JPH1143059A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置

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Publication number
JPH1143059A
JPH1143059A JP20046597A JP20046597A JPH1143059A JP H1143059 A JPH1143059 A JP H1143059A JP 20046597 A JP20046597 A JP 20046597A JP 20046597 A JP20046597 A JP 20046597A JP H1143059 A JPH1143059 A JP H1143059A
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JP
Japan
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steering
motor
current
speed
electric motor
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Application number
JP20046597A
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English (en)
Inventor
Eiki Noro
栄樹 野呂
Yoshinobu Mukai
良信 向
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Publication date
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Priority to US09/115,586 priority patent/US6026926A/en
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  • Power Steering Mechanism (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ステアリング操作をゆっくり行なった場合で
も安定した操舵補助トルクを電動機から供給することが
できるとともに、操舵系が最大舵角位置へ操舵された際
等に電動機に過大な電流が継続的に供給されるのを防止
する電動パワーステアリング装置を提供する。 【解決手段】 操舵速度演算部22は、電動機電流IM
と電動機電圧EMとに基づいて電動機の回転速度を演算
し、演算した電動機の回転速度を操舵速度VMとして出
力する。過負荷状態検出部51は、電動機電流IM(操
舵トルクに対応して電動機電流が決定される)に基づい
て操舵系に作用する操舵力が所定値以上であり、かつ、
操舵速度VMとが所定値以下であることを検出すると、
過負荷状態検出出力51aを発生する。過負荷防止動作
開始遅延部52は、過負荷状態検出出力51aが所定時
間継続した場合に、例えば0.5の乗算係数を乗算器5
3へ供給して、電動機駆動部24へ供給する補正目標電
流ITHを減少させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電動機の動力を
操舵系に作用させて運転者の操舵力を軽減する電動パワ
ーステアリング装置に係り、詳しくは、操舵系が最大舵
角位置へ操舵された際等に、電動機に過大な電流が継続
的に供給されないようにした電動パワーステアリング装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】操舵力の伝達系に電動機が出力する操舵
補助力(操舵補助トルク)を付与する電動パワーステア
リング装置にあっては、操向ハンドルの操舵角度、操舵
速度、操舵力(操舵トルク)等の操舵情報、ならびに、
車両の車速等の車両の運動情報に応じて電動機に通電す
る電流を制御し、電動機が出力する操舵補助力を手動操
舵力とともにステアリング機構を介して操向車輪に作用
させて操向車輪を転舵させる。
【0003】例えば、ラックアンドピニオン式の電動パ
ワーステアリング装置であれば、手動操舵力と操舵補助
力とをラックに作用させてラックを中立位置から左右の
軸方向へ移動させ、このラックの運動をタイロッド等を
介し操向車輪に伝達して操向車輪を転舵させる。
【0004】ところで、このような電動パワーステアリ
ング装置にあっては、ラックの左右の最大移動位置(以
下、最大舵角位置と記す)でラックをギアケース等に当
接させることで、ラックが最大舵角位置を越えて移動す
るのを禁止するとともに、最大舵角位置を越える方向へ
の操向ハンドルの操作を不可能にしている。
【0005】したがって、ラックが最大舵角位置に位置
する場合には、電動機から補助操舵力を供給する必要は
なく、電動機から出力する操舵補助力を制限して消費電
力の低減を図ることが望ましい。
【0006】実開昭60−193868号公報には、ラ
ックが最大舵角位置に移動したことを検出するマイクロ
スイッチをギアケースに設け、このマイクロスイッチの
出力に基づいて操舵補助力を減少させるようにした電動
パワーステアリング装置が記載されている。
【0007】しかしながら、ラックが最大舵角位置に移
動したことを検出するマイクロスイッチを備える構成
は、ギアケースに設けられたマイクロスイッチと制御装
置との間に配線を設ける必要があること、また、マイク
ロスイッチの取り付け位置に相当の精度が必要とされる
ことから、組立工数が増加する。
【0008】そこで、本出願人は、特開昭64−906
4号公報で、ステアリング(操舵)系の操舵力を検出す
る操舵力検知手段と、ステアリング系の操舵速度を検出
する操舵速度検知手段と、操舵力検知手段により検出さ
れた操舵力が所定を越え、かつ、操舵速度検知手段によ
り検出された操舵速度が所定値以下の時に、電動機へ通
電する電流を減少させる過負荷防止手段とを備えた電動
パワーステアリング装置を提案している。
【0009】図1は電動パワーステアリング装置の一例
を示す模式構造図である。電動パワーステアリング装置
1は、ステアリング系に電動機10を備え、電動機10
から供給される動力を制御装置20を用いて制御するこ
とによって、運転者の操舵力を軽減している。
【0010】ステアリングホイール(操向ハンドル)2
に一体的に設けられたステアリング軸3は、自在継ぎ手
4a,4bを有する連結軸4を介してラック&ピニオン
機構5のピニオン6へ連結される。ラック軸7はピニオ
ン6と噛合するラック歯7aを備える。ラック&ピニオ
ン機構5は、ピニオン6の回動をラック7の軸方向への
往復運動へ変換する。ラック軸7の両端にタイロッド8
を介して転動輪としての左右の前輪9が連結される。ス
テアリングホイール2を操舵すると、ラック&ピニオン
機構5ならびにタイロッド8を介して前輪(操向車輪)
9が揺動される。これにより車両の向きを変えることが
できる。
【0011】操舵力を軽減するために、操舵補助トルク
(アシストトルク)を供給する電動機10をラック軸7
と同軸的に配置し、ラック軸7にほぼ平行に設けられた
ボールねじ機構11を介して電動機10の回動出力を推
力に変換して、ラック軸7に作用させている。電動機1
0のロータには、駆動側ヘリカルギア10aが一体的に
設けられている。ボールねじ機構11のねじ軸11aの
軸端に一体的に設けられてヘリカルギア11bと駆動側
ヘリカルギア10aとを噛合させている。ボールねじ機
構11のナット11cはラック軸7に連結されている。
【0012】ステアリングボックス(図示しない)に設
けられた操舵トルク検出器(操舵トルクセンサ)12に
よってピニオン6に作用する手動操舵トルクを検出し、
検出した操舵トルクに応じた操舵トルク信号Tpを制御
装置20へ供給している。制御装置20は、操舵トルク
信号Tpを主信号として電動機10の運転を行なって、
電動機10の出力パワー(操舵補助トルク)を制御す
る。
【0013】図2は従来の制御装置の一例を示すブロッ
ク構成図である。従来の制御装置20Aは、目標電流演
算部21と、操舵速度演算部22と、過負荷防止部23
と、電動機駆動部24とからなる。符号BATはバッテ
リ電源、符号25は電動機10に流れる電流を検出して
電動機電流信号(以下、電動機電流と記す)IMを出力
する電動機電流検出器、符号26は電動機10に印加さ
れた電圧を検出して電動機電圧信号(以下、電動機電
圧)EMを出力する電動機電圧検出器である。
【0014】目標電流演算部21は、操舵トルク検出器
12から出力される操舵トルク信号Tpに基づいて、操
舵トルクに応じた操舵補助トルクを電動機10から発生
させるために電動機10に供給すべき基本電流値を求め
るとともに、図示しない車速センサによって検出された
車速に応じて基本電流値を補正し、さらに、操舵速度演
算部22から出力される操舵速度信号(以下、操舵速度
と記す)VMに応じて基本電流値を補正し、補正して得
た電動機に供給すべき電流を目標電流値(以下、目標電
流と記す)ITとして出力する。目標電流ITは過負荷
防止部23を介して電動機駆動部24へ供給される。
【0015】操舵速度検出部を構成する操舵速度演算部
22は、電動機電流IMと電動機電圧EMとから電動機
速度VMを数1に基づいて演算で推定し、推定した電動
機速度VMを操舵速度VMとして出力する。
【0016】
【数1】VM=(EM−IM・RM)/Kp ここで、RMは電動機の抵抗値、Kpは誘起電圧係数で
ある。
【0017】電動機速度(電動機の回転速度)と操舵速
度とは一定の関係があるので、数1で演算した電動機速
度を操舵速度VMとして扱うことができる。操舵速度V
Mは、目標電流演算部21ならびに過負荷防止部23へ
供給される。
【0018】なお、電動機電流IMと電動機電圧EMと
から電動機速度VMに相当した操舵速度VMを演算によ
って推定するのではなく、操舵速度演算部22に代えて
ステアリング軸等に操舵速度検出器を設けて、実際の操
舵速度を検出する構成としてもよい。
【0019】過負荷防止部23は、電動機10の過負荷
状態を検出して、過負荷状態では電動機駆動部24へ供
給する目標電流ITを減少させることで、電動機駆動部
24を介して電動機10に供給される電流を減少させ
る。例えば、操舵系が最大舵角位置へ操舵された状態や
前輪(操向車輪)が溝等に挟まって操舵できない状態で
手動操舵トルクが検出されている場合、手動操舵トルク
に応じた操舵補助トルクを発生させるように電動機10
に電流を供給しても、ラック軸はそれ以上移動できない
状態にあるため電動機10も回動できず、無駄な電力を
消費することになるとともに、電動機10が不要に加熱
されることとなり、望ましくない。
【0020】そこで、図2に示す過負荷防止部23は、
過負荷状態検出部31が過負荷状態を検出すると、乗算
器32へ供給する乗算係数Kを通常の値1から0.5以
下に変更することで、電動機駆動部24へ供給する補正
目標電流ITHを減少させるようにしている。ここで、
過負荷状態検出部31は、電動機電流IMが予め設定し
た所定値よりも大きく、かつ、操舵速度VMが予め設定
した操舵速度よりも小さい場合は、過負荷状態であると
判断し、乗算係数Kを通常の値1から0.5以下に変更
するよう構成している。
【0021】電動機駆動部24は、偏差演算部41と、
PID制御部42と、PWM信号生成部43と、ゲート
駆動回路部44と、4個の電力用電界効果トランジスタ
をH型ブリッジ接続した電動機駆動回路45とを備え
る。
【0022】偏差演算部41は、補正目標電流ITHと
電動機電流検出器25で検出した電動機電流IMとの偏
差を求め偏差信号41aを出力する。偏差信号41aは
PID制御部42へ供給される。
【0023】PID制御部42は、偏差信号31aに対
して比例,積分,微分等の処理を施して偏差がゼロに近
づくように電動機10に供給する電流を制御するための
駆動制御信号42aを生成して出力する。駆動制御信号
42aはPWM信号生成部43へ供給される。
【0024】PWM信号生成部43は、駆動制御信号4
2aに基づいて電動機10をPWM運転するためのPW
M(パルス幅変調)信号43aを生成して出力する。P
WM信号43aは、ゲート駆動回路部44へ供給され
る。ゲート駆動回路部44は、PWM信号43aに基づ
いて各電界効果トランジスタのゲートを駆動して各電界
効果トランジスタをスイッチング駆動する。
【0025】以上の構成であるから従来の制御装置20
Aは、操舵トルク検出部12によって検出された操舵ト
ルクTpに基づいてバッテリ電源BATから電動機10
へ供給する電力をPWM制御し、電動機10の出力パワ
ー(操舵補助トルク)を制御するとともに、過負荷防止
部23内の過負荷状態検出部31によって電動機10の
運転状態が過負荷であることが検出されると、電動機駆
動部24へ供給する補正目標電流ITHを減少させるこ
とで、電動機10に供給する電流を減少させる。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図2に
示した従来の制御装置20Aの過負荷防止部23は、電
動機電流IMが予め設定した所定値よりも大きく、か
つ、操舵速度VMが予め設定した操舵速度よりも小さい
場合は、過負荷状態であると判断し、電動機10に供給
する電流を減少させる構成であるため、ステアリング
(操舵)操作をゆっくり行なった場合に、操舵系が最大
舵角位置へ操舵されていないにもかかわらず、過負荷状
態であると誤検出して、電動機10に供給する電流を減
少させてしまうことがある。この誤検出に伴って電動機
10に供給する電流を減少させてしまうと、電動機10
から供給される操舵補助トルクが低減されるため、ステ
アリング操作が重くなり(ハンドルが重くなり)、運転
者の操舵フィーリングを低下させることがある。
【0027】この発明はこのような課題を解決するため
なされたもので、ステアリング操作をゆっくり行なった
場合でも安定した操舵補助トルクを電動機から供給する
ことができるとともに、操舵系が最大舵角位置へ操舵さ
れた際等に電動機に過大な電流が継続的に供給されない
ようにした電動パワーステアリング装置を提供すること
を目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
この発明に係る電動パワーステアリング装置は、操舵系
に操舵補助トルクを付加する電動機に供給する電流を少
なくとも手動操舵トルクに応じて制御する電動パワース
テアリング装置において、操舵系に作用する操舵力が所
定値以上で、かつ、操舵系の操舵速度が所定値以下であ
る状態が所定時間継続した場合に、電動機に供給する電
流を減少させる過負荷防止部を備えたことを特徴とす
る。
【0029】なお、電動機に流れる電流を検出して電動
機電流信号を出力する電動機電流検出器を備えるととも
に、過負荷防止部は、電動機電流信号が所定値以上で、
かつ、操舵系の操舵速度が所定値以下である状態が所定
時間継続した場合に、電動機に供給する電流を減少させ
る構成としてもよい。
【0030】また、電動機に流れる電流を検出して電動
機電流信号を出力する電動機電流検出器、ならびに、電
動機に供給される電圧を検出して電動機電圧信号を出力
する電動機電圧検出器を備えるとともに、電動機電流信
号と電動機電圧信号とに基づいて操舵系の操舵速度を推
定する操舵速度検出部を備え、過負荷防止部は、電動機
電流信号が所定値以上で、かつ、操舵速度検出部で検出
した操舵速度が所定値以下である状態が所定時間継続し
た場合に、電動機に供給する電流を減少させる構成とし
てもよい。
【0031】この発明に係る電動パワーステアリング装
置は、操舵系に作用する操舵力が所定値以上で、かつ、
操舵系の操舵速度が所定値以下である状態が所定時間継
続した場合に、電動機に供給する電流を減少させる過負
荷防止部を備えたので、ステアリング操作をゆっくり行
なうことによって一時的に過負荷状態と判断されても、
電動機に供給する電流が直ちに減少されることはない。
そして、過負荷防止部は、過負荷状態が所定時間継続し
た場合に、電動機に供給する電流を減少させるので、操
舵系が最大舵角位置へ操舵された際等に電動機に過大な
電流が継続的に供給されるのを防止することができる。
【0032】なお、電動機電流信号と電動機電圧信号と
に基づいて操舵系の操舵速度を推定する操舵速度検出部
を備えることで、操舵速度検出器を設けなくても操舵速
度を推定することができる。よって、電動パワーステア
リング装置の構造を簡易なものにすることができる。
【0033】また、過負荷防止部は、電動機電流信号が
所定値以上で、かつ、操舵速度検出部で推定した操舵速
度が所定値以下である状態が所定時間継続した場合に、
電動機に供給する電流を減少させる構成とすることで、
ステアリング系が最大舵角位置に操舵されたことを検出
するマイクロスイッチ等の機械的な検出部を設けなくて
も、ステアリング系が最大舵角位置にあることを検出す
ることができる。よって、電動パワーステアリング装置
の構造を簡易なものにすることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下この発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。電動パワーステアリング装置
の構造は、図1に示したものと基本的に同じであり、そ
の構造ならびに動作については前述した通りである。
【0035】図3はこの発明に係る電動パワーステアリ
ング装置の制御装置のブロック構成図である。図3に示
す制御装置20Bは、目標電流演算部21と、操舵速度
演算部22と、過負荷防止部50と、電動機駆動部24
とからなる。符号BATはバッテリ電源、符号25は電
動機10に流れる電流を検出して電動機電流信号(以
下、電動機電流と記す)IMを出力する電動機電流検出
器、符号26は電動機10に印加された電圧を検出して
電動機電圧信号(以下、電動機電圧)EMを出力する電
動機電圧検出器である。図3に示す制御装置20Bは、
過負荷防止部50の構成が図2に示した従来の制御装置
20Aと異なる。
【0036】目標電流演算部21は、操舵トルク検出器
12から出力される操舵トルク信号Tpに基づいて、操
舵トルクに応じた操舵補助トルクを電動機10から発生
させるために電動機10に供給すべき基本電流値を求め
るとともに、図示しない車速センサによって検出された
車速に応じて基本電流値を補正し、さらに、操舵速度演
算部22から出力される操舵速度信号(以下、操舵速度
と記す)VMに応じて基本電流値を補正し、補正して得
た電動機に供給すべき電流を目標電流値(以下、目標電
流と記す)ITとして出力する。目標電流ITは過負荷
防止部50を介して電動機駆動部24へ供給される。
【0037】操舵速度検出手段を構成する操舵速度演算
部22は、電動機電流IMと電動機電圧EMとから電動
機速度VMを数1に基づいて演算で推定し、推定した電
動機速度VMを操舵速度VMとして出力する。
【0038】電動機速度(電動機の回転速度)と操舵速
度とは一定の関係があるので、電動機速度を操舵速度V
Mとして扱うことができる。操舵速度VMは、目標電流
演算部21ならびに過負荷防止部50へ供給される。
【0039】なお、電動機電流IMと電動機電圧EMと
から電動機速度VMを演算によって推定するのではな
く、操舵速度演算部22に代えてステアリング軸等に操
舵速度検出器を設けて、直接に操舵速度を検出する構成
としてもよい。
【0040】過負荷防止部50は、過負荷状態検出部5
1と、過負荷防止動作開始遅延部52と、乗算器53と
を備える。過負荷防止部50は、電動機10の過負荷状
態を検出して、過負荷状態では電動機駆動部24へ供給
する目標電流ITを減少させることで、電動機駆動部2
4を介して電動機10に供給される電流を減少させる。
例えば、操舵系が最大舵角位置へ操舵された状態や前輪
(操向車輪)が溝等に挟まって操舵できない状態で手動
操舵トルクが検出されている場合、手動操舵トルクに応
じた操舵補助トルクを発生させるように電動機10に電
流を供給しても、ラック軸はそれ以上移動できない状態
にあるため電動機10も回動できず、無駄な電力を消費
することになるとともに、電動機10が不要に加熱され
ることとなり、望ましくない。
【0041】そこで、図3に示す過負荷防止部50は、
過負荷状態検出部51が過負荷状態を検出して過負荷状
態検出出力51aを出力すると、過負荷防止動作開始遅
延部52は過負荷状態検出出力51aが予め設定した時
間Tk(例えば3秒〜10秒)継続した場合に、乗算器
53へ供給する乗算係数Kを例えば、通常の値1から
0.5に変更することで、電動機駆動部24へ供給する
補正目標電流ITHを減少させるようにしている。
【0042】なお、過負荷状態検出部51は、電動機電
流IMが予め設定した所定値よりも大きく、かつ、操舵
速度VMが予め設定した操舵速度よりも小さい場合は、
過負荷状態であると判断し、過負荷状態検出出力51a
を出力する。
【0043】過負荷防止動作開始遅延部52は、過負荷
状態検出出力51aが出力されている状態の継続時間を
監視して、過負荷状態検出出力51aが予め設定した時
間Tk(例えば3秒〜10秒)継続した場合に、乗算器
53へ供給する乗算係数Kを例えば、通常の値1から
0.5に変更する。過負荷防止動作開始遅延部52は、
値が0.5の乗算係数Kを出力している状態で、過負荷
状態検出出力51aが供給されなくなった場合は、乗算
係数Kの値を1に直ちに戻すよう構成している。
【0044】乗算器53は、目標電流演算部21から供
給される目標電流ITに係る値に過負荷防止動作開始遅
延部52から供給される乗算係数Kを乗じて補正目標電
流ITH(=K*IT)を求める。過負荷が検出されて
いない状態(通常の状態)では、乗算係数Kの値は1で
ある。このため、過負荷防止部50は、目標電流ITを
そのまま補正目標電流ITH(=IT)として出力す
る。過負荷が検出された状態では、乗算係数Kの値は
0.5となる。したがって、過負荷防止部50は、過負
荷が検出された状態では、目標電流ITに対してその1
/2の値に減少させた補正目標電流ITH(=0.5*
IT)を電動機駆動部24へ供給する。なお、乗算係数
Kの値は、時間とともに漸減するように構成してもよ
い。
【0045】電動機駆動部24は、偏差演算部41と、
PID制御部42と、PWM信号生成部43と、ゲート
駆動回路部44と、4個の電力用電界効果トランジスタ
をH型ブリッジ接続した電動機駆動回路45とを備え
る。
【0046】偏差演算部41は、補正目標電流ITHと
電動機電流検出器25で検出した電動機電流IMとの偏
差を求め偏差信号41a(=ITH−IM)を出力す
る。偏差信号41aはPID制御部42へ供給される。
【0047】PID制御部42は、偏差信号41aに対
して比例,積分,微分等の処理を施して偏差がゼロに近
づくように電動機10に供給する電流を制御するための
駆動制御信号42aを生成して出力する。駆動制御信号
42aはPWM信号生成部43へ供給される。
【0048】PWM信号生成部43は、駆動制御信号4
2aに基づいて電動機10をPWM運転するためのPW
M(パルス幅変調)信号43aを生成して出力する。P
WM信号43aは、ゲート駆動回路部44へ供給され
る。ゲート駆動回路部44は、PWM信号43aに基づ
いて各電界効果トランジスタのゲートを駆動して各電界
効果トランジスタをスイッチング駆動する。
【0049】以上の構成であるから図3に示した制御装
置20Bは、操舵トルク検出部12によって検出された
操舵トルクTpに基づいてバッテリ電源BATから電動
機10へ供給する電力をPWM制御し、電動機10の出
力パワー(操舵補助トルク)を制御するとともに、過負
荷防止部50内の過負荷状態検出部51によって電動機
10の運転状態が過負荷であることが検出され、さら
に、過負荷防止動作開始遅延部52よって過負荷検出状
態が所定時間(Tk)継続したことが確認されると、電
動機駆動部24へ供給する補正目標電流ITHを減少さ
せることで、電動機10に供給する電流を減少させる。
【0050】よって、ステアリング操作をゆっくり行な
った際に操舵速度演算部22で検出された操舵速度VM
が小さな値となり、これによって過負荷状態検出部51
から過負荷状態検出出力51aが出力されても、直ちに
電動機10に供給される電流が減少され、操舵補助トル
クが低下することはない。
【0051】過負荷防止部50は、過負荷状態検出出力
51aが所定時間(Tk)継続した場合には、電動機駆
動部24へ供給する補正目標電流ITHを減少させるの
で、電動機10に供給される電流は低減される。よっ
て、操舵系が最大舵角位置へ操舵された状態や前輪(操
向車輪)が溝等に挟まって操舵できない状態で手動操舵
トルクが検出されている場合であっても、電動機に過大
な電流が継続的に供給されることを防止することができ
る。
【0052】図4はこの発明に係る電動パワーステアリ
ング装置の他の制御装置のブロック構成図である。図4
に示す制御装置20Cは、過負荷防止部60内の過負荷
状態検出部61の構成が図3に示したものと異なる。図
3に示した過負荷防止状態検出部51は、電動機電流I
Mに基づいて操舵系に作用する操舵力が所定値以上であ
ることを検出する構成としている。制御装置は、操舵ト
ルクTpに対応した操舵補助トルクを電動機10から発
生させるように電動機電流IMを制御しているので、電
動機電流IMは操舵トルクに対応した信号である。した
がって、電動機電流IMが所定値を越えたことをもっ
て、操舵系に作用する操舵力が所定値以上であることを
検出することができる。
【0053】これに対して、図4に示す過負荷状態検出
部61は、操舵トルク信号Tpに基づいて操舵系に作用
する操舵力が所定値以上であることを検出するようにし
たものである。図4に示す過負荷状態検出部61は、操
舵トルク信号Tpが予め設定した所定値よりも大きく、
かつ、操舵速度VMが予め設定した操舵速度よりも小さ
い場合は、過負荷状態であると判断し、過負荷状態検出
出力51aを出力する。
【0054】図2〜図4では、補正目標電流ITHと電
動機電流IMとの偏差に基づいて電動機電流をフィード
バック制御する電動機駆動部24を備えた構成を示した
が、電動機電流に基づくフィードバック制御を行なわな
い構成をとる場合は、電動機電流検出器25を必ずしも
設ける必要がない。電動機電流検出器25を備えない構
成では、図4に示したように、操舵トルク信号Tpが予
め設定した所定値よりも大きく、かつ、操舵速度VMが
予め設定した操舵速度よりも小さい場合は、過負荷状態
であると判断し、過負荷状態検出出力51aを出力する
過負荷状態検出部61を用いる構成とすることで、過負
荷状態を検出することができる。
【0055】なお、過負荷状態検出部51,61は、目
標電流ITに基づいて操舵系に作用する操舵力が所定値
以上であることを検出する構成としてもよい。
【0056】また、電動機電流IMと電動機電圧EMと
から操舵速度VMを演算によって求めるのではなく、ス
テアリング軸等に操舵速度検出器を設けて、操舵速度を
検出する構成としてもよい。
【0057】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明に係る電動
パワーステアリング装置は、操舵系に作用する操舵力が
所定値以上で、かつ、操舵系の操舵速度が所定値以下で
ある状態が所定時間継続した場合に、電動機に供給する
電流を減少させる過負荷防止部を備えたので、ステアリ
ング操作をゆっくり行なったことによって一時的に過負
荷状態と判断されても、電動機に供給する電流が直ちに
減少されることはない。そして、過負荷防止部は、過負
荷状態が所定時間継続した場合に、電動機に供給する電
流を減少させるので、操舵系が最大舵角位置へ操舵され
た際等に電動機に過大な電流が継続的に供給されるのを
防止することができる。
【0058】なお、電動機電流信号と電動機電圧信号と
に基づいて操舵系の操舵速度を演算で推定する操舵速度
検出部を備えることで、操舵速度検出器を設けなくても
操舵速度を検出することができる。よって、電動パワー
ステアリング装置の構造を簡易なものにすることができ
る。
【0059】また、過負荷防止部は、電動機電流信号が
所定値以上で、かつ、操舵速度検出部で推定した操舵速
度が所定値以下である状態が所定時間継続した場合に、
電動機に供給する電流を減少させる構成とすることで、
ステアリング系が最大舵角位置に操舵されたことを検出
するマイクロスイッチ等の機械的な検出部を設けなくて
も、ステアリング系が最大舵角位置にあることを検出す
ることができる。よって、電動パワーステアリング装置
の構造を簡易なものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電動パワーステアリング装置の模式構造図
【図2】従来の制御装置のブロック構成図
【図3】この発明に係る制御装置のブロック構成図
【図4】この発明に係る他の制御装置のブロック構成図
【符号の説明】
1…電動パワーステアリング装置、10…電動機、12
…操舵トルク検出器、20,20A,20B,20C…
制御装置、21…目標電流演算部、22…操舵速度演算
部、23,50,60…過負荷防止部、24…電動機駆
動部、25…電動機電流検出部、26…電動機電圧検出
部、31,51,61…過負荷状態検出部、52…過負
荷防止動作開始遅延部、32,53…乗算器、EM…電
動機電圧、IM…電動機電流、IT…目標電流、ITH
…補正目標電流、K…乗算係数、VM…操舵速度。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操舵系に操舵補助トルクを付加する電動
    機に供給する電流を少なくとも手動操舵トルクに応じて
    制御する電動パワーステアリング装置において、 前記操舵系に作用する操舵力が所定値以上で、かつ、前
    記操舵系の操舵速度が所定値以下である状態が所定時間
    継続した場合に、前記電動機に供給する電流を減少させ
    る過負荷防止部を備えたことを特徴とする電動パワース
    テアリング装置。
  2. 【請求項2】 前記電動機に流れる電流を検出して電動
    機電流信号を出力する電動機電流検出器を備えるととも
    に、 前記過負荷防止部は、前記電動機電流信号が所定値以上
    で、かつ、前記操舵系の操舵速度が所定値以下である状
    態が所定時間継続した場合に、前記電動機に供給する電
    流を減少させることを特徴とする請求項1記載の電動パ
    ワーステアリング装置。
  3. 【請求項3】 前記電動機に流れる電流を検出して電動
    機電流信号を出力する電動機電流検出器、ならびに、前
    記電動機に供給される電圧を検出して電動機電圧信号を
    出力する電動機電圧検出器を備えるとともに、 前記電動機電流信号と前記電動機電圧信号とに基づいて
    前記操舵系の操舵速度を推定する操舵速度検出部を備
    え、 前記過負荷防止部は、前記電動機電流信号が所定値以上
    で、かつ、前記操舵速度検出部で推定した操舵速度が所
    定値以下である状態が所定時間継続した場合に、前記電
    動機に供給する電流を減少させることを特徴とする請求
    項1記載の電動パワーステアリング装置。
JP20046597A 1997-07-25 1997-07-25 電動パワーステアリング装置 Pending JPH1143059A (ja)

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