JPH1138137A - 距離測定装置 - Google Patents

距離測定装置

Info

Publication number
JPH1138137A
JPH1138137A JP9197365A JP19736597A JPH1138137A JP H1138137 A JPH1138137 A JP H1138137A JP 9197365 A JP9197365 A JP 9197365A JP 19736597 A JP19736597 A JP 19736597A JP H1138137 A JPH1138137 A JP H1138137A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
level
signal
voltage
value
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9197365A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3329237B2 (ja
Inventor
Yoshiaki Hoashi
善明 帆足
Hiroshi Niimi
浩 新美
Toyoji Nozawa
豊史 野澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP19736597A priority Critical patent/JP3329237B2/ja
Publication of JPH1138137A publication Critical patent/JPH1138137A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3329237B2 publication Critical patent/JP3329237B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
  • Measurement Of Optical Distance (AREA)
  • Optical Radar Systems And Details Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 STC回路を備えた距離測定装置において、
STC回路のフィードスルーの影響を受けることなく、
常に正確に距離を測定できるようにする。 【解決手段】 受光信号の信号処理系に、測定光出射後
の時間の経過と共に増幅率が増大するように制御される
STC回路18を備えた距離測定装置において、STC
回路18の増幅率を最大にした状態で、増幅器14に疑
似信号を入力し、そのときSTC回路18から出力され
る疑似信号レベル(基準レベル)をピークホールド回路
28で検出する。またSTC回路18の増幅率を距離測
定時と同様に変化させ、増幅率が最大となった時点で、
増幅器14に疑似信号を入力し、そのときSTC回路1
8から出力される疑似信号レベル(動作レベル)をピー
クホールド回路28で検出する。そして、動作レベルが
基準レベルとなるように、STC回路18の信号入力端
子に印加するフィードスルーキャンセル用の直流電圧V
DCを設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パルス状の測定光
を出射し、その反射光が戻ってくるまでの時間を計測す
ることにより、外部の物標までの距離を測定する距離測
定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、距離測定装置として、例えば
特開平7−71957号公報に開示されているように、
レーザダイオードをパルス状の駆動信号で駆動して、発
光部からレーザ光(測定光)を出射させ、その測定光が
外部の物標に当たって反射してくる反射光を、フォトダ
イオード等からなる受光部で受光することにより、発光
部の発光時刻から受光部による反射光の受光時刻までの
時間△T(図9(a)参照)を測定し、その時間△Tに
基づき、物標までの距離を算出するように構成された装
置が知られている。
【0003】そしてこの種の装置では、受光部からの受
光信号を処理する信号処理系に、通常、図9(b)に示
すように、受光部からの受光信号を増幅する増幅器5
2、増幅器52からの出力を更に増幅するSTC(Sens
itivity Time Control)回路54、及び、STC回路5
4からの出力が予め設定された受光判定レベルVth以上
か否かによって、受光部による反射光の受光を判定する
コンパレータ56が設けられ、このコンパレータ56に
よる判定結果に基づき、受光部における反射光の受光タ
イミングを検出するようにされている。
【0004】尚、増幅器52及びSTC回路54は、夫
々、受光部から出力される受光信号の内、物標から反射
してくる反射光の信号成分(つまり発光部から測定光を
出射させるのに用いたパルス状の駆動信号の周波数に対
応した交流信号成分)のみを増幅して、後段のSTC回
路54及びコンパレータ56に出力するためのものであ
り、上記各回路は、通常、直流信号成分カット用のカッ
プリングコンデンサにて接続される。
【0005】また、STC回路54は、図示しない制御
回路から出力されるSTC信号(図9(a)参照)によ
り、発光部を発光させて測定光を出射してからの時間の
経過に伴い信号の出力レベルが大きくなるように、増幅
率が制御されるものである。つまり、受光部からの受光
信号は、図9(a)に示すように、測定光を反射する物
標との距離が短い程(換言すれば、測定光の出射後、反
射光が受光部に入射するまでの時間が短い程)、信号レ
ベルが高くなる。このため、受光部からの受光信号を常
に一定の増幅率で増幅するようにしていると、例えば、
発光部から出射した測定光が物標を測定すべき方向とは
異なる方向に漏れ出し、その方向に位置する測定装置付
近の物体で反射された微弱な光が受光部に入射した場合
であっても、或いは、測定光が雨等で反射した微弱な光
が受光部に入射した場合であっても、コンパレータ56
には受光判定レベルVth以上の高レベルの信号が入力さ
れることになり、本来検出すべき物標からの反射光を検
出できず、物標までの距離を正確に測定することができ
なくなってしまう。
【0006】そこで、距離測定装置では、通常、受光信
号の信号処理系にSTC回路54を設けることにより、
測定光出射後の経過時間が短い領域での受光信号の増幅
率を抑え、近距離領域での微弱な反射光を、距離測定す
べき物標からの反射光として検出してしまうのを防止し
ているのである。
【0007】また、STC回路54の前段に設けられる
増幅器52は、コンパレータ56による反射光の検出感
度を調整して、受光信号の信号処理系を流れるノイズ信
号成分が反射光として誤検出されない範囲内で、測定可
能距離を最大にするためのものである。
【0008】つまり、受光部からの受光信号は、物標と
の距離が長い程信号レベルが低くなることから、測定可
能距離を長くするには、受光信号の増幅率を大きくし
て、コンパレータ56による反射光の検出感度を高くす
ればよいが、受光信号の信号処理系では、ノイズ信号成
分も増幅されるので、受光信号の増幅率を大きくしすぎ
ると、そのノイズ信号成分が受光判定レベルVthを越え
て、コンパレータ56により反射光の受光が誤検出され
ることになる。
【0009】そこで、距離測定装置では、通常、上記S
TC回路54とは別に、増幅率を調整可能な増幅器(所
謂可変利得増幅器)52を設け、この増幅器52の増幅
率を、図示しない制御回路からのゲインコントロール信
号にて調整することにより、コンパレータ56による反
射光の検出感度を、ノイズ信号成分を反射光として誤検
出しない範囲内で、最大感度に設定できるようにしてい
るのである。
【0010】また次に、コンパレータ56は、上記のよ
うにSTC回路54からの出力と受光判定レベルVthと
を比較し、STC回路54からの出力が受光判定レベル
Vth以上であるときに、受光部による反射光の受光を判
定するものであるが、距離の算出に必要な反射光の受光
タイミングは、その判定結果から、例えば、次のように
検出される。
【0011】即ち、受光信号は、物標との距離によって
信号レベルが異なることから、STC回路54からの出
力が受光判定レベルVth以上となって、コンパレータ5
6からの出力が変化した時刻を、受光タイミングとして
検出すると、受光信号のレベルの違いによって、検出し
た受光タイミングがずれてしまう。そこで、図9(a)
に示す如く、STC回路54からの出力が受光判定レベ
ルVthを越えた時刻T1から、その後、STC回路54
からの出力が受光判定れべるVthを下回る時刻T2まで
の時間を受光信号のパルス幅Wとして検出し、そのパル
ス幅Wから、受光信号の中心時刻T3 を算出し、これを
反射光の受光タイミングとする。
【0012】そして、物標までの距離を算出する際に
は、発光部から出射させた測定光の中心時刻T0 から、
上記のように求めた反射光の受光タイミング(時刻T3
)までの時間を求め、この時間を距離に換算する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
に構成された従来の距離測定装置においては、STC回
路54によって、受光信号の信号処理系での増幅率を、
測定光を出射してからの時間の経過に伴い増加させるこ
とから、この増幅率変化によって、コンパレータ56へ
の信号入力レベルが変化し、反射光の受光タイミングを
正確に検出できなくなることがあった。
【0014】つまり、STC回路54には、通常、例え
ば図10(a)に示すようなダブル・バランスト・ミキ
サ(二重平衡変調器)からなる所謂乗算器が使用され、
受光部側からの入力信号に、STC信号を乗じることに
より、入力信号をSTC信号に対応した増幅率にて増幅
した信号を出力することから、上記のようにSTC信号
が変化すると、その変化分が出力側に漏れ出す(フィー
ドスルー)ことがある。
【0015】そして、STC信号の変化が、反射光の周
波数領域とは大きく異なる場合には、上述のカップリン
グコンデンサ等によって、そのフィードスルー成分をカ
ットし、コンパレータ56への信号入力レベルが、フィ
ードスルーの影響を受けるのを防止できるが、上記のよ
うに近距離からの反射光の誤検出を防止するためにST
C回路56を設けた装置では、STC信号と受光信号と
が極近い周波数領域にて変化するため、フィードスルー
が生じると、図10(b)に示すように、本来コンパレ
ータ56に入力されるべき受光信号Aが、フィードスル
ーの影響を受けて、STC信号の変化に応じて正電位
(+)方向に変化する受光信号Bになったり、逆にST
C信号の変化に応じて負電位(−)方向に変化する受光
信号Cになったりする。
【0016】そして、受光信号Bでは、コンパレータ5
6への入力信号が通常よりも高くなるので、コンパレー
タ56にて反射光が測定光の出射直後に誤検出され、逆
に、受光信号Cでは、コンパレータ56への入力信号が
通常よりも低くなるので、コンパレータ56にて反射光
が検出されなくなってしまう。
【0017】尚、図10(a)に示すダブル・バランス
ト・ミキサは、夫々、一対のトランジスタ(Q1とQ
2、Q3とQ4、Q5とQ6)からなる3つの差動回路
62,64,66と定電流源68とから構成され、対称
に配置された差動回路62,64から差動回路66の各
トランジスタQ5,Q6を介して定電流源68側に定電
流が流れるようになっている。そして、このダブル・バ
ランスト・ミキサでは、差動回路62,64の各トラン
ジスタQ1,Q2及びQ4,Q3間に、夫々、STC信
号を印加し、差動回路66のトランジスタQ5,Q6間
に受光部側からの信号を印加すれば、差動回路62,6
4側の出力端子から、各信号を乗じた乗算信号が出力さ
れるが、こうしたダブル・バランスト・ミキサの構成及
び動作は、従来より周知(例えば、CQ出版社,トラン
ジスタ技術,1994,2月号等参照)であるので、詳細な
説明は省略する。
【0018】また、こうした問題は、STC回路54に
ダブル・バランスト・ミキサを使用した場合だけでな
く、例えば、STC回路54にオペアンプからなる乗算
器や、可変利得増幅器を用いた場合にも同様に発生す
る。一方、上記のような問題は、STC回路54から出
力される直流信号成分が、STC信号によって変化する
ことにより生じることから、STC回路54への信号入
力端子に直流電圧を印加して、STC回路54内の直流
信号成分をオフセットさせれば解消できる。
【0019】しかし、STC回路54から出力されるS
TC信号の変化分は、温度等の環境変化によっても変化
することから、STC回路54への信号入力端子に単に
直流電圧を印加しただけでは、距離測定装置の使用環境
が変化すると、STC回路54のフィードスルーの影響
を受けて、物標までの距離を正確に測定することができ
なくなる。
【0020】本発明は、こうした問題に鑑みなされたも
のであり、上記のようなSTC回路を備えた距離測定装
置において、STC回路のフィードスルーの影響を受け
ることなく、常に正確に距離を測定できるようにするこ
とを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた請求項1に記載の距離測定装置において
は、距離算出手段が動作しているときには、まず、発光
手段が、距離算出手段からのパルス状の駆動信号を受け
て、測定光を出射する。そして、受光手段が、測定光が
外部の物標に当たって反射してくる反射光を受光し、受
光信号を出力すると、増幅手段が、その受光信号を増幅
する。そして、受光検出手段が、増幅手段から出力され
る交流信号成分を取り込み、その信号から受光手段によ
る反射光の受光を検出する。
【0022】また、距離算出手段は、発光手段にパルス
状の駆動信号を出力すると同時に、増幅率制御手段を起
動する。この結果、増幅手段の増幅率は、発光手段が測
定光を出射してからの時間の経過に伴い大きくなる。つ
まり、増幅手段は、前述のSTC回路として働き、受光
検出手段にて、近距離からの不要な反射光の受光が検出
されるのを防止する。
【0023】そして、距離算出手段は、発光手段から測
定光を出射させてから、受光検出手段にて反射光の受光
が検出されるまでの時間を計時し、その計時時間から物
標までの距離を算出する。即ち、本発明の距離測定装置
では、前述した従来装置と同様の動作で、物標までの距
離を測定する。
【0024】一方、本発明では、基準レベル測定手段,
動作レベル測定手段及び直流電圧設定手段が、増幅率制
御手段による増幅率制御に起因して前記増幅手段から出
力される交流信号成分を抑制するために直流電圧印加手
段が増幅手段の信号入力端子に印加する直流電圧を、以
下のように設定する。
【0025】即ち、まず基準レベル測定手段が、増幅手
段への信号入力がないときに、レベル検出手段にて検出
される増幅手段からの交流信号成分のレベルを、基準レ
ベルとして測定する。また、動作レベル測定手段が、増
幅率制御手段を起動することにより、増幅手段の増幅率
を変化させ、そのときレベル検出手段にて検出される交
流信号成分のレベルを、増幅率制御手段動作時の動作レ
ベルとして測定する。そして、このように基準レベル及
び動作レベルが夫々測定されると、直流電圧設定手段
が、その測定した動作レベルが基準レベルとなるよう
に、上記直流電圧を設定する。
【0026】つまり、距離算出手段の動作によって物標
までの距離を測定しているときに、増幅手段からの出力
が増幅率制御手段により制御される増幅率に応じて変化
する、前述のフィードスルーが発生すると、受光検出手
段に入力される信号レベルが変化することから、受光検
出手段にて、受光手段における反射光の受光を正確に検
出できず、距離算出手段の算出結果(距離)に誤差が生
じてしまう。
【0027】そこで、本発明では、増幅手段への信号入
力がなく、その増幅率が変化していないときに増幅手段
から出力される交流信号成分のレベル(基準レベル)
と、増幅率制御手段を動作させて増幅手段の増幅率を変
化させた際に増幅手段から出力される交流信号成分のレ
ベル(動作レベル)とを測定し、動作レベルが基準レベ
ルとなるように、増幅手段の信号入力端子に印加する直
流電圧を設定することにより、増幅手段において増幅率
の変化によって生じるフィードスルーを確実に防止でき
るようにしているのである。
【0028】従って、本発明によれば、距離測定時に増
幅手段の増幅率が変化することによって生じるフィード
スルーを確実に防止し、物標までの距離を高精度に測定
することが可能になる。また、特に、本発明では、フィ
ードスルーをキャンセルするために直流電圧印加手段が
増幅手段の信号入力端子に印加する直流電圧を、レベル
検出手段,基準レベル測定手段,動作レベル測定手段及
び直流電圧設定手段の動作によっていつでも設定できる
ことから、基準レベル測定手段,動作レベル測定手段及
び直流電圧設定手段を、例えば、当該装置の周囲温度変
化よりも短い周期で周期的に動作させるようにすれば、
周囲温度変化に伴うフィードスルー変化をも確実に防止
し、物標までの距離を常に高精度に測定することが可能
になる。
【0029】ここで、増幅手段のフィードスルーを測定
するためには、STC回路として機能する増幅手段から
の出力を、上記のように基準レベル,動作レベルとし
て、夫々、測定するだけでよいが、フィードスルーは交
流信号成分であるので、その信号レベルを測定するため
のレベル検出手段としては、ピークホールド回路等、増
幅手段からの出力の最大レベルを検出可能なものを使用
することが望ましい。
【0030】しかし、レベル検出手段に、ピークホール
ド回路等の最大値検出手段を用いた場合、図10(c)
に示したようにフィードスルーが負側に出た場合には、
フィードスルーが「0」であるのか、負であるのか区別
が付かなくなってしまう。そこで、請求項1に記載の装
置においては、更に、請求項2に記載のように、増幅手
段への受光信号の入力を遮断して、前記増幅手段にパル
ス状の疑似受光信号を入力する疑似受光信号入力手段を
設けると共に、レベル検出手段を、増幅手段から出力さ
れる交流信号成分の最大レベルを検出するように構成し
(つまり最大値検出手段にて構成し)、基準レベル測定
手段が、基準レベルを測定する際には、増幅手段の増幅
率を前記増幅率制御手段が制御する最大増幅率に設定し
て、疑似信号入力手段を動作させ、動作レベル測定手段
が、動作レベルを測定する際には、増幅率制御手段を起
動して増幅手段の増幅率を変化させ、その増幅手段の増
幅率が最大増幅率になる所定タイミングで、疑似信号入
力手段を動作させるように構成することが望ましい。
【0031】つまり、このように基準レベル及び動作レ
ベルの測定時には、増幅手段に疑似受光信号を入力し
て、増幅手段が疑似受光信号を同じ増幅率(最大増幅
率)で増幅したときに得られる、増幅手段からの出力の
最大レベルを測定するようにすれば、増幅手段の出力を
フィードスルーの有無に関係なく常に正側に変化させる
ことが可能になり、増幅手段のフィードスルーを正確に
検出できることになる。そしてこのように、請求項2に
記載の装置によれば、フィードスルーを常に正確に検出
できるため、これをキャンセルするための直流電圧も正
確に設定でき、増幅手段のフィードスルーによる距離測
定誤差を、より確実に低減できる。
【0032】また、このようにレベル検出手段に、ピー
クホールド回路等の最大値検出手段を用いた場合、ピー
クホールド回路等の最大値検出手段では、通常、最大レ
ベルの測定に最適な電圧範囲(所謂ダイナミックレン
ジ)が設定されており、入力電圧がこの電圧範囲から外
れると、最大レベルを正確に測定できないことがある。
【0033】このため、より好ましくは、請求項3に記
載のように、受光手段から増幅手段に至る信号経路に、
入力信号を増幅して出力する第2増幅手段を設け、基準
レベル測定手段が基準レベルを測定する際には、基準レ
ベルがレベル検出手段の動作に最適な所定レベルとなる
ように、第2増幅手段の増幅率を設定するように構成す
るとよい。
【0034】尚、第2増幅手段としては、従来装置にお
いて、通常、増幅手段としてのSTC回路の前段に設け
られる可変利得増幅器(図9(b)に示した増幅器5
2)を使用すればよい。また、ピークホールド回路等の
最大値検出手段は、信号無入力時でもオフセット電圧を
出力し、このオフセット電圧は、回路の個体差や温度等
によって変化する。従って、請求項3に記載のように、
レベル検出手段を用いて測定した基準レベルがレベル検
出手段の動作に最適なレベルとなるように第2増幅手段
の増幅率を設定するようにしても、測定した基準レベル
にはオフセット電圧が含まれるため、そのオフセット電
圧がレベル検出手段の最適入力レベルに対して無視でき
ない程変動する場合には、レベル検出手段を用いて増幅
手段からの出力信号レベル(延いては、増幅手段のフィ
ードスルー)を良好に測定できなくなってしまう。
【0035】そこで、請求項3に記載の装置において、
増幅手段のフィードスルーをより確実にキャンセルする
には、請求項4に記載のように、基準レベル測定手段に
よる基準レベルの測定前に、レベル検出手段を信号無入
力状態で動作させ、そのときレベル検出手段にて検出さ
れた最大レベルを、レベル検出手段のオフセット値とし
て測定するオフセット値測定手段を設け、基準レベル測
定手段及び動作レベル測定手段を、レベル検出手段にて
検出された最大レベルからそのオフセット値を引いた値
を、基準レベル及び動作レベルとして夫々測定するよう
構成することが望ましい。
【0036】また、距離測定装置を請求項3又は請求項
4に記載のように構成した場合、基準レベル測定手段に
て、基準レベルを所定レベルに設定できれば、その所定
レベルを基準レベルとすればよいが、基準レベルを所定
レベルに設定できるとは限らないので、更に、請求項5
に記載のように、基準レベル測定手段を、第2増幅手段
の増幅率を設定した後、基準レベルの測定を再度行うよ
うに構成し、直流電圧設定手段では、基準レベル測定手
段にて第2増幅手段の増幅率設定後に測定された基準レ
ベルを用いて、直流電圧を設定することが望ましい。
【0037】また、直流電圧設定手段において、直流電
圧が既に設定されているときに、周期的な動作によっ
て、直流電圧を更新する際には、請求項6に記載のよう
に、動作レベルと基準レベルとの偏差を求め、その偏差
が所定レベル以上であれば、現在直流電圧として設定さ
れている現在電圧値を偏差が小さくなる方向に所定電圧
分だけ変化させた変更電圧値を、新たな直流電圧として
設定し、偏差が所定レベルよりも小さければ、現在電圧
値と変更電圧値とを現在電圧値に重み付けして平均化し
た加重平均電圧値を、新たな直流電圧として設定するよ
うにするとよい。
【0038】つまり、フィードスルーは温度によって変
化するものの、温度は、急変するものではなく、直流電
圧は、一旦設定すれば、最適値から大きくずれることは
ない。従って、直流電圧の更新時には、外乱ノイズ等の
影響を受けて大きく変化することのないよう、その変化
量を小さくすることが望ましい。しかし、装置の動作電
圧等が変化した場合には、直流電圧の最適値も急変する
ことがあり、このような場合には、それに応じて、直流
電圧を大きく変化させる必要がある。
【0039】そこで、請求項6に記載の距離測定装置で
は、動作レベルと基準レベルとの偏差が所定レベル以上
である場合には、動作電圧等が急変したものと判定し
て、現在の直流電圧に所定電圧を加算(又は減算)した
変更電圧値を、新たな直流電圧として設定することによ
り、直流電圧を各信号レベルの偏差がなくなる方向に大
きく変化させ、動作レベルと基準レベルとの偏差が所定
レベルよりも小さい場合には、現在電圧値と変更電圧値
とを加重平均した電圧値を新たな直流電圧として設定す
ることにより、直流電圧を各信号レベルの偏差がなくな
る方向に少ない変化量で除々に変化させるようにしてい
るのである。このため、請求項6に記載の距離測定装置
によれば、直流電圧を各信号レベルの偏差の程度に応じ
て更新でき、直流電圧を最適値に制御できる。
【0040】また、本発明(請求項1〜請求項6)の距
離測定装置は、温度によるフィードスルーの変化の影響
を受けることなく、物標までの距離を高精度に測定でき
ることから、あらゆる分野に適用できるが、特に、請求
項7に記載のように、使用温度環境が大きく変化する自
動車等の車両に搭載して、車両の進行方向前方に位置す
る物標までの距離を測定する車両用距離測定装置として
使用すれば、より効果を発揮できる。
【0041】
【発明の実施の形態】以下に本発明の一実施例を図面と
共に説明する。まず図1は、本発明が適用された自動車
用距離測定装置の構成を表すブロック図である。
【0042】図1に示す如く、本実施例の自動車用距離
測定装置は、駆動回路2により通電されてレーザ光(測
定光)を車両前方に出射するレーザダイオードからなる
発光部(発光手段)4、及び、発光部4が出射したレー
ザ光が先行車両6等の車両前方の物標に当たって反射し
てくる反射光を受光するフォトダイオードからなる受光
部(受光手段)8を備える。
【0043】そして、受光部8からの受光信号は、増幅
器10で増幅され、信号切換回路12を介して、第2増
幅手段としての可変利得増幅器(以下、単に増幅器とい
う)14に入力される。尚、この増幅器14は、図9
(b)に示した増幅器52と同様のものであり、CP
U,ROM,RAM等を中心に構成された周知のマイク
ロコンピュータ(以下、単にCPUという)30から出
力されるゲインコントロール電圧VGCにより増幅率が制
御される。
【0044】また、信号切換回路12は、増幅器14の
入力を受光部8側の受光信号入力経路に接続するか、或
いはフィルタ16に接続するかを切り換えるためのもの
であり、CPU30からの切換信号により、その内のい
ずれかに切り換えられる。尚、信号切換回路12は、通
常は、受光部8側に切り換えられており、後述のフィー
ドスルーキャンセル処理実行時等に一時的にフィルタ1
6側に切り換えられる。また、フィルタ16は、抵抗・
コンデンサ等からなる微分回路にて構成されており、C
PU30から制御信号(Highレベル)が入力されると、
これを微分して、パルス状の疑似受光信号(以下、単に
疑似信号という)を発生する。そして、本実施例では、
このフィルタ16と信号切換回路12とが、本発明の疑
似受光信号入力手段として機能する。
【0045】次に、増幅器14からの出力信号はSTC
回路(増幅手段)18に入力されるが、STC回路18
の信号入力端子には、直流電圧VDCを印加するための電
圧重畳回路(直流電圧印加手段)20が設けられてお
り、STC回路18には、増幅器14からの出力信号
(交流信号成分)に直流電圧VDCが重畳された信号が入
力される。尚、この直流電圧VDCは、STC回路18の
フィードスルーをキャンセルするためのものである。
【0046】また、STC回路18は、図10(a)に
示したダブル・バランスト・ミキサから構成され、その
増幅率(換言すれば入力信号に対する乗算値)は、ST
C電圧発生回路22が発生するSTC電圧Vstc によ
り、時間の経過と共に増大するよう制御される。
【0047】つまり、STC電圧発生回路22は、発光
部4からのレーザ光の出射時等、CPU30から所定タ
イミングで出力される制御信号を受けたときに、最小レ
ベルから最大レベルにまで時間の経過と共に増大するS
TC電圧Vstc を発生するように構成されており、ST
C回路18は、このSTC電圧Vstc の変化に応じて変
化(増大)する増幅率にて入力信号を増幅・出力する。
【0048】尚、STC電圧発生回路22は、CPU3
0から制御信号を受けると、STC電圧Vstc を最小レ
ベルから最大レベルにまで変化させるが、STC電圧V
stcが最大レベルに達した後(換言すればSTC回路1
8の増幅率が最大増幅率に達した後)は、CPU30か
ら次に制御信号が入力されるまで、その状態を保持す
る。
【0049】次に、STC回路18からの出力信号は、
コンパレータ24に入力される。コンパレータ24は、
STC回路18からの出力信号と受光判定レベルVthと
を大小比較し、STC回路18からの出力が受光判定レ
ベルVthよりも大きいときに出力端子からHighレベルの
信号を出力し、反転出力端子からLow レベルの信号を出
力する。そして、コンパレータ24の各出力端子は、時
間計測IC26に接続されており、時間計測IC26
は、コンパレータ24の各出力端子からの出力信号の立
上がりを監視し、図9(a)に示した時刻T1 ,T2 を
測定する。
【0050】つまり、時間計測IC26は、コンパレー
タ24への入力信号が受光判定レベルVth以上となって
出力端子からの出力が立上がる時刻T1 、及び、コンパ
レータ24への入力信号が受光判定レベルVthよりも小
さくなって反転出力端子からの出力が立ち上がる時刻T
2 を、夫々検出する。
【0051】尚、CPU30は、駆動回路2にパルス状
の駆動信号を出力して、発光部4から車両前方にレーザ
光を出射させると同時に、時間計測IC26を起動する
ことから、時間計測IC26では、実際には、レーザ光
を出射した時刻(図9(a)に示した時刻T0 )からの
経過時間が測定される。
【0052】そして、CPU30は、従来技術の項で説
明したように、時間計測IC26で測定された時刻T1
,T2 (経過時間)に基づき、受光信号のパルス幅W
を測定して、受光中心時刻T3 を求め、レーザ光の出射
時刻(中心時刻)T0 からその受光中心時刻T3 までの
時間を算出して、その時間から車両前方の物標までの距
離を求める。つまり、本実施例では、CPU30と時間
計測IC26とにより距離算出手段としての機能が実現
される。
【0053】また、STC回路18の出力端子には、レ
ベル検出手段としてのピークホールド回路28が接続さ
れ、このピークホールド回路28にて、STC回路18
から出力された信号の最大レベルを検出できるようにな
っている。そして、このピークホールド回路28にて検
出された最大レベル(ピークホールド電圧VPH)は、C
PU30に入力される。
【0054】また、受光部8からコンパレータ24及び
ピークホールド回路28に至る信号処理系の各部は、電
圧重畳回路20とSTC回路18との間の信号経路を除
き、全て直流信号成分カット用のカップリングコンデン
サにて接続されており、受光部8からの受光信号等、距
離測定に必要な交流信号成分のみを伝送できるようにさ
れている。
【0055】このように構成された本実施例の距離測定
装置は、CPU30が予め設定された制御プログラムに
従い動作することにより、上述の距離測定や、距離測定
を最適に行うための各種制御(例えば、従来技術の項で
説明した増幅器14の増幅率調整等)を実行するのであ
るが、次に、CPU30において実行される本発明に係
わる主要な処理である、フィードスルーキャンセル処理
について説明する。
【0056】図2はフィードスルーキャンセル処理の全
体の流れを表すフローチャートである。図2に示す如
く、この処理は、CPU30の起動直後に一回だけ実行
される初期オフセット値取得処理(S110;Sはステ
ップを表す)、初期基準値取得処理(S120)、及び
初期電圧設定処理(S130)と、その後、所定時間が
経過する度(S140;YES)に実行される通常オフ
セット値取得処理(S150)、通常基準値取得処理
(S160)、及び通常電圧設定処理(S170)とに
より実現される。
【0057】そして、オフセット値取得処理(S11
0,S120)では、STC回路18のフィードスルー
を検出するのに用いるピークホールド回路28のオフセ
ット値を測定する、オフセット値測定手段としての処理
を実行し、基準値取得処理(S120,S160)で
は、STC回路18の増幅率を一定(最大増幅率)にし
た状態で、増幅器14に疑似信号を入力し、そのときピ
ークホールド回路28で検出された疑似信号の信号レベ
ル(最大レベル)を読み込み、その値を基準レベルとし
て設定する、基準レベル測定手段としての処理を実行
し、電圧設定処理(S130,S170)では、STC
回路18の増幅率を距離測定時と同様に変化させ、その
増幅率が最大になった直後に増幅器14に疑似信号を入
力し、そのときピークホールド回路28で検出された疑
似信号の信号レベル(最大レベル)を動作レベルとして
読み込み、この動作レベルを上記基準レベルにするため
の直流電圧値を求めて、STC回路18の信号入力端子
に印加する直流電圧VDCを設定する、動作レベル測定手
段及び直流電圧設定手段としての処理を実行する。ま
た、基準値取得処理(S120,S160)では、ピー
クホールド回路28に入力される疑似信号の信号レベル
が、ピークホールド回路28が動作するのに最適な値と
なるように、増幅器14の増幅率(具体的にはゲインコ
ントロール電圧VGC )を設定する処理も併せて実行す
る。
【0058】以下、上記各処理(S110〜S130,
S150〜S170)の流れを、図3〜図8に示すフロ
ーチャートを用いて詳しく説明する。図3は初期オフセ
ット値取得処理(S110)を表すフローチャートであ
る。図3に示すように、初期オフセット値取得処理で
は、まずS210にて、信号切換回路12をフィルタ1
6側に切り換えて、増幅器14への信号入力を遮断し、
ゲインコントロール電圧VGC(延いては増幅器14の増
幅率)を零にすることで、ピークホールド回路28を信
号無入力状態にして、ピークホールド電圧VPHを読み込
む。
【0059】そして、続くS220では、S210にて
ピークホールド電圧VPHをn回(例えば8回)取得した
か否かを判断し、n回取得していなければ再度S210
を実行させることにより、S210の処理により、ピー
クホールド電圧VPHをn回取得させる。そして、ピーク
ホールド電圧VPHをn回取得できると、続くS230に
移行する。
【0060】S230では、上記のように取得したn個
のピークホールド電圧VPHからその平均値VPHAV(n) を
算出し、続くS240にて、今回取得したn個のピーク
ホールド電圧VPHの内、平均値VPHAV±α(α;例えば
20mV)の範囲内にあるピークホールド電圧VPHは、
m個(例えば5個)以上あるか否かを判断する。
【0061】そして、平均値VPHAV±αの範囲内にある
ピークホールド電圧VPHがm個以上であれば、ピークホ
ールド電圧VPHを正常に取得できたと判断して、S25
0に移行し、平均値VPHAV±α(α;例えば20mV)
の範囲内にあるm個以上のピークホールド電圧VPHか
ら、平均値VPHAV(α)を算出し、続くS260にて、
その算出した平均値VPHAV(α)を、ピークホールド回
路28のオフセット値(初期値)として設定する。
【0062】また、S240にて、平均値VPHAV±αの
範囲内にあるピークホールド電圧VPHがm個以上存在し
ないと判断されると、S270に移行して、S210及
びS220によるn個のピークホールド電圧VPHの取得
動作をX回(例えば5回)行ったか否かを判断する。そ
して、その取得動作をx回行っていなければ、S210
に移行して、n個のピークホールド電圧VPHの取得動作
を再度実行する。
【0063】一方、S210及びS220によるn個の
ピークホールド電圧VPHの取得動作を既にX回行ってい
れば、今回取得したn個のピークホールド電圧VPHは正
常であるとして、S260に移行し、S230で算出し
た平均値VPHAV(n) を、ピークホールド回路28のオフ
セット値(初期値)として設定する。
【0064】そして、このようにS260にて、ピーク
ホールド回路28のオフセット値(初期値)を設定する
と、CPU30は、この初期オフセット取得処理を終了
し、次の初期基準値設定処理を開始する。次に、図4
は、初期オフセット値取得処理(S110)でピークホ
ールド回路28のオフセット値を一旦取得した後、オフ
セット値更新のために周期的に実行される通常オフセッ
ト値取得処理(S150)を表すフローチャートであ
る。
【0065】図4に示す如く、通常オフセット値取得処
理では、初期オフセット値取得処理(S110)と同様
に、ピークホールド回路28を信号無入力状態にしてピ
ークホールド電圧VPHをn回読み込み(S310,32
0)、その読み込んだn個のピークホールド電圧VPHか
ら平均値VPHAV(n) を算出し(330)、平均値VPHAV
±αの範囲内にあるピークホールド電圧VPHはm個以上
あるか否かを判断し(S340)、平均値VPHAV±αの
範囲内にあるピークホールド電圧VPHがm個以上であれ
ば、その範囲内にあるm個以上のピークホールド電圧V
PHから平均値VPHAV(α)を算出し(350)、オフセ
ット値更新のためのS360に移行する。
【0066】一方、平均値VPHAV±αの範囲内にあるピ
ークホールド電圧VPHがm個以上存在しないと判断され
た場合(S340:NO)には、S370にて、初期又
は通常のオフセット値取得処理で前回取得したオフセッ
ト値(前回値;即ち現在のオフセット値)を、ピークホ
ールド電圧VPHの平均値VPHAVとして設定し、S360
に移行する。
【0067】そして、S360では、S350又はS3
70で設定した平均値VPHAVと前回値とから、前回値に
重み付けをした平均値を算出(所謂加重平均)し、その
値を、新たなオフセット値として設定する。尚、この算
出は、例えば、次式(1) に従い行われる。
【0068】 オフセット値=(前回値×9+平均値VPHAV)/10 …(1) このように、通常オフセット値取得処理では、既にオフ
セット値(前回値)が設定されているので、このオフセ
ット値と今回求めた平均値との加重平均値をオフセット
値として設定することにより、オフセット値が外乱ノイ
ズ等によって大きく変動するのを防止している。
【0069】次に図5は、初期基準値取得処理(S12
0)を表すフローチャートである。図5に示すように、
初期基準値取得処理では、まずS410にて、下記の一
連のレベル測定動作を、ゲインコントロール電圧VGC
を変化させつつ繰り返し実行することで、ピークホール
ド電圧VPHからオフセット値を減じた疑似信号の信号レ
ベルVGJが、ピークホールド回路28の動作に最適な設
定値(例えば500mV)となるゲインコントロール電
圧VGCを探索する。
【0070】レベル測定動作:STC回路18の増幅
率を最大増幅率に固定し、信号切換回路12をフィルタ
16側に切り換えた状態で、フィルタ16に制御信号を
出力することにより、増幅器14に疑似信号を入力し、
そのときピークホールド回路28で得られるピークホー
ルド電圧VPHを読み込み、その値VPHからピークホール
ド回路28のオフセット値を減じることで、疑似信号の
信号レベルVGJを測定する。
【0071】尚、この探索には、CPU30がゲインコ
ントロール電圧VGCを制御するのに使用するデータ(例
えば8ビット)を上位ビットから順に変化させて、上記
レベル測定動作により得られる疑似信号の信号レベルV
GJが設定値となる点を探索する、所謂二分探索の手法が
用いられる。
【0072】そして、この探索動作によって、疑似信号
の信号レベルVGJが設定値となるゲインコントロール電
圧VGCが探索されると、続くS420にて、その探索
は、j回(例えば8回)実行されたか否かを判断し、j
回実行されていなければ、再度S410に移行する、と
いった手順で、S410の探索動作をj回実行する。
【0073】そして、S410による探索動作がj回実
行されると、続くS430に移行し、上記探索動作によ
って得られたj個のゲインコントロール電圧VGCから、
その平均値VGCAV(j) を算出し、続くS435にて、今
回取得したj個のゲインコントロール電圧VGCの内、平
均値VGCAV(j) ±β(β;例えば20mV)の範囲内に
あるゲインコントロール電圧VGCは、k個(例えば5
個)以上あるか否かを判断する。
【0074】そして、平均値VGCAV±βの範囲内にある
ゲインコントロール電圧VGCがk個以上であれば、ゲイ
ンコントロール電圧VGCの探索を正常に実行できたと判
断して、S440に移行し、平均値VGCAV±βの範囲内
にあるk個以上のゲインコントロール電圧VGCから、そ
の平均値VGCAV(β)を算出し、続くS450にて、そ
の算出した平均値VGCAV(β)を、基準ゲインコントロ
ール値(初期値;例えば10ビットのデータ)として設
定する。
【0075】また、S435にて、平均値VGCAV±βの
範囲内にあるゲインコントロール電圧VGCがk個以上存
在しないと判断されると、S460に移行して、S41
0及びS420による一連(j回)の探索動作を、y回
(例えば5回)行ったか否かを判断する。そして、その
一連の探索動作をy回行っていなければ、S410に移
行して、上記一連の探索動作を再度実行する。
【0076】一方、S410及びS420による一連の
探索動作を既にy回行っていれば、今回の探索動作によ
って得られたj個のゲインコントロール電圧VGCは正常
であるとして、S450に移行し、S430で算出した
平均値VGCAV(j) を、基準ゲインコントロール値(初期
値)として設定する。
【0077】そして、このようにS450にて基準ゲイ
ンコントロール値が設定されると、CPU30は、その
後、増幅器14に出力するゲインコントロール電圧VGC
を、この基準ゲインコントロール値で制御する。尚、ゲ
インコントロール電圧VGCの制御には、上記設定した基
準ゲインコントロール値の内、CPU30がD/A変換
器を用いてゲインコントロール電圧VGCを制御可能な上
位数ビット(例えば8ビット)のデータが用いられ、こ
のデータをD/A変換器に出力することにより、D/A
変換器を介してゲインコントロール電圧VGCを制御す
る。
【0078】つまり、CPU30がゲインコントロール
電圧VGCを制御する際にはD/A変換器を使用するが、
基準ゲインコントロール値は、このD/A変換器を介し
て制御したゲインコントロール電圧VGCの平均値であ
り、D/A変換器を介して制御可能なゲインコントロー
ル電圧VGCに対しては、小数点以下の値も含むことか
ら、その後、基準ゲインコントロール値でゲインコント
ロール電圧VGCを制御する際には、ゲインコントロール
値からその小数点以下の値を除いた(四捨五入,切り捨
て,或いは切り上げ)値をD/A変換器に出力すること
により、ゲインコントロール電圧VGCを制御する。
【0079】このようにS450にて基準ゲインコント
ロール値が設定されると、今度は、ゲインコントロール
電圧VGCをこの基準ゲインコントロール値で制御した際
に実際に得られる疑似信号の信号レベルVGJを測定し、
これを疑似信号の基準レベルとして設定する。
【0080】即ち、まずS470にて、上記一連のレベ
ル測定動作をj回(例えば8回)繰り返すことによ
り、STC回路18の増幅率を最大増幅率に固定したと
きの疑似信号の信号レベルVGJをj個取得し、続くS4
80にて、その取得したj個の信号レベルVGJから平均
値VGJAV(j) を算出し、続くS490にて、今回取得し
たj個の信号レベルVGJの内、平均値VGJAV±γ(γ;
例えば50mV)の範囲内にある信号レベルVGJは、k
個(例えば5個)以上あるか否かを判断する。
【0081】そして、平均値VGJAV±γの範囲内にある
信号レベルVGJがk個以上であれば、疑似信号の信号レ
ベルVGJを正常に取得できたと判断して、S500に移
行し、平均値VGJAV±γの範囲内にあるk個以上の信号
レベルVGJから、平均値VGJAV(γ)を算出し、続くS
510にて、その算出した平均値VGJAV(γ)を、ST
C回路18から出力される疑似信号の基準レベル(初期
値)として設定する。
【0082】また、S490にて、平均値VGJAV±γの
範囲内にある信号レベルVGJがk個以上存在しないと判
断されると、S520に移行して、S470によるj個
の信号レベルVGJの取得動作をy回(例えば5回)行っ
たか否かを判断する。そして、その取得動作をy回行っ
ていなければ、S470に移行して、j個の信号レベル
VGJの取得動作を再度実行する。
【0083】一方、S470によるj個の信号レベルV
GJの取得動作を既にy回行っていれば、今回の取得動作
は正常に実行できたものとして、S510に移行し、S
480で算出した平均値VGJAV(n) を、疑似信号の基準
レベル(初期値)として設定する。
【0084】そして、このようにS510にて、疑似信
号の基準レベル(初期値)を設定すると、CPU30
は、この初期基準値取得処理を終了し、次の初期電圧設
定処理を開始する。次に、図6は、初期基準値取得処理
(S120)で基準ゲインコントロール値及び疑似信号
の基準レベルを一旦取得した後、これら各基準値の更新
のために周期的に実行される通常基準値取得処理(S1
60)を表すフローチャートである。
【0085】図6に示すように、通常基準値取得処理で
は、まずS610にて、上記S470と同様、上記一連
のレベル測定動作をj回(例えば8回)繰り返すこと
により、STC回路18の増幅率を最大増幅率に固定し
たときの疑似信号の信号レベルVGJをj個取得する。
【0086】そして、続くS615では、S610で取
得したj個の信号レベルVGJからその平均値VGJAV(j)
を算出し、続くS620にて、今回取得したj個の信号
レベルVGJの内、平均値VGJAV±δ(δ;例えば20m
V)の範囲内にある信号レベルVGJは、k個(例えば5
個)以上あるか否かを判断する。
【0087】そして、平均値VGJAV±δの範囲内にある
信号レベルVGJがk個以上であれば、疑似信号の信号レ
ベルVGJを正常に取得できたとして、S625に移行
し、平均値VGJAV±δの範囲内にあるk個以上の信号レ
ベルVGJから、その平均値VGJAVを算出する。またS6
20にて、平均値VGJAV±δの範囲内にある信号レベル
VGJがk個以上存在しないと判断されると、S630に
移行して、初期又は通常の基準値取得処理で前回取得し
た疑似信号の基準レベル(前回値;即ち現在の基準レベ
ル)をそのまま平均値VGJAVとして設定する。
【0088】このようにS625又はS630にて疑似
信号の信号レベルVGJの平均値VGJAVが算出又は設定さ
れると、今度は、S635で、その算出又は設定された
平均値VGJAVと疑似信号の設定値(例えば500mV)
とを比較する。そして、平均値VGJAVが設定値と一致し
ていれば、そのままS650に移行し、平均値VGJAVが
設定値よりも低い場合には、疑似信号の信号レベルを上
昇させるべく、S640にて、現在、ゲインコントロー
ル電圧VGCを制御しているデータ値(基準ゲインコント
ロール値から制御可能電圧に対する小数点以下の値を除
いたデータ値であり、以下、VGC制御データ値という)
に「1」を加えたものを、新たなVGC制御データ値とし
て設定した後、S650に移行する。
【0089】また逆に、平均値VGJAVが設定値よりも高
い場合には、疑似信号の信号レベルを低下させるべく、
S645にて、VGC制御データ値から値「1」を減じた
ものを、新たなVGC制御データ値として設定した後、S
650に移行する。尚、S640,S645においてV
GC制御データ値が更新されると、ゲインコントロール電
圧VGCはD/A変換器の分解能で決まる最小可変電圧分
だけ上昇或いは低下することになる。
【0090】次に、このようにゲインコントロール電圧
VGCが更新されると、今度は、その更新により、疑似信
号の信号レベルVGJを設定値に近付けることができたか
否かを判断するために、再度、疑似信号の信号レベルV
GJ(詳しくはその平均値VGJAV)を測定する。
【0091】即ち、まずS650にて、上記一連のレベ
ル測定動作をj回(例えば8回)繰り返すことによ
り、疑似信号の信号レベルVGJをj個取得し、続くS6
55にて、その平均値VGJAV(j) を算出する。そして、
続くS660にて、前述のS490と同様、今回取得し
たj個の信号レベルVGJの内、平均値VGJAV±γ(γ;
例えば50mV)の範囲内にある信号レベルVGJは、k
個(例えば5個)以上あるか否かを判断し、平均値VGJ
AV±γの範囲内にある信号レベルVGJがk個以上であれ
ば、S665に移行して、平均値VGJAV±γの範囲内に
あるk個以上の信号レベルVGJから、その平均値VGJAV
を算出し、平均値VGJAV±γの範囲内にある信号レベル
VGJがk個以上存在しない場合には、S660に移行し
て、前回値をそのまま平均値VGJAVとして設定する。
【0092】また、このようにゲインコントロール電圧
更新後の疑似信号の信号レベルVGJの平均値VGJAVが求
められると、今度は、この平均値VGJAVと、ゲインコン
トロール電圧変更前にS625(又はS630)で求め
た平均値VGJAVとを比較し、いずれの平均値が設定値
(例えば500mV)に近いかを判定する。
【0093】そして、変更前の平均値VGJAVが設定値に
近い場合には、S680にて、変更前のゲインコントロ
ール電圧VGCに対応したVGC制御データ値(変更前値)
と初期又は通常の基準値取得処理で前回求めた基準ゲイ
ンコントロール値(前回値とから、前回値に重み付けを
した平均値を算出(所謂加重平均)し、その値を、新た
な基準ゲインコントロール値として設定する。また、逆
に、変更後の平均値VGJAVが設定値に近い場合には、S
685に移行して、変更後のゲインコントロール電圧に
対応したVGC制御データ値(変更後値)と前回値とを加
重平均し、その値を、新たな基準ゲインコントロール値
として設定する。
【0094】尚、この加重平均は、前述のS360と同
様に行われる。また、変更前値又は変更後値(VGC制御
データ値)は、基準ゲインコントロール値を用いてゲイ
ンコントロール電圧VGCを制御可能な基準ゲインコント
ロール値の上位数ビット分のデータに対応していること
から、S680,S685で、これら各値の加重平均を
算出する際には、変更前値又は変更後値となるVGC制御
データ値の下位ビットに値「0」を付与して、これら各
値の桁数を合わせた上で、現在の基準ゲインコントロー
ル値に重み付けした加重平均値を算出する。
【0095】次に、このように基準ゲインコントロール
値が設定されると、再度、疑似信号の信号レベルVGJを
測定し、その値から、基準レベルを更新する。即ち、ま
ずS690にて、上記一連のレベル測定動作をj回(例
えば8回)繰り返すことにより、疑似信号の信号レベル
VGJをj個取得し、続くS695にて、その平均値VGJ
AV(j) を算出する。そして、続くS700にて、今回取
得したj個の信号レベルVGJの内、平均値VGJAV±γ
(γ;例えば50mV)の範囲内にある信号レベルVGJ
は、k個(例えば5個)以上あるか否かを判断し、平均
値VGJAV±γの範囲内にある信号レベルVGJがk個以上
であれば、S705に移行して、平均値VGJAV±γの範
囲内にあるk個以上の信号レベルVGJから、その平均値
VGJAVを算出し、平均値VGJAV±γの範囲内にある信号
レベルVGJがk個以上存在しない場合には、S710に
移行して、前回値をそのまま平均値VGJAVとして設定す
る。そして、このように疑似信号の信号レベルVGJの平
均値VGJAVが求められると、S715に移行して、その
平均値VGJAVを基準レベルとして設定し、当該処理を終
了する。
【0096】次に図7は、初期電圧設定処理(S13
0)を表すフローチャートである。図7に示すように、
初期電圧設定処理では、まずS810にて、下記の一連
のレベル測定動作を、STC回路18に入力する直流
電圧VDCを変化させつつ繰り返し実行することで、ピー
クホールド電圧VPHからオフセット値を減じた疑似信号
の信号レベルVGJが基準レベルとなる直流電圧VDCを探
索する。
【0097】レベル測定動作:信号切換回路12をフ
ィルタ16側に切り換え、STC電圧発生回路22に制
御信号を出力して、STC回路18の増幅率を変化さ
せ、その増幅率が最大となる所定タイミングでフィルタ
16に制御信号を出力することにより、増幅器14に疑
似信号を入力し、そのときピークホールド回路28で得
られるピークホールド電圧VPHを読み込み、その値VPH
からピークホールド回路28のオフセット値を減じるこ
とで、疑似信号の信号レベル(動作レベル)VGJを測定
する。
【0098】尚、この探索には、直流電圧VDCを制御す
るのに使用するデータ(例えば8ビット)を上位ビット
から順に変化させて、上記レベル測定動作により得られ
る疑似信号の信号レベルVGJが基準レベルとなる点を探
索する、所謂二分探索の手法が用いられる。
【0099】そして、この探索動作によって、疑似信号
の信号レベルVGJが基準レベルとなる直流電圧VDCが探
索されると、続く820にて、その探索は、i回(例え
ば8回)実行されたか否かを判断し、i回実行されてい
なければ、再度S810に移行する、といった手順で、
S810の探索動作をi回実行する。
【0100】そして、S810による探索動作がi回実
行されると、続くS830に移行し、上記探索動作によ
って得られたi個の直流電圧VDCから、その平均値VDC
AV(i) を算出し、続くS840にて、今回取得したi個
の直流電圧VDCの内、平均値VDCAV(i) ±ε(ε;例え
ば50mV)の範囲内にある直流電圧VDCは、s個(例
えば5個)以上あるか否かを判断する。
【0101】そして、平均値VDCAV±εの範囲内にある
直流電圧VDCがs個以上であれば、直流電圧VDCの探索
を正常に実行できたと判断して、S850に移行し、平
均値VDCAV±εの範囲内にあるs個以上の直流電圧VDC
から、その平均値VDCAV(ε)を算出し、続くS870
にて、その算出した平均値VDCAV(ε)を、フィードス
ルーキャンセルのための直流電圧値(初期値)として設
定する。
【0102】また、S840にて、平均値VDCAV±εの
範囲内にある直流電圧VDCがs個以上存在しないと判断
されると、S860に移行して、S810及びS820
による一連(i回)の探索動作を、z回(例えば5回)
行ったか否かを判断する。そして、その一連の探索動作
をz回行っていなければ、S810に移行して、上記一
連の探索動作を再度実行する。
【0103】一方、S810及びS820による一連の
探索動作を既にz回行っていれば、今回の探索動作によ
って得られたi個の直流電圧VDCは正常であるとして、
S870に移行し、S830で算出した平均値VDCAV
(i) を、直流電圧値(初期値)として設定する。
【0104】そして、このようにS870にて直流電圧
値が設定されると、CPU30は、その後、電圧重畳回
路20を介してSTC回路18の信号入力端子に印加す
る直流電圧VDCを、その設定された直流電圧値で制御す
る。尚、この直流電圧VDCの制御には、ゲインコントロ
ール電圧VGCの制御と同様、直流電圧値の内、CPU3
0がD/A変換器を用いて直流電圧VDCを制御可能な上
位数ビットのデータ(以下、VDC制御データ値という)
が用いられ、このVDC制御データ値をD/A変換器に出
力することにより、D/A変換器を介して直流電圧VDC
を制御する。
【0105】次に、図8は、初期電圧設定処理(S13
0)でフィードスルーキャンセル用の直流電圧を設定し
た後、温度変化等によってこの直流電圧が最適値からず
れるのを防止するために周期的に実行される通常電圧設
定処理(S170)を表すフローチャートである。
【0106】図8に示すように、通常電圧設定処理で
は、まずS905にて、上記S810と同様の一連のレ
ベル測定動作をi回(例えば8回)繰り返し、ピークホ
ールド回路28を介して疑似信号の信号レベル(動作レ
ベル)VGJをi個取得する。そして、続くS910で
は、S905で取得したi個の信号レベルVGJからその
平均値VGJAV(i) を算出し、続くS915にて、その平
均値VGJAV(i) と基準レベルとを大小比較し、平均値V
GJAV(i) が基準レベルと一致していれば、S920に移
行して、現在直流電圧VDCを実際に制御しているVDC制
御データ値(直流電圧値の上位数ビット(例えば8ビッ
ト)のデータ値)と、直流電圧値(VDC制御データ値よ
りもビット数が多く(例えば10ビット)、D/A変換
器にてVDCを制御可能な最小可変電圧に対する小数点以
下の値を含むデータ値)とから、直流電圧値に重み付け
をした平均値を算出(所謂加重平均)し、続くS925
にて、その平均値を直流電圧値として設定した後、当該
処理を終了する。尚、この加重平均は、前述のS68
0,S685と同様に行われる。
【0107】一方、S915にて平均値VGJAV(i) が基
準レベルよりも大きいと判断された場合には、S930
に移行して、その差は所定電圧κ(例えば25mV)以
上であるか否かを判断する。そして、その差が所定電圧
κ以上で、平均値VGJAV(i)が基準レベルに対して所定
電圧κ以上大きい場合には、S935に移行して、現在
制御している直流電圧VDCに対応したVDC制御データ値
に値「1」を加えたデータ値を、新たな直流電圧値とし
て設定することにより、直流電圧VDCをD/A変換器の
分解能で決まる最小可変電圧分だけ速やかに上昇させ、
当該処理を終了する。
【0108】また逆に、S930にて平均値VGJAV(i)
と基準レベルとの差が所定電圧κ未満であると判断され
た場合には、S940に移行して、VDC制御データ値に
値「1」を加えたデータ値と直流電圧値とから、直流電
圧値に重み付けした平均値を算出(加重平均)し、続く
S945にて、その平均値を直流電圧値として設定した
後、当該処理を終了する。尚、この加重平均はS920
と同様に行われる。
【0109】また次に、S915にて平均値VGJAV(i)
が基準レベルよりも小さいと判断された場合には、S9
50に移行して、その差は所定電圧κ(例えば25m
V)以上であるか否かを判断する。そして、その差が所
定電圧κ以上で、平均値VGJAV(i) が基準レベルに対し
て所定電圧κ以上小さい場合には、S955に移行し
て、現在制御している直流電圧VDCに対応したVDC制御
データ値から値「1」を減じたデータ値を、新たな直流
電圧値として設定することにより、直流電圧VDCをD/
A変換器の分解能で決まる最小可変電圧分だけ速やかに
減少させ、当該処理を終了する。
【0110】また逆に、S950にて平均値VGJAV(i)
と基準レベルとの差が所定電圧κ未満であると判断され
た場合には、S960に移行して、VDC制御データ値か
ら値「1」を減じたデータ値と直流電圧値とから、直流
電圧値に重み付けした平均値を算出(加重平均)し、続
くS965にて、その平均値を直流電圧値として設定し
た後、当該処理を終了する。尚、この加重平均はS92
0と同様に行われる。
【0111】尚、S940,S945、及びS960,
965の処理は、夫々、直流電圧VDCが実際に変化する
頻度を抑えて、受信信号の信号処理系の動作を安定化さ
せるための処理である。つまり、これら各処理では、直
流電圧値を加重平均により更新するので、疑似信号の信
号レベルVGJの平均値VGJAV(i) と基準レベルとに偏差
があっても、その差が所定電圧κ未満であるときには、
直流電圧値はゆっくりと変化することになり、実際に制
御される直流電圧VDCは、上記各処理が複数回連続して
実行されることにより初めて変化する。従って、外乱ノ
イズ等によってSTC回路18やピークホールド回路2
8内の直流電圧が一時的に変動したような場合に、直流
電圧VDCを変化させてしまい、その後の距離測定精度を
却って悪化させてしまうといったことを防止できる。
【0112】以上説明したように、本実施例では、基準
値取得処理(S120,S160)により、STC回路
18の増幅率を一定(最大増幅率)にした状態で、増幅
器14に疑似信号を入力し、そのときピークホールド回
路28で検出された疑似信号の信号レベル(最大レベ
ル)を読み込み、その値を基準レベルとして設定し、電
圧設定処理(S130,S170)にて、STC回路1
8の増幅率を距離測定時と同様に変化させ、その増幅率
が最大になった直後に増幅器14に疑似信号を入力し
て、そのときピークホールド回路28で検出された疑似
信号の信号レベル(最大レベル)を読み込み、この信号
レベル(動作レベル)を基準レベルに制御するための直
流電圧値を求めて、STC回路18の信号入力端子に印
加する直流電圧VDCを設定する。
【0113】このため、本実施例によれば、距離測定時
にSTC回路18の増幅率変化に起因して出力される交
流信号成分(フィードスルー)を、STC回路18の信
号入力端子に印加する直流電圧VDCによって、正確にキ
ャンセルすることができ、距離測定時には、STC回路
18のフィードスルーの影響を受けることなく、車両前
方に位置する物標までの距離を測定できることになる。
従って、本実施例によれば、車両前方を走行する先行車
両までの距離や障害物までの距離を極めて正確に測定で
き、車両走行時の安全性を高めることができると共に、
自車両を先行車両に対して所定車間距離で追従させる車
間距離制御を行う装置においては、車間距離制御を極め
て高精度に実行することが可能になる。
【0114】また、本実施例では、基準値取得処理(S
120,S160)及び電圧設定処理(S130,S1
70)を実行する前に、オフセット値取得処理(S11
0,S150)を実行し、STC回路18からの出力信
号レベル(最大レベル)を検出するのに使用するピーク
ホールド回路28のオフセット値を検出し、基準値取得
処理(S120,S160)では、疑似信号入力時にピ
ークホールド回路28で得られたピークホールド電圧か
らそのオフセット値を減じた疑似信号に対応した電圧値
(信号レベルVGJ)が、ピークホールド回路28の動作
に最適な設定値となるように増幅率14の増幅率(詳し
くはゲインコントロール電圧VGC)を設定している。こ
のため、STC回路18のフィードスルーを、ピークホ
ールド回路28を用いて常に正確に検出することが可能
になり、ピークホールド回路28の動作特性に影響され
ることなく、直流電圧VDCを常に最適に設定することが
できる。
【0115】また、直流電圧VDCを更新する通常電圧設
定処理(S170)では、STC回路18の増幅率を変
化させたときに得られる疑似信号の信号レベルVGCの平
均値VGJAV(つまり、本発明の動作レベル)と、基準レ
ベルとの偏差が所定電圧κ以上である場合には、直流電
圧VDCを、CPU30が直流電圧VDCを出力するのに使
用するD/A変換器の分解能で決まる最小可変電圧分だ
け速やかに変化させ、その偏差が所定電圧κ未満であれ
ば、直流電圧VDCがゆっくりと変化するように、直流電
圧VDCの制御に用いる動作電圧値を、偏差が少なくなる
方向に更新する。このため、上記偏差が小さい場合には
直流電圧VDCの変化を抑制して、制御の安定性を向上で
き、偏差が大きい場合にだけ、直流電圧VDCを大きく変
化させて、制御の応答性を向上する、といったことが可
能になる。
【0116】以上本発明の一実施例について説明した
が、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、
種々の態様を採ることができる。例えば、上記実施例で
は、本発明を自動車用距離測定装置に適用した場合につ
いて説明したが、本発明は、航空機等、他の移動体用の
距離測定装置であっても、或いは、固定局から測定光を
出射して周囲の移動体等を監視する固定局用の距離測定
装置であっても適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の距離測定装置全体の構成を表すブロ
ック図である。
【図2】 実施例のCPUにて実行されるフィードスル
ーキャンセル処理の流れを説明するフローチャートであ
る。
【図3】 図2のS110にて実行される初期オフセッ
ト値取得処理を表すフローチャートである。
【図4】 図2のS150で実行される通常オフセット
値取得処理を表すフローチャートである。
【図5】 図2のS120で実行される初期基準値取得
処理を表すフローチャートである。
【図6】 図2のS160にて実行される通常基準値取
得処理を表すフローチャートである。
【図7】 図2のS130で実行される初期電圧設定処
理を表すフローチャートである。
【図8】 図2のS170で実行される通常電圧設定処
理を表すフローチャートである。
【図9】 従来の距離測定装置の構成及び動作を説明す
る説明図である。
【図10】 従来の距離測定装置の問題点を説明する説
明図である。
【符号の説明】
4…発光部 8…受光部 12…信号切換回路
14…増幅器 16…フィルタ 18…STC回路 20…電圧重
畳回路 22…STC電圧発生回路 24…コンパレータ
26…時間計測IC 30…CPU(マイクロコンピュータ)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定光を出射する発光手段と、 該発光手段が出射した測定光が外部の物標に当たって反
    射してくる反射光を受光し、受光信号を出力する受光手
    段と、 該受光手段からの受光信号を増幅する増幅手段と、 該増幅手段の増幅率を、該増幅率が時間の経過に伴い大
    きくなるように制御する増幅率制御手段と、 前記増幅手段から出力される交流信号成分を取り込み、
    該信号から前記受光手段による反射光の受光を検出する
    受光検出手段と、 前記発光手段にパルス状の駆動信号を出力して測定光を
    出射させ、前記増幅率制御手段を起動すると共に、その
    後、前記受光検出手段にて前記受光手段による反射光の
    受光が検出されるまでの時間を計時し、該計時時間から
    前記物標までの距離を算出する距離算出手段と、 を備えた距離測定装置において、 前記増幅率制御手段による増幅率制御に起因して前記増
    幅手段から出力される交流信号成分を抑制するため、前
    記増幅手段の信号入力端子に直流電圧を印加する直流電
    圧印加手段と、 前記増幅手段から出力される交流信号成分を取り込み、
    該信号のレベルを検出するレベル検出手段と、 前記増幅手段への信号入力がないときに前記レベル検出
    手段にて検出される前記交流信号成分のレベルを、基準
    レベルとして測定する基準レベル測定手段と、 前記増幅率制御手段を起動して前記増幅手段の増幅率を
    変化させ、そのとき前記レベル検出手段にて検出される
    前記交流信号成分のレベルを、前記増幅率制御手段動作
    時の動作レベルとして測定する動作レベル測定手段と、 該動作レベル測定手段にて測定された動作レベルが、前
    記基準レベル測定手段にて測定された基準レベルとなる
    よう、前記直流電圧印加手段が前記増幅手段の信号入力
    端子に印加する直流電圧を設定する直流電圧設定手段
    と、 を設けたことを特徴とする距離測定装置。
  2. 【請求項2】 前記増幅手段への受光信号の入力を遮断
    して、前記増幅手段にパルス状の疑似受光信号を入力す
    る疑似受光信号入力手段を備え、 前記レベル検出手段が、前記増幅手段から出力される交
    流信号成分の最大レベルを検出し、 前記基準レベル測定手段が、前記基準レベルを測定する
    際には、前記増幅手段の増幅率を前記増幅率制御手段が
    制御する最大増幅率に設定して、前記疑似信号入力手段
    を動作させ、 前記動作レベル測定手段が、前記動作レベルを測定する
    際には、前記増幅率制御手段を起動して前記増幅手段の
    増幅率を変化させ、該増幅手段の増幅率が最大増幅率に
    なる所定タイミングで、前記疑似信号入力手段を動作さ
    せること、 を特徴とする請求項1に記載の距離測定装置。
  3. 【請求項3】 前記受光手段から前記増幅手段に至る信
    号経路に、入力信号を増幅して出力する第2増幅手段を
    備え、 前記基準レベル測定手段は、前記基準レベルが、前記レ
    ベル検出手段の動作に最適な所定レベルとなるよう、前
    記第2増幅手段の増幅率を設定することを特徴とする請
    求項2に記載の距離測定装置。
  4. 【請求項4】 前記基準レベル測定手段による基準レベ
    ルの測定前に、前記レベル検出手段を信号無入力状態で
    動作させ、そのとき前記レベル検出手段にて検出された
    最大レベルを、前記レベル検出手段のオフセット値とし
    て測定するオフセット値測定手段を設け、 前記基準レベル測定手段及び動作レベル測定手段を、前
    記レベル検出手段にて検出された最大レベルから前記オ
    フセット値を引いた値を、前記基準レベル及び動作レベ
    ルとして、夫々測定するよう構成してなることを特徴と
    する請求項3に記載の距離測定装置。
  5. 【請求項5】 前記基準レベル測定手段は、前記第2増
    幅手段の増幅率を設定した後、前記基準レベルの測定を
    再度行い、前記直流電圧設定手段は、該基準レベル測定
    手段にて前記第2増幅手段の増幅率設定後に測定された
    基準レベルを用いて前記直流電圧を設定することを特徴
    とする請求項3又は請求項4に記載の距離測定装置。
  6. 【請求項6】 前記直流電圧設定手段は、前記動作レベ
    ルと前記基準レベルとの偏差を求め、該偏差が所定レベ
    ル以上であれば、現在直流電圧として設定されている現
    在電圧値を偏差が小さくなる方向に所定電圧分だけ変化
    させた変更電圧値を、新たな直流電圧として設定し、該
    偏差が所定レベルよりも小さければ、前記現在電圧値と
    前記変更電圧値とを前記現在電圧値に重み付けして平均
    化した加重平均電圧値を、新たな直流電圧として設定す
    ることを特徴とする請求項1〜請求項5いずれか記載の
    距離測定装置。
  7. 【請求項7】 前記距離測定装置は、車両に搭載され、
    車両の進行方向前方に位置する物標までの距離を測定す
    る車両用距離測定装置であることを特徴とする請求項1
    〜請求項6いずれか記載の距離測定装置。
JP19736597A 1997-07-23 1997-07-23 距離測定装置 Expired - Lifetime JP3329237B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19736597A JP3329237B2 (ja) 1997-07-23 1997-07-23 距離測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19736597A JP3329237B2 (ja) 1997-07-23 1997-07-23 距離測定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1138137A true JPH1138137A (ja) 1999-02-12
JP3329237B2 JP3329237B2 (ja) 2002-09-30

Family

ID=16373290

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19736597A Expired - Lifetime JP3329237B2 (ja) 1997-07-23 1997-07-23 距離測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3329237B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6665056B2 (en) 2001-12-04 2003-12-16 Denso Corporation Method and apparatus for measuring distance to a detection object
WO2004083889A1 (ja) * 2003-03-20 2004-09-30 Matsushita Electric Industrial Co. Ltd. 障害物検知装置
JP2006171006A (ja) * 2004-12-16 2006-06-29 Hilti Ag パルスレーザ測距装置およびその測定方法
EP3217189A1 (en) 2016-03-10 2017-09-13 Ricoh Company, Ltd. Object detector and sensing apparatus
US11150345B2 (en) 2017-08-18 2021-10-19 Ricoh Company, Ltd. Object detector, sensing device, and mobile object apparatus

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6665056B2 (en) 2001-12-04 2003-12-16 Denso Corporation Method and apparatus for measuring distance to a detection object
WO2004083889A1 (ja) * 2003-03-20 2004-09-30 Matsushita Electric Industrial Co. Ltd. 障害物検知装置
US7230524B2 (en) 2003-03-20 2007-06-12 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Obstacle detection device
JP2006171006A (ja) * 2004-12-16 2006-06-29 Hilti Ag パルスレーザ測距装置およびその測定方法
EP3217189A1 (en) 2016-03-10 2017-09-13 Ricoh Company, Ltd. Object detector and sensing apparatus
US11150345B2 (en) 2017-08-18 2021-10-19 Ricoh Company, Ltd. Object detector, sensing device, and mobile object apparatus

Also Published As

Publication number Publication date
JP3329237B2 (ja) 2002-09-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10795008B2 (en) Apparatus and method for optimizing ultrasonic signal
CN111198382B (zh) 飞时测距传感器以及飞时测距方法
KR970007393A (ko) 레이저 거리 측정 수신기
JP2014062767A (ja) 受光回路、レーザレーダ
US11280890B2 (en) Geodetic instrument with improved dynamic range
JP2003167054A (ja) 距離測定方法及び距離測定装置
JP3329237B2 (ja) 距離測定装置
JPH10197635A (ja) レーザー測距装置
JPH1138135A (ja) 距離測定装置
JPH08201519A (ja) 光受信回路
JPH06118173A (ja) 距離測定装置
JP2969255B2 (ja) 超音波レベルセンサ
JP4099155B2 (ja) 光信号受信方法および装置
JP2008092218A (ja) 光電センサ
JPH03189584A (ja) 距離測定装置
KR102187825B1 (ko) 초음파 신호 최적화 장치 및 방법
JPH05231818A (ja) レーザ測距装置
TWI791758B (zh) 具有動態增益確定的方法和系統
JPH06201828A (ja) レーザ測距装置
US20050134832A1 (en) Rangefinder and measuring method
EP1209487A1 (en) Method and device for detection of an object, with background elimination
JPH11142519A (ja) 光学式距離測定装置
JP2000056017A (ja) 距離測定方法及び距離測定装置
JPS5953737B2 (ja) 超音波受信方法および装置
JPH04310453A (ja) 車速検出装置及び該検出装置をそなえたワイパ制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110719

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120719

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120719

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130719

Year of fee payment: 11

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250