JPH1137596A - 化学ヒートポンプ - Google Patents
化学ヒートポンプInfo
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- JPH1137596A JPH1137596A JP19407697A JP19407697A JPH1137596A JP H1137596 A JPH1137596 A JP H1137596A JP 19407697 A JP19407697 A JP 19407697A JP 19407697 A JP19407697 A JP 19407697A JP H1137596 A JPH1137596 A JP H1137596A
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Abstract
させることができる化学ヒートポンプを提供すること。 【解決手段】 反応器14と凝縮器16と蒸発器18と
の備え、それらの順に冷媒13を循環移動させて、再生
過程、冷凍過程を繰り返す構成の化学ヒートポンプ。冷
媒13が、廃熱などの熱エネルギーから生成する化学的
平衡圧力差と、気体輸送機で生成する機械的圧力差の2
つの圧力差により移送する。
Description
し、高温熱源から熱を吸収し、低温の熱を生成する化学
ヒートポンプ(化学冷凍装置)、あるいは低温熱源から
熱を吸収し高温の熱を発生させる化学ヒートポンプに関
し、特に、廃熱としてほとんど捨てられていた60℃以
下の温熱を、再生過程における再生熱源としての有効利
用が可能な化学ヒートポンプに関する。
凍・冷蔵庫・空気調和機などの冷凍機としてもちろん、
該ヒートポンプから発生する反応熱(吸収熱、吸着熱)
を、暖房、給湯、スチーム生成等の需要に応じた熱の供
給機器としての利用も期待できるものである。
装置)の一般的な構成を示す図である。
応器14と、反応媒体12と化学結合(吸着)・脱離
(脱着)をする冷媒13が充填された凝縮器16と蒸発
器18とを備えた密閉系である。そして、反応器14は
反応媒体12を加熱・冷却する第1熱交換器20を備
え、凝縮器16は冷媒蒸気を凝縮する第2熱交換器22
を備え、また、蒸発器18は冷媒を蒸発させる第3熱交
換器30を備えている。反応器14と凝縮器16との
間、該蒸発器18と反応器14との間には、それぞれ第
1・2冷媒蒸気通路24、26が配されるとともに、該
蒸発器18と凝縮器16との間に冷媒通路28が形成さ
れ、反応器14→凝縮器16→蒸発器18→反応器14
と冷媒13が循環可能とされている。系内は脱気され真
空の状態にあり、循環する物質は冷媒、あるいは冷媒蒸
気のみである。
6へ、及び、蒸発器18から反応器14へ、それぞれ交
互に移動するように、第1冷媒蒸気通路24には第1二
方向弁32が、第2冷媒蒸気通路26には第2二方向弁
34が、それぞれ配されている。これらの弁は、通常、
電磁弁とされている。
び水(冷媒)により構成される吸着式の化学ヒートポン
プ(化学冷凍機)において、利用する熱源を高温側80
℃(再生熱源)、中温側30℃(冷却熱源)の2種類と
し、10℃(冷凍設定温度)の冷水を得る場合の運転を
例に採る。
り、所定温度における水の飽和蒸気圧を意味する。
度(RH)と平衡吸着量(平衡結合量)との関係を示
し、RHが0〜略50%の間においては、 平衡吸着量≒0.25/50×RH… の略線形グラフとなる。
るものである。
度)における蒸気圧(kPa) }/{シリカゲル温度におけ
る蒸気圧(kPa) }×100… a)準備過程(運転開始) 運転開始は連続運転の待機中に吸着した水蒸気(量は条
件により異なる。)を脱着させるため、次の準備過程で
始まる。
を開とするとともに、第2冷媒蒸気通路26の第2二方
向弁34を閉とする。即ち、反応器14と凝縮器16と
が連通し、蒸発器18と反応器14とが非連通となる。
水(再生熱源)を反応器(シリカゲル)14に供給する
とともに、凝縮器16の第2熱交換器22には、30℃
の冷却水(冷却熱源)を供給する。
℃、シリカゲル温度80℃であり各温度における蒸気圧
は、それぞれ4.24 kPa、47.4 kPaである。この
ため、再生過程のRHは、前記式から4.24/4
7.4×100≒9(%)となる。従って、図2から、
80℃の再生過程におけるシリカゲルの平衡吸着量は、
再生平衡点Aの0.05mL/gとなる。
した余分の水蒸気を脱着する。この脱着した冷媒蒸気
は、第1冷媒蒸気通路24を通り凝縮器16に移動し、
凝縮器16内で凝縮熱を放出し液化する。凝縮熱は第2
熱交換器22を流れる温度30℃の冷却水(冷却熱源)
により取り除かれる。凝縮器16で凝縮した冷媒は、冷
媒通路28を通り蒸発器18に戻る。該準備過程を経た
後、シリカゲルは乾燥状態になり、水蒸気を吸着できる
状態となる。
2を閉とし、第2冷媒蒸気通路26の第2二方向弁34
を開とする。即ち、反応器14と凝縮器16とが非連通
となり、蒸発器18と反応器14とが連通となる。そし
て、第1熱交換器20の熱源を、80℃の熱水から30
℃の冷却水に切り替えて、30℃の冷却水(冷却熱源)
を反応器14に供給する。
ることにより、第3熱交換器30に、冷熱負荷側で熱を
吸収して温度が上昇し冷凍機(蒸発器18)に戻ってく
る冷水(温度10〜15℃)を循環可能とする。反応器
(シリカゲル)14が30℃の冷却熱源で冷却され、雰
囲気温度が冷凍設定温度(例えば10℃)と同温度であ
り、各温度における蒸気圧は、それぞれ、4.24kPa
及び1.23kPa である。このため、冷凍過程のRH
は、前記式から1.23/4.24×100≒29
(%)となる。従って、冷凍過程では、シリカゲルは、
最大、図2の冷凍平衡点B点の平衡吸着量0.15mL
/gの水分を吸着して終了することになる。
て、準備過程の平衡吸着量0.05mLとの差分である
0.10mL/gの水蒸気を吸着することができる。
から第2冷媒蒸気通路26を通り反応器14に移動し
て、シリカゲルに吸着される。このとき、蒸発器18に
おいては、水の蒸発潜熱による冷凍効果が得られ、第3
熱交換器30により温度の低下した冷水(10℃以下)
を冷熱負荷側に連続して循環供給することができる。
シリカゲルが発熱するため、第1熱交換器20から供給
される30℃の冷却水により、吸着熱を取り除く。
Bの平衡吸着量(飽和点)0.15mL/g近くまで水
が吸着されると、蒸発は止まる。
1冷媒蒸気通路24の第1二方向弁32を開とするとと
もに第2冷媒蒸気通路26の第2二方向弁34を閉とす
る。即ち、反応器14と凝縮器16とが連通し、蒸発器
18と反応器14とが非連通となる。
水(再生熱源)を反応器(シリカゲル)12に供給する
とともに、凝縮器16の第2熱交換器22には、30℃
の冷却水(冷却源)を供給する。同時に、図示しない電
磁バルブ等を閉とすることにより、第3熱交換器30へ
の冷水の循環を停止させる。
シリカゲル温度80℃であり各温度における蒸気圧は、
それぞれ4.24kPa 、47.4kPa である。このた
め、再生過程のRHは、前記式から4.24/47.
4×100≒9(%)となる。従って、図2から、80
℃の再生過程におけるシリカゲルの平衡吸着量は、再生
平衡点Aの0.05mL/gとなる。
て、冷凍過程の平衡吸着量0.15mLとの差分である
0.10mL/gの水蒸気を脱着することができる。
り、最大0.10mLの水を(脱離→凝縮)→(蒸発→
結合)の各過程を繰り返しながら循環移動させることに
より、ヒートポンプ(冷凍装置)を操作できる。
装置では、シリカゲルの吸着平衡に基づくRH/水分吸
着量との平衡関係から、移送させる冷媒蒸気の量が熱源
の温度条件により決定されてしまう。コジェネレーショ
ンや燃料電池の廃熱などでよく報告されているように、
再生熱源の温度が安定して得られない場合は、移送でき
る冷媒(蒸気)の量が刻一刻と変化してしまい、冷熱出
力が不安定となる。
19.9 kPa)の熱源しか利用できない場合は、凝縮器
の冷却(凝縮)熱源が前述の如く30℃(蒸気圧:4.
24kPa)のとき、RHが4.24/19.9×100
≒21%であり、60℃の再生平衡点が図2のRH/平
衡吸着量関係線のC点に位置する。このため、循環移送
できる水蒸気の量は図2中のB−C間、即ち、0.05
mL/gとなり、80℃の場合0.1mL/gの半分と
なってしまう。冷凍能力もその分低下することになる。
3 kPa)の熱源では、冷却水を前述の如く30℃(蒸気
圧:4.24 kPa)とした場合、RHが4.24/1
2.3×100≒34%であり、50℃の再生平衡点が
図2のD点に位置する。このD点におけるシリカゲルの
水分吸着量は0.17mL/gであり、冷凍過程(蒸発
過程)における冷凍平衡点Bにおけるそれより高く、シ
リカゲルの再生ができないこととなる。
と環境温度付近の30℃の冷却水を利用して冷凍効果を
得ることは不可能である。一方、廃熱の種類は、種々あ
るものの、そのほとんどが100℃以下であり、特に環
境温度付近から60℃程度までの温度範囲の廃熱を有効
に利用する技術の開発が強く求められているのが現状で
ある。
ネルギーを利用し、冷房用の冷風熱、あるいは工場にお
ける冷却水などを生成させることができれば、エネルギ
ーの総合的な利用効率は飛躍的に向上することが期待さ
れる。
低温の熱源を利用して冷熱を発生させることができる化
学ヒートポンプを提供することを目的とする。
ンプ(化学冷凍装置)の共通の課題であるコンパクト
化、高出力化の課題に対して、対応が容易となる化学ヒ
ートポンプを提供することにある。
プは、上記課題を、下記構成により解決するものであ
る。
と化学結合・脱離をする冷媒が封入された凝縮器と蒸発
器とを備えた密閉系であって、反応器は反応媒体を加熱
・冷却して冷媒をそれぞれ脱離・結合させる第1熱交換
器を備え、凝縮器は冷媒蒸気を凝縮させる第2熱交換器
を備え、反応器と凝縮器、及び、蒸発器と反応器との間
にはそれぞれ第1・第2冷媒蒸気通路が配されるととも
に、凝縮器と蒸発器との間には冷媒通路が配されて、反
応器→凝縮器→蒸発器→反応器と冷媒が循環可能とされ
ている構成の化学ヒートポンプにおいて、第1冷媒蒸気
通路に、気体輸送機が凝縮器方向に輸送方向を向けて配
されていることを特徴とする。
冷媒蒸気通路に、気体輸送機を反応器方向に輸送方向を
向けて配してもよい。
るため、反応器で吐き出された冷媒蒸気は、気体輸送機
(ポンプ)によって吸引され、加圧(加速)された状態
で凝縮器に入り凝縮する。吸引により入り口側の圧力は
低下するため、平衡圧力の関係がずれ、より多くの冷媒
蒸気を吐き出させることができるようになる。
器と凝縮器との間から、蒸発器から反応器との間に切り
替えた場合は、蒸発器で蒸発した冷媒蒸気は気体輸送機
により加圧された後、反応器に入り吸収される。
体輸送機を併用することにより、冷媒蒸気の移送量の制
御が容易となり、安定した出力を生むことになる。ま
た、冷媒の負荷変動に対する制御性が高まる。
既述例と同一部分については、同一図符号を付してそれ
らの説明の全部または一部を省略する。
填された反応器14と、反応媒体12と化学結合・脱離
をする冷媒13が充填された凝縮器16と蒸発器18と
を備えた密閉系である。そして、反応器14は反応媒体
12を加熱・冷却する第1熱交換器20を備え、凝縮器
16は冷媒蒸気を凝縮する第2熱交換器22を備え、ま
た、蒸発器18は冷媒を蒸発させる第3熱交換器30を
備えている。反応器12と凝縮器16との間、該蒸発器
18と反応器14との間には、それぞれ第1・2冷媒蒸
気通路(配管部)24、26が配されるとともに、該蒸
発器18と凝縮器16との間に冷媒通路(配管部)28
が形成され、反応器14→凝縮器16→蒸発器18→反
応器14と冷媒が循環可能とされている。
は、シリカゲル、活性炭、ゼオライト、活性アルミナ等
の化学吸着剤、あるいは臭化リチウム、アンモニア、酸
化カルシウムなど化学反応物質が使用される。
コール、フロン等の冷媒13が封入される。蒸発器18
は、冷水利用のための第3熱交換器30を備えている。
6へ、及び、蒸発器18から反応器14へ、それぞれ交
互に移動するように、第1冷媒蒸気通路24には第1二
方向弁32が、第2冷媒蒸気通路26には第2ニ方向弁
34が、それぞれ配されている。
プ(化学冷凍装置)において、反応器14と凝縮器16
を連結する第1冷媒蒸気通路24において、気体輸送機
36が、凝縮器16側に輸送方向を向けて配されてい
る。
送する機構を備えたものをいい、圧縮ポンプ、真空ポン
プ、吸引ポンプ、送風機、ブロアー、加圧機、圧縮器な
どと称呼されているものを含む。
する。
び水(冷媒)により構成される吸着式の化学ヒートポン
プ(化学冷凍機)において、利用する熱源は、再生熱源
を80℃を60℃にした以外は同様である。即ち、中温
側30℃(冷却熱源)、冷凍設定温度10℃とする場合
の運転を例に採る。
件により異なる)を脱着させるため、次の準備過程で始
まる。第1冷媒蒸気通路24の第1二方向弁32を開と
するとともに、第2冷媒蒸気通路26の第2二方向弁3
4を閉とする。即ち、反応器14と凝縮器16とが連通
し、蒸発器18と反応器14とが非連通となる。
水(再生熱源)を反応器(シリカゲル)14に供給する
とともに、凝縮器16の第2熱交換器22には、30℃
の冷却水(冷却熱源)を供給する。
℃、シリカゲル温度60℃であり各温度における蒸気圧
は、それぞれ4.24 kPa、19.9 kPaである。この
ため、準備過程のRHは、前記式から4.24/1
9.9×100≒21(%)となる。従って、図2か
ら、60℃の準備過程におけるシリカゲルの平衡吸着量
は、再生平衡点Cの0.1mL/gとなる。
脱着(脱離)することとなるが、気体輸送機(ポンプ)
36により反応器14側から凝縮器16側へ冷媒蒸気を
強制移動(吸引)することにより、さらに多くの冷媒蒸
気を反応器14から凝縮器16に送り込む。化学的平衡
圧力差に加えて、気体輸送機36で生成する機械的圧力
差の2つの圧力差により移送される結果となり、再生平
衡点が60℃のC点から、見かけ上80℃における再生
平衡点Aの近くへ移動する。
体輸送機(吸引ポンプ)36を設置することにより、凝
縮器16側で、見かけ上の蒸気圧が4.24−2.4=
1.84 kPaとなり、RHは、1.84/19.9×1
00≒9(%)となり、見かけ上の再生平衡点が図中の
A点近くに下がる。従って、60℃の再生熱源で、80
℃の再生熱源と同様、準備過程におけるシリカゲルの平
衡吸着量を0.05mL/gに低減させることが可能と
なる。この脱着した冷媒蒸気は、第1冷媒蒸気通路24
を通り凝縮器16に移動し、凝縮器16内で凝縮熱を放
出し液化する。凝縮熱は第2熱交換器22を流れる温度
30℃の冷却水(冷却熱源)により取り除かれる。凝縮
器16で凝縮した冷媒は、冷媒通路28を通り蒸発器1
8に戻る。該準備過程を経た後、シリカゲルは乾燥状態
になり、水蒸気を吸着する状態が整う。
2を閉とし、第2冷媒蒸気通路26の第2二方向弁34
を開とする。即ち、反応器14と凝縮器16とが非連通
となり、蒸発器18と反応器14とが連通となる。そし
て、第1熱交換器20の熱源を、80℃の熱水から30
℃の冷却水に切り替えて、30℃の冷却水(冷却熱源)
を反応器14に供給する。同時に、図示しない電磁バル
ブ等を開とすることにより、第3熱交換器30に、冷却
水から冷熱負荷側で熱を吸収して温度が上昇し、冷凍機
(蒸発器18)に戻ってくる冷水(温度10〜15℃)
を循環可能とする。反応器(シリカゲル)14が30℃
の冷却熱源で冷却され、雰囲気温度が冷凍設定温度(例
えば10℃)と同温度であり、各温度における蒸気圧
は、それぞれ、4.24kPa 及び1.23kPa である。
このため、冷凍過程のRHは、前記式から1.23/
4.24×100≒29(%)となる。従って、冷凍過
程では、シリカゲルは、最大、図2の冷凍平衡点Bの平
衡吸着量0.15mL/gの水分を吸着して終了するこ
とになる。
て、60℃の熱源で再生した場合も、80℃の熱源で再
生した場合と同様、準備過程の平衡吸着量0.05mL
との差分である0.10mL/gの水蒸気を吸着(結
合)することができる。
から第2冷媒蒸気通路26を通り反応器14に移動し
て、シリカゲルに吸着される。このとき、蒸発器18に
おいては、水の蒸発潜熱による冷凍効果が得られ、第3
熱交換器30により温度の低下した冷水(10℃以下)
を冷熱負荷側に連続して循環供給することができる。
シリカゲルが発熱するため、第1熱交換器20から供給
される30℃の冷却水により、吸着熱を取り除く。
Bの平衡吸着量(飽和点)0.15mL/g近くまで水
が吸着されると、蒸発は止まる。
条件で行われる。第1冷媒蒸気通路24の第1二方向弁
32を開とするとともに第2冷媒蒸気通路26の第2二
方向弁34を閉とする。即ち、反応器14と凝縮器16
とが連通し、蒸発器18と反応器14とが非連通とな
る。
水(再生熱源)を反応器(シリカゲル)14に供給する
とともに、凝縮器16の第2熱交換器22には、30℃
の冷却水(冷却源)を供給する。同時に、図示しない電
磁バルブ等を閉とすることにより、第3熱交換器30へ
の冷水の循環を停止させる。
シリカゲル温度60℃であり各温度における蒸気圧は、
前述の如く、それぞれ4.24kPa 、19.9kPa であ
る。このため、再生過程のRHは、前記式から4.2
4/19.9×100≒21(%)となる。従って、図
2から、60℃の再生過程におけるシリカゲルの平衡吸
着量は、再生平衡点Cの0.10mL/gとなる。
脱着(脱離)することとなるが、気体輸送機(吸引ポン
プ)36により反応器14側から凝縮器16側へ冷媒蒸
気を強制移動(吸引)することにより、さらに多くの冷
媒蒸気を反応器14から凝縮器16に送り込む。
させる気体輸送機(吸引ポンプ)36を設置することに
より凝縮器16側で、見かけ上の蒸気圧が4.24−
2.4=1.84 kPaとなり、RHは、1.84/1
9.9×100≒9%となり、見かけ上の再生平衡点が
図中のA点近くに下がる。即ち、化学的平衡圧力差に加
えて、気体輸送機36で生成する機械的圧力差の2つの
圧力差により移送される結果となり、再生平衡点が60
℃のB点から、見かけ上80℃における再生平衡点Aの
近くへ移動する。
生熱源と同様、再生過程におけるシリカゲルの平衡吸着
量を0.05mL/gに低減させることが可能となる。
即ち、60℃の再生熱源では、0.05mLの水分(水
蒸気)しか循環させることができなかったが、気体輸送
機を冷媒蒸気通路に組み込むことにより、80℃の再生
熱源を使用した場合と同様、冷凍過程の平衡吸着量0.
15mLとの差分である0.10mL/gの水蒸気を脱
着することができる。
路24を通り凝縮器16に移動し、凝縮器16内で凝縮
熱を放出し液化する。凝縮熱は第2熱交換器22を流れ
る温度30℃の冷却水(冷却熱源)により取り除かれ
る。
り、最大0.10mL/gの水を(脱離→凝縮)→(蒸
発→結合)の各過程を繰り返しながら循環移動させるこ
とによりヒートポンプ(冷凍装置)を操作できる。
を、反応器14と凝縮器16との間の第1冷媒蒸気通路
24に加えて、蒸発器18と反応器14との間の第2冷
媒蒸気通路26に設けて、更に、冷凍能力を増大させる
ことも可能である。
三方向電磁弁32A、34Aを用いて一台の気体輸送機
36を、再生過程(1) 及び、冷凍過程(2) の双方に兼用
できるようにすることが望ましい。
換器20に温度30℃(蒸気圧:4.24 kPa)の冷却
水を供給して、シリカゲルを30℃まで冷却する。蒸発
器の温度を10℃(蒸気圧:1.23 kPa)に設定した
する。
2.4 kPaを発生させた場合、30℃における見かけ上
の蒸気圧が4.24−2.4=1.84 kPaとなり、R
Hは、1.23/1.84≒66(%)となり、見かけ
上の冷却平衡点が図2の枠の外に位置し、このときの吸
着平衡量は約0.3mL/gであり、再生平衡点Aの吸
着平衡量0.05mL/gとの差分である0.25mL
/gの水分(水蒸気)を循環させることができるように
なり、格段に冷凍能力を増大させることができる。
うな構成により、下記のような効果を奏する。
いは気体輸送機による冷媒蒸気移送の加速効果により、
従来以上の再生能力を得ることができる。
て、気体輸送機による吸引、加圧機能を付加させた場合
は、同じ量の化学反応媒体(吸着剤)により得られる蒸
発潜熱の量が多くなることになる。
手段として、化学的平衡圧力差と機械的圧力差を併用さ
せて、反応物質の単位重量あたりに循環させることので
きる冷媒蒸気を増大させることができるため、従来より
も装置のコンパクト化が可能となる。
冷凍装置では稼働しない温度レベルでの廃熱の有効利用
が可能になり熱エネルギーの利用効率を向上させるシス
テムが提供できる。従って、熱エネルギーの利用量の伸
びを低減でき、ひいては炭酸ガスの排出を抑制すること
が期待できる。
カゲル/水で構成される冷凍装置をはじめとし、臭化リ
チウム/水で構成される吸収ヒートポンプ、あるいは吸
収冷凍機、酸化カルシウム/水、酸化カルシウム/炭酸
ガスで構成される化学ヒートポンプなどあらゆる化学冷
凍装置に適用できる。
ー供給システムに、本発明により提供される化学ヒート
ポンプ(化学冷凍装置)を適用させることにより、太陽
エネルギーを利用する冷房、冷却装置が構成でき、冷熱
・温熱の双方を提供するエネルギーシステムを構築でき
る。
気通路に気体輸送機(加圧機・ポンプ)を配して、冷却
過程(蒸発過程)で機械的加圧を行う技術を開示した公
知文献がある(特開平4−316965・6−7449
7号)。
く、従来より低いレベルの廃熱を再生熱源として利用は
できない。即ち、本願発明では、少なくとも、反応器と
蒸発器との間の第1冷媒蒸気通路に気体輸送機を配し
て、再生過程で機械的加圧を行うことにより、初めて、
従来より低い温度レベルの廃熱を再生熱源として利用可
能となるものである。従って、上記公知文献が本願発明
を開示は勿論、示唆してているとは認められない。
すシステム図である。
である。
テム図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 反応媒体が充填された反応器と、前記反
応媒体と化学結合・離脱をする冷媒が封入された凝縮器
と蒸発器とを備えた密閉系であって、前記反応器は前記
反応媒体を加熱・冷却して冷媒をそれぞれ離脱・結合さ
せる第1熱交換器を備え、前記凝縮器は冷媒蒸気を凝縮
させる第2熱交換器を備え、前記反応器と前記凝縮器、
及び、前記蒸発器と前記反応器との間にはそれぞれ第1
・第2冷媒蒸気通路が配されるとともに、前記凝縮器と
前記蒸発器との間には冷媒通路が配されて、反応器→凝
縮器→蒸発器→反応器と冷媒が循環可能とされている構
成の化学ヒートポンプにおいて、 前記第1冷媒蒸気通路に、気体輸送機が凝縮器方向に輸
送方向を向けて配されていることを特徴とする化学ヒー
トポンプ。 - 【請求項2】 更に、前記第2冷媒蒸気通路に、気体輸
送機が反応器方向に輸送方向を向けて配されていること
を特徴とする請求項1記載の化学ヒートポンプ。 - 【請求項3】 前記反応媒体がシリカゲルであるととも
に、前記冷媒が水であることを特徴とする請求項1また
は2記載の化学ヒートポンブ。 - 【請求項4】 請求項1に記載の化学ヒートポンプを用
いて、 (1) 再生過程:前記反応器で第1熱交換器に再生熱源を
供給するとともに、前記凝縮器で第2熱交換器に冷却熱
源を供給して、前記反応媒体に結合している冷媒を脱離
させるとともに、該脱離冷媒蒸気を凝縮させる。 (2) 冷凍過程:前記反応器で第1熱交換器に冷却熱源を
供給し、反応媒体の化学平衡点を冷媒結合方向へ移動さ
せることにより、前記反応媒体に冷媒を結合させるとと
もに、前記蒸発器で冷媒を蒸発させる。 の各過程を繰り返す化学ヒートポンプの操作方法におい
て、前記再生過程で前記気体輸送機により冷媒蒸気に前
記反応器と前記凝縮器との間に機械的圧力差を発生させ
て、平衡冷媒蒸気結合量を再生熱源の温度におけるもの
より見かけ上減少させることを特徴とする化学ヒートポ
ンプの操作方法。 - 【請求項5】 請求項2に記載の化学ヒートポンプを用
いて、 (1) 再生過程:前記反応器で第1熱交換器に再生熱源を
供給するとともに、前記凝縮器で第2熱交換器に冷却熱
源を供給して、前記反応媒体に結合している冷媒を脱離
させるとともに、該脱離冷媒蒸気を凝縮させる。 (2) 冷凍過程:前記反応器で第1熱交換器に冷却熱源を
供給し、反応媒体の化学平衡点を冷媒結合方向へ移動さ
せることにより、前記反応媒体に冷媒を結合させるとと
もに、前記蒸発器で冷媒を蒸発させる。 の各過程を繰り返す化学ヒートポンプの操作方法におい
て、 前記再生過程で前記気体輸送機により冷媒蒸気に前記反
応器と前記凝縮器との間に機械的圧力差を発生させて、
平衡冷媒蒸気結合量を再生熱源の温度におけるものより
見かけ上減少させ、 更に、前記冷却過程で前記第2冷媒蒸気通路に配された
前記気体輸送機により、冷媒蒸気に前記蒸発器と前記反
応器との間に機械的圧力差を発生させて、平衡冷媒蒸気
結合量を冷却熱源の温度におけるものより見かけ上増大
させることを特徴とする化学ヒートポンプの操作方法。 - 【請求項6】 前記反応媒体がシリカゲルであるととも
に、前記冷媒が水であることを特徴とする請求項4又は
5記載の化学ヒートポンプの操作方法。 - 【請求項7】 反応器と凝縮器と蒸発器とを備え、それ
らの順に冷媒を循環移動させて、再生過程、冷凍過程を
繰り返す構成の化学ヒートポンプにおいて、 前記冷媒が、廃熱などの熱エネルギーから生成する化学
的平衡圧力差と、気体輸送機で生成する機械的圧力差の
2つの圧力差により移送されることを特徴とする化学ヒ
ートポンプ。 - 【請求項8】 熱エネルギーの温度レベルにより一義的
に決定されてしまう化学的平衡関係に、動力で得られる
二次的な圧力差を付加させることによって化学的平衡を
操作し、より低温の熱源を利用して冷熱を発生させるこ
とができることを特徴とする化学ヒートポンプ。
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