JP2017198575A - 光学素子特性測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
正または負の光学的パワーを有する要素結像素子の複数個が、一体化して構成された光学素子に対し、一括して照明光束を与えたときに、各要素結像素子が形成する個別出力像点それぞれの3次元的な位置を含む特性を測定することが可能なようにすること。
【解決手段】
照明光束を生成する照明光束生成光学系と、照明光束から生成された個別出力光束の集合からなる総合出力光束に対し、これと可干渉で総合出力光束と重畳する参照光束を生成する参照光束生成光学系と、干渉像を撮像して干渉像の明るさ分布をディジタルデータ化した干渉像データを生成する撮像素子を有する撮像光学系と、干渉像データを受信して記憶するとともに、記憶した干渉像データを読出して規定の計算処理を行う処理装置とを有し、処理装置は、干渉像データに基づく計算によって個別出力像点それぞれの3次元的な位置を測定する構成とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば凹面や凸面の屈折面を有するレンズ、あるいは屈折媒体が特定屈折率分布を有することによって実現されるレンズ(GRINレンズ)、同心円状の透過型回折格子によって実現されるレンズ、凹面や凸面の反射面を有するミラー、同心円状の反射型回折格子によって実現されるミラー等々の、正または負の光学的パワーを有する要素結像素子について、その複数個が、1次元方向または2次元面内に配列されて、一体化して構成されたレンズアレイ(マイクロレンズアレイ)、あるいはミラーアレイ(マイクロミラーアレイ)などの光学素子の特性を測定するための光学素子特性測定装置に関し、特にミラーアレイについては、レンズアレイを成形するための金型をも含む。
なお、光学技術分野においては、「パワー」とは、屈折力とも称し、空気中に置かれたレンズや凹面鏡等であればその焦点距離の逆数を指すが、電力を指す用語との混乱をさけるため、本明細書では「光学的パワー」と表記する。
レンズアレイやミラーアレイの用途は多岐に亘っているが、そのうちの液晶用マイクロレンズアレイを例に挙げて簡単に述べる。
例えば、特開平05−188364号公報に説明されているように、液晶プロジェクタに使用される液晶空間光変調素子は、液晶層を間に挟む一対の基板の一方に多数の絵素電極がマトリクス状に設けられ、隣合う絵素電極の間に、その絵素電極に駆動電圧を供給するための信号電極線が形成されると共に、駆動電圧を制御する薄膜トランジスタ(TFT)などのスイッチング素子が形成された基本構造をとる。したがって、かかる液晶表示パネルにおいては、信号電極線との位置関係などにより規制されて表示を行う絵素電極を大きく形成することができず、パネル画面中の絵素領域の占める割合、いわゆる開口率が小さくなっていた。このような問題点を解決するために、表示パネルを構成する2枚の基板のうち光源側に位置する基板の表面に、各絵素のそれぞれに対応する位置に複数のマイクロレンズをマトリクス状に配列して形成したマイクロレンズアレイを配置することにより、各マイクロレンズで受けた光が各絵素に集光されるようにして、実効的開口率を上げる事に利用されて来た。
このような用途の場合、当然、マイクロレンズアレイの各マイクロレンズが形成する集光領域の3次元的な位置は、液晶基板の各絵素の位置に対して正確に整合していなければならず、もし、不整合のあるマイクロレンズアレイを液晶基板に組付けた場合、その液晶空間光変調素子は不良になってしまう。
また、マイクロレンズアレイの各マイクロレンズが形成する集光領域の形状や寸法も液晶基板の各絵素の形状や寸法に対して整合していなければならず、もし、不整合のあるマイクロレンズアレイを液晶基板に組付けた場合、その液晶空間光変調素子は不良になってしまう。
このように、レンズアレイやミラーアレイがその使用目的に整合した特性を有しているか否かは重要であるため、その特性の測定や検査に関して、多くの従来技術が存在する。
例えば、特開平05−149824号公報には、各マイクロレンズに対応した基準マスクを通過した光量を測定する検査装置が記載されている。
また、特開平06−204565号公報には、レンズアレイの各レンズに点像を入力したときの、出力像の大きさと明るさとを測定して検査する検査方法が記載されている。
さらに、特開平08−015090号公報には、屈折率分布型レンズアレイの各レンズに平行光を入力し、隣接するレンズ素子からの出力光の影響を排除して受光し、各レンズ単独の伝達光量または光量分布を求め、予め設定した基準と比較する検査方法が記載されている。
さらに、特開2000−009587号公報には、レンズアレイにコヒーレント光を入射し、出射されてくる集光レンズ毎の出射光を、それぞれ別々に受光して、集光レンズ毎の光学的特性を検査する検査方法が記載されている。
さらに、特開2001−083044号公報には、正立ロッドレンズアレイの検査方法であって、発光素子アレイの光入力に対する出力像面において、斜めスリットと受光素子とを走査することにより、発光素子アレイの像の周波数成分を測定する検査方法が記載されている。
さらに、特開2001−215108号公報には、複数の集光手段(マイクロレンズアレイ等)を備えた電気光学装置用基板の検査方法が記載されている。
さらに、特開2001−235395号公報には、レンズアレイのうちの特定のレンズを選択してテストパターンを入力する検査装置が記載されている。
さらに、特開2001−242037号公報には、レンズアレイ基板に対してZ軸方向から光を照射し、透過した光を被投射面に拡大投射して検査するもので、X軸・Y軸方向に搬送する検査方法が記載されている。
さらに、特開2001−264210号公報には、双方向のレンズ透過光を用いてレンズアレイにおけるレンズ素子の配列状態を評価する検査方法が記載されている。
さらに、特開2001−272302号公報には、ピンホールアレイの背後からレンズアレイに向けて光を照明し、スリットを有する受光装置で空間像の光量分布を測定する検査方法が記載されている。
さらに、特開2001−318026号公報には、レンズアレイ基板に対して光を照射し、透過した光を被投射面に投射して光の光量に基づいて検査する検査方法が記載されている。
さらに、特開2002−131177号公報には、レンズアレイのうちの特定のレンズを選択してテストパターンを入力する検査方法が記載されている。
さらに、特開2002−195910号公報には、光学部品(レンズアレイ等)を撮像し、その画像のパターン周期の整数倍だけずらした画像とを比較する検査方法が記載されている。
さらに、特開2003−098040号公報には、ディジタル・ホログラフィ・イメージング技術により光学系の評価を行う評価装置が記載されており、被検光学系(レンズ)通過光波を数値的に再生し、光軸と略直交する平面での被検光学系通過光波の光量分布を求めることが記載されている。
また、再生した光波のビーム径および分布形状などを調べることが記載されている。
さらに、レンズの面形状データの他に、レンズの内部屈折率分布データを併せて用いて光線追跡シミュレーションを行って、等位相面データを求めることが記載されている。
さらに、レンズの面形状データと内部屈折率分布データに基づいて光線追跡シミュレーションにより求めた等位相面データと、ホログラム画像データに基づいて再生した光波面の等位相面データとの差異に基づき、レンズの内部の複屈折がレンズの通過光波面に与える影響を調べることが記載されている。
さらに、被検光学系通過光波を数値的に再生し、また被検光学系通過光波の光軸方向において、その光軸と略直交する平面での被検光学系通過光波の光量分布を求めことが記載されている
さらに、走査光学系で使用されるレンズそれぞれの内部不均一性が、全体として、被検光学系通過光波に与える影響を調べることが記載されている。
さらに、光学系で使用されるレンズそれぞれの複屈折が、全体として、被検光学系通過光波に与える影響を調べることが記載されている。
ここでディジタル・ホログラフィ・イメージングとは、元々の光学的ホログラフィにおいては、写真乾板にホログラム干渉縞を記録し、それに光を当てて照明することにより立体像を再構成していたものを、写真乾板の代わりに、撮像素子を用いて撮像することによって、ディジタルデータとしてホログラム干渉縞を取得し、それに光を当てた場合に生ずるであろう光学現象を、コンピュータを用いてシミュレーションを行うことによって立体像を再構成する技術である。
シミュレーションの内容は、濃度型回折格子、すなわち光透過率が平面上の位置に依存して変化するフィルタであるホログラム、を透過した光、すなわち平面上の位置に依存して振幅変調を受けた光が、波として空間中を伝播して実像または虚像を形成する光学現象であり、これは、伝播距離条件によってフレネル回折、あるいはフラウンホーファー回折と呼ばれる回折現象であり、キルヒホッフ・ホンゲンスの回折積分公式と呼ばれるものに、可能な近似を適用して計算を行う。
なお、歴史を含め、ディジタル・ホログラフィ・イメージングの方法に関しては、WO2008/123408号公報に説明がある。
さらに、特開2003−114305号公報には、レンズアレイに対してアレイ状の点光源と受光部とを共役な位置に配置して検査する検査方法が記載されている。
さらに、特開2004−251890号公報には、ロッドレンズアレイを光源に対して相対的に往復運動させて検査する検査方法が記載されている。
さらに、特開2005−233937号公報には、ロッドレンズアレイに一定周期の格子パターンを入力したときの出力画像についてその周期に対する位相と光量を測定する検査方法が記載されている。
さらに、特開2006−329773号公報には、ロッドレンズアレイの各レンズに光を入射した際の、伝達光ではなく、光伝達過程で起こる不整要因によって生じた散乱光を測定する検査方法が記載されている。
さらに、特開2007−279358号公報には、マイクロレンズアレイまたはその成形型(マイクロミラーアレイ)に対し、光を斜めに当てたときの、基板垂直方向からの撮像結果に基づいて検査する検査装置が記載されている。
さらに、特開2008−145428号公報には、ロッドレンズアレイの各レンズに、そのNAを超える角度の光を入射したときの、出力端面からの射出光を検出する検査方法が記載されている。
さらに、特開2013−117438号公報には、ロッドレンズアレイのレンズ端面の傾斜を検査する検査方法が記載されている。
さらに、特開2014−130112号公報には、走査露光用のマイクロレンズアレイの検査装置であって、マイクロレンズアレイ全体に平行光束を入射したときの出力光を集光光学系を介して線像を生成し、それをカメラで撮像して照度均一性を評価する検査装置が記載されている。
さらに、特開2015−055561号公報には、マイクロレンズアレイ全体に発散光束などを入射したときのある1箇所における複数の集光スポットの画像を撮像素子を用いて取得し、その画像からマイクロレンズアレイの欠陥を検出する検査方法が記載されており、具体的には、集光スポットの輪郭線を取得し、その形状、面積、最大光強度及び積分強度を算出するもの、焦点からずれた位置における集光スポットの画像から、欠陥の有無を検出するもの、前記検査項目についての、対象集光スポットと周囲の集光スポットとのを比較を行うもの、等々が記載されている。
さらに、特開2016−017784号公報には、ロッドレンズアレイのロッドレンズの入射側焦点から発した発散光を入力したときの出力光の検出して、ロッドレンズの光軸を検査する検査方法が記載されている。
ところが、いま述べた従来技術においては、マイクロレンズアレイの各マイクロレンズ、あるいはマイクロミラーアレイの各マイクロミラーが形成する集光領域の3次元的な位置を測定したり、そのあるべき位置に対して整合しているか否かを直接検査する、あるいはそのあるべき位置との差異を直接測定することは行っていなかった。
つまり、前記したこの種の光学素子の最も重要な特性について、それを直接測定・検査するものではなかった。
特開平05−149824号 特開平06−204565号 特開平08−015090号 特開2000−009587号 特開2001−083044号 特開2001−215108号 特開2001−235395号 特開2001−242037号 特開2001−264210号 特開2001−272302号 特開2001−318026号 特開2002−131177号 特開2002−195910号 特開2003−098040号 特開2003−114305号 特開2004−251890号 特開2005−233937号 特開2006−329773号 特開2007−279358号 WO2008/123408号 特開2008−145428号 特開2013−117438号 特開2014−130112号 特開2015−055561号 特開2016−017784号
本発明が解決しようとする課題は、正または負の光学的パワーを有する要素結像素子の複数個が、1次元方向または2次元面内に配列されて、一体化して構成された光学素子に対し、一括して照明光束を与えたときに、各要素結像素子が形成する個別出力像点それぞれの3次元的な位置を含む特性を測定することが可能なようにした光学素子特性測定装置を提供することにある。
本発明における第1の発明の光学素子特性測定装置は、正または負の光学的パワーを有する複数の要素結像素子(E1,E2,…)の配列として構成された要素結像素子配列素子(Ae)の特性を測定するための光学素子特性測定装置であって、前記要素結像素子配列素子(Ae)に存在する前記要素結像素子(E1,E2,…)の少なくとも一部に一括して入射させる照明光束(Fi)を生成する照明光束生成光学系(Gi)と、前記要素結像素子配列素子(Ae)が作用することによって前記照明光束(Fi)から生成された前記要素結像素子(E1,E2,…)それぞれの個別出力像点(P1,P2,…)を形成するそれぞれの個別出力光束(Fo1,Fo2,…)の集合からなる総合出力光束(Fo)に対し、これと可干渉であり、かつ該総合出力光束(Fo)と重畳する参照光束(Fr)を生成する参照光束生成光学系(Gr)と、前記参照光束(Fr)を前記総合出力光束(Fo)と重畳することによって生じる干渉像(If)を撮像して該干渉像(If)の明るさ分布をディジタルデータ化した干渉像データ(Df)を生成する撮像素子(Uf)を有する撮像光学系(Gf)と、前記干渉像データ(Df)を受信して記憶するとともに、記憶した前記干渉像データ(Df)を読出して規定の計算処理を行うことが可能な処理装置(Up)とを有し、該処理装置(Up)は、前記干渉像データ(Df)に基づく計算によって前記個別出力像点(P1,P2,…)それぞれの3次元的な位置を測定することを特徴とするものである。
本発明における第2の発明の光学素子特性測定装置は、前記撮像光学系の光軸方向での前記個別出力像点(P1,P2,…)の位置を測定する際は、前記個別出力光束(Fo1,Fo2,…)のそれぞれについて、ビームウエストを含む光軸方向位置の範囲内にある光軸方向位置での光軸に垂直な断面内での光量密度分布に基づいて、前記光軸方向位置が前記個別出力像点(P1,P2,…)からの外れ量の大きさに相関する集光位置外れ指標値を算出し、ビームウエスト近傍における前記集光位置外れ指標値に対し、規定倍率を乗じた値以上の集光位置外れ指標値が見出される光軸方向位置における、光軸方向位置の変化に対する集光位置外れ指標値の変化に基づいて前記個別出力像点(P1,P2,…)の位置を推定することを特徴とするものである。
本発明における第3の発明の光学素子特性測定装置は、前記集光位置外れ指標値が、光束太さであることを特徴とするものである。
本発明における第4の発明の光学素子特性測定装置は、前記集光位置外れ指標値が、光軸に垂直な断面内での光量密度分布における最大密度に逆相関する量である逆ピーク密度であることを特徴とするものである。
本発明における第5の発明の光学素子特性測定装置は、前記総合出力光束(Fo)が前記撮像素子(Uf)に至るまでの光学系がテレセントリックであることを特徴とするものである。
本発明における第6の発明の光学素子特性測定装置は、前記照明光束生成光学系(Gi)は、少なくとも前記したそれぞれの3次元的な位置を測定しようとする前記個別出力像点(P1,P2,…)を生成する前記要素結像素子(E1,E2,…)の全てについて、各要素結像素子毎に定めた主光線に一致する、方向が一様でない光線群からなる前記照明光束(Fi)を生成することを特徴とするものである。
本発明における第7の発明の光学素子特性測定装置は、前記照明光束生成光学系(Gi)は、前記照明光束(Fi)の波面を変更することができるように構成され、波面の変更後においても前記干渉像(If)を撮像することによって、波面の変更の後における前記要素結像素子(E1,E2,…)それぞれが生成する個別出力像点(P1’,P2’,…)のそれぞれの3次元的な位置を測定し、波面の変更の前における前記個別出力像点(P1,P2,…)の位置から、波面の変更の後におけるそれぞれ対応する前記個別出力像点(P1’,P2’,…)の位置への変化を測定し、該測定の結果に基づき前記要素結像素子(E1,E2,…)それぞれの光学的パワーを測定することを特徴とするものである。
本発明における第8の発明の光学素子特性測定装置は、前記個別出力像点(P1,P2,…)毎に、その近傍の光量密度分布を測定することを特徴とするものである。
本発明における第9の発明の光学素子特性測定装置は、前記参照光束(Fr)が重畳する対象を、前記総合出力光束(Fo)に替えて、前記総合出力光束(Fo)に変倍光学系を作用させて生成した変倍総合出力光束(Fo’)としたことを特徴とするものである。
本発明における第10の発明の光学素子特性測定装置は、前記撮像光学系(Gf)の光軸(z)に対して垂直な方向に、移動制御信号に従って、前記撮像光学系(Gf)と前記要素結像素子配列素子(Ae)との相対位置を移動させるための移動機構(Uxy)を有することを特徴とするものである。
本発明における第11の発明の光学素子特性測定装置は、前記総合出力光束(Fo)が前記撮像素子(Uf)に至るまでの光学系の射出瞳が前記撮像素子の撮像面の近傍に存在することを特徴とするものである。
本発明における第12の発明の光学素子特性測定装置は、前記総合出力光束(Fo)が、前記要素結像素子配列素子(Ae)から透過して生成されるように前記照明光束(Fi)を与えることを特徴とするものである。
本発明における第13の発明の光学素子特性測定装置は、前記総合出力光束(Fo)が、前記要素結像素子配列素子(Ae)から反射して生成されるように前記照明光束(Fi)を与えることを特徴とするものである。
上で述べた事項につき、若干補足しておく。
前記総合出力光束(Fo)が前記撮像素子(Uf)に至るまでの光学系がテレセントリックであるとは、要するに、前記要素結像素子配列素子(Ae)を発して前記撮像素子(Uf)に入射して来る光束のなかに含まれる、前記個別出力像点(P1,P2,…)の出力像を形成する光束の主光線が、光学系の光軸(z軸)に平行であることを意味する。
また、前記総合出力光束(Fo)が前記撮像素子(Uf)に至るまでの光学系の射出瞳が前記撮像素子の撮像面の近傍に存在するとは、要するに、前記要素結像素子配列素子(Ae)を発して前記撮像素子(Uf)に入射して来る光束のなかに含まれる、前記個別出力像点(P1,P2,…)の出力像を形成する光束の主光線が、光学系の光軸(z軸)と交わる位置が、前記撮像素子の撮像面の近傍であることを意味する。
ここで、前記個別出力像点(P1,P2,…)の出力像とは、もし、前記要素結像素子配列素子(Ae)を発して前記撮像素子(Uf)に入射するまでの光路にレンズ等の結像光学系が含まれていない場合は、前記個別出力像点(P1,P2,…)そのものを指し、レンズ等の結像光学系が含まれている場合は、その結像光学系がつくる前記個別出力像点(P1,P2,…)の像を指す。
ただし、後述するように、前記撮像素子(Uf)を含む前記撮像光学系における光学系の光軸(z軸)とは、前記撮像素子の撮像面に垂直であることを基本とする。
正または負の光学的パワーを有する要素結像素子の複数個が、1次元方向または2次元面内に配列されて、一体化して構成された光学素子に対し、一括して照明光束を与えたときに、各要素結像素子が形成する個別出力像点それぞれの3次元的な位置を含む特性を測定することが可能なようにした光学素子特性測定装置を提供することができる。
本発明の光学素子特性測定装置の技術に関連する概念の概略図を表す。 本発明の光学素子特性測定装置を簡略化して示すブロック図を表す。 本発明の光学素子特性測定装置の一部を簡略化して示す模式図を表す。 本発明の光学素子特性測定装置の技術に関連する概念の概略図を表す。 本発明の光学素子特性測定装置の一部を簡略化して示す模式図を表す。 本発明の光学素子特性測定装置の一部を簡略化して示す模式図を表す。 本発明の光学素子特性測定装置の一部を簡略化して示す模式図を表す。 本発明の光学素子特性測定装置の一部を簡略化して示す模式図を表す。 本発明の光学素子特性測定装置の一部を簡略化して示す模式図を表す。 本発明の光学素子特性測定装置の一部を簡略化して示す模式図を表す。 本発明の光学素子特性測定装置の一部を簡略化して示す模式図を表す。
本発明において要素結像素子とは、正または負の光学的パワーを有する光学素子を指し、前記したように凹面や凸面の屈折面を有するレンズ、あるいは屈折媒体が特定屈折率分布を有することによって実現されるレンズ、同心円状の透過型回折格子によって実現されるレンズ、凹面や凸面の反射面を有するミラー、同心円状の反射型回折格子によって実現されるミラーなどが含まれる。
また、本発明の光学素子特性測定装置が特性を測定する対象である要素結像素子配列素子とは、前記要素結像素子が1次元方向または2次元面内に配列されて、一体化して構成されたものを指しており、一般的にはレンズアレイやミラーアレイと呼ばれる。
図1のaに、要素結像素子配列素子(Ae)たる2次元的なレンズアレイまたはミラーアレイの例を示す。
すなわち、要素結像素子配列素子(Ae)の基材がガラスや透明プラスチックなどの光透過材料であればレンズアレイであり、基材が金属などの光反射材料であったり、プラスチック等の基材に対し、金属や誘電体等を蒸着するなどして反射膜を設けたものであればミラーアレイとなる。
要素結像素子配列素子(Ae)としては、通常は図1のbに示すように、前記要素結像素子(E1,E2,…)が平面状の基板上に存在し、前記要素結像素子(E1,E2,…)それぞれの光軸(H1,H2,…)が互いに平行で基板に垂直である形態のものが圧倒的に多い。
しかし、図1のcに示すように、要素結像素子(E1,E2,…)が、例えば球殻状の基板上に存在して、前記要素結像素子(E1,E2,…)それぞれの光軸(H1,H2,…)が放射状である形態のものなどに対しても、本発明は適用可能である。
先ず、本発明の光学素子特性測定装置を簡略化して示すブロック図である図2を参照して、本発明を実施するための形態について説明する。
本光学素子特性測定装置は照明光束生成光学系(Gi)を有しており、これは、照明光束(Fi)を生成して、前記要素結像素子配列素子(Ae)に存在する前記要素結像素子(E1,E2,…)の全部または一部を、一括して照明する。
前記照明光束(Fi)に前記要素結像素子配列素子(Ae)が作用することによって前記要素結像素子(E1,E2,…)それぞれの個別出力像点(P1,P2,…)を形成する個別出力光束(Fo1,Fo2,…)がそれぞれ生成され、それらの集合からなる総合出力光束(Fo)が生成される。
ここで、要素結像素子配列素子等の光学素子が光に作用するとは、光が光学素子によって屈折されたり、反射されたり、回折されたり、吸収されたりなどすることを意味する。
また本光学素子特性測定装置は撮像光学系(Gf)を有しており、これのCCDやCMOSイメージセンサ等からなる撮像素子(Uf)の撮像面に対し、前記総合出力光束(Fo)が照射される。
さらに、本光学素子特性測定装置は参照光束生成光学系(Gr)を有しており、これは前記総合出力光束(Fo)と可干渉な参照光束(Fr)を生成し、該参照光束(Fr)は、前記総合出力光束(Fo)と重畳するように前記撮像素子(Uf)の撮像面に対して照射され、結果として前記撮像素子(Uf)の撮像面上に干渉像(If)が形成される。
前記撮像光学系(Gf)は前記干渉像(If)を撮像して、該干渉像(If)の明るさ分布をディジタルデータ化した干渉像データ(Df)を生成する。
さらに、本光学素子特性測定装置は処理装置(Up)を有しており、これは前記撮像光学系(Gf)から前記干渉像データ(Df)を受信して記憶する。
前記処理装置(Up)は、前記撮像光学系(Gf)から前記干渉像データ(Df)を受信するためのインターフェイスやCPU、前記干渉像データ(Df)を始め、OSや計算に必要な処理プログラム等を記憶する不揮発性メモリ、前記したOSや計算に必要な処理プログラム等がロードされ、処理計算の遂行に必要なデータを記憶する揮発性メモリなどを備えたコンピュータによって実現することができ、記憶した前記干渉像データ(Df)を読出して、ディジタル・ホログラフィ・イメージング技術に基づく計算によって前記個別出力像点(P1,P2,…)それぞれの3次元的な位置を測定する。
なお、前記個別出力像点(P1,P2,…)の位置を測定するために行う、像点の再構成のためのディジタル・ホログラフィ・イメージングにおける計算内容については、先にシミュレーションの内容として説明した通りである。
本図に関し、若干補足しておく。ここでは、前記撮像素子(Uf)に対して、前記総合出力光束(Fo)と前記参照光束(Fr)とが、異なる方向から直接的に照射されて重畳されるように描いてあるが、普通はビームスプリッタを使用してこれらを合波し、重畳することが多い。
また前記総合出力光束(Fo)については、これを前記撮像素子(Uf)に照射する前に変倍光学系を作用させ、変倍総合出力光束に変換したものを前記撮像素子(Uf)に照射するようにしてもよい。
前記照明光束生成光学系(Gi)と前記参照光束生成光学系(Gr)とが独立のものであるように描いてあるが、前記照明光束生成光学系(Gi)から生成される前記総合出力光束(Fo)と、前記参照光束生成光学系(Gr)から生成される前記参照光束(Fr)とは可干渉でなければならないから、普通は前記照明光束生成光学系(Gi)と前記参照光束生成光学系(Gr)の光源は共通である。
また前記参照光束(Fr)は、前記総合出力光束(Fo)に対して空間的直流成分以外を除去する空間周波数フィルタを作用させて生成してもよい。
また、本発明の光学素子特性測定装置は、前記個別出力像点(P1,P2,…)それぞれの3次元的な位置を測定する以外にも、後述するように前記要素結像素子配列素子(Ae)に関する諸量の測定・評価を行うことができるが、測定・評価した結果をディジタルデータとして外部に送信したり、測定データの評価に関する情報等を外部から受信したりするためのインターフェイスを備えることができる。
さらに前記処理装置(Up)は、必要に応じ、オペレータからの必要な操作を受付け、情報表示を行うヒューマンインターフェイスを備えることができる。
次に、前記照明光束生成光学系(Gi)および前記参照光束生成光学系(Gr)、前記撮像光学系(Gf)(の一部)からなる光学系の具体的な構成について、本発明の光学素子特性測定装置の一部を簡略化して示す模式図である図3を参照して説明する。
ヘリウム−ネオンレーザ等の可干渉光源(Us)からの光源ビーム(As)は、ビーム分割のためのビームスプリッタ(BS1)によって、照明光束生成光学系用ビーム(Ai)と参照光束生成光学系用ビーム(Ar)とに分割される。
前記参照光束生成光学系(Gr)はミラー(Mr)およびビームエキスパンダ(BEr)から構成されており、前記参照光束生成光学系用ビーム(Ar)は、前記ミラー(Mr)によって反射された後、集光レンズ(Lrf)とコリメータレンズ(Lrc)とから構成される前記ビームエキスパンダ(BEr)に入力され、必要な太さになるようビームが拡大された平行光束として前記参照光束(Fr)が生成される。
なお、前記集光レンズ(Lrf)の集光点に一致するようピンホール開口(Ua)を設置すれば、前記ビームエキスパンダ(BEr)に空間的直流成分以外を除去する空間周波数フィルタの機能を兼ね備えさせることができ、これにより、前記ピンホール開口(Ua)に至るまでの光路に存在する光学素子の表面に付着した塵などが生む光ノイズを除去して、前記参照光束(Fr)を浄化することができる。
一方、前記照明光束生成光学系(Gi)はミラー(Mi)およびビームエキスパンダ(BEi)から構成されており、前記照明光束生成光学系用ビーム(Ai)は、前記ミラー(Mi)によって反射された後、集光レンズ(Lif)とコリメータレンズ(Lic)とから構成される前記ビームエキスパンダ(BEi)に入力され、必要な太さになるようビームが拡大された平行光束として前記照明光束(Fi)が生成される。
なお、前記ビームエキスパンダ(BEi)に対しても前記ピンホール開口(Ua)と同様のピンホール開口を設置するとよいが、本図においては省略してある。
また、これ以降に示す図においては、照明光束生成光学系および参照光束生成光学系とも、ピンホール開口を省略してある。
本図においては、要素結像素子配列素子(Ae)は光透過性で、図1のbの形態のレンズアレイを想定しており、平行光束である前記照明光束(Fi)によって基板に垂直に一括して照明されるように本光学素子特性測定装置に配置する。
このとき、前記照明光束(Fi)の光軸をz軸として、前記要素結像素子配列素子(Ae)は、両z軸が一致するように配置する。
それにより、前記要素結像素子配列素子(Ae)に含まれる要素結像素子それぞれによる屈折結像の個別出力像点を形成する、個別出力光束の軸、すなわち主光線は互いに平行となり、よって総合出力光束(Fo)はテレセントリックとなる。
なお、該総合出力光束(Fo)の光軸も、前記照明光束(Fi)の光軸を延長したz軸とする。
そして前記総合出力光束(Fo)は、ビームスプリッタ(BS2)で反射され、撮像素子(Uf)の撮像面に照射される。
撮像光学系(Gf)の光軸は前記撮像素子(Uf)の撮像面に垂直に設定するとして、前記総合出力光束(Fo)の光軸が前記撮像光学系(Gf)の光軸に一致するよう、したがって前記撮像光学系(Gf)の撮像素子(Uf)の撮像面に対し、反射後の前記した個別出力光束のそれぞれの主光線が垂直、すなわち反射後の前記総合出力光束(Fo)の軸が垂直になるように、前記ビームスプリッタ(BS2)の角度を設定することが好適である。
前記参照光束(Fr)は、前記ビームスプリッタ(BS2)を透過して、同じく撮像素子(Uf)の撮像面に対し、前記総合出力光束(Fo)と重畳して照射され、前記撮像素子(Uf)の撮像面に干渉像(If)が形成されてそれが撮像される。
ただし、本図の場合、前記参照光束(Fr)の光軸を、撮像素子(Uf)の撮像面に対して垂直ではなく、傾けて設定することにより、前記総合出力光束(Fo)の光軸と同軸にしない、いわゆるオフアクシス型とするものを想定している。
正弦波的な濃度型回折格子からは、+1次,0次,−1次の回折光が発生することに対応して、(ディジタル・ホログラフィ・イメージングを含む)ホログラフィにおいては、再構成される像も、正規像である+1次像,0次像(透過光),−1次像(共役像)の3種類が発生する。
オフアクシス型にしない場合(インライン型の場合)は、これら3種類の像を形成する光束が全て同じ方向に出力され、正規像に対して邪魔なノイズが重畳される結果となる。
オフアクシス型にする目的は、そのようにすることによって、これら3種類の像を形成する光束の方向が分離され、正規像に対して邪魔なノイズが重畳される問題を回避することにある。
ただし、オフアクシス型にすると干渉像(If)の干渉縞が細かくなるため、撮像素子(Uf)として、画素寸法が微細で大画素数のものを使う必要が生じ、計算処理も重くなる欠点がある。
この問題を回避したい場合は、インライン型とした上で、前記した正規像に対して邪魔なノイズが重畳される問題を回避することが必要であるが、これに関しては従来より多種類の提案が行われている。
例えば、一例を挙げれば、前記参照光束(Fr)の位相をシフトさせた、複数枚の前記干渉像(If)を撮像し、そのデータを用いた計算によって像を再構成する方法がある。(OPTICS LETTERS, Vol.22, No.16, Aug.15, 1997 p1268-1270, Yamaguchi I. et al: "Phase-shifting digital holography")
本発明の光学素子特性測定装置においても、これを適用することが可能であり、前記参照光束(Fr)の位相をシフトさせるために、例えば、ピエゾ素子等による微動機構を用いて前記ミラー(Mr)を移動可能なように改造することにより実現できる。
オフアクシス型であるかインライン型であるかによらず、実際の光学系に適合したシミュレーションを行うことにより、前記処理装置(Up)は、前記個別出力像点(P1,P2,…)それぞれの近傍の光量密度分布を再構成することができる。
より具体的に述べると、いま、図1のaに示したようにx軸,y軸,z軸をとることにして、シミュレーションにおいては、前記個別出力像点(P1,P2,…)それぞれについて、それが形成されると予想されるz座標の領域内の、複数のz座標においてz軸に垂直な像平面(xy平面)を設定し、各像平面内での光量密度分布を再構成する。
再構成した複数のz座標における光量密度分布の情報を用いれば、個別出力像点の位置として最も相応しい3次元的な座標を見出すことができるから、結局、前記個別出力像点(P1,P2,…)それぞれの3次元的な位置を測定することができる。
なお、図3においては、前記ビームスプリッタ(BS2)によって前記総合出力光束(Fo)を反射させたため、前記撮像素子(Uf)の位置における前記撮像光学系(Gf)の光軸と、前記要素結像素子配列素子(Ae)における光軸(z)とは、方向が(例えば90度)異なるが、前記ビームスプリッタ(BS2)のような平面の光反射素子による反射の場合、反射による光線の屈曲を直線に延ばして考えることとして、光軸は連続していると見なし、よって、前記撮像素子(Uf)の位置における前記撮像光学系(Gf)の光軸もz軸となる。
また、その帰結として、前記個別出力像点(P1,P2,…)近傍の光量密度分布の再構成の際は、前記ビームスプリッタ(BS2)は存在しないと見なす。
ここで、図3の光学系に関して補足しておく。
本図の光学系には、前記ビームエキスパンダ(BEi)および前記ビームエキスパンダ(BEr)なる2個のビームエキスパンダが存在するが、これを前記ビームスプリッタ(BS1)への入射側に1個のビームエキスパンダを配置するように変更することにより、部品点数を減らし、コスト低減を図れると考えるかも知れない。
確かにそういう側面もあるが、ビームエキスパンダを通過後の太い光束を反射するミラーには高い平面精度が要求されるし、それを保持する角度微調整機構付きのミラーホルダは、ミラーを歪ませないように構成したものでなければならなず、場合によっては、そのためのコスト増加分が、ビームエキスパンダの数を減らしたことによるコスト低減分を超える可能性もある。
また、前記した前記ピンホール開口(Ua)による空間周波数フィルタを設置しても、それより後の光路の長さが、2個のビームエキスパンダを設ける場合よりも長くなるため、光束浄化の効果が減殺されてしまう欠点もある。
ここで、本発明の光学素子特性測定装置の技術に関連する概念の概略図である図4を参照して、前記個別出力像点のうちの1個の前記個別出力像点(P1)に注目したときの、その3次元的な位置を求める方法について説明する。
本図は、前記個別出力像点(P1)を形成する前記個別出力光束(Fo1)について、種々の離散的なz座標における光量密度分布を再構成している様子を描いたものであり、ハッチングを施した領域が、そのz座標における前記個別出力光束(Fo1)の光量密度分布が存在する領域(の大きさ)を象徴的に表している。
ただし、例えば要素結像素子配列素子(Ae)が図1のaに示したものの場合、前記個別出力光束(Fo1)の断面の光量密度分布は(回折によって生じるサイドローブを有する)四角形的なものになるであろうが、図におけるハッチングを施した領域は、簡略化のために円形であるように描いてある。
ここで便宜上、図1の紙面はyz平面であるとしておく。
なお、前記要素結像素子配列素子(Ae)には平行光束が入射されるため、前記要素結像素子配列素子(Ae)の個々の前記要素結像素子(E1,E2,…)が凸レンズである場合は、前記個別出力像点(P1)は、前記要素結像素子配列素子(Ae)より後側(光エネルギーの流れの下流側)の位置に集光領域、いわゆる実像を作るし、前記要素結像素子(E1,E2,…)が凹レンズである場合は、前記個別出力像点(P1)は、前記要素結像素子配列素子(Ae)より前側(光エネルギーの流れの上流側)の位置から発散して来るように見える光束、いわゆる虚像を作るが、像が実像であっても虚像であっても、再構成された種々のz座標における光量密度分布の様子は、図4のようになる。
その理由は、撮像時点における、前記撮像素子(Uf)の撮像面に形成される前記干渉像(If)においては、撮像面に到達して来た前記個別出力光束(Fo1)が、実像からのものか虚像からのものかの区別が存在しないからである。
前記個別出力光束(Fo1)のうちの、前記個別出力像点(P1)の近傍の光束太さが最も小さい領域は、一般にビームウエストと呼ばれる。
ビームウエストにおいては、前記個別出力光束(Fo1)は微視的な平行光束を形成しており、光量密度分布や光束太さなど、光軸方向位置の変化に対する光束の特徴の変化が乏しいので、前記個別出力像点(P1)のz座標を特定するために、再構成された種々のz座標における光量密度分布のなかから光束太さが最も小さくなるz座標を決めることは困難である。
仮に決めることが可能であったとしても、正確に決めるためには、z座標を細かく変化させ、再構成シミュレーションのための回折積分計算を行うことを繰り返す必要があり、前記要素結像素子配列素子(Ae)の前記要素結像素子(E1,E2,…)の個数が多い場合は、計算量が莫大となって実用的でなくなってしまう。
そのため、z座標を細かく変化させた再構成シミュレーションを行うことなく、種々の離散的なz座標における光量密度分布のみから、正確に前記個別出力像点(P1)のz座標を特定する工夫が必要となる。
本発明は、前記個別出力像点(P1)の正確な位置が不明であっても、それから離れるに従って値が大きくなる量、すなわち集光位置外れ指標値に注目し、z軸方向に前記個別出力像点(P1)から適当な距離を有する位置における、光軸方向位置の変化に対する集光位置外れ指標値の変化に基づいて前記個別出力像点(P1)のz座標を特定する工夫を含んでいる。
前記したように、ビームウエストにおいては、光軸方向位置の変化に対する光束の特徴の変化が乏しいので、逆に前記個別出力像点(P1)の正確な位置が不明であっても前記個別出力像点(P1)における前記集光位置外れ指標値の値は、ビームウエスト近傍における前記集光位置外れ指標値、すなわち前記個別出力像点(P1)に近いと考えられる光軸方向位置における前記集光位置外れ指標値の値によって代用することができる。
そして、前記個別出力像点(P1)に近いと考えられる光軸方向位置における前記集光位置外れ指標値の値、すなわち、像点集光位置外れ指標値とは、種々の離散的なz座標における光量密度分布から得られた前記集光位置外れ指標値のうちの最低値をとればよい。
さらに、前記した、z軸方向に前記個別出力像点(P1)から適当な距離を有する位置を決める際は、前記像点集光位置外れ指標値に対して規定倍率 Ω を乗じた値以上の集光位置外れ指標値が見出される光軸方向位置とすればよい。
何となれば、ビームウエストから離れれば、光軸方向位置の変化に対する光束の特徴の変化が明瞭になるからである。
なお、規定倍率 Ω の具体的な値は、集光位置外れ指標値として具体的にどのような量をとるかに応じて決める必要がある。
前記集光位置外れ指標値として、例えば光束太さをとることが好適である。
図4においては、前記個別出力像点(P1)に関する再構成された種々のz座標における光量密度分布の
i−1番目,i番目,j番目,k番目,k+1番目
のz座標を、それぞれ
z[i−1],z[i],z[j],z[k],z[k+1]
と表記し、また光束太さを、それぞれ
Φ[i−1],Φ[i],Φ[j],Φ[k],Φ[k+1]
と表記している。
なお、ここで i−1,i,j,k,k+1 なるインデックスの書き方をしたのには特別の事情があり、それについては後の説明で明らかになるであろう。
ところで、前記要素結像素子配列素子(Ae)の前記要素結像素子(E1,E2,…)が、前記したように四角形である場合は、図4のハッチングを施した光量密度分布形状も四角形的なものになり、前記要素結像素子(E1,E2,…)が円形である場合は、光量密度分布形状も円形的なものになる。
ただし、前記要素結像素子(E1,E2,…)のFナンバーが極端に小さくない限り、前記個別出力像点(P1)近傍で起きる回折現象はフラウンホーファー回折であるが、いま、収差が無い理想的な状態を考えると、前者の場合の光量密度分布のプロファイルは、以下の式(式1)
{ sin(ux) / ux }^2・{ sin(vy) / vy }^2
で表されるシンク関数分布像であり、後者の場合の光量密度分布のプロファイルは、以下の式(式2)
{ J1(wx) / wx }^2
で表されるエアリ―像である。
ここで、記号 ^2 は2乗を表し、x,y は個別出力光束(Fo1)の主光線(z軸)まわりの断面座標で、u,v,w は分布形状の大きさを表すパラメータであり、J1 は1次のベッセル関数を表す。
各z座標における光束太さ Φ[i] 等の測り方は、例えば、eを自然対数の底として、ピーク密度の 1/e^2 となる領域の幅をとったり、または半値幅をとったり、あるいは、前記した式1や式2から判るように、中央部の主たる光集中領域に対し、その外側に向かって減衰する波打ち(サイドローブ)が回折によって生ずるから、その第1番目の暗帯の光密度がゼロになる位置の間隔をとってもよく、また、x軸方向とy軸方向とで幅が相違する場合は、相加平均あるいは相乗平均をとるなどすればよく、全体として統一的に定義する限り、任意の測り方を採用することができる。
光量密度分布のプロファイルがガウス分布であるガウシアンビームの場合、中心軸上密度の 1/e^2 となる円形を、z軸を変化させながら連ねた領域、すなわちビームウエスト部は、中心軸を通る平面で切断した断面の形状で見ると、軸上の1点を通る2本の直線に漸近する双曲線となることが知られている。
図4に記載の前記個別出力光束(Fo1)はガウシアンビームではないが、光束太さ Φ[i] を規定する線分の端点を連ねた曲線(fw,fw’)は、同様に前記個別出力像点(P1)を通る直線(a,a’)に漸近すると考えられる。
したがって、前記曲線(fw,fw’)が前記直線(a,a’)に実質的に一致していると見なせる程度に、適当な距離だけ前記個別出力像点(P1)から離れた位置における光軸方向位置の変化に対する光束太さの変化の様子から、前記個別出力像点(P1)の位置を推定することが可能となる。
前記した、適当な距離だけ前記個別出力像点(P1)から離れた位置を見出す代わりに、最も細い光束太さ Φ[j] を見出した上で、結果的にその値に対して規定倍率 Ω を乗じた値以上の光束太さが見出される光軸方向位置を見出すようにしてもよい。
何となれば、前記した、適当な距離だけ前記個別出力像点(P1)から離れた位置をとれば、前記した、規定倍率 Ω を乗じた値以上の光束太さが見出されるであろうし、逆に、結果的に、前記した、規定倍率 Ω を乗じた値以上の光束太さが見出されるようなz軸方向の方向の位置を見出せば、前記した、適当な距離だけ前記個別出力像点(P1)から離れた位置が見出された証となるからである。
なお、規定倍率 Ω の具体的な値は、前記要素結像素子(E1,E2,…)のFナンバーや発生収差の状況など、前記要素結像素子配列素子(Ae)に即して決める必要があるが、例えばFナンバーが5以上であれば、規定倍率 Ω は1.5から3までの値から選べばよい。
いまの場合、光の進行方向に向かって離散的にz軸方向の位置を増して行き、ΩΦ[j] 以上の光束太さを最初に観測するz座標 z[k] と光束太さ Φ[k] 、および、さらに離散的にz軸方向の位置を増した、隣のz座標 z[k+1] と光束太さ Φ[k+1] を求める。
そうすれば、光束太さ Φ[k] を与える線分(dk)と前記個別出力像点(P1)とから成る3角形と、光束太さ Φ[k+1] を与える線分(dk’)と前記個別出力像点(P1)とから成る3角形は相似であると見れば、初等的な幾何学の比例計算により、前記個別出力像点(P1)のz座標 zp を、以下の式(式3)
zp = (Φ[k+1]z[k]−Φ[k]z[k+1]) / (Φ[k+1]−Φ[k])
のように求めることができる。
あるいは、光の進行方向とは逆の方向に向かって離散的にz軸方向の位置を減じて行き、ΩΦ[j] 以上の光束太さを最初に観測するz座標 z[i] と光束太さ Φ[i] 、および、さらに離散的にz軸方向の位置を減じた、隣のz座標 z[i−1] と光束太さ Φ[i−1] を求める。
そうすれば、同様に、光束太さ Φ[i] を与える線分(di)と前記個別出力像点(P1)とから成る3角形と、光束太さ Φ[i−1] を与える線分(di’)と前記個別出力像点(P1)とから成る3角形は相似であると見れば、初等的な幾何学の比例計算により、前記個別出力像点(P1)のz座標 zp を、以下の式(式4)
zp = (Φ[i−1]z[i]−Φ[i]z[i−1]) / (Φ[i−1]−Φ[i])
のように求めてもよい。
さらには、前記した式3による zp と式4による zp とを加算して2で除算することにより、両方のz座標の中間点として前記個別出力像点(P1)のz軸方向の位置を推定してもよい。
さらには、Φ[k] から Φ[k+1] への増分に対するz[k] から z[k+1] への増分の比
δz/δΦ = (z[k+1]−z[k]) / (Φ[k+1]−Φ[k])/2
と、Φ[i] と Φ[k] との差異との積から、Φ[i] と同じ光束太さが、z[k] よりどれだけ右(前記積が負の場合は左)に生じているかを推定できるから、推定されたz座標と z[i] との中間点を求めて、以下の式(式5)
zp = { z[i]+z[k]+(δz/δΦ)・(Φ[i]−Φ[k]) }/2
によって前記個別出力像点(P1)のz軸方向の位置を推定することもできる。
なお、ここまで述べた zp の決定の仕方は、個別出力光束(Fo1)の主光線がz軸の方向を向いている状態を図示した図4を参照して説明したが、個別出力光束(Fo1)の主光線がz軸の方向を向いているとは限らない一般的の場合でも、同じ計算によって決定できる。
言うまでもないが、ここまでに説明した前記個別出力像点(P1)の位置の推定方法は、z[k] から z[k+1] への変化など、光軸方向位置の変化に対する、Φ[k] から Φ[k+1] への変化など、集光位置外れ指標値たる光束太さの変化に基づいていることを特徴としている。
前記集光位置外れ指標値の他の例として、光軸に垂直な断面内での光量密度分布における最大密度に逆相関する量をとることが好適であり、本発明においては、この量を逆ピーク密度と称する。
ここで、最大密度に逆相関する量とは、最大密度が大きいほど小さくなる量を指し、最大密度の逆数、あるいは最大密度に負号を付した値として計算すればよい。
先に説明した、前記光束太さを前記集光位置外れ指標値とした場合の前記個別出力像点(P1)の3次元的な位置の決定に関する事項に対し、前記光束太さを前記逆ピーク密度に置き換えて同様に遂行することが可能である。
このとき、規定倍率 Ω の決定に関しても同様である。
ここで、前記した最大密度に関して補足しておくと、あるz座標に対して再構成した光量密度分布における光量密度が最も高い画素の光量密度を最大密度としてもよく、あるいは、いま述べた光量密度が最も高い画素を中心として、規定した相対位置にある、周囲の複数個数の画素からなる領域の光量密度の平均値を最大密度としてもよく、さらには、特定の光線、例えば主光線に対応する画素の光量密度を最大密度としてもよい。
前記集光位置外れ指標値として前記逆ピーク密度をとる利点は、前記光束太さをとる場合に比べ、上で述べた最大密度の何れのとり方であっても、集光位置外れ指標値の決定のために調べる必要のある画素の数が少なく、よって前記処理装置(Up)における計算量が減り、処理の高速化が図れる点である。
前記照明光束(Fi)を平行光束としたことにより、前記総合出力光束(Fo)はテレセントリック、すなわち前記総合出力光束(Fo)が前記撮像素子(Uf)に至るまでの光学系はテレセントリックとなり、撮像素子(Uf)の撮像面に対し、反射後の前記した個別出力光束のそれぞれの主光線が垂直になるようにしたことにより、シミュレーションによって再構成された個別出力光束(Fo1,Fo2,…)の全ての主光線は、z軸に平行になる。
そのため、前記個別出力像点(P1,P2,…)それぞれの3次元的な位置を測定する際に、もし、z座標の決定に誤差があっても、x座標,y座標の決定に影響が及び難いという利点がある。
前記総合出力光束(Fo)がテレセントリックの場合、先に述べた方法によって前記個別出力像点(P1)のz軸方向の位置 zp が決定すれば、x,y軸方向の位置の決定は容易であり、例えば最も簡単には、前記した最も細い光束太さ Φ[j] を与えた、その太さを規定する領域(例えば前記したピーク密度の 1/e^2 となる領域)のx軸方向の幅の中間位置のx座標およびy軸方向の幅の中間位置のy座標を、それぞれ前記個別出力像点(P1)のx,y軸方向の位置 xp,yp とすればよい。
前記総合出力光束(Fo)がテレセントリックでない場合、もしくはテレセントリック性が不完全な場合は、前記線分(di)および前記線分(dk)それぞれの中点のy座標によってz座標 z[i] および z[k] における前記個別出力光束(Fo1)の主光線のy座標 y[i] および y[k] を定めることができることは容易に理解でき、また、同じことをx軸方向に行うことによって、前記個別出力光束(Fo1)の主光線のx座標 x[i] および x[k] を定めることができる。
これらの値と、z軸方向の z[i] から z[k] に至る区間のなかで zp が z[k] の側にどれだけ片寄っているかを表す指標
δz/Δz = (zp −z[i]) / (z[k]−z[i])
を用いれば、前記個別出力像点(P1)のx,y軸方向の位置 xp,yp は、以下の式(式6)
xp = x[i]+(δz/Δz)・(x[k]−x[i])
yp = y[i]+(δz/Δz)・(y[k]−y[i])
によって求められる。
先に、最も細い光束太さ Φ[j] を見出すことについて述べたが、例えば、前記したピーク密度の 1/e^2 となる領域の幅を測定するなどして、最も細い光束太さ Φ[j] を決定した際、それが、測定対象の要素結像素子配列素子を構成する1個の要素結像素子によって実現されるビームウエストでの光束太さ、いわゆるスポット径を測定することができる。
さらには、2次元情報である光量密度分布(プロファイル)を測定、すなわちディジタルデータとして取得し保存することもできる。
前記照明光束生成光学系(Gi)および前記参照光束生成光学系(Gr)、前記撮像光学系(Gf)(の一部)からなる光学系の他の構成について、本発明の光学素子特性測定装置の一部を簡略化して示す模式図である図5を参照して説明する。
図3のものと同様に、可干渉光源(Us)からの光源ビーム(As)は、ビーム分割のためのビームスプリッタ(BS1)によって、照明光束生成光学系用ビーム(Ai)と参照光束生成光学系用ビーム(Ar)とに分割された上で、ビームエキスパンダ(BEr)を介して、必要な太さになるようビームが拡大された平行光束として参照光束(Fr)が生成される。
照明光束(Fi)についても、同様にビームエキスパンダ(BEi)を介して、必要な太さになるようビームが拡大された平行光束として生成されるが、図3のものと相違して、先ずビームスプリッタ(BS2)に入射され、それを透過して、要素結像素子配列素子(Ae)を照明する。
図5においては、要素結像素子配列素子(Ae)は光反射性で、図1のbの形態のミラーアレイを想定しており、平行光束である前記照明光束(Fi)によって基板に垂直に一括して照明されるように本光学素子特性測定装置に配置する。
このとき、前記照明光束(Fi)の光軸をz軸として(ただし光伝播方向は−z方向)、前記要素結像素子配列素子(Ae)は、両z軸が一致するように配置する。
それにより、図3のものと同様に、前記要素結像素子配列素子(Ae)に含まれる要素結像素子それぞれによる反射結像の個別出力像点を形成する、個別出力光束の軸、すなわち主光線は互いに平行となり、よって総合出力光束(Fo)はテレセントリックとなる。
これ以降の前記総合出力光束(Fo)の扱いは、図3のものと全く同様であり、前記ビームスプリッタ(BS2)で反射されて、前記撮像光学系(Gf)のz軸に沿って伝播し、前記参照光束(Fr)と重畳されて撮像素子(Uf)の撮像面上に干渉像(If)を形成する。
前記要素結像素子配列素子(Ae)の前記個別出力像点(P1,P2,…)の近傍の光量密度分布測定の分解能を向上させようとする場合、その方法の一つは、前記干渉像(If)の撮像分解能を上げることであり、そのためには、前記したインライン型ディジタル・ホログラフィ・イメージングとしたり、前記撮像素子(Uf)として画素寸法の小さいものを選択する必要がある。
他の方法は、光学的な拡大機能を利用することであるが、ここまで図3および図5によって具体的に構成を示した光学系は、その機能を有していなかった。
この機能を付与することは、前記個別出力光束(Fo1,Fo2,…)の集合である前記総合出力光束(Fo)が生成されてから、前記参照光束(Fr)と重畳されるまでの光路部分に対し、レンズ等から構成される変倍光学系を挿入して、前記総合出力光束(Fo)を拡大された光束、すなわち変倍総合出力光束に変換することにより実現することが可能である。
ただし、その際、前記した前記総合出力光束(Fo)のテレセントリック性が変倍総合出力光束においても維持されるようにすることが望ましく、それを実現するためには、挿入する変倍光学系をアフォーカル系(望遠系)とすればよいことが容易に理解できる。
前記照明光束生成光学系(Gi)および前記参照光束生成光学系(Gr)、前記撮像光学系(Gf)(の一部)からなる光学系で、光学的拡大機能を有するものの構成について、本発明の光学素子特性測定装置の一部を簡略化して示す模式図である図6を参照して説明する。
本図の光学系は、図3のものに比して、正の光学的パワーを有するレンズ(Lg1,Lg2)を共焦点配置することによって、アフォーカル系として構成した変倍光学系(Lg)を、測定対象レンズアレイたる要素結像素子配列素子(Ae)とビームスプリッタ(BS2)との間に挿入してある点が相違している。
このように構成することにより、テレセントリックの前記総合出力光束(Fo)がテレセントリックの変倍総合出力光束(Fo’)に変換され、該変倍総合出力光束(Fo’)と参照光束(Fr)とがビームスプリッタ(BS2)によって重畳されて撮像素子(Uf)に照射され、干渉像(If)が撮像される。
当然、このようにして取得した干渉像データ(Df)に基づいて再構成された個別出力像点(P1,P2,…)の像は、分解能が前記変倍光学系の倍率の分だけ向上する。
前記照明光束生成光学系(Gi)および前記参照光束生成光学系(Gr)、前記撮像光学系(Gf)(の一部)からなる光学系で、光学的拡大機能を有するものの、他の構成について、本発明の光学素子特性測定装置の一部を簡略化して示す模式図である図7を参照して説明する。
本図の光学系は、図5のものに比して、正と負の光学的パワーを有するレンズ(Lg1’,Lg2’)を共焦点配置することによって、アフォーカル系として構成した変倍光学系(Lg’)を、測定対象ミラーアレイたる要素結像素子配列素子(Ae)とビームスプリッタ(BS2)との間に挿入してある点が相違している。
このように構成することにより、ビームエキスパンダ(BEi)からの平行光束の照明光束(Fi)が前記変倍光学系(Lg’)によって太さが縮小された平行光束の照明光束(Fi)となって図5のものと同様に前記要素結像素子配列素子(Ae)を照明し、反射結像による総合出力光束(Fo)を生成する。
前記変倍光学系(Lg’)が前記総合出力光束(Fo)に作用することにより、テレセントリックの前記総合出力光束(Fo)がテレセントリックの変倍総合出力光束(Fo’)に変換され、該変倍総合出力光束(Fo’)と参照光束(Fr)とがビームスプリッタ(BS2)によって重畳されて撮像素子(Uf)に照射され、干渉像(If)が撮像される。
なお、変倍光学系として、図6の光学系では正と正の光学的パワーを有する2個の前記レンズ(Lg1,Lg2)を共焦点配置した前記変倍光学系(Lg)を、図7の光学系では正と負の光学的パワーを有する2個の前記レンズ(Lg1’,Lg2’)を共焦点配置した前記変倍光学系(Lg’)を使用したが、図6のものを正と負の光学的パワーを有するレンズによるもの、図7のものを正と正の光学的パワーを有するレンズによるものとしても構わず、それぞれの光学系の特徴に合わせて設計すればよい。
前記照明光束生成光学系(Gi)および前記参照光束生成光学系(Gr)、前記撮像光学系(Gf)(の一部)からなる光学系で、光学的拡大機能を有するものの、さらなる構成について、本発明の光学素子特性測定装置の一部を簡略化して示す模式図である図8および図9を参照して説明する。
図6および図7の光学系では、平行光束の前記参照光束(Fr)と、テレセントリックの前記変倍総合出力光束(Fo’)とを、それぞれ前記ビームスプリッタ(BS2)に入射させたが、図8および図9の光学系では、ビームスプリッタ(BS2’)と撮像素子(Uf)との間に挿入した共通のレンズ(Lc)を経ることによって、平行光束の参照光束(Fr)と、テレセントリックの変倍総合出力光束(Fo’)とが、それぞれ生成されるようにしてある。
すなわち、レンズ(Lr)とコリメータレンズとしての前記レンズ(Lc)とを共焦点配置することによってビームエキスパンダが形成されて前記参照光束(Fr)が生成されており、また、拡大用負レンズ(Lgs)と前記レンズ(Lc)とを共焦点配置することによってアフォーカル系の変倍光学系が形成され、これに要素結像素子配列素子(Ae)からの総合出力光束(Fo)を入力することにより、変倍総合出力光束(Fo’)が生成されるのである。
ただし、図9の光学系では、レンズ(Li1,Li2)から構成されるレンズ系(Lpi)は、光束を一旦太くして前方で集光する照明用集束光束(Fi’)を生成するもので、前記レンズ系(Lpi)と前記拡大用負レンズ(Lgs)とを共焦点配置することによって、平行光束の照明光束(Fi)を生成している。
このとき前記レンズ系(Lpi)はビームエキスパンダではないが、前記レンズ(Li1)の集光点にピンホール開口を設け、空間周波数フィルタの機能を付与することが可能である。
なお、平行光束でない参照光用光束(Fr’)や前記照明用集束光束(Fi’)が透過するビームスプリッタ(BS2’)は、プリズム型のものを使用することが望ましい。
その理由は、プリズム型ビームスプリッタであれば、透過・反射両方に際して、光軸に垂直な平行平板と同じ働きをするため、非点収差的な収差が発生しないからである。
ただし、厚い平行平板が挿入される訳であるから、狭義球面収差は発生するため、必要に応じて収差補正をすべきである。
一方、図3、図5、図6、図7に記載したハーフミラー型の前記ビームスプリッタ(BS2)の場合、反射に際しては収差は発生しないものの、透過に際しては、平行平板が光軸に対して45度傾いて挿入されているため、非点収差的な収差が発生する可能性があるが、これらの図の光学系では、透過させるものを、平行光束である前記参照光束(Fr)とすることによって収差の問題を回避している。
以上においては、前記変倍光学系が拡大光学系である場合について述べたが、例えば前記要素結像素子配列素子(Ae)が大き過ぎて前記撮像素子(Uf)による撮像が困難で、逆に前記総合出力光束(Fo)を縮小したい場合には、前記変倍光学系を縮小光学系とすればよく、その場合の光学系の設計の指針は、これまでに述べた指針に対して、概念を拡大から縮小に変更して同様に適用可能である。
先に図1のcに示したような、球殻状の基板上に存在して、前記要素結像素子(E1,E2,…)それぞれの光軸(H1,H2,…)が放射状であるような前記要素結像素子配列素子(Ae)の個別出力像点(P1,P2,…)の測定のために、例えば図3や図6に記載した本発明の光学系を用いることは可能である。
しかし、その場合は、要素結像素子配列素子の中心部の要素結像素子を除き、各要素結像素子へは軸外の無限遠像が入力されるため、個別出力像点(P1,P2,…)は、コマや非点収差などの軸外収差が伴ったものとなる。
それでも、軸外の程度が小さく、要素結像素子のFナンバーが大きい、という条件が成立する場合は、これまで述べて来たような要素結像素子配列素子に関する測定を支障なく行うことが可能である。
しかし、この条件が成立しない場合は、前記した軸外収差の影響で正確な測定が出来ない可能性がある。
このような状況に対応するための、前記照明光束生成光学系(Gi)および前記参照光束生成光学系(Gr)、前記撮像光学系(Gf)(の一部)からなる光学系の構成について、本発明の光学素子特性測定装置の一部を簡略化して示す模式図である図10を参照して説明する。
本図の光学系は、図6の光学系を基本として、前記ビームエキスパンダ(BEi)を、正の光学的パワーを有する発散照明用のレンズ(Lid)に置き換え、また、前記要素結像素子配列素子(Ae)からの前記総合出力光束(Fo)のテレセントリック性を維持しながら拡大するための前記変倍光学系(Lg)を、テレセントリックでない要素結像素子配列素子(Ae)からの総合出力光束(Fo)をテレセントリックな変倍総合出力光束(Fo’)に変換するための、また変倍光学系を兼ねたレンズ(Lgt)に置き換えたものである。
前記レンズ(Lid)の集光点を前記要素結像素子配列素子(Ae)の主光線が集中する点に一致させることにより、前記した軸外収差の発生が抑えられる。
また、前記レンズ(Lgt)の入力側焦点を、前記要素結像素子配列素子(Ae)の主光線が集中する点に一致させることにより、変倍総合出力光束(Fo’)はテレセントリック光束となる。
なお、前記要素結像素子配列素子(Ae)の主光線が集中する点が十分遠方にある場合、前記総合出力光束(Fo)の拡大機能が不要なら、前記レンズ(Lgt)を省略することができる。
また、前記した前記要素結像素子配列素子(Ae)の主光線が集中する箇所が理想的な点でなく、ある大きさを持った領域に過ぎない場合でも、いま上で述べた光学系は有効に機能する。
前記要素結像素子配列素子(Ae)の前記要素結像素子(E1,E2,…)それぞれの光学的パワーを測定したい場合、前記したz軸方向の前記個別出力像点(P1,P2,…)の位置の測定のみでは不十分である。
その理由は、個別出力像点のz軸方向の位置は、前記要素結像素子配列素子(Ae)における要素結像素子の位置と光学的パワーの両方によって決まるからであり、例えば前記個別出力像点(P1,P2,…)のz軸方向の位置がバラついて測定された場合、その原因が、前記要素結像素子(E1,E2,…)のz軸方向の位置のバラツキによるものか、光学的パワーのバラツキによるものか、あるいは両方がバラついているのかは不明である。
よって、前記要素結像素子(E1,E2,…)それぞれの光学的パワーを測定できれば、前記要素結像素子(E1,E2,…)のz軸方向の位置のバラツキも測定できることになる。
前記要素結像素子(E1,E2,…)それぞれの光学的パワーを測定するには、前記照明光束(Fi)の波面を変更し、変更後において再構成した光量密度分布に基づく個別出力像点(P1’,P2’,…)の3次元的な位置の測定値と、変更前において再構成した光量密度分布に基づく個別出力像点(P1,P2,…)の3次元的な位置の測定値との差異を評価することにより実現することができる。
前記照明光束(Fi)の波面を変更する形態としては、照明光束(Fi)が平行光束の場合は、光軸との成す角度を微小に変化させることが好適であり、これを実現するための、前記照明光束生成光学系(Gi)および前記参照光束生成光学系(Gr)、前記撮像光学系(Gf)(の一部)からなる光学系の具体的な構成について、本発明の光学素子特性測定装置の一部を簡略化して示す模式図である図11を参照して説明する。
本図の光学系は、図6のものを基本として、前記ビームエキスパンダ(BEi)の位置を、前記ミラー(Mi)での反射後の位置から反射前の位置に移動するとともに、前記ミラー(Mi)を、微動機構(Um)を有する角度微動ミラー(Mim)に置き換えたものである。
図1のbに記載したように、前記角度微動ミラー(Mim)の回転に伴う前記照明光束(Fi)の角度変化 θ により、個別出力像点(P1,P2,…)がそれぞれ個別出力像点(P1’,P2’,…)への移動距離(δ1,δ2,…)を測定したとすると、要素結像素子の光学的パワー Ψ と、個別出力像点の移動量 δ とは、以下の式(式7)
δ = θ/Ψ
の関係があるから、それぞれの要素結像素子の光学的パワーを算出することができる。
なお、図示した前記微動機構(Um)を有する前記角度微動ミラー(Mim)の代わりに、図6に2点鎖線で記載したように、前記照明光束(Fi)の光路に対して楔型ガラス板(Uw)を挿抜する簡易的な構成によっても、前記した前記照明光束(Fi)の微小な角度変化を実現することが可能である。
一方、照明光束(Fi)が平行光束ではなく、例えば図10の光学系のような場合、前記照明光束(Fi)の波面を変更する形態としては、z軸に垂直な方向への前記レンズ(Lid)の集光点の微小移動により実現させることが好適である。
この図の光学系の場合、ミラー(Mi)と前記レンズ(Lid)とを、一体的に矢印(x)の方向に微小移動させるか、あるいは前記ミラー(Mi)を前記角度微動ミラー(Mim)と同様の角度微動ミラーとし、反射角を微小回転させることにより、それを実現することが可能である。
ただし、この場合、前記レンズ(Lid)の集光点の微小移動による個別出力像点(P1,P2,…)から個別出力像点(P1’,P2’,…)への移動にはz軸方向の移動も伴うため、前記したものほど単純ではないが、本来起きるべき移動の様子は計算により予測可能であるから、それと測定された移動の様子との比較に基づき、前記した式7を利用してそれぞれの要素結像素子の光学的パワーを算出することができる。
前記撮像素子(Uf)としては、通常、市販品を選択して使用するため、撮像面の寸法の大きさには限度があるが、被測定対象の前記要素結像素子配列素子(Ae)の用途は様々であるため、光学素子特性測定装置としては、可及的大きい要素結像素子配列素子を受容できることが望ましい。
その上、前記総合出力光束(Fo)に対して拡大光学系を適用することもあるため、前記要素結像素子配列素子(Ae)1個に関する前記干渉像(If)の撮像を1回で済ませることが出来ず、よって複数回に分割した撮像を行うことが可能なように、予め考慮しておく必要がある。
このことは、前記撮像光学系(Gf)の光軸(z)に対して垂直な方向に、移動制御信号に従って、前記撮像光学系(Gf)と前記要素結像素子配列素子(Ae)との相対位置を移動させる移動機構(Uxy)を本光学素子特性測定装置の光学系に設けることにより実現することができる。
前記照明光束(Fi)が前記要素結像素子配列素子(Ae)に平行光束を照射するものの場合は、前記要素結像素子配列素子(Ae)との相対位置を自由に移動できるため、図7に2点鎖線で記載したように、前記移動機構(Uxy)として、精密な位置決めが可能なXYステージを設けて、それに前記要素結像素子配列素子(Ae)を保持するマウント機構を設置する構成をとることが好適である。
一方、図10に記載の光学系のように、前記照明光束(Fi)が平行光束でない場合は、前記照明光束(Fi)と前記要素結像素子配列素子(Ae)との相対位置を自由に移動できないため、前記移動機構(Uxy)として、精密な位置決めが可能なXYステージを設けて、それに撮像素子(Uf)を設置する構成をとることが好適である。
複数回に分割して撮像した前記干渉像データ(Df)から前記処理装置(Up)が前記個別出力像点(P1,P2,…)の全ての位置を確定できるためには、複数回に分割して撮像した前記干渉像データ(Df)のそれぞれから再構成されるフレームの境界部には、共通の個別出力像点が現れるようにし、それを商として各フレーム毎の個別出力像点の位置を測定した情報を統合する必要がある。
そのため、前記移動制御信号は、前記処理装置(Up)が生成するように構成することが好適である。
一方、前記要素結像素子配列素子(Ae)が比較的大きいが、例えば測定時間の短縮のために、前記した複数回に分割した撮像を採用できないなどの場合は、前記総合出力光束(Fo)が前記撮像素子(Uf)に至るまでの光学系をテレセントリックとすることを断念し、前記総合出力光束(Fo)が前記撮像素子(Uf)に至るまでの光学系の射出瞳が前記撮像素子の撮像面の近傍に来るようにすればよい。
このように光学系を設計することにより、前記要素結像素子配列素子(Ae)の全ての前記要素結像素子(E1,E2,…)からの前記個別出力光束(Fo1,Fo2,…)の主光線が前記撮像素子の撮像面の中心付近に集まるから、再構成された1枚のフレームに前記個別出力像点(P1,P2,…)の全てを収めるようにすることができる。
このような光学系を実現することは、前記した変倍光学系の挿入について述べたことと同様で、前記変倍総合出力光束(Fo’)がテレセントリック、すなわち主光線が無限遠に行くようにした代わりに、全ての主光線が前記撮像素子の撮像面の中心付近に来るようにすればよい。
例えば、図3に記載の光学系に対し、射出瞳が前記撮像素子の撮像面に来るように変更を加えたい場合、最も簡単には、前記要素結像素子配列素子(Ae)と前記ビームスプリッタ(BS2)との間の前記総合出力光束(Fo)に凸レンズを挿入し、その出力側焦点が前記撮像素子の撮像面の中心付近に来るように配置すればよい。
このとき、挿入した凸レンズと前記要素結像素子配列素子(Ae)との距離を調整することにより、挿入した凸レンズによる倍率を調整することができる。
以上、本発明の光学素子特性測定装置の構成や諸量の評価方法等について説明したが、本光学素子特性測定装置の重要な応用例の一つとして、レンズアレイやミラーアレイのための光学素子検査装置がある。
前記個別出力像点(P1,P2,…)それぞれの3次元的な位置を始め、前記要素結像素子(E1,E2,…)それぞれの光学的パワーや前記個別出力像点(P1,P2,…)それぞれの近傍でのスポット径を測定できることを述べたが、予め前記個別出力像点(P1,P2,…)それぞれの3次元的な位置についてのあるべき位置の情報や、必要であればさらに加えて、前記要素結像素子(E1,E2,…)それぞれの光学的パワーやスポット径についての期待される正常値の範囲に関する情報を、前記したようにインターフェイスを介して外部から前記処理装置(Up)が受信しておいた上で、測定によって得た前記個別出力像点(P1,P2,…)それぞれの3次元的な位置について、そのあるべき位置との差異をさらに測定したり、差異が規定範囲内にあるか否かを検査したり、必要に応じて前記要素結像素子(E1,E2,…)それぞれの光学的パワーやスポット径について、期待される正常値の範囲内にあるか否かを評価し、評価結果を外部に送信するようにすることができる。
また、前記個別出力像点(P1,P2,…)それぞれの近傍の光量密度分布については、正常なプロファイルとの差異の有無や、例えば軸対称性などについても評価し、同じく評価結果を外部に送信するようにすることができる。
本発明の光学素子特性測定装置の特に光学系の構成につき、若干補足しておく。
前記撮像素子(Uf)のダイナミックレンジを有効に利用するためには、前記撮像素子(Uf)の撮像面における、前記総合出力光束(Fo)や前記変倍総合出力光束(Fo’)の照度と、前記参照光束(Fr)の照度とは概ね等しいことが望ましく、よって、条件に応じて前記参照光束生成光学系用ビーム(Ar)と前記照明光束生成光学系用ビーム(Ai)の強度のバランスを変化させることができるよう、一方に対し他方を減光させる光減衰器などを設けるとよい。
前記参照光束(Fr)と前記総合出力光束(Fo)や前記変倍総合出力光束(Fo’)とを合波するための前記ビームスプリッタ(BS2’)等については、これを偏光ビームスプリッタとすることによって、透過させたい光束と反射させたい光束とで偏波面を90度相違させ、透過させたい光束の反射や、反射させたい光束の透過を抑えることにより、光の利用効率を高めたり、迷光を防止したりすることができ、そのために2分の1波長版や4分の1波長版を利用するとよい。
図示した光学系においては、前記光源ビーム(As)を前記ビームスプリッタ(BS1)で分離して生成した前記照明光束生成光学系用ビーム(Ai)と前記参照光束生成光学系用ビーム(Ar)とを、空中を飛ばすことによって、前記照明光束生成光学系(Gi)と前記参照光束生成光学系(Gr)とに導くものを例示したが、例えば光ファイバを使用した光回路技術を利用して、光ファイバ中に導かれた光源からの光に対し、方向性結合器によって照明光用の光と参照光用の光とに分離し、光ファイバによって前記照明光束生成光学系(Gi)と前記参照光束生成光学系(Gr)とに導くようにしてもよい。
その際に用いる光ファイバの種類としては、偏波保存型シングルモードファイバを選択することが好適である。
本発明は、凹面や凸面の屈折面を有するレンズ、あるいは屈折媒体が特定屈折率分布を有することによって実現されるレンズ、同心円状の透過型回折格子によって実現されるレンズ、凹面や凸面の反射面を有するミラー、同心円状の反射型回折格子によって実現されるミラー等々の、正または負の光学的パワーを有する要素結像素子について、その複数個が、1次元方向または2次元面内に配列されて、一体化して構成されたレンズアレイ、あるいはミラーアレイなどの光学素子の特性を測定するための光学素子特性測定装置を設計・製造する産業において利用可能である。
a 直線
a’ 直線
Ae 要素結像素子配列素子
Ai 照明光束生成光学系用ビーム
Ar 参照光束生成光学系用ビーム
As 光源ビーム
BEi ビームエキスパンダ
BEr ビームエキスパンダ
BS1 ビームスプリッタ
BS2 ビームスプリッタ
BS2’ ビームスプリッタ
Df 干渉像データ
di 線分
di’ 線分
dk 線分
dk’ 線分
E1 要素結像素子
E2 要素結像素子
Fi 照明光束
Fi’ 照明用集束光束
Fo 総合出力光束
Fo’ 変倍総合出力光束
Fo1 個別出力光束
Fo2 個別出力光束
Fr 参照光束
Fr’ 参照光用光束
fw 曲線
fw’ 曲線
Gf 撮像光学系
Gi 照明光束生成光学系
Gr 参照光束生成光学系
H1 光軸
H2 光軸
If 干渉像
Lc レンズ
Lg 変倍光学系
Lg’ 変倍光学系
Lg1 レンズ
Lg1’ レンズ
Lg2 レンズ
Lg2’ レンズ
Lgs 拡大用負レンズ
Lgt レンズ
Li1 レンズ
Li2 レンズ
Lic コリメータレンズ
Lid レンズ
Lif 集光レンズ
Lpi レンズ系
Lr レンズ
Lrc コリメータレンズ
Lrf 集光レンズ
Mi ミラー
Mim 角度微動ミラー
Mr ミラー
P1 個別出力像点
P1’ 個別出力像点
P2 個別出力像点
P2’ 個別出力像点
TFT 薄膜トランジスタ
Ua ピンホール開口
Uf 撮像素子
Um 微動機構
Up 処理装置
Us 可干渉光源
Uw 楔型ガラス板
Uxy 移動機構
x 矢印
z 光軸
δ1 移動距離
δ2 移動距離

Claims (13)

  1. 正または負の光学的パワーを有する複数の要素結像素子(E1,E2,…)の配列として構成された要素結像素子配列素子(Ae)の特性を測定するための光学素子特性測定装置であって、前記要素結像素子配列素子(Ae)に存在する前記要素結像素子(E1,E2,…)の少なくとも一部に一括して入射させる照明光束(Fi)を生成する照明光束生成光学系(Gi)と、前記要素結像素子配列素子(Ae)が作用することによって前記照明光束(Fi)から生成された前記要素結像素子(E1,E2,…)それぞれの個別出力像点(P1,P2,…)を形成するそれぞれの個別出力光束(Fo1,Fo2,…)の集合からなる総合出力光束(Fo)に対し、これと可干渉であり、かつ該総合出力光束(Fo)と重畳する参照光束(Fr)を生成する参照光束生成光学系(Gr)と、前記参照光束(Fr)を前記総合出力光束(Fo)と重畳することによって生じる干渉像(If)を撮像して該干渉像(If)の明るさ分布をディジタルデータ化した干渉像データ(Df)を生成する撮像素子(Uf)を有する撮像光学系(Gf)と、前記干渉像データ(Df)を受信して記憶するとともに、記憶した前記干渉像データ(Df)を読出して規定の計算処理を行うことが可能な処理装置(Up)とを有し、該処理装置(Up)は、前記干渉像データ(Df)に基づく計算によって前記個別出力像点(P1,P2,…)それぞれの3次元的な位置を測定することを特徴とする光学素子特性測定装置。
  2. 前記撮像光学系の光軸方向での前記個別出力像点(P1,P2,…)の位置を測定する際は、前記個別出力光束(Fo1,Fo2,…)のそれぞれについて、ビームウエストを含む光軸方向位置の範囲内にある光軸方向位置での光軸に垂直な断面内での光量密度分布に基づいて、前記光軸方向位置が前記個別出力像点(P1,P2,…)からの外れ量の大きさに相関する集光位置外れ指標値を算出し、ビームウエスト近傍における前記集光位置外れ指標値に対し、規定倍率を乗じた値以上の集光位置外れ指標値が見出される光軸方向位置における、光軸方向位置の変化に対する集光位置外れ指標値の変化に基づいて前記個別出力像点(P1,P2,…)の位置を推定することを特徴とする請求項1に記載の光学素子特性測定装置。
  3. 前記集光位置外れ指標値が、光束太さであることを特徴とする請求項2に記載の光学素子特性測定装置。
  4. 前記集光位置外れ指標値が、光軸に垂直な断面内での光量密度分布における最大密度に逆相関する量である逆ピーク密度であることを特徴とする請求項2に記載の光学素子特性測定装置。
  5. 前記総合出力光束(Fo)が前記撮像素子(Uf)に至るまでの光学系がテレセントリックであることを特徴とする請求項1に記載の光学素子特性測定装置。
  6. 前記照明光束生成光学系(Gi)は、少なくとも前記したそれぞれの3次元的な位置を測定しようとする前記個別出力像点(P1,P2,…)を生成する前記要素結像素子(E1,E2,…)の全てについて、各要素結像素子毎に定めた主光線に一致する、方向が一様でない光線群からなる前記照明光束(Fi)を生成することを特徴とする請求項1に記載の光学素子特性測定装置。
  7. 前記照明光束生成光学系(Gi)は、前記照明光束(Fi)の波面を変更することができるように構成され、波面の変更後においても前記干渉像(If)を撮像することによって、波面の変更の後における前記要素結像素子(E1,E2,…)それぞれが生成する個別出力像点(P1’,P2’,…)のそれぞれの3次元的な位置を測定し、波面の変更の前における前記個別出力像点(P1,P2,…)の位置から、波面の変更の後におけるそれぞれ対応する前記個別出力像点(P1’,P2’,…)の位置への変化を測定し、該測定の結果に基づき前記要素結像素子(E1,E2,…)それぞれの光学的パワーを測定することを特徴とする請求項1に記載の光学素子特性測定装置。
  8. 前記個別出力像点(P1,P2,…)毎に、その近傍の光量密度分布を測定することを特徴とする請求項1に記載の光学素子特性測定装置。
  9. 前記参照光束(Fr)が重畳する対象を、前記総合出力光束(Fo)に替えて、前記総合出力光束(Fo)に変倍光学系を作用させて生成した変倍総合出力光束(Fo’)としたことを特徴とする請求項1に記載の光学素子特性測定装置。
  10. 前記撮像光学系(Gf)の光軸(z)に対して垂直な方向に、移動制御信号に従って、前記撮像光学系(Gf)と前記要素結像素子配列素子(Ae)との相対位置を移動させるための移動機構(Uxy)を有することを特徴とする請求項1に記載の光学素子特性測定装置。
  11. 前記総合出力光束(Fo)が前記撮像素子(Uf)に至るまでの光学系の射出瞳が前記撮像素子の撮像面の近傍に存在することを特徴とする請求項1に記載の光学素子特性測定装置。
  12. 前記総合出力光束(Fo)が、前記要素結像素子配列素子(Ae)から透過して生成されるように前記照明光束(Fi)を与えることを特徴とする請求項1に記載の光学素子特性測定装置。
  13. 前記総合出力光束(Fo)が、前記要素結像素子配列素子(Ae)から反射して生成されるように前記照明光束(Fi)を与えることを特徴とする請求項1に記載の光学素子特性測定装置。
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