JP2002069627A - スパッタリングターゲットとそれを用いたスパッタリング装置 - Google Patents

スパッタリングターゲットとそれを用いたスパッタリング装置

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JP2002069627A JP2000261375A JP2000261375A JP2002069627A JP 2002069627 A JP2002069627 A JP 2002069627A JP 2000261375 A JP2000261375 A JP 2000261375A JP 2000261375 A JP2000261375 A JP 2000261375A JP 2002069627 A JP2002069627 A JP 2002069627A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ターゲット本体の非エロージョン部やバッキ
ングプレートなどからの再付着物の剥離、脱落を抑制す
る。これによって、再付着物の剥離、脱落に起因するダ
ストの発生を低減する。さらに、スプラッシュ現象など
に起因するダストの発生を低減する。 【解決手段】 ターゲット本体1と、このターゲット本
体1を支持するバッキングプレート2とを具備するスパ
ッタリングターゲット3である。ターゲット本体1の非
エロージョン部には、エッチング処理またはポリッシン
グ処理による表面処理領域6が設けられている。表面処
理領域6は、エロージョン部に設けても効果を発揮す
る。さらに、バッキングプレートの露出表面に形成して
もよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種電子部品の配
線膜、電極、素子構成膜などを形成する際に用いられる
スパッタリングターゲットとそれを用いたスパッタリン
グ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体部品や液晶部品などを作製するに
あたっては、配線や電極などとして使用される各種薄膜
の形成にスパッタリング法が適用されている。具体的に
は、半導体基板やガラス基板などの被成膜基板上に、ス
パッタリング法を適用してAl、Cu、Ti、Mo、
W、Mo−W合金などの導電性金属の薄膜、MoSi
2、WSi2、TiSi2などの導電性金属化合物の薄
膜、あるいはTiN、TaNなどの金属化合物の薄膜を
形成し、これら薄膜を配線、電極、バリア層などとして
利用している。
【0003】スパッタリング法は、荷電粒子によりスパ
ッタリングターゲット表面を衝撃して、ターゲットから
スパッタ粒子を叩き出し、ターゲットと対向させて配置
した基板上にスパッタ粒子を堆積させて薄膜を形成する
成膜法である。このような成膜方法を適用する際に用い
られるスパッタリングターゲットには、成膜材料からな
るターゲット本体を、バッキングプレートと呼ばれる基
板で保持した構造が一般的に適用されている。
【0004】ところで、上述したような従来のスパッタ
リングターゲットを用いた成膜工程においては、半導体
素子や液晶表示素子などの高機能化、高集積化、高精細
化などが進むにつれて、ターゲットに起因するダストの
発生が重大な問題として認識されている。ここで言うダ
ストとは、例えば直径が0.2μm以上の微細な粒子(パー
ティクル)であり、このような微細粒子が成膜した薄膜
中に混入すると、配線間のショートや配線のオープン不
良などの原因となるため、半導体素子や液晶表示素子な
どの電子部品の製造歩留りを低下させることになる。
【0005】例えば、工業的には効率のよいマグネトロ
ンスパッタ法が主として適用されており、その原理から
ターゲット本体にはエロージョン部と非エロージョン部
が存在する。スパッタされた粒子は基板に到達するもの
と、周辺に飛ぶもの、さらには再びターゲット本体側に
戻ってくるものとがある。ターゲット側に戻ってくる粒
子のうち、非エロージョン部に付着した粒子は基本的に
は再びスパッタされることがないため、スパッタの進行
が進むにつれて再付着物として堆積していく。この再付
着物が何等かの要因で剥離すると、ダストとして成膜し
た薄膜中に混入することになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、再付
着物の剥離はダストの発生原因の一つとなっている。こ
のようなダストの防止策としては、非エロージョン部の
表面粗さをエロージョン部より粗くして、再付着物の剥
離、脱落を防止する(例えば特開平6-306597号公報参
照)、また非エロージョン部にブラスト粒子を打ち込
み、アンカー効果で再付着物の剥離、脱落を防止する
(例えば特開平9-176843号公報参照)、スパッタリング
装置の構成部品表面に溶射膜を形成する(特開平9-2729
65号公報参照)など、種々の対策が採られている。
【0007】しかしながら、上述したような従来のダス
ト低減策は、ある一定の効果は認められているものの、
ターゲットライフ近くまでスパッタリングが進行するに
つれて、ダストが増加する傾向にあった。このようなこ
とから、スパッタリングターゲットの非エロージョン部
などに堆積した再付着物の剥離、脱落をより効果的に抑
制し、ダストの発生をより一層低減することが求められ
ている。
【0008】また、ターゲット中にガス成分などの不純
物が存在すると、電界集中による異常放電が発生し、こ
れによりいわゆるスプラッシュ現象が生じてしまうとい
う問題がある。さらに、スパッタ面にスクラッチなどの
加工傷による凹凸が存在していても、スパッタ時にスプ
ラッシュ現象が生じやすい。スプラッシュ現象は、例え
ば塊状の異物がスパッタ膜中に混入する原因となってお
り、これにより半導体素子や液晶表示素子などの電子部
品の製造歩留りを低下させている。
【0009】スプラッシュ現象は塊状の異物に限らず、
通常サイズのダストの発生要因にもなっている。従っ
て、半導体素子や液晶表示素子などに代表される電子部
品の製造歩留りを向上させる上で、スプラッシュ現象な
どに基づく塊状の異物を含めて、ダストの発生を抑制す
ることが急務とされている。
【0010】特に、最近の半導体素子においては、256
M、1Gというような集積度を達成するために、0.2μm以
下さらには0.13μmや0.1μmというような配線幅が求め
られており、また一部実用化が進められている。このよ
うに狭小化された高密度配線においては、極微小粒子が
混入しても配線不良などを引起こすことから、高集積化
された半導体素子などの製造歩留りを高める上で、ダス
トの発生量を大幅に低減する必要がある。そこで、ダス
ト発生の一因となっている再付着物の剥離、脱落やスプ
ラッシュ現象を抑制することが強く求められている。
【0011】本発明はこのような課題に対処するために
なされたもので、ターゲット本体の非エロージョン部な
どからの再付着物の剥離、脱落やスプラッシュ現象を有
効に抑制することによって、ダストの発生を大幅に低減
することを可能にしたスパッタリングターゲット、およ
びそれを用いたスパッタリング装置を提供することを目
的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、ターゲッ
ト本体の非エロージョン部やバッキングプレートの露出
表面に付着、堆積した再付着物の形態について、詳細に
観察ならびに検討したところ、再付着物の堆積の仕方は
下地の影響を大きく受け、下地表面に予めエッチング処
理やポリッシング処理による表面処理を施しておくこと
によって、再付着物の緻密化や平坦化、さらには下地と
の密着強度の向上などを図ることができ、これらによっ
てスパッタ後期でも再付着物の剥離、脱落によるダスト
発生を有効に抑えることが可能であることを見出した。
【0013】さらに、ターゲット本体のスパッタ面を含
む露出表面全面に予めエッチング処理やポリッシング処
理による表面処理を施しておくことによって、スパッタ
面の凹凸などに起因する異常放電の発生を抑制すること
ができるため、異常放電に伴うスプラッシュ現象、ひい
てはスプラッシュ現象に起因するダストの発生を有効に
抑えることが可能であることを見出した。
【0014】本発明のスパッタリングターゲットはこの
ような知見に基づいて成されたものであり、本発明の第
1のスパッタリングターゲットは請求項1に記載したよ
うに、成膜材料からなるターゲット本体を具備するスパ
ッタリングターゲットにおいて、前記ターゲット本体の
少なくとも非エロージョン部の一部に、エッチング処理
またはポリッシング処理が施された表面処理領域を有す
ることを特徴としている。表面処理領域は請求項2に記
載したように、ターゲット本体のスパッタ面を含む露出
表面全面に設けられていることが好ましい。
【0015】本発明の第2のスパッタリングターゲット
は、請求項4に記載したように、成膜材料からなるター
ゲット本体と、前記ターゲット本体を支持するバッキン
グプレートとを具備するスパッタリングターゲットにお
いて、前記バッキングプレートの露出表面の少なくとも
一部に、エッチング処理またはポリッシング処理が施さ
れた表面処理領域を有することを特徴としている。
【0016】本発明のスパッタリングターゲットにおい
て、表面処理領域は請求項6に記載したように、Raで
1.5μm以下でかつRyで10μm以下の表面粗さを有する
ことが好ましい。さらに、請求項7に記載したように、
表面処理領域の表面粗さのバラツキを15%以内とするこ
とが好ましい。
【0017】本発明のスパッタリングターゲットは、請
求項8に記載したように、例えばTi、Zr、Hf、
V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Pt、Ag、Ir、
Ru、Fe、Ni、Co、Al、Cu、SiおよびGe
から選ばれる金属元素の単体、もしくは前記金属元素を
含む合金または化合物からなるターゲット本体を使用す
る場合に適用される。
【0018】また、本発明のスパッタリング装置は、請
求項9に記載したように、真空容器と、前記真空容器内
に配置される被成膜試料保持部と、前記真空容器内に前
記被成膜試料保持部と対向して配置されるターゲット部
とを具備するスパッタリング装置において、前記ターゲ
ット部は上記した本発明のスパッタリングターゲットを
有することを特徴としている。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施するための形
態について説明する。
【0020】図1は本発明の第1の実施形態によるスパ
ッタリングターゲットの概略構造を示す断面図である。
同図において、1は各種の金属材料や化合物材料などの
成膜材料からなる、例えば円板状のターゲット本体であ
る。このターゲット本体1は、バッキングプレート2に
より支持されており、これらによりスパッタリングター
ゲット3が構成されている。なお、バッキングプレート
2は必要に応じて使用されるものである。
【0021】バッキングプレート2は、ターゲット本体
1の支持部材であると共に、イオン衝撃(スパッタ熱)
によるターゲット本体1の温度上昇を抑制する冷却部材
としての機能を有するものである。このため、バッキン
グプレート2の構成材料には、例えば熱伝導率が高い無
酸素銅やAl合金が用いられ、さらにバッキングプレー
ト2には図示を省略した冷却管が内蔵されている。
【0022】ターゲット本体1の構成材料は特に限定さ
れるものではなく、スパッタリングターゲットの使用目
的に応じて種々の単体金属材料、合金材料、金属化合物
材料などが使用される。ターゲット本体1の構成材料の
具体例としては、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、
Cr、Mo、W、Pt、Ag、Ir、Ru、Fe、N
i、Co、Al、Cu、SiおよびGeから選ばれる金
属元素の単体、もしくは上記した金属元素を含む合金や
化合物が挙げられる。
【0023】ここで、図2に一般的なマグネトロンスパ
ッタリング装置の構成を模式的に示す。一般的なマグネ
トロンスパッタリング装置においては、スパッタリング
ターゲット3と基板4とを対向配置し、これらの間に電
界Eをかけると共に、これと直交する形でスパッタリン
グターゲット3の裏面側に配置したマグネット5により
ターゲット表面に磁界Mを生じさせる。
【0024】これら磁界Mと電界Eとの作用によって、
電子がサイクロン運動を起こし、ターゲット面内と上部
磁界内に高密度のプラズマを生じさせ、磁界Hに囲まれ
た領域のターゲット面のエロージョンが進展していく。
一方、磁界Hから外れたターゲット領域、すなわちター
ゲット本体1の表面(スパッタ面)の中央部Aや外周部
B、側面部Cはスパッタされないため、非エロージョン
部として再付着物が堆積する。この非エロージョン部に
堆積した再付着物の剥離、脱落がダスト発生の一因とな
っている。
【0025】そこで、図1に示したスパッタリングター
ゲット3においては、ターゲット本体1の非エロージョ
ン部、すなわちターゲット本体1の表面中央部、表面外
周部および側面部にエッチング処理を施して表面処理領
域6を設けている。なお、表面処理領域6は必ずしもタ
ーゲット本体1の非エロージョン部全体に形成しなけれ
ばならないものではなく、その一部に形成した場合にお
いても有効である。例えば、特に再付着粒子の剥離、脱
落が問題となるターゲット本体1の表面外周部や側面部
のみに表面処理領域6を形成することによっても、ダス
トの抑制に対して効果を示すものである。
【0026】表面処理領域6は、酸液やアルカリ溶液な
どの腐食液(薬液)を用いたウェットエッチング処理、
あるいはプラズマエッチングや反応性イオンエッチング
のようなドライエッチング処理などのエッチング処理
を、ターゲット本体1の非エロージョン部に施すことに
より形成したものである。エッチング処理を施した表面
処理領域6は、一般的な機械研削などにより表面仕上げ
した状態に比べて、滑らかでかつ局所的な凹凸が低減さ
れていることから、再付着粒子(スパッタ粒子)を高密
度にかつ比較的平滑に堆積させることができる。
【0027】例えば、図3(b)に示すように、ターゲ
ット本体1の非エロージョン部に比較的大きな凹凸(局
所的な凹凸)が存在していると、再付着粒子の付着が局
所的になり、凹凸を有しながら再付着物Xが堆積してい
くと共に、堆積密度が低くなる。これらによって、再付
着物Xの剥離、脱落が生じやすくなってダストの発生量
が増加する。一方、図3(a)に示すように、ターゲッ
ト本体1の非エロージョン部に予めエッチング処理を施
し、表面の局所的な凹凸を低減して滑らかにしておくこ
とによって、再付着物Xを高密度にかつ比較的平滑に堆
積させることができる。
【0028】このように、ターゲット本体1の非エロー
ジョン部に予め表面処理領域6を形成しておくことによ
って、その上に付着、堆積する再付着物自体の密着強度
や再付着物と下地(ターゲット本体1)との固着強度を
高めることができる。これらによって、再付着物の剥
離、脱落を有効に抑制することが可能となる。すなわ
ち、再付着物の剥離、脱落によるダストの発生を大幅に
低減することができる。
【0029】表面処理領域6の形成方法としては、上記
したウェットエッチング処理およびドライエッチング処
理のいずれであってもよいが、特に滑らかな表面を低コ
ストで得られやすいことから、ウェットエッチング処理
を適用することが好ましい。ウェットエッチング処理に
使用する薬液(腐食液)は、ターゲット本体1の構成材
料に応じて適宜選択するものとする。
【0030】ここで、表面処理領域6はエッチング処理
に限らず、ポリッシング処理によって形成してもよい。
ここで適用可能なポリッシング処理としては、ラップ装
置を用いたケミカルポリッシングなどが挙げられる。こ
のようなポリッシング処理をターゲット本体1の非エロ
ージョン部に施すことによっても、再付着物Xの剥離、
脱落を抑制することができる。ただし、表面の滑らかさ
などの点からエッチング処理により表面処理領域6を形
成することが好ましい。
【0031】また、上記したエッチング処理やポリッシ
ング処理による表面処理領域6は、ターゲット本体1の
非エロージョン部のみに限らず、図4に示すように、タ
ーゲット本体1のスパッタ面(主表面)を含む露出面全
面に設けてもよい。このような場合、エロージョン部に
形成された表面処理領域6は異常放電の原因となる凹凸
の除去に対して効果を発揮する。
【0032】すなわち、従来のスパッタリングターゲッ
トにおける異物の発生、特に塊状の異物の発生は、スパ
ッタ面の比較的大きな凹凸(例えばスクラッチと呼ばれ
る加工傷)の存在に基づいて異常放電が生じ、この異常
放電によりスプラッシュ現象が発生することに主として
起因している。また、スパッタ面の凹凸により選択的に
スパッタが進む領域とそうでない領域が生じると、一般
にノジュールと呼ばれる突起が発生しやすくなり、これ
もスプラッシュの原因となる。
【0033】従って、ターゲット本体1のスパッタ面に
表面処理領域6を形成し、スパッタ面の比較的大きな凹
凸(局所的な凹凸)を除去することによって、異常放電
やノジュール、さらにはこれらに起因するスプラッシュ
現象の発生を大幅に抑制することが可能となる。すなわ
ち、スプラッシュ現象などに基づくダストの発生を大幅
に低減することができる。
【0034】上述したエッチング処理やポリッシング処
理による表面処理領域6の具体的な形態としては、ター
ゲット本体1の構成材料によっても異なるが、おおよそ
Raで1.5μm以下でかつRyで10μm以下の表面粗さと
することが好ましい。このような表面粗さを有する表面
処理領域6によれば、上記した再付着物の脱落防止効
果、さらにはスプラッシュ現象などの抑制効果を再現性
よく得ることが可能となる。
【0035】表面処理領域6のより具体的な表面粗さと
しては、例えばターゲット本体1がTi、Hf、Nbな
どの単体金属からなる場合にはRaで0.7μm以下でかつ
Ryで5μm以下とすることが好ましい。また、Ta、M
o、Wなどの比較的高硬度の単体金属からなるターゲッ
ト本体1においては、Raで0.8μm以下でかつRyで7
μm以下の表面粗さとすることが好ましい。Mo−W合
金などにおいては、Raで1.5μm以下でかつRyで10μ
m以下の表面粗さとすることが好ましい。
【0036】また、上記した表面粗さは表面処理領域6
全体としてのバラツキを15%以内とすることがさらに好
ましい。ここで、表面粗さのバラツキとは、表面処理領
域6の表面粗さを複数(例えば5箇所以上)測定し、得
られた表面粗さ(RaまたはRy)の最大値および最小
値から、{(最大値−最小値)/(最大値+最小値)}
×100の式に基づいて求めた値を示すものとする。この
ように、表面処理領域6の表面粗さのバラツキを小さく
することによって、再付着物の脱落防止効果やスプラッ
シュ現象の抑制効果などをより安定して得ることが可能
となる。
【0037】上述したように、第1の実施形態のスパッ
タリングターゲット3においては、ターゲット本体1の
非エロージョン部に予めエッチング処理やポリッシング
処理を施して表面処理領域6を形成しているため、その
上に再付着物粒子を高固着強度の下で高密度にかつ平滑
に堆積させることができ、再付着物自体の密着強度や下
地(ターゲット本体1)との固着強度を高めることが可
能となる。これらによって、再付着物の剥離、脱落に起
因するダスト、具体的には直径0.2μm以上の微細なダス
トの発生を有効に防止することができる。特に、スパッ
タ後期(ターゲットライフ近く)においても、再付着物
の剥離、脱落によるダストの発生を有効に防止すること
が可能となる。
【0038】さらに、表面処理領域6を非エロージョン
部に限らず、ターゲット本体1のスパッタ面を含む露出
面全面に設けることによって、スパッタ面での異常放電
やノジュールなどに起因するスプラッシュ現象の発生を
大幅に抑制することができる。これによって、スプラッ
シュ現象などに基づくダストの発生を大幅に低減するこ
とが可能となる。
【0039】このようなスパッタリングターゲット3を
使用することによって、それ自体に起因するダストの発
生を有効にかつ大幅に抑制することができるため、高品
質のスパッタ膜を再現性よく得ることが可能となる。す
なわち、スパッタリングターゲット3を用いて成膜した
スパッタ膜、すなわち金属薄膜や金属化合物薄膜など
を、半導体素子や液晶表示素子などの電子部品の配線
膜、電極、素子構成膜などに使用することによって、そ
れらの製造歩留りの向上を図ることが可能となる。
【0040】次に、本発明の第2の実施形態によるスパ
ッタリングターゲットについて説明する。図5は第2の
実施形態によるスパッタリングターゲットの概略構造を
示す断面図である。図5に示すスパッタリングターゲッ
ト7は、円板状のターゲット本体1をバッキングプレー
ト2により支持した構造を有しており、これらの構成に
ついては前述した第1の実施形態と同様とされている。
【0041】ここで、図2に示したマグネトロンスパッ
タリング装置からも明らかなように、再付着粒子はター
ゲット本体1の非エロージョン領域に限らず、バッキン
グプレート2の露出表面Dにも付着、堆積する。そこ
で、図5に示したスパッタリングターゲット7において
は、バッキングプレート2の露出表面にエッチング処理
やポリッシング処理を施して表面処理領域6を形成して
いる。なお、表面処理領域6の構成や条件などについて
は前述した第1の実施形態と同様である。
【0042】このように、バッキングプレート2の露出
表面に表面処理領域6を形成することによっても、その
上に付着した再付着物粒子を高固着強度の下で高密度に
かつ平滑に堆積させることができるため、再付着物の剥
離、脱落を抑制することができる。従って、再付着物の
剥離、脱落に起因するダスト発生を防止することが可能
となる。
【0043】表面処理領域6は、図6に示すように、タ
ーゲット本体1の非エロージョン部、すなわちターゲッ
ト本体1の表面中央部、表面外周部および側面部と、バ
ッキングプレート2の露出表面にそれぞれ形成したり、
あるいは図7に示すように、ターゲット本体1のスパッ
タ面を含む露出表面全面と、バッキングプレート2の露
出表面にそれぞれ形成することがさらに好ましい。これ
らによって、再付着物の剥離、脱落やスプラッシュ現象
などに起因するダストの発生をより一層有効に抑制する
ことが可能となる。
【0044】本発明のスパッタリング装置は、図2に示
したような従来から一般的に用いられてきたスパッタリ
ング装置のターゲット部に、本発明のスパッタリングタ
ーゲット(3,7)を適用したものである。なお、図2
では図示を省略したが、被成膜試料である基板4はホル
ダなどに保持されており、また基板4とスパッタリング
ターゲット3は真空容器内に配置されている。
【0045】上述した本発明のスパッタリングターゲッ
ト3、7によれば、それ自体に起因するダストの発生を
有効に防止することができる。従って、そのようなスパ
ッタリングターゲットを用いたスパッタリング装置によ
れば、スパッタ膜の品質を大幅に高めることが可能とな
る。そして、本発明のスパッタリングターゲットを用い
て成膜したスパッタ膜、すなわち金属薄膜や金属化合物
薄膜などを、半導体素子や液晶表示素子などの電子部品
の配線膜、電極、素子構成膜などに使用することによっ
て、電子部品の製造歩留りの向上を図ることが可能とな
る。
【0046】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例について説明
する。
【0047】実施例1 Tiターゲット(ターゲット本体)として、直径250m
m、厚さ15mm、純度5NのTi円板を機械加工(旋盤加
工)により作製した。このTiターゲット表面の内径24
0mmの部分を被覆するようにマスキングした。すなわ
ち、Tiターゲット表面の外周5mm幅の部分と側面部を
露出させるように、マスキング処理を施した。これをフ
ッ酸と硝酸を含む混酸溶液に浸漬し、露出表面を約5μm
除去するようにエッチングした。このようにして、ター
ゲット表面の外周部と側面部に表面処理領域を形成した
Tiスパッタリングターゲットを、後述する成膜試験に
供した。
【0048】実施例2 実施例1と同様なTiターゲットの表面に、内径125mm
の部分を被覆するようにマスキング処理を施した。これ
をフッ酸と硝酸を含む混酸溶液に浸漬し、露出表面を約
5μm除去するようにエッチングした。このようにして、
ターゲット表面の外周部と側面部に表面処理領域を形成
したTiスパッタリングターゲットを、後述する成膜試
験に供した。
【0049】実施例3 実施例1と同様なTiターゲットの底面を除く全面を、
フッ酸と硝酸を含む混酸溶液に浸漬して、表面を約5μm
除去するようにエッチングした。このようにして、ター
ゲット表面と側面部に表面処理領域を形成したTiスパ
ッタリングターゲットを、後述する成膜試験に供した。
【0050】比較例1 Tiターゲットの表面に何等処理を施すことなく、実施
例1と同様にしてTiスパッタリングターゲットを作製
した。このTiスパッタリングターゲットについても、
下記の成膜試験に供した。
【0051】上述した実施例1〜3および比較例1によ
る各Tiスパッタリングターゲットを用いて、スパッタ
圧4×10-1Pa、スパッタ電流5A、Ar流量15sccm、N2流
量30sccmの条件でマグネトロンスパッタリングを行っ
て、6インチSiウェハー上にTi薄膜を形成した。そ
して、100ロット後、150ロット後、200ロット後の各T
i薄膜上の0.2μm以上のダスト(パーティクル)数をパ
ーティクルカウンタでそれぞれ測定した。それらの測定
結果を表1に示す。表1には表面処理領域の表面粗さを
併せて示す。また、図8に実施例1によるTiターゲッ
トの表面処理領域の微細構造を拡大した電子顕微鏡写真
(850倍)を、図9に比較例1によるTiターゲットの
機械加工表面の微細構造を拡大した電子顕微鏡写真(85
0倍)を示す。
【0052】
【表1】 表1から明らかなように、実施例1〜3による各Tiス
パッタリングターゲットによれば、比較例1のTiスパ
ッタリングターゲットに比べてダスト発生量が低減して
いる。特に、ターゲットライフ近くのダスト発生量が大
幅に低減していることが分かる。
【0053】実施例4 まず、Tiターゲット(ターゲット本体)となる純度5N
のTi円板とバッキングプレートとなるAl合金(6061)
板とをホットプレスにより拡散接合した。これらを所望
のターゲット形状およびバッキングプレート形状に機械
加工した。具体的には、Tiターゲットは外径312mm、
厚さ10mmとした。バッキングプレートは外径400mmとし
た。
【0054】次に、Tiターゲット表面の内径300mmの
部分を被覆するようにマスキングした。すなわち、Ti
ターゲット表面の外周6mm幅の部分と側面部を露出させ
るように、マスキング処理を施した。これをフッ酸と硝
酸を含む混酸溶液に浸漬し、露出表面を約5μm除去する
ようにエッチングした。
【0055】このようにして、ターゲット表面の外周部
と側面部に表面処理領域を形成したTiスパッタリング
ターゲットを、後述する成膜試験に供した。
【0056】実施例5 実施例4と同様にして、Tiターゲットをフッ酸と硝酸
を含む混酸溶液でエッチング処理した後、Al合金から
なるバッキングプレートの露出表面を除いてマスキング
した。これを水酸化ナトリウム溶液に浸漬し、Al合金
の露出表面を約5μm除去するようにエッチングした。
【0057】このようにして、ターゲット本体の表面外
周部と側面部およびバッキングプレートの露出表面に表
面処理領域を形成したTiスパッタリングターゲット
を、後述する成膜試験に供した。
【0058】比較例2 Tiターゲット本体およびAl合金バッキングプレート
に何等処理を施すことなく、実施例4と同様にしてTi
スパッタリングターゲットを作製した。このTiスパッ
タリングターゲットについても、下記の成膜試験に供し
た。
【0059】上述した実施例4〜5および比較例2によ
る各Tiスパッタリングターゲットを用いて、スパッタ
圧4×10-1Pa、スパッタ電流5A、Ar流量15sccm、N2流
量30sccmの条件でマグネトロンスパッタリングを行っ
て、6インチSiウェハー上にTi薄膜を形成した。そ
して、100ロット後、150ロット後、200ロット後の各T
i薄膜上の0.2μm以上のダスト(パーティクル)数をパ
ーティクルカウンタでそれぞれ測定した。それらの測定
結果を表2に示す。表2には表面処理領域の表面粗さを
併せて示す。
【0060】
【表2】 表2から明らかなように、実施例4〜5による各Tiス
パッタリングターゲットによれば、比較例2のTiスパ
ッタリングターゲットに比べてダスト発生量が低減して
いる。特に、ターゲットライフ近くのダスト発生量が大
幅に低減していることが分かる。
【0061】実施例6 Taターゲット(ターゲット本体)として、直径312m
m、厚さ10mm、純度5NのTa円板を機械加工(旋盤加
工)により作製した。このTaターゲット表面の内径30
0mmの部分を被覆するようにマスキングした。すなわ
ち、Taターゲット表面の外周6mm幅の部分と側面部を
露出させるように、マスキング処理を施した。これをフ
ッ酸と硝酸を含む混酸溶液に浸漬し、露出表面を約5μm
除去するようにエッチングした。このようにして、ター
ゲット表面の外周部と側面部に表面処理領域を形成した
Taスパッタリングターゲットを、後述する成膜試験に
供した。
【0062】実施例7 実施例6と同様なTaターゲットの底面を除く全面を、
フッ酸と硝酸を含む混酸溶液に浸漬して、表面を約5μm
除去するようにエッチングした。このようにして、ター
ゲット表面と側面部に表面処理領域を形成したTaスパ
ッタリングターゲットを、後述する成膜試験に供した。
【0063】比較例3 Taターゲットの表面に何等処理を施すことなく、実施
例6と同様にしてTaスパッタリングターゲットを作製
した。このTaスパッタリングターゲットについても、
後述する成膜試験に供した。
【0064】実施例8 まず、Taターゲット(ターゲット本体)となる純度5N
のTa円板とバッキングプレートとなるAl合金(6061)
板とをホットプレスにより拡散接合した。これらを所望
のターゲット形状およびバッキングプレート形状に機械
加工した。具体的には、Taターゲットは外径312mm、
厚さ10mmとした。バッキングプレートは外径400mmとし
た。
【0065】上述したTaターゲットに対して、その表
面の内径300mmの部分を被覆するようにマスキング処理
を施した。すなわち、Taターゲット表面の外周6mm幅
の部分と側面部を露出させるようにマスキングした。こ
れをフッ酸と硝酸を含む混酸溶液に浸漬し、露出表面を
約5μm除去するようにエッチングした。
【0066】次に、Al合金からなるバッキングプレー
トの露出表面を除いてマスキングし、これを水酸化ナト
リウム溶液に浸漬して、Al合金の露出表面を約5μm除
去するようにエッチングした。
【0067】このようにして、ターゲット本体の表面外
周部と側面部およびバッキングプレートの露出表面に表
面処理領域を形成したTaスパッタリングターゲット
を、下記の成膜試験に供した。
【0068】上述した実施例6〜8および比較例3によ
る各Taスパッタリングターゲットを用いて、スパッタ
圧4×10-1Pa、スパッタ電流5A、Ar流量15sccm、N2流
量30sccmの条件でマグネトロンスパッタリングを行っ
て、6インチSiウェハー上にTa薄膜を形成した。そ
して、100ロット後、150ロット後、200ロット後の各T
a薄膜上の0.2μm以上のダスト(パーティクル)数をパ
ーティクルカウンタでそれぞれ測定した。それらの測定
結果を表3に示す。表3には表面処理領域の表面粗さを
併せて示す。
【0069】
【表3】 表3から明らかなように、実施例6〜8による各Taス
パッタリングターゲットによれば、比較例3のTaスパ
ッタリングターゲットに比べてダスト発生量が低減して
いる。特に、ターゲットライフ近くのダスト発生量が大
幅に低減していることが分かる。
【0070】実施例9 幅約600mm、長さ約650mmのMo−W合金材の表面を平面
研削盤で表面仕上げした後、このMo−W合金材をフッ
酸:硝酸:酢酸:リン酸=1:2:2:5の割合で混合した
混酸に浸漬し、その表面をエッチング処理した。この
際、混酸への浸漬時間を1分、2分、2.5分、8分と変えて
処理した。これら各Mo−W合金材をスパッタリングタ
ーゲットとして用いて、後述する特性評価に供した。
【0071】比較例4 幅約600mm、長さ約650mmのMo−W合金材の表面をロー
タリー研磨にて表面仕上げした。このMo−W合金材を
スパッタリングターゲットとして用いて、後述する特性
評価に供した。
【0072】上述した実施例9および比較例4による各
Mo−W合金ターゲットの表面粗さ(RaおよびRy)
を接触式表面粗さ計により測定した。さらに、表面粗さ
Raについてはそのバラツキ(Ra)を求めた。次い
で、各Mo−W合金ターゲットを用いて、スパッタ圧0.
5Pa、スパッタ電流15A、Kr流量15sccmの条件でマグネ
トロンスパッタリングを行って、ガラス基板上に連続し
てMo−W合金薄膜を形成した。そして、1枚目、5枚
目、10枚目、15枚目、20枚目、25枚目の各Mo−W合金
薄膜上のダスト数を、欠陥検査装置(KLA)を用いて
スプラッシュの個数のみとして測定した。それらの測定
結果を表4に示す。
【0073】
【表4】 実施例10 幅約600mm、長さ約650mmのMo−W合金材の表面を平面
研削盤で加工した後、このMo−W合金材の表面をポリ
ッシング処理により表面仕上げした。ポリッシング処理
は、ラップ装置を用いたケミカルポリッシングにより実
施し、その際の条件を研磨時間5分、15分、30分、60分
と変化させた。これら各Mo−W合金材をスパッタリン
グターゲットとして用いて、その特性を実施例9と同様
にして評価した。その結果を表5に示す。
【0074】
【表5】
【0075】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のスパッタ
リングターゲットによれば、それ自体からの再付着物の
剥離、脱落やスプラッシュなどに起因するダストの発生
を大幅に低減することができる。従って、高品質のスパ
ッタ膜を再現性よく提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態によるスパッタリン
グターゲットの概略構成を示す断面図である。
【図2】 一般的なマグネトロンスパッタリング装置の
構成を模式的に示す図である。
【図3】 表面処理領域による再付着物の脱落抑制作用
を説明するための図である。
【図4】 本発明の第1の実施形態によるスパッタリン
グターゲットの変形例を示す断面図である。
【図5】 本発明の第2の実施形態によるスパッタリン
グターゲットの概略構成を示す断面図である。
【図6】 本発明の第2の実施形態によるスパッタリン
グターゲットの変形例を示す断面図である。
【図7】 本発明の第2の実施形態によるスパッタリン
グターゲットの他の変形例を示す断面図である。
【図8】 本発明の実施例1によるTiターゲットの表
面処理領域の微細構造を拡大して示す電子顕微鏡写真で
ある。
【図9】 比較例1によるTiターゲットの機械加工表
面の微細構造を拡大して示す電子顕微鏡写真である。
【符号の説明】
1……ターゲット本体 2……バッキングプレート 3、7……スパッタリングターゲット 6……表面処理領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢部 洋一郎 神奈川県川崎市川崎区日進町7番地1 東 芝電子エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 高阪 泰郎 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 渡邊 光一 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 渡辺 高志 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 鈴木 幸伸 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 藤岡 直美 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 中村 隆 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 小松 透 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 Fターム(参考) 4K029 AA06 BA16 BA21 BA35 BD02 CA05 DA09 DC03 DC04 DC05 DC07 DC12 DC24 5F103 AA08 BB22 DD28 RR04

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成膜材料からなるターゲット本体を具備
    するスパッタリングターゲットにおいて、 前記ターゲット本体の少なくとも非エロージョン部の一
    部に、エッチング処理またはポリッシング処理が施され
    た表面処理領域を有することを特徴とするスパッタリン
    グターゲット。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のスパッタリングターゲッ
    トにおいて、 前記表面処理領域は、前記ターゲット本体のスパッタ面
    を含む露出表面全面に設けられていることを特徴とする
    スパッタリングターゲット。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載のスパッタ
    リングターゲットにおいて、 前記ターゲット本体はバッキングプレートにより支持さ
    れていることを特徴とするスパッタリングターゲット。
  4. 【請求項4】 成膜材料からなるターゲット本体と、前
    記ターゲット本体を支持するバッキングプレートとを具
    備するスパッタリングターゲットにおいて、 前記バッキングプレートの露出表面の少なくとも一部
    に、エッチング処理またはポリッシング処理が施された
    表面処理領域を有することを特徴とするスパッタリング
    ターゲット。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のスパッタリングターゲッ
    トにおいて、 さらに、前記ターゲット本体の少なくとも非エロージョ
    ン部の一部に、エッチング処理またはポリッシング処理
    が施された表面処理領域を有することを特徴とするスパ
    ッタリングターゲット。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれか1項
    記載のスパッタリングターゲットにおいて、 前記表面処理領域はRaで1.5μm以下でかつRyで10μ
    m以下の表面粗さを有することを特徴とするスパッタリ
    ングターゲット。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のスパッタリングターゲッ
    トにおいて、 前記表面処理領域の表面粗さのバラツキが15%以内であ
    ることを特徴とするスパッタリングターゲット。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項7のいずれか1項
    記載のスパッタリングターゲットにおいて、 前記ターゲット本体は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、
    Ta、Cr、Mo、W、Pt、Ag、Ir、Ru、F
    e、Ni、Co、Al、Cu、SiおよびGeから選ば
    れる金属元素の単体、もしくは前記金属元素を含む合金
    または化合物からなることを特徴するスパッタリングタ
    ーゲット。
  9. 【請求項9】 真空容器と、前記真空容器内に配置され
    る被成膜試料保持部と、前記真空容器内に前記被成膜試
    料保持部と対向して配置されるターゲット部とを具備す
    るスパッタリング装置において、 前記ターゲット部は、請求項1ないし請求項8のいずれ
    か1項記載のスパッタリングターゲットを有することを
    特徴とするスパッタリング装置。
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