JPH1141877A - 回転子の製造方法および製造装置 - Google Patents

回転子の製造方法および製造装置

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JPH1141877A
JPH1141877A JP34098197A JP34098197A JPH1141877A JP H1141877 A JPH1141877 A JP H1141877A JP 34098197 A JP34098197 A JP 34098197A JP 34098197 A JP34098197 A JP 34098197A JP H1141877 A JPH1141877 A JP H1141877A
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slot insulator
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晃二 片平
Norimasa Okada
憲政 岡田
Yasuhiro Ono
小野  康浩
Tatsuo Goto
辰夫 後藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電機子鉄心のスロットに対する下層スロット
絶縁体4の位置ずれを防止して、下層スロット絶縁体4
と下層コイル導体8とを確実に電機子鉄心に組み付ける
ことのできる回転子の製造方法および製造装置を提供す
ること。 【解決手段】 下層スロット絶縁体4は、組合せ用治具
のスロット絶縁体保持部18に保持される。下層コイル
導体8は、組合せ用治具のコイル挿入用通路16に挿入
され、第1のコイル挿入矢17で押し込まれて下層スロ
ット絶縁体4と一体に組み合わされた後、コイル保持具
11のコイル組付用通路27内にセットされる。コイル
保持具11は、電機子鉄心とともにコイル挿入装置に取
り付けられ、コイル組付用通路27内にセットされてい
る下層コイル導体8が押されることにより、下層スロッ
ト絶縁体4と下層コイル辺8aとが一体に電機子鉄心の
スロット内へ挿入される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スロット絶縁体と
コイル導体とを電機子鉄心に組み付けて製造される回転
子の製造方法および製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術として、特願平7−32698
3号に記載された「回転電機の回転子の製造方法」があ
る。この先願には、直線状のコイル辺と一対のコイル端
部とを有する略コの字状のコイル導体(下層コイル導体
と上層コイル導体)と、電機子鉄心のスロット内に挿入
されるコイル辺を電機子鉄心より絶縁するスロット絶縁
体(下層スロット絶縁体と上層スロット絶縁体)とを電
機子鉄心に組み付ける方法が記載されている。この組付
方法を以下に説明する。先ず、電機子鉄心の両端面に一
対の円盤状内側絶縁体を配置する。続いて、下層スロッ
ト絶縁体を電機子鉄心の径方向外周側あるいは軸方向か
らスロット内に挿入した後、下層コイル辺を電機子鉄心
の径方向外周側からスロット内(下層スロット絶縁体の
内側)に挿入して下層コイル導体を電機子鉄心に組み付
ける。
【0003】次に、下層コイル端部の先端部から軸方向
に延びる下層コイル突出部の外径に一対の円盤状外側絶
縁体を配置する。続いて、上層スロット絶縁体を電機子
鉄心の径方向外周側あるいは軸方向から、既にスロット
内に挿入されている下層コイル辺の外周側に挿入した
後、、上層コイル辺を電機子鉄心の径方向外周側からス
ロット内(上層スロット絶縁体の内側)に挿入して上層
コイル導体を電機子鉄心に組み付ける。なお、前記の円
盤状内側絶縁体は、電機子鉄心の端面から下層コイル導
体のコイル端部を絶縁するものであり、円盤状外側絶縁
体は、下層コイル導体のコイル端部と上層コイル導体の
コイル端部との間に介在されて両者を絶縁するととも
に、高速回転時に下層コイル端部が径方向外側へ拡がろ
うとするのを規制して遠心強度を確保することができ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の組付
方法では、スロット絶縁体を電機子鉄心のスロット内に
挿入した後、コイル導体のコイル辺をスロット内に挿入
するために以下の問題があった。即ち、電機子鉄心のス
ロットに対してスロット絶縁体の軸方向の位置決めが成
されていないため、スロット内でスロット絶縁体が軸方
向にずれてしまう可能性がある。この場合、例えば下層
スロット絶縁体では、軸方向長さがスロットの長さ(電
機子鉄心の軸方向長さ)+一対の円盤状内側絶縁体の厚
みと略等しいため、スロット内で下層スロット絶縁体が
軸方向にずれると、電機子鉄心の両端面に配された一対
の円盤状内側絶縁体の何方か一方の端面より下層スロッ
ト絶縁体の一方の端部が突出する。この状態で下層コイ
ル導体をスロット内に挿入しようとすると、図29に示
すように、突出した下層スロット絶縁体4の一方の端部
に下層コイル導体8のコイル端部8bが干渉してスロッ
ト3a内にコイル辺8aを確実に挿入できなくなる恐れ
がある。
【0005】特に、絶縁性を高めるために下層スロット
絶縁体の軸方向長さを下層コイル辺の長さより若干大き
く設定した場合には、下層スロット絶縁体の軸方向のず
れによる影響が大きくなる。その結果、例えば下層スロ
ット絶縁体が薄膜状の柔らかい材質で作られていると、
下層コイル端部との干渉によって下層スロット絶縁体が
容易に変形したり破れたりする恐れが考えられる。ま
た、スロットに対してスロット絶縁体が軸方向にずれて
組み付けられると、軸方向の一方ではスロット絶縁体の
端部が電機子鉄心の端面より突出するが、他方ではスロ
ット絶縁体の端部が電機子鉄心の端面より引っ込んでし
まうため、スロットの壁面が露出してコイル辺との絶縁
を確保できなくなる。
【0006】なお、仮に電機子鉄心の端面側に位置決め
部材を配置し、この位置決め部材にスロット絶縁体の一
端を当接させてスロットに対するスロット絶縁体の軸方
向の位置決めを行う方法も考えられるが、前述のように
スロット絶縁体が薄膜状の柔らかい材質で作られている
と、スロット絶縁体の剛性が不足するため、位置決め部
材に当接しているスロット絶縁体の一端側が変形して正
確な位置決めができなくなる可能性がある。この状態で
スロット内にコイル辺が挿入されると、スロット絶縁体
の変形部にコイル端部が干渉してスロット内に確実にコ
イル辺を組み付けることができない。また、一端側の変
形に伴ってスロット絶縁体が軸方向にずれると、上述の
ようにスロット絶縁体の他端側がスロット内に引っ込ん
でスロットの壁面が露出するため、電機子鉄心に対する
コイル辺の絶縁が確実に成されない恐れがあった。本発
明は、上記事情に基づいて成されたもので、コイル導体
を電機子鉄心に組み付ける際に、スロット絶縁体の変形
や破損を招くことなく、スロット絶縁体とコイル導体と
を確実に電機子鉄心に組み付けることのできる回転子の
製造方法および製造装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(請求項1の手段)電機子鉄心に組み付ける前に予めス
ロット絶縁体とコイル辺とを組み合わせ、その組み合わ
せたスロット絶縁体とコイル辺とを一体に電機子鉄心の
径方向外周側からスロット内へ挿入して電機子鉄心に組
み付ける。この方法によれば、スロット絶縁体をコイル
辺と一体にスロット内へ挿入するため、スロット絶縁体
がスロットに対して軸方向に位置ずれすることがなく、
スロット絶縁体とコイル導体とを確実に電機子鉄心に組
み付けることができる。
【0008】(請求項2の手段)請求項1の手段と同様
に、予めスロット絶縁体とコイル辺とを組み合わせてか
ら、その両者を一体に電機子鉄心のスロット内へ挿入す
るため、スロット絶縁体がスロットに対して軸方向に位
置ずれすることがなく、スロット絶縁体とコイル導体と
を確実に電機子鉄心に組み付けることができる。また、
スロット絶縁体とコイル辺とを相対的に所定角度傾けた
姿勢で両者の一端部同士を当接させ、その当接部(互い
の一端部同士)を支点として少なくとも何方か一方側の
姿勢を変化させながら両者を組み合わせるため、コイル
辺に対しスロット絶縁体が位置ずれすることがなく、両
者を適正な位置関係で組み合わせることができる。
【0009】(請求項3の手段)所定角度傾けて配置さ
れたスロット絶縁体に対してコイル導体を移動させて両
者を組み合わせ、その組み合わせたスロット絶縁体とコ
イル辺とを一体にスロット内へ挿入する。この方法で
も、請求項1の手段と同様に、スロット絶縁体とコイル
辺とを予め組み合わせてから一体にスロット内に挿入す
るため、スロット絶縁体がスロットに対して軸方向に位
置ずれすることはなく、スロット絶縁体とコイル導体と
を確実に電機子鉄心に組み付けることができる。また、
コイル辺の一端部をスロット絶縁体の一端部に当接さ
せ、その当接部を支点としてスロット絶縁体の姿勢を変
化させてコイル辺にスロット絶縁体を組み合わせるた
め、コイル辺に対しスロット絶縁体が位置ずれすること
がなく、両者を適正な位置関係で組み合わせることがで
きる。
【0010】(請求項4の手段)スロット絶縁体は、コ
イル辺の内周面を受ける底面部と、この底面部の両側よ
り立設してコイル辺の側面を受ける一対の側面部とから
成る断面コの字形状に設けられ、コイル辺と組み合わさ
れる前に、一対の側面部が外側へ開いた状態で配置され
ている。この場合、コイル辺とスロット絶縁体とが組み
合わされる際に、コイル辺がスロット絶縁体の側面部と
干渉することを防止できるため、スロット絶縁体の内側
(一対の側面部の間)にコイル辺が何ら支障なく入り込
むことができ、確実にスロット絶縁体とコイル辺とを組
み合わせることができる。
【0011】(請求項5の手段)スロット絶縁体は、コ
イル辺と組み合わされるまでコイル導体の移動方向へ移
動しないように移動規制されている。これにより、スロ
ット絶縁体とコイル辺とが組み合わされる途中でスロッ
ト絶縁体が移動して位置ずれするのを防止できるため、
確実にスロット絶縁体とコイル辺とを組み合わせること
ができる。
【0012】(請求項6の手段)スロット絶縁体は、コ
イル辺と組み合わされるまで、他端部がコイル導体の移
動方向へ移動しないように移動規制されている。これに
より、スロット絶縁体とコイル辺とが組み合わされる途
中でスロット絶縁体の他端部が移動して位置ずれするの
を防止できるため、確実にスロット絶縁体とコイル辺と
を組み合わせることができる。
【0013】(請求項7の手段)電機子鉄心の全てのス
ロットに対応する所定数のスロット絶縁体とコイル辺と
をそれぞれ一体に組み合わせ、その組み合わされた所定
数のスロット絶縁体とコイル辺とを電機子鉄心の径方向
外周側からスロット内へ同時に挿入する。この場合、請
求項1〜4の何れかの方法により全てのスロット絶縁体
とコイル辺とを予め組み合わせておき、その組み合わさ
れた所定数のスロット絶縁体とコイル辺とを一度にスロ
ット内へ挿入することにより、作業効率を向上でき、組
付工程に要する時間を短縮できる。
【0014】(請求項8の手段)電機子鉄心の全てのス
ロットに対応する所定数のスロット絶縁体とコイル導体
とをそれぞれ電機子鉄心に組み付けた後、コイル導体の
コイル突出部を径方向外周側から内周側に押圧してコイ
ル突出部の外径をリング状絶縁体の内径より小さい所定
寸法に規制し、その状態でリング状絶縁体をコイル突出
部の外径に嵌め合わせる。この方法によれば、リング状
絶縁体をコイル突出部の外径に嵌め合わせる際に、リン
グ状絶縁体とコイル突出部との干渉を低減できるため、
リング状絶縁体の組付作業を容易に行うことができる。
【0015】(請求項9の手段)スロット絶縁体は、コ
イル辺の内周面を受ける底面部と、この底面部の両側よ
り立設してコイル辺の側面を受ける一対の側面部とから
成る断面コの字形状に設けられ、一対の側面部の先端部
が外側へ開いた状態でスロットに組み付けられている。
この場合、スロット絶縁体をスロット内に組み込んだ
後、コイル辺をスロット内に挿入する際に、コイル辺が
スロット絶縁体の開口縁部(側面部の先端部)に干渉す
るのを防止できる。それにより、コイル辺の挿入時にス
ロット絶縁体の噛み込みを防ぐことができるため、コイ
ル辺のスロット内への挿入不良を防止できる。
【0016】(請求項10の手段)スロット絶縁体とコ
イル導体とを電機子鉄心に組み付ける回転子の製造装置
は、スロット絶縁体とコイル導体とを組み合わせる組合
せ手段と、この組合せ手段で組み合わされたスロット絶
縁体とコイル導体をコイル組付用通路内に保持した後、
電機子鉄心の外周に配置されるコイル保持手段と、コイ
ル組付用通路の出口をスロットに対向させる第1の位置
決め手段と、コイル組付用通路内に保持されているコイ
ル導体を電機子鉄心側へ移動させてスロット絶縁体とコ
イル辺とを一体にスロット内へ挿入するコイル挿入手段
とを備える。この製造装置によれば、スロット絶縁体と
コイル辺とを予め組み合わせてから両者を一体にスロッ
ト内へ挿入できるため、スロット絶縁体がスロットに対
して軸方向に位置ずれすることはなく、スロット絶縁体
とコイル導体とを確実に電機子鉄心に組み付けることが
できる。
【0017】(請求項11の手段)請求項10の手段に
記載した製造装置の組合せ手段によれば、コイル移動手
段によりコイル挿入用通路内にコイル導体を移動させ、
その移動途中で、先ずコイル辺の一端部をスロット絶縁
体の一端部に当接させ、その当接部を支点としてスロッ
ト絶縁体がコイル辺と平行になるようにスロット絶縁体
の姿勢を変化させてスロット絶縁体とコイル辺とを組み
合わせることができる。これにより、コイル辺に対しス
ロット絶縁体が位置ずれすることがなく、両者を適正な
位置関係で組み合わせることができる。
【0018】(請求項12の手段)本発明では、組合せ
手段とコイル保持手段との相互位置を規制してコイル挿
入用通路の出口とコイル組付用通路の入口とを対向させ
る第2の位置決め手段を有している。これにより、コイ
ル挿入用通路の出口とコイル組付用通路の入口とが対向
した状態で、コイル挿入用通路内で組み合わされたスロ
ット絶縁体とコイル導体を、コイル移動手段によりコイ
ル挿入用通路内からコイル組付用通路内へ移動させるこ
とができる。この場合、組合せ手段でスロット絶縁体と
コイル導体とを一体に組み合わせてから、そのスロット
絶縁体とコイル導体とをコイル保持手段のコイル組付用
通路内に移動させるまでの動作をコイル移動手段によっ
て連続的に行うことができるため、作業効率の良い製造
装置を提供できる。
【0019】(請求項13の手段)組合せ手段のスロッ
ト絶縁体保持部は、スロット絶縁体の一対の側面部間の
開口幅がコイル辺の幅より大きくなるように、一対の側
面部が底面部に対して外側へ開いた状態でスロット絶縁
体を保持している。この場合、組合せ手段のコイル挿入
用通路内に配置されているスロット絶縁体にコイル導体
を移動させて両者を組み合わせる際に、コイル辺がスロ
ット絶縁体の開口縁部(側面部の先端部)に干渉するの
を防止でき、確実にスロット絶縁体とコイル辺とを組み
合わせることができる。
【0020】(請求項14の手段)組合せ手段は、スロ
ット絶縁体がコイル辺と一体に組み合わされるまで、ス
ロット絶縁体の他端部がコイル挿入用通路の出口側へ移
動しないように移動規制する規制手段を具備している。
この場合、スロット絶縁体とコイル辺とが組み合わされ
る途中に、スロット絶縁体がコイル辺に対して位置ずれ
するのを防止できるため、確実(適正な位置関係)にス
ロット絶縁体とコイル辺とを組み合わせてスロット内へ
挿入することができる。
【0021】(請求項15の手段)第1の位置決め手段
は、コイル保持手段の内周面に具備された突起部と、電
機子鉄心の外周面に設けられた凹部とから成り、突起部
を凹部に嵌合してスロットとコイル組付用通路との位置
決めを行うことができる。これにより、電機子鉄心のス
ロットとコイル保持手段のコイル組付用通路との位置を
確実に合わせることができる(つまり、スロットとコイ
ル組付用通路の出口とが径方向に対向する)ため、コイ
ル組付用通路内に保持されているコイル導体をコイル挿
入手段によって電機子鉄心側へ押し込むことにより、ス
ロット絶縁体とコイル辺とをコイル組付用通路内からス
ロット内へ確実に挿入することができる。
【0022】(請求項16の手段)コイル保持手段は、
電機子鉄心の全てのスロットに対向して形成された所定
数のコイル組付用通路を有し、コイル挿入手段は、全て
のコイル組付用通路内にそれぞれスロット絶縁体とコイ
ル導体とが一体に組み付けられて保持された後、全ての
コイル導体を同時に押し込んで所定数のスロット絶縁体
とコイル辺とを一度にスロット内へ挿入することができ
る。この場合、スロット絶縁体とコイル導体とを1組ず
つ電機子鉄心へ組み付ける場合と比較すると、作業効率
が向上して組付工程に要する時間を大幅に短縮できる。
【0023】(請求項17の手段)スロット絶縁体とコ
イル導体とを電機子鉄心に組み付ける回転子の製造装置
は、スロット絶縁体保持部にスロット絶縁体を保持し、
且つコイル導体保持部にコイル導体を保持した後、電機
子鉄心の外周に配置されるコイル保持手段と、コイル組
付用通路の出口をスロットに対向させる第3の位置決め
手段と、コイル組付用通路内で組み合わされたスロット
絶縁体とコイル辺とを一体にスロット内へ挿入するコイ
ル挿入手段とを備える。この製造装置によれば、スロッ
ト絶縁体とコイル辺とを予め組み合わせてから両者を一
体にスロット内へ挿入できるため、スロット絶縁体がス
ロットに対して軸方向に位置ずれすることはなく、スロ
ット絶縁体とコイル導体とを確実に電機子鉄心に組み付
けることができる。また、コイル組付用通路内で所定角
度傾けた姿勢で保持されているスロット絶縁体に対し、
コイル導体を電機子鉄心側へ移動させてコイル辺の一端
部をスロット絶縁体の一端部に当接させ、その当接部
(両者の一端部同士)を支点としてスロット絶縁体の姿
勢を変化させながらスロット絶縁体とコイル辺とを組み
合わせることができる。これにより、コイル辺に対しス
ロット絶縁体が位置ずれすることがなく、両者を適正な
位置関係で組み合わせることができる。
【0024】(請求項18の手段)スロット絶縁体保持
部は、スロット絶縁体の一対の側面部間の開口幅がコイ
ル辺の幅より大きくなるように、一対の側面部が底面部
に対して外側へ開いた状態でスロット絶縁体を保持して
いる。この場合、コイル導体を電機子鉄心側へ移動させ
てスロット絶縁体とコイル辺とを組み合わせる際に、コ
イル辺がスロット絶縁体の開口縁部(側面部の先端部)
に干渉するのを防止でき、確実にスロット絶縁体とコイ
ル辺とを組み合わせることができる。
【0025】(請求項19の手段)コイル保持手段は、
スロット絶縁体がコイル辺と一体に組み合わされるま
で、スロット絶縁体の他端部がコイル組付用通路の出口
側へ移動しないように移動規制する規制手段を具備して
いる。この場合、スロット絶縁体とコイル辺とが組み合
わされる途中に、スロット絶縁体がコイル辺に対して位
置ずれするのを防止できるため、確実(適正な位置関
係)にスロット絶縁体とコイル辺とを組み合わせてスロ
ット内へ挿入することができる。
【0026】(請求項20の手段)第3の位置決め手段
は、コイル保持手段の内周面に具備された突起部と、電
機子鉄心の外周面に設けられた凹部とから成り、突起部
を凹部に嵌合してスロットとコイル組付用通路との位置
決めを行うことができる。これにより、電機子鉄心のス
ロットとコイル保持手段のコイル組付用通路との位置を
確実に合わせることができる(つまり、スロットとコイ
ル組付用通路の出口とが径方向に対向する)ため、コイ
ル組付用通路内に保持されているコイル導体をコイル挿
入手段によって電機子鉄心側へ押し込むことにより、ス
ロット絶縁体とコイル辺とをコイル組付用通路内からス
ロット内へ確実に挿入することができる。
【0027】(請求項21の手段)コイル保持手段は、
電機子鉄心の全てのスロットに対向して形成された所定
数のコイル組付用通路を有し、コイル挿入手段は、全て
のコイル組付用通路内にそれぞれスロット絶縁体とコイ
ル導体とが保持された後、全てのコイル導体を同時に押
し込んで所定数のスロット絶縁体とコイル辺とを一度に
スロット内へ挿入することができる。この場合、スロッ
ト絶縁体とコイル導体とを1組ずつ電機子鉄心へ組み付
ける場合と比較すると、作業効率が向上して組付工程に
要する時間を大幅に短縮できる。
【0028】(請求項22の手段)スロット絶縁体とコ
イル導体とを電機子鉄心に組み付ける回転子の製造装置
は、予め一体に組み合わされたスロット絶縁体とコイル
導体とがコイル組付用通路内に挿入されて所定位置で保
持した後、電機子鉄心の外周に配置されるコイル保持手
段と、コイル組付用通路内に保持されているコイル導体
を電機子鉄心側へ移動させてスロット絶縁体とコイル辺
とを一体にスロット内へ挿入するコイル挿入手段とを備
える。この製造装置によれば、スロット絶縁体とコイル
辺とを予め組み合わせてから両者を一体にスロット内へ
挿入できるため、スロット絶縁体がスロットに対して軸
方向に位置ずれすることはなく、スロット絶縁体とコイ
ル導体とを確実に電機子鉄心に組み付けることができ
る。また、スロット絶縁体とコイル導体とをコイル組付
用通路内に挿入する前に予め組み合わせるため、コイル
辺に対しスロット絶縁体が位置ずれすることがなく、両
者を適正な位置関係で組み合わせることができる。
【0029】(請求項23の手段)第4の位置決め手段
は、コイル保持手段の内周面に具備された突起部と、電
機子鉄心の外周面に設けられた凹部とから成り、突起部
を凹部に嵌合してスロットとコイル組付用通路との位置
決めを行うことができる。これにより、電機子鉄心のス
ロットとコイル保持手段のコイル組付用通路との位置を
確実に合わせることができる(つまり、スロットとコイ
ル組付用通路の出口とが径方向に対向する)ため、コイ
ル組付用通路内に保持されているコイル導体をコイル挿
入手段によって電機子鉄心側へ押し込むことにより、ス
ロット絶縁体とコイル辺とをコイル組付用通路内からス
ロット内へ確実に挿入することができる。
【0030】(請求項24の手段)コイル保持手段は、
電機子鉄心の全てのスロットに対向して形成された所定
数のコイル組付用通路を有し、コイル挿入手段は、全て
のコイル組付用通路内にそれぞれスロット絶縁体とコイ
ル導体とが保持された後、全てのコイル導体を同時に押
し込んで所定数のスロット絶縁体とコイル辺とを一度に
スロット内へ挿入することができる。この場合、スロッ
ト絶縁体とコイル導体とを1組ずつ電機子鉄心へ組み付
ける場合と比較すると、作業効率が向上して組付工程に
要する時間を大幅に短縮できる。
【0031】(請求項25の手段)回転子の製造装置
は、コイル突出部の外径にリング状絶縁体を装着する際
に、コイル突出部を径方向外周側から内周側に押圧して
コイル突出部の外径をリング状絶縁体の内径より小さい
所定寸法に規制する外径ガイドを有している。これによ
り、リング状絶縁体をコイル突出部の外径に装着する作
業を容易に行うことができる。また、外径ガイドは、複
数に分割され、且つリング状絶縁体の外径より内径側へ
入り込む先端部の軸方向厚み寸法がコイル突出部の軸方
向長さより小さく設定されている。この場合、外径ガイ
ドでコイル突出部を径方向内周側へ押圧した状態のま
ま、コイル突出部の軸方向先端側よりリング状絶縁体を
嵌め合わせることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。 (第1実施例)図1は下層スロット絶縁体と下層コイル
導体とを組み合わせてスロット内へ挿入する工程を示す
断面図である。本実施例は、例えばスタータのアーマチ
ャ1(図2参照)を製造する方法に適用される。アーマ
チャ1は、図3の分解斜視図に示すように、回転軸2、
電機子鉄心3、電機子コイル(後述する)、スロット絶
縁体(下層スロット絶縁体4と上層スロット絶縁体
5)、およびリング状絶縁体(内側リング状絶縁体6と
外側リング状絶縁体7)等より構成されている。
【0033】回転軸2は、図示しない軸受を介して回転
自在に支持される。電機子鉄心3は、円盤状に形成され
た薄い鋼板を複数枚重ね合わせて回転軸2の外周に圧入
され、回転軸2と一体に回転する。電機子鉄心3の外周
部には、所定数(例えば25個)のスロット3a(図1
参照)がそれぞれ軸方向に沿って凹設され、且つ電機子
鉄心3の周方向に等ピッチに設けられている。また、電
機子鉄心3には、周方向に隣合う各スロット3a間の外
周面に、それぞれ一対のかしめ用突起3b(図1参照)
が設けられている。電機子コイルは、電気抵抗の低い純
銅または純アルミニウムを材料として形成された下層コ
イル導体8と上層コイル導体9から成り、それぞれスロ
ット3aの数と同数使用されている。
【0034】下層コイル導体8は、図4に示すように、
直線状に延びるコイル辺8aと、このコイル辺8aの両
端からコイル辺8aに対して略直角に延びる一対のコイ
ル端部8bと、各コイル端部8bの先端から略直角にコ
イル辺8aと反対側へ延びる一対のコイル突出部8cと
から成る。但し、一対のコイル端部8b(8b1 、8b
2 )は、図4(b)に示すように、コイル辺8aを中心
として周方向の反対側へ所定角度傾斜して設けられてい
る。この下層コイル導体8は、コイル辺8aを下層スロ
ット絶縁体4とともにスロット3a内に挿入して電機子
鉄心3に組み付けられる。
【0035】上層コイル導体9は、下層コイル導体8と
同様に、直線状に延びるコイル辺9aと、このコイル辺
9aの両端からコイル辺9aに対して略直角に延びる一
対のコイル端部9bと、各コイル端部9bの先端から略
直角にコイル辺9aと反対側へ延びる一対のコイル突出
部9cとから成る。但し、一対のコイル端部9bは、コ
イル辺9aを中心として周方向の反対側へ所定角度傾斜
して設けられている。この上層コイル導体9は、所定数
の下層コイル導体8を電機子鉄心3に組み付けた後、コ
イル辺9aを上層スロット絶縁体5とともにスロット3
a内の下層コイル辺8aの外側に挿入して電機子鉄心3
に組み付けられる。
【0036】スロット絶縁体は、絶縁性を有し、且つ可
撓性を備えた薄膜部材(例えば樹脂材や絶縁紙等)を所
定の形状に折り曲げて形成された下層スロット絶縁体4
と上層スロット絶縁体5から成り、それぞれスロット3
aの数と同数使用されている。下層スロット絶縁体4
は、図5または図6に示すように、スロット3a内に挿
入される下層コイル辺8aを電機子鉄心3より絶縁する
もので、コイル辺8aを受ける底面部4aと、この底面
部4aの両側より立設してコイル辺8aの側面を受ける
一対の側面部4bとから成る断面コの字形状に設けられ
ている。
【0037】上層スロット絶縁体5は、図5または図6
に示すように、スロット3a内に挿入される上層コイル
辺9aを下層コイル辺8aおよび電機子鉄心3より絶縁
するもので、コイル辺9aを受ける底面部5aと、この
底面部5aの両側より立設してコイル辺9aの側面を受
ける一対の側面部5bとから成る断面コの字形状に設け
られている。リング状絶縁体は、図2に示すように、電
機子鉄心3の軸方向端面と下層コイル端部8bとの間に
介在されて両者を絶縁する内側リング状絶縁体6と、下
層コイル端部8bと上層コイル端部9bとの間に介在さ
れて両者を絶縁する外側リング状絶縁体7とから成る。
【0038】次に、アーマチャ1の製造方法について説
明する。まず、回転軸2に圧入された電機子鉄心3の軸
方向両端面にそれぞれ内側リング状絶縁体6を当接させ
た状態で組み付ける。次に、所定数の下層スロット絶縁
体4と下層コイル導体8とを電機子鉄心3に組み付ける
(この組付工程は後述する)。続いて、両側の下層コイ
ル突出部8cの外径にそれぞれ外側リング状絶縁体7を
嵌め合わせる。次に、所定数の上層スロット絶縁体5と
上層コイル導体9とを電機子鉄心3に組み付ける(この
組付工程は、下層スロット絶縁体4と下層コイル導体8
とを電機子鉄心3に組み付ける工程と略同じであるた
め、説明は省略する)。最後に、回転軸2の外周で径方
向に重なる下層コイル突出部8cと上層コイル突出部9
cとを溶接等により機械的および電気的に接合する。
【0039】次に、下述のコイル組立装置を使用して下
層スロット絶縁体4と下層コイル導体8とを電機子鉄心
3に組み付ける方法について説明する。コイル組立装置
は、下層スロット絶縁体4と下層コイル導体8とを組み
合わせるための組合せ用治具10(図7〜9参照)と、
この組合せ用治具10で組み合わされた下層スロット絶
縁体4と下層コイル導体8とを一体に保持するコイル保
持具11(図7および図10参照)と、このコイル保持
具11に保持されている下層コイル導体8を電機子鉄心
3側へ押し込んで下層スロット絶縁体4と下層コイル導
体8のコイル辺8aとを一体に電機子鉄心3のスロット
3a内へ挿入するコイル挿入装置12(図12参照)等
より構成されている。
【0040】(組合せ用治具10の説明)組合せ用治具
10は、図7に示すように、ベース部13と、このベー
ス部13上にボルト14等により固定された一組の組合
せ用ブロック15と、この組合せ用ブロック15によっ
て形成されるコイル挿入用通路16に下層コイル導体8
を挿入する第1のコイル挿入矢17等より構成される。
ベース部13には、ベース部13上に搭載されるコイル
保持具11の位置決め装置とインデックス装置(共に図
示せず)とが取り付けられている。一組の組合せ用ブロ
ック15は、ベース部13上に搭載されるコイル保持具
11の外周に隣接して設置され、図8に示すように、所
定の間隔を空けて対向する両組合せ用ブロック15間に
コイル挿入用通路16が形成され、そのコイル挿入用通
路16の途中に下層スロット絶縁体4をセットするため
の空間(以後、スロット絶縁体保持部18と呼ぶ)が形
成されている。また、何方か一方の組合せ用ブロック1
5には、下層スロット絶縁体4の移動を規制する可動ス
トッパ19が具備されている。
【0041】コイル挿入用通路16は、図9に示すよう
に、下層コイル導体8のコイル辺8aが通過するコイル
辺通路部16aと、一方のコイル端部8bとコイル突出
部8cが通過するコイル端通路部16bとから成り、入
口(図8の右側)から出口まで貫通して設けられてい
る。コイル辺通路部16aは、その通路方向がベース部
13上に搭載されるコイル保持具11の中心部を向いて
形成されている。このコイル辺通路部16aは、図8に
示すように、スロット絶縁体保持部18より入口側の開
口幅B(一組の組合せ用ブロック15間の距離)がコイ
ル辺8aの幅A1 (図4参照)より若干大きく形成さ
れ、スロット絶縁体保持部18より出口側の開口幅C
が、コイル辺8aの幅と下層スロット絶縁体4の2枚分
の厚みを足した寸法より若干大きく形成されている。ま
た、コイル辺通路部16aの上下方向の長さD(図9参
照)は、コイル辺8aの内径側長さA2 (図4参照)と
略等しく設けられている。
【0042】コイル端通路部16bは、図9に示すよう
に、コイル辺通路部16aの下側に設けられている。コ
イル辺通路部16aの上側は、両組合せ用ブロック15
の上端面に開口している。これにより、下層コイル導体
8は、両コイル端部8bの内側端面がそれぞれコイル辺
通路部16aの上下両端に形成される組合せ用ブロック
15の端面に沿って移動することにより、下層コイル導
体8の姿勢が変化することなく、略同一の姿勢(図9に
示すようにコイル辺8aが直立した姿勢)を保ったまま
コイル挿入用通路16を通過することができる。
【0043】スロット絶縁体保持部18は、図8に示す
ようにコイル辺通路部16aの途中に入口側へV字状に
開いた形状に形成され、且つ通路方向(図9の左右方
向)に対し略直交して設けられている。なお、V字状に
開いた先端部の開口幅E(図8参照)はコイル辺通路部
16aの入口側開口幅Bより大きく、コイル辺8aが余
裕を持って通過できる寸法に設定されている。また、ス
ロット絶縁体保持部18の出口側下端部には、下層スロ
ット絶縁体4の下方位置を規制する位置決め用の突起2
0が設けられている(図9参照)。従って、下層スロッ
ト絶縁体4は、組合せ用ブロック15の上方側よりスロ
ット絶縁体保持部18に挿入され、底面部4aの下端部
が突起20に当接して位置決めされる。また、下層スロ
ット絶縁体4の両側面部4bは、図8に示すように、ス
ロット絶縁体保持部18の形状(略V字状に開いた形
状)に応じて外側へ開いた状態で保持されている。
【0044】可動ストッパ19は、図8および図9に示
すように、スロット絶縁体保持部18の出口側でコイル
辺通路部16aに出入りできるように、一方の組合せ用
ブロック15に対しスライド可能に設けられている。こ
の可動ストッパ19は、スロット絶縁体保持部18に保
持された下層スロット絶縁体4が下層コイル辺8aと組
み合わされるまでの間、コイル辺通路部16a内に押し
出されて、下層スロット絶縁体4がコイル辺通路部16
a内を出口側へ移動するのを規制している。第1のコイ
ル挿入矢17は、コイル挿入用通路16の入口側よりコ
イル辺通路部16aに挿入可能に設けられ、コイル挿入
用通路16に挿入された下層コイル導体8のコイル辺8
aを押し込んで下層スロット絶縁体4とコイル辺8aと
を組み合わせ、可動ストッパ19が外された後、更にコ
イル辺8aを押し込むことにより、下層スロット絶縁体
4と下層コイル導体8とを一体にコイル保持具11側へ
押し出すことができる。
【0045】(コイル保持具11の説明)コイル保持具
11は、図7に示すように、円周方向に一定の間隔を保
って配置された複数(スロット3aと同数)のコイル保
持ブロック21と、各コイル保持ブロック21の上端面
にボルト22(図10参照)等で固定される上板23
と、各コイル保持ブロック21の下端面にボルト24
(図10参照)等で固定される底板25等より構成され
ている。なお、このコイル保持具11は、組合せ用治具
10で一体に組み合わされた下層スロット絶縁体4と下
層コイル導体8とを組合せ用治具10から受け取った
後、ベース部13から取り外されて下述のコイル挿入装
置12に取り付けられる。
【0046】各コイル保持ブロック21は、それぞれ上
板23および底板25の外周寄りに配置されて、各コイ
ル保持ブロック21の内周に中空部26(図10参照)
を形成している。また、円周方向に隣合う各コイル保持
ブロック21の間には、中空部26に通じるコイル組付
用通路27が所定数(スロット3aと同数)設けられて
いる。このコイル組付用通路27は、図11の拡大図に
示すように、一体に組み合わされた下層コイル辺8aと
下層スロット絶縁体4とが挿入されるコイル辺挿入部2
7aと、一方のコイル端部8b1 とコイル突出部8cが
挿入される下側コイル端挿入部27bと、他方のコイル
端部8b2 とコイル突出部8cが挿入される上側コイル
端挿入部27cとから成る。
【0047】ここで、コイル組付用通路27の各部寸法
を図11に基づいて説明する。コイル辺挿入部27aの
周方向幅(開口幅)F1 は、コイル辺8aの幅A1 と下
層スロット絶縁体4の2枚分の厚みを合わせた寸法より
少し大きく設定され、コイル辺挿入部27aの上下寸法
F2 は、両コイル端部8b間の距離A2 より少し小さく
設定されている。また、下側コイル端挿入部27bの周
方向幅F3 は、一方のコイル端部8b1 の周方向寸法A
3 (図4参照)より少し大きく設定され、上側コイル端
挿入部27cの周方向幅F4 は、他方のコイル端部8b
2 の周方向寸法A4 (図4参照)より少し大きく設定さ
れている。但し、一方のコイル端部8b1 の周方向寸法
A3 と他方のコイル端部8b2 の周方向寸法A4 とが異
なる(A3 >A4 )ため、上側コイル端挿入部27cの
周方向幅F4 は、他方のコイル端部8b2 の周方向寸法
A4 より大きく、且つ一方のコイル端部8b1 の周方向
寸法A3 より小さく設定されている。これにより、下層
コイル導体8が逆向きに挿入されるのを防止できる。な
お、一方のコイル端部8b1 の周方向寸法A3 と他方の
コイル端部8b2 の周方向寸法A4 とが異なるのは、図
4(b)に示したように、コイル辺8aに対して一方の
コイル端部8b1 と他方のコイル端部8b2 とで傾きが
異なり、且つ長さも異なるためである。従って、各下層
コイル導体8は、電機子鉄心3に対して全て同一方向に
組み付ける必要があるため、コイル保持具11のコイル
組付用通路27にもそれぞれ同一方向に挿入する必要が
ある。
【0048】各コイル保持ブロック21の内周端には、
コイル組付用通路27と電機子鉄心3のスロット3aと
の位置を合わせるための位置決め突起28がろう付け等
により固定されている。この位置決め突起28は、図1
に示すように、コイル保持具11の内周(中空部26)
に配置される電機子鉄心3に対し、その電機子鉄心3の
外周面に設けられた一対のかしめ用突起3bの間に形成
されるV字状の溝3cに嵌め合わされることにより、コ
イル組付用通路27とスロット3aとの周方向位置を一
致させることができる。なお、一対のかしめ用突起3b
は、下層コイル導体8と上層コイル導体9とを電機子鉄
心3に組み付けた後、スロット3a側へ折り曲げられ
て、スロット3a内に挿入された下層コイル辺8aと上
層コイル辺9aを固定する。
【0049】上板23には、図10に示すように、スプ
リング29と、このスプリング29によりコイル保持ブ
ロック21側へ付勢されたコイルストッパ30とが具備
されている。コイルストッパ30は、スプリング29の
付勢力を受けてコイル組付用通路27に挿入された下層
コイル導体8を押圧することにより、下層コイル導体8
の移動を規制する。なお、スプリング29とコイルスト
ッパ30は、各コイル組付用通路27に対応した個数分
(スロット3aと同数)だけ設けられている。上板23
の中央部には、各コイル保持ブロック21によって形成
される中空部26に通じる丸孔23aが設けられてい
る。この丸孔23aは、各コイル組付用通路27内に下
層スロット絶縁体4と下層コイル導体8とがセットされ
たコイル保持具11をコイル挿入装置12に取り付けた
後、コイル保持具11の内周に電機子鉄心3を通してコ
イル挿入装置12へ取り付けるために設けられている。
底板25には、コイル保持具11をコイル挿入装置12
にセットするための芯出し孔25aと、コイル挿入装置
12に対する位置決めを行うための位置決め孔25bと
が設けられている(図10参照)。
【0050】(コイル挿入装置12の説明)コイル挿入
装置12は、図12に示すように、コイル保持具11を
セットするための枠体31、コイル挿入装置12の基台
32の中央部に設けられたシリンダ33、このシリンダ
33に具備されるピストンロッド34の先端に固定され
た円板35、この円板35に連結された所定数のレバー
36、このレバー36を介して円板35の上下動に連動
する所定数の第2のコイル挿入矢37等より構成され
る。
【0051】枠体31は、略円筒形に設けられて基台3
2上にボルト38で固定されている。枠体31の上部に
はコイル保持具11をセットするための凹部31aが設
けられ、その凹部31aの底面中央部にコイル保持具1
1との芯出しを行う芯出し突起39が固定されている。
この芯出し突起39の中央部には、電機子鉄心3の回転
軸2が嵌装される軸嵌装孔39aが形成されている。ま
た、凹部31a底面の芯出し突起39の外周側には、コ
イル保持具11の底板25に設けられた位置決め孔25
bに嵌合する位置決めピン40が取り付けられている。
シリンダ33は、図示しないエアー切替弁の圧力操作に
よってピストンロッド34を上下動させることができ
る。円板35は、外周部に複数のガイド孔35aが設け
られて、その各ガイド孔35aにそれぞれガイドピン4
1が嵌め合わされている。ガイドピン41は、シリンダ
33の外周に配置され、基台32上に直立した姿勢でボ
ルト42により固定され、上端部が枠体31に支持され
ている。
【0052】レバー36は、鉤形(略L字形)に形成さ
れて、枠体31の外周に固定されたレバー保持具43に
ピン44を通じて回動自在に取り付けられている(図1
3参照)。レバー36の一端側は、先端部36aがR形
状に設けられて、円板35の外周面に形成された外周溝
35bに摺動自在に嵌合している。レバー36の他端側
は、先端部にカムフォロワ45が固定され、そのカムフ
ォロワ45が第2のコイル挿入矢37に設けられた長円
形の孔37aに嵌装されている。レバー保持具43は、
各レバー36毎に対応して枠体31の外周にボルト46
等により固定されている。なお、上記のピン44は、図
13に示すように、サークリップ47等によりレバー保
持具43に取り付けられている。第2のコイル挿入矢3
7は、枠体31の凹部31aを形成する壁面に設けられ
た溝31bと、枠体31の上端面にボルト48等で固定
された上板49とで形成されたガイド溝50に径方向外
周側から中心方向へ摺動自在に嵌装されている。
【0053】a)次に、組合せ用治具10により下層ス
ロット絶縁体4と下層コイル導体8とを一体に組み付
け、その下層スロット絶縁体4と下層コイル導体8とを
コイル保持具11に移動する工程について説明する。ま
ず、組合せ用ブロック15に形成されたスロット絶縁体
保持部18に下層スロット絶縁体4を挿入して所定位置
にセットする。このとき、下層スロット絶縁体4は、図
7(b)に示すように、組合せ用治具10の上方からス
ロット絶縁体保持部18に挿入することができる。ある
いは、コイル挿入用通路16の入口から挿入しても良
い。
【0054】続いて、コイル挿入用通路16の入口から
下層コイル導体8を挿入し、第1のコイル挿入矢17に
よりコイル辺8aを下層スロット絶縁体4の内側(一対
の側面部4bの間)に押し込んで下層スロット絶縁体4
と下層コイル導体8とを組み合わせる。これにより、下
層スロット絶縁体4が下層コイル導体8のコイル辺8a
を包み込んだ状態で両者が一体に組み合わされる。な
お、下層スロット絶縁体4は、底面部4aの長手方向両
端が下層コイル導体8の両コイル端部8bの内側面に当
接して長手方向の移動が規制されるため、下層コイル導
体8に対して位置決めされた状態でコイル辺8aと組み
合わされている。下層スロット絶縁体4と下層コイル導
体8とが組み合わされた後、可動ストッパ19を後退さ
せて下層スロット絶縁体4の移動規制を解除した後、更
に第1のコイル挿入矢17を押し込んで、下層スロット
絶縁体4と下層コイル導体8をコイル挿入用通路16か
らコイル保持具11のコイル挿入用通路16へ移動し、
コイル挿入用通路16内の所定位置でコイルストッパ3
0により押圧保持する。
【0055】なお、コイル保持具11は、図示しない位
置決め装置により、1つのコイル組付用通路27の入口
がコイル挿入用通路16の出口と対向する位置に位置決
めされる(図8に示す状態)。一組の下層スロット絶縁
体4と下層コイル導体8とをコイル組付用通路27から
コイル挿入用通路16へ移動すると、コイル保持具11
は、図示しないインデックス装置により1スロット分だ
け回転して、次のコイル組付用通路27の入口がコイル
挿入用通路16の出口と対向する位置に位置決めされ
る。以上の工程を所定のスロット分だけ繰り返すことに
より、全ての下層スロット絶縁体4と下層コイル導体8
が一体に組み合わされた状態でコイル保持具11の各コ
イル組付用通路27に保持される。
【0056】b)次に、コイル保持具11に保持された
下層スロット絶縁体4と下層コイル導体8を電機子鉄心
3に組み付ける工程について説明する。所定数の下層ス
ロット絶縁体4と下層コイル導体8とがセットされたコ
イル保持具11を組付け用治具のベース部13から取り
外してコイル挿入装置12に取り付ける。この時、枠体
31の凹部31aに設けられた芯出し突起39にコイル
保持具11の底板25に設けられた芯出し孔25aを嵌
合させて芯出しを行うとともに、位置決めピン40を底
板25の位置決め孔25bに嵌合させてコイル保持具1
1を位置決めする。これにより、第2のコイル挿入矢3
7とコイル保持具11のコイル組付用通路27との位置
決めが行われる。即ち、第2のコイル挿入矢37とコイ
ル組付用通路27との周方向の位置が一致する。
【0057】続いて、電機子鉄心3をコイル挿入装置1
2に取り付ける。この時、電機子鉄心3の外周面に設け
られたV字状の溝3cをコイル保持具11の位置決め突
起28に沿わせながらコイル保持具11の内周に挿入
し、芯出し突起39の軸嵌装孔39aに回転軸2を嵌装
してセットする。これにより、図1に示すように、電機
子鉄心3のスロット3aとコイル保持具11のコイル組
付用通路27との位置決めが行われる。即ち、スロット
3aとコイル組付用通路27との周方向の位置が一致す
る.
【0058】コイル保持具11と電機子鉄心3をコイル
挿入装置12にセットした後、エアー切替弁の圧力操作
によってピストンロッド34を下降させる。これによ
り、ピストンロッド34に固定されている円板35が下
降するため、円板35に連結されたレバー36がピン4
4を支点として図12の実線で示す位置から二点鎖線で
示す位置へ回転する。このレバー36の回転により、レ
バー36の他端部に固定されたカムフォロワ45を介し
て、第2のコイル挿入矢37がガイド溝50に沿って径
方向内周側(中心方向)へ押し込まれ、コイル保持具1
1のコイル組付用通路27内へ進入する。これにより、
コイル組付用通路27内に保持されている下層コイル導
体8と下層スロット絶縁体4とが第2のコイル挿入矢3
7に押し出されて、下層スロット絶縁体4と下層コイル
辺8aとが一体に電機子鉄心3のスロット3a内へ挿入
される。スロット3a内に挿入されたコイル辺8aと下
層スロット絶縁体4は、シリンダ33の圧力を受けて確
実にスロット3aの底部に組み付けられる。
【0059】続いて、エアー切替弁の圧力操作によりピ
ストンロッド34を上昇させる。これにより、ピストン
ロッド34に固定されている円板35が上昇するため、
円板35に連結されたレバー36がピン44を支点とし
て図12の二点鎖線で示す位置から実線で示す位置へ回
転する。このレバー36の回転により、レバー36の他
端部に固定されたカムフォロワ45を介して、第2のコ
イル挿入矢37がガイド溝50に沿って径方向外周側へ
引き出され、静止位置(図12に示す位置)へ復帰す
る。その後、コイル挿入装置12より電機子鉄心3とコ
イル保持具11を取り外して1サイクルを終了する。以
上の工程により全ての下層スロット絶縁体4と下層コイ
ル導体8とを電機子鉄心3に組み付けた後、同様の方法
で全ての上層スロット絶縁体5と上層コイル導体9とが
電機子鉄心3に組み付けられる。但し、下層コイル導体
8と上層コイル導体9は、全体形状は両者共略コの字状
に整形されているが、各部の寸法が若干異なるため、上
述の組合せ用治具10およびコイル保持具11等は、上
層コイル導体9専用に準備されている。
【0060】(第1実施例の効果)本実施例では、下層
スロット絶縁体4と下層コイル導体8とを組合せ用治具
10で一体に組み合わせた後、コイル保持具11のコイ
ル組付用通路27にセットされるため、電機子鉄心3の
スロット3a内へ挿入する時点では、下層スロット絶縁
体4と下層コイル導体8との位置ずれがなく、且つスロ
ット3aに対する下層スロット絶縁体4の位置ずれも発
生しない。このため、スロット3aへの挿入時に下層コ
イル導体8による下層スロット絶縁体4の噛み込みを無
くすことができ、下層スロット絶縁体4の変形や破損を
防止できる。
【0061】また、下層スロット絶縁体4は、下層コイ
ル辺8aと組み合わされるまで下層コイル導体8の移動
方向へ移動しないように移動規制されている。これによ
り、下層スロット絶縁体4と下層コイル辺8aとが組み
合わされる途中で下層スロット絶縁体4が移動して位置
ずれするのを防止でき、確実に下層スロット絶縁体4と
下層コイル辺8aとを組み合わせることができる。更
に、コイル保持具11のコイル組付用通路27にセット
された下層コイル導体8は、スプリング29とコイルス
トッパ30によって適正な姿勢(スロット3aに挿入可
能な姿勢)に保持できるため、スロット3aへの挿入不
良を無くすことができる。
【0062】本実施例のコイル組立装置では、下層スロ
ット絶縁体4と下層コイル導体8とを同時にスロット3
a内へ挿入できるため、従来よりコイルの組立工程を短
縮できる。具体的には、下層スロット絶縁体4を単独で
スロット3a内へ挿入する工程、スロット3a内に挿入
された下層スロット絶縁体4を治具で保持する工程、お
よび治具を分離する工程が不要となる。また、このコイ
ル組立装置によれば、スロット3aと同数の下層スロッ
ト絶縁体4と、スロット3aと同数の下層コイル導体8
とを一度に(同時に)電機子鉄心3へ組み付けることが
できるため、作業効率が良く、組立工程に要する時間を
短縮化できる。更に、下層コイル導体8のサイズが異な
っても、専用のコイル保持具11を用意するだけで生産
対応できるため、生産準備期間が大幅に短縮できるとと
もに、設備投資も大幅に低減できる効果がある。
【0063】(変形例)本実施例では、組合せ用治具1
0を使用して下層スロット絶縁体4と下層コイル導体8
とを一体に組み合わせているが、このような治具を使用
することなく、手作業で下層スロット絶縁体4と下層コ
イル導体8とを組み合わせてから、そのままコイル保持
具11のコイル組付用通路27に挿入しても良い。ま
た、本実施例では、組合せ用治具10で組み合わせた下
層スロット絶縁体4と下層コイル導体8とを一組ずつコ
イル保持具11のコイル組付用通路27に挿入している
が、組合せ用ブロック15をコイル保持具11の外側全
周に配置してコイル挿入用通路16を所定スロット3a
分設けることにより、所定数の下層スロット絶縁体4と
下層コイル導体8とを同時にコイル保持具11のコイル
組付用通路27に挿入しても良い。
【0064】コイル保持具11と電機子鉄心3をコイル
挿入装置12に着脱する工程は手作業でも良いし自動で
行っても良い。また、組合せ用治具10に対するコイル
保持具11の位置決めとインデックスも手動で行っても
良いし自動で行っても良い。本実施例では、コイル保持
具11と電機子鉄心3との位置決め方法として、コイル
保持具11の内周に設けられた位置決め突起28と電機
子鉄心3の外周面に設けられたV字状の溝3cとを嵌め
合わせているが、これ以外の位置決め方法を採用しても
良い。例えば、電機子鉄心3のロータ部に孔を形成し、
この孔に嵌合する位置決めピンをコイル保持具11に設
けても良い。あるいは、電機子鉄心3を回転軸2に圧入
する際に、電機子鉄心3のスロット3aと回転軸2に設
けられたギヤ2a(図2参照)とを位置決めして圧入
し、このギヤに嵌合する位置決め突起をコイル保持具1
1に設けても良い。
【0065】本実施例では、コイル挿入装置12に対し
てコイル保持具11を位置決めし、そのコイル保持具1
1と電機子鉄心3とを位置決めすることで、電機子鉄心
3のスロット3a、コイル保持具11のコイル組付用通
路27、およびコイル挿入装置12の第2のコイル挿入
矢37の周方向位置を合わせているが、これ以外の位置
決め方法を採用しても良い。例えば、コイル挿入装置1
2に対してコイル保持具11と電機子鉄心3とを別々に
位置決めしても良い。この場合、コイル保持具11と電
機子鉄心3とを直接位置決めする必要はない。コイル挿
入装置12に対する電機子鉄心3の位置決め方法は、上
記のコイル保持具11と電機子鉄心3との位置決め方法
を適用できる。
【0066】(第2実施例)図14は下層スロット絶縁
体と下層コイル導体とを組み合わせてスロット内へ挿入
する過程を示す斜視図である。本実施例では、組合せ用
グロック15に形成されたスロット絶縁体保持部18
が、図15に示すように、コイル辺通路部16aの途中
に入口側へV字状に開いた形状に形成され、且つ所定角
度傾斜して設けられている。以下に、下層スロット絶縁
体4と下層コイル導体8とを一体に組み付ける工程につ
いて説明する。
【0067】まず、組合せ用ブロック15に形成された
スロット絶縁体保持部18に下層スロット絶縁体4を挿
入して所定位置にセットする。このとき、下層スロット
絶縁体4は、図15に示すように、組合せ用ブロック1
5の上方からスロット絶縁体保持部18に挿入すること
ができる。あるいは、コイル挿入用通路16の入口から
挿入しても良い。また、スロット絶縁体保持部18にセ
ットされた下層スロット絶縁体4は、所定角度傾いた姿
勢で保持されている。続いて、コイル挿入用通路16の
入口から下層コイル導体8を挿入し、第1のコイル挿入
矢17によりコイル辺8aを下層スロット絶縁体4の内
側(一対の側面部4bの間)に押し込んで下層スロット
絶縁体4と下層コイル導体8とを組み合わせる。
【0068】この組み合わせ動作を詳述すると、図16
に示すように、下層スロット絶縁体4が下層コイル辺8
aに対して所定角度θだけ傾いた姿勢で保持されている
ため、先ず下層スロット絶縁体4の底面部4aの下端部
にコイル辺8aの内側下端部が当接し、更に下層コイル
導体8が押し込まれると、コイル辺8aとの当接部を支
点として下層スロット絶縁体4が所定角度の傾きを戻す
方向に姿勢を変化させてコイル辺8aを包み込む。この
時、下層スロット絶縁体4は、底面部4aの長手方向両
端が下層コイル導体8の両コイル端部8bの内側面に当
接して長手方向の移動が規制されるため、下層コイル導
体8に対して位置決めされた状態でコイル辺8aと組み
合わされる。以後、第1実施例と同様に、可動ストッパ
19を後退させて下層スロット絶縁体4の移動規制を解
除した後、更に第1のコイル挿入矢17を押し込んで、
下層スロット絶縁体4と下層コイル導体8をコイル挿入
用通路16からコイル保持具11のコイル挿入用通路1
6へ移動する。
【0069】(第2実施例の効果)本実施例は、第1実
施例と同様な効果を有することは勿論のこと、以下の効
果もある。つまり、下層スロット絶縁体4を所定角度θ
だけ傾けた姿勢で保持しているため、その所定角度θだ
け傾いた姿勢では、図16に示すように、下層スロット
絶縁体4の上下寸法Gが両コイル端部8b間の距離A2
より小さくなる。このため、コイル辺8aが下層スロッ
ト絶縁体4に接近した時に、両者が互いに干渉すること
なく、スムーズに下層スロット絶縁体4の内側にコイル
辺8aが入り込むことができる。その後、下層スロット
絶縁体4とコイル辺8aとの当接部を支点として下層ス
ロット絶縁体4が所定角度の傾きを戻す方向に姿勢を変
化しながらコイル辺8aと組み合わされるため、両者が
長手方向に位置ずれすることなく、適正な位置関係で両
者を組み合わせることができる。
【0070】(第3実施例)図17はコイル保持具11
の断面図、図18はコイル保持具11の平面図である。
本実施例は、第1実施例および第2実施例に記載した組
合せ用治具10を使用することなく、コイル保持具11
のコイル組付用通路27内で下層スロット絶縁体4と下
層コイル導体8とを組み合わせ、そのままスロット3a
内へ挿入する一例を示すものである。なお、本実施例の
説明で第1実施例と共通の機能を有する部品は同一番号
で示す。
【0071】以下、第1実施例との変更点を中心に説明
する。コイル保持具11は、円周方向に一定の間隔を保
って配置されたコイル保持ブロック21間にコイル組付
用通路27を形成し、そのコイル組付用通路27の途中
に下層スロット絶縁体4をセットするための空間(以
下、スロット絶縁体保持部18と言う)を設けている。
コイル組付用通路27は、図19に示すように、スロッ
ト絶縁体保持部18より入口側の開口幅Hがコイル辺8
aの幅A1 より若干大きく形成され、スロット絶縁体保
持部18より出口側の開口幅Iが、コイル辺8aの幅A
1 と下層スロット絶縁体4の2枚分の厚みを足した寸法
より若干大きく形成されている。
【0072】スロット絶縁体保持部18は、図19に示
すように、コイル組付用通路27の入口側へ向かって断
面V字状に開いた形状に設けられ、且つコイル組付用通
路27に保持される下層コイル導体8のコイル辺8aに
対して所定角度θだけ傾斜して設けられている(図17
参照)。また、スロット絶縁体保持部18の出口側下端
部には、下層スロット絶縁体4の下方位置を規制する位
置決め用の突起(図示しない)が設けられている。コイ
ル保持ブロック21には、第1実施例と同様に、コイル
辺8aと組み合わされるまでの間、下層スロット絶縁体
4の移動を規制する可動ストッパ19(図19参照)が
スライド可能に具備されている。
【0073】次に、下層スロット絶縁体4と下層コイル
導体8とをコイル保持具11にセットする工程を説明す
る。下層スロット絶縁体4は、図17の矢印で示すよう
に、コイル保持具11の軸方向上方からスロット絶縁体
保持部18に挿入することができる。あるいは、下層コ
イル導体8をコイル組付用通路27に挿入する前に、コ
イル保持具11の径方向外周側(つまりコイル組付用通
路27の入口)からコイル組付用通路27に挿入し、そ
のまま通路内を通ってスロット絶縁体保持部18にセッ
トすることもできる。スロット絶縁体保持部18に挿入
された下層スロット絶縁体4は、自身の一部がコイル保
持ブロック21に設けられた位置決め用の突起に当接す
ることで所定の位置に保持される。下層コイル導体8
は、下層スロット絶縁体4をスロット絶縁体保持部18
にセットした後、図17および図18の矢印で示すよう
に、コイル保持具11の径方向外周側からコイル組付用
通路27内へ挿入され、コイル組付用通路27内の所定
位置(スロット絶縁体保持部18より入口側)でコイル
保持具11に設けられたコイルストッパ30によって押
圧保持される。
【0074】所定数の下層スロット絶縁体4と下層コイ
ル導体8とを全てコイル保持具11にセットした後、そ
のコイル保持具11と電機子鉄心3をそれぞれ第1実施
例と同様にコイル挿入装置12に取り付ける。続いて、
図示しない位置決め手段により、コイル保持具11のコ
イル組付用通路27と、コイル挿入装置12の第2のコ
イル挿入矢37および電機子鉄心のスロット3aをそれ
ぞれ位置合わせした後、第2のコイル挿入矢37を作動
させて下層コイル導体8を径方向内周側へ押し込む。こ
れにより、下層スロット絶縁体4がコイル辺8aに対し
て傾斜した姿勢でセットされているため、下層スロット
絶縁体4の下端部に下層コイル辺8aの下端部が当接
し、その後、更に下層コイル導体8が押し込まれると、
下層コイル導体8の移動に伴って下層スロット絶縁体4
が所定角度θを戻すように回転してコイル辺8aが下層
スロット絶縁体4に包み込まれるように下層スロット絶
縁体4の内側に押し込まれる。この時、下層スロット絶
縁体4は、長手方向の両端面が下層コイル導体8の両コ
イル端部8bの内側面に当接して長手方向の移動が規制
される。つまり、下層スロット絶縁体4は、下層コイル
導体8に対して位置決めされた状態でコイル辺8aを保
持することができる。この時点で、下層コイル導体8と
下層スロット絶縁体4とが組み合わされ、その後、下層
スロット絶縁体4とコイル辺8aとが一体にスロット3
a内へ挿入される。
【0075】(第3実施例の効果)本実施例では、下層
スロット絶縁体4と下層コイル導体8とをそれぞれコイ
ル保持具11にセットして、第2のコイル挿入矢37を
作動させることにより下層スロット絶縁体4とコイル辺
8aとを組み合わせてから、両者を一体にスロット3a
内へ挿入することができる。これにより、第1実施例と
同様に、下層スロット絶縁体4がスロット3aに対して
軸方向に位置ずれすることがなく、下層スロット絶縁体
4と下層コイル辺8aとを確実にスロット3a内に挿入
することができる。また、下層コイル辺8aに対し下層
スロット絶縁体4が位置ずれすることがなく、両者を適
正な位置関係で組み合わせることができる。更に、下層
スロット絶縁体4と下層コイル導体8とを別々にコイル
保持具11にセットできるため、特に自動でセットする
時には、セット工程を分割することで設備が簡単にな
り、より高速での組み立てが可能になる。
【0076】(第4実施例)図20および図21は下層
スロット絶縁体4の長手方向正面図である。本実施例
は、上層スロット絶縁体5と上層コイル導体9とを組み
合わせて電機子鉄心3に組み付ける方法を示すものであ
る。但し、下層スロット絶縁体4は、図20に示すよう
に、両側面部4bの途中から先端側4cが任意の角度だ
け外側へ折り曲げられている。あるいは、図21に示す
ように、両側面部4bの途中から先端側4cが任意の曲
率で外側へ湾曲した形状に整形されている。一方、上層
スロット絶縁体5は、図22に示すように、断面略U字
状に折り曲げられ、その両側面部5bが少し外側へ開い
た形状に整形されている。また、上層スロット絶縁体5
の底面部5a外側の幅Jは、下層スロット絶縁体4の開
口部内側の最小幅Kより小さく設定されている。
【0077】次に、本実施例の組立方法について説明す
る。まず、第1実施例ないし第3実施例で説明した何れ
かの方法により、下層スロット絶縁体4と下層コイル辺
8aとを組み合わせて両者を一体に電機子鉄心3のスロ
ット3a内に挿入する。所定数の下層スロット絶縁体4
と下層コイル導体8とを電機子鉄心3に組み付けた後、
上層コイル導体9のコイル辺9aを包み込むようにして
コイル辺9aに上層スロット絶縁体5を組み合わせ、こ
の組み合わされた上層スロット絶縁体5とコイル辺9a
とを、図22に示すように、電機子鉄心3の径方向外周
側から一体にスロット3a内へ挿入する。
【0078】(第4実施例の効果)本実施例では、下層
スロット絶縁体4の両側面部4bの途中から先端側4c
が任意の角度だけ外側へ折り曲げられている。あるい
は、両側面部4bの途中から先端側4cが任意の曲率で
外側へ湾曲した形状に整形されている。このため、上層
スロット絶縁体5と上層コイル辺9aとを一体にスロッ
ト3a内へ挿入する際に、下層スロット絶縁体4の開口
縁部が噛み込まれる恐れがない。また、上層スロット絶
縁体5の底面部5a外側の幅Jを下層スロット絶縁体4
の開口部内側の最小幅Kより小さく設定しているため、
上層スロット絶縁体5の底面部5aが下層スロット絶縁
体4の開口縁部に干渉することなく、スムーズに下層ス
ロット絶縁体4の開口部内側へ挿入することができる。
本実施例の方法によれば、上層スロット絶縁体5と上層
コイル辺9aとをスロット3a内に挿入する際に、下層
スロット絶縁体4を保持するための絶縁体保持具を必要
としないため、その分コストダウンが可能となる。ま
た、絶縁体保持具を使用しないと、絶縁体保持具による
下層スロット絶縁体4の保持不良が発生することがな
く、その保持不良による下層スロット絶縁体4の変形や
破損を防止できる。
【0079】(第5実施例)図23は外側リング状絶縁
体の組付装置の要部拡大断面図である。本実施例は、第
1実施例または第2実施例の方法により所定数の下層ス
ロット絶縁体4と下層コイル導体8とを電機子鉄心3に
組み付けた後、各下層コイル導体8のコイル突出部8c
の外径に外側リング状絶縁体7(図26参照)を組み付
ける工程について説明する。外側リング状絶縁体7を組
み付けるための組付装置は、鉄心保持手段51、コイル
押圧手段(下述する)、および外径ガイド52を備え
る。
【0080】a)鉄心保持手段51は、底面を有する略
円筒形の枠体によって形成されている(以下、鉄心保持
手段を枠体51と呼ぶ)。枠体51には、図24に示す
ように、電機子鉄心3を収容する凹部51aが設けら
れ、この凹部51aの底面中央部に回転軸2を支持する
位置決め孔51bを形成した筒状壁部51cが設けられ
ている。また、枠体51の周方向の所定位置には、図2
3にも示すように、電機子鉄心3の周方向の位置決めを
行う位置決め突起53が設けられている。この位置決め
突起53は、先端が凹部51aの内周面より中心方向へ
所定長さだけ突出しており、その先端部の断面形状が略
V字状に形成されている。
【0081】更に、枠体51には、電機子鉄心3のスロ
ット3aと同数のガイド孔51dが位置決め孔51bを
中心として放射状に枠体51を貫通して設けられてい
る。各ガイド孔51dは、位置決め突起53を基準とし
て周方向に等ピッチに配置され、各ガイド孔51dの位
置が電機子鉄心3のスロット3aと一致するように設け
られている。また、枠体51のガイド孔51dより上部
側(図23の上側)には、外径ガイド52を保持する複
数のガイド孔51eが位置決め孔51bを中心として放
射状に枠体51を貫通して設けられている。
【0082】b)コイル押圧手段は、枠体51に設けら
れた各ガイド孔51dにそれぞれ摺動自在に配設された
板状のコイル挿入矢54と、各コイル挿入矢54を同時
に駆動する駆動装置(図示しない)とから構成される。
このコイル押圧手段は、駆動装置により各コイル挿入矢
54をガイド孔51d内で中心方向へ向かって同時に前
進させることにより、所定数の下層コイル導体8を略均
一に押圧して、各下層スロット絶縁体4と下層コイル辺
8aとを電機子鉄心3のスロット3a内底部へ押し込む
ことができる。
【0083】c)外径ガイド52は、図24に示すよう
に、枠体51に設けられた各ガイド孔51eにそれぞれ
摺動自在に配されている。この外径ガイド52は、電機
子鉄心3に所定数の下層スロット絶縁体4と下層コイル
導体8とが組み付けられた後、コイル突出部8cを径方
向外側から内側に押圧して、コイル突出部8cの外径を
外側リング状絶縁体7の内径寸法D2 より小さい所定寸
法D1 に規制するものである(図25参照)。外径ガイ
ド52の先端内周形状は、複数の下層コイル突出部8c
を均等に押圧できるように円弧形状に形成されている
(図23参照)。具体的には、コイル突出部8cを押圧
する所定位置(図23の二点鎖線で示す位置)にて形成
される円形状を等分割して得られる円弧形状である。ま
た、外径ガイド52は、図25に示すように、先端部の
厚みt1 がコイル突出部8cの軸方向長さA5 より小さ
く設定され、且つコイル突出部8cの先端面(図25の
上端面)より所定寸法(例えば外側リング状絶縁体7の
厚みt2 以上)だけ内側(図25の下側)を押圧するよ
うに設けられている。
【0084】外側リング状絶縁体7は、図2に示したよ
うに、下層コイル突出部8cの外径に嵌め合わされ、下
層コイル導体8のコイル端部8bと上層コイル導体9の
コイル端部9bとの間に介在されて両者を絶縁するもの
で、例えば熱硬化性樹脂積層板等のベーク材により形成
されている。この外側リング状絶縁体7は、図26に示
すように、薄い板状(厚みt2 )のリング形状に形成さ
れて、その内周縁には多数の凹凸7aが設けられ、その
凹凸7aが各コイル突出部8cに嵌合するように設けら
れている。
【0085】次に、外側リング状絶縁体7の組立方法に
ついて説明する。まず、枠体51に具備された位置決め
突起53の先端部に電機子鉄心3のかしめ用突起3bに
よって形成されるV字状の溝3cを係合させながら、且
つ回転軸2の端部を枠体51に設けられた筒状壁部51
cの位置決め孔51bに差し込んで枠体51に電機子鉄
心3を保持する。これにより、電機子鉄心3のスロット
3aとコイル挿入矢54との周方向位置が一致する。続
いて、コイル押圧手段の駆動装置によりコイル挿入矢5
4を前進させて(ガイド孔51e内を径方向外側から内
側へ移動させる)、下層スロット絶縁体4と下層コイル
導体8のコイル辺8aとをスロット3a内の底部に押圧
する。これにより、コイル突出部8cの径方向および周
方向位置がそれぞれ規制される。
【0086】続いて、コイル挿入矢54で下層コイル辺
8aをスロット3a内の底部に押圧した状態を維持した
まま、外径ガイド52を径方向外側から内側へ前進させ
てコイル突出部8cを押圧し、コイル突出部8cの先端
を下層コイル導体8の弾性限度内で所定量Sだけ撓ませ
る(図25参照)。これにより、コイル突出部8cの外
径が外側リング状絶縁体7の内径寸法D2 より小さい所
定寸法D1 に規制される。続いて、外径ガイド52でコ
イル突出部8cを押圧したまま、外径ガイド52の外側
よりコイル突出部8cの外径に外側リング状絶縁体7を
嵌め合わせる。この後、外径ガイド52を径方向外側へ
後退させると、下層コイル導体8の弾性限度内で規制さ
れていたコイル突出部8cがスプリングバックによって
外側リング状絶縁体7の内径寸法D2 の位置まで戻る。
続いて、図示しない押圧手段により外側リング状絶縁体
7をコイル突出部8cの根元まで押し込んだ後、コイル
挿入矢54を径方向外側に後退させ、枠体51から外側
リング状絶縁体7を装着済みの電機子鉄心3を取り出
す。なお、外側リング状絶縁体7の組み付け作業は、手
組みによって行っても良い。
【0087】(第5実施例の効果)本実施例によれば、
コイル突出部8cを外径ガイド52で軸心方向へ押圧し
て、コイル突出部8cの外径と外側リング状絶縁体7の
内径との間の嵌合隙間を大きく変化させることにより、
外側リング状絶縁体7をコイル突出部8cの外径に嵌め
合わせる嵌合作業を容易に且つ効率良く行うことができ
る。これにより、外側リング状絶縁体7とコイル突出部
8cとの干渉を防止できるため、外側リング状絶縁体7
が割れたり欠けたりすることが無くなる。なお、本実施
例では、外径ガイド52の先端内周形状を円弧形状とし
ているが、外径ガイド52の内周に凹凸部を形成して、
外径ガイド52でコイル突出部8cを押圧した時に凹凸
部が各コイル突出部8cに嵌合するように構成しても良
い。この場合、外径ガイド52の凹凸部によってコイル
突出部8cの径方向および周方向の位置のばらつきをよ
り正確に規制できるため、外側リング状絶縁体7の嵌合
作業を更に容易、且つ効率良く行うことができる。
【0088】(第6実施例)図27はアーマチャ1の半
断面図である。本実施例は、一組の下層コイル導体8と
上層コイル導体9とを一体に成形した場合の一例を示す
ものである。下層コイル導体8と上層コイル導体9は、
例えば上層コイル辺9a、他方の上層コイル端部9b2
、他方の下層コイル端部8b2 、下層コイル辺8a、
一方の下層コイル端部8b1 、一方の上層コイル端部9
b1 が連続して一体に設けられている。この一体に成形
された下層コイル導体8と上層コイル導体9は、図28
に示すように、先ず下層スロット絶縁体4と下層コイル
辺8aとを組み合わせて両者を一体に電機子鉄心3のス
ロット3a内へ挿入し、続いて、上層コイル辺9aに繋
がる他方の上層コイル端部9b2 を折り曲げた後、更に
上層コイル辺9aを電機子鉄心3側へ折り曲げて、上層
スロット絶縁体5と共に所定のスロット3a内へ挿入す
ることにより電機子鉄心3に組み付けられる。本実施例
においても、第1実施例〜第3実施例で説明した組立方
法および組立装置を使用して電機子鉄心への組み付けを
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】下層スロット絶縁体と下層コイル導体とを組み
合わせてスロット内へ挿入する工程を示す断面図であ
る。
【図2】アーマチャの半断面図である。
【図3】アーマチャの分解斜視図である。
【図4】下層コイル導体の三面図である。
【図5】コイル辺がスロット内に挿入された状態を示す
断面図である。
【図6】コイル辺がスロット内に挿入された状態を示す
断面図である。
【図7】組合せ用治具とコイル保持具の平面図(a)と
側面図(b)である(第1実施例)。
【図8】組合せ用治具の要部水平断面図である(第1実
施例)。
【図9】組合せ用治具の要部縦断面図である(第1実施
例)。
【図10】コイル保持具の断面図である(第1実施
例)。
【図11】コイル組付用通路の開口形状を示す拡大平面
図である(第1実施例)。
【図12】コイル挿入装置の断面図である(第1実施
例)。
【図13】コイル挿入装置の平面図である(第1実施
例)。
【図14】下層スロット絶縁体と下層コイル導体とを組
み合わせてスロット内へ挿入する過程を示す斜視図であ
る(第2実施例)。
【図15】組合せ用治具の要部縦断面図である(第2実
施例)。
【図16】下層スロット絶縁体と下層コイル導体とを組
み合わせる過程を示す側面図である(第2実施例)。
【図17】コイル保持具の断面図である(第3実施
例)。
【図18】コイル保持具の平面図である(第3実施
例)。
【図19】下層スロット絶縁体と下層コイル導体とを組
み合わせてスロット内へ挿入する工程を示す断面図であ
る(第3実施例)。
【図20】下層スロット絶縁体の長手方向正面図である
(第4実施例)。
【図21】下層スロット絶縁体の長手方向正面図である
(第4実施例)。
【図22】上層スロット絶縁体と上層コイル導体とを組
み合わせてスロット内へ挿入する工程を示す断面図であ
る(第4実施例)。
【図23】外側リング状絶縁体の組付装置の要部拡大断
面図である(第5実施例)。
【図24】組付装置の断面図である(第5実施例)。
【図25】外側リング状絶縁体の組付工程を示す拡大断
面図である(第5実施例)。
【図26】外側リング状絶縁体の平面図(a)と断面図
(b)である(第5実施例)。
【図27】アーマチャの半断面図である(第6実施
例)。
【図28】コイル導体とスロット絶縁体を電機子鉄心に
組み付ける工程を示す斜視図である(第6実施例)。
【図29】下層コイル辺をスロット内へ挿入する状態を
示す断面図である(従来技術)。
【符号の説明】
1 アーマチャ(回転子) 3 電機子鉄心 3a スロット 3c V字状の溝(凹部、第1、第3、第4の位置決め
手段) 4 下層スロット絶縁体 4a 下層スロット絶縁体の底面部 4b 下層スロット絶縁体の側面部 5 上層スロット絶縁体 7 外側リング状絶縁体(リング状絶縁体) 8 下層コイル導体 8a 下層コイル辺 8b 下層コイル端部 8c 下層コイル突出部 9 上層コイル導体 9a 上層コイル辺 9b 上層コイル端部 9c 上層コイル突出部 10 組合せ用治具(組合せ手段) 11 コイル保持具(コイル保持手段) 12 コイル挿入装置(コイル挿入手段) 16 コイル挿入用通路 17 第1のコイル挿入矢(コイル移動手段) 18 スロット絶縁体保持部 19 可動ストッパ(規制手段) 27 コイル組付用通路 28 位置決め突起(突起部、第1、第3、第4の位
置決め手段) 37 第2のコイル挿入矢(コイル挿入装置) 52 外径ガイド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後藤 辰夫 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外周にスロットを有する電機子鉄心と、 直線状のコイル辺、およびこのコイル辺の両端から前記
    コイル辺に対して略直角に伸びる一対のコイル端部を有
    し、この一対のコイル端部が前記コイル辺を中心として
    周方向にそれぞれ反対側へ所定角度傾斜して設けられた
    コイル導体と、 前記スロット内に挿入される前記コイル辺を前記電機子
    鉄心より絶縁する可撓性材料から成るスロット絶縁体と
    を準備し、 前記スロット絶縁体と前記コイル導体とを前記電機子鉄
    心に組み付ける回転子の製造方法であって、 前記電機子鉄心に組み付ける前に予め前記スロット絶縁
    体と前記コイル辺とを組み合わせ、その組み合わせた前
    記スロット絶縁体と前記コイル辺とを一体に前記電機子
    鉄心の径方向外周側から前記スロット内へ挿入して前記
    電機子鉄心に組み付けることを特徴とする回転子の製造
    方法。
  2. 【請求項2】前記スロット絶縁体と前記コイル辺とを相
    対的に所定角度傾けた姿勢で対向させ、両者を接近させ
    て前記スロット絶縁体の一端部と前記コイル辺の一端部
    とを当接させてから、前記一端部同士を支点として前記
    スロット絶縁体の他端部と前記コイル辺の他端部とを相
    対的に近づけながら前記スロット絶縁体と前記コイル辺
    とが平行となるように少なくとも何方か一方側の姿勢を
    変化させて前記スロット絶縁体と前記コイル辺とを組み
    合わせ、この組み合わせた前記スロット絶縁体と前記コ
    イル辺とを一体に前記電機子鉄心の径方向外周側から前
    記スロット内へ挿入することを特徴とする請求項1に記
    載した回転子の製造方法。
  3. 【請求項3】前記スロット絶縁体を所定位置に所定角度
    傾けて配置し、前記スロット絶縁体と対向する方向から
    前記コイル導体を前記スロット絶縁体側へ移動させて前
    記コイル辺の一端部を前記スロット絶縁体の一端部に当
    接させ、その当接部で前記スロット絶縁体を押しながら
    前記コイル導体を更に移動させることにより、前記コイ
    ル辺の他端部を前記スロット絶縁体の他端部に近づけな
    がら前記スロット絶縁体と前記コイル辺とが平行となる
    ように前記当接部を支点として前記スロット絶縁体の姿
    勢を変化させて前記コイル辺に前記スロット絶縁体を組
    み合わせ、 その後、組み合わせた前記スロット絶縁体と前記コイル
    辺とを一体に前記電機子鉄心の径方向外周側から前記ス
    ロット内へ挿入することを特徴とする請求項1に記載し
    た回転子の製造方法。
  4. 【請求項4】前記スロット絶縁体は、前記コイル辺の内
    周面を受ける底面部と、この底面部の両側より立設して
    前記コイル辺の側面を受ける一対の側面部とから成る断
    面コの字形状に設けられ、前記コイル辺と組み合わされ
    る前に、前記一対の側面部間の開口幅が前記コイル辺の
    幅より大きくなるように、前記一対の側面部が前記底面
    部に対して外側へ開いた状態で配置されていることを特
    徴とする請求項1〜3に記載した何れかの回転子の製造
    方法。
  5. 【請求項5】前記スロット絶縁体は、前記コイル辺と組
    み合わされるまで前記コイル導体の移動方向へ移動しな
    いように移動規制されていることを特徴とする請求項1
    または4に記載した回転子の製造方法。
  6. 【請求項6】前記スロット絶縁体は、前記コイル辺と組
    み合わされるまで、前記他端部が前記コイル導体の移動
    方向へ移動しないように移動規制されていることを特徴
    とする請求項3または4に記載した何れかの回転子の製
    造方法。
  7. 【請求項7】前記電機子鉄心の全てのスロットに対応す
    る所定数の前記スロット絶縁体と前記コイル辺とをそれ
    ぞれ一体に組み合わせ、その組み合わされた所定数の前
    記スロット絶縁体と前記コイル辺とを前記電機子鉄心の
    径方向外周側から前記スロット内へ同時に挿入すること
    を特徴とする請求項1〜6に記載した何れかの回転子の
    製造方法。
  8. 【請求項8】前記電機子鉄心の全てのスロットに対応す
    る所定数の前記スロット絶縁体と前記コイル導体とをそ
    れぞれ前記電機子鉄心に組み付けた後、前記コイル導体
    の端部に設けられた軸方向に延びるコイル突出部の外径
    にリング状絶縁体を装着する際に、前記コイル突出部を
    径方向外周側から内周側に押圧して前記コイル突出部の
    外径を前記リング状絶縁体の内径より小さい所定寸法に
    規制し、その状態で前記リング状絶縁体を前記コイル突
    出部の外径に嵌め合わせることを特徴とする請求項1〜
    7に記載した何れかの回転子の製造方法。
  9. 【請求項9】外周にスロットを有する電機子鉄心と、 直線状のコイル辺、およびこのコイル辺の両端から前記
    コイル辺に対して略直角に伸びる一対のコイル端部を有
    し、この一対のコイル端部が前記コイル辺を中心として
    周方向にそれぞれ反対側へ所定角度傾斜して設けられた
    コイル導体と、前記スロット内に挿入される前記コイル
    辺を前記電機子鉄心より絶縁する可撓性材料から成るス
    ロット絶縁体とを準備し、 前記スロット絶縁体を前記スロットに組み付けた後、前
    記コイル辺を前記スロット絶縁体の内側に挿入して前記
    コイル導体を前記電機子鉄心に組み付ける回転子の製造
    方法であって、 前記スロット絶縁体は、前記コイル辺の内周面を受ける
    底面部と、この底面部の両側より立設して前記コイル辺
    の側面を受ける一対の側面部とから成る断面コの字形状
    に設けられ、前記一対の側面部間の開口幅が前記コイル
    辺の幅より大きくなるように、前記一対の側面部の先端
    部が外側へ開いた状態で前記スロットに組み付けられて
    いることを特徴とする回転子の製造方法。
  10. 【請求項10】外周にスロットを有する電機子鉄心と、 直線状のコイル辺、およびこのコイル辺の両端から前記
    コイル辺に対して略直角に伸びる一対のコイル端部を有
    し、この一対のコイル端部が前記コイル辺を中心として
    周方向にそれぞれ反対側へ所定角度傾斜して設けられた
    コイル導体と、 前記スロット内に挿入される前記コイル辺を前記電機子
    鉄心より絶縁する可撓性材料から成るスロット絶縁体と
    を準備し、 前記スロット絶縁体と前記コイル導体とを前記電機子鉄
    心に組み付ける回転子の製造装置であって、 入口から出口まで貫通するコイル挿入用通路を有し、こ
    のコイル挿入用通路内で前記スロット絶縁体と前記コイ
    ル導体とを組み合わせる組合せ手段と、 入口から出口まで貫通するコイル組付用通路を有し、前
    記組合せ手段で組み合わされた前記スロット絶縁体と前
    記コイル導体が前記入口より挿入されて前記コイル組付
    用通路内に保持した後、前記電機子鉄心の外周に配置さ
    れるコイル保持手段と、 前記電機子鉄心と前記コイル保持手段との周方向位置を
    規制して前記コイル組付用通路の出口を前記スロットに
    対向させる第1の位置決め手段と、 前記コイル組付用通路内へ挿入可能なコイル挿入矢を有
    し、このコイル挿入矢により前記コイル組付用通路内に
    保持されている前記コイル導体を前記電機子鉄心側へ移
    動させて前記スロット絶縁体と前記コイル辺とを一体に
    前記コイル組付用通路より前記スロット内へ挿入するコ
    イル挿入手段とを備えたことを特徴とする回転子の製造
    装置。
  11. 【請求項11】前記組合せ手段は、 前記コイル挿入用通路内の所定位置で前記スロット絶縁
    体を通路方向に対し所定角度傾けた姿勢で保持するスロ
    ット絶縁体保持部と、 このスロット絶縁体保持部に保持されている前記スロッ
    ト絶縁体より前記入口側で前記コイル挿入用通路内に挿
    入された前記コイル導体を前記出口側へ移動させるコイ
    ル移動手段とを具備し、 このコイル移動手段により前記コイル挿入用通路内に前
    記コイル導体を移動させ、その移動途中で、先ず前記コ
    イル辺の一端部を前記スロット絶縁体の一端部に当接さ
    せ、その当接部を支点として前記スロット絶縁体が前記
    コイル辺と平行になるように前記スロット絶縁体の姿勢
    を変化させて前記スロット絶縁体と前記コイル辺とを組
    み合わせることを特徴とする請求項10に記載した回転
    子の製造装置。
  12. 【請求項12】前記組合せ手段と前記コイル保持手段と
    の相互位置を規制して前記コイル挿入用通路の出口と前
    記コイル組付用通路の入口とを対向させる第2の位置決
    め手段を有し、 前記コイル挿入用通路の出口と前記コイル組付用通路の
    入口とが対向した状態で、前記コイル挿入用通路内で組
    み合わされた前記スロット絶縁体と前記コイル導体を、
    前記コイル移動手段により前記コイル挿入用通路内から
    前記コイル組付用通路内へ移動させることを特徴とする
    請求項10または11に記載した回転子の製造装置。
  13. 【請求項13】前記スロット絶縁体は、前記コイル辺の
    内周面を受ける底面部と、この底面部の両側より立設し
    て前記コイル辺の側面を受ける一対の側面部とから成る
    断面コの字形状に設けられており、 前記組合せ手段のスロット絶縁体保持部は、前記一対の
    側面部間の開口幅が前記コイル辺の幅より大きくなるよ
    うに、前記一対の側面部が前記底面部に対して外側へ開
    いた状態で前記スロット絶縁体を保持していることを特
    徴とする請求項10〜12に記載した何れかの回転子の
    製造装置。
  14. 【請求項14】前記組合せ手段は、前記スロット絶縁体
    が前記コイル辺と一体に組み合わされるまで、前記スロ
    ット絶縁体の他端部が前記コイル挿入用通路の出口側へ
    移動しないように移動規制する規制手段を具備している
    ことを特徴とする請求項10〜13に記載した何れかの
    回転子の製造装置。
  15. 【請求項15】前記第1の位置決め手段は、前記コイル
    保持手段の内周面に具備された突起部と、前記電機子鉄
    心の外周面に設けられた凹部とから成り、前記突起部を
    前記凹部に嵌合して前記スロットと前記コイル組付用通
    路との位置決めを行うことを特徴とする請求項10〜1
    4に記載した何れかの回転子の製造装置。
  16. 【請求項16】前記コイル保持手段は、前記電機子鉄心
    の全てのスロットに対向して形成された所定数のコイル
    組付用通路を有し、 前記コイル挿入手段は、全ての前記コイル組付用通路内
    にそれぞれ前記スロット絶縁体と前記コイル導体とが一
    体に組み合わされて保持された後、全ての前記コイル導
    体を同時に押し込んで所定数の前記スロット絶縁体と前
    記コイル辺とを一度に前記スロット内へ挿入することを
    特徴とする請求項10〜15に記載した何れかの回転子
    の製造装置。
  17. 【請求項17】外周にスロットを有する電機子鉄心と、 直線状のコイル辺、およびこのコイル辺の両端から前記
    コイル辺に対して略直角に伸びる一対のコイル端部を有
    し、この一対のコイル端部が前記コイル辺を中心として
    周方向にそれぞれ反対側へ所定角度傾斜して設けられた
    コイル導体と、 前記スロット内に挿入される前記コイル辺を前記電機子
    鉄心より絶縁する可撓性材料から成るスロット絶縁体と
    を準備し、 前記スロット絶縁体と前記コイル導体とを前記電機子鉄
    心に組み付ける回転子の製造装置であって、 入口から出口まで貫通するコイル組付用通路を有し、こ
    のコイル組付用通路の途中に、前記スロット絶縁体を通
    路方向に対し所定角度傾けた姿勢で保持するスロット絶
    縁体保持部、およびこのスロット絶縁体保持部に保持さ
    れる前記スロット絶縁体に対向して前記コイル導体を保
    持するコイル導体保持部を有し、前記スロット絶縁体保
    持部に前記スロット絶縁体を保持し、且つ前記コイル導
    体保持部に前記コイル導体を保持した後、前記電機子鉄
    心の外周に配置されるコイル保持手段と、 前記電機子鉄心と前記コイル保持手段との周方向位置を
    規制して前記コイル組付用通路の出口を前記スロットに
    対向させる第3の位置決め手段と、 前記コイル組付用通路内へ挿入可能なコイル挿入矢を有
    し、このコイル挿入矢により前記コイル導体保持部に保
    持されている前記コイル導体を前記電機子鉄心側へ移動
    させて前記コイル辺の一端部を前記スロット絶縁体の一
    端部に当接させ、その当接部で前記スロット絶縁体を押
    しながら前記コイル導体を更に前記電機子鉄心側へ移動
    させることにより、前記当接部を支点として前記コイル
    辺の他端部を前記スロット絶縁体の他端部に近づけなが
    ら前記スロット絶縁体の姿勢を変化させて前記スロット
    絶縁体と前記コイル辺とを組み合わせ、その組み合わせ
    た前記スロット絶縁体と前記コイル辺とを一体に前記コ
    イル組付用通路より前記スロット内へ挿入するコイル挿
    入手段とを備えたことを特徴とする回転子の製造装置。
  18. 【請求項18】前記スロット絶縁体は、前記コイル辺の
    径方向内周面を受ける底面部と、この底面部の両側より
    立設して前記コイル辺の側面を受ける一対の側面部とか
    ら成る断面コの字形状に設けられており、 前記スロット絶縁体保持部は、前記一対の側面部間の開
    口幅が前記コイル辺の幅より大きくなるように、前記一
    対の側面部が前記底面部に対して外側へ開いた状態で前
    記スロット絶縁体を保持していることを特徴とする請求
    項17に記載した回転子の製造装置。
  19. 【請求項19】前記コイル保持手段は、前記スロット絶
    縁体が前記コイル辺と一体に組み合わされるまで、前記
    スロット絶縁体の他端部が前記コイル組付用通路の出口
    側へ移動しないように移動規制する規制手段を具備して
    いることを特徴とする請求項17または18に記載した
    回転子の製造装置。
  20. 【請求項20】前記第3の位置決め手段は、前記コイル
    保持手段の内周面に具備された突起部と、前記電機子鉄
    心の外周面に設けられた凹部とから成り、前記突起部を
    前記凹部に嵌合して前記スロットと前記コイル組付用通
    路との位置決めを行うことを特徴とする請求項17〜1
    9に記載した何れかの回転子の製造装置。
  21. 【請求項21】前記コイル保持手段は、前記電機子鉄心
    の全てのスロットに対向して形成された所定数のコイル
    組付用通路を有し、 前記コイル挿入手段は、全ての前記コイル組付用通路内
    にそれぞれ前記スロット絶縁体と前記コイル導体とが保
    持された後、全ての前記コイル導体を同時に押し込んで
    所定数の前記スロット絶縁体と前記コイル辺とを一度に
    前記スロット内へ挿入することを特徴とする請求項17
    〜20に記載した何れかの回転子の製造装置。
  22. 【請求項22】外周にスロットを有する電機子鉄心と、 直線状のコイル辺、およびこのコイル辺の両端から前記
    コイル辺に対して略直角に伸びる一対のコイル端部を有
    し、この一対のコイル端部が前記コイル辺を中心として
    周方向にそれぞれ反対側へ所定角度傾斜して設けられた
    コイル導体と、 前記スロット内に挿入される前記コイル辺を前記電機子
    鉄心より絶縁する可撓性材料から成るスロット絶縁体と
    を準備し、 前記スロット絶縁体と前記コイル導体とを前記電機子鉄
    心に組み付ける回転子の製造装置であって、 入口から出口まで貫通するコイル組付用通路を有し、予
    め一体に組み合わされた前記スロット絶縁体と前記コイ
    ル導体とが前記コイル組付用通路内に挿入されて所定位
    置で保持した後、前記電機子鉄心の外周に配置されるコ
    イル保持手段と、 前記電機子鉄心と前記コイル保持手段との周方向位置を
    規制して前記コイル組付用通路の出口を前記スロットに
    対向させる第4の位置決め手段と、 前記コイル組付用通路内へ挿入可能なコイル挿入矢を有
    し、このコイル挿入矢により前記コイル組付用通路内に
    保持されている前記コイル導体を前記電機子鉄心側へ移
    動させて前記スロット絶縁体と前記コイル辺とを一体に
    前記コイル組付用通路より前記スロット内へ挿入するコ
    イル挿入手段とを備えたことを特徴とする回転子の製造
    装置。
  23. 【請求項23】前記第4の位置決め手段は、前記コイル
    保持手段の内周面に具備された突起部と、前記電機子鉄
    心の外周面に設けられた凹部とから成り、前記突起部を
    前記凹部に嵌合して前記スロットと前記コイル組付用通
    路との位置決めを行うことを特徴とする請求項22に記
    載した回転子の製造装置。
  24. 【請求項24】前記コイル保持手段は、前記電機子鉄心
    の全てのスロットに対向して形成された所定数のコイル
    組付用通路を有し、 前記コイル挿入手段は、全ての前記コイル組付用通路内
    にそれぞれ前記スロット絶縁体と前記コイル導体とが保
    持された後、全ての前記コイル導体を同時に押し込んで
    所定数の前記スロット絶縁体と前記コイル辺とを一度に
    前記スロット内へ挿入することを特徴とする請求項22
    または23に記載した回転子の製造装置。
  25. 【請求項25】前記電機子鉄心の全てのスロットに対応
    する所定数の前記スロット絶縁体と前記コイル導体とを
    それぞれ前記電機子鉄心に組み付けた後、前記コイル導
    体の端部に設けられた軸方向に延びるコイル突出部の外
    径にリング状絶縁体を装着する際に、前記コイル突出部
    を径方向外周側から内周側に押圧して前記コイル突出部
    の外径を前記リング状絶縁体の内径より小さい所定寸法
    に規制する外径ガイドを有し、 この外径ガイドは、複数に分割され、且つ前記リング状
    絶縁体の外径より内径側へ入り込む先端部の軸方向厚み
    寸法が前記コイル突出部の軸方向長さより小さく設定さ
    れていることを特徴とする請求項10〜24に記載した
    何れかの回転子の製造装置。
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