JPH1146700A - 水抽出プロポリス及びその製造方法 - Google Patents

水抽出プロポリス及びその製造方法

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JPH1146700A
JPH1146700A JP9211033A JP21103397A JPH1146700A JP H1146700 A JPH1146700 A JP H1146700A JP 9211033 A JP9211033 A JP 9211033A JP 21103397 A JP21103397 A JP 21103397A JP H1146700 A JPH1146700 A JP H1146700A
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propolis
acidity
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Yoshio Tanaka
美穂 田中
Jun Kanae
純 金枝
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 pHの低下を抑制でき、乳濁及び沈澱を実質
的に防止でき、安定性の高い水抽出プロポリス及びその
製造方法を提供する。 【解決手段】 水抽出プロポリスは、pH6. 5を終点
とする逆滴定による酸度が0mN/g以下であり、かつ
pH7. 5を終点とする逆滴定による酸度が0mN/g
以上である。すなわち、逆滴定による酸度が0mN/g
となる滴定終点の範囲がpH6. 5〜7. 5である。ま
た、水抽出プロポリス溶液は、原料プロポリスに水を加
えて放置した後、固形分を分離除去して得られる水抽出
プロポリス液に、pH6. 5〜7. 5を終点とする逆滴
定による酸度と等しい当量のアルカリを加えて製造され
る。さらに、水抽出プロポリス粉末は、上記水抽出プロ
ポリス溶液から水溶媒を除去し、乾燥して製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水に対する溶解性
が高く、健康食品や医薬品等に有効に利用される水抽出
プロポリス及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プロポリスは蜜蜂の巣から採取される樹
脂状の物質であり、蜂ヤニとも呼ばれ、植物の樹脂等と
蜜蜂自身の分泌する唾液等が混ぜられたものである。プ
ロポリスの薬理効果は、抗菌作用や抗炎症作用、免疫増
強作用等が報告されているが、近年、プロポリスの水抽
出物に癌に対する顕著な抑制効果が認められ、注目され
ている〔鈴木郁功著「水抽出プロポリス」のガン・成人
病への効果(現代書林)〕。このプロポリスの水抽出物
を含む水抽出プロポリスは、通常、以下のように製造さ
れる。
【0003】すなわち、水抽出プロポリスは、粉砕され
た原料プロポリスを直接、又は有機溶媒で抽出した残渣
に約50℃の水を加えて浸漬させて、原料プロポリスの
水溶性成分を水相に移行させることにより製造される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来の
水抽出プロポリスは、水に対する溶解度が僅か固形分含
量で1重量%程度である。このため、健康食品や医薬品
業界等において所望されている高溶解度の水抽出プロポ
リスに対する期待に叶うことができない。このような低
い溶解度の水抽出プロポリスでは、清涼飲料水や医薬品
ドリンク等の液状製品として製品化する際に、乳濁、沈
澱化が生ずるため、商品価値を低下させる。
【0005】本発明者らは、先般上記の問題点を解決す
るため種々検討した結果、水抽出プロポリスにアルカリ
を加えてpHを中性付近に調整すると水抽出成分の溶解
性が向上することを見い出した。
【0006】しかし、アルカリを加えて中性付近に調整
された水抽出プロポリスは、溶液状態で保存すると徐々
にpHが下がり始めて溶液全体が乳濁し、沈澱が生成す
るため、濃度が高く、澄明で安定な水抽出プロポリス製
品を得ることはできない。
【0007】再度、アルカリを加えて中性付近に調整す
ると沈澱が溶解して再び澄明な溶液となるが、保存中に
また徐々にpHが下がり始めて溶液全体が乳濁し、さら
に沈澱が生成する。この様な方法を何度も繰り返してい
ると、やがてpHが下がりにくく沈澱を生成しにくい水
抽出プロポリスが得られる。
【0008】しかし、このような方法では、多数回のp
H調整と長期間の期日を要するだけでなく、調製された
水抽出プロポリス溶液の保存安定性をあらかじめ判定す
る方法がなく、製品の良否が不明なため、商品として提
供することができない。
【0009】さらに、この様な方法は繁雑な工程と長期
間を要するだけでなく、製品の品質も保証できないの
で、高濃度溶解性の水抽出プロポリスとその製造方法と
しては不適当である。
【0010】本発明の目的は上記の問題点を解決し、水
溶媒に溶解したとき、pHの低下を抑制でき、乳濁及び
沈澱を実質的に防止でき、安定性の高い水抽出プロポリ
ス及びその製造方法を提供することにある。その他の目
的は、水溶媒に溶解するとき、高濃度に溶解させること
ができる水抽出プロポリス及びその製造方法を提供する
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明の水抽出プロポリスにおい
ては、pH6. 5を終点とする逆滴定による酸度が0m
N/g以下であり、かつpH7. 5を終点とする逆滴定
による酸度が0mN/g以上であることを特徴とする。
【0012】請求項2に記載の発明の水抽出プロポリス
においては、逆滴定による酸度が0mN/gとなる滴定
終点の範囲がpH6. 5〜7. 5であることを特徴とす
る。請求項3に記載の発明の水抽出プロポリス溶液の製
造方法においては、原料プロポリスに水を加えた後、固
形分を分離除去して得られる水抽出プロポリス液に、p
H6. 5〜7. 5を終点とする逆滴定による酸度と等し
い当量のアルカリを加えることを特徴とする。
【0013】請求項4に記載の発明の水抽出プロポリス
粉末の製造方法においては、原料プロポリスに水を加え
た後、固形分を分離除去して得られる水抽出プロポリス
液に、pH6. 5〜7. 5を終点とする逆滴定による酸
度と等しい当量のアルカリを加え、その水抽出プロポリ
ス溶液から水溶媒を除去し、乾燥することを特徴とす
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
詳細に説明する。水に対して安定性の高い高濃度の水抽
出プロポリスは、pH6. 5を終点とする逆滴定による
酸度が0mN/g以下であり、かつpH7. 5を終点と
する逆滴定による酸度が0mN/g以上である。
【0015】ここで、逆滴定による酸度とは、弱酸性物
質を含む酸性の試料の溶液に過剰量の強アルカリ溶液を
加えた後に強酸溶液をもって中和滴定し、これらの滴定
値から弱酸性物質の試料を中和するに必要なアルカリ量
を求めることにより算出される弱酸の量をいう。
【0016】本発明においては、中性領域における前記
所定のpHを終点とする逆滴定によって求められるアル
カリの当量をもって、そのpHを終点とする水抽出プロ
ポリスの酸度と定義し、酸度は試料固形分1gあたりに
含まれる弱酸のミリ当量、すなわち「mN/g」を単位
として表す。
【0017】例えば、Sgの水抽出プロポリスを水に溶
解し、これにANの水酸化ナトリウム溶液(力価F1
Xmlを添加する。次に、この溶液をBNの塩酸(力価
2)で所定のpHを終点とする中和滴定を行うとき、
塩酸の滴定量がYmlである場合のこの試料の酸度は次
の計算式により求められる。
【0018】酸度=(XN ×Aml×F1 −YN ×Bml×
2 )/Sg ・mN/g ここで、S=10g、A=B=1N、F=1. 000、
2 =0. 998、終点のpH=7、X=20ml、Y
=12mlであるとすると、 酸度=(1×20×1. 000−1×12×0. 99
8)/10=0. 8024 すなわち、この試料のpH7を終点とする酸度は0. 8
024mN/gである。
【0019】ところで、原料プロポリスには、多種類の
有機酸やそのエステルが含まれ、これらの多くは水抽出
により水相へ移行される。これらの有機酸の多くは、水
に対する溶解度が極めて低く、特に酸性領域の水溶液中
においては、大部分が解離しないまま水不溶性の状態で
存在する。一般的に、単体の有機酸の場合、強アルカリ
例えば水酸化ナトリウムで中和されると実質的に全ての
有機酸はナトリウム塩に変換され、水に対して良く溶解
する。このときの水溶液の液性はアルカリ性を示す。
【0020】従って、水抽出プロポリス製品の乳濁と沈
澱の生成が、水抽出プロポリス中に多量に含有される弱
酸によるものであるとすれば、その弱酸を中和してナト
リウム塩とすれば、これを防止できるものと考えられ
る。
【0021】ところが実験によると、原料プロポリスを
中和する過程で有機酸がまだ残存しているpH8を越え
る点から、再び乳濁を生じて澄明な溶液が得られなくな
る。この原因としては、原料プロポリス中の主に塩基性
の化合物の溶解性が低下することにより、乳濁化するも
のと推定される。
【0022】さらに、健康食品としてはpH8以上のア
ルカリ性の強い製品が好ましくないことから、単にプロ
ポリス中の有機酸を中和するだけでは本発明の目的は達
成されない。
【0023】そこで、経時的に安定なpHが得られる領
域に到達させるに必要なアルカリ量を、前述の逆滴定に
より測定することにより、安定で高溶解度を示す水抽出
プロポリスの酸度を特定することができる。
【0024】すなわち、pH6. 5を終点とする逆滴定
による酸度が0mN/g以下であり、かつpH7. 5を
終点とする逆滴定による酸度が0mN/g以上である請
求項1に記載の水抽出プロポリスが水溶媒に対し高い溶
解度と安定性を有する。また、逆滴定による酸度が0m
N/gとなる滴定終点の範囲がpH6. 5〜7. 5であ
る請求項2に記載の水抽出プロポリスが水溶媒に対し高
い溶解度と安定性を有する。このような条件に従って、
水抽出プロポリスを調製するのに必要なアルカリ量を逆
滴定により求めることができる。
【0025】ここで、請求項1では水抽出プロポリスの
pH6. 5とpH7. 5の2終点の逆滴定の酸度によ
り、請求項2では水抽出プロポリスの酸度が0mN/g
となるpHにより、水抽出プロポリスの弱酸含有量の範
囲を特定するものである。
【0026】また、水抽出プロポリス溶液は、原料プロ
ポリスに水を加えた後、固形分を分離除去して得られる
水抽出プロポリス液に、pH6. 5〜7. 5を終点とす
る逆滴定による酸度と等しい当量のアルカリを加えるこ
とにより製造することができる。
【0027】ここで用いられるプロポリスの水抽出溶液
は、原料プロポリスに水を加えて水に可溶成分を抽出し
た抽出液そのもの、又はこの抽出液を乾燥し、粉末化し
たものを再度水に溶解した溶解液が用いられる。これら
のいずれも、目的とする物性を有する水抽出プロポリス
溶液を製造することができる。
【0028】プロポリスとしては、不純物の少ないプロ
ポリスであれば、如何なる産地のプロポリスでも用いら
れるが、抽出率の高いブラジル産プロポリスが経済的に
も品質的にも好ましい。
【0029】原料プロポリスは予め粉砕し、必要により
エタノールで軽く抽出したものが水抽出プロポリスの製
造に適している。粉砕は抽出効率を高めるために必要で
あり、エタノール抽出による前処理は、天然素材である
原料プロポリスを無菌化し、不純物を除去する効果とプ
ロポリス原塊をほぐして水による抽出を容易にする効果
がある。用いられるエタノールは出来るだけ濃度の高い
ことが好ましく、例えば95〜100容量%であること
が好ましい。これは、原料プロポリス中の水可溶成分の
溶出を少なくするためである。
【0030】なお、水抽出プロポリス溶液の製造に使用
されるアルカリとしては、溶解度の高い塩をつくるナト
リウム、カリウムの水酸化物が好ましく、例えば水酸化
ナトリウム又は水酸化ナトリウムが用いられる。医薬
品、健康食品の原料としては、水酸化ナトリウムが最も
適している。
【0031】次に、水抽出プロポリス粉末は、前述した
請求項3に記載の方法により製造された水抽出プロポリ
ス溶液から水を除去乾燥することによる請求項4に記載
の方法で製造することができる。
【0032】水を除去、乾燥する方法としては、如何な
る方法でも採用できるが、天然素材であるプロポリス中
の有効成分を損なわないために、減圧濃縮若しくは凍結
乾燥又はそれらの組み合わせを採用することが好まし
い。
【0033】このようにして、水抽出プロポリスは、p
H6.5を終点とする逆滴定による酸度が0mN/g以
下であり、かつpH7.5を終点とする逆滴定による酸
度が0mN/g以上の範囲に酸度が調整される。この水
抽出プロポリスは、従来の水抽出プロポリス溶液製品の
限度の1重量%をはるかに凌ぐ30重量%という高濃度
にまで水溶液中の固形分含量を高めることができる。
【0034】例えば、pH6.8を終点とする酸度が
0.778mN/gの水抽出プロポリス粉末200g
(固形分)を600gの水に分散し、1Nの水酸化ナト
リウム溶液156mlを添加した後、さらに水を加えて
1000gとして20重量%に調製した本発明の水抽出
プロポリス溶液は、p H6.5を終点とする酸度がマイ
ナス0.091mN/gであり、p H7.5を終点とす
る酸度がプラス0.232mN/gであった。この水抽
出プロポリスは、3か月の低温室保存下においても、濁
り及び沈殿物の生成は全く観察されない。
【0035】これに対して、本発明の方法によらないで
調製された水抽出プロポリス溶液は、短期間にpHが低
下し、多量の沈殿物と濁りを発生する。例えば、前記と
同じpH6.8を終点とする酸度が0.778mN/g
の水抽出プロポリス粉末200g(固形分)を600g
の水に分散し、1Nの水酸化ナトリウム溶液を加えてp
H6.8とした。加えた1Nの水酸化ナトリウム溶液の
量は、140mlであった。これに、さらに水を加えて
1000gとして20重量%に調整した水抽出プロポリ
ス溶液は、調製時には一時的に透明な水抽出プロポリス
溶液であった。この水抽出プロポリス溶液は、pH6.
5を終点とする酸度がプラス0.013mN/gであ
り、p H7.5を終点とする酸度がプラス0.323m
N/gであった。この水抽出プロポリス溶液は、僅か3
週間の低温室保存で多量の濁りと沈殿物の生成し、pH
は6.4に低下していた。
【0036】すなわち、安定性のある高溶解度物性を有
する水抽出プロポリスは、本発明の酸度範囲のものだけ
であり、これを製造するには、原料となるプロポリス水
抽出液のpH6.5を終点とする逆滴定による酸度から
pH7.5を終点とする逆滴定による酸度までの範囲に
相当する当量のアルカリを加える方法によらなければな
らない。
【0037】水抽出プロポリス中の有機酸を完全に中和
するに要するアルカリ量は、pH6.5〜7.5を終点
とする逆滴定で求められる酸度に相当するアルカリ当量
よりはるかに大きい。すなわち、水抽出プロポリスの滴
定曲線について完全中和点と推定されるpH9付近まで
中和するに要するアルカリ量は、pH6.5〜7.5を
終点とする逆滴定で求められる酸度に相当するアルカリ
当量のおよそ1.8〜2.6倍量となる。
【0038】このことから、本発明の高溶解度を有する
水抽出プロポリス中には、総有機酸量のおよそ2分の1
量はアルカリ塩とはならず、遊離の酸として存在してい
るものと推定される。
【0039】すなわち、本発明は溶解度が低く、乳濁と
沈殿の原因と考えられる遊離の有機酸の相当量が存在し
ながら、透明で安定性のある高溶解度水抽出プロポリス
とその製造方法を提供するものである。
【0040】高濃度の水抽出プロポリスについて、乳濁
と沈殿の発生しない酸度範囲は原料プロポリスの組成に
よっても異なるが、通常は、pH6.5を終点とする逆
滴定による酸度が0mN/g以下であり、かつpH7.
5を終点とする逆滴定による酸度が0mN/g以上であ
る酸度の範囲にある。
【0041】上記の酸度範囲を有する水抽出プロポリス
の溶液のpHは、およそ6.5〜7.5となる。ところ
で、本発明の水抽出プロポリスは健康食品、医薬品、化
粧品等に用いられるものであるから、アルカリ性の製品
は好ましくない。さらに、原料プロポリスによっては溶
液のpHが8を超えると乳濁や沈殿を生じるものがあ
る。
【0042】以上のことから、本発明の水抽出プロポリ
スの酸度の好ましい範囲は、pH6.5を終点とする逆
滴定による酸度が0mN/g以下であり、かつpH7.
5を終点とする逆滴定による酸度が0mN/g以上であ
り、さらに好ましくはpH6.8を終点とする逆滴定に
よる酸度が0mN/g以下であり、かつpH7.0を終
点とする逆滴定による酸度が0mN/g以上の水抽出プ
ロポリスである。
【0043】本発明の水抽出プロポリスは溶液とすると
き、pH6.5〜7.5の中性領域を安定に保持するこ
とが出来、さらに酸度を調整すればpH6.8〜7.0
の酸性側の高溶解度の水抽出プロポリスが提供される。
【0044】本発明の水抽出プロポリスは、水溶液又は
粉末の形態で提供される。水溶液の形態で提供される製
品は、必要により無菌製品とし冷蔵保管するか、又は適
切な静菌剤を併用して保管するのが好ましい。粉末の形
態で提供される水抽出プロポリス製品は微生物対策が容
易であるばかりでなく、運送、保管及び加工に便利であ
る。
【0045】水溶液の形態で提供される水抽出プロポリ
ス製品の原料として、原料プロポリスを水に浸漬して固
形残渣を除去し、必要により濃縮したものが用いられる
他に、粉末化された水抽出プロポリスを無菌水で所望の
濃度に溶解したものを用いることもできる。
【0046】粉末の形態で提供される水抽出プロポリス
製品は、原料プロポリスを抽出して得られる水抽出プロ
ポリス溶液を、そのまま或いは適当な濃度に濃縮した後
に、凍結乾燥、噴霧乾燥等の方法で水分を除去し、必要
に応じて、粉砕、篩分けして粉末化される。
【0047】このようにして調製された水抽出プロポリ
スの製品は、例えば加工され、賦形剤等の他成分が含有
されている場合においても、製品中の可溶性の全固形分
を基準とする酸度によって溶解物性が決まるので、本発
明の各請求項の規定を適用することができる。
【0048】なお、水抽出プロポリス溶液中に残存する
有機酸量は、当初の有機酸量に対して、平衡状態で通常
12. 8%以下であり、その場合濁り及び沈澱物の発生
を実質的に防止できる高溶解度の水抽出プロポリス溶液
を得ることができる。
【0049】以上のように、この実施形態によれば、次
のような効果が発揮される。 ・ 実施形態の水抽出プロポリスにおいては、pH6.
5を終点とする逆滴定による酸度が0mN/g以下であ
り、かつpH7. 5を終点とする逆滴定による酸度が0
mN/g以上であることから、水抽出プロポリスの高溶
解度溶液の安定性を酸度により確認できる。従って、水
抽出プロポリスを含む水溶液のpHの低下を抑制でき、
乳濁と沈澱を実質的に防止でき、安定性の高い水抽出プ
ロポリスを提供することができる。 ・ 実施形態の水抽出プロポリスにおいては、逆滴定に
よる酸度が0mN/gとなる滴定終点の範囲がpH6.
5〜7. 5であることから、前記の効果を有効に発揮す
ることができる。 ・ 実施形態の水抽出プロポリス溶液の製造方法におい
ては、原料プロポリスに水を加えて放置した後、固形分
を分離除去して得られる水抽出プロポリス液に、pH
6. 5〜7. 5を終点とする逆滴定による酸度と等しい
当量のアルカリを加えることにより、所望の水抽出プロ
ポリス溶液を効率良く得ることができる。 ・ 実施形態の水抽出プロポリス粉末の製造方法におい
ては、水抽出プロポリス溶液から水溶媒を除去し、乾燥
して粉末化することから、容易に水抽出プロポリス粉末
を得ることができる。さらに、この水抽出プロポリス粉
末を水溶媒に溶解すると、前記と同様に安定性の高い高
濃度の水抽出プロポリス溶液とすることができる。
【0050】
【実施例】
(参考例1)ブラジル産プロポリスの原塊10kgを粉
砕し、平均直径をおよそ5mm程度の粒状にする。これに
水60kgを加え24時間放置した後、攪拌しながら熱
水40kgを加えて約40℃にて6時間攪拌した。
【0051】上澄液を粗濾過用のポリエステル布で濾過
して抽出液を回収した。抽出残渣に40℃の温水30k
gを加えて1時間攪拌した後、バスケット型遠心分離器
で洗液を回収した。
【0052】上澄液と沈液を合わせて多段加圧式濾過器
にて濾過し、115kgの澄明な水抽出プロポリス溶液
を得た。この溶液の固形分濃度は0.85%で、pH
6.5を終点とする酸度は0.69mN/gで、pH
7.5を終点とする酸度は1.10mN/gであった。 (参考例2)参考例1の水抽出プロポリス溶液50kg
を40℃にて約25kgになるまで減圧濃縮し、1kg
ずつをトレイに分注して凍結させた後、凍結乾燥機にて
凍結乾燥して乾燥粉末408gを得た。
【0053】この粉末の水分は0.5%、pH6.5を
終点とする酸度は0.71mN/gで、pH7.5を終
点とする酸度は1.11mN/gであった。 (参考例3)ブラジル産プロポリスの原塊10kgを粉
砕し、平均直径をおよそ5mm程度の粒状にした。これに
95容量%のエタノール40リットルを加えて48時間
放置した後、軽く攪拌し上澄液を分離除去した。得られ
た、エタノール洗浄済みのプロポリス原塊に温水100
kgを添加し、軽く攪拌しながら1昼夜放置した。上澄
液を粗濾過用のポリエステル布で濾過して抽出液を回収
する。さらに、抽出残渣に40℃の温水30kgを加え
て1時間攪拌した後、バスケット型遠心分離器で洗液を
回収した。
【0054】上澄液と洗液を合わせて多段加圧式濾過器
にて濾過して120kgの澄明な水抽出プロポリス溶液
を得た。この溶液の固形分濃度は0.80%で、pH
6.5を終点とする酸度は0.74mN/gで、pH
7.5を終点とする酸度は1.20mN/gであった。 (参考例4)参考例3の水抽出プロポリス溶液50kg
を40℃にて約25kgになるまで減圧濃縮し、1kg
ずつをトレイに分注し凍結させた後、凍結乾燥機にて凍
結乾燥して乾燥粉末390gを得た。
【0055】この粉末の水分は0.7%、pH6.5を
終点とする酸度は0.73mN/gで、pH7.5を終
点とする酸度は1.01mN/gであった。 (参考例5)中国産プロポリスの原塊10kgを粉砕
し、平均直径をおよそ5mm程度の粒状にする。これに水
60kgを加え24時間放置した後、攪拌しながら熱水
40kgを加えて約40℃にて6時間攪拌した。
【0056】上澄液を粗濾過用のポリエステル布で濾過
して抽出液を回収した。抽出残渣にさらに40℃の温水
30kgを加えて1時間攪拌した後、バスケット型遠心
分離器で洗液を回収する。上澄液と洗液を合わせて多段
加圧式濾過器にて濾過して110kgの澄明な水抽出プ
ロポリス溶液を得た。
【0057】この溶液の固形分濃度は0.22%で、p
H6.5を終点とする酸度は0.76mN/gで、pH
7.5を終点とする酸度は1.25mN/gであった。 (参考例6)ウルガイ産プロポリスの原塊10kgを粉
砕し、平均直径をおよそ5mm程度の粒状にした。これに
95容量%のエタノール40リットルを加えて48時間
放置した後、軽く攪拌し上澄液を分離除去した。得られ
た、エタノール洗浄済みのプロポリス原塊に温水100
kgを添加し軽く攪拌しながら1昼夜放置した。上澄液
を粗濾過用のポリエステル布で濾過して抽出液を回収し
た。さらに、抽出残渣に40℃の温水30kgを加えて
1時間攪拌した後、バスケット型遠心分離器で洗液を回
収した。
【0058】上澄液と洗液を合わせて多段加圧式濾過器
にて濾過して112kgの澄明な水抽出プロポリス溶液
を得た。この溶液の固形分濃度は0.25%で、pH
6.5を終点とする酸度は0.66mN/gで、pH
7.5を終点とする酸度は1.02mN/gであった。
【0059】得られた水抽出プロポリス溶液50kgを
40℃にて約10kgになるまで減圧濃縮し、1kgづ
つをトレイに分注し凍結させた後、凍結乾燥機にて凍結
乾燥して乾燥粉末118gを得た。
【0060】この粉末の水分は0.8%、pH6.5を
終点とする酸度は0.66mN/gで、pH7.5を終
点とする酸度は1.01mN/gであった。 (実施例1)参考例1の水抽出プロポリス溶液10kg
に1Nの水酸化ナトリウム65mlを添加した後、40
℃以下にて減圧濃縮して全量を0.425kgとして固
形分濃度を20%の澄明な水抽出プロポリス溶液を得
た。1Nの水酸化ナトリウム65mlは、pH6.7を
終点とする酸度に相当するアルカリ当量である。調製直
後のpHは6.9で、その後、pHは徐々に低下して2
日後にはpH6.7となった。
【0061】この水抽出プロポリス溶液は、pH6.5
を終点とする酸度がマイナス0.059mN/gであ
り、pH7.5を終点とする酸度がプラス0.264m
N/gであった。この水抽出プロポリス溶液は、5℃に
3週間保存後のpHは6.7を保ち、3か月間の低温室
に保存したが、濁り及び沈澱物の生成は全く認められな
かった。 (比較例1)参考例1の水抽出プロポリス溶液10kg
を40℃以下にて減圧濃縮して固形分濃度20%に調整
して全量を0.425kgとした。この溶液は、液温が
下がるに応じて乳濁と沈澱が始まり、澄明な溶液となら
なかった。この乳濁溶液のpH6.5を終点とする酸度
はプラス0.70mN/gで、pH7.5を終点とする
酸度はプラス1.12mN/gであった。
【0062】次に、参考例1の水抽出プロポリス溶液1
0kgに1Nの水酸化ナトリウム50mlを添加した
後、40℃以下にて減圧濃縮して全量を約0.4kgと
した。さらに、1Nの水酸化ナトリウムを加えてpHを
6.7に調整後、水を加えて固形分濃度20%の澄明な
水抽出プロポリス溶液0.425kgを得た。1Nの水
酸化ナトリウムの添加総量は53.5mlであった。
【0063】この水抽出プロポリス溶液は、pH6.5
を終点とする酸度がプラス0.029mN/gであり、
pH7.5を終点とする酸度がプラス0.352mN/
gであった。この水抽出プロポリス溶液は、5℃に3週
間保存後にはpHが6.3に下がり強い乳濁を生じ、沈
澱が発生した。 (実施例2)1Nの水酸化ナトリウム85mlを添加し
た水酸化ナトリウム水溶液4kgに、参考例2の水抽出
プロポリス粉末1kgを攪拌しながら徐々に加えて溶解
して固形分濃度20%の澄明な水抽出プロポリス溶液を
得た。1Nの水酸化ナトリウム85mlは、pH6.8
を終点とする酸度に相当するアルカリ当量である。調整
直後のpHは7.0で、その後、pHは徐々に低下して
1日後にはpH6.8となった。
【0064】この水抽出プロポリス溶液の、酸度が0m
N/gとなる逆滴定の終点pHは6.8であった。この
水抽出プロポリス溶液は、5℃に3週間保存後のpHは
6.8を保ち、3か月間の低温室に保存したが、濁り及
び沈澱物の生成は全く認められなかった。
【0065】得られた水抽出プロポリス溶液1kgを凍
結乾燥して水抽出プロポリス198gを得た。この水抽
出プロポリス粉末は、pH6.5を終点とする酸度がマ
イナス0.93mN/gであり、pH7.5を終点とす
る酸度がプラス0.230mN/gであった。この水抽
出プロポリス溶液は、5℃に3週間保存後のpHは6.
8を保ち、3か月間の低温室に保存したが、濁り及び沈
澱物の生成は全く認められなかった。 (比較例2)参考例2の水抽出プロポリス粉末1kgに
水4kgを加えて攪拌したところ、澄明な固形分濃度2
0%水溶液となった。しかし、5℃に1日保存したとこ
ろ激しい乳濁と多量の沈澱が発生した。
【0066】次に、1Nの水酸化ナトリウム50mlを
添加した水酸化ナトリウム水溶液4kgに、参考例2の
水抽出プロポリス粉末1kgを攪拌しながら徐々に加え
て溶解し、さらに1Nの水酸化ナトリウムを加えてpH
を6.8に調整後、水を加えて固形分濃度20%の澄明
な水抽出プロポリス溶液を得た。1Nの水酸化ナトリウ
ムの添加総量は65.8mlであった。
【0067】この水抽出プロポリス溶液の、酸度が0m
N/gとなる逆滴定の終点pHは6.4であった。ま
た、この水抽出プロポリス溶液は、5℃に3週間保存後
にはpHが6.4に下がり、強い乳濁を生じ、沈澱が発
生した。 (実施例3)参考例3の水抽出プロポリス溶液10kg
に1Nの水酸化ナトリウム67.3mlを添加した後、
40℃以下にて減圧濃縮して全量を0.40kgとして
固形分濃度20%の澄明な水抽出プロポリス溶液を得
た。1Nの水酸化ナトリウム67.3mlはpH7.0
を終点とする酸度に相当するアルカリ当量である。調製
直後のpHは7.2で、その後、pHは徐々に低下して
1日後にはpH7.0となった。
【0068】この水抽出プロポリス溶液は、pH6.5
を終点とする酸度がマイナス0.105mN/gであ
り、pH7.5を終点とする酸度がプラス0.169m
N/gであった。この水抽出プロポリス溶液は、5℃に
3週間保存後のpHは6.7を保ち、3か月間の低温室
に保存したが、濁り及び沈澱物の生成は全く認められな
かった。
【0069】この水抽出プロポリス溶液0.2kgを凍
結乾燥して水抽出プロポリス40gを得た。この水抽出
プロポリス粉末は、pH6.5を終点とする酸度がマイ
ナス0.103mN/gであり、pH7.5を終点とす
る酸度がプラス0.170mN/gであった。この水抽
出プロポリス溶液は、5℃に3週間保存後のpHは6.
7を保ち、3か月間の低温室に保存したが、濁り及び沈
澱物の生成は全く認められなかった。 (比較例3)参考例1の水抽出プロポリス溶液10kg
に1Nの水酸化ナトリウム50mlを添加した後、40
℃以下にて減圧濃縮して全量を約0.4kgとした。さ
らに、1Nの水酸化ナトリウムを加えてpHを6.7に
調整後、水を加えて固形分濃度20%の澄明な水抽出プ
ロポリス溶液を得た。1Nの水酸化ナトリウムの添加総
量は53.5mlであった。
【0070】この水抽出プロポリス溶液は、pH6.5
を終点とする酸度がプラス0.029mN/gであり、
pH7.5を終点とする酸度がプラス0.352mN/
gであった。この水抽出プロポリス溶液は、5℃に3週
間保存後にはpHが6.3に下がり、強い乳濁を生じ、
沈澱が発生した。 (実施例4)1Nの水酸化ナトリウム10.1mlを添
加した水酸化ナトリウム水溶液400gに、参考例4の
水抽出プロポリス粉末100gを攪拌しながら徐々に加
えて溶解して固形分濃度20%の澄明な水抽出プロポリ
ス溶液を得た。1Nの水酸化ナトリウム10.1mlは
pH6.8を終点とする酸度に相当するアルカリ当量で
ある。調製直後のpHは7.0で、その後、pHは徐々
に低下して1日後にはpH6.8となった。
【0071】この水抽出プロポリス溶液の、酸度が0m
N/gとなる逆滴定の終点pHは6.8であった。この
水抽出プロポリス溶液は、5℃に3週間保存後のpHは
6.8を保ち、3か月間の低温室に保存したが、濁り及
び沈澱物の生成は全く認められなかった。 (比較例4)1Nの水酸化ナトリウム5mlを添加した
水酸化ナトリウム水溶液400gに、参考例4の水抽出
プロポリス粉末100gを攪拌しながら徐々に加えて溶
解し、さらに1Nの水酸化ナトリウムを加えてpHを
6.8に調整後、水を加えて固形分濃度20%の澄明な
水抽出プロポリス溶液を得た。1Nの水酸化ナトリウム
の添加総量は6.8mlであった。
【0072】この水抽出プロポリス溶液の、酸度が0m
N/gとなる逆滴定の終点pHは6.4であった。この
水抽出プロポリス溶液は、5℃の3週間保存後にはpH
が6.4に下がり、強い乳濁を生じ、沈澱が発生した。 (実施例5)参考例5の水抽出プロポリス溶液50kg
に1Nの水酸化ナトリウム92mlを添加した後、40
℃以下にて減圧濃縮して全量を0.55kgとして固形
分濃度20%の澄明な水抽出プロポリス溶液を得た。1
Nの水酸化ナトリウム92mlはpH7.0を終点とす
る酸度に相当するアルカリ当量である。調製直後のpH
は7.2で、その後、pHは徐々に低下して24時間後
にはpH7.0となった。
【0073】この水抽出プロポリス溶液は、pH6.5
を終点とする酸度がマイナス0.159mN/gであ
り、pH7.5を終点とする酸度がプラス0.210m
N/gであった。この水抽出プロポリス溶液は、5℃に
3週間保存後のpHは7.0を保ち、3か月間の低温室
に保存したが、濁り及び沈澱物の生成は全く認められな
かった。 (比較例5)参考例5の水抽出プロポリス溶液50kg
に1Nの水酸化ナトリウム50mlを添加した後、40
℃以下にて減圧濃縮して全量を0.5kgとした。さら
に、1Nに水酸化ナトリウムを加えてpHを7.0に調
整後、水を加えて固形分濃度20%の澄明な水抽出プロ
ポリス溶液を得た。1Nの水酸化ナトリウムの添加総量
は63.5mlであった。
【0074】この水抽出プロポリス溶液は、pH6.5
を終点とする酸度がプラス0.018mN/gであり、
pH7.5を終点とする酸度がプラス0.366mN/
gであった。この水抽出プロポリス容液は、5℃に3週
間保存後にはpHが6.4に下がって強い乳濁を生じ、
沈澱が発生した。 (実施例6)参考例6の水抽出プロポリス溶液50kg
に1Nの水酸化ナトリウム97mlを添加した後、40
℃以下にて減圧濃縮して全量を0.625kgとして固
形分濃度20%の澄明な水抽出プロポリス溶液を得た。
1Nの水酸化ナトリウム97mlはpH6.8を終点と
する酸度に相当するアルカリ当量である。調製直後のp
Hは7.0で、その後、pHは徐々に低下して24時間
後にはpH6.8となった。
【0075】この水抽出プロポリス溶液は、pH6.5
を終点とする酸度がマイナス0.091mN/gであ
り、pH7.5を終点とする酸度がプラス0.224m
N/gであった。この水抽出プロポリス溶液は、5℃に
3週間保存後のpHは6.8を保ち、3か月間の低温室
に保存したが、濁り及び沈澱物の生成は全く認められな
かった。 (比較例6)参考例6の水抽出プロポリス溶液50kg
に1Nの水酸化ナトリウム50mlを添加した後、40
℃以下にて減圧濃縮して全量を約0.6kgとした。さ
らに、1Nの水酸化ナトリウムを加えてpHを6.8に
調整後、水を加えて固形分濃度20%の澄明な水抽出プ
ロポリス溶液を得た。1Nの水酸化ナトリウム12添加
総量は77.5mlであった。
【0076】この水抽出プロポリス溶液は、pH6.5
を終点とする酸度がプラス0.022mN/gであり、
pH7.5を終点とする酸度がプラス0.355mN/
gであった。この水抽出プロポリス溶液は、5℃に3週
間保存後にはpHが6.3に下がって強い乳濁を生じ、
沈澱が発生した。
【0077】次に、前記実施形態から把握される技術的
思想について以下に記載する。 ・ 逆滴定による酸度が0mN/gとなる滴定終点の範
囲がpH6. 5〜7. 0である水抽出プロポリス。
【0078】このように水抽出プロポリスの酸度を設定
すると、水抽出プロポリスの水溶液はpH7. 0以下で
あるので健康食品・医薬品等の用途に用いる場合に有効
である。 ・ 残存する有機酸量が当初の有機酸量に対して、平衡
状態で12. 8%以下である水抽出プロポリス溶液。
【0079】このように構成した場合、濁り及び沈澱物
の発生を実質的に防止できる高溶解度の水抽出プロポリ
ス溶液を得ることができる。 ・ 水抽出プロポリスが水溶媒に溶解され、逆滴定によ
る酸度が0mN/gとなる滴定終点の範囲がpH6. 5
〜7. 5である水抽出プロポリス溶液。
【0080】このように構成した場合、pHの低下を抑
制でき、乳濁と沈澱を実質的に防止でき、安定性を向上
させることができる。
【0081】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
次のような効果を奏する。請求項1に記載の発明の水抽
出プロポリスによれば、水溶媒に対する水抽出プロポリ
スの高溶解度溶液の安定性を酸度により確認でき、pH
の低下を抑制できるとともに、乳濁及び沈澱を実質的に
防止でき、安定性の高い高濃度の水抽出プロポリスを提
供することができる。
【0082】請求項2に記載の発明の水抽出プロポリス
によれば、逆滴定による酸度が0mN/gとなる滴定終
点の範囲がpH6. 5〜7. 5であることから、請求項
1に記載の発明の効果を効果的に発揮することができ
る。
【0083】請求項3に記載の発明の水抽出プロポリス
溶液の製造方法によれば、請求項1に記載の発明の効果
を発揮できる所望の水抽出プロポリス溶液を効率的に得
ることができる。
【0084】請求項4に記載の発明の水抽出プロポリス
粉末の製造方法によれば、水抽出プロポリス溶液から水
溶媒を除去し、乾燥して粉末化することから、運搬や携
帯に便利で加工特性の良い高溶解性の水抽出プロポリス
粉末を容易に製造することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 pH6. 5を終点とする逆滴定による酸
    度が0mN/g以下であり、かつpH7. 5を終点とす
    る逆滴定による酸度が0mN/g以上である水抽出プロ
    ポリス。
  2. 【請求項2】 逆滴定による酸度が0mN/gとなる滴
    定終点の範囲がpH6. 5〜7. 5である水抽出プロポ
    リス。
  3. 【請求項3】 原料プロポリスに水を加えた後、固形分
    を分離除去して得られる水抽出プロポリス液に、pH
    6. 5〜7. 5を終点とする逆滴定による酸度と等しい
    当量のアルカリを加える水抽出プロポリス溶液の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 原料プロポリスに水を加えた後、固形分
    を分離除去して得られる水抽出プロポリス液に、pH
    6. 5〜7. 5を終点とする逆滴定による酸度と等しい
    当量のアルカリを加え、その水抽出プロポリス溶液から
    水溶媒を除去し、乾燥する水抽出プロポリス粉末の製造
    方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8978531B2 (en) 2007-06-20 2015-03-17 Grenzebach Maschinenbau Gmbh Separating device for an assembly line type production line

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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