JPH1136909A - 車両用自動変速機の制御装置 - Google Patents

車両用自動変速機の制御装置

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JPH1136909A
JPH1136909A JP9196075A JP19607597A JPH1136909A JP H1136909 A JPH1136909 A JP H1136909A JP 9196075 A JP9196075 A JP 9196075A JP 19607597 A JP19607597 A JP 19607597A JP H1136909 A JPH1136909 A JP H1136909A
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Tomokazu Inagawa
智一 稲川
Kunihiro Iwatsuki
邦裕 岩月
Toru Matsubara
亨 松原
Yoji Takanami
陽二 高波
Koji Taniguchi
浩司 谷口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダウン変速中にエンジン出力が増大させられ
る車両用自動変速機において、そのエンジン出力の増大
に関連して発生する変速ショックを抑制する。 【解決手段】 エンジン出力増大制御手段202による
ダウン変速期間中のエンジン出力増大制御の実行中であ
る場合には、急減速走行判定手段204(SA2)にお
いて車両の急減速状態が判定されると、エンジン出力増
大制御中止手段206(SA3)により、ダウン変速期
間における前記エンジン出力増大制御が中止されるの
で、エンジン出力増大制御を伴うダウン変速中において
急減速走行が行われた場合に、そのエンジン出力増大制
御の終了がダウン変速完了よりも遅れることに起因する
変速ショックが好適に防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用自動変速機
の変速段を切り換える複数の油圧式摩擦係合装置のうち
ダウン変速期間内にエンジン出力が増大させられる形式
の車両用自動変速機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、ギヤ段を切り換えるための複
数油圧式摩擦係合装置を有する車両用自動変速機におい
て、予め設定された変速線図から車両の走行状態に基づ
いて変速判断を行い、その変速判断された変速を実行す
るために所定の油圧式摩擦係合装置を作動させる変速制
御手段と、その変速制御手段によるダウン変速の期間内
において原動機たとえばエンジンの出力を一時的に増大
させるエンジン出力増大制御手段とを備えた車両用自動
変速機の制御装置が知られている。たとえば、特開平5
−302532号公報に記載された制御装置がそれであ
る。これによれば、ダウン変速期間内において、上記エ
ンジン出力増大手段によってエンジン回転速度が引き上
げられるので、そのダウン変速のために係合させられる
油圧式摩擦係合装置の係合トルクだけによってエンジン
回転速度が引き上げられる場合に比較して、変速期間が
短縮されたりする利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
車両用自動変速機におけるエンジン出力増大手段は、た
とえば自動変速機の出力軸回転速度NOUT に変速後の減
速比γを掛けた値(NOU T ×γ)とその自動変速機の入
力軸回転速度NINとが一致するダウン変速完了からエン
ジン出力増大の終了の遅れ時間だけ前の時点を、そのN
OUT ×γとNINとの回転速度差から判定し、エンジン出
力増大制御を終了させる出力をおこなっている。
【0004】しかしながら、上記従来の車両用自動変速
機の制御装置では、エンジン出力増大制御手段に関連す
る種々の問題があった。たとえば、上記ダウン変速期間
内において車両の減速度が大きい場合には、エンジン出
力増大制御の終了出力から実際にダウン変速が終了する
までの時間が変化することから、エンジン出力増大制御
の終了時点がダウン変速終了時点よりも遅れるので、変
速ショックが発生するという問題があった。また、ダウ
ン変速期間中にアップ変速出力が行われて、解放されつ
つあった油圧式摩擦係合装置が再び係合させられる場合
には、それまでエンジン出力増大制御が行われているこ
とに関連して変速ショックが発生するという問題があっ
た。また、上記エンジン出力増大制御手段のエンジン出
力増大制御に関連する機器の故障が発生した場合には、
エンジン出力増大制御の大きさやタイミングが変化する
ので、ダウン変速のために作動させられる油圧式摩擦係
合装置の耐久性が低下したり或いは変速ショックが発生
するという問題があった。
【0005】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、原動機出力増大
制御が行われるダウン変速において変速ショックが好適
に抑制される車両用自動変速機の制御装置を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための第1の手段】かかる目的を達成
するための第1発明の要旨とするところは、ギヤ段を切
り換えるための複数油圧式摩擦係合装置を有する車両用
自動変速機において、予め設定された変速線図から車両
の走行状態に基づいて変速判断を行い、その変速判断さ
れた変速を実行するために所定の油圧式摩擦係合装置を
作動させる変速制御手段と、その変速制御手段によるダ
ウン変速の期間内において原動機の出力を一時的に増大
させる原動機出力増大制御手段とを備えた車両用自動変
速機の制御装置であって、(a) 車両の急減速走行を判定
する急減速走行判定手段と、(b) その急減速走行判定手
段により車両の急減速走行が判定された場合には、前記
原動機出力増大制御手段による原動機出力の増大制御を
中止する原動機出力増大制御中止手段とを、含むことに
ある。
【0007】
【第1発明の効果】このようにすれば、急減速走行判定
手段により車両の急減速走行が判定された場合には、原
動機出力増大制御中止手段により原動機出力増大制御手
段による原動機出力の増大制御が中止されるので、車両
の急減速走行時のダウン変速における原動機出力の増大
制御の終了時点がダウン変速終了時点よりも遅れること
に起因する変速ショックが好適に防止される。
【0008】
【課題を解決するための第2の手段】また、前記目的を
達成するための第2発明の要旨とするところは、ギヤ段
を切り換えるための複数油圧式摩擦係合装置を有する車
両用自動変速機において、予め設定された変速線図から
車両の走行状態に基づいて変速判断を行い、その変速判
断された変速を実行するために所定の油圧式摩擦係合装
置を作動させる変速制御手段と、その変速制御手段によ
るダウン変速の期間内において原動機の出力を一時的に
増大させる原動機出力増大制御手段とを備えた車両用自
動変速機の制御装置であって、(c) 前記ダウン変速中に
アップ変速が出力されたことを判定するダウン変速中ア
ップ変速出力判定手段と、(d) そのダウン変速中アップ
変速出力判定手段によりダウン変速中のアップ変速出力
が判定された場合には、前記原動機出力増大制御手段に
よる原動機出力の増大制御を中止する原動機出力増大制
御中止手段と、(e) 前記ダウン変速中アップ変速判定手
段によりダウン変速中のアップ変速が判定された場合に
は、前記原動機の点火時期を遅角させる点火時期遅角手
段とを、含むことにある。
【0009】
【第2発明の効果】このようにすれば、ダウン変速中ア
ップ変速出力判定手段によりダウン変速中のアップ変速
出力が判定された場合には、原動機出力増大制御中止手
段により原動機出力増大制御手段による原動機出力の増
大制御が中止されるとともに、点火時期遅角手段により
原動機の点火時期が遅角させられて原動機出力が速やか
に一層低下させられる。したがって、上記アップ変速出
力によりダウン変速のために解放されつつある油圧式摩
擦係合装置が再び係合させられるとき、原動機出力増大
制御手段による原動機出力の増大制御が中止されるのに
加えて、応答性のよい点火時期の遅角による原動機出力
低下が行われるので、変速ショックが好適に抑制され
る。
【0010】
【課題を解決するための第3の手段】また、前記目的を
達成するための第3発明の要旨とするところは、ギヤ段
を切り換えるための複数油圧式摩擦係合装置を有する車
両用自動変速機において、予め設定された変速線図から
車両の走行状態に基づいて変速判断を行い、その変速判
断された変速を実行するために所定の油圧式摩擦係合装
置を作動させる変速制御手段と、その変速制御手段によ
るダウン変速の期間内において原動機の出力を一時的に
増大させる原動機出力増大制御手段とを備えた車両用自
動変速機の制御装置であって、(f) 前記ダウン変速中に
アップ変速が出力されたことを判定するダウン変速中ア
ップ変速出力判定手段と、(g) そのダウン変速中アップ
変速出力判定手段によりダウン変速中のアップ変速出力
が判定された場合には、前記原動機出力増大制御手段に
よる原動機出力の増大制御を中止する原動機出力増大制
御中止手段と、(h) 前記ダウン変速中アップ変速出力判
定手段によりダウン変速中のアップ変速出力が判定され
た場合には、前記アップ変速のための係合させられる油
圧式摩擦係合装置に接続されているアキュムレータの背
圧を低くするアキュム背圧低下手段とを、含むことにあ
る。
【0011】
【第3発明の効果】このようにすれば、ダウン変速中ア
ップ変速出力判定手段によりダウン変速中のアップ変速
出力が判定された場合には、原動機出力増大制御中止手
段により原動機出力増大制御手段による原動機出力の増
大制御が中止されるとともに、アキュム背圧低下手段に
より、アップ変速のための係合させられる油圧式摩擦係
合装置に接続されているアキュムレータの背圧が低くさ
れる。したがって、上記アップ変速出力によりダウン変
速のために解放されつつある油圧式摩擦係合装置が再び
係合させられるとき、原動機出力増大制御手段による原
動機出力の増大制御が中止されるのに加えて、その油圧
式摩擦係合装置に接続されているアキュムレータの背圧
低下による油圧式摩擦係合装置の係合が遅らされて滑ら
かに係合が行われるので、変速ショックが好適に抑制さ
れる。
【0012】
【課題を解決するための第4の手段】また、前記目的を
達成するための第4発明の要旨とするところは、ギヤ段
を切り換えるための複数油圧式摩擦係合装置を有する車
両用自動変速機において、予め設定された変速線図から
車両の走行状態に基づいて変速判断を行い、その変速判
断された変速を実行するために所定の油圧式摩擦係合装
置を作動させる変速制御手段と、その変速制御手段によ
るダウン変速の期間内において原動機の出力を一時的に
増大させる原動機出力増大制御手段とを備えた車両用自
動変速機の制御装置であって、(i) 前記ダウン変速中に
アップ変速が出力されたことを判定するダウン変速中ア
ップ変速出力判定手段と、(j) そのダウン変速中アップ
変速出力判定手段によりダウン変速中のアップ変速出力
が判定された場合には、前記原動機出力増大制御手段に
よる原動機出力の増大制御を中止する原動機出力増大制
御中止手段と、(k) 前記ダウン変速中アップ変速判定手
段によりダウン変速中のアップ変速が判定された場合に
は、前記原動機の点火時期を遅角させる点火時期遅角手
段と、(l) 前記ダウン変速中アップ変速判定手段により
ダウン変速中のアップ変速が判定された場合には、前記
アップ変速のための係合させられる油圧式摩擦係合装置
に接続されているアキュムレータの背圧を低くするアキ
ュム背圧低下手段とを、含むことにある。
【0013】
【第4発明の効果】このようにすれば、ダウン変速中ア
ップ変速出力判定手段によりダウン変速中のアップ変速
出力が判定された場合には、原動機出力増大制御中止手
段により原動機出力増大制御手段による原動機出力の増
大制御が中止されるとともに、点火時期遅角手段により
原動機の点火時期が遅角させられて原動機出力が速やか
に一層低下させられ、さらに、アキュム背圧低下手段に
より、アップ変速のための係合させられる油圧式摩擦係
合装置に接続されているアキュムレータの背圧が低くさ
れる。したがって、上記アップ変速出力によりダウン変
速のために解放されつつある油圧式摩擦係合装置が再び
係合させられるとき、原動機出力増大制御手段による原
動機出力の増大制御が中止されるのに加えて、応答性に
よい点火時期の遅角による原動機の出力低下が行われる
とともに、その油圧式摩擦係合装置に接続されているア
キュムレータの背圧低下による油圧式摩擦係合装置の係
合が遅らされて滑らかに係合が行われるので、変速ショ
ックが一層好適に抑制される。
【0014】
【課題を解決するための第5の手段】また、前記目的を
達成するための第5発明の要旨とするところは、ギヤ段
を切り換えるための複数油圧式摩擦係合装置を有する車
両用自動変速機において、予め設定された変速線図から
車両の走行状態に基づいて変速判断を行い、その変速判
断された変速を実行するために所定の油圧式摩擦係合装
置を作動させる変速制御手段と、その変速制御手段によ
るダウン変速の期間内において原動機の出力を一時的に
増大させる原動機出力増大制御手段と、車速が予め設定
されたダウン変速許可車速以下のときに前記変速制御手
段によるダウン変速を許可するダウン変速許可手段とを
備えた車両用自動変速機の制御装置であって、(m) 前記
原動機出力増大制御手段の原動機出力増大制御に関連す
る機器の故障が発生したか否かを判定する故障判定手段
と、(n) その故障判定手段により前記原動機出力増大制
御に関連する機器の故障が発生したと判定された場合に
は、前記ダウン変速許可車速を、前記原動機の過回転を
防止するために第1のダウン変速許可車速からそれより
も低い値に設定された第2のダウン変速許可車速へ低下
させるダウン変速許可車速低下手段とを、含むことにあ
る。
【0015】
【第5発明の効果】このようにすれば、故障判定手段に
より前記原動機出力増大制御に関連する機器の故障が発
生したと判定された場合には、ダウン変速許可車速低下
手段により、前記ダウン変速許可車速が、前記原動機の
過回転を防止するために第1のダウン変速許可車速から
それよりも低い値に設定された第2のダウン変速許可車
速へ低下させられるので、ダウン変速時の原動機回転速
度上昇幅が小さくなって上記故障時におけるダウン変速
時の変速ショックが好適に抑制される。同時に、そのダ
ウン変速時の原動機回転速度上昇幅が小さくなることか
ら、ダウン変速時に係合させられる油圧式摩擦係合装置
が原動機回転速度を上昇させる仕事量が少なくなるの
で、その油圧式摩擦係合装置の耐久性が高められる。
【0016】
【課題を解決するための第6の手段】また、前記目的を
達成するための第6発明の要旨とするところは、ギヤ段
を切り換えるための複数油圧式摩擦係合装置を有する車
両用自動変速機において、予め設定された変速線図から
車両の走行状態に基づいて変速判断を行い、その変速判
断された変速を実行するために所定の油圧式摩擦係合装
置を作動させる変速制御手段と、その変速制御手段によ
るダウン変速の期間内において原動機の出力を一時的に
増大させる原動機出力増大制御手段と、車速が予め設定
されたダウン変速許可車速以下のときに前記変速制御手
段によるダウン変速を許可するダウン変速許可手段とを
備えた車両用自動変速機の制御装置であって、(o) 前記
原動機出力増大制御手段の原動機出力増大制御に関連す
る機器の故障が発生したか否かを判定する故障判定手段
と、(p) その故障判定手段により前記原動機出力増大制
御に関連する機器の故障が発生したと判定された場合に
は、前記原動機出力増大制御手段による原動機出力の増
大制御を中止する原動機出力増大制御中止手段とを、含
むことにある。
【0017】
【第6発明の効果】このようにすれば、故障判定手段に
より前記原動機出力増大制御に関連する機器の故障が発
生したと判定された場合には、原動機出力増大制御中止
手段により前記原動機出力増大制御手段による原動機出
力の増大制御が中止されるので、その原動機出力の増大
制御の作動不良、たとえばその原動機出力の増大制御の
終了タイミングの変化に起因するダウン変速時の変速シ
ョックが好適に抑制される。
【0018】
【発明の他の態様】ここで、好適には、前記点火時期遅
角手段は、前記ダウン変速中アップ変速判定手段により
ダウン変速中のアップ変速が判定された場合には、前記
原動機の点火時期を所定の遅角量だけ遅角させ、その
後、時間経過に伴ってその遅角量を減少させ、上記アッ
プ変速の終了前までにその遅角を終了させるものであ
る。このようにすれば、応答性のよい点火時期遅角によ
る原動機の出力低下が急激に終了させられる場合に比較
して、その点火時期遅角による原動機出力低下終了に起
因するショックが解消される。また、アップ変速完了時
点ではすでに原動機の遅角による出力低下がないので、
アップ変速後の加速感に影響がない。
【0019】また、好適には、前記アキュム背圧低下手
段は、前記ダウン変速中アップ変速判定手段によりダウ
ン変速中のアップ変速出力が判定された場合には、自動
変速機の出力軸回転速度NOUT に変速後の減速比γを掛
けた値(NOUT ×γ)とその自動変速機の入力軸回転速
度NINとの回転速度差に拘わらず、アップ変速のための
係合させられる油圧式摩擦係合装置に接続されているア
キュムレータの背圧が低くされる。一般に上記回転速度
差が所定値よりも小さくなるとアキュム背圧低下制御が
実行されないが、上記のようにすれば、上記回転速度差
小さい上記ダウン変速中のアップ変速時においても、確
実にアキュムレータの背圧が低くされる利点がある。
【0020】また、好適には、上記ダウン変速のために
係合させられる油圧式摩擦係合装置にもアキュムレータ
が設けられており、上記アキュム背圧低下手段は、ダウ
ン変速が出力されたときにもそのアキュムレータの背圧
を低下させるものである。このようにすれば、ダウン変
速時においてもダウン変速のための油圧式摩擦係合装置
の係合が緩やかとなり、ダウン変速のショックが緩和さ
れる。
【0021】また、好適には、前記車両においてP、
R、N、D、3、2、Lなどの走行レンジのいずれかを
選択するために操作されるシフトレバーは、ステアリン
グホイールまたはその近傍に設けられて任意の走行レン
ジを選択するために操作されるレンジ選択スイッチを有
効化するためのスイッチ選択モード位置にも操作される
ものであり、上記シフトレバーがそのスイッチ選択モー
ド位置へ操作されたか否かを判定するスイッチ選択モー
ド判定手段と、そのスイッチ選択モード判定手段により
シフトレバーがスイッチ選択モード位置へ操作されたこ
とが判定された場合には、走行レンジとしてDレンジを
自動的に選択するDレンジ選択手段とをさらに含むもの
である。このようにすれば、シフトレバーがスイッチ選
択モード位置へ操作されると自動的にDレンジが選択さ
れるので、この状態における走行において、最低速ギヤ
段から最高速ギア段までの自動変速と、レンジ選択スイ
ッチにより選択された走行レンジにおける手動操作によ
るダウン変速或いはアップ変速とにより、運転性が高め
られる。
【0022】また、好適には、上記レンジ選択スイッチ
は、ステアリングホイールに設けられ、該ステアリング
ホイールの上面側から下面側へ向かって押し下げ操作さ
れることにより走行レンジが低速側へ切り換えられ、該
ステアリングホイールの下面側から上面側へ向かって押
し上げ操作されることにより走行レンジが高速側へ切り
換えられるものである。このようにすれば、ステアリン
グホイールを把持したまま走行レンジを切り換えられる
利点がある。
【0023】また、好適には、前記シフトレバーが低速
側レンジへ操作されたとき、車速が予め設定されたダウ
ン変速許可車速を上まわっている場合には、上記低速側
レンジにより制限されるギヤ段からダウン変速を実行さ
せないが、その車速がそのダウン変速許可車速以下とな
ると、そのダウン変速を実行させるが、前記シフトレバ
ーがスイッチ選択モード位置へ操作され且つレンジ選択
スイッチの操作により低速側レンジが選択されたとき、
その選択操作を無効化する走行レンジ選択操作制御手段
がさらに設けられている。このようにすれば、上記シフ
トレバーにより低速側レンジが選択されたときは、運転
者はどのレンジへの操作であることが判るので、その後
に車速がダウン変速許可車速以下となることにより自動
的に低速側レンジが選択されると再操作が不要となって
便利である。しかし、上記レンジ選択スイッチの操作に
より低速側レンジが選択されたときは、運転者はどの走
行レンジへ操作されたかが不明であって、ダウン変速許
可車速を上まわっている場合には複数回操作することも
あり、受け付けられないときは無効化された方が却って
便利である。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に
基づいて詳細に説明する。
【0025】図1は、本発明の一実施例の変速制御装置
により変速制御される車両用自動変速機の一例を示す骨
子図である。図において、自動車用の混合気吸入式内燃
機関、燃料噴射式内燃機関、或いは外燃機関などの原動
機であるエンジン10の出力は、トルクコンバータ12
を介して自動変速機14に入力され、図示しない差動歯
車装置および車軸を介して駆動輪へ伝達されるようにな
っている。
【0026】上記トルクコンバータ12は、エンジン1
0のクランク軸16に連結されたポンプ翼車18と、自
動変速機14の入力軸20に連結されたタービン翼車2
2と、それらポンプ翼車18およびタービン翼車22の
間を直結するロックアップクラッチ24と、一方向クラ
ッチ26によって一方向の回転が阻止されているステー
タ28とを備えている。
【0027】上記自動変速機14は、ハイおよびローの
2段の切り換えを行う第1変速機30と、後進ギヤ段お
よび前進4段の切り換えが可能な第2変速機32を備え
ている。第1変速機30は、サンギヤS0、リングギヤ
R0、およびキャリヤK0に回転可能に支持されてそれ
らサンギヤS0およびリングギヤR0に噛み合わされて
いる遊星ギヤP0から成るHL遊星歯車装置34と、サ
ンギヤS0とキャリヤK0との間に設けられたクラッチ
C0および一方向クラッチF0と、サンギヤS0および
ハウジング41間に設けられたブレーキB0とを備えて
いる。
【0028】第2変速機32は、サンギヤS1、リング
ギヤR1、およびキャリヤK1に回転可能に支持されて
それらサンギヤS1およびリングギヤR1に噛み合わさ
れている遊星ギヤP1から成る第1遊星歯車装置36
と、サンギヤS2、リングギヤR2、およびキャリヤK
2に回転可能に支持されてそれらサンギヤS2およびリ
ングギヤR2に噛み合わされている遊星ギヤP2から成
る第2遊星歯車装置38と、サンギヤS3、リングギヤ
R3、およびキャリヤK3に回転可能に支持されてそれ
らサンギヤS3およびリングギヤR3に噛み合わされて
いる遊星ギヤP3から成る第3遊星歯車装置40とを備
えている。
【0029】上記サンギヤS1とサンギヤS2は互いに
一体的に連結され、リングギヤR1とキャリヤK2とキ
ャリヤK3とが一体的に連結され、そのキャリヤK3は
出力軸42に連結されている。また、リングギヤR2が
サンギヤS3に一体的に連結されている。そして、リン
グギヤR2およびサンギヤS3と中間軸44との間にク
ラッチC1が設けられ、サンギヤS1およびサンギヤS
2と中間軸44との間にクラッチC2が設けられてい
る。また、サンギヤS1およびサンギヤS2の回転を止
めるためのバンド形式のブレーキB1がハウジング41
に設けられている。また、サンギヤS1およびサンギヤ
S2とハウジング41との間には、一方向クラッチF1
およびブレーキB2が直列に設けられている。この一方
向クラッチF1は、サンギヤS1およびサンギヤS2が
入力軸20と反対の方向へ逆回転しようとする際に係合
させられるように構成されている。
【0030】キャリヤK1とハウジング41との間には
ブレーキB3が設けられており、リングギヤR3とハウ
ジング41との間には、ブレーキB4と一方向クラッチ
F2とが並列に設けられている。この一方向クラッチF
2は、リングギヤR3が逆回転しようとする際に係合さ
せられるように構成されている。
【0031】以上のように構成された自動変速機14で
は、たとえば図2に示す作動表に従って後進1段および
変速比が順次異なる前進5段のギヤ段のいずれかに切り
換えられる。図2において○印は係合状態を示し、空欄
は解放状態を示し、●はエンジンブレーキのときの係合
状態を示している。この図2からも明らかなように、ク
ラッチC0は、第4速ギヤ段から第5速ギヤ段へ切り換
えるアップ変速に際して解放させられるとともに、第5
速ギヤ段から第4速ギヤ段へ切り換えるダウン変速に際
して係合されるものであり、ブレーキB0は、第4速ギ
ヤ段から第5速ギヤ段へ切り換えるアップ変速に際して
係合させられるとともに、第5速ギヤ段から第4速ギヤ
段へのダウン変速に際しては解放させられるものであ
る。
【0032】図3に示すように、車両のエンジン10の
吸気配管にはスロットルアクチュエータ54によってア
クセルペダル50の操作量に応じた開き角θTHに駆動さ
れスロットル弁56が設けられている。また、アイドア
ル回転制御のために上記スロットル弁56をバイパスさ
せるバイパス通路52には、スロットル弁56全閉時の
吸気量を制御するISC弁53が設けられている。エン
ジン10の回転速度N E を検出するエンジン回転速度セ
ンサ58、エンジン10の吸入空気量Qを検出する吸入
空気量センサ60、吸入空気の温度TA を検出する吸入
空気温度センサ62、上記スロットル弁56の開度θTH
を検出するスロットルセンサ64、出力軸42の回転速
度NOUT すなわち車速Vを検出する車速センサ66、エ
ンジン10の冷却水温度TW を検出する冷却水温センサ
68、ブレーキの作動を検出するブレーキスイッチ7
0、シフトレバー72の操作位置PSHを検出する操作位
置センサ74、入力軸20の回転速度NINすなわちクラ
ッチC0の回転速度NC0(=タービン回転速度NT )を
検出する入力軸回転センサ73、油圧制御回路84の作
動油温度TOIL を検出する油温センサ75などが設けら
れており、それらのセンサから、エンジン回転速度
E 、吸入空気量Q、吸入空気温度TA 、第1スロット
ル弁の開度θTH、車速V、エンジン冷却水温TW 、ブレ
ーキの作動状態BK、シフトレバー72の操作位置
SH、入力軸回転速度NC0、作動油温度TOIL を表す信
号がエンジン用電子制御装置76或いは変速用電子制御
装置78に供給されるようになっている。
【0033】また、図4に示すように、上記シフトレバ
ー72は、車両の前後方向に位置するP(パーキング)
レンジ、R(リバース)レンジ、N(ニュートラル)レ
ンジ、D(ドライブ)およびM(マニアル)レンジ、3
レンジ、2レンジ、L(ロー)レンジへ操作されるとと
もに、DレンジとMレンジの間が車両の左右方向に操作
されるようにその支持機構が構成されている。このシフ
トレバー72には油圧制御回路84内の図示しないマニ
アル弁が連動させられており、機械的に走行レンジが決
まるようになっている。また、図5および図6に示すよ
うに、車両のステアリングホイール82の上面側には、
走行レンジを低速側へ切り換えるために押し下げ操作さ
れる一対のダウンレンジスイッチ86D が設けられ、そ
のステアリングホイール82の下面側には、走行レンジ
を高速側へ切り換えるために押し上げ操作される一対の
アップレンジスイッチ86U が設けられている。上記ダ
ウンレンジスイッチ86D およびアップレンジスイッチ
86U は、シフトレバー72が上記Mレンジ位置すなわ
ちスイッチ選択モード位置へ操作されることによりその
操作が有効化されるようになっている。このスイッチ選
択モードが選択されると、ダウンレンジスイッチ86D
およびアップレンジスイッチ86U の操作に従って電気
的に走行レンジが選択されるようになっている。
【0034】図3のエンジン用電子制御装置76は、C
PU、RAM、ROM、入出力インターフェースを備え
た所謂マイクロコンピュータであって、CPUはRAM
の一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプ
ログラムに従って入力信号を処理し、種々のエンジン制
御を実行する。たとえば、燃料噴射量制御のために燃料
噴射弁79を制御し、点火時期制御のためにイグナイタ
80を制御し、アイドルスピード制御のためにISC弁
53を制御し、トラクション制御のためにスロットルア
クチュエータ54によりスロットル弁56を制御する。
また、エンジン用電子制御装置76は、ダウン変速中に
おいてエンジン回転速度NE を速やかに引き上げること
を目的としてエンジン10の出力を一時的に増大させる
エンジン出力増大制御を実行するために上記ISC弁5
3或いはスロットル弁56を制御する。上記エンジン用
電子制御装置76は、変速用電子制御装置78と相互に
通信可能に接続されており、一方に必要な信号が他方か
ら適宜送信されるようになっている。
【0035】変速用電子制御装置78も、上記と同様の
マイクロコンピュータであって、CPUはRAMの一時
記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラ
ムに従って入力信号を処理し、油圧制御回路84の各電
磁弁或いはリニヤソレノイド弁を駆動する。たとえば、
変速用電子制御装置78は、第1スロットル弁52の開
度θTHに対応した大きさのスロットル圧PTHを発生させ
るための指令値DSLTをリニヤソレノイド弁SLT に供給
し、その指令値DSLT に対応した制御圧PSLTを出力さ
せる。また、アキュム背圧を制御するための指令値D
SLN をリニヤソレノイド弁SLN に供給し、その指令値D
SLN に対応した制御圧PSLN を出力させる。また、ロッ
クアップクラッチ24の係合、解放、スリップ量、ブレ
ーキB3の直接制御、およびクラッチツウクラッチ変速
を制御するための指令値DSLU をリニヤソレノイド弁SL
U に供給し、その指令値DSLU に対応した制御圧PSLU
を出力させる。また、変速用電子制御装置78は、たと
えば図7に示す予め記憶された変速線図から実際のスロ
ットル弁開度θTHおよび車速Vに基づいて自動変速機1
4のギヤ段の変速やロックアップクラッチ24の係合状
態を決定し、この決定された変速および係合状態が得ら
れるように変速出力および係合出力を行うことにより前
記電磁弁S1、S2、S3を駆動し、Dレンジの第5速
ギヤ段において電磁弁S4をオン側へ駆動する。
【0036】図8は、上記油圧制御回路84のうち、前
記自動変速機14の第5速と第4速との切換えを行なう
ための油圧式摩擦係合装置であるクラッチC0およびブ
レーキB0に関連する部分が示されている。この図8に
おいて、クラッチC0にはC0アキュムレータ90が接
続され、ブレーキB0にはB0アキュムレータ92が接
続されている。それらC0アキュムレータ90およびB
0アキュムレータ92には、前記リニヤソレノイド弁SL
N からの出力圧PSLN がアキュム背圧としてそれぞれ供
給されるようになっている。なお、上記ブレーキB0と
B0アキュムレータ92との間には、一対の絞り装置9
4および96が設けられている。
【0037】4−5シフト弁100は、油室102に作
用させられる制御圧に基づく推力とスプリング室104
内のスプリング106およびそのスプリング室104内
に作用させられる制御圧に基づく推力との間の推力差に
よって第5速側或いは第4速以下側へ移動させられるス
プール弁子108を備えている。このスプール弁子10
8は、変速用電子制御装置78からの第5速ギヤ段を達
成する変速(4→5変速)出力が行われると図8の中心
線の左側に示す位置すなわち上記第5速側の位置へ切り
換えられ、第4速ギヤ段以下のギヤ段を達成する変速出
力が行われると図8の中心線の右側に示す位置すなわち
上記第4速以下側の位置へ切り換えられるようになって
いる。
【0038】上記4−5シフト弁100のスプール弁子
108が上記第5速側へ切り換えられると、エンジン負
荷すなわちスロットル弁開度θTHとともに大きくなるよ
うに調圧されるライン圧PL が供給される元圧ポート1
10とB0出力ポート112との間、およびC0出力ポ
ート114とドレンポート116との間が連通させられ
るが、スプール弁子108が上記第4速以下側へ切り換
えられると、元圧ポート110とC0出力ポート114
との間、およびB0出力ポート112とドレンポート1
18との間が連通させられるようになっている。なお、
ポート120もスプール弁子108が上記第5速側へ切
り換えられているときにドレンポート118との間で連
通させられる。また、上記B0出力ポート112は、絞
り装置121を介してブレーキB0と直接的に接続され
ているだけでなく、後述のC0エキゾースト弁122を
介してもブレーキB0と接続されている。
【0039】第4電磁弁S4は、前述のようにDレンジ
走行において第5速ギヤ段を達成させる出力が行われた
ときにオン状態とされるものであり、このオン状態では
絞り121よりも下流側がライン圧PL と同じ圧まで上
昇させられるが、オフ状態では絞り121よりも下流側
が大気圧とされるので、C0エキゾースト弁122はこ
の第4電磁弁S4に従って切り換えられる。
【0040】C0エキゾースト弁122は、第4電磁弁
S4により制御される圧が作用させられる油室124
と、スプリング126を収容する室128と、それら第
4電磁弁S4の出力圧に基づく推力とスプリング126
の推力との差により移動させられるスプール弁子130
を備えている。上記第4電磁弁S4により制御される圧
が供給された状態すなわちDレンジ走行において第5速
ギヤ段を達成させる出力が行われた状態ではスプール弁
子130がスプリング126の推力に抗して図8の中心
線の左側位置すなわちDレンジ5速位置に移動させられ
るので、前記B0出力ポート112に接続された第1開
閉ポート132とブレーキB0に絞り装置134を介し
て接続された第2開閉ポート136との間が閉じられる
とともに、クラッチC0に接続された共通ポート140
と前記ポート120に接続された第1切換ポート142
との間が開かれるとともに、その共通ポート140とC
0出力ポート114に接続された第2切換ポート144
との間が遮断される。反対に、上記スプール弁子130
が図8の中心線の右側位置すなわち非Dレンジ5速位置
に移動させられると、共通ポート140と第1切換ポー
ト142との間が閉じられて、共通ポート140と第2
切換ポート144との間が開かれる。
【0041】C0コントロールリレー弁150は、リニ
ヤソレノイド弁SLN からの出力圧P SLN がC0アキュム
レータ90へ作用されることを制御するリレー機能と、
クラッチC0へ供給される油圧すなわちC0圧PC0をリ
ニヤソレノイド弁SLT の出力圧PSLT に従って制御する
機能を備えている。すなわち、C0コントロールリレー
弁150は、リニヤソレノイド弁SLT の出力圧PSLT
供給される油室152と、スプリング154を収容する
室155と、出力圧PSLT に基づく推力とスプリング1
54の推力との差によって移動させられるスプール弁子
156とを備え、出力圧PSLT の大きさに従って、C0
エキゾースト弁122の共通ポート140に絞り158
を介して接続された第1流量制御ポート160とクラッ
チC0に接続された第2流量制御ポート162との間の
開度が連続的に変化させられるようになっている。ま
た、C0コントロールリレー弁150においては、出力
圧P SLT が最小値とされることにより、リニヤソレノイ
ド弁SLN に接続された第1開閉ポート164とC0アキ
ュムレータ90に接続された第2開閉ポート166との
間が開かれてリニヤソレノイド弁SLN からの出力圧P
SLN がC0アキュムレータ90へ供給されるが出力圧P
SLT が最大値とされると、第1開閉ポート164と第2
開閉ポート166との間が遮断されて第2開閉ポート1
66がドレンポート168へ接続されることによりC0
アキュムレータ90の背圧が大気圧とされるようになっ
ている。なお、上記クラッチC0およびC0アキュムレ
ータ90と上記共通ポート140および第1流量制御ポ
ート160との間には、排出方向において絞り作用を有
する絞り装置170を備えたバイパス油路172が設け
られている。
【0042】図9は、前記変速用電子制御装置78の制
御機能の要部を説明するための機能ブロック線図であ
る。図9において、変速制御手段200は、たとえば図
7に示すように予め記憶された変速線図から実際の車速
Vおよびスロットル開度TAに基づいて変速判断を行な
い、その判断された変速段を実現するための油圧式摩擦
係合装置を選択的に作動させることにより、前記自動変
速機14の変速段を切り換える。この変速制御手段20
0は、たとえばブレーキB0を解放させ且つクラッチC
0を係合させる所謂クラッチツウクラッチの5−4ダウ
ン変速を実行する。なお、前記シフトレバーがDレンジ
へ操作されている場合には、上記変速制御手段200に
おいて、第1速ギヤ段乃至第5速ギヤ段の範囲でギヤ段
が選択するが、図示しないOD/OFF釦が操作されて
いる場合は図7の4−5シフト線が無効化されて第1速
ギヤ段乃至第4速ギヤ段の範囲で選択され、第3速レン
ジへ操作されている場合には図7の4−5シフト線およ
び3−4シフト線が無効化されて第1速ギヤ段乃至第3
速ギヤ段の範囲で選択され、第2速レンジへ操作されて
いる場合には図7の4−5シフト線、3−4シフト線、
2−3シフト線が無効化されて第1速ギヤ段乃至第2速
ギヤ段の範囲で選択され、L(第1速)レンジへ操作さ
れている場合には図7の4−5シフト線、3−4シフト
線、2−3シフト線、1−2シフト線が第1速ギヤだけ
が選択される。
【0043】原動機出力増大制御手段すなわちエンジン
出力増大制御手段202は、上記変速制御手段200に
よるダウン変速の期間内においてたとえばスロットル弁
開度θTHを所定量増加させたり或いはISC弁53を所
定量開くことによりエンジン10の出力を一時的に増大
させる。これにより、ダウン変速時においてそのダウン
変速時に係合させられる摩擦係合装置により引き上げら
れるエンジン回転速度NE の上昇をさらに速やかとして
変速ショックを抑制すると同時に変速期間を短縮させ
る。なお、このエンジン出力増大制御手段202は、エ
ンジン出力増大終了出力すなわちスロットル弁開度θTH
或いはISC弁53を閉じるための出力から実際にエン
ジン出力が元の値まで復帰するまでの遅れ時間だけ上記
ダウン変速終了時点よりも早期に、上記エンジン出力増
大終了出力を行う。たとえば、ダウン変速完了後の変速
比γと出力軸回転速度NOUT との乗算値γ×NOUT と実
際のタービン回転速度NT との差(γ×NOUT −NT
が予め設定された値まで減少すると、エンジン出力増大
終了出力を行う。
【0044】急減速走行判定手段204は、所定時間前
における出力軸回転速度NOUT -1と現時点における出力
軸回転速度NOUT との差ΔNOUT (=NOUT -1
OUT )が予め数十回転程度に設定された判断基準値Δ
OUT 1を超えたことなどに基づいて車両の急減速走行
を判定する。この判断基準値ΔNOUT 1は、上記エンジ
ン出力増大制御手段202によるエンジン出力増大終了
出力ではエンジン出力増大終了時点がダウン変速の終了
よりも後になって変速ショックが問題となる程大きくな
る状態を判定するために予め設定されたものである。
【0045】原動機出力増大制御中止手段すなわちエン
ジン出力増大制御中止手段206は、上記の急減速走行
判定手段204により車両の急減速走行が判定された場
合には、前記エンジン出力増大制御手段202によるエ
ンジン出力の増大制御を中止するための出力を行う。こ
れにより、エンジン出力増大終了時点がダウン変速の終
了よりも後になることによる変速ショックが好適に解消
される。
【0046】ダウン変速中アップ変速出力判定手段20
8は、自動変速機14のダウン変速中において前記アッ
プレンジスイッチ86u の操作などによりアップ変速が
出力されたことを、変速用電子制御装置78の出力やア
ップレンジスイッチ86u の出力などに基づいて判定す
る。
【0047】点火時期遅角手段210は、上記ダウン変
速中アップ変速判定手段208によりダウン変速中のア
ップ変速が判定された場合には、エンジン10の出力を
速やかに一時的に低下させるためにそのエンジン10の
点火時期を遅角させる。同時に、このようにダウン変速
中アップ変速出力判定手段208によりダウン変速中の
アップ変速出力が判定された場合には、エンジン出力増
大制御中止手段206は、前記エンジン出力増大制御手
段202によるエンジン出力の増大制御を中止させる。
上記点火時期遅角手段210は、前記ダウン変速中アッ
プ変速判定手段208によりダウン変速中のアップ変速
が判定された場合に前記エンジンの点火時期を所定の遅
角量だけ遅角させた後は、時間経過に伴ってその遅角量
を徐々にに減少させ、好適には上記アップ変速の終了前
までにその遅角を終了させるものである。これにより、
応答性のよい点火時期遅角によるエンジン出力低下が急
激に終了させられる場合に比較して、その点火時期遅角
によるエンジン出力低下終了に起因するショックが解消
される。また、アップ変速完了時点ではすでにエンジン
の遅角による出力低下がないので、アップ変速後の加速
感に影響がない。
【0048】また、アキュム背圧低下手段212は、上
記のようにダウン変速中アップ変速出力判定手段208
によりダウン変速中のアップ変速出力が判定された場合
には、アップ変速のための係合させられる油圧式摩擦係
合装置に接続されているアキュムレータの背圧を低くす
る。たとえば、5→4ダウン変速中に4→5アップ変速
出力が行われた場合には、ブレーキB0に接続されてい
るB0アキュムレータ92の背圧PSLN を低くする。ま
た、上記アキュム背圧低下手段212は、ダウン変速が
出力されたときにもそのアキュムレータの背圧を低下さ
せて、ダウン変速のための油圧式摩擦係合装置の係合が
緩やかとし、ダウン変速のショックを緩和するだけでな
く、上記のようにダウン変速中アップ変速判定手段20
8によりダウン変速中のアップ変速出力が判定された場
合には、自動変速機14の出力軸回転速度NOUT に変速
後の減速比γを掛けた値(NOUT ×γ)とその自動変速
機の入力軸回転速度NINとの回転速度差ΔNIN(=NIN
−NOUT ×γ)に拘わらず、アップ変速のための係合さ
せられる油圧式摩擦係合装置に接続されているアキュム
レータの背圧を低くするのである。一般に上記回転速度
差ΔNINがたとえば50r.p.m.よりも小さい場合にはア
キュム背圧低下制御がおこなわれなかったが、上記のよ
りダウン変速中のアップ変速時においても、確実にアキ
ュムレータの背圧が低くされてアップ変速時の変速ショ
ックが緩和される利点がある。
【0049】ダウン変速許可手段214は、前記変速制
御手段200によるダウン変速が判断されたとき、実際
の車速Vが予め設定されたダウン変速許可車速VA 以下
のときにその変速制御手段200によるダウン変速を許
可する。そのダウン変速許可車速VA は、ダウン変速期
間内のエンジン出力増大制御に関連する回転センサ類の
故障のない通常の場合には、ダウン変速後においてエン
ジン10の過回転が発生しない車速の最大値VA1に設定
されている。これにより、シフトレバー72が低速側レ
ンジへ操作されたときに車速Vが予め設定されたダウン
変速許可車速V A を上まわっている場合には、その低速
側レンジにより制限されるギヤ段からダウン変速を実行
させないが、その後の車速Vの低下に伴ってその車速V
がそのダウン変速許可車速VA 以下となると、そのダウ
ン変速が許可されて自動的にそのダウン変速が実行され
る。
【0050】故障判定手段216は、エンジン出力増大
制御手段202のエンジン出力増大制御に関連する機
器、たとえば車速センサ66、入力軸回転センサ73、
スロットルアクチュエータ54、ISC弁53や、ダウ
ン変速時の油圧制御に関連するリニヤソレノイド弁SLT
、SLN 、SLU 等の故障が発生したか否かを、それらの
断線検出回路、短絡検出回路などからの信号に基づいて
判定する。
【0051】ダウン変速許可車速低下手段218は、上
記の故障判定手段216によりダウン変速時のエンジン
出力増大制御に関連する機器、或いはダウン変速の油圧
制御に関連する機器の故障が発生したと判定された場合
には、前記ダウン変速許可車速VA を、エンジン10の
過回転を防止するために第1のダウン変速許可車速V A1
からそれよりも低い値に設定された第2のダウン変速許
可車速VA2へ低下させる。この第2のダウン変速許可車
速VA2は、ダウン変速により係合させられることにより
係合させられる油圧式摩擦係合装置の耐久性を高めるた
めに設定された値である。
【0052】また、前記エンジン出力増大制御中止手段
206は、上記の故障判定手段216により前記エンジ
ン出力増大制御に関連する機器或いはダウン変速の油圧
制御に関連する機器の故障が発生したと判定された場合
にも、前記エンジン出力増大制御手段202によるエン
ジン出力の増大制御を中止する。
【0053】スイッチ選択モード判定手段220は、レ
ンジ選択スイッチすなわちアップレンジスイッチ86U
或いはダウンレンジスイッチ86D を有効化するための
スイッチ選択モードが選択されたか否かを、シフトレバ
ー72がMレンジ位置(スイッチ選択モード位置)へ操
作されたか否かに基づいて判定する。Dレンジ選択手段
222は、上記スイッチ選択モード判定手段220によ
りシフトレバーがスイッチ選択モードが選択されたこと
が判定された場合には、走行レンジとして、第1速ギヤ
段乃至第5速ギヤ段の範囲で変速可能なDレンジを自動
的に選択する。このため、シフトレバー72がMレンジ
位置へ操作されると自動的にDレンジが選択されるの
で、最低速ギヤ段から最高速ギア段までの自動変速と、
アップレンジスイッチ86U 或いはダウンレンジスイッ
チ86D により選択された走行レンジにおける手動操作
によるダウン変速或いはアップ変速とにより、運転性が
高められる。
【0054】走行レンジ選択制御手段224は、シフト
レバー72がMレンジ位置(スイッチ選択モード位置)
へ操作され且つダウンレンジスイッチ86D の操作によ
り低速側レンジが選択されたとき、実際の車速Vがダウ
ン変速許可車速VA 以下である状態ではそのレンジ選択
操作に従ってレンジ選択を行うが、上記実際の車速Vが
ダウン変速許可車速VA を上回っている状態ではそのレ
ンジ選択操作を無効化する。このようにダウンレンジス
イッチ86D の操作により低速側レンジが選択されたと
きは、運転者はどの走行レンジを選択したかが不明であ
って、ダウンレンジを求めて複数回操作することもある
ので、実際の車速Vがダウン変速許可車速VA を上回っ
ている状態では、受け付けられないようにして無効化さ
れた方が却って便利である。
【0055】以下、変速用電子制御装置78の制御作動
の要部を図10以下のフローチャートを用いて説明す
る。なお、変速制御手段200、エンジン出力増大制御
手段202の作動はよく知られたものであるので、それ
らの作動を示すフローチャートは省略されている。
【0056】図10は、メインルーチンを示しており、
そのステップ(以下、ステップを省略する)S1乃至S
5において、エンジン出力増大制御が実行されるダウン
変速時の急減速制御ルーチン、エンジン出力増大制御が
実行されるダウン変速中にアップ変速出力が行われたと
きの点火時期遅角およびアキュム背圧制御ルーチン、エ
ンジン出力増大制御が実行されるダウン変速時のセンサ
等フェイル制御ルーチン、シフトレバー72をMレンジ
へ操作したときのシフトレンジ制御、ダウンレンジ選択
操作時のダウンレンジ制御ルーチンがそれぞれ実行され
る。
【0057】図11は、上記S1の急減速制御ルーチン
を示している。図11において、エンジン出力増大制御
中判定手段として機能するSA1では、前記エンジン出
力増大制御手段202によるダウン変速期間中のエンジ
ン出力増大制御の実行中であるか否かが、たとえばその
実行を示すフラグ或いはエンジン用電子制御装置76か
らの出力に基づいて判断される。このSA1の判断が否
定された場合には本ルーチンが終了させられるが、この
SA1の判断が肯定された場合には、前記急減速走行判
定手段204に対応するSA2において、車両の急減速
状態であるか否かが、所定時間前における出力軸回転速
度NOUT -1と現時点における出力軸回転速度NOUT との
差ΔNOUT (=NOUT -1−NOUT )が予め数十回転程度
に設定された判断基準値ΔNOUT 1を超えたことに基づ
いて判断される。このSA2の判断が否定された場合は
本ルーチンが終了させられるが、肯定された場合には、
前記エンジン出力増大制御中止手段206に対応するS
A3において、ダウン変速期間における前記エンジン出
力増大制御が中止される。これにより、エンジン出力増
大制御を伴うダウン変速中において急減速走行が行われ
た場合には、そのエンジン出力増大制御の終了がダウン
変速完了よりも遅れることに起因する変速ショックが好
適に防止される。
【0058】因みに、図12は、上記図11の作動を説
明するためのタイムチャートである。5→4変速出力以
後では、4−5シフト弁100が切り換えられることに
よりブレーキB0の解放およびクラッチC0の係合が開
始されてエンジン回転速度N E すなわち自動変速機14
の入力軸回転速度に相当するタービン回転速度NT の上
昇が開始されるとともに、そのタービン回転速度NT
上昇幅が予め設定された判断基準値Eに到達するとスロ
ットル弁開度θTHを所定量開くなどを行うエンジン出力
増大制御が開始される。図12のt0 時点以後はこの状
態を示す。この区間では、エンジン回転速度NE が引き
上げられるためにエンジン出力が消費されるので、エン
ジン出力増大制御にも拘わらず自動変速機14の出力ト
ルクTOU T がある程度低下させられる。前述のように、
エンジン出力増大制御手段202は、ダウン変速完了後
の変速比γと出力軸回転速度NOUT との乗算値γ×N
OUTと実際のタービン回転速度NT との差(γ×NOUT
−NT )が予め設定された判断基準値Aまで減少した時
点、すなわち実際にエンジン出力(トルク)が元の値ま
で復帰(低下)するまでの遅れ時間TD 分だけ上記ダウ
ン変速終了時点t3 よりも早期の時点t1 でエンジン出
力増大制御の終了出力すなわちスロットル弁開度θTH
いはISC弁53を閉じるための出力を行うことによ
り、エンジン出力増大区間の終了とダウン変速終了と略
一致させている。しかし、車両の急減速走行状態では、
図11の破線に示す通常の場合に比較して実線に示すよ
うに、ダウン変速の終了時点がt2 へ早期となって上記
1 時点からダウン変速終了までの時間TA が上記遅れ
時間TD よりも短くなるのに対して、エンジン出力増大
区間の終了時点がt3 のままであって、そのダウン変速
の終了時点t2 よりも遅れるので、クラッチC0の完全
係合後でもエンジン出力の増大が行われて自動変速機1
4の出力トルクの一時的増大Bが形成され、変速ショッ
クが発生していたのである。
【0059】上記急減速制御に続く図13の遅角・背圧
制御において、SB1では、前記エンジン出力増大制御
手段202によるダウン変速(5→4変速)期間中のエ
ンジン出力増大制御の実行中であるか否かが判断され
る。このSB1の判断が否定された場合には本ルーチン
が終了させられるが、このSB1の判断が肯定された場
合には、前記ダウン変速中アップ変速出力判定手段20
8に対応するSB2において、たとえば前記アップレン
ジスイッチ86U の操作に基づいてアップ変速(4→5
変速)出力が行われたか否かが判断される。このSB2
の判断が否定された場合には本ルーチンが終了させられ
るが、このSB2の判断が肯定された場合には、前記エ
ンジン出力増大制御中止手段206に対応するSB3に
おいて、ダウン変速期間における前記エンジン出力増大
制御が中止され、次いで、前記点火時期遅角手段210
に対応するSB4において、エンジン10の出力を速や
かに減少させ且つ滑らかに復帰させるために、そのエン
ジン10の点火時期の遅角が予め設定された遅角量Cだ
け遅らされた後に時間経過に伴ってその遅角量が徐々に
減少させられる遅角制御が実行され、上記ダウン変速終
了前までにその遅角が終了させられる。さらに、前記ア
キュム圧低下手段212に対応するSB5において、上
記アップ変速のために係合させられる油圧式摩擦係合装
置に接続されたアキュムレータ、たとえば5→4ダウン
変速中に4→5アップ変速出力が行われた場合にはブレ
ーキB0に接続されたB0アキュムレータ92の背圧が
通常の場合に比較して低下させられる。
【0060】これにより、エンジン出力増大制御を伴う
ダウン変速中にアップ変速出力が行われた場合でも、そ
のエンジン出力増大制御の終了だけでなく、エンジン1
0の点火時期の遅角が行われて速やかにエンジン10の
出力が低下させられるとともに、アップ変速のために係
合させられる油圧式摩擦係合装置に接続されたアキュム
レータの背圧が低下させられてその油圧式摩擦係合装置
の係合が緩やかとされるので、変速ショックが好適に防
止される。因みに、図14は、エンジン出力増大制御を
伴うダウン変速中にアップ変速出力が行われた場合にお
いて、実線に示す従来の場合に対比して、上記本実施例
の作動を破線で示すタイムチャートである。
【0061】図14において、5→4ダウン変速出力以
後では、4−5シフト弁100が切り換えられることに
よりブレーキB0の解放およびクラッチC0の係合が開
始されてエンジン回転速度NE すなわち自動変速機14
の入力軸回転速度に相当するタービン回転速度NT の上
昇が開始されるとともに、スロットル弁開度θTHを所定
量開くなどを行うエンジン出力増大制御が開始されて所
定の遅れ時間の後にエンジン出力増大も開始され、さら
に、5→4変速を滑らかに行うためにクラッチC0に接
続されているC0アキュムレータ90の背圧が減少させ
られる。図14のt0 時点以降t2 時点までの期間はこ
の状態を示す。しかし、このような5→4ダウン変速途
中でたとえばアップレンジスイッチ86U が操作される
ことにより4→5アップ変速出力が行われると、4−5
シフト弁100が元の5速側位置に戻されるので、係合
途中のクラッチC0の解放が開始されるとともに解放途
中のブレーキB0の係合が開始されると同時に、エンジ
ン出力増大制御が中止されるとともに点火時期がCだけ
遅角されて速やかにエンジン出力の増大が中止され、且
つ出力軸回転速度NOUT と変速後の減速比γとの積(N
OUT ×γ)とその自動変速機の入力軸回転速度NINとの
回転速度差に拘わらず、ブレーキB0に接続されたB0
アキュムレータ92の背圧PSLN が低下させられる。図
14のt1 時点以降はこの状態を示す。
【0062】図14のt1 時点以降において、実線に示
す従来の場合には、エンジン出力増大制御が中止される
だけであるので、それまで引き上げられたエンジン回転
速度NE がブレーキB0の係合によって急速に低下させ
られ、エンジン10のイナーシャエネルギによって自動
変速機14の出力トルクTOUT が一時的に急激に増大
し、変速ショックDが発生させられる。しかし、本実施
例によれば、4→5アップ変速出力が行われたt1 時点
において、エンジン出力増大制御の中止に加えて、破線
に示すように点火時期の遅角とB0アキュムレータ92
の背圧PSLN の低下が行われることから、エンジン出力
10が速やかに低下させられるとともにブレーキB0の
係合が緩やかに行われるので、破線に示すように自動変
速機14の出力トルクTOUT の変動が緩和され、変速シ
ョックが好適に抑制されるのである。
【0063】また、上記図13の制御によれば、前記点
火時期遅角手段210に対応するSB4において、エン
ジン10の点火時期の遅角が予め設定された遅角量Cだ
け遅らされた後に時間経過に伴ってその遅角量が徐々に
減少させられる遅角制御が実行されるので、エンジン1
0の出力を速やかに減少させられて変速ショックが抑制
されるとともに、その遅角によるエンジン10の出力の
復帰が滑らかとされるので、その復帰に起因するショッ
クも解消される利点がある。また、4→5アップ変速完
了時点ではすでにエンジンの遅角による出力低下がない
ので、4→5アップ変速後の加速感に影響がない。
【0064】また、上記図13の制御によれば、アキュ
ム背圧低下手段212(SB5)は、ダウン変速中アッ
プ変速判定手段208(SB2)によりダウン変速中の
アップ変速出力が判定された場合には、自動変速機14
の出力軸回転速度NOUT と変速後の減速比γとの積(N
OUT ×γ)とその自動変速機14の入力軸回転速度N IN
(=NT )との回転速度差(ΔNIN)に拘わらず、4→
5アップ変速のための係合させられるブレーキB0に接
続されているB0アキュムレータ92の背圧が低くされ
る。一般のアップ変速では上記回転速度差ΔNINが所定
値たとえば50r.p.m.よりも小さくなるとアキュム背圧
低下制御が実行されないが、上記のようにすれば、上記
回転速度差ΔNINが小さい上記ダウン変速中のアップ変
速時においても、確実にアキュムレータの背圧が低くさ
れる利点がある。
【0065】図15は前記遅角背圧制御に続くセンサ等
フェイル制御ルーチンを示している。前記故障判定手段
216に対応するSC1では、前記エンジン出力増大制
御に関連する機器或いはダウン変速の油圧制御に関連す
る機器の故障が発生したか否かが判断される。このSC
1の判断が否定された場合は、SC2において、エンジ
ン出力増大制御禁止フラグSの内容が「0」にクリアさ
れた後、SC4が実行される。しかし、上記SC1の判
断が肯定された場合は、前記ダウン変速許可車速低下手
段218に対応するSC3において、エンジン出力増大
制御禁止フラグSの内容が「1」にセットされるととも
に、ダウン変速許可車速VA の内容が、それまでのエン
ジン過回転防止用の第1のダウン変速許可車速VA1より
も低く設定された耐久性上昇用の第2のダウン変速許可
車速VA2に切り換えられることにより低減される。
【0066】続いて、SC4では、前記エンジン出力増
大制御手段202によるダウン変速期間中のエンジン出
力増大制御の実行中であるか否かが判断される。このS
C4の判断が否定された場合は後述のSC8以下が実行
されるが、肯定された場合は、SC5においてエンジン
出力増大制御禁止フラグSの内容が「1」であるか否か
が判断される。このSC5の判断が否定された場合はS
C6においてエンジン出力増大制御が続行されるが、肯
定された場合は、SC7においてエンジン出力増大制御
が終了させられる。次いで、SC8では、エンジン出力
増大制御の開始条件が成立したか否かが判断される。こ
のSC8の判断が否定された場合は本ルーチンが終了さ
せられるが、肯定された場合は、SC9においてエンジ
ン出力増大制御禁止フラグSの内容が「1」であるか否
かが判断される。このSC9の判断が否定された場合
は、SC10においてエンジン出力増大制御が開始され
るが、肯定された場合は、SC11において、エンジン
出力増大制御の開始条件が成立していれも、エンジン出
力増大制御の開始が阻止される。
【0067】上記の制御により、エンジン出力増大制御
に関連する機器或いはダウン変速の油圧制御に関連する
機器の故障が発生すると、エンジン出力増大制御中止手
段206に対応するSC7或いはSC11により、エン
ジン出力増大制御が中止され或いは開始されないので、
ダウン変速時において上記故障により発生する変速ショ
ックが好適に抑制される。また、ダウン変速期間内にお
いて摩擦係合により引き上げられるエンジン回転速度N
E の上昇幅が少なくなるので、その油圧式摩擦係合装置
の耐久性が高められる。上記エンジン出力増大制御は、
たとえば図16に示すように、タービン回転速度NT
上昇幅が予め設定された判断基準値Eを超えた時点ts
において開始され、ダウン変速後の変速比γと出力軸回
転速度N OUT との積(γ×NOUT )とタービン回転速度
T との差(γ×NOUT −NT )が予め設定された判断
基準値Aを下回ったときに終了させられるが、上記の故
障が発生すると、そのような判断の信頼性が得られず、
たとえば図17の破線に示すように、正常時を示す実線
に比較して、エンジン出力増大制御の終了時点が遅くな
ってエンジン出力増大期間の終了時点t4 が変速終了時
点t3 よりも遅くなると、それに起因する変速ショック
Fが発生してしまうのである。
【0068】また、上記の制御により、エンジン出力増
大制御に関連する機器或いはダウン変速の油圧制御に関
連する機器の故障が発生すると、ダウン変速許可車速V
A の内容が第1のダウン変速許可車速VA1からそれより
も低い第2のダウン変速許可車速VA2へ低く設定される
ので、ダウン変速のために係合させられる油圧式摩擦係
合装置たとえばクラッチC0の係合により引き上げられ
るエンジン回転速度N E の上昇幅が少なくなるので、そ
の油圧式摩擦係合装置の耐久性が高められる。
【0069】図18は前記センサ等フェイル制御に続く
シフトレンジ制御ルーチンを示している 図18のSD
1では、シフトレバー72の操作が行われたか否かが、
操作位置センサ74からの信号に基づいて判断される。
このSD1の判断が否定された場合は本ルーチンが終了
させられるが、肯定された場合は、前記スイッチ選択モ
ード判定手段220に対応するSD2において、シフト
レバー72がMレンジ位置すなわちスイッチ選択モード
位置へ操作されたか否かが判断される。このSD2の判
断が否定された場合には、シフトレバー72の操作位置
にしたがって走行レンジを切り換える通常の制御が実施
される。しかし、上記SD2の判断が肯定された場合に
は、前記Dレンジ選択手段222に対応するSD4にお
いて、Dレンジが選択される。これにより、ダウンレン
ジスイッチ86D 或いはアップレンジスイッチ86U
有効化しようとしてシフトレバー72がMレンジ位置へ
操作された場合には、第1速ギヤ段から第5速ギヤ段ま
でを変速範囲とするDレンジが自動的に選択されるの
で、最低速ギヤ段から最高速ギア段までの自動変速と、
アップレンジスイッチ86U 或いはダウンレンジスイッ
チ86D により選択された走行レンジにおける手動操作
によるダウン変速或いはアップ変速とにより、運転性が
高められる。
【0070】図19は上記シフトレンジ制御ルーチンに
続くダウンレンジ制御ルーチンを示している。図19の
SE1では、前記エンジン出力増大制御禁止フラグSの
内容が「1」であるか否かが判断される。このSE1の
判断が肯定された場合には後述のSE4以下が実行され
るが、否定された場合には、SE2においてダウンレン
ジ要求があるか否かが、ダウンレンジスイッチ86D
操作信号に基づいて判断される。このSE2の判断が否
定された場合は本ルーチンが終了させられるが、肯定さ
れた場合は、SE3でエンジン出力増大制御禁止フラグ
Sの内容が1とされた後、前記ダウン変速許可手段21
4に対応するSE4において実際の車速Vが予め設定さ
れたダウン変速許可車速VA 以上であるか否かが判断さ
れる。このダウン変速許可車速VA は、通常はエンジン
過回転を防止するための第1のダウン変速許可車速VA1
に設定されているが、前述のようにフェイルが判定され
た場合には、ダウン変速のために係合させられる油圧式
摩擦係合装置(5→4ダウン変速ではクラッチCO)の
耐久性を高めるために設定された第2のダウン変速許可
車速VA2に設定されている。
【0071】上記SE4の判断が肯定された場合は、S
E5においてダウンレンジの要求すなわちダウンレンジ
スイッチ86D の操作に関連するダウン変速が実行さ
れ、SE6においてエンジン出力増大制御禁止フラグS
の内容が「0」にクリアされた後、本ルーチンが終了さ
せられる。しかし、上記SE4の判断が否定された場合
は、SE7において、上記SE2でありと判断されたダ
ウンレンジ要求がダウンレンジスイッチ86D によるも
のか否かが、そのダウンレンジスイッチ86D の出力信
号などに基づいて判断される。このSE7の判断が否定
された場合、すなわちダウンレンジの要求がシフトレバ
ー72の操作によるものである場合は本ルーチンが終了
させられる。しかし、上記SE7の判断が肯定された場
合は、SE8においてダウンレンジが実行されず、ダウ
ンレンジスイッチ86D によるダウンレンジ要求が無効
化され、SE6においてエンジン出力増大制御禁止フラ
グSの内容が「0」にクリアされた後、本ルーチンが終
了させられる。すなわち、上記SE7およびSE8が前
記走行レンジ選択制御手段224に対応している。
【0072】ダウンレンジスイッチ86D の操作により
低速側レンジが選択されたときは運転者はどの走行レン
ジを選択したかが不明であって、ダウンレンジを求めて
複数回操作することもあることから、上記図19の制御
により、シフトレバー72がMレンジ位置(スイッチ選
択モード位置)へ操作され且つダウンレンジスイッチ8
D の操作により低速側レンジが選択されたとき、実際
の車速Vがダウン変速許可車速VA を上回っている状態
ではそのレンジ選択操作が無効化されるので、実際の車
速Vがダウン変速許可車速VA を上回っている状態で
は、受け付けられないようにして無効化された方が却っ
て便利である。
【0073】また、上記の実施例では、レンジ選択スイ
ッチすなわちアップレンジスイッチ86U およびダウン
レンジスイッチ86D は、ステアリングホイール82に
設けられ、そのステアリングホイール82の上面側から
下面側へ向かってダウンレンジスイッチ86D が押し下
げ操作されることにより走行レンジが低速側へ切り換え
られ、ステアリングホイール82の下面側から上面側へ
向かってアップレンジスイッチ86U が押し上げ操作さ
れることにより走行レンジが高速側へ切り換えられるも
のであるので、ステアリングホイール82を把持したま
ま走行レンジを容易に切り換えられる利点がある。
【0074】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
説明したが、本発明は、以上に説明した実施例とは別の
他の態様としても実施され得る。
【0075】たとえば、前述の実施例の自動変速機14
は、前進5速であって、アップ変速或いはダウン変速が
4→5アップ変速或いは5→4ダウン変速であったが、
前進4速以下或いは前進6速以上の自動変速機であって
もよく、また、アップ変速或いはダウン変速は他のギヤ
段の間で行われるものであっても差し支えない。
【0076】また、前述の実施例では、原動機として、
燃料を燃焼させる形式のエンジン10が用いられていた
が、電動モータとエンジンのハイブリット式原動機、或
いは電動モータから構成される原動機であっても差し支
えない。
【0077】また、前述の実施例では、レンジ選択スイ
ッチすなわちアップレンジスイッチ86U およびダウン
レンジスイッチ86D はステアリングホイール82に設
けられていたが、そのステアリングホイール82の近傍
たとえばステアリングコラムに設けられたものであって
もよい。
【0078】また、前述の図13の実施例では、ダウン
変速中にアップ変速出力が行われたときに、エンジン出
力増大制御の中止に加えて、点火時期の遅角制御および
アキュムレータ背圧低下制御が実行されていたが、それ
ら点火時期の遅角制御およびアキュムレータ背圧低下制
御のいずれか一方だけが実行されても一応の効果が得ら
れるのである。
【0079】また、前述の図10、図11、図13、図
15、図18、図19の実施例において、各ステップの
順序、各ステップの分割或いは併合などは必要に応じて
変更され得るものである。要するに、所期の制御機能が
発生する範囲で種々の改変が加えられ得るものである。
【0080】以上に説明したものはあくまでも本発明の
一実施例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲に
おいて種々変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の制御装置により制御される
車両用自動変速機の構成を説明する骨子図である。
【図2】図1の車両用自動変速機のギヤ段とそれを達成
するための油圧式摩擦係合装置の作動の組み合わせとの
関係を説明する図表である。
【図3】図1の車両用自動変速機を制御するための制御
装置の電気的構成を説明するブロック線図である。
【図4】図3のシフトレバーの操作位置を説明する図で
ある。
【図5】図3のアップレンジスイッチおよびダウンレン
ジスイッチが設けられたステアリングホイールの正面図
である。
【図6】図3のアップレンジスイッチおよびダウンレン
ジスイッチが設けられたステアリングホイールの側面図
である。
【図7】図3の変速用電子制御装置により変速制御に用
いられる変速線図を示す図である。
【図8】図3の油圧制御回路のうち4−5変速に関連す
る回路を説明する油圧回路図である。
【図9】図3の変速用電子制御装置の制御機能の要部を
説明する機能ブロック線図である。
【図10】図3の変速用電子制御装置の制御作動の要部
であって、メインルーチンの内容を示すフローチャート
である。
【図11】図10の急減速制御ルーチンを詳しく示すフ
ローチャートである。
【図12】ダウン変速期間におけるエンジン出力、自動
変速機の出力トルク、タービン回転速度、および自動変
速機の入力軸回転速度の変化を示すタイムチャートであ
って、急減速のない通常の場合を実線で示し、車両の急
減速走行である場合を破線で示す図である。
【図13】図10の遅角背圧制御ルーチンを詳しく示す
フローチャートである。
【図14】ダウン変速中にアップ変速出力が行われた場
合の自動変速機の出力トルク、エンジン出力増大制御の
ためのスロットル弁開度、エンジン点火時期、アキュム
背圧の変化を示すタイムチャートであって、エンジン出
力増大制御だけの従来の場合を実線で示し、エンジン点
火時期制御およびアキュム背圧制御が加えられた場合を
破線で示す図である。
【図15】図10のセンサ等フェイル制御ルーチンを詳
しく示すフローチャートである。
【図16】エンジン出力増大制御の開始条件および終了
条件を説明するタイムチャートである。
【図17】自動変速機の出力トルクの変化状態とエンジ
ン出力増大制御によるエンジン出力増大区間と並列的に
閉めるタイムチャートであって、フェイルのない状態を
実線で、フェイルによってエンジン出力増大制御の終了
が延長した場合を破線で示す図である。
【図18】図10のシフトレンジ制御ルーチンを詳しく
示すフローチャートである。
【図19】図10のダウンレンジ制御ルーチンを詳しく
示すフローチャートである。
【符号の説明】
14:自動変速機 86U :アップレンジスイッチ(レンジ選択スイッチ) 86D :ダウンレンジスイッチ(レンジ選択スイッチ) 200:変速制御手段 202:エンジン出力増大制御手段(原動機出力増大制
御手段) 204:急減速走行判定手段 206:エンジン出力増大制御中止手段(原動機出力増
大制御中止手段) 208:ダウン変速中アップ変速判定手段 210:点火時期遅角手段 212:アキュム背圧低下手段 214:ダウン変速許可手段 216:故障判定手段 218:ダウン変速許可車速低下手段 220:スイッチ選択モード判定手段 222:Dレンジ選択手段 224:走行レンジ選択制御手段 B0:ブレーキ(油圧式摩擦係合装置) C0:クラッチ(油圧式摩擦係合装置)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F16H 61/08 F16H 61/12 61/12 F02P 5/15 B // F16H 59:04 59:44 59:48 59:68 59:74 63:12 (72)発明者 高波 陽二 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 谷口 浩司 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ギヤ段を切り換えるための複数油圧式摩
    擦係合装置を有する車両用自動変速機において、予め設
    定された変速線図から車両の走行状態に基づいて変速判
    断を行い、該変速判断された変速を実行するために所定
    の油圧式摩擦係合装置を作動させる変速制御手段と、該
    変速制御手段によるダウン変速の期間内において原動機
    の出力を一時的に増大させる原動機出力増大制御手段と
    を備えた車両用自動変速機の制御装置であって、 車両の急減速走行を判定する急減速走行判定手段と、 該急減速走行判定手段により車両の急減速走行が判定さ
    れた場合には、前記原動機出力増大制御手段による原動
    機出力の増大制御を中止する原動機出力増大制御中止手
    段とを、含むことを特徴とする車両用自動変速機の制御
    装置。
  2. 【請求項2】 ギヤ段を切り換えるための複数油圧式摩
    擦係合装置を有する車両用自動変速機において、予め設
    定された変速線図から車両の走行状態に基づいて変速判
    断を行い、該変速判断された変速を実行するために所定
    の油圧式摩擦係合装置を作動させる変速制御手段と、該
    変速制御手段によるダウン変速の期間内において原動機
    の出力を一時的に増大させる原動機出力増大制御手段と
    を備えた車両用自動変速機の制御装置であって、 前記ダウン変速中にアップ変速が出力されたことを判定
    するダウン変速中アップ変速出力判定手段と、 該ダウン変速中アップ変速出力判定手段によりダウン変
    速中のアップ変速出力が判定された場合には、前記原動
    機出力増大制御手段による原動機出力の増大制御を中止
    する原動機出力増大制御中止手段と、 前記ダウン変速中アップ変速判定手段によりダウン変速
    中のアップ変速が判定された場合には、前記原動機の点
    火時期を遅角させる点火時期遅角手段とを、含むことを
    特徴とする車両用自動変速機の制御装置。
  3. 【請求項3】 ギヤ段を切り換えるための複数油圧式摩
    擦係合装置を有する車両用自動変速機において、予め設
    定された変速線図から車両の走行状態に基づいて変速判
    断を行い、該変速判断された変速を実行するために所定
    の油圧式摩擦係合装置を作動させる変速制御手段と、該
    変速制御手段によるダウン変速の期間内において原動機
    の出力を一時的に増大させる原動機出力増大制御手段と
    を備えた車両用自動変速機の制御装置であって、 前記ダウン変速中にアップ変速が出力されたことを判定
    するダウン変速中アップ変速出力判定手段と、 該ダウン変速中アップ変速出力判定手段によりダウン変
    速中のアップ変速出力が判定された場合には、前記原動
    機出力増大制御手段による原動機出力の増大制御を中止
    する原動機出力増大制御中止手段と、 前記ダウン変速中アップ変速出力判定手段によりダウン
    変速中のアップ変速出力が判定された場合には、前記ア
    ップ変速のための係合させられる油圧式摩擦係合装置に
    接続されているアキュムレータの背圧を低くするアキュ
    ム背圧低下手段とを、含むことを特徴とする車両用自動
    変速機の制御装置。
  4. 【請求項4】 ギヤ段を切り換えるための複数油圧式摩
    擦係合装置を有する車両用自動変速機において、予め設
    定された変速線図から車両の走行状態に基づいて変速判
    断を行い、該変速判断された変速を実行するために所定
    の油圧式摩擦係合装置を作動させる変速制御手段と、該
    変速制御手段によるダウン変速の期間内において原動機
    の出力を一時的に増大させる原動機出力増大制御手段と
    を備えた車両用自動変速機の制御装置であって、 前記ダウン変速中にアップ変速が出力されたことを判定
    するダウン変速中アップ変速出力判定手段と、 該ダウン変速中アップ変速出力判定手段によりダウン変
    速中のアップ変速出力が判定された場合には、前記原動
    機出力増大制御手段による原動機出力の増大制御を中止
    する原動機出力増大制御中止手段と、 前記ダウン変速中アップ変速判定手段によりダウン変速
    中のアップ変速が判定された場合には、前記原動機の点
    火時期を遅角させる点火時期遅角手段と、 前記ダウン変速中アップ変速判定手段によりダウン変速
    中のアップ変速が判定された場合には、前記アップ変速
    のための係合させられる油圧式摩擦係合装置に接続され
    ているアキュムレータの背圧を低くするアキュム背圧低
    下手段とを、含むことを特徴とする車両用自動変速機の
    制御装置。
  5. 【請求項5】 ギヤ段を切り換えるための複数油圧式摩
    擦係合装置を有する車両用自動変速機において、予め設
    定された変速線図から車両の走行状態に基づいて変速判
    断を行い、該変速判断された変速を実行するために所定
    の油圧式摩擦係合装置を作動させる変速制御手段と、該
    変速制御手段によるダウン変速の期間内において原動機
    の出力を一時的に増大させる原動機出力増大制御手段
    と、車速が予め設定されたダウン変速許可車速以下のと
    きに前記変速制御手段によるダウン変速を許可するダウ
    ン変速許可手段とを備えた車両用自動変速機の制御装置
    であって、 前記原動機出力増大制御手段の原動機出力増大制御に関
    連する機器の故障が発生したか否かを判定する故障判定
    手段と、 該故障判定手段により前記原動機出力増大制御に関連す
    る機器の故障が発生したと判定された場合には、前記ダ
    ウン変速許可車速を、前記原動機の過回転を防止するた
    めに第1のダウン変速許可車速からそれよりも低い値に
    設定された第2のダウン変速許可車速へ低下させるダウ
    ン変速許可車速低下手段とを、含むことを特徴とする車
    両用自動変速機の制御装置。
  6. 【請求項6】 ギヤ段を切り換えるための複数油圧式摩
    擦係合装置を有する車両用自動変速機において、予め設
    定された変速線図から車両の走行状態に基づいて変速判
    断を行い、該変速判断された変速を実行するために所定
    の油圧式摩擦係合装置を作動させる変速制御手段と、該
    変速制御手段によるダウン変速の期間内において原動機
    の出力を一時的に増大させる原動機出力増大制御手段
    と、車速が予め設定されたダウン変速許可車速以下のと
    きに前記変速制御手段によるダウン変速を許可するダウ
    ン変速許可手段とを備えた車両用自動変速機の制御装置
    であって、 前記原動機出力増大制御手段の原動機出力増大制御に関
    連する機器の故障が発生したか否かを判定する故障判定
    手段と、 該故障判定手段により前記原動機出力増大制御に関連す
    る機器の故障が発生したと判定された場合には、前記原
    動機出力増大制御手段による原動機出力の増大制御を中
    止する原動機出力増大制御中止手段とを、含むことを特
    徴とする車両用自動変速機の制御装置。
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