JPH1145433A - 磁気記録用基板及びその作製方法 - Google Patents

磁気記録用基板及びその作製方法

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JPH1145433A
JPH1145433A JP21564297A JP21564297A JPH1145433A JP H1145433 A JPH1145433 A JP H1145433A JP 21564297 A JP21564297 A JP 21564297A JP 21564297 A JP21564297 A JP 21564297A JP H1145433 A JPH1145433 A JP H1145433A
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substrate
magnetic recording
fine
fine particles
glass substrate
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JP21564297A
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English (en)
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Masaki Hatakeyama
雅規 畠山
Katsunori Ichiki
克則 一木
Kenji Watanabe
賢治 渡辺
Kazuo Yamauchi
和雄 山内
Shinta Kunitomo
新太 國友
Yasushi Taima
康 當間
Toru Satake
徹 佐竹
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Ebara Corp
Original Assignee
Ebara Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 提高密度磁気記録に適した微細な且つバラツ
キの少ない凹凸からなるテクスチャ構造を、その表面に
有する磁気記録用基板及びその作製方法を提供する。 【解決手段】 ガラス基板11と該ガラス基板11表面
には、磁性層13、カーボン層14、そして潤滑膜15
等がコーティングされている磁気記録用基板であって、
該基板表面には、該基板とヘッドとの接触が起こった場
合に摩擦低減及び該ヘッドの浮上量制御を行うための微
細な凹凸からなるテクスチャ構造を備え、該テクスチャ
用の微細な凹凸の段差が20nm以下であって、該微細
な凹凸構造の加工には、高速原子線源から放出される高
速原子線19と遮蔽物17,18を利用して、該遮蔽物
のパターン形状もしくは輪郭を用いて前記凹凸を形成し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハードディスク装置
等に用いられる磁気記録媒体に係り、特にその表面上に
微細な凹凸構造(テクスチャ)を有する磁気記録用基板
とその作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のハードディスク装置等の磁気記録
用ディスクは、アルミ材等の基板の表面に、Ni−P
層、磁性層、保護膜、表面潤滑層等が順次形成されて構
成されていた。近年、アルミ基板に替えて硬度や平滑性
の要請からガラス基板も実用化されている。
【0003】上記のようなハードディスク装置は、年々
増大する高記録密度化の要請に伴い、ヘッドの浮上量を
最小限としたいわゆるセミコンタクトな状態で使用さ
れ、そのために磁気記録用基板の表面の平滑化が求めら
れている。一方、過度に平滑であると、ヘッドが表面に
くっついて離れなくなる、いわゆる吸着現象が起きるた
め、ある程度のミクロな凹凸(テクスチャ)があるのが
好ましい。
【0004】従来の磁気記録用基板の上記テクスチャ
は、通常、上記アルミ基板上のNi−P層等の表面に研
磨テープ又は研磨布等によるメカニカルな研磨方法で形
成されていた。研磨テープによる方法は、両面に砥粒を
接着させた研磨テープで基板の表面を磨く方法である。
基板表面に研磨テープを押し付けて、基板表面を回転さ
せることで研磨の溝跡を付けて微細な凹凸であるテクス
チャ構造を作製する。また、研磨布による方法は、砥粒
を含む研磨液を研磨布上に流下しつつ、研磨対象である
基板表面を該研磨布に押し付けつつ、回転することで、
その研磨の溝跡を基板表面に形成するものである。
【0005】また、ガラス基板を用いた磁気記録用基板
表面の微細な凹凸(テクスチャ)の形成方法としては、
フッ酸蒸気溶解による方法、結晶析出による方法等が知
られている。ガラス基板表面にフッ酸蒸気溶解を用い
て、テクスチャを構成する方法は、ガラス表面をフッ酸
蒸気に晒してガラス表面の局部的な溶解を行う。そのと
きに、蒸気吸着量や濃度の違いによる局所的な溶解度の
バラツキを利用して、表面に微細な凹凸構造を作製する
方法である。また結晶析出による方法は、ガラス基板内
部での結晶形態として結晶粒径を熱処理によって制御
し、表面に析出する結晶粒の凹凸を利用して、その表面
を微細な凹凸構造とする方法である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなテクスチャ形成方法においては、研磨テープ又は
研磨布等によるメカニカルな方法では、加工精度が良く
なく、凹凸の高さのバラツキが大きくなるため、浮上量
が30nm程度のセミコンタクト領域では対応が困難で
ある。また、フッ酸蒸気溶解、結晶析出等の方法により
ガラス基板表面の凹凸構造を制御するのは、同様に加工
精度がよくなく、凹凸のバラツキが大きくなるため、対
応が困難であった。即ち、フッ酸蒸気溶解による方法で
は、ガラス基板への吸着蒸気量のバラツキを利用してい
るので、濃度の不均一による溶解加工深さのバラツキ等
から加工深さの不均一性が大きくなるので、特に例えば
20nmの微細な凹凸を均一な加工深さ及び均一な密度で
ガラス基板全域に加工することが不可能である。また、
結晶析出による方法では、ガラスの結晶形態の制御を熱
処理制御によって行っているので、温度状態によって表
面析出結晶粒子の大きさや数量を制御するのであるが、
熱処理状態の不均一性、結晶粒の大きさの不均一性、析
出粒子の不均一性等により、上記微細な凹凸を均一な加
工深さ及び均一な密度でガラス基板表面に形成すること
が困難である。
【0007】また、レーザ照射法を用いて上記微細な凹
凸構造(テクスチャ)を形成することが試みられてい
る。これは、レンズや集光ミラー等を用いて集光した微
細径のレーザ光を基板表面で、スキャニングして基板表
面に照射して、レーザエネルギーを微細領域に集中する
ことにより、レーザアブレーション現象を起こし、この
ときに発生するクレーター状の凹凸構造を規則的に作製
して、上記テクスチャ構造として用いている。
【0008】また、エネルギーイオンビームによる加工
法を用いて上記テクスチャを形成することが試みられて
いる。これは、イオンビームやプラズマを用いた微細凹
凸構造の加工方法で、生成されたイオンが電気的に加速
され、基板表面に照射されて、加工が行われる。この
際、微細凹凸構造の加工を行うためのパターンニングと
しては、フォトリソグラフィ技術によるレジスト膜パタ
ーンが用いられる。
【0009】しかしながら、レーザアブレーション現象
を用いる方法では、通常パルスレーザが用いられるが、
このとき、凹凸構造の高さのバラツキについては、基板
の場所によるスポット径とレーザ強度のバラツキ、レー
ザ強度分布の時間的バラツキが考えられる。また、繰り
返し照射回数(照射周波数)の制限による凹凸加工数の
制約が考えられ、基板全面にレーザによるテクスチャ構
造の作製を考える場合、長時間の工程が必要となる。実
際に、高磁気記録密度を実現する微細テクスチャとし
て、高さが20nm以下の凹凸構造を必要とすると、こ
のとき、パルスレーザ照射の繰り返し周波数は、通常1
〜10kHz程度である。従って、10μm正三角形ピ
ッチで、凹凸を加工する場合、1cm2当たり、およそ
115万個加工しなければならない。この場合、1kH
zで約1156秒/cm2、10kHzで115秒/cm2
かかる。従って、基板表面の全面にテクスチャ構造を加
工する場合には、長時間の工程時間となり、コスト高及
び工程時間の問題が起こり、実用的ではない。
【0010】本発明は上述した事情に鑑みて為されたも
ので、高密度磁気記録に適した微細な且つバラツキの少
ない凹凸からなるテクスチャ構造を、その表面に有する
磁気記録用基板及びその作製方法を提供することを目的
とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気記録用基板
は、ガラス基板と該ガラス基板表面には、磁性層、カー
ボン層、そして潤滑膜等がコーティングされている磁気
記録用基板であって、該基板表面には、該基板とヘッド
との接触が起こった場合に摩擦低減及び該ヘッドの浮上
量制御を行うための微細な凹凸からなるテクスチャ構造
を備え、該テクスチャ用の微細な凹凸の段差が20nm
以下であって、該微細な凹凸構造の加工には、高速原子
線源から放出される高速原子線と遮蔽物を利用して、該
遮蔽物のパターン形状もしくは輪郭を用いて前記凹凸を
形成したことを特徴とする。
【0012】また、前記高速原子線と遮蔽物を利用して
形成する凹凸構造は、前記ガラス基板表面に対して加工
したものであることを特徴とする。
【0013】また、前記高速原子線と遮蔽物を利用して
形成する凹凸構造は、前記カーボン層に対して加工した
ものであることを特徴とする。
【0014】また、本発明の磁気記録用基板の作製方法
は、ガラス基板と該ガラス基板表面に、磁性層、カーボ
ン層、潤滑膜等の被膜を順次コーティングして形成する
磁気記録用基板の作製方法であって、前記基板表面又は
各種被膜のいずれかに、高速原子線と遮蔽物を利用し
て、該遮蔽物のパターン形状又は輪郭を用いて、微細な
凹凸からなるテクスチャ構造を形成することを特徴とす
る。
【0015】また、アルゴンガス等の不活性ガスを用い
た高速原子線源から放出される高速原子線を用いること
を特徴とする。
【0016】また、塩素ガス又は塩素系化合物ガスを用
いた高速原子線源から放出される高速原子線を用いるこ
とを特徴とする。
【0017】また、前記ガラス基板表面又は各種被膜に
微細な凹凸構造を加工するために、微粒子を該加工対象
の表面に分散配置し、その後高速原子線の照射を行っ
て、前記微粒子の輪郭を用いて微細な凹凸構造を形成す
ることを特徴とする。
【0018】また、前記高速原子線源として、平行平板
型高速原子線源を用いることを特徴とする。
【0019】また、ガラス基板と該ガラス基板表面に、
磁性層、カーボン層、潤滑膜等の被膜を順次コーティン
グして形成する磁気記録用基板の作製方法であって、前
記ガラス基板表面又は各種被膜のいずれかの表面に、溶
液中に略球形の微粒子を分散させた該溶液を塗布して、
前記表面上に分散配置し、平行平板型の高速原子線源を
用いて高速原子線を前記表面上に照射して該微粒子を遮
蔽物として前記表面に凹凸を形成し、前記表面から該微
粒子を洗浄により除去することを特徴とする。
【0020】また、前記微粒子は、アルミナ、カーボ
ン、Si34、SiC、TiN、ZrO2、MgOのい
ずれかの結晶性微粒子であることを特徴とする。
【0021】上述した本発明によれば、磁気記録用基板
の表面全体に20nm以下の高さの凹凸を均一に、短時
間で加工を実現する加工方法とそれによって作製された
磁気記録用基板を実現できる。これにより基板とヘッド
の間の浮上量を小さくして、且つ吸着しないので、磁気
記録密度を格段に向上できる。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施形態のガ
ラス基板を用いた磁気記録用基板を示す。図1(A)
は、ガラス基板を用いた磁気記録用基板の作製工程にお
いて、テクスチャ用微細凹凸構造が、ガラス基板上に直
接、加工された例を示している。この例では微細凹凸構
造が形成されたガラス基板11上に磁性層13、カーボ
ン層14、潤滑層15が順次コーティングされて形成さ
れている。ここで磁性層13において磁気記録が行われ
る。カーボン層14及び潤滑層15は絶縁性の表面保護
層であり、この表面が図示しない磁気記憶ヘッドとセミ
コンタクトな状態で摺動することで磁気記憶及び読み出
しが行われる。この実施形態ではガラス基板11表面に
微細な凹凸加工が施され、図示するように基板表面は凹
凸となっている。この凹凸は後に詳述する高速原子線と
遮蔽物を用いて加工されているので、その高さは20n
m以下と極めて小さく、微細であり、且つその高さのバ
ラツキは±5%程度と極めて均一性が高い。また、一例
としてこの凸部の外径は5μm程度であり、その密度は
約12,000個/mm2である。
【0023】本実施形態では、このガラス基板11表面
の微細凹凸を正確に均一高さで加工を実現するため、高
速原子線の照射を該ガラス基板11の表面に行う。高速
原子線は、エネルギーが数十eV以上を有する、電気的
に中性の原子や分子のビームである。通常数百〜10k
eV程度のエネルギー領域で用いられている。この高速
原子線を用いると、電気的に中性な原子/分子のビーム
であるため、絶縁膜層に生じるチャージアップ量を小さ
く押さえることができ、かつ、チャージアップの有無に
限らず、均一にガラス基板層へのビーム照射が可能とな
る。従って、ガラス基板表面の微細凹凸構造の加工を精
度よく、かつ、20nm以下の均一高さの加工を磁気記
録用基板全面において実現できる。
【0024】また、遮蔽物として、Ni電鋳製のパター
ンマスクやSiのパターンをドライやウェットエッチン
グによって作製されたマスクを用いることができる。特
に、高アスペクト比のパターン穴形状を有するマスクを
実現するために、LIGAプロセスやレーザLIGAプ
ロセスと呼ばれる方法で、特殊なレジストを用いてパタ
ーン作製を行い、そこにニッケルのモールディングを行
ってマスクを作製することもできる。これらは、軟X線
等の放射線や紫外線レーザを用いて、高アスペクト比の
レジストパターン加工がなされ、そこにニッケルの電気
鋳造を行い、微細パターンの高アスペクト比のパターン
マスクが作成可能となっている。
【0025】テクスチャ用の微細凹凸の加工には、遮蔽
物を基板上または基板から離隔した上部に設置して、凹
凸形状の転写加工を行う。このとき、通常のリソグラフ
ィ技術でよく用いられるレジストパターン膜の作製を行
うと、工程が非常に煩雑となり、工程時間の上昇とコス
トの上昇が生じる。効率よく、短時間で、微細な凹凸構
造の加工を行い、かつ、均一密度で基板全面に微細な凹
凸を加工するため、遮蔽物として微粒子を用いることが
できる。ガラス基板表面にこの微粒子を遮蔽物として、
高速原子線加工を行うと、微粒子の輪郭形状を正確に転
写した加工ができる。微粒子の例として、アルミナ微粒
子を用いた場合、アルミナ微粒子の均一な分散とディス
ク面上への均一密度配置を行うために、例えば、次の様
な手順を用いて、アルミナ微粒子分散及び配置を行う。
【0026】まずアルミナ微粒子をアルコールなどの溶
液に溶かし、超音波振動によって、均一分散をさせる、
その液滴を回転機に設置したディスク基板上に落とし
て、ディスク基板を回転させて均一分散及び配置を行
う。または、回転しているディスク基板上に該液滴を落
として、均一な分散及び配置を行う。アルミナ微粒子を
用いる理由の一つは、アルミナが、化学的に安定性が高
く、物理的及び化学的スパッタリング率も低い。つま
り、高速原子線の照射によるスパッタ粒子量が少なく、
それによって生じる表面再付着が引き起こす表面粗さの
悪化が非常に小さい。従って、加工面粗さを悪化させる
ことなく、微粒子の形状転写加工が可能となる。
【0027】このとき、微粒子の種類によっては、スパ
ッタリングが起こりやすく、このスパッタ粒子またはス
パッタ粒子との反応生成物が、加工表面に再付着して、
表面粗さを悪化させることもある。例えば、銀含有微粒
子などでは、該銀成分のスパッタ率が高いため、スパッ
タされた銀粒子が加工表面に再付着して、加工表面粗さ
を悪化させる事が有る。また、もう一つの理由は、上記
したように、アルミナ微粒子の分散が、表面活性剤を特
に使わなくても簡便にでき、かつ、高速原子線照射後に
アルコールを用いた超音波洗浄により、簡単に、基板表
面から取り去ることができる事が挙げられる。微粒子の
種類によっては、表面活性剤などの分散した溶液を用い
る必要が生じたり、高速原子線照射による基板表面での
吸着力の変化が生じ、簡単に、基板表面から取り去るこ
とが困難な場合が生じる。
【0028】また、アルミナ微粒子についても、通常の
焼成によるアルミナ作製及びその粉砕によるアルミナ微
粒子の作製方法によって作製されたアルミナ微粒子は、
複数の粒子が合体したクラスター形状となっており、ス
ムーズな球形ではない。また、生成された焼成アルミナ
は、粒度分布つまり粒径のバラツキが大きいので、凹凸
形状の大きさを均一にするには、分別された物を入手す
る必要がある。微粒子の形状がスムーズな球形をしてい
ると輪郭のパターンの転写加工においても、スムーズな
円形もしくは楕円形状をパターン加工できる。摩擦低減
機構においては、スムーズな円形パターンの方が、効率
の良い特性を得ることができる。これは、クラスター形
状のパターン転写による凹部に、磨耗粉がたまり、摩擦
低減特性を悪化させる場合があるからである。
【0029】そこで、本実施形態では、アルミナ微粒子
もしくは他の微粒子においても、CVD等によって作製
された、結晶性微粒子をもちいる。この様に、結晶成長
により作製されたアルミナ等の微粒子は、粒度分布も小
さく、均一粒径の略球形の微粒子を形成することができ
る。また、焼成によるアルミナ微粒子と比べて不純物の
混入も少ないため、不純物のスパッタによる再付着によ
って生じる加工面粗さの悪化を小さくすることができ
る。アルミナ以外の微粒子としては、ダイヤモンド・グ
ラファイトなどカーボン系の微粒子、Si34、Si
C、TiN、ZrO2、そしてMgOなどを用いること
ができる。この様に、本実施形態では、アルミナ等の微
粒子と高速原子線照射を用いて、均一形状の微細凹凸構
造を基板全面にわたって、効率よく、かつ、高精度に加
工ができる。
【0030】高速原子線を発生する高速原子線源につい
て、本発明では、平行平板型高速原子線源を用いること
を特徴としている。平行平板型高速原子線源の例として
は、例えば、本発明者等による特願平4-19575
号、及び、特願平3-261231号特許出願の高速原
子線源を用いることができる。この高速原子線源は、図
2に示すように、一つ以上の原子放出孔7を有する板状
陰極21と、この板状陰極21に対向して設置された一
つ以上の孔を有する板状陽極22と、前記板状陰極21
とは別の陰極であって、前記板状陽極22に対向すると
ともに前記板状陰極21とで前記板状陽極22を挟むよ
うにされた陰極23と、前記陰極23に負電位、前記板
状陽極22に正電位を与えて、前記2つの陰極21,2
3と前記板状陽極22間に放電を起こすガスを導入する
ガス導入部4とから構成される。板状陰極21と板状陽
極22とは平行平板を構成しており、大口径の直進性の
高い高速原子線を放出できる。
【0031】即ち、この平行平板型高速原子線源の特徴
は、直進性と中性化率の制御が簡便にでき、かつ、ビー
ム量の場所均一性の良いビームを発生することが可能な
高速原子線源である。高速原子線源の種類によって、ビ
ームの中性化率・直進性・ビーム量分布特性が大きく異
なり、直進性やビーム量分布の悪い高速原子線源を用い
ても、基板全面に、均一高さの凹凸構造を加工すること
ができない。
【0032】上述した基板表面の微細な凹凸の加工方法
は、ガラス基板の表面以外にも同様に適用できる。図1
(B)に示す例は、カーボン層14に微細な凹凸構造を
加工したものである。即ち、ガラス基板11の表面に磁
性層13、カーボン層14を形成する。そしてカーボン
層に上述した高速原子線と遮蔽物を用いた微細な凹凸の
加工を施す。そして、その微細な凹凸の加工後に、表面
潤滑膜15を形成したものである。上述した微細な凹凸
の加工をガラス基板11自体に施す場合には、その後の
磁性層13、カーボン層14、潤滑膜15の被着によっ
て形状の変化や凹凸の深さの変化を生じて、予め意図し
た設計値と異なった凹凸構造になってしまう場合があ
る。しかしながら、カーボン層14は表面に極めて近い
ため、各種被膜層の被着による凹凸形状の変化を受け
ず、予め意図した設計値通りの凹凸形状を得ることがで
きる。さらにカーボン層14に微細な凹凸の形成後に、
最終的な精密洗浄を行い、その後表面潤滑膜15を形成
することで、基板表面を極めて清浄な状態で製作するこ
とができる。
【0033】
【実施例】
[第1実施例]本発明の微細な凹凸の形成の第1実施例を
図3に示す。ガラス基板11の表面粗さは、約1nm以
下になっている。この表面を遮蔽物と高速原子線を用い
て、テクスチャ用微細凹凸構造を加工する。その後、磁
性層13、カーボン層14、潤滑膜15のコーティング
を行って、超高密度磁気記録用基板を形成する。円形を
なした基板の大きさは20〜130mmφ程度である。
【0034】この、ガラス基板11表面の加工におい
て、遮蔽物17として、図3(C)に示すような、ニッ
ケル電鋳により作製されたパターン穴を有するマスクを
用いる。このニッケル電鋳のパターンマスク17は、例
えば、穴形状が20×20μmで角が半径3μm、そし
て穴と穴の間の距離が10μm程度、厚みが10〜10
0μm程度のマスクである。マスクの大きさは、基板全
面を覆うことができる大きさに製作する。また、同様の
パターンマスクは、Si基板をプラズマエッチングやウ
エットエッチングによっても作製可能であり、これをパ
ターンマスクとして用いることもできる。
【0035】この微細な凹凸の加工は、真空チャンバ内
にて行われ、ガラス基板11は、ロードロック室から搬
送される。必要に応じて、回転・昇降ステージに基板が
装填される。真空チャンバ内において、基板11がステ
ージに設置されており、更に、この基板11上にはパタ
ーンマスク17が密着して配置されている。そして、真
空チャンバに取り付けられている平行平板型高速原子線
源よりアルゴンの高速原子線19を放出し、パターンマ
スクの配置された基板表面に、照射する。照射時間によ
って、加工量を制御する。この高速原子線源の動作条件
は、ビーム径110mm、放電電圧3kV、放電電流3
00mA、中性化率80%である。照射時間は15秒と3
0秒である。また、プラズマ密度を制御するために、5
00ガウスの磁場の印加を行っており。そのための磁場
発生器を備えている。結果は、15秒照射の場合は加工
深さLが7.5nm、30秒照射の場合は15nmの加
工量を得ることができる。この場合の表面粗さは、15
秒照射と30秒照射の双方とも、1nm以下の初期表面
粗さと同程度の加工表面粗さを得ることができる。ま
た、加工パターン形状は、パターンマスクと同様のパタ
ーンを転写加工が可能で、ディスク全面において、±5
%以下の加工深さのバラツキに押さえることができる。
【0036】[第2実施例]図4に他の微細な凹凸の形成
例を示す。この例では、遮蔽物として、CVDで作製さ
れた略球形の結晶性アルミナ微粒子18を用いている。
このアルミナ微粒子は、一例として粒径5μmである。
このアルミナ微粒子18を均一に分散し、ガラス基板1
1の表面上に均一分散配置するため、次の工程を行う。
先ず、アルミナ微粒子を、エチルアルコール溶液中に溶
かし、超音波振動を与え、溶液中にて均一分散を行う。
次に、ディスク基板を回転塗布装置に装着し、低速回転
200rpm程度にて、アルミナ微粒子含有溶液を一定量
ほど円形基板上に落とし、その後、5000rpm程度の
高速回転を行って、アルミナ微粒子の均一分散・配置を
行う。分散密度は、一例として12000個/mm2であ
り、アルミナ微粒子が均一密度に分散配置される。この
様に分散配置された基板を第1実施例と同様に、アルゴ
ンガスを用いた平行平板型高速原子線源から生じる高速
原子線19によって、照射することでスパッタリング加
工を行う。その後、超音波洗浄により、このアルミナ微
粒子18は簡単に、ガラス基板11の上から除去するこ
とができる。
【0037】その他、真空チャンバ、高速原子線源、基
板の種類及び実験条件は、第1実施例と同様である。高
速原子線の照射時間は15秒と30秒である。結果は、
15秒照射の場合は加工量が7.5nm、30秒照射の
場合は15nmの加工量を得ることができる。この場合
の表面粗さは、15秒照射と30秒照射の双方とも、1
nm以下の初期表面粗さと同程度の加工表面粗さを得る
ことができる。また、加工パターン形状は、結晶性アル
ミナ微粒子の輪郭を転写したパターンを正確に加工で
き、ディスク全面において、±5%以下の加工深さのバ
ラツキに押さえることができる。
【0038】[第3実施例]図5に、塩素ガスを用いた高
速原子線によってガラス基板11の加工を行う実施例を
示す。この基板両面に、結晶性アルミナ微粒子18を均
一に分散配置し、その分散密度は、約12000個/m
2である。アルミナ微粒子18の外径は5μmで、分
散の方法は、第2実施例と同様である。
【0039】この基板を真空チャンバ中の基板用ステー
ジに装着して、基板の両面を、同時に高速原子線で照射
する。そのため、真空チャンバには2台の高速原子線源
が設置されている。なお、ステージは、基板11の外周
部を把持し、基板両表面の115mmφの領域に、高速
原子線が照射可能となっている。また、基板11には、
キセノンランプ20からの光を高速原子線と同時に照射
できるようになっており、基板表面吸着塩素分子の励起
及び化学スパッタリングによる反応生成粒子の昇華特性
を支援する。高速原子線源は上述した実施例と同様の平
行平板型高速原子線源で、動作条件は、ビーム径140
mmφ、塩素ガス使用、放電電圧3kV、放電電流30
0mA、である。この場合の照射時間は、20秒と40秒
で行う。結果は、20秒照射の場合は加工深さが8n
m、40秒照射の場合は16nmの加工量を得ることが
できる。この場合の表面粗さは、20秒照射と40秒照
射の双方とも、1nm以下の初期表面粗さと同程度の加
工表面粗さを得ることができる。また、加工パターン形
状は、略球形の結晶性アルミナ微粒子の輪郭を転写した
パターンを正確に加工でき、基板全面において、±5%
以下の加工深さのバラツキに押さえることができる。
【0040】以上の実施例はガラス基板自体の表面に微
細な凹凸加工を施す例について説明したが、他の被膜層
についても同様に適用できる。即ち、図1(B)に示す
カーボン層14の表面に微細な凹凸を形成する場合に、
同様に適用可能である。いずれの面に加工する場合にお
いても、電気的に中性な高速原子線を分散配置させた遮
蔽物でマスキングして照射することにより、nmオーダ
の微細なエッチング加工が可能であり、これにより高さ
5〜20nm程度の微細な凹凸が形成でき、且つこれら
の高さのバラツキは5%以内に抑えることができる。
【0041】
【発明の効果】以上に、説明したように、本発明による
と下記のような優れた効果が期待できる。即ち、従来の
研磨テープ、研磨布、そしてレーザアブレーションを用
いたテクスチャ用微細凹凸構造の加工技術とそれによっ
て作製された磁気記録用基板では、微細凹凸高さが20
nm以下の凹凸構造を、ディスク全面において、均一配
置密度で、かつ凹凸高さの均一性が良い、超精密な磁気
記録用基板を作製することは大変困難であった。
【0042】本発明では、ガラス基板の表面又は各種被
膜層に、アルミナ微粒子などの遮蔽物の形状の転写加工
を高速原子線を用いて行うことにより、20nm以下の
微細凹凸高さの加工においても、加工面の表面粗さを悪
化させずに、高精度に加工が可能となる。従って、基板
表面全域において、加工量とパターン密度が均一な加工
を施すことが可能な加工方法と、この加工方法を用いて
作製された超高精度の磁気記録用基板が提供される。こ
の様な超高精度磁気記録用基板によれば、従来よりも約
一桁以上高い磁気記録密度を達成できる磁気記録装置の
実現が可能となり、情報・通信産業分野において、大変
有用となる。以上の意味で、本発明の工学的・産業的意
義は大変大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の磁気記録用基板の説明
図。
【図2】平行平板型高速原子線源の説明図。
【図3】本発明の第1実施例の微細な凹凸の形成方法を
示す説明図。
【図4】本発明の第2実施例の微細な凹凸の形成方法を
示す説明図。
【図5】本発明の第3実施例の微細な凹凸の形成方法を
示す説明図。
【符号の説明】
11 ガラス基板 13 磁性層 14 カーボン層 15 潤滑膜 17 パターンマスク 18 アルミナ微粒子 19 高速原子線
フロントページの続き (72)発明者 山内 和雄 神奈川県藤沢市本藤沢4丁目2番1号 株 式会社荏原総合研究所内 (72)発明者 國友 新太 神奈川県藤沢市本藤沢4丁目2番1号 株 式会社荏原総合研究所内 (72)発明者 當間 康 神奈川県藤沢市本藤沢4丁目2番1号 株 式会社荏原総合研究所内 (72)発明者 佐竹 徹 神奈川県藤沢市本藤沢4丁目2番1号 株 式会社荏原総合研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス基板と該ガラス基板表面には、磁
    性層、カーボン層、そして潤滑膜等がコーティングされ
    ている磁気記録用基板であって、該基板表面には、該基
    板とヘッドとの接触が起こった場合に摩擦低減及び該ヘ
    ッドの浮上量制御を行うための微細な凹凸からなるテク
    スチャ構造を備え、該テクスチャ用の微細な凹凸の段差
    が20nm以下であって、該微細な凹凸構造の加工に
    は、高速原子線源から放出される高速原子線と遮蔽物を
    利用して、該遮蔽物のパターン形状もしくは輪郭を用い
    て前記凹凸を形成したものであることを特徴とする磁気
    記録用基板。
  2. 【請求項2】 前記高速原子線と遮蔽物を利用して形成
    する凹凸構造は、前記ガラス基板表面に対して加工した
    ものであることを特徴とする請求項1記載の磁気記録用
    基板。
  3. 【請求項3】 前記高速原子線と遮蔽物を利用して形成
    する凹凸構造は、前記カーボン層に対して加工したもの
    であることを特徴とする請求項1記載の磁気記録用基
    板。
  4. 【請求項4】 ガラス基板と該ガラス基板表面に、磁性
    層、カーボン層、潤滑膜等の被膜を順次コーティングし
    て形成する磁気記録用基板の作製方法であって、前記基
    板表面又は各種被膜のいずれかに、高速原子線と遮蔽物
    を利用して、該遮蔽物のパターン形状又は輪郭を用い
    て、微細な凹凸からなるテクスチャ構造を形成すること
    を特徴とする磁気記録用基板の作製方法。
  5. 【請求項5】 アルゴンガス等の不活性ガスを用いた高
    速原子線源から放出される高速原子線を用いることを特
    徴とする請求項4記載の磁気記録用基板の作製方法。
  6. 【請求項6】 塩素ガス又は塩素系化合物ガスを用いた
    高速原子線源から放出される高速原子線を用いることを
    特徴とする請求項4記載の磁気記録用基板の作製方法。
  7. 【請求項7】 前記ガラス基板表面又は各種被膜に微細
    な凹凸構造を加工するために、微粒子を該加工対象の表
    面に分散配置し、その後高速原子線の照射を行って、前
    記微粒子の輪郭を用いて微細な凹凸構造を形成すること
    を特徴とする請求項4記載の磁気記録用基板の作製方
    法。
  8. 【請求項8】 前記高速原子線源として、平行平板型高
    速原子線源を用いることを特徴とする請求項4記載の磁
    気記録用基板の作製方法。
  9. 【請求項9】 ガラス基板と該ガラス基板表面に、磁性
    層、カーボン層、潤滑膜等の被膜を順次コーティングし
    て形成する磁気記録用基板の作製方法であって、前記ガ
    ラス基板表面又は各種被膜のいずれかの表面に、溶液中
    に略球形の微粒子を分散させた該溶液を塗布して、前記
    表面上に分散配置し、平行平板型の高速原子線源を用い
    て高速原子線を前記表面上に照射して該微粒子を遮蔽物
    として前記表面に凹凸を形成し、前記表面から該微粒子
    を洗浄により除去することを特徴とする磁気記録用基板
    の作製方法。
  10. 【請求項10】 前記微粒子は、アルミナ、カーボン、
    Si34、SiC、TiN、ZrO2、MgOのいずれ
    かの結晶性微粒子であることを特徴とする請求項9記載
    の磁気記録用基板の作製方法。
JP21564297A 1997-07-25 1997-07-25 磁気記録用基板及びその作製方法 Pending JPH1145433A (ja)

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US09/739,381 US6627095B2 (en) 1997-07-25 2000-12-19 Magnetic recording disk and method of manufacturing same

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104169604A (zh) * 2012-03-12 2014-11-26 康卓(马克多夫)有限公司 组合的摩擦盘和液体摩擦离合器

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