JPH1135799A - 半導体封止用樹脂タブレット、半導体装置および半導体封止用樹脂タブレットの製造方法 - Google Patents

半導体封止用樹脂タブレット、半導体装置および半導体封止用樹脂タブレットの製造方法

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JPH1135799A
JPH1135799A JP9197398A JP19739897A JPH1135799A JP H1135799 A JPH1135799 A JP H1135799A JP 9197398 A JP9197398 A JP 9197398A JP 19739897 A JP19739897 A JP 19739897A JP H1135799 A JPH1135799 A JP H1135799A
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resin
tablet
epoxy resin
semiconductor
inorganic filler
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JP9197398A
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Yoshinori Sakai
美紀 坂井
Shiro Honda
史郎 本田
Motonobu Yamada
元伸 山田
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体を樹脂封止する際にステージシフト、
ワイヤー流れが起こらず、かつボイドが発生しない信頼
性の優れた半導体封止用樹脂タブレット、該半導体封止
用樹脂タブレットを用いて半導体素子を封止してなる半
導体装置、および該半導体封止用樹脂タブレットの製造
方法を提供することである。 【解決手段】 溶融樹脂を成形してなるタブレットであ
り、該溶融樹脂がエポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、
無機充填材(C)を必須成分として含有してなる半導体
封止用樹脂組成物であり、前記無機充填材(C)の割合
が全体の80重量%以上であることを特徴とする半導体
封止用樹脂タブレット。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体を樹脂封止
する際にステージシフト、ワイヤー流れが起こらず、か
つボイドが発生しない信頼性の優れた半導体封止用樹脂
タブレット、該半導体封止用樹脂タブレットを用いて半
導体素子を封止してなる半導体装置、および該半導体封
止用樹脂タブレットの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より半導体素子を樹脂封止するには
トランスファー成形法が広く用いられている。このトラ
ンスファー成形法は、タブレット化した樹脂を高周波予
熱機などで予熱し、これを金型ポット内に入れ加熱して
可塑化するとともに、プランジャーでキャビティ内に樹
脂を加圧注入して成形する方法である。
【0003】通常、このタブレットは樹脂組成物を押出
機、ロール、ニーダーなどの混練装置で溶融混練し、冷
却後粉砕して粉末化し、この粉砕物を所定重量金型内に
入れ加圧圧縮(打錠)して得られる。しかしながら、こ
の方法で製造されるタブレットは内部に空隙が存在する
ため加熱むらが発生する。これが樹脂の流動性のむらと
なって現れ、ステージシフト、ワイヤー流れ、ボイドの
発生を招き、半導体装置の信頼性が低下するという問題
があった。
【0004】一方、溶融樹脂を射出成形により成形しタ
ブレット化する方法(特開昭57−6714号公報)や
溶融樹脂をシート状や棒状に延伸し、打ち抜きや切断に
よりタブレット化する方法(特開昭61−35908号
公報、特開平3−5103号公報)、溶融樹脂を金型に
流し込みタブレット化する方法(特開平6−10430
1号公報)などが提案されている。しかしながら、これ
らの方法で製造されたタブレットでも、溶融樹脂を冷却
固化する際、外側より中心部に向かって冷却が進行する
ため、中心部ほど長時間高温にさらされ、中心部はゲル
化時間が若干短くなる。このため、タブレット全体のゲ
ル化時間が不均一になり、トランスファー成形時に樹脂
の流動むらが生じ、ステージシフト、ワイヤー流れ、ボ
イドの発生を招くという問題を十分解決できていない。
また、トランスファー成形時のポット内の加熱において
も、通常タブレットの外側の方が中心部よりも早く溶融
してキャビティー内に流入するため、樹脂の流動むらが
生じ、上記の問題が発生する。
【0005】近年電子機器の小型化のために半導体集積
回路の分野では微細加工技術の進歩が著しく、ICチッ
プの高集積化が進められている。集積度をさらに向上さ
せるためにパッケージ中のICチップの占有率を増加す
るとともに、パッケージの大型化、薄型化、多ピン化が
要求されている。したがって、これら大型、薄型、多ピ
ンのパッケージを封止するにはトランスファー成形時の
樹脂の流動性が均質でステージシフト、ワイヤー流れ、
ボイドの発生などが起こらない成形性の優れた封止用樹
脂特性が要求される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述した従来
技術における問題点の解決を課題として検討した結果達
成されたものである。
【0007】したがって本発明の目的は、半導体を樹脂
封止する際にステージシフト、ワイヤー流れが起こら
ず、かつボイドが発生しない信頼性の優れた半導体封止
用樹脂タブレット、該半導体封止用樹脂タブレットを用
いて半導体素子を封止してなる半導体装置、および該半
導体封止用樹脂タブレットの製造方法を提供することで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために発明されたものであり、以下の構成をと
る。 1.「エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、無機充填材
(C)を必須成分として含有し、前記無機充填材(C)
の割合が全体の80重量%以上である半導体封止用樹脂
組成物の溶融物を成形してなる半導体封止用樹脂タブレ
ット。」 2.「前記半導体封止用樹脂タブレットによって、半導
体素子を封止してなる半導体装置。」 3.「エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)および充填剤
(C)(ただし溶融物において無機充填剤は80重量%
以上である)を必須成分として溶融混練して溶融物を得
た後、前記溶融物を成形しタブレットとすることを特徴
とする半導体封止用樹脂タブレットの製造方法。」
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を詳述する。
本発明において「重量」とは「質量」を意味する。
【0010】本発明におけるエポキシ樹脂(A)は、1
分子中に2個以上のエポキシ基を有するもので特に限定
されず、これらの具体例としては例えばクレゾールノボ
ラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキ
シ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフト
ールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン
骨格含有エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナ
フタレン型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、
ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型
エポキ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ
樹脂、複素環式エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹
脂およびハロゲン化エポキシ樹脂などが挙げられ、これ
らを単独で用いても、2種類以上併用してもかまわな
い。
【0011】また、特に好ましいエポキシ樹脂(A)の
具体例としては、4,4’−ビス(2,3−エポキシプ
ロポキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(2,3−エポ
キシプロポキシ)−3,3’,5,5’−テトラメチル
ビフェニル、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポ
キシ)−3,3,’5,5’−テトラエチルビフェニ
ル、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−
3,3’,5,5’−テトラメチル−2−クロロビフェ
ニルなどのビフェニル型エポキシ樹脂、1,5−ジ
(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタレン、1,6−
ジ(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタレンなどのナ
フタレン型エポキシ樹脂、3−t−ブチル−2,4’−
ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3’,5’,6
−トリメチルスチルベン、3−t−ブチル−4,4’−
ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3’,5’,6
−トリメチルスチルベン、4,4’−ビス(2,3−エ
ポキシプロポキシ)−3,3’,5,5’−テトラメチ
ルスチルベン、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロ
ポキシ)−3,3’−ジ−t−ブチル−6,6’−ジメ
チルスチルベン、2,2’−ビス(2,3−エポキシプ
ロポキシ)−3,3’−ジ−t−ブチル−6,6’−ジ
メチルスチルベン、2,4’−ビス(2,3−エポキシ
プロポキシ)−3,3’−ジ−t−ブチル−6,6’−
ジメチルスチルベンなどのスチルベン型エポキシ樹脂な
どが挙げられ、これらのエポキシ樹脂を全エポキシ樹脂
の60〜100重量%配合することがより好ましい。
【0012】本発明における硬化剤(B)は、エポキシ
樹脂と反応する化合物であれば任意であるが、硬化物と
した場合に吸水率が低い化合物として分子中にヒドロキ
シル基を有するフェノ−ル化合物(b)が好ましく用い
られる。フェノ−ル化合物(b)の具体例としては、フ
ェノ−ルノボラック樹脂、クレゾ−ルノボラック樹脂、
ナフト−ルノボラック樹脂、トリス(ヒドロキシフェニ
ル)メタン、1,1,2−トリス(ヒドロキシフェニ
ル)エタン、1,1,3−トリス(ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、テルペンとフェノ−ルの縮合化合物、ジ
シクロペンタジエン変性フェノ−ル樹脂、フェノ−ルア
ラルキル樹脂、ナフト−ルアラルキル樹脂、カテコ−
ル、レゾルシン、ヒドロキノン、ピロガロ−ル、フロロ
グルシノ−ルなどが挙げられる。
【0013】本発明では、エポキシ樹脂(A)と硬化剤
(B)の配合当量比(エポキシ基に対するヒドロキシル
基のモル比)は通常、0.5〜2.0であるが好ましく
は0.7〜1.5である。エポキシ樹脂(A)と硬化剤
(B)の配合量としては、エポキシ樹脂(A)と硬化剤
(B)の和で全組成に対して5〜20重量%が好まし
く、さらに好ましい配合量の範囲は5〜15重量%であ
る。
【0014】本発明における無機充填材(C)として
は、非晶性シリカ、結晶性シリカ、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、アルミナ、マグネシア、窒化珪素、酸
化マグネシウムアルミニウム、ジルコニア、ジルコン、
クレー、タルク、珪酸カルシウム、酸化チタン、酸化ア
ンチモン、アスベスト、ガラス繊維、硫酸カルシウム、
窒化アルミニウムなどが挙げられ、球状、破砕状、繊維
状など任意の形状の物が使用できる。無機充填材(C)
の好ましい具体例としては非晶シリカ、結晶性シリカ、
アルミナであり、さらに成形性と充填率の点から好まし
くは形状が球状の物を無機充填材(C)中に60〜10
0重量%、さらに好ましくは80〜100重量%含有す
ることが好ましい。
【0015】本発明において、無機充填材(C)の割合
は溶融物全体の80重量%以上である。この配合割合は
溶融物が固化してタブレットとなった場合でも同じであ
る。無機充填材は樹脂成分に比べ熱伝導率が高いため、
無機充填材を80重量%以上含有すると溶融樹脂を冷却
固化してタブレット化する際、中心部まで素早く冷却さ
れ、中心部と外側のゲル化時間が均一になる。また、成
形時にポット内で加熱される際にも、タブレット全体が
均質に素早く溶融するため樹脂の流動むらが生じること
がない。以上の点から好ましい割合は83重量%以上、
さらに好ましい割合は86重量%以上である。
【0016】本発明において無機充填材(C)をシラン
カップリング剤などのカップリング剤を配合しておくこ
とが半導体装置を封止する場合、信頼性の点で好まし
い。カップリング剤はそのまま配合しても、あらかじめ
無機充填材(C)に表面処理してもよい。
【0017】カップリング剤としては、エポキシシラ
ン、アミノシラン、メルカプトシラン、ウレイドシラン
など官能基を持つ有機基を有しかつアルコキシ基などの
加水分解性基がケイ素原子に直結したシランカップリン
グ剤が好ましく用いられ、2種以上を併用してもかまわ
ない。また、特にアミノ基を有するカップリング剤を配
合することが好ましく、その具体例としてはγ−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリ
エトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルト
リメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピル
メチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−
アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエ
チル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシランなど
があげられる。
【0018】また、カップリング剤の添加量は通常エポ
キシ樹脂組成物全体に対し、0.1〜2重量%である。
【0019】本発明では、さらに硬化促進剤が配合でき
る。用いられる硬化促進剤としては、エポキシ樹脂と硬
化剤の反応を促進させるものであれば任意であるが、硬
化促進剤の具体例として、トリフェニルホスフィン、ト
リブチルホスフィン、トリ(p−メチルフェニル)ホス
フィン、トリフェニルホスフィン・トリフェニルボロン
塩、テトラフェニルホスフィン・テトラフェニルボロン
塩などの有機ホスフィン化合物、2−メチルイミダゾ−
ル、2−フェニルイミダゾ−ル、2−フェニル−4−メ
チルイミダゾ−ル、2−ヘプタデシルイミダゾ−ルなど
のイミダゾ−ル化合物およびそれらの酸付加塩、トリエ
チルアミン、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベン
ジルアミンなどの3級アミン化合物およびそれらの酸付
加塩、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセ
ン−7、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン
−5 、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ
(4,4,0)デセン−5、1,8−ジアザビシクロ
(5,4,0)ウンデセン−7・テトラフェニルボレー
トなどが挙げられる。
【0020】本発明では、必須成分ではないがブロム化
合物を配合できる。また実質的に存在するブロム化合物
は、通常半導体封止用エポキシ樹脂組成物に難燃剤とし
て添加されるもので、特に限定されず、公知のものであ
ってよい。
【0021】存在するブロム化合物の好ましい具体例と
しては、ブロム化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ブ
ロム化フェノールノボラック型エポキシ樹脂などのブロ
ム化エポキシ樹脂、ブロム化ポリカーボネート樹脂、ブ
ロム化ポリスチレン樹脂、ブロム化ポリフェニレンオキ
サイド樹脂、テトラブロモビスフェノールA、デカブロ
モジフェニルエーテルなどがあげられ、なかでも、ブロ
ム化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ブロム化フェノ
ールノボラック型エポキシ樹脂などのブロム化エポキシ
樹脂が、成形性の点から好ましい。
【0022】本発明では、必須成分ではないがアンチモ
ン化合物を配合できる。これは通常半導体封止用エポキ
シ樹脂組成物に難燃助剤として添加されるもので、特に
限定されず、公知のものが使用できる。アンチモン化合
物の好ましい具体例としては、三酸化アンチモン、四酸
化アンチモン、五酸化アンチモンが挙げられる。
【0023】本発明では、シリコ−ンゴム、オレフィン
系共重合体、変性ニトリルゴム、変性ポリブタジエンゴ
ム、変性シリコーンオイルなどのエラストマ−、長鎖脂
肪酸、長鎖脂肪酸の金属塩、長鎖脂肪酸のエステル、長
鎖脂肪酸のアミド、パラフィンワックスなどの離型剤を
配合することができる。なかでも変性シリコーンオイル
が好ましく、その具体例としてはエポキシ変性シリコー
ンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、アミノ
変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオ
イルなどが挙げられ、エポキシ変性シリコーンオイル、
カルボキシル変性シリコーンオイルが特に好ましい。
【0024】本発明では他の添加剤として、カーボンブ
ラック、酸化鉄などの着色剤、ハイドロタルサイト類、
ビスマス系などのイオン捕捉剤、ポリエチレン、ポリプ
ロピレンなどの熱可塑性樹脂および有機過酸化物などの
架橋剤を任意に添加することができる。
【0025】本発明において半導体封止用樹脂タブレッ
トとは、半導体を樹脂封止する際、1回の成形サイクル
で1つのポットに1〜10個未満を使用して成形を行う
樹脂固形物を指す。
【0026】本発明の半導体封止用樹脂タブレットの形
状は特に限定されず、円柱状、角柱状の物などが使用さ
れるが、現行の成形機の構造の点から円柱形が特に好ま
しい。タブレットの大きさは、具体的には一般的に使用
されている外径が30mm〜70mm、長さが10mm
〜50mm程度のコンベンショナル成形用のコンベタブ
レット、外径が10mm〜30mm、長さが5mm〜3
0mm程度のミニタブレットなどが好ましく、外径が1
0〜30mm、長さが5mm〜30mmが特に好まし
い。
【0027】本発明の半導体封止用樹脂タブレットの製
造方法としては、次のような方法が挙げられる。まず、
エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、無機充填材(C)
を必須成分として含有してなる上記半導体封止用樹脂組
成物を加熱混合、好ましくは60〜140℃の温度で、
さらに好ましくは60℃〜120℃の温度で溶融混練す
る。溶融混練の装置としてはバンバリーミキサー、ニー
ダー、ロール、単軸もしくは二軸の押出機などの公知の
混練機を用いて製造される。押出機には溶融吐出物にボ
イドを残さないためにベント装置が付いていることが好
ましい。また、スクリューアレンジは、樹脂や無機充填
材などを均質に混練するために、ニーディングスクリュ
ーやダルメージスクリューなどを用いることが好まし
い。
【0028】次に、溶融樹脂を成形しタブレット化する
が、溶融樹脂を金型に流し込みタブレット化する方法や
溶融樹脂をシート状や棒状に押し出しし、その後、打ち
抜きや切断によりタブレット化する方法、溶融樹脂を射
出成形によりタブレット化する方法など公知の方法で得
られる。
【0029】本発明の半導体封止用樹脂タブレットを用
い半導体素子を封止して半導体装置を製造する方法とし
ては、低圧トランスファ−成形法が一般的であるがイン
ジェクション成形法や圧縮成形法も可能である。成形条
件としては、例えば半導体封止用樹脂タブレットを成形
温度150〜200℃、圧力5〜15MPa、成形時間
30〜300秒で成形し、封止用樹脂組成物の硬化物と
することによって半導体装置が製造される。また、必要
に応じて上記成形物を100〜200℃で2〜15時
間、追加加熱処理も行われる。
【0030】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、表2中の数字は、重量%を示す。
【0031】実施例1〜6、比較例1 表1に示した成分を、表2に示した組成比でミキサーに
より粉末状態でブレンドした。これをバレル温度90℃
の二軸押出機を用いて溶融混練し、溶融状態で吐出口よ
り押出した。この溶融物を内径20mmのタブレット成
形金型に流し込み、加圧、冷却して長さ22mmのタブ
レットを得た。このタブレットを用いて、低圧トランス
ファ−成形法により175℃×2分の条件で、半導体素
子を封止成形して半導体装置を得た。
【0032】実施例7〜10 表1に示した成分を、表2に示した組成比でミキサーに
より粉末状態でブレンドした。これをバレル温度90℃
の二軸押出機を用いて溶融混練し、溶融状態で吐出口よ
り押出した。この溶融物を実施例7は内径14mm、実
施例8は内径16mm、実施例9は内径30mm、実施
例10は内径62mmのタブレット成形金型に流し込
み、加圧、冷却してそれぞれ長さが18mm、14m
m、30mm、16mmのタブレットを得た。このタブ
レットを用いて、低圧トランスファ−成形法により17
5℃×2分の条件で、半導体素子を封止成形して半導体
装置を得た。
【0033】比較例2、3 表1に示した成分を、表2に示した組成比でミキサーに
より粉末状態でブレンドした。これをバレル温度90℃
の二軸押出機を用いて溶融混練し、冷却後粉砕して粉末
化し、この粉砕物を加圧圧縮(打錠)して外径20m
m、長さ22mmのタブレットを得た。このタブレット
を用いて、低圧トランスファ−成形法により175℃×
2分の条件で、半導体素子を封止成形して半導体装置を
得た。
【0034】比較例4、5 表1に示した成分を、表2に示した組成比でミキサーに
より粉末状態でブレンドした。これをバレル温度90℃
の二軸押出機を用いて溶融混練し、冷却後粉砕して粉末
化した。この粉砕物を用いて、低圧トランスファ−成形
法により175℃×2分の条件で、半導体素子を封止成
形して半導体装置を得た。
【0035】以下の方法により各半導体装置の物性を測
定した。
【0036】ステージシフト:160ピンQFPデバイ
ス(外形:28×28×3.3mm、ダミーチップ:10
×10×0.5mm、フレーム材料:42アロイ、チップ
表面:ポリイミド膜)を各8個成形し、超音波探傷装置
による断面の観察、およびパッケージを切断して切断面
の顕微鏡観察を行った。ステージシフトやチップ変位量
が100μm未満のものを◎、100μm以上200μ
m未満のものを○とし、200μm以上のステージシフ
トやチップ変位が生じたものを×とした。
【0037】ボイド:160ピンQFPデバイス(外
形:28×28×3.3mm、ダミーチップ:10×10
×0.5mm、フレーム材料:42アロイ、チップ表面:
ポリイミド膜)を各8個成形し、超音波探傷装置による
観察、およびパッケージを切断しての切断面の顕微鏡観
察により、ボイドの有無を観察した。200μm以上の
大きさのボイドが観察されなかったものを○、観察され
たものを×とした。
【0038】
【表1】
【化1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】表2〜3にみられるように、実施例1〜1
0の半導体封止用タブレットを用いるとステージシフ
ト、ボイドの発生がなく信頼性が優れた半導体装置が得
られる。一方、比較例1では無機充填材の割合が80重
量%未満であるため、流動むらが生じステージシフトが
おこる。また、比較例2〜5の粉末打錠タブレットや粉
末では、空隙から生じる流動むらによるステージシフト
と空気の巻き込みからボイドの発生が著しい。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、半導体を樹脂封止する
際にステージシフト、ワイヤー流れが起こらず、かつボ
イドが発生しない信頼性の優れた半導体封止用樹脂タブ
レットを提供することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、無機
    充填材(C)を必須成分として含有し、前記無機充填材
    (C)の割合が全体の80重量%以上である半導体封止
    用樹脂組成物の溶融物を成形してなる半導体封止用樹脂
    タブレット。
  2. 【請求項2】請求項1記載の半導体封止用樹脂タブレッ
    トによって、半導体素子を封止してなる半導体装置。
  3. 【請求項3】エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)および
    充填剤(C)(ただし溶融物において無機充填剤は80
    重量%以上である)を必須成分として溶融混練して溶融
    物を得た後、前記溶融物を成形しタブレットとすること
    を特徴とする半導体封止用樹脂タブレットの製造方法。
JP9197398A 1997-07-23 1997-07-23 半導体封止用樹脂タブレット、半導体装置および半導体封止用樹脂タブレットの製造方法 Pending JPH1135799A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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