JPH1154447A - ウェハ支持治具およびそれを用いた熱処理装置 - Google Patents

ウェハ支持治具およびそれを用いた熱処理装置

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JPH1154447A
JPH1154447A JP21145597A JP21145597A JPH1154447A JP H1154447 A JPH1154447 A JP H1154447A JP 21145597 A JP21145597 A JP 21145597A JP 21145597 A JP21145597 A JP 21145597A JP H1154447 A JPH1154447 A JP H1154447A
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silicon wafer
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JP21145597A
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English (en)
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Hirobumi Shimizu
博文 清水
Seiichi Isomae
誠一 磯前
Tadashi Suzuki
匡 鈴木
Kiyouko Minowa
恭子 簑和
Tomomi Sato
友美 佐藤
Shigeaki Saitou
滋晃 斎藤
Nobuyoshi Kashu
信義 夏秋
Masao Kawamura
雅雄 川村
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Hitachi Microcomputer System Ltd
Hitachi Ltd
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Hitachi Microcomputer System Ltd
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的に単純構造かつ安価で、ウェハ搬送時
のトラブルが少なく、かつ大口径の半導体ウェハを積載
して熱処理を行ってもスリップの発生を抑えることがで
きるウェハ支持治具およびそれを用いた熱処理装置を提
供する。 【解決手段】 シリコンウェハを熱処理する際に、この
シリコンウェハを水平状態に支持する複数のウェハ支持
治具からなる縦型ボートであって、一対の天板間に設け
られた支柱2にそれぞれ対応して配置される複数のウェ
ハ支持治具3は、耐熱性・耐腐食性が高く、高純度で加
工精度の高い、かつシリコンウェハ5の熱膨張係数と近
く、このシリコンウェハ5よりも弾性定数の小さい材質
の石英、シリコンなどからなり、その先端の支持部4は
シリコンウェハ5の荷重を最も均等に分散でき、自重応
力が低減できるように、シリコンウェハ5の中心から半
径×(0.55〜0.95)程度の範囲内で3点の位置に配
置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウェハの熱
処理を行う縦型半導体拡散装置用などの治具に関し、複
数の半導体ウェハを積載し、水平状態に支持するために
用いられるウェハ支持治具およびそれを用いた熱処理装
置に適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、本発明者が検討した技術とし
て、半導体デバイスの製造プロセスの一つとして、酸化
膜の形成やドーパントの拡散を行うために高温下で熱処
理を行うプロセスが考えられる。このような熱処理を行
うための装置は、横型の酸化・拡散装置に代わり、近年
は縦型酸化・拡散装置が主流となってきている。この場
合、半導体ウェハは水平に保持された状態で熱処理が行
われる。
【0003】なお、このような縦型酸化・拡散装置など
の半導体ウェハのプロセス技術に関しては、たとえば昭
和59年11月30日、社団法人電子通信学会編、株式
会社オーム社発行の「LSIハンドブック」P253〜
P364などに記載される技術などが挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記のよう
な縦型酸化・拡散装置などにおいて、半導体ウェハは縦
型ボートに水平状態で所定の枚数だけ積載され、この縦
型ボートは熱処理室内へ導入され、縦型ボートに積載さ
れた複数枚のバッチサイズで熱処理が行われる。以下
は、本発明者が縦型ボートについて検討した内容であ
り、この縦型ボートを示す図8,図9に基づいて説明す
る。
【0005】図8は、縦型ボートの構成を示すもので、
上下それぞれ対向して配置された円形の天板1bの間に
4本の支柱2bが配列されている。これらの支柱2bの
内側には機械研削加工によって、たとえば100個以上
の溝9が4〜7mm程度の間隔で形成され、これらの溝
9にシリコンウェハ5を積載する。このシリコンウェハ
5は、水平方向に移動することによって縦型ボートに挿
入あるいはボートから取り出すことができる。たとえ
ば、1000℃以下の熱処理に用いられる縦型ボート
は、主に耐熱性に優れた高純度炭化珪素製のものが用い
られている。
【0006】ところで、この縦型ボートを用いてシリコ
ンウェハ5に1100〜1200℃程度の高温熱処理工
程を施すと、自重応力によるスリップと呼ばれる結晶欠
陥が発生する。スリップの長さは、ウェハ周辺からウェ
ハ中心に向かって数cmにわたる。このスリップの発生
は、半導体デバイスの歩留まりを著しく低下させる原因
となるため、この点の解決が望まれている。
【0007】図9に示すように、縦型ボートはシリコン
ウェハ5が支柱2bの溝9に水平方向に沿って着脱され
ることになるので、支柱2bはシリコンウェハ5に対す
る挿入着脱口を形成するように配置する必要がある。こ
のため、シリコンウェハ5に対して支持位置が不均等に
配置されることになり、その結果、シリコンウェハ5の
挿入方向Xに対して手前側の2点の支持点にかかる荷重
が大きくなる。スリップは、シリコンウェハ5の支持位
置で加わる自重応力によって発生するものと考えられて
いる。
【0008】このような自重応力を低減し、スリップの
発生を抑える案として、シリコンウェハ5の周辺を円弧
状あるいは円環状の支持板で支持して荷重を分散させる
方法が特開平6−163440号、特開平6−1689
03号、特開平6−260438号公報で提案されてい
る。これらの方法を用いれば、スリップの発生をかなり
抑えることができるが、炭化珪素製のボートを精度よく
加工するのが困難であるため、ボートが高価になる。さ
らに、ボートの構造が複雑なためにシリコンウェハ5の
搬送トラブルが多く、前記図8の支持方法に比べてウェ
ハ間隔を広くせざるを得ない。その結果、バッチサイズ
が小さくなり、生産性の低下につながるという欠点があ
る。
【0009】また、支持位置をシリコンウェハ5の中心
寄りにすることで、シリコンウェハ5の自重応力を低減
した支持方法が特開平6−168902号公報で提案さ
れている。しかし、実際にはこの方法においても、スリ
ップの発生は避けられない。しかも、シリコンウェハ5
の内側の領域でスリップが発生するため、ウェハ周辺か
ら発生した場合に比べてさらなる不良チップの増加をも
たらす。
【0010】たとえば、8インチウェハを図9に示すよ
うに周辺の4点で支えた場合、シリコンウェハ5の自重
応力の最大値は約0.5MPaである。この値は1200
℃程度の温度におけるシリコン結晶の降伏応力(約2.5
PMa)に比べてもかなり小さい。ところが、スリップ
の発生したシリコンウェハ5を詳細に調べると、シリコ
ンウェハ5とボートの治具とが接触した場所でシリコン
ウェハ5に損傷が生じており、スリップはそこから発生
していることが分かる。
【0011】また、1000℃以上程度の熱処理には炭
化珪素製の縦型ボートを用いているが、炭化珪素はシリ
コンよりも硬いため、シリコンウェハ5の積載時にこの
シリコンウェハ5に損傷が生じると考えられる。このこ
とから、スリップは自重応力の下でシリコンウェハ5の
損傷から発生すると考えられる。しかし、もし損傷がな
ければ、自重応力自体はシリコンの降伏応力以下である
ので、スリップは発生しないであろう。従って、スリッ
プの発生を抑えるにはシリコンウェハ5の損傷を防止す
ることが重要である。
【0012】そこで、本発明の目的は、比較的に単純構
造かつ安価で、ウェハ搬送時のトラブルが少なく、かつ
大口径の半導体ウェハを積載して熱処理を行ってもスリ
ップの発生を抑えることができるウェハ支持治具および
それを用いた熱処理装置を提供することにある。
【0013】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかに
なるであろう。
【0014】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
次のとおりである。
【0015】すなわち、本発明によるウェハ支持治具お
よびそれを用いた熱処理装置は、半導体ウェハを水平状
態に支持して熱処理を行うための治具に適用されるもの
であり、特にスリップと呼ばれる結晶欠陥が発生しない
ように、半導体ウェハの荷重を分散させ、かつ自重応力
を最小にし得るように、半導体ウェハ内の所定領域に対
応する3点の位置に支持部を有するものである。
【0016】具体的には、上下に配置される円形の天板
と、これらの天板の間に配置される支柱とを有する縦型
拡散装置用などの治具本体に、半導体ウェハを水平に支
持するための支持部を3点に設け、特にシリコンウェハ
の支持部として石英、あるいはシリコン、二酸化珪素、
炭化珪素などからなる突起を滑らかでかつ点接触するよ
うに取り付け、さらにこの突起を半導体ウェハの中心か
ら、半径×(0.55〜0.95)程度の範囲内に設けるよ
うにしたものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明す
るための全図において同一の部材には同一の符号を付
し、その繰り返しの説明は省略する。
【0018】図1は本発明の一実施の形態であるウェハ
支持治具からなる縦型ボートを示す構成図、図2は図1
のII−II’線に沿った切断断面図、図3は半導体ウェハ
の変形例を示す平面図、図4はウェハ支持治具の加工お
よび縦型ボートの支柱への組み込み方法を示す断面図、
図5はウェハ支持治具の変形例を示す断面図、図6は表
面酸化処理の温度サイクルを示す説明図、図7は半導体
ウェハの表面酸化処理を示す断面図である。
【0019】まず、図1および図2により本実施の形態
のウェハ支持治具からなる縦型ボートの構成を説明す
る。
【0020】本実施の形態の縦型ボートは、半導体ウェ
ハとして、たとえばシリコンウェハを熱処理する際に、
このシリコンウェハを水平状態に支持する複数のウェハ
支持治具からなる縦型ボートとされ、上下に配置される
一対の円形の天板1と、これらの天板1の間に配置され
る3本の支柱2と、これらの支柱2にそれぞれ対応して
配置される複数のウェハ支持治具3とから構成されてい
る。
【0021】天板1および支柱2の材質は、耐熱性・耐
腐食性が高く、高純度で加工精度がよいものが望まし
く、炭化珪素、シリコン含浸炭化珪素、単結晶シリコ
ン、多結晶シリコンなどが挙げられる。支柱2の縦方向
に沿って、所定の間隔(たとえば6mm程度)で複数の
ウェハ支持治具3が組み込まれている。
【0022】ウェハ支持治具3は、耐熱性・耐腐食性が
高く、高純度で加工精度の高い、かつシリコンウェハの
熱膨張係数と近く、このシリコンウェハよりも弾性定数
の小さい材質、たとえば石英からなる。この石英は11
00℃以上の高温では強度がやや落ちるが、縦型ボート
の寿命は主に支柱2の強度によって決まるため、ウェハ
接触部のみに石英を使えば1100℃以上の温度でも使
用に十分耐える。
【0023】このウェハ支持治具3は、その先端の支持
部4がシリコンウェハにダメージを与えないように研磨
により滑らかに形成され、この支持部4にシリコンウェ
ハ5が水平状態で積載される。なお、このウェハ支持治
具3の材質は、石英の他に、たとえばシリコン、二酸化
珪素、炭化珪素などの、特にシリコンウェハ5の熱膨張
係数と近い材質のものが望ましい。
【0024】また、ウェハ支持治具3の支持部4は、材
料力学の計算によれば、図2に示すように中心角が12
0°程度の角度で3点の配置にすれば、シリコンウェハ
5の荷重を最も均等に分散でき、自重応力を低減するこ
とができる。よって、シリコンウェハ5内の3点の支持
部4の位置は、シリコンウェハ5の半径をRとした場合
に、シリコンウェハ5の中心からR×(0.55〜0.9
5)程度の範囲内に配置されるように設定されている。
【0025】なお、図2においては、結晶方向の判別や
位置合わせを容易にするための印として、外周にフラッ
トな面を有するオリフラ型のシリコンウェハ5を例に図
示したが、たとえば図3に示すように、外周に切り欠き
を有するノッチ型のシリコンウェハ5aについても適用
可能であることはいうまでもない。
【0026】以上のように構成される縦型ボートに対し
て、シリコンウェハ5は図2に示す挿入方向Xに沿って
水平に移動することによって、シリコンウェハ5を縦型
ボートに挿入することができ、あるいは縦型ボートから
取り出すことができる。この際に、シリコンウェハ5の
反りがあったり、ウェハ支持治具3の支持部4の高さ位
置に若干の不揃いがあってもシリコンウェハ5を3点で
バランスよく支持できる。このため、前記のような4点
で支持する縦型ボートに比べてシリコンウェハ5への応
力集中が少ない。
【0027】次に、ウェハ支持治具3の加工例および縦
型ボートの支柱2への組み込み方法の一例を図4を用い
て説明する。
【0028】たとえば、ウェハ支持治具3は、長さが1
0〜50mm程度、断面の一辺が3〜5mm程度の四角
柱などからなり、この先端のシリコンウェハ5が載る支
持部4は滑らかに研磨加工が施されている。8インチウ
ェハ用のウェハ支持治具3では、支持部4の長さは3〜
5mm程度が適当である。この支持部4のウェハ接触面
は、正方形となっている。
【0029】このウェハ支持治具3の形成は、たとえば
四角柱の先端の一側面に支持部4を接合したり、あるい
は一体形の材料から研削して支持部4を作り出すような
加工を施すことも可能である。なお、ウェハ支持治具3
は、四角柱の他に、円柱などで形成することも可能であ
り、また支持部4のウェハ接触面も正方形に限らず、長
方形あるいは正円、楕円などを面取りしたものでもかま
わない。
【0030】また、ウェハ支持治具3は、図4に示す形
状の代わりに、図5に示すように、シリコンウェハ5と
接する支持部4の接触面が点接触となるように、支持部
4aが半球状に形成されたウェハ支持治具3aを使って
もよい。このようなウェハ支持治具3では、特に接触面
は滑らかに研磨しておく必要がある。
【0031】ウェハ支持治具3の形成後は、縦型ボート
のそれぞれの支柱2に、たとえば6mm程度の所定の間
隔で貫通孔6をあける。そして、この貫通孔6に対して
ウェハ支持治具3を他端側から差し込み、この他端に治
具固定部材7を溶接あるいは嵌合構造などにより固定す
る。これにより、縦型ボートの支柱2にウェハ支持治具
3を取り付けることができる。
【0032】次に、本実施の形態の作用について、前記
のような構成による縦型ボートを用いた場合と、本発明
の前提となる前記図8に示した縦型ボートを用いた場合
との評価を、以下に述べるような熱処理実験に基づいて
説明する。
【0033】まず、本実施の形態による縦型ボートを用
い、ウェハ支持治具3のそれぞれにシリコンウェハ5を
載せ、たとえば100枚程度のシリコンウェハ5を縦型
ボートに積載する。そして、このシリコンウェハ5が積
載された縦型ボートを、800℃程度に保持された熱処
理室へ10cm/min程度の速度で挿入する。
【0034】続いて、熱処理室の温度を1000℃程度
の温度まで8℃/min程度の速度で昇温し、さらに5
℃/min程度の速度で1200℃程度の温度まで昇温
する。この1200℃程度の温度で6時間程度の時間だ
け保持した後、800℃程度の温度まで熱処理室の温度
を−2.5℃/min程度の速度で下げる。そして、縦型
ボートを熱処理室から引き出す。
【0035】同様に、本発明の前提となる縦型ボートを
用いて、同じように800℃程度の温度−1000℃程
度(5℃/min程度の速度)−1200℃程度の温度
(−2.5℃/min程度の速度)による温度サイクルに
おいてシリコンウェハ5の熱処理を行う。
【0036】熱処理後、シリコンウェハ5のX線トポグ
ラフ像を撮影してスリップの発生状況を調べた。その結
果、本実施の形態の縦型ボートを用いた場合にはスリッ
プはほとんど発生しなかった。一方、本発明の前提とな
る縦型ボートを用いた場合には、ほぼ全数のシリコンウ
ェハ5において、ウェハ支持部の近傍にスリップの発生
が認められた。これによって、本発明の縦型ボートがシ
リコンウェハ5のスリップ発生抑止に効果があることが
確かめられた。
【0037】次に、半導体デバイスの製造プロセスにお
ける熱処理の一例として、具体的にシリコンウェハ5の
表面に酸化膜を形成する表面酸化処理を例に図6の温度
サイクルに基づいて説明する。
【0038】この表面酸化処理においては、まずシリコ
ンウェハ5が積載された縦型ボートを、800〜900
℃程度に保持された熱処理室へ挿入する。そして、熱処
理室の温度を1000℃程度の温度まで7〜10℃/m
in程度の速度で昇温し、この1000℃程度の温度で
保持する。
【0039】その後、800〜900℃程度の温度まで
熱処理室の温度を−3〜−5℃/min程度の速度で下
げ、シリコンウェハ5が積載された縦型ボートを熱処理
室から引き出す。これにより、たとえば図7に示すよう
に、シリコンウェハ5の表面に二酸化珪素からなる酸化
膜8を形成することができる。
【0040】以上のように、本実施の形態による縦型ボ
ートを用いて熱処理を行い、さらに最終的にウェハ処理
工程が終了したシリコンウェハ5においては、本発明の
前提となる縦型ボートを用いた場合に比べて、チップの
欠陥数を5〜10%程度だけ低減することができる。特
に、シリコンウェハ5が大口径になるほど、熱処理にお
ける欠陥数の低減効果が大きくなる。
【0041】従って、本実施の形態の縦型ボートによれ
ば、シリコンウェハ5を支持するウェハ支持治具3に石
英、あるいはシリコン、二酸化珪素、炭化珪素などを用
いているので、これらの材料はシリコンよりも軟らかい
か、あるいは同じであるため、シリコンウェハ5と接触
してもシリコンウェハ5に傷が付きにくい。特に、支持
部4の接触面を滑らかに研磨し、さらに点接触となるよ
うに半球状に形成することにより、より一層、シリコン
ウェハ5に傷が付きにくくなる。その結果、多数のシリ
コンウェハ5をまとめて熱処理を行っても、スリップの
発生を抑えることができる。
【0042】さらに、本実施の形態においては、支柱2
から延びたウェハ支持治具3の支持部4でシリコンウェ
ハ5を3点で支持するため、4点支持方法に比べてバラ
ンスよくシリコンウェハ5を支持することができ、支持
位置での極端な応力集中を避けることができる。また、
円弧状あるいは円環状の支持板で支持する方法と比べて
も、縦型ボートの構造が単純であるため、シリコンウェ
ハ5の搬送トラブルが起こりにくい。その結果、ウェハ
間隔を狭くすることができ、バッチサイズを大きくして
生産性を向上させることができる。
【0043】以上、本発明者によってなされた発明をそ
の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前
記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸
脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもな
い。
【0044】たとえば、前記実施の形態においては、半
導体ウェハとしてシリコンウェハを例に説明したが、こ
れに限定されるものではなく、ガリウムヒ素などの化合
物半導体材料などからなる他の半導体ウェハについても
適用可能であり、この場合にも半導体ウェハの熱膨張係
数と近い材料をウェハ支持治具の支持部に用いることが
必要となる。
【0045】また、半導体デバイスの製造プロセスにお
ける熱処理としては、酸化の他に、CVD、アニールな
どの他の製造プロセスにおいても同様に適用可能である
ことはいうまでもない。
【0046】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち、代
表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、
以下のとおりである。
【0047】(1).半導体ウェハを、この半導体ウェハ内
の所定領域に対応する3点の位置に有する支持部で支持
することで、半導体ウェハの荷重を分散させ、かつ自重
応力を低減することができるので、自重応力による半導
体ウェハの損傷を防止して熱処理におけるスリップの発
生を抑えることが可能となる。
【0048】(2).半導体ウェハを3点の位置で支持する
ことで、半導体ウェハをバランスよく支持することがで
きるので、半導体ウェハに対する支持位置での極端な応
力集中を避けることが可能となる。
【0049】(3).熱処理のための縦型ボートの構造を単
純にすることができるので、半導体ウェハの搬送トラブ
ルが起こりにくくなり、かつ半導体ウェハのウェハ間隔
を狭くすることができるので、バッチサイズを大きくし
て生産性を向上させることが可能となる。
【0050】(4).半導体ウェハの中心から、半径×(0.
55〜0.95)程度の範囲内で半導体ウェハを支持する
ことで、自重応力を最小にすることができるので、より
一層、半導体ウェハの損傷を防止して熱処理におけるス
リップの発生を抑制することが可能となる。
【0051】(5).支持部の接触面を滑らかでかつ点接触
とすることで、半導体ウェハに対するダメージを少なく
し、かつ接触面積を小さくして半導体ウェハに対して傷
を付きにくくすることができるので、より一層、熱処理
におけるスリップの発生を抑制することが可能となる。
【0052】(6).支持部を半導体ウェハの熱膨張係数と
近い材料、たとえばシリコンウェハの場合にはシリコン
あるいはその酸化化合物または炭化化合物とすること
で、シリコンウェハなどの半導体ウェハに傷が付きにく
くなるので、より一層、熱処理におけるスリップの発生
を抑制することが可能となる。
【0053】(7).前記(1) 〜(6) により、比較的に単純
構造かつ安価で、ウェハ搬送時のトラブルが少なく、か
つ大口径の半導体ウェハを多数積載して熱処理を行って
も、スリップの発生を抑えることができるウェハ支持治
具、およびそれを用いた信頼性の高い熱処理が可能な熱
処理装置を提供すること可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であるウェハ支持治具か
らなる縦型ボートを示す構成図である。
【図2】本発明の一実施の形態において、図1のII−I
I’線に沿った切断断面図である。
【図3】本発明の一実施の形態において、半導体ウェハ
の変形例を示す平面図である。
【図4】本発明の一実施の形態において、ウェハ支持治
具の加工および縦型ボートの支柱への組み込み方法を示
す断面図である。
【図5】本発明の一実施の形態において、ウェハ支持治
具の変形例を示す断面図である。
【図6】本発明の一実施の形態において、表面酸化処理
の温度サイクルを示す説明図である。
【図7】本発明の一実施の形態において、半導体ウェハ
の表面酸化処理を示す断面図である。
【図8】本発明の前提となる一実施の形態である縦型ボ
ートを示す構成図である。
【図9】本発明の前提となる一実施の形態において、図
8のIX−IX’線に沿った切断断面図である。
【符号の説明】 1,1b 天板 2,2b 支柱 3,3a ウェハ支持治具 4,4a 支持部 5,5a シリコンウェハ 6 貫通孔 7 治具固定部材 8 酸化膜 9 溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 磯前 誠一 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 鈴木 匡 東京都青梅市今井2326番地 株式会社日立 製作所デバイス開発センタ内 (72)発明者 簑和 恭子 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 佐藤 友美 東京都小平市上水本町5丁目20番1号 日 立超エル・エス・アイ・エンジニアリング 株式会社内 (72)発明者 斎藤 滋晃 東京都小平市上水本町五丁目20番1号 株 式会社日立製作所半導体事業部内 (72)発明者 夏秋 信義 東京都青梅市今井2326番地 株式会社日立 製作所デバイス開発センタ内 (72)発明者 川村 雅雄 東京都青梅市今井2326番地 株式会社日立 製作所デバイス開発センタ内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体ウェハを熱処理する際に、この半
    導体ウェハを水平状態に支持するウェハ支持治具であっ
    て、前記半導体ウェハの荷重を分散させ、かつ自重応力
    を最小にし得るように、前記半導体ウェハ内の所定領域
    に対応する3点の位置に支持部を有することを特徴とす
    るウェハ支持治具。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のウェハ支持治具であっ
    て、前記支持部が支持する前記半導体ウェハ内の所定領
    域は、この半導体ウェハの中心から、半導体ウェハの半
    径×(0.55〜0.95)程度の範囲内にあることを特徴
    とするウェハ支持治具。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のウェハ支持治具であっ
    て、前記半導体ウェハに対する前記支持部の接触面は、
    滑らかでかつ点接触であることを特徴とするウェハ支持
    治具。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のウェハ支持治具であっ
    て、前記支持部の材質は、前記半導体ウェハの熱膨張係
    数と近い材料であることを特徴とするウェハ支持治具。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のウェハ支持治具であっ
    て、前記半導体ウェハがシリコンウェハの場合に、前記
    支持部はシリコンあるいはその化合物であることを特徴
    とするウェハ支持治具。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3、4または5記載のウ
    ェハ支持治具を用いた熱処理装置であって、複数の前記
    ウェハ支持治具からなる縦型ボートに前記半導体ウェハ
    をそれぞれ水平状態に積載し、この縦型ボートを熱処理
    室内に導入して、この熱処理室内で複数枚の半導体ウェ
    ハの熱処理を行うことを特徴とする熱処理装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6799940B2 (en) 2002-12-05 2004-10-05 Tokyo Electron Limited Removable semiconductor wafer susceptor
KR100857547B1 (ko) 2008-03-11 2008-09-09 주식회사 테라텍 배치형 애싱/에칭 공정챔버
JP2013110364A (ja) * 2011-11-24 2013-06-06 Shin Etsu Handotai Co Ltd 半導体ウェーハの熱処理方法

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