JPH1146738A - クロレラ抽出物含有飲料及びその製造方法 - Google Patents

クロレラ抽出物含有飲料及びその製造方法

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JPH1146738A
JPH1146738A JP9213522A JP21352297A JPH1146738A JP H1146738 A JPH1146738 A JP H1146738A JP 9213522 A JP9213522 A JP 9213522A JP 21352297 A JP21352297 A JP 21352297A JP H1146738 A JPH1146738 A JP H1146738A
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cyclodextrin
chlorella
chlorella extract
extract
beverage
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Yasuhiro Watanabe
泰宏 渡辺
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クロレラに基づく異臭のマスキングが容易か
つ効果的に行われたクロレラ抽出物含有飲料を提供す
る。また、クロレラに基づく異臭のマスキングが効果的
に行われたクロレラ抽出物含有飲料を簡単な操作で、安
価に製造することができるクロレラ抽出物含有飲料の製
造方法を提供する。 【解決手段】 異臭のマスキングが行われたクロレラ抽
出物含有飲料は、サイクロデキストリンを含有する。サ
イクロデキストリンとしては、分岐型サイクロデキスト
リンが好ましい。このクロレラ抽出物含有飲料は、クロ
レラ抽出液に分岐型サイクロデキストリンを加え、そこ
に甘味料、香料、酸味料及びその他飲料用製造原料から
選ばれる少なくとも1種を加え、攪拌混合することによ
り製造される。この場合、クロレラ抽出物の濃度をOD
260 10〜400で、かつサイクロデキストリンの濃度
を0. 3〜30重量%とすることが望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、クロレラ熱水抽
出液の特異な不快臭が効果的にマスキングされたクロレ
ラ抽出物含有飲料及びその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】クロレラは、直径2〜10μmのほぼ球
形の単細胞緑藻である。このクロレラは医学的には、細
胞の活性化作用、成長促進作用、免疫機能の向上作用、
解毒作用、抗潰瘍作用などが知られている。
【0003】同様に、クロレラ藻体を水系溶媒で抽出し
て得られるクロレラ抽出物(本明細書においては単にク
ロレラ抽出物という)にも生理活性作用が認められる。
クロレラ抽出物には細菌、酵母、原生動物などに対する
と成長促進作用が認められることから、クロレラ抽出物
はクロレラグロスファクター(CGF)とも呼ばれてい
る。クロレラ抽出物の成長促進作用の強度はクロレラ抽
出物溶液の260nmの吸光度に対応するという知見か
ら、一般にクロレラグロスファクター濃度は吸光度OD
260 値にて表わされる。
【0004】クロレラ抽出物はアミノ酸、ペプチド、水
溶性蛋白質、糖類、水溶性ビタミン、核酸関連物質を含
むことが知られているが、クロレラ藻体中の葉緑素や繊
維質、水不溶性の蛋白等は含まれていない。クロレラの
生理活性を活用した健康食品には、クロレラ藻体そのも
のを乾燥、粉末化して錠剤等としたクロレラ加工食品の
ほかに、クロレラ抽出物の溶液を原料とするクロレラ抽
出物含有飲料がある。クロレラ抽出物含有飲料は、クロ
レラ抽出物に甘味料、香料、酸味料及びその他の飲料用
製造原料を配合した飲料である。
【0005】クロレラ抽出物含有飲料の原料となるクロ
レラ抽出物の通常の製造方法は、次の通りである。すな
わち、まずクロレラ藻体を水系溶媒に懸濁し、攪拌しな
がら加熱し、一定時間約100℃に保持した後、藻体を
分別除去する。得られた抽出物の水溶液は、適宜濃縮し
て所望濃度に調整される。抽出に用いられる水系溶媒と
しては、水道水、天然水、脱イオン水、蒸留水等が使用
される他に、アルコールを含有する水を用いることもで
きる。
【0006】クロレラ抽出液は、必要により蛋白除去、
殺菌工程が加えられ、所定の生理活性成分を含有する濃
度に調整されて、クロレラ抽出物含有溶液が得られる。
クロレラ抽出物含有溶液は、そのままでクロレラ抽出物
含有飲料の原料として使用されるほかに、必要に応じて
乾燥して粉末化されたこともある。クロレラ抽出物粉末
は固形の健康食品の原料となるが、水に溶解すれば、再
びクロレラ抽出物含有飲料の原料となる。
【0007】クロレラ抽出物含有飲料の製造方法は、通
常次の通りである。すなわち、クロレラ抽出物含有溶液
に、甘味料、香料、酸味料及びその他の飲料用製造原料
を配合、溶解し、固形の異物を濾過により除去した後、
加熱滅菌又は限外濾過等の工程により溶液を無菌化す
る。この溶液が瓶又は缶に分注され、製品となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記クロレ
ラ抽出物は特異な不快臭を有し、クロレラ抽出物含有飲
料として製品化した後にもこの異臭が残留して飲料の味
質を損なうので、クロレラ抽出物含有飲料の嗜好品とし
ての商品価値を低下させることを避けることができなか
った。
【0009】一方、クロレラにはクロロフィルが多量に
含まれ、例えばクロレラ藻体から噴霧乾燥等の方法によ
り水分を除去し乾燥させたクロレラ原末には、およそ2
重量%ものクロロフィルが含有される。このクロロフィ
ルは優秀な脱臭剤として用いられ、従って、本来クロレ
ラにはマスキング効果が備わっている(特開昭56−3
7026号公報)。
【0010】しかし、クロレラの熱水抽出液に関して
は、本発明者らがその中のクロロフィル含有量を測定し
たところ、わずか0.002重量%という低含有量であ
り、マスキング能を発揮する濃度にはとても及ばないこ
とが判明した。すなわち、クロレラ抽出物と同じ成分を
含むにも拘らず、クロロフィルを多量に含有するクロレ
ラ食品は異臭が感じられず、クロロフィルがほとんど含
まれないクロレラ抽出物含有飲料に異臭が感じられる。
【0011】クロロフィルは水に溶けないので、消臭に
有効な量のクロロフィルを含有するクロレラ抽出物やク
ロレラ抽出物含有飲料を製造することは技術的に困難で
あるばかりでなく、製造コストの上からも大きな問題が
ある。
【0012】この発明は、上記問題点を解決するために
なされたものであって、その目的とするところは、クロ
レラに基づく異臭のマスキングが容易かつ効果的に行わ
れたクロレラ抽出物含有飲料を提供することにある。そ
の他の目的とするところは、クロレラに基づく異臭のマ
スキングが効果的に行われたクロレラ抽出物含有飲料を
簡単な操作で、安価に製造することができるクロレラ抽
出物含有飲料の製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明のクロレラ抽出物含有飲料
においては、サイクロデキストリンを含有することを特
徴とする。
【0014】請求項2に記載の発明のクロレラ抽出物含
有飲料においては、請求項1に記載の発明において、前
記サイクロデキストリンが分岐型サイクロデキストリン
であることを特徴とする。
【0015】請求項3に記載の発明のクロレラ抽出物含
有飲料の製造方法においては、クロレラ藻体を水系溶媒
で抽出したクロレラ抽出物を含有する溶液に、甘味料、
香料、酸味料及びその他飲料用製造原料から選ばれる少
なくとも1種及びサイクロデキストリンを加えて混合攪
拌した後、クロレラ抽出物及びサイクロデキストリンの
濃度を調整することを特徴とする。
【0016】請求項4に記載の発明のクロレラ抽出物含
有飲料の製造方法においては、請求項3に記載の発明に
おいて、クロレラ抽出物の濃度が、分光光度計の波長2
60nmにおける吸光度の強度(OD260 )として10
〜400であり、サイクロデキストリンの濃度が0.3
〜30重量%であることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態につい
て詳細に説明する。効果的に異臭のマスキングがされた
クロレラ抽出物含有飲料は、サイクロデキストリンを含
有するものである。ここでいうクロレラ抽出物含有飲料
とは、クロレラ藻体を水系溶媒で抽出したクロレラ抽出
物をその構成成分中に含む飲料のことをいう。水系溶媒
としては、水の他にエタノール、含水エタノール等が使
用される。クロレラ抽出物は、クロレラ抽出液又はそれ
を凍結乾燥して得られた粉末のいずれの形態でもよい。
【0018】健康食品としてのクロレラ抽出物含有飲料
中のクロレラ抽出物の濃度は、濃い方がより好ましく、
濃縮タイプのクロレラ抽出物含有飲料では、吸光度とし
てOD260 10〜400の範囲であることが好ましく、
100〜400の範囲であることがより好ましい。さら
に、直接飲用する希釈タイプのクロレラ抽出物含有飲料
では、飲料の物性、製造コスト及び摂取量等の観点か
ら、吸光度としてOD26 0 10〜100の範囲であるこ
とが好ましい。
【0019】サイクロデキストリンは、自らの分子内に
疎水性の空洞を有し、その中にゲスト分子を取り込んで
包接複合体を形成することにより、消臭や香り保持、結
晶化防止等の種々の機能を発現する物質である。従っ
て、マスキングを目的とする場合、その異臭を放つ原因
物質がサイクロデキストリンの空洞内にうまく入り込ん
で、さらに持続的に安定化しなければ、サイクロデキス
トリン本来の効果を発揮することができない。複合成分
系からなる食品の場合には、その原因物質も単一化合物
ではないので、それら異臭の原因物質に一様に分子サイ
ズの適合するサイクロデキストリンが見い出されること
が極めて難しく、食品の異臭についての効果的マスキン
グの実例は極めて少ない。
【0020】ところが、サイクロデキストリンは特異的
にクロレラ抽出物の異臭をマスキングし、特にミックス
タイプの分岐サイクロデキストリンがクロレラ抽出物の
異臭のマスキングに極めて効果的である。
【0021】すなわち、クロレラ抽出物含有飲料中のサ
イクロデキストリンの濃度は、0.3〜30重量%であ
ることが望ましい。さらに詳しくは、吸光度としてOD
260100〜400の範囲である濃縮タイプのクロレラ
抽出物含有飲料中のサイクロデキストリンの濃度は3〜
30%重量%であることがさらに望ましい。また、吸光
度としてOD260 10〜100の範囲である直接飲用す
る希釈タイプのクロレラ抽出物含有飲料中のサイクロデ
キストリンの濃度は、飲料の物性、製造コスト及び摂取
量等の観点から0.3〜7.5%重量%であることが望
ましい。
【0022】さらに、クロレラ抽出物の異臭を最も効果
的にマスキングするクロレラ抽出物とサイクロデキスト
リンの比率は、前記吸光度の強度とクロレラ抽出物含有
溶液の重量の積(OD260 値×重量部)100に対し、
サイクロデキストリン0.025〜0.050重量部の
比率である。
【0023】サイクロデキストリンの種類は、分岐鎖の
ない通常のサイクロデキストリン及び分岐鎖のある分岐
サイクロデキストリンのいずれでも良いが、溶解度の高
い分岐サイクロデキストリンがより好ましい。
【0024】サイクロデキストリンの環状鎖部分の構造
については、通常のサイクロデキストリン、分岐サイク
ロデキストリンともに、環状鎖を構成するグルコースの
数がそれぞれ6,7,8,9個に相当するα−、β−、
γ−、δ−サイクロデキストリンが用いられる。水溶性
の高さからはδ−、γ−、α−、β−サイクロデキスト
リンの順に好ましいが、供給価格と水溶性の両面を考慮
するとα−サイクロデキストリンが最も好ましい。
【0025】さらに、通常はミックス品と言われるα
−、β−、γ−の3種のサイクロデキストリンの2種以
上の混合品が価格面のみならず、複雑なクロレラ抽出物
成分と包接化合物を生成する機能の面からも好ましく、
なかでも分岐サイクロデキストリンのミックス品が好ま
しい。
【0026】すなわち、サイクロデキストリンと包接し
て包接化合物をつくる化合物分子には種々の大きさや特
性のものがあると想定される。従って、この化合物分子
が嵌め込まれサイクロデキストリンの環状鎖の直径や、
環状鎖内外の極性の程度が異なるものが共存することが
望まれるからである。
【0027】市販の食品用サイクロデキストリンはミッ
クスタイプのサイクロデキストリン又は分岐サイクロデ
キストリンに、さらに原料由来又は増量のための糖質が
含有されているが、本発明では、これらの市販の食品用
サイクロデキストリンを用いることができる。
【0028】例えば、分岐鎖のないサイクロデキストリ
ンとしては、塩水港精糖株式会社製のデキシーパールS
L−20(全サイクロデキストリン20重量%、マルト
ース45重量%、マルトトリオース20重量%)が用い
られる。分岐サイクロデキストリンとしては、例えば日
研化学株式会社製のイソエリートL(固形分70重量%
以上、マルトシルサイクロデキストリン50重量%以
上)が用いられる。この分岐サイクロデキストリンは、
サイクロデキストリンにマルトースが結合した構造を有
するマルトシル分岐サイクロデキストリンである。マル
トシル分岐サイクロデキストリンは、水に対する溶解度
が非分岐サイクロデキストリンに比べて格段に高い。
【0029】この分岐サイクロデキストリンの特徴は、
水に対する溶解度が非分岐サイクロデキストリンに比べ
て格段に向上することにあるが、注目されるのはさらに
その特異な分子構造から予想される非分岐サイクロデキ
ストリンと異なる包接特性である。すなわち、分岐サイ
クロデキストリンは立体構造にヒズミを生じ、側鎖部の
糖が空洞部にかぶさる形をとる可能性があるので、揮発
性の高い低分子量の異臭化合物がうまく空洞に入り込む
と、持続的に安定して取り込まれるのではないかと推定
される。
【0030】次に、クロレラ抽出物含有飲料の具体的な
製造方法について説明する。例えば、濃縮タイプのクロ
レラ抽出物含有飲料では、クロレラ抽出物として台湾産
のクロレラ抽出物含有溶液(東海緑藻工業株式会社製・
OD260 400)100重量部に対して、分岐サイクロ
デキストリン10〜20重量部(例えば、日研化学株式
会社製・イソエリートL20〜40重量部)を加えて攪
拌し、そこに植物エキス、甘味料、酸味料、香料、保存
料及びその他飲料製造用に使用される原料から選ばれる
少なくとも1種を加えて十分に攪拌混合する。次いで、
その混合液を濾過した後、全量を200重量部に調整す
る。分岐サイクロデキストリンの添加の時期は、例えば
その他の飲料用製造原料と同時であっても問題はない。
得られた濃縮タイプのクロレラ抽出物含有飲料を2〜2
0倍に希釈すれば、希釈タイプのクロレラ抽出物含有飲
料が得られる。
【0031】前記甘味料としては、砂糖、オリゴ糖、ブ
ドウ糖、果糖、異性化液糖、蜂蜜、グリチルリチン、ス
テビア、還元麦芽糖水飴等、香料としては、レモンフレ
ーバー、シトラスフレーバー等がふさわしい。
【0032】以上のようにこの実施形態によれば、次の
ような効果が発揮される。 ・ 実施形態のクロレラ抽出物含有飲料においては、サ
イクロデキストリンを含有することにより、クロレラ抽
出物に基づく異臭成分がサイクロデキストリンに包接さ
れ、クロレラ抽出物の異臭が効果的にマスキングされた
クロレラ抽出物含有飲料を提供することができる。 ・ 実施形態のクロレラ抽出物含有飲料においては、含
有するサイクロデキストリンが分岐型サイクロデキスト
リンであることにより、クロレラ抽出物の異臭マスキン
グがより完全で、安定したクロレラ抽出物含有飲料を提
供することができる。 ・ 実施形態のクロレラ抽出物含有飲料の製造方法にお
いては、クロレラ藻体を水系溶媒で抽出したクロレラ抽
出物を含有する溶液に、甘味料、香料、酸味料及びその
他の飲料用製造原料から選ばれる少なくとも1種及びサ
イクロデキストリンを加えて混合攪拌した後、クロレラ
抽出物及びサイクロデキストリンの濃度を調整すること
により行われる。
【0033】このため、クロレラ抽出物の異臭がマスキ
ングされたクロレラ抽出物含有飲料を容易に製造するこ
とができる。 ・ 実施形態のクロレラ抽出物含有飲料の製造方法にお
いては、クロレラ抽出物の濃度をOD260 10〜400
に、サイクロデキストリンの濃度を0.3〜30重量%
に調整することにより、クロレラ抽出物の異臭が完全
に、かつ安定してマスキングされたクロレラ抽出物含有
飲料を容易に製造することができる。
【0034】
【実施例】
(実施例1)クロレラ熱水抽出液(東海緑藻工業株式会
社製・OD260 400)を30g、分岐サイクロデキス
トリン(日研化学株式会社製・商品名イソエリートL、
固形分70重量%、固形分中の分岐サイクロデキストリ
ン50%)を13g(分岐サイクロデキストリンとして
4.55g)、還元麦芽糖水飴(日研化学株式会社製・
商品名マルビット)を18g、精製蜂蜜(アピ株式会社
製)を4ml、無水クエン酸を900mg、香料として
レモンエッセンス(高砂香料株式会社製)0.3g、そ
の他飲料用製造原料として山査子(サンザシ)エキス1
0g及び精製水150mlを加えて攪拌混合した。混合
溶液が澄明に溶解されたことを確認した後、精製水を加
えて全量を300gとした。これをNo. 5C濾紙(東
洋濾紙株式会社製)で濾過し、濾液を殺菌済みのガラス
容器に入れ、85℃で30分間殺菌した。
【0035】サンプルは5℃という低温の恒温室及び4
0℃という高温の恒温室に入れて保管し、2週間後の異
臭、不快臭の有無を官能評価試験した。その結果、両サ
ンプルともにほとんど異臭、不快臭が感じられず、有効
にマスキングされていた。
【0036】なお、クロレラ抽出物とサイクロデキスト
リンの比率は、0.0379であった(4.55/12
0)。 (実施例2)クロレラ熱水抽出液(東海緑藻工業株式会
社製・OD260 400)を30g、サイクロデキストリ
ン(塩水港精糖株式会社製・商品名デキシーパールSL
−20、サイクロデキストリンの固形分20%)を30
g(サイクロデキストリンとして6g)、還元麦芽糖水
飴(日研化学株式会社製・商品名マルビット)を12
g、精製蜂蜜(アピ株式会社製)を4ml、無水クエン
酸を930mg、香料としてレモンエッセンス(高砂香
料株式会社製)0.3g、その他飲料用製造原料として
山査子(サンザシ)エキス10g及び精製水150ml
を加えて攪拌混合した。混合溶液が澄明に溶解されたこ
とを確認した後、精製水を加えて全量を300gとし
た。これをNo. 5C濾紙(東洋濾紙株式会社製)で濾
過し、濾液を殺菌済みのガラス容器に入れ、85℃で3
0分間殺菌した。
【0037】サンプルは5℃という低温の恒温室及び4
0℃という高温の恒温室に入れて保管し、2週間後の異
臭、不快臭の有無を官能評価試験した。その結果、40
℃の恒温室で保存したサンプルでやや異臭が感じられた
が、サイクロデキストリン無添加のものと比較すると異
臭のマスキング効果がみられた。一方、5℃の恒温室で
保存したサンプルはほとんど異臭、不快臭が感じられ
ず、有効にマスキングされていた。
【0038】なお、クロレラ抽出物とサイクロデキスト
リンの比率は、0.05であった(6/120)。 (実施例3)クロレラ熱水抽出液(東海緑藻工業株式会
社製・OD260 400)を100g、分岐サイクロデキ
ストリン(日研化学株式会社製・商品名イソエリート
L、固形分70重量%、固形分中の分岐サイクロデキス
トリン50%)を33g(分岐サイクロデキストリンと
して11.55g)、精製蜂蜜(アピ株式会社製)を3
0g、無水クエン酸を2.5gを加えて攪拌混合した。
混合溶液が均一に溶解されたことを確認し、これをN
o. 5C濾紙(東洋濾紙株式会社製)で濾過し、濾液を
殺菌済みのガラス容器に入れ、85℃で30分間殺菌し
た。
【0039】サンプルは5℃という低温の恒温室及び4
0℃という高温の恒温室に入れて保管し、2週間後の異
臭、不快臭の有無を官能評価試験した。その結果、両サ
ンプルともに異臭、不快臭が感じられず、有効にマスキ
ングされていた。
【0040】なお、クロレラ抽出物とサイクロデキスト
リンの比率は、0.0289であった(11.55/4
00)。 (実施例4〜8)実施例3で製造したクロレラ抽出物含
有飲料30gに対して水を30g(実施例4)、60g
(実施例5)、120g(実施例6)、240g(実施
例7)、400g(実施例8)それぞれ加えて攪拌混合
した。混合溶液が均一に溶解されたことを確認し、これ
をNo. 5C濾紙(東洋濾紙株式会社製)で濾過し、濾
液を殺菌済みのガラス容器に入れ、85℃で30分間殺
菌した。
【0041】サンプルは5℃という低温の恒温室及び4
0℃という高温の恒温室に入れて保管し、2週間後の異
臭、不快臭の有無を官能評価試験した。その結果、全サ
ンプルともに異臭、不快臭が感じられず、有効にマスキ
ングされていた。
【0042】ちなみに、クロレラ抽出物とサイクロデキ
ストリンの比率は、いずれも0.029であった〔2.
1/(0.181×400)〕。なお、前記実施形態を
次のように変更して構成することも可能である。 ・ サイクロデキストリンとして、分岐サイクロデキス
トリン又は非分岐サイクロデキストリンをメチル化、ヒ
ドロキシメチル化等したサイクロデキストリンの誘導体
を単独で使用したり、分岐サイクロデキストリン又は非
分岐サイクロデキストリンとともに使用すること。 ・ サイクロデキストリンに澱粉等の他の成分を添加す
ること。
【0043】さらに、前記実施形態から把握される技術
的思想について以下に記載する。 ・ 前記サイクロデキストリンは、α−サイクロデキス
トリン、β−サイクロデキストリン及びγ−サイクロデ
キストリンから選ばれた2種以上の混合品である請求項
1に記載のクロレラ抽出物含有飲料。
【0044】このようなサイクロデキストリンの混合品
を使用した場合、クロレラ抽出物含有飲料のような複合
成分系のとき、より有効な異臭のマスキング効果を発揮
することができる。 ・ 前記分岐サイクロデキストリンは、サイクロデキス
トリンにマルトースが結合したマルトシル分岐サイクロ
デキストリンである請求項2に記載のクロレラ抽出物含
有飲料。
【0045】このように構成した場合、クロレラ抽出物
による異臭のマスキング効果を持続的かつ安定的に発揮
することができる。 ・ 前記クロレラ抽出物とサイクロデキストリンの比率
は、分光光度計の波長260nmにおける吸光度の強度
(OD260 )とクロレラ抽出物溶液の重量の積100に
対し、サイクロデキストリン0.025〜0.05重量
部である請求項1又は請求項2に記載のクロレラ抽出物
含有飲料。
【0046】このように構成した場合、クロレラ抽出物
の異臭をより効果的にマスキングすることができる。
【0047】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、次のような効果を発揮する。請求項1に記載のクロ
レラ抽出物含有飲料によれば、サイクロデキストリンを
含有することから、異臭が効果的にマスキングされたク
ロレラ抽出物含有飲料を提供することができる。
【0048】請求項2に記載のクロレラ抽出物含有飲料
によれば、分岐サイクロデキストリンを含有することか
ら、異臭がより効果的に、しかも持続的にマスキングさ
れたクロレラ抽出物含有飲料を提供することができる。
【0049】請求項3のクロレラ抽出物含有飲料の製造
方法によれば、クロレラ抽出物を含有する溶液に、所定
の添加物を加えてクロレラ抽出物及びサイクロデキスト
リンの濃度を調整することにより、異臭が効果的にマス
キングされたクロレラ抽出物含有飲料を容易かつ安価に
製造することができる。
【0050】請求項4のクロレラ抽出物含有飲料の製造
方法によれば、請求項3のクロレラ抽出物含有飲料の製
造方法におけるクロレラ抽出物の濃度をOD260 10〜
400で、かつサイクロデキストリンの濃度を0. 3〜
30重量%とすることにより、異臭がより効果的かつ持
続的にマスキングされたクロレラ抽出物含有飲料を容易
かつ安価に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08B 37/16 C08B 37/16

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サイクロデキストリンを含有するクロレ
    ラ抽出物含有飲料。
  2. 【請求項2】 前記サイクロデキストリンは分岐型サイ
    クロデキストリンである請求項1に記載のクロレラ抽出
    物含有飲料。
  3. 【請求項3】 クロレラ藻体を水系溶媒で抽出したクロ
    レラ抽出物を含有する溶液に、甘味料、香料、酸味料及
    びその他飲料用製造原料から選ばれる少なくとも1種及
    びサイクロデキストリンを加えて混合攪拌した後、クロ
    レラ抽出物及びサイクロデキストリンの濃度を調整する
    クロレラ抽出物含有飲料の製造方法。
  4. 【請求項4】 クロレラ抽出物の濃度が、分光光度計の
    波長260nmにおける吸光度の強度(OD260 )とし
    て10〜400であり、サイクロデキストリンの濃度が
    0.3〜30重量%である請求項3に記載のクロレラ抽
    出物含有飲料の製造方法。
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