JPH1135823A - 金型内で結晶化するポリイミド樹脂からなるスラストワッシャー - Google Patents
金型内で結晶化するポリイミド樹脂からなるスラストワッシャーInfo
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- JPH1135823A JPH1135823A JP9197359A JP19735997A JPH1135823A JP H1135823 A JPH1135823 A JP H1135823A JP 9197359 A JP9197359 A JP 9197359A JP 19735997 A JP19735997 A JP 19735997A JP H1135823 A JPH1135823 A JP H1135823A
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- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C33/00—Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
- F16C33/02—Parts of sliding-contact bearings
- F16C33/04—Brasses; Bushes; Linings
- F16C33/20—Sliding surface consisting mainly of plastics
- F16C33/201—Composition of the plastic
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C17/00—Sliding-contact bearings for exclusively rotary movement
- F16C17/04—Sliding-contact bearings for exclusively rotary movement for axial load only
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C2208/00—Plastics; Synthetic resins, e.g. rubbers
- F16C2208/20—Thermoplastic resins
- F16C2208/36—Polyarylene ether ketones [PAEK], e.g. PEK, PEEK
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- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Lubricants (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【解決手段】 一般式(1)の繰り返し構造単位を有す
る結晶性ポリイミド樹脂、 (X1は、直接結合、−SO2−、−CO2−、−C(C
H3)2−、−C(CF3) 2−、又は、−S−である。R
1、R2、R3、R4は、それぞれ水素、アルキル基、アル
コキシ基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキ
シ基、又は、ハロゲン基である。Y1は、一般式(2)
からなる群から選択された少なくとも1種の基であ
る。) カーボンブラック、ビスイミド化合物及びポリアリルエ
ーテルケトン樹脂よりなるスラストワッシャー。 【効果】 本発明のスラストワッシャーは、完全に射出
成形の金型内で結晶化するポリイミド樹脂組成物を用い
るため、熱処理して後結晶化させる必要がなく、変形の
少ない耐熱性、耐薬品性の優れた製品を得ることがで
き、産業上の利用効果は非常に大きい。
る結晶性ポリイミド樹脂、 (X1は、直接結合、−SO2−、−CO2−、−C(C
H3)2−、−C(CF3) 2−、又は、−S−である。R
1、R2、R3、R4は、それぞれ水素、アルキル基、アル
コキシ基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキ
シ基、又は、ハロゲン基である。Y1は、一般式(2)
からなる群から選択された少なくとも1種の基であ
る。) カーボンブラック、ビスイミド化合物及びポリアリルエ
ーテルケトン樹脂よりなるスラストワッシャー。 【効果】 本発明のスラストワッシャーは、完全に射出
成形の金型内で結晶化するポリイミド樹脂組成物を用い
るため、熱処理して後結晶化させる必要がなく、変形の
少ない耐熱性、耐薬品性の優れた製品を得ることがで
き、産業上の利用効果は非常に大きい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金型内結晶化する熱
可塑性ポリイミド樹脂または金型内結晶化する熱可塑性
ポリイミド樹脂組成物からなるスラストワッシャーであ
り、表面平滑性に優れ、摺動特性も良好かつ後アニール
の必要がなくコストが著しく低下する。
可塑性ポリイミド樹脂または金型内結晶化する熱可塑性
ポリイミド樹脂組成物からなるスラストワッシャーであ
り、表面平滑性に優れ、摺動特性も良好かつ後アニール
の必要がなくコストが著しく低下する。
【0002】
【従来の技術】従来開発された熱可塑性ポリイミド樹脂
の代表的なものとして、特開昭62−236858号、
特開昭62−253655号に開示されているポリイミ
ド樹脂がある。このポリイミド樹脂はガラス転移温度が
240ー250℃であり、かつ摺動特性に優れており、
スラストワッシャー材として使用されていた。ところが
近年これらの樹脂は特に金属の代替で用いられることが
多くなり、使用環境温度及び摺動条件がますます厳しく
なってきた。これらに対応するために、この熱可塑性ポ
リイミド樹脂を射出成形後に結晶化(後アニールとも呼
ぶ)処理を施すことによりその耐熱性および摺動特性を
向上させ厳しい使用環境下につかわれる試みをおこなっ
た。しかしながら、後アニール後の表面粗度は悪くその
ためスラストワッシャー材としての性能が十分でなかっ
た。また、後アニールという工程はコスト面から言って
も好ましい過程とはいえず、金型内結晶化する熱可塑性
ポリイミド樹脂または金型内結晶化する熱可塑性ポリイ
ミド樹脂組成物からなるスラストワッシャーが求められ
ていた。
の代表的なものとして、特開昭62−236858号、
特開昭62−253655号に開示されているポリイミ
ド樹脂がある。このポリイミド樹脂はガラス転移温度が
240ー250℃であり、かつ摺動特性に優れており、
スラストワッシャー材として使用されていた。ところが
近年これらの樹脂は特に金属の代替で用いられることが
多くなり、使用環境温度及び摺動条件がますます厳しく
なってきた。これらに対応するために、この熱可塑性ポ
リイミド樹脂を射出成形後に結晶化(後アニールとも呼
ぶ)処理を施すことによりその耐熱性および摺動特性を
向上させ厳しい使用環境下につかわれる試みをおこなっ
た。しかしながら、後アニール後の表面粗度は悪くその
ためスラストワッシャー材としての性能が十分でなかっ
た。また、後アニールという工程はコスト面から言って
も好ましい過程とはいえず、金型内結晶化する熱可塑性
ポリイミド樹脂または金型内結晶化する熱可塑性ポリイ
ミド樹脂組成物からなるスラストワッシャーが求められ
ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、表面
平滑性に優れ摺動特性も良好かつ後アニールの必要がな
くコストが著しく低下するスラストワッシャーを得るこ
とである。
平滑性に優れ摺動特性も良好かつ後アニールの必要がな
くコストが著しく低下するスラストワッシャーを得るこ
とである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は金型内結晶化す
る熱可塑性ポリイミド樹脂または金型内結晶化する熱可
塑性ポリイミド樹脂組成物からなるスラスワッシャーを
用いることにより、表面平滑性に優れ摺動特性も良好か
つ後アニールの必要がなくコストが著しく低下するスラ
ストワッシャーを得ることを見出し本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[5]に記載した事
項により特定される。
る熱可塑性ポリイミド樹脂または金型内結晶化する熱可
塑性ポリイミド樹脂組成物からなるスラスワッシャーを
用いることにより、表面平滑性に優れ摺動特性も良好か
つ後アニールの必要がなくコストが著しく低下するスラ
ストワッシャーを得ることを見出し本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[5]に記載した事
項により特定される。
【0005】[1] 一般式(1)(化13)の繰り返
し構造単位を有する結晶性ポリイミド樹脂、
し構造単位を有する結晶性ポリイミド樹脂、
【0006】
【化13】 (X1 は、直接結合、−SO2−、−CO2−、−C(C
H3)2−、−C(CF3)2−、又は、−S−である。R
1、R2、R3、R4は、それぞれ水素、アルキル基、アル
コキシ基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキ
シ基またはハロゲン基である。Y1は、一般式(2)
(化14)からなる群から選択された少なくとも1種の
基である。
H3)2−、−C(CF3)2−、又は、−S−である。R
1、R2、R3、R4は、それぞれ水素、アルキル基、アル
コキシ基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキ
シ基またはハロゲン基である。Y1は、一般式(2)
(化14)からなる群から選択された少なくとも1種の
基である。
【0007】
【化14】 、及び/又は、一般式(3)(化15)の繰り返し構造
単位を有する結晶性ポリイミド樹脂
単位を有する結晶性ポリイミド樹脂
【0008】
【化15】 (R5、R6は、それぞれ、水素、アルキル基、アルコキ
シ基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ
基、又は、ハロゲン基であり、nは0〜4の整数であ
る。Y2は、一般式(1)中のY1の定義と同じであ
る。) 100重量部に対して成分(A)として、カーボンブラ
ック、成分(B)として、一般式(4)(化16)
シ基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ
基、又は、ハロゲン基であり、nは0〜4の整数であ
る。Y2は、一般式(1)中のY1の定義と同じであ
る。) 100重量部に対して成分(A)として、カーボンブラ
ック、成分(B)として、一般式(4)(化16)
【0009】
【化16】 (R7は、炭素原子数6〜30の2価の芳香族基を、X2
は一般式(5)(化17)
は一般式(5)(化17)
【0010】
【化17】 から選択された少なくとも1種の2価の基を表す。X3
は、直結結合、エーテル結合、スルフィド結合、炭素原
子数1〜10の炭化水素基、カルボニル基、六フッ素化
されたイソプロピリデン基、炭素原子数6〜18の芳香
族基からなる群から選択された少なくとも1種の2価の
基を表す。)で表されるビスイミド化合物、及び/又
は、一般式(6)(化18)
は、直結結合、エーテル結合、スルフィド結合、炭素原
子数1〜10の炭化水素基、カルボニル基、六フッ素化
されたイソプロピリデン基、炭素原子数6〜18の芳香
族基からなる群から選択された少なくとも1種の2価の
基を表す。)で表されるビスイミド化合物、及び/又
は、一般式(6)(化18)
【0011】
【化18】 (R8は、−CnH2n+1−(n=0〜3)、又は、炭素原
子数6〜30の1価の芳香族基を、Y3は、一般式
(7)(化19)
子数6〜30の1価の芳香族基を、Y3は、一般式
(7)(化19)
【0012】
【化19】 からなる4価の基である。Y4は、直結結合、エーテル
結合、スルフィド結合、炭素原子数1〜10の炭化水素
基、カルボニル基、スルホニル基、六フッ素化されたイ
ソプロピリデン基、炭素原子数6〜18の芳香族基から
なる群から選択された少なくとも1種の2価の基を表
す。)で表されるビスイミド化合物の少なくとも1種、
成分(C)として、一般式(8)(化20)の繰り返し
構造単位を有するポリエーテルエーテルケトン樹脂、
結合、スルフィド結合、炭素原子数1〜10の炭化水素
基、カルボニル基、スルホニル基、六フッ素化されたイ
ソプロピリデン基、炭素原子数6〜18の芳香族基から
なる群から選択された少なくとも1種の2価の基を表
す。)で表されるビスイミド化合物の少なくとも1種、
成分(C)として、一般式(8)(化20)の繰り返し
構造単位を有するポリエーテルエーテルケトン樹脂、
【0013】
【化20】 一般式(9)(化21)の繰り返し構造単位を有するポ
リエーテルケトン樹脂、
リエーテルケトン樹脂、
【0014】
【化21】 一般式(10)(化22)の繰り返し構造単位を有する
ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン樹脂、
ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン樹脂、
【0015】
【化22】 一般式(11)(化23)の繰り返し構造単位を有する
ポリエーテルケトンケトン樹脂、
ポリエーテルケトンケトン樹脂、
【0016】
【化23】 からなる群から選択された少なくとも1種のポリアリー
ルエーテルケトン樹脂の、成分(A)、成分(B)、成
分(C)の三成分のうち、少なくとも2成分0.2〜2
00重量部を含有することを特徴とする樹脂組成物から
なる、スラストワッシャー。
ルエーテルケトン樹脂の、成分(A)、成分(B)、成
分(C)の三成分のうち、少なくとも2成分0.2〜2
00重量部を含有することを特徴とする樹脂組成物から
なる、スラストワッシャー。
【0017】[2] カーボンブラックのC軸方向の結
晶子サイズ(Lc)が、1〜20nmである、[1]に
記載したスラストワッシャー。
晶子サイズ(Lc)が、1〜20nmである、[1]に
記載したスラストワッシャー。
【0018】[3] ビスイミド化合物が、一般式(1
2)(化24)
2)(化24)
【0019】
【化24】 で表される、[1]又は[2]に記載したスラストワッ
シャー。
シャー。
【0020】[4] 樹脂組成物100重量部に対し、
さらに繊維状補強材5〜100重量部を含有してなる、
[1]乃至[3]の何れかに記載したスラストワッシャ
ー。
さらに繊維状補強材5〜100重量部を含有してなる、
[1]乃至[3]の何れかに記載したスラストワッシャ
ー。
【0021】[5] 金型内で結晶化する熱可塑性結晶
性ポリイミド樹脂、及び/又は、金型内で結晶化する熱
可塑性結晶性ポリイミド樹脂組成物を用いることを特徴
とするスラストワッシャー。
性ポリイミド樹脂、及び/又は、金型内で結晶化する熱
可塑性結晶性ポリイミド樹脂組成物を用いることを特徴
とするスラストワッシャー。
【0022】
【発明の実施形態】本発明は熱可塑性結晶性ポリイミド
樹脂を含んだ樹脂組成物より成形され、金型内で結晶化
したものである。本発明における熱可塑性結晶性ポリイ
ミド樹脂の中では特に一般式(13)(化25)
樹脂を含んだ樹脂組成物より成形され、金型内で結晶化
したものである。本発明における熱可塑性結晶性ポリイ
ミド樹脂の中では特に一般式(13)(化25)
【0023】
【化25】 で表されるポリイミド(三井東圧化学社製:商品名AU
RUM、融点388℃)が最適である。本発明で使用す
る樹脂組成物は金型温度250℃以上で成形することに
よって、金型内で完全に結晶化する。金型内で完全に結
晶化することによりポリイミド樹脂本来の耐熱性が発揮
され、かつ後結晶化等の手法による寸法変化等の少ない
結晶化した成形品を得ることができる。該樹脂組成物を
使用する場合、金型温度は230〜280℃の範囲であ
る。好ましくは240〜270℃の範囲、より好ましく
は245〜265℃の範囲、最も好ましくは250〜2
60℃の範囲である。280℃を超える金型温度では成
形品の離型ができない場合がある。230℃未満の金型
温度では結晶性ポリイミド樹脂の結晶化が十分に進ま
ず、そのままではポリイミド樹脂特有の高温での耐熱性
が発揮できない。非晶の状態で成形品を取り出し、後結
晶化させる場合は後結晶化に伴い変形が大きくなり、使
用に耐える形状を保持できない場合がある。また、金型
内で結晶化しうるその他の熱可塑性結晶性ポリイミドも
本発明の用途に使用するのに何ら問題ない。本発明で使
用する樹脂組成物に用いられる結晶性ポリイミド樹脂の
融点は250℃以上500℃以下が好ましい。さらに好
ましくは250℃以上450℃以下である。250℃以
下では耐熱性の高い樹脂組成物が得られず本発明の主旨
にそぐわない。また500℃以上では融点が高すぎ、通
常の射出成形が困難である。
RUM、融点388℃)が最適である。本発明で使用す
る樹脂組成物は金型温度250℃以上で成形することに
よって、金型内で完全に結晶化する。金型内で完全に結
晶化することによりポリイミド樹脂本来の耐熱性が発揮
され、かつ後結晶化等の手法による寸法変化等の少ない
結晶化した成形品を得ることができる。該樹脂組成物を
使用する場合、金型温度は230〜280℃の範囲であ
る。好ましくは240〜270℃の範囲、より好ましく
は245〜265℃の範囲、最も好ましくは250〜2
60℃の範囲である。280℃を超える金型温度では成
形品の離型ができない場合がある。230℃未満の金型
温度では結晶性ポリイミド樹脂の結晶化が十分に進ま
ず、そのままではポリイミド樹脂特有の高温での耐熱性
が発揮できない。非晶の状態で成形品を取り出し、後結
晶化させる場合は後結晶化に伴い変形が大きくなり、使
用に耐える形状を保持できない場合がある。また、金型
内で結晶化しうるその他の熱可塑性結晶性ポリイミドも
本発明の用途に使用するのに何ら問題ない。本発明で使
用する樹脂組成物に用いられる結晶性ポリイミド樹脂の
融点は250℃以上500℃以下が好ましい。さらに好
ましくは250℃以上450℃以下である。250℃以
下では耐熱性の高い樹脂組成物が得られず本発明の主旨
にそぐわない。また500℃以上では融点が高すぎ、通
常の射出成形が困難である。
【0024】カーボンブラックの量は結晶性樹脂100
重量部に対し、0.1〜50重量部が適当である。好ま
しくは0.5〜40重量部、さらに好ましくは1〜30
重量部である。カーボンブラックの量が0.1重量部未
満では、結晶性ポリイミド樹脂、カーボンブラックの種
類によってはその樹脂組成物は射出成形物が完全に結晶
化しない場合があり不十分である。また50重量部を超
えると樹脂組成物の機械物性の低下、流動性の低下等の
問題を生ずる。カーボンブラック平均1次粒径は1〜1
00nmが適当である。好ましくは1〜80nm、さら
に好ましくは10〜80nmである。カーボンブラック
は平均1次粒径が小さいほど樹脂の結晶化を促進する効
果が大きい。100nmを越えると樹脂の結晶化を促進
する効果が乏しく、また1nm以下のカーボンブラック
は通常入手することは困難である。ここで平均1次粒径
とは、カーボンブラックの単粒子(凝集粒子を構成して
いる粒子)の直径の平均値である。
重量部に対し、0.1〜50重量部が適当である。好ま
しくは0.5〜40重量部、さらに好ましくは1〜30
重量部である。カーボンブラックの量が0.1重量部未
満では、結晶性ポリイミド樹脂、カーボンブラックの種
類によってはその樹脂組成物は射出成形物が完全に結晶
化しない場合があり不十分である。また50重量部を超
えると樹脂組成物の機械物性の低下、流動性の低下等の
問題を生ずる。カーボンブラック平均1次粒径は1〜1
00nmが適当である。好ましくは1〜80nm、さら
に好ましくは10〜80nmである。カーボンブラック
は平均1次粒径が小さいほど樹脂の結晶化を促進する効
果が大きい。100nmを越えると樹脂の結晶化を促進
する効果が乏しく、また1nm以下のカーボンブラック
は通常入手することは困難である。ここで平均1次粒径
とは、カーボンブラックの単粒子(凝集粒子を構成して
いる粒子)の直径の平均値である。
【0025】カーボンブラックのC軸方向の結晶子サイ
ズLcは、1〜20nmの範囲が適当である。好ましく
は3〜15nm、さらに好ましくは4〜10nmであ
る。カーボンブラックのLcが大きいほど樹脂の結晶化
を促進する効果が大きい。Lcが1nm以下では樹脂の
結晶化を促進する効果が乏しく、また20nmを超える
カーボンブラックは通常入手することは困難である。C
軸方向とは立体座標上における平面に対して直角方向の
軸方向を意味する(以下、C軸方向という。)ここで
は、カーボンブラックを結晶核剤として効果を発揮して
いるが、Lcが上記を満たす黒鉛を用いても、本樹脂組
成物の効果を上回ることはできない。なぜなら黒鉛とカ
ーボンブラックとでは平均一次粒径が異なり結晶化促進
効果に著しい差があるからである。
ズLcは、1〜20nmの範囲が適当である。好ましく
は3〜15nm、さらに好ましくは4〜10nmであ
る。カーボンブラックのLcが大きいほど樹脂の結晶化
を促進する効果が大きい。Lcが1nm以下では樹脂の
結晶化を促進する効果が乏しく、また20nmを超える
カーボンブラックは通常入手することは困難である。C
軸方向とは立体座標上における平面に対して直角方向の
軸方向を意味する(以下、C軸方向という。)ここで
は、カーボンブラックを結晶核剤として効果を発揮して
いるが、Lcが上記を満たす黒鉛を用いても、本樹脂組
成物の効果を上回ることはできない。なぜなら黒鉛とカ
ーボンブラックとでは平均一次粒径が異なり結晶化促進
効果に著しい差があるからである。
【0026】本発明に使用されるカーボンブラックとし
ては、三菱カーボンブラック(三菱化成工業)、シース
ト、トーカブラック(東海カーボン)、デンカブラック
(デンカ)、ケッチェン(アクゾ)、RABEN(コロ
ンビヤン・カーボン)、アセチレンブラック等が用いら
れる。この中でもトーカブラック、アセチレンブラック
が好ましい。最も好ましいのはトーカブラックである。
これらのカーボンブラックは単独あるいは2種類以上混
合して使用される。本発明に使用されるビスイミド化合
物は大別して2種のタイプがある。一つは式(C)(以
下、このタイプのビスイミド化合物をタイプAのビスイ
ミド化合物ということもある。)で表されるビスイミド
化合物であり、もう一つは式(D)(以下、このタイプ
のビスイミド化合物をタイプBのビスイミド化合物とい
うこともある。)で表されるビスイミド化合物である。
これらの中でも一般式(12)(化26)
ては、三菱カーボンブラック(三菱化成工業)、シース
ト、トーカブラック(東海カーボン)、デンカブラック
(デンカ)、ケッチェン(アクゾ)、RABEN(コロ
ンビヤン・カーボン)、アセチレンブラック等が用いら
れる。この中でもトーカブラック、アセチレンブラック
が好ましい。最も好ましいのはトーカブラックである。
これらのカーボンブラックは単独あるいは2種類以上混
合して使用される。本発明に使用されるビスイミド化合
物は大別して2種のタイプがある。一つは式(C)(以
下、このタイプのビスイミド化合物をタイプAのビスイ
ミド化合物ということもある。)で表されるビスイミド
化合物であり、もう一つは式(D)(以下、このタイプ
のビスイミド化合物をタイプBのビスイミド化合物とい
うこともある。)で表されるビスイミド化合物である。
これらの中でも一般式(12)(化26)
【0027】
【化26】 で表されるビスイミド化合物が特に好ましい。これらの
ビスイミド化合物は以下の反応により製造することがで
きる。すなわち、タイプAのビスイミド化合物は、1モ
ルのジアミン化合物に対して理論的には2モルのジカル
ボン酸無水物を有機溶媒中で常法により反応させる方法
で、またタイプBのビスイミド化合物は1モルのテトラ
カルボン酸二無水物に対して理論的には2モルのモノア
ミン化合物を有機溶媒中で常法により反応させる方法で
製造できる。反応方法はとくに限定されず所望のビスイ
ミド化合物が得られる方法であればよい。
ビスイミド化合物は以下の反応により製造することがで
きる。すなわち、タイプAのビスイミド化合物は、1モ
ルのジアミン化合物に対して理論的には2モルのジカル
ボン酸無水物を有機溶媒中で常法により反応させる方法
で、またタイプBのビスイミド化合物は1モルのテトラ
カルボン酸二無水物に対して理論的には2モルのモノア
ミン化合物を有機溶媒中で常法により反応させる方法で
製造できる。反応方法はとくに限定されず所望のビスイ
ミド化合物が得られる方法であればよい。
【0028】以下、ビスイミド化合物の製造について詳
しく述べる。本発明のビスイミド化合物を得るために使
用される必須の原料化合物は、タイプAのビスイミド化
合物の製造に使用されるジアミン化合物として具体的に
はo−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、
p−フェニレンジアミン、1,3−ビス(3−アミノフ
ェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノ
キシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキ
シ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)
ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビ
フェニル、3,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビ
フェニル、3,3’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビ
フェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビ
フェニル、3,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビ
フェニル、3,3’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビ
フェニル等が挙げられる。また、ジカルボン酸無水物と
して具体的には無水フタル酸、2,3−ナフタレンジカ
ルボン酸無水物、1,8−ナフタレンジカルボン酸無水
物、2,3−アントラセンジカルボン酸無水物等が挙げ
られる。タイプBのビスイミド化合物の製造に使用され
るテトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸
二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン
酸二無水物、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカ
ルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)エーテル二無水物等が挙げられる。また、モノアミ
ン化合物としては、アニリン、p−トルイジン、4−n
−エチルアニリン、4−アミノビフェニル、4−アミノ
−p−ターフェニル等が挙げられる。タイプA、又は、
タイプBのビスイミド化合物の製造において、それぞれ
上記の必須の原料化合物が使用されるが、もちろん、ビ
スイミド化合物の本発明における効果を阻害しない範囲
でその他のジアミン化合物、ジカルボン酸無水物、(タ
イプAのビスイミド化合物の製造)、またはテトラカル
ボン酸二無水物、モノアミン化合物(タイプBのビスイ
ミド化合物の製造)が含まれていてもよい。
しく述べる。本発明のビスイミド化合物を得るために使
用される必須の原料化合物は、タイプAのビスイミド化
合物の製造に使用されるジアミン化合物として具体的に
はo−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、
p−フェニレンジアミン、1,3−ビス(3−アミノフ
ェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノ
キシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキ
シ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)
ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビ
フェニル、3,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビ
フェニル、3,3’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビ
フェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビ
フェニル、3,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビ
フェニル、3,3’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビ
フェニル等が挙げられる。また、ジカルボン酸無水物と
して具体的には無水フタル酸、2,3−ナフタレンジカ
ルボン酸無水物、1,8−ナフタレンジカルボン酸無水
物、2,3−アントラセンジカルボン酸無水物等が挙げ
られる。タイプBのビスイミド化合物の製造に使用され
るテトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸
二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン
酸二無水物、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカ
ルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)エーテル二無水物等が挙げられる。また、モノアミ
ン化合物としては、アニリン、p−トルイジン、4−n
−エチルアニリン、4−アミノビフェニル、4−アミノ
−p−ターフェニル等が挙げられる。タイプA、又は、
タイプBのビスイミド化合物の製造において、それぞれ
上記の必須の原料化合物が使用されるが、もちろん、ビ
スイミド化合物の本発明における効果を阻害しない範囲
でその他のジアミン化合物、ジカルボン酸無水物、(タ
イプAのビスイミド化合物の製造)、またはテトラカル
ボン酸二無水物、モノアミン化合物(タイプBのビスイ
ミド化合物の製造)が含まれていてもよい。
【0029】ビスイミド化合物の製造方法は、公知のイ
ミド化反応を適用できる。原料化合物の使用量は、タイ
プAのビスイミド化合物において、ジアミノ化合物の1
当量に対してジカルボン酸無水物を2倍当量以上であれ
ばよいが、後処理の煩雑さ、コスト等を考慮して、2〜
2.5倍当量、更に好ましくは2.05〜2.10倍の
範囲で用いるのが望ましい。また、タイプBのビスイミ
ド化合物においては、テトラカルボン酸二無水物1当量
に対してモノアミンを2倍当量以上であればよいが、後
処理の煩雑さ、コスト等を考慮して、2〜2.5倍当
量、更に好ましくは2.05〜2.10倍の範囲で用い
るのが望ましい。反応は、有機溶媒中で行うのが特に好
ましい。ここで用いられる溶媒は、好ましくはN,N−
ジメチルアセトアミドであるが、その他使用できる溶媒
としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジ
エチルアセトアミド、N,N−ジメトキシアセトアミ
ド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−
2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタム、
1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチ
ル)エーテル、1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)
エタン、ビス〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕
エーテル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、
1,4−ジオキサン、ピロリン、ピコリン、ジメチルス
ルホキシド、ジメチルスルホン、テトラメチル尿素ヘキ
サメチルホスホルアミド、フェノール、o−クレゾー
ル、m−クレゾール、p−クレゾール、p−クロロフェ
ノール、アニソール、ベンゼン、トルエン、キシレン等
が挙げられる。また、これらは単独でも2種類以上混合
して用いても良い。反応温度は通常250℃以下、好ま
しくは150℃以下である。反応圧力は特に限定され
ず、常圧で十分実施できる。反応時間は原料化合物の種
類、溶媒の種類及び反応温度によって異なり、通常4〜
24時間で十分である。更にイミド化の方法としては、
前駆体であるビスアミド酸を100〜300℃に加熱し
てイミド化するか、または無水酢酸等のイミド化剤を用
いて化学イミド化することにより、ビスアミド酸から2
分子の水が脱水した構造であるビスイミド化合物が得ら
れる。
ミド化反応を適用できる。原料化合物の使用量は、タイ
プAのビスイミド化合物において、ジアミノ化合物の1
当量に対してジカルボン酸無水物を2倍当量以上であれ
ばよいが、後処理の煩雑さ、コスト等を考慮して、2〜
2.5倍当量、更に好ましくは2.05〜2.10倍の
範囲で用いるのが望ましい。また、タイプBのビスイミ
ド化合物においては、テトラカルボン酸二無水物1当量
に対してモノアミンを2倍当量以上であればよいが、後
処理の煩雑さ、コスト等を考慮して、2〜2.5倍当
量、更に好ましくは2.05〜2.10倍の範囲で用い
るのが望ましい。反応は、有機溶媒中で行うのが特に好
ましい。ここで用いられる溶媒は、好ましくはN,N−
ジメチルアセトアミドであるが、その他使用できる溶媒
としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジ
エチルアセトアミド、N,N−ジメトキシアセトアミ
ド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−
2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタム、
1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチ
ル)エーテル、1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)
エタン、ビス〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕
エーテル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、
1,4−ジオキサン、ピロリン、ピコリン、ジメチルス
ルホキシド、ジメチルスルホン、テトラメチル尿素ヘキ
サメチルホスホルアミド、フェノール、o−クレゾー
ル、m−クレゾール、p−クレゾール、p−クロロフェ
ノール、アニソール、ベンゼン、トルエン、キシレン等
が挙げられる。また、これらは単独でも2種類以上混合
して用いても良い。反応温度は通常250℃以下、好ま
しくは150℃以下である。反応圧力は特に限定され
ず、常圧で十分実施できる。反応時間は原料化合物の種
類、溶媒の種類及び反応温度によって異なり、通常4〜
24時間で十分である。更にイミド化の方法としては、
前駆体であるビスアミド酸を100〜300℃に加熱し
てイミド化するか、または無水酢酸等のイミド化剤を用
いて化学イミド化することにより、ビスアミド酸から2
分子の水が脱水した構造であるビスイミド化合物が得ら
れる。
【0030】ビスイミド化合物の量は結晶性ポリイミド
樹脂100重量部に対し、0.1〜50重量部が適当で
ある。好ましくは0.5〜40重量部、さらに好ましく
は1〜30重量部、最も好ましくは10〜20重量部で
ある。ビスイミド化合物の量が0.1重量部未満では、
結晶性ポリイミド樹脂、ビスイミド化合物の種類によっ
てはその樹脂組成物は射出成形物が完全に結晶化しない
場合があり不十分である。また50重量部を超えると樹
脂組成物の機械物性の低下等の問題を生ずる。本発明で
使用されるポリアリールエーテルケトン樹脂としては、
一般に市販されている通常のポリアリールエーテルケト
ン樹脂が問題なく使用できる。具体的には式(E)〜
(H)で表されるようなポリエーテルエーテルケトン
(融点334℃)、ポリエーテルケトン(融点373
℃)、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(融点
371℃)、ポリエーテルケトンケトン(融点305℃
〜360℃)等が挙げられる。これらは単独でもあるい
は2種類以上混合して用いても良い。
樹脂100重量部に対し、0.1〜50重量部が適当で
ある。好ましくは0.5〜40重量部、さらに好ましく
は1〜30重量部、最も好ましくは10〜20重量部で
ある。ビスイミド化合物の量が0.1重量部未満では、
結晶性ポリイミド樹脂、ビスイミド化合物の種類によっ
てはその樹脂組成物は射出成形物が完全に結晶化しない
場合があり不十分である。また50重量部を超えると樹
脂組成物の機械物性の低下等の問題を生ずる。本発明で
使用されるポリアリールエーテルケトン樹脂としては、
一般に市販されている通常のポリアリールエーテルケト
ン樹脂が問題なく使用できる。具体的には式(E)〜
(H)で表されるようなポリエーテルエーテルケトン
(融点334℃)、ポリエーテルケトン(融点373
℃)、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(融点
371℃)、ポリエーテルケトンケトン(融点305℃
〜360℃)等が挙げられる。これらは単独でもあるい
は2種類以上混合して用いても良い。
【0031】ポリアリールエーテルケトン樹脂の量は結
晶性ポリイミド樹脂100重量部に対し、1〜100重
量部が適当である。好ましくは20〜90重量部、さら
に好ましくは30〜80重量部である。ポリアリールエ
ーテルケトン樹脂の量が1重量部未満では、結晶性ポリ
イミド樹脂、ポリアリールエーテルケトン樹脂の種類に
よってはその樹脂組成物は射出成形物が完全に結晶化し
ない場合があり不十分である。また100重量部を超え
ると結晶性ポリイミド樹脂組成物の機械物性の低下等の
問題を生ずる。
晶性ポリイミド樹脂100重量部に対し、1〜100重
量部が適当である。好ましくは20〜90重量部、さら
に好ましくは30〜80重量部である。ポリアリールエ
ーテルケトン樹脂の量が1重量部未満では、結晶性ポリ
イミド樹脂、ポリアリールエーテルケトン樹脂の種類に
よってはその樹脂組成物は射出成形物が完全に結晶化し
ない場合があり不十分である。また100重量部を超え
ると結晶性ポリイミド樹脂組成物の機械物性の低下等の
問題を生ずる。
【0032】結晶性ポリイミド樹脂に対して、(1)
カーボンブラック、(2) ビスイミド化合物、(3)
ポリアリールエーテルケトン樹脂からなる群より選ば
れた2種類以上を添加する。 (1) カーボンブラックとビスイミド化合物、(2)
ビスイミド化合物とポリアリールエーテルケトン樹
脂、(3) カーボンブラックとポリアリールエーテル
ケトン樹脂のいずれの組み合わせでも効果があるが、
(4) カーボンブラックとビスイミド化合物とポリア
リールエーテルケトン樹脂の3種類を組み合わせて添加
するのが最も効果がある。
カーボンブラック、(2) ビスイミド化合物、(3)
ポリアリールエーテルケトン樹脂からなる群より選ば
れた2種類以上を添加する。 (1) カーボンブラックとビスイミド化合物、(2)
ビスイミド化合物とポリアリールエーテルケトン樹
脂、(3) カーボンブラックとポリアリールエーテル
ケトン樹脂のいずれの組み合わせでも効果があるが、
(4) カーボンブラックとビスイミド化合物とポリア
リールエーテルケトン樹脂の3種類を組み合わせて添加
するのが最も効果がある。
【0033】結晶性ポリイミド樹脂に100重量部に対
する、(1) カーボンブラック、(2) ビスイミド
化合物、(3) ポリアリールエーテルケトン樹脂の総
量は0.2〜200重量部の範囲である。好ましくは1
〜180重量部、さらに好ましくは5〜150重量部、
最も好ましくは10〜100重量部の範囲である。0.
2重量部未満では結晶性ポリイミド樹脂、カーボンブラ
ック、ビスイミド化合物、ポリアリールエーテルケトン
の種類によってはその樹脂組成物は射出成形物が完全に
結晶化しない場合があり不十分である。また200重量
部を超えると樹脂組成物の機械物性の低下、流動性の低
下等の問題を生じる。また、本発明では結晶性ポリイミ
ド樹脂のオリゴマーや2量体、ポリアリールエーテルケ
トン樹脂のオリゴマーや2量体、ポリエーテルニトリル
樹脂のオリゴマーや2量体、ポリフェニレンスルフィド
樹脂のオリゴマーや2量体を添加することも可能であ
り、いずれも結晶化促進効果がある。また、本発明の目
的を損なわない範囲で、他の熱可塑性樹脂を目的に応じ
て適当量配合することも可能である。配合することので
きる熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンエ
ーテル、ポリアセタール、ポリエーテルイミド、ポリエ
ーテルスルホン、ポリスルホンなどがあげられる。ま
た、熱硬化性樹脂を配合することも可能である。熱硬化
性樹脂としてはフェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げ
られる。さらには充填材を配合することは本用途では重
要である。充填材としては、ケイ石粉、二硫化モリブデ
ン、フッ素樹脂等の耐摩耗性向上材、炭素繊維、ガラス
繊維、芳香族ポリアミド繊維、アルミナ繊維、ボロン繊
維、炭化ケイ素繊維、チタン酸カリウムウィスカー、ほ
う酸アルミニウムウィスカー、カーボンウィスカー、ア
スベスト、金属繊維、セラミック繊維等の補強材、三酸
化アンチモン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の
難燃性向上材、クレー、マイカなどの電気的特性向上
材、アスベスト、シリカなどの耐トラッキング向上材、
硫酸バリウム、シリカ、メタケイ酸カルシウム等の耐酸
性向上材、鉄粉、亜鉛粉、アルミニウム粉、銅粉等の熱
伝導度向上材、その他ポリベンゾイミダゾール樹脂、シ
リコン樹脂、ガラスビーズ、タルク、ケイ藻土、アルミ
ナ、シラスバルン、水和アルミナ、金属酸化物、着色
料、離型剤、各種安定剤、可塑剤等である。このなかで
もとくに炭素繊維、ガラス繊維、ウィスカー(酸化チタ
ン、ほう酸アルミニウム、カーボン、チタン酸カリウ
ム)、タルク、ガラスビーズ、ガラスフレーク、シリカ
から選ばれる少なくとも一種が好ましい。本発明で使用
する樹脂組成物は、通常公知の方法により製造できるが
特に次に示す方法が好ましい。
する、(1) カーボンブラック、(2) ビスイミド
化合物、(3) ポリアリールエーテルケトン樹脂の総
量は0.2〜200重量部の範囲である。好ましくは1
〜180重量部、さらに好ましくは5〜150重量部、
最も好ましくは10〜100重量部の範囲である。0.
2重量部未満では結晶性ポリイミド樹脂、カーボンブラ
ック、ビスイミド化合物、ポリアリールエーテルケトン
の種類によってはその樹脂組成物は射出成形物が完全に
結晶化しない場合があり不十分である。また200重量
部を超えると樹脂組成物の機械物性の低下、流動性の低
下等の問題を生じる。また、本発明では結晶性ポリイミ
ド樹脂のオリゴマーや2量体、ポリアリールエーテルケ
トン樹脂のオリゴマーや2量体、ポリエーテルニトリル
樹脂のオリゴマーや2量体、ポリフェニレンスルフィド
樹脂のオリゴマーや2量体を添加することも可能であ
り、いずれも結晶化促進効果がある。また、本発明の目
的を損なわない範囲で、他の熱可塑性樹脂を目的に応じ
て適当量配合することも可能である。配合することので
きる熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンエ
ーテル、ポリアセタール、ポリエーテルイミド、ポリエ
ーテルスルホン、ポリスルホンなどがあげられる。ま
た、熱硬化性樹脂を配合することも可能である。熱硬化
性樹脂としてはフェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げ
られる。さらには充填材を配合することは本用途では重
要である。充填材としては、ケイ石粉、二硫化モリブデ
ン、フッ素樹脂等の耐摩耗性向上材、炭素繊維、ガラス
繊維、芳香族ポリアミド繊維、アルミナ繊維、ボロン繊
維、炭化ケイ素繊維、チタン酸カリウムウィスカー、ほ
う酸アルミニウムウィスカー、カーボンウィスカー、ア
スベスト、金属繊維、セラミック繊維等の補強材、三酸
化アンチモン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の
難燃性向上材、クレー、マイカなどの電気的特性向上
材、アスベスト、シリカなどの耐トラッキング向上材、
硫酸バリウム、シリカ、メタケイ酸カルシウム等の耐酸
性向上材、鉄粉、亜鉛粉、アルミニウム粉、銅粉等の熱
伝導度向上材、その他ポリベンゾイミダゾール樹脂、シ
リコン樹脂、ガラスビーズ、タルク、ケイ藻土、アルミ
ナ、シラスバルン、水和アルミナ、金属酸化物、着色
料、離型剤、各種安定剤、可塑剤等である。このなかで
もとくに炭素繊維、ガラス繊維、ウィスカー(酸化チタ
ン、ほう酸アルミニウム、カーボン、チタン酸カリウ
ム)、タルク、ガラスビーズ、ガラスフレーク、シリカ
から選ばれる少なくとも一種が好ましい。本発明で使用
する樹脂組成物は、通常公知の方法により製造できるが
特に次に示す方法が好ましい。
【0034】(1) 結晶性ポリイミド樹脂粉末、カー
ボンブラック、ビスイミド化合物、ポリアリールエーテ
ルケトン樹脂粉末、炭素繊維等の繊維状補強材、その他
添加剤を乳鉢、ヘンシャルミキサー、ドラムブレンダ
ー、タンブラーブレンダー、ボールミル、リボンブレン
ダーなどを利用して予備混合し、ついで通常公知の溶融
押出機、溶融混合機、熱ロールなどで混練した後、ペレ
ットまたは粉状にする。 (2) 結晶性ポリイミド樹脂粉末、カーボンブラッ
ク、ビスイミド化合物、ポリアリールエーテルケトン樹
脂粉末、その他添加剤を予め有機溶媒に溶解または懸濁
させ、この溶液あるいは懸濁液に炭素繊維等の繊維状補
強材を浸漬し、然る後、溶媒を熱風オーブン中で除去し
た後、ペレット状または粉状にする。この場合、使用さ
れる溶媒としては例えば、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチル
アセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミ
ド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−
2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタム、
1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチ
ル)エーテル、1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)
エタン、ビス〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕
エーテル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、
1,4−ジオキサン、ピリジン、ピコリン、ジメチルス
ルホキシド、ジメチルスルホン、テトラメチル尿素、ヘ
キサメチルホスホルアミド等があげられる。またこれら
の有機溶媒は、単独でもあるいは2種以上混合しても差
し支えない。
ボンブラック、ビスイミド化合物、ポリアリールエーテ
ルケトン樹脂粉末、炭素繊維等の繊維状補強材、その他
添加剤を乳鉢、ヘンシャルミキサー、ドラムブレンダ
ー、タンブラーブレンダー、ボールミル、リボンブレン
ダーなどを利用して予備混合し、ついで通常公知の溶融
押出機、溶融混合機、熱ロールなどで混練した後、ペレ
ットまたは粉状にする。 (2) 結晶性ポリイミド樹脂粉末、カーボンブラッ
ク、ビスイミド化合物、ポリアリールエーテルケトン樹
脂粉末、その他添加剤を予め有機溶媒に溶解または懸濁
させ、この溶液あるいは懸濁液に炭素繊維等の繊維状補
強材を浸漬し、然る後、溶媒を熱風オーブン中で除去し
た後、ペレット状または粉状にする。この場合、使用さ
れる溶媒としては例えば、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチル
アセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミ
ド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−
2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタム、
1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチ
ル)エーテル、1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)
エタン、ビス〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕
エーテル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、
1,4−ジオキサン、ピリジン、ピコリン、ジメチルス
ルホキシド、ジメチルスルホン、テトラメチル尿素、ヘ
キサメチルホスホルアミド等があげられる。またこれら
の有機溶媒は、単独でもあるいは2種以上混合しても差
し支えない。
【0035】本発明で使用する樹脂組成物は、射出成形
法、押出成形法、圧縮成形法などの公知の成形法により
成形され実用に供される。本発明では、射出成形時に金
型結晶化することで後アニールしたものと比べて表面性
が著しく改良されている。この表面性の改良はスラスト
ワッシャーの特性すなわち摩擦摩耗特性を著しく改良す
る。従来の方法にて作られた非晶のスラストワッシャー
と比較しても表面性は明らかに金型結晶化したもののほ
うが優れている。また、射出成形時金型内結晶化するこ
とで後アニールしたものと比べて、寸法精度を予測しや
すく、実際に寸法精度が正確に制御できる。さらには、
金型内結晶化品においては、成形品のスキン層での配向
結晶化が進んでおり、それらによりアイゾット衝撃強度
などの衝撃強度もアニール品よりも向上している。(後
アニール品ではスキン層での配向結晶化はない)外観に
ついてはきわめて良好である。最後に、金型内結晶化す
ることで後アニールによる結晶化を施す必要はなく、コ
スト低減に大きく寄与していることは自明である。
法、押出成形法、圧縮成形法などの公知の成形法により
成形され実用に供される。本発明では、射出成形時に金
型結晶化することで後アニールしたものと比べて表面性
が著しく改良されている。この表面性の改良はスラスト
ワッシャーの特性すなわち摩擦摩耗特性を著しく改良す
る。従来の方法にて作られた非晶のスラストワッシャー
と比較しても表面性は明らかに金型結晶化したもののほ
うが優れている。また、射出成形時金型内結晶化するこ
とで後アニールしたものと比べて、寸法精度を予測しや
すく、実際に寸法精度が正確に制御できる。さらには、
金型内結晶化品においては、成形品のスキン層での配向
結晶化が進んでおり、それらによりアイゾット衝撃強度
などの衝撃強度もアニール品よりも向上している。(後
アニール品ではスキン層での配向結晶化はない)外観に
ついてはきわめて良好である。最後に、金型内結晶化す
ることで後アニールによる結晶化を施す必要はなく、コ
スト低減に大きく寄与していることは自明である。
【0036】
【実施例】 ビスイミド化合物の合成例 攪拌機、還流冷却器、および窒素導入管を備えた容器に
4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル3
6.8g(0.1モル)、無水フタル酸32.56g
(0.22モル)、γ−ピコリン1.39g、m−クレ
ゾール80.08gを装入し、窒素雰囲気下で攪拌しな
がら150℃まで加熱昇温した。その後150℃で3時
間反応したところ、その間に3.6mlの水の留出が確
認された。反応終了後室温まで冷却し、約20mlのメ
タノールを装入後、ビスイミド粉を濾別した。このビス
イミド粉をメタノールで洗浄した後、窒素中で50℃/
12時間、180℃/6時間乾燥して、ビスイミド粉6
0.6g(収率96.5%)を得た。
4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル3
6.8g(0.1モル)、無水フタル酸32.56g
(0.22モル)、γ−ピコリン1.39g、m−クレ
ゾール80.08gを装入し、窒素雰囲気下で攪拌しな
がら150℃まで加熱昇温した。その後150℃で3時
間反応したところ、その間に3.6mlの水の留出が確
認された。反応終了後室温まで冷却し、約20mlのメ
タノールを装入後、ビスイミド粉を濾別した。このビス
イミド粉をメタノールで洗浄した後、窒素中で50℃/
12時間、180℃/6時間乾燥して、ビスイミド粉6
0.6g(収率96.5%)を得た。
【0037】実施例1 結晶性ポリイミド樹脂(AURUM PL450(三井
東圧化学))54重量部、カーボンブラック(トーカブ
ラック(東海カーボン))5重量部、合成例で得られた
ビスイミド化合物5重量部、ポリアリールエーテルケト
ン樹脂(PEK22P(VICTREX))36重量部
を配合し混合したものをフロントホッパーより供給、樹
脂組成物100重量部に対して20重量部の炭素繊維を
サイドフィーダーより供給し、40mm径の押出機によ
り410℃で溶融混練しペレットを得た。
東圧化学))54重量部、カーボンブラック(トーカブ
ラック(東海カーボン))5重量部、合成例で得られた
ビスイミド化合物5重量部、ポリアリールエーテルケト
ン樹脂(PEK22P(VICTREX))36重量部
を配合し混合したものをフロントホッパーより供給、樹
脂組成物100重量部に対して20重量部の炭素繊維を
サイドフィーダーより供給し、40mm径の押出機によ
り410℃で溶融混練しペレットを得た。
【0038】得られたペレットを型締力400トンの射
出成形機により、シリンダー温度410℃、金型温度2
60℃、射出圧力100kg/cm2の条件で成形して
ASTM曲げ試験片及び鈴木式摩擦摩耗試験片を得た。 摩擦係数、比摩耗量(無潤滑) 相手材としてSUS304、無潤滑7Hの条件にて面圧
力5kg/cm2,速度50m/minにて鈴木式摩擦
摩耗試験を行った。7時間経過後の摩擦係数及び比摩耗
量を測定した。 摩擦係数、比摩耗量(オイル中) 相手材としてSUS304、トランスミッションオイル
中7Hの条件にて面圧力20kg/cm2,速度250
m/minにて鈴木式摩擦摩耗試験を行った。7時間経
過後の摩擦係数及び比摩耗量を測定した。 収縮率 曲げ試験片のMD/TDの収縮率の測定を行った。 外観(光沢) 60°鏡面光沢を測定した。 曲げ弾性率 ASTM D 790に準じて測定を行った。 表面粗度 表面あらさ計を用いて測定した。Raを求めた。
出成形機により、シリンダー温度410℃、金型温度2
60℃、射出圧力100kg/cm2の条件で成形して
ASTM曲げ試験片及び鈴木式摩擦摩耗試験片を得た。 摩擦係数、比摩耗量(無潤滑) 相手材としてSUS304、無潤滑7Hの条件にて面圧
力5kg/cm2,速度50m/minにて鈴木式摩擦
摩耗試験を行った。7時間経過後の摩擦係数及び比摩耗
量を測定した。 摩擦係数、比摩耗量(オイル中) 相手材としてSUS304、トランスミッションオイル
中7Hの条件にて面圧力20kg/cm2,速度250
m/minにて鈴木式摩擦摩耗試験を行った。7時間経
過後の摩擦係数及び比摩耗量を測定した。 収縮率 曲げ試験片のMD/TDの収縮率の測定を行った。 外観(光沢) 60°鏡面光沢を測定した。 曲げ弾性率 ASTM D 790に準じて測定を行った。 表面粗度 表面あらさ計を用いて測定した。Raを求めた。
【0039】比較例1 結晶性ポリイミド樹脂(AURUM PL450(三井
東圧化学))100重量部をフロントホッパーより供
給、樹脂組成物100重量部に対して20重量部の炭素
繊維をサイドフィーダーより供給し、40mm径の押出
機により410℃で溶融混練しペレットを得た。得られ
たペレットを型締力400トンの射出成形機により、シ
リンダー温度410℃、金型温度260℃、射出圧力1
00kg/cm2の条件で成形してASTM曲げ試験片
及び鈴木式摩擦摩耗試験片を得た。試験片についてはA
STM曲げ試験片及び鈴木式摩擦摩耗試験片ともに後ア
ニールは260℃*10H⇒300℃*2Hにて行っ
た。種々の測定方法については実施例1と同様の方法に
よった。また、カーボンブラックのLcの測定には以下
のX線測定装置を用いた。 装置:リガク株式会社製 RINT−1500SYST
EM 管球:Cu 管電圧:50kV 管電流:200mA 走査軸:2θ/θ ゴニオメータ:広角ゴニオメータ サンプリング幅:0.020度 走査速度:8.000度/分 発散スリット:1度 散乱スリット:1度 受光スリット:0.15mm θオフセット角度:0.000度 モノクロメーター使用 受光スリット:0.60mm アルミ標準試料ホルダー使用 Lcは(002)面のピーク位置、半価幅により以下の
Scherrerの式(数1)を用いて算出した。
東圧化学))100重量部をフロントホッパーより供
給、樹脂組成物100重量部に対して20重量部の炭素
繊維をサイドフィーダーより供給し、40mm径の押出
機により410℃で溶融混練しペレットを得た。得られ
たペレットを型締力400トンの射出成形機により、シ
リンダー温度410℃、金型温度260℃、射出圧力1
00kg/cm2の条件で成形してASTM曲げ試験片
及び鈴木式摩擦摩耗試験片を得た。試験片についてはA
STM曲げ試験片及び鈴木式摩擦摩耗試験片ともに後ア
ニールは260℃*10H⇒300℃*2Hにて行っ
た。種々の測定方法については実施例1と同様の方法に
よった。また、カーボンブラックのLcの測定には以下
のX線測定装置を用いた。 装置:リガク株式会社製 RINT−1500SYST
EM 管球:Cu 管電圧:50kV 管電流:200mA 走査軸:2θ/θ ゴニオメータ:広角ゴニオメータ サンプリング幅:0.020度 走査速度:8.000度/分 発散スリット:1度 散乱スリット:1度 受光スリット:0.15mm θオフセット角度:0.000度 モノクロメーター使用 受光スリット:0.60mm アルミ標準試料ホルダー使用 Lcは(002)面のピーク位置、半価幅により以下の
Scherrerの式(数1)を用いて算出した。
【0040】
【数1】 Lc=Dhkl=(K×λ)/(β×cosθ) (ここでK=0.9、λ:測定X線波長、β:結晶子の
大きさによる回折線の拡がり、θ:回折線のブラッグ
角) である。実験に用いたトーカブラックのLcは
5nmであった。
大きさによる回折線の拡がり、θ:回折線のブラッグ
角) である。実験に用いたトーカブラックのLcは
5nmであった。
【0041】実施例2 実施例1で用いた組成物を用い射出成形によってスラス
トワッシャーを得た。得られたスラストワッシャーを図
1の如くとりつけた。試験条件はトランスミッションオ
イル中7Hの条件にて面圧力20kg/cm2,速度2
50m/minにてシャフトを回転させ試験後の表面状
態および摩耗状態(表面粗度)を評価した。試験後の表
面状態はきわめて良好であり、表面粗度は0.4μ(R
a)であった。(なお試験前は0.2μm) 比較例2 比較例1で得られた組成物を用いる以外は実施例2と同
様な方法にて行った。本スラストワッシャーは試験後の
表面状態はざらついており良好とはいえなかった。試験
後の表面粗度は1.3μmと、試験前の0.4μmと比
べて著しく悪化した。
トワッシャーを得た。得られたスラストワッシャーを図
1の如くとりつけた。試験条件はトランスミッションオ
イル中7Hの条件にて面圧力20kg/cm2,速度2
50m/minにてシャフトを回転させ試験後の表面状
態および摩耗状態(表面粗度)を評価した。試験後の表
面状態はきわめて良好であり、表面粗度は0.4μ(R
a)であった。(なお試験前は0.2μm) 比較例2 比較例1で得られた組成物を用いる以外は実施例2と同
様な方法にて行った。本スラストワッシャーは試験後の
表面状態はざらついており良好とはいえなかった。試験
後の表面粗度は1.3μmと、試験前の0.4μmと比
べて著しく悪化した。
【0042】
【表1】 ──────────────────────────────────── 実施例1 比較例1 ──────────────────────────────────── 摩擦係数 無潤滑 0.10 0.19 比摩耗量* 無潤滑 50 130 摩擦係数 オイル中 0.04 0.09 比摩耗量* オイル中 5 20 収縮率 % 0.7 0.9 外観 光沢% 90 83 曲げ弾性率 kg/mm2 3000 2200 表面粗度 μm 0.2 0.4 ──────────────────────────────────── [凡例] *10(E−10)cm3/kgfm
【0043】
【発明の効果】以上のように金型内結晶化する熱可塑性
ポリイミド樹脂または金型内結晶化する熱可塑性ポリイ
ミド樹脂組成物からなるスラストワッシャーはワッシャ
ー材としての機能が著しく改良されており無潤滑・オイ
ル潤滑さらには溶剤存在下にも使用できる。このとき摺
動相手材として、steel,FCDなどの硬質金属、
Al,Cuなどの軟質金属のどちらも使用できる。具体
的には、自動車内部品・事務機器内部品・コンプレッサ
ー内部品その他摺動部材使用時に必要とされるスラスト
ワッシャーに使用できる。
ポリイミド樹脂または金型内結晶化する熱可塑性ポリイ
ミド樹脂組成物からなるスラストワッシャーはワッシャ
ー材としての機能が著しく改良されており無潤滑・オイ
ル潤滑さらには溶剤存在下にも使用できる。このとき摺
動相手材として、steel,FCDなどの硬質金属、
Al,Cuなどの軟質金属のどちらも使用できる。具体
的には、自動車内部品・事務機器内部品・コンプレッサ
ー内部品その他摺動部材使用時に必要とされるスラスト
ワッシャーに使用できる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年10月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】追加
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2及び比較例2で使用したスラストワッ
シャー評価装置の構造を示した図である。
シャー評価装置の構造を示した図である。
【符号の説明】 a;FCD(鋳鉄)45製シャフト。(矢印は、回転す
る方向を示す。) b;FCD(鋳鉄)45製。 c;スラストワッシャー。(外径=60mm、内径=3
0mm、肉厚=2mmオイル溝=片面当たり4箇所・計
8箇所) d;SUS304製相手摺動材。 e;トランスミッションオイル雰囲気。 P;圧力(面圧力=20kg/cm2)。(矢印は、圧
力を負荷する方向を示す。) V;速度(速度=250m/分)。(回転運動であり、
矢印は、回転する方向を示す。)
る方向を示す。) b;FCD(鋳鉄)45製。 c;スラストワッシャー。(外径=60mm、内径=3
0mm、肉厚=2mmオイル溝=片面当たり4箇所・計
8箇所) d;SUS304製相手摺動材。 e;トランスミッションオイル雰囲気。 P;圧力(面圧力=20kg/cm2)。(矢印は、圧
力を負荷する方向を示す。) V;速度(速度=250m/分)。(回転運動であり、
矢印は、回転する方向を示す。)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F16N 15/00 F16N 15/00 // C10N 40:06 50:08 (72)発明者 木場 友人 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 佐藤 友章 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 佐野 弘一 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内
Claims (5)
- 【請求項1】 一般式(1)(化1)の繰り返し構造単
位を有する結晶性ポリイミド樹脂、 【化1】 (X1 は、直接結合、−SO2−、−CO2−、−C(C
H3)2−、−C(CF3)2−、又は、−S−である。R
1、R2、R3、R4は、それぞれ水素、アルキル基、アル
コキシ基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキ
シ基またはハロゲン基である。Y1は、一般式(2)
(化2)からなる群から選択された少なくとも1種の基
である。 【化2】 、及び/又は、一般式(3)(化3)の繰り返し構造単
位を有する結晶性ポリイミド樹脂 【化3】 (R5、R6は、それぞれ、水素、アルキル基、アルコキ
シ基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ
基、又は、ハロゲン基であり、nは0〜4の整数であ
る。Y2は、一般式(1)中のY1の定義と同じであ
る。)100重量部に対して成分(A)として、カーボ
ンブラック、成分(B)として、一般式(4)(化4) 【化4】 (R7は、炭素原子数6〜30の2価の芳香族基を、X2
は一般式(5)(化5) 【化5】 から選択された少なくとも1種の2価の基を表す。X3
は、直結結合、エーテル結合、スルフィド結合、炭素原
子数1〜10の炭化水素基、カルボニル基、六フッ素化
されたイソプロピリデン基、炭素原子数6〜18の芳香
族基からなる群から選択された少なくとも1種の2価の
基を表す。)で表されるビスイミド化合物、及び/又
は、一般式(6)(化6) 【化6】 (R8は、−CnH2n+1−(n=0〜3)、又は、炭素原
子数6〜30の1価の芳香族基を、Y3は、一般式
(7)(化7) 【化7】 からなる4価の基である。Y4は、直結結合、エーテル
結合、スルフィド結合、炭素原子数1〜10の炭化水素
基、カルボニル基、スルホニル基、六フッ素化されたイ
ソプロピリデン基、炭素原子数6〜18の芳香族基から
なる群から選択された少なくとも1種の2価の基を表
す。)で表されるビスイミド化合物の少なくとも1種、
成分(C)として、一般式(8)(化8)の繰り返し構
造単位を有するポリエーテルエーテルケトン樹脂、 【化8】 一般式(9)(化9)の繰り返し構造単位を有するポリ
エーテルケトン樹脂、 【化9】 一般式(10)(化10)の繰り返し構造単位を有する
ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン樹脂、 【化10】 一般式(11)(化11)の繰り返し構造単位を有する
ポリエーテルケトンケトン樹脂、 【化11】 からなる群から選択された少なくとも1種のポリアリー
ルエーテルケトン樹脂の、成分(A)、成分(B)、成
分(C)の三成分のうち、少なくとも2成分0.2〜2
00重量部を含有することを特徴とする樹脂組成物から
なる、スラストワッシャー。 - 【請求項2】 カーボンブラックのC軸方向の結晶子サ
イズ(Lc)が、1〜20nmである、請求項1に記載
したスラストワッシャー。 - 【請求項3】 ビスイミド化合物が、一般式(12)
(化12) 【化12】 で表される、請求項1又は2に記載したスラストワッシ
ャー。 - 【請求項4】 樹脂組成物100重量部に対し、さらに
繊維状補強材5〜100重量部を含有してなる、請求項
1乃至3の何れかに記載したスラストワッシャー。 - 【請求項5】 金型内で結晶化する熱可塑性結晶性ポリ
イミド樹脂、及び/又は、金型内で結晶化する熱可塑性
結晶性ポリイミド樹脂組成物を用いることを特徴とする
スラストワッシャー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9197359A JPH1135823A (ja) | 1997-07-23 | 1997-07-23 | 金型内で結晶化するポリイミド樹脂からなるスラストワッシャー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9197359A JPH1135823A (ja) | 1997-07-23 | 1997-07-23 | 金型内で結晶化するポリイミド樹脂からなるスラストワッシャー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1135823A true JPH1135823A (ja) | 1999-02-09 |
Family
ID=16373184
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9197359A Pending JPH1135823A (ja) | 1997-07-23 | 1997-07-23 | 金型内で結晶化するポリイミド樹脂からなるスラストワッシャー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1135823A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013543958A (ja) * | 2010-11-11 | 2013-12-09 | ソルベイ スペシャルティ ポリマーズ ユーエスエー, エルエルシー | 超高圧および超高速環境で使用するためのポリマー軸受製品 |
-
1997
- 1997-07-23 JP JP9197359A patent/JPH1135823A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013543958A (ja) * | 2010-11-11 | 2013-12-09 | ソルベイ スペシャルティ ポリマーズ ユーエスエー, エルエルシー | 超高圧および超高速環境で使用するためのポリマー軸受製品 |
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