
はならず、所要の強度を得られないことである。すなわ
ち、均一な厚さのモルタルライニング層を得るには容器
本体部内に型枠をセットする際、容器本体部の中心と内
型枠の中心とを極めて精度良く一致させなければならな
い。しかし、実際には、両者を完全に一致させるのは極
めて困難であり、ほとんどの場合、モルタルライニング
層の厚さには偏りが生じてしまう。そして、これがモル
タルライニング層の強度を低下させる大きな原因となっ
ている。
【0012】これに対して、遠心力を用いてモルタルラ
イニング層を形成する本発明の製造方法では、容器本体
部内に供給されたモルタル系材料は、容器本体部の内周
面全域に均一に拡げられる。このため、モルタルライニ
ング層の厚さは全ての位置で等しくなり、この結果、確
実に所要の強度が実現できる。また、遠心力を用いた場
合、モルタルライニング層は、単にモルタル系材料を充
填するだけの場合よりも緻密なものとなる。したがっ
て、これによる強度の増大も見込める。
【0013】なお、上記廃棄物容器にあっては、容器本
体部の内周面に設けたモルタル系材料からなる層の厚さ
が、10〜20mmであることが好ましい。モルタル系
材料からなる層の厚さをこの範囲に設定することによ
り、容器内容積と強度とのバランスが最も良好なものと
なる。また、本発明の廃棄物容器では、大きな衝撃が加
わるなどしても内容物が飛び出さないようにする必要が
ある。このため、下端側がモルタル系材料からなる層に
設けられ(打ち込まれ)、かつ、上端側が容器本体部の
中心側に折り曲げられた内容物浮上防止治具取付部材を
複数設け、内容物の飛び出しを抑える内容物浮上防止治
具を配置できるよう構成してなることが好ましい。
【0014】更に、ある内容物浮上防止治具取付部材と
他の内容物浮上防止治具取付部材との間に配置される内
容物浮上防止治具の端部が、前記内容物浮上防止治具取
付部材から外れないよう前記内容物浮上防止治具の端部
位置を規制する端部位置規制手段を具備してなることが
好ましい。これによって、一層確実に内容物浮上防止治
具の機能が発揮されるようになる。
【0015】また、上記廃棄物容器の製造に際し、内容
物浮上防止治具取付部材の設置は、この内容物浮上防止
治具取付部材の下端側が芯出し治具の下端面から突出す
るよう、前記内容物浮上防止治具取付部材を前記芯出し
治具に対して所定の間隔で配置した後、容器本体部を前
記芯出し治具と共に横倒状態で回転させることにより行
うことができる。つまり、モルタル系材料の供給前に、
内容物浮上防止治具取付部材を所定の位置に配置してお
き、この後、容器本体部を回転させてモルタルライニン
グ層を形成することで、内容物浮上防止治具取付部材の
下端側がモルタルライニング層に打ち込まれた状態とす
ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下で本発明の実施形態として説
明する廃棄物容器は、周方向に沿って設けられた外部側
に凸な輪帯部を有する容器本体部と、前記輪帯部の存在
により、前記容器本体部の内周面に形成される溝内に配
設されたリング状の補強材とを具備してなる。特に、容
器本体部の内周面には、厚さが10〜20mmであるモ
ルタル系材料からなる層が設けられている。また、本実
施形態の廃棄物容器は、下端側がモルタル系材料からな
る層に打ち込まれ、かつ、上端側が容器本体部の中心側
に折り曲げられた内容物浮上防止治具取付部材を複数備
えている。更に、ある内容物浮上防止治具取付部材と他
の内容物浮上防止治具取付部材との間に配置される内容
物浮上防止治具の端部が、前記内容物浮上防止治具取付
部材から外れないよう前記内容物浮上防止治具の端部位
置を規制する端部位置規制手段を有する。
【0017】また、以下で本発明の実施形態として説明
する廃棄物容器製造方法は、容器本体部の開口側に開口
形状を安定させる芯出し治具を取り付ける工程と、前記
容器本体部内に所定量のモルタル系材料を供給する工程
と、前記モルタル系材料の供給後、前記容器本体部を前
記芯出し治具と共に横倒状態で回転させる工程とを具備
する。特に、容器本体部を芯出し治具と共に横倒状態で
回転させる工程は、内容物浮上防止治具取付部材の下端
側が芯出し治具の下端面から突出するよう、前記内容物
浮上防止治具取付部材を前記芯出し治具に対して所定の
間隔で配置した後に行われる。
【0018】続いて、図1〜図18を用い、本発明の第
1実施形態を説明する。なお、図1は一部を切り欠いた
状態での廃棄物容器の斜視図、図2は同容器の縦断面
図、図3は内容物浮上防止治具取付部材が設けられた部
分の拡大図、図4〜図10は、それぞれ廃棄物容器の製
造手順を示す一工程図、図11〜図14は、それぞれ廃
棄物容器に蓋が設けられるまでの手順を示す一工程図、
図15及び図16は内容物浮上防止治具の端部位置規制
手段の他形態を示す斜視図および正面図、図17及び図
18は内容物浮上防止治具の端部位置規制手段の更に他
の形態を示す正面図である。
【0019】図1や図2から判るように、本実施形態の
廃棄物容器は、円筒の一端面を閉塞してなる形状の容器
本体部1、リング状の補強材2、そしてモルタル系材料
からなる層、すなわちモルタルライニング層3を具備す
る。これら構成要素のうち、容器本体部1は輪帯部(周
方向に沿って設けられた外部側に凸な部分)4a,4b
を有する。補強材2は、この輪帯部4a,4bの存在に
より容器本体部1の内周面に形成される溝内に配され
る。なお、本実施形態では、容器本体部1として、内容
量が200リットルの鋼製ドラム缶を用いている。
【0020】補強材2は断面が円形の鋼材からなる。す
なわち、断面が円形の鋼材を所定長さにカットしてなる
ものを湾曲させ、その端部同士を接合することにより構
成されている。容器本体部1の内周面に設けられたモル
タルライニング層3は、厚さが10〜20mm、特に1
5mm程度のものであり、後述するように遠心力を利用
した方法によって形成されている。したがって、その厚
さは全ての位置で均一である。
【0021】本実施形態の廃棄物容器は、上記構成要素
に加えて、内容物浮上防止治具取付部材5を備える。こ
の内容物浮上防止治具取付部材5は、90°間隔で計4
個存在する。そして、その下端側はモルタルライニング
層3に打ち込まれており、一方、モルタルライニング層
3から突出する上端側は、容器本体部1の中心側に折り
曲げられている。
【0022】内容物浮上防止治具取付部材5の下端側に
は、モルタルライニング層3に対する定着状態を良好な
ものとするための返しが存在する。また、上端側を容器
本体部1の中心側に折り曲げて形成された内容物浮上防
止治具取付部材5の水平片5aには、図3から判るよう
に、二つの切り込み6a,6bが形成されている。水平
片5aは、切り込み6a,6bの存在によって、その一
部が折り曲げ可能となっている。この折り曲げ可能な部
分が内容物浮上防止治具の端部位置規制手段としての役
割を果たし、これによって内容物の固定に用いられる十
字形の内容物浮上防止治具の端部を内容物浮上防止治具
取付部材5から外れないよう規制することが可能とな
る。なお、端部位置規制手段の機能については後に詳述
する。
【0023】本実施形態では、容器本体部1の補強のた
めにリング状の補強材2のみを使用したが、これに加え
てリング状の補強材2同士を縦に連結する補強材を用い
てもよい。続いて、上記廃棄物容器の製造方法につい
て、図4〜図10を用いて詳しく説明する。
【0024】上記廃棄物容器の製造に際しては、まず容
器本体部1の内部にリング状の補強材2を配置する。す
なわち、図4に示すごとく、輪帯部4a,4bに対応し
て容器本体部1の内周面に存在する溝7a,7b内に補
強材2をセットする。これが済んだならば、続いて、図
5に示すごとく、容器本体部1の開口側に芯出し治具8
を取り付ける。この芯出し治具8は、容器本体部1を回
転させた際にその開口部が変形しないよう、開口部形状
を安定させるためのものであり、内壁部と外壁部との間
に形成される環状の凹部8a内に容器本体部1の上端が
収まるようになっている。また、芯出し治具8において
容器本体部1の内部に収まる部分は型枠を兼ねており、
形成されるモルタルライニング層の上端面を平坦なもの
とする役割を果たす。
【0025】こうして容器本体部1の開口側に芯出し治
具8を取り付けたならば、更にこの芯出し治具8に、内
容物浮上防止治具取付部材5を配置する。この作業は、
図6や図7に示す手順を経て行われる。すなわち、ま
ず、ネジ孔9a,9bを有する支持部材10の水平片1
0a上に、ゴム製のスペーサ11を介して、内容物浮上
防止治具取付部材5を載せる。そして、この内容物浮上
防止治具取付部材5が載置された支持部材10を芯出し
治具8にネジ止めする。この作業を内容物浮上防止治具
取付部材5が設けられる全ての位置で行うことで、内容
物浮上防止治具取付部材5の配置が完了する。
【0026】なお、芯出し治具8には、90°間隔で、
内容物浮上防止治具取付部材5の幅に対応した切欠き1
2が形成されている(図5では、この切欠き12を省略
している)。したがって、支持部材10を用いて内容物
浮上防止治具取付部材5を芯出し治具8に取り付ける
際、内容物浮上防止治具取付部材5は、この切欠き12
内に位置させられる。但し、この状態では、内容物浮上
防止治具取付部材5は、その下端側が芯出し治具8の下
端面から突出している。
【0027】こうして内容物浮上防止治具取付部材5を
芯出し治具8に取り付けたならば、次いで、図8に示す
ごとく、容器本体部1を取り囲むよう遠心成形型枠13
を組み立てる。なお、この遠心成形型枠13は、筒状の
胴部14、その上下開口に取り付けられる天板15及び
底板16、そして容器本体部1と胴部14との間に介在
させられる環状のスペーサ17a,17b,17cから
なる。
【0028】天板15及び底板16は、それぞれ円形の
切欠き15a,16aを有する。特に、天板15をこう
した形状としていることから、遠心成形型枠13が完成
した状態でも容器本体部1の内部にモルタル系材料を投
入することが可能である。また、胴部14の周囲には、
リング18a,18bが取り付けられている。このリン
グ18a,18bは、遠心成形型枠13に回転力を伝達
する際に利用される。
【0029】以上の作業が完了したならば、続いて、図
9に示すごとく、遠心成形型枠13と共に容器本体部1
を横倒状態で架台19にセットし、容器本体部1の内部
に混練したモルタル系材料20を所定量すなわち形成さ
れるモルタルライニング層の厚さに応じた量だけ供給す
る。なお、詳しくは図示していないが、架台19には遠
心成形型枠13を回転させる機構が設けられており、そ
の駆動力は上述したように遠心成形型枠13のリング1
8a,18bに伝達される。
【0030】こうして遠心成形型枠13の架台19への
セットと、モルタル系材料20の供給とが済んだなら
ば、遠心成形型枠13を一定速度で回転させる。する
と、遠心力によって容器本体部1内のモルタル系材料2
0は、その内周面に均一に拡がっていき、その結果、容
器本体部1の内周面には、図10に示すごとく、均一な
厚さを有するモルタルライニング層3が形成される。
【0031】一定時間連続して遠心成形型枠13を回転
させ、モルタルライニング層3をある程度硬化させたな
らば、回転を止め、容器本体部1を遠心成形型枠13と
共に架台19から下ろす。そして、遠心成形型枠13を
解体し、モルタルライニング層3を所定の期間養生する
ことで、図1や図2に示す本実施形態の廃棄物容器が得
られる。
【0032】なお、内容物浮上防止治具取付部材5が固
定された芯出し治具8は、モルタルライニング層3が完
全に硬化し、内容物浮上防止治具取付部材5がモルタル
ライニング層3に確実に定着した後、支持部材10と共
に取り外される。次に、上記廃棄物容器に蓋が設けられ
るまでの手順について、図11〜図14を用いて説明す
る。なお、廃棄物容器内に低レベル雑固体廃棄物を投入
し、これをモルタル系材料で固化するまでの作業につい
ては従来と同じである。よって、ここではその説明を省
略する。
【0033】廃棄物固化体を収納する廃棄物容器に蓋を
設けるに際しては、まず図11に示すごとく、廃棄物容
器内の固化体21上に円形の網板22を載置し、更にこ
の網板22上に、十字形の内容物浮上防止治具23を載
置する。網板22及び内容物浮上防止治具23の設置が
完了したならば、次いで内容物浮上防止治具23を回転
させ、図12に示すごとく、その端部が内容物浮上防止
治具取付部材5の下に隠れるようにする。そして、内容
物浮上防止治具取付部材5の水平片5aの一部、つまり
切り込み6a,6bによって区切られた部分を図13に
示すごとく下方に折り曲げる。この処理を全ての内容物
浮上防止治具取付部材5について行うことで、内容物浮
上防止治具23は、その端部位置が規制され、内容物浮
上防止治具取付部材5から外れないようになる。
【0034】上記作業が完了した後、図14に示すごと
く、廃棄物容器に蓋24が設けられる。但し、この蓋2
4の被着に先立って、内容物浮上防止治具23が完全に
隠れる高さ、好ましくは容器本体部1の開口面と等しい
高さまでモルタル系材料を充填し、中蓋としての役割を
果たす層25を形成する。蓋24は、中蓋となる層25
が形成された後、縁部をかしめることによって廃棄物容
器に固定される。
【0035】上述したように本実施形態の廃棄物容器
は、容器本体部1の周囲に設けられた輪帯部4a,4b
内にリング状の補強材2を配し、更に容器本体部1の内
周面にモルタルライニング層3を設けているので、容器
本体部1の半径方向についての強度が高く、周面の変形
が効果的に抑えられる。したがって、横倒状態で積み重
ねる場合、その段数が多くなったとしても廃棄物容器が
破損することはない。これにより、正立状態の場合と同
様に、横倒状態で廃棄物容器を積み重ねることが可能と
なる。
【0036】そして、本実施形態では、補強材2やモル
タルライニング層3を容器本体部1の内部に設けたの
で、これらが廃棄物容器の外寸に影響を与えることはな
い。つまり、本実施形態の廃棄物容器の外寸は従来のも
のと同じであり、規格化された既存の搬送システムをそ
のまま利用できる。更に、本実施形態では、モルタルラ
イニング層3を遠心力を用いて形成している。このた
め、モルタルライニング層3の厚さは全ての位置で均一
であり、これによって所要の強度が確実に得られる。ま
た、遠心力を用いたことで、モルタルライニング層3
は、単にモルタル系材料を充填するだけの場合よりも緻
密なものとなっている。
【0037】本実施形態では、内容物浮上防止治具23
の端部位置規制手段として、内容物浮上防止治具取付部
材5の水平片5aの一部を折り曲げ、この折り曲げた部
分で内容物浮上防止治具23を左右から挟むことによ
り、その端部位置を規制する方式を採用した。しかし、
内容物浮上防止治具23の端部位置規制手段としては、
これ以外にもさまざまな形態が考えられる。以下、その
代表的なものについて説明する。
【0038】図15及び図16に示すのは、内容物浮上
防止治具31の一方側の位置規制を内容物浮上防止治具
取付部材32の水平片32aの一部を折り曲げることに
より行い、他方側の位置規制をクリップ33によって行
うようにしたものである。すなわち、図15から判るよ
うに、内容物浮上防止治具取付部材32の水平片32a
には切り込み34と貫通孔35とが形成されている。内
容物浮上防止治具31は、切り込み34によって区切ら
れた部分を下方に折り曲げると共に、貫通孔35に変形
可能なクリップ33を差し込むことで、端部が位置規制
される。
【0039】これに対して、図17及び図18に示すご
とく、内容物浮上防止治具取付部材36に切り込みを形
成しない方法も考えられる。この場合は、内容物浮上防
止治具取付部材36における折り曲げられた部分を水平
ではなく、図17に示すごとく傾斜状態とする。但し、
この内容物浮上防止治具取付部材36の傾斜片36aに
おける低い方の端部と廃棄物固化体37(あるいはモル
タルライニング層)との間隔Dは、内容物浮上防止治具
38の径Rよりも小さくしておく必要がある。一方、傾
斜片36aの高い方の端部にはクリップ39を差し込む
ための貫通孔が形成されている。こうした構造を採用し
た場合、図18から判るように、内容物浮上防止治具3
8の端部の一方側の位置規制は傾斜片36aの斜面によ
って、また、他方側の位置規制はクリップ39によって
なされる。
【0040】続いて、本発明に係る廃棄物容器の別実施
形態について説明する。図19に示す廃棄物容器は、本
発明の第2実施形態であり、容器本体部40の輪帯部4
1a,41bに配される補強材42として、全体的な形
状はリング状であるが、断面が円形ではなく四角形状の
ものを用いたことを特徴とする。なお、この第2実施形
態の廃棄物容器についても、上記第1実施形態と同様、
内周面にはモルタルライニング層が形成されており、ま
た、上端側がこのモルタルライニング層から突出するよ
う計4個の内容物浮上防止治具取付部材が設けられてい
る。但し、図では、便宜上、モルタルライニング層や内
容物浮上防止治具取付部材を省略している(以下で説明
する第3実施形態〜第5実施形態についても同じ)。
【0041】図20に示す廃棄物容器は、本発明の第3
実施形態であり、容器本体部43の輪帯部44a,44
bに配される補強材45として、全体的な形状がリング
状で、かつ、断面が三角形状のものを用いたことを特徴
とする。図21に示す廃棄物容器は、本発明の第4実施
形態であり、容器本体部46の輪帯部47a,47bに
配される補強材48として、全体的な形状がリング状
で、かつ、断面がU字状、すなわち湾曲部にエッジを持
たないものを用いたことを特徴とする。
【0042】図22に示す廃棄物容器は、本発明の第5
実施形態であり、容器本体部49の輪帯部50a,50
bに配される補強材51として、全体的な形状がリング
状で、かつ、断面がV字形、すなわち湾曲部にエッジを
有するものを用いたことを特徴とする。なお、上記第2
〜第5実施形態の廃棄物容器についても、第1実施形態
と同様の工程を経て製造される。よって、製造方法の説
明は省略する。
【0043】
【実施例】以下の条件にて、第1実施形態の廃棄物容器
を製造した。 〔モルタルライニング層の原料〕 普通ポルトランドセメント :30.00重量部 砕砂(細骨材) :60.10重量部 混和剤(製品名 花王マイテー150): 0.28重量部 水 : 9.62重量部 〔加速度〕 30G 〔回転時間〕 25分 得られた廃棄物容器は、従来のものに比べて、周面に対
して垂直に作用する荷重に極めて強く、横倒状態で多数
積み重ねても何ら問題が起きなかった。
【0044】
【発明の効果】本発明の廃棄物容器は、高強度を有し、
横倒状態で積み重ねても破損することがない。また、外
寸が従来のものと同じであるから、既存の搬送システム
をそのまま利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一部を切り欠いた状態での廃棄物容器(第1実
施形態)の斜視図
【図2】廃棄物容器(第1実施形態)の縦断面図
【図3】廃棄物容器(第1実施形態)において内容物浮
上防止治具取付部材が設けられた部分の拡大図
【図4】廃棄物容器(第1実施形態)の製造手順を示す
一工程図
【図5】廃棄物容器(第1実施形態)の製造手順を示す
一工程図
【図6】廃棄物容器(第1実施形態)の製造手順を示す
一工程図
【図7】廃棄物容器(第1実施形態)の製造手順を示す
一工程図
【図8】廃棄物容器(第1実施形態)の製造手順を示す
一工程図
【図9】廃棄物容器(第1実施形態)の製造手順を示す
一工程図
【図10】廃棄物容器(第1実施形態)の製造手順を示
す一工程図
【図11】廃棄物容器(第1実施形態)に蓋が設けられ
るまでの手順を示す一工程図
【図12】廃棄物容器(第1実施形態)に蓋が設けられ
るまでの手順を示す一工程図
【図13】廃棄物容器(第1実施形態)に蓋が設けられ
るまでの手順を示す一工程図
【図14】廃棄物容器(第1実施形態)に蓋が設けられ
るまでの手順を示す一工程図
【図15】内容物浮上防止治具の端部位置規制手段の他
形態を示す斜視図
【図16】内容物浮上防止治具の端部位置規制手段の他
形態を示す正面図
【図17】内容物浮上防止治具の端部位置規制手段の更
に他の形態を示す正面図
【図18】内容物浮上防止治具の端部位置規制手段の更
に他の形態を示す正面図
【図19】廃棄物容器(第2実施形態)の縦断面図
【図20】廃棄物容器(第3実施形態)の縦断面図
【図21】廃棄物容器(第4実施形態)の縦断面図
【図22】廃棄物容器(第5実施形態)の縦断面図
【符号の説明】
1 容器本体部 2 補強材 3 モルタルライニング層(モルタル系材
料からなる層) 4a,4b 輪帯部 5 内容物浮上防止治具取付部材 6a,6b 切り込み 7a,7b 溝 8 芯出し治具 10 支持部材 13 遠心成形型枠 19 架台 20 モルタル系材料 21 廃棄物固化体 22 網板 23 内容物浮上防止治具 24 蓋 25 中蓋としての役割を果たす層

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周方向に沿って設けられた外部側に凸な
    輪帯部を有する容器本体部と、 前記輪帯部の存在により、前記容器本体部の内周面に形
    成される溝内に配設されたリング状の補強材とを具備し
    てなることを特徴とする廃棄物容器。
  2. 【請求項2】 容器本体部の内周面にモルタル系材料か
    らなる層を設けたことを特徴とする請求項1に記載の廃
    棄物容器。
  3. 【請求項3】 容器本体部の内周面に設けたモルタル系
    材料からなる層の厚さが、10〜20mmであることを
    特徴とする請求項2に記載の廃棄物容器。
  4. 【請求項4】 下端側がモルタル系材料からなる層に設
    けられ、かつ、上端側が容器本体部の中心側に折り曲げ
    られた内容物浮上防止治具取付部材を複数具備してなる
    ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の廃棄物
    容器。
  5. 【請求項5】 ある内容物浮上防止治具取付部材と他の
    内容物浮上防止治具取付部材との間に配置される内容物
    浮上防止治具の端部が、前記内容物浮上防止治具取付部
    材から外れないよう前記内容物浮上防止治具の端部位置
    を規制する端部位置規制手段を具備してなることを特徴
    とする請求項4に記載の廃棄物容器。
  6. 【請求項6】 請求項2〜請求項5いずれかに記載の廃
    棄物容器を製造する方法であって、 容器本体部の開口側に開口形状を安定させる芯出し治具
    を取り付ける工程と、 前記容器本体部内に所定量のモルタル系材料を供給する
    工程と、 前記モルタル系材料の供給後、前記容器本体部を前記芯
    出し治具と共に横倒状態で回転させる工程とを具備する
    ことを特徴とする廃棄物容器製造方法。
  7. 【請求項7】 内容物浮上防止治具取付部材の下端側が
    芯出し治具の下端面から突出するよう、前記内容物浮上
    防止治具取付部材を前記芯出し治具に対して所定の間隔
    で配置した後、容器本体部を前記芯出し治具と共に横倒
    状態で回転させることを特徴とする請求項6に記載の廃
    棄物容器製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007204076A (ja) * 2006-01-31 2007-08-16 Chugoku Electric Power Co Inc:The モルタル充填時のドラム缶変形防止用治具
JP2010145247A (ja) * 2008-12-18 2010-07-01 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 廃棄物容器
CN110406782A (zh) * 2019-07-31 2019-11-05 六安堰山自动化设备销售有限公司 耐腐蚀金属储罐
CN110491535A (zh) * 2018-07-02 2019-11-22 江苏希捷新能源工程技术有限公司 一种含防上浮机构的放射性废物处置高完整性容器

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