JPH1143620A - キナクリドン顔料を製造するための酸化方法 - Google Patents

キナクリドン顔料を製造するための酸化方法

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JPH1143620A
JPH1143620A JP9219662A JP21966297A JPH1143620A JP H1143620 A JPH1143620 A JP H1143620A JP 9219662 A JP9219662 A JP 9219662A JP 21966297 A JP21966297 A JP 21966297A JP H1143620 A JPH1143620 A JP H1143620A
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quinacridone
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    • C09B67/0027Crystal modifications; Special X-ray patterns of quinacridones
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】下記式I (式中、XとYとは互いに独立的にH、F、C1、C
−Cアルキル、C−Cアルコキシからなる群より
選択された1個または2個の置換基である)のキナクリ
ドンを、対応する下記式II の6、13−ジヒドロキナクリドンの塩の酸化よって製
造するキナクリドンの製造方法において、6、13−ジ
ヒドロキナクリドン塩を、触媒の存在化において、過酸
化水素を使用して酸化する酸化工程を包含することを特
徴とする方法。 【効果】この方法は、経済的であり、しかも環境に優し
い方法であって、高性能キナクリドン顔料を高収率で与
える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、対応する6、13−ジヒドロキ
ナクリドンを、酸化剤として過酸化水素を使用して酸化
することによってキナクリドン顔料を製造する方法に関
する。
【0002】キナクリドン顔料は、その魅力的な赤色お
よびマゼンタ色、ならびにその卓越した堅牢性によって
公知である。対応的に置換された6、13−ジヒドロキ
ナクリドンを酸化してキナクリドン顔料を製造すること
も当技術分野においてよく知られている。
【0003】たとえば、多数の文献は、塩基と少量の水
とを含有するアルコール性媒質中において、酸化剤とし
て芳香族ニトロ化合物を使用して6、13−ジヒドロキ
ナクリドンを対応するキナクリドンへ酸化する方法を開
示している。しかしながら、このような方法は、還元さ
れた芳香族副生成物の生成のために、かなりの有機廃棄
物が生じるという欠点を有している。また、6、13−
ジヒドロキナクリドンを、溶剤および/または水性塩基
性系の中において、酸素含有ガスを使用して酸化する方
法によって6、13−ジヒドロキナクリドンを対応する
キナクリドンに酸化することも公知である。このような
方法は、しばしば”空気酸化”と呼ばれている。なぜな
らば、空気が酸素含有ガスとして都合よく使用されるか
らである。空気酸化法は、不均質な反応混合物中に大量
のガスを導入しなければならず、そのため泡が発生する
という欠点がある。加えて、反応完了時を判定するのが
困難である。さらにまた、極性溶剤、たとえばDMSO
に溶解された6、13−ジヒドロキナクリドンを、酸化
剤として空気を使用して酸化することも公知である。こ
の方法は、優秀なキナクリドン顔料を高収率で生成させ
るという利点がある。しかしながら、酸化反応の間の副
生成物として、かなりの量のジメチルスルホンのごとき
有機廃棄物を発生し、このため費用のかかる溶剤再生系
が必要となるという欠点を有している。
【0004】本発明は、置換されていないか、または置
換されたキナクリドンの塩が、塩基性液相中のスラリー
の状態のキノン触媒の存在下、高められた温度におい
て、酸化剤として過酸化水素を使用して容易に酸化され
うるという発見に基づいている。
【0005】本発明の方法は、キナクリドン生成物が、
出発物質をほとんど含まない高収率で、得られるという
利点がある。さらに加えて、キナクリドン生成物の結晶
型が反応条件によって制御される。
【0006】酸化剤として過酸化水素を使用すること
は、環境圧力下において、高い酸化効率をもたらすと共
に、それが入手容易であること、ならびに、たとえば有
機ニトロ化合物酸化剤を使用した場合のように還元され
た有機副生成物を発生しないという利点をも有してい
る。さらに、その液相は、それが適切に選択された場合
には、常用技術によって再生可能である。すなわち、本
発明の方法は、それが高性能キナクリドン顔料を高収率
で製造するための経済的であり、しかも環境にやさしい
方法を提供するという点において価値あるものである。
【0007】すなわち、本発明は、下記式I
【化3】 (式中、XとYとは互いに独立的にH、F、Cl ,C1-
3 アルキル、C1-C3アルコキシからなる群より選択
された1個または2個の置換基である)のキナクリドン
を、対応する下記式II
【化4】 の6、13−ジヒドロキナクリドンの塩の酸化によって
製造するキナクリドン製造方法において、6、13−ジ
ヒドロキナクリドン塩を、触媒の存在下において、過酸
化水素を使用して酸化する酸化工程を包含することを特
徴とする方法に関する。
【0008】C1-C3 アルキルはメチル、エチル、n−
プロピル、イソプロピルであり、好ましくはメチルであ
る。C1-C3 アルコキシはメトキシ、エトキシ、n−プ
ロポキシ、イソプロポキシであり、好ましくはメトキシ
である。好ましくは、式IおよびIIのキナクリドンの2
位置と9位置とが置換されている。
【0009】一般的に、式IIの6、13−ジヒドロキナ
クリドンの塩は、一アルカリ金属塩および/または二ア
ルカリ金属塩である。二アルカリ金属塩が好ましい。最
も好ましいのは二ナトリウム塩および/または二カリウ
ム塩である。6、13−ジヒドロキナクリドン塩の製造
は、好ましくは6、13−ジヒドロキナクリドンを塩基
性媒質中、たとえば水とアルコールとの塩基性混合物中
において、30℃以上の温度、好ましくは40乃至60
℃、最も好ましくは50℃から対応する還流温度までの
範囲の温度において、5分間乃至2時間半、好ましくは
20分間乃至1時間半撹拌することによって実施され
る。
【0010】一般的に、酸化は6、13−ジヒドロキナ
クリドン塩、触媒、塩基および適当な液相から実質的に
なるスラリーを過酸化水素の水溶液と組み合わせて得ら
れる反応媒質中において実施される。一般的に、適当な
液相は、酸化反応を促進しかつ過酸化水素酸化剤とはそ
れほど反応しない任意の液体媒質である。通常、液相
は、6、13−ジヒドロキナクリドン100重量部当り
水20乃至750重量部、好ましくは40乃至600重
量部と低級アルコール50乃至750重量部、好ましく
は100乃至600重量部とを含有する低級アルコール
と水との混合物である。
【0011】アルコールは、一般にC1-C3 アルカノー
ルのごとき低級アルコールであり、好ましいのはメタノ
ールである。反応媒質は他の有機溶剤を実質的に含まな
いのが好ましい。しかしながら、その有機溶剤が6、1
3−ジヒドロキナクリドン塩の生成または酸化反応に障
害を及ぼさないものであるならば、反応媒質中に有機溶
剤が存在することは許容される。
【0012】6、13−ジヒドロキナクリドンの塩を形
成しうる任意の塩基が反応媒質中において使用できる。
好ましくは、塩基はアルカリ金属水酸化物、最も好まし
くは水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムである。場
合によっては、水酸化ナトリウムと水酸化カリウムとの
混合物を使用するのが有利である。塩基と6、13−ジ
ヒドロキナクリドンとのモル比は、6、13−ジヒドロ
キナクリドンの1モルに対し塩基1乃至7モルである。
好ましくは、塩基性水性媒質は、6、13−ジヒドロキ
ナクリドンの1モル当り2.2乃至5モルの塩基を含有
する。6、13−ジヒドロキナクリドン塩の生成は、
6、13−ジヒドロキナクリドン塩の結晶の生成によっ
て光学顕微鏡で観察することができる。反応条件、塩基
の種類および/または6、13−ジヒドロキナクリドン
に存在する置換基の種類によって、塩は針状、プリズム
状、立方体または小板状の形体である。
【0013】安全のため、想定される副反応を回避する
ため、さらには工程をより制御可能にするために、酸化
反応は好ましくはは不活性ガス雰囲気、たとえば窒素雰
囲気下において実施される。
【0014】最適化された工程においては、酸化は、過
酸化水素の水溶液を、水性アルコールと塩基との塩基性
混合物中において、6、13−ジヒドロキナクリドンの
スラリーと5分間乃至6時間、好ましくは30分間以上
3時間半までの時間にわたって化合させ、そしてこのあ
と、その反応媒質を、撹拌しながら、高められた温度に
おいて、酸化反応を完了させ、そして顔料結晶化を促進
するだけの時間保持するすることによって実施される。
好ましくは、過酸化水素添加後、5分間乃至5時間、好
ましくは30分間乃至4時間、50℃以上の温度、好ま
しくは還流温度に保持する。このあと、顔料を濾別し、
最初にアルコールで、次に温水で洗い、乾燥する。塩基
とアルコールとは濾液から容易に回収することができ
る。
【0015】過酸化水素の水溶液は、一般的に過酸化水
素を1乃至50重量%、好ましくは5乃至30重量%、
最も好ましくは10乃至25重量%含有する。したがっ
て、酸化工程は、好ましくは、過酸化水素の1乃至50
重量%水溶液を、実質的に6、13−ジヒドロキナクリ
ドン、触媒、塩基および液相からなるスラリーと一緒に
することによって実施される。
【0016】過酸化水素による6、13−ジヒドロキナ
クリドン塩の対応するキナクリドンへの酸化は、反応混
合物の色の変化によって視覚的に追跡することができ
る。一般的に、小過剰の過酸化水素が使用される。6、
13−ジヒドロキナクリドンに対する過酸化水素のモル
比は、たとえば6、13−ジヒドロキナクリドンの1モ
ル当り過酸化水素1.1乃至5モル、好ましくは1.2
乃至3.5モルである。
【0017】酸化工程において、酸化促進量の触媒を存
在させるとキナクリドンの収率が高くなる。さらに加え
て、上記した酸化条件下における触媒の存在は、実質的
にキナクリドンキノンを含まない、たとえばキナクリド
ンキノンの含有率が2.5重量%以下であるキナクリド
ン生成物を与える。ただし、少量のキナクリドンキノン
の存在は、その存在が最終的キナクリドン顔料の彩度を
低下させない限り許容される。
【0018】本反応条件下において6、13−ジヒドロ
キナクリドンの酸化を触媒しうる化合物は、触媒として
使用することができる。本発明の方法において使用され
る特に適当な触媒は、たとえば6、13−ジヒドロキナ
クリドンのキナクリドンへの空気酸化のために使用され
るキノン化合物である。このようなキノン触媒は、当技
術分野で公知である。特に適当な触媒の例はアントラキ
ノン化合物、特にアントラキノンおよびアントラキノン
スルホン酸誘導体、たとえばアントラキノン−2、6−
ジスルホン酸または好ましくはアントラキノン−2−ス
ルホン酸の如きアントラキノン−モノスルホン酸および
アントラキノン−ジスルホン酸またはこれらの塩、特に
ナトリウム塩またはカリウム塩である。アノトラキノン
−2−スルホン酸のナトリウム塩またはカリウム塩がと
りわけ好ましい。キノン触媒は、本反応媒質中に、本酸
化反応を触媒するために有効な量、たとえば6、13−
ジヒドロキナクリドンの重量の0.005乃至0.1
倍、最も好ましくは0.01乃至0.05倍の量で存在
させる。本発明を特定の理論に限定するものではない
が、キノン触媒は6、13−ジヒドロキナクリドンを酸
化するために働き、そしてそれ自体は対応するロイコ化
合物へ還元され、そのあとそのロイコ化合物は過酸化水
素によって再生されると考えられる。
【0019】液相の組成、再結晶化の時間および温度に
よって、透明で小粒子サイズのキナクリドン顔料、ある
いは不透明で大粒子サイズのキナクリドン顔料が生成さ
れる。透明な製品を得たい場合には、比較的低い温度か
つ比較的短時間の再結晶化が好ましく、他方、不透明な
製品を得たい場合には、比較的高い温度かつ比較的長い
結晶化時間が好ましい。さらに、酸化キナクリドン顔料
の顔料粒子サイズを制御するために、6、13−ジヒド
ロキナクリドン塩の生成の前または後に、粒子成長抑制
剤を添加することも有利でる。粒子成長抑制剤は、凝集
防止剤またはレオロジー改善剤としても公知である。適
当な粒子成長抑制剤の例は、フタルイミドメチルキナク
リドン、イミダゾリルメチルキナクリドン、ピラゾリル
メチルキナクリドン、キナクリドンスルホン酸、特にキ
ナクリドンモノスルホン酸およびそれらの塩たとえばア
ルミニウム塩、あるいは1、4−ジケト−3、6−ジフ
ェニルピロロ[3,4−c]ピロールスルホン酸および
その塩などである。
【0020】最適効果を達成するためには、粒子成長抑
制剤は、6、13−ジヒドロキナクリドンを基準にし
て、0.05乃至10%、好ましくは0.05乃至8
%、より好ましくは0.1乃至5%の量で、酸化の前、
好ましくは6、13−ジヒドロキナクリドン塩の生成の
前に添加する。
【0021】本発明の方法は、特にキナクリドン、2、
9−ジクロロキナクリドン、2、9−ジフルオロキナク
リドン、4、11−ジクロロキナクリドン、2、9−ジ
メチルキナクリドンおよび2、9−ジメトキシキナクリ
ドンの製造のために有用である。
【0022】さらにまた、本発明の方法は1つまたはそ
れ以上のキナクリドン成分を含有する固溶体の製造のた
めにも適当である。したがって、本発明のいま1つの対
象はキナクリドン顔料がキナクリドン顔料固溶体である
製造方法に関し、この方法においては、好ましくは2種
またはそれ以上の式IIの6、13−ジヒドロキナクリド
ンを含有する混合物が本発明の方法によって同時酸化さ
れてキナクリドン固溶体生成物が生成される。
【0023】この本発明の方法は、特に下記の固溶体顔
料の製造のために実用的である:キナクリドン/2、9
−ジクロロキナクリドン固溶体、キナクリドン/2、9
−ジメチルキナクリドン固溶体、キナクリドン/2、9
−ジメトキシキナクリドンキノン固溶体、2、9−ジク
ロロキナクリドン/2、9−ジメチルキナクリドン固溶
体、2、9−ジクロロキナクリドン/2、9−ジメトキ
シキナクリドン固溶体、2、9−ジメチルキナクリドン
/2、9−ジメトキシキナクリドン固溶体。
【0024】6、13−ジヒドロキナクリドン塩の生成
と酸化反応とが有利にも同じ容器内で逐次的に実施され
るので、取扱いロスがほとんど生じない。したがって、
本発明による方法は高収率でキナクリドン生成物を与え
る。
【0025】さらに、本発明による方法は6,13−ジ
ヒドロキナクリドンを選択的に容易に対応するキナクリ
ドンに酸化する。最終生成物は、通常2.5%以下の未
反応6、13−ジヒドロキナクリドンと2.0%以下の
過酸化キナクリドンキノンとを含有するにすぎない。一
般的に、ジヒドロキナクリドンの少なくとも96%、通
常は97.5%またはそれ以上が対応するキナクリドン
に変換される。
【0026】不均質な反応媒質中において実施されるの
にもかかわらず、本発明の方法は粒子サイズ分布範囲の
狭いキナクリドン顔料を与える。したがって、その高い
純度と望ましい狭い粒子サイズ分布との故に、得られる
キナクリドン顔料は優れた顔料特性、たとえば、高い色
度(chroma)を示す。
【0027】本発明の方法は、特定の結晶型の置換され
ていないか、または置換されたキナクリドンの製造のた
めに特に好適である。たとえば、置換されていないキナ
クリドンのα−型、β−型またはγ−型(このγ−型は
好ましく置換されていないキナクリドンのγ−I型、γ
−II型またはγ−III 型である)、2、9−ジメチルキ
ナクリドンのβ−型および2、9−ジクロロキナクリド
ンのα−型および/またはγ−型の製造のために好適で
ある。これらの異なる結晶型のキナクリドン生成物のい
ずれが生成されるかは、使用される反応条件による。た
とえば、塩基の種類と濃度、液相の組成および酸化工程
中に存在しうる粒子成長抑制剤の種類と濃度によってき
まる。さらに、キナクリドン生成物の結晶型は、所望の
結晶型を有するキナクリドン顔料の結晶種約1乃至10
%を添加することによって制御することができる。結晶
種は好ましくは酸化の前、最も好ましくは塩形成の前に
添加する。
【0028】最終用途によっては、組織改良剤および/
またはレオロジー向上剤を、たとえば本顔料の単離の前
に、好ましくは水性プレスケーキに混合することによっ
て、添加するのが有利となりうる。適当な組織改良剤
は、特に、少なくとも18個の炭素原子を有する脂肪酸
たとえばステアリン酸またはベヘン酸およびかかる脂肪
酸のアミドまたは金属塩、好ましくはカルシウム塩また
はマグネシウム塩、さらには可塑剤、ワックス、樹脂酸
たとえばアビエチン酸またはその金属塩、コロホニウ
ム、アルキルフェノール、または脂肪族アルコールたと
えばステアリルアルコールまたは隣位ジオールたとえば
ドデカンジオール−1、2、あるいはまた変性コロホニ
ウム/マレイン酸エステル樹脂またはフマル酸/コロホ
ニウム樹脂、あるいは重合体分散剤などである。組織改
良剤は、最終製品を基準にして、好ましくは0.1乃至
30重量%、最も好ましくは2乃至15重量%の量で添
加される。適当なレオロジー向上剤の例は上記した凝集
防止剤であり、これは最終生成物を基準にして、好まし
くは2乃至10重量%の量、最も好ましくは3乃至8重
量%の量で添加される。
【0029】本発明によるキナクリドン顔料およびキナ
クリドン固溶体顔料は、無機または有機基質のための着
色剤として適当である。とりわけ、キャスティング物品
またはモールディング物品に加工されうる高分子有機材
料の着色のため、あるいはまたインク組成物または塗料
組成物、たとえば溶剤系塗料または水性塗料に配合し
て、たとえば自動車用塗料に配合して使用するために非
常に好適である。
【0030】適当な高分子有機材料の例は次のものを含
む。熱可塑性プラスチック、熱硬化性プラスチックまた
はエラストマー、たとえばセルロースエーテル;セルロ
ースエステルたとえばエチルセルロース;線状または架
橋ポリウレタン;線状、架橋、または不飽和ポリエステ
ル;ポリカーボネート;ポリオレフィンたとえばポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリブチレンまたはポリ−4
−メチルペンテン−1;ポリスチレン;ポリスルホン;
ポリアミド;ポリシクロアミド;ポリイミド;ポリエー
テル;ポリエーテルケトンたとえばポリフェニレンオキ
シド;さらにはポリ−p−キシレン;ポリハロゲン化ビ
ニルたとえばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リフッ化ビニリデンまたはポリテトラフルオロエチレ
ン;アクリル系ポリマーたとえばポリアクリレート、ポ
リメタクリレートまたはポリアクリロニトリル;ゴム;
シリコーンポリマー;フェノール/ホルムアルデヒド樹
脂;メラミン/ホルムアルデヒド樹脂;尿素/ホルムア
ルデヒド樹脂;エポキシ樹脂;スチレン・ブタジエンゴ
ム;アクリロニトリル・ブタジェンゴムまたはクロロプ
レンゴム;これらは単一物質または混合物でありうる。
一般的に、本顔料は、被着色高分子有機材料を基準にし
て、0.01乃至30重量%、好ましくは、0.1乃至
10重量%の量で使用される。したがって、さらに本発
明はプラスチック材料と、本発明の方法によって製造さ
れた顔料または顔料固溶体の有効着色量とを含有する着
色されたプラスチック組成物、ならびにかかる着色され
たプラスチック組成物の製造方法にも関する。
【0031】本発明による顔料は容易に分散可能であ
り、そして有機マトリックスに容易に混合することがで
き、高い彩度(saturation)と卓越した耐光堅牢性およ
び耐候性を有する均質な着色物を与える。
【0032】本発明の顔料を使用した高分子有機材料の
着色は、本顔料を、場合によってはマスターバッチの形
で、ロールミル、混合装置または摩砕装置を含む高剪断
技術を使用して、基質材料中に混入することによって実
施される。次に、着色された材料を公知方法、たとえば
カレンダー加工、プレス、押出し、刷毛塗り、キャステ
ィングまたは射出成形によって所望の最終形状に成形加
工づる。
【0033】以下の実施例によって本発明をさらに説明
する。実施例中の部は、別途記載のない限り、すべて重
量部である。X線回折パターンは、RIGAKU GEIGERFLEX
回折計D/MaxII v BX 型を使用して測定した。表面積は
BET法によって測定した。
【0034】実施例 実施例1 温度計、撹拌器および凝縮器を具備した1リットル容の
フラスコに、6、13−ジヒドロキナクリドンの40
g,メタノールの250mlおよび水酸化ナトリウムの5
0%水溶液52.8gを装填する。この混合物を、50
乃至55℃において、ゆるやかな窒素流下で1時間撹拌
して6、13−ジヒドロキナクリドン二ナトリウム塩が
生成する。アントラキノン−2−スルホン酸ナトリウム
塩0.8gを添加し、そしてこの混合物を還流温度に加
熱する。この反応混合物に、過酸化水素の16.9%水
溶液73.5gを、窒素の緩流下、還流を保持しなが
ら、蠕動性ポンプを使用して、0.4ml/分の速度で、
2時間35分かけて添加する。得られた赤味を帯びた懸
濁物を、さらに4時間還流温度で撹拌した後、濾過す
る。そのプレスケーキを最初にメタノールで、次に温水
で洗い、乾燥して、赤色キナクリドンの38.9gを得
た。この生成物は、分光光度計測定法で測定して、98
%以上のキナクリドン純度を示し、6、13−ジヒドロ
キナクリドンの含量はわずか1.7%であり、キナクリ
ドンキノンは0.1%以下であった。この顔料のX線回
折図は、米国特許第5223624号明細書に記載のご
ときγ−III 型キナクリドンの特徴を示した。この顔料
の顕微鏡観察の結果は、粒子サイズがほぼ3乃至10μ
mの範囲にあるプリズム形の結晶であることを示した。
プラスチックに配合した時、この顔料は優れた堅牢性を
有する赤色を与えた。
【0035】実施例2 実施例1の操作を繰り返した。ただし、粒子成長抑制剤
としてキナクリドンモノスルホン酸アルミニウム塩0.
8gを工程の最初に添加した。粒子サイズが0.8乃至
2μmのγ−III 型キナクリドンを得た。この顔料は、
ASTMの試験法D−387-60に従ってリトグラフワニス
に刷り込んだ(rubbed out)とき、高いマストーン透明
度を有する黄赤色マストーン色を呈した。
【0036】実施例3 温度計、撹拌器および凝縮器を具備した1リットル容の
フラスコに、2、9−ジクロロ−6、13−ジヒドロキ
ナクリドンの45g,メタノールの280mlおよび水酸
化カリウムの45%水溶液136.8gを装填する。こ
の混合物を、還流温度において、ゆるやかな窒素流下で
1時間撹拌して、2、9−ジクロロ−6、13−ジヒド
ロキナクリドン二カリウム塩が生成する。アントオラキ
ノン−2−スルホン酸ナトリウム塩0.6gを添加す
る。過酸化水素の16.9%水溶液67.6gを、窒素
緩流下、還流を保持しながら、0.3ml/分の速度で、
3時間20分かけて添加する。得られた青味を帯びた赤
色懸濁物を、さらに4時間、還流温度において撹拌した
後、50乃至60℃において濾過する。そのプレスケー
キを、最初にメタノールで、次に温水で洗い、乾燥し
て、マゼンタ色顔料44gを得た。この生成物は、分光
光度計測定法で測定して、97.9%の2、9−ジクロ
ロキナクリドン純度を示し、2、9−ジクロロ−6、1
3−ジヒドロキナクリドンの含量はわずか1.8%であ
った。この顔料のX線回折図は、γ−相が優勢なα−結
晶相とγ−結晶相との混合物を示した。電子顕微鏡検査
では、主として長さが1乃至5μm、幅が0.1乃至
0.6μmの針状顔料結晶が観察された。この顔料生成
物の比表面積は15.5m2/gであった。たとえばAB
Sのごときエンジニアリングプラスチックに配合したと
き、この顔料は優れた熱安定性を有する赤マゼンタ色を
示した。
【0037】実施例4 実施例3の操作を繰り返した。ただし、粒子成長抑制剤
としてキナクリドン・モノスルホン酸アルミニウム塩
0.8gを工程の最初に添加した。不透明マゼンタ色の
2、9−ジクロロキナクリドンを得た。この顔料は、純
粋なγ−2、9−ジクロロキナクリドンの特徴を有する
X線回折図を示した。分光光度計測定法により分析した
結果、この顔料の2、9−ジクロロキナクリドンの含量
は97.5%,2,9−ジクロロ−6、13−ジヒドロ
キナクリドンの含量は2%以下であった。本生成物は1
8.7m2/gの比表面積を有していた。この顔料をプラ
スチックおよび塗料に配合して使用したとき、この顔料
は非常に彩度の高いマゼンタ色を呈し、優れた光安定性
ならびに熱安定性を示した。
【0038】実施例5 実施例4の操作を繰り返した。ただし、粒子成長抑制剤
として、キナクリドン・モノスルホン酸アルミニウム塩
の代わりにフタルイミドメチルキナクリドンの2.2g
を使用した。また、2、9−ジクロロ−6、13−ジヒ
ドロキナクリドンの45gの代わりに、2、9−ジクロ
ロ−6、13−ジヒドロキナクリドンの40.5gと
6、13−ジヒドロキナクリドンの4.5gとの混合物
を使用した。また、4時間還流後でなく1時間還流後
に、得られた顔料懸濁物を単離して、マゼンタ色顔料を
得た。この生成物は小粒子サイズのγ−2、9−ジクロ
ロキナクリドンのX線回折図を示し、置換されていない
キナクリドンの存在を示すピークはなかった。すなわ
ち、この生成物は固溶体顔料である。その比表面積は6
7.6m2/gであった。この顔料を自動車用塗料に配合
したとき、この顔料は優秀な耐久性を有する鮮明なマゼ
ンタ色を与えた。
【0039】実施例6 温度計、撹拌器および凝縮器を具備した1リットル容の
フラスコに,6、13−ジヒドロキナクリドンの27
g,2、9−ジクロロ−6、13−ジヒドロキナクリド
ンの18g,粒子成長抑制剤としてのキナクリドン・モ
ノスルホン酸のアルミニウム塩0.2g、メタノールの
280mlおよび水酸化ナトリウムの50%水溶液37.
2gを装填する。この混合物を、還流温度において、ゆ
るやかな窒素流下で1時間撹拌して、対応する6、13
−ジヒドロキナクリドン二ナトリウム塩が生成する。ア
ントラキノン−2−スルホン酸ナトリウム塩0.6gを
添加する。次いで、過酸化水素の16.8%水溶液77
gを窒素緩流下、還流を保持しながら、0.4ml/分の
速度で2時間40分かけて添加する。得られた青赤色懸
濁物を、さらに1時間、還流温度において撹拌した後、
50乃至60℃で濾過する。そのプレスケーキを、最初
にメタノールで、次に温水で洗い、乾燥して、青赤色顔
料43.8gを得た。この赤色キナクリドン顔料は、下
記のX線回折図によって特性化される顔料固溶体のX線
回折図を示した:
【表1】
【0040】実施例7 実施例1の操作を繰り返した。ただし、水酸化ナトリウ
ムの50%水溶液52.8gの代わりに、40.9gを
添加して、β−キナクリドン顔料を得た。この生成物
は、分光光度計で測定して、98.5%のキナクリドン
純度を示し、6、13−ジヒドロキナクリドンの含量は
わずか1.5%であり、そしてキナクリドンキノンは
0.1%以下であった。この顔料は、ASTMの試験法
D−387-60に従ってリトグラフワニスにすり込んだと
き、バイオレット色のマストーン色を示した。
【0041】実施例8 温度計、撹拌器および凝縮器を具備した1リットル容の
フラスコに,γ−IIキナクリドン核種としてのMONASTRA
L Red Y RT-759-D(Ciba 社製品)4g,6,13−ジヒ
ドロキナクリドンの40g,メタノールの250mlおよ
び水酸化ナトリウムの50%水溶液40.9gを装填す
る。この混合物を、50乃至55℃において、ゆるやか
な窒素流下で1時間撹拌して、対応する6、13−ジヒ
ドロキナクリドン二ナトリウム塩が生成する。アントラ
キノン−2−スルホン酸ナトリウム塩0.6gを添加
し、この混合物を還流温度に加熱する。次いで、過酸化
水素の16.9%水溶液73.5gを窒素緩流雰囲気
下、還流を保持しながら、0.4ml/分の速度で2時間
40分かけて添加する。得られた赤色懸濁物を、さらに
1時間、還流温度において撹拌した後、50乃至60℃
で濾過する。そのプレスケーキを、最初にメタノール
で、次に温水で洗って乾燥して、X線回折図によってγ
−II型キナクリドンであることが示された生成物を得
た。γ−II型キナクリドンは米国特許第2844581
号明細書に記載されている。
【0042】実施例9 温度計、撹拌器および凝縮器を具備した1リットル容の
フラスコに,6、13−キナクリドンの40g,フタル
イミドメチルキナクリドンの0.1g,メタノールの2
50mlおよび水酸化ナトリウムの50%水溶液52.8
gを装填する。この混合物を、50乃至55℃におい
て、ゆるやかな窒素流下で、1時間撹拌して、対応する
6、13−ジヒドロキナクリドン二ナトリウム塩が生成
する。アントラキノン−2−スルホン酸ナトリウム塩
0.6gを添加し、この混合物を還流温度に加熱する。
次いで、過酸化水素の16.9%水溶液73.5gを窒
素緩流雰囲気下、還流を保持しながら、0.4ml/分の
速度で2時間40分かけて添加する。得られた赤色懸濁
物を、さらに1時間還流温度において撹拌した後、50
乃至60℃で濾過する。そのプレスケーキを、最初にメ
タノールで、次に温水で洗って乾燥して、X線回折図に
よってγ−I型キナクリドンであることが示された生成
物を得た。γ−I型キナクリドンは米国特許第3074
950号明細書に記載されている。
【0043】実施例10 実施例1の操作を繰り返した。ただし、水酸化ナトリウ
ムの50%水溶液の52.8gの代わりに35.8g添
加して、α−キナクリドン顔料を得た。この顔料は、A
STMの試験法D−387-60に従ってリトグラフワニスに
すり込んだとき、鮮明な赤マストーン色を示した。
【0044】実施例11 温度計、撹拌器および凝縮器を具備した1リットル容の
フラスコに、2、9−ジメチル−6、13−キナクリド
ンの45g,メタノールの280mlおよび水酸化カリウ
ムの45%水溶液90gを装填する。この混合物を、5
0乃至55℃において、ゆるやかな窒素流下で1時間撹
拌して、対応する2、9−ジメチル−6、13−ジヒド
ロキナクリドン二カリウム塩が生成する。アントラキノ
ン−2−スルホン酸ナトリウム塩0.6gを添加し、こ
の混合物を還流温度に加熱する。次いで、過酸化水素の
16.9%水溶液75.5gを窒素緩流雰囲気下、還流
を保持しながら、0.4ml/分の速度で2時間45分か
けて添加する。得られた赤色懸濁物を、さらに1時間還
流温度において撹拌した後、50乃至60℃で濾過す
る。そのプレスケーキを、最初にメタノールで、次に温
水で洗って乾燥して、大粒子サイズのβ−相2、9−ジ
メチルキナクリドン粗生成物を得た。
【0045】実施例12 ポリ塩化ビニル 63.0g, エポキシ化大豆油 3.0g, バリウム/カドミウム熱安定剤 2.0g, ジオクチルフタレート 32.0g, 実施例7によって製造されたβ−キナクリドン 1.0g を、ガラスビーカー中において撹拌棒を使用して混合し
た。この混合物を、2本ロール実験室用ロールミルを使
用して、8分間圧延して厚さ約0.4mmの軟質PVC
シートに成型した。圧延温度は160℃、ロール回転速
度は25rpm ,フリクションは1:1.2で、定常的に
折りたたみ、取り出し、送り込みを繰り返した。得られ
た軟質PVCシートは熱、光およびマイグレーションに
対して優れた堅牢性を有する魅力的なバイオレット色に
着色されていた。
【0046】実施例13 実施例4によって製造された2、9−ジクロロキナクリドン顔料 5g, 立体障害アミン光安定剤 2.5g, ベンゾトリアゾール紫外線吸収剤 1.0g, 立体障害フェノール酸化防止剤 1.0g, 亜リン酸塩プロセス安定剤 1.0g を、溶融後に175乃至200rpm.の速度で30秒間、 高密度ポリエチレン 1000g と混合した。この溶融され、着色された樹脂を、まだ温
かく展性のある間に、細断して造粒機に供給した。得ら
れた顆粒を射出成形機にかけてチップに成形した。滞留
時間は5分間、サイクル時間は30秒、温度は260℃
であった。耐光堅牢性の優れた鮮明なマゼンタ色に均質
に着色されたチップを得た。
【0047】実施例14 実施例3によって製造された2、9−ジクロロキナクリドン顔料 6g, 立体障害アミン光安定剤 9g, ベンゾトリアゾール紫外線吸収剤 3.0g, 立体障害フェノール酸化防止剤 3.0g, を、溶融後に175乃至200rpm.の速度で30秒間、 ABS樹脂 1200g と混合した。この溶融され、着色された樹脂を、まだ温
かく展性のある間に、細断して造粒機に供給した。得ら
れた顆粒を射出成形機にかけてチップに成形した。滞留
時間は7分間、サイクル時間は42秒、温度は232℃
(450°F)および288℃(550°F)であっ
た。いずれの温度の場合にも、同様なマゼンタ色に均質
に着色されたチップを得た。
【0048】実施例15:自動車用塗料の製造 ミルベースの調合:1パイント容量のジャーに、下記の
ものを装填する: アクリル樹脂 66g, AB分散剤 14.5g, 溶剤(SOLVESSO 100、 Americann Chemical社) 58.1g。 これに実施例2によって得られたキナクリドン顔料2
6.4gと直径4mmの鋼鉄ダイアゴナルロッドの98
0gを加えた。この混合物を、ローラーミル上のジャー
の中において64時間摩砕した。得られたミルベース
は、顔料/バインダ比0.5で顔料16.0%を含有し
ており、そして全非揮発分は48%であった。 マストーンカラー:上記ミルベース47.3g,メラミ
ン樹脂触媒、非水性分散樹脂および紫外線吸収剤を含有
するクリヤ−ソリッドカラー溶液36.4g,ポリエス
テルウレタン樹脂を含有する平衡化クリヤーソリッドカ
ラー溶液16.3gを混合し、そしてキシレン76部、
ブタノール21部およびメタノール3部を含有する溶剤
混合物で希釈した。希釈は、#2フィッシャーカップで
測定して20乃至22秒のスプレー粘度になるよう行っ
た。この赤色樹脂/顔料分散物を、ベースコートとして
1分半の間隔をおいて、パネル上に2回スプレー塗布し
た。2分後、このベースコートの上に、1分半の間隔を
おいてクリヤーコート樹脂を2回スプレー塗布した。次
に、スプレーされたパネルを、フラッシュキャビネット
内において10分間空気でフラッシングし、そのあと2
65゜F(129℃)の炉内において30分間焼き付け
た。卓越した耐候性を有する高い色度(chroma)の赤色
に着色されたパネルを得た。
【0049】実施例16:自動車用塗料調合物 ミルベース調合:ステアタイト玉(直径8mm)130
gと下記組成の熱硬化性アクリル仕上げ塗料45.5g
との混合物を200mlガラスフラスコに装填する。 アクリル仕上げ塗料の組成: アクリル樹脂 41.3g メラミン樹脂 16.3g, キシレン樹脂 32.8g, エチレングリコールアセテート 4.6g, ブチルアセテート 2.0g, シリコーン油A、キシレン中1%(BAYER AG)1.0g。 実施例5に従って得られたキナクリドン顔料固溶体2.
5gを、ねじ式シールを有する200ml容のガラス・フ
ラスコ内において、ロールスタンド上で72時間、上記
熱硬化性アクリル仕上げ塗料の中に分散させ、このあ
と、ステアタイト玉を分離する。 金属カラー塗料:上記ミルベースの8.0g,アルミニ
ウムペーストの0.6g,メチルエチルケトンの1.0
gおよび上記熱硬化性アクリル仕上げ塗料18.4gを
十分に混合し、得られた混合物をアルミニウムパネル上
にスプレーし、その後130℃において30分間焼付け
た。卓越した堅牢性を有する非常に鮮明にマゼンタ色に
着色された金属コーティングを得た。
【0050】実施例17 ポリプロピレン顆粒〔DAPLEN PT-55(商標)、Chemie L
inz 社〕1000gと実施例2において得られたキナク
リドン顔料10gとを、混合ドラム中において、よく混
合した。これにより得られた顆粒を260乃至285℃
において溶融紡糸した。良好な耐光堅牢性と織物繊維特
性とを有する赤色フィラメントを得た。上記の実施態様
のほかに、これら実施例の各種の変形例が本発明に従っ
て可能である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式I 【化1】 (式中、XとYとは互いに独立的にH、F、Cl ,C1-
    3 アルキル、C1-C3アルコキシからなる群より選択
    された1個または2個の置換基である)のキナクリドン
    を、対応する下記式II 【化2】 の6、13−ジヒドロキナクリドンの塩の酸化よって製
    造するキナクリドンの製造方法において、6、13−ジ
    ヒドロキナクリドン塩を、触媒の存在下において、過酸
    化水素を使用して酸化する酸化工程を包含することを特
    徴とする方法。
  2. 【請求項2】 6、13−ジヒドロキナクリドン塩がア
    ルカリ金属塩である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 酸化工程が、実質的に6、13−ジヒド
    ロキナクリドン塩、触媒、塩基および液相からなるスラ
    リーを、過酸化水素の水溶液と組み合わせることによっ
    て実施される請求項1または2のいずれかに記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 該液相が、6、13−ジヒドロキナクリ
    ドンの100重量部当たり、40乃至600重量部の水
    と100乃至600重量部のアルコールとから実質的に
    なる請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 該塩基がアルカリ金属水酸化物であり、
    6、13−ジヒドロキナクリドンの1モル当たり、1乃
    至7モルの量で存在する請求項1乃至4のいずれか1項
    に記載の方法。
  6. 【請求項6】 触媒がキノン化合物である請求項1乃至
    5記載のいずれか1項に記載の方法。
  7. 【請求項7】 酸化工程が、6、13−ジヒドロキナク
    リドンの重量を基準にして、0.05乃至10重量%の
    粒子成長抑制剤の存在下において実施される請求項1乃
    至6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 キナクリドン顔料がキナクリドン顔料固
    溶体である請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方
    法。
  9. 【請求項9】 キナクリドン顔料が、α型、β型または
    γ型の置換されていないキナクリドンである請求項1乃
    至8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 【請求項10】 ジヒドロキナクリドンの少なくとも9
    8重量%が、対応するキナクリドンに転換される請求項
    1乃至9のいずれか1項に記載の方法。
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