JP3591305B2 - 回転電機の電機子の組立て装置及び製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転電機の電機子の組立て装置、及びその組立て装置を用いて組み立てられる電機子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術として、特願平7−326983号の「回転電機の回転子の製造方法」がある。この先願に記載された回転子は、図6に示す様に、電機子鉄心3に所定数の下層コイル導体7と上層コイル導体8とを組み立てて構成され、各下層コイル導体7のコイル端部7bと電機子鉄心3の軸方向端面との間、及び各下層コイル導体7のコイル端部7bと各上層コイル導体8のコイル端部8bとの間に、それぞれ円板状絶縁体(内側絶縁体4と外側絶縁体5)が組み込まれている。
その組立て方法として、先ず内側絶縁体4の中空部を回転軸2に通して内側絶縁体4を電機子鉄心3の端面に装着した後、所定数の下層コイル導体7を電機子鉄心3に組み立てる。続いて、外側絶縁体5の中空部を各下層コイル導体7のコイル突出部7cの外径に挿入して外側絶縁体5をコイル端部7bの端面上に装着した後、所定数の上層コイル導体8を電機子鉄心3に組み立てる方法が記載されている。なお、外側絶縁体5は、図9に示す様に、その中空部の内周縁に複数の嵌合溝5bが設けられ、これらの嵌合溝5bが各下層コイル導体7のコイル突出部7cに嵌合した状態で装着されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、外側絶縁体5は、高速回転時に下層コイル導体7のコイル突出部7cが遠心力で径方向外側へ拡がろうとするのを規制するために、コイル突出部7cの径方向外周面と嵌合溝5bの径方向内周面との間に微小なクリアランス(図15に示す電機子鉄心3の中心からコイル突出部7cの径方向外周面までの距離yと、図9に示す外側絶縁体5の中心から嵌合溝5bの径方向外周面までの距離Yとの差)しか設定されていない。
また、コイル突出部7cの周方向の位置決めを行うために、図15に示すコイル突出部7cの周方向幅xと図9に示す嵌合溝5bの周方向幅Xとの間にも微小なクリアランスしか設定されていない。このため、外側絶縁体5をコイル突出部7cの外径に挿入するのが非常に困難であった。
【0004】
なお、各コイル突出部7cを径方向外周から放射状に縮径して、前記クリアランスを増加させた状態で外側絶縁体5をコイル突出部7cの外径に挿入することも考えられる。しかし、この場合、コイル突出部7cの周方向の位置決めが成されていないため、外側絶縁体5の嵌合溝5bとコイル突出部7cとが周方向に位置ずれしたまま外側絶縁体5をコイル突出部7cの外径に挿入すると、それまで縮径していたコイル突出部7cを径方向外側へ戻した時に、コイル突出部7cが嵌合溝5bの角部等に干渉して外側絶縁体5に割れや欠け等が生じる可能性がある。あるいは、外側絶縁体5との干渉によってコイル突出部7cに変形が生じる恐れもあった。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、円板状絶縁体(外側絶縁体)に割れや欠け等が生じることなく、あるいはコイル突出部に変形が生じることもなく、コイル突出部の外径に円板状絶縁体を容易に挿入できる電機子の組立て装置及び製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
(請求項1の手段)
本発明による電機子の組立て装置は、電機子鉄心を回転軸の両側で保持する鉄心保持手段と、電機子鉄心に組み立てられた複数の下層コイル導体のコイル突出部群を周方向に位置決めする位置決め手段と、周方向に位置決めされたコイル突出部群を径方向内側へ縮径する縮径手段と、嵌合溝とコイル突出部との周方向位置を合わせた状態で、径方向内側へ縮径されているコイル突出部群の外径に軸方向から円板状絶縁体を挿入する絶縁体挿入手段とを備えている。この組み立て装置によれば、各コイル突出部を周方向に位置決めした状態で径方向内側に縮径することにより、下層コイル導体のコイル突出部と円板状絶縁体の嵌合溝との周方向位置を一致させた状態でコイル突出部と嵌合溝とのクリアランスを大きく確保できる。その結果、コイル突出部群の外径に円板状絶縁体を挿入した後、コイル突出部群を径方向外側に拡径して元の状態に戻した時に、嵌合溝の角部等がコイル突出部と干渉することなく、確実にコイル突出部を嵌合溝に嵌合させることができる。
【0006】
(請求項2の手段)
位置決め手段は、コイル突出部を収容するガイド溝を有し、このガイド溝にてコイル突出部の周方向の両側面を規制しているため、ガイド溝に沿ってコイル突出部を径方向内側へ縮径することができる。
縮径手段は、押圧手段を具備し、この押圧手段によりコイル辺の長手方向の端部を径方向外側から内側へ向かって押圧することにより、位置決め手段によって周方向に位置決めされているコイル突出部群を径方向内側へ縮径することができる。
絶縁体挿入手段は、ガイド溝によって周方向に位置決めされたコイル突出部と嵌合溝との周方向位置を合わせた状態で円板状絶縁体を保持することができる。従って、この絶縁体挿入手段により円板状絶縁体を軸方向に移動させてコイル突出部群の外径に挿入すれば、必然的に嵌合溝とコイル突出部との周方向位置を合わせることができる。
【0007】
(請求項3の手段)
本発明の組立て装置は、位置決め手段によりコイル突出部群を周方向に位置決めする際に、ガイド溝から外れている一部のコイル突出部をガイド溝内に収めるための手段として、位置決め手段を電機子鉄心の周方向に所定の範囲で回転させる位置決め回転手段を有している。これにより、ガイド溝から外れている一部のコイル突出部を確実にガイド溝内に収めることができ、全てのコイル突出部(コイル突出部群)を位置決め手段により位置決めすることができる。
【0008】
(請求項4の手段)
請求項1または2に記載した組立て装置により円板状絶縁体を電機子鉄心に組み立てる電機子の製造方法であって、位置決め手段によりコイル突出部群を周方向に位置決めした後、縮径手段にてコイル突出部群を径方向内側へ縮径し、続いて、嵌合溝とコイル突出部との周方向位置を合わせた状態で、絶縁体挿入手段により、径方向内側へ縮径されているコイル突出部群の外径に円板状絶縁体を挿入し、その後、縮径手段の作用を解除してコイル突出部群を径方向外側へ拡径することによりコイル突出部群をそれぞれ嵌合溝に嵌合させることを特徴とする。
この製造方法によれば、コイル突出部群の外径に円板状絶縁体を挿入した後、コイル突出部群を径方向外側に拡径して元の状態に戻した時に、嵌合溝の角部等がコイル突出部と干渉することなく、確実にコイル突出部を嵌合溝に嵌合させることができる。
【0009】
(請求項5の手段)
請求項3に記載した組立て装置により円板状絶縁体を電機子鉄心に組み立てる電機子の製造方法であって、位置決め手段によりコイル突出部群を周方向に位置決めする際に、位置決め回転手段により位置決め手段を所定の範囲で回転させることにより、ガイド溝から外れている一部のコイル突出部をガイド溝内に収めることができる。これにより、全てのコイル突出部(コイル突出部群)がガイド溝内に収まることで、コイル突出部群の周方向位置を規制することができる。
【0010】
(請求項6〜11の手段)
本発明の組立て装置によれば、電機子鉄心を回転させながらコイル突出部規制手段によりコイル突出部の径方向位置を規制しつつ、絶縁体保持手段に保持されている円板状絶縁体を押圧手段により所定角度傾斜した姿勢でコイル突出部に対して軸方向から押圧することにより、コイル突出部が順次嵌合溝に嵌合して、コイル突出部群の外径に円板状絶縁体を挿入することができる。これにより、嵌合溝の角部等がコイル突出部と干渉することなく、全てのコイル突出部を確実に嵌合溝に嵌合させることができる。
【0011】
また、請求項9に記載した様に、一方の円板状絶縁体の組立てを行う前に、予め他方の円板状絶縁体を他方のコイル突出部群の外周に挿入しておく(但し、この場合、嵌合溝にコイル突出部が嵌合していない)ことにより、一方の円板状絶縁体の各嵌合溝に一方の各コイル突出部がそれぞれ嵌合した時点で、必然的に他方のコイル突出部が位置決めされるため、他方の円板状絶縁体の各嵌合溝にそれぞれ他方の各コイル突出部が嵌合して、他方のコイル突出部群の外径に確実に外側絶縁体を挿入することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
(第1実施例)
図1は絶縁体組立て装置の断面図である。
本実施例は、例えば図6に示すスタータモータの電機子(アーマチャ)1に適用される。
電機子1は、回転軸2、電機子鉄心3、電機子コイル(後述する)、及び円板状絶縁体4、5等から構成される。
電機子鉄心3は、複数枚のコアシートを積層して構成され、回転軸2の外周に嵌合して回転軸2と一体に回転可能に設けられている。電機子鉄心3の外周部には、所定数(例えば25個)のスロット6(図7参照)がそれぞれ軸方向に沿って凹設され、各スロット6が電機子鉄心3の周方向に等ピッチに設けられている。
【0013】
電機子コイルは、それぞれスロット6の数と同数の下層コイル導体7と上層コイル導体8から成る。その下層コイル導体7と上層コイル導体8は、電気抵抗の低い純銅または純アルミニウムを材料として、それぞれ以下に述べる所定の形状に整形されている。
下層コイル導体7は、図8に示す様に、直線状のコイル辺7aと、このコイル辺7aの両端からコイル辺7aに対して略直角に伸びる一組のコイル端部7bと、各コイル端部7bの先端から略直角にコイル辺7aと反対側へ伸びる一組のコイル突出部7cとから成り、一組のコイル端部7bがコイル辺7aを中心として互いに反対側へ所定角度傾斜して設けられている(図8(b)参照)。この下層コイル導体7は、図6に示す様に、コイル辺7aが下層側スロット絶縁紙9(図7参照)を介してスロット6内に挿入され、両コイル端部7bがそれぞれ電機子鉄心3の端面と略平行に回転軸2側へ伸びた状態で電機子鉄心3に組み立てられている。
【0014】
上層コイル導体8は、直線状のコイル辺8aと、このコイル辺8aの両端からコイル辺8aに対して略直角に伸びる一組のコイル端部8bと、各コイル端部8bの先端から略直角にコイル辺8aと反対側へ伸びる一組のコイル突出部8cとから成り、一組のコイル端部8bがコイル辺8aを中心として互いに反対側へ所定角度傾斜して設けられている。この上層コイル導体8は、図6に示す様に、コイル辺8aが上層側スロット絶縁紙10(図7参照)を介してスロット6内の下層コイル辺7aの外側に挿入され、両コイル端部8bがそれぞれ下層コイル端部7bの外側を略平行に回転軸2側へ伸びた状態で電機子鉄心3に組み立てられている。なお、上層コイル導体8の全体形状は、図8に示した下層コイル導体7と略同じであるが、一方(図6の右側)のコイル端部8bは、その端面上をブラシ(図示しない)が摺動する整流子辺として形成されている。
【0015】
円板状絶縁体4、5は、電機子鉄心3の端面と下層コイル導体7のコイル端部7bとの間に介在されて両者を絶縁する一組の内側絶縁体4と、下層コイル導体7のコイル端部7bと上層コイル導体8のコイル端部8bとの間に介在されて両者を絶縁する一組の外側絶縁体5とから成る。
内側絶縁体4は、中央部に回転軸2の外径に嵌合できる程度の丸孔4aを有し、下層コイル導体7を電機子鉄心3に組み立てる前に、軸方向から丸孔4aに回転軸2を通して電機子鉄心3の両端面に装着される。
外側絶縁体5(5A、5B)は、中央部に下層コイル突出部7cの外径に嵌合できる程度の丸孔5aを有し、下層コイル導体7を電機子鉄心3に組み立てた後(上層コイル導体8を組み立てる前)、以下に説明する絶縁体組立て装置11により組み立てられる。なお、丸孔5aの内周縁には、図9に示す様に、複数の嵌合溝5bが全周に渡って等ピッチに設けられている。
【0016】
(絶縁体組立て装置11の説明)
絶縁体組立て装置11は、図1に示す様に、回転軸2の両端面を両側から挟み込んで電機子鉄心3を保持する一組のセンタ12、このセンタ12の外周に嵌装された一組のコイルガイド13、このコイルガイド13の外周に嵌装された一組のプッシャ14、電機子鉄心3に組み立てられた下層コイル導体7のコイル突出部7cを径方向内側へ縮径するための縮径ユニット(下述する)等より構成されている。
センタ12は、図示しないアクチュエータにより駆動されて軸方向(図1の矢印方向)に移動可能に設けられている。
【0017】
コイルガイド13は、センタ12とは別駆動のアクチュエータ(図示しない)によりセンタ12の外周面を軸方向(図1の矢印方向)に摺動可能に設けられている。コイルガイド13の外周面には、複数のガイド溝13aが軸方向に沿って凹設され、その各ガイド溝13aが周方向に等ピッチに設けられている。このガイド溝13aは、図2に示す様に、電機子鉄心3に組み立てられた各下層コイル導体7のコイル突出部7cが嵌合することにより、コイル突出部7cの両側面を規制して周方向に位置決めすることができる。但し、ガイド溝13aは、下層コイル導体7が電機子鉄心3に組み立てられた状態で、図3に示す様に、コイル突出部7cの径方向内周端とガイド溝13aの底面との間に所定の隙間sを有する程度の溝深さhに形成されている。
プッシャ14は、図示しないアクチュエータによりコイルガイド13の外周面を軸方向(図1の矢印方向)に摺動可能に設けられ、電機子鉄心3と軸方向に対向する端面上に各々外側絶縁体5A、5Bを保持している。なお、プッシャ14は、コイルガイド13のガイド溝13aと嵌合溝5bとの周方向位置を一致させた状態で外側絶縁体5A、5Bを保持することができる。
【0018】
縮径ユニットは、電機子鉄心3のスロット6に挿入された下層コイル辺7aの一方の端部を径方向外側から内側へ向かって押圧するための縮径爪15と、この縮径爪15を径方向に作動させる作動装置(下述する)とを備える。
縮径爪15は、電機子鉄心3の各スロット6毎に用意され、電機子鉄心3の外周に配置される保持リング16の貫通孔16a(図5参照)に放射状に挿入されている。
作動装置は、図5に示す様に、カム溝17を有する可動円盤(図示しない)、この可動円盤に回転力を付与するアクチュエータ(図示しない)、可動円盤と対向して可動円盤と平行に配された固定円盤18、縮径爪15を押圧する押圧矢19等より構成される。
【0019】
可動円盤に形成されたカム溝17は、径方向の外周側から内周側へ向かうに連れて曲率が次第に小さくなる略スクロール状に形成されている。
固定円盤18には、半径方向に伸びるガイド穴18aが放射状に複数(スロット6数と同数)形成されている。
押圧矢19は、ガイド穴18aに案内されて固定円盤18の径方向にスライド可能に設けられたスライド部20を具備し、このスライド部20より内径方向へ棒状に突き出す様に設けられている。スライド部20には、平面形状が円形を成すカムフォロア21が螺子22等により固定され、可動円盤のカム溝17内に嵌合してカム溝17内を移動可能に設けられている。なお、カムフォロア21は、可動円盤が静止している時に、図5に示す様に、カム溝17の外径側端部に位置している。
【0020】
続いて、絶縁体組立て装置11による外側絶縁体5A、5Bの組立て方法(本発明の電機子の製造方法)を説明する。
まず、電機子鉄心3の各スロット6にコイル辺7aを挿入して全ての下層コイル導体7を組み立てる。
次に、両センタ12にて回転軸2の両端面を挟み込んで電機子鉄心3を保持する。この時、電機子鉄心3は、回転しない様に周方向に位置決めされている。
次に、アクチュエータにより一方のコイルガイド13をセンタ12の外周面に沿って移動させ、ガイド溝13aに一方のコイル突出部7cを嵌合させて各コイル突出部7cの周方向位置を規制する。
【0021】
次に、縮径ユニットの縮径爪15により、スロット6から突出しているコイル辺7aの一方の端部(図1の右端部/一方のコイル端部7bの径方向外周端)を押圧する。具体的には、アクチュエータにより可動円盤を回転させると、カムフォロア21が可動円盤のカム溝17内を内径側へ移動するため、そのカムフォロア21が固定されたスライド部20も固定円盤18のガイド穴18aを内径側へ移動する。その結果、スライド部20を具備する押圧矢19が内径方向へ移動することにより、押圧矢19が保持リング16に組み込まれている縮径爪15を押し出し、その縮径爪15がコイル辺7aの一方の端部を径方向内側へ押圧する。
【0022】
これにより、一方のコイル端部7bが電機子鉄心3の端面に沿って径方向内側へ移動し、そのコイル端部7bの移動に伴って、一方のコイル突出部7cがガイド溝13a内を径方向内側へ押し込まれて縮径される(図4参照)。
この状態(一方のコイル突出部7c群が縮径された状態)で、アクチュエータにより一方のプッシャ14を軸方向から押し出して、プッシャ14の端面上に保持されている外側絶縁体5Aの丸孔5aをコイル突出部7c群の外周に挿入する。この後、作動装置により縮径爪15を径方向外側へ移動させて、コイル辺7aに付与していた押圧力を解除する。これにより、一方のコイル突出部7c群が径方向外側へ拡がって、それぞれ外側絶縁体5Aの嵌合溝5bに嵌合する。
【0023】
次に、縮径ユニットに対して、両センタ12にて保持されている電機子鉄心3を軸方向に移動させ、縮径爪15の径方向内側にコイル辺7aの他方の端部を配置する。
以後、一方の外側絶縁体5Aの丸孔5aを一方のコイル突出部7cの外径に挿入する工程と同様に、他方の外側絶縁体5Bの丸孔5aを他方のコイル突出部7cの外径に挿入して他方の外側絶縁体5Bを組み立てる。
両方の外側絶縁体5A、5Bを組立てた後、電機子鉄心3を最初にセットした位置(図1に示す位置)まで戻し、プッシャ14、コイルガイド13、センタ12の順に電機子鉄心3から離脱させる。以上の一連の動作により、両外側絶縁体5A、5Bの組み立てが終了する。
【0024】
(第1実施例の効果)
本実施例の絶縁体組立て装置11による外側絶縁体5の組立て方法では、各コイル突出部7cの両側面をガイド溝13aにて規制した状態(つまり各コイル突出部7cが周方向に位置決めされた状態)で、更に縮径ユニットにて各コイル突出部7cを径方向内側に縮径するため、コイル突出部7cを外側絶縁体5の嵌合溝5bと周方向位置を合わせた状態で、コイル突出部7cと嵌合溝5bとの径方向クリアランスを大きく確保できる。その結果、コイル突出部7c群の外周に外側絶縁体5を挿入した後、コイル突出部7c群を径方向外側に拡径して元の状態に戻した時に、嵌合溝5bの角部等がコイル突出部7cと干渉することなく、確実にコイル突出部7cを嵌合溝5bに嵌合させて外側絶縁体5をコイル突出部7c群の外径に挿入することができる。これにより、外側絶縁体5の組立て時において、外側絶縁体5の割れや欠け、あるいはコイル突出部7cの変形等を防止できる。
【0025】
(変形例)
本実施例では、図5に示す作動装置によって縮径爪15を作動させているが、外周方向から複数のアクチュエータにて同時に縮径する方法でも良い。
また、両外側絶縁体5A、5Bを片方ずつ組み立てているが、縮径ユニットを二組用意してコイル辺7aの両端部外周に配置することにより、両外側絶縁体5A、5Bを同時に組み立てる様に構成しても良い。
本実施例の鉄心保持手段は、センタ12にて回転軸2を両側から挟み込んで電機子鉄心3を保持する構成であるが、回転軸2の外径を回転自在に保持する構造でも良い。
【0026】
(第2実施例)
図10は絶縁体組立て装置11の断面図である。
本実施例は、第1実施例に記載したコイルガイド13のガイド溝13aによってコイル突出部7c群の位置決めを行う際に、その一部のコイル突出部7cがガイド溝13aから外れて位置決めされないという不具合を解消するための手段として、コイルガイド回転ユニット33を付加した一例を示すものである。なお、コイルガイド回転ユニット33以外は、第1実施例に記載した絶縁体組立て装置11を使用することができるため、コイルガイド回転ユニット33以外の説明は省略する。
【0027】
コイルガイド回転ユニット33は、図11に示すように、コイルガイド13を駆動するためのアクチュエータ34と、このアクチュエータ34の出力軸34aに具備された伝達プッシャ35とを備え、この伝達プッシャ35に係合するシャフト36を介してコイルガイド13を回転揺動させることができる。
アクチュエータ34は、図11の矢印Aで示すように、出力軸34aを往復動(進退)させることができる。
伝達プッシャ35は、一定の間隔を空けて対向する一組の係合板を出力軸34aに直交して組み付けられている。
シャフト36は、コイルガイド13の半径方向外側へ延びて設けられ、先端部が伝達プッシャ35を構成する一組の係合板の間に挿入されている。なお、シャフト36の先端部は、伝達プッシャ35の移動に追従できるように、略球形状に整形されている。
以上の構成から成るコイルガイド回転ユニット33は、アクチュエータ34の出力軸34aが作動すると、出力軸34aと一体に伝達プッシャ35が移動し、更にシャフト36が伝達プッシャ35の移動に追従することで、図11の矢印Bで示すように、センタ12を回転中心としてコイルガイド13を所定の揺動範囲で回転揺動させることができる。
【0028】
次に、コイルガイド回転ユニット33の作動を重点的に説明する。
電機子鉄心3に全ての下層コイル導体7を組み立てた後、両センタ12にて回転軸2の両端面を挟み込んで電機子鉄心3を保持する。
次に、図示しないアクチュエータにより一方のコイルガイド13をセンタ12の外周面に沿って移動させ、コイルガイド13のガイド溝13aに一方のコイル突出部7cを嵌合させる。この時、全てのコイル突出部7cが一度にガイド溝13aに収まるとは限らない。つまり、図11に示すように、一部のコイル突出部7c1がガイド溝13aから外れる場合が起こりうる。そこで、一方のコイルガイド13をセンタ12の外周面に沿って移動させた後、コイルガイド回転ユニット33によりコイルガイド13を所定の揺動範囲で回転揺動させる。このコイルガイド13の回転揺動運動により、ガイド溝13aより外れていた一部のコイル突出部7c1がガイド溝13a内に収まることで、全てのコイル突出部7cを位置決めできる。
【0029】
以後、第1実施例と同様に、スロット6から突出しているコイル辺7aの一方の端部(図10の右端部)を押圧することにより、一方のコイル突出部7cをガイド溝13a内にて径方向内側へ押し込んで縮径する。この状態で、一方のプッシャ14を軸方向から押し出して、プッシャ14の端面上に保持されている外側絶縁体5Aの丸孔5a(図9参照)をコイル突出部7c群の外周に挿入する。この後、縮径爪15を径方向外側へ移動させてコイル辺7aに付与していた押圧力を解除することにより、一方のコイル突出部7c群が径方向外側へ拡がって、それぞれ外側絶縁体5Aの嵌合溝5bに嵌合する。以上により、外側絶縁体5Aの組み立てを完了する。
【0030】
(第2実施例の効果)
本実施例では、コイルガイド13のガイド溝13aによりコイル突出部7c群を位置決めする際に、コイルガイド回転ユニット33によりコイルガイド13を所定の揺動範囲で回転揺動させている。これにより、ガイド溝13aから外れている一部のコイル突出部7c1をガイド溝13a内に収めることができ、全てのコイル突出部7c(コイル突出部群)の周方向位置をガイド溝13aにて確実に規制することができる。
【0031】
(第3実施例)
図12は絶縁体組立て装置23の断面図である。
本実施例の絶縁体組立て装置23は、図12に示す様に、装置のベース部材を構成するガイドベースプレート24、電機子鉄心3に組み立てられた下層コイル導体7の一方のコイル突出部7cの径方向位置を規制する先端揃えプレート25、一方のコイル突出部7cの軸方向外側で一方の外側絶縁体5Aを保持する絶縁体ガイドプレート26、この絶縁体ガイドプレート26に保持された外側絶縁体5Aを片面側(図12の右側)より支持する可動プレート27等より構成されている。
【0032】
ガイドベースプレート24は、断面略L字形に設けられて、上端中央部にU字状に開口する軸支部24aが設けられ、この軸支部24aにて回転軸2の他端側外周面を回転自在に支持している。プレート24の一端側は、保持された電機子鉄心3の下側を通って電機子鉄心3の一端側まで延設され、その軸方向端面が電機子鉄心3の一端側端面より若干軸方向外側に位置している。
なお、軸支部24aの内側(図12の右側)には、電機子鉄心3に付加されるスラスト方向の力を受けるスラスト軸受28が配されている。
先端揃えプレート25は、ガイドベースプレート24の軸方向端面に隣接して配され、プレート25の上部側に略V字形に開く開口部が設けられている。この開口部は、図13に示す様に、電機子鉄心3の回転に伴ってコイル突出部7cの径方向外周端を導入する導入部25aと、導入されたコイル突出部7cの径方向位置を規制するガイド部25bとを有している。ガイド部25bは、コイル突出部7cを径方向内側に若干縮径できる程度の円弧面によって形成され、導入部25aは、任意の位置からガイド部25bの接線方向に開口して設けられている。
【0033】
絶縁体ガイドプレート26は、ガイドベースプレート24との間に先端揃えプレート25を挟み込んでスクリュ29等によりガイドベースプレート24に固定されている。この絶縁体ガイドプレート26には、図13に示す様に、プレート26の上部側にU字状に開く開口部が設けられ、この開口部のガイド部26aにて外側絶縁体5Aの外径を保持している。なお、ガイド部26aは、外側絶縁体5Aの外径と略同一の円弧状に設けられている。
可動プレート27は、絶縁体ガイドプレート26の軸方向外側(図12の右側)に配されて、ガイドベースプレート24に対し案内シャフト30に沿って軸方向に進退可能に設けられ、絶縁体ガイドプレート26と先端揃えプレート25とを貫通してガイドベースプレート24に螺着された調節螺子31により軸方向位置を調節可能に設けられている。なお、案内シャフト30は、図14に示す様に、調節螺子31の両側に配されており、可動プレート27の移動を案内するとともに、可動プレート27の回転規制を行っている。
【0034】
可動プレート27には、図14に示す様に、上端中央部にU字状に開口する軸支部27aが設けられ、この軸支部27aにて回転軸2の一端側外周面を回転自在に支持している。また、可動プレート27には、軸支部27aの周囲に4本の押圧弾性体32(例えばスプリングプランジャ)が具備されている。この押圧弾性体32は、絶縁体ガイドプレート26に保持された外側絶縁体5Aを片面側から支持するもので、本実施例では、各押圧弾性体32のスプリング荷重を調節してプランジャ32aの突出長さを変更することにより、図12に示す様に、外側絶縁体5Aを所定角度傾けた姿勢で支持している。具体的には、先端揃えプレート25の導入部25aからガイド部25bへ移行する部位と周方向に略近い位置に設けられた押圧弾性体32A(図14参照)のプランジャ32aの突出長さが最大となる様に設定されている。
【0035】
続いて、絶縁体組立て装置23による外側絶縁体5Aの組立て方法(本発明の電機子の製造方法)を説明する。
先ず、電機子鉄心3に組み立てられた各下層コイル導体7の他方のコイル突出部7c群の外径に、予め他方の外側絶縁体5Bの丸孔5aを挿入する。但し、この時、コイル突出部7cと外側絶縁体5Bの嵌合溝5bとは嵌まり合っていない。つまり、他方のコイル突出部7cが位置決めされていない状態で、その外周に外側絶縁体5Bの丸孔5aが挿入されている。
次に、ガイドベースプレート24の軸支部24aと可動プレート27の軸支部27aとで回転軸2の両端外周面を回転自在に支持して、下層コイル導体7が組み立てられた電機子鉄心3を装置にセットする。
【0036】
次に、電機子鉄心3を所定方向(図13の反時計回転方向)に回転させながら、調節螺子31により可動プレート27を電機子鉄心3側へ前進させて、絶縁体ガイドプレート26に保持されている外側絶縁体5Aを電機子鉄心3側へ移動させ、傾斜している外側絶縁体5Aの一部がコイル突出部7cに当接し、そのコイル突出部7cを軸方向に若干押圧する位置で可動プレート27を停止する(図12に示す状態)。この場合、可動プレート27を前進させた後から電機子鉄心3を回転させても良い。なお、電機子鉄心3は、図示しないアクチュエータにより一定速度で回転させても良いし、手動により回転させても良い。
【0037】
電機子鉄心3が回転すると、コイル突出部7cが先端揃えプレート25の導入部25aの斜辺に当接してからガイド部25bに沿って移動する際に、そのガイド部25bの円弧形状に倣ってコイル突出部7cの径方向位置が若干縮径された状態で規制される。同時に、押圧弾性体32により外側絶縁体5Aの一部がコイル突出部7c(先端揃えプレート25の導入部25aからガイド部25bへ移行する部位を通過するコイル突出部7c)に押圧されているため、1つのコイル突出部7cが外側絶縁体5Aの嵌合溝5bに嵌合すると、そのコイル突出部7cとともに外側絶縁体5Aも一緒に回転するため、以後、順次コイル突出部7cが嵌合溝5bに嵌合して、コイル突出部7c群の外径に外側絶縁体5Aが挿入される。
一方のコイル突出部7c群の外径に外側絶縁体5Aが挿入されると、必然的に他方の各コイル突出部7cが位置決めされるため、それまで大まかに挿入されていた他方の外側絶縁体5Bの各嵌合溝5bにそれぞれ各コイル突出部7cが嵌合して、他方のコイル突出部7c群の外径に確実に外側絶縁体5Bが挿入される。
【0038】
(第3実施例の効果)
本実施例の絶縁体組立て装置23による組立て方法によれば、コイル突出部7cに嵌合溝5bの角部等が干渉することなく、確実に嵌合溝5bにコイル突出部7cを嵌合させることができる。その結果、第1実施例と同様に、外側絶縁体5の組立て時において、外側絶縁体5の割れや欠け、あるいはコイル突出部7cの変形等を防止できる。
また、本実施例では、一方のコイル突出部7c群の外径に外側絶縁体5Aが挿入されると、連動して他方の各コイル突出部7c群の外径にも外側絶縁体5Bが挿入されるため、両外側絶縁体5A、5Bを片側ずつ交互に組み立てる場合と比較して、組立て工程に要する時間を短縮できる。
【0039】
(変形例)
本実施例では、一方のコイル突出部7c群の外径に外側絶縁体5Aを挿入する前に、予め他方のコイル突出部7c群の外径に大まかに外側絶縁体5Bを挿入しているが、一方のコイル突出部7c群の外径に外側絶縁体5Aを挿入した後、同様の方法で他方のコイル突出部7c群の外径に外側絶縁体5Bを挿入しても良い。
この第3実施例に示す鉄心保持手段は、軸支部24a、27aにて回転軸2の外周を保持する構造であるが、第1実施例および第2実施例で説明した様に、回転軸2の両端面を両側から挟み込んで保持する構造としても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】絶縁体組立て装置の断面図である(第1実施例)。
【図2】外側絶縁体の組立て工程を示す軸方向正面図である。
【図3】ガイド溝とコイル突出部との位置関係を示す平面図である。
【図4】ガイド溝とコイル突出部との位置関係を示す平面図である。
【図5】縮径ユニットの構成を示す部分拡大図である。
【図6】アーマチャの半断面図である。
【図7】アーマチャの分解斜視図である。
【図8】(a)は下層コイル導体の側面図、(b)は(a)のA視図、(c)は(a)のB視図である。
【図9】外側絶縁体の半平面図である。
【図10】絶縁体組立て装置の断面図である(第2実施例)。
【図11】第2実施例の作動説明図である(第2実施例)。
【図12】絶縁体組立て装置の断面図である(第3実施例)。
【図13】先端揃えプレートの開口部と絶縁体ガイドプレートの開口部の形状を示す軸方向正面図である。
【図14】絶縁体組立て装置の可動プレート側から見た軸方向正面図である。
【図15】コイル突出部の周方向幅を示す軸方向正面図である。
【符号の説明】
1 電機子
2 回転軸
3 電機子鉄心
5 外側絶縁体(円板状絶縁体)
5b 嵌合溝
6 スロット
7 下層コイル導体
7a コイル辺
7b コイル端部
7c コイル突出部
11 絶縁体組立て装置(本発明の組立て装置:第1、2実施例)
12 センタ(鉄心保持手段)
13 コイルガイド(位置決め手段)
13a ガイド溝
14 プッシャ(絶縁体挿入手段)
15 縮径爪(縮径手段)
23 絶縁体組立て装置(本発明の組立て装置:第3実施例)
24a 軸支部(鉄心保持手段)
25 先端揃えプレート(コイル突出部規制手段)
25a 導入部
25b ガイド部(コイルガイド部)
26 絶縁体ガイドプレート(絶縁体保持手段)
26a ガイド部(絶縁体ガイド部)
27 可動プレート(絶縁体挿入手段)
27a 軸支部(鉄心保持手段)
32 押圧弾性体(押圧手段)
33 コイルガイド回転ユニット(位置決め回転手段)
Claims (11)
- 外周に複数のスロットを有する電機子鉄心と、
この電機子鉄心を支持する回転軸と、
直線状のコイル辺、このコイル辺の両端から前記コイル辺に対して略直角に伸びる一対のコイル端部、各コイル端部の先端から略直角に前記コイル辺と反対側へ伸びる一対のコイル突出部を有し、前記コイル辺が前記スロット内に挿入されて前記電機子鉄心に組み立てられる複数の下層コイル導体と、
内周縁に複数の嵌合溝を有する中空円板状に設けられ、前記嵌合溝が前記コイル突出部に嵌合して前記コイル端部の軸方向端面上に装着される円板状絶縁体とを備えた回転電機の電機子において、
複数の前記コイル導体を前記電機子鉄心に組み立てた後、前記コイル突出部群の外径に前記円板状絶縁体を挿入する電機子の組立て装置であって、
前記電機子鉄心を前記回転軸の両側で保持する鉄心保持手段と、
前記電機子鉄心に組み立てられた複数の前記下層コイル導体のコイル突出部群を周方向に位置決めする位置決め手段と、
周方向に位置決めされた前記コイル突出部群を径方向内側へ縮径する縮径手段と、
前記嵌合溝と前記コイル突出部との周方向位置を合わせた状態で、径方向内側へ縮径されている前記コイル突出部群の外径に軸方向から前記円板状絶縁体を挿入する絶縁体挿入手段とを備えていることを特徴とする回転電機の電機子の組立て装置。 - 前記位置決め手段は、前記コイル突出部を収容するガイド溝を有し、このガイド溝にて前記コイル突出部の周方向の両側面を規制し、
前記縮径手段は、前記コイル辺の長手方向の端部を径方向外側から内側へ向かって押圧する押圧手段を具備し、
前記絶縁体挿入手段は、周方向に位置決めされている前記コイル突出部に対し、前記嵌合溝の周方向位置を合わせた状態で前記円板状絶縁体を保持していることを特徴とする請求項1に記載した回転電機の電機子の組立て装置。 - 前記位置決め手段により前記コイル突出部群を周方向に位置決めする際に、前記ガイド溝から外れている一部の前記コイル突出部を前記ガイド溝内に収めるための手段として、前記位置決め手段を前記電機子鉄心の周方向に所定の範囲で回転させる位置決め回転手段を有していることを特徴とする請求項2に記載した回転電機の電機子の組立て装置。
- 請求項1または2に記載した組立て装置により前記円板状絶縁体を前記電機子鉄心に組み立てる電機子の製造方法であって、
前記位置決め手段により前記コイル突出部群を周方向に位置決めした後、
前記縮径手段にて前記コイル突出部群を径方向内側へ縮径し、
続いて、前記嵌合溝と前記コイル突出部との周方向位置を合わせた状態で、前記絶縁体挿入手段により、径方向内側へ縮径されている前記コイル突出部群の外径に前記円板状絶縁体を挿入し、
その後、前記縮径手段の作用を解除して前記コイル突出部群を径方向外側へ拡径することにより、前記コイル突出部群をそれぞれ前記嵌合溝に嵌合させることを特徴とする回転電機の電機子の製造方法。 - 請求項3に記載した組立て装置により前記円板状絶縁体を前記電機子鉄心に組み立てる電機子の製造方法であって、
前記位置決め手段により前記コイル突出部群を周方向に位置決めする際に、前記位置決め回転手段により前記位置決め手段を所定の範囲で回転させることで、前記ガイド溝から外れている一部の前記コイル突出部を前記ガイド溝内に収めて前記コイル突出部群の周方向位置を規制した後、
前記縮径手段にて前記コイル突出部群を径方向内側へ縮径し、
続いて、前記嵌合溝と前記コイル突出部との周方向位置を合わせた状態で、前記絶縁体挿入手段により、径方向内側へ縮径されている前記コイル突出部群の外径に前記円板状絶縁体を挿入し、
その後、前記縮径手段の作用を解除して前記コイル突出部群を径方向外側へ拡径することにより、前記コイル突出部群をそれぞれ前記嵌合溝に嵌合させることを特徴とする回転電機の電機子の製造方法。 - 外周に複数のスロットを有する電機子鉄心と、
この電機子鉄心を支持する回転軸と、
直線状のコイル辺、このコイル辺の両端から前記コイル辺に対して略直角に伸びる一対のコイル端部、各コイル端部の先端から略直角に前記コイル辺と反対側へ伸びる一対のコイル突出部を有し、前記コイル辺が前記スロット内に挿入されて前記電機子鉄心に組み立てられる複数のコイル導体と、
内周縁に複数の嵌合溝を有する中空円板状に設けられ、前記嵌合溝が前記コイル突出部に嵌合して前記コイル端部の軸方向端面上に装着される円板状絶縁体とを備えた回転電機の電機子において、
複数の前記コイル導体を前記電機子鉄心に組み立てた後、前記コイル突出部群の外径に前記円板状絶縁体を挿入する電機子の組立て装置であって、
前記電機子鉄心を回転可能に保持する鉄心保持手段と、
前記電機子鉄心の軸方向外側にて前記円板状絶縁体を回転可能に保持する絶縁体保持手段と、
前記電機子鉄心の回転に伴って前記コイル突出部の径方向外周端を案内する円弧状のコイルガイド部を有し、このコイルガイド部に沿って前記コイル突出部の径方向位置を規制するコイル突出部規制手段と、
前記絶縁体保持手段に保持されている前記円板状絶縁体を所定角度傾斜した姿勢で支持し、且つ前記コイル突出部に対して前記円板状絶縁体を軸方向から弾性力により押圧する押圧手段を具備した絶縁体挿入手段と
を備えていることを特徴とする回転電機の電機子の組立て装置。 - 請求項6に記載した回転電機の電機子の組立て装置において、
前記絶縁体保持手段は、前記円板状絶縁体の外径と略同一円弧を有する絶縁体ガイド部を有し、この絶縁体ガイド部に沿って前記円板状絶縁体を回転可能に保持していることを特徴とする回転電機の電機子の組立て装置。 - 請求項6または7に記載した回転電機の電機子の組立て装置において、
コイル突出部規制手段は、前記コイル突出部を導入する導入部を有し、この導入部が任意の位置から前記コイルガイド部の接線方向に開口して設けられていることを特徴とする回転電機の電機子の組立て装置。 - 請求項6〜8に記載した何れかの回転電機の電機子の組立て装置において、
前記絶縁体挿入手段は、前記押圧手段が前記円板状絶縁体の周方向に複数箇所設けられ、前記コイル突出部規制手段の導入部からコイルガイド部へ移行する部位と周方向に略近い位置に設けられた前記押圧手段に最も大きな弾性力が付与されていることを特徴とする回転電機の電機子の組立て装置。 - 請求項6〜9に記載した何れかの組立て装置により前記円板状絶縁体を前記電機子鉄心に組み立てる電機子の製造方法であって、
前記電機子鉄心を回転させながら前記コイル突出部規制手段により前記コイル突出部の径方向位置を規制しつつ、前記絶縁体保持手段に保持されている前記円板状絶縁体を前記押圧手段により所定角度傾斜した姿勢で前記コイル突出部に対して軸方向から押圧することにより、前記嵌合溝に前記コイル突出部を順次嵌合させて前記コイル突出部群の外径に前記円板状絶縁体を挿入することを特徴とする回転電機の電機子の製造方法。 - 請求項10に記載した電機子の製造方法において、
前記組立て装置により一方の円板状絶縁体を組み立てる際に、予め他方の円板状絶縁体を他方のコイル突出部群の外周に挿入してから前記一方の円板状絶縁体の組立てを行うことを特徴とする回転電機の電機子の製造方法。
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