JPH1143555A - 樹脂組成物および樹脂封止型半導体装置 - Google Patents

樹脂組成物および樹脂封止型半導体装置

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JPH1143555A
JPH1143555A JP9201538A JP20153897A JPH1143555A JP H1143555 A JPH1143555 A JP H1143555A JP 9201538 A JP9201538 A JP 9201538A JP 20153897 A JP20153897 A JP 20153897A JP H1143555 A JPH1143555 A JP H1143555A
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JP
Japan
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resin
resin composition
inorganic filler
hydroxyl group
semiconductor device
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JP9201538A
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English (en)
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Yasuyuki Hotta
康之 堀田
Kazutaka Matsumoto
一高 松本
Tetsuo Okuyama
哲生 奥山
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
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    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/0001Technical content checked by a classifier
    • H01L2924/0002Not covered by any one of groups H01L24/00, H01L24/00 and H01L2224/00

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
  • Encapsulation Of And Coatings For Semiconductor Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体素子の高集積化に伴なうチップの大型
化に対応した、吸湿性が低く、高温条件下での機械的特
性の優れた樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 表面における水酸基濃度が1.5 O
H’s/nm2 以下である無機質充填剤と、樹脂マトリ
ックスとを含有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂と無機質充填
剤とを含有する樹脂組成物に係り、特に半導体素子の封
止に用いた際には、耐湿性、流動性、高温での機械的強
度に優れた樹脂封止型半導体装置を製造し得る樹脂組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体素子の高集積化に対する要
望が強くなり、素子を構成する機能単位の微細化ととも
に、半導体チップ自体の大型化が急速に進み、これに応
じて、パッケージも大型化している。また、ASIC
(Allcation Specific IC)と称
されるゲートアレイやスタンダードセル方式LSIに代
表される表面実装型パッケージが急成長している。これ
ら表面実装型パッケージを実装する際には、ベーパーフ
ェイズリフロー、赤外線リフロー、半田浸漬などの工程
が採用されている。これらの工程ではパッケージが21
5〜260℃の高温に曝される。これらに伴なって、以
下に述べるように、半導体装置の封止材の改善が要望さ
れている。
【0003】従来、封止樹脂としては、硬化剤としてフ
ェノールノボラック樹脂を含有したエポキシ樹脂組成物
が主として用いられてきた。しかしながら、従来のエポ
キシ樹脂組成物の硬化物は、吸湿性が高いために耐湿性
が悪いという問題を伴なっていた。このため、前述した
表面実装工程において、パッケージ内部の水分の急激な
気化にともなって、パッケージの外部に達するクラック
が生じていた。この結果、樹脂封止型半導体装置の耐湿
信頼性を保証することができなかった。また、封止材が
半導体素子やリードフレームから剥離し、パッケージに
ふくれが生じて、実装できなくなるという現象も発生し
ていた。さらに、Al配線層のパッシベーション膜であ
るPSG(リンケイ酸ガラス)やSiN(窒化ケイ素)
のクラック、ポリイミド膜の剥離、半導体チップのクラ
ック、Auボンディングワイヤの断線が生じるなどの問
題が多発していた。
【0004】上述したような問題を防止するために、封
止材には次のような対策がとられてきた。 (1)封止材が内部封入物に与える応力を小さくする。
【0005】(2)封止材と、素子上のPSG、Si
N、ポリイミド膜、およびリードフレームとの密着性を
上げる。 (3)封止材に実装温度に対応した高温強度を付与す
る。
【0006】(4)封止材の吸湿性を低減して、封止材
に吸湿高温強度を付与する。 すなわち、大型パッケージ用の封止材に対する要求は厳
しくなりつつある。これらの観点から、封止材として、
例えばマレイミド樹脂系を始め、PPS(ポリフェニレ
ンスルフィド)系やPPO(ポリヒドロキシフェニレン
エーテル)系、また液晶ポリマーの実用化が検討されて
いる。さらに最近では、封止材として、マレイミド樹脂
系とエポキシ樹脂系(ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、オルソクレゾー
ルノボラック型エポキシ樹脂組成物、ビフェニル型エポ
キシ樹脂)とを組み合わせた樹脂、またはビスマレイミ
ド樹脂と、4,4’−ジアミノジフェニルメタンとを組
み合わせたアミノビスマレイミド樹脂が提案されてい
る。
【0007】これらの樹脂組成物は、従来のエポキシ樹
脂組成物と比較して、その硬化物の耐熱性は優れてい
る。しかしながら、これらの樹脂組成物においても、ボ
ンディングワイヤの流れを起こしたり、吸湿性が十分に
改善されているとはいえず、またさらに高温での強度に
おいても不満が残るものである。
【0008】以上のように、樹脂組成物に配合される樹
脂のみを改善したところで、現在指向されているフィラ
ー高充填系においては限界があり、樹脂組成物の特性を
向上させるには、無機質充填剤の改良が不可欠となって
いる。現在、半導体封止用樹脂組成物に配合される無機
質充填剤としては、溶融シリカ、結晶性シリカ、アルミ
ナ、窒化ケイ素、および窒化アルミニウムなどが使用さ
れており、樹脂と混合して複合材料化する場合には、一
般的に無機質充填剤表面に、シランカップリング剤等の
界面活性剤により表面処理が施される。このような表面
処理によって、樹脂組成物の室温での強度等の機械的特
性は向上するものの、上述したような高温時の機械的特
性、さらには吸水特性に対しても十分とはいえない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、高温
において十分に高い機械的強度を有し、かつ吸湿性が低
い樹脂組成物が望まれているものの、未だ得られていな
いのが現状である。そこで本発明は、半導体素子の高集
積化に伴なうチップの大型化に対応した、吸湿性が低
く、高温条件下での機械的特性の優れた樹脂組成物およ
びこれを用いた樹脂封止型半導体装置を提供することを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、表面における水酸基濃度が1.5 O
H’s/nm2 以下である無機質充填剤と、樹脂マトリ
ックスとを含有することを特徴とする樹脂組成物を提供
する。
【0011】また本発明は、半導体素子と、前記半導体
素子を封止する樹脂層とを具備し、前記樹脂層は、前述
の樹脂組成物の硬化物を用いることを特徴とする樹脂封
止型半導体装置を提供する。
【0012】以下、本発明をさらに詳細に説明する。本
発明の樹脂組成物に配合される無機質充填剤は、表面に
おける水酸基濃度を1.5 OH’s/nm2 以下に規
定したものであり、例えば、600℃以上の熱処理を施
すことによって、表面の吸着水を全て取り除いた状態の
ものである。
【0013】無機質充填剤の表面の吸着水は、例えばI
R測定により分析可能であり、シリカの場合、通常、1
630cm-1、3450cm-1、3660cm-1、および37
50cm-1付近に吸収がみられ、これらのうち、1630
cm-1および3450cm-1付近の吸収は、シリカ表面
に吸着した水分に起因するものである。本発明者らは、
シリカ表面に吸着した水分は、600℃の熱処理を施す
ことにより除去できること、そしてこの処理を行なうこ
とによって表面の水酸基濃度を1.5OH’s/nm2
以下に設定できることを見出した。
【0014】なお、無機質充填剤表面の水酸基濃度は、
昇温脱離法や無機質充填剤表面とグリニヤール試薬やシ
ラン化合物((CH32 SiCl3 )などと反応さ
せ、その定量を行なうことにより容易に測定することが
できる。
【0015】無機質充填剤の表面の水酸基濃度を上述の
範囲に設定するには、600℃以上の温度で4時間以
上、加熱処理を施すことが好ましく、このような処理に
より表面に観察される分子状に連なった吸着水を除去し
た後、カップリング処理を施すことによって、本発明の
樹脂組成物に配合される無機質充填剤が得られる。
【0016】本発明者らは、無機質充填剤の表面の水酸
基について鋭意検討した結果、次のような知見を見出
し、本発明を成すに至ったものである。まず、無機質充
填剤の表面の水酸基は、孤立タイプ、水素結合タイプ、
およびGEMタイプという3種類の形態をとり得る。こ
れらのうち、水素結合タイプおよびGEMタイプの水酸
基は、シラノール基同士、あるいはシラノール基とH2
Oとが水素結合をしており、水分が吸着しやすい。
【0017】熱処理の温度が600℃未満の場合には、
水素結合タイプやGEMタイプの水酸基が残るおそれが
あり、水分が吸着しやすくなってしまう。一方、600
℃以上で加熱した場合には、シラノール基が独立してい
る孤立タイプの水酸基だけになるので水分の吸着を抑え
ることができる。ただし、加熱時間が4時間未満の場合
には、600℃の処理を行なったとしても水素結合タイ
プ、GEMタイプが残ってしまうおそれがある。
【0018】なお、加熱温度が過剰に高い場合にはシリ
カが溶融してしまうので、加熱温度の上限は800℃と
することが好ましい。例えば、800℃で4時間の加熱
処理を施した場合には、水酸基濃度は約0.7 OH’
s/nm2 にまで低減することができる。
【0019】上述したように、600℃未満、4時間未
満の加熱条件では、充填剤表面上の水酸基に水分が急激
に吸着しやすくなり、シランカップリング処理を施した
としても、本発明の効果を得ることが困難となる。より
高い効果を得るためには、表面の水酸基濃度が1.0
OH’s/nm2 以下となる800℃、4時間の条件で
表面処理を施すことが好ましい。
【0020】上述したような熱処理を施して、本発明の
樹脂組成物に配合し得る無機質充填剤としては、例え
ば、溶融シリカ、結晶性シリカ粉末、ガラス繊維、タル
ク、アルミナ粉末、窒化ケイ素粉末、窒化アルミ粉末、
ケイ酸カルシウム粉末、炭酸カルシウム粉末、硫酸バリ
ウム粉末、およびマグネシア粉末などが挙げられる。た
だし、これらの充填剤のなかには、熱処理をすることに
より酸化膜が生じたり、分解ガスを発生するものもあ
り、処理時の雰囲気を不活性ガスなどでかなり精密に制
御しなければならない。その他の特性も考慮すると、溶
融シリカ粉末や結晶性シリカ粉末が最も好ましい。シリ
カ粉末は、破砕状、球状、微細品のものを適宜組み合わ
せて用いることが望まれる。
【0021】上述したような無機質充填剤の配合量は、
樹脂組成物全体の好ましくは50〜95重量%、より好
ましくは82〜93重量%である。50重量%未満で
は、十分な耐熱衝撃性を得ることができず、95重量%
を越えると、溶融粘度が高すぎて成形性が劣るおそれが
ある。
【0022】本発明の樹脂組成物においては、熱硬化性
樹脂および熱可塑性樹脂のいずれを樹脂成分として配合
してもよい。熱硬化性樹脂としては、例えば、塩化ビニ
ル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィ
ン、ポリカーボネート、ナイロン等のいわゆるエンジニ
アリングプラスチックなどが挙げられる。さらに、本発
明の目的を達成するのに好ましい熱可塑性樹脂として、
耐熱性のあるスーパーエンジニアリングプラスチック、
例えばポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェ
ニレンエーテル(PPO)系や液晶ポリマー系等が挙げ
られる。熱硬化性樹脂としては、加熱により三次元的に
架橋された硬化物を生成するものであれば特に限定され
ないが、好ましくはエポキシ系またはマレイミド系、お
よびこれらを混合した熱可塑性樹脂が挙げられる。
【0023】ここでエポキシ樹脂としては、1分子中に
2個以上のエポキシ基を有するもので特に限定されず、
例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソ
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリス(ヒドロ
キシフェニル)メタン系エポキシ樹脂、ビフェニル系の
エポキシ樹脂、3官能型エポキシ樹脂、ビスフェノール
A型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、
ナフタレン構造含有型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジ
エン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキルエポキシ樹
脂、および各種臭素化エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0024】これらのエポキシ樹脂は、単独で用いても
2種以上組み合わせて用いてもよく、それぞれの樹脂特
性を生かした使用方法が可能である。例えば、金属との
密着性を向上させるには、トリス(ヒドロキシフェニ
ル)メタン系エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂
が好ましく、耐熱性を上げたり、耐クラック性の向上を
図るには3官能型エポキシ樹脂、およびナフタレン構造
含有型エポキシ樹脂が好ましい。このように、用途に合
わせた樹脂を、適宜組み合わせて使用することができ
る。
【0025】また、この場合用いられる硬化剤として
は、フェノール樹脂が好適であり、一般にエポキシ樹脂
の硬化剤として用いられるものであれば特に限定されな
い。硬化剤として使用可能なフェノール樹脂としては、
例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラ
ック樹脂、ノニルフェノールノボラック樹脂、ビスフェ
ノールF型ノボラック樹脂、ビスフェノールA型ノボラ
ック樹脂、ナフトール型ノボラック樹脂、ビフェニル構
造含有ノボラック樹脂、ポリパラオキシスチレン、2,
2’−ジメトキシ−p−キシレンとフェノールモノマー
との縮合重合化合物などのフェノールアラルキル樹脂、
またはジシクロペンタジエン・フェノール重合体などが
挙げられる。これらのフェノール樹脂は、単独でまたは
2種以上を混合して用いることができる。
【0026】上述したようなエポキシ樹脂とフェノール
樹脂の配合量は、次のように設定することができる。す
なわち、硬化剤であるフェノール樹脂のフェノール性水
酸基数とエポキシ樹脂のエポキシ基数との比(フェノー
ル性水酸基数/エポキシ基数)が0.5〜1.5の範囲
になるように、エポキシ樹脂とフェノール樹脂とを配合
することが好ましい。この値が0.5未満では硬化反応
が十分に起こりにくくなり、一方1.5を越えた場合に
は、硬化樹脂の特性、特に耐湿性が劣化しやすくなる。
【0027】また、これらの樹脂の硬化反応を促進する
ために、硬化触媒を用いてもよい。硬化触媒としては、
有機樹脂成分の硬化反応を促進することのできるもので
あれば、特に制限なく使用することができるが、硬化物
成形体の電気特性向上のために、有機ホスフィン類が好
ましい。
【0028】使用し得る硬化触媒としては、例えば各種
のアミン類、イミダゾール類、ジアザビシクロアルケン
類、有機ホスフィン類、および金属キレート類を挙げる
ことができる。
【0029】具体的には、アミン類として、N,N’−
ジメチルシクロヘキシルアミン、N−メチルジシクロヘ
キシルアミン、トリエチレンジアミン、ジアミノジフェ
ニルスルホン、ジメチルアミノメチルフェノール、およ
びベンジルジメチルアミン、トリスジメチルアミノメチ
ルフェノール等が挙げられ、イミダゾール類としては、
例えば、2―メチルイミダゾール、2−フェニルイミダ
ゾール、ヘプタデシルイミダゾール、2−ヘプタデシル
イミダゾール、2−エチルイミダゾール、および2−エ
チル−4−メチルイミダゾール等が挙げられる。
【0030】また、ジアザビシクロアルケン類として
は、例えば、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウ
ンデセン−7(DBU)、DBUのフェノール塩(例え
ば、U−CAT SA No.1)等が挙げられ、有機
ホスフィンとしては、トリメチルホスフィン、トリエチ
ルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホ
スフィン、トリ(p−メチルフェニル)ホスフィン、ト
リ(ノニルフェニル)ホスフィン、メチルジフェニルホ
スフィン、ジブチルフェニルホスフィン、トリシクロヘ
キシルホスフィン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィ
ン)エタン、およびビス(ジフェニルホスフィン)メタ
ン等が挙げられる。
【0031】使用し得る金属キレート類としては、Al
キレートおよびZrキレート等が挙げられる。上述した
ような硬化触媒は、単独でまたは2種以上を混合してで
使用することができるが、これらのなかでも、トリフェ
ニルホスフィン(TPP)およびヘプタデシルイミダゾ
ールが特に好ましい。このような硬化触媒を配合してな
る樹脂組成物を用いて半導体素子を封止することによ
り、優れた耐湿信頼性を有する樹脂封止型半導体装置が
得られるからである。
【0032】硬化触媒の配合量は、エポキシ樹脂とフェ
ノール樹脂とを含む樹脂マトリックスの総量に対して、
0.1〜10重量%であることが好ましく、1.0〜
5.0重量%であることがより好ましい。0.1重量%
未満ではエポキシ−フェノール硬化速度を十分に促進さ
せることができず、成形性の低下を招くおそれがある。
一方、10重量%を越えると、硬化樹脂の耐熱性、耐湿
性、電気特性が著しく低下するおそれがある。
【0033】本発明において好ましく用いられるマレイ
ミド樹脂としては、1分子中に2個以上のイミド基を有
するものであれば特に限定されず、例えば下記一般式
(1)で表わされるN,N’−置換ビスマレイミド化合
物や下記一般式(2)で表わされるポリ(フェニルメチ
レン)ポリマレイミドが挙げられる。
【0034】
【化1】 (前記一般式(1)中、Xはアルキレン基、シクロアル
キレン基、単環式もしくは多環式のアリーレン基など2
価の原子団によって結合された2価の炭化水素基であ
る。)
【0035】
【化2】 (上記一般式(2)中、nは1〜6である。)より具体
的には、例えば、N,N’−フェニレンビスマレイミ
ド、N,N’−ヘキサメチレンビスマレイミド、N,
N’−ジフェニルメタンビスマレイミド、N,N’−オ
キシ−ジ−p−フェニレンビスマレイミド、N,N’−
4,4’−ベンゾフェノンビスマレイミド、N,N’−
p−ジフェニルスルホンビスマレイミド、およびポリ
(フェニルメチレン)ポリマレイミド等が挙げられる。
【0036】なお、上述したようなマレイミド樹脂に
は、微量の有機酸が含有されている場合がある。この有
機酸は、マレイミド樹脂の精製が不十分である場合に樹
脂中に残存したものであり、具体的には、酢酸、マレイ
ン酸、フマル酸、脂肪酸等が挙げられる。このような有
機酸は、マレイミド樹脂を95℃/20時間以上の条件
で熱水処理することによって樹脂から抽出され、イオン
クロマトグラフィーや液体クロマトグラフィー等によっ
て分析することができる。
【0037】本発明の樹脂組成物においては、マレイミ
ド樹脂中における有機酸の含有量は、最終的に形成され
る硬化樹脂の物性を大きく左右する。すなわち、マレイ
ミド樹脂の精製が不十分で有機酸が多量に残存する場
合、形成される硬化樹脂の耐湿性の低下を招くので、多
量の有機酸を含有した樹脂組成物で半導体素子を封止す
ると半導体チップのAl配線層の腐食が進行してしま
う。したがって、前記マレイミド樹脂中の有機酸の含有
量は、上述した抽出および分析方法による測定値で、
0.2重量%以下、さらには0.1重量%以下であるこ
とが望ましい。
【0038】上述したようなマレイミド樹脂において
も、単独で用いても2種以上を組み合わせてもよく、さ
らに上述したエポキシ樹脂と複合させてもよい。加え
て、これらの樹脂に対し上述した硬化剤を配合して用い
ることができる。
【0039】また、マレイミド樹脂の硬化性を向上させ
る目的で、過酸化物やアゾ化合物といったラジカル開始
剤を添加してもよい。使用し得る過酸化物としては、次
のようなものが挙げられる。例えば、ジ−t−ブチルパ
ーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルク
ミルパーオキサイド、および2,5−ジメチル−2,5
−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサン等のジアリルパー
オキサイド類;t−ブチルパーオキシアセテート、t−
ブチルパーオキシフタレート、t−ブチルパーオキシベ
ンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジベンゾイル
パーオキシヘキサン、およびt−ブチルパーオキシ−2
−エチルヘキサノエート等のパーオキシエステル類;ア
セチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、
デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイ
ド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイ
ド、ベンゾイルパーオキサイド、およびジ−2−エチル
ヘキシルパーオキシジカーボネート等のジアシルパーオ
キサイド類;t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメ
ンハイドロパーオキサイド、およびパラメタンハイドロ
パーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類;メチル
エチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオ
キサイド等のケトンパーオキサイド類;1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビ
ス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチル
シクロヘキサノン等のパーオキシケタール類等である。
これらの過酸化物は、1種または2種以上を用いること
ができる。
【0040】また、アゾ化合物としては、例えば、アゾ
ビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビスシアノ
吉草酸(ACVA)、2,2’−アゾビス−(2−アミ
ジノプロパン)−ジヒドロキシクロライド(ABA
H)、1,1’−アゾビス−1−シクロヘキサンニトリ
ル(ACHN)、2,2’−アゾビス−2−メチルブチ
ロニトリル(AMBN)、2,2’−アゾビス−2,4
−ジメチルバレロニトリル(ADVN)、およびジメチ
ル−2,2’−アゾビスイソブチラート(MAIB)等
が挙げられる。
【0041】以上のようなラジカル発生剤の配合量は、
マレイミド樹脂成分に対し0.1〜5重量%であること
が好ましく、0.3〜1重量%であることがより好まし
い。0.1重量%未満では、マレイミド樹脂の硬化速度
を十分に促進させることができず、成形性の低下を招く
おそれがある。一方5重量%を越えると、硬化物の耐熱
性、耐湿性、電気特性が著しく低下し、特に過剰のアゾ
化合物を配合した場合には、発生した窒素ガスがボイド
の原因となり得る。
【0042】上述したような成分に加えて本発明の樹脂
組成物には、炭化水素系ワックスやエステル系ワックス
等の離型剤をさらに添加して、金型との離型性を向上さ
せることができる。あるいは、これらの離型剤は、樹脂
組成物に添加せずに、金型との接触面に塗布することも
有効である。
【0043】離型剤としては特に限定されないが、カル
ナバワックス、モンタンワックス、ステアリン酸亜鉛、
ステアリン酸カルシウム等の長鎖カルボン酸およびそれ
らの金属塩、低分子量ポリエチレンワックス等を用いる
と耐湿性が向上するので好ましい。上述したような離型
剤は単独で用いても、組み合わせて用いてもよい。
【0044】さらに、上述した成分に加え必要に応じて
ハロゲン化エポキシ樹脂、三酸化アンチモン等の難燃
剤、カーボン粉末等の着色剤を適宜添加してもよい。本
発明の樹脂組成物は、固形原料系を全て微粉化し、粉体
化してヘンシェルミキサー等で混合後、加熱ロール、ニ
ーダー、または押し出し機によって溶融混練したり、微
粉砕可能な特殊混合機によって混合したり、あるいはこ
れらの各方法を適宜組み合わせにより調製することがで
きる。
【0045】本発明の樹脂組成物を用いて半導体素子を
封止するに当たっては、最も一般的には、低圧トランス
ファー成形が用いられるが、これに限定されるものでは
ない。すなわち、インジェクション成型、圧縮成型およ
び注型などの任意の方法で半導体素子を封止することが
できる。また、本発明の樹脂組成物に係る未硬化樹脂シ
ートを所定サイズにカットし、半導体素子の上下から圧
着封止する成型方法にも適用可能である。この場合、成
型後、175℃以上でアフターキュアすることが好まし
い。
【0046】上述のようにして本発明の樹脂組成物で封
止される半導体チップは特に限定されず、目的や用途等
に応じた任意のチップを封止することができる。なお、
本発明の樹脂組成物は、上述したように半導体素子の樹
脂封止に使用する以外にも、マウント剤、耐熱積層板、
注型材料、希釈溶媒を添加した耐熱接着剤や耐熱塗料と
しても使用可能である。
【0047】本発明の樹脂組成物は、表面の水酸基濃度
を特定の値以下に規定した無機質充填剤を含有している
ので、高温における機械的強度および吸水特性を改善す
ることができた。しかも、流動性は何等損なわれること
はなく、本発明の樹脂組成物は適切な融粘度を有してい
る。かかる樹脂組成物で半導体素子を封止することによ
り、高い信頼性を有する樹脂封止型半導体装置が得られ
る。
【0048】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例に基づいて
さらに詳細に説明する。 (1)無機質充填剤の熱処理 まず、以下のような方法で熱処理を施した無機質充填剤
A〜Cを用意した。
【0049】(無機質充填剤A)溶融シリカ(平均粒径
20μm)を熱処理を施さず、そのまま用いた。 (表面水酸基濃度 16.0 OH’s/nm2 ) (無機質充填剤B)溶融シリカ(平均粒径20μm)を
所定量電気炉に投入し、空気中、800℃、4時間の条
件で処理を施し、室温まで冷却後、脱気保存した。
【0050】 (表面水酸基濃度 0.7 OH’s/nm2 ) (無機質充填剤C)溶融シリカ(平均粒径20μm)を
所定量電気炉に投入し、空気中600℃、8時間の条件
で処理を施し、室温まで冷却後、脱気保存した。
【0051】 (表面水酸基濃度 1.2 OH’s/nm2 ) (無機質充填剤D)溶融シリカ(平均粒径20μm)を
所定量電気炉に投入し、窒素雰囲気中150℃、24時
間の条件で処理を施し、室温まで冷却後、脱気保存し
た。
【0052】 (表面水酸基濃度 5.2 OH’s/nm2 ) (2)実施例1〜3および比較例1〜3 下記表1に示す処方で各成分を配合して、実施例1〜3
および比較例1〜3の樹脂組成物を調製した。
【0053】
【表1】
【0054】なお、表中の配合量は、重量部を表す。組
成物の調製に当たっては、まず、脱気保存した溶融シリ
カをヘンシェルミキサー中に収容し、直ちにシランカッ
プリンク剤で処理した。次いで、他の成分を配合混合
し、60〜130℃の加熱ロールで混練し、冷却した
後、粉砕することにより樹脂組成物を得た。
【0055】ここで用いた成分は、以下に示すとおりで
ある。 エポキシ樹脂:ビフェニル型エポキシ樹脂(YX−40
00H、油化シェルエポキシ(株)製 当量192) フェノール樹脂:フェノールアラルキル樹脂(XL−4
L、三井東圧化学(株)、当量174) マレイミド樹脂:ジフェニルメタン−N,N’−ビスマ
レイミド(MB−3000H、三菱油化(株)製) 硬化促進剤:トリフェニルホスフィン カップリング剤:エポキシシランカップリング剤(A−
187、日本ユニカー(株)製) 離型剤:カルナバワックス 顔料:カーボンブラック 次いで、これらの樹脂組成物について、以下のような評
価実験を行なった。 (3)溶融粘度 各樹脂組成物について、高化式フローテスター(ダイ
ス;穴径1.0mm、穴長;2.0mm)により180
℃、10kg荷重の条件下で測定した。 (4)硬化物の物性 各樹脂組成物を用い、175℃、3分の条件でトランス
ファ成形により試験を作製し、175℃で8時間のアフ
ターキュアを行なった。これらの試験片について、室温
および250℃での曲げ強度、吸水率を測定した。得ら
れた結果を、各樹脂組成物の溶融粘度とともに下記表2
にまとめる。
【0056】
【表2】
【0057】表2から明らかなように、表面水酸基濃度
が1.5 OH’s/nm2 以下の無機質充填剤(無機
質充填剤B、C)を含有する本発明(実施例1〜3)の
樹脂組成物は、同様の組成比率からなる比較例の樹脂組
成物に比べて低粘度であり、また、実施例(1〜3)の
樹脂組成物を硬化させてなる硬化物は、高温での強度が
高く、吸水率についても比較例より良好な結果が示され
ている。
【0058】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
吸湿性が低く、高温条件下での機械的特性に優れた樹脂
組成物およびこれを用いた樹脂封止型半導体装置が提供
される。かかる樹脂組成物は、流動性にも優れているの
で、半導体素子の高集積化、素子自体の大型化により要
請される表面実装用大型パッケージに好適に用いられ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C08K 9/00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面における水酸基濃度が1.5 O
    H’s/nm2 以下である無機質充填剤と、樹脂マトリ
    ックスとを含有することを特徴とする樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記樹脂マトリックスの含有量は5〜5
    0重量%であり、前記無機質充填剤の配合量は50〜9
    5重量%である請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 半導体素子と、前記半導体素子を封止す
    る樹脂層とを具備し、前記樹脂層は、請求項1または2
    に記載の樹脂組成物の硬化物を用いることを特徴とする
    樹脂封止型半導体装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1211292A4 (en) * 1999-06-21 2002-11-06 Daikin Ind Ltd NETWORKABLE ELASTOMER COMPOSITION AND ARTICLE MOLDED OUT THERE
JP2008545019A (ja) * 2005-04-01 2008-12-11 モーメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・インク 難溶性固体、接着剤組成物及びデバイス、並びに関連する方法
JP2010169266A (ja) * 2010-03-16 2010-08-05 Ntn Corp 流体軸受装置
JP2017082213A (ja) * 2015-10-29 2017-05-18 日本化薬株式会社 エポキシ樹脂組成物、硬化物、半導体素子、樹脂シート、プリプレグ及び炭素繊維強化複合材料

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