JPH1143538A - 乳酸変性ポリオールおよび生分解性樹脂組成物 - Google Patents

乳酸変性ポリオールおよび生分解性樹脂組成物

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JPH1143538A
JPH1143538A JP10158579A JP15857998A JPH1143538A JP H1143538 A JPH1143538 A JP H1143538A JP 10158579 A JP10158579 A JP 10158579A JP 15857998 A JP15857998 A JP 15857998A JP H1143538 A JPH1143538 A JP H1143538A
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lactic acid
polyol component
modified polyol
resin
compound
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JP10158579A
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Inventor
Shoichi Higuchi
彰一 樋口
Soichi Satake
宗一 佐竹
Kohei Maeda
浩平 前田
Shigehisa Takayama
繁久 高山
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Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂物性を損なわずに、優れた生分解性を有
する樹脂組成物、およびそれに適した原料を提供する。 【解決手段】 触媒(D)の存在下で活性水素を有する
化合物(A)にラクチド類(B)とアルキレンオキサイ
ド(C)をランダム状に共重合させて得られる乳酸変性
ポリオール(I)とポリイソシアネート(III)また
はエポキシ基含有化合物(IV)から誘導されてなる生
分解性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生分解性熱硬化性
樹脂、特に生分解性ポリウレタン樹脂とエポキシ樹脂の
製造法;並びにこれらの製造の原料として適した乳酸変
性ポリオール組成物、すなわち熱硬化性樹脂用のポリオ
ール成分、特にポリウレタン樹脂用のポリオール成分と
エポキシ樹脂用の硬化剤成分に関する。さらに詳しくは
自然環境中で微生物等により容易に分解される熱硬化性
樹脂、特にポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂の原料とな
る生分解性ポリオール;およびそれを用いる熱硬化性樹
脂組成物、特にポリウレタン樹脂組成物、エポキシ樹脂
組成物とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、プラスチックは膨大な量が使用さ
れているが、その廃棄物による埋立地の不足、海洋生物
の生活環境の破壊、環境汚染等の問題を引き起こしてい
る。すなわち、プラスチック性の廃棄物は土壌細菌等の
作用によってほとんど分解されないので、投棄されたと
ころに長く留まることとなる。
【0003】プラスチックのうち、ポリウレタン樹脂
は、ポリオール成分とポリイソシアネート成分を反応さ
せて調製されているが、このウレタン樹脂も他のプラス
チックと同様にほとんど生分解性がなく、しかも発泡ポ
リウレタンは容量が大きいので環境汚染の大きな原因と
なっている。また、エポキシ樹脂は、この樹脂の優れた
特長から、塗料、接着、土木、建築などの分野で幅広く
用いられているが、この樹脂も生分解性はなく、廃棄さ
れた場合は分解せずに環境に留まる。
【0004】従来より、ポリウレタン樹脂に生分解性を
付与させる試みがいくつか行われている。例えば、特開
昭63−22840号公報にはオガ屑、グリセリンのエ
チレンオキサイド付加物とトリレンジイソシアネートの
プレポリマー及びブロックイソシアネートよりオガ屑を
含むポリウレタンシートを得る方法が記載されている。
これにより得られたウレタンシートは多量のオガ屑を含
むことから優れた生分解性を示す。また、特開平6−1
28348号公報にはヒドロキシル基をを含有する植物
微粉末及び/又は短繊維、多価アルコール及びポリイソ
シアネートからなるポリウレタンフォームを得る方法が
示されている。さらに、特開平5−59031号公報に
は分子内にアミノ酸構造を有するジエポキシ化合物が記
載されている。
【0005】これらの従来技術において、生分解性ポリ
ウレタンの場合、いずれも天然の有機物や植物繊維など
の添加剤が生分解性に大きく関与しているものと考えら
れ、ポリウレタン樹脂自身の生分解とは言い難い。また
ポリウレタン樹脂には様々な形態のものがあり、前記の
有機物や植物繊維などを添加できない場合もある。さら
にこれらの添加により、弾性率や圧縮強度など機械物性
は大きく損なわれる。また、エポキシ樹脂の場合、分子
内に限られた数の加水分解性基しかないために任意の分
解速度が得られない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、機械
的物性を損なうことなく根本的に生分解する熱硬化性樹
脂、特にポリウレタン樹脂組成物とエポキシ樹脂を提供
すること;並びにこの製造に適したポリオール成分、特
にポリウレタン樹脂用のポリオール成分とエポキシ樹脂
用の硬化剤成分を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、以上の問
題点を解決するために鋭意検討した結果、分子内に2
個以上の活性水素を有する化合物(A)に、ラクチド類
(B)と炭素数2〜16のアルキレンオキサイド(C)
を開環共重合させて得られる熱硬化性の生分解性樹脂の
製造に使用できる乳酸変性ポリオール成分(I);また
は数平均分子量が100〜2500のポリ乳酸に炭素
数2以上のアルキレンオキサイドを付加重合させて得ら
れる熱硬化性樹脂用乳酸変性ポリオール成分(II)
と、有機ポリイソシアネート(III)より得られるポ
リウレタン樹脂が優れた生分解性を有することを見いだ
した。さらに、これらの乳酸変性ポリオール(I)及び
/または(II)とエポキシ基含有化合物(IV)より
得られるエポキシ樹脂組成物が優れた生分解性を有する
ことを見いだし、本発明に至った。
【0008】
【発明実施の形態】本発明の生分解性に優れた熱硬化性
樹脂製造用の乳酸変性ポリオール成分(I)は、触媒
(D)の存在下で、分子内に2個以上の活性水素を有す
る化合物(A)に、ラクチド(B)と炭素数2〜16の
アルキレンオキサイド(C)をランダム状に開環共重合
させて得られる。本発明における分子内に2個以上の活
性水素を含有する化合物(A)としては、水酸基、アミ
ノ基、カルボキシル基、メルカプト基または水酸基な
ど、及びこれら2種以上を有する化合物が挙げられる。
例えば、エチレングリコール,プロピレングリコー
ル,1,3−ブチレングリコール,1,4−ブタンジオ
ール,1、6−ヘキサンジオール,3−メチルペンタン
ジオール,ジエチレングリコール,ネオペンチルグリコ
ール,1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサ
ン,1,4−ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン,2,
2−ビス(4,4’−ヒドロキシシクロヘキシル)プロ
パンなどの2価アルコール類;グリセリン,トリメチロ
ールプロパンなどの3価アルコール;ペンタエリスリト
―ル,ジグリセリン,α−メチルグルコシド,ソルビト
―ル,キシリット,マンニット,ジペンタエリスリト−
ル,グルコ−ス,フルクト−ス,ショ糖などの多価アル
コ―ル;ピロガロ―ル,カテコール,ヒドロキノンなど
の多価フェノ―ル類;ビスフェノ―ルA,ビスフェノー
ルF,ビスフェノールSなどのビスフェノ―ル類; エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミ
ン、t−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、n−ヘ
キシルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミ
ン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミ
ン、ペンタエチレンヘキサミン、1,2−プロピレンジ
アミン、ブチレンジアミン、1,4−ジアミノブタン、
1,2−ジアミノプロパン、ペンチレンジアミン、ヘキ
シレンジアミン、シクロヘキシレンジアミン、4,4’
−ジアミノジシクロヘキシルメタン、N−メチル−3,
3’−イミノビス(プロピルアミン)、ピペラジン、ア
ニリン、o−メトキシアニリン、p−メトキシアニリ
ン、ジアミノフェニルエーテル、m−フェニレンジアミ
ン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン
などの多価アミン類; シュウ酸、マロン酸、1,3−プロパンジカルボン
酸、ナフタレンジカルボン酸、エチレンジアミンテトラ
酢酸、イソフタル酸、テレフタル酸、3,3’−チオプ
ロピオン酸、2,3−ピラジンジカルボン酸、1,2−
ジメルカプトエタン、トリエチレングリコールジメルカ
プタン、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジア
ゾール、トリメチロールプロパントリス(β−チオグリ
コレート)、チオグリコール酸、トリスメチロールプロ
パントリス(チオグリコレート)、アミノ安息香酸、2
−アミノチオフェノール、アントラニル酸、チオサリチ
ル酸、エタノールアミン、酒石酸、12−アミノドデカ
ン酸、3−アミノ−1−プロパノール、N−メチルエタ
ノールアミン、N−(2−アミノエチル)エタノールア
ミン、1−チオグリセロール、2−メルカプトエタノー
ル、アミノフェノール、サリチル酸、5−ヒドロキシイ
ソフタル酸等が挙げられる。これらのうち好ましいのは
アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基であり、特に
好ましいのはアミノ基である。アミノ基を有する化合物
はウレタン化反応において触媒となるため物性が向上す
る。本発明において化合物(A)は上述の化合物を単独
で使用しても良いし、2種以上併用しても良い。
【0009】本発明におけるラクチド類(B)として
は、D−ラクチド、L−ラクチド、DLラクチドなどが
挙げられる。
【0010】本発明で使用される炭素数2〜16のアル
キレンオキサイド(C)としては、例えばエチレンオキ
サイド、プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキ
サイド、2,3−ブチレンオキサイド、1,2−ジイソ
ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、ラウリルオ
キサイドなどが挙げられる。好ましくはエチレンオキサ
イド、プロピレンオキサイドである。またこれらのアル
キレンオキサイドは2種以上併用することもできる。
【0011】本発明の乳酸変性ポリオール成分(I)を
製造する場合、ラクチド類(B)とアルキレンオキサイ
ド(C)の割合は、重量比(B)/(C)=10/90
〜90/10であり、好ましくは(B)/(C)=30
/70〜70/30である。また活性水素を有する化合
物(A)の割合は、ラクチド類(B)とアルキレンオキ
サイド(C)の合計に対して、重量比(A)/[(B)
+(C)]=1/99〜50/50であり、さらに好ま
しくは5/95〜30/70である。ラクチド類(B)
の量が少なすぎると生分解性は悪くなる。
【0012】乳酸変性ポリオール(I)を製造する際の
触媒(D)としては公知のものが使用できる。具体的に
はポルフィリンアルミニウム錯体、(n−C49O)4
Al22Zn、複合金属シアン化錯体、二塩化スズ(S
nCl2)、2−エチルヘキサン酸スズなどが挙げられ
る。収率の点から、二塩化スズ(SnCl2)、2−エ
チルヘキサン酸スズが特に好ましい。
【0013】触媒の使用量は特に限定されないが活性水
素含有化合物に対して、1〜5000ppm程度が適当
であり、500〜2000ppmが好ましい。
【0014】反応は常温下でも起こるが、必要に応じて
反応系を加熱あるいは冷却することもできる。
【0015】乳酸変性ポリオール(I)の数平均分子量
は400〜30000であり、製造するポリウレタン樹
脂及びエポキシ樹脂の要求物性により適宜選択される。
【0016】また、本発明の熱硬化性樹脂製造用の乳酸
変性ポリオール成分(II)は、数平均分子量は100
〜2500のポリ乳酸(D)に、炭素数2〜16のアル
キレンオキサイドを付加重合させて得られるブロックポ
リマーで、数平均分子量が400〜5000である乳酸
変性ポリオール成分(II)である。ポリ乳酸(D)は
ポリL−乳酸ホモポリマー、ポリD−乳酸ホモポリマ
ー、ポリL/D−乳酸共重合物であり、L体とD体の比
(L/D比)は特に限定されない。数平均分子量は10
0〜2500であり、好ましくは500〜1500であ
る。
【0017】これらポリ乳酸(D)は、乳酸から直接脱
水重合することによって合成した物でも良いし、ラクチ
ドを開環重合することによって得られたものでも良い。
【0018】本発明においてもアルキレンオキサイド
(C)は前述と同じものが使用でき、ポリ乳酸(D)と
の割合は、重量比(C)/(D)=2/98〜99/1
であり、好ましくは20/80〜80/20である。
【0019】触媒は公知の触媒を使用することができ
る。具体的にはポルフィリンアルミニウム錯体、(n−
49O)4Al22Zn、複合金属シアン化錯体、二
塩化スズ(SnCl2)、2−エチルヘキサン酸スズ、
水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、3フッ化ホウ素エ
ーテル錯体などが挙げられる。収率の点から、3フッ化
ホウ素エーテル錯体が特に好ましい。
【0020】触媒の使用量は特に限定されないが、ポリ
乳酸に対して1〜300000ppm程度が適当であ
る。好ましくは100〜50000ppmである。
【0021】反応温度は触媒により変わり、40℃〜2
50℃で反応する。
【0022】乳酸変性ポリオール成分(II)の分子量
は400〜5000であり、製造するポリウレタン樹脂
及びエポキシ樹脂の要求物性により選択される。
【0023】また第2の発明は、乳酸変性ポリオール成
分(I)、(II)およびこれらを併用したものと、ポ
リイソシアネート(III)より得られる生分解性ポリ
ウレタン樹脂;並びにポリウレタン樹脂用の乳酸変性ポ
リオール成分(I)、(II)およびこれらを併用した
ポリオール成分とポリイソシアネート(III)を反応
させる生分解性ポリウレタン樹脂の製造方法である。本
発明で使用するポリイソシアネート(III)は、従来
のポリウレタンの製造において使用されている公知のも
のが使用できる。このようなイソシアネートしては、芳
香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、
脂環式ポリイソシアネート、これらの変性物(例えば、
カルボジイミド変性、アロファネート変性、ウレア変
性、ビューレット変性、イソシアヌレート変性、オキサ
ゾリドン変性など)、イソシアネート基末端プレポリマ
ーおよびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0024】芳香族ポリイソシアネートの具体例として
は、1,3−および1,4−フェニレンジイソシアネー
ト、2,4−および2,6−トリレンジイソシアネート
(TDI)、粗製TDI、2,4’−および4,4’−
ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメ
チレンポリフェニルイソシアネート(粗製MDI)、ナ
フチレン−1,5−ジイソシアネート、トリフェニルメ
タン−4,4’、4’−トリイソシアネート、キシリレ
ンジイソシアネート、α、α、α’、α’−テトラメチ
ルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。脂環式
ポリイソシアネートの具体例としては1,6−ヘキサメ
チレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキ
サメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート等が挙げられる。脂環
式ポリイソシアネートの具体例としては、カルボジイミ
ド変性MDI、ショ糖変性MDI、ひまし油変性MDI
等が挙げられる。ポリイソシアネートの種類は、ポリウ
レタンとして使用する用途、形態によって適宜選択され
る。例えば、フォームの場合は反応性の点で芳香族ポリ
イソシアネートが好ましく、エラストマーの形態では芳
香族、脂肪族ポリイソシアネートが好ましい。
【0025】本発明のポリウレタン樹脂は、ポリオール
成分として、乳酸変性ポリオール(I)、(II)以外
に、高分子量ポリエーテルポリオール、高分子量ポリエ
ステルポリオール、2価以上のアルコール類を適宜併用
しても良い。ポリウレタンの製造に関しては、公知の方
法で行われる。触媒として、有機錫化合物などの金属化
合物や第3級アミン等のアミン系触媒が使用できる。触
媒以外にも必要に応じて紫外線吸収剤、光安定剤、酸化
防止剤、フィラー、着色剤、補強材、ワックス類、ポリ
マー類等も使用できる。
【0026】また本発明は、乳酸変性ポリオール成分
(I)、(II)およびこれらを併用したものを用いて
ポリエポキシ化合物(IV)を硬化させた生分解性エポ
キシ樹脂;並びにエポキシ樹脂用の硬化剤成分、すなわ
ち乳酸変性ポリオール成分(I)、(II)およびこれ
らを併用した硬化剤成分で硬化させるエポキシ樹脂の硬
化方法に関する。本発明に用いる2個以上のエポキシ基
を分子内に有するポリエポキシ化合物(IV)として
は、通常、エポキシ樹脂と称されているもので、例えば
ビスフェノールA型のエポキシ樹脂、ビスフェノールB
型のエポキシ樹脂、ビスフェノールAD型のエポキシ樹
脂やこれらの水添加物、ノボラック型のエポキシ樹脂、
グリシジルエステル型のエポキシ樹脂、グリシジルアミ
ン型のエポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、ポリオキ
シエチレンやポリオキシプロピレンのグリシジルエーテ
ル、構造中にウレタン結合を持つウレタン変性エポキシ
樹脂等が挙げられるが、その他水酸基と反応可能なグリ
シジル基を持つエポキシ樹脂であれば何でもよい。これ
らのエポキシ樹脂を原料として2種以上併用しても差し
支えない。
【0027】本発明のエポキシ樹脂の製造に関しては、
公知の方法で行われる。触媒として特に限定されない
が、例えばルイス酸触媒やアルカリ触媒などが使用でき
る。触媒以外にも必要に応じて充填剤、可塑剤、酸化防
止剤、顔料、分散剤、溶剤等を配合してもよい。
【0028】本発明の生分解性樹脂組成物の用途、形態
としては、医療用材料、フォーム、シート、フィルム、
繊維、塗料、接着剤、表面処理剤、コーティング剤、注
型品、成型品、積層材、その他各種成型品(例えば、自
動車用ウレタンバンパー)などが挙げられる。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明はこれに限定されない。以下において、
「部」は重量部を表す。
【0030】実施例1 エチレンジアミン5部とDL−ラクチド45部、プロピ
レンオキサイド50部を2−エチルヘキサン酸スズの存
在下反応させ、数平均分子量8000の乳酸変性ポリオ
ールを得た。得られた乳酸変性ポリオール100部及び
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート12.5
部を100℃で12時間反応させ、ポリウレタンエラス
トマーを得た。
【0031】実施例2 エチレンジアミン5部とDL−ラクチド45部、プロピ
レンオキサイド50部を二塩化スズ(SnCl2)の存
在下反応させ、数平均分子量8000の乳酸変性ポリオ
ールを得た。得られた乳酸変性ポリオール100部及び
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート12.5
部を100℃で12時間反応させ、ポリウレタンエラス
トマーを得た。
【0032】実施例3 数平均分子量1000のポリ乳酸50部、プロピレンオ
キサイド50部を3フッ化ホウ素エーテル錯体の存在下
反応させ、数平均分子量2000のポリ乳酸変性ポリオ
ールを得た。得られた乳酸変性ポリオール100部及び
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート6.8部
を実施例1と同様に反応し、ポリウレタンエラストマー
を得た。
【0033】比較例1 分子量8000のペンタエリスリトールのプロピレンオ
キサイド付加物100部及び4,4’−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート12.5部を100℃で12時間反
応させ、ポリウレタンエラストマーを得た。
【0034】比較例2 分子量2000のポリプロピレングリコール及び4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート12.5部を
100℃で12時間反応させ、ポリウレタンエラストマ
ーを得た。
【0035】これらのエラストマーについて、酵素溶液
による生分解性試験を行い、試験前後の重量変化から分
解性を調べた(重量減少度)。またフィルムの破断強
度、破断伸び、100%モジュラスを測定した。結果を
表1に示す。
【0036】実施例1、2、3で得られたポリウレタン
エラストマーはともに高強度で生分解性にも優れてい
る。
【0037】
【表1】
【0038】実施例4 実施例1で得られた乳酸変性ポリオール80部及びビス
フェノールAジグリシジルエーテル20部をアルミニウ
ム板(25×150×0.3mm)に100μmに塗布
した。120℃で10時間反応し、エポキシ樹脂塗膜を
得た。また離型紙上に100μmに塗布し、120℃1
0時間反応し、エポキシ樹脂フィルムを得た。
【0039】比較例3 分子量8000のペンタエリスリトールのプロピレンオ
キサイド付加物80部及びビスフェノールAジグリシジ
ルエーテル20部を実施例3と同様にして、エポキシ樹
脂塗膜とフィルムを得た。
【0040】実施例4と比較例3のエポキシ樹脂フィル
ムについて、酵素溶液による生分解性試験を行い、試験
前後の重量変化から分解性を調べた(重量減少度)。ま
た、JISK−5400に準じて、エポキシ樹脂塗膜の
碁盤目試験と鉛筆引っかき試験を行い、塗膜の密着性と
鉛筆硬度を評価した。その結果を表2に示す。
【0041】実施例4により得られたエポキシ樹脂は樹
脂物性を損なうことなく優れた生分解性を示した。
【0042】
【表2】
【0043】
【発明の効果】本発明によって、機械強度を損なうこと
なく生分解性に優れたポリウレタン樹脂及びエポキシ樹
脂が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08G 65/06 C08G 65/06 (72)発明者 高山 繁久 京都市東山区一橋野本町11番地の1 三洋 化成工業株式会社内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 触媒(D)の存在下で、分子内に2個以
    上の活性水素を有する化合物(A)に、ラクチド類
    (B)と炭素数2以上のアルキレンオキサイド(C)を
    ランダム状に開環共重合させて得られることを特徴とす
    る生分解性熱硬化性樹脂製造用の乳酸変性ポリオール成
    分(I)。
  2. 【請求項2】 該活性水素を有する化合物(A)が水酸
    基、アミノ基、カルボキシル基またはメルカプト基を含
    有する化合物である請求項1記載の熱硬化性樹脂製造用
    の乳酸変性ポリオール成分(I−2)。
  3. 【請求項3】 該活性水素を有する化合物(A)がアミ
    ノ基を含有する化合物である請求項1または2記載の熱
    硬化性樹脂製造用の乳酸変性ポリオール成分(I−
    3)。
  4. 【請求項4】 数平均分子量が400〜30000であ
    る請求項1〜3いずれか記載の乳酸変性ポリオール成分
    (I−4)。
  5. 【請求項5】 該触媒(D)が二塩化スズ(SnC
    2)または2−エチルヘキサン酸スズである請求項1
    〜4いずれか記載の乳酸変性ポリオール成分(I−
    5)。
  6. 【請求項6】 数平均分子量が100〜2500のポリ
    乳酸(E)に炭素数2〜16のアルキレンオキサイド
    (C)を付加重合させて得られるブロックポリマーで、
    数平均分子量が400〜5000であることを特徴とす
    る熱硬化性樹脂製造用の乳酸変性ポリオール成分(I
    I)。
  7. 【請求項7】 該熱硬化性樹脂が熱硬化性ウレタン樹脂
    である請求項1〜6いずれか記載の乳酸変性ポリオール
    成分。
  8. 【請求項8】 該熱硬化性樹脂が熱硬化性エポキシ樹脂
    である請求項1〜6いずれか記載の乳酸変性ポリオール
    成分。
  9. 【請求項9】 請求項1〜5いずれか記載の乳酸変性ポ
    リオール成分(I)または請求項6記載の乳酸変性ポリ
    オール成分(II)を必須成分とすることを特徴とする
    生分解性熱硬化性樹脂。
  10. 【請求項10】 該熱硬化性樹脂が熱硬化性ウレタン樹
    脂である請求項9記載の生分解性熱硬化性樹脂。
  11. 【請求項11】 該熱硬化性樹脂が熱硬化性エポキシ樹
    脂である請求項9記載の生分解性熱硬化性樹脂。
  12. 【請求項12】 請求項1〜5いずれか記載の乳酸変性
    ポリオール成分(I)または請求項6記載の乳酸変性ポ
    リオール成分(II)と、有機ポリイソシアネート(I
    II)から誘導されてなることを特徴とする生分解性ポ
    リウレタン樹脂。
  13. 【請求項13】 請求項1〜5いずれか記載の乳酸変性
    ポリオール成分(I)または請求項6記載の乳酸変性ポ
    リオール成分(II)と、有機ポリイソシアネート(I
    II)を反応させることを特徴とする生分解性ポリウレ
    タン樹脂の製造方法。
  14. 【請求項14】 ポリエポキシ化合物(IV)を、請求
    項1〜5いずれか記載の乳酸変性ポリオール成分(I)
    または請求項6記載の乳酸変性ポリオール成分(II)
    で硬化させてなることを特徴とする生分解性エポキシ樹
    脂。
  15. 【請求項15】 請求項1〜5いずれか記載の乳酸変性
    ポリオール成分(I)または請求項6記載の乳酸変性ポ
    リオール成分(II)と、ポリエポキシ化合物(IV)
    を反応させることを特徴とする生分解性エポキシ樹脂の
    硬化方法。
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