JP2006205895A - 車両の操舵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電源電圧回路部を大規模にすることなく、ステアリングギヤ比が変更されても、電動モータに所望のトルクを発生させることができるようにする。
【解決手段】 マイクロコンピュータ部51は、駆動回路53を介して電動モータ31の回転を制御することにより、ステアリングギヤ比を変更する。マイクロコンピュータ部61は、駆動回路63を介して電動モータ31を駆動制御することにより、運転者による操舵ハンドル11の回動操作をアシストする。目標電圧演算部61eは、ギヤ比演算部51によって計算されたステアリングギヤ比と操舵ハンドル11の操舵速度に応じて目標電圧を計算し、昇圧回路62による駆動回路63のための電源電圧を目標電圧に応じて制御する。温度推定部61gは昇圧回路62を構成する電気部品の温度を推定し、この推定温度が高くなったとき、ギヤ比変更指示部61hがステアリングギヤ比の変更を指示する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ステアリングギヤ比可変装置および電動パワーステアリング装置を備えた車両の操舵装置に関する。
従来から、操舵ハンドルの操舵角と操舵輪の切れ角との比を電気アクチュエータによって可変とするステアリングギヤ比可変装置を備えるとともに、運転者による操舵ハンドルの回動操作を電気アクチュエータによってアシストする電動パワーステアリング装置を備えた車両の操舵装置は知られている(例えば、下記特許文献1〜3参照)。
特開2004−256018号公報 特許第3344474号公報 特開平8−1587号公報
しかし、上記従来の車両の操舵装置にあっては、操舵ハンドルの操舵角と操舵輪の切れ角との比すなわちステアリングギヤ比の変更により、操舵ハンドルの回動に応じた操舵軸の出力部(すなわちピニオンギヤ)の回転速度が非常に速くなることがある。この場合、電動パワーステアリング装置内の電気アクチュエータ(すなわち電動モータ)の回転速度が速くなり、電動モータの逆起電圧により有効な端子電圧が低下し、電動モータが所望のトルクを発生できなくなる場合がある。また、電動パワーステアリング装置内の電気アクチュエータ(すなわち電動モータ)に常に高い電源電圧を付与しておけば、前記問題を回避することはできるが、これでは電源電圧回路部が大規模なものとなってしまう。
本発明は、上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、電源電圧回路部を大規模にすることなく、ステアリングギヤ比可変装置おけるステアリングギヤ比が変更されても、電気アクチュエータに所望のトルクを発生させることができる車両の操舵装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、操舵ハンドルの操舵角と操舵輪の切れ角との比を電気アクチュエータによって可変とするステアリングギヤ比可変装置と、運転者による操舵ハンドルの回動操作を電気アクチュエータによってアシストする電動パワーステアリング装置とを備えた車両の操舵装置において、ステアリングギヤ比可変装置による操舵ハンドルの操舵角と操舵輪の切れ角との比の変更に応じて、電動パワーステアリング装置内の電気アクチュエータを駆動制御するための電源電圧を変更する電源電圧変更回路部を電動パワーステアリング装置内に設けたことにある。
前記のように構成した本発明の特徴によれば、操舵ハンドルの操舵角と操舵輪の切れ角との比すなわちステアリングギヤ比が変更されると、電源電圧変更回路部の作用により、電動パワーステアリング装置内の電気アクチュエータを駆動制御するための電源電圧が自動的に変更される。具体的には、操舵輪の切れ角に対する操舵ハンドルの操舵角の比の値が小さい側に変更されて、操舵ハンドルの回動に応じた操舵軸の出力部(すなわちピニオンギヤ)の回転速度が速くなった場合には、前記電源電圧が高められる。したがって、本発明の特徴によれば、操舵ハンドルの回動に応じた操舵軸の出力部の回転速度が速くなって電気アクチュエータの逆起電圧が高くなっても、電気アクチュエータに対して有効な端子電圧が高く保たれ、電気アクチュエータは常に所望のトルクを発生できる。また、電気アクチュエータに常に高い電源電圧を付与しておくわけではないので、電源電圧回路部を小さく抑えることができる。
また、本発明の他の特徴は、電源電圧変更回路部は、さらに、操舵ハンドルの操舵速度を検出して、前記検出した操舵速度が速くなるに従って電源電圧を上昇させるようにしたことにある。これによれば、操舵ハンドルの操舵速度が速くなって電気アクチュエータの逆起電圧がより高くなっても、これに追従して電源電圧がより高くなるので、前記効果をより良好に満足させることができる。
さらに、本発明の他の特徴は、電動パワーステアリング装置が、さらに、電源電圧変更回路部の温度を推定して、前記推定した温度が所定温度よりも高くなったときステアリングギヤ比可変装置による操舵ハンドルの操舵角と操舵輪の切れ角との比の変更を指示するギヤ比変更指示手段を備えたことにある。これにより、電気アクチュエータへの電源電圧の上昇によって電源電圧変更回路部の温度が高くなり、電源電圧変更回路部の適切な動作を期待できなくなった場合には、ステアリングギヤ比可変装置による操舵ハンドルの操舵角と操舵輪の切れ角との比の変更が指示される。具体的には、操舵輪の切れ角に対する操舵ハンドルの操舵角の比の値が大きくなるように指示される。これにより、操舵ハンドルの操舵操作に応じた操舵軸の出力部(すなわちピニオンギヤ)の回転速度が小さく抑えられ、電気アクチュエータによる逆起電圧も小さく抑えられるとともに、電源電圧変更回路部による電気アクチュエータへの電源電圧の上昇制御も抑制される。その結果、本発明の他の特徴によれば、電源電圧変更回路部の保護を図ることできる。
以下、本発明の一実施形態について図面を用いて説明すると、図1は、同実施形態に係る車両の操舵装置を概略的に示している。
この車両の操舵装置は、運転者によって回動操作される操舵ハンドル11を有する。操舵ハンドル11には、上下に2分割した操舵軸12a,12bの上端部が接続されている。操舵軸12a,12bの下端部にはピニオンギヤ13が設けられ、同ピニオンギヤ13にはラックバー14が噛み合っている。ラックバー14は左右に延設され、その両端にて操舵輪としての左右前輪15a,15bを操舵可能に連結していて、軸線方向の変位により左右前輪15a,15bを操舵する。したがって、操舵ハンドル11の回動は、操舵軸12a,12bおよびピニオンギヤ13を介してラックバー14に伝達されて、ラックバー14を軸線方向に変位させて、左右前輪15a,15bを操舵する。
操舵軸12a,12b間には、左右前輪15a,15bの切れ角に対する操舵ハンドル11の操舵角θs(すなわち回転角θs)の比の値であるステアリングギヤ比Rを変更するための、言い換えれば下側の操舵軸12bに対する上側の操舵軸12aの回転角の比の値を可変とするためのステアリングギヤ比可変機構20が介装されている。ステアリングギヤ比可変機構20は、操舵軸12aの下端部に一体回転するように接続された円筒状のケーシング21を備えている。このケーシング21内には、電気アクチュエータを構成する電動モータ22が固定されている。電動モータ22の出力軸22aは、ケーシング21に回転可能に支持されていて、下端にて操舵軸12bに一体回転可能に接続されている。電動モータ22は減速機構を内蔵していて、電動モータ22の回転は減速されてその出力軸22aに出力される。なお、電動モータ22は、例えば3相交流モータで構成されている。
ラックバー14には、操舵機構による左右前輪15a,15bの操舵をアシストするための操舵アシスト機構30が設けられている。操舵アシスト機構30は、電気アクチュエータとしての電動モータ31を有する。電動モータ31の回転はボールねじ機構32によってラックバー14の軸線方向の運動に変換されてラックバー14に伝達され、ラックバー14は電動モータ31の回転によって軸線方向に駆動される。なお、電動モータ31も、例えば3相交流モータで構成されている。
また、前記操舵機構内には、操舵角センサ41、操舵トルクセンサ42および相対角センサ43も組み込まれている。操舵角センサ41は、操舵軸12aに組み付けられていて、操舵ハンドル11の回転角すなわち操舵角θsを検出する。操舵トルクセンサ42は、操舵軸12bの下端部に組み付けられていて、ラックバー14および操舵軸12bに作用するトルク、すなわち左右前輪15a,15bの操舵に伴う操舵トルクTrを検出する。相対角センサ43は、電動モータ22の出力軸22aに組み付けられていて、出力軸22aおよび操舵軸12bのケーシング21に対する回転角Δθvを検出する。なお、ラックバー14に対するピニオンギヤ13(すなわち操舵軸12b)の回転角は、操舵角θsと操舵軸12bのケーシング21に対する回転角Δθvの和に等しく、この回転角Δθvは操舵軸12aに対する操舵軸12bの相対的な回転角を意味し、以降、相対角Δθvという。また、操舵角θs、操舵トルクTrおよび相対角Δθにおいては、正により左方向の角度およびトルクを表し、負により右方向の角度およびトルクを表す。
電動モータ22は、ステアリングギヤ比可変機構10と共にステアリングギヤ比可変装置を構成するステアリングギヤ比電気制御回路50によって制御される。ステアリングギヤ比電気制御回路50は、マイクロコンピュータ部51、昇圧回路52および駆動回路(例えば、インバータ回路)53からなる。マイクロコンピュータ部51は、CPU,ROM,RAMなどからなるマイクロコンピュータを主要構成部品とするもので、プログラムの実行により、操舵角センサ41からの操舵角θsおよび相対角センサ43からの相対角Δθvを入力するとともに、車速センサ44からの車速Vを入力して、駆動回路53を制御して電動モータ52を駆動制御する。昇圧回路52は、バッテリ45からの直流電圧を昇圧して、昇圧した電圧を電源電圧として駆動回路53に供給する。
電動モータ31は、操舵アシスト機構30と共にパワーステアリング装置を構成するパワーステアリング電気制御回路60によって制御される。パワーステアリング電気制御回路60は、マイクロコンピュータ部61、昇圧回路62、駆動回路(例えば、インバータ回路)63およびA/D変換器64からなる。マイクロコンピュータ部61も、CPU,ROM,RAMなどからなるマイクロコンピュータを主要構成部品とするもので、プログラムの実行により、操舵角センサ41からの操舵角θsおよび操舵トルクセンサ42からの操舵トルクTrを入力するとともに、車速センサ44からの車速Vを入力して、駆動回路63を制御して電動モータ31を駆動制御する。昇圧回路62は、マイクロコンピュータ部61によって制御されて、バッテリ45からの直流電圧を可変昇圧して、昇圧した電圧を電源電圧として駆動回路63に供給する。駆動回路63には、電動モータ31に流れる駆動電流を検出する電流センサ63が設けられている。A/D変換器64は、電流センサ63aによって検出された駆動電流を表すアナログ電圧をディジタル値に変換してマイクロコンピュータ部61に供給する。
これらのマイクロコンピュータ部51,61は、通信ラインを介してデータを選択的に互いに授受する。なお、マイクロコンピュータ部51,61内の各ブロックは、プログラムの実行により実現される機能を表すもので、プログラムを表すフローチャートに代わるものであり、以下の動作説明にて詳しく説明する。
マイクロコンピュータ部51は、目標相対角演算部51aにて、車速センサ44からの車速Vと、操舵角センサ41からの操舵角θsとを入力する。目標相対角演算部51aは、入力した操舵角θsおよび車速Vを用いて、下記式1の演算の実行により目標相対角Δθv*を計算する。なお、下記式1中の係数K1は予め決められた定数である。係数Kvは、マイクロコンピュータ部51のROM内に設けられた車速−係数テーブル(図2参照)を参照することにより、車速Vが増加するに従って「1.0」より大きな所定値から「1.0」に徐々に減少する値に決定される。
Δθv*=K1・(Kv−1)・θs …式1
なお、この車速−係数テーブルに代わる関数式を用いて、車速Vに対応する係数Kvを計算するようにしてもよい。また、目標相対角Δθv*の計算においては、前記式1に代えて、車両のヨーレートおよび横加速度をも考慮するようにしてもよい。
前記計算された目標相対角Δθv*はフィードバック制御部51bに供給される。フィードバック制御部51bは、目標相対角Δθv*から、相対角センサ43からの相対角Δθvを減算した減算値Δθv*−Δθvに応じたフィードバック制御信号を駆動回路53に供給する。駆動回路53は、昇圧回路52から電源電圧を入力しており、前記フィードバック制御部51bから供給されるフィードバック制御信号に応じて電動モータ21の回転を制御して、操舵軸12bを目標相対角Δθv*まで回転させる。
この制御が、本発明のステアリングギヤ比可変装置によるステアリングギヤの可変制御に対応する。この状態では、操舵角(すなわち、操舵軸12aの基準回転位置からの回転角)がθsであれば、操舵軸12bの回転角はθs+Δθv*となり、左右前輪15a,15bはこの回転角θs+Δθv*に比例した切れ角だけ操舵される。したがって、車速Vが小さいほど操舵ハンドル11の回転に対して左右前輪15a,15bは大きく操舵される。すなわち、ステアリングギヤ比Rは、車速Vが小さくなるに従って小さくなり、車両の小回り性能が良好になる。また、高速走行時における車両の走行安定性が良好になる。
一方、マイクロコンピュータ部61は、目標アシストトルク演算部61aにて、操舵トルクセンサ42からの操舵トルクTrと、車速センサ44からの車速Vとを入力する。目標アシストトルク演算部61aは、前記入力した操舵トルクTrおよび車速Vを用いて目標アシストトルクTr*を計算する。この計算においては、マイクロコンピュータ部61のROM内に設けた操舵トルク−目標アシストトルクテーブルが参照される。この操舵トルク−目標アシストトルクテーブルは、図3に示すように、操舵トルクTrの増加に従って増加する目標アシストトルクTr*を記憶しているもので、さらに、この目標アシストトルクTr*は車速Vが小さくなるほどその絶対値が大きな値となる。なお、この操舵トルク−目標アシストトルクテーブルに代わる関数式を用いて、操舵トルクTrと車速Vに応じて変化する目標アシストトルクTr*を計算するようにしてもよい。
この目標アシストトルクTr*は、トルク−電流変換部61bに供給される。トルク−電流変換部61bは、目標アシストトルクTr*を、同トルクTr*を発生するために必要な電動モータ31の駆動電流に変換して、目標駆動電流I*としてフィードバック制御部61cに供給する。この目標アシストトルクTr*から目標駆動電流I*の変換においては、目標アシストトルクTr*に比例した値が目標駆動電流I*として計算される。
そして、フィードバック制御部61cは、目標駆動電流I*から、電流センサ63aによって検出されてA/D変換器64によってA/D変換されたモータ電流値Imを減算した減算値I*−Imに応じたフィードバック制御信号を駆動回路63に供給する。駆動回路63は、昇圧回路62から電源電圧を入力しており、前記フィードバック制御部61cから供給されるフィードバック制御信号に応じて電動モータ31の回転を制御し、電動モータ31は、ボールねじ機構32を介して、目標アシストトルクTr*に等しいトルクでラックバー14を軸線方向に駆動する。
この制御が、本発明の電動パワーステアリング装置による操舵アシスト制御に対応する。その結果、ラックバー14は目標アシストトルクTr*に対応した駆動力で軸線方向に駆動されて、操舵ハンドル11の回動操作に伴う左右前輪15a,15bの操舵をアシストする。目標アシストトルクTr*は、前記検出した操舵トルクTrが大きくなるに従って大きくなるので、運転手は、適度にアシストされながら操舵ハンドル11を回動操作できる。また、目標アシストトルクTr*は、車速Vの増加に従って小さくなるので、低速走行時における車両の旋回性能が良好になるとともに、高速走行時における車両の走行安定性が良好となる。
また、昇圧回路62は、操舵速度演算部61d、目標電圧演算部61eおよび昇圧制御部61fにより制御されて、駆動回路63に供給する電源電圧を可変制御する。操舵速度演算部61dは、操舵角センサ41からの操舵角θsを時間微分することにより操舵ハンドル11の回転速度すなわち操舵速度dθs/dtを計算して目標電圧演算部61eに供給する。目標電圧演算部61eには、マイクロコンピュータ部51のギヤ比演算部51cにて計算されたステアリングギヤ比Rも入力されている。ギヤ比演算部51cは、操舵角センサ41からの操舵角θsと相対角センサΔθとを用いて、下記式2の演算の実行によって計算される。
R=θs/K2・(θs+Δθ) …式2
なお、係数K2は、操舵軸12bの回転角θs+Δθを、左右前輪15a,15bの切れ角に変換するための係数である。
目標電圧演算部61eは、前記入力した操舵速度dθs/dtおよびステアリングギヤ比Rを用いて目標電圧E*を計算する。この計算においては、マイクロコンピュータ部61のROM内に設けた操舵速度−目標電圧テーブルが参照される。この操舵速度−目標電圧テーブルは、図4に示すように、操舵速度dθs/dtの絶対値|dθs/dt|の増加に従って増加する目標電圧E*を記憶しているもので、さらに、この目標電圧E*はステアリングギヤ比Rが小さくなるほど大きな値となる。なお、この操舵速度−目標電圧テーブルに代わる関数式を用いて、操舵速度dθs/dtとステアリングギヤ比Rに応じて変化する目標電圧E*を計算するようにしてもよい。
このようにして計算された目標電圧E*は昇圧制御部61fに供給される。昇圧制御部61fは、目標電圧E*に応じて昇圧回路62の昇圧比を制御する。具体的には、目標電圧E*が大きくなるに従って昇圧比が大きくなるように昇圧回路62を制御する。これにより、ステアリングギヤ比Rが小さい側に変更されて、操舵ハンドル11の回動に応じた操舵軸12bの回転速度が速くなる場合には、昇圧回路62から駆動回路63に供給される電源電圧が高くなる。したがって、このような操舵軸12の回転速度が速くなって電動モータ31の逆起電圧が高くなっても、電動モータ31に対して有効な端子電圧が高く保たれ、電動モータ31は常に所望のトルクを発生できる。また、昇圧回路62は駆動回路63に常に高い電源電圧を付与しておくわけではないので、バッテリ45および昇圧回路62からなる電源電圧回路部を小さく抑えることができる。
また、操舵速度dθs/dtの絶対値|dθs/dt|が大きくなるに従って、すなわち操舵ハンドル11の操舵速度が速くなった場合にも、昇圧回路62は大きな昇圧比で昇圧した電源電圧を駆動回路63に供給する。これにより、操舵ハンドル11の操舵速度が速くて電動モータ31の逆起電圧がより高くなっても、これに追従して駆動回路63に供給される電源電圧がより高くなるので、前記効果をより良好に満足させることができる。
また、マイクロコンピュータ部61は、温度推定部61gおよびギヤ比変更指示部61hも備えている。温度推定部61gは、A/D変換器64から電動モータ31に流れているモータ電流値Imと、目標電圧演算部61eにて計算された目標電圧E*(すなわち駆動回路63に供給される電源電圧)を入力して、昇圧回路62を構成する電気部品の温度を推定する。この温度の推定においては、前記モータ電流値Imと目標電圧E*との積を積分することにより電力量に応じた昇圧回路62の温度上昇分を計算し、自然冷却を考慮して前記電気部品の温度を推定する。なお、この温度推定演算に代えて、昇圧回路62を構成する電気部品の近傍に温度センサを配置して、前記電気部品の温度を推定するようにしてもよい。この推定温度は、ギヤ比変更指示部61hに供給される。
ギヤ比変更指示部61hは、供給された推定温度と予め決められた所定温度とを比較して、推定温度が所定温度を超えると、目標相対角Δθ*を小さくするためのギヤ比変更指示信号をマイクロコンピュータ部51の目標相対角演算部51aに出力する。これにより、目標相対角演算部51は、車速Vおよび操舵角θsに基づいて計算される目標相対角Δθ*を、前記車速Vおよび操舵角θsとは無関係に小さな値に設定する。目標相対角Δθ*を小さくすることは、前記式2からも明らかなようにステアリングギヤ比Rを大きくすることを意味し、この目標相対角Δθ*の制御が本発明のステアリングギヤ比Rの変更指示に対応する。
このような制御により、駆動回路63への電源電圧の上昇によって昇圧回路62の温度が高くなり、昇圧回路62の適切な動作を期待できなくなった場合には、ステアリングギヤ比Rが大きな値に設定されて、操舵ハンドル11の回動に従った操舵軸12bの回転速度が小さく抑えられる。したがって、目標電圧演算部61eにて計算される目標電圧E*が小さく抑えられて昇圧回路62による昇圧も小さく抑えられとともに、操舵軸12bの回転速度も低く抑えられて電動モータ31の逆起電圧も小さく抑えられる。その結果、昇圧回路62の昇圧動作による発熱が抑えられるので、昇圧回路62の保護を図ることできる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の実施にあたっては、上記実施形態およびその変形例に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態においては、マイクロコンピュータ部51,61をステアリングギヤ比電気制御回路50およびパワーステアリング電気制御回路60にそれぞれ設けるようにした。しかし、これらのマイクロコンピュータ部51,61を1つの共通のマイクロコンピュータを有するように構成して、ステアリングギヤ比電気制御回路50およびパワーステアリング電気制御回路60を一体的に構成するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、ケーシング21内に固定した電動モータ22を回転させることにより、操舵軸12bを操舵軸12aに対して相対的に回動させてステアリングギヤ比を可変するようにした。しかし、これに代えて、操舵軸12aと操舵軸12bとの間に遊星歯車機構を介在させて、電動モータにより遊星歯車機構のギヤ比を変えて操舵軸12aと操舵軸12bとの回転比を可変にするようにしてもよい。
また、上記実施形態では、ラックバー14に組み付けた操舵アシスト用の電動モータ31によってアシストトルクを付与するようにした。しかし、これに代えて、操舵軸12bに操舵アシスト用の電動モータを組み付けるようにして、電動モータによって操舵軸12bを軸線周りに回転駆動して、操舵ハンドル11の操舵操作に対してアシスト力を付与するようにしてもよい。
さらに、上記実施形態においては、操舵ハンドル11として回動操作されるものを採用した。しかし、この操舵ハンドル11に代えて、例えばジョイスティックなどのように直線的な操作により左右前輪FW1,FW2を操舵させる操舵ハンドルを利用した車両の操舵装置にも本発明は適用される。この場合、電動モータは、その回転により、ジョイスティックの直線的な操舵操作をアシストする。
本発明の一実施形態に係る車両の操舵装置の全体概略図である。 車速Vと係数Kvとの関係を示すグラフである。 操舵トルクTrと、車速Vと、目標アシストトルクTr*との関係を示すグラフである。 操舵速度dθs/dtと、ステアリングギヤ比Rと、目標電圧E*との関係を示すグラフである。
符号の説明
11…操舵ハンドル、12a,12b…操舵軸、13…ピニオンギヤ、14…ラックバー、15a,15b…左右前輪、20…ステアリングギヤ比可変機構、22…電動モータ、30…操舵アシスト機構、31…電動モータ、41…操舵角センサ、42…操舵トルクセンサ、43…相対角センサ、44…車速センサ、50…ステアリングギヤ比電気制御回路、60…パワーステアリング電気制御回路、51,61…マイクロコンピュータ部、52,62…昇圧回路、53,63…駆動回路。

Claims (3)

  1. 操舵ハンドルの操舵角と操舵輪の切れ角との比を電気アクチュエータによって可変とするステアリングギヤ比可変装置と、運転者による操舵ハンドルの回動操作を電気アクチュエータによってアシストする電動パワーステアリング装置とを備えた車両の操舵装置において、
    前記ステアリングギヤ比可変装置による操舵ハンドルの操舵角と操舵輪の切れ角との比の変更に応じて、前記電動パワーステアリング装置内の電気アクチュエータを駆動制御するための電源電圧を変更する電源電圧変更回路部を前記電動パワーステアリング装置内に設けたことを特徴とする車両の操舵装置。
  2. 前記電源電圧変更回路部は、さらに、操舵ハンドルの操舵速度を検出して、前記検出した操舵速度が速くなるに従って前記電源電圧を上昇させるものである請求項1に記載した車両の操舵装置。
  3. 前記電動パワーステアリング装置は、さらに、前記電源電圧変更回路部の温度を推定して、前記推定した温度が所定温度よりも高くなったとき前記ステアリングギヤ比可変装置による操舵ハンドルの操舵角と操舵輪の切れ角との比の変更を指示するギヤ比変更指示手段を備えたことを特徴とする車両の操舵装置。
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