JPH1140097A - 電子線干渉装置 - Google Patents

電子線干渉装置

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JPH1140097A
JPH1140097A JP19674997A JP19674997A JPH1140097A JP H1140097 A JPH1140097 A JP H1140097A JP 19674997 A JP19674997 A JP 19674997A JP 19674997 A JP19674997 A JP 19674997A JP H1140097 A JPH1140097 A JP H1140097A
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JP
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electron beam
wire
electrode
interference device
beam interference
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JP19674997A
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Junji Endo
潤二 遠藤
Shigeo Kubota
重雄 窪田
Sakae Saito
栄 齊藤
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】縞走査法に好適な電子線干渉装置を実現する。 【解決手段】電子線干渉装置全体がバイプリズムホルダ
12上で電子光学軸の周りに回転するように、接地電極
1と回転駆動機構11の一方のギヤを一体化し、ワイヤ
状電極1を保持するホルダ2を、回転ベース7上に固定
された下部絶縁支持部材3″と上部絶縁支持部材3′で
挾み、それらを接地電極10外周部とオサエ8内周部に
刻まれたネジをかみ合わせることによって結合し、圧電
素子4は、その一端が回転ベース7に支持部5によって
固定され、他端はホルダ2の外周部もしくは上下いずれ
かの絶縁支持部材に接触しており、絶縁支持部材3′お
よび3″を弾性変形させることで、ワイヤ状電極1を微
動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メレンシュテット
型電子線バイプリズム(以下電子線干渉装置と略す)と
呼ばれる電子線用干渉計に係り、特に高精度な計測に好
適な電子線干渉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子線干渉装置は、電子顕微鏡あるいは
その類似装置(以下電子干渉計測装置と称する)に装着
され、被検試料を透過もしくは反射した電子線と、基準
となる参照電子線を干渉させる役割を果たす。電子干渉
計測とは、こうして得られた試料透過電子線の干渉図形
を解析することによって、試料当該部の構造,性質を観
察あるいは計測する手法である。
【0003】従来の電子線干渉装置は、アドバンシズ
イン フィジクス(Advances inPhysics )誌第41巻
第1号(1992)59〜103ページに記載されてい
るような構造であった。
【0004】同文献Fig.17に示されているものと同種
の通常型電子線干渉装置を図4に示す。この電子線干渉
装置は、電子光学軸を挟んで対向する一対の平面状の接
地電極10と、そのほぼ中間に電子光学軸に直交して置
かれたワイヤ状電極1から成り、ワイヤ状電極には+1
00V程度の電圧が印加される。この装置では、ワイヤ
状電極1を保持するホルダ2と接地電極10の基盤とな
るバイプリズムベース12とを絶縁支持部材3を介して
一体化し、図示されていない操作機構の先端に取り付け
ている。この操作機構の出し入れと首振りにより、電子
線軸に直交する面内でA−A′,B−B′のように位置
調整のための微動操作がなされる。ワイヤ状電極の両側
を通る電子線は、電界によって引き寄せられ、下方で重
なり干渉縞を形成する。
【0005】また上記文献のFig.18に記載の装置で
は、ワイヤ状電極と接地電極の両者をさらに電子線軸の
周りに回転できるように構成している。この装置の詳細
な構造を図5に示す。接地電極10は円柱状で、外周部
にネジが設けられている。ワイヤ状電極1は円環状のワ
イヤ状電極ホルダ2に保持され、上部絶縁支持部材3′
および下部絶縁支持部材3″を介して、オサエ8で接地
電極10にネジ止めされる。電子光学軸周りの回転は、
ラック・ピニオン機構によって駆動される。ラックに外
部からC−C′のように直線運動を伝え、ピニオン歯車
と一体化された接地電極10をD−D′のようにバイプ
リズムベース12上で回転させる。図4の装置と同様
に、外部からの操作により、バイプリズムベース12を
電子光学軸に直交する面内でA−A′,B−B′のごと
く位置を調整することができる。これらの電子線干渉装
置は、通常の電子干渉計測の用途には無論なんら不都合
はない。
【0006】一方、電子干渉計測をより高精度にするた
めに、光学分野で考案された、いわゆるサブフリンジ干
渉法を電子干渉計測に応用する試みが進められている。
ジャーナル オブ アプライド フィジクス(Journal
of Applied Physics)誌第65巻第5号(1989)2
000〜2004ページのFIG.4には、サブフリンジ干
渉法の1つである縞走査法(別称位相シフト法、以下縞
走査法の呼称で統一する)を電子干渉計測に応用した例
が示されている。ここでは、電子干渉計測装置で写真フ
ィルムに撮影した試料透過電子線の干渉図形(いわゆる
ホログラム)を、トワイマン−グリーン干渉計と結像レ
ンズ系から成るレーザ光学装置内に置き、2本に分割さ
れたレーザ光でホログラムを照射する。それぞれのレー
ザ光によりホログラムから光学的に像が再生され、2つ
の像は結像レンズ系によってTVカメラ撮像面に結像さ
れ、干渉画像が形成される。トワイマン−グリーン干渉
計の一方の反射鏡を、圧電素子を用いてレーザ光の略進
行方向にステップ状に微動させ、2本のレーザ光の間に
位相差を生じさせると、干渉画像上で干渉縞のみが移動
する。反射鏡を複数回ステップ的に微動させるごとに、
少しずつ干渉縞がずれた干渉画像を計算機に取り込む
と、計算処理によって試料を透過した電子線の位相分布
を求めることができる。
【0007】この方法の計測原理の概略を簡単に説明す
る。干渉図形を横L画素×縦M画素にデジタイズし、反
射鏡のステップごとに取り込んだ各干渉画像の横i番
目,縦j番目の画素について明るさをステップ順にプロ
ットすると、正弦曲線に沿って変化していることがわか
る。この正弦曲線が始まる位置の位相(たとえば山のピ
ーク位置から始まればπ/2)の値がその部分を通った
電子線の位相に対応する。
【0008】具体的な計算式は以下のようになる。2本
のレーザ光の間の位相差をレーザ光の波長の1/Nずつ
ずらした計N枚の干渉図形から座標(i,j)の画素の
位相値を計算する式は、数1となる。ここで、nはn枚
目の干渉図形、I(i,j;n)はその干渉図形の
(i,j)の位置の画素の輝度値である。こうして、L
×M画素のすべてについてこの値を計測すれば、試料透
過電子線の位相分布が分かる。
【0009】
【数1】
【0010】この計測法を電子干渉計測装置内で直接行
った例が、アプライド フィジクスレター(Applied Ph
ysics Letter)誌第59巻第19号(1991)237
2〜2374ページの論文に記載されている。この論文
のFIG.1(上記文献2372ページ)では、電子線通路
の片側に置かれた試料と結像レンズ系と電子線干渉装置
が示され、試料に入射する電子線の傾きを少しずつ変え
ることによって、電子線干渉装置の両側を通る2本の電
子線の間に位相差を生じさせている。
【0011】このように電子線の位相差を変化させる方
法は、他にもいくつか提案されており、「電子顕微鏡」
誌第30巻第2号(1995)113〜120ページの
論文に(1)試料を動かす、(2)電子線干渉装置を動
かす、(3)電子線干渉装置の電圧を変える、(4)電
子線の傾きを変える、(5)コイルを置き、これに流す
励磁電流を変える(アハラノフ・ボーム効果)、という
5つの方法が示されている。これらの中で、本願発明者
らは電子線干渉装置を動かす方法に注目した。
【0012】この実現は、図4の従来装置では位置の微
動A−A′、図5の回転型電子線干渉装置ではA−
A′,B−B′の微動を併用すれば、精度の範囲内で可
能である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本願発明者らは、電子
干渉計測装置内で、電子線干渉装置を動かすことによっ
て直接縞走査法を行い、高い計測精度を得るための条件
を詳細に検討した。この条件は、計測対象の大きさ、要
求される精度、空間分解能などによって大きく変わる
が、概略は電子線干渉装置を微動させる精度が1nm以
下、微動のステップが数nm〜数10nm程度、総微動
量が100nm程度となる。
【0014】一方、結像するときの条件として、電子線
干渉装置の方向を計測対象部の形状に合わせ、さらにT
Vカメラの走査線に極力直交するように電子線干渉装置
を微動することが必要である。このことから、電子線干
渉装置は電子線軸の周りに回転可能であることが必須と
もいえる条件となる。ところが従来の回転型電子線干渉
装置(図5)では、回転位置によらず位置調整微動機能
によってワイヤ軸と直交する方向に上記した精度および
ステップで微動させることは、制御が極めて煩雑とな
る。すなわち、図5のD−D′の回転角を検出し、その
角度に応じてA−A′とB−B′の微動量を案分する必
要があり、実用上大きな困難が伴う。さらに、上記した
ような極微小量の場合、一般の電子線干渉装置の位置微
動に用いられているような出し入れや首振りのようなガ
イドに沿って摺動させる微動機構では、円滑かつ高精度
な微動を行わしめることには多大な困難を伴う。
【0015】本発明は、こうした困難を解決するために
なされたものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明では、前述した困
難を避けるために、電子線干渉計測装置内における縞走
査法を、電子線干渉装置を微動させる代わりに、電子線
干渉装置のワイヤ状電極のみを微動させることによって
達成し、かつその微動を円滑かつ高精度に行うために支
持部材を弾性変形させる構成とした。
【0017】すなわち本発明の装置は以下の構成を有す
る。
【0018】(1)電子光学軸を挟んで対向する面が平
行な平面状である一対の接地電極と、上記接地電極の中
間にそれらと平行にかつ電子線軸にほぼ直交して設置さ
れたワイヤ状電極と、上記ワイヤ状電極の支持部材とか
ら成り、接地電極対とワイヤ状電極は互いに電気的に絶
縁され、上記ワイヤ状電極が上記接地電極に対し接地電
極対向面の法線方向に微動するごとき微動駆動機構を有
し、上記微動駆動機構が上記ワイヤ状電極の支持部材も
しくはその一部を弾性変形させることを特徴とする電子
線干渉装置。
【0019】(2)ワイヤ状電極支持部材の絶縁性材料
部分を弾性変形させることを特徴とする上記(1)に記
載の装置。
【0020】(3)ワイヤ状電極支持部材の金属材料部
分を弾性変形させることを特徴とする上記(1)に記載
の装置。
【0021】(4)電子線軸に直交する面内で微動可能
に構成された上記(1)から(3)のいずれかに記載の
装置。
【0022】(5)電子線軸の周りに回転可能に構成さ
れた上記(1)から(4)のいずれかに記載の装置。
【0023】(6)ワイヤ状電極の微動駆動機構が圧電
素子であることを特徴とする上記(1)から(5)のい
ずれかに記載の装置。
【0024】電子線干渉装置の動作原理は、以下の通り
である。両側の平板状電極を接地電位に、中心のワイヤ
状電極に電圧Vbpを印加すると、この両側を通る電子
線は正の電界に引き寄せられて下方で重なり、干渉縞を
形成する。このとき、電子線の傾き角θは、ワイヤ状電
極からの距離によらず一定となり、数2で表される。
【0025】
【数2】 θ=πVbp/{2V0log(r/L)} …(数2) ここで、V0 は電子線の加速電圧、rはワイヤの半径そ
してLはワイヤ状電極から平板状電極までの距離であ
る。傾きの角度θがワイヤ状電極からの距離によらない
ので、基本干渉縞の間隔は場所によらず一定である。左
右の電子線がそれぞれ電子光学軸に対して±θの傾きで
交差するので、干渉縞間隔dは電子線の波長をλと傾き
角θを用いて、数3と表される。
【0026】
【数3】 2dsinθ=λ …(数3) 下記するようにθは十分小さいので、数4と簡略化して
全く問題ない。
【0027】
【数4】 2dθ=λ …(数4) ここで、前述した電子線干渉装置の微動精度および微動
ステップ幅の裏付けとなる計算例の概略を示す。たとえ
ば、Vbp=+20V,r=0.1μm ,L=3mm,V
0 =300kVとすると、電子線の偏向角θは2.3×
10-5(rad)となり、300kVの電子線の波長が2
pm(2×10-12m )であるので、干渉縞間隔は43
nm(4.3×10-8m )となる。従ってこの例では、
総微動幅は43nmである。微動ステップ幅・微動精度
は求められる精度により一概にはいえないが、仮に8ス
テップで計測するとすればステップ幅は5.4nm 、ス
テップ精度はその1/10の0.54nm 程度という数
値が得られる。
【0028】また、試料像との関係は以下のように考え
ればよい。電子干渉計測装置として電子顕微鏡を用い
て、空間分解能0.1nm 、倍率100万倍で計測する
場合を想定すると、電子線干渉装置は対物レンズと第1
中間レンズの間に装着することになる。このとき、対物
レンズによる倍率は100倍程度であるので、干渉図形
上で要求される分解能は10nm程度である。対物レン
ズ像面から観察面までの倍率は1万倍であるので、観察
面上で、0.43mm の幅を54μmステップで干渉縞を
8回移動させればよい。要求される分解能は、観察面上
で0.1mm となる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図1お
よび図2により説明する。図2は、本発明の電子線干渉
装置が組み込まれた電子顕微鏡等の電子線干渉計測装置
20と計測システムを模式的に示したものである。本実
施例では、電子線干渉装置25は対物レンズ24と対物
レンズ像面の間に挿入されている。
【0030】図1は、図2の電子線干渉装置25の電子
光学軸付近の中核部分を示したもので、構造を明瞭にす
るために、本来一体に組み立てられる部品群を上下方向
に分離して示した。バイプリズムベース12は、電子線
干渉装置25の電子光学軸に直交する面内の微動機構に
固定され、A−A′,B−B′のごとく電子線干渉装置
の位置制御が可能である。電子光学軸周りの回転駆動機
構11はラック・ピニオン歯車で構成され、ラック部を
外部からC−C′のごとく直線的に動かすことによりピ
ニオン部に回転D−D′を伝達する。接地電極10の外
周部は円柱状で、回転駆動機構11のピニオン歯車およ
び回転ベース7と一体化され、バイプリズムベース12
上で回転する。ワイヤ状電極1はワイヤ状電極ホルダ2
に固定されており、回転ベース7上に固定された下部絶
縁支持部材3″と上部絶縁支持部材3′によって挟ま
れ、オサエ8の内周部のネジと接地電極10外周部のネ
ジのかみ合いによって一体化される。
【0031】ワイヤ状電極ホルダ2の微動は圧電素子5
による。圧電素子5は、その一端が回転ベース7上に圧
電素子支持部6を介して固定され、他端は下部絶縁支持
部材3″に接している。圧電素子5には、図2のバイプ
リズム微動制御部32から供給される直流電圧が印加さ
れ、電圧値を可変することにより、圧電素子5の伸縮量
E−E′、すなわち上・下絶縁支持部材3′,3″の変
形量を制御する。ワイヤ状電極ホルダ2には、図示され
ていない直流電源からやはり図示されていない電圧印加
手段によって接地電極に対して一般に+100V程度の
電圧が印加される。
【0032】図2の計測システムによる計測は、概略以
下のように行われる。まず、電子線源21から出た電子
線29を照射レンズにより適当な開き角に調節し、電子
線通路の片側に置かれた試料23を照射する。電子線干
渉装置25を回転させ、試料透過電子線と試料のないと
ころを通った電子線、すなわち基準参照電子線とが、そ
れぞれワイヤ状電極1の左右を通るようにセットし、図
示されていない電圧源から電圧をワイヤ状電極1に供給
して両電子線を重ねて干渉させる。対物レンズ24の像
面に形成された干渉図形28を、さらに電子レンズ26
で図示されていない蛍光板上に28′のごとく拡大投影
し、撮像装置27を介してモニタ31で観察、あるいは
画像処理計算機30に記憶する。次に、干渉図形の干渉
縞がその間隔の1/N(N:整数)だけ干渉縞の直交方
向に移動するようにバイプリズム微動制御部32の出力
電圧を変えてワイヤ状電極(図1の1)を微動し、干渉
図形を記録する。同様にして、干渉縞が1/N間隔ずつ
ずれた計N枚の干渉図形を記録し、前記数1を用いて試
料透過電子線の位相分布を計算する。
【0033】本実施例によれば、縞走査法に必要な微動
を、接地電極10に対してワイヤ状電極1を微動させる
方式としたため、機構全体がコンパクトになり、制御も
容易になった。さらに、摺動する部分を無くし、上下絶
縁支持部材3′,3″を弾性変形させる構造としたた
め、極微小な微動量でも円滑かつ再現性良く行わせるこ
とができる。
【0034】図3は、本発明の第2の実施例で、ワイヤ
状電極1の微動機構部のみを上から見たものである。金
属支持部材4は回転ベース6上に固定され、これに薄い
金属板から成る金属支持部材4′が橋渡しされている。
金属支持部材4′は、絶縁支持部材3を介して、ワイヤ
状電極1を保持するワイヤ状電極ホルダ2を両側から挟
んで中空に保持している。圧電素子5は、一端が圧電素
子支持部6を介して回転ベース7に固定され、他端は一
方の金属支持部材4′に接している。このため、図2の
バイプリズム微動制御部32の出力電圧に応じて伸縮
し、ワイヤ状電極1を接地電極10に対して微少量移動
させることができる。
【0035】図1の第1の実施例では、上・下絶縁支持
部材3′,3″のほぼ全体が弾性変形するため、他の部
分に微小な変形が生じる可能性があるが、本実施例では
薄板の金属支持部材4′のみを変形させるため、より高
精度な微動制御が可能になる。
【0036】
【発明の効果】本発明は、電子線の干渉条件をわずかず
つ変化させつつ、複数枚の干渉図形を記録し、画像各点
の透過電子線の位相値を求める、いわゆる縞走査法をよ
り高い精度で行うに適した電子線干渉装置を実現するた
めになされた。すなわち、干渉条件を変化させるため
に、電子線バイプリズムのワイヤ状電極を接地電極に対
して接地電極対向面の法線方向に微動させ、かつその微
動量をワイヤ状電極の支持部材の弾性変形で吸収するご
とく構成した。この構造により、電子線干渉装置の構成
がコンパクトになり、制御も容易となる。また干渉条件
を変化させるための微動量が極めて小さい場合でも、直
線性良く円滑に、かつ再現性良く行うことができる。
【0037】また、ワイヤ状電極の支持部材を絶縁性材
料を金属製材料の組み合わせとし、それぞれ絶縁性材料
部あるいは金属製材料部を弾性変形させる構造とするこ
とにより、弾性変形が局所化されシンプルになるので、
接地電極対向面の法線方向への微動制御がより簡潔にな
る。
【0038】さらに、電子線干渉装置の縞走査法のため
の微動と位置合わせの微動を明確に分離し、電子線干渉
装置部を電子光学軸の周りに回転できる構造とし、干渉
計部全体を回転することで、試料透過電子線と基準参照
電子線とを視野上で適当に案分できるように分け、かつ
干渉縞とTVカメラなど撮像装置の走査線が直交するよ
うに配置することが容易となる。この機能と、縞走査法
用に電子線干渉装置が高精度に微動する機能とを両立さ
せるためには、ワイヤ状電極のみを摺動させることなく
微動できる本発明の構成が極めて有効である。
【0039】また、ワイヤ状電極を微動させる具体的な
手段として、圧電素子を用いた。これにより、コンパク
トな機構、微小かつ高精度な再現性の良い微動、シンプ
ルな制御などの本発明の効果が一層強調される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の電子線干渉装置の電子光学
軸付近の構造を示した斜視図。
【図2】本発明の一実施例の電子線干渉装置が電子干渉
計測システムの中で占める位置と役割を示した説明図。
【図3】本発明の一実施例の薄い金属板のみの弾性変形
でワイヤ状電極を微動させる構造を示した平面図。
【図4】従来例の最も基本的な電子線干渉装置を示した
斜視図。
【図5】従来の電子線干渉装置の電子光学軸付近の構造
を示した斜視図。
【符号の説明】
1…ワイヤ状電極、2…ワイヤ状電極ホルダ、3…絶縁
部材、3′…上部絶縁支持部材、3″…下部絶縁支持部
材、4…金属支持部材、4′…金属支持部材、5…圧電
素子、6…圧電素子支持部、7…回転ベース、8…オサ
エ、10…接地電極、11…回転駆動機構、12…バイ
プリズムベース、20…電子干渉計測装置、21…電子
線源、22…照射系レンズ、23…試料、24…対物レ
ンズ、25…電子線干渉装置、26…電子レンズ、27
…撮像装置、28…干渉図形、28′…干渉図形、29
…電子線、30…画像処理計算機、31…モニタ、32
…バイプリズム微動制御部。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子光学軸を挟んで対向する面が平行な平
    面状である一対の接地電極と、上記接地電極の中間にそ
    れらと平行かつ電子線軸にほぼ直交して設置されたワイ
    ヤ状電極と、上記ワイヤ状電極の支持部材とから成り、
    接地電極対とワイヤ状電極は互いに電気的に絶縁され、
    上記ワイヤ状電極が上記接地電極に対し接地電極対向面
    の法線方向に微動するごとき微動駆動機構を有し、上記
    微動駆動機構が上記ワイヤ状電極の支持部材もしくはそ
    の一部を弾性変形させることを特徴とする電子線干渉装
    置。
  2. 【請求項2】上記ワイヤ状電極支持部材の絶縁性材料部
    分を弾性変形させることを特徴とする請求項1に記載の
    電子線干渉装置。
  3. 【請求項3】上記ワイヤ状電極支持部材の金属材料部分
    を弾性変形させることを特徴とする請求項1に記載の電
    子線干渉装置。
  4. 【請求項4】上記ワイヤ状電極が電子線軸に直交する面
    内で微動可能に構成された請求項1から請求項3のいず
    れかに記載の電子線干渉装置。
  5. 【請求項5】上記ワイヤ状電極が電子線軸の周りに回転
    可能に構成された請求項1から請求項4のいずれかに記
    載の電子線干渉装置。
  6. 【請求項6】上記ワイヤ状電極の微動駆動機構が圧電素
    子からなることを特徴とする請求項1から請求項5のい
    ずれかに記載の電子線干渉装置。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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