JPH1140178A - 燃料電池および水素製造装置ならびにその運転方法 - Google Patents

燃料電池および水素製造装置ならびにその運転方法

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JPH1140178A
JPH1140178A JP9199828A JP19982897A JPH1140178A JP H1140178 A JPH1140178 A JP H1140178A JP 9199828 A JP9199828 A JP 9199828A JP 19982897 A JP19982897 A JP 19982897A JP H1140178 A JPH1140178 A JP H1140178A
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oxygen
gas
side electrode
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JP9199828A
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Kenro Mitsuta
憲朗 光田
Hideo Maeda
秀雄 前田
Hisatoshi Fukumoto
久敏 福本
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
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    • Y02E60/50Fuel cells

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  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温型燃料電池または水素製造装置のCO被
毒対策のために、燃料ガスに酸素含有ガスを添加する際
に無駄に消費される水素の量を低減することを目的とす
る。 【解決手段】 燃料ガス側極(2)または低濃度水素含
有ガス側極(42)、電解質(3,43)および酸化剤
側極または水素発生側極を有する低温型燃料電池(1)
または水素製造装置(41)において、燃料ガスまたは
低濃度水素含有ガスは、電極における反応を阻害するC
Oを含み、燃料ガス側極または低濃度水素含有ガス側極
に酸素含有ガスを添加してCOを酸化するに際して、そ
の添加量を時間的に変動させるシステム(81)を有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低温型燃料電池、
例えば160℃より低い温度で動作する燃料電池、例え
ばリン酸型燃料電池、メタノール直接型燃料電池および
固体高分子型燃料電池等、ならびにその運転方法に関す
る。また、本発明は、COのような不純物を含み、低濃
度(例えば5〜30体積%)で水素を含む、低濃度水素
含有ガスから電解により水素を製造するための水素製造
装置、ならびにその運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】比較的発電規模が小さく、低温で動作す
るリン酸型燃料電池は、レジャービークルやアウトドア
などで用いられるポータブル電源や非常用電源などとし
ての利用が期待されており、水素吸蔵合金を用いたリン
酸型燃料電池ポータブル電源は既に市販されている。
【0003】燃料としてメタノール、メタン、プロパン
またはブタンのような燃料ガスを用いる場合には、改質
器を用いて水蒸気改質反応または部分酸化反応等によっ
て、水素および二酸化炭素から成る改質ガスにして用い
る必要がある。しかし、改質ガスには通常微量(例えば
100〜1000ppm程度)の一酸化炭素が含まれて
おり、この一酸化炭素により燃料ガス側極の触媒が被毒
されるので、セル特性を高く保つことができなかった。
その結果、純水素よりも貯蔵性およびインフラストラク
チャーなどの利用が容易なメタノール、メタン、プロパ
ンまたはブタンを燃料ガスとして用いることができなか
った。
【0004】また、燃料ガス側極に改質ガスではなく、
メタノールと水蒸気を直接供給するメタノール直接型燃
料電池でも、同様にメタノールが酸化される時に生じる
COによる触媒の被毒の問題があり、160℃以下の動
作温度では、これが実用化への大きな障害になってい
た。他方、固体高分子型燃料電池についても、燃料とし
て純水素ではなく、貯蔵性およびインフラストラクチャ
ーなどの利用が容易なメタノール、メタン、プロパンま
たはブタンを用いることが期待されているが、動作温度
が80℃程度と低温であるために、一酸化炭素が燃料ガ
ス側極の触媒を強く被毒するという問題点があった。
【0005】CO被毒対策のために、米国特許4,91
0,099号公報(1990年、3月20日公告)に記
載されているように、燃料ガスを燃料ガス側極に供給す
る前に、燃料ガスに2〜6%程度の酸素を混合するとい
う方法が用いられている。しかし、想定されている燃料
ガス中のCO濃度は、100ppm程度なので、混合し
た酸素の内で白金触媒表面を覆うCOの酸化に用いられ
るのはごく僅かであり、供給される酸素の殆どは水素の
酸化(水の生成)に消費されて、これらの水素は電流の
発生に使用されていなかった。例えば、燃料ガスへ4%
の酸素を混合した場合、2分子の水素と1分子の酸素が
結合して水が生成するので、4%の酸素により消費され
る水素は8%にも達する。即ち、貴重な燃料である水素
を約1割も無駄に燃焼させることになるので、発電効率
が大幅に低下するという大きな問題点があった。
【0006】また、COを含む低濃度で水素を含有す
る、低濃度水素含有ガスから電解によって水素を選択的
に得る、燃料電池と逆の機構の水素製造装置も、燃料排
ガスの有効利用の観点から実用化が検討されている。例
えば、特開平6−65774号公報に記載されているよ
うに、リン酸電解質や固体高分子電解質を用いた水素精
製装置が考えられているが、溶融炭酸塩型燃料電池の燃
料排ガスなど低濃度の水素を含む水素燃料排ガスの多く
はCOを含む。更に、このガスは水素濃度が低いので、
触媒のCOによる被毒の影響を強く受け、低温では効率
良く水素を製造することができないという問題点があっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の低温型燃料電池
や水素製造装置は以上のように構成されているので、燃
料ガスに一酸化炭素のような触媒の活性に影響を与える
被酸化性ガスが微量含まれている場合、そのような被酸
化性ガスにより触媒は被毒される。また、被酸化性ガス
対策として酸素や空気を混合する上述のような従来の方
法では、無駄に消費される燃料ガスが多くなり、その結
果、発電効率が大幅に低下するという問題点があった。
本発明は、上述のような問題点を解消するためになされ
たもので、触媒を被毒する被酸化性ガス、特にCOによ
る被毒対策において、無駄に消費される燃料ガスの量を
少なくして、燃料電池または水素製造装置の性能を維持
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、第1の要旨に
おいて、燃料ガス側極、電解質および酸化剤側極を有す
る低温型燃料電池であって、燃料ガスは、燃料ガス側極
における燃料電池を構成する反応を阻害する少なくとも
1種の被酸化性物質を含み、燃料ガス側極に酸素含有ガ
スを添加して被酸化性ガスを酸化するに際して、その添
加量を時間的に変動させるシステムを有することを特徴
とする燃料電池を提供する。
【0009】更に、本発明は、第1の要旨において、燃
料ガス側極、電解質および酸化剤側極を有する低温型燃
料電池の運転方法であって、燃料ガスは、燃料ガス側極
における燃料電池を構成する反応を阻害する少なくとも
1種の被酸化性物質を含み、燃料ガス側極に酸素含有ガ
スを添加して被酸化性ガスを酸化するに際して、その添
加量を時間的に変動させることを特徴とする運転方法を
提供する。
【0010】本発明において、酸素含有ガスの添加量を
時間的に変動させる(またはそのようなシステム)とい
うのは、例えば、燃料ガス側極に酸素含有ガスを間欠的
に添加する態様、および/または燃料ガスに酸素含有ガ
スを時間的に周期的に変動する量で添加する態様を例示
できる。また、時間的な変動は必ずしも周期的である必
要はなく、電池の性能の時間的変化に応じて添加量を、
場合により不規則に、変える態様であってもよい。いず
れにせよ、運転を通じて一定量の酸素含有ガスを定常的
に添加する態様は、本発明における酸素含有ガスの添加
量を時間的に変動させる態様は含まれない。また、その
ように変動させるシステムは、その変動を可能ならしめ
る機構、例えば酸素含有ガス添加装置であり、上述の変
動の技術的内容が明らかであれば、システムの具体的な
構成は当業者には自明である。
【0011】本発明において、酸素含有ガスを間欠的に
添加するとは、燃料電池の動作中に酸素含有ガスを常に
時間的に一定の量で添加しているのではなく、酸素含有
ガスを燃料ガスに一時的に添加しない期間(即ち、添加
がオフの期間)があることを意味する。例えば、酸素含
有ガスが添加される期間(即ち、添加がオンの期間)と
オフの期間が交互に、好ましくは規則的に(例えば0.
5秒〜5秒毎にオフの期間が1回存在するように)交互
に、繰り返される添加の態様を例示できる。この場合、
オンの時の添加量が常に同じであるのが一般的である
が、異なってもよい。また、オンの状態において添加量
が時間的に変動してもよい。
【0012】更に、オンの状態からオフの状態に移る場
合、酸素含有ガスの添加が瞬時に停止状態になっても、
あるいは有る程度の時間をかけて添加が停止状態になっ
ても(即ち、添加量が徐々に(例えば直線状またはサイ
ンカーブ状に)ゼロになるように停止しても)よい。逆
に、添加がオフの状態からオンの状態に移る場合も、同
様に、瞬時であっても、あるいは有る程度の時間をかけ
てオンの状態になってもよい。また、別の態様では、添
加量が完全にゼロの状態になるオフの状態に代えて、オ
ンの状態の時の添加量より少なくとも減少する状態であ
ってもよい。従って、酸素含有ガスを間欠的に添加する
場合、添加する時間幅、その時間幅の間に添加される酸
素含有ガスの量および添加する頻度(即ち、単位時間当
たりの添加回数)等が燃料電池を運転する際のファクタ
ーとなり、これらの適切な1つまたは組み合わせを選択
して制御する。好ましい態様では、これらのファクター
は一定の数値である。
【0013】また、燃料ガス側極に酸素含有ガスを時間
的に周期的に変動する量で添加するとは、酸素含有ガス
の燃料ガス側極への添加量が時間的に一定ではなく、時
間的に規則的に増減することを意味する。例えば、添加
量をサインカーブ状に時間的に増減させてもよい。この
場合、添加量がゼロの状態があっても、または無くても
よく、添加量がゼロの時間が有限長さ(即ち、瞬間的で
ない)であれば、この添加は、上述の間欠的な添加であ
るとも言える。従って、酸素含有ガスを時間的に周期的
に変動する量で添加する場合、添加の周期、1周期の間
に添加される酸素含有ガスの量および時間的変動の割合
(時間vs添加量曲線)等が燃料電池を運転する際のフ
ァクターとなり、これらの適切な1つまたは組み合わせ
を選択して制御する。好ましい態様では、これらのファ
クターは一定の数値である。尚、酸素含有ガスは、直接
燃料ガス側極に供給しても、あるいは、燃料ガスに混合
してもよい。
【0014】本発明の燃料電池の運転は、1つの態様に
おいて、燃料ガスに酸素含有ガスを時間的に変動させて
添加してセル電圧の時間的変動をモニタし、その変動幅
がセル電圧(例えば所望電圧または初期電圧)の例えば
好ましくは20%、より好ましくは10%を超えないよ
うに、添加をオン/オフさせて酸素含有ガスを間欠的に
添加する場合には、添加総量、添加している時間幅と添
加していない時間幅の長さおよびこれらのサイクル(ま
たは頻度)、1回の添加の間に加えられる酸素含有ガス
の量、オン状態からオフ状態またはオフ状態からオン状
態への変動のさせ方(瞬間的または暫時的変動)等のフ
ァクターの1つまたは組み合わせ、あるいは、添加量が
時間的に周期的に変動する場合には、添加総量、添加量
の増減の時間的変化割合(時間変化カーブ)および増減
サイクルの時間幅(即ち、周期)などのファクターの1
つまたは組み合わせを選択し、これらのファクターの少
なくとも1つを適当な制御手段を用いて制御して運転す
ることを特徴とする。いずれにせよ、酸素含有ガスを常
に一定量で燃料ガス側極に添加することを避ける必要が
ある。
【0015】一般的には、添加総量の増加、時間幅を短
くすること、添加頻度または増減サイクル数の増加は、
変動幅を小さくする方向に作用し、逆は、変動幅を大き
くする方向に作用する。従って、電圧の変動幅が大きく
なりつつある状態では、電圧の変動幅を小さくするよう
にファクターを制御し、変動幅が小さくなりつつある状
態では、変動幅を維持するか、または余りにも小さくな
り過ぎそうな場合には変動幅を少し大きくするようにフ
ァクターを制御することにより、運転中に燃料ガス中の
CO濃度や運転温度などの条件が変化しても、セル電圧
の変動を所望の変動範囲内に保ちながら、無駄に消費さ
れる水素量を最小限に抑えることができ、常に効率を高
く保って運転することができる。
【0016】ファクターの選択は、先の説明と同様に、
これらのファクターをパラメーターとして変化させて種
々の燃料電池を構成し、その時の出力電圧をモニタする
ことにより、変動幅が例えば10%を越えないように制
御できるファクターの組み合わせを捜し出すことにより
行う。尚、酸素含有ガスの添加総量が大きくなるほど、
電極反応を阻害する被酸化性ガスが十分に除去されると
いう点で好ましいが、同時に燃焼ガスも消費されるので
燃焼ガスの燃料電池としての利用率が低下するので、酸
素含有ガスの添加量は、可能な範囲で少なくするのが好
ましい。
【0017】このようなファクターの選択/制御は、例
えば、所定の燃料電池に対して、最初に所定時間内で添
加する酸素含有ガスの添加総量(mol/分)を設定
し、次に、その総添加量を添加するオン/オフステップ
状間欠的変動サイクル(例えば、オン時間(秒)、オフ
時間(秒))を設定し、その条件で燃料電池を動作させ
て、出力電圧の時間的変化をモニタし、出力電圧の変動
が初期電圧の所望範囲内におさまらない場合、ファクタ
ーの少なくとも1つ、例えば酸素含有ガスの添加総量お
よび/または添加頻度(単位時間当たりのオン/オフの
回数)を増やすことにより、所望範囲内におさまるよう
にすることにより適切なファクターを選択し、これを制
御する。場合により、オンの時間幅および/またはオフ
の時間幅も変更してよい。逆に、変動が所望範囲内に過
度に十分におさまる場合には、添加する酸素含有ガスの
総量を減らすべく、酸素含有ガスの添加量および/また
はサイクル数を減らすことも可能である。
【0018】上述のオン/オフステップ状時間的変動に
代えて、添加量を時間的に徐々に(瞬間的ではない)変
える変動方式を用いて出力電圧の変動をモニタして変動
幅が所定範囲内におさまるように適切なファクターを選
択して時間的変動方式を選択することも可能である。適
切な変動方式を選択することは、許容可能な電池の出力
の変動範囲を設定し、酸素含有ガスの添加量を時間的に
変動させて燃料電池を運転し、出力電圧をモニタして、
電圧の変動幅が不十分であれば、ファクターを変更する
ことにより時間的変動条件を種々変えて、再度同じ実験
を繰り返して、変動幅が許容範囲内にはいるファクター
を選択することにより、酸素含有ガスの添加の適切な時
間的変動方式を探し出せばよい。このようなトライ・ア
ンド・エラー法による酸素含有ガスの添加の時間的変動
方式の選択は、酸素含有ガスの添加量を時間的に変動さ
せるという本発明を知り得た当業者には容易である。ま
た、酸素含有ガスの添加量の適切な変動条件は、燃料電
池の装置条件および運転条件により大きく依存するもの
であり、一義的に決めることは困難であり、後述の実施
例は、一例に過ぎない。
【0019】本発明は、第2の要旨において、低濃度水
素含有ガス側極、電解質および水素発生側極を有し、低
濃度で水素を含む低濃度水素含有ガスから電解により純
水素を製造する、低温で運転される水素製造装置を提供
し、低濃度水素含有ガスは、低濃度水素含有ガス側極に
おける電解反応を阻害する少なくとも1種の被酸化性物
質を含み、低濃度水素含有ガス側極に酸素含有ガスを添
加して被酸化性ガスを酸化するに際して、その添加量を
時間的に変動させるシステムを有することを特徴とす
る。
【0020】更に、本発明は、第2の要旨において、低
濃度水素含有ガス側極、電解質および水素発生側極を有
し、低濃度で水素を含む低濃度水素含有ガスから電解に
より純水素を製造する、低温で運転される水素製造装置
の運転方法であって、低濃度水素含有ガスは、低濃度水
素含有ガス側極における電解反応を阻害する少なくとも
1種の被酸化性物質を含み、低濃度水素含有ガス側極に
酸素含有ガスを添加して被酸化性ガスを酸化するに際し
て、その添加量を時間的に変動させることを特徴とする
運転方法を提供する。
【0021】本発明の水素製造装置(およびその運転方
法)は、上述の燃料電池(およびその運転方法)と実質
的に対応関係にある。即ち、上述の燃料電池において、
燃料含ガス側極が水素製造装置の低濃度水素含有ガス側
極に、酸化剤側極が水素製造装置の水素発生側極に、ま
た、燃料ガスが水素製造装置の低濃度水素含有ガスに対
応し、電極においては燃料電池の反応が電解反応に対応
し、上述または後述の燃料電池における「酸素含有ガス
の添加量を時間的に変動させる(システム)」というの
は、水素製造装置における「酸素含有ガスの添加量を時
間的に変動させる(システム)」と同じ内容及び意味を
有する。
【0022】即ち、本発明の水素製造装置およびその運
転方法において、「酸素含有ガスの添加量を時間的に変
動させる」というのは、低濃度水素含有ガス側極に酸素
含有ガスを間欠的に添加する態様、および/または低濃
度水素含有ガス側極に酸素含有ガスを時間的に周期的に
変動する量で添加する態様を例示できる。また、時間的
な変動は必ずしも周期的である必要はなく、水素製造装
置の性能の時間的変化に応じて添加量を時間的に変える
態様であってもよい。いずれにせよ、運転を通じて一定
量の酸素含有ガスを定常的に添加する態様は、本発明の
水素製造装置における酸素含有ガスの添加量を時間的に
変動させる態様には含まれない。
【0023】本発明の水素製造装置およびその運転方法
において、酸素含有ガスを時間的に変動する量で添加す
るという特徴に関連する事項は、酸素含有ガスを燃料ガ
ス側極に代えて低濃度水素含有ガス側極に添加すること
を除いて、燃料電池に関連して説明した上述および後述
の説明がそのまま妥当する。また、添加方式の決定に当
たっては、燃料電池の出力の代わりに電解に必要な電解
電圧またはそのときの電流値をモニタして、この電圧ま
たは電流値の変動が所望範囲内となるように、例えばト
ライ・アンド・エラー法により適切な添加方式を選択す
ればよい。
【0024】従って、本発明の水素製造装置の1つの態
様の運転方法において、水素製造装置の電解に必要なセ
ル電圧の周期的な変化を計測し、その変動幅が初期値の
例えば20%、好ましくは10%を超えないように、低
濃度水素ガスに酸素含有ガスを添加する場合のファクタ
ーを制御する。このファクターは、上述の燃料電池の場
合と同様である。
【0025】
【発明の実施の形態】添付図面を参照して、本発明の燃
料電池および水素製造装置ならびにそれらの運転方法を
より具体的に説明する。尚、図面において、同一または
対応する部分には同一符号を付している。図1に本発明
の燃料電池を模式的に示す。単セルの燃料電池1は、燃
料ガス側極2、電解質マトリクス3、酸化剤側極4、燃
料ガス入口配管5、燃料ガスへの酸素含有ガス添加ポー
ト6、酸化剤ガス入口配管7、燃料ガス側セパレータ板
8、酸化剤側セパレータ板9、セパレータ内の反応ガス
通路60、燃料ガス流路61、酸化剤ガス流路62、燃
料ガス出口配管63、酸化剤ガス出口配管64、外部負
荷および外部回路65、ならびに酸素含有ガスの添加装
置81(装置81は回転子82、空間83および酸素含
有ガス供給一次側配管84を有して成る)を有して成
る。
【0026】セパレータ板8には燃料ガス流路61が形
成されており、燃料ガスは、燃料ガス入口配管5からセ
パレータ内の反応ガス通路60を通じて燃料ガス流路6
1に供給され、燃料ガス出口配管63に排出されるよう
になっている。同様に、酸化剤側極4の酸化剤ガスは酸
化剤ガス入口配管7から酸化剤流路62に供給され、酸
化剤ガス出口配管64から排出される。
【0027】図2は、酸素含有ガスの添加装置81の模
式的平面図(a)と側面図(b)である。添加装置81
は、酸素含有ガスの添加量を時間的に変動させるシステ
ムとして機能し、内部に回転子82を有し、酸素含有ガ
ス供給配管一次側84と燃料ガスへの酸素含有ガス添加
ポート6との間に位置する空間部83を有する。この回
転子82は、図示するように高さの低い円柱の一部分
(図示するように、断面が中心角θ(例えば300°)
の扇形aと二等辺三角形bを合わせた形状の柱状体)の
形態であり、モータ86により回転し、回転子82の外
側表面91はその形状が添加ポート6を有する空間部分
の形状に対応し、回転子が回転することによって、ポー
ト6の入口につながる空間83の一部分が回転子82に
より占められ、ポート6の入口が外側表面91により一
時的に閉鎖されるようになっている。従って、回転子8
2は空間83から添加ポート6への酸素含有ガスの供給
を一時的に停止でき、回転子82が一回転する間に酸素
含有ガスの添加のオンの状態およびオフの状態が周囲的
に繰り返されるようになっている。従って、図2の添加
装置は、間欠的に(即ち、オフ/オフステップ状に変動
させて)酸素含有ガスを燃料ガス側極に添加することが
できる。
【0028】上述のように回転子82は回転軸85に固
定されており、回転子82の回転数は、モータ86によ
って制御され、従って、オン/オフのサイクル(または
頻度)を制御することができる。また、回転子82の中
心角(θ)を変えて、回転子の外側表面を増減すること
によりオンの時間とオフの時間の割合を変えることとが
できる。更に、酸素含有ガスの一次側84の圧力を増減
することにより、オンの時に燃料電池内に添加される酸
素含有ガスの量を変更することができる。尚、図示した
回転子82は空間83内の酸素含有ガスをポート6内に
押し込む作用も有するので、回転子82の回転数を変え
ることによっても燃料電池内に添加される酸素含有ガス
の量を変えることもできる。
【0029】好ましい態様では、回転子82が停止して
いる時は、必ず添加ポート6の入口を閉塞する位置で固
定されるようになっている。このようにすると、何等か
のトラブルで回転子82が停止した場合に過剰の空気が
燃料ガスに添加されるのを防止できるという利点があ
る。
【0030】図5は、本発明の燃料電池において使用す
る酸素含有ガスの添加装置81の別の態様を模式的に示
す平面図(a)と側面図(b)である。図2に示す態様
と異なり、回転子87は楕円形断面を有する。この回転
子87によって、空間83から添加ポート6につながる
空間が狭くなったり広くなったりすることによって、空
間83から添加ポート6への酸素含有ガスの排出量が周
期的に変化するようになっている。図2の場合と同様
に、回転子87が1回転する間に1周期の流量変動が生
じる。尚、酸素含有ガスの添加量は、図2の場合と同様
に、回転子87の占有容積を除く空間83の容積、回転
数、一次側のガス圧力によって変えることができる。ま
た、回転子87が停止している時は、必ず添加ポート6
を閉塞する位置で固定されるようになっており、トラブ
ルで回転子87が停止した場合に過剰の空気が燃料ガス
に添加されるのを防止する。
【0031】このような燃料電池において、燃料ガス側
極2では、次の反応で電子とプロトンが生じる: H2 → 2H+ + 2e- プロトンは電解質マトリクス3を通って酸化剤側極に達
し、電子は燃料ガス側セパレータ板8、外部回路65お
よび酸化剤側セパレータ板9を通って酸化剤極に達す
る。酸化剤側極4では、酸素とプロトンと電子の反応で
次式により水が生じる: O2 + 4H+ + 4e- → 2H2
【0032】一方、燃料ガスに添加された酸素含有ガス
中の酸素は、次式の反応により燃料電極に吸着されてい
る触媒を被毒する被酸化性物質を酸化して無毒化する。
例えば一酸化炭素を酸化して二酸化炭素に変換する: 2CO + O2 → 2CO2
【0033】本発明において、酸素含有ガスは、酸素を
含むガスであれば特に限定されるものではなく、残りの
成分は、触媒および燃料ガスに対して不活性であるもの
が好ましく、一般的には不活性ガス、例えば窒素であっ
てよい。また、含まれている酸素の濃度も特に限定され
るものではなく、非常に希薄な酸素または高濃度の酸素
を含むガスであってもよい。また、酸素含有ガスの代わ
りに酸素のみを使用してよい。通常、空気を使用するの
が好都合である。
【0034】図11に本発明の水素製造装置41を模式
的に示し、水素製造装置の低濃度水素含有ガスへの酸素
含有ガスの添加装置81も合わせて示す。図において、
水素製造装置の単セル41は、低濃度水素含有ガス側極
42、電解質マトリクス43、水素発生側極44、低濃
度水素含有ガス入口配管45、低濃度水素含有ガスへの
酸素含有ガス添加ポート46、低濃度水素含有ガス側セ
パレータ板48、水素発生側セパレータ板49、低濃度
水素含有ガス側の流路71、水素発生側の流路72、低
濃度水素含有ガス出口配管73、発生水素ガス出口配管
74、定電流型外部直流電源および外部回路75を有し
て成る。図5に示した添加装置81を使用してもよい。
尚、燃料電池と異なり、水素発生側には、特に入口配管
は設けなくてよい。
【0035】低濃度水素含有ガス側極42では、次の反
応で電子とプロトンが生じる: H2 → 2H+ + 2e プロトンは電解質マトリクス43を通って水素発生側極
44に達し、電子は低濃度水素含有ガス側セパレータ板
48、外部電源と水素発生側セパレータ板49を通って
水素発生側極44に達し、水素発生側極では、プロトン
と電子から次式により、水素が発生する、即ち、水素が
製造される: 2H + 2e- → H2
【0036】水素発生側では、他にガスが流れないの
で、水素が蓄積され、発生水素ガス出口配管74からは
不純物を実質的に含まない水素が得られる。この反応の
ために外部電源に必要な直流電圧はおよそ0.3V程度
である。低濃度水素含有ガスに添加された酸素含有ガス
中の酸素は、次式の反応により一酸化炭素を酸化して二
酸化炭素に変換する: 2CO + O2 → 2CO2
【0037】本発明においては、酸素含有ガスを時間的
に変動する量で加えることを除いては、燃料電池または
電解による水素製造装置を構成するために一般的に使用
されている材料を使用することができ、その詳細につい
ては当業者には周知であり、これ以上の説明は不要であ
る。
【0038】本発明の燃料電池によれば、燃料ガス側極
に添加する酸素含有ガスの添加量が時間的に変動するよ
うに供給されるので、酸素含有ガスの添加量が少ない間
または無い間に触媒に吸着した、触媒被毒成分としての
一酸化炭素のような被酸化性物質が、添加量の増加した
酸素含有ガスまたは添加された酸素含有ガスにより酸化
されて無毒化され(即ち、触媒活性が回復し)、無毒化
された後は、酸素含有ガスの添加量が減少しているか、
または添加が停止されて、燃料ガスが無駄に消費され
ず、その後、触媒が再度被毒されると、酸素含有ガスの
添加量が増えるか、添加が開始されて無毒化されるとい
うメカニズムが繰り返されることになり、酸素含有ガス
が被酸化性物質の除去に効率良く使用され、無駄に消費
される燃料ガス量を最小限に抑えることができる。
【0039】本発明の水素製造装置によれば、低濃度水
素含有ガス側極に添加する酸素含有ガスの添加量が時間
的に変動するように供給されるので、先の燃料電池と同
様に、酸素含有ガスの添加量が少ない間または無い間に
触媒に吸着した、触媒被毒成分としての一酸化炭素のよ
うな被酸化性物質が、添加量の増加した酸素含有ガスま
たは添加された酸素含有ガスにより酸化されて無毒化さ
れ(即ち、触媒活性が回復し)、無毒化された後は、酸
素含有ガスの添加量が減少しているか、または添加が停
止されて、低濃度水素含有ガス中の水素が無駄に消費さ
れず、その後、触媒が再度被毒されると、酸素含有ガス
の添加量が増えるか、添加が開始されて無毒化されると
いうメカニズムが繰り返されることになり、酸素含有ガ
スが被酸化性物質の除去に効率良く使用され、低濃度水
素含有ガス中の水素が無駄に消費されるのを最小限に抑
えることができる。
【0040】
【実施例】実施例の説明において用いる「%」は特に断
らない限り、体積基準の割合である。 実施例1 図1および図2(θ=300°)に示す装置を用いて本
発明の燃料電池を構成して運転した。有効面積25cm
2の単セル1を用い、電解質マトリクス3としてSiC
に粉末に濃厚リン酸溶液を含浸したものを用い、電極2
および3としては、白金微粒子を担持したカーボンペー
パーを使用した。また、セパレータ板8および9にはカ
ーボンを使用した。電気ヒータと冷却水(セパレータ板
8および9に内蔵;図示せず)の温度コントロールによ
って動作温度を60℃で一定に保って運転を行った。電
流密度は150mA/cm2で一定とし、燃料ガス側極
2には水素80%、二酸化炭素20%、一酸化炭素10
0ppmのメタン改質模擬ガスを供給し、酸化剤側極4
には空気を供給した。燃料ガスの利用率は80%であ
り、酸化剤の利用率は60%であった。燃料ガスへの酸
素含有ガス(空気を使用)の添加は添加装置81を用い
て、燃料ガス側極入口の上流側の燃料ガス配管5の途中
に設けたポート6から行った(オンの時間幅:オフの時
間幅=1:5)。
【0041】図3は、図1の構成のリン酸型燃料電池を
用いて行った実施例1の運転結果を示すセル電圧の経時
変化である。縦軸は単セルのセル電圧、横軸は経過時間
を示している。動作中に供給した燃料ガスの組成は水素
80%、二酸化炭素20%、一酸化炭素100ppmで
あるが、横軸の時間ゼロまでは、燃料ガス中の水素に対
し0.8体積%の酸素濃度となるように空気を連続的に
添加した。時間ゼロの時点にて、それまでの連続的な空
気の添加を停止して、以下に説明する条件で空気の添加
を開始した。
【0042】図3において、曲線11は1秒おきに燃料
ガスに空気を添加した場合(即ち、回転子82を1秒間
に1回転させた場合、周期1秒)のセル電圧の経時変
化、曲線12は2秒おきに燃料ガスに空気を添加した場
合(即ち、回転子82を2秒間に1回転させた場合)の
セル電圧の経時変化、曲線13は3秒おきに燃料ガスに
空気を添加した場合(即ち、回転子82を3秒間に1回
転させた場合)のセル電圧の経時変化、曲線14は4秒
おきに燃料ガスに空気を添加した場合(即ち、回転子8
2を4秒間に1回転させた場合)のセル電圧の経時変
化、15は連続的に空気を添加した場合の経時変化であ
る。なお、燃料ガスへの空気の添加量は、どの場合も1
分間で燃料ガスの2体積%で一定になるように、1次側
84の圧力を調整した。
【0043】そのために、回転子82の回転数と空気の
1次側の圧力を変化させた場合の空気の添加量の相関関
係については、予めモータ86の回転数を調整した状態
で、一次側84の圧力を調整し、燃料ガスを所定の容器
内に1分間以上採集して、その組成をガスクロマトグラ
フを用いて測定することにより予め調べておいた。尚、
1分間で燃料ガスの2体積%の空気添加量を、水素量に
対する酸素量に換算すると、0.5体積%に相当する。
【0044】図3から明らかなように、燃料ガスへの空
気添加の周期が、4秒を超える(曲線14)とセル電圧
が徐々に低下したが、1秒間隔(曲線11)、2秒間隔
(曲線12)および3秒間隔(曲線13)では、セル電
圧は周期的な変動はあるが、徐々に劣化することなく、
初期の電圧の10%以内の変動量の範囲内で維持され
た。他方、連続的に空気を添加した場合(曲線15)に
は、1分間の空気添加量が同じであっても、早い時間
で、急激にセル電圧が低下した。
【0045】これらの結果から、連続的ではなく、間欠
的に、特に3秒以内の短い間隔で酸素含有ガスのオン/
オフを繰り返して断続的に空気を添加した場合(曲線1
1、12および13)には、連続的に添加する場合より
もはるかに良好にセル電圧を安定させることができた。
【0046】また、制御装置を用いて、セル電圧をモニ
タし、1次側84の圧力を変化させずに、回転子82の
回転数だけを変化させて、セル電圧の秒単位の変化の変
動幅がセル電圧の10%以内になるようにすることも可
能であった。即ち、セル電圧の変動幅が10%に近づ
き、あるいは10%を超えそうになると回転数を増やし
て酸素含有ガスの添加量を増やし、逆に、変動幅が5%
を下回ると回転数を減らして酸素含有ガスの添加量を減
らすように制御した。この方法は、空気を添加するサイ
クルを変えて単位時間あたりの空気添加量を増減する方
法であり、酸素含有ガスが有効に使用される。これに関
して、更に、燃料ガスに含まれるCO濃度を変化させ
て、経時的なセル電圧と空気添加量の変化を調べたが、
その結果、安定なセル電圧を維持しながら常に空気添加
量を必要最小限にコントロールできることが分かった。
【0047】実施例2 実施例1と同様にリン酸型燃料電池を用いて燃料電池の
運転を実施した。尚、本実施例では、添加サイクルは同
じにして、1サイクルに加えられる酸素含有ガスの添加
量を次のように変えた:2秒おきに(即ち、2秒に1
回)燃料ガスに空気を0.3mlずつ添加した場合、2
秒おきに燃料ガスに空気を0.2mlずつ添加した場
合、2秒おきに燃料ガスに空気を0.15mlずつ添加
した場合、2秒おきに燃料ガスに空気を0.1mlずつ
添加した場合である。これらの空気添加量を、単位時間
あたりに供給される水素量に対する酸素量に平均して換
算すると、それぞれ0.6体積%(曲線16)、0.4体
積%(曲線17)、0.3体積%(曲線18)、0.2体
積%(曲線19)に相当する。尚、実施例1の場合と同
様に、横軸の時間ゼロまでは、燃料ガス中の水素濃度に
対して酸素濃度が0.8体積%になるように空気を混合
して添加している。時間ゼロの時点でそれまでの連続的
な空気の添加をやめて、上述の条件での酸素含有ガスと
しての空気の添加を開始した。
【0048】図4には、実施例2の運転方法におけるセ
ル電圧の経時変化を示す。図において、曲線16は2秒
おきに燃料ガスに空気を0.3mlずつ添加した場合の
経時変化、曲線17は2秒おきに燃料ガスに空気を0.
2mlずつ添加した場合の経時変化、曲線18は2秒お
きに燃料ガスに空気を0.15mlずつ添加した場合の
経時変化、曲線19は2秒おきに燃料ガスに空気を0.
1mlずつ添加した場合の経時変化である。尚、空気添
加量の変更は1次側84の圧力を変更することで行っ
た。
【0049】図から明らかなように、燃料ガスへの空気
添加量が、単位時間あたりに供給される燃料ガス中の水
素量に対する酸素量が、平均で、0.4体積%を下回る
場合(曲線18および19)には、セル電圧が徐々に低
下した。しかしながら、0.4体積%(曲線17)およ
び0.6体積%(曲線16)では、セル電圧は周期的な
変化はあるが、元の電圧より10%以上変動して徐々に
劣化することなく一定に保たれた。即ち、単位時間あた
りに供給される水素量に対する酸素量に平均して換算し
て、酸素量が0.4体積%を上回る場合には、セル電圧
を安定させることができた。
【0050】また、制御装置を用いて、セル電圧をモニ
タし、回転子82の回転数および1次側84の圧力を変
化させて、セル電圧の秒単位の変化の変動幅がセル電圧
の10%以内になるように制御できた。即ち、セル電圧
の変動幅が10%に近づき、あるいは10%を超えそう
になると回転数および/または1次側の圧力を増やして
酸素含有ガスの添加量を増やし、逆に、変動幅が5%を
下回ると回転数および/または1次側の圧力を減らして
酸素含有ガスの添加量を減らすように制御した。更に、
実施例1と同様に、燃料ガスに含まれるCO濃度を変化
させて、経時的なセル電圧と空気添加量の変化を調べ
た。その結果、安定なセル電圧を維持しながら常に空気
添加量を必要最小限にコントロールできることが分かっ
た。
【0051】実施例3 図5の添加装置81および図1の構成のリン酸型燃料電
池1を用いて種々の条件で燃料電池の運転を実施した。
酸素含有ガスの添加装置および添加条件を変更した以外
は、実施例1と同様の条件を用いた。その結果を図6に
示す。図6は、周期的に空気添加量を変化させて行った
運転方法を示すセル電圧の経時変化である。空気添加量
は、1サイクルにおいて最大値から最大値の4分の1の
量までの範囲をサイン曲線のように変化させた。どの場
合も1分間で燃料ガスの2.0体積%の添加空気総量が
添加されるように、空間容積の異なる添加装置に変更し
て1周期あたりの空気添加量を調整した。
【0052】この空気添加量を、水素量に対する酸素量
に換算すると、0.4体積%に相当する。図6におい
て、曲線21は燃料ガスに空気量を1秒周期で変化させ
て添加した場合の経時変化、曲線22は燃料ガスに空気
量を2秒周期で変化させて添加した場合の経時変化、曲
線23は燃料ガスに空気量を3秒周期で変化させて添加
した場合の経時変化、曲線24は燃料ガスに空気量を4
秒周期で変化させて添加した場合の経時変化、曲線25
は燃料ガスに空気量を5秒周期で変化させて添加した場
合の経時変化である。
【0053】燃料ガスへの空気添加量の変化の周期が、
4秒を超える(曲線24および25)とセル電圧が徐々
に低下したが、1秒周期(曲線21)、2秒周期(曲線
22)および3秒周期(曲線23)では、セル電圧は周
期的な変化はあるが、徐々に劣化することなく一定に保
たれた。即ち、3秒以内の周期で、周期的に空気を添加
した場合(曲線21、22および23)には、実施例1
の場合と同様に、連続的に添加するよりも少ない空気添
加量でセル電圧を安定させることができた。
【0054】また、制御装置を用いて、セル電圧をモニ
タし、1次側84の圧力を変化させずに、回転子87の
回転数だけを変化させて、セル電圧の秒単位の変化の変
動幅がセル電圧の10%以内になるように設定した。即
ち、セル電圧の変動幅が10%を超えそうになると回転
数を増やし、変動幅が5%を下回ると回転数を減らすよ
うに制御した。これにより、単位時間あたりの空気添加
量を変化させることができる。さらに燃料ガスに含まれ
るCO濃度を変化させて、経時的なセル電圧と空気添加
量の変化を調べた。その結果、安定なセル電圧を維持し
ながら常に空気添加量を必要最小限にコントロールでき
ることが分かった。
【0055】実施例4 実施例3と同様に周期的に空気添加量を変化させること
のできる添加装置81を添加ポート6に接続して燃料電
池を動作させた。その時のセル電圧の経時変化を図7に
示す。図7において、曲線26は2秒周期で燃料ガスに
空気を単位時間あたりの水素量に対する酸素量に平均し
て換算して0.8体積%添加した場合の経時変化、曲線
27は2秒周期で燃料ガスに空気を単位時間あたりの水
素量に対する酸素量に平均して換算して0.6体積%添
加した場合の経時変化、曲線28は2秒周期で燃料ガス
に空気を単位時間あたりの水素量に対する酸素量に平均
して換算して0.4体積%添加した場合の経時変化、曲
線29は2秒周期で燃料ガスに空気を単位時間あたりの
水素量に対する酸素量に平均して換算して0.3体積%
添加した場合の経時変化である。
【0056】燃料ガスへの空気添加量が、単位時間あた
りの水素量に対する酸素量に平均して換算して、0.4
体積%を下回る(曲線29)とセル電圧が徐々に低下し
たが、0.4体積%(曲線28)、0.6体積%(曲線2
7)および0.8体積%(曲線26)では、セル電圧は
周期的な変化はあるが、徐々に劣化することなく一定に
保たれた。即ち、単位時間あたりの水素量に対する酸素
量に平均して換算して、0.4体積%を上回る場合に
は、セル電圧を安定させることができた。
【0057】また、実施例1と同様に、制御装置を用い
て、セル電圧をモニタし、回転子87の回転数を変化さ
せずに、1次側84の圧力を変化させて、セル電圧の秒
単位の変化の変動幅がセル電圧の10%以内になるよう
に設定した。更に、燃料ガスに含まれるCO濃度を変化
させて、経時的なセル電圧と空気添加量の変化を調べ
た。その結果、安定なセル電圧を維持しながら常に空気
添加量を必要最小限にコントロールできることが分かっ
た。
【0058】実施例5 添加する酸素量の水素ガスに対する割合を変えた以外
は、実施例2および実施例4と同様に断続的および周期
的に酸素含有ガスの添加量を変化させて燃料電池を運転
し、図8の結果を得た。図8は、運転開始後3〜4分の
間の平均セル電圧の酸化剤(酸素)添加濃度依存性を示
す。本実施例では、空気の代わりに、酸素、または空気
と窒素を混合して酸素濃度を10%にした酸素含有ガス
も使用したが、空気を使用する場合と実質的に異ならな
いという結果を得た(図8では区別して示していな
い)。
【0059】また、比較のために、連続的に空気を添加
した場合の結果も示した。横軸は、添加した酸素を含む
水素に対する酸素量の比の平均値であり、縦軸は、3分
〜4分の1分間の平均セル電圧である。図において、線
31は間欠的に酸素含有ガスを添加した場合(回転子8
2を使用)の結果、線32は周期的に酸素含有ガスの添
加量を変化させた場合(回転子87を使用)の結果、線
33は連続的に酸素含有ガスを添加した場合の結果であ
る。なお、酸素含有ガスの添加の間隔(ある添加オン時
から次の添加オン時までの時間)および周期はいずれの
場合も3秒以内とした。
【0060】酸素含有ガスを連続的に添加した場合(線
33)に比べて、断続的に添加した場合(線31)およ
び周期的に変化させて添加した場合(線32)の方が、
より少ない酸素含有ガス添加量で高いセル電圧が維持さ
れていることが明らかである。このような差異が生じる
理由を図を用いて説明する。
【0061】図9は、燃料ガス側極の触媒金属粒子に一
酸化炭素が密に吸着した状態、図10は、燃料ガス側極
の触媒金属粒子に一酸化炭素がまばらに吸着した状態を
示している。図において、35は燃料ガス側極の触媒金
属粒子、36は一酸化炭素分子である。図9のように一
酸化炭素分子が密に吸着した状態では、水素が容易に触
媒金属粒子35に近づくことができないので、セル電圧
は急激に低下し始める。この時に酸素分子が来ると、水
素を無駄に消費することなく、一酸化炭素が二酸化炭素
に変換される。
【0062】一方、図10のように一酸化炭素がまばら
に吸着した状態では、水素は触媒金属粒子35に近づく
余地があるので、セル電圧はほとんど低下しないが、こ
の時に酸素分子が来ると、大量の水素が触媒反応によっ
て直接水に変換され、無駄に消費されることになる。従
って、一酸化炭素を酸化して除去するには、図9の状況
で酸素分子を供給することが望ましい。ところが、連続
的に酸素含有ガスを添加している場合は吸着している一
酸化炭素分子の一部が常に酸化除去されるので、図10
のように一酸化炭素がまばらに吸着した状態になる。
【0063】これに対して、本発明のように、断続的あ
るいは周期的に酸素含有ガスの添加量を時間的に変動さ
せた場合には、一酸化炭素が十分に吸着した状態になっ
てから酸素が供給が開始されるか、あるいは供給される
酸素が増え、一酸化炭素が酸化除去された後、酸素の供
給が停止するか、あるいは少なくなるので、図10のよ
うに一酸化炭素がまばらに吸着した状態での余分に存在
する酸素による燃料ガスの無駄な消費を少なくすること
ができる。
【0064】実施例6 ポリベンゾイミダゾールにリン酸をドープしたものを電
解質マトリクス3として用い、燃料ガスとして、加湿し
たメタノール蒸気を供給した以外は、実施例1および実
施例3と同じ装置を用いて、燃料ガスに種々の量で酸素
含有ガスを添加して3〜4分のセル電圧を測定する実施
例5と同様の試験を行ったところ、実施例5と同様に、
断続的または周期的に酸素含有ガスを加えた方が、より
少ない酸素含有ガスの添加量で高いセル電圧を維持する
ことができた。
【0065】本実施例のメタノール直接型燃料電池の場
合、燃料ガスに添加した酸素含有ガスによって酸化除去
される被酸化性物質は一酸化炭素だけではなく、ホルム
アルデヒドや反応中間体である可能性がある。いずれに
しても、実施例5の場合と同様の酸化含有ガスの添加
量、添加の間隔、添加量変化の周期で高いセル電圧を維
持することができた。
【0066】実施例7 図11に示す水素製造装置を用いた。水素製造装置とし
ては、有効面積25cm2の単セル41を用い、電気ヒ
ータと冷却水の温度コントロールによって動作温度を6
0℃で一定に保って運転を行った。また、電解質マトリ
クス43には固体高分子電解質膜を、電極には白金微粒
子を担持したカーボン製ガス拡散電極を、低濃度水素含
有ガス側セパレータ板48にはカーボン製のものを用い
た。
【0067】電流密度は200mA/cm2で一定にな
るように外部電源の電圧を制御し、低濃度水素含有ガス
側極42には水素40%、二酸化炭素60%、一酸化炭
素100ppmの混合ガスを供給した。また、低濃度水
素含有ガスへの酸素含有ガス(空気)の添加は注射器を
用いて、低濃度水素含有ガス側極入口の上流側の低濃度
水素含有ガス配管45にポート46を設けて行った。
【0068】図12は、図11の構成の水素製造装置を
用いて一定の電流が流れるように電解セル電圧を制御し
ながら行った実施例7の水素製造装置の運転時のセル電
圧の経時変化である。縦軸は単セルのセル電圧、横軸は
経過時間を示している。図において、曲線51は1秒お
きに(即ち、1秒間に1回)低濃度水素含有ガスに空気
を添加した場合の経時変化、曲線52は2秒おきに低濃
度水素含有ガスに空気を添加した場合の経時変化、曲線
53は3秒おきに低濃度水素含有ガスに空気を添加した
場合の経時変化、曲線54は4秒おきに低濃度水素含有
ガスに空気を添加した場合の経時変化、曲線55は連続
的に空気を添加した場合の経時変化である。尚、低濃度
水素含有ガスへの空気の添加量は、どの場合も1分間で
低濃度水素含有ガス中の水素量に対して添加される空気
の総量が2体積%で一定になるように1回転あたりの空
気添加量を調整した。この空気添加量を、水素量に対す
る酸素量に換算すると、0.4体積%に相当する。
【0069】低濃度水素含有ガスへの空気添加のタイミ
ング(周期)が、4秒を超える(曲線54)と電解セル
電圧が徐々に上昇したが、1秒間隔(曲線51)、2秒
間隔(曲線52)および3秒間隔(曲線53)では、電
解セル電圧は周期的な変化ではあるが、徐々に劣化する
ことなく一定に保たれた。他方、連続的に空気を添加し
た場合(曲線55)には、1分間の空気添加総量が同じ
でも、早い時間で、急激に電解セル電圧が上昇した。
【0070】即ち、連続的ではなく、3秒以内の間隔
で、断続的に空気を添加した場合(曲線51、52およ
び54)には、連続的に添加する場合よりも少ない空気
添加量で、電解セル電圧を安定させることができた。ま
た、制御装置を用いて、電解セル電圧を一定にして、電
解セルに流れる電流値をモニタし、1次側84の圧力を
変化させずに、回転子82の回転数だけを変化させて、
電流値の秒単位の変化の変動幅が電流値の10%以内に
なるように設定した。即ち、実施例1と同様に、電流値
の変動幅が10%を超えそうになると回転数を増やし、
変動幅が5%を下回ると回転数を減らすように、単位時
間あたりの空気添加量を変化させて制御できた。更に、
燃料ガスに含まれるCO濃度を変化させて、経時的な電
流値と空気添加量の変化を調べた。その結果、安定な電
流値を維持しながら常に空気添加量を必要最小限にコン
トロールできることが分かった。
【0071】実施例8 図11の構成の水素製造装置を用いて実施例7と同様に
運転した。尚、本実施例においては、添加する酸素含有
ガスの総量を変えた。運転結果を図13に示す。図13
は、水素製造装置の運転時の電解セル電圧の経時変化で
ある。図において、曲線56は2秒おきに低濃度水素含
有ガスに空気を0.4mlずつ添加した場合の経時変
化、曲線57は2秒おきに低濃度水素含有ガスに空気を
0.25mlずつ添加した場合の経時変化、曲線58は
2秒おきに低濃度水素含有ガスに空気を0.2mlずつ
添加した場合の経時変化、曲線59は2秒おきに低濃度
水素含有ガスに空気を0.15mlずつ添加した場合の
経時変化である。これらの空気添加量を、単位時間あた
りの水素量に対する酸素量に平均して換算すると、それ
ぞれ、0.6体積%(曲線56)、0.4体積%(曲線5
7)、0.3体積%(曲線58)、0.2体積%(曲線5
9)に相当する。
【0072】低濃度水素含有ガスへの空気添加量が、単
位時間あたりの水素量に対する酸素量に平均して換算し
て、0.4体積%を下回る(曲線58および59)と電
解セル電圧が徐々に上昇したが、0.6体積%(曲線5
6)および0.4体積%(曲線57)では、電解セル電
圧は周期的な変化はあるが、徐々に上昇することは無く
一定に保たれた。即ち、単位時間あたりの水素量に対す
る酸素量に平均して換算した場合、0.4体積%を上回
る場合には、電解セル電圧を安定させることができた。
【0073】また、制御装置を用いて、電解セル電圧を
一定にして、電解セルに流れる電流値をモニタし、回転
子82の回転数および酸素含有ガスの1次側84の圧力
を変化させ、電流値の秒単位の変化の変動幅が電流値の
10%以内になるように設定した。即ち、電流値の変動
幅が10%を超えそうになると回転数を増やし、変動幅
が5%を下回ると回転数を減らすように、単位時間あた
りの空気添加量を変化させて制御できた。更に、燃料ガ
スに含まれるCO濃度を変化させて、経時的な電流値と
空気添加量の変化を調べた。その結果、安定な電流値を
維持しながら常に空気添加量を必要最小限にコントロー
ルできることが分かった。
【0074】尚、上記実施例の燃料電池または水素製造
装置では、酸素含有ガス供給配管の途中に回転子を有す
る1つの空間を設け、回転子の回転によって、燃料ガス
または低濃度水素ガスに添加する酸素含有ガスの供給量
が間欠的または周期的に変化するようにした酸素含有ガ
スの添加装置を用いた場合を示したが、他の方法、例え
ば、電磁弁の開閉頻度と開閉時間によって酸素含有ガス
の添加量と添加周期を変化させてもよく、上記実施例と
同様の効果が得られる。
【0075】
【発明の効果】第1の要旨の本発明によれば、燃料電池
において、燃料ガスに酸素含有ガスを間欠的にまたは周
期的に添加量を変化させて供給するようにしたので、燃
料ガス側極の触媒に一酸化炭素が十分に吸着した状態
で、酸素含有ガスが供給され、効率良く一酸化炭素のよ
うな触媒被毒物質を酸化できる。また、燃料ガス側極の
触媒上の一酸化炭素が酸化された状態では、酸素含有ガ
スの供給が停止または減少しているので、無駄に消費さ
れる水素のような燃料ガスの量を最小限に抑えることが
でき、効率を高めた低温型燃料電池が得られる。
【0076】第2の要旨の本発明によれば、水素製造装
置において、低濃度水素含有ガスに酸素含有ガスを間欠
的にまたは周期的に添加量を変化させて供給するように
したので、低濃度水素含有ガス側極の触媒に一酸化炭素
のような触媒被毒物質が十分に吸着した状態で、酸素含
有ガスが供給され、効率良く一酸化炭素を酸化ででき
る。また、低濃度水素含有ガス側極の触媒上の一酸化炭
素が酸化された状態では、酸素含有ガスの供給が停止ま
たは減少しているので、無駄に消費される水素のような
燃料ガス量を少なくすることができ、効率を高めた水素
製造装置が得られる。
【0077】更に、低温型燃料電池または水素製造装置
において、請求項4または8に記載の発明のように、セ
ル電圧またはセルに流れる電流の時間的変動をモニタ
し、その変動幅が10%を超えない範囲内で、可能であ
るならば酸素含有ガス添加量が少なくなるように、燃料
ガスまたは低濃度水素含有ガス側極に添加する酸素含有
ガスの添加/無添加の周期およびその時間幅、ならびに
その時間幅の時間内に添加する酸素含有ガスの添加量の
少なくとも1つを制御して運転するので、運転中に燃料
ガス中のCO濃度および運転温度などの条件が変化して
も、セル電圧の変化を少なく保ちながら、無駄に消費さ
れる水素量を最小限に抑えることができ、常に効率を高
く保って運転することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1によるリン酸型燃料電池の
燃料ガスへの酸素含有ガスの添加方法を示す側面図であ
る。
【図2】 本発明の実施例1に用いた、酸化剤ガスの添
加装置を示す平面図(a)および側面図(b)である。
【図3】 本発明の実施例1による運転方法を示すセル
電圧の経時変化を示すグラフである。
【図4】 本発明の実施例2による運転方法を示すセル
電圧の経時変化を示すグラフである。
【図5】 本発明の実施例3に用いた、酸化剤ガスの添
加装置を示す平面図(a)と側面図(b)である。
【図6】 本発明の実施例3による運転方法を示すセル
電圧の経時変化を示すグラフである。
【図7】 本発明の実施例4による運転方法を示すセル
電圧の経時変化を示すグラフである。
【図8】 本発明の実施例5による3分後の平均セル電
圧の酸化剤添加濃度依存性を示すグラフである。
【図9】 燃料極の触媒金属粒子に一酸化炭素がびっし
りと吸着した状態を示す模式図である。
【図10】 燃料極の触媒金属粒子に一酸化炭素がまば
らに吸着した状態を示す模式図である。
【図11】 本発明の実施例7による水素製造装置の低
濃度水素ガスへの酸素含有ガスの添加方法を示す側面図
である。
【図12】 本発明の実施例7の運転方法を示す電解セ
ル電圧の経時変化を示すグラフである。
【図13】 本発明の実施例8の運転方法を示す電解セ
ル電圧の経時変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1:リン酸型燃料電池の単セル、2:燃料ガス側極、
3:電解質マトリクス、4:酸化剤側極、6:燃料ガス
への酸素含有ガス添加ポート、7:酸素含有ガス入口配
管、41:水素製造装置の単セル、42:低濃度水素含
有ガス側極、43:電解質マトリクス、44:水素発生
側極、46:低濃度水素側ガスへの酸素含有ガス添加ポ
ート、75:定電流型外部直流電源および外部回路、8
1:酸素含有ガスの添加装置、82:回転子(間欠
型)、83:空間、84:酸素含有ガス供給配管一次
側、85:回転軸、86:モータ、87:回転子(周期
型)。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料ガス側極、電解質および酸化剤側極
    を有する低温型燃料電池であって、燃料ガスは、燃料ガ
    ス側極における燃料電池を構成する反応を阻害する少な
    くとも1種の被酸化性物質を含み、燃料ガス側極に酸素
    含有ガスを添加して被酸化性ガスを酸化するに際して、
    その添加量を時間的に変動させるシステムを有すること
    を特徴とする燃料電池。
  2. 【請求項2】 酸素含有ガスの添加量を時間的に変動さ
    せるシステムは、燃料ガス側極に酸素含有ガスを間欠的
    に添加する、および/または燃料ガス側極に酸素含有ガ
    スを時間的に周期的に変動する量で添加することを特徴
    とする請求項1記載の燃料電池。
  3. 【請求項3】 燃料ガス側極、電解質および酸化剤側極
    を有する低温型燃料電池の運転方法であって、燃料ガス
    は、燃料ガス側極における燃料電池を構成する反応を阻
    害する少なくとも1種の被酸化性物質を含み、燃料ガス
    側極に酸素含有ガスを添加して被酸化性ガスを酸化する
    に際して、その添加量を時間的に変動させることを特徴
    とする運転方法。
  4. 【請求項4】 燃料電池のセル電圧の時間的な変動を計
    測し、その変動幅がセル電圧の10%を越えない範囲内
    におさまるように、燃料ガス側極に酸素含有ガスを時間
    的に変動させて添加する時の添加の時間幅、その頻度ま
    たは周期および添加する時の酸素含有ガスの添加量の少
    なくとも1つを調節することを特徴とする請求項3記載
    の運転方法。
  5. 【請求項5】 低濃度で水素を含む低濃度水素含有ガス
    から電解により水素を製造し、低濃度水素含有ガス側
    極、電解質および水素発生側極を有する、低温で運転さ
    れる水素製造装置であって、低濃度水素含有ガスは、低
    濃度水素含有ガス側極における電解反応を阻害する少な
    くとも1種の被酸化性物質を含み、低濃度水素含有ガス
    側極に酸素含有ガスを添加して被酸化性ガスを酸化する
    に際して、その添加量を時間的に変動させるシステムを
    有することを特徴とする水素製造装置。
  6. 【請求項6】 酸素含有ガスの添加量を時間的に変動さ
    せるシステムは、低濃度水素含有ガス側極に酸素含有ガ
    スを間欠的に添加する、および/または低濃度水素含有
    ガス側極に酸素含有ガスを時間的に周期的に変動する量
    で添加することを特徴とする請求項5記載の水素製造装
    置。
  7. 【請求項7】 低濃度で水素を含む低濃度水素含有ガス
    から電解により水素を製造し、低濃度水素含有ガス側
    極、電解質および水素発生側極を有する、低温で運転さ
    れる水素製造装置の運転方法であって、低濃度水素含有
    ガスは、低濃度水素含有ガス側極における電解反応を阻
    害する少なくとも1種の被酸化性物質を含み、低濃度水
    素含有ガス側極に酸素含有ガスを添加して被酸化性ガス
    を酸化するに際して、その添加量を時間的に変動させる
    ことを特徴とする運転方法。
  8. 【請求項8】 電解セル電圧またはセル電流の時間的な
    変動を計測し、その変動幅がセル電圧またはセル電流の
    10%を越えない範囲内におさまるように、低濃度水素
    含有ガス側極に酸素含有ガスを時間的に変動させて添加
    する時の添加の時間幅、その頻度または周期および添加
    する時の酸素含有ガスの添加量の少なくとも1つを調節
    することを特徴とする請求項7記載の運転方法。
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