JPH1146638A

JPH1146638A - 釣用リールの逆転防止装置

Info

Publication number: JPH1146638A
Application number: JP22303497A
Authority: JP
Inventors: Takeshi Matsubara; 毅松原; Shinichi Kawamura; 真一河村
Original assignee: Mamiya OP Co Ltd
Current assignee: Mamiya OP Co Ltd
Priority date: 1997-08-05
Filing date: 1997-08-05
Publication date: 1999-02-23

Abstract

(57)【要約】【課題】本発明の目的は、逆転防止装置において、
汎用性に富むクラッチ手段の環状外枠を提供すること。【解決手段】リールボディ１とロータ回転軸５との間
に介在させたクラッチ手段１４によって、該ロータ回転
軸５の回転を選択的に規制し得るように構成された釣用
リールの逆転防止装置であって、クラッチ手段１４の外
周形状を表裏対称形状とし、リールボディ１に形成され
たクラッチ手段１４の装着部の内周形状もクラッチ手段
１４の外周形状に対応した形状とした釣用リールの逆転
防止装置。【効果】本発明によれば、部品組付時の自由度が増
し、さらに、右回転用及び左回転用の両タイプの装置の
仕様変更等に対しても有効に対応可能であり、極めて汎
用性に優れたリールを実現することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、特にスピニングリ
ールにおけるロータの回転方向を規制制御する逆転防止
装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来たとえば、スピニングリールにおい
て、ロータ回転軸に対して、転がり部材を楔作用させ
て、逆転防止状態に切り換えられる逆転防止装置が開発
されている。この逆転防止装置として、特開昭平６−２
２５６７３号公報に開示されているようなものがある。
この逆転防止装置は、環状保持体のガイド溝にころがり
部材を嵌合させて前後移動を規制させ、前記環状保持体
にて外方移動を規制させ、このことにより、ころがり部
材をカラーに対して楔作用せることにより逆転防止機能
をもたせた装置である。この逆転防止装置によって、ユ
ニット化されたクラッチ機構が得られ、利便性に優れた
ものとなった。

【０００３】しかし、ころがり部材の外方移動を規制す
る環状外枠は内周壁の形状が独特であり、製作に精密さ
が要求され、結果的に製造コストも高くなる。従って、
できるだけ他への適用が可能にしておくことで、すなわ
ち、左回転用及び右回転用のリールにも適応できるよう
な汎用性を確保することで、コスト的に優位なものとな
る。上述した従来の環状外枠はその点で汎用性に劣るも
のであった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
の解決を意図したものである。すなわち、本発明の目的
は、逆転防止装置において、汎用性に富む環状外枠を提
供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】しかして、本発明者等
は、このような課題に対して、鋭意研究を重ねた結果、
環状外枠はリール本体に嵌め込んで取り付けられるもの
であることから、その外形を表裏対称とすることによ
り、左回転用及び右回転用の両リールの逆転防止装置に
適用可能となることを見出し、この知見により本発明を
完成させたものである。

【０００６】即ち本発明は、（１）、リールボディとロ
ータ回転軸との間に介在させたクラッチ手段によって、
該ロータ回転軸の回転を選択的に規制し得るように構成
された釣用リールの逆転防止装置であって、クラッチ手
段の外周形状を表裏対称形状とし、リールボディに形成
されたクラッチ手段の装着部の内周形状もクラッチ手段
の外周形状に対応した形状とした釣用リールの逆転防止
装置に存する。

【０００７】そして、（２）、リールボディとロータ回
転軸との間に介在させたクラッチ手段によって、該ロー
タ回転軸の回転を選択的に規制し得るように構成された
釣用リールの逆転防止装置であって、クラッチ手段の外
周形状を正多角形とし、リールボディに形成された装着
部の内周形状も同様に正多角形にした釣用リールの逆転
防止装置に存する。

【０００８】そしてまた、（３）、前記クラッチ手段
は、前記ベアリングの内輪に連設し、ロータ回転軸に固
定されたスリーブと、このスリーブの周囲に複数の転動
ローラを保持するリテーナと、スリーブ外周面との間で
楔状収容部を形成する外枠体とを備えている上記（２）
の釣用リールの逆転防止装置に存する。

【０００９】そしてまた、（４）、前記外枠体の外周形
状が六角形である上記（３）の釣用リールの逆転防止装
置に存する。

【００１０】そしてまた、（５）、前記クラッチ手段
は、リテーナが前記楔状収容部にて前記転動ローラの食
い付きを強める方向に常時付勢されている上記（１）〜
（４）のいずれか１の釣用リールの逆転防止装置に存す
る。

【００１１】本発明によれば、特にスピニングリールに
おいてロータを回転する際、ロータ回転軸に装着したク
ラッチ手段によってロータ回転軸の逆転を選択的に規制
することができる。クラッチ手段を構成する外枠体の外
周形状が表裏対称形状（上下対称形状）、具体的には例
えば正多角形に等分される。このクラッチ手段は、外枠
体の外周形状に整合するような内周形状となっているリ
ールボディの装着部に取り付けられる。このように外枠
体の外周形状を表裏対称形状に工夫したことで、左回転
用や右回転用の両方のリールに適用が可能であること
と、正多角形に形成することで部品組付の際に組付方向
に制約されることなく容易かつ適正に組み付けることが
できる。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、図面に基づき、本発明によ
る釣用リールの逆転防止装置の好適な実施の形態を説明
する。図１および図２は、この実施形態に係るスピニン
グリールの構成例を示している。図において、１はリー
ルボディ、２はハンドル、３はハンドルアーム、４はハ
ンドル２によって回転するドライブギヤ、５はドライブ
ギヤ４と噛合するピニオンギヤ、６はメインシャフトで
あり、このメインシャフト６はピニオンギヤ５を挿通
し、それをはじめとする後述する複数の部品を支持す
る。ピニオンギヤ５の軸端部にはロータ７が連結固定さ
れており、ハンドル２の回転操作でロータ７を正逆回転
させるようになっている。

【００１３】また、８はドライブギヤ４に固定されたギ
ヤ、９はギヤ８と噛合するギヤである。ギヤ９の回転に
より、その突起９ａに係合するスライダ１０を前後（図
２において前後方向をそれぞれ矢印Ｆ，Ｒで示す）にス
ライドさせる。スライダ１０にはメインシャフト６が連
結する。メインシャフト６の前端にはスプール１１が支
持されており、スライダ１０のスライドによってスプー
ル１１も前後に所定ストローク往復動する。

【００１４】上記のようにスピニングリールは、ロータ
７を回転させるための回転機構とスプール１１をスライ
ドさせるためのスライド機構を備えている。この基本構
成によれば、ハンドル２の回転操作でドライブギヤ４お
よびピニオンギヤ５を介してロータ７を正逆回転させる
と共に、このロータ７の回転に連動するかたちで、ギヤ
８，９およびスライダ１０等を介してスプール１１を前
後にスライドさせる。この回転・スライド動作により、
釣糸をラインローラ１２を介してスプール１１の巻回部
１１ａに対して巻き取り、あるいは繰り出すことができ
る。

【００１５】ここで、ロータ回転軸、すなわちピニオン
ギヤ５とリールボティ１間に介在させたクラッチ手段に
よって、ロータ７の回転を選択的に規制し得るように構
成されている。つまり、この例では図３にも示したよう
に、ピニオンギヤ５のロータ７側にベアリング１３を外
嵌すると共にこのベアリング１３に対してクラッチ手段
１４を連設する。クラッチ手段１４はリールボディ１に
形成された装着部１Ａの内周（内周壁）に嵌まり込まれ
た状態となっている。そしてベアリング１３およびクラ
ッチ手段１４の間に位置させたクラッチレバー１５によ
ってクラッチ手段１４の作動を制御するようになってい
る。

【００１６】ピニオンギヤ５の軸部に装着されたベアリ
ング１３の周囲には、ベアリングホルダ１９が外嵌し、
またベアリング１３を固定するベアリングリテーナ２０
がネジ２１によりリールボディ１適所に締結される。ま
た、クラッチレバー１５は後述のようにクラッチ手段１
４、具体的にはクラッチ手段のリテーナ２４に連結する
が、図４および図５に示されるようにクラッチレバー１
５の端部とリールボディ１間にはスプリング１６が張架
されている。このスプリング１６の弾力によりクラッチ
手段１４を所定方向に付勢する。なお、クラッチレバー
１５の端部に形成されたカム穴１５ｂには操作杆１７の
逆止カム１７ａが係合しており、該操作杆１７の端部に
付設された操作レバー１８によって、リールボディ１の
外側からクラッチレバー１５を駆動し得るようになって
いる（図１、図２参照）。

【００１７】またクラッチ手段１４とクラッチレバー１
５は、図６あるいは図７のように相互に連結する。ここ
で、クラッチ手段１４は図３に示したように、ベアリン
グ１３の内輪１３ａに連設しロータ回転軸に固定された
スリーブ２２と、スリーブ２２の周囲に複数の転動ロー
ラ２３を保持するリテーナ２４（図１１及び図９参照）
と、スリーブ２２外周面との間で楔状収容部２５ａを形
成する外枠体２５（図１０参照）と、を備えている。

【００１８】転動ローラ２３は細長の円筒状に形成さ
れ、リテーナ２４の保持部２４ａ（図１１）に保持され
る。またリテーナ２４はその端部に形成された凹凸部２
４ｂ（図９）でクラッチレバー１５と係合する。ところ
で外枠体２５の内周壁面を図１０のように、一定の間隔
で直径が次第に小さくなるように形成することで楔状収
容部２５ａが設けられる。転動ローラ２３は外枠体２５
の楔状収容部２５ａの大径部分では自由に回転し、又楔
状収容部２５ａ小径部分ではスリーブ２２に食い付くよ
うになっている。

【００１９】一方、外枠体２５の外周形状は表裏対称形
状に形成されており、この実施形態では特に図から明ら
かなように正多角形である正六角形に形成されている。
このように外枠体２５を正多角形に形成した場合は、リ
ールボディ１の装着部１Ａの内周形状も外枠体２５の外
周形状に適応するように形成される〔図８（Ａ）の鎖線
参照〕。つまり、この例ではリールボディ１の装着部１
Ａの内周形状は正六角形に形成される。

【００２０】上記構成において、前述したようにロータ
７の回転機構とスプール１１のスライド機構を介して、
それぞれ回転・スライド動作を行うことにより、釣糸を
ラインローラ１２を介してスプール１１の巻回部１１ａ
に対して巻き取り、あるいは繰り出すことができる。ロ
ータ７を回転する際、クラッチ手段１４によってロータ
７の特に逆転を選択的に規制することができる。

【００２１】たとえばクラッチ手段１４を作動させてロ
ータ７の逆転を規制する場合、操作レバー１８の操作で
操作杆１７を介して、クラッチレバー１５を図４あるい
は図５のように反時計方向に駆動する（角度ーθ）。こ
れにより図７（Ａ）に示されるように、リテーナ２４の
保持部２４ａに保持された転動ローラ２３は、外枠体２
５の楔状収容部２５ａの小径部分側に移動する。このよ
うにクラッチレバー１５を操作することにより、ロータ
７の逆転時には転動ローラ２３が楔状収容部２５ａに食
いついてその逆転を規制することができる。

【００２２】このようにクラッチ手段１４の作動（Ｏ
Ｎ）時では、クラッチレバー１５は、スプリング１６に
よって転動ローラ２３が食い付き係合を強める方向に付
勢されている。したがってクラッチ手段１４の効きが速
く感度の良い逆転防止が得られる。なお、クラッチ手段
１４のＯＮ時、正転方向には回転を規制することなく円
滑作動する。

【００２３】一方、クラッチ手段１４を作動させず、つ
まりロータ７の逆転を規制しない場合、操作レバー１８
の操作で操作杆１７を介して、クラッチレバー１５を上
記とは反対に図４の二点鎖線のように時計方向（角度
θ）に駆動する。これにより図７（Ｂ）に示されるよう
に、リテーナ２４の保持部２４ａに保持された転動ロー
ラ２３は、外枠体２５の楔状収容部２５ａの大径部分側
に移動することができる。このとき転動ローラ２３は楔
状収容部２５ａ内でフリーになり、正逆転方向とも回転
を規制しない。

【００２４】ところで、前述したように、クラッチ手段
１４の外周形状、すなわち外枠体２５の外周形状は、表
裏対称の正六角形に形成されると共に、リールボディ１
の装着部の内周形状は、外枠体２５の外周形状と適合す
るようにやはり同様な正六角形に形成されている。本発
明はこのように外枠体２５の外周形状を工夫すること
で、外枠体２５を裏側からも装着部１Ａに装着すること
ができる。

【００２５】従ってクラッチ手段１４のＯＮ／ＯＦＦ作
動が逆の装置を簡単に実現することができる。すなわ
ち、右回転用及び左回転用の両タイプのリールに適用で
き汎用性に富んだものとなる。更にいうなら、正六角形
のような正多角形とした場合は、部品組付の際に組付方
向（角度に）に制約されることがなくなる。したがっ
て、容易かつ適正にリールの組み付けが可能となる。

【００２６】以上、本発明を説明してきたが、本発明は
実施形態にのみ限定されるものではなく、その本質から
逸脱しない範囲で、他の色々な変形例が可能であること
は言うまでもない。例えば、外枠体２５が六角形の図示
例を示したが、この形状のみに限定されるものではな
く、少なくとも表裏対称であれば、両タイプのリールに
適応が可能である。その意味で表裏対称とするならば、
必ずしも正六角形に限らず、各辺の長さが異なってもよ
い。また、表裏対称に加えて各組付方向（角度）に自由
度を持たせる必要があるのであれば、例えば、正多角形
とすることで、部品組付の際に組付方向に制約されるこ
となく容易かつ適正に組み付けが可能となる。

【００２７】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、部
品組付時の自由度が増し、さらに、右回転用及び左回転
用の両タイプの装置の仕様変更等に対しても有効に対応
可能であり、極めて汎用性に優れたリールを実現するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明に係るスピニングリールの構成
例を示す断面図である。

【図２】図２は、本発明に係るスピニングリールの構成
例を示す分解斜視図である。

【図３】図３は、本発明による釣用リールの逆転防止装
置の要部構成例を示す断面図である。

【図４】図４は、本発明装置におけるクラッチ手段まわ
りを示す図である。

【図５】図５は、本発明装置におけるクラッチ手段まわ
りを示す図である。

【図６】図６は、本発明装置におけるクラッチ手段およ
びこれに連結するクラッチレバーを示す正面図および断
面図である。

【図７】図７は、本発明装置におけるクラッチ手段およ
びこれに連結するクラッチレバーの作用を示す正面図お
よび断面図である。

【図８】図８は、本発明装置におけるクラッチ手段を示
す正面図および断面図である。

【図９】図９は、本発明装置におけるクラッチ手段の分
解図である。

【図１０】図１０は、本発明装置に係るクラッチ手段の
外枠体を示す正面図である。

【図１１】図１１は、本発明装置に係るクラッチ手段の
リテーナを示す正面図である。

【符号の説明】

１…リールボディ１Ａ…装着部２…ハンドル３…ハンドルアーム４…ドライブギヤ５…ピニオンギヤ６…メインシャフト７…ロータ８，９…ギヤ１０…スライダ１１…スプール１２…ラインローラ１３…ベアリング１４…クラッチ手段１５…クラッチレバー１６…スプリング１７…操作杆１８…操作レバー１９…ベアリングホルダ２０…ベアリングリテーナ２２…スリーブ２３…転動ローラ２４…リテーナ２４ａ…保持部２５…外枠体２５ａ…楔状収容部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】リールボディとロータ回転軸との間に介
在させたクラッチ手段によって、該ロータ回転軸の回転
を選択的に規制し得るように構成された釣用リールの逆
転防止装置であって、クラッチ手段の外周形状を表裏対
称形状とし、リールボディに形成されたクラッチ手段の
装着部の内周形状もクラッチ手段の外周形状に対応した
形状としたことを特徴とする釣用リールの逆転防止装
置。
【請求項２】リールボディとロータ回転軸との間に介
在させたクラッチ手段によって、該ロータ回転軸の回転
を選択的に規制し得るように構成された釣用リールの逆
転防止装置であって、クラッチ手段の外周形状を正多角
形とし、リールボディに形成された装着部の内周形状も
同様に正多角形にしたことを特徴とする釣用リールの逆
転防止装置。
【請求項３】前記クラッチ手段は、前記ベアリングの
内輪に連設し、ロータ回転軸に固定されたスリーブと、
このスリーブの周囲に複数の転動ローラを保持するリテ
ーナと、スリーブ外周面との間で楔状収容部を形成する
外枠体とを備えていることを特徴とする請求項２記載の
釣用リールの逆転防止装置。
【請求項４】前記外枠体の外周形状が正六角形である
ことを特徴とする請求項３に記載の釣用リールの逆転防
止装置。
【請求項５】前記クラッチ手段は、リテーナが前記楔
状収容部にて前記転動ローラの食い付きを強める方向に
常時付勢されていることを特徴とする請求項１〜４のい
ずれか１記載の釣用リールの逆転防止装置。