JPH1145494A - 複合磁気ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

複合磁気ヘッド及びその製造方法

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JPH1145494A
JPH1145494A JP9203493A JP20349397A JPH1145494A JP H1145494 A JPH1145494 A JP H1145494A JP 9203493 A JP9203493 A JP 9203493A JP 20349397 A JP20349397 A JP 20349397A JP H1145494 A JPH1145494 A JP H1145494A
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JP
Japan
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head
magnetic head
groove
magnetic
disk
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JP9203493A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Akiyasu
啓 秋保
Wataru Ito
伊藤  渉
Koji Takahashi
浩二 高橋
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録密度を異にする磁気ディスクに対して兼
用して用いられ、情報信号等を高精度に記録再生する。 【解決手段】 第1の磁気ディスクを対象とする第1の
ヘッド部2と、高密度仕様の第2の磁気ディスクを対象
とする第2のヘッド部3と、これら第1のヘッド部2と
第2のヘッド部3とをグルーブ溝5を介して配設してな
るスライダ部材12,13とからなる。グルーブ溝5
は、その溝幅Wが第1のヘッド部2及び第2のヘッド部
3の配設領域6,7にそれぞれ形成されたスライダレー
ル部21,22の幅よりも大とされる。第2のヘッド部
3は、ヘッド中心Oに対してディスク回転方向Aの後方
側に位置される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フロッピーディス
クドライブ装置に備えられ、データ信号、音声信号、画
像信号等の情報信号や制御信号等(以下情報信号等とい
う。)の記録密度仕様を異にしたフロッピーディスク等
の可撓性磁気ディスク(以下磁気ディスクという。)に
対して互換性を有して時を情報信号等の記録及び/又は
再生(以下記録再生という。)を行い得るようにした複
合磁気ヘッド及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】フロッピーディスクドライブ装置は、一
般に、磁気ディスクを比較的低速で回転駆動させるとと
もにその主面に磁気ヘッドのディスク摺動面を接触させ
た状態で情報信号等の記録再生を行うことを基本構成と
しており、低価格で信頼性が高いといった特徴を有して
いる。普及率が極めて高い3.5インチ磁気ディスクを
用いる標準フロッピーディスクドライブ装置は、この磁
気ディスクの1枚当たりの情報信号等の記憶容量が1.
44Mバイト、線記録密度(kBPI)が17.4、ト
ラック密度(kTPI)が135とされ、情報信号等の
転送レートが250Kb/s(又は500Kb/s)、
磁気ディスクの駆動回転数が300rpm等の要件を基
本仕様としている。この標準フロッピーディスクドライ
ブ装置には、一般にフェライト・ヘッドからなる磁気ヘ
ッドが備えられる。
【0003】ところで、パーソナル用コンピュータ等に
おいては、低価格化と操作性の簡易化或いはネットワー
ク網の整備・充実等を背景として普及台数や用途のめざ
ましい拡大が図られている。パーソナル用コンピュータ
等は、このような状況から、取り扱う情報信号等につい
て、従来の文書データ信号を中心としたものから大型コ
ンピュータと同様に画像情報信号やグラフィックスデー
タ信号等のマルチデータまで幅広い情報信号等が取り扱
われるようになっている。そして、パーソナル用コンピ
ュータにおいては、かかる状況に対応するためにディス
ク交換型外部記憶装置の標準装備が図られており、この
ディスク交換型外部記憶装置としてフロッピーディスク
ドライブ装置の採用も検討されている。
【0004】標準型フロッピーディスクドライブ装置
は、上述した記憶容量や駆動回転数等の仕様からマルチ
メディアデータを取り扱う大容量の情報信号等の取扱に
は不向きであり、その仕様のままでパーソナル用コンピ
ュータのディスク交換型外部記憶装置として適用した場
合には記憶容量が不足するといった問題がある。したが
って、フロッピーディスクドライブ装置においては、磁
気ディスクに対して情報信号等の高密度記録を可能とす
るとともにこの磁気ディスクを高速で回転駆動してデー
タ転送レートの改善を図った大容量化装置の開発が進め
られている。なお、以下の説明において、大容量化仕様
を上位仕様と称し、また標準仕様を下位仕様と称するも
のとする。
【0005】ところで、フロッピーディスクドライブ装
置としては、上述した下位仕様に対して、1枚当たりの
情報信号等の記憶容量が100Mバイト、線記録密度
(kBPI)が43.3、トラック密度(kTPI)が
2118とされた上位仕様3.5インチ磁気ディスクが
用いられ、この上位仕様磁気ディスクを1200乃至3
600rpmの高速で回転駆動するようにした上位仕様
フロッピーディスクドライブ装置も提供されている。そ
して、この上位仕様フロッピーディスクドライブ装置に
は、一般に磁気ヘッド装置としてメタル・イン・ギャッ
プ・ヘッドが備えられる。なお、上位仕様フロッピーデ
ィスクドライブ装置には、磁気ヘッド装置として、例え
ば薄膜磁気ヘッドやMRヘッド等の採用も検討されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した上
位仕様フロッピーディスクドライブ装置においては、普
及率が極めて高い下位仕様磁気ディスクの互換使用が必
須であるとともに、高速回転される上位仕様磁気ディス
クが用いられた場合においても情報信号等の記録再生が
高精度に行われることが課題とされている。そして、か
かるフロッピーディスクドライブ装置には、上位仕様磁
気ディスクと下位仕様磁気ディスクとに適合可能であり
かつ情報信号等を高精度に記録再生する小型で信頼性の
高い複合磁気ヘッドが必須となる。
【0007】複合磁気ヘッドは、構成を異にする下位仕
様磁気ヘッドと上位仕様磁気ヘッドとを合理的に組み合
わせて小型かつ高精度に構成されなければならない。す
なわち、下位仕様磁気ヘッドは、一般に装置間の情報信
号等の記録再生の互換性を保証するために、磁気ディス
クのトラックピッチに対して幾分狭いトラック幅で情報
信号等の記録が行われる。このため、下位仕様磁気ヘッ
ドには、磁気ディスクのトラックに対する位置ズレを考
慮してやや幅広の磁気コアのディスク摺動面に記録再生
ギャップが形成されるとともに、この記録再生ギャップ
の後方側に位置してトラックの両側を無信号領域とする
イレーズギャップとが形成されて構成されている。
【0008】一方、上位仕様磁気ヘッドは、情報信号等
が高密度に記録される上位仕様磁気ディスクを対象とす
ることからフロッピーディスクドライブ装置によりトラ
ッキングサーボが行われて駆動される。したがって、上
位仕様磁気ヘッドには、一般にイレーズギャップが形成
されておらず、また狭ピッチ化されたトラック間のクロ
ストーク現象を抑制するために幅狭の磁気コアが用いら
れている。
【0009】複合磁気ヘッドは、上位仕様磁気ディスク
が高速で回転駆動された場合に、この上位仕様磁気ディ
スクの主面とディスク摺動面との間に高速の空気流が生
じて浮上力が作用される。このため、複合磁気ヘッドに
おいては、この浮上力により上位仕様磁気ディスクに対
してやや浮上するために疑似接触状態が保持されず情報
信号等の記録再生特性が劣化するといった問題点を解決
しなければならない。
【0010】また、複合磁気ヘッドは、例えばグルーブ
溝を幅狭とすることにより小型化を図った場合におい
て、スライダ部材の底面に当接して支点部を構成するピ
ボットの先端と下位仕様磁気ヘッド或いは上位仕様磁気
ヘッドとがなす角度が小さくなる。このため、複合磁気
ヘッドにおいては、振動等が加えられた場合にトラック
に対して磁気ヘッドの振れが大きくなって記録再生特性
の劣化、換言すれば対振動特性が劣化するといった問題
点を解決しなければならない。
【0011】さらに、複合磁気ヘッドは、小型化を図っ
た場合において、下位仕様磁気ヘッドと上位仕様磁気ヘ
ッドとの間の磁気的影響、すなわちクロストークが発生
して記録再生特性が劣化するといった問題点を解決しな
ければならない。このクロストークの対応については、
磁気ディスクを挟んで一対の複合磁気ヘッドが配設され
て磁気ディスクの両面から情報信号等の記録再生を行う
場合においても、相対向して位置される磁気ヘッド間に
おいても対応されなければならない。
【0012】したがって、本発明は、下位仕様磁気ディ
スクと上位仕様磁気ディスクとを対象として情報信号等
を高精度に記録再生するようにした複合磁気ヘッド及び
その製造方法を提供することを目的に提案されたもので
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】この目的を達成する本発
明に係る複合磁気ヘッドは、可撓性を有する第1の磁気
ディスクを対象として情報信号等の記録再生を行う磁気
ギャップが形成された第1のヘッド部と、第1の磁気デ
ィスクに対して情報信号等の高密度記録が可能とされた
可撓性を有する第2の磁気ディスクを対象として情報信
号等の記録再生を行う磁気ギャップが形成された第2の
ヘッド部と、磁気ディスクとの対向面に幅方向の中央に
位置してグルーブ溝が全長に亘って形成されるととも
に、このグルーブ溝によって区割りされた幅方向の第1
の領域と第2の領域とにそれぞれ形成されて磁気ディス
クとの摺動部を構成する第1のスライダレール部と第2
のスライダレール部とに第1のヘッド部と第2のヘッド
部とが配設されてなるスライダ部材とを備える。複合磁
気ヘッドは、グルーブ溝がその溝幅を第1のスライダレ
ール部及び第2のスライダレール部の幅よりも大とされ
て形成されるとともに、第2のヘッド部がその磁気ギャ
ップをスライダ部材の中心位置に対して磁気ディスクの
回転方向の後方側に位置されて配設される。
【0014】以上のように構成された本発明に係る複合
磁気ヘッドによれば、グルーブ溝によって第1のヘッド
部と第2のヘッド部とが磁気的に充分に隔離された状態
で配設されることによってクロストークが低減されると
ともに、回転方向の後方側に位置された第2のヘッド部
が高速で回転駆動される第2の磁気ディスクに対して浮
上量が抑制されることから疑似接触状態が保持され情報
信号等を高精度に記録再生するようにする。また、複合
磁気ヘッドは、ピボットと下位仕様磁気ヘッド及び上位
仕様磁気ヘッドとのなす角度が充分に保持されることか
ら、振動等が加えられた場合にも下位仕様磁気ヘッド或
いは上位仕様磁気ヘッドの振れを抑制して情報信号等を
高精度に記録再生するようにする。
【0015】また、上述した目的を達成する本発明に係
る複合磁気ヘッドの製造方法は、可撓性を有する第1の
磁気ディスクを対象として情報信号等の記録再生を行う
第1のヘッド部を製作する第1のヘッド部製作工程と、
第1の磁気ディスクに対して情報信号等の高密度記録が
可能とされた可撓性を有する第2の磁気ディスクを対象
として情報信号等の記録再生を行う第2のヘッド部を製
作する第2のヘッド部製作工程と、第1のヘッド部と第
2のヘッド部とをスライダ部材に組み付けてヘッド中間
体を製作するヘッド組付工程と、このヘッド中間体の磁
気ディスクとの対向面に、幅方向の中央に位置して全長
に亘ってグルーブ溝を形成するとともに、このグルーブ
溝によって区割りされた幅方向の第1の領域と第2の領
域とに第1のヘッド部と第2のヘッド部とに対応して磁
気ディスクとの摺動部を構成する第1のスライダレール
部と第2のスライダレール部とを形成するグルーブ溝・
スライダレール部形成工程とが施される。そして、複合
磁気ヘッドの製造方法によれば、グルーブ溝がその溝幅
を第1のスライダレール部及び第2のスライダレール部
の幅よりも大とされるとともに、第2のヘッド部がその
磁気ギャップをスライダ部材の中心位置に対して磁気デ
ィスクの回転方向の後方側に位置されて組み付けられて
なる複合磁気ヘッドが製造される。
【0016】以上の工程からなる本発明に係る複合磁気
ヘッドの製造方法によれば、第1のヘッド部と第2のヘ
ッド部とがグルーブ溝によって磁気的に充分に隔離され
ることにより相互のクロストークが低減されるととも
に、回転方向の後方側に位置された第2のヘッド部が高
速で回転駆動される第2の磁気ディスクに対して浮上量
を抑制されて疑似接触状態が保持され情報信号等を高精
度に記録再生する複合磁気ヘッドが製造される。また、
複合磁気ヘッドの製造方法によれば、ピボットと下位仕
様磁気ヘッド及び上位仕様磁気ヘッドとのなす角度が充
分に保持されることから、振動等が加えられた場合にも
下位仕様磁気ヘッド或いは上位仕様磁気ヘッドの振れが
抑制されて情報信号等を高精度に記録再生する複合磁気
ヘッドが製造される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施の形
態を図面を参照して詳細に説明する。本発明の実施の形
態として図面に示した複合磁気ヘッド1は、ジンバルバ
ネ等を有する図示しないディスク支持機構に支持され、
図4に示すように回転駆動される磁気ディスクDの主面
を挟んで一対が対向配置され、この磁気ディスクの両主
面から情報信号等の記録再生を行うようにしたいわゆる
両面型フロッピーディスクドライブ装置に備えられる。
また、複合磁気ヘッド1は、詳細を後述する下位仕様磁
気ヘッド部2と上位仕様磁気ヘッド部3とが搭載されて
おり、例えばディスク径が3.5インチとされ300r
pmで回転駆動される下位仕様磁気ディスクと、情報信
号等が高密度に記録されるとともに例えば1200rp
m乃至3600rpmの高速で回転駆動される上位仕様
磁気ディスクとを互換使用可能とする兼用型フロッピー
ディスクドライブ装置に搭載される。
【0018】兼用型フロッピーディスクドライブ装置
は、一対の複合磁気ヘッド1を磁気ディスクDの両主面
に対してそれぞれ略接触した状態に保持して情報信号等
の記録再生動作を行う。兼用フロッピーディスクドライ
ブ装置は、複合磁気ヘッド1を、下位仕様磁気ディスク
が装填された場合にはノントラッキングサーボにより、
また上位仕様磁気ディスクが装填された場合にはトラッ
キングサーボを行って、これら磁気ディスクから情報信
号等の記録再生動作を行う。複合磁気ヘッド1は、下位
仕様磁気ヘッド部2によって下位仕様磁気ディスクから
情報信号等の記録再生を行い、また上位仕様磁気ヘッド
部3によって上位仕様ディスクから情報信号等の記録再
生を行う。なお、磁気ディスクDは、図1において矢印
Aで示すように左側から右側に向かって回転走行する。
【0019】複合磁気ヘッド1は、そのディスク摺動面
4が、図1及び図2に示すようにディスク回転方向Aと
平行に設けられた後述するグルーブ溝5を介してヘッド
中心線HLを中心として幅方向に第1の領域6と第2の
領域7との2つの領域に区割りされて構成されている。
また、複合磁気ヘッド1は、ディスク摺動面4が、詳細
を後述するが、ディスク回転方向Aに対して曲率半径R
を異にする複合凸曲面として構成されている。
【0020】複合磁気ヘッド1は、図1に示すように第
1の領域6に下位仕様磁気ヘッド部2が配設されるとと
もに第2の領域7に上位仕様磁気ヘッド部3が配設され
ている。下位仕様磁気ヘッド部2は、従来の下位仕様フ
ロッピーディスクドライブ装置に搭載される磁気ヘッド
と同様のトンネル・イレーズ型のバルク・タイプ・ヘッ
ドとして構成されている。また、上位仕様磁気ヘッド部
3は、詳細を後述するがギャップ溝の溝壁に磁性金属膜
をスバッタ法等により成膜してなるメタルイン・ギャッ
プ・ヘッドによって構成されている。
【0021】複合磁気ヘッド1は、詳細を後述するが下
位仕様磁気ヘッド部2を構成する一対のコア半体を接合
してなる第1のコア部材8と、一対のコア半体を接合し
てなる第2のコア部材9とを有している。複合磁気ヘッ
ド1は、詳細を後述するが上位仕様磁気ヘッド部3を構
成する一対のコア半体を接合してなる第3のコア部材1
0と、この第3のコア部材10に接合された一対の補強
部材11とを有している。複合磁気ヘッド1は、下位仕
様磁気ヘッド部2の一方側面部を構成するようにして接
合された第1のスライダ部材12と、下位仕様磁気ヘッ
ド部2と上位仕様磁気ヘッド部3とが組み合わされる第
2のスライダ部材13とを有している。
【0022】複合磁気ヘッド1は、下位仕様磁気ヘッド
部2を構成する第1のコア部材8に組み合わされるリー
ド/ライト・コイル14と、この第1のコア部材8のコ
ア半体の下端部間を接合して閉磁気回路を構成する図示
しないバックコア部材と、第2のコア部材9に組み合わ
される図示しないイレーズ・コイルとを有している。複
合磁気ヘッド1は、上位仕様磁気ヘッド部3を構成する
第3のコア部材10のコア半体にコイル線が直接巻回さ
れて構成されたリード/ライト・コイル15と、コア半
体の下端部間を接合して閉磁気回路を構成する図示しな
いバックコア部材とを有している。
【0023】下位仕様磁気ヘッド部2を構成する第1の
コア部材8は、フェライトブロック材を素材としてディ
スク回転方向Aを長辺としたやや薄厚の矩形ブロック状
を呈して形成され、ギャップ溝を介してディスク回転方
向Aに対して直列に接合される一対のコア半体に分割さ
れてなる。第1のコア部材8には、ギャップ溝内に溶融
ガラスを充填してコア半体を接合することによって、こ
の接合部にリード/ライト・ギャップ16が構成されて
いる。
【0024】また、第2のコア部材9も、フェライトブ
ロック材を素材として第1のコア部材8とほぼ同幅の矩
形ブロック状を呈して形成され、ギャップ溝を介してデ
ィスク回転方向Aに対して直列に接合される一対のコア
半体に分割されてなる。第2のコア部材9には、ギャッ
プ溝内に溶融ガラスを充填してコア半体を接合すること
によって、この接合部にイレーズ・ギャップ17が構成
されている。なお、このイレーズ・ギャップ17は、磁
気ディスクの記録トラックの両側領域を無音領域とする
ために、第2のコア部材9の幅方向に離間して一対が形
成されてなる。
【0025】以上のように構成された第1のコア部材8
と第2のコア部材9とは、ディスク回転方向Aに対して
ガラス溶着部によって互いに直列に接合される。第1の
コア部材8には、一方のコア半体にリード/ライト・コ
イル14が組み付けられるとともに、バックコア部材が
接合される。また、第2のコア部材9には、一方のコア
半体にイレーズ・コイルが組み付けられるとともに、バ
ックコア部材が接合される。第1のコア部材8と第2の
コア部材9とは、以上のように構成されることによって
下位仕様磁気ヘッド部2を構成する。
【0026】下位仕様磁気ヘッド部2は、第1のコア部
材8に形成されたリード/ライト・ギャップ16が、回
転駆動される下位仕様磁気ディスクに記録された情報信
号等を再生し或いは下位仕様磁気ディスクに情報信号等
を記録する。下位仕様磁気ヘッド部2は、図1に示すよ
うにこのリード/ライト・ギャップ16がヘッド中心O
に対してディスク走行方向Aのやや前方側に位置して形
成される。また、下位仕様磁気ヘッド部2は、第2のコ
ア部材9に形成された一対のイレーズ・ギャップ17
が、リード/ライト・ギャップ16によって情報信号等
が記録された下位仕様磁気ディスクの各記録トラックの
両側部分に情報信号等の無記録部を形成する。下位仕様
磁気ヘッド部2は、これによって下位仕様磁気ディスク
の記録トラックに情報信号等が一定幅で記録されるよう
にして、各記録トラック間のガードバンドを保持する。
【0027】なお、上述した下位仕様磁気ヘッド部2
は、トンネル・イレーズ型のバルク・タイプ・ヘッドに
よって構成されるが、従来のフロッピーディスクドライ
ブ装置に用いられるその他の磁気ヘッド、例えばラミネ
ート・タイプ・ヘッド或いはストラドル・イレーズ・ヘ
ッド等の適宜の磁気ヘッドによって構成してもよいこと
は勿論である。
【0028】上位仕様磁気ヘッド部3を構成する第3の
コア部材10は、ディスク回転方向Aを長辺としたフェ
ライトブロック材を素材とし、詳細を省略するがギャッ
プ構成溝を介して前後に分割された一対のコア半体をガ
ラス接合してなる。第3のコア部材10は、後述するよ
うにギャップ構成溝の溝壁に磁性金属膜を成膜形成する
とともに溶融ガラスを充填することによってメタル・イ
ン・ギャップ18が構成されてなる。第3のコア部材1
0は、幅狭のトラックピッチの上位仕様磁気ディスクに
対応して、図1及び図2に示すようにその厚み寸法及び
高さ寸法が上述した下位仕様磁気ヘッド部2の第1のコ
ア部材8及び第2のコア部材9の厚み寸法及び高さ寸法
よりも小形とされている。
【0029】第3のコア部材10は、一対のコア半体が
図1及び図3に示すようにディスク回転方向Aに対して
互いに直列状態で突き合わされるとともに溶融ガラスに
よって接合されることにより全体としてコ字状を呈して
構成される。第3のコア部材10は、メタル・イン・ギ
ャップ18のディプスを規定するギャップ構成溝が、そ
の溝壁の相対する角度を45°乃至55°に設定されて
形成されている。第3のコア部材10は、コア半体のギ
ャップ構成溝壁に例えばセンダスト等からなる磁性金属
膜がスバッタ法によって成膜されることによりメタル・
イン・ギャップ18を構成している。
【0030】第3のコア部材10は、図3に示すように
コア半体の外側面の上端部にそれぞれディスク摺動面4
側に向かって15°乃至60°の傾斜を付すことによ
り、次第にディスク回転方向Aの幅が小ならしめられて
構成されている。したがって、第3のコア部材10は、
それぞれの脚部に対してメタル・イン・ギャップ18を
構成するギャップ構成部位がその断面積を小ならしめら
れて構成されている。換言すれば、第3のコア部材10
は、メタル・イン・ギャップ18が形成されたディスク
摺動面4を構成するギャップ構成部位が、ディスク回転
方向Aの両側部位を削られることによって幅狭とされて
メタル・イン・ギャップ18部分を絞り込んだ構造とな
っている。第3のコア部材10は、これによってメタル
・イン・ギャップ18で生成される磁界の作用範囲が、
上位仕様磁気ディスクの幅狭の記録トラックの範囲に絞
られて効率的に作用されるように構成される。
【0031】また、第3のコア部材10は、上述したよ
うにメタル・イン・ギャップ18を絞り込んだ構造とさ
れたが、その全体の大きさを従来の磁気ヘッドのコア部
材とほぼ同等に構成されている。したがって、第3のコ
ア部材10は、全体としてヘッド・インピーダンスが高
くなることが抑制されている。また、第3のコア部材1
0は、その脚部に充分な巻数或いは太径の巻線を有する
リード/ライト・コイル15を設けることができ、ヘッ
ド出力の向上が図られる。さらに、第3のコア部材10
は、狭トラックピッチ化された上位仕様磁気ディスクに
対する各記録トラック間のクロストークを抑制するよう
に構成される。
【0032】第3のコア部材10には、コア半体の傾斜
面を形成した側面にそれぞれ補強部材11が水ガラス或
いは低融点ガラスによって接合される。補強部材11
は、例えばチタン酸カルシウム等の耐磨耗特性、耐摺動
特性及び機械的特性に優れた非磁性体のセラミック材を
素材として形成され、第3のコア部材10に接合される
ことによって、図1に示すように上位仕様磁気ヘッド部
3をディスク回転方向Aに対して下位仕様磁気ヘッド部
2と同一の長さ寸法に構成する。上位仕様磁気ヘッド部
3は、このようにメタル・イン・ギャップ18の両側を
削成することによりギャップ構成部位が小型化された第
3のコア部材10に対して補強部材11を接合すること
によって、この第3のコア部材10の機械的強度を保持
したことから、ヘッド寿命が低下することは無い。
【0033】ところで、補強部材11は、ディスク回転
方向Aの前方側に接合される半体が後方側に接合される
半体よりもその長さがやや大とされている。したがっ
て、上位仕様磁気ヘッド部3は、図1に示すように第3
のコア部材10に形成されたメタル・イン・ギャップ1
8がヘッド中心Oに対してヘッドディスク回転方向Aの
後方側にΔx分ずれて位置されることになる。
【0034】上位仕様磁気ヘッド部3は、上述した構成
によって第3のコア部材10が下位仕様磁気ヘッド部2
を構成する第1のコア部材8及び第2のコア部材9に対
して小形であることから、下位仕様磁気ヘッド部2に対
する磁気的影響が抑制されかつ上位仕様磁気ディスクの
各磁気トラック間のクロストークを抑制するようにして
いる。また、上位仕様磁気ヘッド部3は、ギャップ構成
部位が実質的に小型化されてメタル・イン・ギャップ1
8を介して上位仕様磁気ディスクに対して磁界を効率的
に作用させることから、磁気効率の向上が図られてい
る。上位仕様磁気ヘッド部3は、メタル・イン・ギャッ
プ18が、回転駆動される上位仕様磁気ディスクに記録
された情報信号等を再生し或いは上位仕様磁気ディスク
に情報信号等を記録する。
【0035】上位仕様磁気ヘッド部3は、メタル・イン
・ギャップ18の磁気効率が向上されていることによっ
て、例えばより高密度記録を図るために高周波数の記録
波長が用いられる場合においても情報信号等を高精度に
記録再生することが可能とされている。また、上位仕様
磁気ヘッド部3は、上位仕様磁気ディスクが高速で回転
駆動されることによってディスク摺動面4との間に発生
する高速の空気流により浮上力が作用された場合におい
ても、ディスク摺動面4の後述する複合凸曲面の構成
と、メタル・イン・ギャップ18をヘッド中心Oに対し
てヘッドディスク回転方向Aの後方側にΔxずれて位置
させた構成とによって、このメタル・イン・ギャップ1
8が上位仕様磁気ディスクに対して疑似接触状態を保持
される。上位仕様磁気ヘッド部3は、これによって情報
信号等を高精度に記録再生する。
【0036】第1のスライダ部材12及び第2のスライ
ダ部材13は、チタン酸カルシウム等の耐磨耗性、耐摺
動特性及び機械的特性に優れた非磁性体のセラミック材
を素材とする。第1のスライダ部材12は、図1に示す
ようにディスク回転方向Aに対して下位仕様磁気ヘッド
部2とほぼ同一の長さを有する矩形ブロック体として形
成されてなる。第1のスライダ部材12は、図1及び図
2に示すように下位仕様磁気ヘッド部2の側面にディス
ク回転方向Aの全域に亘って溶融ガラスにより接合され
る。したがって、第1のスライダ部材12は、複合磁気
ヘッド1のディスク回転方向Aと平行する一方側面部を
構成することによって、下位仕様磁気ヘッド部2を機械
的に保護する。
【0037】第1のスライダ部材12と第2のスライダ
部材13には、図2に示すようにその底面部に第1のコ
ア部材8と第2のコア部材9の下端部を露呈させるコイ
ル組付空間部19が構成されている。下位仕様磁気ヘッ
ド部2のリード/ライト・コイル14とイレーズ・コイ
ルとは、このコイル組付空間部19に位置してそれぞれ
第1のコア部材8と第2のコア部材9に組み付けられ
る。なお、リード/ライト・コイル14及びイレーズ・
コイルは、詳細を省略するがボビンの外周部に捲線を施
すとともに一方のフランジに端子が設けられたボビン付
きコイルによって構成されている。
【0038】第2のスライダ部材13は、図1及び図2
に示すように下位仕様磁気ヘッド部2に対して第1のス
ライダ部材12の接合面と対向する側面にディスク回転
方向Aの全域に亘って溶融ガラスにより接合される。こ
の第2のスライダ部材13には、上位仕様磁気ヘッド部
3を構成する第3のコア部材10に対応してコイル組付
空間部20が形成されている。コイル組付空間部20
は、第2のスライダ部材13の一方側面に開口するとと
もに第3のコア部材10の下端部を臨ませる横穴状に形
成されてなる。したがって、リード/ライト・コイル1
5は、コイル組付空間部20に露呈された第3のコア部
材10の脚部に直接捲き線を施して構成される。
【0039】第2のスライダ部材13には、ディスク摺
動面4を構成する主面にディスク回転方向Aの全域に亘
ってグルーブ溝5が凹設されている。グルーブ溝5は、
その溝幅がWとされ、図2に示すようにその中心軸線G
Lがヘッド中心線HLに一致されることによって複合磁
気ヘッド1の幅方向の中央領域に位置して凹設されてい
る。第2のスライダ部材13には、上述したようにグル
ーブ溝5を介して第1の領域6と第2の領域7にそれぞ
れ下位仕様磁気ヘッド部2と上位仕様磁気ヘッド部3と
が組み付けられるが、グルーブ溝5の中心軸線GLに対
して下位仕様磁気ヘッド部2が上位仕様磁気ヘッド部3
よりもやや外側に位置して組み付けられている。複合磁
気ヘッド1は、このように下位仕様磁気ヘッド部2と上
位仕様磁気ヘッド部3とがヘッド中心線HLに対して非
対称位置にそれぞれ配設されることにより、フロッピー
ディスクドライブ装置に磁気ディスクDを挟んで上下に
一対が配置された場合に、相対する磁気ヘッド部が幅方
向に対して互いにずれるようにして位置される。したが
って、複合時期ヘッド1は、相対する磁気ヘッド部間の
クロス・トークが低減される。
【0040】第2のスライダ部材13には、図1及び図
2に示すようにディスク摺動面4を構成する主面の第1
の領域6と第2の領域7とに、それぞれスライダレール
部21,22が一体に突設されている。第1のスライダ
レール部21は、下位仕様磁気ヘッド部2を配設した領
域にディスク回転方向Aと平行な凸部として第2のスラ
イダ部材13の主面に一体に突設されている。同様に、
第2のスライダレール部22は、上位仕様磁気ヘッド部
3を配設した領域にディスク回転方向Aと平行な凸部と
して第2のスライダ部材13の主面に一体に突設されて
いる。これらスライダレール部21,22は、その幅が
グルーブ溝5の溝幅Wよりもやや小幅とされている。
【0041】複合磁気ヘッド1は、スライダレール部2
1,22の幅を小ならしめることによって磁気ディスク
Dの記録トラックに対して各磁気ギャップが良好な状態
で接触し、いわゆる磁気ディスクDへの当たりが良好と
なるように構成されている。また、複合磁気ヘッド1
は、グルーブ溝5を介して下位仕様磁気ヘッド部2と上
位仕様磁気ヘッド部3とを両側に配設するとともにグル
ーブ溝5の溝幅が充分に確保されることから、図2に示
すようにピボット23と下位仕様磁気ヘッド部2及び上
位仕様磁気ヘッド部3とのなす角度θが充分に保持され
る。したがって、複合磁気ヘッド1は、振動等が加えら
れた場合にも磁気ディスクDの記録トラックに対して下
位仕様磁気ヘッド部2或いは上位仕様磁気ヘッド部3の
振れが抑制されて情報信号等を高精度に記録再生するよ
うにする。
【0042】複合磁気ヘッド1は、以上のように構成さ
れた第1のコア部材8と第2のコア部材9、第3のコア
部材10と補強部材11及び第1のスライダ部材12と
第2のスライダ部材13とが、後述する製造工程を経て
互いに厚み方向に接合されて形成される。複合磁気ヘッ
ド1は、図1に示すように、そのディスク摺動面4がヘ
ッド中心線HLに沿って形成されたディスク回転方向A
と平行なグルーブ溝5を有する全体として矩形面を呈し
て構成される。
【0043】複合磁気ヘッド1は、そのディスク摺動面
4が、曲率半径を異にする内周凸曲面領域部24と外周
凸曲面領域部25との複合凸曲面によって構成されてい
る。内周凸曲面領域部24は、第1の領域6の下位仕様
磁気ヘッド部2のリード/ライト・ギャップ16とイレ
ーズ・ギャップ17とが設けられた領域、及び第2の領
域7の上位仕様磁気ヘッド部3のメタル・イン・ギャッ
プ17が設けられた領域とを含む領域に構成される。ま
た、外周凸曲面領域部25は、内周凸曲面領域部24の
外周領域に構成される。複合磁気ヘッド1は、外周凸曲
面領域部25にブレンド加工を施すことによってこの外
周凸曲面領域部25が外周縁に向かって次第に緩やかに
傾斜する傾斜凸曲面として形成されるとともに、外周縁
に円弧状の面取り26が施されている。
【0044】複合磁気ヘッド1は、ディスク回転方向A
の長さ寸法を3.0mm、幅寸法を2.8mm、高さ寸
法を2.7mmとする外形仕様を有している。また、複
合磁気ヘッド1は、下位仕様磁気ディスクの記録トラッ
クのピッチに対してリード/ライト・ギャップ16とイ
レーズ・ギャップ17とが対応位置されるように、内周
凸曲面領域部24がヘッド中心0から半径0.9mmの
領域内に形成されている。さらに、複合磁気ヘッド1
は、内周凸曲面領域部24が曲率半径R1を1000m
m以上、具体的には9000mmとした凸曲面として構
成されている。複合磁気ヘッド1は、外周凸曲面領域部
25が曲率半径R2を50mm以上1000mm未満、
具体的には100mmとした凸曲面とし、またその傾斜
角が15°乃至20°として構成されている。
【0045】複合磁気ヘッド1は、グルーブ溝5がその
溝幅を0.4mm以上、具体的には0.8mmとされて
いる。また、複合磁気ヘッド1は、下位仕様磁気ヘッド
部2がグルーブ溝5の中心軸線GLから0.75mmの
位置に配設されている。さらに、複合磁気ヘッド1は、
上位仕様磁気ヘッド部3がグルーブ溝5の中心軸線GL
から0.6mmの位置に配設されている。スライダレー
ル部21,22は、その幅がそれぞれ0.7mm以下、
具体的には0.5mmとされるとともに、ディスク回転
方向Aの長さ寸法が2.0mmとされている。
【0046】複合磁気ヘッド1は、ディスク摺動面4を
上述したように複合凸曲面として構成したことによっ
て、上位仕様磁気ディスクが高速で回転駆動された場合
においてもその主面からの浮上現象が抑制される。複合
磁気ヘッド1は、ヘッド中心Oを中心として、ディスク
回転方向Aに対して前後0.4mmの範囲、幅方向に対
して左右0.45mm(全体で0.8mm×0.9m
m)の領域が、磁気ディスクDとの対向間隔を10nm
以下の疑似接触領域を構成する。この場合、複合磁気ヘ
ッド1は、詳細には図4に示すようにディスク回転方向
A側が磁気ディスクDの主面からやや浮いて傾いた状態
を呈する。複合磁気ヘッド1は、上述したように上位仕
様磁気ヘッド部3をヘッド中心Oからやや後方に位置し
て配設したことにより、磁気ディスクDとの疑似接触状
態がより確実に保持される。したがって、複合磁気ヘッ
ド1は、上位仕様磁気ヘッド部3によって上位仕様磁気
ディスクに対して情報信号等の記録再生が高精度に行わ
れる。
【0047】また、複合磁気ヘッド1は、外周凸曲面領
域部25にブレンド加工を施こして緩やかな傾斜曲面と
するとともに円弧状の面取り26を施したことにより、
情報信号等の記録再生時の磁気ディスクDの回転動作に
伴ってその主面から接離動作する場合においても磁気デ
ィスクDを傷付けることは無い。
【0048】以上のように構成される複合磁気ヘッド1
は、図5に示すように、下位仕様磁気ヘッド部2の製作
工程と、上位仕様磁気ヘッド部3の製作工程と、構成各
部材の接合工程及び摺動面4の形成工程等を経て製造さ
れる。下位仕様磁気ヘッド部2の製造工程は、第1のコ
ア部材8の製作工程と、第2のコア部材9の製作工程と
からなり、別工程によって製作されたこれら第1のコア
部材8と第2のコア部材9とを一体に接合する工程を経
て下位仕様磁気ヘッド部2を製作する。第1のコア部材
8は、素材のフェライト・ブロック材を所定のブロック
形状に形成するブロック成形工程S−1を第1の工程と
して製造される。フェライト・ブロック材は、多数個の
第1のコア部材8を切り出し可能とする大きさを有して
いる。
【0049】フェライト・ブロック材には、第2の工程
の溝形成工程S−2において、第1のコア半体と第2の
コア半体とに分割されてリード/ライト・ギャップ16
を構成するためのギャップ構成溝及びトラック溝とが一
方主面の全長に亘ってそれぞれ形成される。フェライト
・ブロック材には、第3の工程のガラス融着工程S−3
において、第1のコア半体と第2のコア半体とが溶融ガ
ラスによって接合されてリード/ライト・ギャップ16
が構成される。
【0050】さらに、フェライト・ブロック材は、第4
の工程の側面加工工程S−4において、ディスク回転方
向Aに対して所定の外形寸法とされるとともに所定の面
精度を以って仕上げられる。フェライト・ブロック材
は、所定形状にカッティングされることにより、長手方
向の一方側面がディスク回転方向Aの先端面を構成し、
長手方向の他方側面が第2のコア部材9との接合面を構
成する。
【0051】第2のコア部材9は、上述した第1のコア
部材8の製作工程とほぼ同様の工程を経て製作され、素
材のフェライト・ブロック材を所定のブロック形状に形
成するブロック成形工程S−5を第1の工程とする。こ
のフェライト・ブロック材は、多数個の第2のコア部材
9を切り出し可能とする大きさを有している。フェライ
ト・ブロック材には、第2の工程の溝形成工程S−6に
おいて、第1のコア半体と第2のコア半体とに分割され
てイレーズ・ギャップ17を構成するためのギャップ構
成溝及びトラック溝とが一方主面の全長に亘って形成さ
れる。
【0052】フェライト・ブロック材には、第3の工程
のガラス融着工程S−7において、第1のコア半体と第
2のコア半体とが溶融ガラスによって接合されてイレー
ズ・ギャップ17が構成される。さらに、フェライト・
ブロック材は、第4の工程の側面加工・溝形成工程S−
8において、ディスク回転方向Aに対して所定の外形寸
法とされるとともに所定の面精度を以って仕上げられ
る。フェライト・ブロック材は、長手方向の一方側面が
ディスク回転方向Aの後端面を構成し、長手方向の他方
側面が第1のコア部材8との接合面を構成する。
【0053】以上の工程を経て製作された第1のコア部
材8と第2のコア部材9とは、ガラス融着工程S−9に
おいて相対する端面が互いに突き合わされて、換言すれ
ばディスク回転方向Aに対して直列に突き合わされ、溶
融ガラスによって一体に接合される。この接合部に充填
された溶融ガラスは、第1のコア部材4と第2のコア部
材6とを磁気的に隔離する。製作された接合フェライト
・ブロック体には、リード/ライト・コイル14及びイ
レーズ・コイルの組立空間部を構成する凹部を底面部に
形成するための凹部形成工程S−10が施される。接合
フェライト・ブロック体は、カッティング工程S−11
において所定の大きさに切断されることによって、下位
仕様磁気ヘッド部2を構成するコアチップが形成され
る。
【0054】上位仕様磁気ヘッド部2の製造工程は、素
材のフェライト・ブロック材を所定のブロック形状に形
成するブロック成形工程S−12を第1の工程とする。
フェライト・ブロック材は、多数個の第3のコア部材1
0を切り出し可能とする大きさを有している。フェライ
ト・ブロック材には、第2の工程の溝形成工程S−13
において、第1のコア半体部と第2のコア半体部とに分
割されてメタル・イン・ギャップ18を構成するための
ギャップ構成溝が全長に亘って形成される。
【0055】フェライト・ブロック材には、第3の工程
の磁性金属膜形成工程S−14において、第1のコア半
体部と第2のコア半体部との突合せ部であるギャップ構
成溝の溝壁にスバッタ法により磁性金属膜が成膜形成さ
れる。フェライト・ブロック材には、第4の工程のガラ
ス融着工程S−15において、ギャップ構成溝内に溶融
ガラスが充填されることによりメタル・イン・ギャップ
18が形成される。
【0056】以上の工程を経たフェライト・ブロック材
には、第5の工程の両サイド加工工程S−16におい
て、外周側面が所定の形状と面精度を以って仕上げられ
るとともに、第1のコア半体と第2のコア半体とのギャ
ップ構成部位に対応する外側面の上端部にそれぞれ傾斜
面が長さ方向の全域に亘って形成される。また、この両
サイド加工工程S−16においては、フェライト・ブロ
ック材の上端面に記録トラックに対応したトラック溝が
形成される。フェライト・ブロック材には、第6の工程
の補強部材接合工程S−17において、長手方向の両側
面にそれぞれ補強部材11を構成する補強ブロック材が
接合される。補強ブロック材は、水ガラス或いは低融点
ガラスによってフェライト・ブロック材に接合される。
【0057】フェライト・ブロック材は、上端部の両側
に補強ブロック材35が水平状態で一体に接合されるこ
とによって全体略T字状を呈しており、リード/ライト
・コイル14,15のコイル組付空間部19,20を形
成する第7の工程の溝形成工程S−18が施される。フ
ェライト・ブロック材は、さらに第8の工程のカッティ
ング工程S−19において所定形状にカッティングされ
て上位仕様磁気ヘッド部3を構成するコアチップが形成
される。
【0058】上述したS−1乃至S−19の各工程を経
て製作された下位仕様磁気ヘッド部2を構成するコアチ
ップと上位仕様磁気ヘッド部3を構成するコアチップと
は、ヘッド組付工程S−20において、それぞれ第1の
スライダ部材12と第2のスライダ部材13に対して溶
融ガラスによって組み付けられることにより、図6に示
す複合磁気ヘッド中間体30を構成する。複合磁気ヘッ
ド中間体30には、端面加工工程S−21において、そ
の主面に同図クロス線で示したディスク回転方向の前後
の端面領域31,31を対象として端面加工が施され
る。複合磁気ヘッド中間体30には、これによって端面
領域31,31に、10°乃至20°の傾斜が付され
る。
【0059】複合磁気ヘッド中間体30には、グルーブ
溝・スライダレール部形成工程S−22においてその主
面に切削加工が施されることによって、図7に示すよう
に中心部にグルーブ溝5がディスク回転方向Aの全域に
亘って凹設されるとともに、このグルーブ溝5と平行に
第1のスライダレール部21と第2のスライダレール部
22に対応する凸部が第1の領域6及び第2の領域7に
それぞれ形成される。グルーブ溝5は、上述したように
複合磁気ヘッド中間体30の中央部にディスク回転方向
Aの全域に亘って凹設される。また、第1のスライダレ
ール部21と第2のスライダレール部22とは、下位仕
様磁気ヘッド部2と上位仕様磁気ヘッド部3とに沿って
複合磁気ヘッド中間体30の両側部分を削成することに
よって形成される。
【0060】さらに、複合磁気ヘッド中間体30には、
外周領域凸面加工工程S−23が施されることによっ
て、ディスク摺動面4を構成する主面全体を曲率半径が
100mmの凸曲面とされる。複合磁気ヘッド中間体3
0は、次の内周領域凸面加工工程S−24が施されるこ
とによって、内周凸曲面領域部24を曲率半径が900
0mmの凸曲面とされる。複合磁気ヘッド中間体30に
は、さらに外周縁部に面取り26等を施すブレンド加工
工程S−25が施されて複合磁気ヘッド1、換言すれば
複合磁気ヘッドチップが完成される。
【0061】以上の工程を経て製作された複合磁気ヘッ
ド1は、ヘッド支持機構に組み合わされて下位仕様磁気
ディスクと上位仕様磁気ディスクとの互換使用を可能と
する兼用フロッピーディスクドライブ装置に搭載され
る。複合磁気ヘッド1は、上位仕様磁気ディスクが装填
されてこれが例えば3600rpmの高速で回転駆動さ
れる場合においても、そのディスク摺動面4を上述した
複合凸曲面として構成したことによって上位仕様磁気デ
ィスクからの浮上現象が抑制され、疑似接触状態を保持
して情報信号等の記録再生を高精度に行う。
【0062】なお、上述した複合磁気ヘッド1において
は、上位仕様磁気ヘッド部3を、磁気ギャップがメタル
・イン・ギャップとしたいわゆるMIGヘッドによって
構成したが、その他の高密度用磁気ヘッド、例えばMR
ヘッドや薄膜磁気ヘッドであってもよい。さらに、各部
の形状、寸法等については、上述した構成に限定される
ものではないことは勿論である。
【0063】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
る複合磁気ヘッドによれば、グルーブ溝によって第1の
ヘッド部と第2のヘッド部とが磁気的に充分に隔離され
た状態で配設されることによって相互のクロストークが
低減されるとともに、第2のヘッド部が回転方向の後方
側に位置されることにより高速で回転駆動される第2の
磁気ディスクに対しての実質的な浮上量が抑制されるこ
とから疑似接触状態が保持され、情報信号等を高精度に
記録再生する。また、複合磁気ヘッドは、グルーブ溝を
充分な幅で形成することからピボットと各ヘッド部との
なす角度が充分に保持され、振動等が加えられた場合に
も各ヘッド部の振れが抑制されて情報信号等を高精度に
記録再生する。
【0064】また、本発明に係る複合磁気ヘッドの製造
方法によれば、第1のヘッド部と第2のヘッド部とのク
ロストークが低減され、振動等に対しても各ヘッド部の
振れが少なく、情報信号等を高精度に記録再生する複合
磁気ヘッドが製造される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態として示す複合磁気ヘッド
の要部平面図である。
【図2】同複合磁気ヘッドの要部縦断面図である。
【図3】同複合磁気ヘッドの要部側面図である。
【図4】同複合磁気ヘッドを備える兼用型フロッピーデ
ィスクドライブ装置の要部側面図である。
【図5】同複合磁気ヘッドの製造工程の説明するブロッ
ク図である。
【図6】同製造工程において、端面加工が施された複合
磁気ヘッド中間体の平面図である。
【図7】同グルーブ溝・スライダレール部形成加工が施
された複合磁気ヘッド中間体の平面図である。
【符号の説明】
1 複合磁気ヘッド、2 下位仕様磁気ヘッド部、3
上位仕様磁気ヘッド部、4 ディスク摺動面、5 グル
ーブ溝、6 第1の領域、7 第2の領域、8第1のコ
ア部材、9 第2のコア部材、10 第3のコア部材、
11 補強部材、12 第1のスライダ部材、13 第
2のスライダ部材、14 下位仕様磁気ヘッド部のリー
ド/ライト・コイル、15 上位仕様磁気ヘッド部のリ
ード/ライト・コイル、16 下位仕様磁気ヘッド部の
リード/ライト・ギャップ、17 同イレーズ・ギャッ
プ、18 上位仕様磁気ヘッド部のメタル・イン・ギャ
ップ、21 第1のスライダレール部、22 第2のス
ライダレール部、24内周凸曲面領域部、25 外周凸
曲面領域部、26 面取り、A 磁気ディスクの回転方
向、D 磁気ディスク、O ヘッド中心、HL ヘッド
中心線、GLグルーブ溝の中心軸線、W グルーブ溝の
幅、R1 内周凸曲面領域部の曲率半径、R2 外周凸
曲面領域部の曲率半径

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性を有する第1の磁気ディスクを対
    象として情報信号等の記録再生を行う磁気ギャップが形
    成された第1のヘッド部と、 上記第1の磁気ディスクに対して情報信号等の高密度記
    録が可能とされた可撓性を有する第2の磁気ディスクを
    対象として情報信号等の記録再生を行う磁気ギャップが
    形成された第2のヘッド部と、 磁気ディスクとの対向面に幅方向の中央に位置してグル
    ーブ溝が全長に亘って形成されるとともに、このグルー
    ブ溝によって区割りされた幅方向の第1の領域と第2の
    領域とにそれぞれ形成されて磁気ディスクとの摺動部を
    構成する第1のスライダレール部と第2のスライダレー
    ル部とに上記第1のヘッド部と第2のヘッド部とが配設
    されてなるスライダ部材とを備え、 上記グルーブ溝がその溝幅を上記第1のスライダレール
    部及び第2のスライダレール部の幅よりも大とされて形
    成されるとともに、上記第2のヘッド部がその磁気ギャ
    ップを上記スライダ部材の中心位置に対して磁気ディス
    クの回転方向の後方側に位置されて配設されたことを特
    徴とする複合磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 上記スライダ部材は、磁気ディスクとの
    対向面が、少なくとも上記第1のヘッド部と第2のヘッ
    ド部とを配設した内周領域部及びこの内周領域部を囲む
    外周領域部とからなる凸曲面によって構成され、 上記内周領域部がその曲率半径を上記外周領域部の曲率
    半径に対して大とされることによって複合凸曲面に構成
    されたことを特徴とする請求項1に記載の複合磁気ヘッ
    ド。
  3. 【請求項3】 上記内周領域部は、その曲率半径が10
    00mm以上とされたことを特徴とする請求項1に記載
    の複合磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 上記第1のヘッド部は、上記グルーブ溝
    の中心からの間隔が、上記第2のヘッド部の上記グルー
    ブ溝の中心からの間隔に対して大らならしめてスライダ
    部材に配設されたことを特徴とする請求項1に記載の複
    合磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】 可撓性を有する第1の磁気ディスクを対
    象として情報信号等の記録再生を行う第1のヘッド部を
    製作する第1のヘッド部製作工程と、 上記第1の磁気ディスクに対して情報信号等の高密度記
    録が可能とされた可撓性を有する第2の磁気ディスクを
    対象として情報信号等の記録再生を行う第2のヘッド部
    を製作する第2のヘッド部製作工程と、 上記第1のヘッド部と第2のヘッド部とをスライダ部材
    に組み付けてヘッド中間体を製作するヘッド組付工程
    と、 このヘッド中間体の磁気ディスクとの対向面に、幅方向
    の中央に位置して全長に亘ってグルーブ溝を形成すると
    ともに、このグルーブ溝によって区割りされた幅方向の
    第1の領域と第2の領域とに上記第1のヘッド部と第2
    のヘッド部とに対応して磁気ディスクとの摺動部を構成
    する第1のスライダレール部と第2のスライダレール部
    とを形成するグルーブ溝・スライダレール部形成工程と
    を施し、 上記グルーブ溝がその溝幅を上記第1のスライダレール
    部及び第2のスライダレール部の幅よりも大とされると
    ともに、上記第2のヘッド部がその磁気ギャップを上記
    スライダ部材の中心位置に対して磁気ディスクの回転方
    向の後方側に位置されて組み付けられることを特徴とす
    る複合磁気ヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 上記ヘッド中間体には、上記グルーブ溝
    ・スライダレール部形成工程を施した後に、磁気ディス
    クとの対向面を全面に亘って曲率半径R2の凸曲面とす
    る外周領域凸曲面加工工程と、上記第1のヘッド部と第
    2のヘッド部とが配設された内周領域部に曲率半径R1
    の凸曲面とする内周領域凸曲面加工工程とが施されるこ
    とを特徴とする請求項5に記載の複合磁気ヘッドの製造
    方法。
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