JPH1147861A - プレス成形装置 - Google Patents

プレス成形装置

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JPH1147861A
JPH1147861A JP9208031A JP20803197A JPH1147861A JP H1147861 A JPH1147861 A JP H1147861A JP 9208031 A JP9208031 A JP 9208031A JP 20803197 A JP20803197 A JP 20803197A JP H1147861 A JPH1147861 A JP H1147861A
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cutter
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center
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Yuji Kanano
裕児 叶野
Seiji Fukushi
誠司 福士
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Japan Crown Cork Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 傾斜角度αが比較的大きい突出片を有する金
属製キャップシェルを、しわを発生させずに、1回の成
形工程で成形可能にすること。 【解決手段】 スカート壁の下端から角度αで突出する
突出片を有する金属製物品を、金属薄板からプレス成形
するためのプレス成形装置。パンチカッタ、センタダ
イ、センタダイを囲む内側ダイリング、内側ダイリング
を囲む外側ダイリング、外側ダイリングを囲むダイカッ
タを含む。内側ダイリング先端は角度α、外側ダイリン
グ先端は角度β、パンチカッタ先端の、半径方向内側は
角度α、半径方向外側は角度β、をなす。β<α、0°
≦β≦30°に規定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、天面壁と、天面壁
の周縁から垂下するスカート壁と、スカート壁の下端か
ら突出する突出片を有する金属製物品、殊に金属製キャ
ップシェルを金属薄板からプレス成形するためのプレス
成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス又は合成樹脂製容器のためのキャ
ップの主要部を構成する金属製キャップシェル2として
は、図1に示されている如き形態のものがよく知られて
いる。このキャップシェル2は、天面壁4と、天面壁4
の周縁から垂下する円筒状のスカート壁6と、スカート
壁6の下端から突出する突出片(タブ)8を有してい
る。突出片8は周方向の一部においてスカート壁6の下
端から延びている。突出片8の少なくとも先端部は半径
方向外側下方にかつ天面壁4を通る軸線に直交する面に
対し角度αで延びている。突出片8には2個の貫通孔8
aが形成されている。突出片8の基部の両側縁に対応し
て、スカート壁6の下端には三角形状の一対の切欠き
7、7が形成されている。スカート壁6及び天面壁4に
は、上記一対の切欠き7、7からスカート壁6を横切っ
て上方へ延び、更に天面壁4を適宜の形状で延びる一対
のスコアでよい破断可能ライン9、9が形成されてい
る。
【0003】図1の如く構成された金属製キャップシェ
ル2は、プレス成形装置によって例えばアルミニウム基
合金薄板あるいはブリキ板等からなる金属薄板からプレ
ス成形せしめられる。従来のこの種のプレス成形装置
は、パンチ組立体とダイ組立体とを備えている。図11
を参照して、パンチ組立体は、所定の移動方向(図11
に示されている装置においては鉛直方向)に移動自在な
パンチカッタ200を含んでいる。ダイ組立体は、セン
タダイ202と、センタダイ202を囲繞しかつセンタ
ダイ202に対し上記移動方向に相対移動自在なダイリ
ング204と、ダイリング204を囲繞するダイカッタ
206を含んでいる。ダイリング204の先端(上端)
には、半径方向外側下方にかつ上記移動方向に直交する
面に対し上記角度αで延びるしわ押さえ面208が形成
されている。パンチカッタ200の先端(下端)には、
水平に対し上記角度αをなしかつ上記しわ押さえ面20
8に整合する絞り面210が形成されている。
【0004】パンチ組立体がダイ組立体の上方に離隔さ
れている状態において、ダイ組立体上に金属薄板212
が供給される。なお、金属薄板212の所定の部位には
予め上記一対の切欠き7、7、貫通孔8a、8a及び一
対の破断可能ライン9、9が形成されている。パンチ組
立体、したがってパンチカッタ200は、図示しない所
定の上方位置から図示しない下死点まで下降せしめられ
る。パンチカッタ200の下降により、先ず、パンチカ
ッタ200の先端外周縁とダイカッタ206の先端内周
縁との協動による切断作用によって金属薄板212が所
定の形状に切断される。次いで、パンチカッタ200の
絞り面210が、切断された金属薄板212を介してダ
イリング204のしわ押さえ面208を押圧しながら、
図示しない弾性手段の付勢力に抗して徐々に下降せしめ
られる。この間にセンタダイ202に沿ってスカート壁
6が絞り加工されて天面壁4と共にカップ形状が形成さ
れる。パンチカッタ200が更に下降して下死点に到達
した時点で、パンチカッタ200の絞り面210とダイ
リング204のしわ押さえ面208との間には突出片8
のみが挟み込まれて、突出片8に上記角度αが形成され
る。なお概略以上の如き構成及び作用を有するプレス成
形装置については、例えば特許番号2565369号特
許公報に記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の如き従来のプレ
ス成形装置においては、パンチカッタ200の下降によ
り、最初にダイカッタ206と協同して金属薄板212
を所定の形状に切断し、次いでダイリング204及びセ
ンタダイ202と協動して絞り加工を行い、最後に突出
片8の角度αを成形する。そしてこの一連の成形加工を
遂行するため、絞りダイでありかつカッタであるパンチ
カッタ200先端の絞り面210及びダイリング204
先端のしわ押さえ面208は、それぞれ突出片8の角度
(最終成形角度)αに設定されている。
【0006】ところで、上記絞り成形の遂行に際して
は、当然のことながら、しわの発生を最小限に抑える必
要がある。パンチカッタ200が金属薄板212を切断
した後、その絞り面210が金属薄板212を介してダ
イリング204のしわ押さえ面208を押圧するまでの
タイムラグ(換言すれば、間隔)が小さいほどしわの発
生を少なく抑えることができ、他方上記タイムラグが大
きいほどしわの発生を抑えることが困難となる。上記タ
イムラグは、突出片8の角度αが小さいほど少なく、他
方突出片8の角度αが大きいほど多くなる。そしてしわ
の発生を少なく抑えるためには上記角度αは25°〜3
0°が限界であった。しかしながら、突出片8に合成樹
脂製のリングを一体成形してなる、いわゆるプラスチッ
クタブの場合には、上記突出片8の角度αは、成形加工
上等の理由から40°〜55°が望ましく、角度αがこ
の角度まで大きくなると、しわの発生を抑えることがで
きなくなる、というのが実状であった。この問題を解消
するためには、しわが発生しない小さな角度で2回の成
形加工を順次遂行することによって、突出片8を、最終
的に上記の如き大きな角度αに成形する手段が考えられ
るが、加工工程が増加するので、生産性の低下、バラツ
キの拡大による後工程のトラブル発生、更には設備コス
トしたがって製造コストの増加等の問題が新たに発生す
る。
【0007】なお上記課題は、天面壁と、天面壁の周縁
から垂下するスカート壁と、スカート壁の下端から突出
する突出片を有する金属製キャップシェルに限られるも
のではなく、他の金属製物品、例えば、スカート壁の下
端から半径方向外側に突出する突出片が全周にわたって
形成される金属製物品においても、共通して存在するも
のである。
【0008】上記の如き従来のプレス成形装置は、更に
他の解決すべき課題を有している。この課題を図9及び
図10を参照して説明する。なお、図9及び図10にお
いて、図11と同一部分は同一符号で示されている。上
記した如く、パンチカッタ200が、図示しない所定の
上方位置から図示しない下死点まで下降せしめられる過
程において、最初にダイカッタ206と協同して金属薄
板212が所定の形状に切断され、次いでダイリング2
04及びセンタダイ202と協動して絞り加工が行われ
る。そして、最後にパンチカッタ200が下死点に到達
した時点で、パンチカッタ200の絞り面210とダイ
リング204のしわ押さえ面208との間には突出片8
のみが挟み込まれて、突出片8に上記角度αが形成され
る。したがって、図9及び図10から容易に理解される
ように、パンチカッタ200が下死点に到達する直前か
ら下死点に到達するまでの間、センタダイ202の外周
面(断面が円形)とダイリング204の下端部内周面
(断面が円形)との間のクリアランス分だけダイリング
204が傾いて摺動せしめられる。
【0009】このことに起因して、突出片8の角度αが
上記の如く25°〜30°から40°〜55°と大きく
なった場合には、センタダイ202及びダイリング20
4の軸線に直交する方向の荷重(ダイリング204のセ
ンタダイ202への抱き付き力)、すなわち横方向の荷
重Pが増大して2倍以上となることもあり、ツールであ
るセンタダイ202の外周面(断面が円形)とダイリン
グ204の下端部内周面(断面が円形)との間に、いわ
ゆる“かじり”が発生した。これは、横方向の荷重Pが
“線”で受けるよう構成されており(上記の如く接触面
が円形断面同士)、したがって単位面積当たりの荷重が
大である故に摺動が不安定となることに起因するもので
ある。その結果、上記摺動部分間に摺動不良を生じ、突
出片8の成形不良や破損、ダイリング204及びセンタ
ダイ202の摩耗キズの修正等、生産性の低下を招いて
いた。
【0010】本発明は上記事実に基づいてなされたもの
であり、その第一の技術的課題は、、天面壁を通る軸線
に直交する面に対する角度αが比較的大きい突出片を有
する金属製物品を、しわを発生せしめることなく、1回
の成形工程で成形することができる、新規なプレス成形
装置を提供することである。
【0011】本発明の第二の技術的課題は、天面壁を通
る軸線に直交する面に対する角度αが比較的大きい突出
片を有する金属製キャップシェルの成形において、ツー
ルのいわゆる“かじり”の発生を確実に防止することが
できる、新規なプレス成形装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記第一の技術的課題を
達成するため、本発明によれば、天面壁、該天面壁の周
縁から垂下するスカート壁、及び該スカート壁の下端か
ら突出する突出片を有し、該突出片の少なくとも先端部
は半径方向外側下方にかつ該天面壁を通る軸線に直交す
る面に対し角度αで延びる金属製物品を、金属薄板から
プレス成形するためのプレス成形装置にして、所定の移
動方向に移動自在なパンチカッタと、センタダイ、該セ
ンタダイを囲繞しかつ該センタダイに対し該移動方向に
相対移動自在なダイリング手段、及び該ダイリング手段
を囲繞するダイカッタを含むダイ組立体とを備え、該パ
ンチカッタの先端外周縁と該ダイカッタの先端内周縁と
の協動によって該金属薄板が切断され、該パンチカッタ
及び該ダイリング手段が該センタダイに対し該移動方向
に相対移動することにより該スカート壁及び該突出片が
成形されるプレス成形装置において、該ダイリング手段
は、該センタダイを囲繞する内側ダイリング、及び該内
側ダイリングを囲繞しかつ該内側ダイリングに対し該移
動方向に相対移動自在な外側ダイリングからなり、該内
側ダイリングの先端には、半径方向外側下方にかつ該移
動方向に直交する面に対し該角度αで延びる内側しわ押
さえ面が形成され、該外側ダイリングの先端には、半径
方向外側下方にかつ該移動方向に直交する該面に対し角
度βで延びる外側しわ押さえ面が形成され、該パンチカ
ッタの先端の半径方向内側には、該移動方向に直交する
該面に対し該角度αをなしかつ該内側しわ押さえ面に整
合する内側絞り面が形成され、該パンチカッタの先端
の、該内側絞り面の半径方向外側には、該移動方向に直
交する該面に対し該角度βをなしかつ該外側しわ押さえ
面に整合する外側絞り面が形成され、該角度βと該角度
αとの関係は、β<αに規定され、該角度βは、0°≦
β≦30°に規定されている、ことを特徴とするプレス
成形装置、が提供される。
【0013】上記本発明におけるプレス成形装置におい
ては、パンチカッタの下降により、先ず、金属薄板が切
断されると略同時ないしは直後に、パンチカッタ先端の
角度βを有する外側絞り面が、外側ダイリング先端の同
じ角度βを有する外側しわ押さえ面を金属薄板を介して
押圧し(これにより外側しわ押さえ面が有効に働く)、
次いで、パンチカッタ先端の角度αを有する内側絞り面
が、内側ダイリング先端の同じ角度αを有する内側しわ
押さえ面を金属薄板を介して押圧する(これにより内側
しわ押さえ面が有効に働く)。そして切断から絞り成形
加工開始時において、突出片の角度αが上記の如く比較
的大きい場合であっても、その角度αを有する内側しわ
押さえ面が有効に働く前に、先ず角度αより小さな角度
βを有する外側しわ押さえ面が有効に働くと共に、0°
≦β≦30°に規定されているので、外側しわ押さえ面
が有効に働くまでのタイムラグ、したがって内側しわ押
さえ面が有効に働くまでのタイムラグが著しく短くな
る。その結果、角度αが比較的大きい突出片を有する金
属製物品を、しわを発生せしめることなく、1回の成形
工程で成形することができる。したがって本発明によれ
ば、生産性が向上し、バラツキの低下によって後工程の
トラブル発生が防止され、更には設備コストしたがって
製造コストが低減される。
【0014】該角度βは、0°≦β≦20°に規定され
ている、ことが好ましい。この発明によれば、外側しわ
押さえ面が有効に働くまでのタイムラグ、したがって内
側しわ押さえ面が有効に働くまでのタイムラグが更に短
くなり、実用上好適な結果が得られている。
【0015】該金属製物品は金属製キャップシェルであ
り、該突出片は周方向の一部において該スカート壁の下
端から延びている、ことが好ましい。この発明によれ
ば、角度αが比較的大きい突出片を有する金属製キャッ
プシェルを、しわを発生せしめることなく、1回の成形
工程で成形することができる。
【0016】上記第二の技術的課題を達成するため、本
発明によれば、天面壁、該天面壁の周縁から垂下するス
カート壁、及び該スカート壁の下端から突出する突出片
を有し、該突出片の少なくとも先端部は半径方向外側下
方にかつ該天面壁を通る軸線に直交する面に対し角度α
で延び、該突出片は周方向の一部において該スカート壁
の下端から延びている金属製キャップシェルを、金属薄
板からプレス成形するためのプレス成形装置にして、所
定の移動方向に移動自在なパンチカッタと、センタダ
イ、該センタダイを囲繞しかつ該センタダイに対し該移
動方向に相対移動自在なダイリング手段、及び該ダイリ
ング手段を囲繞するダイカッタを含むダイ組立体とを備
え、該パンチカッタの先端外周縁と該ダイカッタの先端
内周縁との協動によって該金属薄板が切断され、該パン
チカッタ及び該ダイリング手段が該センタダイに対し該
移動方向に相対移動することにより該スカート壁及び該
突出片が成形されるプレス成形装置において、該ダイリ
ング手段における該移動方向の下端部内周面及び該ダイ
センタの対応する外周面の、該突出片が存在する周方向
の該一部に対応する周方向の一部の各々間には、相互に
面接触せしめられる平坦な摺動面が形成されている、こ
とを特徴とするプレス成形装置、が提供される。
【0017】上記本発明におけるプレス成形装置におい
ては、金属製キャップシェルの突出片の角度αが上記の
如く大きくなって、ダイリング手段のセンタダイへの抱
き付き力、すなわち横方向の荷重Pが増大しても、横方
向の荷重Pが“面”で受けるよう構成されているので、
単位面積当たりの荷重が低減され、上記摺動部分間の摺
動が安定して遂行せしめられる。その結果、ツールであ
るセンタダイの外周面とダイリング手段の下端部内周面
との間の、いわゆる“かじり”の発生が確実に防止され
るので、安定した摺動が遂行せしめられる。したがっ
て、従来装置における、突出片の成形不良あるいは破
損、ダイリング手段及びセンタダイの摩耗キズの修正、
等の不具合が無くなり、生産性が向上せしめられる。
【0018】該センタダイには、該センタダイには、そ
の接線方向及び該移動方向に延在する平坦面を有する板
部材が装着され、該ダイリング手段には、該板部材の該
平坦面に密着する平坦面が形成され、該摺動面は該平坦
面の各々により構成される、ことが好ましい。この発明
によれば、比較的低コストで実用化することが可能とな
る。
【0019】該板部材は該ダイリング手段より滑り性に
優れた材料から形成されている、ことが好ましい。この
発明によれば、センタダイの外周面とダイリング手段の
下端部内周面との間の相対的摺動が円滑かつ安定して遂
行される。
【0020】該板部材は含油軸受部材からなる、ことが
好ましい。この発明によれば、センタダイの外周面とダ
イリングの下端部内周面との間の相対的摺動が円滑かつ
安定して遂行される、との効果が実用上確実に達成され
る。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明に従って構成された
プレス成形装置の好適実施形態を、添付図面を参照して
更に詳細に説明する。図2及び図3を参照して、図示の
プレス成形装置は、図1に示されている如き構成を有す
る金属製キャップシェル2を成形するためのもので、固
定基盤10と、この固定基盤10の上方に昇降動自在
(この実施形態においては所定の移動方向である鉛直方
向に昇降動自在)に装着された可動基盤12とを備えて
いる。固定基盤10は、上固定基盤14と、この上固定
基盤14の下側に固定された下固定基盤16とを備えて
いる。可動基盤12には貫通開口18が形成されてお
り、この開口18にパンチ組立体20が装着されてい
る。また上固定基盤14にも、上記開口18と同心状の
貫通開口22が形成されており、この開口22にダイ組
立体24が装着されている。
【0022】図3を参照して、パンチ組立体20は、セ
ンタパンチ(ノックアウトパンチ)26及びこのセンタ
パンチ26を囲繞しているパンチカッタ30を含んでい
る。パンチカッタ30は全体として略円筒形状をなして
いるが、その下端部は、その周方向の一部が半径方向外
方に延び出す突出部32を有するよう形成されている。
パンチカッタ30の下端部の突出部32は、金属薄板2
12の一部を、図1に示す金属製キャップシェル2の突
出片8に相当する所定の前形状に切断するために形成さ
れている。パンチカッタ30の上端部は可動基盤12の
開口18に固定されている。パンチカッタ30には、小
径上部34と大径下部36とを有する貫通開口が形成さ
れている。全体として略円柱形状をなすセンタパンチ2
6は、上記貫通開口の大径下部36の内径と実質上同一
の(僅かに小さい)外径を有する頭部38と、頭部38
から上方へ延びかつ上記貫通開口の小径上部34の内径
と実質上同一の(僅かに小さい)外径を有する軸部40
とを有する。センタパンチ26は、上記のとおりにし
て、パンチカッタ30の上記貫通開口にその軸線方向、
したがって所定の移動方向(鉛直方向)に移動自在に挿
入されている。以下、「軸線方向」とは、全て上記「所
定の移動方向」を意味するものとする。なぜならば、本
装置の実施形態における各部材の軸線は鉛直方向と一致
するよう配設されており、したがって各部材の「所定の
移動方向」とは、すなわち「軸線方向」でもあるからで
ある。なお、パンチカッタ30の特徴ある構成について
は後に詳述する。
【0023】センタパンチ26の上端には、ボルト42
によって環状フランジ部材44が固定されている。フラ
ンジ部材44の下面とパンチカッタ30の上面との間に
は弾性手段である圧縮コイルばね46が配設されてい
る。圧縮コイルばね46は、パンチカッタ30に対して
センタパンチ26を上方に付勢する。パンチカッタ30
に対するセンタパンチ26の上方への移動は、センタパ
ンチ26の頭部38の上面がパンチカッタ30の貫通開
口に形成されている肩部48に当接することによって阻
止されている。センタパンチ26の上方には、静止当接
部材49が配設されている。
【0024】図2、図4及び図5を参照して、ダイ組立
体24は、センタダイ50、センタダイ50を囲繞しか
つセンタダイ50に対し軸線方向に相対移動自在な内側
ダイリング52、内側ダイリング52を囲繞しかつ内側
ダイリング52に対し軸線方向に相対移動自在な外側ダ
イリング54、及び外側ダイリング54を囲繞するダイ
カッタ56を含んでいる。外側ダイリング54は、ダイ
カッタ56に対して軸線方向に相対移動自在である。内
側ダイリング52及び外側ダイリング54はダイリング
手段を構成する。内側ダイリング52及び外側ダイリン
グ54はダイリング手段を構成する。上固定基盤14の
開口22内の下方にはカップ状部材58が固定されてい
る。カップ状部材58は、底壁部58aと、底壁部58
aの外周部から上方へ延びる側壁部58bとを有してい
る。開口22内の上方には、ダイカッタ56が、カップ
状部材58の側壁部58bの頂部に積み重ねられた形態
で固定されている。センタダイ50は、大径頭部60
と、大径頭部60から下方に延びる軸部62とを有し、
軸部62の下端が下固定基盤16の上面にボルト64に
より直立状態で固定されている。
【0025】図8をも参照して、センタダイ50の軸部
62の周方向の一部には、板部材66がボルト67によ
って装着されている。板部材66は、一定の厚さ及び幅
をもって軸線方向に延在しかつ軸部62の接線方向及び
軸線方向に延在する平坦面68を有している。平坦面6
8は、軸部62の軸線方向から見て軸部62の一つの接
線と略一致するよう位置付けられている。板部材66を
平面から見て(図8の左方から見て)、その上記軸線方
向の両端は、図示はされていないが円弧形状をなしてい
る。後述する内側ダイリング52は例えば超硬合金から
形成されるが、板部材66の少なくとも平坦面68を構
成する部分は、内側ダイリング52より滑り性に優れた
材料、例えば含油軸受部材から形成されることが好まし
い。含油軸受部材の一例としては、オイレス工業株式会
社から製造、販売されているウエアプレート(商品
名)、「オイレス#2000」(型式名)を挙げること
ができる。板部材66の少なくとも平坦面68を構成す
る部分は、内側ダイリング52より滑り性及び耐摩耗性
に優れた材料であることが一層好ましいが、このような
材料の一例としてはセラミックを挙げることができる。
【0026】内側ダイリング52は、センタダイ50の
軸部62が挿通する貫通開口70が形成されている底壁
部72と、底壁部72の外周部から上方へ延びる側壁部
74とを有する。側壁部74の内周面は、センタダイ5
0の大径頭部60を囲繞するよう位置付けられている。
貫通開口70の内周面は、内側ダイリング52の軸線方
向の下端部内周面を規定する。なお、内側ダイリング5
2の軸線方向の下端部内周面とは、更に包括的にいえ
ば、内側ダイリング52の、後述する内側しわ押さえ面
120と反対側の端部内周面、を意味するものである。
貫通開口70の周方向の一部には、センタダイ50の軸
部62に装着された板部材66に摺動自在に嵌合する溝
76(図8参照)が形成されている。溝76は一定の幅
をもって軸線方向に延在しかつ貫通開口70の接線方向
及び軸線方向に延在する平坦面78を有している。板部
材66の平坦面68と溝76の平坦面78とは相互に面
接触(密着)せしめられる平坦な摺動面を形成してい
る。
【0027】カップ状部材58の底壁部58a及び下固
定基盤16には、それぞれ共通の軸線を有する複数個の
貫通孔が周方向に間隔をおいて形成され、各貫通孔には
押圧ロッド80が軸線方向に摺動自在に挿通されてい
る。押圧ロッド80の各々の一部は下固定基盤16から
下方に突出している。押圧ロッド80の各々の上端は内
側ダイリング52の底壁部72の下面に当接しうるよう
位置付けられている。下固定基盤16の下側には支持ロ
ッド部材82がねじ結合により固定されている。支持ロ
ッド部材82は、センタダイ50と同一軸線上に位置付
けられている。支持ロッド部材82には押圧カラー部材
84が軸線方向に摺動自在に嵌合されている。押圧カラ
ー部材84は、支持ロッド部材82に摺動自在に嵌合せ
しめられた円筒状部86と、円筒状部86の上端部にお
いて半径方向外方に延在するフランジ部88を有してい
る。押圧ロッド80の各々の下端は、押圧カラー部材8
4のフランジ部88の上面に当接せしめられている。
【0028】支持ロッド部材82の、押圧カラー部材8
4の下側には略カップ状のリテイナ部材90が、それに
形成された貫通開口を介して軸線方向に移動自在に嵌合
されている。リテイナ部材90は、弾性手段である圧縮
コイルばね92により軸線方向上方に付勢されている。
圧縮コイルばね92の下端は、支持ロッド部材82の下
端に固定された図示しない他のリテイナ部材に当接・保
持されている。圧縮コイルばね92の付勢力は、リテイ
ナ部材90、押圧カラー部材84及び押圧ロッド80の
各々を介して内側ダイリング52の下面に伝達され、内
側ダイリング52を軸線方向上方に押圧する。この付勢
力により、内側ダイリング52の底壁部72の上面がセ
ンタダイ50の、大径頭部60と軸部62との間に形成
されている肩部94に押圧されることにより、内側ダイ
リング52のセット位置が規定される。なお、内側ダイ
リング52の構成については更に後述する。
【0029】外側ダイリング54は、小外径上部96と
大外径下部98とを有している。そして外側ダイリング
54には、内側ダイリング52の外周面に対し軸線方向
に移動(摺動)自在に嵌合される貫通孔100が形成さ
れている。なお、外側ダイリング54の構成について
は、更に後述する。
【0030】ダイカッタ56は、外側ダイリング54の
小外径上部96が軸線方向に移動(摺動)自在に嵌合さ
れる上部開口102と、外側ダイリング54の大外径下
部98が軸線方向に移動自在に嵌合される下部開口10
4とを備えている。上部開口102及び下部開口104
の周方向の一部(周方向の同一部分)は、それぞれ半径
方向外方に延び出す突出部106を含んでいる。上部開
口102及び下部開口104は、パンチカッタ30の下
端部の外周縁の形状と実質上同一(僅かに大きめ)に形
成され、上記突出部106の周方向位置はパンチカッタ
30の突出部32の周方向位置と整合されている。また
突出部106は、パンチカッタ30の突出部32の断面
形状と実質上同一(僅かに大きめ)に形成されている。
なお上記カップ状部材58の側壁部58bの内径は、ダ
イカッタ56の上記下部開口104の内径と実質上同一
に規定されている。これにより外側ダイリング54の、
軸線方向下方への移動が許容される。
【0031】上記カップ状部材58の底壁部58a及び
下固定基盤16には、それぞれ共通の軸線を有する複数
個の貫通孔が周方向に間隔をおいて形成され、各貫通孔
には他の押圧ロッド110が軸線方向に摺動自在に挿通
されている。なお、押圧ロッド110の各々が挿通され
る貫通孔の各々の周方向位置は、上記押圧ロッド80の
各々が挿通される上記貫通孔の各々と相違するよう規定
されている。押圧ロッド110の各々は下固定基盤16
から下方に突出し、更に上記押圧カラー部材84のフラ
ンジ部88に形成された複数個の貫通孔を通ってフラン
ジ部88から下方に各々の一部が突出している。押圧ロ
ッド110の各々の上端は外側ダイリング54の大外径
下部98の下面に当接しうるよう位置付けられている。
【0032】押圧カラー部材84の円筒状部86には他
の押圧カラー部材112が軸線方向に摺動自在に嵌合さ
れている。押圧カラー部材112は、円筒状部86に摺
動自在に嵌合せしめられた円筒状部114と、円筒状部
114の上端部において半径方向外方に延在するフラン
ジ部116を有している。押圧ロッド110の各々の下
端は、押圧カラー部材112のフランジ部116の上面
に当接せしめられている。押圧カラー部材112は、上
端がフランジ部116の下面に当接せしめられている、
弾性手段である圧縮コイルばね118により軸線方向上
方に付勢されている。圧縮コイルばね118の下端は、
支持ロッド部材82の下端に固定された図示しないリテ
イナ部材に当接・保持されている。圧縮コイルばね11
8の付勢力は、押圧カラー部材112及び押圧ロッド1
10の各々を介して外側ダイリング54の大外径下部9
8の下面に伝達され、外側ダイリング54を軸線方向上
方に押圧する。この付勢力により、外側ダイリング54
の大外径下部98の上面がダイカッタ56の、上部開口
102と下部開口104との間に形成されている肩部1
19に押圧されることにより、外側ダイリング54のセ
ット位置が規定される。
【0033】図5を参照して、上記内側ダイリング52
の先端(上端)には、半径方向外側下方にかつ上記所定
の移動方向に直交する面(したがってこの実施形態にお
いては水平面)に対し角度αで延びる内側しわ押さえ面
120が形成されている。角度αは、図1に示されてい
るキャップシェル2の突出片8の角度αと同じに規定さ
れている。外側ダイリング54の先端(上端)には、半
径方向外側下方にかつ上記所定の移動方向に直交する面
に対し角度βで延びる外側しわ押さえ面122が形成さ
れている。他方、パンチカッタ30の先端(下端)の半
径方向内側には、上記所定の移動方向に直交する面に対
し上記角度αをなしかつ上記内側しわ押さえ面120に
整合する内側絞り面130が形成されている。更に、パ
ンチカッタ30の先端(下端)の、内側絞り面130の
半径方向外側には、上記所定の移動方向に直交する面に
対し上記角度βをなしかつ上記外側しわ押さえ面122
に整合する外側絞り面132が形成されている。そし
て、上記角度βと上記角度αとの関係は、β<αに規定
され、更に上記角度βは、0°≦β≦30°、更に好ま
しくは0°≦β≦20°に規定されることが重要であ
る。なお上記角度αは40°〜55°に規定されてい
る。
【0034】次に、上記の如く構成されたプレス成形装
置の作用について説明する。図6と共に図5を参照し
て、プレス成形装置が図5及び図6(A)に示されてい
る状態(同じ状態)、すなわちパンチ組立体20がダイ
組立体24から上方に離隔している状態において、金属
薄板212が供給され、所定の成形加工位置に位置付け
られる。次いで可動基盤12(図3参照)、したがって
パンチ組立体20の下降が開始される。
【0035】パンチ組立体20、したがってパンチカッ
タ30が図6(B)に示される位置まで下降せしめられ
ると、パンチカッタ30の先端外周縁とダイカッタ56
の先端内周縁との協動による切断作用によって金属薄板
212が所定の形状に切断される。同時にパンチカッタ
30先端の角度βを有する外側絞り面132が、外側ダ
イリング54先端の角度βを有する外側しわ押さえ面1
22を金属薄板212を介して押圧する(挟み込む)。
これにより外側しわ押さえ面122が直ちに有効に作用
する。なお外側ダイリング54及び内側ダイリング52
はセット位置に位置付けられた状態にある。
【0036】パンチカッタ30が更に図6(C)に示さ
れる位置まで下降せしめられると、パンチカッタ30先
端の角度αを有する内側絞り面130が、内側ダイリン
グ52先端の角度αを有する内側しわ押さえ面120を
金属薄板212を介して押圧する.これにより、外側し
わ押さえ面122に続いて内側しわ押さえ面120が有
効に作用する。外側ダイリング54は、押圧ロッド11
0を介して作用せしめられている上記圧縮コイルばね1
18の付勢力に抗して、軸線方向下方に所定量だけ移動
せしめられる。なおこの状態においても、パンチカッタ
30先端の外側絞り面132は、外側ダイリング54先
端の外側しわ押さえ面122を金属薄板212を介して
押圧している。また内側ダイリング52はセット位置に
位置付けられた状態にある。金属薄板212の中央部は
センタダイ50の頂部に当接させられていない(当接さ
せられたとしても、絞られていない)。
【0037】本発明における上記プレス成形装置におい
ては、上記角度αが40°〜55°に規定されていて
も、上記の如き成形加工開始工程において、角度αを有
する、内側ダイリング52の内側しわ押さえ面120が
有効に働く前に、先ず、角度αより小さな角度βを有す
る、外側ダイリング54の外側しわ押さえ面122が有
効に働くことが重要である。しかも、0°≦β≦30°
に規定されているので、外側しわ押さえ面122が有効
に働くまでのタイムラグ、したがって内側しわ押さえ面
120が有効に働くまでのタイムラグが著しく短くな
る。0°≦β≦20°に規定された場合には、更にタイ
ムラグが短縮される。
【0038】図7と共に図5を参照して、パンチカッタ
30が図6(C)に示される位置から更に図7(A)に
示される位置まで下降せしめられると、外側ダイリング
54と共に、内側ダイリング52も、押圧ロッド80を
介して作用せしめられている上記圧縮コイルばね92の
付勢力に抗して、軸線方向下方に所定量だけ移動せしめ
られる。すでに所定の形状に切断されている金属薄板2
12は、センタダイ50に当接せしめられて絞りが開始
されている。
【0039】パンチカッタ30が更に図7(B)に示さ
れる位置まで下降せしめられると、それと共に外側ダイ
リング54及び内側ダイリング52も下降せしめられる
が、その間に金属薄板212は、センタダイ50により
絞られて天面壁4及びスカート壁6からなるカップ形状
が成形される(図7(B)の2点鎖線はスカート壁6の
下端を示している)。したがって、パンチカッタ30の
先端の周方向の一部と外側ダイリング54及び内側ダイ
リング52の各々の先端の周方向の一部、すなわち、パ
ンチカッタ30の突出部32の先端(外側絞り面13
2、内側絞り面130)と、これに整合するダイカッタ
56の開口102の突出部106の周方向部位における
外側ダイリング54及び内側ダイリング52の各々の先
端(外側しわ押さえ面122、内側しわ押さえ面12
0)、との間に、突出片8の最終成形前の部分のみが挟
み込まれた状態となる。その他の周方向の部位の上記先
端間は、金属薄板212の厚さと略同じ隙間が形成され
た状態となる。
【0040】パンチカッタ30が更に図7(C)に示さ
れる位置(下死点)まで下降せしめられると、パンチカ
ッタ30の突出部32の内側絞り面130と、これに整
合する内側ダイリング52の内側しわ押さえ面120と
の間に突出片8のみが挟み込まれた状態となり、上記角
度αを有する突出片8が形成される(その他の周方向の
部位の上記先端間は、上記の如き隙間が形成された状態
となる)。外側ダイリング54の外側しわ押さえ面12
2は、上記圧縮コイルばね118によって、パンチカッ
タ30の外側絞り面132に直接押圧された状態とな
る。
【0041】図2及び図3を参照して、以上のとおりに
して金属薄板212が所定の形状に切断され、絞り加工
により図1に示す如き金属製キャップシェル2が成形さ
れると、可動基盤12が上昇、したがってパンチ組立体
20が上昇せしめられる。パンチ組立体20におけるパ
ンチカッタ30の上昇に応じて、ダイ組立体24におけ
る外側ダイリング54及び内側ダイリング52は、それ
ぞれ押圧ロッド110及び80を介して作用する圧縮コ
イルばね118及び92の上方への付勢力によって上昇
され、したがって成形されたキャップシェル2はパンチ
カッタ30に付随して上昇せしめられる。パンチ組立体
20が図3に示す位置よりも更に図示しない上方位置ま
で上昇せしめられると、ボルト42の頭部が静止当接部
材49に当接し、センタパンチ26の上昇が阻止され
る。したがって、可動基盤12と共にパンチカッタ30
が更に上昇せしめられると、センタパンチ26は圧縮コ
イルばね46の付勢力に抗してパンチカッタ30に対し
て相対的に下降され、パンチカッタ30に付随して上昇
せしめられていたキャップシェル2を落下せしめる。成
形されたキャップシェル2はパンチ組立体20から離脱
され、それ自体は周知の形態でよい適宜の図示しない取
出手段によってプレス成形装置から取り出される。
【0042】上記の如き成形加工が遂行されるに際し
て、更に具体的には、成形加工のためにパンチカッタ3
0が下降するに際して、キャップシェル2の突出片8の
角度αが上記の如く40°〜55°と大きい場合には、
上記した如く、内側ダイリング52のセンタダイ50へ
の抱き付き力Pが増大する(図8参照)。本発明に従っ
て構成された上記プレス成形装置においては、図8に示
すように、センタダイ50の軸部62には板部材66が
配設され、他方内側ダイリング52の、対応する部分に
は板部材66に摺動自在に嵌合する溝76が形成されて
いる。板部材66の平坦面68と溝76の平坦面78と
は相互に面接触(密着)せしめられる平坦な摺動面を形
成しているので、上記横方向の荷重Pは“面”で受けら
れる。したがって、単位面積当たりの荷重が低減され、
摺動が安定して遂行せしめられるので、センタダイ50
の軸部62の外周面と内側ダイリング52の下端部内周
面との間の、いわゆる“かじり”の発生は確実に防止さ
れる。板部材66の少なくとも平坦面68を構成する部
分を、内側ダイリング52より滑り性に優れた材料、例
えば上記ウエアプレート(商品名)、「オイレス#20
00」(型式名)により形成した場合には、センタダイ
50の軸部62の外周面と内側ダイリング52の下端部
内周面との間の相対的摺動が円滑かつ安定して遂行され
る。
【0043】以上、添付図面を参照して、本発明に従っ
て構成されたプレス成形装置の好適実施形態について説
明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものでは
なく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至
修正が可能である。例えば、上記プレス成形装置は、図
1に示す如き構成を有する金属性キャップシェル2を成
形加工する実施形態として構成されているが、本発明は
これに限定されるものではない。例えば、スカート壁の
下端から突出する突出片が全周にわたって形成される金
属性物品を成形加工する実施形態もある。更に、上記実
施形態において、各移動部材の所定の移動方向(軸線方
向)は鉛直方向と一致するよう配設されているが、鉛直
方向に対して傾斜した一つの方向と一致するよう配設さ
れる実施形態もある。
【0044】
【発明の効果】本発明に係るプレス成形装置によれば、
水平に対する角度αが比較的大きい突出片を有する金属
製物品を、しわを発生せしめることなく、1回の成形工
程で成形することができる。本発明に係るプレス成形装
置によればまた、水平に対する角度αが比較的大きい突
出片を有する金属製キャップシェルの成形において、ツ
ールのいわゆる“かじり”の発生を確実に防止すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来から知られている金属製キャップシェルを
示す斜視図。
【図2】本発明に従って構成されたプレス成形装置の実
施形態の一部を示す縦断面図。
【図3】図2に示すプレス成形装置に含まれるパンチ組
立体の縦断面図。
【図4】図2に示すプレス成形装置に含まれるダイ組立
体の一部を示す上面図。
【図5】図2に示すプレス成形装置の要部を拡大して示
す縦断面図。
【図6】図2に示すプレス成形装置による成形工程の一
部を段階的に示す要部縦断面図。
【図7】図2に示すプレス成形装置による成形工程の他
の部分を段階的に示す要部縦断面図。
【図8】図2に示すプレス成形装置の他の要部を拡大し
て示す横断面図。
【図9】従来のプレス成形装置の一部を示す横断面であ
って、図8に相当する横断面図。
【図10】図9の縦断面図であって、更に他の部材を含
む縦断面図。
【図11】従来のプレス成形装置の他の一部を示す横断
面。
【符号の説明】
2 金属製キャップシェル 8 突出片 10 固定基盤 12 可動基盤 20 パンチ組立体 24 ダイ組立体 26 センタパンチ 30 パンチカッタ 50 センタダイ 52 内側ダイリング 54 外側ダイリング 66 板部材 68及び78 平坦面 120 内側しわ押さえ面 122 外側しわ押さえ面 130 内側絞り面 132 外側絞り面 α 突出片、内側しわ押さえ面、内側絞り面、の水平に
対する角度 β 外側しわ押さえ面、外側絞り面、の水平に対する角

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天面壁、該天面壁の周縁から垂下するス
    カート壁、及び該スカート壁の下端から突出する突出片
    を有し、該突出片の少なくとも先端部は半径方向外側下
    方にかつ該天面壁を通る軸線に直交する面に対し角度α
    で延びる金属製物品を、金属薄板からプレス成形するた
    めのプレス成形装置にして、所定の移動方向に移動自在
    なパンチカッタと、センタダイ、該センタダイを囲繞し
    かつ該センタダイに対し該移動方向に相対移動自在なダ
    イリング手段、及び該ダイリング手段を囲繞するダイカ
    ッタを含むダイ組立体とを備え、該パンチカッタの先端
    外周縁と該ダイカッタの先端内周縁との協動によって該
    金属薄板が切断され、該パンチカッタ及び該ダイリング
    手段が該センタダイに対し該移動方向に相対移動するこ
    とにより該スカート壁及び該突出片が成形されるプレス
    成形装置において、 該ダイリング手段は、該センタダイを囲繞する内側ダイ
    リング、及び該内側ダイリングを囲繞しかつ該内側ダイ
    リングに対し該移動方向に相対移動自在な外側ダイリン
    グからなり、 該内側ダイリングの先端には、半径方向外側下方にかつ
    該移動方向に直交する面に対し該角度αで延びる内側し
    わ押さえ面が形成され、該外側ダイリングの先端には、
    半径方向外側下方にかつ該移動方向に直交する該面に対
    し角度βで延びる外側しわ押さえ面が形成され、 該パンチカッタの先端の半径方向内側には、該移動方向
    に直交する該面に対し該角度αをなしかつ該内側しわ押
    さえ面に整合する内側絞り面が形成され、該パンチカッ
    タの先端の、該内側絞り面の半径方向外側には、該移動
    方向に直交する該面に対し該角度βをなしかつ該外側し
    わ押さえ面に整合する外側絞り面が形成され、 該角度βと該角度αとの関係は、β<αに規定され、該
    角度βは、0°≦β≦30°に規定されている、ことを
    特徴とするプレス成形装置。
  2. 【請求項2】 該角度βは、0°≦β≦20°に規定さ
    れている、請求項1記載のプレス成形装置。
  3. 【請求項3】 該金属製物品は金属製キャップシェルで
    あり、該突出片は周方向の一部において該スカート壁の
    下端から延びている、請求項1又は請求項2記載のプレ
    ス成形装置。
  4. 【請求項4】 天面壁、該天面壁の周縁から垂下するス
    カート壁、及び該スカート壁の下端から突出する突出片
    を有し、該突出片の少なくとも先端部は半径方向外側下
    方にかつ該天面壁を通る軸線に直交する面に対し角度α
    で延び、該突出片は周方向の一部において該スカート壁
    の下端から延びている金属製キャップシェルを、金属薄
    板からプレス成形するためのプレス成形装置にして、所
    定の移動方向に移動自在なパンチカッタと、センタダ
    イ、該センタダイを囲繞しかつ該センタダイに対し該移
    動方向に相対移動自在なダイリング手段、及び該ダイリ
    ング手段を囲繞するダイカッタを含むダイ組立体とを備
    え、該パンチカッタの先端外周縁と該ダイカッタの先端
    内周縁との協動によって該金属薄板が切断され、該パン
    チカッタ及び該ダイリング手段が該センタダイに対し該
    移動方向に相対移動することにより該スカート壁及び該
    突出片が成形されるプレス成形装置において、 該ダイリング手段における該移動方向の下端部内周面及
    び該ダイセンタの対応する外周面の、該突出片が存在す
    る周方向の該一部に対応する周方向の一部の各々間に
    は、相互に面接触せしめられる平坦な摺動面が形成され
    ている、ことを特徴とするプレス成形装置。
  5. 【請求項5】 該センタダイには、その接線方向及び該
    移動方向に延在する平坦面を有する板部材が装着され、
    該ダイリング手段には、該板部材の該平坦面に密着する
    平坦面が形成され、該摺動面は該平坦面の各々により構
    成される、請求項4記載のプレス成形装置。
  6. 【請求項6】 該板部材は該ダイリング手段より滑り性
    に優れた材料から形成されている、請求項5記載のプレ
    ス成形装置。
  7. 【請求項7】 該板部材は含油軸受部材からなる、請求
    項5又は請求項6記載のプレス成形装置。
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