JPH1144244A - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents
内燃機関の燃料噴射制御装置Info
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- JPH1144244A JPH1144244A JP9201801A JP20180197A JPH1144244A JP H1144244 A JPH1144244 A JP H1144244A JP 9201801 A JP9201801 A JP 9201801A JP 20180197 A JP20180197 A JP 20180197A JP H1144244 A JPH1144244 A JP H1144244A
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- fuel
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- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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- Y02T10/10—Internal combustion engine [ICE] based vehicles
- Y02T10/40—Engine management systems
Landscapes
- Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、燃料カット制御を実行する機能を
有する内燃機関の燃料噴射制御装置に関し、燃料噴射の
停止時に燃料噴射量の補正が解除されることに起因して
燃料噴射のハンチングが生ずるのを防止することを目的
とする。 【解決手段】 目標燃料噴射量TAUが第1の所定値T
1 を下回ると燃料噴射が停止され、第2の所定値を下回
ると燃料噴射が再開される。目標燃料噴射量TAUは、
基本燃料噴射量TPにフィードバック補正係数FAFを
乗ずることにより算出される。時刻t1 でTAUがT1
を下回り、時刻t2 で燃料噴射が停止されると、FAF
は1に設定される。このため、TAUは、1/FAF0
倍(FAF 0 は燃料噴射の停止時点のFAFの値)に増
加するが、FAF0 の値が小さいほど、T1 とT2 との
間のヒステリシス量HYSが増加されることで、燃料噴
射の停止直後にTAUがT2 を上回ることが防止され
る。
有する内燃機関の燃料噴射制御装置に関し、燃料噴射の
停止時に燃料噴射量の補正が解除されることに起因して
燃料噴射のハンチングが生ずるのを防止することを目的
とする。 【解決手段】 目標燃料噴射量TAUが第1の所定値T
1 を下回ると燃料噴射が停止され、第2の所定値を下回
ると燃料噴射が再開される。目標燃料噴射量TAUは、
基本燃料噴射量TPにフィードバック補正係数FAFを
乗ずることにより算出される。時刻t1 でTAUがT1
を下回り、時刻t2 で燃料噴射が停止されると、FAF
は1に設定される。このため、TAUは、1/FAF0
倍(FAF 0 は燃料噴射の停止時点のFAFの値)に増
加するが、FAF0 の値が小さいほど、T1 とT2 との
間のヒステリシス量HYSが増加されることで、燃料噴
射の停止直後にTAUがT2 を上回ることが防止され
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の燃料噴
射制御装置に係り、特に、燃料噴射量が所定値を下回っ
た場合に燃料噴射を停止する燃料カット制御を実行する
機能を有する内燃機関の燃料噴射制御装置に関する。
射制御装置に係り、特に、燃料噴射量が所定値を下回っ
た場合に燃料噴射を停止する燃料カット制御を実行する
機能を有する内燃機関の燃料噴射制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、燃料噴射量を内燃機関の運転
状態に応じて制御する内燃機関の燃料噴射制御装置が広
く用いられている。かかる燃料噴射制御装置において
は、吸気圧(又は吸入空気量)と機関回転数に基づいて
算出された基本燃料噴射量に各種補正が施されること
で、車両の走行状況に即した最適な目標燃料噴射量が決
定され、この目標燃料噴射量を目標値として燃料噴射量
が制御される。
状態に応じて制御する内燃機関の燃料噴射制御装置が広
く用いられている。かかる燃料噴射制御装置において
は、吸気圧(又は吸入空気量)と機関回転数に基づいて
算出された基本燃料噴射量に各種補正が施されること
で、車両の走行状況に即した最適な目標燃料噴射量が決
定され、この目標燃料噴射量を目標値として燃料噴射量
が制御される。
【0003】上記燃料噴射制御装置において、例えば降
坂走行等の低負荷走行時においては、吸気圧が低下する
のに伴って燃料噴射量が減少する。燃料噴射量が過度に
減少すると、内燃機関の燃焼室における混合気の燃焼状
態が不安定になって、不完全燃焼や失火が生ずることが
ある。この場合、燃え残った未燃焼ガスが燃焼室から排
出され、排気管の触媒コンバータに導かれる。すると、
触媒コンバータにおいて未燃焼ガスの燃焼が生じ、触媒
の温度が上昇することで、触媒の性能劣化を招いてしま
う。
坂走行等の低負荷走行時においては、吸気圧が低下する
のに伴って燃料噴射量が減少する。燃料噴射量が過度に
減少すると、内燃機関の燃焼室における混合気の燃焼状
態が不安定になって、不完全燃焼や失火が生ずることが
ある。この場合、燃え残った未燃焼ガスが燃焼室から排
出され、排気管の触媒コンバータに導かれる。すると、
触媒コンバータにおいて未燃焼ガスの燃焼が生じ、触媒
の温度が上昇することで、触媒の性能劣化を招いてしま
う。
【0004】かかる不都合を回避するために、従来よ
り、燃料カット制御を行なうことが公知である。燃料カ
ット制御は、燃料噴射量が第1の所定値を下回った場合
に、燃料噴射弁による燃料噴射を停止すると共に、第2
の所定値を上回った場合に燃料噴射を再開させる制御で
ある。燃料カット制御によれば、失火が生ずる可能性の
ある状況下において燃料噴射が停止されることで、触媒
コンバータにおける未燃焼ガスの燃焼が防止され、これ
により、触媒の性能劣化を回避することができる。
り、燃料カット制御を行なうことが公知である。燃料カ
ット制御は、燃料噴射量が第1の所定値を下回った場合
に、燃料噴射弁による燃料噴射を停止すると共に、第2
の所定値を上回った場合に燃料噴射を再開させる制御で
ある。燃料カット制御によれば、失火が生ずる可能性の
ある状況下において燃料噴射が停止されることで、触媒
コンバータにおける未燃焼ガスの燃焼が防止され、これ
により、触媒の性能劣化を回避することができる。
【0005】燃料カット制御により燃料の噴射が停止さ
れると、種々の要因で燃料噴射量は増加する。すなわ
ち、燃料噴射の停止に伴って失火が生ずると、吸気圧が
上昇し、かかる吸気圧の上昇に起因して燃料噴射量が増
加する。また、失火が生ずると、内燃機関の出力低下に
よって車速が低下するため、運転者が車速を維持しよう
としてアクセルペダルを踏み込むことによって燃料噴射
量が増加する。かかる燃料噴射量の増加により、燃料噴
射量が第2の所定値を上回ると、燃料噴射が再開され
る。燃料噴射が再開されると今度は吸気圧が低下し、こ
れに伴って燃料噴射量は減少する。そして、燃料噴射量
が第1の所定値を下回ると、燃料噴射は再び停止され
る。従って、内燃機関の負荷や回転数などの運転条件が
一定に保たれた場合、燃料噴射の停止と再開とが繰り返
されるハンチングが発生し、車両乗員に違和感を与える
可能性がある。
れると、種々の要因で燃料噴射量は増加する。すなわ
ち、燃料噴射の停止に伴って失火が生ずると、吸気圧が
上昇し、かかる吸気圧の上昇に起因して燃料噴射量が増
加する。また、失火が生ずると、内燃機関の出力低下に
よって車速が低下するため、運転者が車速を維持しよう
としてアクセルペダルを踏み込むことによって燃料噴射
量が増加する。かかる燃料噴射量の増加により、燃料噴
射量が第2の所定値を上回ると、燃料噴射が再開され
る。燃料噴射が再開されると今度は吸気圧が低下し、こ
れに伴って燃料噴射量は減少する。そして、燃料噴射量
が第1の所定値を下回ると、燃料噴射は再び停止され
る。従って、内燃機関の負荷や回転数などの運転条件が
一定に保たれた場合、燃料噴射の停止と再開とが繰り返
されるハンチングが発生し、車両乗員に違和感を与える
可能性がある。
【0006】かかるハンチングの発生を抑制するため、
例えば本願出願人による特許出願特願平9−55306
号の明細書に開示される内燃機関の燃料噴射制御装置の
如く、燃料噴射を停止させる第1の所定値と、燃料噴射
を再開させる第2の所定値との間にヒステリシスを設け
ることが一般的である。上記従来の燃料噴射制御装置に
おいては、燃料噴射が再開される際の燃料噴射量をなま
し処理すると共に、ヒステリシスを内燃機関の運転状態
に基づいて変更することで、燃料噴射の再開に伴って車
両に生ずるショックを緩和することとしている。
例えば本願出願人による特許出願特願平9−55306
号の明細書に開示される内燃機関の燃料噴射制御装置の
如く、燃料噴射を停止させる第1の所定値と、燃料噴射
を再開させる第2の所定値との間にヒステリシスを設け
ることが一般的である。上記従来の燃料噴射制御装置に
おいては、燃料噴射が再開される際の燃料噴射量をなま
し処理すると共に、ヒステリシスを内燃機関の運転状態
に基づいて変更することで、燃料噴射の再開に伴って車
両に生ずるショックを緩和することとしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最初に述べ
た、基本燃料噴射量に対して行なわれる各種補正の一つ
として、目標空燃比を実現するための補正を行なうこと
が一般的である。この補正は、排気ガス内の燃料が目標
空燃比に対してリーンな状態であるかリッチな状態であ
るかに応じて決定された補正係数FAFを、基本燃料噴
射量に乗ずることにより行なわれる。すなわち、燃料が
目標空燃比に対してリッチな状態では、補正係数FAF
が減少されることで、目標燃料噴射量が減少され、一
方、燃料が目標空燃比に対してリーンな状態では、補正
係数が増加されることで目標燃料噴射量が増加される。
従って、かかる補正によれば、目標空燃比に近い空燃比
が実現されるように燃料噴射量が増減される。
た、基本燃料噴射量に対して行なわれる各種補正の一つ
として、目標空燃比を実現するための補正を行なうこと
が一般的である。この補正は、排気ガス内の燃料が目標
空燃比に対してリーンな状態であるかリッチな状態であ
るかに応じて決定された補正係数FAFを、基本燃料噴
射量に乗ずることにより行なわれる。すなわち、燃料が
目標空燃比に対してリッチな状態では、補正係数FAF
が減少されることで、目標燃料噴射量が減少され、一
方、燃料が目標空燃比に対してリーンな状態では、補正
係数が増加されることで目標燃料噴射量が増加される。
従って、かかる補正によれば、目標空燃比に近い空燃比
が実現されるように燃料噴射量が増減される。
【0008】上記した補正は、目標燃料噴射量に等しい
量の燃料が噴射されることを前提として、排気ガスの状
態をフィードバックして補正係数FAFの値を修正する
ものである。従って、燃料カット制御により燃料噴射が
停止された状態では、補正係数FAFの修正は適正に行
なわれなくなる。そこで、燃料噴射が停止されると、補
正係数FAFを一律に「1」に設定し、燃料噴射量の補
正を解除することが一般的に行なわれている。
量の燃料が噴射されることを前提として、排気ガスの状
態をフィードバックして補正係数FAFの値を修正する
ものである。従って、燃料カット制御により燃料噴射が
停止された状態では、補正係数FAFの修正は適正に行
なわれなくなる。そこで、燃料噴射が停止されると、補
正係数FAFを一律に「1」に設定し、燃料噴射量の補
正を解除することが一般的に行なわれている。
【0009】この場合、補正係数FAFが「1」に比し
て小さい状態で燃料カット制御により燃料噴射が停止さ
れると、補正係数FAFが「1」に設定されることで、
燃料噴射量が増大し、上記第2の所定値を上回ることが
ある。燃料噴射量が第2の所定値を上回ると、燃料噴射
が開始されるため、目標空燃比を実現するために補正係
数FAFは「1」から減少され始める。そして、燃料噴
射量が第1の所定を下回ると、再び、燃料カット制御に
より燃料噴射が停止される。
て小さい状態で燃料カット制御により燃料噴射が停止さ
れると、補正係数FAFが「1」に設定されることで、
燃料噴射量が増大し、上記第2の所定値を上回ることが
ある。燃料噴射量が第2の所定値を上回ると、燃料噴射
が開始されるため、目標空燃比を実現するために補正係
数FAFは「1」から減少され始める。そして、燃料噴
射量が第1の所定を下回ると、再び、燃料カット制御に
より燃料噴射が停止される。
【0010】このように、燃料カット制御を実行する機
能を有する燃料噴射制御装置においては、燃料噴射の停
止時に補正係数FAFによる燃料噴射量の補正が解除さ
れることに起因して、燃料噴射の停止と再開とが繰り返
されるハンチングが生ずることがある。しかしながら、
上記従来の燃料噴射制御装置においては、かかる原因で
生ずるハンチングを防止することについては何ら考慮さ
れていない。
能を有する燃料噴射制御装置においては、燃料噴射の停
止時に補正係数FAFによる燃料噴射量の補正が解除さ
れることに起因して、燃料噴射の停止と再開とが繰り返
されるハンチングが生ずることがある。しかしながら、
上記従来の燃料噴射制御装置においては、かかる原因で
生ずるハンチングを防止することについては何ら考慮さ
れていない。
【0011】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、燃料カット制御を実行する機能を有する内燃機
関の燃料噴射制御装置において、燃料カット制御による
燃料噴射の停止時に燃料噴射量の補正が解除されること
に起因して、燃料噴射の停止と再開とが繰り返されるハ
ンチングが生ずるのを防止することを目的とする。
であり、燃料カット制御を実行する機能を有する内燃機
関の燃料噴射制御装置において、燃料カット制御による
燃料噴射の停止時に燃料噴射量の補正が解除されること
に起因して、燃料噴射の停止と再開とが繰り返されるハ
ンチングが生ずるのを防止することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、内燃機関の運転状態に基づいて基本燃
料噴射量を決定する基本燃料噴射量決定手段と、目標空
燃比が実現されるように前記基本燃料噴射量を補正して
目標燃料噴射量を算出する燃料噴射量補正手段と、前記
目標燃料噴射量に応じた量の燃料を噴射する燃料噴射手
段と、前記目標燃料噴射量が第1の所定値を下回った場
合に前記燃料噴射手段による燃料噴射を停止させ、前記
目標燃料噴射量が前記第1の所定値に比して所定のヒス
テリシス量だけ大きい第2の所定値を上回った場合に前
記燃料噴射手段による燃料噴射を再開させる燃料カット
制御手段と、前記燃料カット制御手段により燃料噴射が
停止された場合に、前記燃料噴射量補正手段による補正
を解除する補正解除手段と、前記燃料カット制御手段に
より燃料噴射が停止された時点の前記燃料噴射量補正手
段による補正の度合いに基づいて、前記ヒステリシス量
を変更するヒステリシス変更手段と、を備える内燃機関
の燃料噴射制御装置により達成される。
に記載する如く、内燃機関の運転状態に基づいて基本燃
料噴射量を決定する基本燃料噴射量決定手段と、目標空
燃比が実現されるように前記基本燃料噴射量を補正して
目標燃料噴射量を算出する燃料噴射量補正手段と、前記
目標燃料噴射量に応じた量の燃料を噴射する燃料噴射手
段と、前記目標燃料噴射量が第1の所定値を下回った場
合に前記燃料噴射手段による燃料噴射を停止させ、前記
目標燃料噴射量が前記第1の所定値に比して所定のヒス
テリシス量だけ大きい第2の所定値を上回った場合に前
記燃料噴射手段による燃料噴射を再開させる燃料カット
制御手段と、前記燃料カット制御手段により燃料噴射が
停止された場合に、前記燃料噴射量補正手段による補正
を解除する補正解除手段と、前記燃料カット制御手段に
より燃料噴射が停止された時点の前記燃料噴射量補正手
段による補正の度合いに基づいて、前記ヒステリシス量
を変更するヒステリシス変更手段と、を備える内燃機関
の燃料噴射制御装置により達成される。
【0013】本発明において、燃料カット制御手段は、
目標燃料噴射量が第1の所定値を下回った場合に、燃料
噴射を停止させる。燃料カット制御手段が燃料噴射を停
止させると、補正解除手段は燃料噴射量補正手段による
補正を解除する。従って、燃料噴射量補正手段によって
目標燃料噴射量が基本燃料噴射量に比して小さな値に補
正された状態で、燃料カット手段によって燃料噴射が停
止されると、その補正が解除されることで、目標燃料噴
射量は増大する。ところで、ヒステリシス変更手段は、
燃料噴射が停止された時点の燃料噴射量補正手段による
補正の度合いに基づいて、第1の所定値と第2の所定値
との間のヒステリシス量を変更する。従って、本発明に
よれば、燃料噴射が停止された直後に目標燃料噴射量が
増大しても、目標燃料噴射量が第2の所定値を上回って
燃料噴射が再開されることが防止される。
目標燃料噴射量が第1の所定値を下回った場合に、燃料
噴射を停止させる。燃料カット制御手段が燃料噴射を停
止させると、補正解除手段は燃料噴射量補正手段による
補正を解除する。従って、燃料噴射量補正手段によって
目標燃料噴射量が基本燃料噴射量に比して小さな値に補
正された状態で、燃料カット手段によって燃料噴射が停
止されると、その補正が解除されることで、目標燃料噴
射量は増大する。ところで、ヒステリシス変更手段は、
燃料噴射が停止された時点の燃料噴射量補正手段による
補正の度合いに基づいて、第1の所定値と第2の所定値
との間のヒステリシス量を変更する。従って、本発明に
よれば、燃料噴射が停止された直後に目標燃料噴射量が
増大しても、目標燃料噴射量が第2の所定値を上回って
燃料噴射が再開されることが防止される。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施例である
内燃機関の燃料噴射制御装置を搭載したエンジン10の
システム概略構成を示す。エンジン10は4気筒型エン
ジンであり、シリンダブロック12の内部に4つのシリ
ンダを備えている。各シリンダは、それぞれの内部に図
示しない燃焼室を備えている。
内燃機関の燃料噴射制御装置を搭載したエンジン10の
システム概略構成を示す。エンジン10は4気筒型エン
ジンであり、シリンダブロック12の内部に4つのシリ
ンダを備えている。各シリンダは、それぞれの内部に図
示しない燃焼室を備えている。
【0015】各シリンダの燃焼室には、吸気通路14及
び排気通路16が連通している。吸気通路14は、複数
の枝管を備える吸気マニホールド18を備えている。吸
気マニホールド18の枝管は、それぞれ各シリンダの燃
焼室に連通している。吸気マニホールド18の枝管に
は、それぞれ、燃料噴射弁20a〜20dが配設されて
いる。
び排気通路16が連通している。吸気通路14は、複数
の枝管を備える吸気マニホールド18を備えている。吸
気マニホールド18の枝管は、それぞれ各シリンダの燃
焼室に連通している。吸気マニホールド18の枝管に
は、それぞれ、燃料噴射弁20a〜20dが配設されて
いる。
【0016】吸気マニホールド18の上流側には、サー
ジタンク22が連通している。サージタンク22は、吸
気通路14を流通する空気の脈動を平滑化する機能を有
している。サージタンク22には、吸気圧PMを検出す
る吸気圧センサ24が配設されている。サージタンク2
2の上流側には、吸気管26が連通している。吸気管2
6の内部にはスロットルバルブ28が配設されている。
スロットルバルブ28は図示しないアクセルペダルの操
作に連動して開閉し、吸気通路14を流通する吸入空気
量を調節する。スロットルバルブ28の近傍には、その
開度を検出するスロットルセンサ30が配設されてい
る。
ジタンク22が連通している。サージタンク22は、吸
気通路14を流通する空気の脈動を平滑化する機能を有
している。サージタンク22には、吸気圧PMを検出す
る吸気圧センサ24が配設されている。サージタンク2
2の上流側には、吸気管26が連通している。吸気管2
6の内部にはスロットルバルブ28が配設されている。
スロットルバルブ28は図示しないアクセルペダルの操
作に連動して開閉し、吸気通路14を流通する吸入空気
量を調節する。スロットルバルブ28の近傍には、その
開度を検出するスロットルセンサ30が配設されてい
る。
【0017】吸気管26の上流側には、エアクリーナ3
2が配設されている。エアクリーナ32により、吸気管
26には浄化された清浄な外気が吸入される。エアクリ
ーナ32を収容する筐体の内部には、吸気温を検出する
吸気温センサ34が配設されている。吸気管26に吸入
された空気は、スロットルバルブ28、及びサージタン
ク22を経て、吸気マニホールド18の各枝管に導かれ
る。そして、各枝管に導かれた空気と、燃料噴射弁20
a〜20dより噴射された燃料との混合気がエンジン1
0の各燃焼室に導入される。
2が配設されている。エアクリーナ32により、吸気管
26には浄化された清浄な外気が吸入される。エアクリ
ーナ32を収容する筐体の内部には、吸気温を検出する
吸気温センサ34が配設されている。吸気管26に吸入
された空気は、スロットルバルブ28、及びサージタン
ク22を経て、吸気マニホールド18の各枝管に導かれ
る。そして、各枝管に導かれた空気と、燃料噴射弁20
a〜20dより噴射された燃料との混合気がエンジン1
0の各燃焼室に導入される。
【0018】シリンダブロック12には、点火プラグ3
6a〜36dが、それぞれ、各燃焼室内に露出するよう
に取り付けられている。点火プラグ36a〜36dは、
ディストリビュータ38において分配された点火信号に
基づいて駆動され、燃焼室に導入された混合気を点火さ
せる。ディストリビュータ38は、イグナイタ40から
出力される高電圧をエンジン10のクランク角に同期し
て点火プラグ36a〜36dに分配する。
6a〜36dが、それぞれ、各燃焼室内に露出するよう
に取り付けられている。点火プラグ36a〜36dは、
ディストリビュータ38において分配された点火信号に
基づいて駆動され、燃焼室に導入された混合気を点火さ
せる。ディストリビュータ38は、イグナイタ40から
出力される高電圧をエンジン10のクランク角に同期し
て点火プラグ36a〜36dに分配する。
【0019】燃焼室内において点火プラグ36a〜36
dによって点火された混合気が燃焼することで、エンジ
ン10の駆動力が生成される。かかる燃焼に伴って発生
する燃焼ガスは、排気通路16を介して外部へ排出され
る。排気通路16は、排気マニホールド42を備えてい
る。排気マニホールド42は複数の枝管を備えており、
各枝管は各燃焼室に連通している。排気マニホールド4
2の下流側には排気管44が連通している。
dによって点火された混合気が燃焼することで、エンジ
ン10の駆動力が生成される。かかる燃焼に伴って発生
する燃焼ガスは、排気通路16を介して外部へ排出され
る。排気通路16は、排気マニホールド42を備えてい
る。排気マニホールド42は複数の枝管を備えており、
各枝管は各燃焼室に連通している。排気マニホールド4
2の下流側には排気管44が連通している。
【0020】排気管44の下流側には、触媒コンバータ
46が連通している。触媒コンバータ46は、排気ガス
中の炭化水素、一酸化炭素、窒素酸化物を触媒の作用で
除去する装置である。従って、エンジン10の排気ガス
は触媒コンバータ48により浄化された状態で外部へ放
出される。排気管44の触媒コンバータ46との接続部
の近傍には、酸素センサ48が配設されている。酸素セ
ンサ48は、排気ガス中の酸素濃度と所定値との大小関
係に応じた2値的な信号を出力するように構成されてい
る。
46が連通している。触媒コンバータ46は、排気ガス
中の炭化水素、一酸化炭素、窒素酸化物を触媒の作用で
除去する装置である。従って、エンジン10の排気ガス
は触媒コンバータ48により浄化された状態で外部へ放
出される。排気管44の触媒コンバータ46との接続部
の近傍には、酸素センサ48が配設されている。酸素セ
ンサ48は、排気ガス中の酸素濃度と所定値との大小関
係に応じた2値的な信号を出力するように構成されてい
る。
【0021】シリンダブロック12には、冷却水の水温
を検出する水温センサ50が配設されている。また、デ
ィストリビュータ38には、回転数センサ52及び気筒
判別センサ54が配設されている。回転数センサ52
は、ディストリビュータ38に内蔵されたロータの回転
に基づいて、機関回転数NEを検出する。また、気筒判
別センサ54は、同様に、ディストリビュータ38のロ
ータの回転に基づいて、エンジン10のクランク角の変
化を所定の割合で検出する。
を検出する水温センサ50が配設されている。また、デ
ィストリビュータ38には、回転数センサ52及び気筒
判別センサ54が配設されている。回転数センサ52
は、ディストリビュータ38に内蔵されたロータの回転
に基づいて、機関回転数NEを検出する。また、気筒判
別センサ54は、同様に、ディストリビュータ38のロ
ータの回転に基づいて、エンジン10のクランク角の変
化を所定の割合で検出する。
【0022】上記した吸気圧センサ24、スロットルセ
ンサ30、吸気温センサ34、酸素センサ48、水温セ
ンサ50、回転数センサ52、気筒判別センサ54の各
センサ、燃焼噴射弁20a〜20d、及び、イグナイタ
40は、電子制御ユニット56(以下、ECU56と称
す)に接続されている。ECU56は、上記各センサの
出力信号に基づいて、燃料噴射弁20a〜20d及びイ
グナイタ40を制御する。
ンサ30、吸気温センサ34、酸素センサ48、水温セ
ンサ50、回転数センサ52、気筒判別センサ54の各
センサ、燃焼噴射弁20a〜20d、及び、イグナイタ
40は、電子制御ユニット56(以下、ECU56と称
す)に接続されている。ECU56は、上記各センサの
出力信号に基づいて、燃料噴射弁20a〜20d及びイ
グナイタ40を制御する。
【0023】本実施例において、ECU56は、エンジ
ン回転数NEと吸気圧PMとに基づいて、予めECU5
6の内部に記憶されたマップを参照することで、基本燃
料噴射量TPを決定する。そして、この基本燃料噴射量
TPを次式に基づいて補正することで、目標燃料噴射量
TAUを算出する。 TAU=TP・(FAF+KG)・α・β ・・・(1) ここで、FAFは、酸素センサ48の出力信号に基づい
て、空燃比を目標空燃比に向けて制御するためのフィー
ドバック補正係数であり、1を中心値として増減され
る。すなわち、排気ガス中の酸素濃度が所定値に比して
小さい場合には、燃料が目標空燃比に対してリッチな状
態にあると判断され、FAFは増加される。一方、酸素
濃度が上記所定値に比して大きい場合には、燃料が目標
空燃比に対してリーンな状態にあると判断され、FAF
は減少される。従って、目標燃料噴射量TAUにフィー
ドバック補正係数FAFが乗ぜられることで、目標燃料
噴射量TAUは目標空燃比に近い空燃比が実現されるよ
うに補正される。
ン回転数NEと吸気圧PMとに基づいて、予めECU5
6の内部に記憶されたマップを参照することで、基本燃
料噴射量TPを決定する。そして、この基本燃料噴射量
TPを次式に基づいて補正することで、目標燃料噴射量
TAUを算出する。 TAU=TP・(FAF+KG)・α・β ・・・(1) ここで、FAFは、酸素センサ48の出力信号に基づい
て、空燃比を目標空燃比に向けて制御するためのフィー
ドバック補正係数であり、1を中心値として増減され
る。すなわち、排気ガス中の酸素濃度が所定値に比して
小さい場合には、燃料が目標空燃比に対してリッチな状
態にあると判断され、FAFは増加される。一方、酸素
濃度が上記所定値に比して大きい場合には、燃料が目標
空燃比に対してリーンな状態にあると判断され、FAF
は減少される。従って、目標燃料噴射量TAUにフィー
ドバック補正係数FAFが乗ぜられることで、目標燃料
噴射量TAUは目標空燃比に近い空燃比が実現されるよ
うに補正される。
【0024】また、KGは、フィードバック補正係数F
AFの値を学習するための学習値である。すなわち、K
Gには、イグニッションスイッチがオフされた時点で
の、フィードバック補正係数FAFと「1」との偏差が
記憶される。本実施例においては、イグニッションスイ
ッチがオンされた際に、FAFは「1」に初期化される
が、FAFにKGが加算されることで、目標燃料噴射量
TAUのFAFによる補正はイグニッションスイッチが
オフされる前から継続した状態で行なわれる。
AFの値を学習するための学習値である。すなわち、K
Gには、イグニッションスイッチがオフされた時点で
の、フィードバック補正係数FAFと「1」との偏差が
記憶される。本実施例においては、イグニッションスイ
ッチがオンされた際に、FAFは「1」に初期化される
が、FAFにKGが加算されることで、目標燃料噴射量
TAUのFAFによる補正はイグニッションスイッチが
オフされる前から継続した状態で行なわれる。
【0025】αは、冷間時における燃焼性を向上させる
ため、水温が低い場合に目標燃料噴射量TAUを増加さ
せるための補正係数である。また、βはエンジン10の
高負荷運転時に、燃料の気化熱によって触媒コンバータ
46の温度上昇が抑制されるように目標燃料噴射量TA
Uを増加させるための補正係数である。ところで、目標
燃料噴射量TAUが小さくなると、燃焼室における失火
が生じ、触媒コンバータ46の温度上昇に起因する劣化
を招く場合があることは上記した通りである。本実施例
においては、かかる不都合を回避するため、目標燃料噴
射量TAUが所定値を下回った場合に、燃料噴射を停止
する燃料カット制御を実行することとしている。
ため、水温が低い場合に目標燃料噴射量TAUを増加さ
せるための補正係数である。また、βはエンジン10の
高負荷運転時に、燃料の気化熱によって触媒コンバータ
46の温度上昇が抑制されるように目標燃料噴射量TA
Uを増加させるための補正係数である。ところで、目標
燃料噴射量TAUが小さくなると、燃焼室における失火
が生じ、触媒コンバータ46の温度上昇に起因する劣化
を招く場合があることは上記した通りである。本実施例
においては、かかる不都合を回避するため、目標燃料噴
射量TAUが所定値を下回った場合に、燃料噴射を停止
する燃料カット制御を実行することとしている。
【0026】すなわち、本実施例において、目標燃料噴
射量TAUが第1の所定値T1 を下回った場合に、燃料
噴射弁20a〜20dによる燃料噴射を停止させる。ま
た、目標燃料噴射量TAUが第2の所定値T2 を上回っ
た場合に、燃料噴射を再開させる。ここで、燃料噴射の
停止に伴って目標燃料噴射量TAUが増加することに起
因して、燃料噴射の停止と再開とが繰り返されるハンチ
ング(以下、噴射ハンチングと称す)が生ずるのを抑制
するため、第2の所定値T2 を第1の所定値T 1 に比し
て所定のヒステリシス量HYSだけ大きく設定してい
る。
射量TAUが第1の所定値T1 を下回った場合に、燃料
噴射弁20a〜20dによる燃料噴射を停止させる。ま
た、目標燃料噴射量TAUが第2の所定値T2 を上回っ
た場合に、燃料噴射を再開させる。ここで、燃料噴射の
停止に伴って目標燃料噴射量TAUが増加することに起
因して、燃料噴射の停止と再開とが繰り返されるハンチ
ング(以下、噴射ハンチングと称す)が生ずるのを抑制
するため、第2の所定値T2 を第1の所定値T 1 に比し
て所定のヒステリシス量HYSだけ大きく設定してい
る。
【0027】なお、本実施例において、燃料噴射量は燃
料噴射弁20a〜20dによる燃料噴射時間が変化され
ることにより制御される。従って、本実施例において、
目標燃料噴射量TAU、第1及び第2の所定値T1 、T
2 、及びヒステリシス量HYS等の燃料噴射量に関する
量は、時間(μs)を単位として表されるものとする。
料噴射弁20a〜20dによる燃料噴射時間が変化され
ることにより制御される。従って、本実施例において、
目標燃料噴射量TAU、第1及び第2の所定値T1 、T
2 、及びヒステリシス量HYS等の燃料噴射量に関する
量は、時間(μs)を単位として表されるものとする。
【0028】燃料カット制御によって燃料噴射が停止さ
れた状態では、目標燃料噴射量TAUがフィードバック
補正係数FAFにより補正されても、実際に噴射される
燃料の量は変化しない。従って、燃料噴射の停止中に、
酸素センサ48の出力信号に基づいてフィードバック補
正係数FAFが増減されると、FAFは過度に増加又は
減少されることになり、FAFを適正に修正することが
できなくなってしまう。かかる不都合を防止するため、
本実施例においては、燃料カット制御により燃料噴射が
停止された時点で、フィードバック補正係数FAFを
「1」に設定し、FAFによる目標燃料噴射量TAUの
補正を解除することとしている。
れた状態では、目標燃料噴射量TAUがフィードバック
補正係数FAFにより補正されても、実際に噴射される
燃料の量は変化しない。従って、燃料噴射の停止中に、
酸素センサ48の出力信号に基づいてフィードバック補
正係数FAFが増減されると、FAFは過度に増加又は
減少されることになり、FAFを適正に修正することが
できなくなってしまう。かかる不都合を防止するため、
本実施例においては、燃料カット制御により燃料噴射が
停止された時点で、フィードバック補正係数FAFを
「1」に設定し、FAFによる目標燃料噴射量TAUの
補正を解除することとしている。
【0029】また、未燃焼ガスによる触媒コンバータ4
6の温度上昇が生ずるまでには一定の時間遅れが存在す
るため、目標燃料噴射量TAUが第1の所定値T1 を下
回った場合に、必ずしも直ちに燃料噴射を停止する必要
はない。一方、燃料噴射の停止のタイミングが遅れるほ
ど、噴射ハンチングが生じた場合に、その周期は長くな
る。一般に、噴射ハンチングが生じても、その周期が長
ければ、車両乗員に対して与える違和感は小さくなる。
そこで、本実施例においては、目標燃料噴射量TAUが
第1の所定値T1 を下回ってから燃料噴射を停止するま
でに所定のディレイ時間を設けることで、噴射ハンチン
グが生じた場合に運転者に与える違和感を緩和すること
としている。
6の温度上昇が生ずるまでには一定の時間遅れが存在す
るため、目標燃料噴射量TAUが第1の所定値T1 を下
回った場合に、必ずしも直ちに燃料噴射を停止する必要
はない。一方、燃料噴射の停止のタイミングが遅れるほ
ど、噴射ハンチングが生じた場合に、その周期は長くな
る。一般に、噴射ハンチングが生じても、その周期が長
ければ、車両乗員に対して与える違和感は小さくなる。
そこで、本実施例においては、目標燃料噴射量TAUが
第1の所定値T1 を下回ってから燃料噴射を停止するま
でに所定のディレイ時間を設けることで、噴射ハンチン
グが生じた場合に運転者に与える違和感を緩和すること
としている。
【0030】図2及び図3は、本実施例における目標燃
料噴射量TAUの時間変化、及び、燃料カット制御の実
行状態を、典型的な2つの状況について例示するタイム
チャートである。図2及び図3において、それぞれ、上
段から順に、(a)目標燃料噴射量TAU、(b)タイ
ムカウンタCT、(c)燃料カット制御の実行状態、及
び(d)フィードバック補正係数FAFの時間変化が示
されている。
料噴射量TAUの時間変化、及び、燃料カット制御の実
行状態を、典型的な2つの状況について例示するタイム
チャートである。図2及び図3において、それぞれ、上
段から順に、(a)目標燃料噴射量TAU、(b)タイ
ムカウンタCT、(c)燃料カット制御の実行状態、及
び(d)フィードバック補正係数FAFの時間変化が示
されている。
【0031】図2及び図3に示す何れの状況において
も、各図の(a)に示す如く、時刻t 1 において、目標
燃料噴射量TAUが第1の所定値T1 を下回り、(b)
に示す如く、タイムカウンタCTのカウントアップが開
始されている。そして、時刻t 1 からディレイ時間CT
0 が経過した時刻t2 において、各図の(c)に示す如
く、燃料噴射が停止されている。
も、各図の(a)に示す如く、時刻t 1 において、目標
燃料噴射量TAUが第1の所定値T1 を下回り、(b)
に示す如く、タイムカウンタCTのカウントアップが開
始されている。そして、時刻t 1 からディレイ時間CT
0 が経過した時刻t2 において、各図の(c)に示す如
く、燃料噴射が停止されている。
【0032】また、図2及び図3の(d)に示す如く、
フィードバック補正係数FAFは、時刻t2 に至るま
で、酸素センサ48の出力信号に応じて、すなわち、目
標空燃比に対して燃料がリッチな状態であるかリーンな
状態であるかに応じて、増減が繰り返されている。そし
て、時刻t2 において燃料噴射が停止されると同時に、
FAFは「1」に設定されている。
フィードバック補正係数FAFは、時刻t2 に至るま
で、酸素センサ48の出力信号に応じて、すなわち、目
標空燃比に対して燃料がリッチな状態であるかリーンな
状態であるかに応じて、増減が繰り返されている。そし
て、時刻t2 において燃料噴射が停止されると同時に、
FAFは「1」に設定されている。
【0033】この場合、図2に例示する状況の如く、燃
料噴射が停止される前の過程で、フィードバック補正係
数が1の近傍で変化しているならば、燃料噴射の停止と
共にFAFが「1」に設定されても、目標燃料噴射量T
AUは大きく変化しない。このため、目標燃料噴射量T
AUが第2の所定値T2 を直ちに上回ることはなく、時
刻t2 以降、燃料カット制御によって燃料噴射が停止さ
れた状態が維持されている。
料噴射が停止される前の過程で、フィードバック補正係
数が1の近傍で変化しているならば、燃料噴射の停止と
共にFAFが「1」に設定されても、目標燃料噴射量T
AUは大きく変化しない。このため、目標燃料噴射量T
AUが第2の所定値T2 を直ちに上回ることはなく、時
刻t2 以降、燃料カット制御によって燃料噴射が停止さ
れた状態が維持されている。
【0034】一方、図3に例示する状況の如く、燃料噴
射が停止される前の過程で、フィードバック補正係数F
AFが「1」よりも相当量小さな値の近傍で変化してい
るならば、燃料噴射の停止と共にFAFが「1」に設定
されることで、目標燃料噴射量TAUは大きく増加する
ことになる。すなわち、燃料噴射が停止された時点での
フィードバック補正係数FAFの値をFAF0 (<1)
とすると、FAFが「1」に設定されることにより、燃
料噴射量は、1/FAF0 に増加するのである。このた
め、図3(a)に示す如く、目標燃料噴射量TAUは、
燃料噴射が停止された直後の時刻t3 において、第2の
所定値T2 を上回り、燃料噴射が再開されている。
射が停止される前の過程で、フィードバック補正係数F
AFが「1」よりも相当量小さな値の近傍で変化してい
るならば、燃料噴射の停止と共にFAFが「1」に設定
されることで、目標燃料噴射量TAUは大きく増加する
ことになる。すなわち、燃料噴射が停止された時点での
フィードバック補正係数FAFの値をFAF0 (<1)
とすると、FAFが「1」に設定されることにより、燃
料噴射量は、1/FAF0 に増加するのである。このた
め、図3(a)に示す如く、目標燃料噴射量TAUは、
燃料噴射が停止された直後の時刻t3 において、第2の
所定値T2 を上回り、燃料噴射が再開されている。
【0035】目標燃料噴射量TAUが増加された状態で
燃料噴射が再開されると、排気ガス中の燃料は目標空燃
比に対してリッチな状態となるため、図3(d)に示す
如く、フィードバック補正係数FAFは、燃料噴射の停
止前の値FAF0 に向けて減少を始める。かかるFAF
の減少に伴って目標燃料噴射量TAUも減少し、時刻t
4 において、TAUは第1の所定値T1 を再び下回って
いる。このため、時刻t4 からディレイ時間CT0 経過
した時刻t5 において燃料噴射が停止されると共に、F
AFが「1」に設定されることで、目標燃料噴射量TA
Uは急増している。このためTAUは時刻t6 において
第2の所定値T2 を上回り、燃料噴射は再び開始され
る。
燃料噴射が再開されると、排気ガス中の燃料は目標空燃
比に対してリッチな状態となるため、図3(d)に示す
如く、フィードバック補正係数FAFは、燃料噴射の停
止前の値FAF0 に向けて減少を始める。かかるFAF
の減少に伴って目標燃料噴射量TAUも減少し、時刻t
4 において、TAUは第1の所定値T1 を再び下回って
いる。このため、時刻t4 からディレイ時間CT0 経過
した時刻t5 において燃料噴射が停止されると共に、F
AFが「1」に設定されることで、目標燃料噴射量TA
Uは急増している。このためTAUは時刻t6 において
第2の所定値T2 を上回り、燃料噴射は再び開始され
る。
【0036】このように、フィードバック補正係数FA
Fが「1」に比して相当量小さな状態で燃料噴射が停止
されると、FAFが「1」に設定されるのに伴って目標
燃料噴射量TAUが増加することに起因して、噴射ハン
チングが生じてしまう。本実施例の内燃機関の燃料噴射
制御装置は、燃料噴射が停止される時点のフィードバッ
ク補正係数FAFの値FAF0 に基づいてヒステリシス
量HYSを決定することにより、上記の如き噴射ハンチ
ングの発生を防止し得る点に特徴を有している。
Fが「1」に比して相当量小さな状態で燃料噴射が停止
されると、FAFが「1」に設定されるのに伴って目標
燃料噴射量TAUが増加することに起因して、噴射ハン
チングが生じてしまう。本実施例の内燃機関の燃料噴射
制御装置は、燃料噴射が停止される時点のフィードバッ
ク補正係数FAFの値FAF0 に基づいてヒステリシス
量HYSを決定することにより、上記の如き噴射ハンチ
ングの発生を防止し得る点に特徴を有している。
【0037】上述の如く、燃料噴射が停止されると、目
標燃料噴射量TAUは1/FAF0倍に増加する。すな
わち、FAF0 が小さいほど、目標燃料噴射量TAUは
大きく増加する。従って、FAF0 が小さい場合に、図
3に一点鎖線で示す如く、第2の所定値T2 がT2 ’ま
で増加させれば、燃料噴射が停止された直後に目標燃料
噴射量TAUが第2の所定値T2 を上回るのを防止する
ことができる。そこで、本実施例においては、燃料噴射
が停止された時点でのフィードバック補正係数FAFの
値FAF0 が小さいほど、ヒステリシス量HYSを大き
く設けることとしている。
標燃料噴射量TAUは1/FAF0倍に増加する。すな
わち、FAF0 が小さいほど、目標燃料噴射量TAUは
大きく増加する。従って、FAF0 が小さい場合に、図
3に一点鎖線で示す如く、第2の所定値T2 がT2 ’ま
で増加させれば、燃料噴射が停止された直後に目標燃料
噴射量TAUが第2の所定値T2 を上回るのを防止する
ことができる。そこで、本実施例においては、燃料噴射
が停止された時点でのフィードバック補正係数FAFの
値FAF0 が小さいほど、ヒステリシス量HYSを大き
く設けることとしている。
【0038】例えば、燃料噴射が停止された時点でのF
AFの値(すなわちFAF0 )が0.8であり、また、
第1の所定値T1 が1800μs、第2の所定値T2 が
2200μsであるとする。この場合、ディレイ時間C
T0 を無視して考えると、目標燃料噴射量TAUは18
00μsの状態で燃料噴射が停止され、燃料噴射の停止
と共にTAUは2250μs(=1800/0.8)に
増加してT2 を上回ることになる。これに対して、FA
F0 の値に応じて、ヒステリシス量HYSを例えば40
0増加させ、第2の所定値T2 を2600μsとすれ
ば、TAUがT2を上回るのを防止することができるの
である。
AFの値(すなわちFAF0 )が0.8であり、また、
第1の所定値T1 が1800μs、第2の所定値T2 が
2200μsであるとする。この場合、ディレイ時間C
T0 を無視して考えると、目標燃料噴射量TAUは18
00μsの状態で燃料噴射が停止され、燃料噴射の停止
と共にTAUは2250μs(=1800/0.8)に
増加してT2 を上回ることになる。これに対して、FA
F0 の値に応じて、ヒステリシス量HYSを例えば40
0増加させ、第2の所定値T2 を2600μsとすれ
ば、TAUがT2を上回るのを防止することができるの
である。
【0039】以下、図4を参照して、かかる機能を実現
すべくECU56が実行する処理の内容について説明す
る。図4は、本実施例においてECU56が実行する燃
料カット制御ルーチンのフローチャートである。本ルー
チンは所定の時間間隔で起動される定時割り込みルーチ
ンである。なお、ECU56は、図4に示すルーチンと
は別途に、FAF修正ルーチン及び燃料噴射弁制御ルー
チンを実行する。FAF修正ルーチンにおいては、酸素
センサ48の出力信号に基づいて、FAFの値が増減さ
れる。また、燃料噴射弁制御ルーチンにおいては、目標
燃料噴射量TAUに等しい量の燃料が噴射されるよう
に、燃料噴射弁20a〜20dに対して制御信号が供給
される。
すべくECU56が実行する処理の内容について説明す
る。図4は、本実施例においてECU56が実行する燃
料カット制御ルーチンのフローチャートである。本ルー
チンは所定の時間間隔で起動される定時割り込みルーチ
ンである。なお、ECU56は、図4に示すルーチンと
は別途に、FAF修正ルーチン及び燃料噴射弁制御ルー
チンを実行する。FAF修正ルーチンにおいては、酸素
センサ48の出力信号に基づいて、FAFの値が増減さ
れる。また、燃料噴射弁制御ルーチンにおいては、目標
燃料噴射量TAUに等しい量の燃料が噴射されるよう
に、燃料噴射弁20a〜20dに対して制御信号が供給
される。
【0040】図4に示すルーチンが起動されると、先
ず、ステップ100の処理が実行される。ステップ10
0では、基本燃料噴射量TPが、エンジン回転数NE及
び吸気圧PMに基づいて、予め記憶されたマップを用い
て決定される。ステップ100の処理が終了すると、次
に、ステップ102の処理が実行される。ステップ10
2では、上記(1)式、すなわち、式TAU=TP・
(FAF+KG)・α・βに基づいて、目標燃料噴射量
TAUが算出される。ステップ102の処理が終了する
と、次に、ステップ104の処理が実行される。
ず、ステップ100の処理が実行される。ステップ10
0では、基本燃料噴射量TPが、エンジン回転数NE及
び吸気圧PMに基づいて、予め記憶されたマップを用い
て決定される。ステップ100の処理が終了すると、次
に、ステップ102の処理が実行される。ステップ10
2では、上記(1)式、すなわち、式TAU=TP・
(FAF+KG)・α・βに基づいて、目標燃料噴射量
TAUが算出される。ステップ102の処理が終了する
と、次に、ステップ104の処理が実行される。
【0041】ステップ104では、フラグFがセットさ
れているか否かが判別される。後述する如く、フラグF
がセットされると燃料噴射は停止される。従って、ステ
ップ104でフラグFがセットされていないと判別され
たならば、燃料噴射は停止されていないと判断されて、
次にステップ106の処理が実行される。ステップ10
6では、目標燃料噴射量TAUが第1の所定値T1 未満
である状態がディレイ時間CT0 の間維持されているか
否かが判別される。その結果、否定判別されたならば、
燃料噴射を続行すべきと判断されて、以後、何ら処理が
実行されることなく今回のルーチンは終了される。一
方、ステップ106においてTAU<T1 の状態がCT
0 の間維持されているならば、燃料噴射を停止すべきと
判断され、続くステップ108において、フラグFがセ
ットされる。上記した燃料噴射弁制御ルーチンはフラグ
Fを常時監視しており、フラグFがセットされた場合
に、燃料噴射弁20a〜20dによる燃料噴射を停止さ
せる。従って、目標燃料噴射量TAUが第1の所定値T
1 を下回ってからディレイ時間CT0 が経過すると、燃
料噴射が停止されることになる。
れているか否かが判別される。後述する如く、フラグF
がセットされると燃料噴射は停止される。従って、ステ
ップ104でフラグFがセットされていないと判別され
たならば、燃料噴射は停止されていないと判断されて、
次にステップ106の処理が実行される。ステップ10
6では、目標燃料噴射量TAUが第1の所定値T1 未満
である状態がディレイ時間CT0 の間維持されているか
否かが判別される。その結果、否定判別されたならば、
燃料噴射を続行すべきと判断されて、以後、何ら処理が
実行されることなく今回のルーチンは終了される。一
方、ステップ106においてTAU<T1 の状態がCT
0 の間維持されているならば、燃料噴射を停止すべきと
判断され、続くステップ108において、フラグFがセ
ットされる。上記した燃料噴射弁制御ルーチンはフラグ
Fを常時監視しており、フラグFがセットされた場合
に、燃料噴射弁20a〜20dによる燃料噴射を停止さ
せる。従って、目標燃料噴射量TAUが第1の所定値T
1 を下回ってからディレイ時間CT0 が経過すると、燃
料噴射が停止されることになる。
【0042】ステップ108においてフラグFがセット
されると、次にステップ110において、変数FAF0
にフィードバック補正係数FAFの現在値が代入され
る。従って、FAF0 は燃料噴射が停止される時点での
フィードバック補正係数の値を示すことになる。ステッ
プ110の処理が終了されると、続くステップ112に
おいて、FAFが「1」に設定された後、今回のルーチ
ンは終了される。
されると、次にステップ110において、変数FAF0
にフィードバック補正係数FAFの現在値が代入され
る。従って、FAF0 は燃料噴射が停止される時点での
フィードバック補正係数の値を示すことになる。ステッ
プ110の処理が終了されると、続くステップ112に
おいて、FAFが「1」に設定された後、今回のルーチ
ンは終了される。
【0043】一方、上記ステップ104において、フラ
グFがセットされていると判別された場合は、燃料噴射
は停止されていることになる。この場合、次に、ステッ
プ114において、変数FAF0 に基づいて、ヒステリ
シス量HYSが決定される。このヒステリシス量HYS
を決定するための処理は、ECU56内に予め記憶され
たマップを参照することにより行なわれる。
グFがセットされていると判別された場合は、燃料噴射
は停止されていることになる。この場合、次に、ステッ
プ114において、変数FAF0 に基づいて、ヒステリ
シス量HYSが決定される。このヒステリシス量HYS
を決定するための処理は、ECU56内に予め記憶され
たマップを参照することにより行なわれる。
【0044】図5は、ステップ114においてECU5
6が参照するマップの一例である。なお、図5におい
て、FAF0 は0.1刻みの値で示されているが、これ
らの間の値に対するHYSの値は、補間により求められ
る。図5に示す如く、ヒステリシス量HYSは、FAF
0 が小さくなるほど大きくなるように設定される。ステ
ップ114においてヒステリシス量HYSが決定される
と、次に、ステップ116において、第2の所定値T2
が(T1 +HYS)に設定された後、ステップ118の
処理が実行される。
6が参照するマップの一例である。なお、図5におい
て、FAF0 は0.1刻みの値で示されているが、これ
らの間の値に対するHYSの値は、補間により求められ
る。図5に示す如く、ヒステリシス量HYSは、FAF
0 が小さくなるほど大きくなるように設定される。ステ
ップ114においてヒステリシス量HYSが決定される
と、次に、ステップ116において、第2の所定値T2
が(T1 +HYS)に設定された後、ステップ118の
処理が実行される。
【0045】ステップ118では、TAU>T2 が成立
するか否かが判別される。その結果、TAU>T2 が成
立するならば、燃料噴射を再開させるべきと判断され
て、次に、ステップ120においてフラグFがリセット
される。上記燃料噴射弁制御ルーチンは、フラグFがセ
ットされた状態では、燃料噴射弁20a〜20dによる
燃料噴射を実行させる。従って、燃料噴射が停止された
状態で、TAUがT2 を上回ると燃料噴射が再開される
ことになる。ステップ118の処理が終了すると、今回
のルーチンは終了される。
するか否かが判別される。その結果、TAU>T2 が成
立するならば、燃料噴射を再開させるべきと判断され
て、次に、ステップ120においてフラグFがリセット
される。上記燃料噴射弁制御ルーチンは、フラグFがセ
ットされた状態では、燃料噴射弁20a〜20dによる
燃料噴射を実行させる。従って、燃料噴射が停止された
状態で、TAUがT2 を上回ると燃料噴射が再開される
ことになる。ステップ118の処理が終了すると、今回
のルーチンは終了される。
【0046】一方、ステップ118において、TAU>
T2 が不成立ならば、燃料噴射が停止された状態を維持
すべきと判断されて、以後、何ら処理が実行されること
なく今回のルーチンは終了される。上述の如く、本実施
例によれば、燃料噴射が停止された時点のフィードバッ
ク補正係数FAFの値FAF0 が小さいほど、ヒステリ
シス量HYSが大きく設定されることで、燃料噴射を開
始するか否かのしきい値である第2の所定値T2 は大き
くなる。このため、燃料噴射の停止の際にフィードバッ
ク補正係数FAFが「1」に設定されことに伴って目標
燃料噴射量TAUが増加しても、TAUがT 2 を上回る
ことが防止される。従って、本実施例の内燃機関の燃料
噴射制御装置によれば、フィードバック補正係数FAF
によるTAUの補正に起因して、燃料噴射が停止された
直後に、燃料噴射が再開されるのを防止することがで
き、これにより、燃料噴射の停止と再開とが繰り返され
る噴射ハンチングが生ずるのを防止することができる。
T2 が不成立ならば、燃料噴射が停止された状態を維持
すべきと判断されて、以後、何ら処理が実行されること
なく今回のルーチンは終了される。上述の如く、本実施
例によれば、燃料噴射が停止された時点のフィードバッ
ク補正係数FAFの値FAF0 が小さいほど、ヒステリ
シス量HYSが大きく設定されることで、燃料噴射を開
始するか否かのしきい値である第2の所定値T2 は大き
くなる。このため、燃料噴射の停止の際にフィードバッ
ク補正係数FAFが「1」に設定されことに伴って目標
燃料噴射量TAUが増加しても、TAUがT 2 を上回る
ことが防止される。従って、本実施例の内燃機関の燃料
噴射制御装置によれば、フィードバック補正係数FAF
によるTAUの補正に起因して、燃料噴射が停止された
直後に、燃料噴射が再開されるのを防止することがで
き、これにより、燃料噴射の停止と再開とが繰り返され
る噴射ハンチングが生ずるのを防止することができる。
【0047】なお、燃料噴射の停止時にフィードバック
補正係数FAFが「1」に設定されることによる目標燃
料噴射量TAUの増加と、燃料噴射の停止に伴う吸気圧
PMの上昇や、アクセルペダルの踏み込みによるTAU
の増加とが重畳することで、上述の如く設定されたヒス
テリシス量HYSがTAUの増加に対して不足すること
は生じ得る。この場合、TAUが第2の所定値T2 を上
回って、燃料噴射が再開されることになる。しかしなが
ら、かかる場合においても、FAF0 が小さいほどHY
Sが増加されていることで、燃料噴射の再開のタイミン
グが遅延され、その結果、噴射ハンチングの周期は長く
なる。上述の如く、噴射ハンチングが生じても、その周
期が長ければ乗員に対して与える違和感は小さい。従っ
て、本実施例の内燃機関の燃料噴射制御装置によれば、
万一、噴射ハンチングが生じた場合においても、噴射ハ
ンチングに起因して車両乗員に与える違和感を小さく抑
制することが可能とされている。
補正係数FAFが「1」に設定されることによる目標燃
料噴射量TAUの増加と、燃料噴射の停止に伴う吸気圧
PMの上昇や、アクセルペダルの踏み込みによるTAU
の増加とが重畳することで、上述の如く設定されたヒス
テリシス量HYSがTAUの増加に対して不足すること
は生じ得る。この場合、TAUが第2の所定値T2 を上
回って、燃料噴射が再開されることになる。しかしなが
ら、かかる場合においても、FAF0 が小さいほどHY
Sが増加されていることで、燃料噴射の再開のタイミン
グが遅延され、その結果、噴射ハンチングの周期は長く
なる。上述の如く、噴射ハンチングが生じても、その周
期が長ければ乗員に対して与える違和感は小さい。従っ
て、本実施例の内燃機関の燃料噴射制御装置によれば、
万一、噴射ハンチングが生じた場合においても、噴射ハ
ンチングに起因して車両乗員に与える違和感を小さく抑
制することが可能とされている。
【0048】なお、上記実施例においては、ECU56
が図4に示すルーチンのステップ100を実行すること
により請求項1に記載した基本燃料噴射量決定手段が、
ステッ102の処理を実行することにより請求項1に記
載した燃料噴射量補正手段が、ステップ114の処理を
実行することにより請求項1に記載したヒステリシス変
更手段が、ステップ112の処理を実行することにより
請求項1に記載した補正解除手段が、ステップ106、
108、118、120の処理を実行することにより請
求項1に記載した燃料カット制御手段が、それぞれ実現
され、また、ECU56が燃料噴射弁制御ルーチンを実
行することにより請求項1に記載した燃料噴射手段が実
現されている。
が図4に示すルーチンのステップ100を実行すること
により請求項1に記載した基本燃料噴射量決定手段が、
ステッ102の処理を実行することにより請求項1に記
載した燃料噴射量補正手段が、ステップ114の処理を
実行することにより請求項1に記載したヒステリシス変
更手段が、ステップ112の処理を実行することにより
請求項1に記載した補正解除手段が、ステップ106、
108、118、120の処理を実行することにより請
求項1に記載した燃料カット制御手段が、それぞれ実現
され、また、ECU56が燃料噴射弁制御ルーチンを実
行することにより請求項1に記載した燃料噴射手段が実
現されている。
【0049】
【発明の効果】上述の如く、本発明によれば、燃料カッ
ト制御による燃料噴射の停止時に、目標燃料噴射量の補
正が解除されることに起因して、燃料カット制御による
燃料噴射の停止と再開とが繰り返されるハンチングが生
ずるのを防止することができる。
ト制御による燃料噴射の停止時に、目標燃料噴射量の補
正が解除されることに起因して、燃料カット制御による
燃料噴射の停止と再開とが繰り返されるハンチングが生
ずるのを防止することができる。
【図1】本発明の一実施例である内燃機関の燃料噴射制
御装置が搭載された内燃機関の概略構成図である。
御装置が搭載された内燃機関の概略構成図である。
【図2】本実施例における目標燃料噴射量TAU、燃料
カット制御の実行状態、及び、フィードバック補正係数
FAFの時間変化を、燃料噴射が停止される時点でフィ
ードバック補正係数が「1」の近傍にある場合について
例示するタイムチャートである。
カット制御の実行状態、及び、フィードバック補正係数
FAFの時間変化を、燃料噴射が停止される時点でフィ
ードバック補正係数が「1」の近傍にある場合について
例示するタイムチャートである。
【図3】本実施例における目標燃料噴射量TAU、燃料
カット制御の実行状態、及び、フィードバック補正係数
FAFの時間変化を、燃料噴射が停止される時点でフィ
ードバック補正係数が「1」に比して小さい場合につい
て例示するタイムチャートである。
カット制御の実行状態、及び、フィードバック補正係数
FAFの時間変化を、燃料噴射が停止される時点でフィ
ードバック補正係数が「1」に比して小さい場合につい
て例示するタイムチャートである。
【図4】本実施例においてECUが実行する燃料カット
制御ルーチンのフローチャートである。
制御ルーチンのフローチャートである。
【図5】本実施例においてECUがヒステリシス量HY
Sを決定する際に参照するマップの一例を示す図であ
る。
Sを決定する際に参照するマップの一例を示す図であ
る。
10 エンジン 20a〜20d 燃料噴射弁 56 ECU
Claims (1)
- 【請求項1】 内燃機関の運転状態に基づいて基本燃料
噴射量を決定する基本燃料噴射量決定手段と、 目標空燃比が実現されるように前記基本燃料噴射量を補
正して目標燃料噴射量を算出する燃料噴射量補正手段
と、 前記目標燃料噴射量に応じた量の燃料を噴射する燃料噴
射手段と、 前記目標燃料噴射量が第1の所定値を下回った場合に前
記燃料噴射手段による燃料噴射を停止させ、前記目標燃
料噴射量が前記第1の所定値に比して所定のヒステリシ
ス量だけ大きい第2の所定値を上回った場合に前記燃料
噴射手段による燃料噴射を再開させる燃料カット制御手
段と、 前記燃料カット制御手段により燃料噴射が停止された場
合に、前記燃料噴射量補正手段による補正を解除する補
正解除手段と、 前記燃料カット制御手段により燃料噴射が停止された時
点の前記燃料噴射量補正手段による補正の度合いに基づ
いて、前記ヒステリシス量を変更するヒステリシス変更
手段と、 を備えることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9201801A JPH1144244A (ja) | 1997-07-28 | 1997-07-28 | 内燃機関の燃料噴射制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9201801A JPH1144244A (ja) | 1997-07-28 | 1997-07-28 | 内燃機関の燃料噴射制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1144244A true JPH1144244A (ja) | 1999-02-16 |
Family
ID=16447160
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9201801A Pending JPH1144244A (ja) | 1997-07-28 | 1997-07-28 | 内燃機関の燃料噴射制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1144244A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114962028A (zh) * | 2021-02-24 | 2022-08-30 | 丰田自动车株式会社 | 内燃机的控制装置 |
-
1997
- 1997-07-28 JP JP9201801A patent/JPH1144244A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114962028A (zh) * | 2021-02-24 | 2022-08-30 | 丰田自动车株式会社 | 内燃机的控制装置 |
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