JPH1029804A - 一酸化炭素濃度低減装置および一酸化炭素濃度低減方法 - Google Patents

一酸化炭素濃度低減装置および一酸化炭素濃度低減方法

Info

Publication number
JPH1029804A
JPH1029804A JP8203240A JP20324096A JPH1029804A JP H1029804 A JPH1029804 A JP H1029804A JP 8203240 A JP8203240 A JP 8203240A JP 20324096 A JP20324096 A JP 20324096A JP H1029804 A JPH1029804 A JP H1029804A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon monoxide
gas
concentration
oxidizing
catalyst
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP8203240A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Aoyama
智 青山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP8203240A priority Critical patent/JPH1029804A/ja
Publication of JPH1029804A publication Critical patent/JPH1029804A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Catalysts (AREA)
  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 広い温度範囲において効果的に水素リッチガ
ス中の一酸化炭素濃度を低減する。 【解決手段】 燃料電池システム10はCO選択酸化部
34を備えており、このCO選択酸化部34は改質部3
2で生成された改質ガス中の一酸化炭素濃度を極めて低
いレベルにまで低減する。CO選択酸化部34には、ジ
ルコニアからなる担体にルテニウムを担持させた一酸化
炭素選択酸化触媒が充填されている。ジルコニア担体に
担持されたルテニウム触媒は、一酸化炭素濃度を充分に
低減可能な温度範囲が80℃〜200℃と極めて広いた
め、CO選択酸化部34では厳密な温度管理を行なう必
要がない。また、負荷が変動してCO選択酸化部34で
の処理量が増減し、CO選択酸化部34の内部温度が変
化した場合にも安定して一酸化炭素濃度を低減すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一酸化炭素濃度低
減装置および一酸化炭素濃度低減方法に関し、詳しくは
水素リッチなガス中の一酸化炭素濃度を低減させる一酸
化炭素濃度低減装置および一酸化炭素濃度低減方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、このような一酸化炭素濃度低減装
置としては、アルミナなどの担体上に担持されたロジウ
ムまたはルテニウムからなる触媒を備える装置が提案さ
れている(例えば、特開平5−201702)。この装
置に水素リッチガスと所定量の酸素とを導入すると、ロ
ジウムまたはルテニウムからなる触媒が、水素の酸化反
応に優先して一酸化炭素の酸化反応を促進し、水素リッ
チガス中の一酸化炭素濃度を低下させることができる。
【0003】このような一酸化炭素濃度低減装置は、例
えば固体高分子型燃料電池やりん酸型燃料電池等を備え
る燃料電池システムにおいて用いられる。以下に、これ
らの燃料電池で起こる電気化学反応を示す。
【0004】 H2 → 2H++2e- …(1) 2H++2e-+(1/2)O2 → H2O …(2) H2+(1/2)O2 → H2O …(3)
【0005】(1)式はアノードにおける反応を示し、
(2)式はカソードにおける反応を示し、(3)式は電
池全体で行なわれる反応を示す。ここに示すように、燃
料電池の電池反応を進行させるためには、その陰極側に
水素を含有する燃料ガスを供給し、その陽極側に酸素を
含有する酸化ガスを供給する必要がある。このとき、こ
れらのガス中に一酸化炭素が混在していると、混在する
一酸化炭素が燃料電池に備えられた白金触媒に吸着して
触媒としての機能を低下させてしまう。酸化ガスとして
は通常は空気等を用いるため触媒機能を低下させる量の
一酸化炭素が混在しているおそれはないが、燃料ガスに
は少量の一酸化炭素が混在してしまうため、陰極側で進
行する水素の分解反応が阻害されて燃料電池の性能が低
下してしまうおそれがある。
【0006】このように燃料ガスに一酸化炭素が混合し
てしまうのは、燃料ガスを炭化水素の改質によって生成
することに起因する。上記燃料電池を備えるシステム
は、通常は所定の燃料改質装置を備え、この燃料改質装
置で炭化水素を改質して水素リッチな燃料ガスを生成し
て燃料電池の陰極側に供給している。このような改質反
応の例として、以下にメタノールを水蒸気改質する反応
を示す。
【0007】 CH3OH → CO+2H2 …(4) CO+H2O → CO2+H2 …(5) CH3OH+H2O → CO2+3H2 …(6)
【0008】メタノールの水蒸気改質反応は、(4)式
に示すメタノールの分解反応と、(5)式に示す一酸化
炭素の変成反応とが同時に進行し、全体として(6)式
の反応が起こって二酸化炭素を含有する水素リッチガス
が生成される。これらの反応が完全におこなわれるなら
ば最終的に一酸化炭素が生じることはないが、実際の燃
料改質装置においては、上記(5)式の反応を完全に行
なわせることは困難であるため、燃料改質装置で改質さ
れた燃料ガス中には副生成物としての一酸化炭素が含ま
れることになる。
【0009】従って、燃料電池に燃料ガスを供給する際
には、上記一酸化炭素濃度低減装置によって燃料ガス中
の一酸化炭素濃度の低減が図られていた。一酸化炭素濃
度低減装置内で進行する一酸化炭素の酸化反応を以下の
(7)式に示す。なお、燃料電池に供給される燃料ガス
中に許容される一酸化炭素濃度は、りん酸型燃料電池の
場合は数%程度以下であり、固体高分子型燃料電池の場
合には数ppm程度以下である。
【0010】 CO+(1/2)O2 → CO2 …(7)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ロ
ジウムまたはルテニウムからなる触媒を用いた一酸化炭
素濃度の低減反応においては、一酸化炭素濃度低減に有
効な温度範囲が所定の範囲内に限られているという問題
があった。そのため、このような触媒を備えた一酸化炭
素濃度低減装置を、実際に燃料電池システムの燃料ガス
供給装置に組み込んだ場合に、一酸化炭素濃度を充分に
低減できない場合が生じるおそれがあった。上記した所
定の範囲内の有効な温度範囲よりも低い温度では、触媒
の酸化活性が低いために一酸化炭素の酸化反応が進み難
く、一酸化炭素濃度が充分に低減されなくなる。また、
上記有効な温度範囲よりも高い温度では、燃料ガス中に
混在する微量の一酸化炭素の選択的な酸化が行なわれ難
くなる。すなわち、豊富に存在する水素が酸化されてし
まい、一酸化炭素の酸化反応が充分に行なわれなくなっ
てしまう。
【0012】さらに、一酸化炭素濃度低減装置における
反応温度が高い場合には、一酸化炭素の酸化反応が進行
するだけでなく、一酸化炭素を生成する反応が活発化し
てしまうという問題が生じる。ロジウムやルテニウムか
らなる触媒を備えた一酸化炭素濃度低減装置では、
(7)式に示した一酸化炭素の酸化反応のほかに、既述
した(5)式に示す一酸化炭素の変成反応(以下、シフ
ト反応と呼ぶ)および(5)式の逆反応(以下、逆シフ
ト反応と呼ぶ)が起こり、この逆シフト反応によって一
酸化炭素の生成が行なわれてしまう。(5)式に示した
一酸化炭素の変成反応の逆反応を以下の(8)式に示
す。ここで、(5)式のシフト反応は発熱反応であり、
(8)式の逆シフト反応は吸熱反応である。
【0013】 H2+CO2 → H2O+CO …(8)
【0014】この(5)式および(8)式に示す反応は
可逆反応であって、反応物および生成物を構成するいず
れかの物質の濃度や周囲の温度などが変化して平衡が移
動すると、(5)式と(8)式に示すいずれかの反応が
活発化する。したがって、一酸化炭素濃度低減装置内の
温度が上昇すると、吸熱反応である(8)式の逆シフト
反応が活発化して一酸化炭素が生成されてしまう。
(7)式に示す一酸化炭素の酸化反応に比べれば(8)
式の逆シフト反応は僅かにしか進行しないが、一酸化炭
素濃度を数ppm程度に低減することが要求される場合
には、この(8)式の逆シフト反応は無視し難いものと
なる。
【0015】そこで、従来の一酸化炭素濃度低減装置を
用いる場合には、効率よく一酸化炭素濃度の低減を行な
うために、一酸化炭素濃度低減装置内部の温度と、燃料
改質装置から一酸化炭素濃度低減装置に供給される燃料
ガスの温度とを制御し、所定の温度範囲内で一酸化炭素
濃度低減反応を行なわせる必要があった。すなわち、
(7)式の一酸化炭素の酸化反応は充分に行なわれる温
度であって、(8)式の逆シフト反応は抑えられる温度
範囲内で一酸化炭素濃度低減反応を行なわせる必要があ
った。このような所定の温度範囲内では一酸化炭素濃度
を充分に低減することが可能であるが、発熱反応である
一酸化炭素の酸化反応が進行し続ける一酸化炭素濃度低
減装置内部の温度を所定範囲内に維持することは容易で
はない。特に、燃料電池に接続する負荷の大きさが変動
することによって一酸化炭素濃度低減装置における処理
量が変動する場合には、装置内部の温度制御は困難とな
る。
【0016】このように一酸化炭素濃度低減装置内の温
度制御が困難であるにもかかわらず、燃料電池の出力の
安定性を確保するためには、一酸化炭素濃度が充分に低
いガスを安定して供給し続けることが求められる。上記
一酸化炭素濃度低減装置内の温度変化が一時的に許容範
囲を越え、一酸化炭素濃度が充分に低減されない燃料ガ
スが燃料電池に供給されると、既述したように燃料電池
の白金触媒に一酸化炭素が吸着されて電池性能が低下す
る。このように一旦燃料電池が一酸化炭素の被毒を受け
ると、その後燃料ガス中の一酸化炭素濃度が充分に低減
された場合であっても、白金に吸着した一酸化炭素が充
分に離脱せず、燃料電池の性能が充分に回復しない場合
があるという問題が生じる。
【0017】本発明の一酸化炭素濃度低減装置および一
酸化炭素濃度低減方法は、こうした問題を解決し、広い
温度範囲にわたって安定して一酸化炭素濃度を低減する
ことを目的としてなされ、次の構成を採った。
【0018】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】本
発明の一酸化炭素濃度低減装置は、一酸化炭素を含有す
る水素リッチガス中の一酸化炭素濃度を低減する一酸化
炭素濃度低減装置であって、前記水素リッチガスに、一
酸化炭素を酸化するための酸素を含有する酸化ガスを導
入する酸化ガス導入手段と、一酸化炭素選択酸化触媒を
有する一酸化炭素選択酸化反応部とを、前記酸化ガスが
導入された前記水素リッチガスが前記一酸化炭素選択酸
化触媒の表面を通過するように接続してなり、前記一酸
化炭素選択酸化触媒は、少なくともジルコニアを含有す
る担体に、一酸化炭素選択酸化活性を有する活性成分を
担持させた触媒であることを要旨とする。
【0019】以上のように構成された本発明の一酸化炭
素濃度低減装置は、酸化ガス導入手段が、一酸化炭素を
含有する水素リッチガスに、一酸化炭素を酸化するため
の酸素を含有する酸化ガスを導入する。この酸化ガスを
導入した水素リッチガスは、一酸化炭素選択酸化反応部
が有する一酸化炭素選択酸化触媒の表面を通過する。こ
の一酸化炭素選択酸化触媒は、少なくともジルコニアを
含有する担体に一酸化炭素選択酸化活性を有する活性成
分を担持させてなる。一酸化炭素選択反応部において、
前記水素リッチガス中の一酸化炭素は、前記酸化ガス導
入手段によって導入された酸化ガス中の酸素を用いて該
水素リッチガス中の水素に優先して酸化される。
【0020】このような一酸化炭素濃度低減装置によれ
ば、少なくともジルコニアを含有する担体に一酸化炭素
選択酸化活性を有する活性成分を担持させた触媒を用い
て一酸化炭素の選択酸化を行なうため、従来のアルミナ
担体を用いる場合に比べて、一酸化炭素濃度を充分に低
減可能な温度範囲が広くなる。したがって、この一酸化
炭素濃度低減装置を用いると、厳密な温度制御を行なう
ことなく一酸化炭素濃度が極めて低い水素リッチガスを
得ることができる。
【0021】本発明の一酸化炭素濃度低減装置におい
て、前記一酸化炭素選択酸化活性を有する活性成分は、
ルテニウムである構成も好適である。
【0022】さらに、前記一酸化炭素選択酸化活性を有
する活性成分としては、ルテニウムの他、ロジウム、パ
ラジウム、白金など一酸化炭素選択酸化活性を有するも
ののなかから任意に選択することができる。いずれの触
媒金属を用いる場合にも、ジルコニア担体を用いること
によって、充分に一酸化炭素濃度を低減できる温度範囲
が広がるという効果を得ることができる。
【0023】また、触媒に用いる担体は、少なくともジ
ルコニアを含有していればよく、他の成分を含有してい
ても構わない。また、他の成分を含有することなく、ジ
ルコニアだけから担体を形成することとしてもよい。
【0024】このような一酸化炭素濃度低減装置におい
て、前記少なくともジルコニアを含有する担体は、安定
化ジルコニアからなる担体であることとしてもよい。
【0025】また、前記少なくともジルコニアを含有す
る担体は、天然産のジルコニア系材料からなる担体であ
ることとしてもよい。このような場合には、ジルコニア
の精製や安定化の工程を不要とすることができ、より安
価に一酸化炭素選択酸化触媒を製造することができる。
【0026】本発明の一酸化炭素濃度低減方法は、一酸
化炭素を含有する水素リッチガス中の一酸化炭素濃度を
低減する一酸化炭素濃度低減方法であって、前記水素リ
ッチガスに一酸化炭素を酸化するための酸素を含有する
酸化ガスを導入し、少なくともジルコニアを含有する担
体に一酸化炭素選択酸化活性を有する活性成分を担持さ
せてなる一酸化炭素選択酸化触媒を有する一酸化炭素選
択酸化反応部内部に、前記酸化ガスを導入した前記水素
リッチガスを通過させることを要旨とする。
【0027】以上のように構成された本発明の一酸化炭
素濃度低減方法は、まず、一酸化炭素を含有する水素リ
ッチガスに一酸化炭素を酸化するための酸素を含有する
酸化ガスを導入する。続いて、少なくともジルコニアを
含有する担体に一酸化炭素選択酸化活性を有する活性成
分を担持させてなる一酸化炭素選択酸化触媒を有する一
酸化炭素選択酸化反応部内部に、前記酸化ガスを導入し
た前記水素リッチガスを通過させることによって、前記
酸化ガス中の酸素を用いて前記水素リッチガス中の一酸
化炭素を該水素リッチガス中の水素に優先して酸化し、
前記水素リッチガス中の一酸化炭素濃度を低減する。
【0028】このような一酸化炭素濃度低減方法によれ
ば、少なくともジルコニアを含有する担体に一酸化炭素
選択酸化活性を有する活性成分を担持させた触媒によっ
て一酸化炭素の選択酸化を行なうため、従来のアルミナ
担体を用いる場合に比べて、一酸化炭素濃度を充分に低
減可能な温度範囲が広くなる。したがって、厳密な温度
管理を要することなく一酸化炭素濃度が極めて低い水素
リッチガスを得ることができる。
【0029】
【発明の他の態様】本発明は、以下に示す他の態様をと
ることも可能である。すなわち、本発明の他の態様とし
ては、水素を含有する燃料ガスと酸素を含有する酸化ガ
スとの供給を受けて起電力を得る燃料電池を備えた燃料
電池システムであって、所定の炭化水素を改質して、一
酸化炭素を含有する水素リッチガスを生成する燃料改質
装置と、本発明の一酸化炭素濃度低減装置とを備えた燃
料電池システムとすることができる。
【0030】以上のように構成された燃料電池システム
では、燃料改質装置において所定の炭化水素を改質して
一酸化炭素を含有する水素リッチガスを生成し、一酸化
炭素濃度低減装置にこの水素リッチガスを通過させる。
一酸化炭素濃度低減装置は、前記水素リッチガスに酸素
を含有する酸化ガスを導入し、この水素リッチガスを一
酸化炭素選択酸化反応部に通過させることにより、前記
酸化ガス中の酸素を用いて前記水素リッチガス中の一酸
化炭素を該水素リッチガス中の水素に優先して酸化す
る。前記水素リッチガス中の一酸化炭素濃度を低減して
得られた燃料ガスと、酸素を含有する酸化ガスとの供給
を受けて、燃料電池は起電力を得る。
【0031】このような燃料電池システムによれば、一
酸化炭素濃度低減装置における一酸化炭素濃度を充分に
低減可能な温度範囲が広いため、前記燃料改質装置で生
成した水素リッチガスを、温度調節を行なうことなくそ
のまま一酸化炭素濃度低減装置に供給することが可能と
なり、システムの構成を簡素化することができる。ま
た、燃料電池に接続した負荷の大きさが変動して、前記
燃料改質装置および前記一酸化炭素濃度低減装置におけ
る処理量が変動した場合にも、一酸化炭素濃度低減装置
において厳密な温度管理を行なうことなく充分に一酸化
炭素濃度を低減することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以上説明した本発明の構成・作用
を一層明らかにするために、以下本発明の実施の形態を
実施例に基づき説明する。図1は、本発明の好適な一実
施例である燃料電池システム10の構成の概略を表わす
ブロック図である。図1に示すように、燃料電池システ
ム10は、メタノールタンク12と、水タンク14と、
燃料改質装置30と、燃料電池20とから構成される。
【0033】メタノールタンク12はメタノールを、水
タンク14は水を貯蔵しており、所定の供給路を介して
燃料改質装置30にメタノールと水とを供給する。燃料
改質装置30は、供給されたメタノールおよび水から水
素を含有する燃料ガスを生成する。燃料電池20は、燃
料改質装置30が生成する燃料ガスと酸素を含有する酸
化ガスとの供給を受けて電気化学反応を行ない、起電力
を得る。
【0034】ここで、燃料電池20は、固体高分子型燃
料電池であり、単セル28を複数積層したスタック構造
を備えている。図2は、単セル28の構成を模式的に表
わす断面図である。単セル28は、電解質膜21と、ア
ノード22と、カソード23と、セパレータ24,25
とから構成されている。
【0035】アノード22およびカソード23は、電解
質膜21を両側から挟んでサンドイッチ構造を成すガス
拡散電極である。セパレータ24,25は、このサンド
イッチ構造をさらに両側から挟みつつ、アノード22お
よびカソード23との間に、燃料ガス及び酸化ガスの流
路を形成する。アノード22とセパレータ24との間に
は燃料ガス流路24Pが形成されており、カソード23
とセパレータ25との間には酸化ガス流路25Pが形成
されている。
【0036】ここで、電解質膜21は、固体高分子材
料、例えばフッ素系樹脂により形成されたプロトン導電
性のイオン交換膜であり、湿潤状態で良好な電気伝導性
を示す。本実施例では、ナフィオン膜(デュポン社製)
を使用した。電解質膜21の表面には、触媒としての白
金または白金と他の金属からなる合金が塗布されてい
る。触媒を塗布する方法としては、白金または白金と他
の金属からなる合金を担持したカーボン粉を作製し、こ
の触媒を担持したカーボン粉を適当な有機溶剤に分散さ
せ、電解質溶液(例えば、Aldrich Chemi
cal社、Nafion Solution)を適量添
加してペースト化し、電解質膜21上にスクリーン印刷
するという方法をとった。あるいは、上記触媒を担持し
たカーボン粉を含有するペーストを膜形成してシートを
作製し、このシートを電解質膜21上にプレスする構成
も好適である。
【0037】アノード22およびカソード23は、共に
炭素繊維からなる糸で織成したカーボンクロスにより形
成されている。なお、本実施例では、アノード22およ
びカソード23をカーボンクロスにより形成したが、炭
素繊維からなるカーボンペーパまたはカーボンフエルト
により形成する構成も好適である。
【0038】セパレータ24,25は、ガス不透過の導
電性部材、例えば、カーボンを圧縮してガス不透過とし
た緻密質カーボンにより形成されている。セパレータ2
4,25はその表面に、所定の形状のリブ部を形成して
おり、既述したように、セパレータ24はアノード22
の表面とで燃料ガス流路24Pを形成し、セパレータ2
5はカソード23の表面とで酸化ガス流路25Pを形成
する。ここで、各セパレータの表面に形成されたリブ部
の形状は、ガス流路を形成してガス拡散電極に対して燃
料ガスまたは酸化ガスを供給可能であればよい。本実施
例では、平行に形成された複数の溝状にリブ部を形成し
た。なお、ここではセパレータ24とセパレータ25と
を分けて記述したが、実際の燃料電池20では両面にリ
ブ部を形成したセパレータを用い、隣合う単セル28が
セパレータを共有する構成とした。
【0039】以上、燃料電池20の基本構造である単セ
ル28の構成について説明した。実際に燃料電池20と
して組み立てるときには、アノード22、電解質膜2
1、カソード23からなる構成の間にセパレータを配置
して単セル28を複数組積層し(本実施例では100
組)、その両端に緻密質カーボンや銅板などにより構成
される集電板を配置することによってスタック構造を構
成する。
【0040】なお、図1では燃料電池20のアノード側
に供給される燃料ガスの供給系統だけを記載したが、カ
ソード側には図示しない酸化ガス供給装置が接続されて
おり、この酸化ガス供給装置によって加圧空気が供給さ
れている。また、燃料電池20には、図示しない燃料ガ
ス排出装置および酸化ガス排出装置が接続されており、
各電極での電気化学反応に供された後の燃料排ガスおよ
び酸化排ガスが燃料電池20の外部に排出される。
【0041】次に、燃料改質装置30について説明す
る。燃料改質装置30は、改質部32と、CO選択酸化
部34と、一酸化炭素センサ40と、ブロワ38と、制
御部70とを主な構成要素とする。改質部32は、メタ
ノールと水との供給を受けて水素リッチな改質ガスを生
成する。CO選択酸化部34は、この改質ガス中の一酸
化炭素を酸化して改質ガス中の一酸化炭素濃度を低減
し、一酸化炭素濃度が所定量以下の燃料ガスにする。一
酸化炭素センサ40は、改質部32で生成された改質ガ
スをCO選択酸化部34に供給する連絡管36に設けら
れており、改質ガス中の一酸化炭素濃度を検出する。ブ
ロワ38は、連絡管36の一酸化炭素センサ40よりも
下流側に接続された導入管39を介して連絡管36に酸
素を含有する酸化ガス(本実施例では空気)を導入す
る。制御部70は、燃料改質装置30の各部の運転状態
を制御する。以下に、これら燃料改質装置30を構成す
る各部についてさらに詳しく説明する。
【0042】改質部32は、メタノールタンク12から
のメタノールと水タンク14からの水との供給を受け
て、既述した(4)式および(5)式に示す反応によっ
て、水素と二酸化炭素とを含有する改質ガスを生成す
る。既述したように(5)式に示す一酸化炭素の変成反
応は、実際には完全に行なわれることが困難であるた
め、生成された改質ガス中には副生成物としての一酸化
炭素が所定量混在することになる。改質ガス中の一酸化
炭素濃度は、改質部32に充填される触媒の種類、改質
部32の運転温度、改質部32に供給されるメタノール
および水の単位触媒体積当たりの供給流量などによって
決まる。本実施例では、改質部32に充填する触媒とし
て、Cu−Zn触媒を用いた。
【0043】このCu−Zn触媒は、共沈法によって製
造される酸化金属からなる触媒で、直径1/8インチの
タブレットに成形したものである。改質部32には、こ
のCu−Zn触媒が充填されている。メタノールおよび
水は、改質部32の上流に設けられた図示しない蒸発器
において気化され、メタノールおよび水からなる混合気
体は、原燃料ガスとして改質部32に供給される。改質
部32内部に導入された原燃料ガスは上記改質触媒と接
触し、改質触媒表面では改質反応が進行する。改質反応
の進行に伴って水素と二酸化炭素が生成され、水素リッ
チな改質ガスが連絡管36に供給される。
【0044】なお、改質部32で行なわれる改質反応は
全体として吸熱反応であることから((6)式の反
応)、反応に必要な熱量を得るために改質部32は図示
しない燃焼部を備えている。この燃焼部は、燃焼のため
の燃料としてメタノールタンク12からメタノールの供
給を受けている。燃焼部に供給されるメタノール量を制
御することによって、改質部32の運転温度は220℃
〜300℃の範囲に制御される。ここで、改質部32は
所定の導電ラインによって制御部70に接続されてお
り、制御部70によって燃焼部へのメタノールの供給量
や改質部32へのメタノールおよび水の供給量が制御さ
れている。
【0045】CO選択酸化部34は、改質部32で生成
された改質ガスと酸化ガスとの供給を受けて、改質ガス
中の一酸化炭素を水素に優先して酸化し、改質ガスを一
酸化炭素濃度の低い燃料ガスとする。すなわち、CO選
択酸化部34は、燃料改質装置30における一酸化炭素
濃度低減部として働く。CO選択酸化部34には、ルテ
ニウム触媒を担持したジルコニアペレットが充填されて
いる。改質ガスにこのCO選択酸化部34を通過させて
得られる燃料ガス中の一酸化炭素濃度は、CO選択酸化
部34の運転温度、供給される改質ガス中の一酸化炭素
濃度、CO選択酸化部34へ供給される改質ガスの単位
触媒体積当たりの流量などによって定まる。このCO選
択酸化部34の構成は本発明の要部に対応するものであ
り、詳しい説明は後述する。
【0046】一酸化炭素センサ40は、CO選択酸化部
34に供給される改質ガス中の一酸化炭素濃度を検出す
るセンサであるが、その構造の概略を図3に示す。図示
するように、一酸化炭素センサ40は、電解質膜41
と、2枚の電極42,44と、金属板46,48と、2
個のホルダ50,52と、絶縁性部材54とを備える。
電解質膜41は、フッ素系樹脂などの固体項分子材料に
より形成されたプロトン導電性の膜体である。電極4
2,44は、白金または白金と他の金属からなる合金の
触媒が練り込められたカーボンクロスから形成され、触
媒が練り込められた面で電解質膜41を挟持してサンド
イッチ構造を成す。金属板46,48は、メッシュ状の
金属板であって、このサンドイッチ構造を両側から挟む
ことによってサンドイッチ構造の撓みを防いでいる。ホ
ルダ50,52は、電気伝導性に優れた材料によって形
成されており、上記サンドイッチ構造および金属板4
6,48を保持している。絶縁性部材54は、上記ホル
ダ50,52を電気的に絶縁状態で連結する。以下、さ
らに詳しく一酸化炭素センサ40の構成について説明す
る。
【0047】ホルダ50,52は、円柱の内部にフラン
ジ50a,52aを持つ形状で、そのフランジ50a,
52aで電解質膜41、電極42,44および金属板4
6,48を挟持する。ホルダ52の電解質膜41側に
は、Oリング56が設けられており、一方の電極側の雰
囲気が他方の電極側に漏れるのを防止している。ホルダ
50,52の外周には、ネジ50b,52bが切られて
おり、これらネジ50b,52bと絶縁性部材54の内
側に切られた2つのネジ54a,54bとを互いに螺合
することにより、両ホルダ50,52は、その間の電極
42,電解質膜41および電極44を挟持した状態で連
結される。
【0048】また、一酸化炭素センサ40は、一方のホ
ルダ50にネジ合いにて連結することにより改質ガスを
電極42に導くガス流入通路58を形成する通路部材5
7を備えている。この通路部材57は、絶縁性の材料か
ら形成されており、連絡管36に形成された取り付け口
36aに螺合されている。なお、他方のホルダ52に
は、特別なガス通路は接続されておらず、電極44は大
気に開放された状態となっている。
【0049】さらに、この一酸化炭素センサ40は、両
ホルダ50,52に設けられた検出端子50T,52T
に電気的に接続され、電極42,44間に生じる起電力
を測定する電気回路60を備えている。この電気回路6
0は、電圧計62と負荷電流調整用の抵抗器64とから
構成されており、この電圧計62は制御部70に接続さ
れている。なお、改質ガスが供給される電極42側のホ
ルダ50の検出端子50Tはマイナス極、大気に連通す
る電極44側のホルダ52の検出端子52Tはプラス極
となるように電圧計62が接続されている。
【0050】この一酸化炭素センサ40では、電極42
側に改質ガスが供給されると、電解質膜41を介して電
極42,44間に起電力が生じ、この起電力を電気回路
60の電圧計62を用いて検出している。ここで、電解
質膜41と電極42,44とからなる構造は固体高分子
型燃料電池を構成する単セル28と同様の構造であり、
このような構造に一酸化炭素を含有する改質ガスを供給
すると、一酸化炭素による触媒の被毒を受けてその起電
力は低下する。この起電力の低下は一酸化炭素濃度が高
いほど大きくなる。したがって、一酸化炭素濃度と電圧
計62の測定値との関係を予め調べておくことにより、
改質ガス中の一酸化炭素濃度を測定することができる。
【0051】制御部70は、マイクロコンピュータを中
心とした論理回路として構成され、詳しくは、予め設定
された制御プログラムに従って所定の演算などを実行す
るCPU72と、CPU72で各種演算処理を実行する
のに必要な制御プログラムや制御データなどが予め格納
されたROM74と、同じくCPU72で各種演算処理
を実行するのに必要な各種データが一時的に読み書きさ
れるRAM76と、一酸化炭素センサ40の電圧計62
からの信号や図示しない各種センサからの検出信号を入
力すると共にCPU72での演算結果に応じて改質部3
2、CO選択酸化部34、ブロワ38および一酸化炭素
センサ40などに駆動信号を出力する入出力ポート78
などを備える。
【0052】次に、本発明の要部に対応するCO選択酸
化部34の構成について説明する。まず最初に、このC
O選択酸化部34に充填されるCO選択酸化触媒の製造
の様子について説明する。図4は、CO選択酸化触媒の
製造の様子を表わす工程図である。CO選択酸化触媒
は、既述したように、ジルコニアからなる担体の表面に
ルテニウムを担持させたものである。まず、直径2〜3
mm程度の安定化ジルコニアによって形成された多孔質
体であるジルコニアペレットを蒸留水に浸漬する(ステ
ップS100)。安定化ジルコニアとは、立方晶系酸化
物からなる安定化剤を添加して焼成することによって、
立方晶系の状態で安定化した固溶体となったジルコニア
をいう。本実施例では、安定化剤としてイットリアを添
加した安定化ジルコニアを用いた。
【0053】これとは別に塩化ルテニウム水溶液を用意
し、蒸留水に浸漬したジルコニアペレットを攪拌してい
るところへ、この塩化ルテニウム水溶液を徐々に滴下し
てルテニウム塩をジルコニアペレットに吸着させる(ス
テップS110)。次に、ルテニウム塩が吸着したジル
コニアペレットを取り出し、水分を蒸発乾燥させ(ステ
ップS120)、水素還元雰囲気中で2時間程度500
℃に加熱してジルコニアペレット上のルテニウムを還元
すると共に残留している塩素を完全に除去して(ステッ
プS130)、CO選択酸化触媒としてのルテニウム触
媒を完成させる。
【0054】この製造方法において、ジルコニアペレッ
トへのルテニウムの担持密度は、塩化ルテニウムの量と
ペレット量との比率を変えることによって任意の担持密
度とすることができる。この担持密度が低すぎると一酸
化炭素濃度を低減する効果が不十分となるおそれがある
が、担持密度が高すぎても担持密度に見合った一酸化炭
素濃度の低減効果が得られなくなる。本実施例では担持
密度を、0.5wt%ないし1wt%とした。また、ス
テップS130の還元温度を調節することにより、ジル
コニアペレットに担持させるルテニウムの粒径を調節す
ることができる。上記実施例のように500℃でルテニ
ウムの還元を行なうとルテニウムの粒径は約1nmとな
るが、ルテニウムの還元温度およびルテニウムの粒径と
して他の数値を選択してもよい。
【0055】また、上記製造方法では、ルテニウムをジ
ルコニアペレットに担持させるのに塩化ルテニウムを用
いたが、硝酸ルテニウム、ヨウ化ルテニウム、塩化ルテ
ニウム酸、塩化ルテニウム酸アンモニウム、水酸化ルテ
ニウム、ルテニウム酸カリウムなどを単独あるいは2種
以上を組み合わせて用いてもよい。なお、ジルコニア担
体にルテニウムを担持させた触媒の製造は、上記以外の
製造方法によってもよく、充分な触媒活性が得られれば
よい。
【0056】次に、ジルコニア担体にルテニウムを担持
させた触媒の性能について説明する。図5は、上記ジル
コニア担体に担持させたルテニウム触媒が一酸化炭素濃
度を低減する性能を、モデルガスを用いて、所定の温度
範囲において評価した結果を示すグラフである。ここで
は、本実施例のジルコニア担体に担持させたルテニウム
触媒(触媒1)と、アルミナ担体に担持させたルテニウ
ム触媒(触媒2)およびアルミナ担体に担持させた白金
触媒(触媒3)との比較を行なった。アルミナ担体に担
持させたルテニウム触媒は、直径2〜3mmのアルミナ
ペレットに粒径0.5nmないし2nmのルテニウムを
0.5wt%担持させたものであり、アルミナ担体に担
持させた白金触媒は、直径2〜3mmのアルミナペレッ
トに粒径0.5nmないし2nmの白金を0.5wt%
担持させたものである。これら3種類の触媒担持ペレッ
トは、所定の反応器内にそれぞれ10ccずつ充填し
て、一酸化炭素濃度低減器として用意した。
【0057】モデルガスとしては、予めCO=0.5
%、CO2=24.5%、H2=75%のボンベガスを用
意し、60℃のバブラーを用いてこのガスに水蒸気を付
加した。このモデルガスの組成は、上述した燃料改質装
置30における改質部32によってメタノールを水蒸気
改質して得られる改質ガスの平均的な組成に相当する。
さらにこのモデルガスに対して、酸素と一酸化炭素との
モル比[O2]/[CO]が値3となるように空気を混
合し、空気を混合したモデルガスを触媒に通過させた。
このとき、ボンベガスの流量は800cc/minとし
て、モデルガスを上記それぞれの一酸化炭素濃度低減器
に供給した。
【0058】この酸素と一酸化炭素とのモル比[O2
/[CO]の値によって一酸化炭素濃度低減の効率は変
化する。後述するように、本実施例の電源システム10
では、酸素と一酸化炭素とのモル比[O2]/[CO]
として値3を採用しているため、この一酸化炭素選択酸
化触媒の性能の評価時にも同じ値を採用した。
【0059】図5のグラフに示すように、アルミナ担体
に担持させたルテニウム触媒(触媒2)およびアルミナ
担体に担持させた白金触媒(触媒3)を用いる場合に
は、燃料電池に供給する燃料ガスとして許容される一酸
化炭素濃度である数ppm以下にまで一酸化炭素濃度を
低減できるのは、150℃前後の狭い温度範囲に限られ
る。これに対して、ジルコニア担体に担持させたルテニ
ウム触媒(触媒1)を用いる場合には、80から200
℃という広い温度範囲において一酸化炭素濃度を数pp
m以下にまで低減することができる。
【0060】本実施例のジルコニア担体に担持されたル
テニウム触媒では、上述したように一酸化炭素濃度を充
分に低減可能な温度範囲が広いが、このことは、ジルコ
ニア担体を用いることが一酸化炭素を酸化する活性が高
い温度範囲を広くするという効果を示すことに加えて、
特に高温部では、反応温度が高いときに活性化される
(8)式の逆シフト反応を抑制する効果があるためと考
えられる。一般的にジルコニア担体はアルミナ担体に比
べて水との反応性が高く、H2O を活性化する作用を有
していると言われている。そのため、(7)式のシフト
反応では左辺の水分子が活性化されるため反応が促進さ
れ、(8)式の逆シフト反応では右辺の水分子が活性化
されるため反応が抑制されると考えられる。このような
ジルコニア担体の性質から、ジルコニア担体に担持させ
たルテニウム触媒は、逆シフト反応によって一酸化炭素
が生成されてしまうのを抑えることができ、高温部にお
いても充分に一酸化炭素濃度を低減できるものと考えら
れる。
【0061】次に、こうして構成された燃料電池システ
ム10の燃料改質装置30において行なわれるCO選択
酸化部34への酸化ガスの導入量の制御について説明す
る。CO選択酸化部34で行なう一酸化炭素の酸化反応
に要する酸素は、酸化ガスとしてブロワ38によって送
り込まれるが、このときの酸化ガスの導入量は、酸素と
一酸化炭素のモル比[O2]/[CO] に基づいて制御
されている。基準となる酸素と一酸化炭素のモル比[O
2]/[CO] の値は、実験的に好ましい値として求め
た。
【0062】一酸化炭素の酸化反応が理想的に行なわれ
るときに要する酸素量によればこのモル比は値0.5と
なるが、一酸化炭素濃度低減器内で充分に一酸化炭素の
酸化反応を行なわせるためにはこれ以上の酸素を加える
必要がある。しかし、酸素量が多すぎると水素の酸化が
進行してしまい、また、酸素量を増やすために加える空
気量を増すことによって燃料ガス中の水素分圧が低下し
てしまうという問題を生じる。そこで、空気量を増やす
ことによる弊害が許容できる範囲内で、充分に一酸化炭
素の酸化が行なわれる酸素量を実験的に求めると、上記
モル比が値2〜3が好ましいという結果が得られ、本実
施例では酸素と一酸化炭素のモル比として値3を採用し
た。
【0063】燃料改質装置30の運転が開始されると、
制御部70において、CO選択酸化部酸化ガス導入処理
ルーチンが所定時間ごとに実行され、酸素と一酸化炭素
のモル比[O2]/[CO] の値が上記の値となるよう
に制御される。ここでは、本ルーチンは100msec
ごとに実行することとした。
【0064】本ルーチンが実行されると、CPU72
は、一酸化炭素センサ40により検出される連絡管36
内の改質ガス中の一酸化炭素濃度COを読み込む(ステ
ップS200)。この一酸化炭素濃度COの読み込み
は、一酸化炭素センサ40の電圧計62により検出され
る電極42,44間の電圧を読み込み、読み込んだ電圧
に対応する一酸化炭素濃度を、予めROM74に記憶さ
せてある電極42,44間の電圧と一酸化炭素濃度との
関係を示す図示しないマップを参照して求める。
【0065】次に、求めた一酸化炭素濃度COに対し
て、酸素と一酸化炭素のモル比[O2]/[CO]が値
3となるよう酸化ガスの導入量Q1を算出する(ステッ
プS210)。続いて、算出した酸化ガスの導入量Q1
と前回このルーチンが実行されたときに算出した酸化ガ
スの導入量との偏差△Q1を算出すると共に(ステップ
S22O)、酸化ガスの導入量を偏差△Q1だけ増加さ
せるためのブロワ38の駆動増加量△S1を求め(ステ
ップS230)、ブロワ38の駆動量を駆動増加量△S
1だけ増加する(ステップS240)。これによって、
改質ガス中の一酸化炭素濃度に応じた量の酸素を含有し
た酸化ガスがCO選択酸化部34に供給される。このよ
うに、改質ガス中の一酸化炭素量に応じて酸素量が常に
適切な値に制御されるため、極めて一酸化炭素濃度が低
い燃料ガスを得ることができる。
【0066】次に、CO選択酸化部34での温度調節に
ついて説明する。このCO選択酸化部34が備える一酸
化炭素選択酸化触媒は、既述したように、80℃〜20
0℃の温度範囲にわたって充分な一酸化炭素濃度低減活
性を有するため、改質部32とCO選択酸化部34とを
接続する連絡管36において約200℃に達している改
質ガスをそのままCO選択酸化部34内に導き、一酸化
炭素選択酸化反応に供することができる。この一酸化炭
素選択酸化反応は発熱反応であるため、CO選択酸化部
34は図示しない冷却部によって積極的に冷却を行ない
温度が上昇し過ぎるのを防いでいる。
【0067】冷却の方法としては、例えば、メタノール
や水によって冷却する方法を採ることができる。メタノ
ールタンク12および水タンク14から供給されるメタ
ノールおよび水を、改質部32に供給する前にCO選択
酸化部34の外周部を循環させて熱交換を行なわせる。
メタノールおよび水は既述した蒸発器によって気化され
た後に改質部32に供給されるため、このメタノールお
よび水をCO選択酸化部34での熱交換によって予め昇
温させることによって、蒸発器で要するエネルギを節減
することができる。また、メタノールおよび水を用いて
CO選択酸化部34を積極的に冷却することによって、
CO選択酸化部34を通過する改質ガスの温度を、発熱
反応を進行しているにもかかわらず低下させることがで
きる。
【0068】CO選択酸化部34の出口付近での燃料ガ
スの温度が約100℃程度となるように冷却部を構成す
るならば、CO選択酸化部34から排出された燃料ガス
をそのまま燃料電池20に供給することが可能となる。
あるいは、CO選択酸化部34から燃料電池20へ通じ
る燃料供給路に、温度センサとともに所定の冷却装置を
設け、燃料電池20の運転温度である80℃から100
℃の範囲に燃料ガスを降温させることとしてもよい。ま
た、CO選択酸化部34に設ける冷却部の冷却の方法と
しては、上記したメタノールや水を用いる方法の他、空
冷や油冷など他の方法によることとしてもよい。
【0069】以上説明した本実施例の燃料電池システム
10が備える燃料改質装置30によれば、一酸化炭素濃
度の極めて低い燃料ガスを生成することができる。ここ
で、一酸化炭素改質触媒としてジルコニア担体に担持さ
せたルテニウム触媒を用いているため、燃料電池に供給
する燃料ガスに許容される濃度以下に一酸化炭素濃度を
低減することができる反応温度の範囲が80℃から20
0℃と広く、CO選択酸化部34の内部温度が変化する
ことによって一酸化炭素濃度が充分に低減されなくなっ
てしまうというおそれがない。したがって、CO選択酸
化部34の内部温度およびCO選択酸化部34に導入す
る改質ガスの温度の制御が容易になるという効果を奏す
る。
【0070】すなわち、一酸化炭素の酸化反応は発熱反
応であるため酸化反応が進行するにつれてCO選択酸化
部内部の温度が上昇してしまうが、本実施例のCO選択
酸化部34ではジルコニア担体に担持させたルテニウム
触媒を備えているため、その内部温度を200℃以下に
保つだけで効果的に一酸化炭素濃度を低減することがで
き、CO選択酸化部34内部の温度や温度分布の制御を
厳密に行なう必要がない。上記実施例では、CO選択酸
化部34を積極的に冷却して、CO選択酸化部34の出
口に近づくほど燃料ガスが降温する構成としたが、CO
選択酸化部34の内部温度を200℃以下に保つ制御を
行なうだけで、一酸化炭素選択酸化反応を充分に進行さ
せることができる。
【0071】さらに、改質部32では220℃から30
0℃の温度範囲で改質反応が行なわれるためCO選択酸
化部34に供給される改質ガスは約200℃となってい
るが、充分に一酸化炭素濃度を低減可能な温度範囲が8
0℃から200℃であるため、改質ガスの温度を積極的
に下げることなくそのままCO選択酸化部に導入するこ
とができる。CO選択酸化部34に導入する改質ガスの
温度を低下させる構造が必要ないことから、システム全
体の複雑化を抑えることができる。
【0072】また、CO選択酸化部34で充分に一酸化
炭素濃度を低減可能な温度範囲が80℃から200℃で
あるため、一酸化炭素選択酸化反応を行ないながら、一
酸化炭素選択酸化反応の効率を低下させることなく、改
質ガスを降温させることができる。そのため、CO選択
酸化部34から供給される燃料ガスの温度を充分に下げ
ておくことができ、燃料電池20に燃料ガスを供給する
際の燃料ガスの温度の制御が容易となる。
【0073】さらに本実施例のCO選択酸化部34は、
充分に一酸化炭素濃度を低減することができる温度範囲
が広いことから、負荷変動が大きい燃料電池システムに
おいて特に有利に用いることができるという効果を奏す
る。燃料電池に接続した負荷の大きさが変動する場合に
は、その変動量に応じて燃料電池に供給する燃料ガスお
よび酸化ガスの量を増減する必要があり、供給する燃料
ガス量を増減するためには、燃料改質装置30で生成す
る燃料ガス量、ひいてはCO選択酸化部34における処
理量を増減する必要がある。発熱反応である一酸化炭素
の酸化反応を行なう処理量が急激に増減する場合には、
記述した流体との熱交換などの方法で温度調節を行なっ
ていても、CO選択酸化部34内の温度が急激に上昇あ
るいは下降してしまうことがある。このような温度変化
が起こると、充分に一酸化炭素濃度を低減可能な温度範
囲が狭い場合には一時的に燃料ガス中の一酸化炭素濃度
が上昇してしまうおそれがあった。本実施例のCO選択
酸化部34が備える触媒は、有効な温度範囲が広いた
め、負荷の変動によって内部温度が変化しても一酸化炭
素の酸化反応の効率が低下してしまうことがなく、安定
して一酸化炭素濃度を低減することができる。
【0074】大きな負荷変動が予想される場合として
は、例えば、燃料電池システムを車両駆動用の電源とし
て車載する場合を挙げることができる。本実施例の燃料
電池システム10を車載する場合には、車両用のモータ
の駆動量が急激に増減したり車両が発進あるいは停止し
てCO選択酸化部34での処理量が増減しても、燃料ガ
ス中の一酸化炭素濃度は許容範囲以下に維持されて、燃
料電池20の性能が損なわれることがない。また、この
ように安定して一酸化炭素濃度を低減するためにCO選
択酸化部34における温度管理を厳密に行なう必要がな
く、システム全体の構成を簡素化することができること
は、車載の場合のようにスペースに厳しい制限がある場
合には特に有利である。
【0075】また、本実施例のCO選択酸化部34で
は、一酸化炭素センサ40が測定した改質ガス中の一酸
化炭素濃度に基づいて改質ガスに混合する酸化ガス量を
制御したうえで酸化反応を行なっているため、酸化ガス
の不足によって酸化反応の進行が不十分となったり、過
剰な酸化ガスの供給による水素の消費(燃焼)や燃料ガ
ス中の水素分圧の不必要な低下が起こってしまうことが
ない。
【0076】本実施例では、直径2mm〜3mm程度の
ジルコニアペレットを担体として、このジルコニアペレ
ットの表面にルテニウム触媒を担持させる構成とした
が、ルテニウム触媒を担持する担体は他の形状であって
も構わない。例えば、ハニカムチューブの表面にジルコ
ニアをコーティングし、これを触媒の担体として用いて
もよい。また、ハニカムチューブを用いる場合には、上
記実施例におけるルテニウムを担持したジルコニアペレ
ットを粉砕し、これに所定の結着材を加えてハニカムチ
ューブ表面に塗布した後に焼成することとしてもよい。
その他、ジルコニア担体の形状はいかなる3次元構造と
してもよく、導入された改質ガス中の一酸化炭素を酸化
する反応を促進するのに充分な表面積を備えていればよ
い。
【0077】また、本実施例では、担体の材料として所
定量のイットリアを添加した安定化ジルコニアを用いた
が、ジルコニアに添加する安定化剤としては、この他に
も、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化セリウム
などを用いることができ、ジルコニアの結晶構造を安定
化することができる成分であればよい。また、上記した
安定化剤の添加量を減少させた部分安定化ジルコニアに
よって触媒の担体を形成することとしてもよい。
【0078】あるいは、人工の安定化ジルコニアの代わ
りに、天然ジルコニアを担体として用いることとしても
よい。天然ジルコニアからなる担体の材料としては、天
然鉱石であるジルコンサンドやバデレアイトを挙げるこ
とができる。この場合には、これらの天然鉱石の粉末を
所定の形状に成形し(例えば直径3mmの粒子状)、焼
成したものを、実施例における安定化ジルコニアペレッ
トの代わりに用いればよい。あるいは、上記成形時にア
ルミナゾルなどのバインダを混ぜることとしてもよい。
天然ジルコニアを用いるならば、安定化ジルコニアを生
成する工程が不必要となり、安定化ジルコニアを担体と
する場合に比べてコストを低減することができる。
【0079】また、ルテニウム触媒を担持する上記ペレ
ットなどの担体は、安定化ジルコニアや天然ジルコニア
によって均質に形成されている必要はなく、他の成分を
含有あるいは他の成分と複合体を形成していてもよい。
このような混合物あるいは複合物としては、例えば、酸
化アルミニウム、酸化鉄、酸化マンガン、酸化コバル
ト、酸化亜鉛、酸化ニッケル、酸化マグネシウム、酸化
スズ、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化ランタン、ゼオラ
イト、水酸化マグネシウムなどを挙げることができる。
ここで、ジルコニアを触媒の担体として用いることによ
って有効な温度範囲が拡大する効果を充分に得るために
は、担体における上記他の成分の含有量は、50%以下
であることが望ましい。
【0080】本実施例では、上記担体に担持させる一酸
化炭素選択酸化触媒としてルテニウムを用いたが、一酸
化炭素選択酸化活性を有する他種の触媒金属を担体に担
持させることとしてもよい。例えば、ロジウムやパラジ
ウムや白金、あるいはこれらの合金を担体に担持させた
り、これらの触媒金属の中から選択した複数の金属を同
一の担体に担持させることとしてもよい。いずれの場合
にもルテニウムを用いる場合同様、有効に一酸化炭素濃
度を低減することができる温度範囲が広がるという効果
を得ることができる。
【0081】実施例では、燃料改質装置30により生成
した燃料ガスを固体高分子型燃料電池に供給したが、り
ん酸型燃料電池など、一酸化炭素による被毒を受ける他
種の燃料電池に供給する構成としてもよい。また、供給
される水素リッチガス中の一酸化炭素濃度が極めて低い
ことが要求される燃料電池以外の水素消費機関に供給す
る構成としてもよい。
【0082】実施例では、CO選択酸化部34を、メタ
ノールを改質して水素リッチガスを生成する改質部32
と組み合わせたが、CO選択酸化部34は、一酸化炭素
を含有する水素リッチガスであれば、その製法にかかわ
らず水素リッチガス中の一酸化炭素濃度を低減するか
ら、他種の水素リッチガス供給機関と組み合わせてもよ
い。例えば、メタノールに代えてメタンを改質して水素
リッチガスを生成する改質部と組み合わせても、有効に
一酸化炭素を低減し、本実施例と同様の効果を奏するこ
とができる。
【0083】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明はこうした実施例に何等限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々なる
様態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な一実施例である燃料電池システ
ム10の構成を表わすブロック図である。
【図2】燃料電池20における単セル28の構成を表わ
す断面模式図である。
【図3】一酸化炭素センサ40の構成を表わす断面図で
ある。
【図4】CO選択酸化触媒の製造方法を表わすフローチ
ャートである。
【図5】実施例のCO選択酸化部34が備える一酸化炭
素選択酸化触媒の性能を評価した結果を表わす説明図で
ある。
【図6】改質ガスに導入する酸化ガス量を制御する方法
を表わすフローチャートである。
【符号の説明】
10…燃料電池システム 12…メタノールタンク 14…水タンク 20…燃料電池 21…電解質膜 22…アノード 23…カソード 24,25…セパレータ 24P…燃料ガス流路 25P…酸化ガス流路 28…単セル 30…燃料改質装置 32…改質部 34…CO選択酸化部 36…連絡管 36a…取り付け口 38…ブロワ 39…導入管 40…一酸化炭素センサ 41…電解質膜 42,44…電極 46,48…金属板 50,52…ホルダ 50T,52T…検出端子 50a,52a…フランジ 50b,52b…ネジ 54…絶縁性部材 54a,54b…ネジ 56…Oリング 57…通路部材 58…ガス流入通路 60…電気回路 62…電圧計 64…抵抗器 70…制御部 72…CPU 74…ROM 76…RAM 78…入出力ポート

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一酸化炭素を含有する水素リッチガス中
    の一酸化炭素濃度を低減する一酸化炭素濃度低減装置で
    あって、 前記水素リッチガスに、一酸化炭素を酸化するための酸
    素を含有する酸化ガスを導入する酸化ガス導入手段と、 一酸化炭素選択酸化触媒を有する一酸化炭素選択酸化反
    応部とを、 前記酸化ガスが導入された前記水素リッチガスが前記一
    酸化炭素選択酸化触媒の表面を通過するように接続して
    なり、 前記一酸化炭素選択酸化触媒は、少なくともジルコニア
    を含有する担体に、一酸化炭素選択酸化活性を有する活
    性成分を担持させた触媒である一酸化炭素濃度低減装
    置。
  2. 【請求項2】 前記一酸化炭素選択酸化活性を有する活
    性成分は、ルテニウムである請求項1記載の一酸化炭素
    濃度低減装置。
  3. 【請求項3】 前記少なくともジルコニアを含有する担
    体は、安定化ジルコニアからなる担体である請求項1ま
    たは2記載の一酸化炭素濃度低減装置。
  4. 【請求項4】 前記少なくともジルコニアを含有する担
    体は、天然産のジルコニア系材料からなる担体である請
    求項1または2記載の一酸化炭素濃度低減装置。
  5. 【請求項5】 一酸化炭素を含有する水素リッチガス中
    の一酸化炭素濃度を低減する一酸化炭素濃度低減方法で
    あって、 前記水素リッチガスに一酸化炭素を酸化するための酸素
    を含有する酸化ガスを導入し、 少なくともジルコニアを含有する担体に一酸化炭素選択
    酸化活性を有する活性成分を担持させてなる一酸化炭素
    選択酸化触媒を有する一酸化炭素選択酸化反応部内部
    に、前記酸化ガスを導入した前記水素リッチガスを通過
    させる一酸化炭素濃度低減方法。
  6. 【請求項6】 前記一酸化炭素選択酸化活性を有する活
    性成分は、ルテニウムである請求項5記載の一酸化炭素
    濃度低減方法。
JP8203240A 1996-07-12 1996-07-12 一酸化炭素濃度低減装置および一酸化炭素濃度低減方法 Withdrawn JPH1029804A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8203240A JPH1029804A (ja) 1996-07-12 1996-07-12 一酸化炭素濃度低減装置および一酸化炭素濃度低減方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8203240A JPH1029804A (ja) 1996-07-12 1996-07-12 一酸化炭素濃度低減装置および一酸化炭素濃度低減方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1029804A true JPH1029804A (ja) 1998-02-03

Family

ID=16470765

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8203240A Withdrawn JPH1029804A (ja) 1996-07-12 1996-07-12 一酸化炭素濃度低減装置および一酸化炭素濃度低減方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1029804A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000030745A1 (fr) * 1998-11-26 2000-06-02 Idemitsu Kosan Co., Ltd. Catalyseur d'oxydation de monoxyde de carbone, procede de preparation d'un catalyseur d'oxydation de monoxyde de carbone, et procede de production d'un gaz contenant de l'hydrogene
WO2000053696A1 (fr) * 1997-09-09 2000-09-14 Osaka Gas Co., Ltd. Systeme et procede de suppression du monoxyde de carbone
JP2002121008A (ja) * 2000-10-10 2002-04-23 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 一酸化炭素の除去方法
JP2002128507A (ja) * 2000-10-23 2002-05-09 Matsushita Electric Ind Co Ltd 水素精製装置
WO2005094988A1 (ja) * 2004-04-01 2005-10-13 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha 一酸化炭素除去触媒及びその製造方法並びに一酸化炭素除去装置
JP2006192349A (ja) * 2005-01-12 2006-07-27 Idemitsu Kosan Co Ltd Co除去触媒の安定化方法と活性化方法
KR100740131B1 (ko) 2006-08-31 2007-07-16 삼성에스디아이 주식회사 연료 전지 시스템의 개질기용 일산화탄소 산화 촉매, 이의제조 방법, 및 이를 포함하는 연료 전지 시스템
JP2010519024A (ja) * 2007-02-23 2010-06-03 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 一酸化炭素の選択メタン化のための触媒及び方法

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000053696A1 (fr) * 1997-09-09 2000-09-14 Osaka Gas Co., Ltd. Systeme et procede de suppression du monoxyde de carbone
US6780386B1 (en) 1998-11-26 2004-08-24 Idemitsu Kosan Co., Ltd. Carbon monoxide oxidation catalyst, and method for production of hydrogen-containing gas
WO2000030745A1 (fr) * 1998-11-26 2000-06-02 Idemitsu Kosan Co., Ltd. Catalyseur d'oxydation de monoxyde de carbone, procede de preparation d'un catalyseur d'oxydation de monoxyde de carbone, et procede de production d'un gaz contenant de l'hydrogene
US6913738B1 (en) 1999-03-05 2005-07-05 Osaka Gas Co., Ltd. System for removing carbon monoxide and method for removing carbon monoxide
JP2002121008A (ja) * 2000-10-10 2002-04-23 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 一酸化炭素の除去方法
JP4663095B2 (ja) * 2000-10-23 2011-03-30 パナソニック株式会社 水素精製装置
JP2002128507A (ja) * 2000-10-23 2002-05-09 Matsushita Electric Ind Co Ltd 水素精製装置
WO2005094988A1 (ja) * 2004-04-01 2005-10-13 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha 一酸化炭素除去触媒及びその製造方法並びに一酸化炭素除去装置
US7354882B2 (en) 2004-04-01 2008-04-08 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Carbon monoxide removing catalyst and production process for the same as well as carbon monoxide removing apparatus
CN100402150C (zh) * 2004-04-01 2008-07-16 丰田自动车株式会社 一氧化碳去除催化剂和生产该催化剂的方法以及去除一氧化碳的装置
JP2006192349A (ja) * 2005-01-12 2006-07-27 Idemitsu Kosan Co Ltd Co除去触媒の安定化方法と活性化方法
JP4705375B2 (ja) * 2005-01-12 2011-06-22 出光興産株式会社 Co除去触媒の安定化方法と活性化方法
KR100740131B1 (ko) 2006-08-31 2007-07-16 삼성에스디아이 주식회사 연료 전지 시스템의 개질기용 일산화탄소 산화 촉매, 이의제조 방법, 및 이를 포함하는 연료 전지 시스템
JP2010519024A (ja) * 2007-02-23 2010-06-03 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 一酸化炭素の選択メタン化のための触媒及び方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0743694B1 (en) Apparatus for reducing carbon monoxide concentration, apparatus for reducing methanol concentration, and fuel reformer utilizing the same
JPH11102719A (ja) 一酸化炭素濃度低減装置および一酸化炭素濃度低減方法並びに一酸化炭素選択酸化触媒
KR0171206B1 (ko) 연료 전지 제너레이터 및 그 방법
US6290913B1 (en) Apparatus for reducing concentration of carbon monoxide
EP2025030B1 (en) Hydrogen-producing fuel cell systems with load-responsive feedstock delivery systems
US6730271B2 (en) Fuel-cell system with autothermal fuel-reforming apparatus incorporating input air regulation
JP3658866B2 (ja) 燃料電池発電装置
CA2260648C (en) Carbon monoxide concentration reducing apparatus and method for driving the same
JP2003040602A (ja) 燃料電池用水素製造装置
US20120183870A1 (en) Fuel Cell Device
WO2004082049A1 (ja) 燃料電池システム
CA2390293A1 (en) Method and device for improved catalytic activity in the purification of fluids
WO2005013403A2 (en) Electrochemical preferential oxidation of carbon monoxide from reformate
JPH11310402A (ja) 一酸化炭素濃度低減装置と一酸化炭素濃度低減方法および一酸化炭素選択酸化触媒の製造方法
JPH1029804A (ja) 一酸化炭素濃度低減装置および一酸化炭素濃度低減方法
JPH08133702A (ja) 一酸化炭素除去装置および方法
JP2007137719A (ja) 燃料改質装置および同装置を使用する燃料電池発電装置とその運転方法
JP4997722B2 (ja) 燃料改質器および燃料電池発電装置
JP4947338B2 (ja) 独立型水素製造システム
JP2002308604A (ja) 燃料改質装置
JPH09199156A (ja) 貴金属触媒の製造方法及び一酸化炭素濃度低減装置,メタノール濃度低減装置並びに燃料改質装置
JPH097620A (ja) 固体高分子型燃料電池発電装置
JP4329116B2 (ja) 燃料改質装置及び燃料電池システム
JP4122951B2 (ja) 流量調整弁制御システム及びこれを用いた燃料改質装置
JP4189851B2 (ja) 燃料改質装置及び燃料電池システム

Legal Events

Date Code Title Description
A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20040120