JP2003294428A - 圧子形状測定器 - Google Patents

圧子形状測定器

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JP2003294428A JP2002102784A JP2002102784A JP2003294428A JP 2003294428 A JP2003294428 A JP 2003294428A JP 2002102784 A JP2002102784 A JP 2002102784A JP 2002102784 A JP2002102784 A JP 2002102784A JP 2003294428 A JP2003294428 A JP 2003294428A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 測定をより容易にできると共に、光学系の構
成を簡素化できる圧子形状測定器を提供する。 【解決手段】 圧子が理想形状にあるか否かを測定する
圧子形状測定器1であって、入射する光波から、前記圧
子の理想形状の立体形状を映す理想形状波Pを再生する
ホログラム13を有し、圧子の立体形状を反映する光波
である被測定波Qと、ホログラム13から再生される理
想形状波Pである参照波Rと、を同一方向に再生させる
光波形成手段20とを備えて圧子形状測定器1を構成す
る。そして、光波形成手段20によって再生される被測
定波Qと参照波Rとが干渉縞を生じるか否かを観察する
ためのスクリーン16とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧子が理想形状に
あるか否かを測定する圧子形状測定器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、圧子により試料表面に荷重を負荷
して圧痕を形成させることに基づいて、試料の材料特性
を評価する試験機として硬さ試験機が知られている。
【0003】この硬さ試験において、試料の硬さを正確
に測定するには、それぞれの圧子について定められる規
格通りの形状(以下「理想形状」と称す)にある圧子を
用いることが重要である。例えば、硬さ試験を繰り返す
ことによって圧子が磨耗する等の理由から、理想形状と
異なる形状にある圧子によって測定すると、硬さが真の
値からずれてしまい正確な測定の支障となる。また、圧
子製造において、製造された圧子がどの程度正確な形状
をなしているか知ることや、研究において、圧子の理想
形状とのずれがどの程度であるか知ることは非常に重要
である。
【0004】そこで、圧子が理想形状にあるか否かを把
握する必要があり、この圧子の形状を測定する装置とし
て圧子形状測定器が知られている。従来の圧子形状測定
器としては、例えば、いわゆるリニック型干渉計を適用
したものが知られている。この圧子形状測定器100
は、図5に示すように、レーザ発振装置101と、対物
レンズ102と、コリメータレンズ103と、ビームス
プリッタ104と、レンズ105、106と、スクリー
ン107等から概略構成される。
【0005】なお、圧子形状測定器100は、ここでは
いわゆるロックウェル圧子110を測定する場合を例示
する。ロックウェル圧子110は、その下端部が円錐状
に形成された円錐部110aを備えており、この円錐部
110aの先端には球面状に形成された先端球部110
bを備える。
【0006】この圧子形状測定器100では、ロックウ
ェル圧子110と、このロックウェル圧子110の比較
対象となるリファレンス120とから得られる反射光を
スクリーン107に投影し、これら反射光から干渉縞が
生じるか否かを観察する。これにより、ロックウェル圧
子110とリファレンス120との形状差を、以下の通
りにして測定する。即ち、レーザ発振装置101より再
生されるレーザビームは、対物レンズ102によって球
面波に変換される。この球面波は、コリメータレンズ1
03によって必要な幅をもつ平面波に広げられ、ビーム
スプリッタ104に導かれる。こうしてビームスプリッ
タ104に導かれた光波は、ビームスプリッタ104か
らロックウェル圧子110に至る光路上に設けられるレ
ンズ105と、ビームスプリッタ104からリファレン
ス120に至る光路上に設けられるレンズ106に導か
れる。これらレンズ105、106は、その光学的な性
質(例えば、焦点距離、収差等)が同一のものが選択さ
れており、ロックウェル圧子110およびリファレンス
120のそれぞれの表面に光波を集光させる。こうして
ロックウェル圧子110から反射された光波(図5に実
線により図示)と、リファレンス120から反射された
光波(図5に点線により図示)とがスクリーン107に
投影される。このスクリーン107上に干渉縞が生じる
か否かを観察することによって、ロックウェル圧子11
0の形状が理想形状にあるか否かを測定する。
【0007】この際のリファレンス120としては、ロ
ックウェル圧子110の測定しようとする部分の形状に
合わせて、球面リファレンスと平面リファレンスの何れ
か一方を選択して用いる。この球面リファレンスは、極
めて真球に近い形状に加工されており、その反射光は真
球を反映した光波となるので、ロックウェル圧子110
の球状の部分を測定する際に用いる。また、平面リファ
レンスは、限りなく平面に近くなるように加工された鏡
が用いられ、ロックウェル圧子110の円錐の部分を測
定する際に用いる。
【0008】次に、この圧子形状測定器100によるロ
ックウェル圧子110の形状測定について説明する。図
5は、ロックウェル圧子110の先端球部110bを測
定している様子である。図5(a)に示すように、この
先端球部110bの表面が、レンズ105によって集光
されるようにロックウェル圧子110を配置し、リファ
レンス120として球面リファレンス(上述)を選択す
る。この球面リファレンスは、ロックウェル圧子110
の先端球部110bと同一の曲率をもつものを選択す
る。この場合には、先端球部110bが理想形状であれ
ば、先端球部110bから反射された光波(図5(a)
に実線により図示)と、リファレンス120から反射さ
れた光波とは、互いに強め合うのみであり、スクリーン
107上には干渉縞が生じない。対して、先端球部11
0bが理想形状からずれている場合には、スクリーン1
07上に干渉縞が生じる。なお、図5(b)では、先端
球部110bが理想形状にあり、スクリーン107上で
両者から反射された光波が互いに強め合って照光される
様子を模式的に示している。
【0009】一方、図6は、ロックウェル圧子110の
円錐部110aを測定している様子である。図6(a)
に示すように、ロックウェル圧子110を回転させて、
円錐部110aが水平となるように配置する。これによ
り、円錐部110aがレンズ105によって集光され
る。また、リファレンス120としては平面リファレン
ス(上述)を選択する。この場合には、円錐部110a
の表面で反射する光波は、ロックウェル圧子110の中
心軸からの距離によって異なる距離をたどる。また、平
面リファレンスの表面で反射する光波がたどる距離は一
定である。この結果、円錐部110aから反射する光波
と、平面リファレンスから反射する光波とに光路差が生
じる。従って、円錐部110aが理想形状であれば、図
6(b)に示すように、スクリーン107上には、円錐
部110aと平面リファレンスとの形状差を反映した同
心円状の干渉縞が明瞭に生じる。対して、円錐部110
aが理想形状からずれている場合には、同心円状の干渉
縞が不明瞭に現れる。従って、圧子形状測定器100に
よりロックウェル圧子110が理想形状にあるか否かの
測定が可能となっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
圧子形状測定器100では以下のような問題があった。
先ず、従来の圧子形状測定器100では、圧子110の
形状測定のために、平面リファレンスと球面リファレン
スの2種類のリファレンス120が必要となってしま
い、一度の測定ではこれらのうち何れか一方だけしか用
いられなかった。このように、ロックウェル圧子110
の測定には、平面リファレンスと球面リファレンスの交
換が必要になり測定作業が煩雑であった。また、ロック
ウェル圧子110側とリファレンス120側とに、同一
の性質のレンズ105、106を設けることが必要であ
り、これらレンズ105、106の性質に差があると、
その差がそのまま測定誤差となってしまう。以上から、
圧子形状測定器110の光学系は、高精度な構成が必要
となると共に、簡素化が図りにくかった。また、ロック
ウェル圧子110の測定精度はリファレンス120の形
状精度に依存するが、高精度なリファレンス120を製
造するには高度な加工技術が必要となり、高精度なリフ
ァレンス120の複製が困難であった。
【0011】本発明の課題は、測定をより容易にできる
と共に、光学系の構成を簡素化できる圧子形状測定器を
提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は、例えば、図1から図4に示
すように、圧子(例えば、ロックウェル圧子17)が理
想形状にあるか否かを測定する圧子形状測定器1であっ
て、入射する光波から、前記圧子の理想形状の立体像を
映す理想形状波Pを再生する回折光学素子(例えば、ホ
ログラム13)を有し、前記圧子の立体形状を反映する
光波である被測定波Qと、前記回折光学素子から再生さ
れる理想形状波である参照波Rと、を同一方向に再生さ
せる光波形成手段20と、該光波形成手段によって再生
される前記被測定波と前記参照波とが干渉縞を生じるか
否かを観察するための観察手段(例えば、スクリーン1
6)と、を備えることを特徴とする。
【0013】請求項1記載の発明によれば、回折光学素
子に入射する光波から、圧子の理想形状の立体像を映す
理想形状波が得られる。そして、光波形成手段が、この
理想形状波を参照波として、圧子の立体形状を反映する
光波である被測定波と同一方向に再生させる。そして、
観察手段によって、被測定波と参照波とに干渉縞が生じ
るか否かを観察することで、圧子の形状を一度で容易に
測定できる。また、圧子の形状を測定するに際して、高
精度に加工されたレンズやリファレンスを要することが
ないので、圧子形状測定器の光学系の構成を大幅に簡素
化できる。
【0014】請求項2記載の発明は、請求項1記載の圧
子形状測定器において、例えば、図1から図4に示すよ
うに、前記光波形成手段は、前記回折光学素子を透過す
る光波を反射させて当該回折光学素子に再度入射させる
反射鏡14を備え、前記被測定波は、前記回折光学素子
から再生された理想形状波を圧子に反射させることによ
って、当該圧子の形状を反映させた光波であり、前記参
照波は、前記回折光学素子を透過した光波を前記反射鏡
に反射させて当該回折光学素子に再度入射させることに
よって、前記被測定波と同一方向に再生される理想形状
波であることを特徴とする。
【0015】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載の発明と同様の効果を奏することができると共に、回
折光学素子を透過する光波が反射鏡に反射し、当該回折
光学素子に再度入射することによって、参照波となる理
想形状波が再生されるので、一つの光源を用いるだけで
済む。
【0016】請求項3記載の発明は、請求項2記載の圧
子形状測定器において、例えば、図4に示すように、前
記回折光学素子は、異なる角度から入射する光波に対応
して、それぞれ異なる理想形状波を再生するように構成
されていることを特徴とする。
【0017】請求項3記載の発明によれば、請求項2記
載の発明と同様の効果を奏することができると共に、回
折光学素子に異なる角度から光波を入射させることによ
って、異なる理想形状波を再生するので、一つの回折光
学素子によって、異なる種類の圧子の形状測定が可能と
なる。
【0018】請求項4記載の発明は、請求項3記載の圧
子形状測定器において、例えば、図4に示すように、前
記回折光学素子は、異なる角度から入射する光波に対応
して、ロックウェル圧子もしくはブリネル圧子の理想形
状波を再生するように構成されていることを特徴とす
る。
【0019】請求項4記載の発明によれば、請求項3記
載の発明と同様の効果を奏することができると共に、一
つの回折光学素子でロックウェル圧子とブリネル圧子の
測定が可能となる。
【0020】請求項5記載の発明は、請求項1から4の
何れか一つに記載の圧子形状測定器において、例えば、
図1から図4に示すように、前記回折光学素子は、ホロ
グラムであることを特徴とする。
【0021】ここで、ホログラムとは、所定波長の光波
と、この光波を理想形状にある圧子に照射して得られる
反射光との干渉縞パターンを記録した回折光学素子であ
る。
【0022】請求項5記載の発明によれば、ホログラム
に、記録時に用いた光波と同波長の光波を入射すると、
この入射光から生じる回折光によって、圧子の理想形状
を反映した理想形状波が再生されるので、請求項1から
4の何れか一つに記載の発明と同様の効果を奏すること
ができる。
【0023】請求項6記載の発明は、請求項1から5の
何れか一つに記載の圧子形状測定器において、例えば、
図1から図4に示すように、前記観察手段は、前記光波
形成手段によって再生される被測定波と参照波の干渉像
を結像させる結像部を備えることを特徴とする。
【0024】請求項6記載の発明によれば、請求項1か
ら5の何れか一つに記載の発明と同様の効果を奏するこ
とができると共に、結像部により被測定波と参照波とが
結像されるので、被測定波と参照波による干渉縞が生じ
るか否かを容易に把握できる。即ち、結像部として、例
えば、スクリーンに直接結像させたり、或いは結像レン
ズによりCCD(Charge Coupled Device)のような
光電検出器に結像させた後、画像表示装置等に表示させ
ることによって干渉縞が生じるか否かを容易に把握でき
る。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図1から図4を参照して、
本発明の実施の形態の圧子形状測定器1を詳細に説明す
る。この圧子形状測定器1は、図1に示すように、レー
ザ発振装置10と、対物レンズ11と、コリメータレン
ズ12と、ホログラム(回折光学素子)13と、参照鏡
14と、コリメータレンズ15と、スクリーン(観察手
段)16等から概略構成される。なお、以下の説明で
は、圧子がロックウェル圧子である場合を主体に説明す
る。
【0026】ホログラム13は、ガラス板等の基板の表
面に感光剤を塗布してなる記録面を備えた写真乾板から
なり、この記録面に、圧子の理想形状の立体形状を映す
理想形状波Pが記録されている。
【0027】例えば、ロックウェル圧子は、その下端部
に120°程度の頂角をもつ円錐部を備えており、この
円錐部の先端は0.2mm程度の球面状に形成された先
端球部を備える。このロックウェル圧子に光波を照射す
ると、図1に示すように、ロックウェル圧子17の円錐
部で反射する円錐面波P1と、ロックウェル圧子17の
先端球面部で反射する球面波P2とが生じる。この円錐
面波P1と球面波P2との合成波が、ロックウェル圧子
17の「理想形状波P」となる。
【0028】このホログラム13には、以下の通りにし
て理想形状波Pが記録される。即ち、圧子の理想形状波
Pと、参照光となる所定の光波とを、レンズ等の光学系
を用いて、ホログラム13の記録面上に導く。これによ
り、ホログラム13の記録面上に、理想形状波Pと参照
光とから生じる干渉縞パターンが露光される。この記録
面を現像処理することによって、記録面の感光剤に干渉
縞パターンを記録してホログラム13が作成される。
【0029】このように作成されたホログラム13に、
干渉縞パターンの記録に用いた所定の光波と同波長の光
波が入射すると、このホログラム13から生じる回折光
によって「理想形状波P」が再生される。この「理想形
状波P」は、理想形状にある圧子の反射光の空間的な位
相分布および強度分布を共に再生した光波となり、あた
かもその場所に圧子があるかのように見える。このよう
にロックウェル圧子17の空間的な位相分布および強度
分布を再現した理想形状波Pが得られるので、ロックウ
ェル圧子17の形状測定を高精度に行うことができる。
【0030】また、ホログラム13は以下の通りにして
も作成できる。即ち、コンピュータ等の計算機シミュレ
ーションによって上記干渉縞パターンを算出し、半導体
プロセスで用いられる微細パターン描画装置を使用し
て、ホログラム13の記録面に理想形状波Pを記録す
る。より具体的には、計算機シミュレーションにより得
られた干渉縞パターンの干渉強度分布に基づいて、記録
面上で電子線を走査する。次いで、この記録面の現像処
理を経ることによって、ホログラム13の記録面上に干
渉縞パターンが記録される(「計算機ホログラム」と称
す)。
【0031】このようにホログラム13は、その記録面
に干渉縞パターンを記録できるので、ある理想形状波P
を記録したホログラム13と同一の複製品を製造するこ
とも容易である。このように複製が容易であるために、
圧子形状測定器1を使用する多くのユーザに、精度の良
いリファレンスを提供することが可能となる。
【0032】また、ホログラム13は、光波を異なる角
度から入射することによって、別の異なる理想形状波P
を再生するように設計できる。この結果、ロックウェル
圧子、ブリネル圧子等の種類に対応した異なる理想形状
波Pを、1つのホログラム13に含めることができる。
このようなホログラム13を備えることによって、異な
る種類の圧子を測定するための原器を集約できる。さら
に、従来の圧子形状測定器100で用いられていた高精
度な加工が必要である平面リファレンスや球面リファレ
ンスが不要となる。この結果、圧子形状測定器1は光学
系の構成を極めて簡素化できる。さらに、圧子形状測定
器1には平面リファレンスと球面リファレンスとを切り
替える機構も不要となる。
【0033】また、本実施の形態の圧子形状測定器1で
は、ホログラム13は、レーザ発信装置10の光軸と異
なる角度で交差する複数の位置に配置できるように構成
される。それぞれの位置に対応して、ホログラム13は
異なる種類の圧子の理想形状波Pを再生する。本実施の
形態では、ホログラム13は、レーザ発振装置10の光
軸と直交する向きに配置した場合に、ロックウェル圧子
17の理想形状波Pを再生し、レーザ発振装置10の光
軸から角度θだけ傾斜して配置した場合(図4参照)
に、ブリネル圧子の理想形状波を再生するように作成さ
れている。
【0034】次に、この圧子形状測定器1を用いて、具
体的に圧子が理想形状にあるか否かを測定する動作を、
圧子がロックウェル圧子17の場合を例として説明す
る。先ず、図1に示すように、ホログラム13をレーザ
発振装置10の光軸と直交するように配置し、ロックウ
ェル圧子17を図示しない試験台に設置する。この試験
台は、ホログラム13から理想形状波Pが再生される際
に、この理想形状波Pに含まれる球面波の焦点に位置す
るように設計される。
【0035】次いで、レーザ発振装置10から、平面波
であるレーザビームを発振する。このレーザビームの波
長は、ホログラム13に理想形状波Pの干渉縞パターン
を記録する時に用いた光波の波長と同一の波長に設定さ
れる。
【0036】こうしてレーザ発振装置10から発振され
るレーザビームは、対物レンズ11に入射し、この対物
レンズ11によって球面波に変換される。次いで、この
球面波がコリメータレンズ12に入射して平面波に変換
される。この結果、レーザ発振装置10から発振される
レーザビームの光波が、測定に必要な面積を持つように
広げられる。
【0037】こうして広げられた光波がホログラム13
に入射する。図2に示すように、これによりホログラム
13の後方には、回折光によってロックウェル圧子17
の理想形状波Pが再生される。この理想形状波Pは、試
料台に載置されるロックウェル圧子17で反射し、その
反射光が逆方向に進む。こうして得られる反射光は、試
料台に載置されている圧子に光波を照射して得られる反
射光の、空間的な位相分布および強度分布を共に反映し
た光波となる(被測定波Q)。なお、図2では、被測定
波Qが再生される様子を実線によって示している。
【0038】この「被測定波Q」は、試料台に載置され
ているロックウェル圧子17が理想形状である場合に
は、ホログラム13から再生した理想形状波Pから変化
しないが、試料台に載置されているロックウェル圧子1
7が理想形状とは異なる場合には、この「被測定波Q」
はその形状を反映して空間的な位相分布および強度分布
をもつ光波に変化する。
【0039】こうしてホログラム13に入射した光波か
ら「被測定波Q」が生成すると共に、図3に示すよう
に、コリメータレンズ12によって広げられた光波の一
部がホログラム13を透過する。この透過光は、参照鏡
14によって反射されて再びホログラム13に入射す
る。これによりホログラム13の前方に理想形状波Pが
再生される(参照波R)。なお、図3では、参照波Rが
再生される様子を点線によって示している。
【0040】こうして、図1に示すように、「被測定波
Q」(実線により図示)と「参照波R」(点線により図
示)とが同一の方向に生成され、スクリーン16に投影
される。即ち、本実施の形態では、レーザ発振装置10
と、対物レンズ11と、コリメータレンズ12と、ホロ
グラム13と、反射鏡14とから光波形成手段20が構
成される。
【0041】ここでロックウェル圧子17が理想形状と
異なっている場合には、「被測定波Q」はその形状を反
映して「参照波R」とは空間的な位相分布が異なってい
るために、「参照波R」と干渉してスクリーン16上に
干渉縞が生じる。対して、ロックウェル圧子17が理想
形状にある場合には、「被測定波Q」はホログラム13
から再生される理想形状波Pのままの光波であり、「参
照波R」との空間的な位相分布には差がない。つまり、
「被測定波Q」と「参照波R」とは、互いに強め合うだ
けであり干渉縞は生じない。なお、図1(b)では、ロ
ックウェル圧子17が理想形状にあり、スクリーン16
上で両者から反射された光波が互いに強め合って照光さ
れる様子を平面視して模式的に示している。
【0042】こうしてユーザは、スクリーン16に投影
される「被測定波Q」と「参照波R」とに干渉縞が生じ
るか否かを観察するだけで、ロックウェル圧子17が理
想形状にあるか否かを容易に測定できる。
【0043】また、本実施の形態の圧子形状測定器1で
は「被測定波」と「参照波」とは、コリメータレンズ1
5によって発散波から平面波に変換されてスクリーン1
6に投影される。このように平面波に変換することによ
って、「被測定波」と「参照波」は一定の幅で進むよう
になる。従って、スクリーン16はコリメータレンズ1
5からの距離を何れの位置に配置しても、スクリーン1
6には一定の像が投影されるので設計の自由度が高ま
る。
【0044】また、この圧子測定器1によってブリネル
圧子18を測定するには、図4に示すように、コリメー
タレンズ12から出射する平面波に対して、ホログラム
13を所定角度θだけ傾斜させる。これにより、ホログ
ラム13には角度θ方向から平面波が入射し、このホロ
グラム13の後方にブリネル圧子18の理想形状波が再
生される。この結果、ユーザは、ホログラム13を傾斜
させてスクリーン16上に投影される像を観察すること
によって、ブリネル圧子18についても理想形状にある
か否かを測定できる。
【0045】なお、本発明は上記実施の形態に限定され
るものではない。例えば、本実施の形態では、被測定波
と参照波とをスクリーン16に投影したが、これらの光
波がCCD(charge coupled device)カメラに導かれ
るように構成しても良い。この場合には、コリメータレ
ンズ15よりCCDカメラ側にレンズを設け、このレン
ズによって被測定波と参照波とを小領域に集光させる。
また、CCDカメラにモニタを接続し、このモニタにC
CDカメラが受光した映像を表示するように構成しても
良い。この場合には、CCDカメラと、レンズと、モニ
タとから観察手段が構成される。これによりユーザは上
記モニタに表示される映像から圧子が理想形状にあるか
否かを測定できる。また、本実施の形態では、圧子とし
てロックウェル圧子およびブリネル圧子を例示したが、
ビッカース圧子等その他の圧子の理想形状波についても
同様に、一つのホログラム13に含めることができる。
その他、圧子形状測定器1の具体的な細部構成について
も、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜に変
更可能であることは勿論である。
【0046】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、回折光学
素子に入射する光波から、圧子の理想形状の立体形状を
映す理想形状波が得られる。この理想形状波を参照波と
し、圧子の立体形状を反映する光波である被測定波と同
一方向に再生させて、観察手段によって、被測定波と参
照波とに干渉縞が生じるか否かを観察することで、圧子
の形状を一度で容易に測定できる。また、回折光学素子
に入射する光波から、圧子の理想形状を反映した光波で
ある理想形状波が得られるので、高精度に加工されたレ
ンズやリファレンスを要することなく、圧子形状測定器
の光学系の構成を大幅に簡素化できる。
【0047】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載の発明と同様の効果を奏することができると共に、回
折光学素子を透過する光波を、反射鏡に反射させて回折
光学素子に再度入射させることによって、参照波となる
理想形状波が再生されるので、一つの光源を用いるだけ
で済む。
【0048】請求項3記載の発明によれば、請求項2記
載の発明と同様の効果を奏することができると共に、一
つの回折光学素子によって、異なる種類の圧子の形状測
定が可能となる。
【0049】請求項4記載の発明によれば、請求項3記
載の発明と同様の効果を奏することができると共に、一
つの回折光学素子によって、圧子形状測定器でロックウ
ェル圧子とブリネル圧子の測定が可能となる。
【0050】請求項5記載の発明によれば、ホログラム
から生じる回折光によって、圧子の理想形状を反映した
理想形状波が再生されるので、請求項1から4の何れか
一つと同様の効果を奏することができる。
【0051】請求項6記載の発明によれば、請求項1か
ら5の何れか一つに記載の発明と同様の効果を奏するこ
とができると共に、結像部により被測定波と参照波とが
結像されるので、被測定波と参照波による干渉縞が生じ
るか否かを容易に把握できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一実施の形態の圧子形状測定
器1を示す図であり、(a)は圧子形状測定器1の全体
構成を示す模式図であり、(b)はスクリーン16を平
面視した様子を示す図である。
【図2】図1の光波形成手段Qによって被測定波が再生
される様子を説明するための図である。
【図3】図1の光波形成手段Qによって参照波が再生さ
れる様子を説明するための図である。
【図4】図1の圧子形状測定器1によってブリネル圧子
18を測定する様子を説明するための図である。
【図5】従来の圧子形状測定器100によってロックウ
ェル圧子110の先端球部110bを測定する様子を説
明するための図であり、(a)は全体構成を示す模式図
であり、(b)はスクリーン107を平面視した図であ
る。
【図6】従来の圧子形状測定器100によってロックウ
ェル圧子110の円錐部110a測定する様子を説明す
るための図であり、(a)は全体構成を示す図であり、
(b)はスクリーン107を平面視した図である。
【符号の説明】
1 圧子形状測定器 10 レーザ発振装置(光波形成手段の一部) 11 対物レンズ(光波形成手段の一部) 12 コリメータレンズ(光波形成手段の一部) 13 ホログラム(回折光学素子、光波形成手段の一
部) 14 参照鏡(光波形成手段の一部) 15 コリメータレンズ 16 スクリーン(観察手段) 17 ロックウェル圧子(圧子) 18 ブリネル圧子(圧子) 20 光波形成手段 P 理想形状波 Q 被測定波 R 参照波

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧子が理想形状にあるか否かを測定する
    圧子形状測定器であって、 入射する光波から、前記圧子の理想形状の立体像を映す
    理想形状波を再生する回折光学素子を有し、 前記圧子の立体形状を反映する光波である被測定波と、
    前記回折光学素子から再生される理想形状波である参照
    波と、を同一方向に再生させる光波形成手段と、 該光波形成手段によって再生される前記被測定波と前記
    参照波とが干渉縞を生じるか否かを観察するための観察
    手段と、を備えることを特徴とする圧子形状測定器。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の圧子形状測定器におい
    て、 前記光波形成手段は、前記回折光学素子を透過する光波
    を反射させて当該回折光学素子に再度入射させる反射鏡
    を備え、 前記被測定波は、前記回折光学素子から再生された理想
    形状波を圧子に反射させることによって、当該圧子の形
    状を反映させた光波であり、 前記参照波は、前記回折光学素子を透過した光波を前記
    反射鏡に反射させて当該回折光学素子に再度入射させる
    ことによって、前記被測定波と同一方向に再生される理
    想形状波であることを特徴とする圧子形状測定器。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の圧子形状測定器におい
    て、 前記回折光学素子は、異なる角度から入射する光波に対
    応して、それぞれ異なる理想形状波を再生するように構
    成されていることを特徴とする圧子形状測定器。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の圧子形状測定器におい
    て、 前記回折光学素子は、異なる角度から入射する光波に対
    応して、ロックウェル圧子もしくはブリネル圧子の理想
    形状波を再生するように構成されていることを特徴とす
    る圧子形状測定器。
  5. 【請求項5】 請求項1から4の何れか一つに記載の圧
    子形状測定器において、 前記回折光学素子は、ホログラムであることを特徴とす
    る圧子形状測定器。
  6. 【請求項6】 請求項1から5の何れか一つに記載の圧
    子形状測定器において、 前記観察手段は、前記光波形成手段によって再生される
    被測定波と参照波の干渉像を結像する結像部を備えるこ
    とを特徴とする圧子形状測定器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011112629A (ja) * 2009-11-30 2011-06-09 Akihiko Shimizu 硬さ測定用圧子とそれを用いた硬さ測定方法
JP2019517679A (ja) * 2016-06-06 2019-06-24 ベルツ,マルティン 入力ビームの位相を決定する方法

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