JP3916991B2 - 圧子形状測定器 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧子が理想形状にあるか否かを測定する圧子形状測定器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、圧子により試料表面に荷重を負荷して圧痕を形成させることに基づいて、試料の材料特性を評価する試験機として硬さ試験機が知られている。
【0003】
この硬さ試験において、試料の硬さを正確に測定するには、それぞれの圧子について定められる規格通りの形状(以下「理想形状」と称す)にある圧子を用いることが重要である。例えば、硬さ試験を繰り返すことによって圧子が磨耗する等の理由から、理想形状と異なる形状にある圧子によって測定すると、硬さが真の値からずれてしまい正確な測定の支障となる。
また、圧子製造において、製造された圧子がどの程度正確な形状をなしているか知ることや、研究において、圧子の理想形状とのずれがどの程度であるか知ることは非常に重要である。
【0004】
そこで、圧子が理想形状にあるか否かを把握する必要があり、この圧子の形状を測定する装置として圧子形状測定器が知られている。従来の圧子形状測定器としては、例えば、いわゆるリニック型干渉計を適用したものが知られている。
この圧子形状測定器100は、図5に示すように、レーザ発振装置101と、対物レンズ102と、コリメータレンズ103と、ビームスプリッタ104と、レンズ105、106と、スクリーン107等から概略構成される。
【0005】
なお、圧子形状測定器100は、ここではいわゆるロックウェル圧子110を測定する場合を例示する。ロックウェル圧子110は、その下端部が円錐状に形成された円錐部110aを備えており、この円錐部110aの先端には球面状に形成された先端球部110bを備える。
【0006】
この圧子形状測定器100では、ロックウェル圧子110と、このロックウェル圧子110の比較対象となるリファレンス120とから得られる反射光をスクリーン107に投影し、これら反射光から干渉縞が生じるか否かを観察する。これにより、ロックウェル圧子110とリファレンス120との形状差を、以下の通りにして測定する。
即ち、レーザ発振装置101より再生されるレーザビームは、対物レンズ102によって球面波に変換される。この球面波は、コリメータレンズ103によって必要な幅をもつ平面波に広げられ、ビームスプリッタ104に導かれる。こうしてビームスプリッタ104に導かれた光波は、ビームスプリッタ104からロックウェル圧子110に至る光路上に設けられるレンズ105と、ビームスプリッタ104からリファレンス120に至る光路上に設けられるレンズ106に導かれる。これらレンズ105、106は、その光学的な性質(例えば、焦点距離、収差等)が同一のものが選択されており、ロックウェル圧子110およびリファレンス120のそれぞれの表面に光波を集光させる。
こうしてロックウェル圧子110から反射された光波(図5に実線により図示)と、リファレンス120から反射された光波(図5に点線により図示)とがスクリーン107に投影される。このスクリーン107上に干渉縞が生じるか否かを観察することによって、ロックウェル圧子110の形状が理想形状にあるか否かを測定する。
【0007】
この際のリファレンス120としては、ロックウェル圧子110の測定しようとする部分の形状に合わせて、球面リファレンスと平面リファレンスの何れか一方を選択して用いる。
この球面リファレンスは、極めて真球に近い形状に加工されており、その反射光は真球を反映した光波となるので、ロックウェル圧子110の球状の部分を測定する際に用いる。また、平面リファレンスは、限りなく平面に近くなるように加工された鏡が用いられ、ロックウェル圧子110の円錐の部分を測定する際に用いる。
【0008】
次に、この圧子形状測定器100によるロックウェル圧子110の形状測定について説明する。
図5は、ロックウェル圧子110の先端球部110bを測定している様子である。
図5(a)に示すように、この先端球部110bの表面が、レンズ105によって集光されるようにロックウェル圧子110を配置し、リファレンス120として球面リファレンス(上述)を選択する。この球面リファレンスは、ロックウェル圧子110の先端球部110bと同一の曲率をもつものを選択する。
この場合には、先端球部110bが理想形状であれば、先端球部110bから反射された光波(図5(a)に実線により図示)と、リファレンス120から反射された光波とは、互いに強め合うのみであり、スクリーン107上には干渉縞が生じない。対して、先端球部110bが理想形状からずれている場合には、スクリーン107上に干渉縞が生じる。なお、図5(b)では、先端球部110bが理想形状にあり、スクリーン107上で両者から反射された光波が互いに強め合って照光される様子を模式的に示している。
【0009】
一方、図6は、ロックウェル圧子110の円錐部110aを測定している様子である。
図6(a)に示すように、ロックウェル圧子110を回転させて、円錐部110aが水平となるように配置する。これにより、円錐部110aがレンズ105によって集光される。また、リファレンス120としては平面リファレンス(上述)を選択する。
この場合には、円錐部110aの表面で反射する光波は、ロックウェル圧子110の中心軸からの距離によって異なる距離をたどる。また、平面リファレンスの表面で反射する光波がたどる距離は一定である。この結果、円錐部110aから反射する光波と、平面リファレンスから反射する光波とに光路差が生じる。
従って、円錐部110aが理想形状であれば、図6(b)に示すように、スクリーン107上には、円錐部110aと平面リファレンスとの形状差を反映した同心円状の干渉縞が明瞭に生じる。対して、円錐部110aが理想形状からずれている場合には、同心円状の干渉縞が不明瞭に現れる。
従って、圧子形状測定器100によりロックウェル圧子110が理想形状にあるか否かの測定が可能となっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の圧子形状測定器100では以下のような問題があった。先ず、従来の圧子形状測定器100では、圧子110の形状測定のために、平面リファレンスと球面リファレンスの2種類のリファレンス120が必要となってしまい、一度の測定ではこれらのうち何れか一方だけしか用いられなかった。このように、ロックウェル圧子110の測定には、平面リファレンスと球面リファレンスの交換が必要になり測定作業が煩雑であった。
また、ロックウェル圧子110側とリファレンス120側とに、同一の性質のレンズ105、106を設けることが必要であり、これらレンズ105、106の性質に差があると、その差がそのまま測定誤差となってしまう。以上から、圧子形状測定器110の光学系は、高精度な構成が必要となると共に、簡素化が図りにくかった。
また、ロックウェル圧子110の測定精度はリファレンス120の形状精度に依存するが、高精度なリファレンス120を製造するには高度な加工技術が必要となり、高精度なリファレンス120の複製が困難であった。
【0011】
本発明の課題は、測定をより容易にできると共に、光学系の構成を簡素化できる圧子形状測定器を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、請求項1記載の発明は、例えば、図1から図4に示すように、
圧子(例えば、ロックウェル圧子17)が理想形状にあるか否かを測定する圧子形状測定器1であって、
異なる角度から入射する光波に対応して、前記圧子の理想形状の立体像をそれぞれ異なるように映す理想形状波Pを再生する回折光学素子(例えば、ホログラム13)を有し、
前記圧子の立体形状を反映する光波である被測定波Qと、前記回折光学素子から再生される理想形状波である参照波Rと、を同一方向に再生させる光波形成手段20と、
該光波形成手段によって再生される前記被測定波と前記参照波とが干渉縞を生じるか否かを観察するための観察手段(例えば、スクリーン16)と、を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項1記載の発明によれば、回折光学素子に入射する光波から、圧子の理想形状の立体像を映す理想形状波が得られる。そして、光波形成手段が、この理想形状波を参照波として、圧子の立体形状を反映する光波である被測定波と同一方向に再生させる。そして、観察手段によって、被測定波と参照波とに干渉縞が生じるか否かを観察することで、圧子の形状を一度で容易に測定できる。また、圧子の形状を測定するに際して、高精度に加工されたレンズやリファレンスを要することがないので、圧子形状測定器の光学系の構成を大幅に簡素化できる。
また、回折光学素子は、異なる角度から入射する光波に対応して、それぞれ異なる理想形状波を再生するように構成されているので、回折光学素子に異なる角度から光波を入射させることによって、異なる理想形状波を再生することができ、一つの回折光学素子によって、異なる種類の圧子の形状測定が可能となる。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の圧子形状測定器において、例えば、図1から図4に示すように、
前記光波形成手段は、前記回折光学素子を透過する光波を反射させて当該回折光学素子に再度入射させる反射鏡14を備え、
前記被測定波は、前記回折光学素子から再生された理想形状波を圧子に反射させることによって、当該圧子の形状を反映させた光波であり、
前記参照波は、前記回折光学素子を透過した光波を前記反射鏡に反射させて当該回折光学素子に再度入射させることによって、前記被測定波と同一方向に再生される理想形状波であることを特徴とする。
【0015】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様の効果を奏することができると共に、回折光学素子を透過する光波が反射鏡に反射し、当該回折光学素子に再度入射することによって、参照波となる理想形状波が再生されるので、一つの光源を用いるだけで済む。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載の圧子形状測定器において、例えば、図4に示すように、
前記回折光学素子は、異なる角度から入射する光波に対応して、ロックウェル圧子もしくはブリネル圧子の理想形状波を再生するように構成されていることを特徴とする。
【0019】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明と同様の効果を奏することができると共に、一つの回折光学素子でロックウェル圧子とブリネル圧子の測定が可能となる。
【0020】
請求項4記載の発明は、請求項1から3の何れか一つに記載の圧子形状測定器において、例えば、図1から図4に示すように、
前記回折光学素子は、ホログラムであることを特徴とする。
【0021】
ここで、ホログラムとは、所定波長の光波と、この光波を理想形状にある圧子に照射して得られる反射光との干渉縞パターンを記録した回折光学素子である。
【0022】
請求項4記載の発明によれば、ホログラムに、記録時に用いた光波と同波長の光波を入射すると、この入射光から生じる回折光によって、圧子の理想形状を反映した理想形状波が再生されるので、請求項1から3の何れか一つに記載の発明と同様の効果を奏することができる。
【0023】
請求項5記載の発明は、請求項1から4の何れか一つに記載の圧子形状測定器において、例えば、図1から図4に示すように、
前記観察手段は、前記光波形成手段によって再生される被測定波と参照波の干渉像を結像させる結像部を備えることを特徴とする。
【0024】
請求項5記載の発明によれば、請求項1から4の何れか一つに記載の発明と同様の効果を奏することができると共に、結像部により被測定波と参照波とが結像されるので、被測定波と参照波による干渉縞が生じるか否かを容易に把握できる。
即ち、結像部として、例えば、スクリーンに直接結像させたり、或いは結像レンズによりCCD(Charge Coupled Device)のような光電検出器に結像させた後、画像表示装置等に表示させることによって干渉縞が生じるか否かを容易に把握できる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図1から図4を参照して、本発明の実施の形態の圧子形状測定器1を詳細に説明する。
この圧子形状測定器1は、図1に示すように、レーザ発振装置10と、対物レンズ11と、コリメータレンズ12と、ホログラム(回折光学素子)13と、参照鏡14と、コリメータレンズ15と、スクリーン(観察手段)16等から概略構成される。
なお、以下の説明では、圧子がロックウェル圧子である場合を主体に説明する。
【0026】
ホログラム13は、ガラス板等の基板の表面に感光剤を塗布してなる記録面を備えた写真乾板からなり、この記録面に、圧子の理想形状の立体形状を映す理想形状波Pが記録されている。
【0027】
例えば、ロックウェル圧子は、その下端部に120°程度の頂角をもつ円錐部を備えており、この円錐部の先端は0.2mm程度の球面状に形成された先端球部を備える。このロックウェル圧子に光波を照射すると、図1に示すように、ロックウェル圧子17の円錐部で反射する円錐面波P1と、ロックウェル圧子17の先端球面部で反射する球面波P2とが生じる。この円錐面波P1と球面波P2との合成波が、ロックウェル圧子17の「理想形状波P」となる。
【0028】
このホログラム13には、以下の通りにして理想形状波Pが記録される。
即ち、圧子の理想形状波Pと、参照光となる所定の光波とを、レンズ等の光学系を用いて、ホログラム13の記録面上に導く。これにより、ホログラム13の記録面上に、理想形状波Pと参照光とから生じる干渉縞パターンが露光される。この記録面を現像処理することによって、記録面の感光剤に干渉縞パターンを記録してホログラム13が作成される。
【0029】
このように作成されたホログラム13に、干渉縞パターンの記録に用いた所定の光波と同波長の光波が入射すると、このホログラム13から生じる回折光によって「理想形状波P」が再生される。この「理想形状波P」は、理想形状にある圧子の反射光の空間的な位相分布および強度分布を共に再生した光波となり、あたかもその場所に圧子があるかのように見える。このようにロックウェル圧子17の空間的な位相分布および強度分布を再現した理想形状波Pが得られるので、ロックウェル圧子17の形状測定を高精度に行うことができる。
【0030】
また、ホログラム13は以下の通りにしても作成できる。
即ち、コンピュータ等の計算機シミュレーションによって上記干渉縞パターンを算出し、半導体プロセスで用いられる微細パターン描画装置を使用して、ホログラム13の記録面に理想形状波Pを記録する。より具体的には、計算機シミュレーションにより得られた干渉縞パターンの干渉強度分布に基づいて、記録面上で電子線を走査する。次いで、この記録面の現像処理を経ることによって、ホログラム13の記録面上に干渉縞パターンが記録される(「計算機ホログラム」と称す)。
【0031】
このようにホログラム13は、その記録面に干渉縞パターンを記録できるので、ある理想形状波Pを記録したホログラム13と同一の複製品を製造することも容易である。このように複製が容易であるために、圧子形状測定器1を使用する多くのユーザに、精度の良いリファレンスを提供することが可能となる。
【0032】
また、ホログラム13は、光波を異なる角度から入射することによって、別の異なる理想形状波Pを再生するように設計できる。
この結果、ロックウェル圧子、ブリネル圧子等の種類に対応した異なる理想形状波Pを、1つのホログラム13に含めることができる。このようなホログラム13を備えることによって、異なる種類の圧子を測定するための原器を集約できる。さらに、従来の圧子形状測定器100で用いられていた高精度な加工が必要である平面リファレンスや球面リファレンスが不要となる。この結果、圧子形状測定器1は光学系の構成を極めて簡素化できる。さらに、圧子形状測定器1には平面リファレンスと球面リファレンスとを切り替える機構も不要となる。
【0033】
また、本実施の形態の圧子形状測定器1では、ホログラム13は、レーザ発信装置10の光軸と異なる角度で交差する複数の位置に配置できるように構成される。それぞれの位置に対応して、ホログラム13は異なる種類の圧子の理想形状波Pを再生する。
本実施の形態では、ホログラム13は、レーザ発振装置10の光軸と直交する向きに配置した場合に、ロックウェル圧子17の理想形状波Pを再生し、レーザ発振装置10の光軸から角度θだけ傾斜して配置した場合(図4参照)に、ブリネル圧子の理想形状波を再生するように作成されている。
【0034】
次に、この圧子形状測定器1を用いて、具体的に圧子が理想形状にあるか否かを測定する動作を、圧子がロックウェル圧子17の場合を例として説明する。
先ず、図1に示すように、ホログラム13をレーザ発振装置10の光軸と直交するように配置し、ロックウェル圧子17を図示しない試験台に設置する。この試験台は、ホログラム13から理想形状波Pが再生される際に、この理想形状波Pに含まれる球面波の焦点に位置するように設計される。
【0035】
次いで、レーザ発振装置10から、平面波であるレーザビームを発振する。このレーザビームの波長は、ホログラム13に理想形状波Pの干渉縞パターンを記録する時に用いた光波の波長と同一の波長に設定される。
【0036】
こうしてレーザ発振装置10から発振されるレーザビームは、対物レンズ11に入射し、この対物レンズ11によって球面波に変換される。次いで、この球面波がコリメータレンズ12に入射して平面波に変換される。この結果、レーザ発振装置10から発振されるレーザビームの光波が、測定に必要な面積を持つように広げられる。
【0037】
こうして広げられた光波がホログラム13に入射する。図2に示すように、これによりホログラム13の後方には、回折光によってロックウェル圧子17の理想形状波Pが再生される。この理想形状波Pは、試料台に載置されるロックウェル圧子17で反射し、その反射光が逆方向に進む。こうして得られる反射光は、試料台に載置されている圧子に光波を照射して得られる反射光の、空間的な位相分布および強度分布を共に反映した光波となる(被測定波Q)。なお、図2では、被測定波Qが再生される様子を実線によって示している。
【0038】
この「被測定波Q」は、試料台に載置されているロックウェル圧子17が理想形状である場合には、ホログラム13から再生した理想形状波Pから変化しないが、試料台に載置されているロックウェル圧子17が理想形状とは異なる場合には、この「被測定波Q」はその形状を反映して空間的な位相分布および強度分布をもつ光波に変化する。
【0039】
こうしてホログラム13に入射した光波から「被測定波Q」が生成すると共に、図3に示すように、コリメータレンズ12によって広げられた光波の一部がホログラム13を透過する。この透過光は、参照鏡14によって反射されて再びホログラム13に入射する。これによりホログラム13の前方に理想形状波Pが再生される(参照波R)。なお、図3では、参照波Rが再生される様子を点線によって示している。
【0040】
こうして、図1に示すように、「被測定波Q」(実線により図示)と「参照波R」(点線により図示)とが同一の方向に生成され、スクリーン16に投影される。即ち、本実施の形態では、レーザ発振装置10と、対物レンズ11と、コリメータレンズ12と、ホログラム13と、反射鏡14とから光波形成手段20が構成される。
【0041】
ここでロックウェル圧子17が理想形状と異なっている場合には、「被測定波Q」はその形状を反映して「参照波R」とは空間的な位相分布が異なっているために、「参照波R」と干渉してスクリーン16上に干渉縞が生じる。対して、ロックウェル圧子17が理想形状にある場合には、「被測定波Q」はホログラム13から再生される理想形状波Pのままの光波であり、「参照波R」との空間的な位相分布には差がない。つまり、「被測定波Q」と「参照波R」とは、互いに強め合うだけであり干渉縞は生じない。
なお、図1(b)では、ロックウェル圧子17が理想形状にあり、スクリーン16上で両者から反射された光波が互いに強め合って照光される様子を平面視して模式的に示している。
【0042】
こうしてユーザは、スクリーン16に投影される「被測定波Q」と「参照波R」とに干渉縞が生じるか否かを観察するだけで、ロックウェル圧子17が理想形状にあるか否かを容易に測定できる。
【0043】
また、本実施の形態の圧子形状測定器1では「被測定波」と「参照波」とは、コリメータレンズ15によって発散波から平面波に変換されてスクリーン16に投影される。このように平面波に変換することによって、「被測定波」と「参照波」は一定の幅で進むようになる。従って、スクリーン16はコリメータレンズ15からの距離を何れの位置に配置しても、スクリーン16には一定の像が投影されるので設計の自由度が高まる。
【0044】
また、この圧子測定器1によってブリネル圧子18を測定するには、図4に示すように、コリメータレンズ12から出射する平面波に対して、ホログラム13を所定角度θだけ傾斜させる。これにより、ホログラム13には角度θ方向から平面波が入射し、このホログラム13の後方にブリネル圧子18の理想形状波が再生される。この結果、ユーザは、ホログラム13を傾斜させてスクリーン16上に投影される像を観察することによって、ブリネル圧子18についても理想形状にあるか否かを測定できる。
【0045】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、本実施の形態では、被測定波と参照波とをスクリーン16に投影したが、これらの光波がCCD(charge coupled device)カメラに導かれるように構成しても良い。この場合には、コリメータレンズ15よりCCDカメラ側にレンズを設け、このレンズによって被測定波と参照波とを小領域に集光させる。また、CCDカメラにモニタを接続し、このモニタにCCDカメラが受光した映像を表示するように構成しても良い。この場合には、CCDカメラと、レンズと、モニタとから観察手段が構成される。これによりユーザは上記モニタに表示される映像から圧子が理想形状にあるか否かを測定できる。
また、本実施の形態では、圧子としてロックウェル圧子およびブリネル圧子を例示したが、ビッカース圧子等その他の圧子の理想形状波についても同様に、一つのホログラム13に含めることができる。
その他、圧子形状測定器1の具体的な細部構成についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜に変更可能であることは勿論である。
【0046】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、回折光学素子に入射する光波から、圧子の理想形状の立体形状を映す理想形状波が得られる。この理想形状波を参照波とし、圧子の立体形状を反映する光波である被測定波と同一方向に再生させて、観察手段によって、被測定波と参照波とに干渉縞が生じるか否かを観察することで、圧子の形状を一度で容易に測定できる。また、回折光学素子に入射する光波から、圧子の理想形状を反映した光波である理想形状波が得られるので、高精度に加工されたレンズやリファレンスを要することなく、圧子形状測定器の光学系の構成を大幅に簡素化できる。
また、一つの回折光学素子によって、異なる種類の圧子の形状測定が可能となる。
【0047】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様の効果を奏することができると共に、回折光学素子を透過する光波を、反射鏡に反射させて回折光学素子に再度入射させることによって、参照波となる理想形状波が再生されるので、一つの光源を用いるだけで済む。
【0049】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明と同様の効果を奏することができると共に、一つの回折光学素子によって、圧子形状測定器でロックウェル圧子とブリネル圧子の測定が可能となる。
【0050】
請求項4記載の発明によれば、ホログラムから生じる回折光によって、圧子の理想形状を反映した理想形状波が再生されるので、請求項1から3の何れか一つと同様の効果を奏することができる。
【0051】
請求項5記載の発明によれば、請求項1から4の何れか一つに記載の発明と同様の効果を奏することができると共に、結像部により被測定波と参照波とが結像されるので、被測定波と参照波による干渉縞が生じるか否かを容易に把握できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一実施の形態の圧子形状測定器1を示す図であり、(a)は圧子形状測定器1の全体構成を示す模式図であり、(b)はスクリーン16を平面視した様子を示す図である。
【図2】図1の光波形成手段Qによって被測定波が再生される様子を説明するための図である。
【図3】図1の光波形成手段Qによって参照波が再生される様子を説明するための図である。
【図4】図1の圧子形状測定器1によってブリネル圧子18を測定する様子を説明するための図である。
【図5】従来の圧子形状測定器100によってロックウェル圧子110の先端球部110bを測定する様子を説明するための図であり、(a)は全体構成を示す模式図であり、(b)はスクリーン107を平面視した図である。
【図6】従来の圧子形状測定器100によってロックウェル圧子110の円錐部110a測定する様子を説明するための図であり、(a)は全体構成を示す図であり、(b)はスクリーン107を平面視した図である。
【符号の説明】
1 圧子形状測定器
10 レーザ発振装置(光波形成手段の一部)
11 対物レンズ(光波形成手段の一部)
12 コリメータレンズ(光波形成手段の一部)
13 ホログラム(回折光学素子、光波形成手段の一部)
14 参照鏡(光波形成手段の一部)
15 コリメータレンズ
16 スクリーン(観察手段)
17 ロックウェル圧子(圧子)
18 ブリネル圧子(圧子)
20 光波形成手段
P 理想形状波
Q 被測定波
R 参照波

Claims (5)

  1. 圧子が理想形状にあるか否かを測定する圧子形状測定器であって、
    異なる角度から入射する光波に対応して、前記圧子の理想形状の立体像をそれぞれ異なるように映す理想形状波を再生する回折光学素子を有し、
    前記圧子の立体形状を反映する光波である被測定波と、前記回折光学素子から再生される理想形状波である参照波と、を同一方向に再生させる光波形成手段と、
    該光波形成手段によって再生される前記被測定波と前記参照波とが干渉縞を生じるか否かを観察するための観察手段と、を備えることを特徴とする圧子形状測定器。
  2. 請求項1記載の圧子形状測定器において、
    前記光波形成手段は、前記回折光学素子を透過する光波を反射させて当該回折光学素子に再度入射させる反射鏡を備え、
    前記被測定波は、前記回折光学素子から再生された理想形状波を圧子に反射させることによって、当該圧子の形状を反映させた光波であり、
    前記参照波は、前記回折光学素子を透過した光波を前記反射鏡に反射させて当該回折光学素子に再度入射させることによって、前記被測定波と同一方向に再生される理想形状波であることを特徴とする圧子形状測定器。
  3. 請求項1又は2に記載の圧子形状測定器において、
    前記回折光学素子は、異なる角度から入射する光波に対応して、ロックウェル圧子もしくはブリネル圧子の理想形状波を再生するように構成されていることを特徴とする圧子形状測定器。
  4. 請求項1から3の何れか一つに記載の圧子形状測定器において、
    前記回折光学素子は、ホログラムであることを特徴とする圧子形状測定器。
  5. 請求項1から4の何れか一つに記載の圧子形状測定器において、
    前記観察手段は、前記光波形成手段によって再生される被測定波と参照波の干渉像を結像する結像部を備えることを特徴とする圧子形状測定器。
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