JPH1139732A - 樹脂板製造用鋳型の製造方法および樹脂板の製造方法 - Google Patents

樹脂板製造用鋳型の製造方法および樹脂板の製造方法

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JPH1139732A
JPH1139732A JP18844597A JP18844597A JPH1139732A JP H1139732 A JPH1139732 A JP H1139732A JP 18844597 A JP18844597 A JP 18844597A JP 18844597 A JP18844597 A JP 18844597A JP H1139732 A JPH1139732 A JP H1139732A
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Hisao Nishikawa
尚男 西川
Atsushi Takakuwa
敦司 高桑
Satoshi Nehashi
聡 根橋
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 原盤を破壊せずに金属原盤を複製することが
可能な樹脂板製造用鋳型の製造技術を提供する。 【解決手段】 記録面に形成された凹凸形状を樹脂板に
転写するための樹脂板製造用鋳型の製造方法であって、
(a) 凹凸形状が形成された原盤の記録面に樹脂層を形
成する樹脂層形成工程と、(b) 原盤の記録面から硬化
した樹脂層を剥離する樹脂層剥離工程と、(c) 剥離さ
れた樹脂層の凹凸形状が転写された記録面に、電鋳によ
り金属層を形成する電鋳工程と、(d) 樹脂層の凹凸形
状が転写された記録面から金属層を剥離することによ
り、原盤の凹凸形状が複写された金属原盤を形成する金
属原盤形成工程と、を備えて構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光記録媒体のよう
に、表面に凹凸形状が形成された樹脂板を製造するため
の鋳型に係り、特に、精密に加工されたシリコン等の原
盤からさらに金属原盤を複製するための樹脂板製造用鋳
型の製造方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコン又は石英を鋳型、例えば光記録
媒体のスタンパとして使用する技術が特開平5−220
751号公報に記載されている。シリコン等を鋳型の材
料に使用すると高い精度で加工ができるため、この技術
は高密度記録用のスタンパを製造する上で好ましい。た
だし、この技術ではシリコン等のやや脆い材料をスタン
パとするため、一つのスタンパから光記録媒体等の樹脂
板を大量生産することができない。
【0003】そこで、シリコン等で形成した原盤から、
凹凸形状を金属原盤に複写し、金属原盤により実際の樹
脂板を製造するという技術が考案されている。例えば、
特開平4-259936号公報や特開平4-259938号公報には、凹
凸形状を形成したシリコンウェハ上に金属薄膜および酸
化膜を付着形成させ、さらに電鋳で金属を形成すること
によりスタンパを製造する技術が開示されている。特願
平4-299937号、特願平4-310624号および特願平4-311833
号に係る発明も、これと同様な方法で光記録媒体を製造
するものである。
【0004】しかし、これら従来技術には、シリコンの
原盤から金属原盤を複製する際に、シリコンの記録面に
形成したメッキ層が剥がれたり、メッキ層の応力により
原盤が壊れてしまったりするという不都合が生ずる場合
があった。一般に、シリコンは金属に比べて脆く、メッ
キ層との密着力も弱いことが原因であると考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の第1
の課題は、上記問題点に鑑み、原盤からメッキが剥がれ
たり原盤に応力が作用したりするおそれのない材料を用
いて原盤の凹凸形状を転写し、それから金属原盤を製造
することにより、原盤を破壊せずに金属原盤を複製する
ことが可能な樹脂板製造用鋳型の製造技術を提供するこ
とである。
【0006】そこで、本発明の第2の課題は、原盤の凹
凸形状を金属原盤に複写するのに適する材料を提供する
ことにより、原盤を破壊せずに金属原盤を複製すること
が可能な樹脂板製造用鋳型の製造技術を提供することで
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明は
第1の課題を解決するものであり、記録面に形成された
凹凸形状を樹脂板に転写するための樹脂板製造用鋳型の
製造方法であって、(a) 凹凸形状が形成された原盤の
記録面に樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、(b) 前
記原盤の記録面から硬化した前記樹脂層を剥離する樹脂
層剥離工程と、(c) 剥離された前記樹脂層の凹凸形状
が転写された記録面に、電鋳により金属層を形成する電
鋳工程と、(d) 前記樹脂層の凹凸形状が転写された記
録面から前記金属層を剥離することにより、前記原盤の
凹凸形状が複写された金属原盤を形成する金属原盤形成
工程と、を備えて構成される。
【0008】なお、電鋳(electroforming)とは、電気
分解による電着を利用して、鋳型で鋳物を作るように原
形と同じ物を精密に複製する方法をいい、物質の表面を
金属の薄膜で被覆する電気めっき(electroplating)等
の技術をいう。原盤の材料としては、結晶若しくは非結
晶のシリコンの他、石英等が挙げられる。金属原盤の材
料としては、ニッケル、その合金またはその化合物のう
ちいずれかの他、Cu,Ag,Au,Cr,Ti,F
e,Znのいずれか一種からなる金属、これら二種以上
からなる合金またはこれらのうち少なくとも一種を含む
化合物等が挙げられる。
【0009】また、凹凸形状とは、意図的に形成する面
上の起伏をいう。例えば情報を光記録媒体に記録するた
めのピットをいう。
【0010】請求項2に記載の発明は第1の課題を解決
するものであり、前記電鋳工程は、(a) 前記樹脂層の
凹凸形状が転写された記録面に、導電性のある導電膜を
形成する導電膜形成工程と、(b) 前記記録面に形成さ
れた導電膜の表面に金属を電着させて前記金属層を形成
する電着工程と、を備える請求項1に記載の樹脂板製造
用鋳型の製造方法である。
【0011】なお、電着(electrodeposition)とは、
電気分解によりある物質が析出して電極の表面に付着す
ることをいう。導電膜の材料としては、ニッケル、その
合金またはその化合物のうちいずれかの他、Cu,A
g,Au,Cr,Ti,Fe,Znのいずれか一種から
なる金属、これら二種以上からなる合金またはこれらの
うち少なくとも一種を含む化合物等が挙げられる。
【0012】請求項3に記載の発明は第1の課題を解決
するものであり、前記原盤への凹凸形状の形成は、(a)
前記原盤の記録面にフォトレジスト層を形成するフォ
トレジスト層形成工程と、(b) 前記原盤の記録面に形
成された前記フォトレジスト層を所定のパターンに露光
する露光工程と、露光された前記フォトレジスト層を現
像する現像工程と、(c) 前記現像されたフォトレジス
トが残された記録面をエッチングするエッチング工程
と、(d) エッチングされた前記記録面からフォトレジ
ストを除去する除去工程と、により行われる請求項1に
記載の樹脂板製造用鋳型の製造方法である。
【0013】請求項4に記載の発明は第1の課題を解決
するものであり、前記樹脂層形成工程により形成された
樹脂層に、当該樹脂層の強度を増大させる補強材を張り
合わせる補強工程をさらに備えた請求項1に記載の樹脂
板製造用鋳型の製造方法である。
【0014】請求項5に記載の発明は第2の課題を解決
するものであり、前記原盤の組成はシリコンまたは石英
である請求項1に記載の樹脂板製造用鋳型の製造方法で
ある。
【0015】請求項6に記載の発明は第2の課題を解決
するものであり、前記金属原盤の組成はニッケル、その
合金またはその化合物のうちいずれかである請求項1に
記載の樹脂板製造用鋳型の製造方法である。
【0016】請求項7に記載の発明は第2の課題を解決
するものであり、樹脂層の成形材料は、エネルギーを与
えることによって硬化する樹脂である請求項1に記載の
樹脂板製造用鋳型の製造方法である。
【0017】請求項8に記載の発明は第2の課題を解決
するものであり、樹脂板の成形材料に与えられるエネル
ギーは、光若しくは熱のうちいずれか一方または光およ
び熱の双方のうちいずれかである請求項7に記載の樹脂
板の製造方法である。
【0018】請求項9に記載の発明は第2の課題を解決
するものであり、樹脂板の成形材料は、紫外線硬化型の
アクリル系樹脂である請求項7に記載の樹脂板の製造方
法である。
【0019】請求項10に記載の発明は第1の課題を解
決するものであり、請求項1乃至請求項9のいずれか一
項に記載の樹脂板製造用鋳型の製造方法で製造された鋳
型を使用することによる樹脂板の製造方法において、前
記凹凸形状が形成された前記金属原盤の記録面に成形材
料を設け、前記成形材料が硬化した後に、前記金属原盤
から当該硬化した樹脂板を剥離する工程を備えたことを
特徴とする樹脂板の製造方法である。
【0020】なお、樹脂板とは、一般的な成形材料によ
り形成される樹脂の板をいい、表面が平面であると曲面
であるとを問わない。例えば光記録媒体である円盤状の
ディスクをいう。
【0021】請求項11に記載の発明は第1の課題を解
決するものであり、請求項10に記載の樹脂板の製造方
法において、前記樹脂板上にこの樹脂板を補強するため
の基板を重ね合わせて設ける工程をさらに含む樹脂板の
製造方法である。
【0022】
【発明の実施の形態】次に、本発明の好適な実施の形態
を図面を参照して説明する。
【0023】本実施形態は、光記録媒体の製造に使用す
る鋳型(以下スタンパという)として、まずシリコン原
盤に情報を凹凸形状の形式で記録し、これから金属(ニ
ッケル)原盤を複製する。以下、凹凸形状を形成したシ
リコン原盤をスタンパといい、このスタンパの凹凸形状
を複写した金属原盤を金属スタンパという。シリコン原
盤はいわゆるマスターディスクであり、金属原盤は実際
の光記録媒体を製造する本来いうところのスタンパであ
る。
【0024】本実施形態のスタンパ1は、図1に示すよ
うに円盤形状の原盤100に、凹凸形状を形成して構成
される。原盤100の材料としては、本実施形態では結
晶状若しくは非結晶のシリコンを用いるが、石英を適用
してもよい。
【0025】(スタンパ製造工程)次に、図2を参照し
てスタンパ(シリコン原盤)の製造工程について説明す
る。図2は、原盤100を、図1の切断面a−aから見
た製造工程断面図である。
【0026】研削工程(図2A): まず、高純度のシ
リコンを円盤形状に研削し、その記録面を一定の表面粗
さ以下に精密研磨して、原盤100を製造する。図2の
上面を精密研磨された記録面とする。例えば、原盤とし
て、直径8インチのシリコンウェハが用いられる。
【0027】フォトレジスト層形成工程(図2B):
原盤100の記録面にフォトレジスト200を塗布す
る。フォトレジストは、ネガ型といわれるものでは一定
強度以上の光の照射により現像液に対して非溶性の硬膜
に変化する材料であり、ポジ型といわれるものでは一定
強度以上の光の照射により現像液に対して易溶性となる
材料である。フォトレジストはポジタイプであってもネ
ガタイプであってもよいが、本形態ではフォトレジスト
としてネガタイプを使用する。例えば、フォトレジスト
は、シリコンウェハ上にスピンコート法により100n
m程度の厚さで塗布され、熱処理して固定される。
【0028】露光工程(図2C): 露光のために、レ
ーザー光線等を用いる。光が照射される領域201のフ
ォトレジストが硬化する。
【0029】例えば、フォトレジストを形成したシリコ
ンウェハをレーザ露光装置上にのせ、442nmの波長
を有するレーザビームを開口数0.9の対物レンズで絞
り、フォトレジスト上に集光する。そして、0.8μm
ピッチとなるようにレーザを、光記録媒体の信号フォー
マットに応じて点滅して円盤の中心から外側に向けて螺
旋状に露光をする。
【0030】現像工程(図2D): 露光工程によっ
て、光が照射された領域のフォトレジストが硬化し硬膜
パターン201となる。その他の領域のフォトレジスト
を溶剤に溶かして除去し、硬膜パターン201のみを残
す。溶剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化カルシウム、リン酸ナトリウム等のアルカリ
性水溶液、またはキシレン、酢酸ブチル等の有機溶剤等
が挙げられる。
【0031】エッチング工程(図2E): 硬膜パター
ン201が形成されたら、原盤100の記録面をエッチ
ングする。エッチングの方法としては、ドライエッチン
グやウェットエッチングの双方が使用できる。エッチン
グの深さは、光記録媒体の規格により規定されるピット
の高さと等しくなるよう調整される。
【0032】フォトレジスト除去工程(図2F): エ
ッチング後、硬膜パターンであるフォトレジストは、溶
剤に溶かすか、アッシング(灰化)するかして除去す
る。次いで、原盤の洗浄および乾燥をすると、鋳型であ
るスタンパ1が完成する。
【0033】(金属スタンパ製造工程)マスターディス
クたるスタンパができたら、このスタンパから金属スタ
ンパを複製する。複製の過程で樹脂層を仲介して凹凸形
状を転写するのが本発明の特徴である。
【0034】樹脂層形成工程(図3B): スタンパ製
造工程でできたスタンパ1(図3A)に対し、その記録
面に樹脂層300を形成する。樹脂層の成形材料として
は、スタンパ1の材料であるシリコンに影響を与えるこ
となく、その記録面の凹凸形状を転写可能なものであれ
ばよい。
【0035】ただしエネルギーを与えることによって硬
化する樹脂であることが好ましい。すなわち、エネルギ
ーを与えるこによって硬化する成形材料は、樹脂層の形
成時に低粘性の液状材料であるため、射出成形のような
高温かつ高圧力という特殊な製造条件を必要とすること
なく、スタンパの凹凸パターンの細部にまで材料を十分
充填させることが可能だからである。したがって、材料
を充填した後エネルギーを与えて樹脂を硬化させてから
剥離すれば、鋳型の微細な凹凸形状を転写し、エッジの
鋭い突起部を樹脂板上に形成することが可能になる。
【0036】成形材料に与えるエネルギーとしては、光
若しくは熱のうちいずれか一方または光および熱の双方
のうちいずれかであることが好ましい。これらのエネル
ギーは、汎用の製造装置、すなわち露光装置、焼結炉、
ホットプレート等を使用することができ、製造コストを
低く抑え、新たな製造装置を導入することにより製造空
間の過密化を避けることができる。
【0037】具体的には、成形材料として、紫外線硬化
型のアクリル系樹脂を用いることが好ましい。アクリル
系樹脂を用いれば、硬化性に優れたものが市場に多く出
回っており、入手し易い。
【0038】紫外線硬化型のアクリル系樹脂としては、
具体的な基本組成として、プレポリマー、オリゴマー、
モノマーまたは光重合開始剤があげられる。
【0039】プレポリマーまたはオリゴマーとしては、
例えば、エポキシアクリレート類、ウレタンアクリレー
ト類、ポリエステルアクリレート類、ポリエーテルアク
リレート類、スピロアセタール系アクリレート類等のア
クリレート類、エポキシメタクリレート類、ウレタンメ
タクリレート類、ポリエステルメタクリレート類、ポリ
エーテルメタクリレート類等のメタクリレート類等が利
用できる。
【0040】モノマーとしては、例えば、2−エチルヘ
キシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート、N−ビニル−2−ピロリド
ン、カルビトールアクリレート、テトラヒドロフルフリ
ルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ジシクロ
ペンテニルアクリレート、1,3−ブタンジオールアク
リレート等の単官能性モノマー、1,6−ヘキサンジオ
ールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタ
クリレート、ネオペンチルグリコールアクリレート、ポ
リエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリ
トールジアクリレート等の二官能性モノマー、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロ
パントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリア
クリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト等の多官能性モノマーが挙げられる。
【0041】光重合開始剤としては、例えば、2,2−
ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン等のアセトフ
ェノン類、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、p−イ
ソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン等のブ
チルフェノン類、p−tert−ブチルジクロロアセト
フェノン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェ
ノン、α、α−ジクロル−4−フェノキシアセトフェノ
ン等のハロゲン化アセトフェノン類、ベンゾフェノン、
N,N−テトラエチル−4,4−ジアミノベンゾフェノ
ン等のベンゾフェノン類、ベンジル、ベンジルジメチル
ケタール等のベンジル類、ベンゾイン、ベンゾインアル
キルエーテル等のベンゾイン類、1−フェニル−1,2
−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オ
キシム等のオキシム類、2−メチルチオキサントン、2
−クロロチオキサントン等のキサントン類、ベンゾイン
エーテル、イソブチルベンゾインエーテル等のベンゾイ
ンエーテル類、ミヒラーケトン類のラジカル発生化合物
が利用できる。
【0042】なお、必要に応じて、酸素による硬化阻害
を防止する目的でアミン類等の化合物を添加したり、溶
剤成分を添加したりしてもよい。その溶剤成分として
は、特にその種類に限定されるものではなく種々の有機
溶剤を適用可能である。例えば、プロピレングリコール
モノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコール
モノプロピルエーテル、メトキシメチルプロピオネー
ト、メトキシエチルプロピオネート、エチルセロソル
ブ、エチルセロソルブアセテート、エチルラクテート、
エチルピルビネート、メチルアミルケトン、シクロヘキ
サノン、キシレン、トルエン、ブチルアセテート等のう
ち一種または複数種類の混合溶液を利用できる。
【0043】なお、上記成形材料等を用いて樹脂層30
0を形成する方法としては、公知の方法、例えば、スピ
ンコート法、ディッピング法、スプレーコート法、ロー
ルコート法、バーコート法等が利用できる。
【0044】樹脂層300を形成すると、スタンパの情
報記録面における凹凸パターンに成形材料が充填され
る。この状態で、紫外線を照射して材料を硬化させる。
成形樹脂等には、スタンパ1の情報記録面に設けられた
凹凸パターンが転写される。
【0045】なお、樹脂層300は、ポリカーボネート
等の成形材料を射出成形することにより形成してもよ
い。射出成形により成形材料層を形成した場合には、成
形後に冷却して樹脂を硬化させる。
【0046】樹脂層剥離工程(図3C): 樹脂層30
0が形成されたら、これをスタンパ1から剥離する。樹
脂層300の剥離にストレスが加わり、樹脂層の破壊を
招くおそれがある場合には、樹脂層形成後、樹脂層の背
面(同図では上面)に補強材を貼り付けてもよい。補強
材の材料としては、例えばガラス、金属、セラミック等
が考えられる。補強材を貼り付ければ、樹脂層の機械的
強度が高くなるため、スタンパ1からの剥離において樹
脂層が破壊されることはない。
【0047】この樹脂層を用いれば、樹脂自体の硬度が
高くなく、ある程度の弾性を有するので、剥離の際にシ
リコンのスタンパを破壊することがない。
【0048】導電膜形成工程(図3D): 剥離した樹
脂層300の片面は、スタンパ1の凹凸形状が転写され
ている。この凹凸形状が転写された面に導電膜である導
体化層301を形成する。この導体化層の形成は、電鋳
に必要な電極を設けるために行う。つまり、凹凸形状を
転写した記録面全体に良好な導電性を与えるために行
う。導体化層としては、後の電着される金属と同一種類
の金属を用いることが好ましいが、異なる材料であって
もよい。例えば、導体化層の材料としては、ニッケル、
その合金またはその化合物のうちいずれかの他、Cu,
Ag,Au,Cr,Ti,Fe,Znのいずれか一種か
らなる金属、これら二種以上からなる合金またはこれら
のうち少なくとも一種を含む化合物等が挙げられる。形
成方法としては、スパッタリング法、蒸着法、CVD法
または無電解メッキ法等を適用できる。例えば、10n
mの膜厚のニッケル薄膜を形成する。
【0049】電着工程(図3E): 導体化層301が
形成された樹脂層300の凹凸形状転写面に、電着を施
して電鋳層400を形成する。電着に用いる金属の材
料、すなわち金属スタンパの材料としては、ニッケル、
その合金またはその化合物のうちいずれかの他、Cu,
Ag,Au,Cr,Ti,Fe,Znのいずれか一種か
らなる金属、これら二種以上からなる合金またはこれら
のうち少なくとも一種を含む化合物等が挙げられる。電
着は、導体化層301を電極とし、電気分解により、電
極である導体化層の表面にニッケル等の金属を析出さ
せ、導体化層の表面全体に電鋳層400を形成すること
により行う。例えば、電鋳層400は、300μm程度
の厚さに形成される。
【0050】金属原盤形成工程(図3F): 電鋳層40
0が形成されたら、これを樹脂層300から剥離する。
剥離後の電鋳層400がすなわち金属スタンパ(原盤)
である。
【0051】電鋳層400は、金属の緻密な層であるた
め、硬度が高く、弾性にも欠ける。このため、剥離の際
に樹脂層300を破壊したり傷つけたりすることが考え
られる。しかし、樹脂層300は、凹凸形状を転写する
ための一時的な版に過ぎないため、万一樹脂が破壊され
るようなことがあっても、再度マスターディスクである
スタンパ1から凹凸形状を転写した樹脂層300を作れ
ばよいだけなので、マスターディスクたる原盤を保持で
きる。
【0052】(光記録媒体製造工程) 成形樹脂層形成工程(図4B): 上記のようにして製
造された電鋳層400(図4A:金属スタンパ)の記録
面に成形材料を設け、成形樹脂層500を形成する。成
形材料としては、ポリカーボネート樹脂、アモルファス
ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂等の熱可塑性樹脂や
紫外線硬化性樹脂等、各種樹脂を用いる。例えば、成形
樹脂層500は、熱可塑性樹脂等を射出成形することに
より、また、紫外線硬化性樹脂等を加圧成形することに
より形成される。熱可塑性樹脂を使用する場合は、成形
後、冷却して樹脂を硬化させる。紫外線硬化性樹脂を使
用する場合は、紫外線を照射して材料を硬化させる。成
形樹脂層500は、光記録媒体の外形形状に成形され
る。成形樹脂等には、スタンパ1の記録面に設けられた
凹凸形状が複製される。
【0053】剥離工程(図4C): 成形樹脂層500
が硬化したところで、成形樹脂層500を電鋳層400
から剥離する。剥離された成形樹脂層500は、すなわ
ち光記録媒体そのものである。
【0054】なお、成形樹脂層500の破壊の防止や生
産性を向上するために、成形樹脂層500の背面(同図
では上面)に上記と同様に補強材を設けてもよい。
【0055】本実施形態によれば、シリコンのスタンパ
を傷つけたり破壊したりするおそれのない樹脂を用いて
スタンパの凹凸形状を転写し、それをニッケル製の金属
スタンパに転写することにより、原盤を破壊せずに金属
原盤を複製することが可能である。
【0056】なお、本発明は上記実施形態に関わらず種
々に変形して適用することが可能である。まず上記実施
形態では、シリコンの原盤から樹脂層により凹凸形状を
転写していたが、シリコンを傷つけない程度の硬度と弾
性を備える材料なら、樹脂以外の材料を用いてもよい。
例えば、ガラス、セラミックを用いてもよい。
【0057】また、上記実施形態では、樹脂層に導体化
層を形成してから電着により電鋳層を形成していたが、
樹脂層から直接金属製の層を形成してもよい。例えば、
粉体成形法等の方法により形成することが可能である。
【0058】また、上記実施形態では、原盤に形成する
凹凸形状は、記録情報に基づいたものであったが、情報
の記録を目的としない装飾的なあるいは他の目的に使用
するための凹凸形状であってもよい。
【0059】また、上記実施形態では、原盤は円盤形状
としたが、方形等他の形状であっても無論よい。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、原盤からメッキが剥が
れたり原盤に応力が作用したりするおそれのない材料を
用いて原盤の凹凸形状を転写し、それから金属原盤を製
造するので、原盤を破壊せずに金属原盤を複製すること
が可能となる。
【0061】また、本発明によれば、原盤の凹凸形状を
金属原盤に複写するのに適する材料を提供するので、原
盤を破壊せずに金属原盤を複製することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原盤の斜視図である。
【図2】シリコン製スタンパの製造工程断面図である。
Aは原盤の原形、Bはレジスト形成工程、Cは露光工
程、Dは現像工程、Eはエッチング工程およびFはレジ
スト除去工程である。
【図3】金属スタンパの製造工程断面図である。Aは原
盤(スタンパ)、Bは樹脂層形成工程、Cは樹脂層剥離
工程、Dは導電膜形成工程、Eは電鋳層形成工程および
Fは電鋳層剥離工程である。
【図4】金属スタンパからの樹脂板製造の製造工程断面
図であり、Aは電鋳層(金属スタンパ)断面図であり、
Bは成形樹脂層形成工程およびCは剥離工程である。
【符号の説明】
1…スタンパ(原盤) 101…尾根部分 102…谷部分 200…フォトレジスト層 201…硬化したフォトレジスト 300…樹脂層 301…導体化層(導電膜) 400…電鋳層(金属スタンパ;金属原盤) 500…成形樹脂層(樹脂板)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録面に形成された凹凸形状を樹脂板に
    転写するための樹脂板製造用鋳型の製造方法であって、 凹凸形状が形成された原盤の記録面に樹脂層を形成する
    樹脂層形成工程と、 前記原盤の記録面から硬化した前記樹脂層を剥離する樹
    脂層剥離工程と、 剥離された前記樹脂層の凹凸形状が転写された記録面
    に、電鋳により金属層を形成する電鋳工程と、 前記樹脂層の凹凸形状が転写された記録面から前記金属
    層を剥離することにより、前記原盤の凹凸形状が複写さ
    れた金属原盤を形成する金属原盤形成工程と、を備えた
    ことを特徴とする樹脂板製造用鋳型の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記電鋳工程は、前記樹脂層の凹凸形状
    が転写された記録面に、導電性のある導電膜を形成する
    導電膜形成工程と、 前記記録面に形成された導電膜の表面に金属を電着させ
    て前記金属層を形成する電着工程と、を備える請求項1
    に記載の樹脂板製造用鋳型の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記原盤への凹凸形状の形成は、前記原
    盤の記録面にフォトレジスト層を形成するフォトレジス
    ト層形成工程と、前記原盤の記録面に形成された前記フ
    ォトレジスト層を所定のパターンに露光する露光工程
    と、露光された前記フォトレジスト層を現像する現像工
    程と、前記現像されたフォトレジストが残された記録面
    をエッチングするエッチング工程と、エッチングされた
    前記記録面からフォトレジストを除去する除去工程と、
    により、前記凹凸形状を形成する請求項1に記載の樹脂
    板製造用鋳型の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記樹脂層形成工程により形成された樹
    脂層に、当該樹脂層の強度を増大させる補強材を張り合
    わせる補強工程をさらに備えた請求項1に記載の樹脂板
    製造用鋳型の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記原盤の組成はシリコンまたは石英で
    ある請求項1に記載の樹脂板製造用鋳型の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記金属原盤の組成はニッケル、その合
    金またはその化合物のうちいずれかである請求項1に記
    載の樹脂板製造用鋳型の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記樹脂層の成形材料は、エネルギーを
    与えることによって硬化する樹脂である請求項1に記載
    の樹脂板製造用鋳型の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記樹脂板の成形材料に与えられるエネ
    ルギーは、光若しくは熱のうちいずれか一方または光お
    よび熱の双方のうちいずれかである請求項7に記載の樹
    脂板の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記樹脂板の成形材料は、紫外線硬化型
    のアクリル系樹脂である請求項7に記載の樹脂板の製造
    方法。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至請求項9のいずれか一項
    に記載の樹脂板製造用鋳型の製造方法で製造された鋳型
    を使用することによる樹脂板の製造方法において、 前記凹凸形状が形成された前記金属原盤の記録面に成形
    材料を設け、前記成形材料が硬化した後に、前記金属原
    盤から当該硬化した樹脂板を剥離する工程を備えたこと
    を特徴とする樹脂板の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の樹脂板の製造方法
    において、前記樹脂板上にこの樹脂板を補強するための
    基板を重ね合わせて設ける工程をさらに含む樹脂板の製
    造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101132338B1 (ko) * 2006-05-04 2012-04-05 (주)이모트 광결정 구조 보유체 및 그 제조방법
JP2012125946A (ja) * 2010-12-13 2012-07-05 National Printing Bureau パターン形成体及びパターン形成体を用いた複製方法

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