JPH1153734A - 磁気ディスクの作製方法 - Google Patents

磁気ディスクの作製方法

Info

Publication number
JPH1153734A
JPH1153734A JP22077197A JP22077197A JPH1153734A JP H1153734 A JPH1153734 A JP H1153734A JP 22077197 A JP22077197 A JP 22077197A JP 22077197 A JP22077197 A JP 22077197A JP H1153734 A JPH1153734 A JP H1153734A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin film
carbon
magnetic disk
carbon thin
disk
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP22077197A
Other languages
English (en)
Inventor
Toru Satake
徹 佐竹
Masaki Hatakeyama
雅規 畠山
Shinta Kunitomo
新太 國友
Kenji Watanabe
賢治 渡辺
Katsunori Ichiki
克則 一木
Yasushi Taima
康 當間
Kazuo Yamauchi
和雄 山内
Juichi Ishiguro
寿一 石黒
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ebara Corp
Original Assignee
Ebara Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ebara Corp filed Critical Ebara Corp
Priority to JP22077197A priority Critical patent/JPH1153734A/ja
Publication of JPH1153734A publication Critical patent/JPH1153734A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Surface Treatment Of Glass (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 全面において、特に、高さが20nm未満、
さらには10nm未満の均一密度で高精度の微細凹凸構
造を有する磁気ディスクを効率的に作製することができ
る磁気ディスクの作製方法を提供する。 【解決手段】 ディスクW表面にディスクWとヘッドと
の摩擦低減及びヘッドの浮上量制御を行うための微細な
凹凸14,16を有するテクスチャ構造を有する磁気デ
ィスクの作製方法であって、ディスクWの被加工面に所
定パターンのカーボン薄膜12を形成する遮蔽物形成工
程と、ディスクWにエネルギービームの照射を行って遮
蔽物のパターン形状を被加工表面に転写加工する加工工
程とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばハードディ
スク装置に用いられる磁気ディスクの作製方法に関し、
特に表面上に微細凹凸構造を有する磁気ディスクの作製
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のハードディスク装置の磁気ディス
クは、例えば図4(a)に示すように、Alの基板の表
面に、Ni−P層、磁性層、カーボン層等が順次形成さ
れて構成されていた。近年、Al基板に替えて硬度や平
滑性の要請からガラス基板も実用化されており、同図
(b)に示すように、これは、ガラスの基板の表面に、
磁性層、カーボン層等が順次形成されて構成されてい
る。
【0003】ハードディスク装置は、高記録密度化の要
請に伴い、ヘッドの浮上量を最小限としたいわゆるセミ
コンタクトな状態で使用され、そのために磁気ディスク
の表面の平滑化が求められている。一方、過度に平滑で
あると、ヘッドが表面にくっついて離れなくなる吸着現
象が起きるため、ある程度のミクロな凹凸(テクスチ
ャ)があるのが好ましい。
【0004】従来のテクスチャ構造の微細凹凸の加工
は、Al基板ではNi−P層表面に行っている。このテ
クスチャ用微細凹凸加工における従来技術として、研磨
テープや研磨布で機械的に形成する方法、レーザー照射
やエネルギーイオンあるいはプラズマによる凹凸加工方
法がある。また、ガラス基板表面のテクスチャ構造は、
レーザー照射やエネルギーイオンによる凹凸加工の他
に、フッ酸蒸気溶解、結晶析出がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、研磨テ
ープと研磨布による方法では、砥粒の大きさや加圧力の
バラツキ等があり、10nm未満でそのバラツキが±5
%以下であるような寸法精度のよい凹凸形状の作成は困
難である。
【0006】また、レーザーのアブレーションを用いる
方法では、ディスクの場所によるスポット径とレーザー
強度のバラツキ、レーザー発信器のレーザー強度分布の
時間的バラツキがあり、これにより突起構造高さのバラ
ツキが生じる。また、スポット的な加工であるために、
例えば、1cm2当たり100万個以上加工すると長時
間の工程が必要となり、コスト高及び工程時間のチョー
キングが起こり、生産性を著しく低下する。
【0007】また、通常、大気中に放置された金属に
は、最表層部に自然酸化層が形成される。材料により、
酸化層の形態は異なるが、Ni−Pの場合では、およそ
3〜5nmの自然酸化膜層が形成され、この酸化層と非
酸化層におけるレーザー光の吸収/反射特性が異なる。
レーザーによるアブレーション過程では、溶融現象が起
こるときに、酸化層の溶融特性と酸化層下のNi−Pの
溶融特性が異なるため、レーザーの焦点深度のばらつき
が、形成される微小突起の高さのバラツキに、敏感に影
響を及ぼし、均一高さの微細突起を加工するのが困難と
なる。さらに、工程の問題として精密洗浄が最終の段階
で行いにくいために歩留まりが低下する問題もあった。
【0008】また、ガラス基板を加工する方法におい
て、フッ酸蒸気にさらす方法では、吸着蒸気量のバラツ
キを利用しているので、濃度不均一による溶解加工深さ
のバラツキ、加工時間制御の困難さによる加工時間のバ
ラツキ等により、溶解深さの不均一性が大きくなるの
で、特に10nm未満の超精密な微細凹凸を、均一加工
深さ及び均一密度でガラス面全域で加工することは困難
である。
【0009】また、結晶析出方法では、熱処理状態の不
均一性、結晶粒の大きさの不均一性、場所による析出数
量の不均一性等により、表面微細凹凸密度の不均一、微
細凹凸段差の不均一性が問題となる。従って、ガラス面
全域において、微細凹凸の密度や段差を±5%以下に押
さえることが困難である。
【0010】エネルギーイオンやプラズマを用いた微細
凹凸構造の加工方法では、生成されたイオンを電気的に
加速し、微細凹凸構造加工を行うためのパターンニング
を施したマスクを介して基板表面に照射して加工を行
う。
【0011】しかしながら、上述したようにNi−P表
層部には絶縁性が高い自然酸化層が形成されているた
め、イオンビームやプラズマ用いた加工では、自然酸化
層においてチャージアップが生じ、エネルギーイオンの
軌道変化や照射エネルギー特性の変動を引き起こして、
表面粗さの悪化や局所的加工量の不均一性が生じる。こ
れは、Ni−P層だけでなく、カーボン層表面の加工を
行う場合においても同様の問題である。
【0012】この発明は、全面において、特に、高さが
20nm未満、さらには10nm未満の均一密度で高精
度の微細凹凸構造を有する磁気ディスクを効率的に作製
することができる磁気ディスクの作製方法を提供するこ
とを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、ディスク表面に該ディスクとヘッドとの摩擦低減及
び該ヘッドの浮上量制御を行うための微細な凹凸を有す
るテクスチャ構造を有する磁気ディスクの作製方法であ
って、前記ディスクの被加工面に所定パターンのカーボ
ン薄膜を形成する遮蔽物形成工程と、前記ディスクにエ
ネルギービームの照射を行って該遮蔽物のパターン形状
を該被加工表面に転写加工する加工工程とを有すること
を特徴とする磁気ディスクの作製方法である。
【0014】本発明を用いると、磁気ディスクの表面、
すなわちカーボン層、Ni−P層、ガラス基板表面、さ
らには磁性層等の任意の層の表面に、凹凸高さが20n
m以下、さらには10nm以下であり、均一性が±5%
以下である凹凸を有するテクスチャを、ディスク表面全
体において短時間で加工することができる。また、各処
理は真空中でのドライな処理であり、本質的に洗浄工程
を必要としないので、工程上の問題である歩留まりの悪
化は生じない。
【0015】被加工面に固定するカーボン薄膜の厚さ
を、目標とする凹凸の高さと、該ディスク表面材質とカ
ーボンの加工速度比で決められた厚さに制御し、エネル
ギービームにより該カーボン薄膜が消滅するまで加工す
ることにより20nm未満または10nm未満の凹凸高
さを実現することができる。
【0016】また、カーボン薄膜を上記より厚く形成
し、エネルギービームによる加工量を20nmまたは1
0nm未満として、凹凸の高さを、20nm未満または
10nm未満とすることができる。このとき加工後に被
加工面に残ったカーボン薄膜は酸素のエネルギービーム
などで容易に除去することができる。
【0017】エネルギービームとして高速原子線を使用
する場合は、ガラス表面、Ni−P層、磁性層(下地の
層を含む)、あるいはカーボン層等、いずれの層の表面
の加工も可能である。高速原子線は、エネルギーが数十
eV以上を有する電気的に中性の原子や分子のビームで
あり、通常、数百〜10keV程度のエネルギー領域で
用いられている。この高速原子線を用いると、絶縁層に
生じるチャージアップ量を小さく押さえることができ、
かつ、チャージアップの有無に限らず、均一に絶縁層へ
のビーム照射が可能となる。
【0018】このとき、加工精度や膜質に与える影響は
加工量により大きく異なる。カーボン層は通常ダイヤモ
ンドライクカーボンであり、硬質で厚さ15〜20nm
の絶縁膜となっている。従って、10〜20nmまた
は、10nm未満の加工を行うときに絶縁性の影響が大
変大きくなる。10〜20nmの加工量の場合では、カ
ーボン層の残膜厚さが大変薄くなるため、高速原子線を
用いた場合でも、エネルギー・ビーム量・中性化率を適
切に制御して、チャージアップ量に起因する絶縁破壊及
びそれに伴う膜の変質が起こらないようにする必要があ
る。一方、10nm未満では、ビーム量の不均一性に敏
感な加工となるため、表面粗さを悪化させずに加工を行
うことは通常、大変困難である。そのため、10nm未
満の加工量の場合は、高速原子線においても、特に、そ
の中性化率・ビーム量の均一性が敏感に影響を及ぼすた
め、厳密な制御が必要となる。
【0019】カーボン層の加工では、膜厚が薄いため、
反応性の低い反応性ガスを用いると、元素のミキシング
や浸透現象による、膜質の変化や劣化が起こることがあ
る。この様な悪影響を除いて、10〜20nmまたは1
0nm未満のカーボン層の加工を行なうためには、アル
ゴンガスなどの不活性ガスを用いた高速原子線を照射し
て、物理スパッタリングの効果で加工を行うと、高精度
で効率の良い加工が可能となる。
【0020】一方、ガラス基板表面の加工ではガラスと
反応性の高いフッ素系のガスを使用する。例えばSF6
やCHF3を使用する。フッ素ガス、フッ素系化合ガス
等とガラスの反応生成物は蒸気圧が比較的高いため、他
の反応性ガス種と比べると、化学スパッタリングによる
ガラス表面層の除去加工を行うことができるのでArな
どの希ガスを使用する場合に比べて加工速度が大きく加
工時間を短縮できる。また、フッ素、フッ素系化合ガス
のみでなく、アルゴン等の希ガスとの組み合わせにより
物理スパッタリングと化学スパッタリングの両方の効果
を併用して加工することもできる。化学スパッタリング
のみによる加工が、効率的でない場合には、有効な加工
を行える。また、フッ素系ガス以外のガスにおいてもガ
ラスとの反応性が高いガスならば他のガスでも使用でき
ることは言うまでもない。
【0021】高速原子線源としては、例えば、特開平5
−121194号公報、及び、特開平5−182787
号公報記載の平行平板型の高速原子線源を用いることが
できる。この高速原子線源の特徴は、直進性と中性化率
の制御が簡便にでき、かつ、ビーム量の場所均一性の良
いビームを発生することが可能な点である。高速原子線
源の種類によって、ビームの中性化率・直進性・ビーム
量分布特性が大きく異なり、直進性やビーム量分布の悪
い高速原子線源を用いても、ディスク全面に、均一高さ
の凹凸構造を加工することができない。
【0022】請求項2に記載の発明は、前記カーボン薄
膜が電子線を照射することにより形成されることを特徴
とする請求項1に記載の磁気ディスクの作製方法であ
る。
【0023】請求項3に記載の発明は、前記カーボン薄
膜が、真空中に導入された有機ガス等のカーボン源を前
記被加工面上で電子線により分解することにより生成さ
れることを特徴とする請求項2に記載の磁気ディスクの
作製方法である。
【0024】電子線のエネルギーを1〜10keVと
し、これで被加工面を照射すると真空中に導入された有
機ガス等のカーボン源が分解されて電子線の照射された
ところにカーボンが堆積される。このカーボンは有機ガ
スの種類と真空中のガス成分および電子線のエネルギー
などの条件により、すす状、またはグラファイトあるい
はダイヤモンドライクカーボン等の構造となる。有機ガ
スとしては、メタンガスやプロパンガス等の炭化水素
(Cmn)、アルコールまたはケトン類等の溶剤の蒸気
等、その他Cを含み電子線で分解しカーボン膜となる揮
発性物質であれば他のガスまたは他の溶剤でも使用でき
ることは言うまでもない。
【0025】真空排気系が油拡散ポンプ等の油を使用し
ているポンプを使用している場合は、それらからの油蒸
気や、その油蒸気が分解生成されてできた揮発性成分等
が電子線照射部に逆拡散により進入し、基板表面に付着
し、それが電子線照射で分解されてカーボン薄膜が堆積
されるので有機ガスの導入量を減らすか無くしてもかま
わない。
【0026】堆積するカーボン膜の厚さは電子線照射量
と基板表面に供給される有機ガスの量で制御できる。電
子線の単位断面積あたりの電力が大きすぎると基板表面
の温度が上昇し、有機ガスの基板表面への付着確率が減
少してカーボンの堆積速度が減少するので電子線のエネ
ルギーを上記の範囲の低エネルギー側に設定することが
好ましい。1keV以下のエネルギーでもカーボンの堆
積は起こるので使用可能であるが、その場合、電流が減
少するため、カーボン堆積速度が小さくなる。
【0027】請求項4に記載の発明は、前記カーボン薄
膜が、所定パターンを有するマスクを介して前記被加工
面に電子線を照射することにより形成されることを特徴
とする請求項2又は3に記載の磁気ディスクの作製方法
である。電子線源として磁気ディスク直径相当の電子線
を照射できるものを選び、該磁気ディスク上にマスクを
介して電子線を照射することにより、短時間でマスク形
状を転写したカーボン薄膜を該基板表面上に生成固定す
ることが出来る。カーボンが基板に堆積する原理は先に
述べた内容と同様である。マスクとしては通常のメッシ
ュや電鋳法で作られた金属性のもの、例えば穴径5〜数
十μm、ピッチ数十〜数百μmのNiマスクや、または
同様の穴形状のものでSi製の異方性ウェットエッチン
グやプラズマエッチングで作られたものが利用できる。
【0028】請求項5に記載の発明は、前記カーボン薄
膜が、電子線の走査により作製された規則的なあるいは
不規則な配列パターンを有することを特徴とする請求項
2ないし4のいずれかに記載の磁気ディスクの作製方法
である。電子線を高速かつ電磁的に走引し、または静止
させることにより短時間で任意の図形を描くことがで
き、従って規則的なあるいは不規則なカーボン薄膜を基
板表面に生成固定できる。カーボン薄膜の線の太さおよ
び円のサイズは電子線の径を電磁レンズで制御すること
により変えることができる。例えば、数十nm〜数百μ
mの径の電子線が通常得られるので同様のサイズの円ま
たは線が得られる。
【0029】請求項6に記載の発明は、前記カーボン薄
膜が、所定パターンを有するマスクを介して前記被加工
面に蒸着源からのカーボンを蒸着させることにより形成
されることを特徴とする請求項1に記載の磁気ディスク
の作製方法である。マスクとカーボン蒸着源等のカーボ
ン膜生成手段を組み合わせることにより規則的なカーボ
ン薄膜をディスク上に生成固定することが出来る。マス
クは先に述べたものと同様のものを該ディスク表面に置
き、カーボン蒸着源からのカーボン原子(またはカーボ
ンクラスター)を堆積させることによりマスク形状を転
写したカーボン薄膜が得られる。
【0030】なお、カーボンは融点が高いため通常の加
熱式蒸発源は使用できないので、例えば、アーク放電式
の蒸発源やスパッタリングと呼ばれる成膜方式が利用さ
れる。スパッタリング成膜にはスパッタガンを用いる方
法や、スパッタ成膜装置内にディスクとマスクを設置し
てして行う方法等が利用できる。また、CVD(化成蒸
着法)等の成膜方法も利用できる。これらの方法は、先
に述べた電子線を使用する方法に比べて絶縁物の上にも
成膜出来るという特徴があるので、ガラス基板表面や、
カーボン層上へのカーボン薄膜生成固定が可能である。
【0031】請求項7に記載の発明は、前記カーボン薄
膜が、所定パターンを有するマスクを介して前記被加工
面にカーボンをターゲットとしてスパッタリングするこ
とにより形成されることを特徴とする請求項1に記載の
磁気ディスクの作製方法である。
【0032】請求項8に記載の発明は、前記加工工程に
おいて前記カーボン薄膜が消滅するまでエネルギービー
ムの照射を行って該テクスチャ構造を形成することを特
徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の磁気ディ
スクの作製方法である。
【0033】
【実施例】本発明の一実施例を、図面を参照して説明す
る。図1はアルミを母材として用いた磁気ディスクへの
適用例を示す。アルミ基板の両面にはNi−P層10が
コーティングがされており、その表面粗さは、約1nm
以下になっている。ディスクの大きさは20〜130m
m程度である。
【0034】Ni−P層10の表面に、遮蔽物としてカ
ーボン薄膜12を電子線照射により生成し、固定する。
この場合の電子線照射条件はエネルギー10keV、照
射部径300nm、電流値10−11A、照射時間1m
in、であり、照射室真空度は〜10-5Torrである。真
空排気系では油拡散ポンプを使用しており、外部からの
有機ガス導入は行っていない。この様な条件下でカーボ
ン薄膜が生成固定される様子を図1(a)に示す。AF
M(原子間力顕微鏡)で測った結果、高さ40nm、形
状が山形(コーン型)で、底面の直径300nm、ピッ
チ2.5μmのパターンが得られている。
【0035】次に、この試料に高速原子線を照射し、カ
ーボンが無くなるまで加工する。この加工は、真空チャ
ンバ内にて行われ、ディスクWは、ロードロック室から
搬送される。必要に応じて、回転・昇降ステージにディ
スクが設置される。真空チャンバに取り付けられている
平行平板型高速原子線源よりアルゴンの高速原子線を放
出し、カーボン薄膜12が形成されているディスク表面
に照射する。照射時間によって、加工量を制御する。高
速原子線源はアルゴンガスを用いて動作させ、平行平板
型高速原子線源として「特開平5−182787」記載
の線源を用いる。この高速原子線源の動作条件は、放電
電圧4kV、放電電流315mA、中性化率80%、で
ある。また、プラズマ密度を制御するために、500ガ
ウスの磁場の印加を行っており。そのための磁場発生器
を備えている。
【0036】加工後の表面を同様にAFM(原子間力顕
微鏡)で測った結果が図1(b)である。カーボン薄膜
とNi−P層との加工速度の違いにより、高さは18n
mとなっており、カーボン薄膜12を忠実に転写した形
状の凸起14と凹所16が得られている。この場合の表
面粗さは、照射時間(加工時間)によらず、1nm以下
の初期表面粗さと同程度の加工表面粗さを得ることがで
きる。また、加工パターン形状は、パターンマスクと同
様のパターンを転写加工が可能で、ディスク全面におい
て、±5%以下の加工深さのバラツキに押さえることが
できる。このようにテクスチャ用微細凹凸構造を加工し
た後、磁性層(下地層を含む)、カーボン層、潤滑膜の
コーティングを行って、超高密度記録用磁気ディスクが
作製される。
【0037】図2(a)は本発明の第2の実施例を示す
もので、この例では大口径の電子線源を使用し、マスク
をディスクの被加工面上に置き、この上から電子線を照
射してカーボン薄膜12を生成固定した。電子線のエネ
ルギーは5keV、電流密度0.15mA/cm2照射
時間3min.である。マスクサイズは、穴径5μm、
ピッチ35μmの正三角形配列パターンである。材質は
Niで、電鋳で作製されている。接触式の表面粗さ計お
よびAFM(原子間力顕微鏡)で測った結果、カーボン
薄膜の厚さは18nmであった。
【0038】図2(b)は上記のカーボン薄膜を生成固
定した後、高速原子線でカーボン薄膜12が消滅するま
で加工した後のAFM(原子間力顕微鏡)測定の結果で
ある。カーボン薄膜が転写加工された凸起14と凹所1
6が形成されており、得られた凸上の高さは20nmで
ある。その他、真空チャンバ・高速原子線源・ディスク
及び実験条件は、実施例1と同様である。
【0039】図3は本発明の第3の実施例を示すもの
で、この例ではマスク20とカーボン蒸着源22の組み
合わせにより、カーボン薄膜12がディスクW表面に生
成固定されている。図3(a)はカーボン薄膜の生成固
定方法を示す。カーボン蒸着源22は炭素棒を突き合わ
せてアーク放電を起こし、その熱によりカーボン蒸気を
噴出させる方式のものである。放電はパルス式で放電時
間およびインターバル時間ともに1秒である。マスク2
0はNiの電鋳製で穴径10μm、ピッチ20μmの正
方形配列パターンである。カーボン薄膜生成固定作業時
の真空度は約0.01Torrである。
【0040】図3(b)はカーボン薄膜12を作製した
後、高速原子線によりカーボン薄膜が消滅するまで加工
した後のAFM(原子間力顕微鏡)測定の結果である。
断面形状が山形で、底面径10μm、高さ27nm、ピ
ッチ20μmの凸起14とその間の凹所16を有する凹
凸構造が加工されている。断面形状が山形であることは
ヘッドとの接触面積を減らし、摩擦を低減させる上で重
要であると考えられている。高速原子線による加工方法
および実験条件は実施例1と同様である。
【0041】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明による
と、磁気ディスク表面にカーボン薄膜を固定し、該カー
ボン薄膜の転写加工をエネルギー粒子または該エネルギ
ー粒子の一種である高速原子線を用いて行うことによ
り、該磁気ディスク表面に、加工面の表面粗さを悪化さ
せずに、ディスク表面全域において加工量とパターン密
度が均一な20nm以下の微細凹凸を高精度に加工する
ことができる。この様な超高精度磁気ディスクが達成さ
れると、従来よりも約一桁以上高い磁気記録密度を達成
できる磁気記録装置の実現が可能となり、情報・通信産
業分野において、大変有用となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例の工程を示す概要図で
ある。
【図2】この発明の第2の実施例の工程を示す概要図で
ある。
【図3】この発明の第3の実施例の工程を示す概要図で
ある。
【図4】磁気ディスクの一般的な構造を示す図である。
【符号の説明】
12 カーボン薄膜 14,16 凹凸 20 マスク 22 蒸着源 W ディスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 賢治 神奈川県藤沢市本藤沢4丁目2番1号 株 式会社荏原総合研究所内 (72)発明者 一木 克則 神奈川県藤沢市本藤沢4丁目2番1号 株 式会社荏原総合研究所内 (72)発明者 當間 康 神奈川県藤沢市本藤沢4丁目2番1号 株 式会社荏原総合研究所内 (72)発明者 山内 和雄 神奈川県藤沢市本藤沢4丁目2番1号 株 式会社荏原総合研究所内 (72)発明者 石黒 寿一 神奈川県藤沢市本藤沢4丁目2番1号 株 式会社荏原総合研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディスク表面に該ディスクとヘッドとの
    摩擦低減及び該ヘッドの浮上量制御を行うための微細な
    凹凸を有するテクスチャ構造を有する磁気ディスクの作
    製方法であって、 前記ディスクの被加工面に所定パターンのカーボン薄膜
    を形成する遮蔽物形成工程と、前記ディスクにエネルギ
    ービームの照射を行って該遮蔽物のパターン形状を該被
    加工表面に転写加工する加工工程とを有することを特徴
    とする磁気ディスクの作製方法。
  2. 【請求項2】 前記カーボン薄膜が電子線を照射するこ
    とにより形成されることを特徴とする請求項1に記載の
    磁気ディスクの作製方法。
  3. 【請求項3】 前記カーボン薄膜が、真空中に導入され
    た有機ガス等のカーボン源を前記被加工面上で電子線に
    より分解することにより生成されることを特徴とする請
    求項2に記載の磁気ディスクの作製方法。
  4. 【請求項4】 前記カーボン薄膜が、所定パターンを有
    するマスクを介して前記被加工面に電子線を照射するこ
    とにより形成されることを特徴とする請求項2又は3に
    記載の磁気ディスクの作製方法。
  5. 【請求項5】 前記カーボン薄膜が、電子線の走査によ
    り作製された規則的なあるいは不規則な配列パターンを
    有することを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに
    記載の磁気ディスクの作製方法。
  6. 【請求項6】 前記カーボン薄膜が、所定パターンを有
    するマスクを介して前記被加工面に蒸着源からのカーボ
    ンを蒸着させることにより形成されることを特徴とする
    請求項1に記載の磁気ディスクの作製方法。
  7. 【請求項7】 前記カーボン薄膜が、所定パターンを有
    するマスクを介して前記被加工面にカーボンをターゲッ
    トとしてスパッタリングすることにより形成されること
    を特徴とする請求項1に記載の磁気ディスクの作製方
    法。
  8. 【請求項8】 前記加工工程において前記カーボン薄膜
    が消滅するまでエネルギービームの照射を行って該テク
    スチャ構造を形成することを特徴とする請求項1ないし
    7のいずれかに記載の磁気ディスクの作製方法。
JP22077197A 1997-08-01 1997-08-01 磁気ディスクの作製方法 Pending JPH1153734A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22077197A JPH1153734A (ja) 1997-08-01 1997-08-01 磁気ディスクの作製方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22077197A JPH1153734A (ja) 1997-08-01 1997-08-01 磁気ディスクの作製方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1153734A true JPH1153734A (ja) 1999-02-26

Family

ID=16756311

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22077197A Pending JPH1153734A (ja) 1997-08-01 1997-08-01 磁気ディスクの作製方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1153734A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010192011A (ja) * 2009-02-16 2010-09-02 Fuji Electric Device Technology Co Ltd 磁気記録媒体の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010192011A (ja) * 2009-02-16 2010-09-02 Fuji Electric Device Technology Co Ltd 磁気記録媒体の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2662321B2 (ja) 超低速クラスターイオンビームによる表面処理方法
JP5216918B2 (ja) イオンビーム発生装置、基板処理装置及び電子デバイスの製造方法
US6613204B2 (en) Pretreatment process for a surface texturing process
JP2008117521A (ja) 高度な四面体のアモルファス炭素の保護オーバーコートを有する記録媒体およびその製造方法
JPS63297435A (ja) パタ−ンの形成方法
JP2005070650A (ja) レジストパターン形成方法
US6627095B2 (en) Magnetic recording disk and method of manufacturing same
US8536539B2 (en) Ion beam generator, and substrate processing apparatus and production method of electronic device using the ion beam generator
US6099698A (en) Magnetic disc and method of manufacturing same
US6555182B1 (en) Surface hardened resins for disk substrates, methods of manufacture thereof and production devices for the manufacture thereof
JPH1153734A (ja) 磁気ディスクの作製方法
JP2000268357A (ja) 磁気記録媒体の製造方法及び製造装置
US20030210496A1 (en) Disk, method for making it free of asperities, and disk drive unit
US6468598B1 (en) Magnetic disk and method of making thereof
JPH1145432A (ja) 磁気記録用基板及びその作製方法
JPH1145433A (ja) 磁気記録用基板及びその作製方法
JPH07169675A (ja) 電子線リソグラフィー用基板材料
JPH1153733A (ja) 磁気ディスクの作製方法
JP3305654B2 (ja) プラズマcvd装置および記録媒体
JP3546588B2 (ja) マイクロ波プラズマ発生装置及び薄膜製造方法
JP2001256604A (ja) 磁気ディスク装置
JPH11120547A (ja) 磁気ディスク用基板、磁気ディスク媒体、磁気ディスク媒体製造装置、及び磁気ヘッド
JPH06295889A (ja) 微細パターン形成方法
JP2008138289A (ja) 高度な四面体のアモルファス炭素の保護オーバーコートを有する記録媒体およびその製造方法
JP3325884B2 (ja) 磁気ヘッドの製造方法