JPH1140659A - 半導体ウエハの熱処理用縦型ボート - Google Patents

半導体ウエハの熱処理用縦型ボート

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Publication number
JPH1140659A
JPH1140659A JP20537397A JP20537397A JPH1140659A JP H1140659 A JPH1140659 A JP H1140659A JP 20537397 A JP20537397 A JP 20537397A JP 20537397 A JP20537397 A JP 20537397A JP H1140659 A JPH1140659 A JP H1140659A
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JP
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semiconductor wafer
support
supporting
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vertical boat
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JP20537397A
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English (en)
Inventor
Masayuki Sanada
昌之 真田
Kazuhiko Kashima
一日兒 鹿島
Yoshisato Hosoki
芳悟 細木
Norihiko Tsuchiya
憲彦 土屋
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Coorstek KK
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Ceramics Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体ウエハの自重による内部応力によって
発生するスリップを防止でき、しかも搬送装置によって
半導体ウエハを自動移送し得る半導体ウエハの熱処理用
縦型ボ−トを提供する。 【解決手段】 半導体ウエハSWの支持をするために同
一円周上に配された4つの支持面(点)1、2、3、4
を有し、前記4つの支持面(点)中、半導体ウエハSW
の進入前側に設けられた2つの支持面(点)1、2と、
後側の支持面(点)3、4のいずれか1つを結んで構成
される2つの三角形の面積が同一であり、かつこれら2
つの三角形の各々の面積が、前記半導体ウエハSWに内
接する正三角形の84%以上となるように構成されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウエハの熱
処理に用いられる熱処理用ボ−トに関し、特に半導体ウ
エハに発生するスリップを防止することのできる半導体
ウエハの熱処理用縦型ボ−トに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、シリコンウエハ等の半導体ウエハ
は、炉芯管内で酸化、拡散、析出等の各種の熱処理が施
されている。これら熱処理は、横型炉及び縦型炉のいず
れかの炉が用いられ、使用される半導体ウエハの熱処理
用ボ−トも炉型に合わせて横型及び縦型のものが用いら
れている。近年、半導体ウエハの大径化にともなって、
炉芯管、熱処理用ボ−ト等の熱処理炉の構成部材も大型
化してその重量が増大したことから、横型炉における各
構成部材が熱クリ−プ等により使用不可能となるおそれ
があることが問題となった。そのため、上記のような横
型炉で生ずる弊害の少ない縦型炉が広く用いられるよう
になってきている。その結果、半導体ウエハの製造工程
において縦型ボ−トが広く用いられるようになってきて
いる。
【0003】この縦型ボ−トは、所定の熱処理を行う多
数の半導体ウエハを縦方向に上下に間隔をおいて積載で
きるように構成されている。従来の縦型ボ−ト20は、
例えば図7に示すように、底板21及び天板22が3本
の支柱23a、23b、23cによって支持されると同
時に各支柱23a、23b、23cの内側側面にはほぼ
等間隔に複数の保持溝24a、24b、24cが設けら
れ、被処理半導体ウエハSWは各支柱23a、23b、
23cの同一高さの保持溝24a、24b、24cに支
持されて載置されているようになっている。そして、縦
型ボ−ト20は複数の半導体ウエハSWが所定に載置さ
れた状態で縦型熱処理炉内(図示せず)に収納され熱処
理される。この縦型ボ−ト20の各構成部材は、半導体
ウエハSWの汚染防止のため石英ガラス、SiC、シリ
コン等の材料により形成するのが通常である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この縦型ボ
−トに半導体ウエハを搭載し熱処理を行うと、前記半導
体ウエハの支持柱により支持されている近傍に、スリッ
プと呼ばれる表面欠陥が発生する。このスリップの発生
原因は、半導体ウエハの自重による内部応力、半導体ウ
エハの面内温度不均一に基づく熱歪応力等と考えられて
いる。
【0005】このスリップの発生を防止することは、製
造歩留りの向上の点から解決しなければならない重要な
技術的課題であり、これを解決すべく各種提案がされて
いる。例えば、特開平6−224146号公報には、半
導体ウエハの外周部を支持する支持面を均等に3か所設
け、これら支持面に荷重を均等配分することによってス
リップの発生を防止する技術が提案されている。図6に
基づいて提案された技術について詳述すると、前記半導
体ウエハSWの進入方向に沿った半導体ウエハSWの中
心線上に位置するように配置された第1の支持柱25
と、この第1の支持柱25の前記進入方向前側にて前記
第1の支柱25に対して左右対称位置に1本つづ配置さ
れ、その間から半導体ウエハSWが進入される第2の支
柱26、27と、前記半導体ウエハSWが挿入されて水
平に支持されるように第1の支柱25及び第2の支柱2
6、27の同じ高さに形成された溝部とを備え、前記第
1の支柱25の溝部の支持面25aと前記第2の支柱2
6、27の溝部の支持面26a、27aとは、半導体ウ
エハSWの周方向に沿ってほぼ3等分した個所に位置し
ている。このように、縦型ボ−トの半導体ウエハSWの
支持面25a、26a、27aが半導体ウエハSWを周
方向に3等分した位置にあるため、半導体ウエハSWに
反りがあったり、溝部の加工精度に基づく支持面25
a、26a、27aの高さ位置に不揃いがあっても、半
導体ウエハSWはいわば3点によって支持される。尚、
図中28は、半導体ウエハの移送をを行うための搬送装
置を示している。
【0006】しかし、3つの支持面全てを同一水平面上
に位置するように加工することは、加工精度上困難であ
り、全ての支持点面が同一水平面に形成されない場合、
各支持面の荷重はアンバランスになる。そのため、これ
ら3つの支持面中の1〜2カ所の支持面において多くの
荷重がかかり、スリップの発生限界を越えた大きな応力
が半導体ウエハに生じ、スリップを誘発する。また、1
つの支持面を水平面に加工することも前述の場合同様、
加工精度上困難である。そして支持面に凹凸が形成され
た場合、凸部によって半導体ウエハが支持されることと
なり、予定した位置で支持することができないため荷重
を均等配分することができず、スリップが発生する。更
に、この縦型ボ−トは3本の支持柱でその上下に位置す
る天板、底板を支持する構造であるため、これら部材を
組立てることよって一体のボートとする組立式ボ−トの
場合、ガタツキが大きくなり、半導体ウエハを前記ボ−
トに搬送装置によって自動移載することができないとい
う課題がある。
【0007】一方、実開平4−92645号公報および
特開平6−169010号公報には、半導体ウエハを4
つの支持面で支持する半導体ウエハの熱処理用縦型ボ−
トが提案されている。この縦型ボ−ト30は図4に示す
ように、4本の支持柱31、32、33、34でその上
下に位置する天板35、底板36を支持する構造である
ため、組立式の縦型ボートであってもガタツキが少な
く、組立精度が良いため半導体ウエハSWを搬送装置等
によって自動移載を行うことができるという利点を有す
る。しかも、4つの支持面によって半導体ウエハSWを
支持する場合には、前記3つの支持面の場合と比べて1
つの支持面にかかる荷重が少ないため、スリップが発生
する可能性は前記3つの支持面の場合より少ないという
利点を有する。
【0008】しかし、前記した3つの支持面で支持する
場合と同様、4つの支持面全てにおいてウエハ平坦度レ
ベルでの平行度を出すことは加工精度上困難であり、実
際はウエハ形状に関しても平坦度、反りなどを有するた
め、4つの支持面中の3つの支持面で荷重を受けること
になる。この場合、前記した3つの支持面の場合のよう
に、前記3つの支持面がほぼ3等分した位置に設けられ
ていないため、却って1あるいは2つの支持面にかかる
荷重が多くなり、スリップが生じ易くなるという課題を
有している。
【0009】このスリップの発生について図5に基づい
て更に詳述する。図において、A、B、C、Dは支持面
を表し、Gは半導体ウエハSWの重心を表している。こ
こで、A、B、C、Dの支持面は精密加工上の誤差(公
差)により1つの平面上に含まれることはない。そのた
め支持される半導体ウエハSWは、ABCD中の3つの
支持面において支持される。このとき半導体ウエハSW
の進入前側の支持面A、B点の間隔は、後側に配置され
た支持面C、D間隔よりも広く形成されるのが一般的で
あり、しかも半導体ウエハの重心Gを考慮すれば、半導
体ウエハSWはA、B、CあるいはA、B、Dのいずれ
かで支持される。そして、半導体ウエハSWの自重によ
る応力は、3つの支持面において構成される三角形中の
最大長さの辺と垂直な方向に最大に加わる。このとき、
支持面A、B、C及び支持面A、B、Dは、前記した3
等分された支持面の場合と異なり、いずれかの支持面に
多くの荷重が偏って加わる。そして作用する自重応力が
半導体ウエハを構成するシリコンのせん断応力を越えた
場合、半導体ウエハにスリップ(転位)が生じる。
【0010】このように従来提案されているいずれの縦
型ボ−トにおいても、スリップの発生を防止することが
できず、満足できるものではなかった。この点につい
て、本願発明者らが鋭意検討を加えた結果、3つの支持
面を有する縦型ボ−トでは、溝部の加工が悪く半導体ウ
エハが傾いた場合、傾いた側の1あるいは2つの支持面
に荷重が集中し、スリップが発生するばかりか、組立式
の縦型ボ−トでは組立精度上支持面を同一水平面上に形
成するのは困難であり、半導体ウエハの自動移送ができ
ないという解決し難い課題を有することを知見した。こ
れに対して、4つの支持面を有するボ−トの場合、組立
式の縦型ボートであってもガタツキが少なく、組立精度
が良いため半導体ウエハSWを搬送装置等によって自動
移載を行うことができる。また4つの支持面が同一水平
面に位置することは前記3つの支持面の場合同様困難で
あるが、前記したように少なくとも3点で支持される。
このとき、半導体ウエハは、半導体ウエハの進入前側の
2つの支持面と後側のいずれかの1つの支持面によって
支持されることになるが、高温熱処理時のウエハの変形
により常温では支持に寄与していなかった他の支持面も
半導体ウエハと接し、支持面の荷重の減少に寄与するこ
とを見出した。
【0011】したがって、本願発明者らは3つの支持面
を有する縦型ボ−トに比べ、有利な点を有する4つの支
持面を有する縦型ボ−トについて鋭意検討し、スリップ
の発生を防止する構成を案出した。
【0012】本発明は上記技術的課題を解決するために
なされたものであり、半導体ウエハを4カ所で支持する
半導体ウエハボ−トにおいて、半導体ウエハの自重によ
る内部応力によって発生するスリップを防止でき、しか
も搬送装置によって半導体ウエハを自動移送し得る半導
体ウエハの熱処理用縦型ボ−トを提供することを目的と
するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決す
るためになされた本発明にかかる半導体ウエハの熱処理
用縦型ボ−トは、複数の半導体ウエハを支持、載置する
半導体ウエハの熱処理用縦型ボ−トであって、半導体ウ
エハの支持をするために同一円周上に配された4つの支
持面あるいは支持点を有し、前記4つの支持面あるいは
支持点中、半導体ウエハの進入前側に設けられた2つの
支持面あるいは支持点と、後側の支持面あるいは支持点
のいずれか1つを結んで構成される2つの三角形の面積
が同一であり、かつこれら2つの三角形の各々の面積
が、前記半導体ウエハに内接する正三角形の84%以上
となるように構成されていることを特徴とする。
【0014】ここで、前記後側に設けられた2つの支持
面あるいは支持点は、半導体ウエハの挿入前側に設けら
れた2つの支持面あるいは支持点の中間点と、4つの支
持面あるいは支持点が配された円の中心を結ぶ直線に対
して、線対称の位置に形成されていることが望ましく、
半導体ウエハの進入後側に設けられた2つの支持面ある
いは支持点の高低差が30μm以下であるのが望まし
い。また前記後側に設けられた2つの支持面あるいは支
持点は、60mmまたは半導体ウエハの径の25%のい
ずれか小さい値以上の間隔を有して形成されていること
が望ましい。
【0015】また、前記支持面あるいは支持点が配され
た円の中心と半導体ウエハの挿入前側に設けられた支持
面あるいは支持点とを結ぶ直線と、前記円の中心と前側
支持面あるいは支持点に隣接して設けられた後側支持面
あるいは支持点とを結ぶ直線とのなす角が、90度を越
えるように形成されていることが望ましい。更に、前記
支持面は支持柱に形成された凸形状を有する曲面である
ことが望ましく、また前記支持点は支持柱の溝部に形成
された突起であることが望ましい。また、前記支持面あ
るいは支持点を備える支持柱と、前記支持柱を固定する
底板、天板からなり、それら部材を組み立てることによ
り、形成されることが望ましい。
【0016】本発明にかかる半導体熱処理用縦型ボ−ト
は上記構成を有しているため、組立式の縦型ボートであ
ってもガタツキが少なく、組立精度が良いため半導体ウ
エハSWを搬送装置等によって自動移載を行うことがで
きる。また半導体ウエハは、4つの支持面(点)あるい
は半導体ウエハの進入前側の2つの支持面(点)と後側
のいずれかの1つの支持面(点)によって支持される。
3つの支持面(点)で支持され、他の支持面(点)が半
導体ウエハを支持しない場合であっても、前記3つの支
持面(点)を結んで構成される三角形の面積が、半導体
ウエハに内接する正三角形の84%以上となる位置に、
前記3つの支持面(点)が配されているため、荷重を略
3等分することができ、スリップの発生を防止する。ま
た加工誤差が半導体ウエハの許容変形量以内であれば、
高温熱処理時に半導体ウエハの変形により常温では支持
に寄与していなかった他の支持面(点)も半導体ウエハ
と接し、支持面(点)の荷重の減少に寄与しスリップの
発生を防止する。更に、半導体ウエハの進入前側の2つ
の支持面(点)と後側の2つの支持面(点)が線対称の
位置に形成されているため、荷重を略均等に分配するこ
とができ、スリップの発生を防止する。半導体ウエハの
進入後側に設けられた2つの支持面あるいは支持点の高
低差が30μm以下に形成されているため、高温熱処理
時に半導体ウエハの変形により常温では支持に寄与して
いなかった他の支持面(点)も半導体ウエハと接し、支
持面(点)の荷重の減少に寄与しスリップの発生を防止
する。
【0017】半導体ウエハの進入後側の2つの支持面
(点)は、60mmまたは半導体ウエハの径の25%の
いずれか小さい値以上の間隔を有しているため、半導体
ウエハの自動移載を搬送装置によって行うことができ
る。仮に60mmまたは半導体ウエハの径の25%のい
ずれよりも小さい間隔であれば、実質的に3つの支持面
を有する場合と変わりなく、しかも両者の間隔が狭いた
めに搬送装置による半導体ウエハの移送の障害になるた
めである。また、前記支持面(点)が配された円の中心
と半導体ウエハの挿入前側に設けられた支持面(点)と
を結ぶ直線と、前記円の中心と前側支持面(点)に隣接
して設けられた後側支持(面)とを結ぶ直線とのなす角
度が90度を越えるように構成されているため、半導体
ウエハの進入側前部と後部をバランス良く支持すること
ができる。
【0018】また、前記支持面は支持柱に形成された凸
形状を有する曲面あるいは突起であるため、加工、組立
てに誤差が生じても前記曲面の頂部、突起で半導体ウエ
ハを支持することができるため、支持点が位置ずれるこ
とはなく、荷重を各支持点に均等に分配することができ
る。また、前記支持面あるいは支持点を備える支持柱
と、前記支持柱を固定する底板、天板からなり、それら
部材を組み立てる組立式縦型ボ−トにおいて適用するこ
とができる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明にかかる半導体ウエハの熱
処理用縦型ボートの実施形態について、図1乃至図3に
基づいて説明する。図において、符号1乃至4は支持柱
に形成された支持面を表している。この支持面1〜4
は、従来の支持面と同様、支持柱に溝部を形成すること
によって形成される。ここで前記支持点1〜4は同一水
平面状に形成されるのが望ましいが、同一水平面に形成
することは、加工精度上も困難であり、また半導体ウエ
ハSWに反り等もあり、半導体ウエハSWの支持は上述
の通り、1〜4の支持面中の1、2、3の支持面あるい
は1、2、4の支持面で行われる。なお、支持面1〜4
は同一円周上に配されている。
【0020】ここで、まず図1に示す4つの支持面中の
3つの支持面1、2、3で支持する場合を考え、半導体
ウエハSWの進入後側の支持面3を半導体ウエハSWの
外周上(支持面が配されている円周上)を移動させ、ス
リップの発生状況を検証した。このとき、半導体ウエハ
SWに内接する正三角形に対する面積を100%とし、
面積比の違いによるスリップの発生状況を調べた。
【0021】
【表1】
【0022】以上のように、半導体ウエハを3つの支持
面で支持する場合、支持面における荷重が完全に同一で
なくても、すなわち支持面に対する荷重が不均一であっ
ても、半導体ウエハに内接する正三角形に対する面積の
84%以上であれば、スリップの発生が防止されること
が認められた。
【0023】したがって、本発明にかかる縦型ボ−トで
は、半導体ウエハSWの支持を行う支持面1、2、3あ
るいは支持面1、2、4によって構成される三角形の面
積が、半導体ウエハSWに内接する正三角形に対する面
積の84%以上になるように、支持面が配置される。ま
た支持面1、2、3あるいは支持面1、2、4によって
構成される三角形の面積は同一になるように支持面3、
4が配置される。これによって、支持面3、4は半導体
ウエハの中心を通る直線n(支持面が配置された円の中
心を通る直線)に対して、線対称の位置に配される。こ
のように支持面が配されているため、支持面1、2、3
あるいは支持面1、2、4によって支持されたとしても
いずれの支持面あるいはその近傍において、スリップが
発生することがない。また、高温熱処理中の半導体ウエ
ハSWには変形が生じるため、常温における平坦度は保
たれず、結果として支持面1、2、3以外の支持面4、
あるいは支持面1、2、4以外の支持面3も半導体ウエ
ハSWを支持することになる。つまり△1−2−3に対
する支持面4、および△1−2−4に対する支持面3に
おいても、他の3つの支持面に比較して小荷重となるも
のの、半導体ウエハSWの支持に寄与することになり、
よりスリップを発生を防止することができる。
【0024】また、熱処理中の半導体ウエハのたわみ量
ωは、一般的にω=R4w /Et2 で表すことができ
る。ここで、Eは弾性率、Rは半導体ウエハの半径、t
は半導体ウエハの厚さ、Fw は支持条件に関するパラメ
−タである。上式からφ8の半導体ウエハの最大たわみ
量を求めると、23.5μmとなる。一方、非加熱状態
においても半導体ウエハは10μm以上の反りを有して
いるため、半導体ウエハの進入後側に設けられた2つの
支持面あるいは支持点の高低差が30μm以下であれ
ば、支持に寄与していなかった他の支持面(点)も半導
体ウエハと接することになる。すなわち、半導体ウエハ
の進入後側に設けられた2つの支持面あるいは支持点の
高低差が30μm以下に形成されているため、高温熱処
理時に半導体ウエハの変形により常温では支持に寄与し
ていなかった他の支持面(点)も半導体ウエハと接し、
支持面(点)の荷重の減少に寄与しスリップの発生を防
止できる。
【0025】また前記後側に設けられた2つの支持面
3、4は、60mmまたは半導体ウエハの径の25%の
いずれか小さい値以上の間隔Lを有して形成されてい
る。例えば、半導体ウエハSWの径が200mmの場
合、その径の25%は50mmとなるため、2つの支持
面3、4の間隔Lは50mm以上に形成されなければな
らない。また、半導体ウエハSWの径が300mmの場
合、その径の25%は75mmとなるため、2つの支持
面3、4の間隔Lは60mm以上に形成されなければな
らない。これは、図2に示すように、通常の半導体ウエ
ハSWの縦型ボートへの移載は自動搬送装置28により
行われるため、支持面3、4間は自動搬送装置28が作
業を行い得る間隔以上に形成されなければならない。ま
た支持面3、4間が狭いと、実質的に3つの支持面で支
持する場合と略同様になるため、4つの支持面で支持す
る利点を得ることができないためである。
【0026】また、支持面1と半導体ウエハSWの中心
とを結ぶ直線と、支持面3と半導体ウエハSWの中心と
を結ぶ直線とのなす角θ1 が、90度を越えるように形
成されている。同様に支持面2と半導体ウエハSWの中
心とを結ぶ直線と、支持面4と半導体ウエハSWの中心
とを結ぶ直線とのなす角θ2 が、90度を越えるように
形成されている。これによって、支持面1と支持面3、
支持面2と支持面4が半導体ウエハSWの直線mを挟ん
で、図1における上側、下側の両側をそれぞれ支持する
ことができ、支持面に荷重が不均一にかかるのを防止す
る。
【0027】更に、図3(a)に示すように各支持面1
〜4は、支持柱の溝部に形成された凸形状を有する曲面
5である。このように支持面が曲面として形成されてい
るため、加工、組立てに誤差が生じても前記曲面の頂部
で半導体ウエハを支持することができ、支持点が位置ず
れることはなく、荷重を各支持点に均等に分配すること
ができる。その結果、スリップを防止することができ
る。また、図3(b)に示すように各支持面1〜4は、
支持柱の溝部に形成された突起6であってもよい。凸形
状を有する曲面と同様、スリップを防止することができ
る。
【0028】また、本発明は、前記支持面あるいは支持
点を備える支持柱と、前記支持柱を固定する底板、天板
とを組立て、一体化する組立式縦型ボ−トにおいて適用
することができ、従来の組立て方式によって、本発明に
かかる縦型ボ−トを組立てるようにすれば良い。このよ
うに組立てられた縦型ボ−トは、ガタツキが少なく、組
立精度が良いため半導体ウエハSWを搬送装置等によっ
て自動移載を行うことができる。
【0029】
【実施例】次に、本発明の縦型ボ−トが所期の効果を奏
するか確認実験を行った。実験には、4つの支持面に凸
状形状の曲面が形成され、4つの支持面中、シリコンウ
エハの進入前側に設けられた2つの支持面と、後側の支
持面のいずれか1つを結んで構成される2つの三角形の
面積が同一であり、かつこれら2つの三角形の各々の面
積とシリコンウエハに内接する正三角形の面積との比率
を、表2に示すように変えた縦型ボ−トを用いた。そし
てまた、縦型ボ−トに搭載した直径8インチシリコンウ
エハに対して、1200℃で1時間水素処理した場合の
スリップの発生状況を、ボ−トの上、中、下の部分か
ら、シリコンウエハを抽出し調べた。スリップの発生状
況はX線トボグラフィ−(Lang法)、二結晶X線ト
ボグラフィ−(Berg−Barrett法)を用い
た。なお、表2中の○はスリップの発生がないことを意
味し、Xはスリップが生したことを意味する。
【0030】
【表2】
【0031】以上のように、高温にて本発明におけるボ
ートを使用して水素処理をφ8インチ半導体ウエハに施
した場合、表2に示すように半導体ウエハを支持してい
る3点を結んでできる2つの三角形の面積を同一とし、
かつ三角形面積比が84%以上の場合、全ての支持面に
おいてスリップの発生を防げることが認められた。
【0032】
【発明の効果】以上のように、本発明にかかる半導体熱
処理用縦型ボ−トは、半導体ウエハは、半導体ウエハの
進入前側の2つの支持面(点)と後側のいずれかの1つ
の支持面(点)によって支持され、他の支持面(点)が
半導体ウエハを支持しない場合にも、前記3つの支持面
(点)を結んで構成される三角形の面積が、半導体ウエ
ハに内接する正三角形の84%以上となる位置に、前記
3つの支持面(点)が配されているため、荷重を略3等
分することができ、スリップの発生を防止することがで
きる。また加工誤差が半導体ウエハの許容変形量以内で
あれば、高温熱処理時に半導体ウエハの変形により常温
では支持に寄与していなかった他の支持面(点)も半導
体ウエハと接し、支持面(点)の荷重の減少に寄与し、
よりスリップの発生を防止することができる。更に、半
導体ウエハの進入前側の2つの支持面(点)と後側の2
つの支持面(点)が線対称の位置に形成されているた
め、荷重を略均等に分配することができ、スリップの発
生を防止することができる。
【0033】また、本発明にかかる半導体熱処理用縦型
ボ−トの半導体ウエハの進入後側の2つの支持面(点)
は、60mmまたは半導体ウエハの径の25%のいずれ
か小さい値以上の間隔を有しているため、搬送装置によ
る半導体ウエハの自動移送を行うことができる。また、
前記支持面(点)が配された円の中心と半導体ウエハの
挿入前側に設けられた支持面(点)とを結ぶ直線と、前
記円の中心と前側支持面(点)に隣接して設けられた後
側支持(面)とを結ぶ直線とのなす角度が90度を越え
るように構成されているため、半導体ウエハの進入側前
部と後部をバランス良く支持することができる。
【0034】また、前記支持面は支持柱に形成された凸
形状を有する曲面あるいは突起であるため、加工、組立
てに誤差が生じても前記曲面の頂部、突起で半導体ウエ
ハを支持することができるため、支持点が位置ずれるこ
とはなく、荷重を各支持点に均等に分配することができ
る。また、前記支持面あるいは支持点を備える支持柱
と、前記支持柱を固定する底板、天板からなり、それら
部材を組み立てる組立式縦型ボ−トにおいて適用するこ
とができ、適用した場合、スリップを防止できると共
に、ガタツキが少ないため、半導体ウエハSWを搬送装
置等によって自動移載を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の実施形態を示す概略図であ
る。
【図2】 図2は本発明の実施形態を示す概略図であ
る。
【図3】 図3は支持面(点)の変形例を示す断面図で
ある。
【図4】 図4は4つの支持面を有する従来の縦型ボ−
トを示す斜視図である。
【図5】 図5は図4の断面図である。
【図6】 図6は3つの支持面を有する従来の縦型ボ−
トの断面図である。
【図7】 図7は3つの支持面を有する従来の縦型ボ−
トの斜視図である。
【符号の説明】
1 支持面(点) 2 支持面(点) 3 支持面(点) 4 支持面(点) 5 曲面 6 突起 SW 搬送装置
フロントページの続き (72)発明者 細木 芳悟 神奈川県川崎市幸区堀川町72番地 株式会 社東芝川崎事業所内 (72)発明者 土屋 憲彦 神奈川県川崎市幸区堀川町72番地 株式会 社東芝川崎事業所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の半導体ウエハを支持、載置する半
    導体ウエハの熱処理用縦型ボ−トであって、半導体ウエ
    ハの支持をするために同一円周上に配された4つの支持
    面あるいは支持点を有し、前記4つの支持面あるいは支
    持点中、半導体ウエハの進入前側に設けられた2つの支
    持面あるいは支持点と、後側の支持面あるいは支持点の
    いずれか1つを結んで構成される2つの三角形の面積が
    同一であり、かつこれら2つの三角形の各々の面積が、
    前記半導体ウエハに内接する正三角形の84%以上とな
    るように構成されていることを特徴とする半導体ウエハ
    の熱処理用縦型ボ−ト。
  2. 【請求項2】 前記後側に設けられた2つの支持面ある
    いは支持点は、半導体ウエハの挿入前側に設けられた2
    つの支持面あるいは支持点の中間点と、4つの支持面あ
    るいは支持点が配された円の中心を結ぶ直線に対して、
    線対称の位置に形成されていることを特徴とする請求項
    1に記載された半導体ウエハの熱処理用縦型ボ−ト。
  3. 【請求項3】 半導体ウエハの進入後側に設けられた2
    つの支持面あるいは支持点の高低差が、30μm以下で
    あることを特徴とする請求項1または請求項2に記載さ
    れた半導体ウエハの熱処理用縦型ボ−ト。
  4. 【請求項4】 前記後側に設けられた2つの支持面ある
    いは支持点は、60mmまたは半導体ウエハの径の25
    %のいずれか小さい値以上の間隔を有して形成されてい
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに
    記載された半導体ウエハの熱処理用縦型ボ−ト。
  5. 【請求項5】 前記支持面あるいは支持点が配された円
    の中心と半導体ウエハの挿入前側に設けられた支持面あ
    るいは支持点とを結ぶ直線と、前記円の中心と前側支持
    面あるいは支持点に隣接して設けられた後側支持面ある
    いは支持点とを結ぶ直線とのなす角が、90度を越える
    ように形成されていること特徴とする請求項1乃至請求
    項4のいずれかに記載された半導体ウエハの熱処理用縦
    型ボ−ト。
  6. 【請求項6】 前記支持面は支持柱に形成された凸形状
    を有する曲面であることを特徴とする請求項1乃至請求
    項5のいずれかに記載された半導体ウエハの熱処理用縦
    型ボ−ト。
  7. 【請求項7】 前記支持点は支持柱の溝部に形成された
    突起であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のい
    ずれかに記載された半導体ウエハの熱処理用縦型ボ−
    ト。
  8. 【請求項8】 前記支持面あるいは支持点を備える支持
    柱と、前記支持柱を固定する底板、天板からなり、それ
    ら部材を組み立てることにより、形成されることを特徴
    とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載された半
    導体ウエハの熱処理用縦型ボ−ト。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6799940B2 (en) 2002-12-05 2004-10-05 Tokyo Electron Limited Removable semiconductor wafer susceptor
US7204887B2 (en) 2000-10-16 2007-04-17 Nippon Steel Corporation Wafer holding, wafer support member, wafer boat and heat treatment furnace
CN117690844A (zh) * 2024-02-02 2024-03-12 安徽旭腾微电子设备有限公司 一种立式炉加工晶圆自动传送设备

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